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エネルギーを巡る国際情勢について

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エネルギーを巡る国際情勢について
総合資源エネルギー調査会
基本政策分科会 第2回会合
資料1
エネルギーを巡る国際情勢について
平成25年8月
目次
1.世界と日本のエネルギー供給構造
2.資源調達を巡る環境
3.北米を中心とした新たなエネルギー供給構造の胎動
4. 新興国の原発導入拡大
5. 参考資料
1
1.世界と日本のエネルギー供給構造
主要国の一次エネルギー自給率の推移
○2000年前後から全体的に自給率が低下する傾向。原子力をフル活用する仏、シェール革命に入った米は改善。
○先進各国は原子力を活用することで自給率を10%程度改善する傾向。
2010年 フランス:+43%、韓国:+16%、日本:+15%、スペイン:+13%、ドイツ:+11% 、米国:+10%、英国:+8%、インド:+1% 、中国+0.4%
100.0
80.0
80.3
9.0 9.9 9.1 60.0
%
70.3 67.9 150.0
85
9.8 原子力
その他
40.0
100.0
100.0
119.1 10.7 80.0
92.4 9.6 73.5 8.0 50.0
60.7 9.5 60.0
40.0
0.0
0.0
1995
2005
2010
2005
2010
2012
52.8 41.5 43.5 42.6 44.0 2005
2010
2012
1995
フランス
英国
100.0
105.0
80.0
80.0
100.0
60.0
60.0
95.0
43.0 11.8 39.9 12.5 40.1 11.2 40.1 8.4 20.0
40.0
31.2
20.0
14.3 21.3
10.6 26.8 25.8
90.0
12.6 12.8 85.0
2010
2012
80.0
0.0
0.0
1995
2005
2010
1995
2012
ドイツ
2005
80.0
80.0
80.0
60.0
60.0
60.0
100.0
40.0
14.6
20.4
18.0 17.9
12.1 18.2 15.5 15.3 1995
2005
2010
2012
韓国
20.0
19.9
19.4
19.5
15.3 15.3 15.1 1995
2005
2010
0.0
日本
95.7
0.8 1995
100.0
40.0
101.8
0.3 スペイン
100.0
0.0
51.7
0.0
1995
2012
米国
100.0
20.0
50.7 20.0
20.0
40.0
54.0 2005
91.0 0.4 2010
中国
87.3
0.5 78.5
75.0 0.8 1.1 2005
2010
40.0
6.0 0.6 20.0
0.0
2012
※IEA「Energy Balance of OECD, Non‐OECD Countries 2012,2013」(OECD諸国は2012年のデータが最新の推計値、非OECD諸国は2010年のデータが最新の確定値)
1995
インド
3
日本の一次エネルギー供給構造の推移
○海外からの化石エネルギーに対する依存度は、現在約88%(2011年度)で、第一次石油ショック時(約89.7%)と同程度。
4.5% 2.6%
9.8%
16.8%
原子力 水力 再エネ等
天然ガス 0.6%
1.6%
4.4%
1.0%
石炭
16.9%
(国内炭:輸入炭
=4.3% : 12.6%)
石炭
石油
天然ガス
(国内炭:輸入炭
=0.9% : 15.9%)
11.1%
原子力
水力
石油
55.1%
再生可能
エネルギー等
75.5%
1991年度(湾岸戦争時)
1973年度(第一次石油ショック時)
3.2% 3.7%
11.3%
水力
原子力 3.4%
22.6%
再エネ等
4.0%
4.2%
石炭
22.0%
統計上は輸入炭のみ
天然ガス
19.2%
統計上は輸入炭のみ
23.3%
石油
40.0%
2010年度(震災直前)
43.1%
2011年度(直近の確定値)
※総合エネルギー統計エネルギー需給バランス表より作成
ただし、2010,2011年度の国内炭割合は、資源エネルギー庁調べによると、国内石炭供給量の1%程度ある。
4
日本の電源構成の推移
○海外からの化石エネルギーに対する依存度は、現在約88%(2012年度)で、第一次石油ショック時(約76%)よりも高い。
再生可能エネ
ルギー等
石炭
0.03%
4.6%
国内炭のみ
水力
原子力
2.6%
その他ガス
1.8%
LNG
2.4%
0.2%
石炭
10.3%
石油・LPG
12.7%
LNG
(国内炭:輸入炭
=2.9 %: 7.4 %)
17.2%
24.5%
その他ガス
27.8%
原子力
水力
石油・LPG
71.4%
再生可能エネル
ギー等
1973年度(第一次石油ショック時)
23.1%
1.4%
1991年度(湾岸戦争時)
再エネ等
原子力
1.6%
1.7% 水力
8.4
1.1%
8.5%
その他ガス
25.0%
28.6%
0.9%
(国内炭:輸入炭
=0.4 % : 24.6% )
1.2%
(国内炭:輸入炭
=0.7 % :26.9 %)
6.6%
29.3%
2010年度(震災直前)
石炭
27.6%
LNG
42.5%
石油・LPG
17.1%
2012年度(直近の確定値)
※「電源開発の概要」等より作成。発電電力量を用いて%を算出。「その他ガス」とは、一般電気事業者において、都市ガス、天然ガス、コークス炉ガスが混焼用と
して使用されているものが中心。 なお、「その他ガス」は、本文中の「海外からの化石エネルギーに対する依存度」(約88%、約76%)の中に含めている。
5
2.資源調達を巡る環境
主要産資源国のカントリーリスク
ロシア
カザフスタン
トルコ
チュニジア
イラク
モンゴル
アフガニスタン
イラン
中国
日本
アルジェリア リビア
ナイジェリア
エジプト
インド
サウジアラビア
クエート(2)
イエメン
スーダン
カタール(3)
メキシコ
タイ ベトナム フィリピン
カンボジア
オマーン(2)
マレーシア
赤道ギニア
インドネシア
アンゴラ
ベネズエラ
コロンビア
パプアニューギニア
ランク7
ランク6
ランク5
ブラジル
ボリビア
ランク4
モザンビーク
南アフリカ
ランク3
ランク2
アルゼンチン
暴力や拘留などを含む海賊行為
海上におけるチョークポイント
※OECD カントリーリスク(6月28日時点)より作成 http://www.oecd.org/tad/xcred/cre‐crc‐current‐english‐rev1.pdf
なお、OECD域内高所得国やユーロ圏内高所得国は評価・分類なし。
7
日本の原油の主要調達先(2012)
ロシア(4.7%)
イラク(1.9%)
イラン(5.2%)
サウジアラビア(33.0%)
オマーン(2.9%)
カタール(10.7%)
UAE(21.8%)
インドネシア(3.7%)
クエート(7.6%)
マラッカ依存度83.2%
中東依存度83%
ホルムズ依存度80%
※財務省 「貿易統計」等より作成
マラッカ依存度はマラッカ海峡以西の輸出主要国の率の積み上げ
8
日本の天然ガスの主要調達先(2012)
ロシア(9.5%)
オマーン(4.6%)
カタール(17.9%)
UAE(6.3%)
ナイジェリア
(5.5%)
マレーシア(16.7%)
ブルネイ
(6.8%)
マラッカ依存度34.3%
インドネシア
(7.1%)
オーストラリア(18.2%)
中東依存度29%
ホルムズ依存度24%
※電力会社受入燃料中東依存35.9%
※財務省 「貿易統計」等より作成
マラッカ依存度は、マラッカ海峡以西の輸出主要国の率の積み上げ
9
日本の石炭(一般炭)の主要調達先(2012)
ロシア(7.5%)
カナダ(2.3%)
中国(1.5%)
マラッカ依存度0%
インドネシア
(17.0%)
オーストラリア(70.5%)
※財務省 「貿易統計」等より作成
マラッカ依存度は、マラッカ海峡以西の輸出主要国の率の積み上げ
10
日本の天然ウランの主要調達先(2012)
ロシア
カザフスタン(29%)
イギリス
カナダ(35%)
フランス
アメリカ
ウズベキスタン(6%)
ニジェール(13%)
オーストラリア(7%)
(注)天然ウランは、生産国からアメリカ、フランス、イギリス、ロシア等に輸
出され、転換・濃縮等の工程を経た後、濃縮ウランとして日本に到達
する。図は主なルートを示している。調達先は電気事業連合会からの
ヒアリングを基に作成。
11
世界の主要地域紛争マップ
○我が国のシーレーンにおいて、国境をめぐる緊張や海賊による危険性が増大する傾向。
シリア内戦
2011∼(28,000)
イラン 核開発疑惑
アフガン戦争
2001∼(38,000)
リビア内戦
2011∼(31,000)
ミャンマー紛争
1948∼
マリ武装集団反乱
2011∼(2,000)
南スーダン内戦
2005∼(7,000)
中国、フィリピン、ベトナム、台湾等による
南シナ海領有権問題
メキシコ麻薬紛争
2006∼(53,000)
(1970年代以降深刻化(2002年頃まで)、2007
年以降再び緊張の高まり)
フィリピン紛争(NRA)
1969∼(41,000)
ソマリア内戦
2001∼(38,000)
コンゴ民主共和国内戦
1996∼(3,658,000)
タイ南部テロ
2004∼(4,000)
内戦、テロ等
開始年度(死者数)
※THE MILITARY BALANCE 2013より作成
12
海賊問題及び軍拡の動き
①世界各地域の海賊事件発生件数の比較
②アジアとヨーロッパの防衛費の推移
(各年の1月∼12月累計)
US$bn
件数
350
500
450
アジア>ヨーロッパ
300
2
400
その他
250
NATO Europe
350
アフリカ
300
250
2
293
0
12
200
南北アメリカ
インド亜大陸
150
150
200
120
189
東南アジア
150
21
100
30
11
50
69
14
23
10
55
Asia (excludes Australia and New Zealand)
極東
25
16
23
80
100
17
19
7
50
104
0
0
2007
2008
2011
2012
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
①出典:IMB「Annual Report 2007,2008,2011,2012」
②出典:THE MILITARY BALANCE 2013
13
<事例>イランの核開発を巡る各国の動向とホルムズリスクの高まり(2011年後半∼2012年度末)
日時
米国
EU
イスラエル
国名
イスラエル撲滅再宣言(アフマディーネジャード大統領)
$85.30
10月11日
アメリカ
駐米サウジアラビア大使暗殺計画の発覚
$85.81
11月6日
イスラエル
イランへの攻撃が近いと警告(ペレス大統領)
$95.52
11月8日
IAEA
イランの核開発に関する報告書発表
(核兵器開発に関する活動をイランが継続していると指摘)
$96.80
11月21日
①アメリカ
②イギリス
①イランのエネルギーや石油セクター従事者、イラン中央銀行を
含むイランのすべての金融機関との取引の制限・制裁
$96.92
(ただし、イラン中央銀行への制裁は実施せず)
② イランの銀行に対する一方的な金融制裁実施
11月29日
イラン、EU
テヘラン学生によるイギリス大使館・、外交官居住地襲撃
→イギリス大使館閉鎖やEUのイラン原油の輸入禁止の検討
$99.79
12月4日
イラン、アメ
リカ
イラン軍が、イラン領空に侵入したアメリカ軍の無人偵察機ス
キャンイーグルの捕獲を発表
$100.99
12月27日
イラン
ホルムズ海峡封鎖予告発言(ラヒーミー副大統領)
$101.34
アメリカ
国防授権法(NDAA)の成立(原油輸入等のイランと金融交易の
持つ各国の金融機関に米国独自の制裁を科すことが可能に)
$102.96
※2012年3月に、日本と欧州10カ国適用除外、6月にインドや
韓国など7か国・地域適用除外
12月31日
ホルムズ海峡封鎖リスクの高まり
2011年3月@インド洋オマー
ン沖 日本関係原油タンカー
が海賊に乗り込まれる事案
(米軍・トルコ軍により救助)
2010年4月,10月(インド洋沖)
日本関係原油タンカーの航行中追跡
※海賊事例は、国土交通省「海事レポート」より作成
Oil price
2011年8月 イラン
イラン
2010年4月 @アデン湾
日本原油タンカー「高
山」へソマリア海賊襲撃
概要
12月24日
∼2012年1 イラン
月2日
ホルムズ海峡周辺で「ヴェラーヤト90(Velayat-90)」と呼ばれる
$102.96
海軍軍事演習実施
1月
アメリカ
ホルムズ封鎖の拒否、軍事報復の可能性を示唆
1月23日
EU
1月29日
イスラエル
2月5日
アメリカ
8月
アメリカ
8月26日
イラン
9月27日
イスラエル
$101.31
イラン原油や石油製品等の禁輸、イラン中央銀行との貿易禁止 $99.58
や財産凍結の決定(実施は7月1日∼)
イランの核兵器保持の不許可、イランへ攻撃を示唆
$98.78
(ペレス大統領等)
イラン政府自体への金融制裁が可能に
$96.91
イランとの核問題は外交的交渉で解決でき、まだその時間があ $92.97
ると主張
最高指導者ハメネイ氏は核兵器利用を否定し、欧米・イスラエル $95.47
を批判
国連総会で、イランに軍事介入する期限の設定を主張
$91.85
(ネタニエフ大統領)
14
ユーラシア大陸におけるパイプライン網
○地政学的リスク等に対応するため、近年チョークポイントを回避する戦略的なパイプラインも建設されている。
15
※JOGMEC作成
※JOGMEC作成
電力源ごとの比較
①原子力発電所1基分(100万kw)が1年間で発電する電力量を他
の発電方式で代替した場合に必要な燃料
②国内民間在庫日数
10トントラック2.1台
濃縮ウラン燃料21トン
濃縮ウラン
LNG専用船4.75隻
(20万トンLNG船)
95万トン
天然ガス
(洋上在庫含まず、電力会社の発電用在
庫(2012年度平均在庫日数等)で計算。
※電力調査統計等より作成)
ウラン 約2年程度
※海外で濃縮等加工済のもの(震災前の値)
現在ではより大きい値となる。
LNG 約13日
大型タンカー7.75隻
(20万トン石油タンカー)
155万トン
石油 約67日
※国家備蓄は約85日(IEA基準、平成25年度3月末)
石油
大型石炭運船11.75隻
(20万トン船)
235万トン
資源エネルギー庁 「石油備蓄の現況」より
石炭 約33日
石炭
※出典:「原子力2010」(資源エネルギー庁)
③原子力発電所1基分(120万kw)が1年間で発電する電力量を再生可能エネルギーで代替した場合の必要設備
風力発電 (国内最大級のウィンドファーム(7.8万kW)で換算)
太陽光発電(住宅用)
×約54カ所
×約175万戸 =
東京都の戸建のほぼ全て
戸建住宅(4kw)
平成24年度末
の導入状況
(約420万kW)
:
約130万戸
※現在年間約30万戸のペースで導入
(㈱ユーラスエナジーホールディングス 新出雲風力発電所)
平成24年度末の導入状況
:
約34カ所(約270万kW)
16
※国家戦略室第13回エネルギー環境会議(平成24年9月4日)等より作成
3.北米を中心とした新たなエネルギー供給構造の胎動
世界のシェールガス・シェールオイルの可能性
○EIA(米国エネルギー情報局)が本年6月に公表した試算では、世界のシェールガスの埋蔵量は約7,300兆cf(LNG換
算:1,532億トン)で、天然ガスの埋蔵量は約1.5倍に増加。
○世界のシェールオイルの埋蔵量は、約3,450億バレルで、石油の埋蔵量は1.2倍に増加。
[参考]在来型資源の埋蔵量(IEA WEO2012より試算): 天然ガス16,308兆cf(LNG換算:3,425億トン)、石油:約2兆2450億バレル)
○現在、シェールガス・オイルの商業ベースでの生産は北米のみ。
<シェールオイル>
その他
750
21.7%
<シェールガス>
ロシア
750
21.7%
ブラジル
245
3.4%
インドネシア
80
2.3%
カナダ
埋蔵量
90
3450億バレル
2.6%
パキスタン
90
2.6%
メキシコ ベネズエラ
130
130
中国
3.8% リビア
3.8%
320
260
アルゼンチン
9.3%
7.5%
270
7.8%
中国
1115
15.3%
その他
1535
21.0%
米国
580
16.8%
※上位10カ国で埋蔵量の78.3%を占める
埋蔵量
7299 兆cf
ロシア
285
3.9%
南アフリカ
390
5.3%
アルゼンチン
802
11.0%
豪州
437
6.0%
メキシコ
545
7.5%
カナダ
573
7.9%
アルジェリア
707
9.7%
米国
665
9.1%
※上位10カ国で埋蔵量の79%を占める
※シェールガス・オイルにおける「埋蔵量」というのは、「技術的回収可能資源量」を指す。
EIA :Technically Recoverable Shale Oil and Shale Gas Resourcesより作成
18
シェールガスとシェールオイル形成予測地域(2013年5月時点)
※EIA :Technically Recoverable Shale Oil and Shale Gas Resourcesより作成
19
北米におけるシェールガスの生産拡大と世界のLNG市場への影響
○ 2006年以降、米国・カナダでシェールガスの生産が拡大。 (2011年の米国の生産量はLNG換算で1.6億トン、日本のLNG輸入量の約2倍に相当)。
生産拡大に伴い、米国の天然ガス価格は大きく下落。2009年以降に石油価格からの独立を実現。
○シェールガスの生産拡大により、米国のLNG輸入見通しが大幅に下方修正。2020年頃には、天然ガスの純輸出国となる見込み(EIA AEO2013より)
○カタールは米国のLNG輸入の増加を見越して大幅に生産能力を拡大(2008年約3,000万トン/年→2011年約7,700万トン/年(世界のLNG生産能
力の約3割に相当))していたため、LNGの需給が緩和。このため、日本の電力会社は震災後に需要が急増したLNGの調達ができているが、LNG
の中東依存度が上昇。
輸入超過
②米国のLNG輸出入見通し
①天然ガス価格の推移
(単位:100万トン)
18.6$/MMBTU
150
25
(実績)
(単位:米ドル/100万英国熱量単位)
(見通し)
2005年時点の見通し
100
日本LNG輸入価格
50
③米国のシェールガス生産実績及び見通し
(LNG換算100万t)
2039
2037
2035
2033
2027
2025
2023
2021
2019
2017
2015
2013
2011
‐50
輸出超過
0
2009
0
2031
3.7$/MMBTU
5
2013年時点の
見通し
2029
16.4$/MMBTU
2007
米国ガス価格(ヘンリーハブ)
10
2005
15
日本原油輸入価格(JCC)
2003
20
④米国の天然ガスの生産量、消費量、純輸入量、輸出量の実績及び見通し
40.00
35.00
(単位:trillion cubic feet)
30.00
(実績)
2011年
(見通し)
25.00
シェールガス
20.00
消費量
15.00
10.00
2011年
(実績)
生産量
シェールガス以外
天然ガスの
純輸出国に。
輸入量
輸出量
5.00
‐
(5.00)
(10.00)
1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040
出典:EIA Annual Energy Outlook2013Early Release、2011、2009、2005より作成
20
米国におけるシェールオイルの生産拡大のインパクト
○米国内のシェールオイルの生産拡大に伴い、2008年以降、米国の原油輸入量は減少傾向。EIAは2013年3月20日、今年、国内の原油生
産が1995年以来初めて原油輸入を超えるとの見通しを示した。
(参考)米国のタイトオイルの増産見込み[2012年:200万b/d→2020年:280万b/d]
○シェールオイルは、軽質油(API度:35∼40程度)であるため、API度が同程度の軽質油であるナイジェリアやアルジェリア産原油の輸入量
は半減。(2008年約123万BD→2012年約53BD)。※ナイジェリアやアルジェリア産原油は、欧州・インド市場へ流入。
○米国内におけるシェールオイルは2020年頃まで増産見込みであり、今後、米国が輸入する原油は、軽・中質油は減少し、米国の輸入原
油は相対的に重い原油に重点化。米国のカナダからの重質油の輸入は増加傾向。
(参考)カナダ産原油はオイルサンドの開発進展により大幅増加見込み[ 2012年:320万b/d→2030年:670万b/d]
万B/D
1000
①米国の原油輸入と今後の見通し
978 実績
万B/D
100
見通し
921 900
ナイジェリア
849 800
EIAの3月
の発表より
727 700
647 アルジェリア
軽質
40
ブラジル
20
メキシコ
コロンビア
300
280 200 200
31
12
0
ナイジェリア
アルジェリア
③米国の原油消費量(*)に占める北米と南米の割合の推移
サウジ
400
41
中質
クウェート
500 2008年
2012年
60
その他
アンゴラ
548 92
80
ガボン
イラク
600
500
②米国の主な軽質原油の輸入量の推移
100%
重質
80%
35%
31%
31%
28%
10%
10%
10%
10%
21%
21%
21%
23%
34%
37%
37%
39%
2008年
2009年
ベネズエラ
カナダ
原油輸入量
60%
40%
24%
10%
23%
原油生産量
100
82 54 タイトオイル生産量
20%
43%
その他
南米(ベネズ
エラ、コロンビ
ア、ブラジル)
北米(カナダ、
メキシコ)
生産量
0%
0
2008年
2010年
2012年
2020年
2010年
2011年
2012年
出所:EIA :EIA Annual Energy Outlook2013、EIA各種データ 等より作成
※ 消費量は、生産量と輸入量の合計として計算。
21
シェール革命の影響の拡大
①LPガス:シェールガスに随伴してLPガスの生産も拡大し、米国では価格が下落。我が国でも、米国価格にて、アストモスエネルギー(80万t、2013
∼15年)、ENEOSグローブ(18万t/年、2014年から)、伊藤忠商事(100万t/年、2015年から)が調達見込み。米国からの調達は、20
16年には約200万トン(日本の年間輸入量の約16%)に越える見込み。
②石炭:米国ではガス火力発電が増加し、石炭火力が減少。余った石炭は欧州を中心に他国が輸入。欧州(ドイツ、英国)の発電量に占める石炭火力
の割合が上昇する結末となっている。
③石油化学:シェールガスにより、米国での天然ガス由来エタンによるエチレン製造コストが低減。その結果、国際的な石油化学製品マーケットに影響
を与える可能性。
①中東/米国LPG到着価格の推計比較
②米国からの一般炭輸出量の変化と欧州の発電量の変化
米国の火力発電構成の推移
米国の一般炭輸出の推移
サウジ契約価格
960(2
月)
945(3
月)
米国モントベルビュー市場価格
出典:EIA統計データより作成
(注1)サウジCPにはフレート50ドルを加算した値を表示している。
(注2)モントベルビュー価格は液化積込みコスト60ドルとフレート120ドルを加算した値を表示。
$/トン
2000
英国の発電量の推移
③1トンあたりのエチレン原料価格比較
1717
1500
1000
500
ドイツの発電量の推移
455
316
アジア
主にナフサ
(2011年)
サウジアラビア
主にエタン
(2011年)
米国
主にエタン
(2012年)
0
※PwC 「Shale gas Reshaping the US chemicals industry」より作成
出典:各国政府統計資料より作成
22
北米のエネルギー供給構造の自立化とアジアの中東依存
○米国におけるシェールガス、ライト・タイト・オイルの生産拡大に伴い、カナダやメキシコの石油・ガス供給力を統合して北米大陸のエネル
ギー供給構造を自立化する道筋が顕在化。北米に誘発され南米でのシェールオイル・ガスの開発可能性も高まる。
○米国の原油等の中東からの輸入量は減少し、中東依存度は低下することが予想され、中東へのコミットメントも不透明化。
この影響で、国際エネルギー供給構造は大きく変化する可能性大。
○北米のエネルギー供給構造が自立化しつつある一方、アジアの中東依存度は今後も高止まりし、供給構造は依然として不安定な状態。
【カナダ】
シェールオイルで9位の可採
埋蔵量(P1のEIA試算より)
【米国】
シェールオイルで2位、シェール
ガスで4位の可採埋蔵量
【メキシコ】
シェールオイルで7位、シェール
ガスで6位の可採埋蔵量
輸出減
→米国の中東依存の低下
波及
【ベネズエラ】
シェールオイルで5位の可採埋蔵量
【ブラジル】
シェールガスで10位の可採埋蔵量
【アルゼンチン】
シェールガス2位、シェールオイルで4
位の可採埋蔵量
(例) 2013年7月16日
米シェブロンはアルゼンチンの国有エ
ネルギー会社YPFとバカムエルタ鉱区
におけるシェールガス・オイル開発で
の協力等を契約。
23
中東の原油輸出先推移(実績ベース)
万 B/D
2000
1800
中東 2%
2%
1600
4%
2%
1400
原
油
総
輸
出
量
アフリカ 3%
3%
3%
3%
中東
1200
1000
51%
59%
66%
アジアと太平洋地域
71%
アジア
比率上昇
アフリカ
ラテンアメリカ
アジアと太平洋地域
800
北米
600
欧州
18%
16%
400
200
24%
15%
北米
比率低下
18%
14%
欧州
10%
2005年
約1,560 万 B/D
2008年
約1,639 万 B/D
2012年
約1,740 万 B/D
0
2000年
約1,445 万 B/D
※OPEC 「Annual Statistical Bulletin2000~2013」より作成
「中東」はOPEC加盟国に限る
24
4. 新興国の原発導入拡大
世界の主な原子力発電開発の現状と原子力発電の見通し(IAEA試算)
○原子力発電は、 現在、429基、30カ国に存在(100万kW級原子力発電所で換算すると約370基に相当)。
○新興国や中東諸国を中心に、急増する電力需要をまかなうため、原子力発電開発が急ピッチで進められ、IAEA
は、2030年までに、世界の原子力発電所の設備容量は25∼100%増加すると予測。
(原子力発電所(100万kW級)の基数換算で、90∼370基程度増加(年間5∼20基建設)(2012年9月))
○特に、東アジア、東欧、中東・南アジア等で大きな伸びが予想される。
西欧
東アジア
(115GW → 70GW/126GW)
(80GW → 153GW/274GW)
東欧
北米
(114GW → 111GW/148GW)
東南アジア・太平洋地域
(49GW → 80GW/107GW)
南米
(0GW → 0GW /6GW)
(4GW→ 7GW/14GW)
中東・南アジア
(6GW → 30GW/52GW)
2030年(高位予測)
2013年1月1日時点
○運転中の原子力発電所
429基、約3億9,000万kW
○建設中の発電所
76基、約7,800万kW
○計画中の発電所
97基、約1億kW強
運転中原発のみの国
運転中の原発に加えて、建設中・
計画中の原発も存在する国
新規建設中・計画中(計画予定も
含む)の原発がある国
2030年(低位予測)
※世界の原子力発電開発の動向(日本原子
力産業協会)に最新動向を踏まえ作成
世界の原子力発電容量(GW)
(図中、「現在→高位予測/低位予測」で表記)
アフリカ
(2GW→5GW/13GW)
2011年現在
(出典)原子力発電容量(GW※)は、IAEAの予測(2012年9月)。 ※1GW=100万kW 基数は、1基100万kWと仮定して資源エネルギー庁で推計
26
原子力における原子力安全・不拡散・核セキュリティの重要性
○原子力は、軍事目的への転用防止の必要、事故の影響が他国に及ぶ可能性といった特性あり。
○そのため、世界的に、原子力の平和利用にあたっては、3S(①原子力安全、②核不拡散/保障措置、③核セキュリ
ティ)の確保の重要性が繰り返しが謳われている。
○我が国は、非核国で、フルセットの原子力・核燃料サイクルを有する唯一の国として、また、東電福島第一原発事故
を経験した国として、世界の3Sの確保に対して、これまで以上に貢献することが期待されている。
国際原子力機関(IAEA)における議論 −第56回総会決議(2012年9月)
(1)原子力安全 (Safety)
−最高水準の原子力安全を達成するため、東電福島原発事故の教訓を用いていくことを確認。また、「IAEA原子力安全
行動計画」※の包括的な実施等。
※東電福島第一原発事故を契機とし、国際的な原子力安全を強化するためのもの。2011年9月のIAEA総会で承認。
①東電福島原発事故の観点からの安全評価 ②IAEAピア・レビューの奨励、③IAEA安全基準の改訂、④加盟国のキャパシ
ティー・ビルディング 等が内容。
(2)不拡散/保障措置 (Safeguards)
−加盟国の包括的保障措置協定や追加議定書の速やかな締結等を奨励。
−北朝鮮のウラン濃縮計画及び軽水炉建設に懸念を表明し、北朝鮮に、すべての核兵器及び既存の核計画の放棄並
びにすべての関連する活動の即時停止等を強く要請。
−中東の全ての域内国に保障措置に関連する国際的な義務の遵守を求め、域内の非核地帯設立に向けた取組の実施
を要請。
(3)核セキュリティ (Security)
−核物質及び原子力施設の高いレベルの防護を維持し、核セキュリティ強化のための国際的な取組。
【参考】核セキュリティ・サミット(2010年4月ワシントン、2012年3月ソウル)
・オバマ大統領のイニシアティブで第1回をワシントンで開催(核セキュリティに関する初の首脳会議)。核セキュリティ強化に向
けた具体的な措置を取ることで一致。
27
・第2回ソウル・サミットでは、核セキュリティ強化の具体的措置や各国の連携の重要性と原子力安全との協調を確認。
各国からの我が国の原子力技術に対する期待
国名
ベトナム
(ズン首相)
概要
日本が輸出を予定する原子力発電所の建設について、「ハイレベルな技術と安全
性を信頼している」、「日本は事故を教訓としてさらに技術を発展させると信じてい
る」旨発言。【2012年4月21日 日本記者クラブ記者会見】
日本の原子力発電所の発注交渉について、「日本の技術と安全性を信頼している。
(ダトゥール外務大臣) トルコの原発建設で協力を進めたい」と発言。【2013年1月8日付 日経新聞】
トルコ
リトアニア
(クビリウス首相)
野田首相との会談において、ビサギナス原子力発電所建設に関して、日本の高い
原子力技術に対する期待の表明あり。【2012年2月20日 日リトアニア首脳会談】
(ウィレッツ大臣)古川内閣府大臣(科学技術政策)との会談において、原子力の分
イギリス
野においても、福島原発事故の経験や英国の原子力に関する知見や技術の蓄積
(ウィレッツ大臣(大学・ 等を活かしながら協力関係を構築していくことを期待する旨発言。【2012年4月10日
科学担当)、
古川大臣との会談】
(ジョーンズ大臣
(ウェールズ担当))) (ジョーンズ大臣)前月の大間原発視察を踏まえ、「日本の原発には大変感銘を受
けた」と述べ、福島原発事故後、その失敗に学んで安全性を高めた日本の新型原
発が英国に建設されることへの期待を示した。【2013年4月10日付 産経新聞】
ブラジル
(ロバン鉱業・エネル
ギー大臣)
ポーランド
(トゥスク首相)
茂木経済産業大臣との会談において、茂木大臣がブラジル国内の原発計画に協
力する意向を示したのに対し、「日本の技術を活用したい」と応じた。【2013年5月2
日付 朝日新聞】
安倍首相との会談において、原発、再生可能エネルギー、スマートグリッド等の分
野での日本との協力を進めて行くことへの期待を示した。【2013年6月16日 日ポー
ランド首脳会談】
28
世界の原子力平和利用における我が国の位置付け
NPT加入国(190ヶ国)
核兵器保有国(疑惑国も含む)
NPT非加入国
NPT上の核兵器国
インド
パキスタン
イスラエル
米、露、英、仏、中
非核兵器国(185ヶ国)
日本
商業再処理施設
ドイツ、オランダ、
ブラジル、
アルゼンチン等
商業濃縮施設
原子力発電所
商業濃縮施設
原子力発電所
韓国、カナダ、ウクライナ、スウェー
デン、スペイン、ベルギー、チェコ、
スイス、ブルガリア等
31ヶ国
原子力発電所
南アフリカ(濃縮放棄・核兵器廃棄)
出典:「核不拡散と原子力平
和利用の現状と将来の課
題」日本原子力研究開発機
構 千崎雅生, 2006年9月に
基づき経済産業省が作成
ベトナム、UAE、ヨルダン等
原子力発電所計画中
154ヶ国
リビア(核兵器等開発放棄)
原子力発電所なし:153ヶ国
29
世界の主要原子力プラントメーカー
(1)1980年代以降、世界の原子力プラントメーカーの国際的な再編・集約化が進展。
(2)近年は、日米の原子力プラントメーカーの統合が進展(東芝によるウェスティングハウス社の買収、日立とGEによ
る日米新会社の設立)。日米の産業協力関係は緊密化。また、三菱と仏アレバ社は中型炉の合弁会社を設立。
1980年代
現 在
1990年代
2000年代
・B&Wニュークリア・テクノロジーズ
・B&Wフュエル
Babcock & Wilcox(米)
をフラマトムへ売却 (一部の機器製造部門についてはB&W Canadaに集約)
Framatome(仏)
Framatome(仏)
Siemens(独)
Siemens(独)
三菱重工業(日)
三菱重工業(日)
Framatome ANP(仏)
(持株会社AREVA社設立・傘下へ(2001/9)) 合弁会社「ATMEA」設立(2007/9)
(中型炉について共同開発)
事業統合(2001/1)
三菱重工業(日)
Combustion Engineering(CE,米)
ABBがCEを買収し
子会社化(1989)
Asea(スウェーデン)
BNFL(英)
ABB-CEのSYSTEM80を改良標準化
合併によりABB設立
(1988)
BNFLがWH(注2)を
買収し子会社化 (1999)
三菱重工業(日)
斗山重工業(韓)
韓国電力公社の子会社である韓国水力原子
力(KHNP)が設計・建設・運転を総合管理
Asea Brown Boveri(ABB)
Brown Boveri et Cie(スイス)
AREVA NP注1(仏)
BNFLがABB原子力事業
を買収しWHに統合(2000)
東芝が買収(2006/10)
WH(米)
WH(米)
WH(米)
東芝(日)
東芝(日)
東芝(日)
東芝(WH) (日/米)
日立(日)
日立(日)
日立(日)
日立・GE(日/米)
GE(米)
GE (米)
GE (米)
中国核工業集団公司(CNNC)(中)
中国核工業集団公司(CNNC)(中)
WH及びFramatomeからの技術導入・国産化
原子力分野での再編・新会
社設立(2007/7)
中国広東核電集団有限公司(CGNPC)(中)
中国広東核電集団有限公司(CGNPC)(中)
Framatomeからの技術導入・国産化
PWR中心
BWR中心
:脱原発政策を進めたことがある国
:原子力の新増設が停滞した国
PWR・BWR両方あり
注1
注2
2006年3月1日より、「AREVA NP」に社名変更
米国防衛・環境関連はWashington Group International(米)が買収
ロスアトム(露)
原子炉製造、濃縮、燃料加工、ウラン鉱山開発
等の民生原子力部門を統合(2008/3正式発足)
30
原子力平和利用と核不拡散を巡る国際的な動向
1953年
1957年
1970年
1974年
●米国アイゼンハワー大統領が、国連総会演説「ATOMS for peace」により、世界に原子力平和利用を提唱。
●IAEA設立
●核兵器不拡散条約発効(日本は1977年に加盟)
●インドの核実験を契機として、米国、カナダなどの原子力供給国が核不拡散強化に方針転換。
核不拡散体制強化の流れ
(参考)米国カーター大統領声明ポイント(1977年)
・商業用再処理とプルトニウム・リサイクルの無期限延期
・高速増速炉の開発計画変更と商業化延期
・濃縮、再処理の施設及び技術の輸出禁止
1977年∼ ●米国の提唱によりINFCE(国際核燃料サイクル評価)設立:原子力
「わが国は、核拡散防止のための国際的努
力には、世界の平和及び我が国自らの安全のた
の平和利用(特に濃縮・再処理の利用)と核拡散防止は両立可能
めにも積極的に協力するが、他方わが国の原子
との結論(1980年)。
力平和利用に対する不当な制約は排除するとの
●ロンドン・ガイドライン成立:核物質や原子力資機材・技術を輸出する 基本方針に従って活発な外交活動を行った」
際には相手国から核拡散防止のための約束をとりつけることで合意。 (1980年版外交青書)
●日米原子力協定:核不拡散強化方針を打ち出していた米国との間で10年にわたる交渉の結果、再処理につい
て包括同意(1988年)。
わが国は、こうした外交活動や国内の保障措置の徹底の結果、現在では、非核兵器国の中で唯一、濃縮・再処理技
術を含むフルセットの核燃料サイクルの保有を国際的に認知された地位を獲得。
1990
∼
2000
年代
●世界的に原子力新規導入・拡大の動きが本格化。他方、1990年代に入り、イラクや北朝鮮による秘密裏の
核開発疑惑を契機として、「原子力平和利用と核不拡散の両立」を図ることが国際的な課題として一層重要に。
●これを受け、IAEAは従来の保障措置を強化し、未申告の核物質や原子力活動の探知を可能とするためのモデ
ル追加議定書を作成。わが国は1999年に締結して以来その普遍化を推進。
その後も原子力平和利用と核不拡散を両立させるため、原子力資機材・技術の輸出規制の強化、保障措置の徹
底、核燃料供給・引取サービスの枠組みづくり等について国際的な議論が活発化。
(オバマ大統領が2009年4月にプラハで掲げた「核無き世界」という目標を達成するために)「世界は、日本の知見、リソース、高
潔なリーダーシップを求めている。私は、核燃料サイクルセキュリティのために実現性のある国際システムを発展させ、このような方
策を世界に広めるという、日本がこれまで果たしてきた主導的役割を称える。我々は、このビジョンに向かって、引き続き共に取り組
んでいくことが必要である。」
出典:米国エネルギー省ホームページ 2011年12月 ポネマン副長官の東京アメリカンセンターにおけるスピーチ抜粋 31
5. 参考資料
(参考)主要国の原油自給率の推移
○中国は1990年代に石油の純輸入国に転じ、需要の増大により自給率が低下。
○米国は生産量の減少と需要の増加により自給率が低下。近年、生産増により、増加傾向。
75
100
125
150
%
英国 63
50
中国 47
米国 46
25
インド 20
ドイツ
3
フランス
2
韓国 0.6
0
日本 0.3
1972
1974
1976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
スペイン
※IEA「Energy Balance of OECD, Non‐OECD Countries 2012,2013」(OECD諸国は2012年のデータが最新の推計値、非OECD諸国は2010年のデータが最新の確定値)
0..2
33
(参考)主要国の天然ガス自給率の推移
○中国は2006年からLNGの輸入を開始。
○米国は2006年以降、シェールガスの生産が拡大。2020年頃には、天然ガス純輸出国となる見込み(EIA AEO2013)。
100
125
%
米国 94
75
中国 90
50
インド 80
英国 53
25
ドイツ 14
日本
フランス
0
スペイン
韓国
1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012
日本
3
フランス
1
韓国
1
スペイン 0.1
※IEA「Energy Balance of OECD, Non‐OECD Countries 2012」(OECD諸国は2012年のデータが最新の推計値、非OECD諸国は2010年のデータが最新の確定値)
34
(参考)主要国の石炭自給率の推移
○石炭資源の少ない国でも輸入炭による石炭火力発電が増加。結果として、自給率は低下傾向にある。
○地球温暖化問題が盛り上がりを見せた1990年代後半∼2000年代前半において、自給率が低下する国(OECD)と
上昇する国(中国)に分離。
125
%
100
米国 116
中国 90
75
インド 80
ドイツ 62
50
韓国
フランス
25
英国 25
スペイン
16
フランス
2
韓国
1
0
日本
1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012
日本 ※IEA「Energy Balance of OECD, Non‐OECD Countries 2012」(OECD諸国は2012年のデータが最新の推計値、非OECD諸国は2010年のデータが最新の確定値)
35
(参考)世界における資源供給の主な途絶事例
中東・北アフリカにおける紛争及び政変
その他の地域の民族紛争、国内政治対立等
第一次石油危機(1973年10月)
ベネズエラの反大統領派ゼネスト(2002年12月)
OAPECが原油の生産削減および一部非友好国への石油禁
輸(6ヶ月間)を実施。最大430万b/dの原油供給が途絶。原油
価格が4倍に急騰($3→$12)。
ストが4ヶ月続き、最大260万b/dの原油供給が途絶。
WTI原油価格は、11月の$26から2003年3月初めには$38に。
第二次石油危機(1978年11月)
イラン革命で最大560万b/dの原油供給が途絶。原油価格は
1978年11月の$13から1979年4月には$15に上昇。
イラン・イラク戦争(1980年9月∼1988年8月)では、最大410
万b/dの原油供給が途絶。OPECは基準価格を徐々に引き
上げ、1981年1月には$34に。
湾岸戦争(1990年8月)
イラクによるクウェート侵攻により、両国合計で最大430万b/d
の原油供給が途絶。クウェートの原油生産回復に3年を要し
た。イラクの原油生産は経済制裁により50万b/dに減少(1999
年から200万b/d)。WTI原油価格は開戦前の$21から10月に
は$40に。
イラク戦争(2003年3月)
イラク原油において、最大230万b/dの供給が途絶(1∼2ヶ
月)。12月には回復。WTI原油はベネズエラのゼネストを受け
て2002年12月後半から$30を超えて上昇を続けていたが、3月
初めには$38まで上昇。
リビア、イエメンにおける政変(2010年12月)
両国合計で最大170万b/dの原油供給が途絶。WTI原油価格
は2011年1月の$89から4月末には$114に。
インドネシアのアルンLNG停止(2001年3月)
ゲリラ自由アチェ運動の脅迫によりExxonMobilが操業を停
止し、液化基地への1.44bcf/dのガス供給が途絶(5ヶ月)。
月間10カーゴのLNG輸出が停止。
自然災害
メキシコ湾ハリケーン(2005年8月)
原油生産140万b/d、天然ガス生産8bcf/dが停止(メキシコ
湾生産量のそれぞれ9割、8割)。WTI原油価格は$65から
$70 (8月末)に、天然ガス価格は2倍の$15/Mbtuに上昇。
オーストラリア洪水(2010年11月)(石炭関係)
豪州原料炭生産の9割を占めるクイーンズランド州の洪水
で8割以上の炭鉱が浸水、鉄道も被害。3月頃には回復。
豪州一般炭スポット成約価格は8月最安値の$87/tから
2011年1月初めには$144/tに上昇。
パイプライン通過国リスク
ロシアによるウクライナへのガス供給停止(2009
年1月)
EUがロシアから輸入する天然ガスの8割を占める、ウクライナ
経由のガスが停止。300-350百万立方メートル/dのガス供給
が2週間停止。
36
(参考)エネルギーと北米地政学:米国だけでなくカナダ、メキシコを巻き込んだ新構造へ。
○国境を超えたパイプライン網が米国南部の比重を高めているが、さらなるネットワークの強化は北
米国全体の 新たなエネルギー・産業構造を創出。
37
(参考)シェール革命が世界に与える影響
【ロシア】
• 欧州向け天然ガスの価格引き下
げ圧力、供給の低迷。
• 日本・中韓マーケットの開拓
【ヨーロッパ】
• 石炭増などによるガス需要減少
• 中東からのガス輸入拡大、ロシア
からの輸入減少
• 様々な価格決定方式の導入
• 在来型、非在来型の原油開発に
よる輸出拡大の可能性。
• 北米に代わり、中東からの
原油輸入増
【アフリカ】
• シェールオイル革命に
より米国への輸出減
(1.1mbd→0.3mbd)
• アル ジェリア、ナイ
ジェリア産原油(軽質
油)の欧州やインド市
場への流入の可能性
今後検討が進むと見込まれるガスの輸出
今後検討が進むと見込まれる原油の輸出
ガスの動き
原油の動き
カッコ内は、2012~2018にかけての原油輸出変化見通し
(million barrels per day)
※IEA 「Medium-Term Market Report 2013」より引用)
【中国】
• トルクメニスタンからの天
然ガス輸入拡大
• 北米の上流権益確保
• 対露ガス輸入交渉優位に
北米からの石炭輸入
• すでに発生している事象
• 今後発生・本格化しうる事象
【日本】
• 天然ガス調達先の多角化
• 天然ガス需給に基づく価
格決定方式の導入
• 石炭等他の選択肢の確保
【北米(米国・カナダ)】
• 天然ガス供給量増加
• 余剰石炭の欧州への輸出
• ガス純輸出国に転換
欧州への
石炭輸出
• 石油生産の増加
• 中東依存度の低減
(2.7mbd→1.7mbd)
【中東(カタール等)】
• ヨーロッパ、アジアマーケットの
更なる開拓
• 米国への原油輸出減少
(2.7mbd→1.7mbd)
• アジア(中国・インド中心)への
輸出のさらなる拡大
(中国向け2.6mbd → 2.9mbd)
【モザンビーク】
供給先の開拓
【豪州】
供給先開拓・価格
交渉に直面
【南米】
• アルゼンチン(シェールオイ
ル)やベネズエラ(超重質)
等の開発による増産・輸出
可能性
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