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ユーザビリティ分野のロードマップ(6.42MB)
ユーザビリティ分野のロードマップ 森 川 博 之 東京大学大学院新領域創成科学研究科 2005.05.11 1 ユビキタスとユーザビリティ Aoyama Morikawa Laboratory 2 ネットにつながるモノは増えてきた - 3C Everywhere - z Computing everywhere – PDA, 携帯電話,情報家電,センサ, 車,ロボッ ト,ウエアラブルコンピュータ… z Contents everywhere – XMLコンテンツ,mp3ファイル,映画,エンコー ダ,デコーダ,アプリソフト… – 個人が 1 terabyte のディスクを所有していると 全世界では 1 zettabyte (1021) オーダの超分散デー タベース z Connectivity everywhere – 2G/3G/4G,高速無線LAN,赤外線,光ファイバ, DSL, DSRC, PAN… Aoyama Morikawa Laboratory 3 実世界もネット化されていく - 超環境 - z 「物理環境」と「仮想環境」のインタラクション – 現在のコンピュータとネットワークが構築しつつあるのはサイバー 社会(仮想環境) – センサやアクチュエータなどの組込み型分散デバイスが「物理環 境」との接点 z 物理環境と仮想環境とが相互接続された新たな環境の創出 – 生活・社会・産業における「神経系」となり得る情報基盤の創出 Aoyama Morikawa Laboratory 4 超環境でできること z ユーザと端末の物理的位置の関係で,利 用する端末を自動的に選定してサービス を享受したい z コンテキスト適応型のモバイルサービス を享受したい z ネットで環境制御したい 一番近いデバイスで 医者と緊急通話 ナノテクセンサ による超大規模センサ ネットワーク CO2濃度 有害微粒子測定 空調・照明 や交通量など を適切に制御 インターネット インターネット 環境制御基盤 システム Aoyama Morikawa Laboratory 5 ユビキタスと程遠い日常 z z 存在を主張しすぎるコンピュータ – デバイスの山,ケーブルの山,突然の クラッシュ,煩雑なデータ管理,精神 修養のインストール作業・・・ ユーザビリティ分野の目的 – 「ネットワーク付き電子レンジ」を作 る技術ではない – 融合によって境界線を押し上げる技術 ユビキタス関連技術 すっきり いろいろ 人とマシンの境界線 メールとWebを見た いだけなのに・・・ Aoyama Morikawa Laboratory 6 ユーザビリティと「禅の心」 Weiser’s Vision “Ubiquitous computing is the method of enhancing computer use by making many computers available throughout the physical environment, but making them effectively invisible to the user.” z 「禅の心」 – “Calm(静寂)”な世界 – 技術の存在を明示的に感じさせない(見せない)世界 – 実空間と仮想空間が密に融合 z 人間中心型コンピューティング Aoyama Morikawa Laboratory 7 モバイルからユビキタスへ Aoyama Morikawa Laboratory 8 1. Large Scale Micro Mobility Support WLAN Aoyama Morikawa Laboratory 9 2. Cross-Network Services and Mobility Support PDC WLAN PHS Aoyama Morikawa Laboratory 10 3. Cooperative Network Services PDC WLAN PHS Aoyama Morikawa Laboratory 11 4. Context-aware Mobile Services PDC WLAN PHS Aoyama Morikawa Laboratory 12 ユーザビリティ分野コア Aoyama Morikawa Laboratory 13 コア z ユーザビリティの視点は人間中心型コンピューティング z 遍在するデバイス・機器・サービスを誰もが容易に利用できる「ヒュー マンインタフェース」 z 安全にかつ安心にシステムを利用できるための「セキュリティ」 z 人間に負担をかけることなく種々のサービスやデバイスを適宜利用で きる「基盤ソフトウェア」 z 人間本位型コンピューティングを実現する「デバイス・機器類」 Network Network Aoyama Morikawa Laboratory 14 ヒューマンインタフェース z 遍在するデバイス・機器・サービスを誰もが容易に利用できるインタ フェース 明日の7時から 予約します 「こ」「ん」「ぴゅー」「た」 「を」「つ」「か」「う」「た」「め」 糖尿病に ついての番組が みたいなあ Aさんの意見に 関連する資料を 提示します 前方の歩行者が フラフラしてますよ Aoyama Morikawa Laboratory Thank you! 15 ヒューマンインタフェース z z z 知覚インタフェース – 「コンピュータへの入力のための」インタフェースから,「人の活動を知 覚し,人の活動をさりげなく支援するための」実空間指向インタフェース へ – 状況・空間理解,センサヒュージョン 表現インタフェース – 「文字・図形・音声を中心とした」インタフェースから、「実生活の中で 利用される五感を活用した」「感情表現できるロボットエージェントが豊 かな生活を実現する」インタフェースへ – マルチモーダル表示,個人化表現 インタラクション – 「情報システムの操作としての」インタラクションから、「人と人のコミュ ニケーションや共創を支援する」インタラクションへ – ユニバーサルデザイン設計支援,多言語理解 Aoyama Morikawa Laboratory 16 ユビキタスモンスタ Aoyama Morikawa Laboratory 17 セキュリティ z ネットワークとコンピュータが成長すると... – 個人認証に基づく個人化サービスの実現 – 身の回りにあるデバイス/サービスの柔軟な利用 – 「なんでも目印」によるモノ管理の実現 – 電子投票,医療相談,法律相談,ハローワーク,健康チェック… z 情報の一元管理にともなう大きな問題も発生 – 設計者の考えを超えた利用方法の出現 – 一度もれた情報を消すことはできない – 大量に集まった情報の価値は高い Aoyama Morikawa Laboratory 18 プライバシ/認証/アクセス制御 z 使途に応じたプライバシ・アクセス制御技術の高度化に向けて – 匿名通信,匿名認証,ユーザ確認型電子マネー,プライバシビー コン,認証機能付タグ z マルチモーダル認証に向けて – 身体的バイオメトリクスと行動的バイオメトリクスの併用 家庭内機器やモバイル機器 から、誰もが安心して利用 できるセキュアインタフェー ス(例えば会話型)をもつ インテリジェントなセキュ アサービス サービス & データベース ユビキタス ネットワーク Aoyama Morikawa Laboratory カメラやマイク 付きモバイル端 末で,音声/画像 を利用した認証 技術によりユー ザを識別した後, サービス開始 19 バランス感覚 Ease Ease of of Use Use Security Security Aoyama Morikawa Laboratory 20 基盤ソフトウェア z 膨大な情報/サービス/デバイス・機器が遍在する環境では, – 所望の情報を的確に探し出せる「検索」機能 – ユーザの状況/コンテキストに適応させる「個人化」機能 – 種々のサービス/デバイス・機器を連携させて新たなサービスを 容易に創出できる「連携」機能 z 「プロトコル」から「サービス」へ Aoyama Morikawa Laboratory 21 情報検索 マルチメディアデータ 多言語データ 日本語 英語 中国語 ホームでのメディアデータの蓄積 ブロードバンド,デジタル放送の普及 ビジネスのグローバル化 グローバルネットワーク 携帯電話の製品動向は? 関連情報をまとめると‥ 音声 ジェスチャ 情報検索のインテリジェント化 マルチモーダル対話 でのあいまい検索 オフィス TV 映像 音声 テキスト モバイル機器 ホーム,モバイル Aoyama Morikawa Laboratory 22 個人化 z 状況・環境の変化の検知が新しいサービスのきっかけを生む z 「いつでも・どこでも」ではなく「いまだけ・ここだけ・あなただけ」 を実現するためにはコンテキストの把握が必要 – コンテキスト適応型サービスを実現するためのミドルウェア基盤 – セマンティックWeb,エージェント,コンテキスト抽出・処理・ 利用,サービス/メディア適応.. Aoyama Morikawa Laboratory 23 「連携」を基板作りに例えると Resource list (directory) User’s request Resource collection Service configuration Service synthesizer Aoyama Morikawa Laboratory 24 連携 z 種々のデバイス/機能/資源の連携が新しいサービスを生む z 携帯電話も機能に分割すると,無線通信機能,CPU機能,メモリ機能, 音声入出力機能,テンキー入力機能,表示機能,ハードディスク機能 など.これらを外部のデバイス機能と連携させることでも,新たなサー ビスが実現できる – サービスグリッド,サービスオントロジ,相互接続ミドルウェア, 動的再構成ネットワーク... E2E Session Association for control data channels Aoyama Morikawa Laboratory Session Select/Change Data Channel Control Channel25 “Watch the World News” The World News Service ☆ Content Routing Internet Internet ☆ Sensor Network ☆ Information Appliance Transcoder Trascoder Voice to Text ☆ Device Selection ☆ Location Information ☆ User Interface ☆ Terminal Mobility ☆ Service Mobility ☆ Service Synthesis Aoyama Morikawa Laboratory 26 デバイス・機器類 z 膨大なデバイス/機能/資源を遍在させることで,サービスの有用性が高まる – CPU,ストレージ,コンテンツ,ディスプレイ,実空間情報取得センサ, ロボット,スマート建材... z ディスプレイ,電子ペーパ – 高画質化 – 低消費電力化 – 多機能化 ホームサーバ – 高容量化 – 低消費電力化 – インテリジェント化 センサ/スマートタグ – 小型化,低価格化,低消費電力化 z z Aoyama Morikawa Laboratory 27 ディスプレイ付 ICカード ウェアラブル ディスプレイ パネルへのシステムインテグレーション (周辺機能取り込みによる高機能化と軽薄短小端末実現) 固定表示時ゼロパワー、超軽量薄型 ディスプレイの多様化と低価格化が進み、 高画質で、いつでも、どこでもコンテンツ を楽しめるようになる。 電子ペーパ モバイル 入出力 一体I/F システムオンパネル 固定表示時ゼロパワー 耐久性、超低価格 PC タブレットPC PDA 携帯電話 衝撃耐性 軽量化 低消費電力化 外光視認性 ユビキタス・ディスプレイの実現 シート型 テレビ パーソナルTV デスクトップPC ノートPC 低価格 情報+AV表示 高解像度 大画面化 キャリアブル 軽量化 薄型化 低消費電力化 水銀レス化 広温度範囲 の耐久性 低価格 情報+AV表示 車載センター ディスプレイ 大型 TV 低価格 低消費電力 HDTV+情報表示 プロジェクタ 業務用 超高解像度 カラーマネジメント 大型 モニタ ビジュアルインタフェースとしての発展(高画質・質感の追求) ビジュアルインタフェースとしての発展 Aoyama Morikawa Laboratory 28 多機能化 z 画像入力機能との統合 Print etc TFT for Pixel driving Photo Sensor Glass LCM Glass Backlight 指紋認証機能付ディスプレイ Aoyama Morikawa Laboratory 29 電子ペーパメディア バインダー型 ペーパー型 システムディスプレイ CPU,メモリ,画像の圧縮・伸 長処理回路などの情報処理回路 を同一ディスプレイ基板上に一 体形成することが見込める 夢の超薄型“シートコンピュー タ”や“シートTV”の実現へ Aoyama Morikawa Laboratory 30 ホームサーバ デジタル放送 放送丸ごと1ヶ月録画 CATV ホームサーバ ホームネットワーク インターネット z ホームサーバーの備えるべき基本機能 – 映像ナビゲーション:早見早聞きナビ・メタデータナビ・キーワード連想ナビ・再 生履歴ナビ等 – 自分が構成した番組をいつでも何処でも視聴 (QoSの保証) – 電話,FAX,メールを何処でも受信 (セキュリティの確保) – アクセス機器のダイナミックな接続 (機器同士の動的接続) 映像のFAX/プリンタへの送信.楽音の携帯電話/スピーカへの出力. Aoyama Morikawa Laboratory 31 センサ/スマートタグ z 小型化,低消費電力化,低価格化が鍵 z OS技術,通信技術,デバイス技術,System-on-Chip,素材,センシング技術 などの連携が必要 Aoyama Morikawa Laboratory 32 ユーザビリティWG z ユーザビリティの視点は人間中心型コンピューティング – 人間とのインタフェースが「ヒューマンインタフェース」 – 音声,画像から状況・空間理解に向けて – 単一メディアから複数メディアに向けて – 安全にかつ安心にシステムを利用できるための「セキュリティ」 – 使途に応じたプライバシ・アクセス制御技術の高度化に向けて – マルチモーダル認証に向けて – 人間に負担をかけることなくバックヤードで動作する「基盤ソフトウェア」 – 膨大な情報を的確に探し出せるインテリジェント検索に向けて – ユーザの状況に適応する個人化サービスの実現に向けて – 種々の資源を連携させた新たなサービス創出の実現に向けて – 人間本位型コンピューティングを実現する「デバイス・機器類」 – 使い勝手の良いデバイス・機器の実現に向けて – 消費電力の少ないデバイス・機器の実現に向けて Aoyama Morikawa Laboratory 33