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ともに救う救急推進プラン(PDF形式:434KB)

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ともに救う救急推進プラン(PDF形式:434KB)
3
ともに救う救急推進プラン
数 値 目 標 の 設 定
少子高齢化や核家族化などによって、救急需要が増え続けるなか、救える命を救う
ため、次の数値目標を設定しました。
数値目標「ともに目指そう値」
設 定 項目
救命率
気管挿管・薬剤投与ができる救急救命
士が配置された救急隊数
不要不急の救急搬送人員
まちかど救急ステーションの設置数
AEDが積載されたポンプ隊数
現状値
ともに目指そう値
6.2%/年
10%/年
0隊
全救急隊数
11,848 人/年
6,500 人/年
114 箇所
300 箇所
4隊
全署所数
【背 景】
少子高齢化や核家族化などによって、救急需要は増え続けています。震災前の平成 6 年
の救急件数は 43,412 件でしたが、平成 16 年には 65,643 件と 1.5 倍に増加しています。
この救急件数が増加したことで、消防署にあるはずの救急車が出動中のため、119 番で
救急要請があった場合に、遠方の消防署にある救急車が駆け付ける場合が増えており、現
場到着に要する時間も長くなっています。
一般的に、心臓や呼吸が停止後、1 分間で 7~10%の割合で、生存して退院する率が低下
すると言われており、一刻も早く除細動などの救命処置を行うことが必要です。
救急要請の中には、救急隊による処置や救急車による搬送が必要ないと思われる場合も
あり、平成 17 年は 11,848 人となっています。
そのため、一刻を争う場合に、救急車を効果的に利用できるよう、増加する救急需要に
対応した取り組みを進めるとともに、救急車の実態に対する社会の認識を深める必要があ
ります。
一方、平成 4 年から救急救命士の運用を開始し、平成 13 年には、救急車に 2 人の救急救
命士が処置を行う体制を確保し、救命率の向上に努めています。医師による指示、指導、
助言の体制(メディカル・コントロール体制)のもと、薬を使った処置や気管にチューブ
を挿入し救命する処置が、一定の条件を満たした救急救命士に認められたのを受けて、高
度な救命体制の構築に向けた取り組みが必要とされています。
さらに、救命率の向上には、付近に居合わせた方(バイスタンダー)による迅速な応急
処置が効果的です。そのため、全世帯に 1 人を目標に市民救命士講習を進めています。ま
た、平成 16 年 7 月からAED(自動体外式除細動器)の使用が認められたことから、集客
施設などにAEDが配置されると効果的です。
これらの取り組みを進めることが、バイスタンダー、救急隊、医療機関へと引き継ぐ“救
命の連鎖”をより強化することとなり、救命率の向上につながります。
- 31 -
救急需要の増加対策に取り組む
?
救急出動件数
救急需要が増え、近く
の救急車が出動中の場
合が多くなっています。
平 成 16 年
1.5 倍
平成 6 年
消防署
出動中!
緊急性のない不要不急の
救急要請を減らし、
みんな
で“救える命”を救いまし
ょう!
救急車はタクシーではありません!
救命の連鎖を強化する
市民・企業は…
素早い
通 報
消防は…
素早い
応急手当
素早い
救急処置
市民救命士による
迅速な応急処置
まちかど救急ステーション
医療機関は…
素早い
医療処置
医療機関への引き継ぎ
気管挿管
薬剤投与
119 番
救急救命士による
高度な救命処置
AEDの活用
- 32 -
【重点方針】
①救命率 10%台を目指す。
②救急救命士の救命技術を高める。
③救急需要に対する取り組みを推進する。
④AEDを活用した市民救急を進める。
重 点 戦 略
1
高度で充実した救命
具
体
的
施
策
施策 No.15
救急救命士の処置範囲拡大への対
応
施策 No.16
救急救命士の養成
施策 No.17
救急ワークステーションの推進
施策 No.18
救急車適正利用の広報強化
施策 No.19
消防救急体制の充実
施策 No.20
まちかど救急ステーションの推進
施策 No.21
消防隊用AEDの整備
体制の推進
2
3
救急需要対策の推進
AEDの推進
- 33 -
重点戦略 1
高度で充実した救命体制の推進
病院前救護において、救命効果の一層の向上を図るため、救急隊の救命技術の向上が必
要です。
そのため、病院の医師から救急現場に対して、常時、指示、指導・助言ができる体制を
確保します。その上で、救急隊が行った処置内容を医学的な観点から検証し、その結果を
救急活動に生かす事後検証の取り組みを進めます。また、救急救命士の救命技術と災害対
応能力を維持向上させるために、医療機関において 2 年間で 128 時間の教育訓練を進めま
す。さらに、気管挿管や薬剤投与といった高度な処置が行える救急救命士の教育訓練(病
院実習など)を行い、すべての救急隊での運用を進めます。
一方、傷病者の付近に居合わせた方(バイスタンダー)の素早い応急手当が、救命に効
果的なため、全世帯に 1 人を目標に市民救命士講習を推進します。また、一般の方にも使
用が認められたAEDの民間施設への普及や取り扱い研修を推進します。
【各主体に期待される主な役割】
・家庭内で発生したケガや事故の応急手当を実践する。
・機会をとらえて応急手当講習会へ参画する。
家庭・地域
・AEDを活用する。
・救急救命士の病院実習(気管挿管など)への理解に努める。
・緊急時に備えてAEDの設置を進める。
企業・学校 ・災害医療における医療機関と行政との連携活動を進める。
・医療機関は、救急救命士の教育訓練(病院実習など)体制の充実に努める。
消防
・高度な処置(気管挿管・薬剤投与)が行える救急救命士を育成する。
・救命技術を高めるための救急活動の検証や災害対応能力の向上を図る研修
を推進する。
・災害医療(医療従事者)や市民処置と連携した訓練・研修を推進する。
【具体的施策】
施 策項目
内
容
救急救命士の処置範囲拡大へ 「気管挿管」及び「薬剤投与」ができる救急救命士を養
の対応(施策 No.15)
成し、全救急隊に配置できる体制を整備する。
救急救命士の養成
(施策 No.16)
救急救命士常時 2 名乗車体制を維持するため、定期的に
救急救命士の養成を行う。
救急ワークステーションの推 中央市民病院にて、救急救命士の再教育と日常の救急業
進(施策 No.17)
務を行う「救急ワークステーション」を推進する。
- 34 -
重点戦略 2
救急需要対策の推進
少子高齢化や核家族化などによって増え続けている救急需要に対する取り組みが求めら
れています。年間 65,000 件を超える救急需要の実態として、一刻を争うような救命救急の
場合から、マイカーやタクシーで対応できると思われる緊急性の感じられない要請まで
様々あります。
そのため、救急車の利用実態を広報し、緊急性のない不要不急の救急車の利用を減らす
取り組みを進めます。また、病院間相互の転院に際して、往々にして救急車が利用されて
いますが、この需要を民間の患者移送サービスが担うよう民間のサービスを充実する必要
があります。
さらに、今後も少子高齢化の進展や核家族化などを背景に、救急サービスの需要は益々
増えていくと考えられることから、民間の患者移送サービスと救急車の役割分担と連携を
図るなど、救急体制の工夫を進めていく必要があります。
【各主体に期待される主な役割】
・救急車の実態について理解を深め、不要不急の利用をなくす。
・家庭内事故を防ぐ知恵や予防救急について家庭の理解を深める。
家庭・地域
・健康相談などを含めて、かかりつけの医師を持つ。
・必要に応じて民間の患者移送サービスを利用する。
・予防救急の取り組みや健康管理の体制を充実する。
企業・学校 ・民間の患者移送サービスを利用する。
・企業・学校での市民救急講習を推進する。
消防
・不要不急の救急車の利用など、救急車の利用実態を情報発信する。
・家庭内事故の予防など、予防救急の啓発を推進する。
・民間の患者移送サービスと救急車との役割分担と連携を図る。
・増加する救急需要に対応した救急体制づくりを推進する。
【具体的施策】
施 策項目
救急車適正利用の広報強化
(施策 No.18)
消防救急体制の充実
(施策 No.19)
内
容
市民救命士講習などで適正利用を広報することにより、
不要不急の救急を抑制する。
少子高齢化や核家族化などによって増加する救急需要に
対応するため、消防救急体制の充実を図る。
- 35 -
重点戦略 3
AEDの推進
心臓が突然止まった場合に、安全で簡単に心臓に電気刺激を与え、救命できるAED(自
動体外式除細動器)の使用が一般の方に認められました。
そのため、企業や地域でAEDの設置を進めていますが、誰もがAEDを利用できるよ
う設置されている場所には、
“まちかど救急ステ-ション”として、標章を掲示するように
しています。欧米では、AEDの設置が進んでおり、例えばシカゴのオヘア空港などでは、
1 分程度で取りに行ける間隔でAEDが設置されています。
また、安全で簡単に使用できるAEDの操作方法を取り入れた市民救命士講習を進める
とともに、AEDの設置場所を広報するなど、企業や地域でAEDが使いやすい環境づく
りを進めます。
【各主体に期待される主な役割】
・AEDの使用方法を理解し、緊急時に使用できるよう取り組む。
家庭・地域 ・地域のまちかど救急ステ-ションとしてAEDの設置を推進する。
・救急インストラクタ-を核として地域に密着した研修を進める。
・まちかど救急ステ-ションとしてAEDの設置を推進する。
企業・学校 ・地域と連携した応急手当訓練を実践する。
・企業・学校における市民救急講習を推進する。
消防
・AEDの啓発やまちかど救急ステ-ションの取り組みを進める。
・AEDの操作方法を取り入れた市民救命士講習を推進する。
・AEDの設置や使用に関する情報を発信する。
【具体的施策】
施 策項目
内
容
まちかど救急ステーションの 事業所などにAEDの設置を促進し、まちかど救急ステ
推進(施策 No.20)
ーションの取り組みを進める。
呼吸や脈拍の停止した傷病者への救急出動は、救急隊と
消防隊用AEDの整備
消防隊が出動していることから、消防隊が救急隊より先
(施策 No.21)
に現場到着する可能性を考慮し、消防隊用AEDを整備
する。
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