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第 2 回 商品売買取引 解答・解説
明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 第2回 商品売買取引 解答・解説 第1問 (1) 損 摘 益 計 算 要 書 (単位:円) 先入先出法 Ⅰ 売 上 高 ( 791,000 ) Ⅱ 売 上 原 価 1.商品期首たな卸高 ( 80,000 ) 2.当期商品仕入高 ( 528,000 ) ( 608,000 ) ( 110,000 ) ( 498,000 ) 4.棚卸減耗費 ( 4,400 ) 5.商品評価損 ( 14,400 ) ( 516,800 ) ( 274,200 合 計 3.商品期末たな卸高 差 引 商品売上原価 売上総利益 (2)先入先出法による商品の貸借対照表価額 91,20 0 ) 円 解説 1.売上割引の修正 (借) 売 上 割 引 8,000 (貸) 売 上 8,000 2.販売数量の計算 売 売上値引・割戻 14,000 売 上 割 引 8,000 上 総売上高 P/L売上高 T/B売上 783,000 805,000 791,000 ∴ 販売数量=総売上高 805, 000÷@7 00=1,15 0個 1 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 3.期末帳簿数量 商 期 首 200個 当期仕入 1,200個 品 販売数量 1,150個 期 末 * 250個 * 200個+1,20 0個―1, 150個=250個 (貸借差額) 4.売上原価の計算 先入先出法 <売上原価> 原 価 期首商品原価 売上原価 @400×200個= 80,000 当期仕入原価 @400×200個= 80,000 @440×950個= 418,000 498,000 @440×1,20 0個= 528,000 期末商品原価 @440×250個= 110,000 <期末商品の評価> 原価@440 時価@380 商品評価損 棚卸 14,400 *2 減耗費 B/S価額 4,400 91,200 *3 *1 実地 帳簿 240個 250個 P/L期末商品棚卸高=@44 0×250個=110,0 00 *1=@4 40×(25 0個-24 0個)=4 ,400 *2=(@440-@400)×2 40個=1 4,400 *3=@3 80×240個=91,2 00 <決算整理仕訳> (借) 仕 繰 入 越 商 80,000 (貸) 品 110,000 仕 繰 棚 卸 減 耗 費 4,400 商 品 評 価 損 14,400 入 18,800 仕 繰 越 商 品 80,000 入 1 10,000 越 商 品 18,800 棚 卸 減 耗 費 4,400 商 品 評 価 損 14,400 2 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 第2問 損 Ⅰ 売 Ⅱ 売 上 益 計 算 書 (単位:円) 高 上 原 価 商 品 期 首 た な 卸 高 ( 750,000 ) 2. 当 期 商 品 仕 入 高 ( 2,700,000 ) 合計 ( 3,450,000 ) 商 品 期 末 た な 卸 高 ( 600,000 ) 差引 ( 2,850,000 ) ( 35,250 ) ( 2,885,250 ) ( 624,750 ) ) ( 12,000 ) 販売費及び一般管理費合計 ( 12,000 ) ( 612,750 ) ) ( 90,000 ) 営 業 外 収 益 合 計 ( 90,000 ) ) ( 60,000 ) 営 業 外 費 用 合 計 ( 60,000 ) ( 642,750 ) ( 商 品 評 価 損 ) 商品売上原価 売 上 ( 利 棚 卸 減 耗 費 営 Ⅴ 総 益 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 1. Ⅳ 3,510,000 ) 1. 3. Ⅲ ( 営 業 1. ( 業 利 外 仕 営 業 1. ( 売 収 入 割 外 経 益 引 費 上 割 常 益 用 引 利 益 解説 1.売上戻り・売上値引・割戻 (借) 売 上 売 上 135,000 (貸) 52,500 り 135,000 売上値引・割戻 52,500 売 上 戻 2.仕入戻し・売上値引・割戻 (借) 仕 入 戻 し 仕入値引・割戻 120,000 (貸) 30,000 仕 入 120,000 仕 入 30,000 3 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 3.売上原価と期末商品の推定 ① 期末商品の推定 原価 T /B 繰 越 商 品 750,000 当期純仕入高 2,700,000 売 上 原 価 2,850,000*1 期末帳簿棚卸高 600,000*2 *1について 前T/B売上 3,697,500 前T/B売上戻り △ 135,000 前T/B売上値引・割戻 △ P/L売上高 52,500 3,510,000 前T/B売上値引・割戻 52,500 0,000 3,562,500 ×0.8=2,85 原価率上の売上高 原価率算定上,分母となる売上高については売上戻りのみを控除する。これは,売上戻 りが売上取引の取り消しであるのに対して,売上値引・割戻は売上取引が成立しているた めである。 *2=貸借差額 したがって,帳簿棚卸高の個数は 60 0,000÷@60 0円=1,000個である。 (借) 仕 繰 ② 越 商 入 750,000 (貸) 繰 品 600,000 仕 越 商 品 750,000 入 600,000 期末商品の評価 @600 @570 商品評価損 28,50 0 *3 6,750 *2 B/S価額 棚卸減耗費 12,000 552,750 *4 *1 @375 良品 950個 実地 980個 帳簿 1,000個 4 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) *1 棚卸減耗費=@600×(1,000個‐980個)=12,000 *2、*3 商品評価損=(@600-@375)×30個+(@600-@570 )×950個=35,25 0 *4 B/S価額(繰越商品の次期繰越額)=@570 ×950個+@375×30個=552, 750 (借) 棚 卸 減 耗 費 12,000 (貸) 商 品 評 価 損 35,250 入 35,250 仕 繰 商 越 品 商 評 価 品 47,250 損 35,250 第3問 仕 借 1 当 手 方 座 形 預 売 却 訳 金 金 (単位:円) 額 貸 方 141,000 売 損 9,000 84,000 金 額 上 234,000 形 150,000 売 掛 金 2 未 着 品 150,000 支 3 売 掛 金 70,000 未 品 80,000 (B 社) 受 形 30,000 未 着 品 販 売 益 20,000 3 未 取 手 着 品 支 仕 入 積 送 品 掛 払 手 金 70,000 形 30,000 161,500 未 着 品 70,000 買 掛 金 84,000 金 7,500 431,800 仕 入 425,000 現 金 6,800 当 5 手 着 100,000 買 (C 社) 4 払 座 預 6 受 託 販 売 3,000 当 座 預 金 3,000 7 当 座 預 金 160,000 受 託 販 売 160,000 当 座 預 金 153,000 積 上 160,000 金 153,000 料 4,000 8(D 社) 8(E 社) 支 払 手 数 料 4,000 3,000 支 払 運 賃 受 託 販 売 157,000 当 受 送 品 座 取 売 預 手 数 5 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 解説 ⑴ 荷為替手形の割引料は,手形売却損勘定(手形の割引と同様)を用いる。 ⑹~⑻ 受託販売勘定は,販売委託者に対する受託者の債権債務勘定である。 受託販売 (販売委託者に対する債権) (販売委託者に対する債務) 受託販売 ⑹当座預金 3,000 ⑺売掛金 160,000 157,000 ⑻諸口 160,000 160,000 第4問 ―販売基準 仕 借 1 割 賦 2 当 座 3 仕 4 取 方 売 掛 訳 金 額 (単位:円) 貸 方 金 300,000 割 預 金 25,000 割 賦 売 訳 な し 戻 商 品 20,000 割 賦 売 取 戻 商 品 損 失 80,000 貸 25,000 倒 損 失 賦 売 金 額 上 300,000 掛 金 25,000 掛 金 125,000 ―回収基準(対照勘定法) 仕 借 1 2 3 4 方 金 割 賦 販 売 契 約 当 割 座 賦 預 仮 売 訳 額 300,000 割 売 300,000 25,000 割 賦 販 売 契 約 25,000 取 戻 商 品 20,000 繰 取 戻 商 品 損 失 上 売 上 上 140,000 仕 賦 仮 額 25,000 品 売 賦 金 上 商 仮 方 25,000 割 越 賦 貸 金 繰 割 (単位:円) 入 140,000 品 100,000 125,000 割 賦 販 売 契 約 125,000 越 商 80,000 6 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) ―回収基準(未実現利益控除法) 仕 借 1 割 2 当 3 4 賦 方 額 貸 金 25,000 割 繰延割賦売上利益控除 35,000 繰 延 割 賦 売 上 利 益 35,000 取 20,000 割 品 繰延割賦売上利益 25,000 取 戻 商 品 損 失 80,000 賦 賦 賦 売 額 25,000 商 300,000 割 金 金 預 金 方 300,000 戻 掛 金 (単位:円) 上 座 売 訳 売 売 掛 掛 金 125,000 解説 ⑴ 販売基準 取戻損失の算定: 【割賦売掛金の残額における取得価額相当額】-【取戻商品の評価額】 (400 個×@600 円×5 回/12 回)-20,000 円=80,000 円 残額は割賦売掛金の回収不能による貸倒損失である。 ⑵ 回収基準(対照勘定法) 期末繰越商品の算定 400 個×@600 円×7 回/12 回=140,000 円 取戻損失の算定:【未回収分における取得原価相当額】-【取戻商品の評価額】 (400 個×@600 円×5 回/12 回)-20,000 円=80,000 円 ⑶ 回収基準(未実現利益控除法) 期末における繰延割賦売上利益の算定 400 個×(@750 円-@600 円)×7 回/12 回=35,000 円 取戻損失の算定:【割賦売掛金-繰延割賦売上利益】-【取戻商品の評価額】 [(400 個×@750 円×5 回/12 回)-{400 個×(@750 円-@600 円)×5 回/12 回}] 【割賦売掛金の残額】 【繰延割賦売上利益の残額】 -20,000 円=80,000 円 7 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 第5問 仕 借 方 訳 金 繰延割賦売上利益 売 掛 仕 繰 越 商 額 (単位:千円) 貸 方 金 額 5,760 繰延割賦売上利益戻入 金 85,000 割 入 120,000 繰 品 180,000 仕 繰延割賦売上利益控除 貸 倒 引 当 金 繰 入 金 85,000 品 120,000 入 180,000 16,000 繰 延 割 賦 売 上 利 益 16,000 7,840 貸 賦 売 越 倒 掛 5,760 商 引 当 金 損益計算書 7,840 (単位:千円) 売上高 一般売上高 600,000 割賦売上高 340,000 売上高合計 940,000 売上原価 120,000 商品期首商品たな卸高 商品当期商品仕入高 ( 900,000 ) ( 1,020,000 ) 商品期末商品たな卸高 ( 180,000 ) 商品売上原価 ( 840,000 ) ( 100,000 ) ( 7,840 ( 16,000 ) ( 23,840 ) ( 76,160 ) 合計 売上総利益 販売費および一般管理費 ( 貸倒引当金繰入 ) (繰延割賦売上利益控除) 販売費及び一般管理費合計 営業利益 ) 特別利益 (繰延割賦売上利益戻入) 特別利益合計 当期純利益 ( 5,760 ( 5,760 ) ( 81,920 ) ) 8 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 解説(単位はすべて千円) 1 割賦販売の原価率算定 原 価 売 価 120,000 当期払出原価 期首手許 一般売上の 840,000 割賦販売売価 割賦販売売価 1,000,000 600,000×1.1 当期仕入 900,000 =660,000 期末手許 180,000 割賦売上 340,000 840,000 千円/1,000,000 千円=0.84 2 割賦売掛金の計算 割賦売掛金 期首 36,000*1 当期回収*2 191,000 当期割賦売上 当期未回収 340,000 回収期限到来分:85,000(売掛金に振替) 185,000 回収期限未到来分:100,000 *1 前 T/B 繰延割賦売上利益 5,760÷0.16=36,000 *2 貸借差額 3 貸倒引当金の計算 売掛金:(243,000+85,000)×3%=9,840 割賦売掛金:(185,000-85,000)×4%=4,000 合計:13,840 当期繰入額:13,840-6,000=7,840 9 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 第6問 仕 借 方 訳 金 貸 倒 引 当 金 繰 入 (単位:千円) 額 貸 1,600 貸 倒 方 1,600 繰延割賦売上利益 100,000 繰延割賦売上利益戻入 100,000 仕 入 100,000 繰 品 100,000 品 172,500 仕 入 172,500 64,000 繰 延 割 賦 売 上 利 益 64,000 繰 越 商 繰延割賦売上利益控除 当 額 金 越 引 金 商 損益計算書 Ⅰ (単位:千円) 売上高 1 試用売上高 125,000 2 割賦売上高 546,000 671,000 Ⅱ 売上原価 1 期首商品 2 当期仕入高 100,000 ( 計 ( 500,000 ) 600,000 ) 3 期末商品 手許商品 150,000 ) 22,500 ) ( 427,500 ) ( 243,500 ) 貸倒引当金繰入 ) ( 1,600 ) (繰延割賦売上利益控除) ( 65,600 ) ( 68,800 ) 試用品 商品売上原価 売上総利益 Ⅲ ( 販売費および一般管理費 ( 販売費および一般管理費合計 営業利益(経常利益) Ⅳ ( ( 177,900 ) ( 100,000 ) ( 100,000 ) ( 277,900 ) 特別利益 (繰延割賦売上利益戻入) 特別利益合計 当期純利益 10 / 11 明治大学専門職大学院会計専門職研究科 2011 年度入学予定者対象入学前基礎講座 簿記講座(第 2 回)2011 年 3 月 11 日 担当:青木隆(教育補助講師) 解説 1 原価率の算定 原 価 売 期首手許 割賦販売売価 100,000 750,000 当期払出原価 価 当期割賦売上 546,000 450,000 当期仕入 500,000 試用売上の 期末手許 割賦販売売価 150,000 125,000×1.2 =150,000 試用仮売上の 割賦販売売価 45,000×1.2 =54,000 割賦販売の原価率:450,000/750,000=0.6 試用販売の原価率:0.6÷1.2=0.5 2 試用品の期末有高 45,000 千円(試用仮売上)×0.5(試用販売の原価率)=22,500 千円 3 繰延割賦売上利益控除の算定 割賦売掛金(千円) 期首 250,000 当期回収 636,000 当期割賦売上 546,000 期末 160,000 160,000 千円(期末割賦売掛金)×(1-0.6)(割賦販売の利益率)=64,000 千円 11 / 11