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異グ連(神奈川県異業種グループ連絡会議)の新たな挑戦
神奈川異グ連の新たな挑戦 神奈川県異業種グループ連絡会議 専務理事 芝 忠 神奈川県異業種グループ連絡会議(異グ連)は23年前の昭和59年(1984)に設立された任 意団体ですが、単に県内の異業種交流グループの情報交換の組織としての活動だけでなく、 時代と企業のニーズに合わせた新しいテーマを次々に設定しては取り組んできました。あた かも企業が市場のニーズに合わせて新商品やサービスの開発に取り組んでいるのと相い通 じるものがあります。例えば「国際交流」や「事業化プロジェクト」「地域産学交流サロン」など です。国際交流は設立当初、恒常的な交流の広がりを全く予想していない分野でしたが、韓 国・中国・ベトナム・ミャンマー・シンガポールなどへ広がりました。また事業化プロジェクトは他 府県の異グ連組織にあまり例がない新しい組織形態の交流手法で、それも最高時、百近い プロジェクトグループを設立するという効果を引き出しました。全国的に有名になった「航空・ 宇宙開発関連部品調達支援プロジェクト(略称:まんてんプロジェクト)」もこの手法です。地域 産学交流サロンは異グ連という全県的な連合体としては異例の地域密着型の交流場所を設 定するという発想で、現在、横浜・川崎・横須賀・小田原・異グ連事務所(横浜市中区尾上 町)の5か所で展開しています。 今年度からさらに新たな事業方向として、第1は「中小企業振興条例」づくりです。既存中小 企業や新規創業者にとって、まだまだ経営環境は厳しく、効果的な施策展開を求める声は少 なくありません。丁度、神奈川県当局が条例化を進めるというタイミングに合わせて取り組ん でいます。 第2は「中小企業の人材確保・育成」プロジェクトの設立です。大手企業の「景気好転」ととも に逆に中小企業の人材不足が深刻となっています。そこで過去の経験踏まえ、新たな発想で 中小企業の人材確保対策に取り組むこととしました。本年3月に横浜国立大学と連携してイ ンターンシップやドクターの活用セミナーを開催し、大学側との新たな連携策が浮かびました。 また異グ連傘下のグループからは、地域で就職出来ない子供の情報やら、大手企業を2∼3 年で退職してしまう子供など、新しい「産学連携」の形態として取り組みたいと考えています。 中小企業からの期待は大きなものがあります。 第3は「販売促進事業部」の設立です。川崎のグループの協力を得て新たな窓口を設置し ます。同グループには商社や百貨店などの販売経験の人が多数おり、強力な助っ人になると 思います。 第4には、やはり川崎のグループからの提案によるもので、「地域カード」を導入し、商店街 等との連携を強化する事業です。すでに12万人ほどの会員が加盟しており、大手カード会社 との連携も行っています。差し当たって異グ連が地元で展開している横浜野毛地域飲食店活 性化プロジェクトの協力を得て、野毛地域の飲食及び物販店との連携を考えています。消費 者もお店も両方得する方向での取り組みです。異グ連の会員サービスと商店街の活性化に 貢献可能です。たまったポイントは地域福祉やエコマネーに還元され、いわゆるクレジットカー ドの性格ではありません。 現在、全国の異グ連組織は30程で、残念ながら減少傾向にあります。解散した他府県の異 グ連組織の教訓も踏まえつつ、新たな模索と実験に挑戦して行きたいと思っています。