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図1.1 図1.0 ここでは別途配布済みの三面図をもとに,三次元ソリッド

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図1.1 図1.0 ここでは別途配布済みの三面図をもとに,三次元ソリッド
 ここでは別途配布済みの三面図をもとに,三次元ソリッドモデルの作成を練習します.
作成するソリッドの順序としては,(1)底板(2)円柱(3)背板(4)穴あけ(三個所)(5)面取り(6)支板
(7)角Rの順です.
立体の作成の基本は,二次元の閉じた図形を
●押し出し(Extrude)て立体を作る
●軸回りに回転(Revolve)させて作る
のいずれかです.
まず,ディレクトリを作ります.ディレクトリの名前を,ex01とします.
1. 三次元ソリッドモデルの作成
Pro/ENGINEER起動後,
1.1 新規作成開始
ファイル>>新規>>部品(通常,この状態がデフォルト)の順に
マウスで選択.
*[名前]の横のボックスに,デフォルトで設定されるファイル名(たとえば,
図1.0
prt0001)が,反転表示されます(図1.0).
*この時点でファイル名を変更できますが,保存時に「指定保存」を選択しても同じです.
[OK]ボタンをクリックすると,[モデル
ツリー]ウィンドウと[メニューマネー
ジャ]ウィンドウが現れ,ワークスクリー
ン上にデータム平面(FRONT, TOP,
RIGHT)と座標軸(PRT_CSYS_DEF)が
表示されます.[モデルツリー]ウィンド
ウにもデータム平面の表示,座標軸の
表示と[ここに挿入]の表示が現れます
(図1.1).
図1.1
*ウィンドウ内で反転表示されている項目は,いずれもデフォルトを表して
-14-
います.デフォルトでよい場合は,わざわざマウスカーソルで選択しなくてもかまいませんが,きちんと確認す
る習慣を付けて下さい.
1.2 準備
メニューマネジャから
・フィーチャ>>作成>>ソリッド>>突起
の順にマウスで選択します.次に,立体の作成方法を選択することになりますが,まず,
[押し出し]を選択します.([押し出し]とは,平面図形を押し出して立体を作ることを意味し
ます.)
・押し出し>>ソリッド>>実行
の順に確認または選択します.
[突起:押し出し]と表示したウィンドウが現れます.[要素]の項目の[属性]の左に”>”が表示され,[情報]の
項目が[定義中]になっているはず.
[メニューマネージャ]ウィンドウは
[片側]か[両側]かの選択を促す状態
になっています.[片側]は,スケッチ面
の上方または下方に押し出すことを意
味し,[両側]は,上下に押し出すこと
を意味します.ここでは,[片側]を選
択します.
・片側>>実行(図1.2)
図1.2
の順にクリック.
1.3 スケッチ平面の設定
すでに述べたように,立体を作成する場合,まず二次元の図形を作成します.次のことを
確認しておきます.
-15-
[突起:押し出し]と表示したウィンドウの[属性]の情報が[片側]になっていて,[断面]の左に
“>”が表示され,[情報]の項目が[定義中]になっています.
[メニューマネージャ]ウィンドウで,
・[スケッチ平面設定]メニュー:(反転表示で)新規設定
・[平面設定]メニュー:(反転表示で)平面
・[選択]メニュー:(反転表示で)ピック
を確認する.
データムが表示されている画面(ワークスクリーン)で,スケッチするデータム面をマウスで
選択します.(ここでは,TOPを選択.)
[メニューマネージャ]ウィンドウで,
・[スケッチ平面設定]:(反転表示で)新規設定
を確認.
[方向]が[反転]か[OK]の選択状態
にあります.ここでは,スケッチ面(今の
場合,TOP)にスケッチした図形をどち
らの方向に押し出すかを選択すること
になります.デフォルトの方向は,ス
ケッチデータム面の端に赤い矢印が表
示されています.
*[反転]は,赤い矢印の向きを変えるためのメ
ニューで,[反転]をクリックするたびに赤い矢
図1.3
印の向きが変ります.[OK]は現在の矢印の
向きを確定させるための選択.
確認:[反転]を何回かクリックして,矢印の向きが変ることを確認.
矢印がy軸の正の向きになったときに[OK]をクリック(図1.3).
ここで,なぜTOPデータム平面にスケッチ面をとってy軸の正の方向に押し出すかについて説明します.
まず最初に底板を作成するのですが,作成方法として三面図の平面図に示されている底板は幅120mm,奥
行45mm,厚さ10mmの直方体です.この直方体をアイソメトリックで表現することをイメージしてください(第一
-16-
週目の資料参照).アイソメトリック表現をするとき,Horizontai Axis方向に120mm,Vertical Axis方向に
10mm,Depth Axis方向に45mmの長さをとります.さて,ここでは,底板を作るとき,幅120mm,奥行45mmの
長方形を10mm押し出して作ります.この長方形は平面図,すなわちHorizontal-Depth面にあります.この面
はPro/ENGINEERではTOPデータム面に相当します.図1.4にPro/ENGINEERの三つのデータム面と座標軸
とアイソメトリックにおけるHorizontal Axis,Vertical Axis,Depth Axisの関係を示します.
さて,もう一つ作業をします.メニューバー
の[ユーティリティ]の[環境]を選択し,下方
にある[デフォルト回転方向]の項目の右端
の矢印記号を使って[斜投影(実は、不等角
投影)]から[等角投影]に変更しておきま
す.このようにすると,メニューバーの
[ビュー]メニューで[デフォルト]を選択する
と,アイソメトリック表示されます.また,この
設定は三次元ソリッドから製図に直すときに
便利です.なお,この設定はソリッドモデル
を保存する前に設定することも可能です.
図1.4
[メニューマネージャ]ウィンドウで,
・[スケッチ平面設定]:(反転表示で)新規設定を確認.
[スケッチビュー]が[上面][下底][右]
[左],[デフォルト],[中止]の選択状
態にあります.
とりあえず[デフォルト]を選択しま
す.(位置関係に慣れてくると,意味が
描画・編集
ツールバー
理解できるようになる(かも))すると,ス
ケッチ画面が表示されます(図1.5).
ワークスクリーン右端には描画・編集
ツールバー(次ページ参照)が現れてい
図1.5
ます.シンボルの右にある三角マーク
は選択項目があることを表しています.他のアイコンもそうですが,マウスカーソルをアイコ
ンの上におくと,機能説明のためのバルーンヘルプが出ます.
-17-
注意:描画・編集ツールバーの下端のアイコン
の説明はおかしいので注意してください.正しくは,「現在
の断面を使って作業を継続」または「スケッチの終了」あたりでしょうか.
もう一つ重要なことを説明しておきます.右上に[参照]と表
示されウィンドウが現れます.このウィンドウでは,寸法の基
準になるデータム面を設定します.通常,二次元の図形の位
置は二つの基準からの距離によって決まります.今の場合,
TOPデータム面をスケッチ面として利用しているため,それに
直行する二つのデータムRIGHTとFRONTがデフォルトとして
選択されています.デフォルトとして存在するデータム面以外
にスケッチ面を設定する場合はこのウィンドウで二つの基準
を設定する必要があります.
1.4 底板の作成
1.4.1 長方形の作成
・描 画 ・ 編 集 ツ ー ル バ ーか ら長 方形
FRONT
Click (1)
を選択.
・RIGHT軸の左側のFRONT軸上に
カーソルを持っていって(左)クリ ック
Click (2)
(Click(1)).
RIGHT
・右下へカーソルを持っていって(左)ク
図1.6
リック(Click(2)).
-18-
(以上,図1.6参照)
ライトブルーの長方形が表示され,寸法が三箇所表示されます.
1.4.2 寸法の修正
表示されている寸法は正しくないはずなので,図面を見て正しい寸法値に修正します.
・修正したい寸法値を左クリックし,描画・編集ツールバーから
を選択.
・修正したい寸法値の上にカーソルを移動し,クリック.->寸法補助線などが赤色に変る.
・表示されたメッセージに従って新しい
値をキーボードから入力.->赤色で表
示されていた寸法補助線などが黄色
に変ります.(新しい値が入力されるた
びに,再描画が行われます.)
修正後の状態を図1.7に示します.
1.4.3 図形の確定
図1.7
・描画・編集ツールバーからスケッチの終了
を選択.メッセージエリアに,[断面の再生
に成功しました.]というメッセージが表示されれば,成功.
1.4.4 三次元化
長方形が確定されれば,次はそれを
”押し出し” て三次元化することになり
ます.
・[終端指定]で,[ブラインド]が反転表
示されていることを確認して,[実行]を
クリック.
メッセージエリアに,[深さ(奥行き)を入
力します.]のメッセージが現れるので,
・所定の押し出し高さをキーボードから
入力して[Enter]をhitします.
図1.8
メッセージエリアに,[全要素を定義しました.ダイアログボックスから要素かアクションを
-19-
選択します.]が表示されればOK!.
右上の[突起:押し出し]と表示されたメニューウィンドウで,[プレビュー]を選択して,
[Ctrl]キーを押しながらマウスの中ボタンを押して画面上で動かすと,立体表示されます.
これでよければ,[OK]をクリック(図1.8).
これで直方体ができたはずです.([モデルツリー]を見ると,今作ったソリッドが[突起 ID *](*は数
字)と表示されています.[突起 ID *]の表示は これは,非常に重要で,修正などの際に便利です.)
1.5 円柱の作成(その1:[押し出し]による作成)
1.5.1 スケッチ面の設定
円柱を[押し出し]で作るので,スケッチ面を設定する必要があります.図面を見ると,底
板の奥の面と上の円筒の端面との間には5mmのギャップがあるので,底板の奥の面から
奥へ5mm離れたところにスケッチ面を設定することになります.スケッチ面はすでにあるソ
リッドの面かデータム面であるので、新しいデータム面を作ります.
A.データム面の作成
・描画・編集ツールバー(この時点ではデータム関連のメニューだけが表示されている)の
[データム平面を挿入します]を選択
・[データム平面]メニューで[オフセット]
・[選択]メニューで[ピック]
の 順 に 選 択 また は 確 認 し , F R O N T
データム平面をクリック(FRONTのまわ
りにライトブルーの囲いができます).
[オフセット]メニューで,[数値入力]
を選択すると,薄い緑色の矢印が現れ
ます.この矢印は,FRONTデータム平
面からのオフセット方向を表していま
す.メッセージエリアに,[指定した方
向のオフセットを入力します.<ESC>で
図1.9
中止できます.]と表示され,数値入力
を促す状態(デフォルト値が反転表示)になっています.
-20-
所定の数値を入力して[Enter]キーをhitします(逆向きの場合,マイナスの数値を入力しま
す)(図1.9).(今の場合,矢印の向きとは逆向きに5mmのオフセットをとります.すなわち,
-5を入力します.)
メッセージエリアに,[データム平面が完全に拘束されました.[実行],[中止]または[再
スタート]を選択します.]というメッセージが現れ,[データム平面]メニューには,[終了],
[再スタート],[中止]のいずれかを選択する画面になっています.
[終了]を選択すると,メッセージエリアに[データム平面を作成しました.]というメッセージ
が現れ,新たにDTM1ができています.
B.スケッチ面
・[フィーチャー]メニューで[作成]
・[ソリッド]メニューで[突起]
・[ソリッドオプション]メニューで[押し出し]>>[ソリッド]>>[実行]
上部に[突起:押し出し]と表示されたメニューウィンドウが現れます.
・[属性]メニューで[片側]>>[実行]
DTM1を選択し,赤い矢印を確認して,(方向が逆ならば[反転]させて,)[OK].
[スケッチビュー]メニューで,[デフォルト]
この状態で,DTM1にスケッチできます.
注意:右上の[参照]ボックスにRIGHTとTOPが表示されていることを確認して下さい.
1.5.2 円のスケッチ
・描画・編集ツールバーから円
を選択.
・RIGHT軸の上にカーソルを持っていって(左)クリックし,カーソルをずらすと,ライトブルー
の円が現れます.
・適当なところで再度左クリック.(赤い線で円が表示されています),続いて中ボタンをクリック.
寸法が二箇所表示されます.
1.5.3 寸法の修正
-21-
・修正したい寸法値を左クリックし,描画・編集ツールバーから
を選択すると,クリックし
た寸法値が赤で表示され,右横に[寸法修正]ボックスが表示されます.
・所定の寸法を入れ,続いてもう一つの寸法をクリックし,正しい寸法を入れます.
基本的に1.4.2と同じですので,詳細は省略します.
1.5.4 図形の確定
・描画・編集ツールバーからスケッチの終了
を選択.
メッセージエリアに,[断面の再生に成功しました.]というメッセージが表示されれば,成功.
1.5.5 三次元化
円が確定されれば,次はその円を ”押
し出し” て三次元化することになります.
基本的に1.4.4と同じですので,詳細は
省略します.
これで,円柱ができたはず(図1.10).([モ
デルツリー]を見ると,作ったデータム面DTM1と
[突起 ID *](*は数字)が表示されています.)
1.6 削除
図1.10
ここで,ついでに削除の練習をしておき
ます.いま作成した円柱とデータム平面
DTM1を削除します.
・モデルツリーでいま作成した円柱を表す
[突起 ID *]を右クリックすると,円柱が赤
色で表示され,ポップアップメニューが表
示されます.
・ポップアップメニューの一番上にある[削
除]を左クリックします.このとき,画面中
央に[警告]ウィンドウが現れ(図1.11),[ハ
イライトしたフィーチャーの削除を確定し
図1.11
ます.[OK][キャンセル]]と表示されます.ここで[OK]を選択します.
・同様に,モデルツリーから[DTM1]を選択して削除して下さい.
-22-
1.7 円柱の作成(その2:[回転]を使う方法)
[押し出し]を用いて円柱を作成する方法はすでに述べました.ここでは,[回転]を用いて
円柱を作成する方法を説明します.今のような場合,既存のデータム面を利用します.
円柱は,長方形の断面を軸まわりに360°回転させて作成します.
*回転による円柱の作成方法は,円柱だけに限らず,円筒,円錐,円錐台,円環体などの回転体一般の作成
に用いられます.また,回転角度も設定できます.
まず,
・[フィーチャー]メニューで,[作成]>>[ソリッド]メニューで[突起]
・[ソリッドオプション]メニューで,[回転]>>[ソリッド]>>[終了]と選択
上部に[突起:回転]と表示されたメニューウィンドウが現れます.
[属性]メニューで,[片側]>>[終了]
RIGHTを選択(画面から選択しにくいときは,モデルツリーのRIGHTを選択してもよい)して
[OK].(赤い矢印が表示されますが,無視する)
[スケッチビュー]メニューで[デフォルト]
これでRIGHTデータム平面にスケッチできます.
注意:右上の[参照]ボックスにTOPとFRONTが表示されていることを確認して下さい.
1.7.1 断面としての長方形の作成
スケッチ面として選択したRIGHTに長方形を作成します.詳細は省略しますので,図面を
よく見て作成してください.ただし,円柱を回転体として作成するので,適切な長方形を作成
して下さい.
寸法の修正も行います.
注意:描画・編集ツールバーからスケッチの終了
を選択すると,画面中央に[不完全断
面]メッセージが現れ,[メッセージ領域にリストされている理由により断面は不完全です.ス
ケッチャーを終了しますか?[はい][いいえ]]が表示されます.メッセージ領域には、[回転軸
がありません.中心線をスケッチします.]と表示されていますので,ここでは[いいえ]を選
択します.
-23-
1.7.2 断面の回転
断面としての長方形を回転させて三次元化するためには,回転軸を設定する必要があり
ます.回転軸はTOPデータム平面と平行に作成します.回転軸の作成には,
描画・編集ツールバーで[中心線](
)を使います.
後の詳細は省略しますので,自分で
やってみてください.
中心線を作成後
を選択し,メニュー
マネージャの[レビュー先]で[360]を選択
して,[実行]をクリックします.円柱ができ
たはずです(図1.12).
1.8 背板の作成
図1.12
[押し出し]を使って背板を作成します。
1.8.1 スケッチ面の選択
スケッチ面として,FRONTデータム平面を選択します.
なお,ここでは,ダイナミックマネージャをOFFにして作成してみます.具体的には,メ
ニューバーの[スケッチ]メニューをクリックし,[ダイナミックマネージャ]の項目をクリックして
OFFにします.ワークスクリーン右に[メニューマネージャ]が現れます.
1.8.2 台形の作成
背板の台形は,底板の上の角点からひいた上部円柱への接線が斜辺となることに注意し
ます.そのため,辺の作り方には注意が必要です.ここでは,[ジオメトリツール]を使います.
すでに作成済みの底板と円柱が真っ白に表示されていて作業がしにくい場合は[隠線消
去]を選ぶと作業しやすいかもしれません.
A.補助的円と底辺の作成
・[スケッチャー]メニューで,[ジオメトリツール].
-24-
・[ジオメトリツール]メニューで,[エッジ使
用].
・[エッジ使用]メニューで,[エッジ選
択]>>[ピック]を確認し,
(1)前節で作成した円の上をピック.
->補助的円弧が作成されました.
次に
(2)底板の上面の横線をピック.->台
形の底辺が作成されました(図1.13).
図1.13
B.斜辺の作成
・[スケッチャー]メニューで,[スケッチ].
・[ジオメトリ]メニューで,[直線].
・[線タイプ]メニューで,[点/接線]を選択.
底辺の端点をクリック.次に,選択した端点と同じ側にある円周上をクリック.
もう一本の斜辺も同様に処理.
ここで,少し無謀ですが,[再生]([スケッ
チャー]メニューの項目[再生]をクリック)し
てみます.すると,メッセージエリアに,
[警告:全オープン端点を整列していませ
ん.]
[オープン断面と閉じた断面を混合できま
せん.]
というメッセージが出て,円周上に小さな
文字で[T]が表示された点が二つ現れま
す.このTはTangentのTで,二つの点は
図1.14
接点であることを表しています.これらの点は次の上辺の作成に使えます(図1.14).しか
し,警告エラーであっても「エラー」であることを忘れないように.
トリム
ここでトリムの練習をしておきます.
-25-
・[ジオメトリツール]>>[トリム]の順に選択し,図1.15に示すようにクリックしてゆくと,不要
な円弧が削除されます.
ここで,[再生]すると,今度は警告メッセージは出ません.このままでスケッチャーを終了
してもよいのですが,ここでは,引き続き台形の上辺をスケッチします.
C.上辺の作成
[直線]の[2点指示]([水平線]でもよ
い)を使って作成.Tと表示されている点を
始点と終点に選ぶこと.直線が引けたら
中ボタンクリックで直線の作成モードから
抜けます.
始点と終点を円周上に[整列]させ,[再
図1.15
生]します.
*整列は重要な処理です.直線を正確に引いたつもりでも「引いた」というだけで線の位置や長さは特定され
ません.円周上に点を整列させるということは,点を円周上に拘束することになります.これによって,点の相
対的な位置関係が明確になり,今の場合,始点と終点が拘束されることによって長さも自動的に決まりま
す.今の場合の具体的な処理方法は,[スケッチャー]メニューの[整列]を選択し,円周上にとった(つもり
の)点をピックし,続いて円周上をピックすることによって整列が完了します.
メッセージエリアに,[オープン断面と閉じた断面を混合できません.]というメッセージが現
れます.これは,円形部分が邪魔になって閉じた断面を作れないことを表しています.
[スケッチャー]メニューの[ 削除 ]を
使って円周上をクリック.円が削除さ
れ,再度[再生].->[断面の再生に成
功しました.]が表示されればOK.
[スケッチャー]メニューの[終了]をク
リックしてスケッチャーを抜けます.
1.8.3 三次元化
省 略 .所定の厚さだけ押し出せば
OK!(図1.16)
図1.16
-26-
[モデルツリー]を見ると,今作った背板が[突起 ID *]と表示されています.
1.9 モデル修正
ここでは,すでに作成したモデルの修正を練習します.
・シチュエーション:
いま,設計変更があって,
1)上部円柱部分の直径が10mm増加
2)底板と円柱の中心の距離が10mm増加
したものとします.
1.9.1 変更方法
まず,モデルツリーから上部円柱部分を探します.[突起]と表示されたアイコンをクリック
してゆくと,モデルの輪郭が赤く表示されます.円柱部分に輪郭が現れたら,そのアイコン
上で右マウスクリックするとメニューが現れます.ここで,[修正]を選択すると,現在設定さ
れている寸法値が表示され,ワークスクリーン右に[メニューマネージャ]が現れ,[修正]の
項目で[寸法値]が反転表示されます.
修正したい寸法値の上にカーソルを移動し,クリックすると寸法値が赤く変わり,メッセー
ジエリアに新しい寸法を入力するためのボックスが現れますので,新しい値を入力します.
ここでは,二つの寸法値,すなわち,円柱の直径を10mm(半径なら5mm)そして底板と円柱
の中心間距離を10mm,それぞれ,増やしてみます.
新しい寸法を設定した後,[部品]の
項目の[再生]を選択すると,新しい設
定で描画されます.このとき,前の節
で作った背板の寸法も同時に変更され
ていることに気づくはずです(図1.17).
これは,背板を作る際に円柱と関連し
て作成したからです.
あとの作業のために,変更した寸法
値を元に戻しておきます.このときも当
然背板の寸法も変更されて元に戻りま
す.
図1.17
1.10 穴あけ
-27-
円柱に穴をあける場合:[ソリッド]メ
ニューで[カット]を選択します.スケッ
チ面として円柱のどちらかの端面を指
定します.[円]/[同心円]
を使いま
す.スケッチ後の[終端指定]では,
[全貫通]でよいでしょう.その他は,今
までの応用なので,自分でよーく考え
てください(完成図は図1.18).
底板に穴をあける場合:ここでは
図1.18
[穴]を使います.二つの穴を別々にあ
けてもよいのですが,一つだけ穴をあけておいて,もう一つを[パターン]という方法で作成
します([カット]を用いても可能です).
([パターン]は,一直線上に穴が並んでいるような場合に便利です.今の場合,一つ一つあけても作業量は
たいしたことはないのですが,せっかく便利な機能があるから使ってみない手はないと思います.[フィー
チャー]メニューにあります.)
[ソリッド]メニューで[穴]を選択します.
すると,穴メニューが現れます.[穴タイ
プ]が[直線穴]になっています.[直径]を
13mmにして,[深さ]に[全貫通]を選択し
ます.
次に,[一次参照]を指定します.[一次参
1次参照は
穴掘り面
照]とは,穴を掘る面のことで,今の場合
は底板の面に穴を掘ります.そこで,底板
の上面をクリックすると,下向きに赤い矢
印が現れます.この矢印は穴を掘る方向
を表しています(図1.19参照).
穴掘り面はここ!
いま,[穴配置]の[直線参照]の項目が
[未定義]になっているので,参照を定義
します.図面を見ると,物体の中心から寸
法をとっています.ここでは,[直線参
図1.19
照]としてRIGHTデータム面を指定しして距離を入力します.もう一つの[直線参照]として底
板の前縁を指定して同じように距離を入力します.図1.20に示すように底板の二辺を順番
-28-
にピックして[距離]に辺と穴の中心との距離を入力します.
その後,左下の
をクリック
すると,[穴]が一つできます.
次に,パターンを使います.[フィー
チャ]メニューの[パターン]を選択しま
す.作成した穴の周囲をピックし,[パ
ターンオプション]で[同一]>>[実行].
寸法値が表示されるので,40をピック.
メッセージエリアに数値を入力するボッ
直線参照その1
クスが現れるので,-80[注意]を入力.[終
直線参照その2
了]メニューで[実行]を選択.[この方
向のインスタンス合計数(オリジナルを
含めて)を入力します]のメッセージが
図1.20
現れるので,2を入力します.再度[終
了]メニューで[実行]を選択すると,もう一つ穴ができます.
注意:40という数値をピックしました.これは,先に穴を掘るときの直線参照としてRIGHT
データム面を指定したときに設定した(正の)距離です.パターンで作りたいもう一つの穴は
RIGHTデータム面について対称位置にあります.したがって,この位置はデータム面から
見ると-40の位置であり,すでに掘った穴の位置から見ると-80の位置にあります.慣れてく
るとわかるのですが,大原則は,「対称なものは対称にモデル化する.」こと.
ここまでの完成図を図1.21に示しま
す.モデルツリーを見ると,[パターン
穴]と表示されています.
1.11 面取り
面取りには,エッジとコーナーがあり
ます.今回の演習ではエッジのみ使い
ます.コーナーについても参考のため
読んでおくこと.
図1.21
-29-
1.11.1 面取り(エッジ)
まず,底板の下面のエッジに面取りを施します.
・[フィーチャー]メニューで,[作成]を選択.
・[フィーチャークラス]が[ソリッド],[ソリッド]メニューで,[面取り]を選択.
・[面取り]メニューで,[エッジ]を選択.([エッジ]は,「へり(縁)」のことで,二つの面が交
わってできた線を意味します.)
・[スキーム]メニューで,[45xd]を選択(最初の45は面取りの角度で,面に対して45度で面
取りします.dは面取り寸法(直角二等辺三角形の二等辺の長さ).).
メッセージエリアに,[dの面取り寸法を入力します]のメッセージが現れ,その横にデフォル
ト値が反転表示されています.面取り寸法dとして,数値を入力.
メッセージエリアに,[面取りのエッジ(複数可)[注意]を指示します.]に対して,エッジをクリッ
ク(複数のエッジを同じ面取り寸法で面取りしたいときは,順にクリック.ここでは,底板の下
面の四辺を順にクリック)(白い線が青に変ります.)
・[選択]メニューの[実行]をクリック.(ライトブルーに変ります.)
・[フィーチャー参照]メニューで,[参照終了]をクリック.
[面取り:エッジ面取り]と表示されたウィンドウで[プレビュー]を選択すると,面取り部分が
赤く表示され,よければ[OK]を選択.これで完了.
注意:この「複数可」には落とし穴があ
ります.作成したソリッドモデルを二次
元の製図に落とす際に,複数のエッジ
を指定すると,寸法の表示は一カ所だ
けでその他の寸法をすべて自分で作
成しなければなりません.考えてみる
と当たり前です.
その他のエッジについても,図面をよ
く見て,面取りを施すこと(図1.22).こ
の例では,すべての面取りを一つ一つ
図1.22
作成しています.
1.11.2 面取り(コーナー)
-30-
・[フィーチャー]メニューで,[作成]を選択.[フィーチャークラス]が[ソリッド]
・[ソリッド]メニューで,[面取り]を選択.
・[面取り]メニューで,[コーナー]を選択.([コーナー]は,三本以上のエッジが交わってで
きた点を意味します.)
・[選択]メニューで,[ピック]になっていることを確認して,エッジをクリックします.(エッジが
青色に変ります.)
・[ピック/入力]メニューで,[数値入力]を選択.
メッセージエリアに,[ハイライトしたエッジに沿って長さ寸法を入力します]というメッセージ
が現れ,右横のボックスに新しい数値を入力.
自動的に次のエッジが青色に変ります.これを,関連するエッジについて繰り返します.
・[面取り:エッジ面取り]と表示されたウィンドウで[プレビュー]を選択すると,面取り部分が
赤く表示され,よければ[OK]を選択.これで完了.
1.12 支板の作成
[ソリッド]メニューで[リブ]を選択します.
ワークスクリーン右に[メニューマネージャ]が現れま
す.
・[スケッチ平面設定]で[新規設定]を確認/選択
・[平面設定]メニューで[平面]を確認/選択
スケッチ面として,RIGHTデータム面を選択します.
ダイナミックマネージャをOFFにします.
RIGHTデータム面に図1.23のように(1)直線をスケッ
チし,(2)面取りの角点に「整列」させます.赤く表示さ
れた辺は,ライトブルーに変り,メッセージエリアには,
図1.23
-整列完了-が表示されます.
*何度も述べますが,この[整列]という操作は非常に重要な操作で,スケッチ平面の基準と平面図形の位置
関係を明確にすることを意味しています.
続いてスケッチャーメニューを[終了]します.
スケッチャーを終了すると,赤い矢印が現れます.この矢印は押し出す方向を表している
ので,部品本体側に向くように[反転]を使って調整し,[OK]をクリックします.エラーメッ
セージが出る場合は整列不良です.
-31-
次に,メッセージエリアに厚さを入力
するボックスが現れるので,所定の厚
さを入力します.これで完了です(図
1.24).
1.13 角R
角Rは,エッジやコーナーに丸みを付
けます.
例として,背板の背面と円筒の交わ
図1.24
る部分に,角Rを施します.
・[フィーチャー]メニューで,[作成]を選択.[フィーチャークラス]が[ソリッド]
・[ソリッド]メニューで,[角R]を選択.
・[ラウンドタイプ]で,[単純](反転表示)>>実行.
・[ラウンドセット属性]で,[一定],[エッジチェーン]を確認後,[実行].
・[チェーン]メニューで,[個別選択].
・[選択]メニューで,[ピック](反転表示)を確認.
メッセージエリアに,[チェーンからエッジを選択したら,[実行]ピックします.]のメッセージ
を確認し,背板の背面と円筒との交線をピックします(複数のエッジを順にピック可能).選択
されたエッジが青に変ります.エッジを選択し終えたら,[チェーン]メニューで[終了].
・[メニューマネージャ]の[半径タイプ]メニューで,[入力]
・[値選択]メニューで,[新しい値]
を確認します.
メッセージエリアに,[半径か<ESC>を入力してメニューのオプションを選択します]で,右
横に数値(半径を表す)が反転表示されています.ここでは,所定の数値を入力して,
[Enter]キーをhit.
[ラウンド:一般]ウィンドウで,[プレビュー]を選択して確認後,同じウィンドウ内の[OK]
をクリック.これで,角Rが完了.
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その他のエッジについても,図面をよく見て,角Rを施すこと[注意].完成したソリッドモデル
は図1.25.この場合はエッジ一つ一つについて角Rを施しています.
注意:円筒と背板前面の間の5mmの角Rがうまくいかない場合があります.これはリブで作
成したソリッドが悪さをしているためです.このような場合,モデルツリーの最下部にある[→
ここに挿入]をマウスを使って[リブ]の前に移動させます(リブが見えなくなります).こうする
と5mmの角Rが問題なく作れます.その後,[→ ここに挿入]をモデルツリーの最下部に移
動させて作業を続けます(見えなくなったリブが復活しているはずです).
図1.25
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