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1 地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMOを軸としたスモール

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1 地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMOを軸としたスモール
地域再生計画
1
地域再生計画の名称
DMOを軸としたスモールビジネスの創生計画
2
地域再生計画の作成主体の名称
岡山県勝田郡奈義町
3
地域再生計画の区域
岡山県勝田郡奈義町の全域
4
地域再生計画の目標
4-1 地域の現状
(地勢)
奈義町は、岡山県東北部に位置し、東は美作市、西は津山市、南は勝央町、北は国定
公園那岐山(標高 1,255m)、滝山(同 1,197m)の連山の分水嶺を境として、鳥取県智
頭町と接している。
那岐山の南斜面に位置するため、中山間地域にも関わらず、空が広く感じられる開け
た地形で、清流、溢れる緑、清涼な風、浴びるような星空など、四季折々の美しい自然
や景観に恵まれている。年間を通して過ごしやすい気候で、積雪量も比較的少ない。
昭和 30 年に、北吉野、豊田、豊並の3村が合併して誕生した奈義町は、昭和 36 年に
自衛隊の誘致を決議。基地周辺整備、農業改善事業、工業団地、畜産基地建設事業など、
相次いで大規模開発を進め、町の基盤を確立した。
平成 14 年には、合併の賛否を問う住民投票を実施、町議会第3回臨時会において議員
全員の賛成により合併しないことを決定し、現在に至る。
(人口)
奈義町の人口は、昭和 30 年2月の合併当時は 8,925 人だったものの、都市部への人口
流出による減少が続き、約 7,000 人まで落ち込んだ後、様々な施策努力により 8,000 人
弱で安定した時期もあったが、昭和 62 年以降はほぼ毎年減少している。
平成 27 年 10 月現在の総人口(国勢調査速報値)は 5,899 人だったが、45 年後には 3,000
人を下回る(半減する)見通しである(国立社会保障・人口問題研究所推計)。
平成 17 年には 26.8%だった高齢化率も、平成 27 年には 32.6%となるなど、高齢化も
進行している。
人口の自然増減については、減少傾向であった出生数が平成 10 年頃に死亡数を下回っ
て以降、自然減が続いている。
一方、平成 17 年には 1.41 まで落ち込んだ合計特殊出生率は、平成 24 年に行った「子
育て応援宣言」の下で各種の子育て支援施策に取り組んだ結果、平成 26 年には全国トッ
1
プクラスの「2.81」を実現した。また小中学校に子どもが通っている世帯の子ども数は、
平成 27 年7月現在で、3子が最も多く(38.8%)、3子以上の世帯が半分を占めている。
このように自然減については、現状では、高齢化率の上昇に伴う死亡数の増加の影響
が大きいが、老年人口は平成 32 年頃をピークに減少傾向に転じると推計されている。
社会増減については、年により転出入数の変動はあるが、進学・就職に伴う若い世代
の転出を主要因として、社会減が続いている。
人口減少については、
「奈義町人口ビジョン」において、将来人口に及ぼす自然増減と
社会増減の影響度や人口構造を分析したところ、社会増減の影響の方が大きく、できる
だけ早期に社会増をもたらす施策に取り組む必要があることが明らかになっている。
(産業)
奈義町の産業構造は、従業者数(平成 22 年国勢調査)で見ると、第 1 次産業が 545 名
(18%)、第2次産業が 727 名(24%)、第3次産業が 1,759 名(58%)である。
第1次産業については、町内全域で農業が営まれ、基幹産業である。基盤としてのほ
場整備は概ね完了し、「黒ぼく」と呼ばれる肥沃な火山灰土や、吉井川の源流域という、
他地域と比した優位性があるが、十分に生かし切れておらず、平成 12 年には 10.5 億円
だった農業粗生産額(耕種)が、平成 22 年には9億円に減少している(農林業センサス)。
第2次産業については、町が造成した工業団地「東山工業団地」
(平成4年完成)には、
昨年度も新たな企業誘致が決定するなど、ほぼ全ての区画の活用が見込まれ、若者の雇
用の確保などに貢献している。
第3次産業については、卸売業・小売業や医療・福祉に従事している人が多いが、平
成 19 年には卸売9店、小売 72 店あった商店数が、平成 24 年にはそれぞれ2店と 49 店
に減少している(経済センサス)。
4-2 地域の課題
合計特殊出生率「2.81」の実現など、子育て支援策の成果が出ていることや、老年人
口の減少傾向への移行との推計、人口減少に対する社会増減の影響の大きさなどから、
人口減少対策として、移住・定住促進による社会増を早期に図ることが重要であり、そ
のきっかけとなる交流人口を増加させる必要がある。
しかし、奈義町には、国定公園那岐山や菩提寺の大イチョウ(樹齢 900 年の天然記念
物)、町内で出土する 1600 万年前の化石などを保存・展示するビカリア・ミュージアム、
世界で初めて自然と建築と美術作品が一体となった奈義町現代美術館、江戸時代から受
け継がれてきた重要無形民俗文化財の横仙歌舞伎といった、自然とアートを核とした観
光資源があり、専門家やマーケティング調査結果では高く評価されているにもかかわら
ず、その魅力や潜在価値を、町民や町内事業者が十分認識(マーケティング視点での「商
品化」)できていないという実状がある。
産業面では、農業従事者の8割近くが 60 歳以上であり、後継者の育成や新規就農者の
確保が必要である。しかし「稼げる農業」となっていないため、後継者や新規就農者が
2
わずかである。
第2次産業についても、従来型の企業誘致や公共事業での雇用創出は頭打ちになるこ
とが予想され、新たな産業創出や企業間の連携など経済構造の改革が必要となっている。
また、農業が町の基幹産業であるため、第3次産業である観光関連産業(飲食店、旅
行業、運送業、小売業など)の基盤が脆弱である。加えて、大型店の近隣都市への出店
などにより購買力が町外に流出しており、町内の商店や農産物直売所など、町内資本の
基盤についても脆弱な状況(スーパーやコンビニなど域外資本についても同様)にある。
さらに、新しいチャレンジを行う町民マインドや地域性を有するものの、それらを誘
発させる仕組みや、一定期間支えるような制度などが十分整備されていないため、起業
やコミュニティビジネスの創出、稼げる農業などにつながっていない。
4-3 目標
DMO(一般社団法人ビジット奈義:平成 28 年4月 22 日観光庁が「地域 DMO」として登
録)が、町全体のマーケティングやセールスを担うことで、観光関連産業はもとより、
地域の資源を活用した、新しい「しごと」や「商売」、
「ビジネス」など(以下「小商い」
と定義する)を発展させていく司令塔としての「地域商社」の役割も併せて果たす。
その際に、旧来からの中心層や商店、中小企業だけでなく、若い世代や女性、移住者、
農家など幅広い人々が、
“参画と挑戦”ができるしくみの構築や気運の醸成、人材の育成
などを行う。
これらの取り組みにより、
「小商いクラスター」を構築し、町民や近隣住民が日常的に
利用する商品や商業形態の確立、観光客や都市部等の人が魅力と感じる商品やサービス
の提供による、既存市場とは異なる新たな「ふるさと名品市場」の開拓など、
「多方ビジ
ネスの稼げるまち」を目指す。そして、新規就労の創出や町民1人当たり総生産額の増
加につなげ、交流人口の増加から人口の維持を目的とするものである。
【数値目標】
目標1
新規就労者数:平成 28 年度 10 人 → 平成 30 年度 累計 50 人
目標2
町民1人当たり総生産額:平成 28 年度 2,573 千円 → 平成 30 年度 2,673 千円
目標3
観光入込客数:平成 28 年度 117,600 人 → 平成 30 年度 126,800 人
5
地域再生を図るために行う事業
5-1 全体の概要
DMO が、観光プロモーションや情報発信、観光商品の開発・販売促進、観光資
源の磨き上げと整備を行うと同時に、観光分野に限定しない、町全体のマーケテ
ィングやセールスを担うことで、地域の資源を活用した、新しい「小商い」を発
3
展させていく「地域商社」の役割も果たす。そのため「小商い」を誘発し、クラ
スター化していくためのしくみの構築や環境整備、人材育成などにも併せて取り
組む。
5-2 第5章の特別の措置を適用して行う事業
地方創生推進交付金【A3007】
1 事業主体
岡山県勝田郡奈義町
2
事業の名称及び内容
:DMO がマーケティング&セールスを担う「小商いクラスター」構築
DMO(一般社団法人ビジット奈義)が、町民総参加型の観光まちづくりの中心的存
在となる。
その際、DMO 内に組織する「マーケティング委員会」(アドバイザー:大社充氏:
NPO 法人グローバルキャンパス理事長/DMO 推進機構代表理事)が主体的に、狭い意味
での観光分野に限定せず、町全体の、マーケティングを担うことを目指す。事業内容
は、マーケティング関連調査・分析、町民・事業者等のワークショップ、マーケティ
ング人材等の育成など。なお、大社氏は DMO 全体のアドバイザーでもあり、関連事業
の見直しや企画・運営、マーケティング委員会の実施を含む DMO の運営などについて
もアドバイスを受けながら、戦略的に進めていく。
同時に、DMO において、平成 28 年3月に策定した「奈義町 DMO 戦略」
(基本コンセ
プト「このまちは、自然とアートでできている。」)に基づいたプロモーション活動や、
情報発信、観光サービス系の商品開発と販売促進(セールス)、観光資源の磨き上げ
と新規整備を、効果的かつ積極的に行っていく。
また、「小商い」を誘発し、クラスター化していくための事業(地域資源を活用し
た起業・コミュニティビジネス支援、シェアショップ開設、室内常設型フリーマーケ
ットなど)や、環境整備(販売・商品管理等システム構築、設備の充実など)、地域の
産品と消費者をつなぐ取組を行い、「地域商社」としての機能も充実させていく。
3 事業が先導的であると認められる理由
【官民協働】
・DMO(一般社団法人ビジット奈義:平成 28 年4月観光庁登録)がマーケティング
を担いながら自ら事業主体となり、金融機関とも連携しながら、地域の「小商い」
をクラスター化する『地域商いデベロッパー』の役割を果たすという、地域経済
活性化の新スタイルを提示するもの。
【地域間連携】
・津山市や勝央町など近接する自治体等と、緊密に連携しながら、本取組に関連す
る情報発信や、広報活動を行うことで、商圏拡大と「稼ぐ力」の向上に努めてい
4
くこととしている。
【政策間連携】
・観光政策と経済・雇用政策の企画立案と展開を、確かな根拠に基づいて、町民参
加で一元的に実施していくことができる。また、交通政策など多方面の政策も、
有機的に展開していくことが可能である。
【自立性】
・DMO がマーケティングとセールス機能を担い、観光関連産業の育成・強化だけで
なく、「小商い」をクラスター化することにより、地域内外を問わず、商いを“多
方化”“ブランド化”していく。観光客や、商いへの参画者が増加し、賑わいを
創出することで、地域経済が活発化し、取組の自立性が高まっていく。
【その他の先導性】
・地方創生先行型交付金(タイプⅠ)を活用し、
「奈義町版 DMO 戦略」の策定に当た
って実施した、インターネット調査(2回)により、奈義町の“強み”や“価値”
を再定義し、観光に関する市場(日帰り:車で片道3時間未満、宿泊:車で片道
2時間以上4時間未満)や、ターゲット(観光目的のレジャーや旅行の習慣があ
る 20~39 歳の男女を第1優先)を明確化している。
・平成 28 年度に、総務省「稼ぐ力と雇用力」の理論的支柱である中村良平岡山大学
大学院教授の指導の下、町独自の産業連関表の作成とそれに基づく地域経済構造分
析を行い、町経済の連関構造等を明らかにすることとしており、本事業による経済
波及効果を細かく把握して町民や事業者にも見える化し、根拠を持って、かつ明示
的に取組を進めることができる。
・大社充氏(NPO 法人グローバルキャンパス理事長/DMO 推進機構代表理事)をアド
バイザーに迎えて、町内の若手を中心としたマーケティング委員会を月1~2回
開催、町内でマーケティングを担える人材を育成し、主体的に取り組む体制を整
えるなど、日本版 DMO のあるべき姿を実現していく。
・DMO には CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)として元米テーマパークのマ
ーケティングマネージャーを配置している。
4
交付金対象事業の実施状況に関する客観的な指標(重要行政評価指標(KPI))
平成 29 年3月末
平成 30 年3月末
平成 31 年3月末
10 人
10 人
30 人
町民1人当たり総生産額
2,573 千円
2,623 千円
2,673 千円
観光入込客数
117,600 人
122,200 人
126,800 人
新規就労者数
5
効果検証の方法、時期及び体制
毎年度末、町が達成状況を取りまとめ、町や地域再生推進法人、金融機関、関係
団体、町民代表、外部有識者などから構成される地域再生協議会「なぎタウンプラ
イド協議会」において、目標達成に向けた評価と、必要に応じた改善提案や計画の
5
見直しを行っていく。
「奈義町まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会」及び町議会
での検証も行い、必要に応じて、地方版総合戦略等に反映させる。検証結果は、町
広報紙への掲載(配布)、町 HP への掲載などで公表する。
6 交付対象事業に要する費用
① 法第5条第4項第1号イに関する事業【A3007】
・総事業費 149,852 千円
7
事業実施期間
地域再生計画認定の日から、平成 31 年3月 31 日まで
8
その他必要な事項
特になし
5-3 その他の事業
5-3-1 地域再生基本方針に基づく支援措置
該当なし
5-3-2
6
支援措置によらない独自の取組
該当なし
計画期間
地域再生計画認定の日から平成 31 年3月 31 日まで
7
目標の達成状況に係る評価に関する事項
7-1 目標の達成状況に係る評価の手法
定量目標の達成状況を確認するために、毎年度末、町が各指標の状況を取りまとめ、
町や地域再生推進法人、金融機関、関係団体、町民代表、外部有識者などから構成され
る地域再生協議会「なぎタウンプライド協議会」において、目標達成に向けた評価と、
目標の効果的な実現に向けた改善提案や計画の見直しを行っていく。「奈義町まち・ひ
と・しごと創生総合戦略審議会」及び町議会での検証も行い、必要に応じて、地方版総
合戦略等に反映させる。
目標1
新規就労者数については、町が労働局との連携により把握し、年度末に取りまとめる。
目標2
町民1人当たり総生産額については、「奈義町産業連関表」(平成 28 年度に町が独自
に作成)や税収等を用いて町が推計する数値により、年度末までに把握する。
目標3
6
観光入込客数については、町が実態調査から推計する数値により年度末に把握する。
7-2
目標の達成状況に係る評価の時期及び評価を行う内容
平成 29 年3月末
平成 30 年3月末
平成 31 年3月末
10 人
10 人
30 人
町民1人当たり総生産額
2,573 千円
2,623 千円
2,673 千円
観光入込客数
117,600 人
122,200 人
126,800 人
新規就労者数
7-3 目標の達成状況に係る評価の公表の方法
目標の達成状況については、毎年度、検証後速やかに奈義町広報紙及び町 HP にて公表
する。
7
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