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資料3 (10)(PDF形式:2091KB)

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資料3 (10)(PDF形式:2091KB)
⑦ナショナル・プロジェクトの効果的・効率的な執行
以前と比べて NEDO が執行するプロジェクトの使い勝手が良くなったという評価が多いも
のの、一層の効果的・効率的な予算執行に向けた不断の努力は欠かせない。例えば、リアル
オプションの考え方を適用し、ナショナル・プロジェクトの運営において延期、拡大、縮小、
中止といった柔軟性を付与する、研究開発にとどまらず、実証試験・普及促進をシームレス
に行うことにより課題の解決につなげていく、といった取り組みが有効である。
(企業の声)
生み出されたプロセス技術がプラットフォーム技術である場合、進行中のプロジェクトの
目的とは異なるところで、より多くの価値を生み可能性は高いと感じところ、プロジェク
トの途中であっても、国プロとは別途国の研究機関(国立大学を含む)との共同研究開発
契約を結ぶことで、国の研究機関研究者の裁量で当該施設が他目的の研究に使用できる裁
量権を持たせるなどの運用を可能に出来ればよいと思う。
NEDO 制度の紹介方法に一層の工夫を(まだ、大変に分かり難い)
。
社内外の環境変化等によって当該プロジェクトの成果を事業化することが厳しい状況と
なっても、参加企業が自ら途中中止を言い出しがたいように感じる。その結果、事業化の
可能性が低くなったにも拘わらずプロジェクト研究を継続しているケースがあるのでは。
国プロは応募から締切りまでの期間が一ヶ月程度で参画の意思表示をしなければならな
いので、企業側で事前に情報収集の手立てが必要であり、早めに情報が伝わるようなシス
テムに改善していただきたい。
計画変更等に関して、以前に比べて簡素化され改善が進んでいる。今後、取得した資産の
研究完了後の措置、開始前の準備期間を短縮等の柔軟かつ迅速な対応を望む。
初年度の公募選択から契約までの時間がかかり過ぎ、実質的な研究機関を短くしている。
以前よりも事務的な煩雑さが軽減されている。出来る限り年度初めからプロジェクトを開
始するよう、公募スケジュールを検討頂きたい。年度途中からの開始ではポスドクなどの
研究者の採用が難しい。
募集から締め切りまでの期間(種々の提出物の要求についても)が短いのが難点。
研究結果にかかわらず、情勢により毎年予算が増減するようでは、長期のプロジェクトは
立てづらい。せめて最低保証額だけでも示して欲しい。
資産については、プロジェクト終了後や委託期間中も、試験設備が空いているのであれば
自社の他の研究にも使用させてもらえると良い。
委託事業で取得した研究開発資産の帰属については、NEDO ではなく受託側であり企業の
扱いとして頂きたい。再委託先の検査に係る労務費等の費用計上を認めて頂きたい。
NEDO プロジェクトの目的以外の応用分野において、生み出されたプロセス技術や生産技
術に価値を感じることがあるが、今の規定では国プロ期間中においては、その期間に生み
出された設備等に関しては一旦国の所有となり、他目的への転用は原則禁止されている。
「複数年度契約」が上手く機能していない。NEDO の検査は重箱の隅をつつくようで、細
かく、しかも本質を見ていないと感じることがある。
経理処理の面をもっと合理化して欲しい。NEDO の資金を使うことは大変で、経理専任者
を置く必要があるくらい。
NEDO の検査対応には、エネルギーを使いすぎて疲弊している。効率的にやるというマイ
ンドがないと、うまくいかない。
監査対応として、毎月の業務の整理に相当量のパワーを要している。
制度のより良い改革であっても、委託業務にかかわる規定を毎年変えるようなことはやめ
て欲しい。PJ期間中(5年間)は同一のルールの方が現場(管理)はやりやすい。期間
専従登録した研究員は、事業途中で退職するとそれまでの労務費が支払われないため、期
間専従者であっても期間専従登録することに足踏みしてしまう。
事業化が困難な特許に関しても、プロジェクト終了後 10 年間の実用化状況報告書を毎年
作成しなければならないのは負担が大きい。
139
(4)研究開発人材の育成
1)量・質の両面での産業ニーズへの対応
研究開発を支える最も重要な資源は人材であり、量的・質的に十分な供給が必要である。
特に、高等教育は最先端のイノベーションを創出し、かつ、経済産業活動を支える人材の育
成の場として極めて重要であり、持続的な国の成長を左右するものである。
まず、マクロな大学教育の量的側面を見ると、少子化の中で大学志願者の数は減少傾向で
推移している。我が国の大学進学率は上昇しているものの、50%に達しておらず、欧米諸国
と比べると低い水準にある。
特に北欧・豪州諸国では 80%前後の水準にあることを考えると、
大学教育への進学率の向上は課題と考えられる。
第 5-26 図 我が国の高等学校・大学・短期大学への進学率
(%)
100
80
高等学校
大学
短期大学
60
40
20
0
63
68
73
78
83
88
93
98
03 08
(年)
出典:
「学校基本調査」
(文部科学省)より経済産業省作成
研究開発の観点から大学学部生の理科系比率を見ると、長らく 30%強で推移している。そ
の中で、理工系(理学部及び工学部)比率は 1970 年代から 1990 年代にかけて 23%前後で推
移していたが、2000 年代に入って減少に転じ、現在では 20%を割り込んでいる。大学生の「理
科系離れ」が進んでいると言われるが、正確には「理工系離れ」であり、研究開発人材育成
の観点から、早急な対応が求められる。
第 5-27 図 大学学部生の理科系・理工系比率
35
(%)
30
25
理科系
理工系
20
15
63 68 73 78 83 88 93 98 03 08
(年)
出典:「学校基本調査」
(文部科学省)より経済産業省作成
140
高等教育に求められるものは次世代の科学技術及び産業技術を担う人材の育成・輩出であ
る。産業技術を担う人材という観点から見ると、産業界のニーズと高等教育が輩出する人材
の間に、量と質の両面でギャップがある。経済産業省が 2008 年 10∼12 月に民間企業を対象
として実施したアンケート調査18やインタビュー19では、次の結果となっている。
<量的側面>
大卒以上の技術系採用者数について、①平成 20 年度の採用割合(新卒・中途採用の
合計)
、②平成 20 年度実績に対し本来理想とする割合、③中期的に望ましい採用構成
の割合についてアンケートを実施。業種により異なるものの、全体としては、電気・
電子系、機械系の人材が量的に不足している傾向。
インタビューにおいても、バイオなどのはやりの技術に投資が偏りすぎた結果、も
のづくりを支える製造技術などの人材の不足を危惧する意見が多かった。
第 5-28 図 企業の技術系職員採用実績と望ましい構成割合
※①∼③のすべてに回答があったものについて、研究開発投資額にて加重平均を行い集計。
<質的側面>
質的側面では、基礎学力の低下を指摘する意見が多数。今の修士卒は昔の学部卒程
度、採用後の再教育が必要との厳しい意見や、与えられた仕事はそつなくこなすが自
ら課題を発掘して解決策を考えられる人材が少ない、貪欲さに欠ける等の指摘もあっ
た。
18
研究開発投資額上位 200 社(平成 18 年度決算)にアンケート調査票を送付、約 80%に当たる
155 社から回答を得た。なお、研究開発投資額上位 200 社で民間研究開発投資合計額の 8 割強を
占める。
19
研究開発投資額上位 200 社(同上)から約 60 社を選出し、研究開発部門のトップに対して研
究開発への取組状況等について伺ったもの。
141
量的側面については、不足感を有する分野において、学生を惹きつける環境の醸成が必要
であり、大学のみならず産業界も自身の問題としてともに取り組むことが必要である。他方、
質的側面については、教育カリキュラムの見直し等により、こうしたニーズに対応していく
ことが必要である。
(企業の声)
<量的側面>
バイオ強化などに政策の重心を置き過ぎた結果、人材の工学離れが進み、ものづく
り産業を支える人材が減っている。これに関しては「教育」にも責任があると言え
るのではないか。日本の強みであり、国際的競争力を維持していくために多くの人
材を必要としているものづくり産業を支える人材の育成に力を入れてもらいたい。
はやりの技術に投資が偏りすぎている。みんな流行の技術に流れ、基盤技術の研究
者がいなくなっている。電池の研究者を探したらほとんどいなくなっていた。みん
な燃料電池に行ってしまった。
近年は化学工学といってもミクロ的な視点で勉強をしてきた学生が多く、プラント
を動かせるようなマクロ的視点での勉強をしている学生が少なくなってきている
のが問題。化学工学の講座自体も少なくなっている。
製造業の基盤技術や生産技術に対してもう少しリソースを投入してもいいと思う。
大学はモーター、切削、加工といった生産の基礎的な技術をもっと教育すべき。
<質的側面>
ゆとり教育世代への危機感はある。「今のマスター卒は、昔の学部卒」というよう
に、基礎学力が落ちており、マスターの専門性には正直あまり期待しておらず、総
合的に見ている。
国内人材について、専門性は高いが基礎学力が不足する人が多い。成果をアピール
するための文章を書けない人もいる。国語をしっかり勉強させて欲しい。また、産
学官連携における大学への要望として、研究の事業化は企業に任せ、学生に対する
基礎学力教育など人材育成面に力を入れてくれるように要望している。
近年、化学系の分野が細分化し、また、志望する人材が減ってきている。採用後、
基礎教育を含め、再教育の必要性が高まっている。
2)多様性に乏しい我が国の研究開発人材
研究開発には国境は存在せず、世界規模での協調と競争がなされている。したがって、国
際的にも通用する人材の育成が重要である。
高等教育における海外留学生の状況を次図に示す。米国・EU に対しては、留学に行く人数
と比べ、留学に来る人数は圧倒的に少ない。また、アジアから米国・EU に留学に行く人数と
比べると、アジアから我が国へ留学に来る人数は約 3 分の 1 にとどまっている。しかしなが
ら、米国、EU 及びアジアから我が国へ留学に来る人数は大きな増加を示していることは注目
できる。科学工学系博士号取得者に占める外国人学生の割合は、米国の 41%(2005 年)、英国の
42%(2006 年)に対し、我が国は 10%程度(2005 年)と低い水準にとどまっているものの、引
き続き我が国の高等教育の魅力を向上させるとともに、我が国での留学環境を整備すること
により、海外からの留学生を増やすことは、国際的視野を広げる上で重要と考えられる。
142
第 5-29 図 高等教育における海外留学生の人数(2006 年)
日本
122,538
(+77.5%)
1,708
(+47.8%)
40,086
(▲14.4%)
アジア
332,087
(+4.6%)
2,272
(+29.2%)
342,024
(+69.0%)
27,832(+18.6%)
米国
12,409
(+16.6%)
EU
59,486(▲5.9%)
413,504
(+18.2%)
備考:EU に入る数字は、OECD 加盟国分のみかっこ内は 2003 年比
出典:「Education at a Glance 2008」
(OECD)より経済産業省作成
第 5-30 図 主要国の科学工学系博士号取得者に占める外国人学生の割合
注)軸項目中の「N」は科学工学系の博士号取得者の総数を示す。
資料:NSF「Science and Engineering Indicators 2008」Appendix table 2-49 を基に文
部科学省作成
出典:
「平成 20 年版 科学技術白書」(文部科学省)
また、文部科学省科学技術政策研究所が 2008 年 7∼10 月に第一線級の研究者等を対象と
して実施したアンケート調査20では、海外と競争して世界トップクラスの研究者等を獲得する
20
我が国の科学技術を担う各セクターにおいて第一線級の研究実績のある研究者等で、担当する
分野全般の状況が俯瞰できる者 973 名にアンケート調査票を送付、約 74%に当たる 717 名から
回答を得た。
143
ための体制整備とワンストップ・サービスが特に不十分であるとの指摘がなされており、対
応が急がれる。
第 5-31 図 外国人研究者を日本の大学や公的研究機関で受け入れる上での課題の状況
備考:変化は 2001 年頃と比べた状況の変化
出典:
「科学技術分野の課題に関する第一線級研究者の意識定点調査」(文部科学省科学技術政策
研究所)
144
海外からの研究者の受け入れ政策に関して、出入国管理及び難民認定法に基づき 2005 年 3
月に法務大臣が策定した第 3 次出入国管理基本計画によると、
「専門的、技術的分野の外国人
労働者については、専門知識、技術等を有し、我が国の経済社会の活性化に資することから、
これまでも積極的な受入れを図っているが、現行の在留資格や上陸許可基準に該当しないも
のでも、専門的、技術的分野と評価できるものについては、経済、社会の変化に応じ、産業
及び国民生活に与える影響等を勘案しつつ、在留資格や上陸許可基準の整備を行い、積極的
な受入れを進めていく」としており、在留期間の伸長、永住許可要件の緩和と明確化・透明
化等を順次実施していくことが定められている。
また、「規制改革推進のための第3次答申 − 規制の集中改革プログラム −」
(2008 年
12 月、規制改革会議)によると、国際競争力向上の観点から、在留外国人の権利・義務確保
のための制度的インフラの整備として、以下の政策提言がなされている。
・社会保険加入に関する迅速な省庁間連携の実現及び在留資格変更等に当たっての考慮
・外国人成人の日本語能力の認定及び在留資格変更等に当たっての考慮
・外国人学校に対する感染症の発生の予防、及びそのまん延防止策の徹底
このような状況の下、我が国への留学生が、国内の企業に就職するケースが増えている。
2007 年においては、大学、大学院、短期大学等に在籍していた外国人留学生が我が国の企業
等への就職を目的として在留資格変更許可申請を行った件数は 11,410 人で、このうち 10,262
人が許可されている。これは、前年の許可数である 8,272 人より 1,990 人(24.1%)の増加
であるほか、10 年前である 1997 年の許可件数(2,624 人)と比べると、4 倍程度の増加とな
っている。
第 5-32 図 外国人留学生による我が国の企業等への就職のための在留資格変更許可申請件数
出典:「平成 19 年における留学生等の日本企業等への就職について」
(法務省入国管理局)
経済産業省が 2008 年 10∼12 月に実施したインタビューにおいて、企業側も製造業を中心
に人材不足への懸念から、海外からの技術者に期待する声が聞かれた。同時にこれらの企業
では、海外技術者の資質やモチベーションに対して高い評価を行っている。
一方、我が国の研究者の海外への流動性については、近年、若手研究者が以前よりも海外
145
留学に興味を示さない傾向があるとの指摘がある。文部科学省科学技術政策研究所によるア
ンケート調査では、我が国学生・若手研究者の海外留学者数は、現状不十分であり、かつ 2001
年頃と比較して同等か少なくなっている。
第 5-33 図 海外へ留学する日本人学生及び日本人若手研究者の状況
備考:変化は 2001 年頃と比べた状況の変化
出典:
「科学技術分野の課題に関する第一線級研究者の意識定点調査」(文部科学省科学技術政策
研究所)
(企業の声)
学部卒で入社する人間が減り修士中心だが、昔に比べてレベルが低下傾向にある。
一方、インド等アジア留学生のやる気や質は高く、結果的に研究所も外国人を採用
している。採用した外国人は定着している。
以前は海外からポスドクが来てくれたが、今は来てくれない。海外に行った日本人
はみんな元気が良い。日本の研究に魅力がないのかもしれない。
外国人の採用はあまりしていない。外国人はビザの問題があり、ビザが切れたら本
国に帰るというのでは困る(人事部門が了解しない)ため、パーマネントビザを持
っている人でないと採用しない。ただし、そうも言っていられなくなってきている
とは思う。ある国立大学で特別講座をしていたことがあるが、教えていて光るのは
大概が留学生。彼らはハングリー精神があり、目つきが違う。
ものづくりに関する人材確保に関しては待ったなしの議論をしていく必要がある。
活性化効果の望める海外人材の受け入れに踏み込む必要もあるかもしれないと思
っているが、一企業ではできない。
146
同研究所が行った「我が国の科学技術人材の流動性の調査」21では、海外勤務経験を有する
者は 10.6%にとどまるとともに、近い将来に海外で研究活動を行う予定のない者が 96.1%を
占めるとの結果が示されている。また、同アンケートでは、国内から海外への流動性が先進
諸国に比べて低い理由について、下図の結果を示している。この結果は、日本の方が研究レ
ベルが高いわけでも、研究施設や設備が充実しているわけでも、研究資金が潤沢であるわけ
でも、給与水準がよいわけでもないにもかかわらず、海外勤務経験を有する者は少なく、そ
の主な要因は海外へ移籍したあと日本に帰ってくるポストがあるか不安であることと、海外
の研究機関へ移籍するためのコネクションがないことであることを意味している。
すなわち、研究者は日本の研究環境を相対的には魅力的でないと思っているにもかかわら
ず、日本でのポストを失う懸念から海外勤務経験を躊躇しているのではないかと考えられる。
したがって、研究者の海外経験を増やすためには、組織として支援していく必要があること
が示唆される。併せて、日本の方が生活環境がよいと考える割合が比較的高いことについて
は、研究者に対する啓発活動も必要であると考えられる。
第 5-34 図 国内から海外への流動性が先進諸国より低い理由
出典:「我が国の科学技術人材の流動性の調査」
(文部科学省科学技術政策研究所)
21
我が国の大学・公的機関・民間企業等で現在研究活動を行っている者 2,000 名を対象に、2008
年 2 月にアンケート調査票を送付、約 52%に当たる 1,036 名から回答を得た。
147
諸外国と比べて我が国の女性研究者の割合が小さいことも、研究開発人材の多様性の観点
からは大きな問題である。
我が国の女性研究者は年々増加し、2007 年には、10.9 万人となり、研究者全体の 12.4%
を占めている。しかし、下図に示すとおり、我が国の女性研究者の全研究者数に占める割合
は、国際的に著しく低いレベルにある。組織ごとに女性研究者の割合を見ると、企業等 6.8%、
非営利団体 11.8%、公的機関 13.2%、大学等 22.1%となっており、大学等に女性研究者が多
い。
第 5-35 図 女性研究者数の全体に占める割合(国際比較)
資料: 文部科学省科学技術政策研究所資料(NISTEP REPORT 86)より作成(日本及び米国は除く)
アイスランドは平成 14 年(2002 年)
、ドイツ・フランス・アイルランド・イタリア・ポーランド・スイス・
英国は平成 12 年(2000 年)
、ギリシア・ポルトガルは平成 11 年(1999 年)
、オーストリアは平成 10 年(1998
年)
、その他の国は平成 13 年(2001 年)時点
日本の数値は、総務省「平成 19 年科学技術研究調査報告」に基づく(平成 19 年(2007 年)3 月時点)
。
米国の数値は、国立科学財団(NSF)の「Science and Engineering Indicators 2004」に基づく科学者(scientist)
における女性割合(人文科学の一部及び社会科学を含む)
。平成 11 年(1999 年)時点の数値
出典:「平成 20 年版 科学技術白書」
(文部科学省)
148
このほか、研究支援者は研究開発の担い手として重要な存在であるにもかかわらず、年々
減少傾向にある。我が国の研究者一人当たりの研究支援者数は、0.27 人(2007 年)であり、
この 20 年で半減している。中国の 0.23 人、韓国の 0.19 人と比べると多いものの、欧州諸国
に比べると半分にも満たない状況にある。
これは、研究者自らが、さまざまな事務的作業や分析・解析機器の操作を自ら行う必要が
あることを示唆している。近年、効率的な研究開発の推進・イノベーションの創出が求めら
れている中、研究者が本来業務に専念し、チームとして力を十分に発揮できるような環境整
備が早急に望まれている。
第 5-36 図 主要国の研究者一人当たりの研究支援者数の推移
注) 国際比較を行うため、韓国を除き各国とも人文・社会科学を含めている。
研究支援者とは、研究者を補助する者、研究に付随する技術的サービスを行う者及び研究事務に従事
する者で、日本では研究補助者、技能者及び研究事務その他の関係者である。
資料: 日本:総務省統計局「科学技術研究調査報告」に基づき文部科学省作成
その他:OECD「Main Science and Technology Indicators」
出典:「平成 20 年版 科学技術白書」
(文部科学省)
149
3)キャリアパスの現状と課題
研究開発には様々な専門性や能力を持った人材が求められる。このためには、多様なキャ
リアパスが提供されるとともに、研究開発人材の流動性が確保されることが不可欠である。
「我が国の科学技術人材の流動性の調査」
(文部科学省科学技術政策研究所)では、研究者
に対してこれまでのキャリア経験についても質問している。その結果では、2000 年度調査で
は「異動経験なし」とする者が 61.9%を占めていたのに対し、2007 年度調査では同 33.9%に
減少しており、研究者の異動経験が増加している。しかし、
「異動経験なし」とする者の割合
をセクター別に見ると、大学等では 16.7%、公的機関では 28.9%であるのに対し、民間企業
では 47.0%となっており、民間企業における研究者の異動が未だあまり多くない。流動に関
する意識を見ても、
「国内機関間」
、「国内から海外」「海外から国内」のいずれの異動につい
ても、先進諸国との比較で「やや低い」という平均回答となっている。
我が国における研究者の移動をマクロに見ると、次図のようになる。大学へ移動する研究
者数と比べ、大学から外へ移動する研究者の数が少ない。とりわけ、大学からの企業等への
研究者の移動は、企業等の研究者数の 0.09%に過ぎず、極めて少ない。海外では、大学の研
究者が自身の成果を持って企業へ移動したり、自身で起業する例が多くあり、我が国ではこ
うした動きが少ないことも一つの要因であろう。いずれにせよ、組織を超えた移動を活性化
することは課題であると考えられる。
第 5-37 図 我が国における各組織間の研究者の移動の状況
注:転入・転出者数の集計に基づく各組織の研究者数の増減は、各組織の年度末研究者数の
比較に基づく研究者数の増減とは一致しない
出典:「科学技術研究調査報告」(総務省)に基づき経済産業省作成
150
また、新規採用についてはポスドク問題と関連して、ポスドクは企業よりも大学勤務を強
く希望し、このことがポスドク自身のキャリアパスを狭めているのではないかとの指摘がな
されることがある。
文部科学省科学技術政策研究所が 2007 年 11 月∼2008 年 1 月にポストドクターを対象と
して実施した「ポストドクター等のキャリア選択に関する分析」22では、次図の結果を示して
いる。ポストドクターの多くは大学・公的研究機関の研究職に是非就きたいとしているが、
企業の研究者・技術者についても「是非就きたい」
「就いても良い」を合わせると 7 割近くが
肯定的に回答しており、必ずしも大学等にこだわっているわけではないものと理解できる。
他方、産学連携コーディネーター、知的財産関連、起業家等への就業意欲は低く、学術専攻
以外の能力についても向上を図り、研究開発の様々なセクターで活躍できる素地を育成する
ことが必要と考えられる。
第 5-38 図 ポストドクター等の職業別就業意欲
出典:「ポストドクター等のキャリア選択に関する分析」
(文部科学省科学技術政策研究所)
22
我が国の大学・公的機関等に属するポストドクター1,564 名を対象に Web 上のアンケートに回
答を依頼、約 66%に当たる 1,035 名から回答を得た。
151
企業側においては、文部科学省の「平成 19 年度民間企業の研究活動に関する調査報告」に
おいて、ポスドクを不採用とした理由の第一として「専攻以外の分野への展開能力の不足」
が挙げられている。経済産業省による企業へのインタビューにおいても、ポスドクを含む博
士号取得者について、
「専門性が合えば積極的に採用したい」という声がある一方で、専門が
細分化されているため、
「少しでもずれがあると採用は躊躇する」などミスマッチを不安視す
る声が多い。このため、専門以外への柔軟性が求められている。そのほか、優秀な人材はマ
スターで卒業してしまうといった声や、自社で社員育成を行うことから、博士号取得者の採
用の必要性を認めない傾向があったのではないかとの意見もあった。
第 5-39 図 ポストドクターを不採用とした理由
※「ポストドクターを研究開発者として採用しない理由」のうち、
「ポストドクターの応募が
あったが不採用とした」企業から回答。割合は、過去 5 年間に、ポストドクターを研究開
発者として採用していない企業に対するもの。
出典:文部科学省「平成 19 年度民間企業の研究活動に関する調査報告」
152
また、経済産業研究所による日米発明者サーベイにおいては、日米欧の 3 極出願特許(一
般的に質が高いと言われている)の発明者に占める博士の割合は、日本が 13%であるのに対
し、米国は 45%となっており、博士が発明に寄与する割合に 3 倍以上の差が存在する。同研
究所の分析では、この差が日米の特許に係るサイエンスリンケージの格差の一要因でもある
としている。今後、日本企業がサイエンスにさかのぼった先端研究により強力に取り組む上
では、従来以上に博士が有効に活躍する環境が構築されることが望まれる。
(企業の声)
ポスドクについては最近少しずつ採用している。融通が利くのはマスターまで。あ
くまでこちらのニーズと合致すれば採用しているところ。
これまでは自社での社員育成が可能との考えから、博士号取得者の新規採用の必要
性を認めてこなかったきらいもあるが、今後は、高度な専門性を必要とする研究職
として採用される可能性はある。
ポスドクなどの活用には関心があるが、日本では終身雇用が根強く、人材の回転が
困難なことが問題。
(コラム)イギリスにおける産学連携の取組み
理工系の学部生、大学院生を産学官が連携して育てていく仕組みに関して、イギリスの制
度は参考になる点が多い。イギリスでは産業と大学と政府が協力して学生を支援するプログ
ラムが実施されており、それぞれにとって大きな利益をもたらしている。以下に、その主な
制度を記す。
(1)ファウンデーション・ディグリー(foundation degrees)
産業によってデザインされ財政支援されている2年間の中間的なレベルのティグリーであ
り、2001 年に開始されている。準専門家や高度な技術補助者のレベルで必要とされる専門的、
技術的な知識や技術を獲得する機会を提供するもので、大学や高等教育機関によって実施さ
れる。例えば、ティーサイド大学と BASF、Dupont などの企業による化学工学のコースや、
キングストン大学と KLM による航空工学のコースなどがある。企業はこのコースをとる従業
員の授業料を負担する、といった支援や、フルタイムでこのコースを提供している大学への
資金の提供とった支援も行っている。単位は大学で得るものと、実地に企業の現場で働きな
がら得るものとからなっている。
(2)サンドイッチ・ディグリー(sandwich degrees)
学部学生が2年間の学部での勉強を終えたあとに、最長1年間、企業で働き、その後、再
度、大学に戻りコースを終了する、というもので、学業の間に実際の経験をはさむのでサン
ドイッチという名前がついている。このコースを希望し応募した学生のなかから選抜が行わ
れる。例えば、カーディフ大学の機械工学で学ぼうとする希望者は General Electric、Mars、
Rolls Royce、3M などや米国やヨーロッパで働くことができる。インペリアル・カレッジで
は、電気工学のコースで学んでいる学生は、コースの期間のなかで企業において実地で働く
経験をつむように奨励されている。
(3)CASE プログラム(Collaborative Awards in Science and Engineering)
大学院レベルのプログラムであり、学生は大学と企業のスーパーバイザーの下で研究し博
士号を得る。コースの財政支援の大部分はリサーチ・カウンシルから行われ、そのほかにも
153
企業も追加的な資金を負担する。CASE プログラムのなかの Industrial Case とよばれるプロ
グラムでは、博士号を目指して研究する学生を支援する点では同じであるが、プログラムの
運営、内容に対して企業のイニシアティブが強く、資金は企業に対して支給され、企業がニ
ーズにあったプロジェクトやパートナーとなる大学を選びこの資金を支出する。
出典:「日本のイノベーション・システム 日本経済復活の基盤構築にむけて」(後藤
児玉 俊洋)を経済産業省が改変
晃、
(コラム)中等教育及び初等教育における理工系離れ
OECD が 2006 年に実施した生徒の学習到達度調査(PISA)の結果では、学力面では、我
が国の 15 歳児(高校 1 年生等)の科学的リテラシーは参加した 57 か国・地域の中で 6 位、
数学的リテラシーは同 10 位と上位に位置している。
他方、将来(30 歳時)に科学技術に関連した職業に就きたいと回答した学生の割合は 7.8%
と、他国と比べると圧倒的に低い割合となっている。男女の別で見ると、我が国においては、
わずか 4.3%の男子が科学技術に関連した職業に就きたいと回答しているにとどまっている。
第 5-40 図 将来科学技術に関連した職業に就きたいと回答した生徒の割合
出典:「PISA 2006 Science Competencies for Tomorrow's World」
(OECD)より経済産業省
作成
154
6.民間企業における研究開発の動向
(1)民間企業による研究開発投資構造の国際比較
欧州委員会が調査分析した研究開発投資額上位 1000 社のデータによると、米国企業が
1/3 強の 385 社を占め、次いで、日本(186 社)、ドイツ(76 社)の順となる。
第 6-1 図 研究開発投資トップ 1000 社(全世界)の総研究開発費の分野別・各国間比較
※分野別の分類方法については、(参考2)を参照。
出典:The 2008 EU Industrial R&D Investment Scoreboard (European Commission)より経済産業省作成
155
研究開発投資の国別内訳に見ると、我が国では、IT(ハード)や輸 送用機械・サービ
スに関する割合が高い。同様の傾向を示すのは韓国である。米国はヘルスケア・IT(ソ
フト・ハード)・輸送用機械・サービスの割合が高く、ドイツは輸送用機械・サービスの
割合が高い。また英国ではヘルスケアが研究開発投資の過半を占めるなど、国ごとに特
徴が見られる。
売上高割合の各国間比較も同様の傾向を示すが、分野別の特性として、売上高に占め
る研究開発投資比率はエネルギー・資源や食料品で低く、ヘルスケアやIT(ハード)
で高い傾向にある。この中でも特に米国ではIT(ハード)のみならず、IT(通信・
ソフト)においても高い研究開発投資比率を保っている(参考1を参照)。これは、
Microsoft、Oracle、Google など多くの大企業が軒並み 10%を大きく越える研究開発投資
比率を維持していることに起因する。
第 6-2 図 研究開発投資トップ 1000 社(全世界)の分野別研究開発費割合の各国間比較
出典:The 2008 EU Industrial R&D Investment Scoreboard (European Commission)より経済産業省作成
156
第 6-3 図 研究開発投資トップ 1000 社(全世界)の分野別売上高割合の各国間比較
出典:The 2008 EU Industrial R&D Investment Scoreboard (European Commission)より経済産業省作成
157
(参考1)研究開発投資トップ 1000 社の国別・分野別プロファイル
出典:The 2008 EU Industrial R&D Investment Scoreboard (European Commission)より経済産業省作成
158
(参考2)研究開発投資トップ 1000 社の分類について
企 業 に よ る 研 究 開 発 投 資 の 各 国 間 比 較 を 行 う 際 に The 2008 EU Industrial R&D
Investment Scoreboard (European Commission)を活用したが、本資料では、同出典の分類を
簡略化するため、以下のような推定を行った。
本資料での分類
出典上の分類
IT(通信・ソフト)
(105 社)
Computer services (13 社)
Fixed line telecommunications (15 社)
General retailers (5 社)
Internet (5 社)
Media (9 社)
Mobile telecommunications (4 社)
Software (54 社)
IT(ハード)
(261 社)
Computer hardware (36 社)
Electrical components & equipment (30 社)
Electronic equipment (56 社)
Electronic office equipment (6 社)
Leisure goods (25 社)
Semiconductors (83 社)
Telecommunications equipment (35 社)
機械
(77 社)
General industrials (32 社)
Industrial machinery (45 社)
輸送用機械・サービス
(135 社)
Aerospace & defence (36 社)
Automobiles & parts (70 社)
Commercial vehicles & trucks (21 社)
Industrial transportation (2 社)
Travel & leisure (6 社)
材料
(117 社)
Chemicals (77 社)
Construction & materials (18 社)
Forestry & paper (6 社)
Industrial metals (16 社)
ヘルスケア
(159 社)
Biotechnology (47 社)
Food & drug retailers (4 社)
Health care equipment & services (36 社)
Pharmaceuticals (72 社)
食料品
(55 社)
Beverages (3 社)
Food producers (19 社)
Household goods (15 社)
Personal goods (15 社)
Tobacco (3 社)
エネルギー・資源
(52 社)
Electricity (12 社)
Gas, water & multiutilities (8 社)
Mining (3 社)
Oil & gas producers (20 社)
Oil equipment, services & distribution (9 社)
その他サービス
(29 社)
Banks (13 社)
Life insurance (1 社)
Nonlife insurance (1 社)
Other financials (5 社)
Support services (9 社)
159
(2)日本企業の研究開発投資動向
我が国の研究開発投資額 18 兆 9,438 億円(2007 年度)で、このうち民間企業における研
究開発投資額は 13 兆 8,403 億円であって、そのうち上位 200 社が 11 兆 7 千億円余りで 8 割
超を占める。また、上位 20 社で半分を占めている。産業分野で見ると、エレクトロニクス、
自動車、材料、機械、製薬が大きな投資主体である。
また、研究開発投資を対 GDP 比で見ると、我が国は他国に比べて高い水準で推移している。
他方、我が国の研究開発投資の増加が創出される付加価値額(生産額−原材料額等)の増大
につながっていないという課題が指摘されている。
2007年度R&D投資額
(億円)
第 6-4 図 我が国の研究開発投資額上位 200 社
10,000
9,000
8,000
7,000
5,000
1,000
4,000
0
3,000
JUKI
大和ハウス工業
日本新薬
日本ペイント
電源開発
シマノ
東京応化工業
キーエンス
三井金属鉱業
ディスコ
日本無線
日本航空電子工業
SANKYO
清水建設
持田製薬
アサヒビール
ライオン
高砂香料工業
島津製作所
富士通 ゼネラル
太陽誘電
ヤクルト本社
NOK
東北電力
シスメックス
大成建設
堀場製作所
平和
グローリー
東洋ゴム工業
鹿島
電気化学工業
浜松ホトニクス
安川電機
九州電力
山武
東京ガス
ミネベア
ニッパツ
住友重機械工業
大阪ガス
トプコン
日本精工
イビデ ン
シチズンホールディングス
日本化薬
荏原
キョーリン
SUMCO
東洋紡
ヒロセ電機
トクヤマ
日本触媒
テイ・
エス テック
久光製薬
キッセイ薬 品工業
王子製紙
三菱マテリアル
新日鉱ホールディングス
TOTO
ダイセル化学工業
日本ゼオン
日産化学工業
日清紡
三菱レイヨン
新日本石油
住友ベークライト
参天製薬
日本ガ イシ
三菱瓦斯化学
出典:経済産業省作成
160
東ソー
宇部興産
サンケン電気
中部電力
アンリツ
資生堂
カシオ計算機
東洋製缶
明治製菓
船井電機
ケーヒン
NTN
クラレ
横浜ゴム
出光興産
日本板硝子
DIC
東日本旅客鉄道
住生活グループ
テルモ
ミツミ電機
大日本スクリーン製造
カネカ
SMC
昭和電工
HOYA
日本特殊陶業
バンダイナムコホールディングス
日立国際電気
住友ゴム工業
OKI
東海理化電機製作所
カプコン
ファナック
フジクラ
KDDI
JSR
関西電力
古河電気工業
住友金属工業
小糸製作所
日東電工
タカタ
東海旅客鉄道
IHI
大正製薬
クボタ
ヤマハ
積水化学工業
豊田合成
キリンホールディングス
凸版印刷
エルピーダメモリ
日本電産
神戸製鋼所
アドバンテスト
ジェイテクト
富士電機ホールディングス
ダイキン工業
コナミ
味の素
ローム
旭硝子
協和発酵キリン
ブラザー工業
三菱自動車工業
大日本印刷
川崎重工業
帝人
豊田自動織機
任天堂
東京電力
小野薬品工業
JFEホールディングス
塩野義製薬
横河電機
三井化学
アルプス電気
村田製作所
花王
日本たばこ産業
新日本製鉄
東レ
信越化学工業
コマツ
オムロン
富士重工業
中外製薬
旭化成
TDK
ニコン
パイオニア
田辺三菱製薬
いすゞ自動車
京セラ
セガサミーホールディングス
オリンパス
東京エレクトロン
三洋電機
住友電気工業
コニカミノルタホールディングス
セイコーエプソン
ヤマハ発動機
ブリヂストン
住友化学
三菱重工業
スズキ
三菱ケミカルホールディングス
マツダ
アイシン精機
リコー
アステラス製薬
三菱電機
第一三共
富士フイルムホールディングス
シャープ
エーザイ
富士通
日本電信電話
武田薬品工業
デンソー
NEC
キヤノン
東芝
日立製作所
日産自動車
ソニー
パナソニック
本田技研工業
トヨタ自動車
0
2,000
6,000
2,000
1,000
第 6-5 図 研究開発投資の対 GDP 比の推移
日本 3.33
韓国 3.23
研究開発費の対国内総生産(GDP)比(%)
3.0
米国 2.62
ドイツ 2.51
フランス 2.12
2.0
EU-25 1.86
イギリス 1.78
中国 1.43
1.0
日本
米国
ドイツ
フランス
イギリス
韓国
EU-25
中国
0.0
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06
(年)
出典:
「Main Science and Technology Indicators 2008/1」
(OECD)
第 6-6 図 我が国製造業の研究開発投資と付加価値額の推移
備考:付加価値額=生産額−(原材料使用額、減価償却額等)
出典:
「科学技術研究調査報告」
(総務省)、
「工業統計表」
(経済産業省)
161
企業における研究開発投資を 2002 年度と 2006 年度で比較すると、上位 200 社の研究開発
投資額は約 2 割増加している。その中で、製薬、自動車・同部品、電子部品、精密電子製品
関連企業が高い伸び率を示している。一方、総合メーカー、コンピューターメーカーには研
究開発投資を絞っている企業がある。
さらに、研究開発投資額上位 200 社について、2002 年度から 2006 年度にかけての研究開
発投資増減率と売上高増減率の比較を行うと、3 割の企業が売上の伸び以上に研究開発投資
を伸ばしている一方で、6 割の企業は売上の伸び以下に研究開発投資の伸びを抑えており、
研究開発投資効率向上に取り組む一面がうかがえる。
第 6-7 図 企業の研究開発投資額及び研究開発比率の変化
出典:経済産業省作成
第 6-8 図 研究開発投資上位 200 社の研究開発投資額と売上高の増減率分布
備考:研究開発投資額、売上高ともに 2002 年度から 2006 年度の増減率。
円の大きさは、2006 年度の売上高を示す。
組織再編により 2002 年度のデータがない企業は除いてある。
出典:経済産業省作成
162
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