...

成果報告書 - 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

by user

on
Category: Documents
27

views

Report

Comments

Transcript

成果報告書 - 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
レーザー共同研究所
成果報告書
【平成 23 年 12 月~平成 24 年 11 月】
平成 24 年 12 月 11 日
(独)日本原子力研究開発機構
敦賀本部レーザー共同研究所
目次
1.成果報告書出版にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3.活動状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
3.1 研究開発の概要と研究紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・4
3.2 各種会合の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
3.2.1 第2回レーザー共同研究所成果報告会・・・・・・・・39
3.2.2 レーザー共同研究所セミナー・・・・・・・・・・・・43
3.3 レーザー技術の普及,教育活動への貢献・・・・・・・・・・59
3.3.1 サマーサイエンスキャンプ・・・・・・・・・・・・・60
3.3.2 夏期休暇実習生受入・・・・・・・・・・・・・・・・63
3.3.3 敦賀市内中学生向け社会体験見学・・・・・・・・・・65
3.3.4 福井大学大学院工学研究科授業・・・・・・・・・・・65
3.4 企業向け展示会への出展・・・・・・・・・・・・・・・・・66
3.4.1 第7回けいはんなビジネスメッセ・・・・・・・・・・67
3.4.2 けいはんな情報通信フェア2012・・・・・・・・・69
3.5 各種見学会の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71
3.5.1 第1回レーザー共同研究所見学会・・・・・・・・・・72
3.5.2 TWI(接合溶接研究所)一行
レーザー共同研究所御訪問・・・・・・・・・・・・・74
3.5.3 第2回レーザー共同研究所見学会・・・・・・・・・・75
3.5.4 光産業創成大学院大学(加工プロセス分野)見学会・・76
3.5.5 近畿高エネルギー加工技術研究所ものづくり
支援センター一行レーザー実験室の御見学・・・・・・78
3.6 各種記事等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79
4.研究発表等リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
5.実験室整備状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103
1.成果報告書出版にあたって
敦賀本部内に標記研究所が設立され、3 年が経過し本報
告会も3回目となった。福井県内外の関係機関、団体等々
の御支援のもと、成果も尐しずつ発信できるようになっ
てきた。まず本報告書出版にあたって関係者の皆様方に
深く謝意を表する次第である。
出版にあたって、まず 3 年間にわたる活動の概要と、
当研究所が今後目指すべき方向を簡単に述べることにす
る。設立された 2009 年はもんじゅの再起動を目前に控え、
原子力ルネッサンスが提唱される状況だった。ところが
2011 年の大震災に引き続く東京電力福島第一原子力発電所の事故により、原子
力エネルギー開発の大きな流れは一変した。このような歴史的事件とも言える
状況の中でも、しぶとくかつしなやかに成果発信を目指した活動を精一杯行っ
て行きたいと願っている。当研究所は小さな実験室に閉じ籠ることなく原子
力・産業界、医療の現場で役立つ技術の開発を現場の担当者とともに目指して
いる。さらに、その努力をもう一歩広く捉えて開発の基礎である要素技術、科
学的知見の充実まで押し広げ、広く産業界等へ向けた応用に資することを目指
している。こういった研究開発の展開の中で、世界に発信できる科学的・工学
的に高いレベルの研究成果発信から個別企業の技術相談まで、当研究所に期待
される役割に真摯に取り組んで行きたいと願っている。
さて敦賀からレーザー技術の原子炉廃止措置への応用を目指した研究開発成
果の発信を目指して若狭湾エネルギー研究センター、(株)レーザックス、原子
力機構(ふげん、レーザー共同研)で共同研究体制を組んで 2 年が経過した。3
年前、設立直後の暗中模索の中でふげん廃止措置研究開発センター技術部の皆
さまに仲間に入れていただいたこと、若狭湾エネルギー研究センターから高出
力ファイバーレーザーを用いた共同研究の仲間に入れていただいたことなど、
敦賀本部を始めとして福井県内外の様々なグループの温かい御支援により、な
んとか本テーマも研究業務として離陸することができた。共同研究グループで
は厚さ 10cm のステンレス鋼の切断に成功しており、切断メカニズムも計測、計
算機シミュレーションなどにより尐しずつわかってきた。現場で役立つ技術、
重工や建設・土木にも発展する基盤的知見の取得を両立させながら進んで行く
ことを願っている。レーザー法の他の熱切断法には無い顕著な特徴は、材料照
射にあたって極めて精密な時間・空間制御が可能なことである。例えば時間的
に連続に出射される光に強度変調を加えたレーザーや繰り返しパルス照射方式
が自在に適用できる。ガス噴射、溶融物発生とその除去を目的に時間・空間的
に最適制御されたレーザー照射が様々な材料や構造物に適用されることが期待
される。また、この方式は福島で将来必要とされる溶融デブリのサンプリング、
切断除去にも適用可能と考えられ、当研究所の今後の研究開発の柱の一つに育
って行くものと期待している。筆者はこれらを通じ、レーザー技術が長期にわ
たる未曾有の国難との戦いに貢献すること、世代を超えて継続することが必須
の原子力技術と、無限の可能性を秘めたレーザー技術・光技術がより一層強く
1
結びついて行くことを願っている。
さて本研究所は設立当初より、原子力技術に端を発する複合型光ファイバー
技術を基軸にした光医療を福井大学医学部、福井県立病院等と共同して推進し
ている。福井大学では、この技術を外科の分野に新しく取り入れる試みが地元
企業の協力の下、着実に進展している。また原子炉の蒸気細管の保守保全、補
修を目指してもんじゅモックアップ施設で技術の実証を行ったファイバーレー
ザー監視・溶接技術も化学プラント補修技術転用の協力要請が産業界からあり、
原子力技術に端を発する産業技術として発展しつつある。地震や機器の振動を
長期にわたり精度よくモニターすることが可能なファイバーセンサー技術は装
着法も含めて開発が進んでいる。実際のナトリウムループへの装着など、より
進んだ実証が強く望まれる。
レーザー共同研は現場や地域から出てくる要請に従い、それに役立つ研究開
発を目標に掲げ、取り組む課題を厳選し、現場に貢献しつつ、より広い応用に
向け、開発した技術の一般化を行い、その成果を世界に発信して行くことを目
指したい。その中で現場への貢献と成果発信の好循環を創り上げて行きたいと
願っている。関係する皆さま方の一層の御支援、御指導を切にお願いする次第
である。
(独)日本原子力研究開発機構敦賀本部レーザー共同研究所
所長
大道 博行
2
2.組織
【H24.9/1 現在】
3
3.活動状況
3.1 研究開発の概要と研究紹介
(1)原子炉の溶接補修技術の開発、レーザー技術の原子力・産業利用
リーダー:西村昭彦
レーザーのパルス幅と物質との相互作用を効果的に利用することで、幅広く
プラントの保守保全技術に役立てることが出来ます。レーザーパルス幅がフェ
ムト秒では、熱影響を極めて小さな領域に限定させる高精度な加工が可能です。
この超短パルスレーザー加工を利用した温度変化や歪変化を捉えることが出来
るセンサシステムの開発を進めています。ナノ秒領域では、効果的なプラズマ
発生や衝撃波の発生が可能であり、酸化物層の除去やプラズマ発光分析に役立
つ小型可搬の装置開発を進めています。さらに、ミリ秒から連続発振の領域で
は、ファイバレーザーによる微小スポットの効果的な加熱を最大限利用して、
配管内部の減肉や溶接割れの箇所を補修できるように開発を進めています。
2011 年 3 月 11 日に東日本大震災が起こり、福島原子力発電所の被害が深刻
なものとなってから後、原子力発電所の地震に対する過酷事故対応が注目され
るようになり、現在では国論を二分する状態になっております。しかしながら
我々は、2007 年 3 月 25 日に発生した能登半島地震の時点で、かかる事態を憂
慮して震災に対する原子力発電所の防備を一層固める必要があると考えました。
一方で、地震のような突発的な外力が加わることが無くても、通常の運転にお
いても徐々にプラントには経年务化が生じます。特に原子力発電所では、放射
線環境下で熱水が鋼材表面に腐食作用を及ぼします。鋼材の溶接部は熱影響に
より強度が低下しています。鋼材に機械加工や溶接などによる残留応力がある
場合、腐食や割れが進行しやすいこと、炭素を含むステンレス鋼は特にこの傾
向が強いこと、などは日本で最初に送電を行った JPDR(旧日本原子力研究所
東海研究所)の時代より経験されてきました。配管内部に流れの断面積が急変
するようなオリフィス等がある場合、その下流域に発生する渦は配管内面を著
しく腐食させることも、死亡事故という尊い犠牲を払って得た教訓です。
現在、実験室では超短パルスレーザー加工技術を駆使して、光ファイバのコ
アに回折格子構造を描画しています。加工した光ファイバを炭化ケイ素繊維と
複合的に編み合わせることで機械的強度を向上させ、且つ、取り扱いを容易と
することに成功しました。編み合わせに関しては、福井県の地場産業である繊
維加工メーカーの協力を得ております。本年度は、建設土木関連の企業との共
同研究を通じて、配管表面への接着のための予熱ヒーター線の編み込みなど一
層の多機能化を進めています。この開発には若狭湾エネルギー研究センターよ
り支援を頂いております。炭化ケイ素繊維の開発は、我が国におけるイオンビ
ーム・電子線・ガンマ線などの放射線応用研究の中心である高崎量子応用研究
所の成果を継承したものです。これにより、500度の高温において、振動す
る配管用鋼材の挙動を捉えることが出来る高温用センサの開発に成功いたしま
した。現在は長時間運転及び急速加熱時における耐久性の検証を実施中です。
我が国では大飯原子力発電所2基を除く総ての軽水炉が稼働を停止しています。
しかしながら福井県敦賀市のもんじゅと茨城県大洗市の常陽はナトリウム冷却
炉のため、配管を200度程度に保温してナトリウムの固化を防いでいます。
4
これらの原子炉は運転予備の状態にあり、立ち上げ時には温度上昇による配管
の膨張、運転時にはポンプや流れ場に発生した渦による流体の振動、地震時に
は配管に加わる大きな外力、などが想定されます。炉の形式を問わず冷却配管
の常時監視から得られるデータは、原子炉の安全性向上に貴重な指標となるで
しょう。
また、ナノ秒レーザー領域では半導体レーザー励起固体レーザーの小型高出
力化が進んでいます。原子炉保守保全としては水中でのレーザーピーニングが
ステンレス表面の残留応力改善に役立てられています。ナトリウム冷却炉では
燃料破損時の燃料ピンの判別にレーザーによる希ガス分析技術が応用できる段
階に来ています。我々は挑戦的な課題に取り組む準備を進めています。それは
装置により対象物を把握し、且つ、その表面を観察しながら組成分析できるレ
ーザーブレークダウン分光(LIBS)分析技術の装置化です。これは、配管のよう
な狭隘部の内部に挿入して観察する映像伝送光ファイバとレーザー加工用のエ
ネルギー伝送用ファイバを同一軸上に配置した複合型光ファイバの活用です。
この特殊ファイバの開発の歴史は 12 年以上に遡り、国際熱核融合炉(ITER)のブ
ランケット補修装置に端を発しております。完成した装置の活用としては、先
ずレーザー溶接に先立って溶接個所のクリーニングに利用できます。また、溶
加材と溶接母材の元素の成分分析にも役立てることが出来ます。水中観察と水
中での LIBS の機能を持たせれば、福島原子力発電所のようなメルトダウンした
燃料デブリの遠隔分析にも役立つことから、作業員の被曝低減にも大きく貢献
することでしょう。
さらに、ミリ秒から連続発振領域では、配管内壁の減肉補修を行うレーザー
肉盛り溶接装置の開発を行っています。この開発は石油化学メーカーの協力の
もと、推進しております。1 インチ配管に挿入し、内壁の観察およびスポットで
の肉盛り溶接が可能な装置の開発に成功しました。これまでの FBR 伝熱管補修
装置に関する研究開発において開発した複合型光ファイバ、カップリング装置
に加えて、新たにレーザートーチ、ワイヤ送給機構を開発しました。レーザー
トーチは外径 15mm と 1 インチ配管に挿入時に空間的余裕を確保しており、先
端の耐熱性誘電多層膜ミラーにより壁面の観察、レーザー照射を実現しました。
ワイヤ送給装置はレーザートーチと配管の間を利用し、直径 0.4mm の溶接ワイ
ヤをレーザー照射位置に正確に送給可能です。ワイヤ送給装置は福井県の機械
装置製作メーカーの協力を得ました。レーザートーチ及びワイヤ送給装置は、
流れ腐食作用による配管減肉が生じる配管接続部近傍を対象として製作しまし
た。本年度は実プラントへの適用を見据えて、各装置の制御系の統合高度化、
レーザー、ワイヤなど肉盛り溶接条件の最適化を進めています。我が国の石油
化学プラントは 1950 年代後半に操業開始し、高度経済成長に大きく貢献しまし
た。近年、プラントの高経年化に伴い、死亡事故を含めた重大事故が多発、後
継者不足に伴うプラント操業技術、ノウハウの喪失問題が浮上しております。
これらは原子力発電所にも共通する課題です。レーザーによる配管検査補修技
術はプラント保守保全を容易にし、自動化にもつながる技術であり、この課題
の解決に貢献できる技術です。
5
(2)複合型光ファイバによる医療技術開発
リーダー:岡潔
設立当初からの主要技術のひとつが複合型光ファイバの開発と利用です。こ
の機能を最大限活用したレーザー低侵襲治療に関する装置開発は、原子炉の配
管系の狭隘部分の検査補修と共通な基盤技術として技術開発に注力してきまし
た。昨年度は複合型光ファイバを適用した医療機器を製品化及び事業化するた
めに、公的ファンドを導入し、肺の抹消にまでアクセスして光線力学的治療
(PDT)に適用できる装置を開発しました。東京医科大学において、本装置を適用
した動物実験を開始しており、実施例を積み上げています。また、今後はヒト
に対する臨床実験の実施も予定されています。並行して、同ファンドを導入す
ることで子宮体癌に対するレーザー治療可能な装置を開発しました。奈良県立
医科大学において、摘出したヒトの子宮体腔内に開発した複合型光ファイバス
コープを挿入し、臓器内部の観察と子宮体癌へのレーザー照射実験を開始して
おり、実施例を積み上げています。一方、福井大学医学部では無遮断で血管を
バイパスする手術を可能にする装置の開発を開始しました。本装置はオランダ
で開発されている装置を基に、特に、血管吻合を容易にするクリップや血管の
穴空けを確実に実施できるツールなど、既存品の改良と改善を行うと共に日本
独自の新しい装置の提案を行っています。これら医療機器開発への展開は、本
研究所に与えられた第二の目的に大きく寄与しています。
(3)レーザーによる厚板切断技術の開発
リーダー:村松壽晴
レーザー光を用いた厚板金属切断技術の確立に向けては、レーザー光と切断
対象物との相互作用、レーザー光により溶融した液体金属とアシストガス噴流
との相互作用、液体金属が固体壁に沿って排出される過程の流動特性などを適
切に把握し、これらを様々な切断条件下でコントロールすることが求められま
す。
レーザー光
Laser light
レーザー光
Laser light
ア シ ストガス
Assist gas
アシストガス
Assist gas
溶融金属流動領域
Melting metal convection area
熱伝導領域
Heat conduction area
q..
加熱
Heating
q..
溶融酸化物
Dross
冷却
Cooling
q..
溶融酸化物
Dross
レーザー切断時の主要プロセス
平成 22 年度より開始した共同研究「原子炉構造物を対象としたレーザー切断
技術の確立に向けた研究((財)若狭湾エネルギー研究センター/(株)レーザック
ス/原子力機構)」は、切断性能の更なる向上を目指して平成 23 年度に続き、平
6
成 24 年度も発展的に継続させました。この共同研究の更なる効率化を図るため、
(財)若狭湾エネルギー研究センターのご厚意により、平成 23 年 12 月に 10kW フ
ァイバーレーザーシステムをレーザー共同研究所内に移設させて頂き、厚板切
断技術に関する研究開発を加速させている状況にあります。また、レーザー切
断技術の実機適用を目指した共同研究「レーザー切断遠隔操作技術の原子炉解
体適用に向けた研究((株)スギノマシン/(株)レーザックス/原子力機構)」も平
成 23 年度に引続き発展的に継続させました。
他方、レーザー切断性能を向上させる上で不可欠なアシストガス噴流挙動の
適切化については、粒子画像流速測定(PIV : Particle Image Velocimetry)シ
ステムを用いた研究計画を策定するとともに、新たな共同研究「レーザー加工
時アシストガス噴流挙動の高精度計測(筑波大学/原子力機構)」を平成 24 年度
より開始致しました。
(4)レーザー溶接・切断技術の標準化
リーダー:村松壽晴
原子炉を含む人工構造物の設計・製造などでは、機器のコンパクト化、製造
時間の短縮、長寿命化などが求められ、これらは溶接技術に対して、狭隘部作
業性の向上、作業効率の向上、溶接部信頼性の向上などとともに、技術の標準
化を要求することになります。他方、原子炉廃止措置では、環境負荷(高レベル
放射性廃棄物量)低減、プラント解体工期短縮、狭隘部切断技術開発などが開発
目標に据えられ、これらは切断技術に対して、溶融凝固体(ドロス)の低減、作
業効率の向上、微細切断性の向上などとともに、技術の標準化を要求すること
になります。
レーザー光はその性質上、高出力、高出力密度、ファイバー伝送による遠隔
操作性などを備え、レーザー照射条件の適切化などが達成されれば、上記の要
求を一挙に解決できるポテンシャルを持ちます。しかしながら、その条件の適
切化において対象とすべきは多相伝熱流動現象を含むマルチスケール複合物理
過程であり、実験的アプローチあるいは計算科学的アプローチのみでの達成は
困難を極めると予想されます。本研究テーマはこの観点より、計算科学と高精
度実験を相補的に利用することによって、発生する複合物理過程の制御を通じ
てレーザー溶接・切断技術の標準化を図ろうとするものです。
平成 21 年度より開始した共同研究「ファイバーレーザーによる機械加工技術
の高度化研究((株)松浦機械製作所/プラズマ技研工業(株)/原子力機構)」は、
レーザー溶接性能の更なる向上を目指して、平成 24 年度も発展的に継続させま
した。
他方、レーザー加工プロセス(溶接・切断)を標準化してゆく上で不可欠な半
溶融帯における複合物理過程の定量化については、大型放射光 X 線施設 SPring-8
による高精度実験結果とレーザー加工プロセスシミュレーションコード SPLICE
による数値解析結果などを相補的に利用した評価を継続するとともに、新たな
共同研究「溶融・凝固を伴う液体金属流のための乱流モデリングに関する研究
(福井大学/兵庫県立大学/原子力機構)」を平成 24 年度より開始致しました。
7
Enthalpy
Columnar
dendrite
熱影響部
T + T’
v + v’
Nuclei
u + u’
Equiaxed
dendrite
固相
Mushy Zone
溶融池
レーザー加工プロセス時の複合物理過程
高粘性混合
浮力乱流熱混合対流支配
熱伝導支配
熱対流支配
du
du
t=m
- r u’ v’
dy
dy
(5)レーザーによる福島第一原子力発電所デブリベッド等の取出しに向けた
dT
dT
q = -l
q = -l
+ r cp v’ T’
研究
dy
dy
t=m
リーダー:村松壽晴
分子効果
分子効果
乱流効果
東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所事故では、様々な状況
証拠から炉心溶融が発生したと推定されており、今後の事故処理作業では燃料
と炉内構造物とが溶融混合凝固したデブリベッドを取出し対象とする必要があ
ります。過去に炉心溶融を起こした米国・スリーマイル島第二原子力発電所
(TMI-2)の復旧作業では、信頼性の高い解体工法として、人工ダイヤモンドカッ
ターによるボーリングマシンが利用されたものの、デブリベッドの一部は急冷
凝固によりセラミックス化しており、数多くのカッター破損が発生したと報告
されています。
原子力機構では、2012 年度における経営上の最優先課題として福島第一原子
力発電所の廃止措置に関する業務を掲げ、2012 年 4 月 1 日に、原子力科学研究
所、核燃料サイクル工学研究所及び大洗研究開発センターに、それぞれ福島技
術開発特別チームを設置しました。この内、大洗研究開発センター福島技術開
発特別チームには、デブリベッド及び炉内構造物の切断技術に係わる研究開発
を行う炉内解体技術グループが設置され、レーザー共同研究所は同グループが
行う研究開発の内、レーザーを用いたデブリベッドなどの取出しに関する研究
開発を始めています(平成 24 年 9 月)。
レーザー切断は、直径 1mm 程度に集光したレーザー光を熱源とするため、二
次廃棄物量が尐なく局所加工性に優れ、ファイバー伝送が可能なことから遠隔
操作性にも優れています。またレーザー照射条件の変更により、靭性の高い金
属から靭性の低いセラミックスまでの対象物を溶断・破砕することができます。
8
レーザー加工ヘッド
レーザー光
気孔率 (g v): 0%
レーザー出力:5kW
スポッ ト径: 0.6 mm
試験体
照射時間 (t): 100 、 500msec
アルミナペレット(ビッカース硬さ 1550)
を対象としたレーザー照射破砕試験
デブリベッドに対するレーザー溶断・破砕
適応制御システムイメージ
今後、レーザー溶断・破砕技術の開発においては、スタンドオフ、アシスト
ガス噴流、ドロス流動、ロバスト制御性等の特性を定量化する必要があり、こ
れらの特性を適切化したレーザー溶断・破砕システムを構築するための試験を
実施します。また、レーザー加工プロセスシミュレーションコード SPLICE を用
いた計算科学シミュレーションを行い、レーザー照射条件等に係る適切化を図
るとともに、デブリベッドなどを模擬した試験体の大気中及び水中での溶断・
破砕試験を実施し、それら性能の妥当性等を確認します。更に、最終的に設計・
製作がメーカーなどにより行われることを想定し、システム要求仕様やレーザ
ーの照射条件等を知識ベースとして集約します。
(6)表彰
平成 24 年は、業務に関し、以下の 2 件の原子力機構内の表彰を受けた。
9
「ふげん」の業務改善提案で金賞を受賞(平成 24 年 10 月 1 日)
「原子炉解体適用に向けたレーザー切断技術開発の連携及び加速化への対応」
(大道博行、村松壽晴)の提案が原子炉廃止措置研究センター業務の改善に貢
献するものできわめて優秀であるものと認められた。
10
理事長表彰で【研究開発功績賞】を受賞(平成 24 年 10 月 15 日)
「放射光Ⅹ線によるレーザー溶接時溶融池内対流挙動のリアルタイム観察と対
応するシミュレーションコードの構築」、レーザー溶接挙動高精度評価研究グル
ープ(村松壽晴、山田知典、菖蒲敬久、西村昭彦、山下晋、矢田浩基):レーザ
ー研、量子ビーム部門、プラント工学センターの共同受賞。
レーザー溶接補修技術の確立に向け、SPring-8 放射光Ⅹ線を用いた高精度実
験と計算科学シミュレーションコード SPLICE による評価結果を組み合せること
により、世界に先駆けて溶融池近傍での熱流動特性を定量化したことが特筆す
べき成果として認められた。
左より、西村昭彦、山下晋、菖蒲敬久
左より、矢田浩基、村松壽晴、山田知典
11
【理事長賞表彰式(平成 24 年 10 月 15 日)】
12
(7)参考論文等の掲載
業務に関する成果の内容をわかり易く紹介した論文等を出版社の承諾を得て
以下に掲載する。
Ⅰ.大道博行「一般財団法人光産業技術振興協会・光技術動向調査報告書「6.3.1
原子力分野におけるレーザー利用」 CD 版 339 頁~347 頁より転載」
【平成 24 年 9 月 28 日 光産業技術振興協会より許諾済】
Ⅱ.重富洋志、岡潔、大井豪一、古川直人、吉田昭三、山口龍二、永井景、春
田祥治、柳瀬康仁、赤坂珠理晃、関健史、赤津朊宏、小林浩「日本レーザー医
学会誌「子宮体部病変に対するレーザー治療の開発について」Vol.33,No.2,
pp.131-135 より転載」
【平成 24 年 11 月 29 日 日本レーザー医学会より許諾済】
Ⅲ.杉原健太,小川剛充,中村保之,村松壽晴「(社)日本流体力学会 ながれ
第 31 巻(2012)第 2 号「厚板金属のレーザ切断シミュレーション」p151-p156
より転載」
【平成 24 年 11 月 28 日 (社)日本流体力学会より許諾済】
Ⅳ山田知典,山下晋,菖蒲敬久,西村昭彦,小川剛充,杉原健太,社本英泰
「第 9 回 SPring-8 産業利用報告会「レーザー溶接標準化に向けた放射光 X 線に
よる溶融池内流動場のその場観察」2011B1975,BL19B2 より転載」
13
Ⅰ.大道博行「一般財団法人光産業技術振興協会・光技術動向調査報告書「6.3.1
原子力分野におけるレーザー利用」 CD 版 339 頁~347 頁より転載」
【平成 24 年 9 月 28 日 光産業技術振興協会より許諾済】
14
「一般財団法人光産業技術振興協会・光技術動向調査報告書,「6.3.1原子力分野におけるレー
ザー利用」CD版339頁∼347頁より転載」【平成24年9月28日光産業技術振興協会より許諾済】
6.3 加工技術
6.3.1 原子力分野におけるレーザー利用
(1) はじめに
従来から、レーザー技術の有する優れた特長、すなわち著しく高いエネルギー密度の光を遠隔操作により
必要な場所に照射し、局所的加圧、加熱による剥離、溶融により構造物の計測や加工ができることが知られ
ている。これらに着目した原子力プラントの保守・保全を目的とした構造物の検査 1)、加圧による強化 2)、
加熱による水中構造物の溶接 3,4)など多義にわたる応用技術の開発 5)が活発に進められて来た。近年フレキシ
ブルな導光特性、メンテナンスフリーを特長とするファイバーレーザー装置の高出力化、ビームの高品質化
が進み 6)原子力プラント建設・運転技術等への適用範囲が広がりつつあり、今後大きな課題となる原子炉の
廃止措置 7)への適用可能性も高まりつつある。さらに福島第一原子力発電所の事故処理にあたって、遠隔モ
ニターと遠隔制御性を利用した修復技術などへの適用も期待されている。
(2) レーザー技術の特徴
図 6.3.1.1 にレーザーの照射時間幅とレーザー光強度に対する種々のレーザー加工技術の大まかな位置を
示す。ナノ秒のパルスレーザーにより原子炉構造体を強化することが目的のレーザーピーニング(衝撃硬化)
法 8)、特定の場所に数秒の時間スケールで照射位置を移動しながら連続照射して行われるレーザー溶接 9)や
レーザー切断技術 10)など現在原子力プラントに用いられている熱加工技術の位置を示す。図中破線はイオン
化が引き起こされるレーザー光照射強度の大雑把な限界(下限)を示す。同様に溶融を引き起こすレーザー
強度を実線で示す。時間幅に比例してレーザー照射エネルギーは増加するので、一般には時間幅が長くなる
のに従ってそれぞれの限界は低下する。
図 6.3.1.1 レーザー照射強度と時間幅の関係。長時間照射による加熱溶融過程から、時間幅が短くなるとレ
ーザー光が剥離した物質の運動エネルギーに変換されるようになり、非熱的過程が支配的になる。
時間幅ナノ秒~マイクロ秒以下のパルス照射においては、照射位置は通常 1 照射毎に固定して行う。一方
連続出力のレーザーでは、照射位置を通常連続的に移動しながら行う。その際、溶融した微粒子を効果的に
15
除去するためのアシストガスが大きな働きをする。レーザー光は種々工夫を凝らすことにより、その照射強
度と照射時間に応じて被照射物体中の任意の領域に圧力、熱エネルギーを集中して与えることができる。ち
なみに、高エネルギー密度を極限まで追求する基礎科学研究は図中左上(相対論的プラズマ)に対応する 11)。
(3) 原子力分野のレーザーによる熱加工要素技術の開発
縦横にレーザー照射パラメーターを制御し必要な熱加工処理を行うためには、基本的物理過程を理解し、
そのもとに対象を制御することが求められる。この一環で原子力機構のグループにより放射光施設を用いた
レーザーによる金属の溶融現象のリアルタイム観測が行なわれている。出力 300W のファイバーレーザーを
大型放射光施設 SPring-8 に持ち込み、図 6.3.1.2 に示す実験配置で溶融池の観察を系統的に行っている 12)。
図 6.3.1.3 にレーザーをアルミニウムの板に照射したときのX線によるリアルタイムの透視画像を示す。レ
ーザー照射前に試料表面に塗布した粉末が、溶融金属中の対流に乗り回っている様子が写っている。また溶
融部分と固体の境界が明瞭に見えている。極めて高い単色性と強度により溶融池のリアルタイム観測が可能
になった。これら観測データを比較するための計算機シミュレーションの結果を図 6.3.1.4 に示す。ここで
は固体と液体それぞれを固液二相の流体として取り扱っている 13)。このような加熱時の振る舞いが冷却時の
相に影響を与え、最終的には残留応力や気泡に起因する溶接欠陥(ポロシティ)形成に影響を与えることが
予想されている。またこの観測手法による、深い溶け込みの高品質溶接や切断現象の解明に向けた研究も期
待される。原子力プラントのさらなる高い安全性に寄与する技術、原子炉廃止措置技術、高度な産業利用に
資する研究として、一層の発展が期待されている 14)。次の項から要素技術を組み合わせた具体的な応用例と
して補修技術、廃止措置、事故処理へのレーザー利用の概略を紹介する。
図 6.3.1.2 SPring-8 を用いたレーザー溶融現象のリアルタイムその場連続観察の実験配置
16
図 6.3.1.3 放射光(エネルギー30keV)により撮影されたレーザー光照射により溶融したアルミニウム合金
(A6061)の溶融池(すり鉢状の薄い色の部分)
。試料は厚さ 5mm である。直径 0.1mm のタングステン粒子
によるトレーサーが画面中央に明瞭に映し出されている。高輝度単色X線により明瞭な溶融池境界と対流の
可視化が同時に可能となった。レーザーは直径 1mm の大きさに集光され、写真上から 7 秒間照射される。
シールドガス(酸化防止用のガス)として窒素ガスをレーザー照射部に噴射している。
図 6.3.1.4 計算機シミュレーションによる溶融池(すり鉢状の薄い色の部分)の境界とその内部の対流現象
の計算結果。溶融池の大きさは前の図で示した実験値とほぼ同じ大きさになっている。矢印の大きさと方向
が対流の速度、方向を示している。
(4) レーザー配管補修用複合型光ファイバー装置の適用例
高速増殖炉の水蒸気系伝熱管の内部に光ファイバーを挿入し、撮影した画像から欠陥を見つけ、その場で
同じファイバー装置により修理する手法(複合型光ファイバー)の開発が文部科学省の支援の下、原子力機
構のグループにより行われた 15)。
開発された装置の概念図を図 6.3.1.5 に示す。
伝熱管に見立てた直径 2.5 cm、
厚さ 4.5 mm の炭素鋼製のチューブの内側に画像の取得、レーザー照射の各機能を同軸状に成形し、それと
光学素子を格納したヘッドにより内側から配管内壁を観察し、傷、減肉部を確認し、その情報に従ってレー
ザーを照射して補修作業を行う。実際には欠陥部を削り、溶融部の酸化を防止するためシールドガス(例え
ばアルゴンガス)を射出しながら溶接棒・粉を補修部分に充たしてレーザーを照射することになる。レーザ
ー照射が終わった後にもう一度レーザー照射部の観察を行い、一連の作業の確認を行う。この技術は原子力
17
に端を発する技術として高温細管を多用する産業への展開が期待されている。この考え方に従って徹底的に
ファイバー装置を小型化し医療利用を目指した複合型光ファイバー治療器が試作され、動物実験などを通じ
て開発が進んでいる 16)。
高出力ファイバ
レーザー、直す。
大きく観る。ECT探傷器
ライトガイド
ECTケーブル
マルチプレクサ
マルチコイルECTセンサ
カップリング装置
(画像・温度)
カラー画像処理シ
ステム、
細かく観る。
レーザー加工ヘッド制御装置
照明
電源ケーブル
複合型光ファイバ
レーザー加工ヘッド
図 6.3.1.5 観ながら治すコンセプトの下、生まれた複合型光ファイバー装置。直径数 cm の配管の内部から
壁面を観て治すことができる 15)。
(5) 高出力ファイバーレーザーを用いた厚板切断技術
原子炉廃止措置においては、対象物である厚さ 10cm~20cm 以上のステンレス鋼、炭素鋼などの構造物や
複雑形状の構造物の高速・精密切断、切断位置の制御、特に奥行き方向の切断制御で十分な精度を有し、対
象物以外の損傷を抑え、切断幅(カーフ幅)のできるだけ小さい技術の開発が望まれている。図 6.3.1.6 に
レーザー光照射による加熱に加え、レーザー光照射後数秒後から始まる酸素による燃焼反応が合わせて起こ
っている写真を示す。レーザー光は上から下に向かって射出され、材料が右に向かって移動し一連の切断試
験が行われる。さてレーザー切断技術は、金属をレーザーの熱エネルギーで溶融し、同時にアシストガスの
噴射で溶融物(ドロス)を除去するプロセスを繰り返しながら切断する工法である 17,18)。ファイバーレーザ
ーを用いたこの技術の特徴は高速切断速度(10~数 100cm/分)
、狭い切断幅(~1mm)
、少ないドロスや粉塵
発生量、小型・高出力、高ビーム品質、高遠隔操作性、高いフレキシビリティ、高効率、メンテナンスフリ
ーである 18)。図 6.3.1.7 に厚さ 100mm の鋼材の切断試験を示す。画面奥行き方向の端にレーザーを照射し、
切断を開始する。次に手前にレーザーを適切なスピードで移動させることにより切断が進む。図 6.3.1.7 で
は加熱溶融した金属の微粒子がレーザーの照射方向に飛び出しているが、図 6.3.1.8 ではレーザー装置方向
に溶融微粒子が逆流していることがわかる。このようになると強力なレーザー光の反射と相まってヘッドの
中の光学部品、レーザー本体へのダメージが起こる可能性があり、切断をただちに中止する必要がある。図
6.3.1.7 と図 6.3.1.8 で示した条件はちょうど切断可と不可の境界である。レーザー強度、切断速度、アシス
トガスの条件が微妙に変化することにより、切断の成否が生じる。このような境界周辺の現象を詳しく観察
することにより、より厚い鋼材の切断への展望が見えて来るものと期待される。図 6.3.1.9 に切断が順調に
起こっている場合の計算機シミュレーションを示す。金属材料の形状、温度の形状をそれぞれ示す。シミュ
レーションでは固体と液体の二相を扱っており、レーザーにより加熱された領域が溶けて流体になるように
扱われている。固相表面にレーザー入熱され溶融した金属は,アシストガスにより直ちに排除され、新たに
露出した固相表面にレーザー入熱される様子が表現されている 19)。図 6.3.1.10 にアシストガスをわざと与え
ないようにした時のシミュレーション結果を示す。このような条件は、実際には反射光や溶融金属微粒子に
よるレーザー本体や光学素子へのダメージを考慮すると極めて危険で簡単には設定できない。シミュレーシ
ョンでは、このような極端な物理条件における現象が簡単に再現できる。このシミュレーションでは、溶融
18
金属が排出されず深部に留まり、レーザー光は液相で吸収されてしまい、固体部分の溶融が効果的に進まな
いことが示されている。実験ではレーザー入射方向に溶融金属が飛び散ることが示されているが、シミュレ
ーションでは表現されていない。今後の課題である。
実際の原子炉廃止措置 7)へレーザー切断技術を導入する 20)ためには、ここに紹介した基盤技術、要素技
術の開発と同時に多様な状況に対応できる幅広い条件での切断試験、遠隔制御技術、耐放射線性を有するフ
ァイバー21)等の光学部品の開発とそれらを統合した試験が必要とされる。
図 6.3.1.6 パワー6 kW のファイバーレーザーによる厚さ 10 mm のステンレス鋼(白の矢印)のレーザー
出射数秒後の水中切断試験の写真である。レーザーは上から下に出射される。レーザーとガスの出射装置で
あるヘッドが画面中央に見える(黒の矢印)
。酸素を用いたアシストガスにより水中で燃焼が起こっている。
(写真は(独)原子力機構・原子炉廃止措置研究開発センターの提供による)
図 6.3.1.7 レーザー出力 10kW、切断スピード 15mm/分を用いて厚さ 10cm(白の矢印)のステンレス鋼
(SUS304)の切断試験の写真。左側からヘッドを通じてレーザー光が金属上に集光照射され、同じ方向のアシ
ストガス流により溶融金属が光を放ちながら写真右側に排出され、切断が順調に進んでいることを示してい
る。アシストガス種/流量はヘッド内の環状ノズルで空気 400 リッター/分、センターノズルでは空気 10 リッ
ター/分、切断用ヘッドと被照射物体の距離は 2mm。レーザー集光位置は鋼材の表面より 10mm レーザー側
にあり、この場合はノズル内に位置する。
19
図 6.3.1.8 前の図とほぼ同じレーザー出力 10kW を用いて厚さ 10cm のステンレス鋼(SUS304)の切断試験
の写真。この場合はレーザーによる溶融金属が光を放ちながら写真左側に排出され、レーザー出射部(ノズ
ルの入ったヘッド部)を照射している。切断が困難になっていることを示す。このレーザーとアシストガス
の条件がちょうど、この厚さの材料にとって切断限界の条件を与えることを示している。(写真は(独)原
子力機構・原子炉廃止措置研究開発センターの提供による)
図 6.3.1.9 レーザーが上から下に向かって照射されている。左側の図に鋼材の形状を示す。流線が鋼材(画
面右から突き出た黒色の四角部分」の左端に照射されながらアシストガスを模擬した流体の流れに沿って溶
融物が下側に排出されている。右側の図は温度分布を示す。鋼材の左端の固体部分にレーザー光が効率的に
照射され加熱・溶融・除去されていることがわかる。
図 6.3.1.10 同様の配置で、アシストガスを流さない場合。レーザーにより加熱された高温の溶融物が鋼材
部下部に留まり、切断がストップする。
20
(6) 福島第一原子力発電所事故処理へのレーザー技術の期待
福島第一発電所の事故処理にあたって原子力委員会のワーキンググループの中では、炉心部等の詳細な調
査後、炉心部を水で満たし溶融燃料等のサンプル採取を含む調査を行うこと、その後、本格的な水中での解
体処理に進むことが議論されている 22)。今後の事故処理は未知の領域ではあるが、レーザー・光技術は、耐
放射線ファイバー技術等を用いた炉心部の精密観測、炉内デブリの分析技術、それらに基づいた水封用溶接
技術、水封後の水中溶接、切断技術による補修と溶融燃料サンプリング技術などへの貢献が期待される。図
6.3.1.11 に微量サンプリングを示唆するレーザーによる水中レーザー照射の様子を示す。遠隔制御により、
小型加工ヘッドが水中の望みの場所に自在に入り込み、望みの強度で対象物体を照射・加工する技術の高性
能化が望まれている。また、放射能に汚染された状況下では汚染物体の表面汚染を、主としてパルスレーザ
ー照射による剥離により効果的に取り除く小型レーザー除染装置の活躍も期待される 23)。レーザー・光技術
が優れた特徴を発揮し、未曾有の国難に貢献することが期待される。
アシストガス(溶融金属 (ドロス) 除去用)
加圧水 (空洞内気圧維持用)
レ
ー
ザ
光
酸素 (燃焼反応用)
水
水
空孔
溶融金属 (ドロス)
燃料-構造材混合物
TMI-2 溶融凝固物(デブリベッド)
多成分・多孔質系の形状不定構造材として特徴づけられる溶融凝固物(デブリベッド)
に対するレーザー水中切断イメージ
図 6.3.1.11 水中切断用ヘッドの断面図の一例。アシストガスによりレーザー照射による金属溶融物を強制
的に照射部より除去する。水中でレーザーの伝送を行うためのレーザーの通り道を確保するためのガス噴射
用ノズル、それらを安定にするため水の噴射も行う構造になっている。ここでは水を張った中で、事故によ
り溶けだした核燃料の微量サンプル取得の想像図を示す。
(7) おわりに
原子力分野へのレーザーの応用の概略を紹介した。多くの紙面を割いて紹介した熱切断技術は、国内、国
外において高パワーレーザーを用いて水中および気中で試験が行われている[24-26]。特にフランスでは原子
炉廃止措置を目指したレーザー利用の研究開発が精力的に行われている[25]。未曾有の福島第一原子力発電
所の事故処理、今後、寿命を全うした多数の炉で必要になる原子炉廃止措置の円滑な実施などへ、レーザー
技術のより一層の貢献が期待される。
それとともに、
開発された遠隔モニターと一体となった制御装置の下、
21
高温下のプラント中の狭隘部に縦横に侵入する小型レーザー照射・加工装置は産業利用のシーズにもなり得
ると期待される。
謝辞
本稿をまとめるにあたって御協力頂いた(財)若狭湾エネルギー研究センター、(株)レーザックス、
(独)
原子力機構の原子炉廃止措置研究開発センター、敦賀本部レーザー共同研究所、核燃料サイクル研、量子ビ
ーム応用研究部門等の関係者の方々に深く謝意を表する次第である。
(大道 博行)
参考文献
(1) 落合誠、三浦崇広、山本智:“レーザ超音波探傷技術の開発と原子炉内保全への適用”東芝レビュー61,1
(2006) 44.
(2) 佐藤健次、小林雅弘、佐野雄二、木村盛一郎:“原子炉内構造物の保全技術”東芝レビュー 55,10 (2000)
37.
(3) 金澤寧、田村雅貴:“水中レーザ溶接技術”東芝レビュー 60, 10 (2005) 36.
(4) 依田正樹、田村雅貴:“PWR 原子炉容器の冷却材出入口管台に対する水中レーザ溶接”東芝レビュー 65,
9 (2010) 36.
(5)宮野廣、佐々木則夫、須藤亮:“原子力におけるレーザ応用技術開発”東芝レビュー 55, 10 (2000) 34.
(6) D. J. Richardson, J. Nilsson, and W. A. Clarkson:”High power fiber lasers: current status and future
perspectives [Invited],”J. Opt. Soc. Am.B27, 11(2010) B63.
(7) 西 村 弘 :“ 「 ふ げ ん 」 の 廃 止 措 置 の 経 過 と 適 用 技 術 ・ 技 術 開 発 ” 原 子 力 eye 56,8(2010) 13.
http://www.jaea.go.jp/04/fug(en/
(8) 佐野雄二:“構造物の寿命を延ばすレーザーピーニング”表面技術 60, 11(2009)698.
(9) 片山聖二:“レーザ溶接(その 1)” レーザ加工学会誌 13, 4 (2006) 259; 片山聖二:“レーザ溶接(その 2)”
15, 1 (2008)35.
(10) 新井武二:“レーザ切断”レーザ加工学会誌 15, 4 (2008)255.
(11) 大道博行:“超短パルス超高強度レーザーと物質との相互作用”レーザー研究 31, 11 (2003)698.
(12) T. Yamada, T. Shobu, Y. Yonemoto, S. Yamashita, A. Nishimura, and T. Muramatsu:”In-situ X-ray
observation of molten pool depth during laser micro welding, ”Proc. The 12th International Symposium
on Laser Precision Microfabrication (2011) paper number #11-055 Tu3-O-7, Att0091.
(13) S. Yamashita, T. Yamada, Y. Yonemoto, T. Kunugi, and T. Muramatsu:”Phenomenological
evaluation of laser-irradiated welding processes with a combined use of higher-accuracy experiments
and computational science methodologies (5) numerical simulation of the welding processes with a
multi-dimensional multi-physics analysis code SPLICE,” Proc. International Conference on Nuclear
Engineering May 16-19, 2011 paper number ICONE19-43939
(14)村松壽晴;“計算科学と高精度実験を用いたレーザ溶接時溶融池挙動の解明”日本機械学会誌 114, 1115
(2011)771; http://www.jaea.go.jp/04/turuga/re-za/index.html
22
(15) 西村昭彦:“レーザー加工技術の組み合わせによる FBR 熱交換器伝熱管内壁検査技術の高度化に関する
技術開発”(独)科学技術振興機構
原 子 力 シ ス テ ム 研 究 開 発 事 業 平 成 22 年 度 成 果 報 告 会
http://www.jst.go.jp/nrd/result/h22/p10.html ; ]A. Nishimura, T. Shobu, K. Oka, T. Yamaguchi, Y.
Shimada, O. Mihalache, A. Tagawa, and T. Yamashita:”Development of Inspection and Repair
Technology for the Micro Cracks on Heat Exchanger Tubes,” レーザ加工学会誌 17, 4 (2010) 207.
(16) 岡潔、関健史、西村昭彦:“複合型光ファイバースコープの医療応用”応用物理 80,12 (2011) 1069
(17) 小林紘二郎、井田俊雄、山口健志、大道博行、村松壽晴、佐野一哉、坪井昭彦、社本英泰池田剛司:“水
中 レ ー ザ 切 断 に よ る 原 子 炉 解 体 技 術 ” 溶 接 技 術 59,7(2011)64; http://www.werc.or.jp/ 、
http://www.laserx.co.jp/
(18)平成20年度戦略的基盤技術高度化支援事業:“「高品質固体レーザによる遠隔切断技術の開発」研究成
果報告書”平成 21 年 11 月 (独)中小企業基盤整備機構;
http://www.smrj.go.jp/keiei//dbps_data/_material_/common/chushou/b_keiei/keieitech/pdf/wakasawann1
6.pdf
(19) 杉原健太、小川剛充、中村保之、村松壽晴:“厚板金属のレーザー切断シミュレーション” 第 25 回数
値流体力学シンポジウム C08-1、2011 年 12 月 大阪大学
(20) 大道博行:“レーザー技術の原子炉廃止措置への貢献”テクノロジートレンド 2012 年 1 月
(21) 光ファイバと放射線(08-04-01-11)-ATOMICA- ;
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=08-04-01-22
(22) 原子力委員会東京電力(株)福島第一原子力発電所における中長期措置検討専門委員会:“各作業の実
施に必要な技術の確立のために当面実施するべき検討課題”平成23年9月14日;
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei/siryo/sochi3/siryo2.pdf
(23)峰原英介:“レーザー除染機の開発”エネ研ニュース Vol.43, 2011 年 11 月 18 日発行、
(財)若狭湾エネルギー研究センター http://www.werc.or.jp/enenews/
(24)黒川登:“切断解体技術 三菱重工業の廃止措置向けレーザ切断技術への取り組み”原子力 eye56,8(2010)
26.
(25) C. Chagnot, G. de Dinechin, G. Canneau, J-M Idasiak:”Dismantling nuclear power plant with new
industrial cw ND:YAG high power lasers,” Proc. Global 2009, Paris, France September 6-11, 2009
paper 9539
(26) C. Wandera, V. Kujanpaa, A. Salminen:”Laser power requirement for cutting of thick-section steel
and effects of processing parameters on mild steel cut quality,” Proceedings of the Institution of
Mechanical Engineers, Part B: J. Engineering Manufacture 225, 5(2011)651.
23
Ⅱ.重富洋志、岡潔、大井豪一、古川直人、吉田昭三、山口龍二、永井景、春
田祥治、柳瀬康仁、赤坂珠理晃、関健史、赤津朊宏、小林浩「日本レーザー医
学会誌「子宮体部病変に対するレーザー治療の開発について」Vol.33,No.2,
pp.131-135 より転載」
【平成 24 年 11 月 29 日 日本レーザー医学会より許諾済】
24
「日本レーザー医学会誌「子宮体部病変に対するレーザー
治療の開発について」Vol.33,No.2,pp.131-135より転載」
【平成24年11月29日 日本レーザー医学会より許諾済】
25
26
27
28
29
Ⅲ.杉原健太,小川剛充,中村保之,村松壽晴「(社)日本流体力学会 ながれ
第 31 巻(2012)第 2 号「厚板金属のレーザ切断シミュレーション」p151-p156
より転載」
【平成 24 年 11 月 28 日 (社)日本流体力学会より許諾済】
30
「(社)日本流体力学会 ながれ第31巻「厚板金属のレーザ切断のシミュ
レーション」第2号p151-p156より転載」
【平成24年12月 日(社)日本流体力学会より承諾済】
31
32
33
34
35
36
Ⅳ.山田知典,山下晋,菖蒲敬久,西村昭彦,小川剛充,杉原健太,社本英泰
「第 9 回 SPring-8 産業利用報告会「レーザー溶接標準化に向けた放射光 X 線に
よる溶融池内流動場のその場観察」2011B1975,BL19B2 より転載」
レーザー溶接標準化に向けた放射光 X 線
による溶融池内流動場のその場観察
(独)日本原子力研究開発機構 山田知典、山下晋、菖蒲敬久、西村昭彦、小川剛充、杉原健太
(株)レーザックス 社本英泰
背景と目的: 原子力施設を始め一般産業施設に展開可能なレーザー溶接技術開発
を進めている。溶接構造物の健全性を担保するには、残留応力などに影響される機
械的特性を溶接中の複合物理過程と合わせて評価する必要がある。残留応力が溶
接時の温度分布に関連するため、温度と関連する溶融池内の流動現象の高精度把
握を行なった。
レーザー光
CCDカメラ
放射光高輝度単色X線(30keV)
放射光高輝度単色 X 線を利用した装置構成と測定方法
実験方法: 大型放射光施設(SPring-8)からの高輝度単色 X 線を利用して、レーザー
照射部で形成した溶融池内部のトレーサー粒子の挙動を吸収コントラストイメージン
グ法によってその場観察した。
結果及び今後の展開: 放射光高輝度単色 X 線を利用した吸収コントラストイメージン
グ法により、レーザー光照射時の溶融池形状の時間変化と対流挙動のリアルタイム
同時観察を世界に先駆けて成功し、溶融池近傍における熱流動特性を定量化すると
共に、照射時間と溶け込み深さの関係、内部欠陥を発生させる影響因子なども明ら
かにした。今後は数値解析結果も援用し、残留応力評価・制御に繋げる。
レーザー光
溶融池(液相)
対流
マランゴニ効果による対流
気相
固液界面
固相
固相
トレーサー粒子
(炭化タンタル)
溶融池(液相)
1mm
800
923
1 0 46
1 1 68
1 2 91
1 4 14 [K]
SPLICE コードにより計算した
温度分布と溶融池内流動場
レーザー溶接中の溶融池内流動
場
37
3.2 各種会合の実施
3.2.1
第2回レーザー共同研究所成果報告会
3.2.2
レーザー共同研究所セミナー
38
3.2.1 第2回レーザー共同研究所成果報告会
平成 23 年 12 月 1、2 日の二日間にわたり、アトムプラザで「第2回レーザー
共同研究所成果報告会」を開催した。
平成21年9月に設立された敦賀本部レーザー共同研究所のこれまでの活動
の概要を報告するとともに、関係機関の方々の講演を通じ、事業の一層の発展
のための協力体制を構築する場とし、単なる産業向きの話ばかりでなく、応用
基礎と製品化研究までを織り交ぜた意見交換、研究交流の場とすることを目的
とした。
冒頭の主催者団体である原子力機構理事、共催団体の若狭湾エネルギー研究
センター専務理事の挨拶においてそれぞれに、福島第一原子力発電所の事故等、
最近の原子力をとりまく厳しい状況と、原子力、産業、医療分野に向けたレー
ザー技術開発への期待が述べられました。続く、5つのセッションでは、座長
等より成果の概要が報告された。
各セッションでは、主として当研究所と協力関係にある機構内外の講演者に
より 2 日間で 26 件の講演が行われ、それぞれについて活発な質疑応答が行われ
ました。また、昨年 12 月からの成果等を取りまとめたレーザー共同研究所成果
報告書を配布するとともに、レーザー実験室の見学会を実施し、装置の実演や
ビデオの記録等も用いて実験装置及び研究成果の紹介を行った。さらに、見学
会と情報交換会を活用して、企業や大学と実施中の共同研究の進捗の確認や今
後の取組み或いは外部ファンド応募に関する打合せなどを行った。
参加者数は、以下の通りであった。
12月 1 日:75名
実参加者:100 名
12月2日:73名
野村理事・本部長代理の開会挨拶
若エネ研 来馬専務理事の挨拶
39
第2回レーザー共同研究所成果報告会
プログラム
(敦賀本部 アトムプラザ2階 アトムホール)
主催:(独)日本原子力研究開発機構 共催:(財)若狭湾エネルギー研究センター
後援:福井県、敦賀市、福井大学、敦賀商工会議所
12月1日(木)
◎
10:00 ~ 10:05
【敬称略】
「開会挨拶」
(独)日本原子力研究開発機構 理事・本部長代理
0:05
◎
10:05 ~ 10:10
「挨拶」
(財)若狭湾エネルギー研究センター 理事長 旭 信昭
【代理 専務理事. 来馬 克美】
0:05
◎
10:10 ~ 10:15
野村茂雄
「レーザー共同研究所の概要と活動報告」
(独)日本原子力研究開発機構 敦賀本部 レーザー共同研究所長
大道博行
【安全性向上に関する技術開発】 (座長) 西村昭彦(レーザー共同研究所)
1 10:15 ~ 10:25 安全性向上技術への取り組み
0:10
原子力機構 敦賀本部 レーザー共同研究所
西村昭彦
0:05
2
10:25 ~ 10:50
レーザー誘起ブレイクダウン分光を用いた電力設備診断技術の開発
(財)電力中央研究所
0:25
3
10:50 ~ 11:15
レーザー質量分析を用いた高速炉の燃料破損診断技術の開発
原子力機構 大洗研究開発センター 高速実験炉部
0:25
4
11:15 ~ 11:40
11:40 ~ 12:05
原子力機構 FBRプラント工学研究センター
上田雅司
溶存元素の分離回収と元素濃度モニタリング
原子力機構 量子ビーム応用研究部門
0:25
○
伊藤主税
レーザー計測による高速炉のモニタリング技術開発
0:25
5
藤井 隆
12:05 ~ 13:00
大場弘則
昼食タイム
0:55
【レーザー切断技術】
6 13:00 ~ 13:10
(座長)
村松壽晴(レーザー共同研究所)
産学官連携によるレーザー切断技術開発推進の現状
原子力機構 敦賀本部 原子炉廃止措置研究開発センター
0:10
7
13:10 ~ 13:35
「ふげん」廃止措置へのレーザ切断適用に向けての技術開発
原子力機構 敦賀本部 原子炉廃止措置研究開発センター
0:25
8
13:35 ~ 14:00
14:00 ~ 14:25
佐野一哉
燃料集合体の解体技術へのレーザー切断の適用性検討
原子力機構 次世代原子力システム研究開発部門
0:25
9
森下喜嗣
北垣 徹
SPring-8放射光X線を用いたドロス流動その場観察の実現に向けて
原子力機構 量子ビーム応用研究部門
菖蒲敬久
【レーザーの医療応用技術】
(座長) 岡 潔(レーザー共同研究所)
10 14:40 ~ 15:05 医療利用への取り組み
0:25
原子力機構 敦賀本部 レーザー共同研究所
岡 潔
0:25
○
14:25 ~ 14:40
休憩
0:15
11
15:05 ~ 15:30
レーザー技術が拓く新規バイオ・医療応用
大阪大学大学院工学研究科 附属高度人材育成センター
0:25
12
15:30 ~ 15:55
無遮断血管バイパスツールの研究開発
福井大学 医学部 脳脊髄神経外科
0:25
◎
15:55 ~ 17:00 レーザ研の研究紹介、実験室見学
【レーザー実験室】
1:05
◎
間 久直
17:00 ~ 17:30 情報交換会 【2階アトムホール・ロビー】
0:30
40
関 健史
【敬称略】
12月2日(金)
【産業利用技術】
1
9:00 ~ 9:25
(座長)
大道博行(レーザー共同研究所)
若狭湾エネルギー研究センターの産業展開
(財)若狭湾エネルギー研究センター
0:25
2
9:25 ~ 9:50
極端紫外光源とその産業利用
宮崎大学名誉教授・(株)NTP
0:25
3
9:50 ~ 10:15
佐々木亘
ウォータージェットとレーザー加工の融合技術
(株)スギノマシン 新規事業開発本部 商品開発部
0:25
○
峰原英介
10:15 ~ 10:30
永田幸明
休憩
0:15
4
10:30 ~ 10:55
高出力ファイバーレーザーの産業利用の現状
(株)レーザックス
0:25
5
10:55 ~ 11:20
三菱重工業におけるレーザ技術の適用事例
三菱重工業(株)原子力事業本部 原子力保全技術部
0:25
6
11:20 ~ 11:45
11:45 ~ 12:10
(財)レーザー技術総合研究所
12:10 ~ 13:00
0:50
8
13:00 ~ 13:25
(株)東芝 電力システム社 電力・社会システム技術開発センター
他機関連携による産業利用に向けた光量子科学研究の紹介
原子力機構 量子ビーム応用研究部門
(座長)
13:35 ~ 14:00
村松壽晴(レーザー共同研究所)
原子力機構 敦賀本部 レーザー共同研究所
14:00 ~ 14:25
大阪大学 接合科学研究所
14:25 ~ 14:50
東京大学 人工物工学研究センター
14:50 ~ 15:15
(株)松浦機械製作所
15:15 ~ 15:40
福井大学大学院 工学研究科機械工学専攻
原子力機構 次世代原子力システム研究開発部門
15:40 ~ 15:45 「閉会挨拶」
大道博行(レーザー共同研究所長)
0:05
◎
15:45 ~ 16:30
竹下晋正
高速炉機器の溶接部の強度評価
0:25
◎
天谷浩一
鋼板内部の硬さ分布を用いた油焼入れ時の熱伝達率の推定法
0:25
14
奥田洋司
金属光造形複合加工方法における製作物信頼性の更なる向上に向けて
0:25
13
片山聖二
複合物理現象評価のためのポストペタスケールコンピューティング
0:25
12
村松壽晴
高輝度レーザー溶接現象のリアルタイム観察
0:25
11
杉山 僚
計算科学・精密実験の取り組み
0:10
10
千田 格
昼食タイム
【12:30~13:00 実験室見学】
【以降10分遅れで議事進行】
0:25
【計算科学・精密実験】
9 13:25 ~ 13:35
藤田雅之
レーザ溶接技術の原子力プラントへの実用化
0:25
○
中野俊英
複合・多層材料のパルスレーザー加工
0:25
7
坪井昭彦
個別懇談会
(希望者のみ)
0:45
41
【レーザー実験室】
月森和之
レーザー実験室見学会
42
3.2.2 レーザー共同研究所セミナー
平成 23 年 12 月以降、セミナーを 9 回【第 14 回(H23 年 12 月)~第 22 回(H24 年 11 月)
】
開催した。
回
開催日
14 回
H23.12/16
(金)
15 回
H24.2/13
(火)
16 回
H24.2/16
(木)
17 回
H24.3/9
(金)
18 回
H24.5/16
(水)
19 回
H24.6/28
(木)
20 回
H24.7/20
(金)
21 回
H24.10/26
(金)
22 回
H24.11/14
(水)
講演者
講演題目
筑波大学大学院システム
情報工学研究科構造エネ
ルギー工学専攻
榊原潤 准教授
「流動現象の高精度評価における PIV
計測の役割」
(財)レーザー技術総合研
究所 砂原淳 氏
「レーザーアブレーションの流体シミ
ュレーションモデル」
量子ビーム応用研究部門
青木勝敏 氏
次世代原子力システム研
究開発部門
小澤隆之 氏
量子ビーム応用研究部門
菖蒲敬久 氏
「水素エネルギー社会を目指して~量
子ビームの役割」
「再臨界回避集合体における内部ダク
トの溶接技術開発~レーザー溶接技術
の適用性確認試験(速報)~」
「放射光 X 線を用いたレーザー溶接試
験片の残留ひずみ測定(速報)
」
宮崎大学 工学部電気電子
工学科
窪寺昌一 教授
「極端紫外線の発生とその産業利用」
福井大学大学院工学研究
科知能システム工学専攻
浪花智英 教授
レーザー共同研究所
寺田隆哉
レーザー共同研究所
山田知典
「ロボット・マニピュレータの構造と力
学」
「伝熱管補修のためのレーザー肉盛り
溶接技術開発」
「構造物長寿命化に向けたレーザー溶
接技術開発」
橋本鉄工株式会社
橋本匡史 取締役
レーザー共同研究所
山田知典
レーザー共同研究所
寺田隆哉
「溶接・切削などの各種製造プロセスに
伴う残留応力場と組織変化挙動の関係」
「レーザー溶接中の溶融池内現象のそ
の場観察」
「伝熱管内壁レーザー肉盛り溶接補修
と肉盛り過程のX線観察について」
新日本製鐵株式会社 技術
開発本部 プロセス研究開
発センター 計測・制御研
究開発部
平野弘二 氏
「レーザー切断中の溶融物流動現象の
観察による条痕形成機構の解明」
大阪大学
接合科学研究所
田中学 教授
「アーク溶接における可視化の最前線」
株式会社地層科学研究所
「大出力レーザーによる岩質材料掘削
の試み」
代表取締役 里優 氏
43
第14回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、筑波大学より榊原潤准教授をお招きし、
「流動現象の高精度
評価における PIV 計測の役割」と題して、ご講演を頂いた。
記
・開催日時:平成 23 年 12 月 16 日(金)09:00~12:00
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・研究分野:乱流、伝熱、画像計測、医用システム、液体工学
・講演:
9:00~10:00(発表:50 分 質疑:10 分程度)
「流動現象の高精度評価における PIV 計測の役割」
筑波大学大学院システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻
榊原 潤 准教授
10:00~11:30(発表:20 分 質疑:10 分程度)
「レーザー溶接/切断プロセスの熱流動現象としての側面」
敦賀本部 レーザー共同研究所レーザー応用技術開発室
村松 壽晴
「レーザー溶接プロセスに関わる溶融・凝固・変態過程のその場観察」
敦賀本部 レーザー共同研究所レーザー応用技術開発室
山田 知典
「レーザー切断プロセスに関わる熱流動基礎実験と計算科学」
敦賀本部 レーザー共同研究所レーザー応用技術開発室
杉原 健太
11:30~12:00
全体討論
44
レーザー実験室見学中の榊原潤准教授(写真左)
45
第15回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、レーザー技術総合研究所より砂原淳研究員をお招きし、
「レ
ーザーアブレーションの流体シミュレーションモデル」と題して、レーザー照
射によって生成されるプラズマの数値シミュレーションに関してご講演を頂い
た。
記
・開催日時:平成 24 年 2 月 13 日(月)13:30~15:30
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・講演者:
(財)レーザー技術総合研究所
砂原
淳
研究員
・講演題目:「レーザーアブレーションの流体シミュレーションモデル」
「レーザーアブレーションの流体シミュレーションモデル」
講演中の砂原淳研究員
46
第16回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、量子ビーム応用研究部門 量子ビーム物性制御・解析技術
ユニットより青木勝敏氏をお招きし、
「水素エネルギー社会を目指して ~量子
ビームの役割~」と題して、ご講演を頂いた。
記
・開催日時:平成 24 年 2 月 16 日(月)09:00~11:00
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・講演:
第1部:基調講演
「水素エネルギー社会を目指して ~量子ビームの役割~」
量子ビーム応用研究部門量子ビーム物性制御・解析技術ユニット
青木 勝敏 氏
第2部:PNC-FMS 鋼同材溶接試験および残留ひずみ測定試験
(1)「再臨界回避集合体における内部ダクトの溶接技術開発
~レーザー溶接技術の適用性確認試験(速報)~」
次世代原子力システム研究開発部門 燃料材料技術開発ユニット
小澤 隆之 氏
(2)「放射光 X 線を用いたレーザー溶接試験片の残留ひずみ測定(速報)」
量子ビーム応用研究部門量子ビーム材料評価・構造制御技術研究ユニット
菖蒲 敬久 氏
47
「水素エネルギー社会を目指して ~量子ビームの役割~
講演中の青木勝敏氏
「再臨界回避集合体における内部ダクトの溶接技術開発
~レーザー溶接技術の適用性確認試験(速報)~」
講演中の小澤隆之氏
48
」
「放射光 X 線を用いたレーザー溶接試験片の残留ひずみ測定(速報)」
講演中の菖蒲敬久氏
レーザー実験室見学中の青木氏(写真右)と小澤氏(写真中央)
49
第17回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、宮崎大学より窪寺昌一教授をお招きし、
「極端紫外線の発生
とその産業利用」と題して、ご講演を頂いた。
記
・開催日時:平成 24 年 3 月 9 日(金)9:00~10:00
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・講演題目:「極端紫外線の発生とその産業利用」
・講演者:宮崎大学
工学部
電気電子工学科
窪寺
昌一
教授
・講演要旨:
レーザー生成プラズマからの極端紫外光は波長 13.5nm での光リソグラフィ光
源として盛んに研究が進められている。私たちは帯域の広い波長域 40~200nm
程度の極端紫外/真空紫外光子エネルギーを利用する表面光脱離分析装置の開
発を進めており、この分析装置を用いた表面脱離の実験結果について紹介する。
「極端紫外線の発生とその産業利用」
講演中の窪寺昌一教授
50
第18回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、福井大学大学院工学研究科知能システム工学専攻より浪花
智英教授をお招きし、
「ロボット・マニピュレータの構造と力学」と題して、ご
講演を頂いた。
記
・開催日時:平成 24 年 5 月 16 日(水)13:30~15:30
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・講
演:
第1部:基調講演
「ロボット・マニピュレータの構造と力学」
福井大学大学院工学研究科
知能システム工学専攻
浪花 智英 教授
第2部:レーザー共同研究所における溶接研究の現状
(1)「伝熱管補修のためのレーザー肉盛り溶接技術開発」
敦賀本部 レーザー共同研究所 レーザー応用技術開発室
寺田 隆哉
(2)「構造物長寿命化に向けたレーザー溶接技術開発」
敦賀本部 レーザー共同研究所 レーザー応用技術開発室
山田 知典
「ロボット・マニピュレータの構造と力学」
講演中の浪花智英教授
51
第19回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、橋本鉄工株式会社より橋本匡史取締役をお招きし、「溶接・
切除などの各種製造プロセスに伴う残留応力場と組織変化挙動の関係」と題し
て、ご講演頂いた。
記
・開催日時:平成 24 年 6 月 28 日(水) 09:00~11:00
・開催場所:敦賀本部
・講
アトムホール
演:
第1部:基調講演
「溶接・切除などの各種製造プロセスに伴う残留応力場と組織変化挙動の関係」
橋本鉄工株式会社 橋本 匡史 取締役
第2部:レーザー共同研究所における溶接研究の現状
(1)「レーザー溶接中の溶融池内現象のその場観察」
敦賀本部 レーザー共同研究所 レーザー応用技術開発室
山田 知典
(2)「伝熱管内壁レーザー肉盛り溶接補修と肉盛り過程の X 線観察について」
敦賀本部 レーザー共同研究所 レーザー応用技術開発室
寺田 隆哉
(3)「量子ビームによるその場材料評価技術の開発」
量子ビーム応用研究部門 弾塑性材料評価研究グループ(播磨駐在)
張 朔源 氏
52
「溶接・切除などの各種製造プロセスに伴う残留応力場と組織変化挙動の関係」
講演中の橋本匡史取締役
レーザー実験室の見学の橋本取締役(写真中央)
53
第20回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、新日本製鐵株式会社より平野弘二氏をお招きし、
「レーザー
切断中の溶融物流動現象の観察による条痕形成機構の解明」と題して、ご講演
頂いた。
記
・開催日時:平成 24 年 7 月 20 日(金) 13:30~15:00
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・講演題目:
「レーザー切断中の溶融物流動現象の観察による条痕形成機構の解明」
・講演者:新日本製鐵株式会社 技術開発本部
プロセス研究開発センター 計測・制御研究開発部
平野 弘二 氏
「レーザー切断中の溶融物流現象の観察による条痕形成機構の解明」
講演中の平野弘二氏
54
第21回 レーザー共同研究所セミナー
「アー
本セミナーでは、大阪大学接合科学研究所より田中学教授をお招きし、
ク溶接における可視化の最前線」と題して、ご講演頂いた。
記
・開催日時:平成 24 年 10 月 26 日(金) 14:00 ~ 15:00
・開催場所:敦賀本部 アトムホール
・講演題目:「アーク溶接における可視化の最前線」
・講演者:大阪大学
接合科学研究所
田中
学
教授
・講演要旨:
近年、高速度デジタルビデオカメラや数値計算シミュレーションに代表され
るように、アーク溶接プロセスで生じる現象の可視化の進展には目を見張るも
のがある。可視化の進展は、現象を支配する自然法則を誰もが直感的に捉えて、
系統立てて整理・理解することを容易にした。もちろん、現象の理解を容易に
したばかりでなく、従来、発見できなかった法則性を新たに見出し、より精緻
な物理をもって現象を理解することが可能になったとも言える。本講演では、
アーク溶接で生じるコンプレックスな現象の可視化の最前線を紹介する。
55
「アーク溶接における可視化の最前線」
講演中の田中学教授
レーザー実験室の見学の田中学教授(写真中央)
56
第22回 レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、株式会社地層科学研究所より里優氏をお招きし、
「大出力レ
ーザーによる岩質材料掘削の試み」と題して、ご講演頂いた。
記
・開催日時:平成 24 年 11 月 14 日(水)
・開催場所:敦賀本部
13:10 ~ 14:10
アトムホール
・講演題目:「大出力レーザーによる岩質材料掘削の試み」
・講演者:株式会社
地層科学研究所 代表取締役
里
優
氏
・講演要旨:
岩盤やコンクリートを切断、穿孔する際や、トンネルなどを機械掘削する際
には、これらが硬いために大きな反力が必要となります。このため、穿孔機械
や掘削機械が大きくなり、ロボット化は、困難です。また、振動や騒音、掘削
形状の凸凹などが問題となることがあります。これらを解決する方法として、
大出力レーザーを用いることが考えられますが、これまでの研究開発の経緯を
紹介する。
57
「大出力レーザーによる岩質材料掘削の試み」
講演中の里優代表取締役
レーザー実験室の見学
58
3.3 レーザー技術の普及,教育活動への貢献
3.3.1
サマーサイエンスキャンプ
3.3.2
夏期休暇実習生受入
3.3.3
敦賀市内中学生向け社会体験見学
3.3.4
福井大学大学院工学研究科授業
59
3.3.1 サマーサイエンスキャンプ
サマーサイエンスキャンプ 2012 日本原子力研究開発機構 敦賀本部
「エネルギーと元素・光・熱を巡る科学の散歩道」
会期:平成 24 年 8 月 22 日(水)13:00~8 月 24 日(金)14:30 2 泊 3 日
会場:日本原子力研究開発機構敦賀本部 レーザー共同研究所及び
国際原子力情報・研修センター
(http://www.jaea.go.jp/04/turuga/index.html)
主催:独立行政法人 科学技術振興機構
募集人数:10名
【日程表】
日程
時間
カリキュラム
講師(対応者)
8月22日(水) 13:00~13:30
0:30
受付(JR「敦賀駅」)
北澤、小森
13:30~14:00
0:30
移動 敦賀駅→MC
北澤、小森
14:00~14:20
0:20
開講式
北端センター長、古谷次長、三浦嘱託、小林さん、北澤主査、小森
14:20~15:50
1:30
展示館・もんじゅ見学
案内:MC広報監、随行:小林さん
15:50~16:00
0:10
休憩・移動
トイレ・給水
16:00~17:20
1:20
原子力発電所の検査技術(講義・実習)
FBRプラント工学センター運転・保全技術開発山口さん
17:20~17:30
0:10
移動・休憩
トイレ・給水
17:30~18:00
0:30
移動 もんじゅ→敦賀分室
小森
18:00~20:00
2:00
講師等との交流会
西村室長、島田さん、山田さ、杉原さん、古山さん、竹仲さん、中村さん、三浦嘱託、小林さん、北澤主査、小森
20:00~20:20
0:30
宿舎へ移動
先生、日通司馬さん
8月23日(木) 8:00~8:20
0:20
宿舎発→アトムホール
先生、日通司馬さん
8:20~8:30
0:10
休憩
トイレ・給水
8:30~9:30
1:00
講義 エネルギー、光、物質の本質と循環
大道所長
9:30~12:45
3:15
実験①元素の発する光とその分光
西村室長、島田幸洋さん、古山雄大さん、中村香織さん
12:45~13:45
1:00
昼食
レーザー7名、事務局2名 一緒に食事
13:45~17:00
3:15
実験②熱・光・電気及びエネルギーの変化
西村室長、山田知典さん、杉原健太さん、竹仲佑介さん
宿舎へ移動
先生、日通司馬さん
17:00~
8月24日(金) 8:00~8:20
0:20
宿舎発→アトムホール
先生、日通司馬さん
8:20~8:30
0:10
休憩
トイレ・給水
8:30~12:00
3:30
実験結果の考察と発表時間
12:00~12:30
0:30
昼食
12:30~13:30
1:00
発表と質疑応答
13:30~14:00
0:30
閉講式
大道所長、西村室長、塚本広報課長、北澤主査、小森
移動 アトムホール→敦賀駅
先生、日通司馬さん
14:00~
レーザー7名、事務局2名 一緒に食事
60
【レーザー共同研究所での実験の様子】
実験1
実験2
元素の発する光とその分光
熱・光・電気及びエネルギーの変化
61
「原子力機構 敦賀本部からのお知らせ(No.73,H24.10/23 発行)【業務統括部
広報課】の第 2 面のサマーサイエンスキャンプの紹介」より転載
“サイエンスキャンプ開催”
平成 24 年 8 月 22 日から 24 日の 3 日間にわたり、原子力機構敦賀本部にお
いて「サマーサイエンスキャンプ(※1)」を開催し、全国各地から集まった 10
名の高校生が科学技術の楽しさを追求しました。
初日は、高速増殖原型炉もんじゅを訪れ、その目的や仕組みとともに原子炉
施設の検査で用いる超音波技術や電磁誘導を用いた最新技術について学びまし
た(写真1)。
2 日目は、敦賀本部レーザー共同研究所において、光の本質に関する講義の後、
2つのテーマに基づく実験を行いました。1 つ目は、「元素の発する光とその分
光」をテーマに、元素の宇宙初期における誕生の仕組みとその代表的性質を周
期表から学び、更に、放電による特徴的な発光スペクトル(※2)の計測を行う
というもの(写真2)で、2 つ目は、「熱・光・電気及びエネルギーの変化」を
テーマに、形状記憶合金や赤外線センサー、自然対流に関する様々な実験を行
いました(写真3)。加えて、太陽表面の活動の様子を水素原子の発する特殊な
波長で観察しました(写真4) 。何れも高校の授業で習う以上の専門性を含む
内容でしたが、生徒の皆さんは研究者の丁寧な指導の下、ひとつひとつの実験
に取り組みました。
最終日は、個人毎に実験結果をまとめ、発表を行いました。内容はキャンプ
を通じて理解したことに限らず、新鮮な発想に溢れた原理の応用アイデアや更
に知識を深めるために今後挑戦したい実験等についても触れられており、生徒
の皆さんの知的好奇心が大いに刺激されたことを伺えるものでした。
キャンプ中には、各地の方言も飛び交い、生徒の皆さんの研究に挑む真剣な
眼差しと爽やかな笑顔が印象的でした。一方、指導にあたった研究者たちも学
生の頃の科学を楽しむ気持ちを思い出すことができ、大変貴重な経験となりま
した。
1
2
3
【太陽表面の
活動の様子】
【「もんじゅ」
(タービン建屋)見学】
【放電による発光
スペクトルの計測実験】
【線香の煙を使用した
自然対流現象の
可視化実験】
4
【太陽の観察】
※1 サマーサイエンスキャンプ・・・独立行政法人科学技術振興機構が主催する高校生を対象にした夏休みイベント。
夏休み期間中の高校生が、最先端の科学技術を直接体験して学び合う科学技術体験合宿プログラムです。次代を担う青
尐年が、先進的な研究施設や実験装置がある研究現場で実体験し、第一線で活躍する研究者、技術者等から直接講義や
実習指導を受けることにより、科学技術に対する興味・関心を高め、学習意欲の向上を図り、創造性、知的探究心、理
数の才能等を育てることをねらいとしています。
※2 発光スペクトル・・・原子・分子などが発する光の信号をプリズムなどの分光装置により分別し、波長の順に並
べた強度分布のこと。
62
3.3.2 夏期休暇実習生受入
【実習テーマ】レーザーによる精密加工技術の基礎技術の習得
実施日:平成 24 年 8 月 6 日(月)~8 月 10 日(金) 5 日間
時 間:9:00~17:00
場 所:日本原子力研究開発機構敦賀本部 レーザー共同研究所
参加者:2名
内容:
レーザー加工技術は、レーザーパルスの長さと加工物の特性に応じて、溶融
や蒸発を主とした熱加工と非線形吸収や多価電離などの高強度時短パルス加工
まで、幅広く研究開発と実用化が進められている。原子力分野でもレーザー加
工技術の実用化が進められている。実習では、1)レーザーの原理と装置概要、
2)レーザー光の安全な取扱いと物質との相互作用、3)レーザー加工のため
のステージ制御の概要、4)レーザー加工の基本習得、5)原子力分野へのレ
ーザー加工技術の利用例紹介、の5つの課程を実施する。レーザー加工の基本
習得では、石英ガラス内部にレーザー加工により文字加工を行う。原子力分野
へのレーザー加工技術については、レーザー共同研究所で研究開発中のレーザ
ー溶接・補修、地震センサー開発、水中レーザー切断、レーザー医療機器開発
などを紹介する。
【日程表】
月日
時間
8月6日
9:00 12:00
月
13:00 17:00
8月7日
火
内容
担当
オリエンテーリング
安全教育
市川、土田
鈴木・西村
エネルギーとレーザーについて(量子エネルギー応用
論)、レーザー安全教育、実験室とスタッフ紹介
大道、西村
9:00 12:00 レーザー加工の基礎と実演、熱伝導模擬計算紹介
13:00 17:00 ステージ制御のレーザー加工の演習
竹仲、古山、中村
竹仲、古山、中村
8月8日
9:00 12:00
ガラス・金属・材料表面の付着物の有無など、幅広いエ
竹仲、古山、中村
ネルギーにわたる実戦的なレーザー加工演習
水
13:00 17:00
熱影響を抑制した超短パルスレーザー精密加工の実演
島田、竹仲、西村
と加工例の紹介
8月9日
木
8月10日
金
9:00 12:00 レーザー加工装置の構造と操作
13:00 17:00 加工実演
鈴木、島田、西村
鈴木、島田、西村
9:00 12:00 加工実演(微細加工品の製作、ネームの書き込み)
13:00 17:00 総括と実習内容のレポート作成
63
鈴木、西村
土田、西村
エネルギーとレーザーについての講義を受けている実習生
加工実演の様子
64
3.3.3 敦賀市内中学生向け社会体験見学
敦賀市内の中学生を対象とした、社会体験学習の一環として原子力機構・敦
賀本部が数名の中学生を受け入れている。受け入れた中学生に原子力機構の概
要説明の後に、労務課や調達課の業務について事務実習を体験している。
また、レーザー共同研究所においては、レーザー共同研究所の役割やレーザ
ー技術がどのように産業に利用されているかを説明した後に、実験室において
どのようなレーザーを用いて原子炉の廃炉技術の開発を行っていることや計算
科学を用いてレーザーによる溶接や切断時の現象をシミュレーションし、溶け
た金属の挙動を明らかにしていることを紹介した。
【敦賀市立松陵中学校
社会体験活動】平成 24 年 9 月 11 日
3.3.4 福井大学大学院工学研究科授業”量子エネルギー応用論”
平成24年10月22日(月)
【西村】、29日(月)
【大道】の両日、福井大学
附属原子力国際研究所第2講義室と医学工学部1号館1号棟119S講義室に
て授業を行った。
1.西村昭彦「レーザー・光学技術の原子力及び産業への利用」
2.大道博行「高強度レーザーと高強度場研究」
65
3.4 企業向け展示会への出展
3.4.1
第7回けいはんなビジネスメッセ
3.4.2
けいはんな情報通信フェア2012
66
3.4.1 第7回けいはんなビジネスメッセ
開催概要
「環境・エネルギー、ものづくり・ICT、光、医療、健康・福祉」
テーマ
事
業
~新産業の創出を目指して~

ビジネスマッチング展(展示会)、出展企業プレゼンテーション等

けいはんなグリーンイノベーションフォーラム

けいはんな学研都市における今後の環境への取り組み紹介

けいはんな学研都市を含む関西における最新の環境対応技術の紹介

けいはんな学研都市内の機関・企業のシーズ紹介、大手企業等との
開催目的
マッチングの場の提供
実施時期
平成24年7月19日(木)
10:00~17:00
場
所
「けいはんなプラザ」交流棟1階、3階
主
催
(公財)関西文化学術研究都市推進機構
共
催
(株)けいはんな
近畿経済産業局、国立国会図書館関西館、(公社)関西経済連合会、
京都府、大阪府、奈良県、京田辺市、木津川市、精華町、枚方市、
四條畷市、交野市、八尾市、奈良市、生駒市、(公財)京都産業21、
(財)奈良県中小企業支援センター、京都商工会議所、大阪商工会議
後
援
所、東大阪商工会議所、北大阪商工会議所、奈良商工会議所、生駒
商工会議所、京田辺市商工会、木津川市木津町商工会、精華町商工
会、四條畷市商工会、京都大学、京都工芸繊維大学、同志社大学、
京都府立医科大学、京都府立大学、大阪大学、大阪工業大学、大阪
電気通信大学、奈良先端科学技術大学院大学、奈良県立医科大学、
京都新聞社、京都新聞COM、(株)奈良新聞社、(株)産経新聞社、(株)
67
日刊工業新聞社、NHK京都放送局、(株)京都銀行、㈱南都銀行、
けいはんな地域産業活性化協議会
(順不同)
展示風景
第7回けいはんなビジネスメッセにおいて、レーザー共同研究所で進めてい
る医療応用技術の展示を行い、医療関係者との意見交換等を行うとともに、関
西地区の企業からレーザー微細加工に関する技術相談等を受けた。
また、複合型光ファイバーの先端の体内での3次元的な位置情報に関する技
術的な提案が大学関係者からなされ、意見交換を行った。
68
3.4.2 けいはんな情報通信フェア2012
69
展示風景
70
3.5 各種見学会の実施
3.5.1
第1回レーザー共同研究所見学会
3.5.2
TWI(接合溶接研究所)一行レーザー共同研究所御
訪問
3.5.3
第2回レーザー共同研究所見学会
3.5.4
光産業創成大学院大学(加工プロセス分野)見学会
3.5.5
近畿高エネルギー加工技術研究所ものづくり支援セ
ンター一行レーザー実験室御見学
71
3.5.1 第1回レーザー共同研究所見学会
これまで、
【レ―ザー技術の企業活用セミナー&研究所見学会(平成 22 年 9
月 29 日開催)】および【レーザー技術の産業利用に関する講演会及び見学会
(平成 23 年 9 月 6 日開催)】を開催した。
同種の会合の名称を統一し、今回、レーザー技術の地域での産業展開に資
するため、
(財)若狭湾エネルギー研究センターと共催で、以下の内容で、地
元企業を対象とした講演((株)レーザックスの坪井専務)及び第 1 回レーザ
ー共同研究所見学会を実施した。
・開催日:平成 24 年 3 月 23 日(金) 13 時 30 分より 16 時頃まで
・共催:(財)若狭湾エネルギー研究センター
・参加予定者を 10 名程度として行ったが、実参加者は 8 名だった。「高出力
ファイバレーザーの産業利用」と題し、世界の企業での実例を(株)レー
ザックスの坪井専務より紹介があった。
・その後実験室で、10kW(6+4)ファイバレーザー実験装置について、気中
切断及び水深 3mまで試験のできる水中切断試験を説明した後に、気中で
厚さ 10mm のステンレス板の切断試験を実演した。大好評であった。
・化学プラント中細管の肉盛り補修技術の紹介では、今年度の「技術課題解
決促進事業」のひとつとして実施した「伝熱管内壁補修用レーザクラッデ
ィング装置の試作」のワイヤーフィード装置の開発について実物を見てい
ただきながら紹介を行った。
・10 名程度の参加者により、実験室を詳細にみていただき、かつ有効な議論
することができた。
・今回、都合が悪く参加できなかった見学希望者には日を改めて見学会を設
定したい。また、産業向けとともに市民向けの見学会も要望に応える形で
順次実施して行く予定である。
72
気中切断装置について説明
レーザクラッディング装置の試作について説明
73
3.5.2 TWI(接合溶接研究所)一行レーザー共同研究所御訪問
TWI(The Welding Institute)は、英国ケンブリッジに本部のある世界有
数の民営の接合・溶接研究所で 接合・溶接分野における世界のリーダーの一
つに数えられるといわれている。TWIの御一行が平成 24 年年 5 月 18 日(金)
にレーザー共同研究所を訪問され、御講演(原子炉廃止、コンクリート除去等)
を行っていただき、その後、実験室の見学を行っていただいた。
・御訪問日:平成 24 年 5 月 18 日(金) 13:00~
・御訪問者:Fred Delany 氏 (Consultant, TWI Cambridge)
角張 隆男 氏 ((有)ドッドウェル代表,TWI Japan)
・御講演題等:
1.TWI の最近の概要
2.Nuclear plant decommissioning by laser
3.Membership system
4.質疑応答
写真左:角張氏
写真中央:Mr.Fred Delany
74
3.5.3 第2回レーザー共同研究所見学会
第 2 回レーザー共同研究所見学会を 7 月 24 日(火)に 13 時 30 分からアトム
ホールに置いて、所長の大道より、レーザー共同研究所の概要、レーザー技術
についての紹介が行われた。その後本日の実験室での見学時の対応スタッフの
紹介を行い、実験室での見学を行い、研究開発状を特に高出力ファイバーレー
ザーを用いた厚板切断について実際の気中切断を実演した。下記に当日の実施
内容を記載した。
記
(1)開催日時:平成24年7月24日(火)13:30 から
(2)開催場所:敦賀本部アトムプラザ アトムホール及び実験室
(3)見学会
1)13.30~13:40 敦賀本部レーザー共同研究所長 開催ご挨拶
2)13:40~14:40 実験室見学
・ファイバレーザーを用いた化学プラント等の補修技術開発の紹介(20分)
担当:寺田、竹仲、
【西村】
(配管補修の紹介実験装置実演)
・高出力ファイバレーザーによる厚板切断技術開発の紹介(30分)
担当:小川、山田、杉原、
【村松】
(気中切断の実演紹介)
SPring-8 試験の紹介
・医応用技術開発の紹介
担当:関、
【土田】
(複合型光ファーバー医療分野への紹介(15分)
(4)14:40 ~
個別技術相談会
今回の参加者は嶺北企業 2 社、嶺南 1 社であり嶺南から参加された企業から
レーザー切断加工についての相談があった。
実験室での見学会の様子
75
3.5.4 光産業創成大学院大学(加工プロセス分野)見学会
参加者:光産業創生大学院大学
加藤義章学長、北原正教授、沖原 伸一朗助教、坪井昭彦特任教授、
志田純章様、前田利光様
(1)日時:平成 24 年8月7日(火)13:30~16:30
(2)講演及び実験室見学
○講演(アトムホール)(13:30-14:55)
1)レーザー共同研究所の歓迎挨拶及び概要説明(10 分)
大道 博行
2)光産業創生大学院大学のご紹介(10 分)
加藤 義章 学長
3)光産業創生大学院大学・加工プロセス分野のご紹介(30 分)北原 正 教授
4)レーザー共同研究所における研究開発の紹介(35 分)
・レーザー切断/溶接プロセスに係わる研究の概要
村松 壽晴 (15 分)
・レーザー溶接時溶融池内対流挙動の SPring-8 放射光 X 線を用いたその場観察試験
山田 知典 (10 分)
・レーザー技術の産業利用技術開発の紹介
西村 昭彦 (10 分)
○実験室見学(15:00~16:10)
・ファイバーレーザーのパルス照射によるアルミナペレットの破砕試験(20 分)
担当:杉原、小川、山田、【村松】
(試験装置ポスター説明+破砕試験デモ)
・ファイバ-レーザーを用いた化学プラント等の補修技術開発の紹介(15 分)
担当:寺田、竹仲、
【西村】
(配管補修の紹介実験装置実演)
・YAG レーザーによる加工試験の紹介(10 分)
担当:西村、古山【西村】
・高温型 FBG の研究開発の紹介(10 分)
担当:島田【西村】
・医応用技術開発の紹介(15 分)
担当:竹仲
(複合型光ファーバー医療分野への紹介)
(3)意見交換会(16:10~16:30)
加藤学長よりレーザー共同研究所における研究開発に関し、激励の言葉があった。
参加者より廃止措置へ向けたレーザー利用の実現可能性の御質問、医学利用に対す
る御関心が示された。今後いろいろなことで御指導、御協力いただけるものと期待
できる。
76
アトムホールでの講演中の様子
レーザー実験室での見学の様子
77
3.5.5 近畿高エネルギー加工技術研究所ものづくり支援センター一行レ
ーザー実験室御見学
(2012年10月11日(木))
近畿高エネルギー加工技術研究所ものづくり支援センター御一行(31 名)に
レーザー共同研究所を御見学いただき、その後ふげんの見学に向かわれた。
参加メンバーは関西地区の重工、レーザー加工の御会社などに所属されている
方が多い。
レーザー実験室にて見学
アンケートでのコメント(ものづくり支援センター)
①レーザーメス(ファイバーレーザーによる癌治療)の内容をもう尐し学びたか
った。
②レーザー技術が廃炉措置に貢献していることが実感できた。
③レーザー共同研究所の見学時間が短かった。
④廃炉へのレーザー技術は CO2 レーザーで進められていた時期があり、弊社でも、
レーザー用光学部品を納めさせていただいたことがあり、最新の技術を拝見し
たかった。
⑤FBG センサーによるプラント管理、医療応用、溶融や観察シミュレーション
等々、興味深いお話を伺うことができた。
⑥レーザー切断による廃炉案件を以前頂いたことから見学会へ参加した。
以上の貴重なコメントをいただいた。これらを踏まえて御関心の高い方々と
の協力関係を持ちたいと願っている。
78
3.6 各種記事等
新聞記事
(1) 平成 23 年 12 月 02 日 産経新聞
(2) 平成 24 年 01 月 07 日 中日新聞
(3) 平成 24 年 01 月 07 日 日刊県民福井
(4) 平成 24 年 01 月 20 日 読売新聞
(5) 平成 24 年 02 月 14 日 溶接ニュース
(6) 平成 24 年 11 月 19 日 原子力機構敦賀本部 プレス公開資料
(7)
平成 24 年 11 月 20 日 福井新聞
(8) 平成 24 年 11 月 20 日 中日新聞
(9) 平成 24 年 11 月 20 日 毎日新聞
(10)平成 24 年 11 月 20 日 日刊県民福井
(11)平成 24 年 11 月 21 日 読売新聞
(12)平成 24 年 11 月 21 日 産経新聞
(13)若狭湾エネルギー研究センターエネ研ニュース Vol.45(H24.1/18 発行)
第2面
79
(1)平成 23 年 12 月 02 日 産経新聞
【平成 24 年 10 月 23 日 産経新聞社より許諾済】
80
(2)平成 24 年 01 月 07 日 中日新聞
【平成 24 年 10 月 15 日 中日新聞社より許諾済】【許諾番号:20121015-11801】
81
(3)平成 24 年 01 月 07 日 日刊県民福井
【平成 24 年 10 月 18 日 (株)日刊県民福井より許諾済】
82
(4)平成 24 年 01 月 20 日 読売新聞
【平成 24 年 11 月 07 日 読売新聞社より許諾済】
83
(5)平成 24 年 02 月 14 日 溶接ニュース
【平成 24 年 10 月 15 日 産報出版より許諾済】
84
(6)平成 24 年 11 月 19 日 原子力機構敦賀本部 プレス公開資料
レーザー共同研究所 現場公開説明用資料【平成 24 年 11 月 19 日】
平成 24 年 11 月 19 日
レーザー共同研究所の研究現場の公開(概要)
レーザー共同研究所公開のポイント
・ 日本原子力研究開発機構(理事長
鈴木篤之、以下、原子力機構)では、 (財)
若狭湾エネルギー研究センター、(株)レーザックスと共同で、有効な原子炉
の解体方法の一つとして、二次廃棄物が尐なく、遠隔操作及び狭隘部での作
業が可能なレーザー切断技術の適用に向けて共同研究を行っている。
・ 福島第一原子力発電所の燃料デブリの取り出すための技術の 1 つとして、レ
ーザーの利用研究を進めている。
・ レーザーによる材料の切断時に対応する現象を数値シミュレーションにより
再現し、観察結果と直接比較することで切断性能に影響を与える因子の定量
評価を可能にした。
原子力機構は、原子力施設の解体に係わる様々な技術や知見を蓄えるための
研究開発を行なっており、特に原子力機構敦賀本部レーザー共同研究所(以下
レーザー共同研究研)では、原子炉施設の廃止措置をより安全かつ効率的に行
えるよう、同原子炉廃止措置研究開発センター(「ふげん」)、(財)若狭湾エネルギ
ー研究センター、(株)レーザックスと共同で高出力ファイバーレーザーを利用し
た切断技術の研究開発を進めています。
1.ふげんの原子炉の解体に向けた切断試験
レーザー切断は、直径 1mm 以下に集光したレーザー光を熱源とし、薄い
板材の金属は高速で切断することができ、切断溝の幅が狭いことから二次廃
棄物が尐なく、さらに、ファイバー伝送が可能なことから遠隔操作性にも優
れた特徴を有しております。
「ふげん」の原子炉は圧力菅型で、224 本の圧力管(全長:4942mm、内
径:117.8mm、厚さ:4.3mm)とカランドリア管(全長:4,880mm、内径:
156.4mm、厚さ:1.9mm)、それらを収めるカランドリアタンク(全高:5,040
mm、炉心タンク部の外径:4,910×25mm、ダンプスペース部:外径 7,950
mm×厚さ 27mm、上下の管板厚さ:最大 150mm)で構成されています。
これらの構造物は、約 25 年間の運転で燃料からの中性子照射によって放射化
され、単位重量当たりの内蔵放射能量(主にコバルト 60)は「ふげん」の施設
85
の中で最も高くなっています。
このため、この炉心部の解体方法として、図1のように放射線を遮へいす
ること、切断時に発生する粉じんを抑制するために原子炉上部に解体用プー
ルを設置し水中において、レーザー切断工法等により遠隔で解体することを
検討してきております。
これまでに、本装置を使用し、気中切断においては、レーザー出力 10kW
において厚さ 100mm のステンレス製鋼材の切断を実証、水中切断では、レ
ーザー出力 6kW において厚さ 30mmのステンレス製鋼材の切断を確認して
おります。
今後は、「ふげん」の炉内構造材で使用している 150mm のステンレス製鋼
材及び炭素鋼材の切断実証に向けて、試験を継続して行くこととしています。
原子炉建屋
バンドソー装置
カランドリアタンク
炉心タンク部
解体物収納容器
切断装置
・レーザー切断等
図1
解体用プール
「ふげん」の原子炉解体イメージ
86
(a)レーザー照射中の様子
図2
(b)水中切断後の試験片
ステンレス鋼(SUS304)の水中でのレーザー切断試験の状況
2.福島第一原子力発電所の燃料取出し等への適用
レーザー光は、光を任意の時間幅にスライスし、パルス的に照射する方式
(パルス照射)等により、機械切断法では切断が困難な著しく硬いセラミックス
材料でも、その内部に大きな熱応力を与えて破砕することができます。この
ような特性を活かし、福島第一原子力発電所での使用済み燃料集合体の解体、
燃料デブリベッド(セラミックス)取出し等への適用を目指した研究開発を進
めています。
照射実験の一例として、図3に炉心溶融に至った場合に想定される燃料デ
ブリを模擬した試験体(セラミックスペレット等)のレーザー照射破砕試験の
状況を示します。今後、さらに物性や照射条件を変えた実験を行い、データ
を蓄積していくこととています。
図3
セラミックスペレット(アルミナ)を対象としたレーザー照射破砕試験
(セラミックス:金属酸化物で、高温での熱処理によって焼き固めたもの。)
87
3.レーザー切断プロセスシミュレーションコードの開発
レーザー共同研究所では、計算機によりレーザー切断を再現する技術(数
値シミュレーション)として、レーザー切断プロセスシミュレーションコー
ド(SPLICE)の開発を進めており、実験結果との比較対比により概ね実験結果
を再現し得ることから、それを基に、より高出力なレーザーを用いた時の切
断性能や実験では観測困難な切断メカニズムなどを調べています。
図4に数値シミュレーションと大気中切断実験の一例を示します。
図4
数値シミュレーションと実験による切断状況
当研究所では、以上のようなレーザー切断試験等で得られた物理的・工学
的知見、レーザー切断の状態を計算機により再現する技術(数値シミュレー
ション)を活かした共同研究を進め、原子力分野だけでなく一般産業分野の
レーザー切断技術の高度化に取り組んでいます。
以 上
88
(7)平成 24 年 11 月 20 日 福井新聞(福井県版 26 面)
【平成 24 年 11 月 26 日 福井新聞社より許諾済】「福井新聞社提供」
89
(8)平成 24 年 11 月 20 日 中日新聞
【平成 24 年 11 月 21 日 中日新聞社より許諾済】【許諾番号:20121121-11956】
90
(9)平成 24 年 11 月 20 日 毎日新聞
【平成 24 年 11 月 21 日 毎日新聞社より許諾済】「毎日新聞社提供」
91
(10)平成 24 年 11 月 20 日 日刊県民福井
【平成 24 年 11 月 22 日 (株)日刊県民福井より許諾済】
92
(11)平成 24 年 11 月 21 日 読売新聞
【平成 24 年 11 月 22 日 読売新聞社より許諾済】
93
(12)平成 24 年 11 月 21 日 産経新聞
【平成 24 年 11 月 22 日 産経新聞社より許諾済】
94
(13)若狭湾エネルギー研究センター
エネ研ニュース Vol.45 (H24.1/18 発行) 第 2 面から転載
【平成 24 年 11 月 22 日若狭湾エネルギー研究センターより許諾済】
95
4.研究発表等リスト
平成 23 年度論文発表(平成 23 年 12 月以降分)
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
Vol. No.
1
複合型光ファイバスコープの医療応用
2
厚板金属のレーザ切断シミュレーション
第25回数値流体
力学シンポジウム
3
関西光科学研究所におけるエネルギー環
境教育の試み:パワーズ・オブ・テンの
奨め
エネルギー環境
教育研究
6
1
4
レーザー技術の原子炉廃止措置への貢献
オプトニューズ
6
5
5
原子力分野におけるレーザー利用
6
原子炉の保守保全に役立つレーザー技術
7
廃止措置のためのレーザ切断技術の開発
80
応用物理
12
レーザー加工学会誌
96
発表・発
行年月
代表者
1069-1071
2011年12月
岡潔
2011年12月
杉原健太
(USB)C08-1
光技術動向
調査報告書
レーザー研究
pp.
40
19
3
2
17-20
報告者
岡潔、関健史
西村昭彦
杉原健太、小川剛充、
中村保之、村松壽晴
2011年12月 西村昭彦 星屋泰二、西村昭彦
2012年1月
大道博行 大道博行
339-347
2012年3月
大道博行 大道博行
183-187
2012年3月
西村昭彦 西村昭彦
2012年3月
小林紘二郎、井田俊雄
山口健志、大道博行
大道博行 村松壽晴、佐野一哉
坪井昭彦、社本英泰
池田剛司
63-67
平成 24 年論文発表
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
1
Review of laser-driven ion
Reports on Progress in
sources and their applications
Physics
2
Phenomenological evaluation of
laser-irradiated welding processes
with a combined use of
higheraccuracyexperiments and
computational science
methodologies(3) In-situ
observations of welded pool using
anintense X-ray beam
3
INSTRUMENTATION DEVICE AND
SURFACE CONTROL
TECHNOLOGY FOR COOLANT
PIPING OF NUCLEAR POWER
PLANTS
4
Numerical simulation of
thermohydraulic characteristics of
dross ejection process in laser
steel sutting
5
双胎間輸血症候群における胎児
レーザー治療の現状と展望
6
子宮体部病変に対するレーザー治
療の開発について
7
原子炉施設の除染・解体
Vol.
No.
75
5
19th International
Conference on Nuclear
Engineering in
Osaka(ICONE19)
20th Internatinal
Conference on Nuclear
Engineering and ASME
2012 Power
Conference(ICONE20&POWER2012)
20th Internatinal
Conference on Nuclear
Engineering and ASME
2012 Power
Conference(ICONE20&POWER2012)
pp.
発表・発行
代表者
年月
大道博行、西内満美子
Alexander S Pirozhkov
56401
2012年5月
大道博行
44128
2012年5月
山田知典、菖蒲敬久
山田知典 米本幸弘、山下晋
西村昭彦、村松壽晴
54406
2012年7月
西村昭彦、寺田隆哉
西村昭彦 島田幸洋、米本幸弘
山田知典
54185
2012年7月
杉原健太
日本レーザー医学会誌
33
2
122-130
2012年8月
岡潔
日本レーザー
医学会誌
33
2
131-135
2012年8月
岡潔
杉原健太、中村保之
小川剛充、村松壽晴
山下紘正、岡潔
山中紀明、関健史
金季利、桑名健太
正宗賢、長縄明大
土肥健純、千葉敏雄
重富洋志、岡潔、
大井豪一、古川直人
吉田昭三、山口龍二
永井景、春田祥治
柳瀬康仁、赤坂珠理晃
関健史、赤津朊宏
小林浩
オプトロニクス
31
9
140-142
2012年9月
大道博行 大道博行
-
1904
661-669
2012年9月
村松壽晴 村松壽晴
8
Thermohydraulic Aspects in Laser
Welding and Cutting Processes
31th International
Congress on Applications
of Laser and ElectroOptics
9
レーザー共同研究所におけるレー
ザー応用技術の産業展開
第39回技術士全国大会誌
-
-
44
2012年9月
土田昇
10
診断と治療が同時に可能な複合型
光ファイバ内視鏡システム
光学
41
11
576-578
2012年11月
岡潔
11
小型シリンジを用いたイレウス
チューブのバルーン内圧制御
ライフサポート
学会
Laser-Driven Relativistic
Plasmas Applied to
Science, Energy, Industry
and Medicine (AIP
Conference 1465)
Laser-Driven Relativistic
Plasmas Applied to
Control of Physical Properties on
13
Science, Energy, Industry
Solid Surface via Laser Processing
and Medicine (AIP
Conference 1465)
Development of Pulse laser
12 processing for Mounting Fiber
Bragg Grating
報告者
in Press
関健史
土田昇
岡潔、関健史
赤津朊宏
長縄明大、関健史
岡潔
1495
256-260
2012年
西村昭彦、島田幸洋
西村昭彦 米本幸弘、鈴木宏和
石橋久義
1495
251-255
2012年
米本幸弘 米本幸弘、西村昭彦
97
平成 23 年度口頭発表(平成 23 年 12 月以降分)
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
発表・発行
代表者
年月
報告者
第76回レーザ加工
学会講演会
2011年12月
山田知典
山田知典、菖蒲敬久
山下晋、小川剛充
杉原健太、西村昭彦
村松壽晴
ナノ秒パルスレーザーによる固体表面特性
の遠隔制御に関する研究
第76回レーザ加工
学会講演会
2011年12月
米本幸弘
米本幸弘、西村昭彦
島田幸洋
3
厚板金属のレーザ切断シミュレーション
第25回数値流体力学
シンポジウム
2011年12月
杉原健太
杉原健太、小川剛充
中村保之、村松壽晴
4
レーザー溶接複合プロセスにおける現象論的評価
へ向けた数値シミュレーション
第25回数値流体力学
シンポジウム
2011年12月
山下晋
山下晋、山田知典
功刀資料、村松壽晴
5
レーザー共同研究所研究開発状況
敦賀本部
研究開発力強化
委員会
2011年12月
大道博行 大道博行
6
レーザー光の特徴とその利用技術の発展
敦賀ロータリー
クラブ例会
2012年1月
大道博行 大道博行
7
伝熱管内壁レーザー肉盛り溶接補修とその場観察 レーザー学会学術講演
技術の開発
会第32回年次大会
2012年1月
寺田隆哉
8
レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発(1)
レーザー切断プロセスの概要と研究全体計画
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
村松壽晴、杉原健太
村松壽晴 小川剛充、中村保之
佐野一哉
9
レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発(3)
数値解析によるレーザー切断時溶融金属排出挙
動の現象論的評価
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
杉原健太、中村保之
杉原健太 小川剛充、佐野一哉
村松壽晴
10
レーザー溶接補修技術の標準化に向けた研究開
発(8)レーザー溶接中の溶融池内流動場の特性評
価
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
山田知典、山下晋、
山田知典 杉原健太小川剛充、
菖蒲敬久、村松壽晴
11
レーザー溶接補修技術の標準化に向けた研究開
発(9)溶融池内対流が温度場へ及ぼす影響評価
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
山下晋
山下晋、山田知典、
高瀬和之、村松壽晴
12
高速炉の2次冷却系配管材料を使用した
耐熱FBGセンサの性能評価と実装試験
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
島田幸洋
島田幸洋、米本幸弘
西村昭彦、鈴木宏和
石橋久義、川原啓孝
伊藤主税、吉田昌宏
13
パルスレーザーを用いた固体表面特性の遠隔加工
技術の開発
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
米本幸弘
米本幸弘、西村昭彦
島田幸洋、寺田隆哉
14
伝熱管内壁レーザー肉盛り溶接補修装置の開発
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
寺田隆哉 寺田隆哉、西村昭彦
15
関西光科学研究所におけるアウトリーチ活動の実
践と敦賀への展開
日本原子力学会
2012年春の年会
2012年3月
西村昭彦 西村昭彦、星屋泰二
1
レーザー溶接中の溶融池内流動場の評価
2
98
寺田隆哉、西村昭彦
岡潔
平成 24 年度口頭発表
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
発表・発行
代表者
年月
報告者
1
Development of the minimally invasive laser
system for cancer treatment
Conference on Laser
Surgery and Medicine2012
(CLSM2012)
2012年4月
関健史
関健史、赤津朊宏、
岡潔
2
Development of balloon pressure control
device for observing the complete small
intestine using an ileus tube tvpe endoscope
8th Asian Conference on
Computer Aided Surgery
(ACCAS2012)
2012年5月
関健史
関健史、長縄明大、
岡潔、佐藤憲康、
芳野純治
3
原子力におけるレーザー加工技術
「レーザー学会関西支部」
研究会
2012年5月
大道博行 大道博行
4
原子力分野におけるレーザープロセスの適用
(特別講演)
第77回レーザ加工
学会講演会
2012年5月
大道博行 大道博行
5
狭隘部レーザ肉盛り溶接装置の開発
第77回レーザ加工
学会講演会
2012年5月
寺田隆哉 寺田隆哉、西村昭彦
6
LIBS分光と狭隘部観察が可能な原発損傷炉心
調査プローブの開発
第77回レーザ加工
学会講演会
2012年5月
西村昭彦
7
Real-time observation of laser heated metals
with high brightness monochromatic x-ray
techniques at present and future prospects
(Invited talk)
13th International
conference on X-Ray Lasers
2012年6月
大道博行、山田知典
山下晋、杉原健太
大道博行
西村昭彦、村松壽晴
菖蒲敬久
8
A basal study for problem solution of ELANA
method
the 6th European-Japanese
Stroke Surgery Conference
2012年6月
赤津朊宏、岡潔
赤津朊宏 関健史、菊田健一郎
勝見英明
9
The New Laser-irradiating Fiberscope for
Hemostasis in the Treatment of Intracranial
Lesions
the 6th European-Japanese
Stroke Surgery Conference
2012年6月
岡潔
10
医療用イレウスチューブを用いた小腸内圧計測
による小腸運動の検討
日本消化器病学会
東海支部第116回例会
2012年6月
岡潔
11
原子炉廃止措置に向けての課題とレーザー応
用の可能性
レーザー学会
「レーザーの原子力応用」専門
委員会
2012年7月
大道博行 大道博行
INSTRUMENTATION DEVICE AND SURFACE
CONTROL TECHNOLOGY FOR COOLANT
12
PIPING SYSTEM OF NUCLEAR POWER
PLANTS
20th International
Conference on Nuclear
Engineering and ASME 2012
Power Conference (ICONE20 & POWER 2012)
2012年7月
西村昭彦、寺田隆哉
西村昭彦 島田幸洋、米本幸弘
山田知典
NUMERICAL SIMULATION OF
THERMOHYDRAULIC CHARACTERISTICS OF
13
DROSS EJECTION PROCESS IN LASER
STEEL CUTTING
20th Internatinal Conference
on Nuclear Engineering and
ASME 2012 Power
Conference(ICONE20&POWER2012)
2012年7月
杉原健太
西村昭彦、伊東富由美
寺田隆哉、島田幸洋
岡潔、関健史
赤津朊宏、阿久津博義
山本哲也、井原哲
渡邉真哉、松村明
菊田健一郎
成田賢正、芳野純治
乾和郎、若林貴夫
小林隆、三好広尚
小坂俊仁、友松雄一郎
山本智支、松浦弘尚
鳥井椒敬、森智子
長縄明大、岡潔
杉原健太、中村保之
小川剛充、村松壽晴
14
レーザー共同研究所におけるレーザー応用技術
の産業展開
第39回技術士全国大会
2012年9月
土田昇
15
レーザー溶接した鉄鋼材料内部ひずみの熱処
理効果
日本機械学会M&M2012
材料力学カンファレンス
2012年9月
菖蒲敬久
16
パルスレーザー分光分析と狭隘部分ファイバス
コープ観察の複合化について
日本原子力学会
2012年秋の大会
2012年9月
西村昭彦、伊東富由美
西村昭彦 寺田隆哉、冨吉健太郎
岡潔
17
放射光高輝度単色X線を用いたレーザー肉盛り
溶接過程の挙動観察
日本原子力学会
2012年秋の大会
2012年9月
寺田隆哉
99
土田昇
菖蒲敬久、Zhang,S.
城鮎美、村松壽晴
山田知典、小川剛充
小澤隆之、十亀求
寺田隆哉、山田知典
菖蒲敬久、西村昭彦
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
18
高速炉における FBG センサシステムの実装試
験のための性能指針
日本原子力学会
2012年秋の大会
2012年9月
島田幸洋
島田幸洋、西村昭彦
鈴木宏和、石橋久義
19
レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発
(5)狭隘部内アシストガスの流動特性評価
日本原子力学会
2012年秋の大会
2012年9月
羽成敏秀
羽成敏秀、杉原健太
小川剛充、村松壽晴
日本原子力学会
2012年秋の大会
2012年9月
山田知典、菖蒲敬久
山田知典 矢田浩基、村松壽晴
小溝裕一
No.
レーザー溶接補修技術の標準化に向けた研究
20 開発(11)レーザー照射条件最適化に向けた溶
接池内現象の把握
発表・発行
代表者
年月
報告者
21
レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発
(4)厚板レーザー切断時の伝熱挙動の評価
日本原子力学会
2012年秋の大会
2012年9月
杉原健太
杉原健太、小川剛充
山田知典、村松壽晴
22
原子炉構造材へのレーザ切断技術適用に向け
た研究開発
中部レーザ応用技術
研究会
2012年9月
小川剛充
小川剛充、村松壽晴
佐野一哉、中村保之
23
複合型光ファイバスコープの医療応用
(招待講演)
2012年電子情報通信学会
ソサイエティ大会
2012年9月
岡潔
24
31th International Congress
Thermohydraulic Aspects in Laser Welding and
on Applications of Laser and
Cutting Processes
Electro-Optics
2012年9月
25
イレウスチューブ型小腸内視鏡におけるバルー
ン内圧制御性能について
日本機械学会第23回
バイオフロンティア講演会
2012年10月
26
厚板鉄鋼材レーザー切断における熱流動現象
の数値解析と実験による評価
日本機械学会第25回計算力
学講演会(CMD2012)
2012年10月
第19回日本神経内視鏡
学会
2012年11月
第21回日本コンピュータ
外科学会大会
2012年11月
神経内視鏡手術における複合型光ファイバス
27 コープを用いたレーザー照射式止血・凝固機器
の開発
岡潔、関健史
赤津朊宏、阿久津博義
村松壽晴 村松壽晴
小松和三、長縄明大
関健史、岡潔
芳野純治
杉原健太、中村保之
杉原健太 小川剛充、山田知典
村松壽晴
渡邉真哉、阿久津博義
山本哲也、井原哲
岡潔
岡潔、関健史
赤津朊宏、松村明
関健史、赤津朊宏
関健史 岡潔、勝見英明
菊田健一郎
山田知典、菖蒲敬久
山田知典 山下晋、西村昭彦
村松壽晴、小溝裕一
関健史
28
無遮断脳血管バイパス術のための血管補強ク
リップの性能検証
29
Visualization Technique for Quantitative
Evaluation in Laser Welding Processes
Visual-JW2012
2012年11月
30
Observation of Laser Cladding Process Using
Synchrotron Radiation
Visual-JW2012
2012年11月
寺田隆哉
生活生命支援医療福祉
工学系学会連合大会
2012年11月
岡潔
長縄明大、永田啓介、
岡潔、関健史、
成田賢生、芳野純治
レーザー学会学術講演会
第33 回年次大会
2013年1月
岡潔
岡潔、関健史
赤津朊宏、
31 イレウスチューブを用いた小腸内圧の臨床計測
32
診断しながら治療が可能な複合型光ファイバー
スコープ(招待講演)
100
寺田隆哉、山田知典
菖蒲敬久、西村昭彦
平成 24 年度共同研究リスト
【25 件(うち合議 10 件)
】
会社名
1
豊田中央
研究所
2
福井大学
医学部
タイトル
概要
レーザー非熱加工によ
る繊細構造の多面的活
用
レーザーによる無遮断
血管バイパス技術の研
究開発
レーザー非熱加工による微細構造の光・電子デバイス開発や原
子力保守保全分野への活用のため、フェムト秒レーザー照射に
よる材料表層の新規特性の発現に関する研究を目的とする。
原子力機構が所有する複合型光ファイバ技術と、福井大学医学
部脳脊髄神経外科が所有する血管バイパス術に対する低侵襲
治療の知見を相互に活用し、対象となる血管を観察しながら無
瞬断で血管をレーザー切断してバイパスすることが可能な「無
瞬断血管バイパスシステム」の構築を共同で目指すとともに、
その手術効果についても共同で検討する。
1本の光ファイバで画像転送とエネルギー伝送が同時にでき
る「複合型光ファイバ技術」の開発を進めており、医療分野に
おいて低侵襲レーザー治療器への適用研究を実施している。将
来、各医療分野で適用可能な低侵襲レーザー治療器への適用を
確立するため、臨床現場及びユーザーサイドからのニーズとの
マッチングを図りながら装置仕様の明確化を行う。
「複合型光ファイバ技術」を用いた低侵襲治療法は、臓器内部
を観察しながら、同時に病変部分をレーザー光で治療しようと
するものである。これまでの取り組みで消化器系の中でも特に
長い臓器である小腸内の観察・治療及び消化液を生成する臓器
の観察・治療に適用できることを動物実験で示してきた。本研
究開発では、臨床前試験を実施することによって従来では困難
であったこれらの臓器における病変の治療法として確立を目
指す。
原子力機構の新型プローブ技術をベースとして、エチレンプラ
ントを含めた汎用な熱交換器伝熱管内壁に対して、腐食減肉部
分のレーザー肉盛り溶接が可能なレーザー加工ヘッドを開発
し、模擬補修を実施する。
レーザー照射条件(出力、送り速度、エネルギー密度など)の
最適化、微細金属粉の溶融・凝固過程の現象論的解釈の高度化
などを通じ、ファイバーレーザーによる機械加工技術の高度化
を図る。
レーザー照射部の機械的特性向上・制御を可能とするため、溶
接現象を温度と関連付けて評価する。
西村
昭彦
レーザー切断時の溶融金属流動現象の可視化実験、溶融金属流
動現象の物理モデリングなどを通じ、レーザー切断条件最適化
ツールとして期待される数値解析技術の高度化を図る。
村松
壽晴
溶融・凝固流動場に対する乱流モデルの構築、乱流モデル検証
のための乱流計測実験、乱流モデルの液体金属流への拡張など
を通じ、溶融・凝固を伴う固液二相流挙動に対する乱流モデル
の高度化を図る。
レーザー切断による機械的特性向上・制御に向け、計測試験
で得られたアシストガス噴流と溶融金属模擬体の流動現象を
アシストガス噴流によって生じるせん断応力と関連付けて、
溶融金属模擬体の分断・飛散条件の定量評価を試みる。
レーザー照射条件(出力、ビーム径、送り速度など)
、アシス
トガス噴流条件(速度、温度、圧力など)などをパラメータと
した高精度実験および数値解析によるそれらの最適化、構造物
切断過程の現象論敵把握などを通じ、ファイバーレーザーによ
る原子炉構造物切断時のドロス抑制・制御に係わる技術の高度
化を図ることとする。
レーザー遠隔操作システムの開発を行う上での設計要求(レー
ザーヘッドの移動速度、位置決め精度など)を明らかにすると
ともに、現状技術に基づき今後の研究開発の方向性を検討す
る。
村松
壽晴
3
(社)日本
レーザー
医学会
低侵襲レーザー治療器
の臨床応用に関する研
究開発
4
福井県立
病院
小腸内及び膵臓内観
察・治療システムの開
発
5
三井化学
熱交換器伝熱管内壁へ
のレーザー肉盛り補修
技術開発
6
松浦機械
製作所
ファイバーレーザーに
よる機械加工技術の高
度化研究
7
大阪大学
8
新日鐵住
金
放射光を用いた溶接金
属凝固過程の in-situ
観察(レーザー溶接補
修技術の標準化に向け
た研究開発)
レーザー切断時溶融金
属流動挙動の現象論的
把握に係わる研究
9
福井大学
兵庫県立
大学
溶融・凝固を伴う液体
金属流のための乱流モ
デリングに関する研究
10
筑波大学
レーザー加工時アシス
トガス噴流挙動の高精
度計測
11
若狭湾エ
ネルギー
研究セン
ター、(株)
レーザッ
クス
(株)スギ
ノマシン、
(株)レー
ザックス
原子炉構造物を対象と
したレーザー切断技術
の確立に向けた研究
12
平成 25 年 2 月 20 日現在
担当
レーザー切断遠隔操作
技術の原子炉解体適用
に向けた研究
101
岡
潔
鈴木
庸氏
岡
潔
岡
潔
西村
昭彦
村松
壽晴
山田
知典
羽成
敏秀
村松
壽晴
村松
壽晴
13
(株)熊谷
組
光ファイバセンサ実装
における可能性調査研
究
14
若狭湾エ
ネルギー
研究セン
ター
レーザー除染試験に関
する研究開発
15
ヨシダ工
業(株)
16
アクシオ
へリック
ス(株)
レーザーによる無遮断
血管バイパス手術用チ
タン製吻合補助クリッ
プの研究開発
複合型光ファイバスコ
ープ用画像処理技術の
研究開発
17
エーテッ
ク(株)
複合型光ファイバスコ
ープ用距離計測技術の
研究開発
18
筑波大学
ロックオン式レーザー
照射技術の研究開発
19
奈良県立
医科大学
子宮用低侵襲レーザー
内視鏡システムに関す
る研究開発
20
(株)クラ
レ
21
藤田保健
衛生大学
高分子材料による複合
型光ファイバスコープ
の研究開発
小腸内観察・治療・計
測システムの開発
22
秋田大学
複合型光ファイバシス
テムの高機能化に関す
る研究開発
23
東京医科
大学病院
24
(株)住田
光学ガラ
ス
25
(株)関電
工
抹消部肺癌への光線力
学的治療器に関する研
究開発
複合型光ファイバスコ
ープ用小型レンズ及び
ファイバ素材の研究開
発
電気設備に関する耐放
射線材料の研究開発
配管への実装を目的として、原子力機構の開発した光ファイバ
センサをベースとして、予熱ヒータ及び接着シートと FBG セン
サとの複合化を実施し、配管への実装化の可能性の調査を行
う。
原子炉廃止措置研究開発センターの放射線管理区域内におい
て、放射能に汚染された実機材を用いてレーザー汚染の実地試
験を実施し、除染係数、除染速度、2 次汚染率、2 次廃棄物発
生量などのデータを採取する。この実地試験データをもとにレ
ーザー除染の実用化を目指した実機装置の設計及び企業化へ
の障害条件を整理して解決策の検討を行う。
吻合クリップを構成する部品を個別加工して、レーザー接合に
よる一体化をすることで、狭力の安定性を見極めることを目的
とする。
西村
昭彦
画像を鮮明化させる超解像度技術、ノイズ除去技術、背景除去
技術及び画像拡張化技術等を複合型光ファイバスコープに適
用した形に最適化して搭載し、従来の欠点を解決するための技
術開発を行うことを目的とする。
従来までの複合型光ファイバスコープシステムにおける画質
の悪さ、視野の狭さ、観察画像における距離感の欠如といった
欠点を解決するため、日本原子力研究開発機構及びエーテック
株式会社が共同で有する特許「撮像装置、画像表示方法及び画
像表示プログラム(特願 2009-220565)」を用いて、レーザーの
反射光強度を精密に計測することでファイバ先端から 5cm の間
で 0.1mm 程度の誤差で距離計測し、0.5mm 程度の精度で形状計
測可能なようにシステムを高度化し、複合型光ファイバを医療
機器に利用可能な技術とすることを目的とする。
原子力機構が所有する複合型光ファイバ技術と、筑波大学附属
病院脳神経外科が所有するレーザー治療の知見を相互に活用
し、頭蓋内という狭隘部における脳外科用低侵襲レーザー治療
器のシステム構築を行うことを目的とする。
これまで開発した複合型光ファイバ技術を基に、臓器内部を観
察しながら同時に病変部分をレーザー光で治療するための「子
宮用低侵襲レーザー内視鏡システム」への応用につなげる技術
開発を行うことを目的とする。
これまでの知見を基に、可撓性のよいプラスティック系材料適
用の検討とともに、複合型光ファイバの性能向上、応用範囲の
拡大を目指した技術の開発を目的とする。
さらなる応用領域の拡大を目指し、長尺・柔軟・簡易着脱可能な
極細径複合型光ファイバ及びカップリング装置を利用した小
腸内観察・治療・計測システムを開発するとともに、膵臓などの
消化器官用の観察及び治療システムへの適応性を検証するこ
とを目的とする。
レーザー被照射物の温度管理を行いながらレーザー照射量を
制御する方法、消化器の中で最も長い臓器である小腸の内圧を
計測制御して小腸の運動機能解明や全域検査を行う方法、レー
ザー加工ヘッド(ノズル)を管腔内で移動制御するための方法
などの技術を開発する。
臓器内部の観察と同時に病変部分のレーザー照射による治療
に応用するための技術開発を行う。
岡
潔
高出力レーザー光を透過可能で、かつ、映像の集光が可能な小
型レンズの設計検討を実施すると共に、近赤外線及び遠赤外線
(2~10μm)の波長を伝送可能なファイバ素材を用いた新型の
複合型光ファイバスコープを試作することを目的とする。
耐放射線性試験を実施することにより、放射線環境下で使用可
能な①照明装置、②遮蔽財、③光ファイバ(FBG 等)に関す
る研究を共同で行うことで双方の研究を加速し、福島支援の一
助となることを目的とする。
岡
潔
102
鈴木
庸氏
赤津
朊宏
岡
潔
岡
潔
岡
潔
岡
潔
岡
潔
岡
潔
岡
潔
岡
潔
5.実験室整備状況
はじめに
アトムプラザにおいて新実験室を開設してから3年が経過しました。原子力
機構内の設備を主として移設することにより設備の拡充を図ってまいりました。
移設に協力していただいた関係者、とりわけ関西光科学研究所の関係者にはこ
こに記して謝意を表します。また(財)若狭湾エネルギー研究センター、(株)
レーザックス、
(独)原子力機構の3者の協力体制のもと、原子炉廃止措置技術
等への貢献を目指したレーザーによるプラント構造物の水中切断試験を実施す
るエリアを新たに整備しております。この施設も合わせて御見学、試験的にご
利用、さらに共同研究などに幅広くご利用いただけることを願っております。
以下に実験装置等を示す。
Ⅰ.伝熱管検査補修装置
Ⅱ.高出力フェムト秒レーザーシステム
Ⅲ.Q スイッチ Nd:YAG レーザー装置
Ⅳ.胎児外科治療装置
Ⅴ.膵臓内観察装置
Ⅵ.軟 X 線顕微鏡試験装置
Ⅶ.6kW+4kW ファイバーレーザー溶接・切断汎用実験室
103
Ⅰ.伝熱管検査補修装置
レーザー加工機は機械製作の分野で幅広く使われていますが、ここに
ご紹介する伝熱管検査補修装置は、全く新しい利用法を開拓するもので
す。即ち、配管の内部に挿入し、配管内壁の欠陥を渦電流により探傷し、
その欠陥をレーザー溶接で溶融することで亀裂の進展を防止する装置
です。レーザー出力を上げれば配管内壁からの突合せ溶接が可能となり
ます。配管減肉を肉盛り溶接するためのレーザートーチ、ワイヤ送給装
置も開発中です。
用
途
金属その他配管の溶接補修、突合せ溶接
構 成
・ファイバーレーザー:波長 1070nm、連続発振、出力 300W
・カップリング装置:1kW まで導光可能、CCD カメラによる観察
・複合型光ファイバー:(コアファイバー)Φ0.2mm
(画像伝送ファイバー)約 20000 本
・レーザー加工ヘッド:直線運動と回転運動を独立に制御
渦電流探傷(ECT装置)併用した補修テストが可能
・レーザートーチ:Φ15mm、長さ 120mm、ガスの噴射が可能
・ワイヤ送給装置:Φ0.4mm ワイヤ使用、送給速度 0.5-20mm/s
104
Ⅱ.高出力フェムト秒レーザーシステム
超短パルスレーザーはこれまでは理科学分野での利用が主でしたが、
近年、シリコンウエハやサファイヤ基板のダイシングを目的とした専用
レーザー加工機が市販されています。しかし、その産業分野は未だ開拓
途上です。現在、1TWレーザーシステムを利用して、電界蒸発の促進
や機械加工層の蒸発除去などの原子力分野での応用をベースにして、光
ファイバコア内の回折格子製作などの透明媒質内部加工技術を高めて
います。
仕
様
光ファイバーへのFBG加工、材料表面への微細加工等
・波長:800nm
・パルス幅:50 フェムト秒
・出力:50mJ
・繰返し数:10Hz
(改造後)
上記仕様に加え下記が付加される。
・50フェムト秒、出力:約 1mJ、繰返し数:1kHzで発生
105
Ⅲ.Q スイッチ Nd:YAG レーザー装置
Q スウィッチ Nd:YAG レーザーは、パルスレーザー加工機として幅
広く使われています。基本波(1.064nm)と第 2 高調波(532nm)の両
波長を出力させることができます。
精密穴空け加工の他、水中で金属表面に集光することで圧力波を発生
させることができ、応力腐食割れの防止効果のあるレーザーピーニング
と呼ぶ表面改質技術に利用できます。また、色素レーザーや非線形結晶
を更に追加することで、様々な波長を発生させることができます。
仕
様
精密加工、表面改質加工に使用可能
・波
長:1.064nm(基本波)、532nm(第 2 高調波)
・パルス幅:約 5nsec
・出
力:700mJ(1.064nm)、300mJ(532nm)
・繰返し数:10Hz
106
Ⅳ.胎児外科治療装置
止血を必要とする血管(双胎間輸血症候群の場合など)に対
して、非接触で内視鏡的レーザー照射を行い、同時にレーザー
ドップラー血流計測による止血の定量的評価が可能です。
装置開発後、動物実験をへて臨床段階への準備を進めていま
す。
仕
様
複合型光ファイバー装置により画像を見ながらレーザー
の照射が可能
・患部の血流計測機能
・患部とファイバー端面の距離計測機能
・一定照射出力の制御
・画像拡張の機能
107
Ⅴ.膵臓内観察装置
膵臓などの X 線レントゲンでは診断が困難な臓器にたいして、低
侵襲で観察を行い患部の確定診断に使用することが可能です。
極細径のファイバースコープを使用しているため、膵臓の膵管入
口の乳頭部を傷つけることなく診断することができます。
仕
様
臓器内部に低侵襲で挿入可。観察のみ。
・無停電電源装置搭載
・ファイバー外径 0.8mm
・カテーテル(9Fr)に挿入可能
・膵管内に挿入可能
108
Ⅵ.軟 X 線顕微鏡試験装置
使用波長が C の吸収端(284 eV, 4.4 nm) と O の吸収端(543 eV, 2.3 nm)
の間(水の窓波長と呼ばれる)にあるため水の吸収を排除しながら生物など
の有機物の像を高いコントラストで得ることが出来ます。また、真空紫外域
での分光器や軟X領域での分光器も取り付けられていますので、これらの波
長域での吸収特性の測定にも使用することができます。
主真空容器
仕 様
・使用波長:20nm,4nm
・光学系:シュバルトシルト
・焦点への保持:レーザー
・XY 方向への分解能:100nm
・観察領域:1mm×1mm
・Z 方向への分解能:30nm
・撮像範囲:40×40μm
~200×200μm
撮影時間:30μs/フレーム
赤血球(直径 7μm)の観察像例
装置構成
・主真空容器:内径 560mm
・真空紫外分光器:波長 100nm~300nm
・軟 X 線分光器:波長 0.5nm~5nm
5nm~30nm
109
Ⅶ.6kW+4kW ファイバーレーザー溶接・切断汎用実験室
レーザー切断は切断速度が速く、切断幅が狭いことから、工期の短縮化が望
めるとともに二次廃棄物発生量が尐ないため、原子力施設の解体作業へ適用す
る有力な工法の一つである。原子炉施設の水中厚板切断現象解明を目指し、ア
シストガス噴流の高精度実験や気中・水中切断実験装置を設置する。切断だけ
でなくレーザー溶接試験も可能な汎用実験室である。
110
(独)日本原子力研究開発機構
敦賀本部 レーザー共同研究所
〒914-8585
福井県敦賀市木崎65-20 電話 (0770)23-3021(代表)
ホームページ: http://www.jaea.go.jp/04/turuga/index.html
2012.12.11作成
2013.02.21改訂
Fly UP