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吹田市国民健康保険データヘルス計画

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吹田市国民健康保険データヘルス計画
吹田市国民健康保険
データヘルス計画
平成 28 年3月
吹田市国民健康保険室
目
次
第1章 計画の基本的事項
1
データヘルス計画策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2
計画の位置づけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
3
計画の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
第2章 吹田市の現状と課題
1
本市の現状
⑴
地理的状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
⑵
人口構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
⑶
死亡の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
⑷
平均寿命と健康寿命の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
⑸
医療機関の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
⑹ 介護認定者数の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
2
本市国民健康保険の現状
⑴
被保険者の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
⑵ 医療費の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
⑶ 生活習慣病についてのレセプトの状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
⑷ 後発医薬品の利用率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
3
特定健康診査・特定保健指導及び健診データ等の状況
⑴
特定健康診査の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
⑵
特定保健指導の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
⑶
特定保健指導の効果について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
⑷
健診データの分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
⑸
特定保健指導対象外(非肥満)の方の状況について ・・・・・・・・・・・・・・
30
4
成人歯科健康診査の状況について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
5
現在実施している事業
6
その他の事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
7
分析結果からみえる本市の健康課題
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
⑴
現状の分析・課題と対策の方向性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
⑵
現状分析からみえる本市の課題のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
第3章 計画の目標と実施
1
目的・目標の設定
⑴
中長期的な目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
⑵
短期的な目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
保健事業の具体的内容
39
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
1
計画の評価指標及び見直しについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
41
2
計画の公表・周知 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
3
事業運営上の留意事項
4
個人情報保護に関する事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
第4章 計画の評価・見直し等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
参考資料
本文中で使用しているデータ区分について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
用語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
吹田市「健康・医療のまちづくり」基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
46
第1章 計画の基本的事項
1 データヘルス計画策定の背景
平成25年(2013年)6月に政府で閣議決定された「日本再興戦略」の中で、健康寿命の延伸が重要な
テーマに挙げられ、それを実現する施策の一つとして、診療報酬明細書等のデータ分析、それに基づく
「データヘルス計画の策定・実施」が求められました。
それを受けて、国民健康保険においては、厚生労働省が平成26年(2014年)4月に「国民健康保険法
に基づく保健事業の実施等に関する指針」の一部改正を行い、保険者は、データヘルス計画を策定した
上で、保健事業の実施及び評価を行うこととされました。
吹田市では、平成 26 年(2014 年)5月に『吹田市「健康・医療のまちづくり」基本方針』を策定し、
健康寿命の延伸を目指して、予防医療や健康づくりの取組を推進しています。
これらを踏まえ、吹田市の国民健康保険においても、被保険者の健康保持増進と健康寿命の延伸のた
めに、健康・医療情報(健康診査の結果や診療報酬明細書等から得られる情報、各種保健医療関連統計
資料、その他の健康や医療に関する情報)を活用し、PDCAサイクルに沿った効果的かつ効率的な保
健事業の実施を図るための保健事業実施計画(データヘルス計画)を策定することといたしました。
2
計画の位置づけ
本計画は、国民健康保険法第82条に基づく保健事業実施計画であり、その推進にあたっては、「21世
紀における国民健康づくり運動(健康日本21(第2次))」に示された基本方針を踏まえるとともに、
「吹田市健康増進計画」及び、「吹田市特定健康診査等実施計画(第二期)」等との整合性を図りなが
ら、関係部局や医療機関等との連携を図り推進します。
表1
根拠法令
計画
策定者
対象者
データヘルス計画の位置づけ
特定健康診査等実施計画
データヘルス計画
高齢者の医療の確保に
国民健康保険法
関する法律第 19 条
第 82 条
医療保険者
医療保険者
国保被保険者
40~74 歳
国保被保険者全員
1
健康増進計画
健康増進法第8条
市町村
市
民
0歳
40 歳
75 歳
市 民
吹田市健康増進計画
国保被保険者
後期高齢者医療被保険者
国保データヘルス計画
吹田市特定健康診査等実施計画
後 期 高齢 者医
療 広 域連 合で
デ ー タヘ ルス
他の医療保険の被保険者
計画を策定
各医療保険者でデータヘルス計画を策定
各医療保険者の特定健康診査等実施計画
生活保護受給者
図1
3
保険者別にみたデータヘルス計画の位置づけ
計画の期間
「国民健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針」において、計画期間は特定健康診査等実
施計画との整合性を踏まえ、複数年とすることと示されていることから、本計画の計画期間は「吹田市
特定健康診査等実施計画(第二期)
」の終了年度と合わせ、平成 28 年度(2016 年度)から平成 29 年度(2017
年度)までの2年間とします。
平成 30 年度(2018 年度)からの次期計画は、
「吹田市特定健康診査等実施計画(第三期)」と一体的に
策定します。
2
第2章 吹田市の現状と課題
1 本市の現状
⑴
地理的状況
吹田市は、大阪府の北部に位置し、南部は神崎川を境に大阪市に隣接、北部は緑ゆたかな北摂山系
を背景としてなだらかな千里丘陵が続き、千里ニュータウンや万博記念公園があり自然環境に恵まれ
ています。
一方、市内にはJRと3本の私鉄が通り、名神高速道路や中国自動車道等のインターチェンジもあ
り交通事情にも恵まれています。
市域は、東西 6.3km、南北 9.6km、面積 36.09 ㎢です。
現在の吹田市は医療において、国立循環器病研究センターや大阪大学医学部附属病院をはじめ、市
民病院などの医療機関が数多く立地して、市民生活の安心を支えています。
平成 30 年度(2018 年度)を目途に、国立循環器病研究センター及び市立吹田市民病院の吹田操車場
跡地(名称:
「北大阪健康医療都市」
、愛称:
「健都」
(けんと、KENTO)
)への移転建替が予定され
ています。
⑵
人口構成
本市の人口は平成 27 年(2015 年)9月末現在、365,587 人で、緩やかに増加する傾向が続いていま
す。
年齢区分別にみると、0~64 歳までは、おおむね横ばいで推移していますが、65 歳以上の人口は増
加の一途をたどっています。
平成 27 年(2015 年)9月末の高齢化率(市民全体のうち 65 歳以上の占める割合)は 22.8%となっ
ています。
74
図2
人口及び高齢化率の推移
(平成 25 年(2013 年)~平成 27 年(2015 年)
)
資料:吹田市住民基本台帳(各年9月末現在)
3
⑶
死亡の状況
ア 死因順位
本市における死因順位(平成 25 年(2013 年)
)は、悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患の順
となっており、全国及び大阪府と同じ傾向ですが、本市は7位が糖尿病となっています。
また、大阪府を1とした標準化死亡比でも、糖尿病が男女とも高くなっています。
表2
死因順位の比較(平成 25 年(2013 年)
)
資料:大阪府健康医療総務課 吹田保健所事務事業概要書
イ
標準化死亡比
図3
標準化死亡比(SMR)男女の比較
平成 20 年(2008 年)~平成 25 年(2013 年)
(大阪府=1)
資料:大阪府立成人病センター がん予防情報センター
4
⑷
平均寿命と健康寿命の状況
本市における平均寿命と健康寿命(日常生活が自立している期間の平均)は、全国・大阪府と比較
して、いずれも長くなっています。
健康寿命と平均寿命の差は「支援や介護が必要となる期間」を表し、この期間は短い方が望ましい
とされています。
本市では男性 1.73 年、女性は 4.01 年となっており、全国及び大阪府よりも長くなっています。
図4
平均寿命と健康寿命の比較
資料:健康寿命の算出方法の指針
大阪府健康医療部保健医療室健康づくり課
健康寿命の算出方法について
※健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究班の「健康寿命の算定プログラム」により、
要介護状態区分における「要介護 2~5 の認定者数」を「不健康者数」として用い、
「日常生活動作が自立している期
間の平均」を健康寿命として算出しました。人口と不健康割合の分母には平成 22 年(2010 年)国勢調査、死亡数は
平成 22 年(2010 年)人口動態総覧(保健所・市町村別)
、要介護認定者数は保険者からの報告集計データ(平成 22
年(2010 年)9月)を使用。
※同プログラムにおける、国民生活基礎調査の日常生活の制限に関する質問を用い、
「日常生活に制限のない期間の平均」
を健康寿命として算出した場合、全国の健康寿命は男性 70.42 歳、女性 73.62 歳、大阪府の健康寿命は、男性 69.39
歳、女性 72.55 歳となります。
(市町村では同様の調査がないため、この方法では市の健康寿命は算出できません)
※「支援や介護が必要となる期間」については、小数点第 2 位以下の数値も含めて計算してから四捨五入しているため、
グラフ中の平均寿命の数値から健康寿命の数値を引いた数値と一致しません。
医療機関の状況
5
⑸
医療機関の状況
本市の医療機関数(人口 10 万対)については、全国及び大阪府と比較するとやや少なくなっていま
すが、病床数で見た場合、全国・大阪府よりも多い状況になっています。
特に、大阪大学医学部附属病院、国立循環器病研究センター、市立吹田市民病院、済生会吹田病院、
済生会千里病院等の急性期病院や、2次3次救急対応可能な病院が多く、高度な医療を受診しやすい
状況です。
表3
医療の提供体制等の比較(平成 26 年(2014 年)10 月1日現在)
吹田市
病院数
人口10万対
病床数
人口10万対
一般診療所数
人口10万対
歯科診療所数
人口10万対
大阪府
全国
15
530
8,493
4.1
6.0
6.7
4,731
107,770
1,568,261
1303.7
1219.7
1234.0
312
8,307
100,461
85.9
94.0
79.1
183
5,505
68,592
50.4
62.3
54.0
※病 院:病床数が 20 床以上の医療機関
診療所:入院できる施設がないか、病床数 19 床以下の医療機関
資料:大阪府医療施設調査
⑹
介護認定者数の状況
介護保険の要支援・要介護認定者数は毎年増加しており、平成 26 年(2014 年)9月末の認定者数は
15,205 人、65 歳以上の第1号被保険者中の要支援・要介護認定者の割合(認定者出現率)は 18.4%と
なっています。
ア
要支援・要介護認定者数と認定者の推移
図5
要支援・要介護認定者数と認定者出現率の推移
認定者出現率は、第1号被保険者中の要支援・要介護認定者の割合
資料:介護保険事業状況報告(各年9月末現在)
6
イ
介護・介助が必要になった主な原因
65 歳以上の高齢者に対するアンケート結果(
「第6期吹田市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計
画にかかる高齢者実態等調査結果」
)によると、介護・介助が必要になった主な原因については、「高
齢による衰弱」が 21.2%と最も多く、次いで「認知症」(18.4%)、「骨折・転倒」(15.0%)
、脳
卒中(13.4%)となっています。
性別で見た場合、
「高齢による衰弱」に次いで、男性は「脳卒中」
(19.8%)や「糖尿病」
(16.4%)
、
女性は「骨折・転倒」
(18.7%)が多くなっています。
図6
介護・介助が必要になった主な原因(65 歳以上・男女別)
資料:第6期吹田市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画にかかる高齢者等実態調査結果
7
2
本市国民健康保険の現状
⑴
被保険者の状況
本市国民健康保険の被保険者数は、年々減少しており、平成 26 年度(2014 年度)で、81,814 人で
す。増加理由は社保離脱が 9,167 人、転入 2,327 人等があり、減少理由は社保加入 8,057 人、後期加
入 2,898 人、転出 2,171 人等が挙げられます。
年齢構成は 65~74 歳が最も多く、32,897 人で 40.2%となっており、年々増加しています。一方、
40~64 歳及び 39 歳以下の被保険者数は減少しています。
図7
被保険者数の年次推移(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市の国民健康保険
図8
被保険者の年齢別加入状況及び 65~74 歳の割合(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市の国民健康保険
8
⑵
医療費の状況
ア 総医療費及び一人当たり医療費の年次推移
吹田市国民健康保険の総医療費は、平成 26 年度(2014 年度)で約 293 億 5,300 万円であり、前年
度を下回ったものの、被保険者の一人当たりの医療費は増加傾向にあり、平成 26 年度(2014 年度)
は 350,729 円でした。
図9
総医療費及び一人当たり医療費の年次推移(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市の国民健康保険
イ
一人当たり医療費の推移の比較
図 10 一人当たり医療費の比較(平成 21 年度(2009 年度)~平成 25 年度(2013 年度)
)
資料:国民健康保険事業年報、大阪府国民健康保険事業状況
9
ウ
疾病別医療費(細小分類)の順位
入院と外来を合計した医療費は、平成 24 年度(2012 年度)及び平成 25 年度(2013 年度)は高血
圧症が1位でしたが、平成 26 年度(2014 年度)は高血圧症を抜き、1位が糖尿病、2位は慢性腎不
全(透析あり)となっています。
表4
順位
疾病別医療費の順位 上位5位
平成24年度
平成25年度
平成26年度
1位
高血圧症
6.4%
高血圧症
5.9%
糖尿病
5.4%
2位
糖尿病
5.5%
糖尿病
5.5%
慢性腎不全(透析あり)
5.3%
3位
慢性腎不全(透析あり)
5.4%
慢性腎不全(透析あり)
5.3%
高血圧症
5.2%
4位
関節疾患
3.9%
関節疾患
4.0%
関節疾患
3.8%
5位
統合失調症
3.6%
統合失調症
3.7%
統合失調症
3.4%
全体医療費(外来+入院)を100%として計算
資料:国保データベースシステム
医療費分析(2)
エ
歯科医療費の状況
吹田市国民健康保険の歯科医療費は、平成 26 年度(2014 年度)で約 25 億 6,900 万円であり、前
年度の 25 億 2,500 万円を上回っています。被保険者の一人当たりの医療費も増加傾向であり、平成
26 年度(2014 年度)は 30,692 円でした。
31,000
2,580
30,500
一
30,000 人
当
た
29,500 り
医
療
29,000 費
2,560
2,540
(
歯
科
医
療
費
2,600
一人当たり医療費
( )
2,520
円
)
百
万
円
歯科医療費
2,500
2,480
28,500
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
歯科医療費(百万円)
2,541
2,590
2,536
2,525
2,569
一人当たり医療費 (円)
28,723
29,550
29,212
29,714
30,692
28,000
図 11 歯科医療費の推移(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市の国民健康保険
10
⑶
生活習慣病についてのレセプトの状況
ア 高額医療費、長期入院(6か月以上)及び人工透析の状況
平成 26 年度(2014 年度)における1か月に 200 万円を超える高額医療のレセプトは 442 件で、そ
のうち脳血管疾患によるものは 75 件で 17.0%、虚血性心疾患によるものは 77 件で 17.4%となって
います。
6か月以上の長期入院レセプトは 2,749 件で、件数・費用額ともに半数以上が精神疾患によるも
のでした。長期入院の中で、予防可能な循環器疾患という視点でみると、脳血管疾患は 437 件で
2億 5,939 万円、虚血性心疾患は 208 件で1億 1,187 万円となっています。
長期療養を要し、高額な医療費が必要となる疾患には、慢性腎不全(人工透析)がありますが、
人工透析のレセプト件数は年間 3,077 件あり、費用額は 14 億 5,602 万円となっています。
これは、1か月あたり1件につき約 50 万円の医療費が必要ということになります。
表5
高額医療費(200 万円以上)
、長期入院(6か月以上)及び人工透析の状況(平成 26 年度(2014 年度)
)
対象レセプト (H26年度)
全体
うち脳血管疾患
75件
442件
件数
高額になる疾患
(200万円以上)
13億1,190万円
費用額
長期入院
(6か月以上入院)
13億2,928万円
費用額
17.0%
17.4%
2億4,750万円
16.5%
18.9%
437件
208件
15.9%
7.6%
2億5,939万円
1億1,187万円
19.5%
8.4%
688件
1,336件
22.4%
43.4%
3億4,900万円
6億1,459万円
24.0%
42.2%
3,077件
件数
人工透析患者
(長期化する疾患)
14億5,602万円
費用額
77件
2億1,648万円
2,749件
件数
うち虚血性心疾患
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式1-1,2-1,2-2
イ
人工透析患者の糖尿病割合
人工透析患者は、平成 27 年(2015 年)5月診療分では 239 人となっており、平成 24 年(2012 年)
5月診療分と比較して 23 名増加(約 10%増)しています。また、人工透析患者のうち糖尿病患者の
占める割合も年々増加し、約半数を超えています。
表6
人工透析患者のうち糖尿病患者の割合(平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年5月診療分)
平成24年
人工透析患者 うち糖尿病
216人
105人
平成25年
割合(%)
48.6%
人工透析患者 うち糖尿病
206人
108人
平成26年
割合(%)
52.4%
人工透析患者 うち糖尿病
230人
121人
平成27年
割合(%)
52.6%
人工透析患者 うち糖尿病
239人
割合(%)
127人
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-7
11
53.1%
(ア) 人工透析患者の状況
60 歳代から人工透析を受けられる割合が高くなり、年代別の被保険者のうちの 0.4%以上にな
ります。
70~74 歳では、平成 24 年(2012 年)に 0.38%であったのが、平成 27 年(2015 年)には 0.46%
と増加しています。
また、開始時の年齢は 60 歳代で 56.7%、70 歳以上で 19.1%となっており、両者で約 76%を占
めています。一方、50 歳代から人工透析が開始になる方も 15.6%となっています。
図 12 人工透析患者(レセプトより)年齢別割合(平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年5月診療分)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-7
図 13 人工透析開始時の年齢(平成 24 年(2012 年)4月~平成 27 年(2015 年)10 月)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式2-2
12
(イ) 人工透析患者の国保加入から透析開始までの期間
国保加入時点で、すでに透析を受けている方は 24.8%、加入から2年未満に透析を受けられる
方が 19.1%となっていることから、人工透析への対策については、国民健康保険加入となる前か
らの糖尿病等の重症化予防が重要であると考えられます。
図 14 国民健康保険加入から人工透析開始までの期間(平成 24 年(2012 年)4月~平成 27 年(2015 年)10 月)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式2-2
ウ
レセプトからみる脳血管疾患患者の年齢別被保険者に対する割合
60 歳代では年代別被保険者の約5%、70 歳代では年代別被保険者の約 10%が脳血管疾患で受
診しています。
図 15 脳血管疾患
年齢別割合(平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年5月診療分)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-6
13
エ
レセプトからみる虚血性心疾患患者の年齢別被保険者に対する割合
図 16 虚血性心疾患
年齢別割合(平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年5月診療分)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-5
オ
レセプトからみる糖尿病患者の年齢別被保険者に対する割合
図 17 糖尿病患者
年齢別割合(平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年5月診療分)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-2
14
カ
レセプトからみる高血圧症患者の年齢別被保険者に対する割合
図 18 高血圧症患者
年齢別割合(平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年5月診療分)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-3
キ
レセプトからみる脂質異常症患者の年齢別被保険者に対する割合
図 19 脂質異常症患者
年齢別割合(平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年5月診療分)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-4
15
ク
脳血管疾患・虚血性心疾患・人工透析患者の基礎疾患の保有について
1件当たりの医療費や、在院日数が長い傾向にある脳血管疾患や虚血性心疾患、また人工透析患
者についての状況をみると、いずれも高い割合で高血圧症、糖尿病、脂質異常症を重ねて保有して
いることがわかります。
このことから、脳血管疾患や虚血性心疾患、人工透析を予防するためには、高血圧症、糖尿病、
脂質異常症の重症化を予防する必要があるといえます。
表7
脳血管疾患・虚血性心疾患・人工透析の基礎疾患の保有状況について(平成 27 年(2015 年)5月診療分)
被保険者数
脳血管疾患
83,745人
基
礎
疾
患
の
保
有
高血圧症
糖尿病
脂質異常症
虚血性心疾患
人工透析
3,317人
3,066人
239人
4.0%
3.7%
0.3%
2,469人
2,442人
229人
74.4%
79.6%
95.8%
1,512人
1,520人
127人
45.6%
49.6%
53.1%
2,285人
2,229人
107人
68.9%
72.7%
44.8%
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式3-1,3-2,3-3,3-4
⑷
後発医薬品(ジェネリック医薬品)の利用率
厚生労働省では平成25年(2013年)4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」
を策定し、その中で「平成30年(2018年)3月末までに、後発医薬品の数量シェアを60%以上(新指
標)にする」という目標を掲げています。
本市の後発医薬品の利用率は、国が示している目標値とは差があるものの年々向上しており、平成
27年(2015年)11月調剤分で50.1%(新指標)となっています。
※新指標は〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕)で算出
図 20 後発医薬品の利用率の推移(数量ベース)平成 24 年(2012 年)~平成 27 年(2015 年)各年 11 月調剤分
資料:国保総合システム
16
3 特定健康診査・特定保健指導及び健診データ等の状況
⑴ 特定健康診査の状況
糖尿病等の生活習慣病の発症には、内臓脂肪の蓄積(内臓脂肪型肥満)が関与しています。また、
肥満に加え、高血糖、高血圧、脂質異常等のリスクが重複する「メタボリックシンドローム」になる
と、その重症化により、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病性腎症等を発症する可能性が高くなりま
す。
そこで、生活習慣の改善を自ら取り組むよう行動変容を促すことで、生活習慣病を減少させ、その
重症化を予防することを目的に、メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査・特定保健指導
をおこなっています。
ア
特定健康診査受診率の推移
特定健康診査受診率は、府内でも上位の受診率であり、全国(市町村国保)と比較しても高い受
診率です。
その理由の一つに、誕生月健診として誕生月前月末に受診券(受診票)を個別通知することで、
タイムリーな受診勧奨となり、誕生月に受診する意識づけの強化を図っていることが考えられます。
医療機関での個別健診方式としていることから、利便性に配慮し、かかりつけ医からも受診勧奨
を行うことが可能であるため、高い受診率で推移しているものと考えます。
しかし、吹田市特定健康診査等実施計画(第二期)で設定している目標値(平成 26 年度:53%)
は達成できていません。
図 21 特定健康診査受診率の推移(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度))
※平成 26 年度の全国(市町村国保)は速報値
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
表8
特定健康診査対象者数及び受診者数の推移
平成22年度
対象者数(人)
受診者数(人)
受診率
56,601
24,003
42.4%
平成23年度
57,088
25,935
45.4%
平成24年度
55,622
24,780
44.6%
平成25年度
55,489
26,287
47.4%
平成26年度
54,939
25,932
47.2%
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
17
イ
年齢別・性別受診状況
年齢別・男女別受診率をみると、男女ともに 60 歳未満の受診率が低く、中でも 40 歳代及び 50 歳
代の男性の受診率が特に低くなっています。
図 22 年齢別・性別受診状況 (平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
ウ
3年間の累積受診率
平成 24 年度(2012 年度)から平成 26 年度(2014 年度)の累積受診率をみると、3年間で健診対
象者の約 60%が1回以上受診しています。中でも、3年間継続して受診している人の割合が、大阪
府と比較して高くなっています。
図 23 3年間の特定健康診査の累積受診率(平成 24 年度(2012 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:大阪がん循環器病予防センター
18
エ
特定健康診査受診の有無別受療状況
平成 26 年度(2014 年度)に健診未受診で、医療機関での受療歴もない方が 21.3%あります。
府と比べると、少ない状況ですが、これらの方は体の状況が全く把握できていない可能性がある
と考えられます。
生活習慣病は無症状のうちに進行し、重症化した時に症状が出現します。医療を受けておらず、
健診も未受診の方に、まずは健診を受診していただくような工夫を考えていく必要があります。
図 24 特定健康診査受診・受療状況別の特定健康診査対象者割合
※大阪府の数値は非公開の2保険者を除いた割合
資料:大阪がん循環器病予防センター
19
⑵
特定保健指導の状況
特定保健指導の実施率は、平成 26 年度(2014 年度)に大阪府(市町村国保)を上回りましたが、全
国(市町村国保)や吹田市特定健康診査等実施計画(第二期)で設定している目標値(平成 26 年度:
30%)と比べると、未だに低率となっています。
一人でも多くの方に特定保健指導を受講していただけるよう、会場や開催曜日等、利便性に配慮し
た工夫をするとともに、未実施者に対する電話等での丁寧な受講勧奨を継続する必要があります。
また、本市の特定健康診査は医療機関での個別健診方式にて実施しているため、健診医が直接健診
結果を説明するシステムとなっていることから、特定保健指導の対象者に対して、健診医からも受講
勧奨をしていただけるよう、医療機関との連携をさらに強化していくことも必要です。
図 25
特定保健指導の実施率(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
※平成26年度の全国(市町村国保)は速報値
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
表9
対象者数(人)
実施者数(人)
実施率
特定保健指導対象者数及び実施者数の推移
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
3,191
3,373
3,220
3,235
3,239
249
7.8%
249
7.4%
226
7.0%
435
13.4%
506
15.6%
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
20
⑶
特定保健指導の効果について
平成 25 年度(2013 年度)特定保健指導の実施群と未実施群が、翌年の平成 26 年度(2014 年度)に
吹田市国保健康診査を受診した時のデータの変化について、平均値で比較しました。
健診受診後、内服開始や医師からの指導もあるため、未実施群でもデータは改善していますが、
保健指導実施群の方が、より改善しています。
しかし、糖尿病の指標である「HbA1c」に関しては、実施群も改善がみられませんでした。
⑷
健診データの分析
図 26
特定保健指導実施群と未実施群の健診データの比較
資料:吹田市国保健康診査実績
21
ア メタボリックシンドローム(以下メタボ)の状況
(ア) メタボ該当者・予備群の推移
男女ともメタボ該当者・予備群の合計は、横ばいで推移しています。
50.0
(%)
40.0
45.1
45.6
45.6
45.1
45.5
14.8
14.9
14.3
14.0
13.9
30.0
20.0
10.0
男性
女性
0.0
平成22年度
図 27 吹田市国保健康診査
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
メタボ該当者・予備群割合の推移(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
(イ) メタボ該当者・予備群の割合の比較
大阪府と比較すると、メタボ該当者の割合が低く、予備群が若干高くなっています。
30.0
(%)
25.0
25.3
27.0
20.2
20.0
17.8
15.0
吹田市
10.0
6.8
8.8
7.1
大阪府
5.9
5.0
0.0
該当
該当
予備群
男性
予備群
女性
図 28 メタボ該当者・予備群割合の比較 (平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
22
(ウ) メタボ該当者・予備群の年齢別・性別状況
メタボ該当者・予備群とも、すべての年代において男性が女性を大きく上回っています。
メタボ該当者の割合は、男性は 55 歳以降で急激に増加します。また、女性も年齢があがるにつ
れ、増加傾向になっています。
図 29 メタボ該当者・予備群の年齢別・性別状況
(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
(エ) メタボ該当者・予備群のリスク保有状況
メタボ該当者では「血圧+脂質」のリスク保有率が高くなっています。一方、メタボ予備群で
は「血圧」のリスク保有率が高くなっています。
10.0%
9.1%
6.1%
5.0%
3.8%
3.5%
2.3%
0.8%
0.7%
脂質
血圧
該当
血糖
血糖 血+圧 脂+質
血糖 脂+質
血圧 脂+質
血糖 血+圧
0.0%
予備群
図 30 メタボ該当者・予備群のリスク保有状況
(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式6-8
23
イ
喫煙の状況
(ア) 喫煙率の推移
喫煙率は、男性では若干減少し、女性は横ばいで推移しています。
図 31 吹田市国保健康診査
喫煙者の推移(平成 24 年度(2012 年度)~平成 26 年度(2014 度)
)
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
(イ) 喫煙率の大阪府との比較
大阪府と比較すると吹田市の喫煙率は男女とも低い状況です。
図 32 喫煙率の大阪府との比較(平成 24 年度(2012 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
24
(ウ) 喫煙率の年齢別・性別状況
年齢別・性別の喫煙率の推移をみると、全体的には徐々に低くなっていますが、40 歳代及び 50
歳代の若い世代の喫煙率が高く、男性では 30%、女性で 10%を超えています。
(%)
(%)
図 33 喫煙率の年齢別・性別状況
(平成 24 年度(2012 年度)~平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:特定健康診査・特定保健指導 法定報告
ウ 有所見者の状況
(ア)項目毎の有所見率の比較
糖尿病に関係する HbA1c 及び血糖値の有所見率(HbA1c5.6%以上、血糖値 100mg/dl 以上)が、
大阪府・全国より高い状況となっています。特に HbA1c は、大阪府 50.2%、全国 52.8%に比べ、
吹田市有所見率は 66.3%と 10 ポイント以上も高くなっています。
図 34 吹田市国保健康診査
有所見率の比較(全体)
(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式6-2~7
25
(イ)項目毎の性別有所見率の比較
男女ともに HbA1c 及び血糖値の有所見率(HbA1c5.6%以上、血糖値 100mg/dl 以上)が、大阪府・
全国に比べて高くなっています。その他の項目については、大阪府・全国と同程度であり、中性
脂肪については大阪府・全国より若干低い状況です。
(%)
(%)
図 35 吹田市国保健康診査
性別有所見率の比較(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式6-2~7
26
(ウ)HbA1c 有所見率の年齢別・性別状況
40 歳代の女性の有所見率は 25.1%と低くなっていますが、男性の有所見率が 42.4%となってい
ます。
男女ともに年齢が上がるにつれて有所見率が上昇し、65 歳~69 歳以降は約7割が有所見となっ
ています。
図 36 吹田市国保健康診査
HbA1c 有所見者の年齢別・性別状況(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:国保データベースシステム
厚生労働省様式6-2~7
(エ)HbA1c 受診勧奨判定値以上の推移
HbA1c の受診勧奨判定値以上(6.5%以上)の年次推移をみると、男女とも平成 24 年度(2012
年度)で若干減少したものの、平成 26 年度(2014 年度)は少し増加がみられます。
18.0
(%)
15.7
15.3
15.0
12.8
12.8
6.4
6.5
13.7
12.0
9.0
6.0
8.3
7.8
7.1
3.0
男性
女性
0.0
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
図 37 吹田市国保健康診査 HbA1c 受診勧奨判定値以上の推移(平成 22 年度(2010 年度)~平成 26 年度(2014 年度))
資料:吹田市国保健康診査実績
27
(オ)糖尿病治療なし者の HbA1c データ区分別人数
国保健康診査の問診で「糖尿病治療なし」と回答した人の HbA1c の値をみると、男女とも 5.6
~6.4%の保健指導判定値の人が最も多くなっています。
一方で、合併症予防の目標が 7.0%未満(糖尿病治療ガイド 2014-2015)とされていますが、7.0%
~7.9%で治療なしの人が、男性 156 人、女性 120 人の合計 276 人、8.0%以上で治療なしの人が、
男性 75 人、女性 27 人の合計 102 人となっています。
これらの人を適切に治療につなげることが、糖尿病の重症化予防として重要になります。
男性
75
8.0%以上
27
156
7.0~7.9%
120
363
6.5~6.9%
398
5.6~6.4%
5,217
5,000
図 38 糖尿病治療なし
9,552
5.6%未満
3,657
(人) 10,000
女性
5,590
0
0
10,000 (人)
5,000
HbA1c データ区分別人数(平成 26 年度(2014 年度)
)
治療なし者:吹田市国保健康診査問診で「糖尿病治療なし」と回答した人
資料:吹田市国保健康診査実績
(カ)糖尿病治療あり者の HbA1c データ区分別人数
糖尿病の合併症予防のための目標は HbA1c7.0%未満(糖尿病治療ガイド 2014-2015)となってい
ますが、国保健康診査の問診で「糖尿病治療あり」と回答した人のうち、7.0~7.9%の人は、男性
が 391 人、女性 266 人の合計 657 人でした。8.0%以上の人は、男性 177 人、女性 123 人の合計 300
人となっています。両者の合計は 957 人となり、糖尿病の治療をしているにもかかわらず、通院や
内服治療が継続されていない等、コントロールが不十分であると推察できる人が少なくない状況で
す。これらの人の重症化を防ぎ、ひいては人工透析へ移行する件数を抑制するために、適正な受療
の確認・勧奨が重要であるといえます。
177
男性
8.0%以上
307
336
250
図 39 糖尿病治療あり
266
6.5~6.9%
247
5.6~6.4%
238
5.6%未満
16
500
女性
7.0~7.9%
391
(人)
123
11
0
0
250
500
(人)
HbA1c データ区分別人数(平成 26 年度(2014 年度)
)
治療あり者:吹田市国保健康診査問診で「糖尿病治療あり」と回答した人
資料:吹田市国保健康診査実績
28
(キ)高血圧治療なし者の血圧データ区分別人数
国保健康診査の問診で「高血圧治療なし」と回答した人の血圧値は、男女とも正常判定値
(130/85mmHg 未満)が最も多い状況です。しかし、Ⅱ度高血圧以上(160/100mmHg 以上)であるに
もかかわらず、治療を受けていない人が 951 人となっています。これらの人を適切に治療につなげ
ることが、高血圧の重症化予防として重要になります。
84
78
180/110mmHg以上
男性
女性
367
1,503
140~ 159/90~99mmHg
1,523
130~ 139/85~89mmHg
3,580
10,000
422
160~ 179/100~109mmHg
1,966
2,370
7,592
130/85mmHg未満
5,000
0
0
5,000
10,000
(人)
(人)
図 40 高血圧治療なし
血圧データ区分別人数(平成 26 年度(2014 年度)
)
治療なし者:吹田市国保健康診査問診で「高血圧治療なし」と回答した人
資料:吹田市国保健康診査実績
(ク)高血圧治療あり者の血圧データ区分別人数
高血圧の治療がある人の血圧値をみると、正常判定値(130/85mmHg 未満)までコントロールで
きている人は 2,451 人となっています。また、保健指導判定値(130~139/85~89mmHg)にコント
ロールできている人は 2,237 人となっています。
一方、治療しているにもかかわらず通院や内服治療が継続されていない等、コントロールが不
十分であると考えられるⅡ度高血圧以上(160/100mmHg 以上)の人が 580 人となっています。
これらの人の重症化を防ぎ、脳血管疾患等が予防できるよう、適正な受療の確認・勧奨が重要
であるといえます。
男性
180/110mmHg以上
36
264
160~179/100~109mmHg
235
140~159/90~99mmHg
1,210
1,304
130~139/85~89mmHg
1,032
1,205
130/85mmHg未満
1,096
2,000
女性
45
1,000
0
0
(人)
図 41 高血圧治療あり
1,355
1,000
2,000
(人)
血圧データ区分別人数(平成 26 年度(2014 年度)
)
治療あり者:吹田市国保健康診査問診で「高血圧治療あり」と回答した人
資料:吹田市国保健康診査実績
29
⑸
特定保健指導対象外(非肥満)の状況について
特定健康診査はメタボリックシンドロームに着目しており、特定保健指導の対象となるのは、基本
的に肥満のある人のうち、リスクを有する人(治療者は除く)となります。しかし、特定保健指導の
対象とならない非肥満者でもリスクのある人も多く、その対策も必要です。
ア
特定健康診査における肥満の有無別状況
平成 26 年度(2014 年度)特定健康診査受診者のうち、肥満者は 34.2%、非肥満者は 65.8%で、
肥満に比べ、非肥満の方が多くを占めています。
肥満
34.2%
(9,331人)
非肥満
65.8%
(17,936人)
肥満:腹囲 男性 85cm 以上 女性 90cm 以上、または BMI25 以上
図 42 吹田市国保健康診査
非肥満・肥満別割合(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市国保健康診査実績
イ
肥満の有無別健診データの比較
特定保健指導対象外である非肥満者の、HbA1c、血圧、LDL コレステロールの有所見者数は、肥満者
の有所見者数に比べ多くなっています。また、受診勧奨判定値以上の人数も多い状況です。
(ア) HbA1c について
「HbA1c」の保健指導判定値以上(5.6%以上)の有所見者数は、肥満者が 6,868 人で、そのう
ち受診勧奨判定値以上(6.5%以上)の人は 1,558 人です。
一方、非肥満の有所見者数は 11,125 人で、そのうち受診勧奨判定値以上の人は 1,092 人です。
1,558人
5,310
(56.9%)
2,463
(26.4%)
肥満
855
(9.2%)
703
(7.5%)
612
(3.4%)
480
(2.7%)
10,033
(55.9%)
6,811
(38.0%)
非肥満
1,092人
0
5,000
5.6%未満
図 43 吹田市国保健康診査
5.6~6.4%
10,000
6.5~6.9%
肥満・非肥満別
15,000
7.0%以上
20,000
(人)
HbA1c 区分別割合(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市国保健康診査実績
30
(イ) 血圧について
「血圧」の保健指導判定値以上(130/85mmHg 以上)の有所見者数は、肥満者が 5,754 人で、そ
のうち受診勧奨判定値以上(140/90mmHg 以上)は 3,321 人です。
一方、非肥満の有所見者は 7,890 人で、そのうち受診勧奨判定値以上は 4,193 人です。
3,321人
3,577
(38.3%)
肥満
2,433
2,589
(26.1%) (27.7%)
732
(7.8%)
10,046
(56.1%)
非肥満
3,697
(20.6%)
3,394
(18.9%)
799
(4.5%)
4,193人
0
5,000
10,000
15,000
130/85mmHg未満
130~139/85~89mmHg未満
140~159/90~99mmHg未満
160/100mmHg以上
図 44 吹田市国保健康診査
肥満・非肥満別
20,000
(人)
血圧区分別割合(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市国保健康診査実績
(ウ) LDL コレステロールについて
「LDL コレステロール」の保健指導判定値以上(120mg/dl 以上)の有所見者数は、肥満者が 5,358
人で、そのうち受診勧奨判定値以上(140mg/dl 以上)は 2,906 人です。
一方、非肥満の有所見者は 10,079 人で、そのうち受診勧奨判定値以上の人は 5,449 人です。
2,906人
3,973
(42.6%)
肥満
2,452
2,498
(26.3%) (26.8%)
7,857
(43.8%)
非肥満
408
(4.1%)
4,630
(25.8%)
4,714
(26.3%)
735
(4.1%)
5,449人
0
120mg/dl未満
図 45 吹田市国保健康診査
5,000
10,000
120~139mg/dl
140~179mg/dl
肥満・非肥満別
15,000
180mg/dl以上
20,000
(人)
LDL 区分別割合(平成 26 年度(2014 年度)
)
資料:吹田市国保健康診査実績
31
4
成人歯科健康診査の状況について
30 歳代、40 歳代でも、約半数の割合で進行した歯周病があります。年齢が上がるにつれて、その割合
が高くなっています。
50 歳代の受診者数が少なくなっています。
図 46 吹田市成人歯科健診
年齢別受診者数と進行した歯周病の割合(平成 26 年度(2014 年度)
)
進行した歯周病:代表歯のうち、歯周ポケット 4 ㎜以上の歯が1本以上ある
資料:吹田市成人歯科健康診査実績
32
5
現在実施している事業
⑴ 特定健康診査
ア
個別健診で実施。胃がん検診以外のがん検診等は、同時に受診することが可能
イ
特定健康診査未受診者対策
40 歳の健診未受診者に、個別勧奨を実施
⑵
特定保健指導
ア
特定保健指導
動機づけ支援・積極的支援の人に、初回面接時を起点とし、6か月にわたって実施
【支援形態】グループ支援(内臓脂肪解消セミナー)及び個別相談(メタボ予防相談)
【支援内容】初回面接:生活習慣改善の必要性を伝え、自らの行動目標を設定
継続支援:積極的支援の人は、継続支援を3か月以上実施、動機づけ支援の人には
必要時支援を実施
6か月後評価:初回面接から6か月後に、アンケートで行動目標の達成状況や身体
状況の変化等について確認
イ
未実施者への取組
特定健康診査後、保健指導の対象となっているにもかかわらず、特定保健指導に申し込みのな
い人に対し、文書を郵送して個別勧奨を実施
ウ
重症化予防への取組
特定保健指導対象者のうち、収縮期血圧 140mmHg 以上又は拡張期血圧 90mmHg 以上、HbA1c6.5%
以上の 40 歳~74 歳で医療機関での治療のない人に、地区担当保健師が電話や文書等で受講勧奨及
び保健指導を実施
エ
特定保健指導後の継続支援(アクティブ運動塾)
毎月1回1年間、ウォーキングを中心とした教室を実施
継続支援終了後の希望者は、OB会(自主グループ)に移行
⑶
非肥満ハイリスク者への重症化予防への取組
特定保健指導対象外の非肥満者のうち、収縮期血圧 160mmHg 以上又は拡張期血圧 100mmHg 以上、
HbA1c7.0%以上の 40 歳~69 歳で医療機関での治療のない人に、地区担当保健師が電話・文書・面接・
訪問等で受診勧奨及び保健指導を実施
⑷
ア
健康意識の啓発
特定健康診査の結果説明時に、リーフレット等を使用して受診者全員に健診医からメタボリッ
クシンドロームの予防についての情報提供
イ
地域の出前講座で健康に関する講演を実施
ウ
市民健康教室(年3回
エ
女性の健康講座(女性の健康週間に合わせて、女性特有の疾患等について保健師等が講演会を実施)
オ
ロコモティブシンドローム予防教室
生活習慣病の予防等について医師等による講演会を実施)
33
カ
がん予防キャンペーン
キ
がん予防啓発ウォーク(がん予防についての講座やがん患者の体験談、受講者とともにがん予
防を呼びかけながら市内をウォーキングする市民参加型イベント)
ク
9月を子宮がん検診、10 月を乳がん検診のキャンペーン月間とし、3歳児健診で保護者向けの
短時間講演を実施
ケ
成人祭での啓発
コ
すいた健康サポーター事業
市民及び地区福祉委員を対象として、市民の主体的な健康づくりの推進と、サポーターから地
域への啓発による市民協働でのしくみ作りを目的に、平成 27 年度から開催
⑸
禁煙についての取組
ア
世界禁煙デーに合わせ、5月に禁煙対策特別企画展を実施
イ
集団肺がん検診及び特定保健指導時に、喫煙者に対し、短時間禁煙支援や禁煙相談を実施
ウ
母子保健事業での啓発
⑹ 特定健康診査以外の主な健(検)診について
ア
30 歳代健康診査
30 歳代の人が対象 協力医療機関での個別健診
イ
がん検診
(ア)胃 が ん 検 診 :35 歳以上の人が対象
保健センター等での集団検診
(イ)肺 が ん 検 診:40 歳以上の人が対象
協力医療機関での個別検診及び保健センターでの集団検診
(ウ)大 腸 が ん 検 診:40 歳以上の人が対象
協力医療機関での個別検診及び保健センター等での集団検診
(エ)子 宮 が ん 検 診 :20 歳以上の女性が対象
協力医療機関での個別検診
(オ)乳 が ん 検 診 :
(視触診検診)30 歳代の女性が対象
協力医療機関での個別検診
(視触診検診及びマンモグラフィ検診)40 歳以上の女性が対象
協力医療機関での個別検診
(カ)前立腺がん検診:50 歳以上の男性が対象
協力医療機関での個別検診
ウ 成人歯科健康診査
30 歳以上の人が対象 協力医療機関での個別健診
34
6
その他の事業
⑴ がん検診等の一部自己負担金助成
40 歳から 64 歳の被保険者に対し、市が実施する各種がん検診等の一部自己負担金を助成
65 歳以上は全市民無料
⑵
医療費通知
被保険者に対し、かかった医療費の通知を年6回送付
⑶
後発医薬品差額通知
後発医薬品利用促進のため、後発医薬品差額通知を年4回送付
35
7
分析結果からみえる本市被保険者の健康課題
⑴ 現状の分析・課題と対策の方向性
死亡・健康寿命等の状況
現状の分析・課題
対策の方向性
・死因順位では、心疾患や脳血管疾患などの循環器疾患が上位
・健康寿命のさらなる延伸
を占め、糖尿病については、死因順位の7位に位置するとと
及び介護を要する期間(不
もに標準化死亡比においても大阪府と比較して高い状況。
健康期間)の短縮等のため
・全国・大阪府より健康寿命は長いが、平均余命も長く、介護
に、脳血管疾患等の循環器
を要する期間は全国・大阪府よりも長い。
疾患や、その基礎疾患とな
・介護を要する原因疾患では、虚弱や認知症、転倒・骨折に次
いで、特に男性の脳血管疾患や糖尿病が上位となっている。
りうる糖尿病などの生活
習慣病対策が重要。
・被保険者数は減っているが、一人当たり医療費は増えている。 ・生活習慣病、特に医療費
・疾病別医療費の順位:糖尿病・慢性腎不全が上位になってき
の高い腎不全対策につい
て、慢性腎不全(人工透析)
た。
・1か月に 200 万円を越える高額な医療費がかかる生活習慣病
が糖尿病性腎症由来のも
のうち、脳血管疾患は件数で 17.0%、費用で 16.5%を占め、
のが多いことからも、糖尿
虚血性心疾患は件数で 17.4%、費用で 18.9%を占めており、
病対策が重要。
両者あわせて約 1/3 の件数、費用を占めている。
・脳血管疾患・虚血性心疾
医療費・レセプトの状況
また、長期の入院を要する疾患においても、脳血管疾患と虚
患を予防するためにも、そ
血性心疾患あわせて約3割の医療費を占める。
の基礎疾患となる高血
・長期化する疾患で高額な医療費が必要なのは、人工透析。
圧・糖尿病・脂質異常症の
・人工透析患者数が年々増加、そのうちの糖尿病性腎不全の占
重症化予防が必要。
める割合が増加し半数以上を占めている。
・脳血管疾患・虚血性心疾患、人工透析患者は、高血圧、糖尿
病、脂質異常症の基礎疾患を保有する割合が高い。
・生活習慣病に関するレセプト件数は、60 歳代から急激に増加
する。
36
・若い世代の健診受診や必
要な受療への意識を高め
る必要あり。
現状の分析・課題
対策の方向性
(特定健康診査)
・60 歳未満(特に男性)、過
・特定健康診査の受診率は高いが、60 歳未満(特に男性)の受
去一度も受診歴のない人、
医療もかかったことのな
診率が低い。
特定健康診査・特定保健指導の状況
・累積受診率より、対象者の約6割が3年間に1回以上受診し、
その継続受診の割合も大阪府より高い。
い人などへの健診受診勧
奨。
・健診未受診で医療も未受療の人が2割を超えている。
(特定保健指導)
・特定保健指導実施率向上
・特定保健指導実施率が低い。
・糖尿病についての改善効
・体重・腹囲・血圧・LDL は特定保健指導受講により改善。
果が出せる保健指導の工
・HbA1c については、保健指導を実施しても改善効果が認めら
夫。
れない。
・糖尿病以外については保
健指導による改善効果が
認められることから、実施
率向上により、改善効果が
表れる人を増やす。
・喫煙率は、大阪府よりは低いが、若い年齢層がやや高い。
・健診結果で、糖尿病・高血圧・脂質異常についての有所見率
が高い。
・若い年齢層の糖尿病有所
見者を確実に医療へつな
ぐ働きかけが必要。
健診データの状況
・中でも糖尿病(HbA1c)については、国・府よりも有所見率
・糖尿病治療中でコントロ
が高く(男女差なし)
、男性は 40 歳代ですでに約4割、50 歳
ール不良者に対する主治
代では男女とも約5割がすでに所見がある。
医の下での適正な管理が
・それにもかかわらず、60 歳未満で糖尿病のレセプトあり者が
少ない。
(60 歳未満の未受療者)
必要。
・非肥満者で糖尿病・高血
・糖尿病でデータが悪いのに治療なし者(未受療)や、治療あ
り者でもデータが悪い人(コントロール不良)がいる。
・非肥満者でもデータが悪い人が特定保健指導対象と同等ある
いはそれ以上存在する。
圧・脂質異常のリスクがあ
る人への重症化予防が必
要。
・有所見者数の多い血圧や
脂質異常についての働き
かけも必要。
歯科医療・成人歯科健診の状況
・歯科医療費及び一人あたり医療費は増加傾向。
・30 歳代・40 歳代でも、約半数に進行した歯周病がある。
年齢が上がるにつれ、その割合がさらに高くなる。
・歯科医とも連携し、糖尿
病と歯周病の関連につい
ても市民に啓発していく
ことが必要。
37
⑵
現状分析からみえる課題のまとめ
高齢化の進展により、医療費や死亡、要介護の原因の多くを循環器疾患や糖尿病が占めることから、
健康寿命のさらなる延伸及び介護を要する期間の短縮等のために、その対策として特定健康診査や特
定保健指導、保健事業の充実が非常に重要です。
ア
糖尿病に関する有所見率が全国・大阪府と比べて高い状況です。
また保健指導対象外でも、糖尿病や高血圧に関する受診勧奨レベルの人が多く存在します。
特定健康診査のデータで、糖尿病に関する有所見率(血糖、HbA1c)が、全国・大阪府に比べて高く
なっています。また、治療中であっても、HbA1c が 7.0%以上の方も多く、コントロール不良者が多い
状況であることも推察されます。
一人当たりの医療費は年々増加し、平成 26 年度(2014 年度)における医療費順位は1位が糖尿病、
2位が慢性腎不全(透析あり)
、3位が高血圧症となっています。
腹囲や BMI が基準値以上の肥満者のうち、一定の条件の人については、特定保健指導対象となりま
すが、特定保健指導の対象外となる非肥満者の中にも、高血圧や糖尿病の治療が必要な人が多く存在
することも分かりました。
生活習慣病が進行すると、人工透析や脳血管疾患、虚血性心疾患という重大な疾患にかかるリスク
が高くなります。必要な人に、きちんと受診していただき、生活習慣が改善できるような保健指導を
実施することで、重症化を予防する必要があります。
イ
特定保健指導の実施率が低い状況です。
特定保健指導実施率が、平成 25 年度(2013 年度)からは大阪府と同等になりましたが、全国や本市
目標値と比べ、依然として低い状況です。利便性等に配慮し、受講していただきやすい体制の工夫を
するとともに、未実施者に対する電話や文書による丁寧な受講勧奨に努める必要があると考えます。
本市は健診を個別方式で実施しているため、健診医が直接健診結果を説明するシステムです。必要
な方に特定保健指導の勧奨をしていただけるよう、医療機関との連携をさらに強化していくことが必
要です。
ウ
特定健康診査について、40 歳、50 歳代の若い世代(特に男性)の受診率が低い状況です。
特定健康診査受診率は全国・大阪府に比べて大きく上回っていますが、目標値には達していません。
一方、年齢別受診率をみると、特に 40~50 歳代の男性の受診率が非常に低くなっています。
生活習慣病は病気になる前に生活習慣の偏りに気づき、改善することが重要であり、予防できる若
い世代の受診率を上げる必要があります。
生活習慣病のレセプトでは、60 歳代から急激に、医療機関の受診割合が増えています。受診が必要
になる前の若い世代にも、生活習慣病予防のための健診受診の重要性について周知する必要がありま
す。
健診未受診で医療機関にもかかっていない人は、自分の体の状態が全く把握できていない状態であ
ると考えられます。病気がなくても健診受診が必要であることを周知し、未受診者の掘り起こしによ
り、潜在的なハイリスク者を明らかにし、生活習慣改善や受療勧奨を実施する必要があります。
38
第3章 計画の目標と実施
1 目的・目標の設定
⑴ 中長期的な目標
ア
虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病性腎症の減少
イ
糖尿病の重症化予防
ウ
人工透析者の新規導入者の減少
⑵ 短期的な目標
ア
糖尿病に関連する、HbA1c の治療レベル以上の割合(6.5%以上)を減少
イ メタボリックシンドロームについての有所見率の減少
ウ
特定健康診査受診率の向上
エ
特定保健指導実施率の向上
評価指標
現状値
目標値
平成26年度
(2014年度)
平成29年度
(2017年度)
① 特定健診受診率
47.2%
60.0%
② 特定保健指導実施率
15.6%
60.0%
男性
45.5%
38.7%
女性
13.9%
11.8%
男性
13.7%
減 少
女性
7.1%
減 少
項目
③ メタボ該当者及び予備群の割合
④ 血糖高値者の割合(HbA1c6.5%以上)
※①、②、③の現状値は、特定健康診査・特定保健指導
法定報告
※④の現状値は、吹田市国保健康診査実績
※目標値については、吹田市特定健康診査等実施計画(第二期)及び吹田市健康増進計画の評価指標を
もとに設定
39
2
保健事業の具体的内容
⑴
特定保健指導対象外となる非肥満の高血圧者及び血糖高値者への重症化予防
ア 特定保健指導対象外で高血圧者(血圧高値者)及び血糖高値者への電話や訪問等での医療機関
への受診勧奨の徹底
(ア) 血圧高値者重症化予防事業
(対象)収縮期血圧 160mmHg 以上又は拡張期血圧 100mmHg 以上、40 歳~74 歳の被保険者
(イ) 血糖高値者重症化予防事業
(対象)HbA1c6.5%以上、40 歳~74 歳で糖尿病治療のない被保険者
上記(ア)(イ)いずれかに該当する方に、受診勧奨リーフレットを送付し、送付後、訪問等によ
り受診勧奨を実施
医療機関の受診が確認できなかった人には、再度訪問や電話等により受診勧奨を実施
イ
糖尿病重症化予防事業
(対象)HbA1c7.0%以上、40 歳~74 歳で糖尿病治療はあるが、治療中断等のコントロール不良
が推察できる被保険者
訪問を中心に、受診確認及び受診勧奨を実施
ウ
医療機関との連携強化
エ
糖尿病及び糖尿病重症化予防についての市民向け講演会の実施
⑵
特定保健指導実施率の向上
ア
電話、文書等での未受講勧奨の強化
イ
利便性に配慮した会場や曜日、時間帯の工夫及び訪問等による保健指導の実施
ウ
健診医から特定保健指導の受講勧奨の強化
エ
ホームページ等でのPRの工夫
オ
特定保健指導利用券や、未受講者への案内文書の工夫
カ
疾病予防・健康づくりに対するインセンティブ付与事業の活用を検討
キ
さらなる受講率の向上の取組について検討
⑶
若い世代への特定健康診査受診勧奨
ア
現在実施している 40 歳の人への未受診勧奨に加え、45 歳の人にも未受診勧奨を実施
イ
疾病予防・健康づくりに対するインセンティブ付与事業の活用を検討
40
第4章 計画の評価・見直し等
1 計画の評価指標及び見直しについて
本計画書に定める数値目標の達成状況と事業実施状況については、各年度で進捗を管理し、必要に応
じて、適宜計画の内容を見直します。
特定健康診査・特定保健指導の受診率(受講率)等について、国保データベースシステム等の情報を
活用し、健康情報全体の経年変化を全国、大阪府とも比較し評価を行います。
実施体制や実施方法に関する評価及び見直しについても、必要に応じて随時行います。
最終年度で目標達成度を「吹田市特定健康診査等実施計画(第二期)
」とともに評価し、新たな課題や
取り巻く状況を踏まえ、計画見直しを行います。
2
計画の公表・周知
本計画については、吹田市ホームページ等により公表します。
3
事業運営上の留意事項
⑴
国民健康保険室、保健センター等の関係各課が連携し、課題解決に取り組んでいく体制を整備し
ます。
⑵
4
医療機関等の関係機関との連携を行い、計画の円滑な推進を図ります。
個人情報保護に関する事項
特定健康診査等の実施にあたっては、個人情報の保護に関する法律及び吹田市個人情報保護条例に定
める職員の義務(データの正確性の確保、漏洩防止措置、従事者の監督、委託先の監督)について徹底
周知し、個人情報の漏洩に最新の注意を図ります。
また、特定健康診査等を外部に委託する際は、委託業者に対して、常に契約遵守状況の管理を行い
ます。
41
参考資料
本文中で使用しているデータ区分について
※有所見について
BMI
:25 以上
腹囲
:男 85cm 以上、女 90cm 以上
HbA1c
:5.6%以上
血糖値
:100mg/dl 以上
収縮期血圧:130mmHg 以上
拡張期血圧:85mmHg 以上
LDL
HDL
:120mg/dl 以上
:40mg/dl 未満
中性脂肪 :150mg/dl 以上
※特定健康診査項目の基準値について
「標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】 平成 25 年4月 厚生労働省より
項目名
基準
データ
HbA1c
基準範囲内
保健指導判定値
受診勧奨判定値
5.6%未満
5.6%~6.4%
6.5%以上
血糖値
基準範囲内
保健指導判定値
受診勧奨判定値
100mg/dl 未満
100mg/dl~125mg/dl
126mg/dl 以上
収縮期血圧
基準範囲内
保健指導判定値
受診勧奨判定値
130mmHg 未満
130~139mmHg
140mmHg 以上
拡張期血圧
基準範囲内
保健指導判定値
受診勧奨判定値
85mmHg 未満
85~89mmHg
90mmHg 以上
LDL
基準範囲内
保健指導判定値
受診勧奨判定値
120mg/dl 未満
120~139mg/dl
140mg/dl 以上
HDL
基準範囲内
保健指導判定値
受診勧奨判定値
40mg/dl 以上
34~39mg/dl
34mg/dl 未満
中性脂肪
基準範囲内
保健指導判定値
受診勧奨判定値
150mg/dl 未満
150~299mg/dl
300mg/dl 以上
※「糖尿病治療ガイド 2014-2015」における区分
コントロール目標値(治療目標は、年齢・罹患期間・臓器障害・低血糖の危険性・サポート体制等を考慮して個別に設定)
血糖正常化を目指す際の目標:HbA1c6.0%未満
合併症予防のための目標
:HbA1c7.0%未満
治療強化が困難な際の目標 :HbA1c8.0%未満
※「高血圧治療ガイドライン(2014)
」における区分
Ⅰ度高血圧:収縮期血圧 140~159mmHg
拡張期血圧 90~99mmHg
Ⅱ度高血圧:収縮期血圧 160~179mmHg
拡張期血圧 100~109mmHg
Ⅲ度高血圧:収縮期血圧 180mmHg 以上
拡張期血圧 110mmHg 以上
42
用語集
用語
あ
悪性新生物
悪性腫瘍のこと。細胞が何らかの原因で異変して増殖を続け、周囲の正常
な組織を破壊する腫瘍で、がんや肉腫などがこれに入る。悪性新生物には、
胃がん、結腸がん、直腸がん、肝がん、膵臓がん、肺がん、乳がん、子宮
がんなどの他に、血液腫瘍(血液のがん)である白血病や急性リンパ腫な
どが含まれる。
HDL
HDL コレステロールの略。善玉コレステロールと呼ばれる。
余分なコレステロールを回収し、肝臓に運ぶという動脈硬化を抑制する働
きがある。
行
(エイチディーエル)
LDL
(エルディーエル)
か
LDL コレステロールの略。悪玉コレステロールと呼ばれる。
コレステロールを全身に運ぶ役割だが、増えると動脈硬化を促進させる。
拡張期血圧
最小血圧ともいう。心臓が拡張して全身から血液が戻ってくる時に血管に
かかる圧力のこと。血圧が高い状態が続くと、血管が傷つきやすくなり、
循環器疾患を起こしやすくなる。
虚血性心疾患
心臓病のうち、心臓を養う血管(冠動脈)が動脈硬化によって細くなり、
最後には閉塞し、心臓の筋肉(心筋)に血液が届かなくなって(虚血)、
その部分の心筋が機能を失う病気。心筋梗塞など。
行
健康寿命
世界保健機関(WHO)が平成 12 年(2000 年)に提唱した指標であり、一般
に、健康状態で生活できる平均期間またはその総称を指す。健康日本 21
(第2次)では、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活で
きる期間」と定められている。
「健康寿命の算出方法の指針」
(厚生労働科
学 健康寿命研究)では、健康寿命の指標として「日常生活に制限のない
期間の平均」、
「自分が健康であると自覚している期間の平均」
、
「日常生活
動作が自立している期間の平均」を検討されているが、吹田市では市町村
において算出が可能な「日常生活が自立している期間の平均」を使用。
後発医薬品
ジェネリック医薬品のこと。新薬(先発医薬品)の販売期間が終了した後
に販売され、新薬と、有効成分、効能、効果、用法、用量が同一である医
療用医薬品。
国保データベースシステム
国民健康保険の保険者や後期高齢者広域連合が、保健事業の計画や実施を
行うために、「健診・保健指導」、「医療」、「介護」の各種データを活用し
て、統計情報や個人の健康に関するデータを作成するシステム。国民健康
保険中央会が開発。
(KDB)
さ
解説
脂質異常症
中性脂肪や LDL コレステロール、HDL コレステロールなどの脂質代謝に異
常をきたし、血液中の値が正常域をはずれた状態。動脈硬化の主要な危険
因子。従来は高脂血症と呼ばれていた。
歯周病
歯肉、歯槽骨、歯根膜及びセメント質等の歯周組織におこる慢性疾患の総
称で、歯肉炎、歯周炎に大別される。
収縮期血圧
最大血圧ともいう。心臓が収縮した時に全身に血液を送り出す時に血管に
かかる圧力のこと。血圧が高い状態が続くと、血管が傷つきやすくなり、
循環器疾患を起こしやすくなる。
人工透析
腎不全や尿毒症などで、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物を除去できな
くなった場合などに、人工的に血液を浄化する治療法。
行
43
用語集
用語
さ
解説
心疾患
心筋梗塞や狭心症のような虚血性心疾患、慢性リウマチ性心疾患、心不全
などが含まれる。ただし、高血圧による心不全のような高血圧性心疾患は
含まれない。
腎不全
腎臓病が進行して、腎臓の働きが弱くなること。急性腎不全と、慢性腎不
全がある。
生活習慣病
食習慣、運動習慣、喫煙及び飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与
する疾病のこと。主な生活習慣病には、がん、脳血管疾患、心疾患、糖尿
病などがある。
吹田市特定健康診査等
高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、平成 20 年1月に策定。
特定健康診査及び特定保健指導の実施方法に関する基本的事項、実施並び
にその成果に係る目標に関する基本的事項について定めた計画。
平成 20 年度(2008 年度)~平成 24 年度(2012 年度)を第一期、
平成 25 年度(2013 年度)~平成 29 年度(2017 年度)を第二期とし、現
在は第二期の計画に基づいた事業を推進中である。
行
実施計画
吹田市健康増進計画
健康増進法第8条に基づく、市町村健康増進計画で、国の健康日本 21 や
大阪府の健康増進計画などに対応した計画となっている。
中性脂肪
肝臓で作られたり、食物から吸収される脂質の一種で、体を動かしたり、
体温を保持するエネルギー源になる。食べ過ぎや飲みすぎ、肥満によって
数値が高くなる。過剰に蓄積されると、脂質異常症やメタボリックシンド
ローム、脂肪肝、動脈硬化につながる。
特定健康診査
高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、糖尿病などの生活習慣病を予
防する目的で、各医療保険者に義務付けられた健康診査。40 歳以上 74 歳
以下の被保険者及びその被扶養者を対象に行われる。
特定保健指導
特定健康診査の結果により、生活習慣病の発症リスクが一定程度高いと判
断された人に関して、行われる保健指導。保健指導に関する専門的知識及
び技術を有する医師、保健師、管理栄養士により行われる。
特定保健指導には、リスクの程度に応じて、動機づけ支援と積極的支援が
ある。(よりリスクの高い方が積極的支援となる)
脳血管疾患
脳内の動脈が破れたり、詰まったりすることで血液が流れなくなり、脳に
障害が及ぶもので、一般に脳卒中といわれるものなど脳血管に関する病気
の総称。
は
BMI
行
(ビーエムアイ)
Body Mass Index の略で、体格指数のこと。
体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]により算出する。
BMI が 22 の場合が「標準」で、25 以上が「肥満」
、18.5 未満を「低体重(や
せ)
」とする。
PDCA サイクル
計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)の4段階を繰り
返すことにより、業務を継続的に改善する。
た
行
な
行
(ピーディーシーエーサイクル)
HbA1c
(ヘモグロビンエーワンシー)
赤血球の中にある酸素を運ぶヘモグロビンに血液中の糖が結合したもの
で、糖尿病の診断・治療において、血糖値と並ぶ重要な指標の一つ。
44
用語集
用語
は
標準化死亡比
行
ま
メタボリックシンドローム
行
(内臓脂肪症候群)
解説
各市町村間、二次医療圏間の罹患と死亡を比較するにあたり、年齢分布の
違いを考慮し、標準化罹患比(SIR)、標準化死亡比(SMR)を用いる。
本計画では、大阪府全体を基準(標準人口)とし、大阪府全体における年
齢階級別罹患率・死亡率をもとに、各対象集団(市町村・二次医療圏)の
期待死亡数を算出し、実測死亡数の比を取る。
標準化死亡比=実測死亡数/期待死亡数
標準集団の大阪府とほとんど同じであれば、1となり、1を超えていれば、
大阪府と比べて死亡や罹患が多いことになる。1を下回っていれば、大阪
府平均よりも低いといえる。間接法による年齢調整とも呼ばれる。
内臓の周囲に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満)により、高血糖、脂
質異常、高血圧が引き起こされる状態をいう。
メタボ該当
腹囲を第1基準(男性 85cm 以上、女性 90cm 以上)とし、第2基準である
血圧値(収縮期血圧 130mmHg 以上または拡張期血圧 85mmHg 以上)、血糖値
(110mg/dl 以上)
、コレステロール値(中性脂肪 150mg/dl または HDL コレ
ステロール 40mg/dl 未満)のうちの、いずれか2項目が該当する。
メタボ予備群
ら
行
レセプト
腹囲を第1基準(男性 85cm 以上、女性 90cm 以上)とし、第2基準である
血圧値(収縮期血圧 130mmHg 以上または拡張期血圧 85mmHg 以上)、血糖値
(110mg/dl 以上)
、コレステロール値(中性脂肪 150mg/dl または HDL コレ
ステロール 40mg/dl 未満)のうちの、いずれか1項目が該当する。
診療報酬請求明細書。患者が受けた診療について医療機関が、保険者(市
町村や健康保険組合等)に請求する医療情報の明細書。
45
吹田市「健康・医療のまちづくり」基本方針
市民を中心にまちぐるみで循環器病を防ぎ、元気で長生き!
~世界初となる循環器病予防のまちづくりの「吹田モデル」を創成し、国内外に発信~
【国循の移転等も見据え、循環器病予防に関する施策を推進】
吹田市は、今後、国立循環器病研究センターの吹田操車場跡地(JR東海
道線岸辺駅前)への移転等も見据えつつ、我が国の医療費の多くを占め1、重
度の要介護状態に直結しやすい2循環器病についての予防医療や健康づくり
の取組の推進や、市民参加型の循環器病予防の取組のモデルの創成などを目
指し、様々な取組を推進します。
具体的には、
①
国立循環器病研究センターが行う予防医療の取組について、地域医療を
担う関係機関や市民の協力も得ながら支援していくとともに、本市として
も、大阪府や近隣自治体とも協力しながら、同センターとのコラボレーシ
ョンなど、より効果的に市民の健康の増進に資する施策を検討します。
②
また、市民参加型の循環器病予防の取組については、行政主体の取組の
みならず、我が国の成長分野である健康産業関係の企業、NPO法人など
民間活力を生かしたコミュニティ・ビジネス3という形も含め、地域の方々
が「予防」と、
「生きがいづくり」や「就労」を兼ねて主体的に参加するモ
チベーションがわくような施策を検討します。
③
そのほか、今後、吹田操車場跡地に開発される駅前複合施設に入ること
が想定される商業テナント等との連携を図り、官民一体となって、この地
域ならではの健康関連施策も検討します。
【まちづくりの「吹田モデル」を創成し、世界をリードする健康都市に】
これらを通じて、今後、少子高齢化により生産年齢人口(15-64歳)
が減少していく我が国にあって、予防医療や健康づくりの推進により市民の
健康寿命4(日常生活に制限のない期間)の延伸を図るとともに、健康寿命が
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延伸した高齢者等の生きがいづくりや、こうした力を活用した地域活性化を
進めるといった、健康・医療のまちづくりの「吹田モデル」を先進例として
示し、世界をリードする健康都市を目指します。
【様々な立場の方からご意見をいただきながら具体的内容を検討】
本市では、平成30年度を目途に、国立循環器病研究センター、市立吹田
市民病院が、吹田操車場跡地に建替移転することが決定しており、併せて、
医療研究機関や医療関連企業等の誘致、最先端医療技術の開発を進め、我が
国随一の国際級の複合医療産業拠点の形成を目指します。
今後、本市としては、この一大医療拠点を核とした健康・医療のまちづく
りを、関係者全員の協働により知恵を出し合い、力強く推進していけるよう、
新たに、医療関係者と関係行政機関で協議の場を立ち上げ、市民や企業の声
も聴きながら、その具体的内容を検討します。
それらの議論を踏まえ、本市として、平成30年度を目途とした国立循環
器病研究センターの吹田操車場跡地への建替移転等も見据え、
「循環器病予防
の象徴」と呼ばれるようなまちづくりを進めるとともに、その成果としての
健康・医療のまちづくりの「吹田モデル」を世界に発信します。
平成26年5月19日 吹田市
医科診療費(歯科診療、薬局調剤等の医療費は除く。)約27.8兆円のうち、循環器系の疾患は、
新生物、呼吸器系疾患を抑え最大の約21%を占める(約5.8兆円)。(出典:厚生労働省「平成2
3年度国民医療費」
)
2
要介護5(最重度)の方が介護が必要となった主な原因に占める脳血管疾患は、新生物や認知症を
抑え最大の約33.8%を占める(心疾患、糖尿病を加えた割合は、36.4%となる。)。
(出典:厚
生労働省「平成22年国民生活基礎調査」)
3
「地域社会においては、環境保護、高齢者・障がい者の介護・福祉から、子育て支援、まちづくり、
観光等に至るまで、多種多様な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に
向けて、住民、NPO、企業など、様々な主体が協力しながらビジネスの手法を活用して取り組むの
が、ソーシャルビジネス(SB)/コミュニティビジネス(CB)です。
」
(出典:経済産業省地域経
済産業グループ地域新産業戦略室 HP)
4
我が国の健康寿命と平均寿命の差は、平均で約10年となっていることから、亡くなるまでの一定期間、
生活の質の低下を余儀なくされている(平均寿命と健康寿命の差は、平成22年で、男性9.13年、女
性12.68年となっている。出典:平均寿命は厚生労働省「平成22年完全生命表」
、健康寿命は厚生労
働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
)
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