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5―業務運営上の配慮

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5―業務運営上の配慮
5 ―業務運営上の配慮
実施方針(2005 年 4 月∼ 2008 年 3 月対象)
では、当行が日常業務を行うにあたり、常に配慮している事柄を
「業
務運営上の配慮」
として、以下の 8 項目に定めています。本章では
「政策・制度改善への取組みと現地機能の強化」
「開発パートナーシップ」
「評価の充実(開発成果重視)
」
「国民の理解・広報の強化」
について、2005 年度の取組み事
例を紹介します。
●政策・制度改善への取組みと現地機能の強化
●環境社会配慮・男女共同参画
●評価の充実
(開発成果重視)
●適正な業務運営
●開発パートナーシップ
●債務状況への取組み
●国民の理解・広報の強化
●財務リスク等への配慮
政策・制度改善への取組みと現地機能の強化 ――貧困削減と経済成長をテーマにした調査で知的協力
■―貧困層の雇用機会の創出と経済成長を分析
調査研究の結果を政策提言に活かす
2005 年度に当行が実施した開発政策・事業支援調査
れた世帯収入はケニアよりも高いことが明らかになりました。
また、タイでは就業経験を重ねることで能力が向上し、賃金
が上昇していることも明らかになりました。
(SADEP)の 1 つに、
「アジアにおけるPro-Poor Growthとア
タイにおける産業発展の背景には、政府が早い段階から
(注)
フリカへの応用:雇用機会創出によるPro-Poor Growth」
農産品加工業の育成に力を入れていたことが要因だったこ
があります。
とが窺われます。一方、ケニアでは、労働コストに加え、農
Pro-Poor Growthとは、貧困削減を伴う経済成長のことで
産品の生産・輸出等にかかる電力や運搬等の生産コストが
す。本調査では、タイとケニアの農産品加工業に焦点を当
割高であるため、海外からの直接投資が増えず、それゆえ
て、産業発展による雇用の創出が、経済成長と貧困削減
に雇用の創出にはつながりにくいと調査報告は指摘してい
にどのような影響を及ぼすかなどについて分析しました。
ます。
タイは 1970 年代から1980 年代にかけ、農産品加工業が
本調査から導かれる政策的インプリケーションは、開発途
発達した結果、多くの雇用が創出され、貧困削減に寄与し
上国の政府が産業振興を通じた Pro-Poor Growth を目指す
ました。さらに農産品とその加工品の多様化とそれらの輸出
場合、今後発展が見込まれる産業を選定し、育成すること
量・額の増加は、同国の工業化の進展にも貢献しました。
が重要であること、また、労働市場を柔軟なものにし、多くの
一方、ケニアでは、園芸作物の輸出量・額とも増加傾向に
人々が労働市場に参加できるよう雇用制度の改善を図る必
ありますが、産業構造に大きな変化は見られず、大きな雇用
要がある、ということです。さらに、企業の生産活動の基盤
創出には至っていません。
となるインフラ整備が遅れ、生産コストが割高となっている場
タイとケニアの農産品加工業の企業と従業員を対象に行
合には、その構造的な要因を解明し、改善する必要があり
ったアンケート調査では、雇用の拡大と賃金について調べ
ます。今回の調査結果をとりまとめるにあたり、当行は、現
ました。その結果、ケニアで農産品加工業に従事する労働
地でワークショップを開催し、現地政府の政策担当者のコメ
者の賃金は、タイに比べ月収では上回っているものの、世
ントも反映するようにしました。今後、
この調査結果を参考に、
帯収入における唯一の所得源であるケースがほとんどでし
開発途上国政府が、産業振興を通じた Pro-Poor Growth に
た。一方、タイの世帯は複数の収入源を持つため、推計さ
取り組んでいくことが期待されます。
(注)
参考文献:JBIC 開発金融研究所報 2006 年 5 月第 29 号、
「雇用機会創出によるPro-Poor Growth:タイとケニアの農産品加工業発展の比較」
38―■―業務運営上の配慮
政策・制度改善への取組みと現地機能の強化――現地 ODAタスクフォース主催の活動報告
■―援助の現場の声に耳を傾け、国際協力を考える
経済インフラ整備とともに、組織づくりにも貢献
を捻出できるようになりました。また、経営、組織、技術や広
現地 ODAタスクフォースは、日本の援助の政策立案や事
仕事に対するやる気や責任感を引き出し、経営再建が実現
業の実施能力を高め、他の関係機関との連携を強めてい
されつつあります。さらに、CWASA では、会計システムのコ
くことを目的に、日本の大使館や当行、国際協力機構
ンピューター化、不良メーターの修理、水道料金回収のマニ
(JICA)等を主要メンバーとして、現在、68 カ国で立ち上が
っています。
報といった CWASA 内の業務改革を通じ、CWASA 職員の
ュアルづくり等にも取り組んでいます。
このように、円借款を活用して整備された経済インフラを、
2006 年 3 月 11 日、バングラデシュとタンザニアの 2カ国の
その後何十年にもわたり適切に運用、維持管理を行うこと
現地 ODAタスクフォース主催による開発セミナー
「途上国の
ができるような体制づくりや、それらを円滑に行うために、現
人たちとともに未来を創る!」
が開催されました。
地の実施機関等との日々の連携も不可欠です。駐在員の
このセミナーはバングラデシュ、タンザニア、東京、大阪の
発言のなかにも
「1 日でも早くチッタゴン市民に安全で安価
4 カ所をテレビ会議システムで結んで行われました。現地で
な水を供給できるようになり、バングラデシュの貧困削減に
ODA 業務に携わる大使館や JICA、当行職員から、開発途
貢献するだけでなく、日本とバングラデシュの経済交流の拡
上国で起きている問題やそれらに対する日本の取組み、現
大につながることを信じている」、さらに
「インフラ自体を作っ
地 ODAタスクフォースの活動をはじめ、関係者間の連携を
ているのではなく、それを支えるシステムを途上国の人々と
通じた国際協力の必要性等、現場からの生の声・メッセージ
一緒に作っているのだ」
との説明がありました。
が紹介されました。さらに、日本の会場参加者からは、
「自
今回、テレビ会議システムを通じ、開発途上国の発展の
分たちでできる国際協力」の提案が行われるなど、現地と日
ために日々現地で奮闘している姿を、日本の多くの人がリ
本で双方向の活発な意見交換が行われました。
アルに体感できたことにより、日本における国際協力への関
当行からは、ダッカ駐在員が、バングラデシュの
「カリナフ
リ上水道整備事業」
での取組みを紹介しました。同国の産
心が高まり、より多くの人の開発途上国の国づくりへの参
加につながっていくことが期待されます。
業拠点であるチッタゴン市では、上水施設が十分に整備さ
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れていないため、地域によっては 1 日に数時間しか給水が
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行われていません。そのため、地域住民は池や川等の不衛
生な水を使わざるをえず、生活環境の改善が求められてい
ます。しかし、上下水道施設の整備や維持管理等を行うチ
ッタゴン上下水道公社(CWASA)
は経営破たんの危機にあ
り、このままでは 2012 年以降、累積債務が急速に拡大し、
事業の存続さえ危ぶまれるという状態が続いていました。
そこで、CWASA の経営再建に向けた当行の支援が始ま
りました。CWASA のキャッシュフローの分析を行い、経営再
建に伴う具体的な施策の策定等により、財政改革を成功さ
現地 ODAタスクフォース主催による開発セミナー
せ、上下水道施設の維持管理費用や新規投資への資金
業務運営上の配慮―■―39
開発パートナーシップ ――インドの湖の水質改善に向け、わが国の地方自治体や大学と連携
■―現地でワークショップを開催し、わが国官民一体
の琵琶湖での取組みを紹介
の水質が著しく悪化。かび臭やアオコが発生し、汚濁等が
進行しました。この事態に対し、琵琶湖東岸中程に位置す
フセイン・サガール湖は、インド南部のアンドラ・プラデシュ州
る彦根市をはじめとし、滋賀県では行政・住民等が協力し、
の州都、ハイデラバード市中心部に位置する人造湖です。
琵琶湖の水質改善に取り組んだ結果、水質の悪化を食い
灌漑用水を確保するため、1562 年に建設され、1930 年代
止めることに成功しました。
頃までは、飲料用水としても利用されていました。しかし近
今回のワークショップには、滋賀県彦根市市民環境部、
年、IT 産業の進出等、経済発展に伴い、湖水の水質が悪
滋賀県立大学、さらにハイデラバード市の国際協会と姉妹
化し、飲料用水としての利用ができなくなりました。また、湖
協定を締結している彦根市国際協会から3 名が参加しまし
の上流には約 160 万人が生活していますが、下水処理施
た。行政の立場である彦根市市民環境部の川嶋氏からは、
設が整備されていないため、下水が未処理のまま湖に流れ
工場廃水の規制に関する法整備や住民を交えた環境パー
込むなど、同湖の水質汚染が一層深刻化しています。
トナー委員会の設立等の取組みが紹介されました。また、
そこで当行は、湖の水質改善に関するわが国の知見やノ
滋賀県立大学井手教授は、琵琶湖汚染の経過と原因、そ
ウハウを提供するべく、日本の行政や大学と連携し、現地
して水質改善に至るまでの過程を定量的な分析に基づき
でワークショップを開催しました。ワークショップでは、フセイ
説明しました。さらに彦根市国際協会からは、植樹等の市
ン・サガール湖同様、水質汚染の経験を持つわが国最大の
民活動を紹介しながら、市民全員が生活のなかで、できるこ
湖、琵琶湖を例に挙げ、官民一体でどのように水質改善に
とから取り組んでいくことが環境保全には重要であることが
取り組んでいるのかが説明されました。
強調されました。
琵琶湖は近畿地区の
“水がめ”
として、農業・工業用水を
また、下水処理場や下水道が整備されたとしても、住民
はじめ、約 1,400 万人の飲料用水としても古くから利用され
自身が末端下水管への接続をしない限り、水質改善の効
てきました。ところが、1960 年代から70 年代の高度経済成
果は得られません。2005 年度に円借款が供与された
「フセ
長期に家庭廃水や工業廃水、また、農薬や化学肥料、さら
イン・サガール湖流域改善事業」では、下水処理施設等の
に当時の合成洗剤に含まれていたリン等の流入により、そ
整備に加え、住民に対する啓蒙活動もあわせて実施される
予定です。今後、インド側が、今回のワークショップで紹介さ
れた琵琶湖での官民一体となった取組みを参考に、住民
の理解と参加を得ながら、フセイン・サガール湖の水質改善
に取り組んでいくことが期待されます。
滋賀県立大学 井手教授が琵琶湖の経験について説明
40―■―業務運営上の配慮
開発パートナーシップ ――国際機関と連携し、災害時における復興支援ニーズを把握
■―被災国の復興支援ニーズアセスメント調査に参
加し、迅速な復興支援を実現
Preliminary Damage and Needs Assessment”
としてまとめら
2005 年 10 月 8 日にパキスタン北東部でマグニチュード
れ、震災から約 1カ月後の 2005 年 11 月 15 日にパキスタン
7.6 の大地震が発生しました。今回の地震は同国内でも比
政府に提出されました。同年 11 月 19 日にイスラマバードで
較的開発が遅れている北西辺境州の東部およびアザド・ジ
開催された
「復旧・復興のためのパキスタン政府主催ドナー
これらの調査結果は、報告書
“Pakistan 2005 Earthquake
ャンムカシミールを中心に起きたもので、死者 7.3 万人、負傷
諸国・国際機関会合」
では、同国のムシャラフ大統領は、復
者 7 万人、約 250 万人が家屋を失うなど、甚大な被害を受
興資金は国際社会の支援なしでは賄えないと復興支援の
けました。
必要性を訴え、これを受け、国連アナン事務総長は、各国
同国政府は、被害を受けた地域が抱える短期および中長
に対し一層の資金協力を要請しました。日本政府は、同会
期的な支援ニーズを把握するため、国連機関、世界銀行
合において、復興支援ニーズアセスメントの調査結果も踏ま
(世銀)、アジア開発銀行(ADB)
に協力を要請しました。そ
え、円借款の供与を表明しました。
の結果、地震発生直後の緊急人道支援ニーズについては
日本政府の決定を受け、当行は
「緊急震災復興支援借
国連機関が担当し、緊急人道支援からの移行期間を含む
款」
として、同国に 112 億 2,000 万円の円借款を供与しまし
復興支援ニーズについては、世銀や ADB および各国ドナ
た。今回の円借款は、災害からの緊急復興支援という観点
ーが調査を実施することとなりました。
から、地震災害発生からわずか 3 カ月という短期間で円借
当行は、世銀、ADB、国際協力機構(JICA)
と共に復興
款の供与が決定されました。今回の円借款は、当行が復興
支援ニーズアセスメント調査にチームを派遣。
「マクロ経済」
、
支援ニーズアセスメント調査に参加し、早い段階から被災地
「運輸」
、
「上下水道」の調査チームに参加し、2 週間にわた
って、被災地の被害状況等を調査しました。
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のニーズを把握し、同国政府をはじめ、ほかの援助機関等
と綿密に意見交換を行ったこともあり、早期に支援が実現し
たものです。
円借款の資金は、パキスタン政府が被災地の道路や上
下水等のインフラの復旧工事を行うための資金として活用さ
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れています。今後、被災地における本格的な復旧・復興を
推進するためには継続的な支援を行うことが重要です。当
行は今後も日本政府および関係機関と協議・協調しつつ、
被災地域の経済復興に向け、支援を続けていきます。
2005 年 10 月の地震で損壊した道路
テントでの生活を余儀なくされる被災者たち
業務運営上の配慮―■―41
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開発パートナーシップ ――国際協力機構(JICA)等と連携し、スリランカの観光セクター開発を支援
■―世界遺産を擁する観光地のインフラ整備で中・
長期的な復興をバックアップ
ン活動や住民啓発活動等、多面的なアプローチが必要とな
当行は、開発途上国の観光セクター開発を通じた経済成
そのため、今次の円借款事業では、同国の代表的な観
ります。
長ならびに地域振興も支援しています。
このような支援では、
光地(シーギリア、ニゴンボ、アヌラーダプラ、ヌワラエリヤ)の
事業の準備段階での地域住民に対するヒアリング調査や実
インフラ整備をはじめ、観光業に携わる人材育成、日本人を
施段階における啓発活動等の場面において、さまざまなステ
対象としたマーケティング調査やプロモーション活動、観光地
ークホールダーとの連携が欠かせません。今回の連携は
の美化運動や観光客に対する接客マナー等について観光
2006 年 3 月、当行がスリランカに円借款を供与した
「観光セ
地近辺に住む住民の啓発活動を実施します。
クター開発事業」
で行われました。
シーギリアについては、既に無償資金協力により、
「シー
スリランカの観光セクターは貴重な外貨の収入源で、同国
ギリア博物館建設計画」
が進められており、当行は博物館
第 3 位の雇用を創出するなど、同国経済において重要な役
周辺のインフラを整備することで、All Japanとしてシーギリア
割を果たしています。
の観光開発を支援していきます。
しかし、シーギリア、アヌラーダプラ等の世界遺産は、アク
ニゴンボでは歴史的価値のあるハミルトン運河の改修、魚
セスが悪いうえ、観光誘致活動が不十分であることから、世
市場の整備や市内の景観美化等を行います。これらのイン
界的な知名度が低く、さらに観光施設の従業員らのサービ
フラ整備を行うにあたっては、国際協力機構(JICA)
から現
スの質を向上させる必要があること等、課題が山積していま
地に派遣されている青年海外協力隊の協力を得て、事業
す。同国を訪問する観光客の約半数はヨーロッパからです
実施前の住民ヒアリング調査や事業実施段階のモニタリン
が、今後日本をはじめとするアジアや各国の外国人観光客
グ等を行います。
を惹きつけ、観光産業を発展させるためには、プロモーショ
また、観光地においては景観の維持・管理が欠かせませ
ん。そこで、都市環境管理のノウハウがある
(財)北九州国
際技術協力協会に、都市環境管理の現状調査を実施して
いただく予定です。その結果を踏まえ、当行は現地の NGO
と協力しながら、住民の啓発活動を実施していきます。
当行はタイ
「観光基盤整備事業」
に円借款を供与し、観
光基盤の整備を支援してきました。このタイの事業での日本
人向けの観光プロモーション活動の成功例を活かし、タイ観
光公社の協力のもと、スリランカの事業実施機関のスタッフ
を対象に、観光プロモーションに関する研修も実施される予
定です。
このように、当行はさまざまな機関と連携し、それぞれが
持つ優れたノウハウを活かし、スリランカの観光セクターの振
興を支援していきます。
世界遺産
「シーギリア・ロック」
の急な階段。円借款にて改修される予定
42―■―業務運営上の配慮
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開発パートナーシップ ――産官学が連携し、国際契約管理のカリキュラムを開発
■―大学や民間企業の知見を活用し、国際開発事
業の現場に携わる日本の人材育成を支援
導に専門性のある大学の知見と、国際開発事業の施工監
国際開発事業において、プロジェクトを受注するわが国の
理等、豊富な現場の経験のある民間企業のノウハウを補完
民間企業は、開発途上国政府や企業等との間でさまざまな
契約を締結する場面に遭遇します。しかし、国際契約に不
今回の研究プロジェクトは、カリキュラムの開発や学生指
し合う形で進められました。
開発されたカリキュラムの内容は、契約マネジメントの理論
慣れな日本企業も多く、しばしば資材調達における国際競
的なフレームワークをまとめた理論部分と、事例研究を含め
争入札や契約交渉の場面において、最適かつ適切な効果
た演習部分から構成されています。国際開発事業の現状
を得ることができず、コスト高を招くなどの不利益を被ること
と動向、プロジェクトマネジメント、調達(入札)管理と契約管
があり、これらが国際競争力を高めることができない一因とも
理、さらに紛争予防と解決方法が盛り込まれているのが特
なっています。その背景には、これまで国内の日本企業間
徴です。また、国内における公共事業との比較の視点を取
の契約の場合、
「信頼と協調」
や「信義則」
といった原理原
り入れ、国際契約の管理の実態について、より具体的なイ
則のもとに、国際契約のような厳格性や明確性が強く求め
メージを得ることができるよう、工夫されています。
られなかったという長年の商慣習がある点も否めません。
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今回の研究プロジェクトで開発される教材は、テキスト
(和
そこで、当行は、円借款事業をはじめ、海外でのプロジェ
英)
と教官用指導要領(和英)の 2 種類があります。2006 年
クトに携わる人材の契約管理能力を高めるため、高知工科
8 月に試行的に講義が行われ、その結果を踏まえ、カリキュ
大学と民間企業である日本工営(株)
から構成される共同企
ラムと教材が完成する予定です。今回の研究プロジェクトで
業体に、
「国際契約管理に関する研究プロジェクト」
を委託し
開発されたカリキュラムと教材は、当行職員をはじめ、コンサ
ました。この研究プロジェクトは、国際開発事業の契約管理
ルタントやコントラクター等の日本企業の実務担当者を対象
に関するカリキュラムとその教材を開発するものです。グロー
に、国際契約管理の人材育成プログラムとして活用される
バルな舞台で活躍する日本企業の国際契約における管理
予定です。将来的には、開発途上国の実施機関、現地の
技術能力を高め、国際競争力の向上を図ります。
コンサルタントやコントラクター等を対象に活用することも検討
されています。
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このように、当行は大学や民間企業との連携を強化し、
その知見やノウハウを活用しあうことにより、国際開発事業
を円滑に実施していくために必要なマネジメント能力を有す
る人材の育成を今後も支援していきます。
2006 年 8 月に開催された高知工科大学 草柳教授による試行講座
業務運営上の配慮―■―43
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開発パートナーシップ ――円借款パートーシップセミナーを機に、連携が実現
■―国内団体の円借款事業への参加を促進
タイ産業村の運営改善案を提案
当行は、優れた知見と経験を持つ国内の団体(地方自
われたほか、その後開かれた懇親会では、参加者同士が
互いの手がける国際協力活動について情報交換する光景
も多く見られ、セミナーが当行と参加団体との間だけでなく、
治体、大学、NGO、民間企業等)
に円借款業務への理解
参加団体同士でパートナーシップを形成していくための土壌
を深めていただくことと、当行との連携の機会を検討してい
ともなっていることを確認することができました。
ただくことを目的に、年1回、
「円借款パートナーシップセミナ
また、2005 年度には、過去のセミナーに参加した兵庫県
ー」* を開催しています。日本国内から参加団体を公募し、
朝来市の道の駅
「あさご」
と、岐阜県揖斐川
(いびがわ)
町役
円借款事業の現場視察を中心に、国内での視察前研修、
場とタイの円借款事業との更なる連携が実現しました。道の
帰国後の報告会を行います。
駅「あさご」
は、高齢者や女性が中心となって地域づくりを推
2005 年度は、11 団体が参加し、
「コミュニティ
・ディベロッ
進するとともに、開発途上国を中心とした海外からの研修生
プメント」
をテーマに、インド国内の 4 つの円借款事業(ヤムナ
や視察者の受け入れにも熱心に取り組んでいます。一方、
川流域諸都市下水等整備事業、バンガロール上下水道整
岐阜県揖斐川町(旧藤橋村)
はタイのタカ村と国際交流も行
備事業、ハリヤナ州森林資源管理・貧困削減事業、デリー
った経験があることから、タイとの連携にも意欲的です。今回
高速輸送システム建設事業)
を視察しました。帰国報告会
は、その両者の関係者に現地調査に参加いただき、道の駅
では、参加者たちがそれぞれの視点から得た視察の成果を
や地方自治体の経験・知見を活かし、円借款事業で整備さ
共有しあうとともに、セミナーでの経験を今後の活動に活か
れたタイの産業村の運営改善案を提案いただきました。これ
していくことを確認しました。
により、円借款事業の更なる効果発現と持続性が期待され
このセミナーは、2002 年度以降、毎年開催していますが、
ます。
2005 年 12 月には、過去のセミナー参加者が一堂に会する
今後とも当行は円借款をより効率的、効果的で持続性の
連絡会を開催しました。連絡会では、セミナーへの参加を契
ある事業にするために、幅広い層のわが国の団体との連携
機に当行との連携を実現した団体等が、それぞれの国際協
を強化していきます。
力活動について説明しました
(連携事例は、右下表参照)。
会場では、報告されたケースの詳細に関する質疑応答が行
*円借款パートナーシップセミナーは、2004 年度まで
「国民参加型援助促進
セミナー」
の名称で開催していたものを名称変更したものです。
実施年度/
その後の連携事例
視察先
2002 年度/
千葉県富浦町
タイ
JBICとの連携により、
「道の駅」
の知見をタイの産業村のコミ
ュニティセンターに提供。
「地域主体の開発」
を推進する基盤
づくりに貢献。
2003 年度/
NPO 法人島原普賢会
フィリピン
火山噴火被害からの災害復旧と防災に関するノウハウをフィ
リピンに移転。2004 年度の国連防災会議中に開催したJB
I
C分科会にもビデオ・プレゼンテーションで参加。
2004 度/
ベトナム
特活 ICA 文化事業協会
ベトナム「貧困地域小規模インフラ整備事業」の対象地域
(ベトナムフーエン省)
において、行政職員に対する能力開発
を実施。
円借款で整備された下水処理施設を見学
44―■―業務運営上の配慮
開発パートナーシップ ―― NPOや地元の大学等との連携を通じ、タイの地域環境活動の活発化に貢献
■―ごみの堆肥化技術や環境教育のノウハウを移転
タイの関係者間の連携強化を図る
を実施している人たちとの交流を通じて、地域の環境活動
の案内役となるファシリテーターの育成を支援しました。
日本国内の地域団体や住民が持つ経験を円借款事業
もう1 つの生ごみ等の有機資源の堆肥化パイロット事業
に活用することは、開発途上国における地域の活性化や住
では、佐賀県伊万里市で生ごみの堆肥化等に取り組んで
民の生活基盤および生活環境の向上に寄与するものとし
いるNPO 法人「伊万里はちがめプラン」
が中心となって、堆
て、期待が高まっています。
2004 年 8 月、当行とタイ天然資源環境省は、タイ環境教
肥の研究を行っている佐賀大学およびタイのチュラロンコン
大学と連携し、ワリンチャムラ地区およびクロンヤン地区を対
育ワークショップを共催しました。このワークショップでの意見
象に、堆肥作りの技術指導と日本での研修を実施しました。
交換が契機となり、2005 年度には、日本ならびに現地の
ワリンチャムラ地区では、自治体が中心となって、廃棄物
NGO や大学の協力のもと、タイにおける地域環境活動に関
処理場の使用可能年数を伸ばすためのごみの減量と、主
する調査を実施しました。調査の主な内容は、
「タイの地域
要産業である農業の振興策として自給肥料の生産に向け
環境活動のネットワーク化」
と、
「生ごみ等の有機資源の堆
て、
「伊万里はちがめプラン方式」
による生ごみを使った堆肥
肥化パイロット事業」
です。
化パイロット事業を実施しました。
地域環境活動ネットワーク化については、NPO 法人「持
一方クロンヤン地区は、有機農業のモデル地域化を目指
続可能な社会をつくる元気ネット」
が中心となって、タイ環境
しており、クロンヤン小学校を中心として、牛糞を使った堆
研究所と連携し、タイの地域環境活動の実態調査や現地
肥作りや農作物の栽培が従来より行われていました。そこ
セミナーを開催しました。現地セミナーには、タイで地域環境
で今回は、小学校の理科の時間を使って、将来の地域農
活動を行っている 47 の市民組織、大学、地方自治体、
業の担い手である生徒に手伝ってもらいながら、周辺農家
NGO 等が参加し、それぞれの活動内容について情報交換
と協力して生ごみの堆肥化パイロット事業を実施しました。
を行い、活動を活性化するうえで必要となるネットワーク化に
堆肥化技術を指導した結果、今後は、高い発酵温度を維
ついて議論しました。今後も関係者間で継続的な経験・知
持することにより、堆肥に含まれる病原菌類が死滅し、衛生
識交流、連携を促進できるように、各組織の活動内容やノ
的な肥料が作られます。
ウハウ等を掲載するホームページも立ち上げました。また、日
また、地域のごみの実情を調査し、生ごみのほかに、各
本での研修も実施し、日本の地域環境活動の視察や活動
地域で大量に廃棄されているごみを使った堆肥作りを提案
しました。これを受け、ワリンチャムラ地区ではホテイアオイを、
クロンヤン地区ではアブラヤシの残渣を使った堆肥作りへの
取組みが始まりました。
今回の堆肥作りのマニュアルは、前述のホームページ上
にも公開され、タイ各地で堆肥化事業に関心を持つ方々が
活用することができます。
このように、当行の調査が契機となり、地域住民による持
続可能な循環型社会の構築に向けた活動が継続されてい
くことが期待されます。
伊万里はちがめプランの堆肥化施設を見学
業務運営上の配慮―■―45
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評価の充実(開発成果重視)――より効率的・効果的な円借款事業の実施に向けて
■―事前から事後までの一貫した評価体制の確立
当行では円借款の効果的かつ効率的な実施を図るた
て、A
「非常に満足」
、B
「満足」
、C
「おおむね満足」
、D
「不満
足」
という、4 段階のレーティングを行っています。
め、1975 年度以来、円借款事業の事後評価を実施してき
にて公表した個別案件
「円借款事業評価報告書 2005」
ました。2001 年度からは、事業の実施前にその成果目標を
の事後評価全 41 件は、それぞれ、A14 件(34%)、B19 件
より定量的な指標を用いて設定する
「事業事前評価表」
を
(46%)
、C6 件(15%)
、D2 件(5%)
という結果になりました。
すべての事業について公表し、事業の実施前から実施後
この結果から、多くの事業で当初想定されていた効果が
に及ぶ一貫した評価体制を確立しました
(P.56 参照)。
発現しており、電力供給(産業活性化・農村の電化)
により
これらの評価体制をより充実させるため、2004 年度から
5,202 万人、安全な水の提供と生活・産業排水の処理によ
円借款の貸付契約締結後 5 年目に事業計画の妥当性・有
り3,166 万人、洪水制御(安全な生活)
により267 万人、農
効性等を検証する
「中間レビュー」
と、事業完成後 7 年目に
作物の栽培・収穫の支援により52 万人と、円借款事業が
有効性・インパクト・持続性等を検証する
「事後モニタリング」
多くの人々に裨益していることが明らかとなりました。
を実施しています。これらの制度により、事業の妥当性や有
また、当行では多様な分野の外部有識者からなる
「円借
効性について検証を行い、改善案を含めた方針等の見直
款評価有識者委員会」
を設置し、評価手法の改善を通じた
しを、より効率的に実施することができるようになりました。
事業の改善や、評価結果の客観性の向上のため、多角的
2005 年度には、48 件の「事業事前評価表」
を公表しまし
な検討を行っています。
た。中間レビュー、事後評価、事後モニタリングについては、
前年度に行ったすべての結果を、
「円借款事業評価報告
書 2005」
として発行するとともに、当行のホームページに掲
載し、公表しています
さらに個別評価に加え、特定のテーマに基づき、複数の
円借款事業の実施前と後の貴陽市の大気の状況
事業が与える効果を分析・評価するテーマ別評価も実施し
ています。2005 年度には、4 件のテーマ別評価を行いまし
■―円借款事業の質の向上に活かされる評価結果
た。そのうちの 1 つ、中国「環境改善への支援(大気・水)」
当行は、これらの評価から得られたすべての教訓や提言
では、円借款が中国の環境改善に果たした役割について
等を、開発途上国の政府関係者や事業実施機関をはじめ、
評価しました
(詳細は、本誌第 2 章を参照)。
受益者や援助機関等と広く共有することにより、開発途上
国の政策や事業へのフィードバックを行っています。
■―事後評価結果を4段階にレーティング
近年、円借款事業の質の向上を図るため、当行では開
事後評価は、すべての事業を対象に完成後 2 年目に実
発途上国自身の評価プロセスへの積極的な関与を推進し
施しています。経済協力開発機構(OECD)開発援助委員
ています。2005 年度にはタイ
・インド・スリランカ等、6カ国と合
会( DAC )で定める国際的な評価基準に基づき、妥当性、
との連
同評価を行いました。さらに、国際協力機構(JICA)
効率性、有効性、インパクト、持続性の観点から、外部の評
携により、
「円借款プロジェクト評価セミナー」
を開催し、評価
価専門家が分析・検証しています。また、すべての評価結
参加者の能力向上の支援に取り組んでいます。
果について、開発途上国の有識者から
「第三者意見」
を取
当行は、事業の評価における外部機関や開発途上国と
得し、公表しています。さらに、評価結果を客観的かつ分か
の協力体制を一層強化し、円借款事業の質の向上に引き
りやすくするため、個別事業のそれぞれの評価結果につい
続き取り組んでいきます。
46―■―業務運営上の配慮
テーマ別評価
「チュニジア統合的水資源管理」
■―フィードバックセミナーを通じ、
事業の持続的な効果の発現へ道筋
2005 年度に実施したテーマ別評価「チュニジア:統合
的水資源管理
(灌漑)
」
の対象となった円借款事業は、チ
ュニジア北部や北西部で実施された 3 件の灌漑事業(注)
です。半乾燥地帯である同地域は、年間雨量が 400mm
から1,200mmと大きな差があるだけでなく、5 年から10 年
という不規則な間隔で乾燥と湿潤の気候に見舞われる
ことから、適切な水資源管理が重要な課題となっていま
した。これらの 3 事業は、2004 年 12 月には完成する予
定となっていたことから、今回のテーマ別評価では、事業
完成後 2 年目に実施される事後評価に先立ち、3 事業
するよう指示しています。そのため、チュニスで開催され
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年
た総括ワークショップでは、農業省次官から、今回のテー
マ別評価が行われたタイミングと収益改善の手法や教
訓、提言等が高く評価されました。さらに、
「今回の提言
をわが国全体の灌漑事業の改善につなげたい」
との発
言がありました。現在、農業省が中心となって、今回のテ
ーマ別評価で提案された行動計画の実施に向けた検討
が始まっています。このように、今回のテーマ別評価を通
じた技術支援は評価対象事業の効果発現のみならず、
相手国の制度(ガバナンス)の改善を通じて、開発事業
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全般にインパクトを与えるという効果も生み出しました。
当行は、今後も事後評価から得られた教訓や提言を
開発途上国のさまざまなステークホールダーと共有し、開
発途上国の政策や新規事業へのフィードバックを充実し
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ていきます。
の統合的水資源管理という観点から中間評価を行いま
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した。また、今回、同国の農業省と合同でテーマ別評価
を実施することにより、評価技術の移転を図りました。
さらに、同国の限られた水資源を効率的に活用するた
め、評価結果から抽出された今後の課題と、それを解決
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するために提案された行動計画を具体化させるため、評
価対象となった 3 つの灌漑事業のサイトと首都チュニス
で、計 4 回にわたってワークショップを開催しました。ワー
クショップには、同国農業省や開発・国際協力省をはじ
め、受益者である農民(水利組合代表等)、NGO 、教
育・研究機関、地方銀行・農業銀行、さらに EU やアフリ
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計
等
首都チュニスで開催された統括ワークショップ
カ開発銀行等ドナー関係者等多数が参加し、活発に議
論が交わされました。
同国では、農産物の生産性・収益性向上が重要な政
策に位置付けられており、大統領が農業省に対し、全灌
漑地の評価を行い、収益性向上のための解決策を提示
(注)評価対象案件は、q 北部地域導水・灌漑事業(円借款承諾額 141 億 3,000 万円)
、w グベラート灌漑事業(同 26 億 3,700 万円)
、e バルバラ灌漑事業(同 19 億 1,300
万円)
の 3 案件です。
業務運営上の配慮―■―47
国民の理解・広報の強化 ――円借款の透明性の向上と国民の理解促進に向けて
当行では、円借款業務の透明性を一層高めることにより、
■―現地広報の促進
円借款業務に対する国民の理解と支持を得るとともに、国
さらに、円借款を通じた二国間の友好関係を促進するた
民の意見を反映して業務を進めていくために、積極的に情
めに、国内の本支店による広報活動だけでなく、海外駐在
報発信を行っています。
員事務所による現地広報にも積極的に取り組んでいます。
借入国政府との協力による円借款事業の広報に加え、駐
■―情報提供
在員事務所では、現地語のパンフレット、ホームページやプ
JBIC 広報センターにて、当行の各種パンフレット、年次報
レスリリース等を通じた情報提供を行っています。また、バン
告書等を一般の方々に提供しています。広報誌「 JBIC
コク、マニラおよび北京駐在員事務所では、円借款プロジ
TODAY」
を隔月で発刊し、当行の業務実績や最近の取組
ェクトの位置と事業内容をひと目でわかりやすい地図にした
み等を紹介しています。また、日本と開発途上国の関係や
「ODAローンプロジェクトマップ」
を発行しています。
円借款について解説したパンフレット
「円借款と私たち∼平
和で豊かな地球社会をめざして」のほか、
「円借款プロジェ
クトニュース」
(不定期刊)等を通じて、円借款による支援事
例を幅広く紹介しています。
■―国際協力への理解促進
当行では、各種の広報活動にあたり、他の援助機関、地
方自治体、NGO 等との連携を進めています。例えば、外務
省が実施している
「ODA 民間モニター制度」への協力を通
じて、国民の皆さまが自らODA 事業の現場を訪ねる機会を
提供し、円借款事業に対する理解促進を図っています。
また、10 月 6 日の
「国際協力の日」
を記念して開催される
「グローバルフェスタJAPAN2005(旧国際協力フェスティバ
ル」
(於:東京・日比谷公園)
、
「名古屋ワールドコラボフェスタ」
(於:名古屋市栄公園オアシス21)
や
「ワン・ワールド・フェステ
ィバル」
(於:大阪国際交流センター)
に参加し、外務省、国
広報誌「JBIC TODAY」と各種パンフレット
際協力機構(JICA)
、NGO 等と協力して、わが国の官民に
よる国際協力・国際交流活動を紹介しています。このほか、
また、ホームページでは、円借款全案件の検索が可能な
地方自治体や JICAとも連携し、各地で開催される国際協
ほか、円借款案件事後評価報告書、各種セミナーの報告、
力に関するイベントに参加し、円借款業務に対する国民理
調査の公示情報等、広汎な内容の情報提供を行っていま
解の促進を図りました。
す。ホームページには
「意見 BOX」
を設け、当行に対するご
意見や資料請求を受け付けております。
ホームページアドレス http://www.jbic.go.jp
大阪の「ワン・ワールド・フェスティバル」
(左)
、
メキシコの「第 4 回水フォーラム」
(右)
にブースを出展
48―■―業務運営上の配慮
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■―開発教育への取組み
一般広報活動に加え、当行は、教育機関と協力して、学
生や子ども向けの開発教育(注)にも取り組んでいます。大学、
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高校等の授業に当行職員を講師として派遣し、開発問題
や ODA・国際協力の学習に協力している
「出張講座」のほ
か、本店広報センターにて、東京を訪問する中学生、高校
生の修学旅行生に対する業務説明を行っています。また、
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広報センターでの教員研修の受け入れも行っています。
さらに、現地の駐在員事務所では、中国、タイ、インド、パ
キスタン、ブラジル等の日本人学校の生徒を対象とした円借
JBIC 学生論文コンテスト表彰式
(左:篠沢総裁、右:最優秀賞の坂口さん)
款事業の視察、開発教育プログラム等を実施しています。
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■―インターンシップ生の受入
開発援助に高い関心を持つ大学院生が、円借款の現場
における実務・実習を通じて開発援助に対する理解を深め
る機会を提供することを目的として、インターンシップを実施
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しています。2005 年度には、協力協定を締結している大学
の大学院生をインターン生として受け入れました。当行での
インターンシップの特徴は、すべてのインターン生が開発途上
国での現場を体験することです。開発援助の現場での経
験が、今後、それぞれの大学院での研究に活かされること
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が期待されます。
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広報センターでの修学旅行生受入の様子
■―学生論文コンテストの開催
国際協力における研究と実務の架け橋を目指し、当行は
論文コンテストを実施しています。2005 年度は、募集対象を
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大学院生から、大学生・大学院生に拡大し、当行業務に関
する 8 つの分野の課題に関する論文を募集しました。厳正
な審査の結果、最優秀賞には、慶應義塾大学商学部 4 年
坂口綾乃さんの
「インドネシアへの外領教育支援のあり方」
(学校名・学年は論文応募時点)
が選ばれました。論文コン
名古屋ワールドコラボフェスタにて名古屋大学院生が
インターンの体験を発表
テストを通じ、日本の対外援助政策・経済協力分野に関心
を持つ大学生・大学院生の研究を奨励し、この分野の人材
育成に貢献するとともに、当行業務への国民の意見の反映
を図ります。
(注)開発教育とは、私たち一人一人が開発をめぐるさまざまな問題を解決し、望ましい開発のあり方を考え、共に生きることのできる公正な地球社会づくりに参加することを狙いと
した教育活動のことを指します。
業務運営上の配慮―■―49
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