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本文は - 化学と生物

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本文は - 化学と生物
【解説】
ファージを利用した青枯病防除技術の開発
巨大ファージ RSL1 と繊維状ファージ RSMs の有効性
山田 隆
病原菌を自然界の天敵ファージを用いて駆除する技術
(フ ァ ー ジ セ ラ ピ ー, フ ァ ー ジ バ イ オ コ ン ト ロ ー ル) の 研
究・技術開発が欧米を中心に急激に再燃している.長年の抗
生物質を中心とした薬剤使用によって自然界に蔓延した膨大
な薬剤耐性菌への対応策である.すでにファージによる多剤
耐性菌感染治療の成功例が蓄積し,微生物ウイルス国際学会
(第 一 回,2010 年 6 月 パ ス ツ ー ル 研 究 所, フ ラ ン ス; 第 二 回
2012 年 6 月 ブ リ ュ ッ セ ル, ベ ル ギ ー) で の 主 要 ト ピ ッ ク ス と
なり,大きな潮流が起ころうとしている.本稿では,農業分
野で大きな問題となっている青枯病のコントロールをめざし
て,ファージを利用した「診断・予防・防除」システムの開
発 動 向 を 紹 介 す る. 特 に 巨 大 フ ァ ー ジ RSL1 と 繊 維 状 フ ァ ー
ジ RSM1‒3 を 用 い た 持 続 的 な 病 原 菌 制 圧 と 植 物 予 防 効 果 に つ
いて解説する.
農業分野においても,農薬の過剰使用による環境汚染・
生態系破壊,耐性菌増大,残存農薬による健康への悪影
響に加え,消費者の食に対する信頼を回復するべく,
2002 年の農薬取締法改正後,農薬使用・開発のあり方
が厳しく問われている.最も重要な植物病害の一つに青
枯病がある.青枯病菌(
) は,
ナス科やマメ科など経済的に重要な農作物を含む 50 科
200 種以上の植物に感染し,世界各地で甚大な被害をも
たらしている(ジャガイモ被害,年間 950 億ドルの損
失)
.青枯病の特徴は,土壌中の病原菌が生長期植物の
根部から導管に侵入し,増殖と急速な移動を繰り返し,
導管内部にバイオフィルムを形成して大量の多糖質
(EPS)によって導管を閉塞し通水機能を遮断すること
はじめに
近年の抗生物質・薬剤耐性菌の蔓延が引き金となり,
にある(8)(青枯れまたは立枯れと呼ばれる)
.収穫期を
前にした夏場に多く発生するので被害は深刻である.
元々は,熱帯,亜熱帯など温暖な地域に発生したが,近
病原菌を自然界の天敵ファージを用いて駆除する技術の
年では地球温暖化傾向の中で,被害地域は大きく拡大
研究・技術開発が欧米を中心に注目を集めている(1∼7).
し,また寒冷地に適応した青枯病菌株も多く報告されて
Biocontrol of Bacterial Wilt Disease : Utilization of Jumbo Phage
RSL1 and Filamentous Phage RSMs
Takashi YAMADA, 広島大学大学院先端物質科学研究科
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
いる(9).一度病害が発生すると病原菌は長期にわたり土
壌中に滞留し病害を繰り返す.その防除に使用されてき
た主農薬は劇物(土壌燻蒸剤)であるクロルピクリンや
371
臭化メチルであったが,後者はオゾン層破壊物質であ
り,2005 年に生産および使用が中止となっている.有
効な防除対策がないまま,青枯病菌の蔓延と農作物生産
低下による地球規模の食糧不足が危惧されている.した
がって,ここに病原菌に高い特異性を示す,安全かつ持
続的な代替農薬・防除技術の開発が強く望まれている.
その有力候補として,筆者らは青枯病菌特異的バクテリ
オファージの利用に着目した.まず,
(1)自然界からの
多種のファージの分離,
(2)ゲノム解読によるファージ
の高度な特徴づけ,
(3)ゲノム情報を基にした感染特
性・ 宿 主 と の 相 互 作 用 の 分 子 基 盤 の 理 解 の も と に,
ファージの特性を生かした青枯病菌バイオコントロール
技術「診断・予防・防除」の開発を行った(10, 11).ここ
では主としてファージを用いた予防・防除技術について
述べる.
青枯病菌ファージの多様性
図 1 ■ トマト農場でのファージサンプリング
チ ェ ン マ イ(タ イ) 郊 外 の ト マ ト 農 場 で の サ ン プ リ ン グ 風 景
(2013 年 2 月)
.雨期には稲作,乾期にはトマトの大規模な栽培が
行われる.青枯病が一度発生すると一帯はトマト栽培ができなく
なる.
る.また,ファージストックが大きいほど臨機応変の持
青枯病菌は宿主域によって 5 つのレース(race), 糖類
続的なバイオコントロールが可能となる.各ファージタ
(二糖,糖アルコール)の代謝型によって 6 つの生理型
イプについて,以下その特徴と応用範囲について述べ
(12)
(biobar)に細分される
した(
,
.さらに,遺伝子情報を基に
,
,
)4 つの系統型(phylo-
(13)
type)にも区別される
る.
.日本には主として race 1, 3,
1.
Inoviridae
4 ; biovar 3, 4, N2 : phylotype I, IV が分布している.こ
このファージのグループは,大腸菌の M13 ファージ
のように多様な宿主菌に感染するファージもまた多様で
に代表されるが,約 6 ∼ 9 kb の一本鎖環状 DNA をゲノ
あ る. 筆 者 ら が 研 究 を 開 始 し た 2005 年 当 時 ま で に
ムとする繊維状ファージである.宿主の IV 型線毛(pi-
ファージの報告はいくつかあった(14, 15).それらはいず
lus)を受容体として感染し,複製型二重鎖ゲノムから
れ も 実 体 は 不 明 で,宿主域は狭かった.多種多 様 な
ローリングサークル型の DNA 複製を行う.ファージ粒
ファージの取得を目的として,異なる race, biovar の青
子タンパク質は細胞膜上で会合し,生成されたファージ
枯病菌株計 15 株を宿主検定菌として,広島県,愛媛県
粒子は細胞外に放出される (17, 18).したがって,この
を中心に行った筆者らのスクリーニングで多数のファー
ファージ感染では宿主細胞の溶菌は起こらない.感染菌
ジプラークを検出した.ファージ粒子の形状,ゲノムの
は生きながらファージを生産することになる.M13 を
性状,感染特性,ゲノム配列などから,それらは Ino-
利用したベクター系,ファージディスプレイ技術などに
viridae, Podoviridae, Myoviridae, Jumbo phages(Myo-
見られるようにこの種のファージは極めて有用である.
viridae)
, Siphoviridae の 各 ウ イ ル ス 科 に 分 類 さ れ
筆者らは,青枯病菌では小型のファージ RSS(6.6 kb)
(11, 16)
.また最近(2013 年 2 月),JST 戦略的国際科学
と中型の RSM(9.0 kb)が取得できた(図 2A, B).RSS
技術推進事業 JST/BIOTEC「バイオテクノロジー」研
の複製領域を用いたクローニング用ベクター(pRSS12
究で行ったチェンマイ(タイ)トマト農場での大規模サ
など)は極めて安定であり,選択圧の利用できない土壌
ンプリングでは計 13 種のファージを取得した(図 1)
.
環境,植物体内などでの利用に特にメリットがある(19).
その大半は,Podoviridae 科のファージであったが新し
GFP 遺伝子などの蛍光標識を導入したファージやプラ
いタイプの jumbo phage も発見した.ファージはその
スミドは青枯病菌の高感度検出,植物体内,自然環境中
特性に応じて,病害菌のバイオコントロールに使い分け
での菌体モニタリングなどにも有効である(20).一方,
る必要がある.そのためにはファージ自体を,そのゲノ
RSM は以下に述べるように青枯病ワクチンとして有用
ム情報や感染特性,変異機構などにより,高度に特徴づ
で あ る. ま た, よ り 小 型 の 青 枯 病 菌 繊 維 状 フ ァ ー ジ
ける(ゲノム情報,感染特性,変異機構など)必要があ
PE226(21)も報告されている.
た
372
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
E
A
B
C
D
図 2 ■ 青 枯 病 菌(
)に感染するさまざまな
ファージ
F
繊 維 状 フ ァ ー ジ(inovirus)RSS1
(A), RSM1 (B); P2 型 myovirus
RSA1 (C); T7 型 podovirus RSB1
(D); 大 型 jumbo フ ァ ー ジ RSL1
(E); λ 型 siphovirus RSC1(F) な ど
が 検 出 さ れ た.Bar = 100 nm. TS :
tail sheath.
2.
置,遺伝子構成に大きな多様性があり,頻繁な組み換え
Podoviridae
この科のファージのうち大腸菌 T7 型ファージが青枯
が示唆された.宿主域が非常に広いものから,限定され
病菌で高頻度に検出された.小型の正二十面体ヘッドに
た株にのみ感染するものまで多彩であった.宿主域の広
短い尾部を有するのが形態的特徴であり,ゲノムは 30
いものはバイオコントロール剤として有望である.
∼ 60 kbp の 二 重 鎖 DNA で あ る(図 2D).T7 型 フ ァ ー
ジにおいてはゲノム上に自前の RNA ポリメラーゼ遺伝
子が存在し,感染サイクルにおいて中期‒後期遺伝子発
(22)
3.
Myoviridae
大腸菌の T4, P1, P2 などに代表されるこの科のファー
.溶菌性が極めて高く,寒天プレー
ジは,比較的大型ゲノムを有する溶菌性の強いものが多
ト上に大きな透明プラークを形成し,基本的に溶原化サ
い.頭部‒尾部‒微繊維構造を呈し,宿主吸着後,尾部が
イ ク ル を 有 さ な い.筆者らは,宿主域およびゲ ノ ム
収縮することによってファージゲノムを宿主細胞内に注
DNA 制限酵素切断パターンの異なる 20 種以上のファー
入する(26).青枯病菌に検出された myovirus の中で特に
ジ を 単 離 し た. 取 得 し た フ ァ ー ジ の う ち,RSB1(23),
大型のもの(ゲノムが 200 kbp 以上)は,本稿において
RSB2, RSB3, RSK1 のゲノム解読結果を比較すると,遺
jumbo ファージとして別括りとする.RSA1(図 2C)は
伝 子 構 成 は RSB2 が 比 較 的 T7 型 に 近 い の に 対 し て,
特殊な尾部構造をもつファージとして認識されたが(16),
RSB1, RSB3 は RNA ポリメラーゼ遺伝子が中期発現モ
これは粒子の不安定さに起因し基本的に P2 ファージに
ジュールに移動しており,緑膿菌に特徴的なファージ
類似している.約 40 kbp の二重鎖 DNA をゲノムとし,
KMV(24) に類似していた.このタイプでは前期‒中期‒
その末端に
後期における RNA ポリメラーゼの使い分けが全く不明
第 1 号となった GMI1000 株の中には 4 種のプロファージ
現を独自に行う
(23)
配列を有していた.青枯病菌ゲノム解読
.さらに,RSK1 は RNA ポリメラーゼ遺伝子
配列が検出されていたが(27),そのうちの一つ(RSX と
を有さず,遺伝子からの転写は宿主に依存している.ま
命名)が RSA1 に高い相同性を示した.遺伝子構成は基
た,通常の溶菌酵素系(lys)に加えて特殊な糖鎖分解酵
本的に P2 型であり,溶原化サイクル遺伝子を保持して
素遺伝子を有し,これは以前報告された青枯病菌の
いたが,RSA1 自体はファージリプレッサーによる制御
である
(25)
ファージ P4282 の溶菌酵素に一致する
.したがって
を解除されたエスケープ変異株であり,溶原株を含め検
RSK1 は P4282 に近いファージと言える.このグループ
定菌株全 18 株に感染した.溶原性が抑圧される限りに
のファージゲノムは基本的に class 1(初期遺伝子群)
,
おいてバイオコントロール目的に有用である.
class 2(DNA 代謝遺伝子群)
,class 3(構造形成遺伝子
群)の 3 つの機能モジュールから成り立つが,その配
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
373
4.
以下にこのファージの特徴と利用の実例について紹介す
Jumbo Phage
最近数年来,次々と大きなファージが報告されるよう
る.
になった.ゲノムサイズ 200 kbp 以上のものはたとえ
ば,
ファージ ϕKZ(280 kbp),
1.
ゲノムの特徴
Vibriophage KVP40(245 kbp)
,
phage
ファージ RSL1 について,そのゲノム 231,255 bp を決
EL(211 kbp),
phage
定し 343 個の ORF を検出した(AB366653).図 3 に示す
ϕSMA5(250 kbp), Yersinophage ϕR1‒37(270 kbp)な
ようにゲノムは大きく 4 つの領域(I ∼ IV)に分かれ,
どである.これらの大型ファージには今のところ共通構
遺伝子は機能ごとにゲノム上に集約されているように見
造,遺伝子構成は見られず系統的関係は不明である.こ
えるが,多くは機能未知のままである(29).塩基配列相
(28)
れらファージ(jumbo pharge と定義
)の研究は始
同性からは,脂質,糖鎖,補酵素,ポリアミンなどの代
まったばかりであり,新規な感染機構,宿主相互作用,
謝系遺伝子が含まれる.DNA マイクロアレイ解析に
生態系への影響が興味深い.青枯病菌に対しても,プ
よって,各遺伝子の経時的発現(感染早期発現型と後期
ラーク検出時に上層寒天濃度を 0.45% 程度に下げ,大型
発現型)
,持続的宿主抑制状態における特異的遺伝子発
粒子の拡散を促進させることでこの種のファージ検出が
現(12 個 の 高 発 現 遺 伝 子) な ど の デ ー タ を 得 て い る
可能となった.これまでに筆者らは RSL1(240 kbp)
(GSM567022‒GSM567026).
(図 2E)と RSL2(224 kbp)の全く異なる 2 種類を検出
した.RSL1 についてはその特徴とバイオコントロール
2.
への応用例を後述する.
構造特性
フ ラ ン ス CNRS の IBS(UMR 5075) 電 子 顕 微 鏡 グ
ル ー プ(Schoehn 研 究 室) と の 共 同 研 究 に お い て,
5.
Siphoviridae
RSL1 の cryo-EM-イメージ 3D 再構成を行った結果,
自然界より分離した青枯病菌には多くのプロファージ
= 27 という珍しい構造をもつことが判明した. = 27
が存在する.細胞培養中の刺激(温度変化,光照射,薬
のファージはこれまで jumbo phage である ϕKZ ただ一
剤処理,他ファージ感染など)
,菌株保存過程での凍
つしか知られておらず(30),しかも RSL1 と ϕKZ の粒子
結/溶解処理などによって,容易にファージは誘発され
構造は全く異なるものであったため,これまでに報告例
る.この意味で宿主域検定などでインプットファージと
の な い 新 奇 な 構 造 を 有 す る こ と が 示 さ れ た(図 4).
出現ファージの同一性を常にチェックする必要がある.
RSL1 の頭部は少なくとも 5 種のタンパク質から構成さ
RSC1(図 2F) は RSB1 フ ァ ー ジ を 感 染 さ せ た MAFF
れ,その中には三脚サブ構造や粒子表面にキノコ状突起
301558 株(青枯病罹患ジャガイモからの分離株,race
の特殊な修飾構造が観察された.このような RSL1 カプ
3, biovar N2, phylotype IV に属する)から出現したプ
シドの独特な構成が,高い粒子安定性(特に熱(後述)
)
ロファージであった.約 40 kbp の二重鎖 DNA 末端には
の要因であると考えられる.さらに RSL1 尾部では,頭
配 列 を 有 し て い た. 長 い 非 収 縮 性 尾 部 を 有 す る
部に近い特徴的な尾繊毛(wisker)が存在し,直接細胞
ファージ粒子は大腸菌 λ ファージと類似していた.宿主
表面に接触している tail fiber を安定的に固定する機能
域は広いが(供試 20 菌株中 80% に感染),この種の溶原
を果たしていると考えられる.先端がかぎ爪型となって
性ファージはバイオコントロールには適していない.
いる spike と長い tail fiber は,吸着の際に有利に働くと
思われる.このように宿主に吸着しゲノムを挿入する際
ジャンボファージ RSL1 の特徴と青枯病コントロール
の高度なメカニズムは,特に大きなゲノムを挿入する
jumbo phage にとって,重要であるのかもしれない.
上述のように RSL1 はゲノムサイズ 240 kbp(λファー
ジの約 5 倍)もある大きなファージであった.感染サイ
クルに約 3 ∼ 4 時間を要し,これは宿主の増殖倍加時間
3.
感染特性
RSL1 は特徴的な感染パターンを示す.比較のため,
より長い.この理由もあって溶菌性ファージでありなが
異なるタイプのファージ 3 種(RSA1, RSB1, RSL1)の単
ら,宿主の増殖を抑制しながら一定の共存状態を持続で
独,および混合剤(phage cocktail)を用いて各種青枯
きる.この効果は青枯病の防除に極めて有効であること
病菌株に感染させ,その増殖を調べた結果,RSA1 や
がわかった.さらにこのファージの宿主域は非常に広く
RSB1 による早期の溶菌が引き起こされた場合,約 30 時
基本的にすべての試験株(19 株)に溶菌性を示した.
間後に耐性菌の出現が顕著となる.しかしながら RSL1
374
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
図3 ■ 青枯病菌ジャンボファージ
RSL1 のゲノム地図
231,255 bp の dsDNA 上に 343 個の
ORF を検出した.ゲノムは大きく 4
つの領域(I ∼ IV)に分かれている.
データベースに相同性を示す遺伝子
が少なく,珍しいファージである.
図 4 ■ Cryo 電顕解析によるジャンボ
ファージ RSL1 の構造モデル
頭部は少なくとも 5 種のタンパク質か
らなる正二十面体( = 27)であり,
特殊なキノコ型突起が見られる(A)
.
尾部には特徴的な尾繊毛(wisker)が
存在し(B),スパイクは先端がかぎ爪
型となっている.複雑な構造は大型ゲ
ノムの保持と宿主挿入機能と関係して
いると思われる.また,RSL1 は高度
な熱耐性と粒子安定性を有し,構造と
の関係が興味深い.尾繊毛(wisker)
先端部分(C, D 横向き矢印)は尾部収
縮のストッパーとなっている(D, カ
ギマーク).DNA 注入孔が明確に見え
る(C, 下向き矢印)
.
を単独で用いた場合,適当な条件でのファージ投与によ
り,増殖抑制は実験室条件下 2 週間以上も継続した(図 5)
.
4.
青枯病コントロールへの利用
RSL1 感染による持続的細菌増殖抑制効果に注目し,
すなわち,phage cocktail を用いた耐性菌抑制は長期間
実験室レベルでのトマトを用いた青枯病菌モニタリング
にわたる青枯病菌増殖コントロールには必ずしも有効で
とファージによる予防効果を検証した(図 6)
.トマト
はなく,RSL1 の単独感染で持続的細菌増殖抑制が見ら
実生を用いた青枯病菌接種(コントロール)では,24
(31)
れた
.RSL1 感染下では細菌の増殖とファージによる
溶菌が平衡状態にあると解釈される.
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
時間後に導管内侵入・増殖が顕著となり,72 時間で菌
体が主根から漏出し,96 時間で胚軸と,小葉は完全に
375
図 5 ■ 青枯病菌の増殖に及ぼすファージ
の影響
対数増殖初期(OD600 = 0.3, 矢印)に単独,
もしくは混合剤(cocktail)としてファー
ジを添加した.RSL1 単独で感染させた場
合,低菌体レベル状態が長期にわたり継続
した.
図6 ■ 青 枯 病 菌 モ ニ タ リ ン グ と
ファージによる予防効果
トマト実生(A)を用いた GFP 標識青
枯病菌接種(B, コントロール)では,
24 時間後に導管内侵入・増殖が顕著
となり,72 時間で菌体が主根から漏
出し,96 時間で胚軸と,小葉は完全
にしおれた.一方,ファージ処理ト
マト(C)では,細菌接種後 120 時間
でも細菌侵入・増殖は顕著とならず,
側根が生長し 288 時間後も病徴は皆
無であった.
しおれた.一方,ファージ処理トマトでは,細菌接種後
然環境下における持続安定性も保持している.土壌に付
120 時間でも細菌侵入・増殖は顕著とならず,側根が生
与する場合には,紫外線によるファージの失活を大幅に
長し 288 時間後も病徴は皆無であった(図 6C)
.その
軽減できる(32).
後,ポット移植したトマトは 1.5 カ月後も健全に生長し
た.このように植物の生長初期段階での RSL1 処理は青
枯病予防に極めて効果的であることが判明した.一方,
5.
病原菌のファージ耐性への代償(コスト)
ファージを用いるうえで耐性菌の出現が問題視され
ファージを現場で使用する場合,自然環境下における安
る.当初,そのような視点から耐性菌の出にくい条件
定性のデータが必要となる.上記,トマト 2 被験体から
(た と え ば,phage cocktail の 使 用) を 検 討 し て き た.
4 カ月後,ファージの検出を行った.2 被験体とも根部,
しかし,青枯病の予防・防除においては,ファージ耐性
根圏土壌から一定量の RSL1 ファージが安定的に検出で
は比較的問題にならないかもしれない.青枯病菌におけ
きた.また土壌存在下でのファージの安定性に及ぼす温
るファージ耐性機構を調べるために,トランスポゾン
度の影響を RSA1, RSB1 と RSL1 を比較し調べたところ,
(EZ-Tn5 Transposome)を用いたランダム変異ライブ
28̊C で は そ れ ら の 間 で は 大 差 が な か っ た が,37̊C で
ラリーを作成し,各種ファージに対する耐性菌を多数選
RSA1 と RSB1 は 不 安 定 と な り,50̊C で RSL1 の み が 顕
別し 5 つの変異座を同定した(33).その結果,それらの
著に高い温度耐性を示した.青枯病が発生する夏場での
多くはリポ多糖生合成系に関与しており,ファージとの
ファージの安定性は重要である.このように RSL1 は自
相互作用におけるリポ多糖の重要性が示唆された.そし
376
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
て興味深いことに,これらの耐性菌の,トマトを用いた
病原性を調べたところ,いずれの変異においても完全に
病原性は失われていた.この結果は,リポ多糖が青枯病
菌の病原性発現において重要な因子であるという報
告(34) と一致する.結局,ファージ耐性を獲得した青枯
病菌はそのコストとして病原性を失うことになったわけ
である.したがって,ここにファージの病害防除・予防
効果は二重に期待できる.ちなみに,青枯病菌において
は CRISPR 配列(35) は希であり,この機構によるファー
ジ耐性の可能性は低い.
繊維状ファージ RSM1 と RSM3 の特徴と青枯病
ワクチン利用
病原菌の非病原性変異株を用いて拮抗的に病害を予
防・防除する方法は,バイオコントロールの常套手段で
ある.非病原性変異株を植物と接触させることによっ
て,植物生来の自己防御機構を発動させて強病原性菌に
対抗させるのは「植物のワクチン」効果とも言えよう.
病害発生現場より病原菌を分離し,その場で非病原化し
て周辺の未感染植物に接種し,病害の拡大を防ぐことが
できればその効果は大きい.青枯病を対象に RSM1 と
RSM3 を用いてこの方向の技術開発を行った.
1.
図 7 ■ 繊維状ファージ RSM1 のゲノムマップと RSM-ORF15 に
よる病原性抑制機構モデル
ゲノムの特徴
RSM1, RSM3 は約 9 kb の環状一本鎖 DNA をゲノムと
する inovirus である.RSM1 のゲノム地図を図 7A に示
す(RSM3 もほぼ同様)
.M13 型遺伝子配置(複製,構
(17, 18)
造,会合・分泌各モジュール)
に加えて 2 カ所の挿
入領域があり,複製モジュール内の挿入領域にはインテ
グラーゼ(
,
)
, ファージ組換え部位(
び転写制御因子(
P), およ
)がコードされていた(36).
P
は tRNA(Ser/UCG)の 3′ 末 12 b に相当し,宿主ゲノム
の対応 tRNA 遺伝子(
B)座に組み込まれる.RSM1
(A)RSM1 ファージゲノムには M13 型遺伝子配置(複製,R ; 構
造,S ; 会合・分泌各モジュール,A-S)に加えて 2 カ所の挿入領
域があり,複製モジュール内の挿入領域にはインテグラーゼ( ,
)
, ファージ組換え部位( P), および転写制御因子(
)
が コ ー ド さ れ て い る.(B) フ ァ ー ジ 感 染 に 伴 い 転 写 抑 制 因 子
ORF15 によって宿主
,
の発現が抑制されることが病原
性低下の主因であると考えられた.
は多数の病原性遺伝子
( ,
,
,
,
)の発動遺伝子であり,
はクオラム
センシングシグナル物質 3-OH PAME の生成遺伝子である.3-OH
PAME の情報は PhcS/PhcR の 2 成分制御系を介して細胞内に伝わ
り
の 活 性 化 に つ な が る.T3SS, 3 型 分 泌 シ ス テ ム;
,
T3SS の制御遺伝子.細菌細胞膜を示す二重の線を貫通する矢印
は,物質の移動の方向を示す.
と RSM3 における大きな相違点は宿主認識コートタンパ
ある.青枯病菌株は基本的に RSM1, RSM3 のどちらか
ク質 pIII(ORF9)の配列にあった.全長 498 アミノ酸
に感受性であった(ごく一部の株は両者に感受性)
.こ
のうち N 末端側の 155 アミノ酸(N1 ドメイン)
,C 末端
のことは青枯病菌株には 2 タイプの IV 型線毛があるこ
側の 280 アミノ酸(C ドメイン)は両者で高度に保存さ
とを示している(36).RSM ファージ(RSM1, RSM3)は
れていたが,内部の 70 アミノ酸(N2 ドメイン)の配列
inovirus であるので,ファージ感染による宿主細胞の溶
(36)
に差があった
.
菌は起こらない.しかしながら,感染菌は生きながら
ファージを生産し,細胞表面から分泌放出する.当然,
2.
感染特性
増殖速度は低下し細胞表面の性質が変化する.RSM 感
繊維状ファージ粒子の末端に位置するコートタンパク
染 菌 の コ ロ ニ ー は 小 型 化 し 粘 性 が 低 下 し, さ ら に
質 pIII は宿主菌の IV 型線毛をファージ受容体として認
twitching 運動性(線毛による単収縮運動性)も大幅に
識し結合する.上記のように,RSM1, RSM3 は pIII の構
低下した.最も重要な変化は病原性の低下である.トマ
造を異にする.したがって両者の宿主域は異なるはずで
ト茎への直接接種法で見た病原性は,RSM 感染菌では
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
377
全く喪失していた(37).病原性喪失の理由を知るために,
に RSM3 を感染させた病原株(ワクチンと仮に定義)を
qRT-PCR を用いてファージ感染菌における病原性遺伝
一次接種し,一定間隔後(1 日から 2 カ月)茎の接種点
子の発現を調べた.その結果,各種病原性遺伝子に加え
1 cm 上部に未感染株を二次接種し,病徴を追跡した.
て
その結果,対照区(20 検体)においては 100% 発病し,
,
がファージ感染菌で大幅に低下している
ことが判明した.
は多数の病原性遺伝子の発動遺
ワクチン処理した植物(各実験区 20 株)では多少病徴
はクオラムセンシングシグナル物
(I-II)が見られる場合もあったが(約 10% の割合で病徴
質 3-hydroxypalmitate methyl ester(3-OH PAME)の
を観察),萎凋に至る例は一つもなかった(39)(図 8).ワ
生成遺伝子である(38).3-OH PAME の情報は PhcS/
クチン処理したトマトにおいては,各種デフェンス遺伝
PhcR の 2 成分制御系を介して細胞内に伝わり
子(
伝子であり(38),
の活
性 化 に つ な が る. すなわち, ファージ感染に よ っ て
,
の発現が抑制されることが病原性低下の主
,
因であると考えられた
の欠損(Δ
pv.
pv.
,
)が誘導され(40, 41),それ
レベルであるが,ワクチン処理したトマトで
.さらに,ファージゲノム上
)の場合だけ,感染菌における
,
ぞれ特徴的な発現パターンを示した(39).まだ予備観察
(37)
の挿入領域遺伝子をランダムに欠損させた場合,
,
および
の二次接種に対しても病害予防効
果が見られた.
の発現が正常であった(図 7B).このことから,
RSM ファージゲノム上の
,
が感染後,宿主細菌の
を何らかの機構で抑制するものと考えられ
た(37).
おわりに
気候変動,農地砂漠化,発展途上国の人口増,環境汚
染,病害増大などにより地球規模での食料不足が危惧さ
青枯病コントロールへの利用
3.
れている.安全・安心な食料を持続的に生産するために
RSM ファージ感染によって青枯病菌の病原性が抑制
は高度な技術が必要である.さまざまな取り組みの中
される.感染菌は溶菌せずファージを生産しながら生育
で,本稿で紹介した方向が少しでも役立てば幸いであ
する.ほとんどの青枯病菌は RSM1 か RSM3 のどちらか
る.重要なポイントは,植物は自然界において単独で生
に感受性を示す.これらの結果をもとに,病害発生現場
育しているのではなく,土壌微生物を含め多様な生物か
から単離した病原株を RSM ファージを用いて非病原化
らなる生態系の中にいることである.ほかの生物との相
し,周囲の未発生領域作物(根圏)に接種することに
互作用は,青枯病菌のような敵対関係のみでなく,多く
よって病害の拡大を防ぐ技術の検討を行った.トマト苗
の場合が共生的(植物を含めた生態系バランス保持)で
ある.化学合成薬剤などによる病害防除法は対象病原菌
の み で な く, 植 物 根 圏 を 守 る 善 玉 菌(Plant Growth
Promoting Microbes ; PGPM など)も無差別に除去し,
生態系を不安定にする.結果的に植物の生育に不都合な
環境が生じる.青枯病菌は土壌中遍在する.病害が生じ
るには細菌の植物への適合と細菌密度の増加の条件が揃
うことである.青枯病菌との共存を前提とし,ここにそ
の生態系での位置をファージという因子を使ってコント
ロールするという考え方が大事である.これは,青枯病
菌に限らず動植物の病原菌すべてにあてはまる.
本稿のデータは実験室レベルあるいは小スケールで得
たものにすぎず実用化に向けて実証試験中である(平成
25 年度「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業」
図 8 ■ RSM‒感染菌のワクチン効果
トマト苗に RSM3 を感染させた病原株(ワクチンと仮に定義)を
一次接種し,一定間隔後,茎の接種点 1 cm 上部に未感染株を二次
接種し,病徴を追跡した.対照区(図中の左側サンプル)におい
ては 100% 発病し,ワクチン処理した植物では萎凋に至る例は一つ
もなかった.
378
研究課題 25037B).生物農薬の開発動向と実用化におけ
る問題点については本誌(42) において詳細に述べられて
いる.本研究の一部は科学研究費助成事業(基盤 B)
24380049,および JST 戦略的国際科学技術協力推進事
業「日本‒タイ研究交流」の支援を受けた.
化学と生物 Vol. 52, No. 6, 2014
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プロフィル
山 田 隆(Takashi YAMADA) <略歴> 1977 年大阪大学大学院工学研究
科発酵工学専攻博士課程前期修了/同年
(株)三菱化成生命科学研究所(研究員,副
主任研究員,主任研究員)/1986 年米国カ
リフォルニア大学(UCLA)生物学科客員
研究員/1990 年広島大学工学部第三類化
学系助教授/1995 年同教授/2001 年より
広島大学大学院先端物質科学研究科教授
<研究テーマと抱負>生物間相互作用(共
生・寄生)の分子機構解明(ゲノムレベル
相互作用も含めて),と相互作用による新
規生物機能開発を主テーマとしている
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