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第2号 - 大阪行岡医療大学

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第2号 - 大阪行岡医療大学
ISSN 2188−4935
大阪行岡医療大学
紀 要
第 2 号
2 0 1 5
大阪行岡医療大学
紀 要
第 2 号
2 0 1 5 年 3 月
大阪行岡医療大学紀要
第2号 2015
目 次
巻 頭 言
発刊にあたって……… 学校法人 行岡保健衛生学園理事長 行岡 正雄……………………… 1
学長挨拶……………… 大阪行岡医療大学学長 池田 昌弘……………………………………… 3
学部長挨拶…………… 大阪行岡医療大学医療学部長 行岡 秀和……………………………… 5
追悼文
前学長 七川 歓次先生を偲ぶ…………………………………………………………………… 7
学校法人 行岡保健衛生学園理事長 行岡 正雄
原 著
認知症者の示す不可解な言動の意味…
―自己認識と世界を切り分けることばの本質的な働きからの理解― ……………………………… 11
横井 輝夫
持久運動が2型糖尿病ラットのヒラメ筋肉微小血管障害と酸化的リン酸化反応に及ぼす影響
………………………………………………………………………………………………………… 19
森藤 武、村上慎一郎、藤野 英己
橈骨遠位端骨折術後の評価時期によるダーツスロー、リバースダーツスロー・モーション面
ROM と DASH スコアとの関係
………………………………………………………………………………………………………… 25
粕渕 賢志、土肥 義浩、藤田 浩之、福本 貴彦
第7回日本手関節ワークショップを主催して………………………………………………… 31
森友 寿夫
活動報告一覧… ………………………………………………………………………………………… 33
投稿要領…………………………………………………………………………………………………… 47
大阪行岡医療大学紀要第2巻の発刊にあたって
学校法人行岡保健衛生学園 理事長 行岡 正雄
大阪行岡医療大学紀要の第2巻の発刊にあたりまして一言御挨拶させていただきたく思います。
まず御報告させていただきたい事は、この紀要の創刊を強く推進され、また第1巻で自身の論文
まで投稿されておられた七川歓次前学長が平成26年4月21日に御逝去された事です。御高齢
でしたがお元気であられた七川先生の急な御逝去は、誠に残念でなりません。この紙面をお借り
致しまして、謹んでご冥福をお祈り致します。
その後平成26年4月1日に池田新学長のもとで学校運営が行われておりますが、今年で当大
学も開校以来、はや4年目を迎えようとしております。
昨年は3年生による卒業論文発表会を開催致しましたが、その3年生も今春より4年生として
各実習病院での実習が始まります。そして、その後卒業に続いて国家試験が待ち受けております。
本大学はその前進として昭和45年より理学療法士の養成専門学校(行岡リハビリ専門学校)
を運営してきておりますが、その際卒業生は毎年100%に近い国家試験の合格率を誇ってまい
りました。大学に昇格して教員の人数や質は著明に向上しているかと思われますが、大学という
ことでこれまでとは異なった教育方針をとっておりますので、これが国家試験に与える影響は今
のところ未知数です。大学化に伴い逆に国家試験の合格率が低下したといわれないように、残さ
れた1年間を頑張っていきたいと思っております。
又、本校の特色は附属病院ではないですが、それに近い関連施設として行岡病院と連携してお
ります。それに伴い当大学の究極の目的は教育、研究、臨床の充実としておりますが、なにぶん
来年はじめて卒業生を輩出する予定の、新設大学として開校4年目で文科省のチェックをうけな
ければならない仮免大学でありますので、今般しばらくは研究よりも学生教育を中心として励ん
でいきたいと考えております。
今後ともますますの御指導、御鞭撻をよろしくお願い致します。
1
学 長 挨 拶
大阪行岡医療大学 学長 池田 昌弘
大阪行岡医療大学が開学3年目となり、紀要第2号の刊行に至ったことを大変うれしく思いま
す。関係者の尽力に感謝いたします。
第1号は、七川前学長の症例報告をはじめ、レベルの高い論文が集まりました。
松尾・史野論文「骨付き自家膝蓋腱を用いた前十字靭帯再建術後リハビリテーション」は、世
界的にも評価されている手術法のリハビリテーションにおける問題点の克服を詳細に述べたもの
で、リハビリテーションの工夫のあり方を示し、多くの示唆を与えるものでした。
堀論文「中枢性無呼吸を呈した橋出血例における人工呼吸器からのウィーニング方法に関する
一考察」は、
呼吸器理学療法のエキスパートによるもので、理学療法士が関わることによってウィー
ニング困難な患者の人工呼吸器からの離脱を促進できた症例を報告し、その理論的根拠を示して
います。理学療法士の人工呼吸への介入を普及させるうえで価値の高い論文です。
原田・岡田論文「Age-related differences in postural control associated with progression from
a dynamic state during serial stepping in dual-task conditions」では、高齢者が、dual-task とい
う注意力の要求が増加する状況において姿勢調節が難しくなると、若年者とは異なった適応をす
ることが示されました。今後の大きな課題である高齢者の転倒予防に向けてなされた研究で、高
齢者の姿勢調節機能において、筋骨格系だけでなく大脳機能の重要性を明らかにし、今後の発展
が期待される基礎的研究の成果でした。
これらの優れた論文は、紀要の今後の発展を予期させるものです。巻末の活動報告を見ても、
各教員による活発な著作・学会報告がなされており、大阪行岡医療大学には、今後紀要に続々と
論文投稿がなされることを予感させる人材がそろっています。
Publish or perish は、我が恩師の教えです。紀要はそのための発表の場を提供するものと考え
ます。第2号は、その期待に違わない論文が多数掲載されていることを願っています。
3
学 部 長 挨 拶
大阪行岡医療大学医療学部 学部長 行岡 秀和
このたび、紀要第 2 号が刊行され、学部長挨拶を依頼されたことは、身に余る光栄であり、関
係各位に感謝する次第であります。本学は、行岡保健衛生学園創設者の行岡忠雄、現理事長の行
岡正雄、前学長の七川歓次先生(昨年 4 月 21 日逝去)の並々ならぬ情熱で設立され、3 年間が過ぎ、
いよいよ飛躍する時であります。皆様方の更なるご支援をよろしくお願いいたします。
私自身は、一昨年本学に採用され、救急医学を担当しております。また、昨年 4 月に学部長に
就任したばかりです。不行き届きの点も多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。大
阪市立大学で 27 年間教員をしておりましたので、教員歴は長いのですが、その後行岡病院で 10 年
間勤務しているうちに、大学を取り巻く環境も変わりましたので、一から勉強しなければならな
いと思っております。
本学のような医療大学の特徴は、臨床実習があることです。理学療法学の基本的な知識・技能
を修得した後に、病院等で行われる実習は、患者さんと触れ合い、治療効果を目で見ることがで
きる大変有意義な機会と考えます。病院実習に関して、本学の関連病院として行岡医学研究会行
岡病院があります。学園と病院は車の両輪のごとく発展してまいりました。行岡医学研究会とい
う名称は、一般病院といえども学問を忘れてはいけないという戒めであると理解しております。
行岡病院と大阪行岡医療大学の連携を強めることが、重要であると考えております。
私は、理学療法学を体系的に学んだ経験はありませんが、専門分野が、麻酔科学、集中治療医学、
救急医学である関係から、他職種の方々と協力して仕事を行うことが多く、ICU で、食道癌術後
患者の呼吸理学療法を理学療法士と共同研究したことがあります。この時、理学療法の力を認識
しました。臨床医学・医療における理学療法学は今後ますます重要になると確信しております。
私は、救急、呼吸・循環不全の診療が得意ですが、この分野は理学療法士にとっても、極めて
重要な領域です。患者さんと接する機会の多い理学療法士は、リハビリテーション中、心肺停止
のような重篤な状況だけでなく、意識低下、呼吸困難、ショックのような事態に遭遇する機会が
多いと考えられます。普段から、突然の変化に対応できるように、知識・技能を身に付け、医師・
看護師等の他の職種との迅速な連携のもとに、患者さんの安全第一の医療を実践することが何よ
りも重要であります。
来年には、本学として初めての卒業生を送り出します。われわれ教員は、社会の役に立つ優れ
た理学療法士を輩出すべく、最大の努力をしなければなりません。また、第1期生の頑張りが、
組織(大学)の将来を決めるとも言われております。理学療法士、理学療法学の素晴らしい未来
のために教員・学生ともども、一歩一歩前進することが大切です。
5
七川 歓次先生を偲んで
七川 歓次先生 足跡
~御略歴~
大正 9 年 9 月 9 日
徳島県に生まれる
昭和 19 年
大阪帝国大学医学部 卒業
昭和 26 年
大阪大学医学部整形外科 助教授に就任
昭和 33 年
パリ大学コシャン病院に留学
昭和 52 年
滋賀医科大学整形外科学講座 初代教授に就任
昭和 61 年
滋賀医科大学 名誉教授…
医療法人行岡医学研究会行岡病院 院長に就任
平成 5 年
同 行岡病院名誉院長
平成 24 年
大阪行岡医療大学 初代学長に就任
平成 26 年
同 大学 名誉学長
平成 26 年
虚血性心疾患により永眠
~御功績~
昭和 52 年
フランス政府教育功労賞シェバリエ章…
パリ大学デカルト章
昭和 56 年
リウマチ協会賞
平成 11 年
第 2 回柏崎リウマチ協会賞
平成 26 年
瑞宝小綬章
フランスリウマチ学会名誉会員
7
前学長 七川 歓次先生を偲ぶ
七川歓次先生は平成二十六年四月二十一日二十三時二分に虚血性心疾患にて永眠なさいました。昨年の正月
に肺炎で入院され独歩可能にまで軽快しておられたので残念でなりません。四月二十四日にお葬式が行われま
したが、その時読ませて頂きました弔辞をそのまま紀要に掲載させて頂き、追悼の文章とさせて頂けたらと思
います。
弔辞
七川先生の御生前の御遺徳を偲び、最後の御勤務先となりました大阪行岡医療大学を代表いたしまして、謹
んで哀悼の辞を捧げます。
先生は昭和十九年大阪大学医学部を卒業された後、整形外科教室に入局され、その後昭和二十六年には助教授、
昭和五十二年には滋賀医科大学整形外科教授に就任され生涯にわたり一貫してリウマチ学の臨床研修に邁進さ
れた日本を代表するリウマチ医の一人であられます。
七川先生と私の出会いは私が大阪大学整形外科に入局させていただきました昭和四十九年にさかのぼります。
その時先生は助教授として御活躍されておられました。この頃リウマチ外来では薬の処方箋書きに人手を要し、
私はよく先生に呼ばれて処方箋書きを手伝っておりました。
一年が過ぎ大学病院より市中病院に移動した後、突然先生よりお電話をいただき、聞けば大学病院時代に診
た患者さんのデータをまとめて手の外科学会で発表するようにとの事で、優秀な人材の多い大学で、出来の悪
い私のことを覚えていて下さっていたことに感激したことを今でも有難く思っております。鹿児島で開催され
たその学会では同じ旅館に泊まって酒を酌みかわし、ご高名な先生であることを全く意識せず、先生のお人柄
にすっかり魅了されてしまいました。
同じ年で後に大阪大学教授になられた越智先生が韓国での国際学会に三十名前後のツアーを組んでいく予定
を組まれ、交通公社の窓口を私が仰せつかわることになりました。しかしその団長の越智先生が急病で入院な
さり、参加人数が減少し困ってしまった私の頼みを快く引き受けていただいた先生の懐の深さを今も忘れるこ
とは出来ません。韓国での学会は結局四人で行くこととなりましたが、大変楽しい旅となりました。学会をそっ
ちのけで観光をしていた私はお金を使い果たしてしまい婚約者に買うみやげ代もなくなり、学会場で先生を探
して借金をお願いし無事帰国致しましたことが、若い頃の懐かしい思い出として今も残っております。
そんな御縁で教授を退官後、行岡病院の院長をお願い致しました。大学しか勤務の経験のない七川先生にお
かれましては野戦病院に近い民間の救急病院はさぞ驚かれたことでしょうが、先生は大学時代と変ること無く
ふるまわれ、行岡病院での回診はかなり厳しい大学教授の回診そのもので、若手の医師を症例研究会や学会発
表と叱咤激励されておられました。この時先生が育てられた若手の医師は今も各方面で活躍されておられます。
さらに社会活動は大学時代と同様に活動され多くの研究会、研修会を立ち上げられました。その中で十二月に
行われる中之島リウマチセミナーは毎年三百人前後の医師が集まる研修会に育っており、我々リウマチを扱う
医師にとりましては一年の終わりを告げる大イベントに成長しております。その二十周年記念の懇親会で九十
齢を超えられた先生に、私は「先生、学問で悟られたのと違いますか?」と問いかけました。それは意識せず
突然出た言葉でした。それに対して先生は「あんたなあ、悟りを開いたらこんなことしてへんで」と答えられ
ましたが、学問に終着点がないことを、身をもって教えられた様で今も心に残っております。
本日より日本リウマチ学会が始まっております。その中で先生が主催されておられる日本脊椎関節炎学会の
理事会が東京で開催されております。昨年同時期に京都の国際会議場で開かれた同理事会に出席する途中、先
生は転倒され入院されました。その時出席できないことを大変残念がっておられましたが、先生の育てられた
多くの先生が頑張っておられますので御安心下さい。又、私自身にとりましては、先生と夢見ておりました臨
床研究のできる大学院の設置はまだ道半ばでございますが、先生から受け継ぎました御教訓を生かして学園・
病院の発展に粉骨努力することが先生の御恩に報いる唯一の道であると信ずるものであります。この事を改め
てお誓い申し上げます。
又、このたび偶然にも先生の最期をこの四月より兵庫医大の研修医として働いている私の愚息が、その救命
センターで看取らせていただいたようです。このことも先生との深い御縁を感じずにはおられません。
先生、長い間どうもありがとうございました。心安らかに御永眠ください。
平成27年1月10日
学校法人行岡保健衛生学園
理事長 行岡 正雄
9
認知症者の示す不可解な言動の意味
-自己認識と世界を切り分けることばの本質的な働きからの理解-
横井輝夫
大阪行岡医療大学 医療学部 理学療法学科
The Meaning of the Puzzling Words and Deeds of Dementia Patients
–Understanding Dementia Patients from the Perspective of Self-Awareness and Language–
Teruo Yokoi
Osaka Yukioka College of Health Science, Department of Physical Therapy, Faculty of Health Science
1-1-41 Sojiji, Ibaraki, Osaka, 567-0801 JAPAN
要 旨
認知症の本質は自己認識の希薄化である。認知症者は自己認識の希薄化に伴い、自己と他者の行動の背景に
ある心(意図、思考、信念、欲求、情動、好みなど)を推定できなくなり、次に自己の今の状況を評価できな
くなる。そして自己と自己以外のものとの心理的境界が曖昧になり、ほぼ同時期に生じることばの喪失に伴っ
て混乱(confusion)から混沌(chaos)の世界に入っていく。この過程で不可解な言動が生まれ、消えていく。
以上のことについて、我々の自己認識モデルとことばの本質的働き(世界を切り分ける)から論じた。
Key Words : 認知症、不可解な言動、自己認識、ことば
Dementia, Puzzling Words and Deeds, Self-Awareness, Language
Abstract
The essence of dementia is a condition in which self-awareness diminishes. Following this decline, dementia patients
become incapable of inferring their psychological states(intention, thought, belief, desire, emotion, preference, etc.)that
exist as the background of behavior of themselves and others. Next, they become unable to evaluate conditions of the self.
Furthermore, the psychological border between self and non-self becomes ambiguous, and dementia patients go into a
chaotic state through confusion which results in the loss of words. In this process, dementia patients demonstrate puzzling
words and deeds. This article argues this process from the perspective of our self-awareness model and the language
operation that divides and distinguishes the world.
〒 567-0801 大阪府茨木市総持寺1丁目1番 41 号
11
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
1.認知症の本質
3.認知症者の不可解な言動を捉える視点
認知症とは、一度獲得された知が脳の障害によっ
人間の「知」が複雑な人間関係に適応するために
て、全般的、継続的に低下し、独力では社会生活や
発達したのであれば、「知」の低下は、複雑な人間
日常生活が営めなくなる状態である。
関係に適応する能力を奪っていく。複雑な人間関係
これまで知が低下した認知症者の不可解な言動に
に適応するために発達した「知」が低下する認知症
ついては、個々の認知能力障害(記憶障害、失語、
の本質は、自我 5)・自己認識の希薄化である。
失行、失認、意欲低下、注意障害、情動障害、判断
そうであるならば、認知症者の不可解な言動を理
障害、遂行機能障害)から説明されてきた。しかし、
解するためには、自我・自己認識の希薄化に伴う人
それだけでは説明できない。住所や電話番号が言え
間関係への適応の障害の視点からアプローチしなけ
る認知症者が、道に迷い、家に帰ることができない
ればならない。
1)
場合があるが、記憶障害では説明がつかない 。
自我概念は研究者により大きく異なるため、本論
食べ物ではないものを口に入れる人がいる。判断
では自己認識概念を用いた。
障害なのか。それでは説明にはならない。なぜ判断
4.‌‌認知症者の不可解な言動を解釈するモデル
できないのかが問題なのである。それでは失認なの
(自己認識モデル)
か。失認とは、感覚障害や知的低下に原因を求める
ことができない対象認知の障害であり、かつ他の感
覚を用いれば対象を認知できる病態
2)
そこで、まず乳幼児が複雑な人間関係に適応する
過程を発達心理学者のマイケル・ルイスの認知と情
である。食べ
物ではないものを口に入れる現象は、知的低下が相
動の発達モデル 9)~ 11)とパーナーら 12)の「心の理論」
当進んでから起こり、失認では説明できない。
から構成(図1)した。そしてその逆の過程が、認
手づかみで食べ、皿をなめるなど食事マナーが崩
知症者が複雑な人間関係に適応できなくなるそれで
れる人がいる。失行のため、はしやスプーンを上手
あると捉え、「認知症者の不可解な言動を解釈する
く使えないのか。失行とは、運動器官に麻痺や失調
モデル」
(以下、自己認識モデル)
(表1)を作成し、
などがなく、理解などに明らかな異常がないのに、
目的を持った運動を行えない病態
3)
我々は認知症者の様々な生活上の障害を論じてきた
13)~ 18)
。
である。食事マ
ナーの崩壊も知的低下が相当進んでから起こり、失
ルイス 9)~ 11)
(図1)によれば、人間は “充足” “興
行から説明することには無理がある。
味・関心” “苦痛” の情動をもって誕生し、母親など
繰り返すが、認知症の不可解な言動を個々の認知能
他者とのかかわりの中で “喜び” “驚き” “怒り” など
力障害からだけでは説明できない。認知症とは、単独
の情動が分岐し発達する。1 歳半ぐらいになると、
のカテゴリーの認知能力のみが障害されているわけで
自己の存在に気づき、自己と他者を区別する「自己
4)
はなく、認知能力の全般的な障害である 。つまり認
意識」が芽生え、“てれ” や “共感” の情動が発達する。
5)
2 歳半から 3 歳になると、自己が生きる社会のルー
知症の本質は、自我 ・自己認識の希薄化なのである。
ルや基準を理解し、それらに照らし合わせて自己の
2. 知の進化
思考や情動、行為が良いのか悪いのかを判断する「自
現在の進化論では、人間の「知」は、複雑な人間
己評価」の機能を獲得し、自己意識評価関連情動で
関係に適応するために進化したとするマキャベリ的
ある “恥” や “罪” の情動が発達する。そして4歳
知性仮説(社会的知性仮説)6)、7) が定説になって
になると、自己や他者の行動の背景にある直接観察
きている。その根拠は、脳全体に占める大脳新皮質
できない心理的な状態(意図、思考、信念、欲求、
の相対的割合とヒトの集団サイズとの間に高い相関
情動、好みなど)を推定する能力である「心の理論」
8)
関係が認められたことである(社会脳仮説) 。つ
を獲得し始める。換言すれば、乳幼児は「自己意識」
まり、集団サイズが大きくなるに伴い、その集団内
の芽生えによって自己の存在に気づき、他者と自己
での複雑な人間関係に適応するために、大脳新皮質
を区別し、「自己評価」によって自己が生きる社会
が増大したと考えられている。
のルールに適応する準備がはじまり、「心の理論」
12
横井輝夫
認知症者の示す不可解な言動の意味
によって自己と他者の心を推定し、不特定多数の
1)「心の理論」の有無の評価
人々との人間関係に適応していく。このように自己
評価者と対象者がテーブルに向かい合って座り、
認識の発達は、乳幼児が複雑な人間関係に適応して
評価者は対象者に対し、パーナーら 12) の「誤信念
いく基盤なのである。
課題」を無藤 19) が描いた図をより分かりやすくし
この自己認識モデルでは、
「心の理論」
「自己評価」
た 4 枚の絵カード(図2)を見せる。そして、対象
「自己意識」の有無を以下の方法で評価する。
者の注意がカードに向いた状態を確認した後、それ
ぞれの場面について評価者が指でカードを指し示し
原初的情動
充足
興味・関心
苦痛
喜び
驚き
悲しみ,嫌悪
ながら、図2の表示内容を丁寧に対象者に説明する。
回答が曖昧な場合は、説明を繰り返す。丸い箱と答
えた場合、「心の理論」有りとなる。
誕生∼生後6カ月
太郎
花子
怒り,恐れ
自己意識:他者と自己を
区別する能力
場面 1
1歳後半
場面 2
てれ
羨望
自己評価:
自己の行動を
社会の基準に
照らし合わせ
る能力
共感
場面 3
場面 4
図 2 「心の理論」課題
場面1‌「‌太郎と花子の前に丸い箱と四角い箱があります.丸い
箱には,まんじゅうが入っています」
場面2「太郎が部屋を出ます」
場面3「‌その間に花子がまんじゅうを丸い箱から四角い箱に移
しました」
場面4「‌太郎が戻ってきました.太郎は丸い箱と四角い箱のど
ちらにまんじゅうが入っていると思っていますか」
2歳半∼3歳
誇り
恥
罪
横井輝夫 , 岡村 仁:認知症の BPSD の解釈モデルについての検討 .
老年精神医学雑誌 19(9): 1001, 図 3, 2008. より改変引用
心の理論:
他者と自己の
心の状態を推
定する能力
2)「自己評価」の有無の評価
4歳∼
評価者と対象者がテーブルに向かい合って座り、
評価者が対象者に対し、我々が作成した日本社会の
基本的なルールや基準の理解を評価する 4 組の絵
図 1 乳幼児が人間関係に適応する過程
(ルイスの認知と情動の相互発達モデルとパーナーらの心の理
論から構成)
カード(図3)を一組ずつ見せる。そして、対象者
の注意がカードに向いた状態を確認した後、絵カー
横井輝夫 , 岡村 仁:認知症の BPSD の解釈モデルについての検討 .
老年精神医学雑誌 19(9): 998, 図 1, 2008. より改変引用
ドの内容を丁寧に説明する。○○には対象者の名前
を入れ、女性には女性の絵が描かれている同じ場面
表 1 認知症患者の不可解な言動を解釈するモデル(自己認識モデル)
のカードを用いる。回答が曖昧な場合は、説明を繰
自己や他者の行動の背景にある直接観察できない心理的な
状態(意図、思考、信念、欲求、情動、好みなど)を推定する能
力である「心の理論」の機能が失われると、自己や他者の意図
や思考、信念、欲求などが分からなくなる。
「自己評価」の機
能を失うと、自己の状況が分からなくなり、“恥” や “罪” の情
動を失い、社会の基準に反する行為をとることに抵抗がなく
なる。
「自己意識」の機能を失う、つまり自己と他者の心理的
な境界が曖昧になると、“てれ”や“共感”などの情動を失い、“充
足”“興味・関心”“悲しみ”“怒り” など原初的情動のみで行動す
るようになる。
り返す。4 課題すべて正解の場合に「自己評価」有
りとなる。
ルイス 9)、10)によれば、「自己評価」能力は 2 歳半
~ 3 歳で獲得されるため、あらかじめ幼児をモデル
にした同様の絵カードを用い、保育園児を対象に、
この課題が 2 歳 11 か月から大多数の子どもが通過で
きる適切なものであることを確認している。
13
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
3)「自己意識」の有無の評価
自他の認識の核であり、各人の実態を指し示すシ
ンボルである本人の名前(姓と名)20)、他者の名前、
および「あー」という無意味な音を対象者の後方か
課題 1
ら発し、返事または振り向きの有無で確認する。反
応が曖昧な場合は、繰り返す。本人の名前に対して
のみ返事または振り向きがみられた場合に、「自己
意識」有りとなる。
課題 2
5.‌認知症者の不可解な言動と自己認識モデル
からの解釈
表213) に示したように、項目としては同じ不可
解 な 言 動( こ こ で は Behavioral and Psychological
課題 3
Symptoms of Dementia: BPSD)が、自己認識のレ
ベルでその様態が異なる場合がある。つまり認知症
者の不可解な言動の実体は、認知症者の実際の生活
場面を観察しなければ理解できない。
課題 4
ここでは、5名の徘徊を中心とした実際の生活場
図 3 「自己評価」課題
課題1「‌○○さんは,便所のあと手を洗っています」
「○○さん
は,便所のあと手を洗いません.どちらがいいですか」
課題2「‌○○さんは,お友達とけんかをしています」
「○○さん
は,お友達と仲良くしています.どちらがいいですか」
課題3「‌○○さんは,皆の前では服を着ています」
「○○さんは,
皆の前で裸です.どちらがいいですか」
課題4「‌○○さんは,立って食べています」
「○○さんは,座っ
て食べています.どちらがいいですか」
面とその場面に対する自己認識モデルからの解釈 14)
を例示した。
1)‌
「心の理論」課題は未通過で「自己評価」課
題通過
事例1 ‌80 歳代女性、アルツハイマー型認知症、
横井輝夫 , 岡村 仁:認知症の BPSD の解釈モデルについての検討 .
老年精神医学雑誌 19(9): 1000, 図 2, 2008. より改変引用
Clinical Dementia Rating:重度
表 2 自己認識の各段階で質的相違が認められた BPSD の一覧
心理症状
不安
焦燥
猜疑心
心気妄想,被害妄想
抑うつ
意欲低下
行動症状
言葉での性的脱抑制
収集癖
暴言
同じ訴えを繰り返す
同じことを聞く
暴力
介護拒絶
落ち着きのない行動
徘徊
人前で服を脱ぐ
放尿・放便
弄便
「心の理論」課題通過
「自己評価」課題通過
「自己意識」課題通過
○
○
○
○
○
□
○
○
○
「自己意識」課題未通過
○
○
○
□
○
○
○
○
○
○
○
□
□
□
□
□
○
○
▽
▽
▽
□
□
○
○
○□▽の記号は,BPSD の質的相違を示している
横井輝夫,岡村 仁:認知症の BPSD の解釈モデルについての検討.老年精神医学雑誌 19(9)
:1003,表2,2008. より改変引用
14
横井輝夫
認知症者の示す不可解な言動の意味
人々の心を誤解しているように、他者の心(意図、
場面1:‌徘徊をしながら「どこへ行けばいいか分か
らん、連れてって」と通りすがりの自分と
思考など)を正しくは推定できなくなっている。ま
同じように徘徊をしていた重度の認知症者
た、徘徊しながら「どこへ行けばいいか分からん、
に話しかけ、その認知症者の手を握り、一
連れてって」(場面1)と通りすがりの重度の認知
緒に徘徊を始めた。
症者に話しかけているように、どこかへ行きたいと
いう思いはあるが、自分が何をするために(目的)、
場面2:‌隣で寄り添って歩いていた筆者に「みんな
どこへ行きたいのかを認識できなくなっている。
遊んで歩いていると思っている」と悲しそ
うな表情で、ぽつりといった。
2)‌
「自己評価」課題は未通過で「自己意識」課
場面3:‌話の途中、しばしば手で顔を覆い「わあー、
題通過
わからんわ、どうしたらええの」と泣くよ
事例2 ‌70 歳代女性、アルツハイマー型認知症、
うな表情をした。
Clinical Dementia Rating:重度
場面4:‌筆者と話している時、
「私、何にも知らん
のに寄せてもろて、
・・・あんたら大きいな、
場面1:‌早足で徘徊する事例 3 の1メートル程後方に
私ら小さい」と話し、しばらくすると窓の
ついて徘徊している場面がよく見られた。
外の山を指でさして「あんたら大きい山、
場面2:‌一人で徘徊している時、筆者が前方にいる
私ら小せえ山」と言った。
と笑顔で近づいてくることもあれば、沈ん
場面5:‌筆者に「あんた私より上、下」と繰り返し
だような表情で、下を向いて通りすぎるこ
尋ねた。また、他の入所者を見ながら「あ
ともあった。
の人上かな、下かな、下やったらええのに、
場面3:‌食堂の椅子から突然立ち上がり、
「ごめんね、
上やったらあかん、
なさけないわ」と言った。
ちょっと行ってくるわ、まっといてね」と
場面6:‌毎晩トイレのために居室から出てくるが、
言い残して、いつものように廊下を徘徊し
職員の介助でトイレを済ませた後、職員が
ていた。
居室に案内すると徘徊をせず朝まで休んだ。
場面4:夜間も居室や廊下を徘徊していた。
場面5:‌夜間だけでなく、日中もときどき居室の床
自己認識モデルからの解釈
に放尿していた。
事例 1 は、筆者に「みんな遊んで歩いていると思っ
ている」
(場面2)と悲しそうな表情で、
ぽつりといっ
事例3 ‌60 歳代女性、アルツハイマー型認知症、
た。この言葉は、本事例が徘徊している自己の状況
Clinical Dementia Rating:重度
場面1:‌筆者が前方で立っていたが、振り向きもせ
に気づいていることを示している。知的機能が低下
ず通り過ぎることが多かった。
している自己の状況に気づいている事実は、徘徊以
場面2:‌下を向いて無表情で廊下を早足で歩き、
時々
外の場面でもよくみられる。手で顔を覆い「わあー、
わからんわ、どうしたらええの」と泣くような言動
廊下沿いにある他の入所者の居室やトイレ
(場面3)、窓の外の山を指でさして「あんたら大き
に入った。しかし、特に何をするわけでも
い山、私ら小せえ山」と言い(場面4)、他の入所
なく、居室内をうろうろした後、再び廊下
者を見ながら「あの人上かな、下かな、下やったら
を徘徊していた。
ええのに、上やったらあかん、なさけないわ」と繰
場面3:‌徘徊中、事例2が1メートル程後方につい
り返す言葉(場面5)によく表れている。図 1・表 1
て徘徊していたが、振り返ることはなかっ
に示されているように、自己評価が可能な者では、
た。
誇りや恥の情動が保持されている。このような焦燥
場面4:‌同じテーブルの他の入所者の話にうなずい
を伴う混乱した言動や劣等感を示す言葉は、誇りや
ていた時、突然徘徊が始まった。
恥の情動を保ちながら、知的機能が低下している自
場面5:夜間も居室や廊下を徘徊していた。
己の状況を自己評価できなければ起こり得ない。し
場面6:‌食事の時、箸を持たせると使うことはでき
たが、すぐに手づかみで食べはじめた。
かし、遊んで歩いていると思われている、と周りの
15
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
場面7:‌夜間だけでなく、日中も時々居室の床や廊
目を気にしない行動によく現れている。例えば、日
下の端に放尿していた。
中居室の床に放尿する行動(事例2の場面5)、手
づかみで食べる行動(事例3の場面6)、日中居室
事例4 ‌80 歳代女性、アルツハイマー型認知症、
の床や廊下の端に放尿する行動(事例3の場面7)、
Clinical Dementia Rating:重度
床に寝転ぶ行動(事例4の場面3)、他の入所者が
場面1:‌歩行が不安定で、
廊下の手すりを持ってゆっ
いる食堂で服を脱ぐ行動(事例4の場面4)、手づ
くり徘徊していた。徘徊中、他の入所者の
かみで食べ、皿をなめる行動(事例4の場面5)、
居室に入るが、そこで何をするわけでもな
日中廊下や居室で放尿や放便をする行動(事例4の
く、しばらくすると廊下に戻り、再び手す
場面6、事例5の場面6)である。
りを持って歩いていた。
また、「自己評価」課題を通過できなかった認知
場面2:夜間も居室内や廊下を徘徊していた。
症者では、徘徊に目的がみられない。例えば事例2
場面3:時々床に寝転んでいた。
では、早足で徘徊する事例 3 の1メートル程後方に
場面4:他の入所者のいる食堂で服を脱いでいた。
ついて徘徊している(場面1)。つまり自己の意思
場面5:‌スプーンを逆さに持って食べていたが、途
ではないものに動かされている。事例3では、下を
中から手づかみで食べはじめ、皿をなめて
向いて無表情で廊下を早足で徘徊し、廊下沿いにあ
いた。
る他の入所者の居室やトイレに入り、何をするわけ
場面6:‌夜間だけでなく、日中も廊下や居室で放尿
でもなくうろうろしている(場面2)。事例4も徘
や放便をしていた。
徊中、他の入所者の居室に入り、そこで何をするわ
けでもない(場面1)。事例5では、徘徊中に配膳
3)
「自己意識」課題未通過
場に入り、配膳場から出るように職員が肩を持って
事例5 ‌80 歳代女性、アルツハイマー型認知症、
方向を変えるが抵抗もせず、意思がないかのように
Clinical Dementia Rating:重度
向けられた方向に歩きだした(場面4)。一方、事
例2では、食堂の椅子から突然立ち上がり、「ごめ
場面1:‌徘徊中、前方で筆者が立っていると、見向
んね、ちょっと行ってくるわ、まっといてね」と言
きもせず、通り過ぎてゆくことが多かった。
い残し、廊下を徘徊し始めた(場面3)。この言動
場面2:‌トイレットペーパーや布団を抱えて徘徊し
には一見目的があるように見えるが、徘徊が始まる
ている場面がよくみられた。
場面3:‌徘徊中、廊下の手すりを押したり引いたり
とその様子はいつもと同じであった。ところで、
我々
する無目的と思える行動を繰り返してい
も他者と話をしている時、その話と関係のない表象
た。
が浮かぶことがある。しかし、我々は現在という時
場面4:‌徘徊中に配膳場に入ってきたが、配膳場か
間の外に立って自己を振り返る能力(自己認識)を
ら出るように職員が肩を持って方向を変え
持っているため、過去や未来の表象を時間軸に位置
ると、抵抗もせず、意思がないかのように
づけることができる 21)。その結果、過去や未来の表
その方向に歩きだした。
象によって行動が引き起こされることはない。しか
場面5:‌夜間も居室内や廊下を徘徊していた。
し、自己認識を喪失し、時間意識を失うと、表象を
場面6:‌夜間だけでなく、日中も居室や廊下で放尿
時間軸に位置づけることができない。「ごめんね、
や放便をしていた。
ちょっと行ってくるわ、まっといてね」と言い残し、
廊下を徘徊し始めた、この突然の言動は、表象を時
自己認識モデルからの解釈
間軸に位置づけられず、過去や未来の表象が引き金
「自己意識」課題未通過者も含め「自己評価」課
になって生じたと考えられる。しかし、その表象は
題を通過できなかった事例 2、事例 3、事例 4、事例
すぐに消えてしまい、いつもの徘徊になる。この「自
5 は、徘徊時のみではなく、その他の生活場面にお
己評価」課題未通過者は全員、夜間も徘徊していた
いても自己の状況への気づきはほとんどなく、誇り
が、このことは時間意識の喪失の実態をよく表して
や恥の情動もほぼ喪失している。そのことは他者の
いる。
16
横井輝夫
認知症者の示す不可解な言動の意味
3)‌there and then の世界から here and now の
6.ことばの喪失に伴って変わりゆく世界
世界に生きる
自己認識の低下と共にことばを失っていく。自己認
現在という時間の外に立って自己を振り返る能力
識にことばの本質的な働きの視点を加えることで、認
(自己認識)を失うと、時間を意識できなくなる 21)。
知症者の生きている世界が、さらに見えてくる。
つまり自己認識の希薄化に伴い、表象した出来事を
時間軸に位置づけることができなくなり、過去の出
1)ことばの本質的な働き 来事を今ここのこととして行動することになる。
ことばの本質的な働きは、世界を切り分けること
時間もことばが作り出した世界であると考えられ
。空に浮かぶ、常に形を変え、決して
ている。時間論を研究する哲学者中島 26) は、風呂
同じではあり得ない、あのもぐもぐしたものを雲と
からあがりビールを飲みながら「ああ、いい湯だっ
名づけた瞬間、空から雲が切り分けられ、我々の前
た」と呟く時、風呂に入っていた一続きの〈今〉は、
に雲が現れた。四つ這いで歩き、長さの異なるしっ
その時一挙に過去として出現するという。哲学者大
ぽをもち、形の異なる鼻をもつ、わんわん吠える動
森 27) も、過去は、人間が言語的に制作した物語に
物を犬と名づけた瞬間、四つ這いで歩く多くの動物
ほかならないという。そうであるならば、ことばを
から犬が切り分けられ、我々の前に犬が現れた。見
失うと、時間を意識できなくなる。
えないが、これがなければ生きられない物質を空気
ことばは表象である。知覚に基づいて意識に現れ
と名づけた瞬間、空間に存在する物質から空気が切
る外的対象の像である表象 28) を用いて、我々は時
り分けられ、我々の前に空気が現れた。人間を超え
空を超えて生きる。子どもの時のあの夏(there and
た何ものかが存在しそうだ。その何ものかを神と名
then)に生きることができるのは、そして 10 年後の
づけた瞬間、人間や自然から神が切り分けられ、我々
未来にさえ生きることができるのは、すべて表象の
の前に神が現れた。聖書(ヨハネによる福音書 第
働きである。ことばを失うと時空を超えることがで
である
22)23)
24)
1章) にも「初めに言があった。言は神と共にあっ
きず、今ここ(here and now)の世界に閉じ込めら
た。言は神であった。この言は初めに神と共にあっ
れる。それは世界を認識する手段が、自己の身体か
た。すべてのものは、これによってできた」と記さ
ら自由になれない視覚や聴覚などの感覚に限定され
れている。情動もそうである。悲しいということば
るからである。
を獲得したから、今、私は悲しいのだと意識できる。
悲しいということばがなければ、今出現している情
4)混乱から混沌の世界に生きる
動反応(涙が出る、体が震える)を悲しいからだと
表2に示したように、
「心の理論」を失いながら「自
は認識できない。
己評価」能力が保たれている段階が、BPSD の出現
が最も多い。これは、自己の状況をある程度理解し
2)ことばが作り出す痛み ながら、自己と他者の心(意図、思考、信念、欲求、
認知症者では、下肢を骨折しながら歩く人がいる。
情動、好みなど)を推測できず、混乱するからである。
痛みもことばが作り出した世界である。人は身体の
そして「自己評価」能力を失う頃からことばの喪失
不快な知覚を、だるい、重い、苦しい、痛いなどの
が顕著になり、ことばの喪失と共に混乱の世界から
ことばに切り分けた。これらのことばを持つ前は、
混沌の世界に入っていく。広辞苑 29) によれば、混
ただ連続した感覚だけがあった。
「あの不快な知覚
沌とは、①天地開闢(かいびゃく)の初め、天地の
を様々な感覚モダリティから切り分け、痛みと名づ
まだ分かれなかった状態、②物事の区別、なりゆき
けたとき、人は痛みを知ったのだ。つまり痛いと言
のはっきりしないさま、である。つまり世界を切り
うから痛いのだ。痛覚があるから痛いのではない。
分けていない状態である。アルツハイマー病者であ
25)
。もし痛
る ク リ ス テ ィ ー ン・ ボ ー デ ン 30)、31) は、 混 乱
いということばを失うと、主観的な体験としての痛
(confusion)と混沌(chaos)の世界を行き来する自
みは消失し、生理的な反応だけが残る。その結果、
己の様子を「時として混沌となる私の生活」と表現
下肢を骨折しながら歩くことができる。
している。
痛覚もことばが作り出した概念である」
17
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
文 献
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18
持久運動が 2 型糖尿病ラットのヒラメ筋内微小血管障害と
酸化的リン酸化反応に及ぼす影響
森藤 武※、村上慎一郎※※、藤野英己※
大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科
※神戸大学大学院保健学研究科
※※姫路獨協大学医療保健学部理学療法学科
Effects of endurance exercise training on microangiopathy and oxidative
phosphorylation in soleus muscle of type 2 diabetic rats
Takeshi Morifuji ※ , Shinichiro Murakami※※, Hidemi Fujino※
Department of Physical Therapy, Osaka Yukioka College of Health Science
of Rehabilitation Science, Kobe University Graduate School of Health Sciences
※※ Department of Physical Therapy, Himeji Dokkyo University
※ Department
要 旨
2型糖尿病モデル動物に持久運動を実施し、
遅筋であるヒラメ筋の微小血管障害に対する予防効果を検証した。
SDT ラット(11 週齢)を非運動群(DB)と運動群(DBEx)に区分し、対照群(Con)として同週齢の SD ラッ
トを用いた。DBEx 群には低強度トレッドミル走行を 14 週間実施した。25 週齢でヒラメ筋を摘出し、毛細血管
筋線維比(C/F 比)と酸化的リン酸化反応の指標であるコハク酸脱水酵素(SDH)活性を測定した。その結果、
DB 群の C/F 比は Con 群と比較して有意に低値を示した。一方、DBEx 群は DB 群と比べて有意に高値を示し、
Con 群との間に有意差を認めなかった。SDH 活性では、DBEx 群は Con 群と DB 群と比較して有意に高値を示
したが、Con 群と DB 群の間には有意差を認めなかった。持久運動はヒラメ筋の酸化的リン酸化反応を上昇する
ことにより微小血管障害を予防することが示唆された。
Key Words :2 型糖尿病、持久運動、骨格筋、微小血管障害、酸化的リン酸化反応
type 2 diabetes, endurance exercise training, skeletal muscle, microangiopathy, oxidative phosphorylation
Abstract
The purpose of this study was to examine whether endurance exercise training can prevent microangiopathy of soleus
muscle in rats with type 2 diabetes and if succinate dehydrogenase(SDH)activity is involved in the prevention of
microangiopathy. Eleven-week-old male SDT rats and age-matched male SD rats(control group;Con)were used. SDT
rats were randomly assigned to non-exercise(DB)and exercise(DBEx)groups. The DBEx group was trained on a
treadmill running for 14 weeks. The capillary-to-fiber(C/F)ratio of the DB group was significantly lower than that of the
Con group, whereas C/F ratio of the DBEx group was significantly higher than that of the DB group. In addition, SDH
activity was significantly higher in the DBEx group than in the Con and DB groups. Microangiopathy of soleus muscles in
type 2 diabetes was prevented by endurance exercise training. Furthermore, oxidative phosphorylation appears to be
involved in exercise-induced prevention of microangiopathy.
〒 567-0801 大阪府茨木市総持寺 1-1-41
※ 〒 654-0142 神戸市須磨区友が丘 7-10-2
※※〒 670-8524 兵庫県姫路市上大野 7-2-1
19
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
るヒラメ筋の微小血管障害に対する持久運動の予防
緒言
効果を検証することとした。さらに、運動が骨格筋
の毛細血管網を誘導する場合、ミトコンドリアにお
近年、食生活や運動習慣などライフスタイルの変
1)
化により、
2型糖尿病は世界中で急激に増加している 。
ける酸化系酵素の活性化が毛細血管網の増加に先行
糖尿病では微小血管および大血管障害により惹起さ
して出現すると報告されているため 17)、酸化的リン
れる重篤な合併症が問題となるため、血糖の上昇予
酸化反応の指標であるコハク酸脱水酵素(succinate
防に加え、血管障害を予防する必要がある。糖尿病
dehydrogenase; SDH)活性 16)、18) の関与も合わせ
の骨格筋では毛細血管数の減少が出現し 2)、3)、下肢
て検証した。
4)
の血管障害は重篤になると下肢切断に繋がる 。さ
対象及び方法
らに、インスリン感受性は骨格筋における毛細血管
密度と強く相関すると報告されており 5)、糖尿病の
1.実験動物
骨格筋内微小血管障害を予防することは重要である。
全ての実験は神戸大学における動物実験に関する
持久運動が骨格筋の毛細血管数を増加することは
指針に従い、動物実験委員会の許可を得たうえで実
広く知られている
6)~ 8)
施した。
。しかし、糖尿病では酸素
9)
運搬能や運動耐用能の低下をきたし 、また、血管
実験動物には 11 週齢の雄性 SDT ラット 10 匹を用
増殖因子である vascular endothelial growth factor
い、 非 運 動 群(DB: n=5) と 運 動 群(DBEx: n=5)
3)、10)
や、ミトコンドリア新生に関与する
に区分した。また、健常なモデルとして同一週齢の
peroxisome-proliferator-activated receptor-gamma
雄性 Sprague-Dawley ラットを用いて対照群(Con:
(VEGF)
11)
coactivator-1 α(PGC-1 α)
n=5)とした。尚、3 群間の給餌量は均等に調整し、
の発現量の減少が報
告されており、持久運動が微小血管に及ぼす影響は
飲水は自由とした。ラットは室温 22 ± 1℃、12 時間
正常な場合と異なる可能性がある。実際、糖尿病の
の明暗周期の環境下で飼育した。
骨格筋内微小血管障害に対する持久運動の効果は意
見が分かれており、効果を認めたとする報告と 12)、
2.運動のプロトコル
効果を認めなかったとする報告 3)、13)がある。以上
DBEx 群には、トレッドミルによる運動を 1 日 1 回、
の様に糖尿病に付随する骨格筋内微小血管障害に対
週に 5 回の頻度で 14 週間実施し、速度 15 m/ 分、継
する持久運動の効果は十分に解明されておらず、持
続時間 60 分間、勾配 0°の運動を負荷した。血中乳
久運動が 2 型糖尿病の進行や微小血管障害を予防で
酸濃度は運動直後に尾静脈より採血し血中乳酸測定
きるかどうか検証することは意義があると考えられ
器(Lactate Pro; Arkray)で測定した結果 2 mmol/
る。そのため、我々は先行研究において、2 型糖尿
dl 以下であり、本実験の運動が有酸素運動であると
病 を 自 然 発 症 す る モ デ ル で あ る Spontaneously
ことを確認した。
Diabetic Torii ラット(SDT ラット)
14)
を使用し、
病期の進行に伴う血糖の上昇と足底筋の微小血管障
3.血液生化学的解析
害に対する継続的な持久運動の予防効果を検証し、
実験終了時の 25 週齢時点で、9 時間以上の絶食後、
その結果、持久運動により血糖の上昇と骨格筋内微
ペントバルビタール(50mg/kg)を腹腔内に投与し、
小血管障害を予防することを確認した
15)
深麻酔下で開腹を行い下大静脈より採血した。採血
。
我々の先行研究では速筋である足底筋を使用した
した全血から小型測定アナライザー(DCA Vantage
が、速筋と遅筋では筋線維タイプ比率が異なるだけ
Analyzer, Siemens) を 用 い て ヘ モ グ ロ ビ ン A1c
でなく、毛細血管比率や形態、代謝活性なども異なっ
(HbA1c)を測定した。また、全血を室温にて 10 分間、
16)
。そのため、2 型糖尿病の進行に伴う微小
3000rpm で遠心分離し血漿を採取後、分析まで-
血管障害が、遅筋においても速筋と同様に惹起され
80℃で凍結保存した。その後解凍した血漿よりムタ
るかどうか、また、微小血管障害が惹起された場合、
ローゼ・GOD 法を用いた検査キット(Glucose CII-
運動により予防できるかどうかは不明である。そこ
Test Wako kit, Wako)を使用して空腹時血糖値を
で、本研究の目的は SDT ラットを使用し遅筋であ
測定した。
ている
20
森藤 武、村上慎一郎、藤野英己
持久運動が 2 型糖尿病ラットのヒラメ筋内微小血管障害と酸化的リン酸化反応に及ぼす影響
4.ヒラメ筋標本の作製、組織染色
結果
採血後にヒラメ筋を摘出し、筋湿重量を測定した。
得られた筋試料はドライアイスで冷却したイソペン
1.体重と筋湿重量
タンで急速凍結し、- 80℃で凍結保存した。凍結し
実験終了時点の 25 週齢の体重において、DB 群は
た 筋 試 料 は ク リ オ ス タ ッ ト(CM1510S, Leica
Con群に比べて有意に低値を示した(p<0.05)。一方、
Microsystems)を使用して 12 μ m 厚に薄切し、横
Con 群と DBEx 群の間には有意差を認めなかった
(表
断切片を作成した。切片にはアルカリフォスファ
1)。
ターゼ(alkaline phosphatase; AP)染色と SDH 染
また、ヒラメ筋の筋湿重量は、Con 群と DB 群の
色を施した。
間には有意差を認めなかったが、DBEx 群は Con 群
AP 染 色 は 4 % paraformaldehyde で 前 固 定 後、
と DB 群に比べて有意に高値を示した(表 1)。
0.02% 5bromo-4-chloro-3-indoxyl phosphate toluidine
salt と 0.1% nitroblue tetrazolium を 加 え た 0.2M
2.HbA1c と空腹時血糖値
borate buffer を用いて 60 分間室温で反応させた。そ
HbA1c において、DB 群は Con 群と比較して有意
の後、切片を 4 % paraformaldehyde で再度固定し、
に高値を示した。一方、DBEx 群の HbA1c は DB 群
アルコールとキシレンにて脱水および透徹を行い、
と比較して有意に低値を示し、Con 群との間に有意
非水溶性の封入剤(Mount quick、Daido Sangyo)
差を認めなかった(表 1)。
を用いて封入し標本を作製した。SDH 染色は 0.05%
同様に空腹時血糖値においても、DB 群は Con 群
nitroblue tetrazolium、0.05M コハク酸ナトリウム、
と比較して有意に高値を示した。しかし、DBEx 群
0.05M リ ン 酸 緩 衝 液 を 混 合 し た 反 応 液 で 45 分 間、
の空腹時血糖値は DB 群と比較して有意に低値を示
37℃で反応させ、脱水および透徹後、封入し標本を
し、Con 群との間に有意差を認めなかった(表 1)。
作製した。
表 1 体重、ヒラメ筋の筋湿重量、HbA1c、空腹時血糖値
5.組織学的解析
AP 染色および SDH 染色を施した標本は、1 標本
当たり 2 箇所の顕微鏡視野を任意に選択し、光学顕
微 鏡(BX-51, Olympus) に 接 続 し た CCD カ メ ラ
(VB-7000, Keyence)を用いて撮影条件を一定にし
* と†はそれぞれ Con 群、DB 群との有意差(P < 0.05)
て、明視野像をパーソナルコンピュータに取り込ん
だ。取り込んだ AP 染色の画像から画像解析ソフト
3.C/F 比と SDH 活性
(image J, NIH)を用いて筋線維あたりの毛細血管
比率(capillary-to-fiber ratio; C/F 比)を算出した。
ヒラメ筋の AP 染色画像から、筋線維周囲に濃染
さらに、SDH 染色を施した画像から単一筋線維ごと
された点として毛細血管が観察される(図 1A-C)。
に光学密度(optical density; OD)を計測し、その
C/F 比は、DB 群では 2.84 ± 0.06 であり、Con 群の 3.25
平均値を SDH 活性値とした。
± 0.07 に比べて有意に低値を示した。一方、DBEx
群の値は 3.48 ± 0.10 であり、DB 群と比較して有意に
6.統計処理
高値を示し、Con 群との間には有意差を認めなかっ
全ての測定値は平均値±標準誤差で表示した。各
た(図 1D)。
群間の比較には一元配置分散分析および Turkey-
SDH染色画像(図2A-C)から算出したSDH活性は、
Kramer の多重比較検定を行い、有意水準は 5 % 未
Con群を100.0±2.9%とした場合、DB群が96.2±3.5%、
満とした。
DBEx ±群が 116.5% ± 3.1% となった。
DBEx 群は Con 群と DB 群と比較して有意に高値を
示したが、Con 群と DB 群の間には有意差を認めな
かった(図 2D)。
21
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
図 2 ヒラメ筋のコハク酸脱水酵素染色画像と
コハク酸脱水酵素活性
図 1 ヒラメ筋のアルカリフォスファターゼ染色画像と
capillary-to-fiber ratio
A:対照群、B:非運動群、C:運動群
濃淡が濃いほど活性が高いことを示している
スケールバーは 50µm D:コハク酸脱水酵素活性
* と†はそれぞれ Con 群、DB 群との有意差(P < 0.05)
A:対照群、B:非運動群、C:運動群
毛細血管は筋線維周囲に濃染されて点在している
スケールバーは 50µm D:Capillary-to-fiber ratio
* と†はそれぞれ Con 群、DB 群との有意差(P < 0.05)
が示す通り高血糖に暴露されていた。高血糖の暴露
考察
は血管増殖因子である VEGF の発現量の減少 3)、10)、
2 型糖尿病の進行に伴い遅筋であるヒラメ筋の毛
ミトコンドリア新生や代謝を促進することで血管新
細血管数は減少し微小血管障害を認めたが、継続的
生に関与する PGC-1 αの発現量の減少 11)、血管内皮
な持久運動によって予防することができた。また、
細 胞 へ の 終 末 糖 化 産 物(advanced glycosylation
持久運動によりヒラメ筋の SDH 活性が上昇してお
end products; AGEs)の蓄積 19) を引き起こすこと
り、微小血管障害の予防には酸化的リン酸化反応の
が報告されており、本研究における DB 群も高血糖
関与が示唆された。
に暴露されており、VEGF や PGC-1 αの発現量の減
我々の先行研究において、2 型糖尿病モデルラッ
少、毛細血管への AGEs の蓄積がヒラメ筋の微小血
トを使用して速筋である足底筋の微小血管障害に対
管障害を惹起したと推察される。
する持久運動の効果を検証したところ、運動を実施
一方、DBEx 群では持久運動により、HbA1c と空
していない SDT ラットの C/F 比は正常モデルと比
腹時血糖値の上昇を予防することがでた。本研究の
較して 23.4% 減少したが、運動を実施した SDT ラッ
DBEx 群のヒラメ筋では SDH 活性の上昇や筋湿重量
トの C/F 比は、運動を実施していない SDT ラット
の増加を認めており、ミトコンドリア代謝能の活性
と比較して 34.4% 増加したことを報告した
15)
。本研
化や骨格筋量の増加が、骨格筋への糖の取り込みを
究において、遅筋であるヒラメ筋の C/F 比は、2 型
促進し、インスリン抵抗性を抑制したことで血糖値
糖尿病モデルである DB 群が正常モデルである Con
の上昇を予防できたと考えられる。また、持久運動
群と比較して 12.6% 減少し有意に低値を示した。し
による PGC-1 αの発現量の増加がミトコンドリア新
か し、 持 久 運 動 を 実 施 し た 糖 尿 病 モ デ ル で あ る
生を促進することが報告されており 20)、本研究にお
DBEx 群は DB 群と比較して 22.5% 増加し有意に高値
いても SDH 活性の上流因子として PGC-1 αが関与
を示した。本研究の結果より、2 型糖尿病の骨格筋
していたと推察される。さらに、持久運動は AMP
内微小血管障害に対する持久運動は、遅筋において
活性化プロテインキナーゼ(AMP-activted protein
も速筋と同様の予防効果が得られることを示すこと
kinase;AMPK)を活性化し、グルコース輸送体であ
ができた。
る GLUT4 の細胞膜への translocate を促進すること
DB 群のヒラメ筋は HbA1c と空腹時血糖値の上昇
が報告されており 21)、本研究の DBEx 群においても、
22
森藤 武、村上慎一郎、藤野英己
持久運動が 2 型糖尿病ラットのヒラメ筋内微小血管障害と酸化的リン酸化反応に及ぼす影響
同様の機序が働きインスリン抵抗性の出現を予防し
参 考 文 献
たことも推察される。以上の様に、持久運動により
1)
Zimmet P, Alberti KG, Shaw J.(2001)Global and societal
implications of the diabetes epidemic. Nature 414: 782-787.
高血糖への暴露を防いだ結果、DBEx 群のヒラメ筋
2)
Sexton WL, Poole DC, Mathieu-Costello O.(1994)
は骨格筋内微小血管障害を予防することができた。
Microcirculatory structure-function relationships in skeletal
本研究では、遺伝的素因により 2 型糖尿病を自然
muscle of diabetic rats. The American journal of
physiology 266: H1502-1511.
発症するモデル動物を使用し、継続的な持久運動が
3)
Kivela R, Silvennoinen M, Touvra AM et al.(2006)Effects
遅筋であるヒラメ筋の毛細血管に及ぼす影響を検証
of experimental type 1 diabetes and exercise training on
した。その結果、ヒラメ筋の毛細血管数の減少は予
angiogenic gene expression and capillarization in skeletal
muscle. The FASEB journal 20: 1570-1572.
防され、糖尿病に伴う微小血管障害に対する継続的
4)
Adler AI, Erqou S, Lima TA et al.(2010)Association
な持久運動は、遅筋、速筋に関わらず効果的である
between glycated haemoglobin and the risk of lower
ことが示唆された。今後、2 型糖尿病患者は急激に
extremity amputation in patients with diabetes mellitusreview and meta-analysis. Diabetologia 53: 840-849.
増加することが予測されており、糖尿病の発症や重
5)
Lillioja S, Young AA, Culter CL et al.(1987)Skeletal
篤な二次障害を惹起する血管障害の予防に対する運
muscle capillary density and fiber type are possible
determinants of in vivo insulin resistance in man. The
動への期待は大きい。しかしながら、2 型糖尿病の
Journal of clinical investigation 80: 415-424.
血管障害に対する持久運動の予防効果を検証した研
6)
Hermansen L, Wachtlova M.(1971)Capillary density of
究は乏しく、本研究はその一助を担えたと考えられ
skeletal muscle in well-trained and untrained men. J Appl
Physiol 30: 860-863.
る。
7)
Gute D, Laughlin MH, Amann JF.(1994)Regional changes
本研究では、持久運動が微小血管障害を予防した
in capillary supply in skeletal muscle of interval-sprint and
機序に関して、SDH 活性、骨格筋量しか検証してお
low-intensity, endurance-trained rats. Microcirculation 1:
183-193.
らず、上流因子に関して更なる研究が必要である。
8)
Mathieu-Costello O, Agey PJ, Wu L et al.(1996)Capillaryto-fiber surface ratio in rat fast-twitch hindlimb muscles
after chronic electrical stimulation. J Appl Physiol 80: 904909.
9)
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23
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
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24
橈骨遠位端骨折術後の評価時期によるダーツスロー、
リバースダーツスロー・モーション面 ROM と DASH スコアとの関係
粕渕賢志、土肥義浩※、藤田浩之※※、福本貴彦 ※※※
大阪行岡医療大学 医療学部 理学療法学科
※医真会 八尾総合病院 整形外科
※※白鳳女子短期大学 総合人間学科 リハビリテーション学専攻
※※※畿央大学 健康科学部 理学療法学科
A relationship between dart-throwing motion,
reverse dart-throwing motion plane ROM, and the DASH score based
on the difference in the evaluation time after distal radius fractures
Kenji Kasubuchi, Yoshihiro Dohi※, Hiroyuki Fujita※※, Takahiko Fukumoto※※※
Department of Physical Therapy、Faculty of Health Science、Osaka Yukioka College of Health Science
※ Department of Orthopedic Surgery、Ishinkai Yao General Hospital
※※ Department of Rehabilitation、Hakuho Women’ s College
※※※ Department of Physical Therapy、Faculty of Health Science、Kio University
要 旨
【目的】本研究の目的は、橈骨遠位端骨折後症例においてダーツスロー・モーション(以下 DTM)面、リバー
スダーツスロー・モーション(以下 RDTM)面 ROM と DASH スコアの関係を評価時期別に検討することである。
【方法】対象は橈骨遠位端骨折症例 23 例 23 手である。評価項目は掌背屈および橈尺屈、回内外、DTM 面、
RDTM 面の ROM ならびに握力とし、上肢機能は DASH スコアにて評価した。術後 3 ~ 6 か月、7 ~ 12 か月、
13 か月以降に分け、各時期の身体機能と DASH スコアの Pearson 相関係数を求めた。
【結果】術後 3 ~ 6 か月では DTM 面 ROM とのみ有意な相関を認め、術後 7 ~ 12 か月と 13 か月以降では DTM
面 ROM と RDTM 面 ROM、握力と相関を認めた。
【結論】DTM 面 ROM は RDTM 面 ROM と握力より早期から DASH スコアに関係し、時期が経過してから、
RDTM 面 ROM と握力も上肢機能の改善に関与した。
Key Words : ダーツスロー・モーション面ROM、リバースダーツスロー・モーション面ROM、DASHスコア、橈骨遠位端骨折
dart-throwing motion plane ROM, reverse dart-throwing motion plane ROM, DASH score, distal radius fracture
Abstract
Purpose: In this study, we aimed to investigate the relationship between the plane ranges of motion(ROM)in the dartthrowing motion(DTM)and reverse dart-throwing motion(RDTM), as well as DASH scores based on the difference
in the evaluation time after distal radius fractures.
Methods: The subjects were 24 patients who underwent treatment of distal radius fractures. We evaluated ROM(flexionextension, radioulnar deviation, DTM plane, and RDTM plane)and grip strength. We evaluated the activities of daily
living based on DASH score. Statistical analyses were performed to identify possible correlations between DASH score,
and ROM and grip strength based on the difference in evaluation time.
Results: Correlations were observed between the DASH score and DTM plane ROM within 3–6 postoperative months, and
between DASH score, and DTM, RDTM plane ROM, and grip strength within 7–12 postoperative months and 13 months
subsequently.
Conclusion: The relationship between DTM plane ROM and the DASH score was observed earlier than that between
RDTM plane ROM and grip strength. The present study suggests that DTM and RDTM plane ROM, and grip strength are
important for the recovery of patients with distal radius fractures in terms of DASH score.
〒 567-0801 大阪府茨木市総持寺 1 丁目 1 番 41 号
※ 〒 581-0036 大阪府八尾市沼 1 丁目 41 番地
※※ 〒 636-0011 奈良県北葛城郡王寺町葛下 1 丁目 7 番 17 号
※※※〒 635-0832 奈良県北葛城郡広陵町馬見中 4 丁目 2-2
25
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
要であると考えられる。また、RDTM 面 ROM が術
はじめに
後のどの時期に ADL 能力と関係するか調査するこ
ダーツスロー・モーション(Dart-Throwing motion:
とが必要であると考えられる。
以下 DTM)は橈背屈から掌尺屈方向への運動であり、
従 っ て 本 研 究 の 目 的 は、 橈 骨 遠 位 端 骨 折 後 の
1)
手関節の機能的な運動方向である 。多くの日常生
RDTM 面 ROM を含めた身体機能と DASH スコアと
活 活 動(Activity of daily living: 以 下 ADL) に
の関係を術後の時期別に調査し、術後の各時期にお
おいて、手関節の掌背屈、橈尺屈の組み合わされた
いて上肢能力に必要とされる手関節の機能について
2)
検討することとした。
動きが必要となる 。ADL の中でもよく使われる運
動が DTM 方向の運動であり
2)、3)
、手の動きには重
対象および方法
要であると考えられる。また、森友らは 4)、舟状骨
に対する有頭骨、大菱形骨、小菱形骨の動きは、手
1.対象
関節橈尺屈、DTM、掌背屈のすべてにおいて橈背
対象は、橈骨遠位端骨折後症例 23 例 23 手、平均
屈から掌尺屈方向であると報告している。さらに、
年齢 65.7 ± 10.8 歳であり、男性 6 名、女性 17 名であっ
矢状面からおおよそ 30°から 45°での DTM は、橈
た。骨折型は AO 分類 type A 5 例、type B 2 例、
骨に対する舟状骨と月状骨の動きが最小となること
Type C 16 例であり、治療方法は 23 例とも掌側プ
5)
が報告されている 。従って、DTM の動きの要は
レートであった。患側が利き手側であった症例が 6
手根中央関節であるといわれている。一方、DTM
名、非利き手側の症例が 17 名であった。計測時期に
と直交する橈掌屈から尺背屈への運動は、リバース・
より、術後 3 ~ 6 か月 8 例、7 ~ 12 か月 8 例、13 か
ダーツスロー・モーション(Reverse Dart-Throwing
月以降 7 例の 3 群に分けた。それぞれの群の特徴を
motion:以下 RDTM)といわれ、手根中央関節の
表 1 に示す。本研究に際し、事前に全ての対象者に
動きが小さく、橈骨手根関節の動きが中心となる運
は本研究の目的および方法、調査結果の取り扱い等
6)
動方向であると考えられている 。これらのことよ
について説明を行い、参加同意書に署名を得た。同
り、DTM、RDTM のリハビリテーションへの応用
意を得られた者のみデータを採用した。
が期待されている。しかし、リハビリテーションに
表 1 対象者の基本属性
重要であると考えられる DTM と RDTM の ROM に
ついての報告は少ない。我々は、DTM 面 ROM を計
対象数
年齢
測する専用のゴニオメーターを作成し 7)、橈骨遠位
男性
女性
利き手
患側
非利き手
Type A
AO 分類 Type B
Type C
性別
端骨折後症例の DTM 面 ROM の評価を行い、橈骨
遠位端骨折後の DTM 面 ROM と上肢の ADL 能力や
手根骨動態との関連性について報告してきた 8)、9)。
橈骨遠位端骨折後症例の上肢の ADL 能力について、
3 ~ 6 か月
8例8手
66.3 ± 10.5 歳
1例
7例
3例
5例
2例
0例
6例
7 ~ 12 か月
8例8手
64.5 ± 11.4 歳
3例
5例
2例
6例
2例
2例
4例
13 か月以降
7例7手
66.3 ± 9.6 歳
1例
7例
2例
5例
1例
0例
6例
先行研究では The Disability of the Arm, Shoulder
and Hand(DASH)スコアと ROM に相関はないが、
2.測定方法
握力には相関関係があり、橈骨遠位端骨折後は握力
評価は ROM と握力、ADL 能力について行った。
の回復が重要であるとしている
10)
。しかし、先行研
ROM は疼痛のない範囲で評価を行い、掌屈、背屈、
究での ROM の評価は、DTM 面や RDTM 面の ROM
橈屈、尺屈、DTM 面の運動である橈背屈、掌尺屈、
の評価は行われていない。そのため DTM 面 ROM
RDTM 面の運動である橈掌屈、尺背屈の ROM を測
の評価を加えて DASH スコアとの関係を調査したと
定した。測定した ROM より、掌背屈、橈尺屈、回
ころ、DTM 面 ROM と握力に DASH スコアと有意
内 外、DTM 面、RDTM 面 の 全 可 動 域 を 求 め た。
な相関を認め、橈骨遠位端骨折後の ADL 能力の回
DTM 面 ROM は開発したゴニオメーターで計測し
8)
復には DTM 面 ROM も重要であると報告した 。し
た。DTM 面用ゴニオメーターは肘関節屈曲位、前
かし、橈骨手根関節に障害が生じる橈骨遠位端骨折
腕回内 45°の肢位から上方を橈背屈、下方を掌尺屈
後は、RDTM 面 ROM との関係を調査することが重
と定義した(図 1)。RDTM 面は DTM 面に直行して
26
粕渕賢志、土肥義浩、藤田浩之、福本貴彦
橈骨遠位端骨折術後のダーツスロー、リバースダーツスロー・モーション面 ROM
いるとし、本研究では回外 45°の肢位で上方への運
動を橈掌屈、下方への運動を尺背屈と定義して測定
結果
を行った(図 2)。握力は握力計を用いて測定し、患
術後 3 ~ 6 か月、7 ~ 12 か月、13 か月以降の各群
側の値を健側の値で除し、健側との比率を求めた。
の DASH スコア、各 ROM、握力の健側比の結果を
ADL 能力は DASH スコアの日本手の外科学会版を
表 2 に示す。術後 3 ~ 6 か月、7 ~ 12 か月、13 か月
用いて評価した。DASH スコアは 5 段階の回答方法
以降の各群の DASH スコアと身体機能の相関係数を
であり、点数は 0 点が ADL 制限なし、100 点が ADL
表 3 に示す。術後 3 ~ 6 か月で DASH スコアと有意
最大制限となる評価方法である。
な相関が得られたのは、DTM 面 ROM(r = -0.712,
p < 0.05) で あ っ た。 術 後 7 ~ 12 か 月 は DTM 面
ROM(r = -0.932,p < 0.05) と RDTM 面 ROM(r
= -0.955,p < 0.05)、 握 力(r = -0.806,p < 0.05)
に 有 意 な 相 関 を 認 め た。 術 後 13 か 月 以 降 で は、
DTM 面 ROM(r = -0.769,p < 0.05)、RDTM 面
ROM(r=-0.789,p < 0.05)、握力(r=-0.829,p < 0.05)
において有意な相関が得られた。術後 3 ~ 6 か月、7
~ 12 か月、13 か月以降ともその他の項目と DASH
スコアに有意な相関は認められなかった。
表 2 DASH スコアと身体機能結果
DASH スコア
掌背屈
橈尺屈
回内外
DTM 面 ROM
RDTM 面 ROM
握力
図 1 DTM 面 ROM の測定肢位(前腕回内 45°)
3 ~ 6 か月
22.5 ± 14.1
111.3 ± 16.7
66.3 ± 9.3
163.1 ± 16.6
66.9 ± 15.0
61.9 ± 9.7
0.73 ± 0.2
7 ~ 12 か月
16.8 ± 26.0
132.5 ± 16.0
67.5 ± 13.5
177.5 ± 5.6
70.6 ± 18.8
68.1 ± 14.1
0.83 ± 0.2
13 か月以降
11.2 ± 24.6
119.3 ± 24.4
59.3 ± 13.8
175.7 ± 25.1
86.4 ± 19.9
59.3 ± 20.9
0.94 ± 0.1
DASH スコア:点、ROM:角度(deg)、握力:健側比(%)
表 3 DASH スコアと身体機能の相関係数
掌背屈
橈尺屈
回内外
DTM 面 ROM
RDTM 面 ROM
握力
3 ~ 6 か月
r = -0.342
r = 0.017
r = -0.230
r = -0.712*
r = -0.651
r = -0.631
7 ~ 12 か月
r = -0.398
r = 0.007
r = 0.132
r = -0.932*
r = -0.955*
r = -0.806*
13 か月以降
r = -0.382
r = -0.474
r = -0.072
r = -0.769*
r = -0.789*
r = -0.829*
*:p < 0.05
考察
図 2 RDTM 面 ROM の測定肢位(前腕回外 45°)
橈骨遠位端骨折後症例の DASH スコアと身体機能
の関係を評価時期により調査したところ、DTM 面
3.統計解析
ROM は全ての期間において、DASH スコアと有意
統計解析は 3 つのそれぞれの時期にて、DASH ス
な負の相関が得られた。術後 7 か月以降では、DTM
コ ア と 各 ROM、 握 力 の 相 関 を 求 め た。 各 相 関 は
面 ROM と RDTM 面 ROM、握力が DASH スコアと
Pearson 相関係数を算出し、危険率を 0.05 未満で有
有意な負の相関が得られた。この結果より、橈骨遠
意とした。なお、全ての統計解析には、統計ソフト
位端骨折後の上肢能力の回復には DTM 面 ROM が
ウェア SPSS version 17.0J for Windows を使用した。
早期から関係し、RDTM 面 ROM と握力は術後時期
27
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
が経過してから関係すると示唆された。
Palmer ら
動作に必要な身体機能であることが示された。本研
2)
究結果において、握力は術後 7 ~ 12 か月以内と 13
は、ADL には橈背屈から掌尺屈方向の
3)
運動が主な動きであると報告しており、Briqstocke
か月以降で DASH スコアと相関が得られ、RDTM
らも、ADL は DTM に近い動きを用いると報告して
面 ROM が DASH スコアと有意な相関が得られた時
いる。我々は、先行研究として橈骨遠位端骨折後症
期と同時期であった。一般的に手関節背屈、尺屈位
例の DASH スコアと DTM 面 ROM の関係を調査し
で最大握力が発揮されることから 11)、RDTM 面の
たところ、両者に有意な相関が得られ、橈骨遠位端
尺背屈の回復で握力が発揮できるようになった可能
骨折後においても同様に DTM 面 ROM が ADL に重
性が考えられる。よって、握力も RDTM 面 ROM と
8)
要であると報告した 。また、橈骨遠位端骨折術後
同様に、早期では DASH スコアと相関を得ず、時期
に評価時期による DASH スコアと DTM 面 ROM の
が経過してから相関が得られたと考えられる。
関係を調査したところ、術後早期から関係すると報
今回の調査では、DTM と RDTM を含む身体機能
11)
。本研究でも先行研究と同様に、全ての時
と DASH スコアの関係を調査した。しかし、本研究
期において DASH スコアと有意な相関を得たことか
は術後の計測時期別に調査した結果であり、経時的
ら、DTM 面 ROM は上肢機能に重要な運動方向であ
な追跡調査ではない。そのため、どのような経過が
ると示唆された。
生じたのかは不明である。したがって、今後は経時
RDTM 面 ROM は術後 7 か月以降にて、DASH ス
的な変化を含め調査し、特徴をより明らかにする必
コアと有意な相関が得られたことから、RDTM 面
要があると考えられた。しかし、DTM、RDTM の
ROMもADLに重要な運動方向であると考えられる。
リハビリテーションへの応用が期待されているが、
先行研究にてさまざまな ADL における課題時の手
DTM 面や RDTM 面の ROM に関する報告はまだ少
関節の運動が解析されているが、橈掌屈から尺背屈
ない。よって、本研究により橈骨遠位端骨折後の
方向の動きを用いる課題は報告されていないことか
DTM 面や RDTM 面の ROM は、術後の時期を考慮
ら、RDTM 面の運動を必要とする課題は少ないと考
することにより、治療や評価に応用できると示唆さ
えられる。しかし、素早く指を握ったり開いたりす
れた。
告した
る時や、強く物を握る時は、手根伸筋が活動し手根
を背屈と尺屈させることから 12)、DTM 面方向の運
結論
動を用いない巧緻動作や強い握力を要する動作で
本研究では開発した DTM 面用ゴニオメーターを
は、RDTM 面の運動を要し、相関が得られたのでは
使 用 し て、 橈 骨 遠 位 端 骨 折 後 症 例 の DTM 面、
ないかと考えられる。また、Hattori ら
13)
は、橈骨
RDTM 面 ROM と DASH スコアの関係を評価時期別
遠位端関節内骨折後の鏡視所見で、橈骨手根関節内
に調査した。DTM 面 ROM は RDTM 面 ROM と握力
に瘢痕性の隔壁形成が生じて関節拘縮が発生すると
より早期から DASH スコアに関係し、時期が経過し
報告していることから、橈骨遠位端骨折後は橈骨手
てから、RDTM 面 ROM と握力も上肢機能の改善に
根関節に障害が生じると考えられる。理論上、橈骨
関与した。よって、橈骨遠位端骨折後の上肢機能に
手根関節の動きが中心になると考えられている
は、DTM 面、RDTM 面 ROM と握力が関係し、時
RDTM 面 ROM は、早期には疼痛や拘縮のため十分
期により関係する身体機能が異なることが明らかと
に動かすことが困難になると考えられる。よって、
なった。
DTM 面 ROM とは異なり 7 ヶ月以降でのみ、DASH
スコアと相関が得られたと考えられる。また、桂ら 6)
は、 橈 骨 遠 位 端 骨 折 後 の リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に
RDTM を加えて実施し、良好な成績が得られたと報
告している。よって、RDTM は治療と評価のどちら
にも重要になると示唆された。
握力は、我々の先行研究と同様に 7 か月以降で、
DASH スコアと有意な負の相関が得られ 11)、ADL
28
粕渕賢志、土肥義浩、藤田浩之、福本貴彦
橈骨遠位端骨折術後のダーツスロー、リバースダーツスロー・モーション面 ROM
参 考 文 献
1)
Moritomo H, Apergis EP, Herzberg G, et al.(2007)2007
IFSSH committee report of wrist biomechanics committee:
biomechanics of the so-called dart-throwing motion of the
wrist. J Hand Surg Am. 32(9)1447-1453.
2)
Palmer AK, Werner FW, Murphy D, et al.(1985)
Functional wrist motion: a biomechanical study. J Hand
Surg Am. 10(1)39-46.
3)
Brigstocke GH, Hearnden A, Holt C, et al.(2014)In-vivo
confirmation of the use of the dart thrower's motion during
activities of daily living. J Hand Surg Eur Vol. 39(4)373378.
4)
森友寿夫 .(2008)手根骨の三次元機能解剖 . 別冊整形外科
54 10-16.
5)
Crisco JJ, Coburn JC, Moore DC, et al.(2005)In vivo
radiocarpal kinematics and the dart thrower’ s motion. J
Bone Joint Surg Am. 87(12)2729-2740.
6)
桂理 , 渡邉健太郎 .(2012)橈骨遠位端関節内骨折術後ハンド
セラピィにおける橈骨手根関節に対する早期アプローチの試
み . 日本手外科学会雑誌 28(6)578-581.
7)
粕渕賢志 , 土肥義浩 , 藤田浩之 , 他(2012)
.
ダーツスロー・モー
ション面用ゴニオメーターの開発と信頼性の検討 . 臨床バイ
オメカニクス 33 157-162.
8)
粕渕賢志 , 福本貴彦 , 土肥義浩 , 他 .(2013)橈骨遠位端骨折
後症例のダーツスロー・モーション面 ROM と DASH スコア
の関係 . 理学療法学 40(3)169-175.
9)
土肥義浩 , 粕渕賢志 , 山口史哲 , 他 .(2013)橈骨遠位端骨折
術後のダーツスロー・モーション 手関節動態 X 線との比較 .
日本手外科学会雑誌 29(5)505-509.
10)
Wilcke MKT, Abbaszadegan H, Adolphson PY.(2007)
Patient-perceived outcome after displaced distal radius
fractures. A comparison between radiological parameters,
objective physical variables, and the DASH score. J Hand
Ther. 20(4)290-298.
11)
粕渕賢志 , 土肥義浩 , 小野浩史 , 他 .(2013)橈骨遠位端骨折
術後のダーツスロー・モーション面 ROM と DASH スコアの
関係-評価時期による相違について-. 日手会誌 29(4)357360.
12)
O’ Driscoll SW, Horii E, Ness R, et al.(1992)The
relationship between wrist position grasp size, and grip
strength. J Hand Surg. 17(1)169-177.
13)
Hattori T, Tsunoda K, Watanabe K, et al.(2006)
Arthroscopic mobilization for contracture of the wrist.
Arthroscopy. 22(8)850-854.
29
活動報告
第 7 回日本手関節ワークショップを主催して
大阪行岡医療大学 理学療法学科
森友 寿夫
平成 26 年 9 月 23 日に第 7 回日本手関節外科ワークショップを千里ライフサイエンスセンターにて開催させて
いただきました。本研究会は、国内唯一の手関節に特化した研究会で年 1 回開催しております。手関節マニア
が集う研究会を日本でもやろうということで、2008 年に第1回が行われ、その後、国内の手関節エキスパート
が会長を努めてまいりました。そのレベルの高さ、マニアックさが受けたのか、整形外科医のみならず多くの
理学療法士、作業療法士を集め、手関節外科の進歩と発展を目指し、活発な議論がなされてきました。
今回のテーマは、
「難しいからおもしろい!手関節エキスパートが徹底討論!」としました。ご存知のとおり、
手関節は診断・治療が難しい領域が多く、難治性となる症例が多く存在します。その大きな原因は解剖学的複
雑さからくると考え、われわれは解剖・運動学・生体力学を重視してきました。そのような手関節エキスパー
トが普段の学会では話せないようなニュアンスを表現できるのが本会の特徴です。演者は、手関節に多大な興
味のある参加者の前で手関節を思う存分深く、徹底的に議論していただけます。
オーラルセッションでは、
「エキスパートが苦労した舟状骨」、「橈骨遠位端骨折における尺側障害」、「DRUJ
関節鏡の実際」、
「橈骨遠位端骨折のセラピー」を、パネルディスカッションでは「手関節尺側部痛の鑑別」を
企画しました。いずれもかなり手関節では深いテーマで、活発な議論で盛り上がることができました。ランチョ
ンセミナーでは行岡病院整形外科部長である正富 隆先生に「手関節の痛みと再建術-何をどう治すのか?-」
を講演いただき、手関節治療に対する鋭い疑問、指摘を投げかけていただきました。またハンズオンも本会の
大きな特徴です。今回は①手関節鏡 ②手関節エコ-のセミナーを行いました。若手の先生にはたっぷりとエ
キスパートの指導を受けていただけたと思います。
本研究会において、第一線で働く臨床医、理学療法士、作業療法士や新進気鋭の研究者が手関節に関する最
新技術・知見を発表し、自由闊達に議論出来る機会を提供することで、研究の進歩向上を図り手関節外科に関
する学術と医療の発展に貢献できればと願っております。
最後に、本研究会へご支援をいただいた行岡病院、大阪大学整形外科同窓会の皆様、事務局を組織して頂い
た大阪大学整形外科教室スタッフ・大学院生の皆様、会場の設営・進行に協力していただいた阪大関連手外科
グループのスタッフ・作業療法士の皆様に感謝いたします。
31
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
第 7 回日本手関節ワークショッププログラム集
第 7 回日本手関節ワークショップ運営委員一同
32
活動報告一覧
1. 論文・著書
1)国際論文
著者名
題 名
掲載誌名
巻(号)頁
Hamada M/Kinugasa K/Shino K
Change of signal intensity in the displaced
medial meniscus after its reduction on MRI
Knee Surg,Sports
Traumatol,
Arthrosc
21,736-739
2013
Mae T/Shino K/Matsumoto N/
Yoneda K/Yoshikawa H/Nakata K
Restored anterior knee stability
immediately after anatomic anterior
cruciate ligament reconstruction:
Comparison between double- and triplebundle techniques
Arthroscopy
29,213-219
2013
Komori T/Tanaka M/Senba E/
Miyajima A/Morikawa Y
Lack of oncostatin M receptor β leads to
adipose tissue inflammation and insulin
resistance by switching macrophage
phenotype
J Biol Chem
288(30),
21861-21875
2013
Bando T/Morikawa Y/Hisaoka T/
Komori T/Miyajima A/Senba E
Dynamic expression pattern of leucine-rich
repeat neuronal protein 4 in the mouse
dorsal root ganglia during development.
Neurosci Lett
548,73-78
2013
Okita Y/Narita Y/Suzuki T/…
Arita H/Yonemori K/Kinoshita T/
Fujiwara Y/Tsuda H/Komoike Y/
Nakagawa H/Tamaki Y/Tomita Y/
Shibui S/Maruno M
Extended Trastuzumab Therapy Improves
the Survival of HER-2–Positive Breast
Cancer Patients After Surgery and
Radiotherapy for BrainMetastases
Mol Clin Oncol
1,995-1001
2013
Uchimoto K/Yokoi T/Yamashita T/
Okamura H
Investigation of toilet activities in elderly
patients with dementia from the view point
of motivation and self-awareness
American Journal
of Alzheimer's
Disease & Other
Dementias
28(5),
459-468
2013
Yokoi T/Okamura H
Why do dementia patients become unable
to lead a daily life with decreasing
cognitive function?
Dementia
12(5),
549-566
2013
Takeyasu Y/Oka K/Miyake J/
Kataoka T/Moritomo H/Murase T
Preoperative computer simulation-based
three-dimensional corrective osteotomy for
cubitus varus deformity using a customdesigned surgical device
J Bone Joint Surg
Am
95(22),
e1731-e1739
2013
Imai Y/Miyake J/Okada K/
Murase T/Yoshikawa H/
Moritomo H
Cylindrical corrective osteotomy for
Madelung deformity using a computer
simulation: case report.
J Hand Surg Am
38(10),
1925-1932
2013
Omori S/Moritomo H/Omokawa S/
Murase T/Sugamoto K/
Yoshikawa H
In vivo3-dimensional analysis of dorsal
intercalated segment instability deformity
secondary to scapholunate dissociation: a
preliminary report.
J Hand Surg Am
38(7),13561365
2013
Miyake J/Shimada K/Moritomo H/
Kataoka T/Murase T/Sugamoto K
Kinematic changes in elbow osteoarthritis:
in vivo and 3-dimensional analysis using
computed tomographic data
J Hand Surg Am
38(5),
957-964
2013
Miyake J/Oka K/Kataoka T/
Moritomo H/Sugamoto K/Murase T
3-dimensional deformity analysis of
malunited forearm diaphyseal fractures
J Hand Surg Am
38(7),13561365
2013
Kataoka T/Moritomo H/
Omokawa S/Iida A/Wada T/
Aoki M
Palmar reconstruction of the triangular
fibrocartilage complex for instability of the
distal radioulnar joint: a biomechanical
study
J Hand Surg Eur
38(5),
515-522
2013
33
発行年月
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
著者名
題 名
掲載誌名
巻(号)頁
発行年月
Miyake J/Murase T/Yamanaka Y/
Moritomo H/Sugamoto K/
Yoshikawa H
Comparison of three dimensional and
radiographic measurements in the analysis
of distal radius malunion
J Hand Surg Eur
38(2),
133-143
2013
Kawanishi Y/Moritomo H/Omori S/
Kataoka T/Murase T/Sugamoto K
A comparison of 3-D computed
tomography versus 2-D radiography
measurements of ulnar variance and
ulnolunate distance during forearm
rotation
J Hand Surg Eur
39(5),
526-532
2013
Omori S/Moritomo H/Murase T/
Miyake J/Kataoka T/Kawanishi Y/
Sugamoto K/Yoshikawa H
Changes in length of the radioulnar
ligament and distal oblique bundle after
colles’ fracture.
J Plast Surg Hand
Surg
47(5),
409-414
2013
Moritomo H
Anatomy and clinical relevance of the
ulnocarpal ligament.
J Wrist Surg
2(2),
186-189
2013
Moritomo H
The distal oblique bundle of the distal
interosseous membrane of the forearm.
J Wrist Surg
2(1),93-94
2013
Tasaka A/Ono T/Oki S/Umei N/
Ishikura H/Aihara K/Sato Y/
Otsuka A/Muto N
Effect of skin resection on the
improvement of joint contractures in rats
Journal of physical
therapy science
26(1),
11-13
2013
Ono T/Oki S/Umei N/
Tsumiyama W/Tasaka A/
Ishikura H/Aihara K/Sato Y/
Shimizu ME/Otsuka A
Effect of intermittent eight-hour joint
fixation period on joint contractures in rats
Journal of physical
therapy science
26(1),
53-55
2013
Tanaka M/Hirayama Y/Fujita N/
Fujino H
Comparison of premodulated interferential
and pulsed current electrical stimulation in
prevention of deep muscle atrophy in rats.
Journal of Molecular
Histology
44(2),
203-211
2013
題 名
掲載誌名
2)国内論文
著者名
巻(号)頁
発行年月
三木健司 / 行岡正雄
線維筋痛症の現状
ペインクリニック
33(9),
1279-1291
2013
三木健司 / 行岡正雄
線維筋痛症
肩こりの臨床
101-108
2013
行岡正雄 / 三木健司
関節リウマチとうつ病
臨床整形外科
48(12),
1209-1212
2013
最新臨床睡眠学
-睡眠障害の基礎と
臨床-
71,619-624
2013
行岡正雄 / 三木健司
線維筋痛症、関節リウマチの睡眠障害
(整形外科領域の睡眠障害)
行岡正雄 / 三木健司
線維筋痛症の最新薬物療法
関節外科
−基礎と臨床−
32(12),
47-51
2013
三木健司 / 行岡正雄
機能性疼痛症候群と線維筋痛症
運動器慢性痛診療の
手引き
135-142
2013
小川卓也 / 小柳磨毅 / 構井健二 /
北川由惟 / 横谷祐一郎 / 椎木孝幸 /
箕岡尚利 / 木村佳記 / 境 隆弘 /
向井公一 / 中江徳彦 / 中川滋人 /
史野根生
体幹後傾テストの ACL 不全評価に対する有
用性の検討
18,51-53
2013
仙波恵美子
解剖学会における男女共同参画の現状と変革
に向けての取り組み
88(4),
45-49
2013
34
スポーツ傷害…
(J.Sports Injury)
解剖学雑誌
著者名
題 名
掲載誌名
巻(号)頁
発行年月
仙波恵美子
痛みの解剖学-私たちが歩んだ道
PAIN RESEARCH
28(4),
197-217
2013
行岡秀和
編集後記
日本臨床救急医学会
雑誌
16(1),
50-50
2013
行岡秀和
行岡病院班
大阪市北区医師会会
誌
147,77-78
2013
人工呼吸
30,1-2
2013
行岡秀和
「人工呼吸」第 30 巻刊行によせて
行岡秀和
手術室・ICU における院内感染対策
耳鼻咽喉科・頭頸部
外科
85(10),…
766-773
2013
行岡秀和
医療安全に思うこと
OSAKA CITY
KITAKU Medical
Association NEWS
18(6),1-1
2013
行岡秀和
不穏、興奮管理
ICU と CCU
37(10),…
741-748
2013
行岡秀和
急性循環不全患者への鎮静薬投与法と注意点
日本医事新報
NO.4674,
62-63
2013
高嶋和磨 / 川上秀夫 / 渋谷高明 /
夏梅隆至 / 大澤 傑
人工膝関節置換術後に塞栓術が困難な反復す
る関節内血腫を来した 1 例
中部整災誌
56,14471448
2013
大澤 傑
ワルファリン
臨床リハ
22(4),
385-389
2013
大澤 傑
大腿骨近位部骨折とリハビリテーション
リハビリテーション
科診療
13,5-18
2013
中村慎也 / 青木利彦 / 秋野賢一 /
齋藤佐知子 / 清水美里 / 高森宣行 /
樋川正直 / 渋谷高明 / 大澤 傑
人工股関節全置換術後の靴下着脱動作自立に
必要な関節可動域
住友医誌
40,33-36
2013
中村慎也 / 青木利彦 / 秋野賢一 /
齋藤佐知子 / 清水美里 / 高森宣行 /
樋川正直 / 渋谷高明 / 大澤 傑
人工股関節全置換術前後の方向転換動作に対
する Timed Up and Go Test を用いた評価
住友医誌
40,37-41
2013
丸野元彦 / 鈴木 強 / 沖田典子 /
岡見次郎 / 東山聖彦 / 西野和美 /…
今村文生 / 西山謹司
肺がん脳転移:その臨床的特徴と治療成績
Neuro-Oncology の
進歩
18,23-26
2013
沖田典子 / 丸野元彦 / 吉澤秀憲 /
鈴木 強
長期生存膠芽腫症例の病理学的検討
Neuro-Oncology の
進歩
18,50-53
2013
今枝敏彦 / 森友寿夫 / 他
患者立脚評価法の現状と今後の課題
PWRE 日手会版の妥当性および信頼性に関
する統計学的検討
日本整形外科学会雑
誌
87(4),
258-266
2013
五谷寛之 / 森友寿夫 / 他
患者立脚評価法の現状と今後の課題
日本手外科学会機能評価表における患者立脚
評価の現状
日本整形外科学会雑
誌
87(4),
267-272
2013
森友寿夫
手関節のバイオメカニクス(最新の知見)
Bone Joint Nerve
3(2),
195-202
2013
河上 剛 / 塚本泰徳 / 服部高子 /
橋本佳周 / 森友寿夫 / 岡本雅雄
尺骨鉤状突起骨折 4 例の治療経験
骨折
35(2),
280-283
2013
堀 竜次
肺機能・画像および運動耐容能から呼吸障害
を捉える―6 分間歩行試験から動作能力を捉
える―
大阪府理学療法学術
大会学会誌
25,31-31
2013
35
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
著者名
題 名
掲載誌名
巻(号)頁
堀 竜次
呼吸器疾患の理学療法のための画像・データ
の解釈―急性期における呼吸障害例の身体所
見の解釈―
大阪府理学療法学術
大会学会誌
25,36-36
2013
中井秀樹 / 穴山 良 / 前田優希 /…
堀 竜次 / 大住倫弘 / 中野英樹 /
大松聡子 / 森岡 周
長期の人工呼吸管理からの離脱に成功した脳
幹梗塞の1例
理学療法科学
28(6),
841-844
2013
松尾高行 / 史野根生 / 小川卓也
椎木孝幸 / 小柳磨毅 / 前達 雄
膝関節 1. 膝前十字靱帯再建術:膝蓋腱使用
例 - 術後リハビリテーション
臨床スポーツ医学
30,338-347
2013
小柳磨毅 / 松尾高行 / 木村佳紀
中江徳彦 / 境 隆弘 / 小川卓也
横谷祐一郎 / 福田明雄 / 今高康詞 /
元脇周也 / 来田晃幸
スポーツ外傷・障害に対する低侵襲治療の最
前線 スポーツ外傷・障害に対する理学療法
の効果
整形外科最小侵襲手
術ジャーナル
69,35-46
2013
田坂厚志 / 小野武也 / 沖 貞明 /
島田雅史 / 石田 勝 / 藤原賢次郎 /
中川 実
Branch Atheromatous Disease の急性期にお
けるリハビリテーション開始基準の使用につ
いて
ヘルスプロモーショ
ン理学療法研究
3(2),83-86
2013
田坂厚志 / 小野武也 / 沖 貞明 /
梅井凡子 / 石倉英樹 / 相原一貴 /
佐藤勇太 / 大塚 彰 / 武藤徳男
ラット足関節背屈可動域測定法の信頼性に関
する検討
理学療法科学
29(1),
143-145
2013
石倉英樹 / 小野武也 / 沖 貞明 /
梅井凡子 / 田坂厚志 / 相原一貴 /
佐藤勇太 / 大塚 彰
筋性拘縮を起こしたラットヒラメ筋に対する
過伸張が筋の破断位置に与える影響
理学療法科学
29(2),
173-175
2013
粕渕賢志 / 福本貴彦 / 土肥義浩 /
藤田浩之 / 今北英高
橈骨遠位端骨折後症例のダーツスロー・モー
ション面 ROM と DASH スコアの関係
理学療法学
40(3),
169-175
2013
粕渕賢志 / 土肥義浩 / 小野浩史 /
面川正平 / 田中康仁
橈骨遠位端骨折術後のダーツスロー・モー
ション面 ROM と DASH スコアの関係 …
評価時期による相違について
日本手外科学会雑誌
29(4),
357-360
2013
土肥義浩 / 粕渕賢志 / 山口史哲 /
小野浩史 / 面川正平 / 田中康仁
橈骨遠位端骨折術後のダーツスロー・モー
ション …
手関節動態 X 線との比較
日本手外科学会雑誌
29(4),
505-509
2013
藤田浩之 / 粕渕賢志 / 森岡 周
異なる触感覚刺激における脳活動に関する検
討:弁別課題を用いた予備的 fNIRS 研究
白鳳女子短期大学研 (8),45-52
究紀要
2013
土肥義浩 / 粕渕賢志 / 小野浩史 /
面川正平 / 田中康仁
橈骨遠位端骨折術後の手関節可動域の評価…
-リバース・ダーツスロー・モーションと手
関節動態との関係-
日本手外科学会雑誌
2013
30(6),
886-890
発行年月
3)国内著書
著者名
書 名
著書名
発行所名
巻(号)頁
発行年月
行岡正雄
リウマチ病とうつ
リウマチ病セミナー XXIV
永井書店
24,56-56
2013
三木健司 / 史 賢林 /…
行岡正雄
骨粗鬆症における疼痛管理
骨粗鬆症治療
先端医学社
12(3),
193-198
2013
村田紀和
関節リウマチにおける指・趾
のしびれ
リウマチ病セミナー XXIV
永井書店
24,66-70
2013
仙波恵美子
痛みが慢性化する脳メカニズ
ム
神経内科
科学評論社
78(3),
348-360
2013
仙波恵美子
慢性痛による情動障害・睡眠
障害と脳報酬系
ペインクリニック
真興交易
34(5),
611-623
2013
36
著者名
書 名
著書名
井辺弘樹 / 仙波恵美子
下行性疼痛促進系
ペインクリニック
真興交易
34(8),10691077
2013
葛巻直子 / 須田雪明 /
濱田裕輔 / 仙波恵美子 /
成田 年
神経障害性疼痛をはじめとし
た非がん性疼痛発現機序の統
合的分子理解
薬局
南山堂
64(7),20622094
2013
仙波恵美子 / 細江さよ子
人間には聴こえない動物の声
を聴く
脳21
金芳堂
16(4),
494-498
2013
仙波恵美子
慢性疼痛におけるうつ病発症
のメカニズム…
-脳報酬系の関与
Depression Strategy
3(4),4-8
2013
行岡秀和
(編集代表:岡元和文)
電解質異常(ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウ
ム、リン)
集中治療専門医テキスト(電子
版)
一般社団法人
日本集中治療
医学会
560-572
2013
行岡秀和
(監修:天羽敬祐)
ICU における鎮痛と鎮静
麻酔科学レビュー 2013
総合医学社
256-261
2013
楔状外反骨切り術(Pauwels
II)
股関節骨切り術のすべて
メディカル
ビュー社
99-112
2013
移動する英米文学(阪大英文学
叢書 7)
英宝社
7,234-252
2013
今日の臨床サポート 2013
エルゼビア・
ジャパン
オンライン
教科書
2013
メディカルプ
レス
30(1),
52-59
2013
大澤 傑
石田 久 / 服部典之 /
服部典之 / 田邊久美子 /
中村仁紀 / 村井美代子 /
麻畠徳子 / 片山美穂 /
市橋孝道 / 馬渕恵里 /
伊藤佳子 / 乙黒麻記子 /
鈴木元子 / 小久保潤子 /
関 良子 / 高橋信隆 /
仲渡一美 / 阪口瑞穂 /
森本道孝
森友寿夫
藤田浩之 / 粕渕賢志 /
森岡 周
『ライ麦畑でつかまえて』の「移
動」をめぐって―ホールデン・
コールフィールドのマンハッ
タンの歩き方―
Galeazzi 脱臼骨折
【運動療法のこれから 基礎編】
… 理学療法
バランス障害に対する運動療
法
37
発行所名
巻(号)頁
発行年月
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
2. 学会発表・講演
1)国際学会発表
発表者名
題 名
学会名・開催地
発行年月日
Yukioka K/Nakahara H/Fusama M/
Kuroiwa T/Takai N/Yukioka C/
Murata N/Inoue M/Nakanishi T/
Higashi K/Kuritani T/Maeda K/
Miura Y/Sano H/Yukioka M
Correlation of depression with patient
global assessment, sleep disturbance and
health status in patients with rheumatoid
arthritis
The European League Against
Rheumatism., Madrid
2013.6
Shino K
Revision ACL Surgery from the Japanese
Experience
9th ISAKOS: International
Society of Arthroscopy, Knee
Surgery and Orthopaedic
Sports Medicine, Toronto
2013.5
Komori T/Tanaka M/Senba E/
Miyajima A/Morikawa Y
Regulatory mechanisms of adipose tissue
inflammation and insulin resistance by
oncostatin M
Keystone Symposia Conference,
Colorado
2013.1
Komori T/Tanaka M/Senba E/
Miyajima A/Morikawa Y
Critical roles of oncostatin M receptor
signaling on the polarization of macrophage
phenotypes, adipose tissue inflammation,
and the development of insulin resistance
15th International Congress of
Immunology, Milano
2013.8
Senba E/Taguchi S/Kami K
Exercise training attenuates neuropathic
pain by modulating microglial activation
5th Asian Pain Symposium,
Okazaki
2013.12
Harada N/Okada S
Toe clearance and walking pattern on
responding to unexpected surfaces in dual
task; comparison between healthy older
and young adults
ISPGR/Gait & Mental Function
2nd Joint World Congress,
Akita/Japan
2013.6
Moritomo H
Functional anatomy of the interosseous
membrane
The difficult wrist Symposium,
Marbach
2013.6
Moritomo H
Importance of ulnocarpal ligaments for
stability of the DRUJ
The difficult wrist Symposium,
Marbach
2013.6
Moritomo H/Omori S
Influence of Ulnar Translation of the Radial
Shaft in Distal Fracture On DRUJ Stability:
A Biomechanical Study
29th International Wrist
Investigators Workshop, San
Francisco
2013.10
Moritomo H
The relationship of midcarpal joint motion
and function
68th Annual Meeting of
American Society for Surgery
of the Hand, San Francisco
2013.10
Moritomo H/Omori S
Influence of ulnar translation of the radial
shaft in distal radius fracture on distal
radioulnar joint stability: a biomechanical
study
Hand Conference at Chiang Mai
University, Chiang Mai
2013.11
Tasaka A/Ono T/Oki S/Umei N/
Ishikura H/Aihara K/Sato Y/
Shimizu ME/Otsuka A
Effect of skin resection on the
improvement of joint contractures in rats
12th International Congress of
Asian Confederation for
Physical Therapy, Taiwan
2013.9
Ono T/Oki S/Miwa K/Umei N/
Otao H/Tasaka A/Ishikura H/
Aihara K/Shimizu ME/Otsuka A
Effect of an eight-hour joint fixation period
on joint contractures in rats
12th International Congress of
Asian Confederation for
Physical Therapy, Taiwan
2013.9
Ishikura H/Ono T/Oki S/Umei N/
Tasaka A/Aihara K/Sato Y/
Shimizu ME/Otsuka A
Effect of overstretching contractures of the
soleus muscle of rats
12th International Congress of
Asian Confederation for
Physical Therapy, Taiwan
2013.9
Tanaka M/Fujita N/Fujino H
Comparison of rectangular and sine
waveforms on electrical stimulation to
atrophy of rat soleus muscle
Experimental Biology, Boston
2013.4
38
発表者名
題 名
学会名・開催地
発行年月日
Kanazashi M/Tanaka M/Kondo H/
Murakami S/Fujita N/Fujino H
Protective effects of loading combined with
astaxanthin on capillary regression of
disused muscle
Experimental Biology, Boston
2013.4
Tanaka M/Kanazashi M/Kondo H/
Murakami S/Fujita N/Fujino H
Beneficial effect of exercise combined with
licorice flavonoid oil supplementation on
visceral adipose tissue
Experimental Biology, Boston
2013.4
Tanaka M/Hirayama Y/
Kanazashi M/Fujita N/Fujino H
Preventive Effects of Rectangular and Sine
Waveforms on Electrical Stimulation to
Atrophy of Rat Soleus Muscle
Gravitational Effects from …
Micro to Macro Biology,
Toyohashi City
2013.6
2)国内学会発表
発表者名
題 名
学会名・開催地
発行年月日
行岡正雄 / 松本美富士 / 倉恒弘彦 /
中島利博 / 岡 寛 / 宮岡 等 /…
宮地英雄 / 植田弘師 / 横日俊平 /…
山野嘉久 / 長田賢一 / 伊藤和憲 /…
臼井千恵
気圧の変動が関節リウマチ(RA)、繊維筋痛
症(FM)の自律神経に与える影響に関する
研究
第 2 回厚生労働省班会議(松本
班)、三重
2013.2
行岡正雄 / 村田紀和 / 正富 隆 /
行岡千佳子 / 黒岩孝則 /
行岡和彦 / 中原英子
DHEA(S)の低下の RA は bio の継続率が悪
い
第 57 回日本リウマチ学会、東京
2013.4
行岡正雄
線維筋痛症と睡眠障害
第 5 回日本線維筋痛症学会、横浜
2013.10
行岡正雄
関節リウマチの夜間睡眠時の自律神経
第 28 回日本臨床リウマチ学会、
千葉
2013.11
行岡正雄
線維筋痛症の夜間睡眠時の自律神経
第 28 回日本臨床リウマチ学会、
千葉
2013.11
行岡正雄
抑うつ状態と上下肢の機能障害との関連性
に関する研究
厚生労働省班会議(石黒班)、名
古屋
2013.12
行岡正雄
RA 上肢関節(肩・肘・手関節)生活機能に
おける寄与度について
厚生労働省班会議(石黒班)、名
古屋
2013.12
藤川順司 / 田中真理子 / 福士暁也 /…
栗栖浩二郎 / 阿部真土
Runx2 は KLF4 による骨芽細胞分化抑制を
レスキューする
第 36 回日本分子生物学会年会、
神戸ポートアイランド(神戸)
2013.12
村田紀和
単純 X 線撮影でここまでわかる
第 2 回関節リウマチ・ベーシッ
ク治療セミナー、大阪
2013.2
村田紀和
股関節に強直をきたした 3 例
第 21 回なにわリウマチフォーラ
ム、大阪
2013.3
村田紀和
確診の得られない多発関節炎の一例
第29回東京・大阪ジョイントミー
ティング、京都
2013.4
村田紀和
寝たきりにならない為の知識
シニア介護サポート養成講座、
大阪
2013.9
村田紀和 / 山﨑博充 / 黒岩孝則 /
澤田 仁 / 行岡正雄
女性強直性脊椎炎患者の臨床像
第 41 回日本関節病学会、愛知
2013.11
村田紀和
Fibroblastic rheumatism の一例
第 3 回つれずれの症例検討会、大
阪
2013.11
村田紀和
シンポジウム「SAPHO症候群の診断と治療」… 第 28 回日本臨床リウマチ学会、
SAPHO 症候群の overview
千葉
2013.12
39
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
発表者名
題 名
学会名・開催地
発行年月日
村田紀和
DMARDS の併用療法(生物学的製剤に匹敵
する)
第25回中之島リウマチセミナー、 2013.12
大阪
村田紀和
関節破壊からみた RA
第 30 回大阪リウマチカンファレ
ンス第 30 回記念講演会、大阪
小川卓也 / 小柳磨毅 / 構井健二 /
北川由惟 / 横井輝夫 / 横谷祐一郎
椎木孝幸 / 松尾高行 / 箕岡尚利 /
木村佳紀 / 境 隆弘 / 向井公一 /
中江徳彦 / 中川滋人 / 史野根生
体幹後傾テストの ACL 不全評価に対する有
用性の検討
第18回スポーツ傷害フォーラム、 2013.1
大阪
史野根生
教育講演:再前十字靭帯再建術
第 86 回日本整形外科学会学術総
会、広島
2013.5
仙波恵美子
ストレスと癒しの脳科学 シンポジウム(連
携研究会)7
第 83 回日本衛生学会学術総会、
金沢
2013.3
久岡朋子 / 小森忠祐 / 北村俊雄 /
仙波恵美子 / 森川吉博
発達過程の海馬歯状回における kirrel3 発現
細胞の同定
第 118 回日本解剖学会総会・全
国学術集会、高松
2013.3
小森忠祐 / 田中 稔 / 仙波恵美子 /
宮嶋 篤 / 森川吉博
脂肪細胞マクロファージの機能種に対する
オンコスタチン M の機能
第 118 回日本解剖学会総会・全
国学術集会、高松
2013.3
細江さよ子 / 川西 誠 / 仙波恵美子
高負荷運動は 2 型糖尿病モデルマウスのβ
細胞の疲弊を加速する
第 118 回日本解剖学会総会・全
国学術集会、高松
2013.3
上 勝也 / 仙波恵美子
末梢神経損傷後の脊髄における常在性ミク
ログリアと骨髄由来マクロファージ / ミク
ログリアのサブタイプの特徴
第 118 回日本解剖学会総会・全
国学術集会、高松
2013.3
板東高功 / 森川吉博 / 久岡朋子 /
小森忠祐 / 宮島 篤 / 仙波恵美子
成獣および発達過程の脊髄後根神経節にお
第 118 回日本解剖学会総会・全
けるLeucine-rich repeat neuronal 4(Lrrn4) 国学術集会、高松
の発現
2013.3
Senba E/Kami K
Site-specific and phase-specific activation of
macrophages/microglia in the primary
afferent system of neuropathic pain model.
Symposium 19 “Rethinking how pain is
generated from nociception:
morphofunctional approaches.…
[Collaboration Symposium with The
Japanese Association of Anatomists]
日本生理学会大会、東京
2013.3
上 勝也 / 細江さよ子 / 川西 誠 /
仙波恵美子
神経障害性疼痛に対するヒラメ筋の適応
第 48 回日本理学療法学術大会、
名古屋
2013.5
細江さよ子 / 川西 誠 / 上 勝也 /
仙波恵美子
2 型糖尿病モデルマウスに対する高負荷運動
は、オレキシン神経活性を抑制し、筋病態を
悪化させる
第 48 回日本理学療法学術大会、
名古屋
2013.5
仙波恵美子 / 細江さよ子
2 型糖尿病モデルマウスに対する 4 週間の高
負荷持久力運動は病態を悪化させる
第 50 回日本リハビリテーション
医学会学術集会、東京
2013.6
久岡朋子 / 形部裕昭 / 北村俊雄 /
仙波恵美子 / 森川吉博
小脳の発生過程における kirrel3 の発現
Neuro2013(日本神経科学大会・
神経化学会合同大会)、京都
2013.6
小森忠祐 / 野阪哲哉 / 北村俊雄 /
仙波恵美子 / 森川吉博
視床下部神経細胞における転写因子 AFF4
の AMPK/ACC シグナル伝達経路に対する
新規活性化メカニズムの検討
Neuro2013(日本神経科学大会・
神経化学会合同大会)、京都
2013.6
細江さよ子 / 仙波恵美子
2 型糖尿病モデルマウスでの運動開始週齢と
運動強度によるオレキシン神経活性の比較
Neuro2013(日本神経科学大会・
神経化学会合同大会)、京都
2013.6
上 勝也 / 仙波恵美子
神経障害性疼痛マウスの M1 型に極性化し
たマクロファージ / ミクログリアは、
cAMP-response element binding protein の
リン酸化を高める
Neuro2013(日本神経科学大会・
神経化学会合同大会)、京都
2013.6
40
2013.12
発表者名
題 名
学会名・開催地
発行年月日
上 勝也 / 仙波恵美子
運動が神経障害性疼痛モデルマウスに及ぼ
す影響-脊髄後角ミクログリアにおける変
化
第 35 回日本疼痛学会、さいたま
2013.7
仙波恵美子
疲労と癒しの脳科学(特別講演)
第 11 回女性医療フォーラム、和
歌山
2013.9
上 勝也 / 田口 聖 / 仙波恵美子
走運動による神経障害性疼痛の緩和には脊
髄後角ミクログリアにおける Histone
deacetylase 1 発現の抑制が関与する
第 18 回グリア研究会、仙台
2013.10
舩井翔平 / 橋本光司 / 細江さよ子 /
仙波恵美子
胎内環境の変化が仔マウスの発達に与える
影響
第 89 回日本解剖学会近畿支部学
術集会、生駒
2013.11
細江さよ子 / 仙波恵美子
マウス下腿後面筋の持久力運動後の形態変
化は遠位部で大きい
第 89 回日本解剖学会近畿支部学
術集会、生駒
2013.11
上 勝也 / 田口 聖 / 仙波恵美子
神経障害性疼痛モデルマウスに対する走運
動の強度は神経障害性疼痛の緩和に影響を
及ぼす
第 6 回日本運動器疼痛学会、神戸
2013.12
小森忠祐 / 田中 稔 / 仙波恵美子 /
宮嶋 篤 / 森川吉博
IL-6 ファミリーに属するサイトカインであ
るオンコスタチン M のインスリン抵抗性に
対する役割の検討
第 25 回分子糖尿病学シンポジウ
ム、豊中
2013.12
房間美恵 / 中原英子 / 行岡久美子 /…
黒岩孝則 / 高井範子 / 行岡千佳子 /
井上 都 / 中西 妙 / 村田紀和 /…
栗谷太郎 / 前田恵治 / 三浦靖史 /…
佐野 純 / 行岡正雄 / 東香代子
関節リウマチ患者における患者全般改善度
と心理状態および睡眠との関係
第 57 回日本リウマチ学会総会、
京都
2013.4
行岡久美子 / 中原英子 / 房間美恵 /…
黒岩孝則 / 高井範子 / 行岡千佳子 /
井上 都 / 中西 妙 / 村田紀和 /…
東香代子 / 栗谷太郎 / 前田恵治 /…
三浦靖史 / 佐野 純 / 行岡正雄
関節リウマチ患者の心理状態と睡眠および
疾患活動性との関連
第 57 回日本リウマチ学会総会、
京都
2013.4
丸野元彦 / 鈴木 強 / 青木正典 /
井阪俊彦
Bevacizumab が著効した再発悪性グリオー
マの一例
第31回日本脳腫瘍学会学術集会、 2013.12
ホテルシーガイア(宮崎市)
助川 明
尼崎市健康福祉局公害健康補償課 呼吸器教室
呼吸器教室平成 24 年度、尼崎市
2013.3
白山芳太郎 / 助川 明
神宮と遷宮 足・脚・膝のリハビリテーション
第 3 回ヨガ・リトリート 井坂
ヨーガ研究所、伊勢市
2013.6
藤本初月 / 森友寿夫 / 他
尺骨鉤状突起形成不全に伴う肘関節不安定
症の 1 例
第 120 回中部日本整形外科災害
外科学会・学術集会、和歌山市
2013.4
森友寿夫
手関節部外傷における TFCC の診かた
第25回日本ハンドセラピィ学会、 2013.4
神戸
森友寿夫 / 島田幸造 / 正富 隆 /
村瀬 剛 / 行岡正雄
キーンベック病に対する有頭骨部分短縮骨
切術
第56回日本手外科学会学術集会、 2013.4
神戸
森友寿夫
バイオメカから見た手関節疾患
第 19 回日本手外科学会春季教育
研修会、神戸
2013.4
三宅潤一 / 森友寿夫 / 他
術前三次元動態解析シミュレーションに基
づいた変形性肘関節症に対する鏡視下関節
形成術
第 86 回日本整形外科学会学術集
会、広島
2013.5
村瀬 剛 / 森友寿夫 / 他
内反肘変形に対するコンピューターシミュ
レーション三次元矯正手術の成績
第 86 回日本整形外科学会学術集
会、広島
2013.5
森友寿夫
前腕遠位骨間膜の機能解剖
第6回会手関節外科ワークショッ
プ、福岡
2013.8
41
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
発表者名
題 名
学会名・開催地
発行年月日
飯田昭夫 / 森友寿夫 / 他
遠位橈尺関節の安定性に及ぼす手関節肢位
の影響
第 28 回日本整形外科学会基礎学
術集会、千葉
2013.10
大森信介 / 森友寿夫 / 他
橈骨遠位端骨折における近位骨片の尺側転
位が遠位橈尺関節の安定性に及ぼす影響に
ついて
第 28 回日本整形外科学会基礎学
術集会、千葉
2013.10
下西 徳 / 大西和彦 / 堀 竜次 /
中村孝人
咳嗽による呼吸困難を呈する間質性肺炎患
者へのペーシング・インターバル効果
第 23 回日本呼吸ケア・リハビリ
テーション学会、東京
2013.10
森藤 武 / 村上慎一郎 / 藤田直人 /
金指美帆 / 近藤浩代 / 椎名祥子 /
藤野英己
継続的な低強度運動が 2 型糖尿病における
骨格筋の PGC-1 α発現と筋線維タイプ組成
に及ぼす影響
第 48 回日本理学療法学術大会、
名古屋
2013.5
内原涼馬 / 宮城麻友子 / 敦賀 裕 /
森口修次 / 伊藤洋平 / 森藤 武
休息のある断続的な運動が及ぼす筋疲労に
対するダイナミックストレッチングの効果
第 53 回近畿理学療法学術大会、
京都
2013.11
大原佳孝 / 池田耕二 / 北川紗也佳 /
水野瑛梨 / 宇野陽子 / 堀江 淳 /
池田秀一
運動耐容能トレーニングが奏効した特発性
間質性肺炎患者の一例 心肺運動負荷試験
による運動処方
第27回大阪府理学療法学術大会、 2013.5
大阪
廣瀬将士 / 池田耕二 / 河野茉梨絵 /
大原佳孝 / 水野瑛梨 / 粉川友太 /
朴 聖章 / 阪本みさき
回復期病棟における脳血管障害患者の FIM
の経時的変化
第27回大阪府理学療法学術大会、 2013.5
大阪
池田耕二
理学療法士発達論に基づいた教育方法の開
発に向けて
PT ジャーナル 47(5)423
2013.5
池田耕二 / 山本秀美 / 中田加奈子 /
黒田未貴 / 廣瀬将士
理学療法臨床実習生の終末期理学療法に対
する認識構造からみた終末期理学療法の課
題
第 48 回日本理学療法学術大会、
愛知
2013.6
黒田未貴 / 池田耕二 / 中田加奈子 /
中川真優 / 朴 聖章 / 井谷友香理 /
北林直人 / 川岸美佐子 / 村中恵子 /
小川敦子 / 池田秀一
回復期病棟における終末期患者の在宅復帰
をスムーズにするための条件とは ?
第 18 回日本緩和医療学会学術大
会、横浜
2013.6
河野茉梨絵 / 池田耕二 / 黒田未貴 /
廣瀬将士 / 赤田美和子 / 池田秀一
がんの緩和リハに対する意識調査
-看護とリハスタッフの比較-
リハビリテーション・ケア合同
研究大会、千葉
2013.11
北林直人 / 池田耕二 / 井谷友香里 /
坂本みさき / 尾藤彩花 / 上田紀子 /
黒田未貴 / 廣瀬将士 / 清水貴恵 /
福井孝子 / 池田秀一
在宅復帰に向けた家屋調査の実態とその傾
向
リハビリテーション・ケア合同
研究大会、千葉
2013.11
上田紀子 / 池田耕二 / 黒田未貴 /
廣瀬将士 / 清水貴恵 / 福井孝子 /
池田秀一
嚥下造影検査に嚥下障害の実態調査
リハビリテーション・ケア合同
研究大会、千葉
2013.11
リハビリテーション・ケア合同
研究大会、千葉
2013.11
岡村太嗣 / 池田耕二 / 深田大介
回復期リハビリ病棟における家族が述べる
「在宅復帰のための条件」と在宅復帰につい
て
中田加奈子 / 池田耕二 / 黒田未貴 /
井谷友香理 / 中川真優 / 朴 聖章 /
北林直人 / 川岸美佐子 / 小川敦子 /
福井孝子 / 池田秀一
患者の行動様式を視点に多職種チームアプ
ローチによって転倒予防対策に取り組んだ 2
症例
第53回近畿理学療法学術大会誌、 2013.11
京都
中川真優 / 山本秀美 / 中田加奈子 /
朴聖章 / 杉本貴美子 / 池田耕二
高齢入院患者の転倒予防に向けた取り組み
-運動器疾患に着目して-
第53回近畿理学療法学術大会誌、 2013.11
京都
田坂厚志 / 小野武也 / 沖 貞明 /
梅井凡子 / 石倉英樹 / 相原一貴 /
佐藤勇太 / 大塚 彰
加齢に伴う皮膚の伸張性に関する検討
第 14 回広島保健福祉学会学術大
会、三原市
2013.10
山本貴啓 / 原田信子 / 池田耕二 /
田坂厚志 / 横井輝夫
理学療法士教育における演劇ワークショップ
を用いた対人技能向上の取り組み
第 5 回日本ヘルスコミュニケー
ション学会学術集会、岐阜
2013.8
42
発表者名
題 名
学会名・開催地
発行年月日
田中 稔 / 平山佑介 / 藤田直人 /
藤野英己
正弦波電気刺激による下腿深層筋の廃用性
萎縮に対する予防効果
第 48 回日本理学療法学術大会、
名古屋
2013.5
田中 稔 / 村上慎一郎 / 近藤浩代 /
永友文子 / 石原昭彦 / 藤田直人 /
藤野英己
廃用性筋萎縮に対する遠心性収縮を伴う中
周波電気刺激の効果
第 21 回日本運動生理学会大会、
埼玉
2013.7
田中 稔 / 村上慎一郎 / 近藤浩代 /
永友文子 / 石原昭彦 / 藤田直人 /
藤野英己
深層筋に対する遠心性収縮を伴う中周波電
気刺激による廃用性筋萎縮の予防効果
第 68 回日本体力医学会大会、東
京
2013.9
田中 稔 / 藤田直人 / 藤野英己
筋萎縮に対する中周波電気刺激と遠心性収
縮の併用効果の検証
第 21 回日本物理療法学会学術大
会、横須賀
2013.10
田中 稔 / 中西亮介 / 藤田直人 /
藤野英己
萎縮ヒラメ筋に対する中周波電気刺激を用
いた遠心性収縮の筋萎縮予防効果
第 3 回日本基礎理学療法学会学
術集会、名古屋
2013.10
有末伊織 / 竹内貴文 / 中本 舞 /
松本 強 / 田中直次郎 / 岡本隆嗣
ハンドヘルドダイナモメーターによる等尺
性股関節伸展筋力測定の検査内信頼性先行
研究による異なる 3 つの測定方法の検討
第 48 回日本理学療法学術大会、
名古屋
2013.5
有末伊織 / 中本 舞 / 竹内貴文 /
松本 強 / 田中直次郎 / 岡本隆嗣
背臥位におけるハンドヘルドダイナモメー
ターを用いた等尺性股関節伸展筋力の新た
な測定方法について
~徒手固定法による測定~
第 18 回広島県理学療法士学会、
広島
2013.12
有末伊織 / 藤井靖晃 / 田中直次郎 /
藤高祐太 / 中本 舞 / 丸田佳克 /
福江 亮 / 松下信郎 / 山岡まこと /
橋本陽平 / 松本 強 / 園田 泰 /
霜山香織 / 福間美佑貴 / 岡本隆嗣
回復期における脳卒中後片麻痺患者に対す
る Honda 歩行アシストの効果~歩行速度の
違いによる影響について~
第 10 回神経理学療法研究部会学
術集会、京都
2013.12
粕渕賢志 / 土肥義浩 / 山口史哲 /
福本貴彦 / 小野浩史
橈骨遠位部骨折術後の評価時期によるダー
ツスロー、opposite ダーツスロー・モーショ
ン面 ROM と DASH スコアとの関係
第56回日本手外科学会学術集会、 2013.4
兵庫
土肥義浩 / 粕渕賢志 / 小野浩史 /
面川庄平 / 田中康仁
橈骨遠位端骨折術後の手関節機能的可動域
の評価- Dart-throwing および opposite
dart-throwing motion と手根骨動態との関
係-
第56回日本手外科学会学術集会、 2013.4
兵庫
粕渕賢志 / 土肥義浩 / 藤田浩之 /
福本貴彦
橈骨遠位端骨折術後の手関節機能的可動域
の評価―dart-throwing および opposite
dart-throwing motion と DASH の関係―
第 48 回日本理学療法学術大会、
愛知
2013.5
藤田浩之 / 粕渕賢志 / 森岡 周
姿勢制御における聴覚および視覚を用いた
注意課題の及ぼす影響
第 48 回日本理学療法学術大会、
愛知
2013.5
題 名
講演会名・開催地
3)国内講演
発表者名
発行年月日
行岡正雄 / 七川歓次 / 小松原良雄 /
行岡和彦 / 黒岩孝則
リウマチと鬱
JMAT-RA-Net、大阪
2013.2
行岡正雄
関節リウマチと疼痛の治療
北区 RA セミナー、大阪
2013.3
行岡正雄
疼痛診療の実際
行岡会定時総会、大阪
2013.7
行岡正雄
整形外科リウマチ疾患と線維筋痛症
第 5 回北線維筋痛症研究会、東京
2013.7
行岡秀和(座長)/ 押川麻美(座長)
合同シンポジウム「鎮痛・鎮静プロトコルは
どうあるべきか? ―ガイドライン作成に向
けて―」
第 40 回日本集中治療医学会学術
集会、松本市
2013.2
43
大阪行岡医療大学紀要 第 2 号 2015
発表者名
行岡秀和(座長)
行岡秀和
題 名
講演会名・開催地
教育セミナー「ICU における鎮静管理と退室
後の諸問題―退室後、退院後におきる問題は
何か ? そして、今できることは何か ?」
第 40 回日本集中治療医学会学術
集会、松本市
「アナフィラキシーショック」と「異物誤飲」
について
発行年月日
2013.2
北区医師会第 102 回学術講演会、 2013.3
大阪市
行岡秀和
PAD ガイドラインの鎮痛・鎮静(P/A)
第2回 Hospira Webinar、大阪市
2013.4
行岡秀和
共催セミナー救急 PAD 塾「救急での鎮静管
理を身につけよう」
第 16 回日本臨床救急医学会学術
集会、東京
2013.7
行岡秀和(司会)
シンポジウム「呼吸管理中の鎮痛・鎮静」
第 35 回日本呼吸療法医学会学術
総会、東京
2013.7
平山果与子 / 行岡秀和 / 田中和夫
長時間ターニケット装着により高 CK 血症
をきたした 1 症例と膝関節鏡手術後の高 CK
血症と BMI、ターニケット時間の関連性の
検討
公益社団法人日本麻酔科学会第
59 回関西支部学術集会、大阪市
2013.9
村川徳昭 / 田勢長一郎 / 谷川攻一 /
黒田泰弘 / 中川 隆 / 行岡秀和
救急救命士によるビデオ硬性挿管用喉頭鏡
に関する実態調査
日本蘇生学会第 32 回大会、東京
2013.11
手島昌之 / 渋谷高明 / 高嶋和磨 /
大澤 傑
大径骨頭を用いた metal-on-metal THA 後に
ARMD を疑い再置換術を行った2症例の検
討
第 43 回日本人工関節学会、京都
2013.2
渋谷高明 / 手島昌之 / 高嶋和磨 /
大澤 傑
大骨頭径メタルオンメタル人工股関節置換
術の最低2年の短期成績
第 43 回日本人工関節学会、京都
2013.2
青木利彦 / 中村慎也 / 渋谷高明 /
大澤 傑
THA 後患者の体幹側方動揺性に対するノル
ディックウォーキングの与える影響
第40回日本股関節学会学術集会、 2013.11
広島
中村慎也 / 青木利彦 / 渋谷高明 /
大澤 傑
人工股関節全置換術後在院日数に対する
Charnley category による検討
第40回日本股関節学会学術集会、 2013.11
広島
幸田利敬
統計方法論
㈳法人 大阪府理学療法士会 第4回新人教育研修会、大阪
幸田利敬
リハビリテーション教育改革の潮流の中で
第1回全国リハビリテーション
2013.8
学校協会 第26回教育研究大会・
教員研修会、大阪
幸田利敬
「統計学」
第2回厚生労働省、医療研修推
進財団 共催 理学療法士作業
療法士養成施設等教員講習会、
大阪
2013.1
2013.11, 12
3. その他
氏 名
題 名
活動内容・活動地
高井範子
巻(号)頁
教育カウンセリング学会の学術誌
査読協力委員(継続)
発行年月日
2013
丸野元彦
転移性脳腫瘍の治療
大阪市北区医師会会誌 No148
152-155
丸野元彦
るーむ 601 班だより
北区医師会会誌 第 148 号
98-100
幸田利敬
リハビリテーション教育改革の潮
流の中で
全国リハビリテーション学校協会…
第 26 回教育研究大会・教員研修会
2013.8
堀 竜次
呼吸理学療法の実際~内科系呼吸
障害を中心に~
日本理学療法士協会主催理学療法
士講習会講師
2013.3
44
氏 名
題 名
活動内容・活動地
巻(号)頁
発行年月日
堀 竜次
成人片麻痺の評価と治療
日本理学療法士協会主催理学療法
士講習会講師
2013.8
堀 竜次
呼吸理学療法の実際
日本理学療法士協会主催理学療法
士講習会講師
2013.9
大阪大学コミュニケーションデザ
インセンター WSD カフェ
2013.8
山本貴啓
「医療職教育の現場で~ IT コミュ
ニケーション世代と取り組む対人
技能」
45
大阪行岡医療大学紀要投稿要領
【1】投稿資格・期日
本紀要への投稿は、原則として本学教員(教授・准教授・講師・助教・助手)及びその関係者に限るが、紀
要委員会が認めた場合には、その限りではない。
原則として、投稿申し込みは、各年度 3 月末、原稿提出は 6 月末日、紀要発行は、10 月とする。投稿申し込み、
原稿提出先は、各学科紀要委員とする。
【2】掲載順序・採否
掲載の採否、順序などは紀要委員会で行う。ただし、ヒトや動物を対象とした研究の場合には、その取扱い
に倫理上の問題があると判断されるものは掲載しない。
【3】原稿の種類
原著、総説、実践研究、調査報告、症例報告及び資料を原則とし、和文、欧文のいずれでもよい。
【4】投稿一般規定
1.用紙
1)和文原稿の場合は、A4判用紙を使用する。
2)英文原稿の場合は、A4判または国際版(216×280mm)の用紙を使用する。
3)和文、英文原稿ともに、作成論文を事務局のアドレスに送信する。
2.原稿枚数
和文、英文ともに刷り上がり 10 頁以内を原則とする。
3.原稿の作成方法
原稿は、次に従うものとする。
1)表紙
a. 和文原稿の場合
日本語の表題、日本語の著者名、英語での表題、英語での著者名、日本語での所属およびその所在地、
英語での所属およびその所在地、ランニングタイトル、表紙を含めた原稿の枚数、図と表の数、別刷り
希望部数、をこの順に従って書く。
なお、著者の所属の表記は、筆頭者は無記号。共著者の所属が異なる場合はその著者の右肩および所属
名の冒頭に※や※※印をつける。
b. 英文原稿の場合
英語の表題、英語の著者名、日本語での表題、日本語での著者名、日本語での所属およびその所在地、
英語での所属およびその所在地、ランニングタイトル、表紙を含めた原稿の枚数、図と表の数、別刷り
希望部数、をこの順に従って書く。
なお、著者の所属の表記は、筆頭者は無記号。共著者の所属が異なる場合はその著者の右肩および所属
名の冒頭に※や※※印をつける。
2)要旨または Abstract、およびキーワード(原稿第二枚目)
和文原稿の場合は、400 字以内の和文の要旨を、研究目的、方法、結果および結論を理解できるように
書く。英文原稿の場合は英文の Abstract(研究目的、方法、結果および結論を理解できるような 200 語
47
以内の概要)をシングルスペースでタイプする。
要旨(または Abstract)の下に、和および英のキーワード Keywords(それぞれ3~5語)を添付する。
3)本文(原稿第三枚目以降)
本文は第三枚目以降とする。
和文の原稿の場合は、22 字× 40 行で打ち出す。平仮名、新仮名使い、常用漢字とし、外国語、外国固有
名詞、化学物質名などは原語、外来語、動植物名などはカタカナ、数詞は算用数字の使用を原則とする。
英文原稿の場合は、シングルスペースでタイプする。イタリックを必要とする場合は、目印にアンダー
ラインを引く。
4)Abstract または要旨
和文原稿の場合は英文の 200 語以内の Abstract を、英文原稿の場合は 400 字以内の日本語の要旨を、文
献の項目の前に入れる。
5)単位および単位記号
国際単位系、メートル法を基準とする。
6)項目の区分
大項目……前を一行あけ、行の中央に、無記号で下線をつける。
原著論文の緒言(INTRODUCTION)、材料(MATERIALS)、方法(METHODS)、結果
(RESULTS)、考察(DISCUSSION)、引用文献(REFERENCES)などが相当する。
小項目……以下の順で使用する。
1. 2.… ………… 行の第1字目に記す。
1)
2)
… …… 行の第2字目に記す。
a . b . … …… 行の第2字目に記す。
a)
b)
… … 行の第3字目に記す。
7)注
注が必要な場合には、本文中の該当箇所右肩に(1)のように順を記し、本文、謝辞の後、文献の項目の
前に一括掲載する。
4.図表および写真
図表は、必ず一つずつ別紙に記し、図ごと、表ごとの通し番号をつける。図版(Plate)や写真(原則として
白黒)は、図として取り扱う。図はなるべく原寸大とし、明瞭でそのまま印刷できるものとし、14×20cm 以内
にまとめる。
図、表の説明文(英文でもよい。
)は、まとめて原稿の末尾につけ、原稿本文中の欄外余白部に図、表の挿入
位置を朱記し明示する。
5.引用・参考文献
文献は、引用順に配列し、原稿末尾に一括記載する。外国語文献は、必ずタイプする。なお、本文中該当箇
所の右肩に、1)~4)や3)、5)のように記す。
著者名は、筆頭から3名まで、それ以上は他(et al)とし、人名の記載は、姓を先にすることを原則とする。
1)雑誌から引用する場合
著者名(発行西暦年)表題 . 掲載雑誌名 巻数(必要であれば号数):頁-頁の順に記入する。ただし、英
文の著者名および雑誌名の省略を表すピリオド〔.〕は省くこと。雑誌名は、日本医学雑誌略表(日本医学
図書館協会編)および Index Medicus に従うこと。
例
1 Makino K(1981)Fluorophores of the human retinal pigment epithelium. Exp Eye Res 50:79-88.
48
2 Sakaguchi M, Bennet TM, Jameson EW et al.(1959)Two new Fleas from Japan J Med Zool 10:
15-162.
2)単行本から引用する場合
著者名(発行西暦年)
(表題.
)署名(版数)(編者名)発行所 発行地(引用頁)
例
Wintrobe IW(1974)The Conduction of the Impulse. Liverpool Univ Press, Liverpool
6.校正
原則として校正は著者に依頼する。校正は再校までとし、校正時における内容の変更や追加は認めない。なお、
校正は紀要委員会で定めた期日までに必ず返却する。
7.別刷り
著者には紀要誌2部、別刷り 30 部を贈呈する。30 部を超える分については、著者の負担とする。
8.著作権
投稿された論文の著作権は大阪行岡医療大学が有する。
著作権者は該当論文が「大阪行岡医療大学紀要」に掲載され、発行・頒布されることを許諾したものとする。
なお、これには「大阪行岡医療大学紀要」として電子化し、公開することを含めるものとする。
附則 この投稿要領は平成 25 年 4 月 1 日より施行する。
49
大阪行岡医療大学紀要(第 2 号)
2015 年 3 月 10 日発行
編集・発行者
大阪行岡医療大学 紀要編集委員会
顧 問 行岡久美子(学校法人 行岡保健衛生学園 副理事長)
委 員 長 森友 寿夫(教授 医療学部)
副委員長 粕渕 賢志(講師 医療学部)
委 員 松尾 高行(講師 医療学部)
委 員 原田 信子(講師 医療学部)
委 員 髙橋 誠一(事務局)
委 員 鶴田 敏郎(事務局)
発 行 所
学校法人 行岡保健衛生学園
大阪行岡医療大学
〒567-0801 大阪府茨木市総持寺 1 丁目 1 番 41 号
TEL 072-621-0881
印 刷 所
株式会社小西印刷所
〒663-8225 西宮市今津西浜町 2 番 60 号
TEL 0798-33-0691
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