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「食の健康と世代別食育支援展開に関する研究」 ∼食

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「食の健康と世代別食育支援展開に関する研究」 ∼食
財団法人ハイライフ研究所
平成 21 年度研究
「食の健康と世代別食育支援展開に関する研究」
∼食生活力が高齢者の生活を変える∼
財団法人ハイライフ研究所
目次
第Ⅰ章
高齢者の食育を考える前提と意義
1.高齢者の食育を考える前提
1
2.日本の高齢化と食育
4
(1)日本の高齢化
4
(2)生活環境の変化
7
(3)高齢化社会で食育を考える必然性
8
(4)高齢者の食育を考える基本視点
9
3.高齢者食育研究の対象と視点
第Ⅱ章
(1)人口動態
11
(2)加齢と疾病増加の傾向
13
(3)食のライフヒストリー
16
(4)研究の対象年齢と視点
26
高齢者の食育とは何か
~これまでの取組みと指針・提言~
1.健康づくり運動から食育へ
第Ⅲ章
11
27
(1)健康づくり運動と食育の関係
27
(2)健康日本21における栄養・食生活のあり方
29
2.高齢者のための食生活指針
31
3.食育のおかれた位置
32
4.生活総体から食育を捉えなおす必要性
34
(1)食育の捉えなおしの必要性
34
(2)社団法人日本栄養士会の食事提言
34
高齢者食育の方向性
1.高齢者の食栄養特性
(1)朝食欠食の状況
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
39
39
第Ⅳ章
(2)野菜摂取量の状況
40
(3)食塩摂取の状況
41
(4)栄養摂取の状況
42
(5)日本人の三大栄養素摂取量の推移からみる世代別食体験
43
(6)PFC バランス
45
2.高齢者の運動時間、ストレス
47
(1)高齢者の運動時間
47
(2)高齢者のストレス
48
3.高齢者の食育の方向性
49
4.高齢者の健康な食生活
50
高齢者の食育を捉える枠組み
1.食の領域拡大と食生活力
第Ⅴ章
51
(1)現代の食の捉え方
51
(2)食生活力が問われる時代
52
(3)食生活力を支える 3 つの能力と 4 つの力
55
2.高齢者の食育を捉える枠組み
57
3.消費者調査で明らかにすること
58
(1)明らかにすること
58
(2)実態把握の視点と調査対象
58
高齢者の食生活の実像
□
調査要領
61
1.標本構成(本人職業/同居家族人数/同居家族/住居形態/主な収入源)
62
2.食生活力
66
(1)食生活力
66
(2)食生活力からみた生活習慣や意識・行動
76
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(3)食生活力と加齢
95
(4)食生活力と親からの伝承
100
103
3.健康な食生活度
(1)心(人間関係)・食(食生活)・体(健康)の満足度
103
(2)健康な食生活度
109
(3)食生活力と健康な食生活度(心・食・体の満足度)
111
112
4.生活満足度
(1)現在の生活満足度
112
(2)食生活力と現在の生活満足度
113
(3)健康な食生活度(心・食・体の満足度)と現在の生活満足度
113
(4)現在の生活満足度と経済的・社会的・肉体的(健康)満足度
114
5.食生活実態(日記調査の結果より)
117
(1)摂食率
117
(2)メニュー数
118
(3)具体的メニュー
119
(4)主食
122
(5)手作り率
124
6.調査結果のまとめ
125
(1)食生活力
125
(2)食生活力を構成する 10 の指標、
食生活力に必要な 3 の能力・4 つの力
第Ⅵ章
126
(3)健康な食生活度(心・食・体の満足度)
127
(4)生活満足度
129
食生活力でみる高齢者の食育課題とアプローチ
1.食生活力の意義と高齢者食育の方向性
132
(1)食生活力の意義
132
(2)食生活力 10 の指標の実態と方向性
133
(3)食生活力における 3 つの能力・4 つの力の実態と方向性
134
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2.食生活力が高い人の実態とその要因
136
(1)食生活力が高い人の食生活
136
(2)食生活力が高い人の生活行動
138
(3)食生活力が高い要因
138
3.食生活力向上の課題
(1)性・年代と食生活力
139
(2)加齢による衰えと食生活力
141
(3)生活環境要因と食生活力
142
(4)生活行動と食生活力
143
(5)食生活の実態と食生活力
143
(6)食生活力向上の課題
145
4.高齢者の食生活力向上の考え方
第Ⅶ章
139
146
高齢者の食育推進への提言
1.食生活力向上への提言の背景
148
2.高齢者の食生活力向上への提言
150
(1)高齢者食育の考え方
150
(2)生活領域アプローチ
154
(3)参画するコトを提案していく必要性
159
3.まとめ
163
(1)高齢者、次期高齢者の食生活力の格差を知り、提言する重要性
163
(2)ベンチマークとしての日本型食生活体験世代の食生活
164
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第Ⅰ章
高齢者の食育を考える前提と意義
1.高齢者の食育を考える前提
食育推進活動は、国・都道府県において多くの数値目標を設定し、その目標内容も多岐に渡り設
定されている。そして、これらの取組みの中で子供世代の朝食欠食の低下や、食事バランスガイド
の提言により、多くの栄養バランス食提言を各種団体や民間企業含めて提言する運動として開花し
てきている。
しかし、これまでの食育推進における国の政策課題は整備されているものの、多岐にわたるため、
取組み活動のベクトルや整合性において不明確な点もあり、焦点をどこに絞り込めればよいのか分
かりにくい場合がある。それは、多岐にわたる課題を水平的に配置、展開することが優先されてい
るからだろう。従って、取組む場合は包括的な展開が前提となりがちで、そこから細分化された提
言も正しい手法だが、生活事項に浸透しにくい部分があるのではないかと推察される。
例えば、「学校給食での地場産物の使用」の取組みも多いが、これは、食にかかる人間育成の中
で、何を中心命題とするかが捉えにくい。食糧自給率アップ、地域メニューの開拓と定着、食の安
全性やバランス、生産者への感謝に繋がるなど、その展開の命題は多岐に渡る場合が多い。
図表 1-1:食育推進運動の問題点
食の理念化・体系化
背景としての政策課題
水平的な展開課題
包括的な展開
アウトサイドインの戦略
国の施策として理念に基づいた統合的な推進
現実の食生活課題との距離感
また、「農業体験活動の機会拡大」などの取組みもあるが、これも体験によって、食と食文化に
関する基礎理解を促進し、生産者への感謝を持たせるなど目的は多岐に渡っており、取組み自体は
正しいが、何に焦点を絞るかが最大の命題である。その実態と実像が、食育推進のどの部分に役立
つのか、それらの活動の推進が可能なのか、また、生活者のどの層に最も影響を与えられるのか等々、
食育醸成における実感と、意識の曖昧さが感じられてしまう。
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これらの事項から課題となるのは、食育推進活動における課題の整備は充分だが、「誰をターゲ
ット」として推進するのかを明確にせねばならないだろう。元々、生活者視点を前提とした取組み
指針は出来ている。それならば、「ターゲットとするヒト」すなわち世代を軸とした食育政策を横
串に、世代への垂直的アプローチを縦軸として模索しないと、その実像と実感及び意識の醸成と習
慣化、さらにその取組みの持続的活動による成果の派生的効果の向上が、望めないのではないかと
思われる。
すなわち、「世代毎の食育アプローチの命題」が求められているといった課題が生じてくる。
さらに、生活者視点を前提とするならば、世帯内の食マインドと食事へのアプローチの時間、あ
るいは知識ギャップによる感性の差が食生活実態に大きな格差を生じさせているのではないか、と
いった課題も挙げられる。つまり、世代毎の特性にあったアプローチを行なうと同時に、世代内の
食の意識と実感の格差に応じた食育アプローチの具現化が求められているのではないだろうか。
政策課題のアプローチに際して、世代毎及び世代内の食シーンの実態と食育命題とのギャップを
明らかにする課題が表出して来よう。つまり、世代毎の食育に対する課題を抽出し、世帯内の意識
と食の実像の格差を明確にした上で、世代内の食シーンをパターン化して、その意識と体系と行動
それぞれの特性に合致した食育提言が求められるのではないだろうか。
これらのことは、各世代毎、また各世代内の食育への意識レベルと実態実像レベルとの差異を解
明することが求められ、食育取組みの習慣的方向性と合わせて、意識の正しい感性的方向性も明示
せねばならないことを示している。
また、家庭内における世代毎の食文化・食習慣の育成は、それに取組むヒトの食生活の成長の経
緯にも影響されてこよう。ヒトの食成長の流れと世代毎や世代内には、それぞれのギャップが見ら
れるだろうと仮定できよう。これらの成長過程による食の意識と実像の差異に合わせた食育アプロ
ーチも課題となる。
図表 1-2:昨年の「食育」研究より~世代別食育アプローチの考え方~
●理念に基づいた包括的な食育推進運動を補完する
現実的かつ実効性の高い生活者アプローチの必要性
包括展開による
ターゲットの
拡散化を防ぐ
理念化による
現実課題との
ギャップを埋める
※世代による食育課題の違い
※外部支援も含めた現実対応
●世代・世帯を垂直的に分解しそれぞれの食生活の実態から
食育課題を割り出し現実的な対応策を考えアプローチを図る
※昨年度は日本の将来を担うかつ食育推進の基本ターゲットとなる幼児・児童に
スポットをあて「幼児・児童を持つ世帯」を対象に研究を進めた
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政策課題から導き出される食育提言を否定するヒトは、まずいないだろう。それ程食生活指針に
基づく食育への提言は整備されている。しかし、食育提言の正しさは、認知・認識・理解はしてい
ても、一方で実行できない実情もある筈だ。これらの実態からは、世代毎、また世代内の差異に応
じて実像に近づけた提言が求められる、といった課題も表出してくる。
以上の事項は、これまで提言されてきた食育をより具現化する為の課題と言えよう。これ等から
言えることは、水平的で多岐に渡る政策課題と食生活指針に実効性をもたせる上では、世代毎及び
世代内それぞれの生活実態と、食に対する意識・体系・行動のギャップを把握し、食育提言とアプ
ローチをより実感のあるものにする世代毎の垂直的研究アプローチが求められることを示している。
そして、家庭及び個人からできる食育を実行してもらう為には、国や公共団体の政策の浸透(アウ
トサイドインアプローチ)はもちろん重要であるが、現実の家庭内や個人における食生活課題への対
応を世代別に提言・アプローチせねばならないだろう(インサイドアウトアプローチ)。食の現状の課
題解決を提言し、個々の生活者に出来るアプローチの認知・理解の共感性を高め、それらの習慣化
の為のアプローチや、コミュニティ化による実行性の拡大等のアプローチが求められよう。
図表 1-3:世代別食育アプローチの視点
家庭からできる食育を考える
食育・食生活指針
教育
社会化
○
■現実の
食生活課題
への対応
Inside Out Approach
Outside in Approach
地域化
体感化
家庭
性
食
育の実行
性
食
感 解
育
習慣化 食
への共
理
育
・
の認
知 ・ 認識
×
■理想論の
段階的浸透
アプロ
ーチ化
コミュニティ化
「認知・認識・理解→共感→実行」から家庭の食生活の場での「現実的な実行」へ
2008 年度の財団法人ハイライフ研究所では、これらの前提を基に世代別食育アプローチ研究の第
一弾として、幼児・児童保有世帯への食育アプローチの研究を行ない、その成果を発表したが、本
年度はその第二弾として、日本の人口構造で最大ボリュームを占める高齢者(65 歳~74 歳)と次世代
高齢者(55 歳~64 歳)の世代別食育アプローチ研究を推進した。その理由は、これまで述べてきた食
育の世代別アプローチの概念と前提に基づくものだが、次世代高齢者をもターゲットとしたのは、
現高齢者をベンチマークとして次世代高齢者の食育推進とアプローチの方向を提案しようとしたか
らである。そして、以上の研究もインサイドアウトの視点から研究活動を実施した。
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ところで、今研究を行うにあたり、客観的に高齢者及び次期高齢者に対する食育の現状を眺め考
えてみると、いくつかの視点が浮かんだ。
それは、
1.
現高齢者は理想とされる日本型食生活の体現者であり、食育の必要性は少ないのでは
ないか
3.
食育展開で高齢者向けアプローチは少ない
といった点であり、これらを考えた場合、高齢者に対する食育とは、果たしてこれまでのアプロ
ーチでよいのだろうか、という疑問が生ずる。つまり、食の事象のみを対象とするのではなく、も
う少し幅広い視点からアプローチを考える必要があるのではないか、という仮説が浮かび上がる。
この仮説も本研究活動の前提として実施した。
本項では、公表されている既存のデータから日本の高齢化の現状認識を確認し、高齢者食育の必
然性を明らかにする。そして、研究対象とすべき年齢と視点を規定して、高齢者の食育研究の意義
を明確にする。
2.日本の高齢化と食育
(1)日本の高齢化
『2005 年(平成 17 年)国勢調査』によると、わが国の 65 歳以上の老年人口はすでに 20%を超
え、5 人に一人が高齢者という高齢化社会になっている。高齢者の人口について、要約すると次のよ
うになる。
・2005 年(平成 17 年)の国勢調査結果から、人口を年齢別にみると,15 歳未満人口(年少人
口)は 17,521,234 人(総人口の 13.7%),15 歳以上 65 歳未満人口(生産年齢人口)は 84,092,414
人(同 65.8%),65 歳以上人口(老年人口)は 25,672,005 人(同 20.1%)となっている。
・老年人口は,平成 12 年に比べ 3,666,853 人(16.7%)増となっている。また,総人口に占め
る割合は 2.8 ポイント上昇しており,国勢調査開始以来、最も高い。
・老年人口の割合は,全国的に高齢化が進行しており、老年人口が年少人口を上回っている。
・2009 年(平成 21 年)8 月現在の人口統計月報では、65 歳以上人口は 2,890 万人(22.7%)とさ
らに増加傾向にある。
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図表 1-4:人口動態指標
総人口
65歳以上
割合
平成7年
国勢調査
12,557万人
男:6,157万人
女:6,399万人
1,826万人
男: 750万人
女:1,076万人
14.5%
12.2%
16.8%
平成12年
国勢調査
12,693万人
男:6,211万人
女:6,482万人
2,200万人
男:922万人
女:1,278万人
17.3%
14.8%
19.7%
平成17年
国勢調査
12,777万人
男:6,235万人
女:6,542万人
2,567万人
男:1,087万人
女:1,480万人
20.1%
17.4%
22.6%
平成21年8月1日
現在(確定値)
人口統計月報より
12,754万人
男:6,214万人
女:6,540万人
2,890万人
男:1,235万人
女:1,655万人
22.7%
19.9%
25.3%
総務省統計局
数年先には、高齢者予備軍である最大の人口ボリュームを持つ団塊世代が 65 歳以上になり、高齢
化してくることにより、日本の高齢化は更に拍車がかかることになる。
一方、『WHO Core Health Indicator 2008 年』によると、日本人の平均寿命は、男女で 83 歳、
女 86 歳、男 79 歳で世界一の長寿国である。また、健康寿命は、男女で 75 歳、女 78 歳、男 72 歳
で、これも世界一である。
図表 1-5:平均寿命と健康寿命 世界ランキング
平均寿命(2006年)
女
男女
Country
日本
アンドラ公国
オーストラリア
モナコ
サンマリノ
スイス
カナダ
フランス
アイスランド
イスラエル
イタリア
スペイン
スウェーデン
オーストリア
キプロス共和国
ドイツ
ギリシャ
アイルランド
ルクセンブルグ
オランダ
ニージーランド
ノルウェー
シンガポール
ベルギー
デンマーク
フィンランド
マルタ共和国
ポルトガル
韓国
イギリス
チリ
コスタリカ
キューバ
クェート
スロベニア共和国
アラブ首長国連邦
米国
中国
男
健康寿命(2003年)
女
男女
健康に一人当たりの
総支出(2005年)
男
Value
順位
Value
順位
Value
順位
Value
順位
Value
順位
Value
順位
Value
順位
83
1
2
2
2
2
2
7
7
7
7
7
7
7
14
14
14
14
14
14
14
14
14
14
24
24
24
24
24
24
24
31
31
31
31
31
31
31
38
86
1
2
4
2
9
4
9
4
9
18
4
4
9
9
18
18
18
18
9
18
18
9
9
18
29
9
29
18
18
29
29
33
33
37
18
33
33
38
79
2
9
2
9
1
2
9
18
2
2
9
9
2
18
2
18
18
18
18
9
9
9
9
18
29
29
18
33
33
18
33
29
29
18
37
18
33
38
75
1
10
2
2
2
2
10
10
2
16
2
2
2
16
31
10
16
25
10
16
16
10
25
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16
28
31
16
34
34
31
34
28
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28
37
78
1
3
10
3
2
3
10
3
10
22
3
3
3
10
35
10
18
22
10
18
22
10
28
18
28
10
18
22
28
22
32
34
32
36
22
38
28
37
72
1
9
4
4
4
4
9
17
1
9
4
9
1
17
28
9
17
27
17
9
17
9
17
17
17
17
9
28
34
17
34
34
28
28
28
37
28
38
2,498
22
20
18
3
12
6
8
10
9
27
23
25
17
7
30
11
19
14
2
13
26
5
32
15
16
24
29
28
31
21
34
33
37
36
4
35
1
38
82
82
82
82
82
81
81
81
81
81
81
81
80
80
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80
80
80
80
80
80
80
79
79
79
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79
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78
78
78
78
73
85
84
85
83
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83
84
83
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84
84
83
83
82
82
82
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82
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83
83
82
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83
81
82
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81
80
80
79
82
80
80
75
78
79
78
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79
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79
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76
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75
77
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77
75
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73
73
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73
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73
73
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68
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70
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68
67
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69
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72
75
75
75
74
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72
74
71
73
71
74
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72
71
72
70
69
70
67
72
64
71
65
70
71
71
71
71
70
69
72
70
71
70
72
69
67
70
69
68
69
70
69
70
69
69
69
69
70
67
65
69
65
65
67
67
67
64
67
63
2,697
3,001
5,447
3,191
4,088
3,419
3,314
3,344
2,143
2,474
2,242
3,012
3,485
1,523
3,250
2,955
3,122
5,521
3,187
2,223
4,307
1,140
3,071
3,064
2,299
1,733
2,036
1,263
2,597
668
684
333
490
4,724
625
6,350
315
資料) WHO Core Health Indicators より
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高齢者の衰えへの対策は、介護などの領域で既に議論され、実行されていることも多い。一方、
命の源である食を起点にして、健康寿命を維持し、伸ばすための食生活はどうあるべきか、という
食生活を中心とした高齢化対策も必要とされている。
高齢者の生活環境の変化は、食生活に様々な影響と課題を与えていると考えられる。食育は、高
齢者を取り巻く生活環境を踏まえて、単に食事のありようにとどまるのではなく、食生活とその背
景となる健康・健全な生活まで含めて考えなければならない。言い換えれば、健康・健全な生活を
送る上での基礎として、健康・健全な食生活が構築されなければならない。食育は、長期視点での
青壮年対応が求められており、長期的に見た健康な食生活の循環構築を通した健康な生活の実現を
目的として推進されるべきであるが、現実課題としての高齢者対応も求められている。高齢者対応
は、健康を維持するための食事を中心とした食生活課題への対応を前提としつつ、高齢者という点
で社会との関係性や体力面の課題など生活総体として把握し、対応を図る必要性がある。
図表 1-6:高齢者の食育を考える領域
食育の本旨
●長期視点での青壮年対応
健康・健全な生活
※子供を含む家庭における
食事(栄養バランス)を中心
とした食生活の改善
=長期的にみた健康な
食生活の循環構造の構築
を通した健康な生活の実現
食生活
●現実課題としての高齢者対応
※健康を維持するための食事
を中心とした食生活課題対応
は前提とするが、高齢者という
点で社会との関係性や体力面
の課題等生活総体として把握
し対応を図る必要性
食事
健康・健全な生活を送る上での基礎としての健康・健全な食生活構築
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(2)生活環境の変化
食に大きな影響を及ぼすのは、生活環境である。高齢者を取り巻く生活環境は、家族を巡る価値
観の変化によって大きく変化してきている。三世代世帯が大きく減少し、一人暮らし高齢者、夫婦
のみ高齢者世帯の増加が顕著になっている。60 歳以上がいる世帯の割合をみると、三世代世帯の割
合は、1975 年(昭和 50 年)にはほぼ半数占めていたが、2004 年(平成 16 年)には 2 割以下に減
少している。反対に、高齢者の単独世帯と夫婦のみ世帯が 1975 年(昭和 50 年)には、合わせて 2
割程度だったものが、大幅に増加し、2004 年(平成 16 年)には半数を超えた。この傾向は、団塊
世代が核家族化の第一世代であることからみれば、今後もさらに強まることが予想される。
図表 1-7:60 歳以上の者のいる世帯の割合
夫婦と未婚の子のみの世帯
単独世帯
1975年
(S50年)
1980年
(S55年)
1985年
(S60年)
1990年
(H2年)
ひとり親と未婚の子のみの世帯
夫婦のみの世帯
8.8
14.6
11.2
11.2
17.9
12.3
3.7
10.3
21.4
14.4
1995年
(H7年)
16.7
2000年
(H12年)
19
2004年
(H16年)
20.4
4.7
5
11
34.3
5.2
13
30.4
11.2
40.9
12.4
28.7
13.1
45
11.3
26.5
その他の世帯
48.5
4.3
9.8
24.1
三世代世帯
28.7
5.8
14.4
出典:内閣府 「平成18年版 国民生活白書」より
10.8
10.5
22.8
6.1
18.9
10.7
9.9
(備考)①厚生労働省「国民生活基礎調査」により作成
②60歳の者がいる世帯の世帯構造別の割合
高齢者のいる一般世帯
1995 年(平成 7 年)
1,278 万世帯
総世帯の 29.1%
2000 年(平成 12 年)
1,504 万世帯
総世帯の 32.2%
2005 年(平成 17 年)
1,720 万世帯
総世帯の 35.1%
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高齢親族のいる一般世帯の家族類型別世帯数の推移-全国「1995年(H7年)~2005年(H17年)」
核家族世帯
夫婦のみの世帯
夫婦と子供から
なる世帯
「一人暮らし高齢者」
(高齢単身者世帯)
2005年(平成7年)
220
2000年(平成12年)
304
303
1995年(平成17年)
その他の世帯
115 98
398
386
0
一人親と子供からなる世帯
157
478
400
1,278万世帯
542
125
204
800
1,504万世帯
521
159
1200
482
1,720万世帯
1600
2000
1998 年(H10 年)~2003 年(H15 年)の増加率
高齢者単身世帯
389 万世帯(39.3%増)
高齢者夫婦世帯
475 万世帯(26.5%増)
その他高齢者世帯
860 万世帯(8.3%増)
国勢調査(総務省統計局)より作成
背景には核家族化世代の高齢化という流れの中で、高齢者の独立志向の高まりがあると思われる。
60 歳以上の世代はお互いの価値観や生活習慣を尊重した関係を保つため、子供世代から独立した生
活を望んでいることもあるだろう。暮らし方を選択できるかどうかは別にして、このような暮らし
方の変化は、「家」という枠組みのなかでの生活ではなく、「個人」としての生き方や生活の仕方
が問われる時代に入ってきていることを意味している。
(3)高齢化社会で食育を考える必然性
食育は、国・行政の指針をもとに政策的に推進する、いわば国民的運動といえる。財団法人ハイ
ライフ研究所では、2008 年(平成 20 年)には、その実効性を高める為、世代階層別で垂直的な食
育アプローチの必要性を課題として、幼児・児童保有世帯の食育アプローチの方向性を明らかにす
る為の調査研究活動を行ってきた。その内容は、日本人の将来の健康な生活に向けて、家庭の親と
子を中心とした食育の実行可能性を示唆するアプローチである。
そして、今回日本の高齢化社会が進行する中で、「高齢者の食育」を考えることは、ただ単に現
在の高齢者への対策を考えることにとどまらない意義があると考える。高齢化社会の進行にあわせ
て進む世帯構造の変化をはじめとした、幅広い生活環境変化により生起する様々な課題に対する食
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育アプローチを構築することにつながると考える。
このような立場から、高齢者への食育の必然性を次のように考えている。
①日本人口の最大ボリュームへの対策を考える
高齢者は既に日本国民の最大ボリュームになっている。この傾向は、予備軍である団塊世代の
高齢化によって、今後さらに強まっていく。食育が国民的運動である限り、高齢化の進行に伴
う最大人口ボリュームへの対策を考えることは必然の成り行きといえる。高齢者の食育を考え
ることは、日本国民の健康な食生活を考えることにつながるといっても過言ではない。
②健康な食生活による予防的対策により、健康寿命を伸ばす
高齢化が進む中で、日本国民の健康寿命を伸ばすことが求められている。その起点にあるのは、
日常の食生活である。現在の 65 歳以上の高齢者が健康な食生活を推進することにより、健康
寿命を伸ばすのは当然のことであるが、将来の本格的な高齢化に備えて、高齢者予備軍である
団塊世代をはじめ、若い世代を含めた日本国民の健康な食生活による予防的対策を考えていく
必要がある。
③生活環境の違いによる食生活の違いへの対応を考える
子どもの食育が家庭中心で成り立つのに対して、高齢者ほどひとり暮らし、夫婦のみといった
生活環境の違いが顕著になる。高齢者の食育を考えることは、生活環境の違いによる食生活の
実態を捉え、生活環境変化への対策的食育を考えることになる。それが、高齢者の食生活の環
境を整えるために社会がサポートすべきことを検討することにつながる。
(4)高齢者の食育を考える基本視点
高齢者の食育を考える上で、環境の変化と生活要因による影響は、避けて通れないものである。
高齢者を取り巻く環境は、情報化社会の進行、様々な分野での技術の発達、価値観の変化等大きな
変わり様をみせている。一方、体力や気力の加齢による衰え、引退世代への移行による社会との関
係性の変化、そして世帯構造の変化など、高齢化に伴う自身の変化もある。このような社会自体の
急速な変化と高齢化に伴う自身の変化は、生活自体にも大きなストレスを与え、ひいては食生活に
も大きな影響を及ぼしていると考えられる。
このような中で、健康・健全な生活を充足する食生活を考えることは、食生活を中心に置きなが
らも、社会・生活総体との関係を重視して、生活の質(Quality of Life)の追求までを視野に入れた
対応を図る必要がある。
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図表 1-8:環境変化と生活を見据えた高齢者の食育を考える基本視点
社会自体の急速な変化そして高齢化に伴う自身の変化は生活自体にも
大きなストレスを与え、このことは食生活にも大きな影響を及ぼす
高齢者の生活
情報化社会
の進行
社会
社会との
関係性の
変化
技術発達
価値観の
変化
体力・気力等
の加齢
による衰え
生活
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
食生活
世帯構造
変化
このような中で健康・健全な生活を充足する食生活を考える上では、
社会・生活要因との関係を重視してQOLの観点から対応を図る必要がある
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3.高齢者食育研究の対象と視点
高齢者の食育を研究するにあたり、まず研究対象とする高齢者を規定する。
人口動態、加齢と疾病増加の傾向、食のヒストリーから高齢者研究の対象年齢を規定する。次に、
対象年齢世代の食のヒストリーを踏まえて、食育研究の視点を明らかにしていく。
(1)人口動態
図表 1-9 は、2008 年(平成 20 年)における人口ピラミッドである。ここから、次のことを読み
取ることができる。
・老年人口(65 歳以上の人口)は、28,214 千人で日本の人口の 22.0%を占める。
・65 歳~74 歳は 14,997 千人、全人口の 11.7%である。
・現在、55 歳~64 歳の団塊世代の人口は、18,797 千人、14.7%となっている。
・現在の 55 歳~74 歳の日本人に占める構成が約 26.4%と 4 人に一人強であり、このまま推移す
ると、2020 年には 65 歳以上の人口が約 29%を占めると予測される。
図表 1-9:2008 年(平成 20 年 10 月 1 日現在)我が国の人口ピラミッド
総務省統計局「推計人口年報」より
男性
62,251千人
100歳以上
90
90
8,231千人
8,231千人
(6.4%)
90歳
4,986千人
4,986千人
(3.9%)
老年人口
(65歳以上) 22.0%
女性
65,441千人
100歳以上
100歳以上
80
80
80歳
75歳以上
7,058千人
千人
7,058
7,058千人
(5.5%)
(5.5%)
70歳
60
9,241千人
千人
9,241
9,241千人
(7.2%)
(7.2%)
60
60歳
50
7,939千人
千人
7,939
7,939千人
(6.2%)
(6.2%)
65歳~74歳
9,556千人
千人
9,556
9,556千人
(7.5%)
(7.5%)
55歳~64歳
50
50歳
生産年齢人口
(15~64歳)
64.5%
40
40歳
32,165千人
千人
32,165
32,165千人
(25.3%)
(25.3%)
30
30
20
20
10
10
30歳
20歳
8,802千人
8,802千人
(6.9%)
年少人口
(0~14歳) 13.5%
40
10歳
31,339千人
千人
31,339
31,339千人
(24.5%)
(24.5%)
8,375千人
8,375千人
(6.6%)
0歳
0歳
1200
1000
800
600
400
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200
0
0歳
0
200
400
600
800
1000
1200
また、図表 1-10 は、戦後からの出生、死亡、婚姻、離婚の人口の推移をグラフで示したものであ
る。ここでは、次のことを読み取ることができる。
・出生数は、戦後の団塊世代誕生の 267.9 万人をピークに、減少してきている。1973 年(昭和
48 年)前後に団塊ジュニアの誕生で一時増加に転じたものの、その後減少を続け、2008 年(平
成 20 年)には 109.1 万人にとどまっている。
・婚姻数は、団塊世代が適齢期になるとともに増加傾向を示し、団塊ジュニア誕生前にピーク
を迎えるが、その後減少、2008 年(平成 20 年)では 72.6 万組で横這い傾向が続いている。
・離婚数は、1947 年(昭和 22 年)に 8 万組と同年の婚姻数 93.4 万組の 8.6%に過ぎなかった
が、徐々に増加し、2008 年(平成 20 年)には 25.1 万組で、同年の婚姻数の 34.6%に増加し
ている。
・死亡数は、戦後やや減少し、横這いで推移していたが、昭和 60 年頃から増加し、2005 年(平
成 17 年)に出生数を上回り、2008 年(平成 20 年)には 114.2 万人になっている。
図表 1-10:人口動態統計
厚生労働省「人口動態調査」より
単位:万人
300
団塊世代誕生
S22年 出生数 267.9万人
250
出生
団塊Jr誕生
200
150
05年以降、出生数と死亡数が逆転
S41年丙午、約50万人減
H20年 出生数 109.1万人
H20年 死亡数 114.2万人
団塊世代婚姻
S22年 死亡数 113.8万人
100
婚姻
50
H20年 婚姻数 72.6万組
死亡
S22年 婚姻数 93.4万組
離婚
S22年 離婚数 8万組
H20年 離婚数 25.1万組
0
2007年(平成19年)
2005年(平成17年)
2003年(平成15年)
2001年(平成13年)
1999年(平成11年)
1997年(平成9年)
1995年(平成7年)
1993年(平成5年)
1991年(平成3年)
1989年(平成元年)
1987年(昭和62年)
1985年(昭和60年)
1983年(昭和58年)
1981年(昭和56年)
1979年(昭和54年)
1977年(昭和52年)
1975年(昭和50年)
1973年(昭和48年)
1971年(昭和46年)
1969年(昭和44年)
1967年(昭和42年)
1965年(昭和40年)
1963年(昭和38年)
1961年(昭和36年)
1959年(昭和34年)
1957年(昭和32年)
1955年(昭和30年)
1953年(昭和28年)
1951年(昭和26年)
1949年(昭和24年)
1947年(昭和22年)
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以上の傾向から、次のことが指摘される。
・高齢者の人口ボリュームが拡大する一方で、出生数が減少しており、既に日本が少子高齢化
社会であることを物語っている。また、10 年後には、65 歳以上の老年人口の割合が、おおよ
そ 3 割を占めると予測されていることから、さらに深刻な高齢化社会となる。
・65 歳以上の老年人口の多さ、この先の団塊世代の高齢化が控えており、今後、死亡数は確実
に拡大する。
・離婚数の増加は、生活形態の変化をもたらし、食生活への影響は少なくない。
(2)加齢と疾病増加の傾向
予防的食育が求められる年代を検討するために、どの年代から疾病が増加する傾向にあるのかを
代表的な成人病で見ていく。
糖尿病
糖尿病の人数を、厚生労働省の 2007 年(平成 19 年)国民健康・栄養調査結果報告でみてみる。
年齢階級別の 20 歳以上(全体約 1 億 400 万人)で推計した結果、2007 年(平成 19 年)で糖尿病が
強く疑われる人は約 890 万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約 1,320 万人と、合わせて約
2,210 万人と推定され、1997 年(平成 9 年)に比べて 161.3%で増加傾向にある。
図表 1-11:糖尿病の人数
(単位:万人)
2 2 10
2500
2000
1 32 0
1500
1000
690
7 40
890
16 2 0
1 3 70
8 80
68 0
1997年
(平成9年)
2002年
(平成14年)
2007年
(平成19年)
500
0
糖尿病が
強く疑われる人
糖尿病の可能性が
否定できない人
糖尿病が強く疑われる人
糖尿病の可能性が否定できない人
との合計
厚生労働省:2007 年(平成 19 年) 国民健康・栄養調査結果より
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糖尿病が疑われる年代は 50 代から急激に増加し、糖尿病予備軍を合わせると年齢が高くなる
程多くなっている。特に、2007 年(平成 19 年)には、過去との比較でも著しく、高齢者国民病
とも言える。男女別では、どの年代でも男性での疑われる人の人数が多い。飽食や運動不足など
の生活習慣が招く糖尿病は増え続けており、過去 30 年間に 30 倍に増加している。最近 10 年間
(1997 年~2007 年)でみると、840 万人増えている。
1997 年(平成 9 年)
1,370 万人
2002 年(平成 14 年)
1,620 万人(5 年で 250 万人増加、成人 6.3 人に一人)
2007 年(平成 19 年)
2,210 万人(5 年で 590 万人増加、成人 6 人に一人)
2007 年(平成 19 年)には 2,210 万人で、今後さらに増え続けるとみられている。
図表 1-12:糖尿病の人数
年代別/男女別
男
女
50
糖尿病が
強く疑われる人
40
糖尿病の可能性が
否定できない人
糖尿病が
強く疑われる人
40
1 7 .3
30
30
11
6 .8
1 5 .3
1 2 .8
.4 2 .1 1 0.1
00 .9
0
4 .1
2 .7
1 .6 0 .8
3
3
1 4 .2 1 4
3 .4
5 .4 4 .4
1 4 .1
1 0 .61 1 .5
1 5 .5
1 1 .6 1 1
H19年
H14年
H9年
2 0 .8
1 5 .9
8
2 3 .8
1 2 .4
1 6 .7
20
1 1 .5
10
16
H19年
H14年
H9年
1 8 .2
1 6 .7
1 0 .11 0 .7
10
9 .9
1 8 .4
1 6 .1
糖尿病の可能性が
否定できない人
1 3 .4
1 0 .3
14
20
2 2 .1
1 7 .51 7 .9
1 2 .1
2 1 .32 2 .6
10
7 .9
11
7 .7
1 1 .3
7 .6
7 .1 6 .5 7 .3
50-59歳 60-69歳 70歳以上
7 .1
4 .6 5 .6
H19年
H14年
H9年
40-49歳
3 .6 2 .9
H19年
H14年
H9年
30-39歳
5 .3
H19年
H14年
H9年
H19年
H14年
H9年
20-29歳
4 .2 4 .4 5 .4
1 .6 0 .9 0 .5
8 .8
1 0 .4
1 0 .7
H19年
H14年
H9年
H19年
H14年
H9年
総数
0
1 .4 .4
0 .9 00 .8
0 0.9
8 .3 1 0 .4
H19年
H14年
H9年
H19年
H14年
H9年
H19年
H14年
H9年
H19年
H14年
H9年
H19年
H14年
H9年
H19年
H14年
H9年
0
(単位:万人)
50
総数
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳 60-69歳 70歳以上
厚生労働省:平成19年 国民健康・栄養調査結果より
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、2007 年(平成 19 年)で強く疑われる人は
約 1,070 万人、予備群と考えられる人は約 940 万人。合わせて約 2,010 万人と推定され、1997
年(平成 9 年)に比べて強く疑われる人は、増加傾向にある。
男性は、30 代から出現しはじめ、40 代から増加する。予備軍と考えられるものを含めると、
男性 40 歳以上の 2 人に一人がメタボリックシンドロームということになる。女性は、40 代から
出現し、年代とともに増加するものの、女性 40 歳以上では、5 人に一人の割合で、男性の半数以
下である。
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図表 1-13:メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の割合
男
40歳以上では2人に一人
予備群と考えられる者
25.2
22.5
19.8
25.9
25.8
24.8
強く疑われる者
24.0
26.9
総数
5.7
3.4
8.5
20-29歳
30- 3 9歳
女
16.7
40-49歳
36.4
36.9
6 0-6 9歳
7 0 歳以上
25.0
50-59歳
30.3
(再掲)4 0 - 7 4 歳
40歳以上では5人に一人
予備群と
考えられる者
10.4
7.3
強く疑われる者
9.9
0.0
総数
20-29歳
1.6
0.5
30-39歳
11.4
8.2
4.7
3.5
7.4
6.7
16.3
18.7
40-49歳
50-59歳
60-69歳
7 0 歳以上
11.0
(再掲)4 0 - 7 4 歳
該当者及び予備群の推計
メタボリックシンドロームが強く疑われる者(該当者)
メタボリックシンドロームの予備群と考えられる者
2004年
(平成16年)
2005年
(平成17年)
2006年
(平成18年)
2009年
2009年
(平成19
年)
平成19年
約940万人
約920万人
約960万人
約1,070万人
1,070万人
約1,020万人
約980万人
約980万人
約940万人
940万人
厚生労働省「国民健康・栄養調査結果
2008 年(平成 20 年)12 月発表より
2008 年 4 月から義務化されたメタボリックシンドローム検診(メタボ健診)とは、糖尿病などの
生活習慣病やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といった、早急な治療は必要とされない
が、重篤な病気の発症を予防しようという考え方から、検診を義務付け、改善する為の指導を行
うというものである。メタボ検診は、国民健康保険を運営する市区町村、企業の健康保険組合な
どで採用が義務付けられており、40 歳〜74 歳の健康保険加入者を対象にしている。この義務化
の背景は、国民のメタボリックシンドロームに対する認識の甘さを是正するというものである。
つまり、メタボ検診とはこれまでの健康診断をさらに一歩踏み込んだ形の検診で、メタボリック
シンドロームの増加に歯止めをかけようとする国の施策である。
メタボリックシンドロームを予防するためには、規則正しい生活と栄養バランスのよい食事を
摂ることはいうまでもなく、適度な運動により、適正な体重を維持するなどによる、体質改善が
必要とされている。
糖尿病とメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が増加する年代をみると、40 代から疾
病の兆しが始まり、50 代になると顕在化してくる傾向がある。
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(3)食のライフヒストリー
日本の食のライフスタイルの変化のなかで、高齢者と高齢者予備軍の食のヒストリーを捉えて、
研究対象の年代の位置づけと研究視点を明らかにする。
財団法人ハイライフ研究所は、『日本の食文化にみるライフスタイル』で食文化の変遷を、図表
1-14 のようにまとめている。
図表 1-14:日本の食文化にみるライフスタイル(財団法人ハイライフ研究所)
明治前半期
(1868~1893 年) 文明開化に伴う食の西洋化
明治後半期
(1894~1911 年) 洋食の一般化/食品産業黎明時代
大正期
(1912~1925 年) 和洋折衷料理の工夫/洋食の大衆化
昭和戦前期
(1926~1944 年) 国策・統制による食管理の時代
戦後復興期
(1945~1952 年) 食糧難の中、アメリカ型食生活に憧れた時代
経済復興期
(1953~1959 年) アメリカ型食生活と消費スタイル導入の時代
消費欲求煽動期
(1960~1965 年) アメリカ型食生活の実践を目指し、消費が喚起された時代
大衆消費期
(1966~1972 年) 中流意識に基づく消費全盛の時代
価値多様化期
(1973~1979 年) 消費者主導型ライフスタイルへの転換時代
成熟消費期
(1980~1985 年)
価値意識・志向の高揚と食ライフスタイルの個性化と充実
の時代
バブル消費期
(1986~1990 年)
食の個人消費・情報消費の拡大と高級化・グローバル化進
行の時代
価値再考期
(1991~1995 年)
普遍的価値と自己価値を一致させ、食文化として実践する
志向の萌芽が見られる時代
さらに、戦後復興期から大衆消費期の四つの時期の時代背景と食のライフスタイルについて、次
のようにまとめている。
戦後復興期(1945~1952 年)食糧難の中、アメリカ型食生活に憧れた時代
〔時代背景〕
・終戦により国家権力による統制は撤廃されるが、配給、農村への買出し、ヤミ市での物品売
買はまだまだ続く。
・アメリカ文化に対する憧れが強くなる。
・次第に狂乱インフレはおさまり、朝鮮戦争の特需景気を引き金に企業の設備投資等が盛んに
なる。
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・新円切替・農地改革によって社会のしくみが大きく変化する。
〔食におけるライフスタイルの流れ〕
・食糧難のため、餓死者や栄養失調児が頻出する中、人々はヤミ市の食品で空腹を凌ぐ。
・GHQ の支配下で、基本的な生活改善を最優先事項に、アメリカ型の食習慣が移入され、庶
民の羨望の的となる。
経済復興期(1953~1959 年)アメリカ型食生活と消費スタイル導入の時代
〔時代背景〕
・テレビ放送が開始され、次第に家庭内へ普及していき、テレビ社会の幕開けとなる。
・経済白書の結語「もはや戦後ではない」の認識が広まる。
・工業技術がいっせいに開花し、家庭内においても電化時代を迎える。
〔食におけるライフスタイルの流れ〕
・「電化元年」「文化生活」が標榜され、それを目指して食生活や住生活が改善される。
・アメリカ型食ライフスタイルの模倣が始まり、従来の日本型食ライフスタイルとの共存が始
まる。
消費欲求煽動期(1960~1965 年)アメリカ型食生活の実践を目指し、消費が喚起された時代
〔時代背景〕
・「国民所得倍増計画」が出され、企業の生産力も高まり、高度経済成長期に突入する。
・「消費は美徳」に支えられ、産業界は好調に成長を続けるが、反面、土地高騰や物価上昇に
より出稼ぎが急増する。
〔食におけるライフスタイルの流れ〕
・パン食の定着
・「所得倍増計画」の下、高度成長の波に乗り、消費欲求が急速に拡大する。
・都市部の団地を中心にダイニング・キッチンが一般化するなど台所環境が一変する。
・「三種の神器」の一つとされた電気冷蔵庫をはじめ、台所家電の普及が本格化する。
・「人並消費」等と呼ばれ、マス・メディア主導で食消費が喚起される。
・インスタントラーメン・固形カレールー等、インスタント食品が定着する一方、2 ドア冷蔵
庫の登場で、冷凍食品の生産が加速される。
大衆消費期(1966 年~1972 年)中流意識に基づく消費全盛の時代
〔時代背景〕
・「いざなぎ景気」を背景に GNP 資本主義国で第二位となる。
・高度経済成長の矛盾として、イタイイタイ病や水俣病、四日市ぜんそく等、公害問題が一気
に噴出する。
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・大阪で万国博覧会が開かれ、あらゆることにおいて史上最大の万博となる。
・ドルショックを契機に 1 ドル=360 円の時代が終わる。
〔食におけるライフスタイルの流れ〕
・レトルト食品・冷凍食品・即席カップ麺等、食品加工技術が急速に進歩する。
・「消費は美徳」とされ、大量生産・大量流通・大量消費の循環が本格化し、スーパーから冷
蔵庫への画一的な食消費が勢いづく。
・マス・メディアが食消費、食生活に多大な影響を及ぼすようになる。
・ファミリー・レストラン・チェーン、ファスト・フード・チェーンが登場し、外食が活性化
する。
以上のような時代の変化の中で、現在の高齢者である 65 歳以上と 64 歳以下の団塊世代の食ヒス
トリーを整理してみよう。
《65 歳以上の現在の高齢者》
・昭和戦前期に誕生し、日本型食ライフスタイルの中で育ち、食べ盛りの 10 代は戦後の食糧
難の中で過ごす。
・家族形成期は、経済復興期から消費欲求煽動期を迎えるが、従来の日本型食ライフスタイル
がベースとなる。
《64 歳以下の団塊世代》
・戦後復興期の生まれで、電化生活が始まり、アメリカ型食ライフスタイルの模倣の中で育つ。
・育ち盛りには、パン食が普及し、インスタントラーメン(1960 年/昭和 35 年)、カレールー
が定着するなどインスタント化と洋風化の中で育つ。
・家族形成期には、レトルト食品や冷凍食品、ファミリーレストラン(1970 年/昭和 45 年 す
かいらーく 1 号店)やファストフード(1971 年/昭和 46 年 マクドナルド 1 号店)といった外
食産業が登場し、家庭内での調理の簡便化と、家庭内、外食両面での洋食が定着する。
このように、65 歳以上と 64 歳以下の二つの世代における食のライフヒストリーには、決定的な
違いがみられる。それ故、これら二つの世代を一括りに高齢者として捉えるのではなく、彼らの食
生活をみていく視点は異なるものになるだろう。
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図表 1-15:やっぱり違う団塊世代と戦前・戦中世代
ハイライフ研究所―
団塊世代と戦前・戦中派世代~「ニューエルダー」VS「オールドエルダー」より
団塊世代
戦前・戦中世代
加齢成長
プロセス
経済成長と自由を謳歌
我慢と忍耐で青少年時代をすごした
生活構造
(世帯と家族)
人口が飛躍的に多く、バラェティーに
富む世帯が登場
少数で均一的
生活構造
(学歴)
「高学歴化社会」が始まった世代
初等教育が40%
社会/経済環境
の立脚点
経済の最悪期に50歳台となった
バブル期に50歳台になった
労働環境
年功的処遇が困難になった
失業も少なく定年を迎えた
収入/貯蓄等の
経済環境
収入の伸びの低迷の中、情報/教育
消費に積極的、しかし、ローンなど負
債返済で四苦八苦
安定した経済環境を享受
社会意識
「選択/時間/参加の効用」
「所得/消費の効用」
生活意識
「人とは違う」生活の価値追及
「人並み」
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年表一覧
【その 1】団塊世代の誕生から
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東京オリンピック開催まで【その 1】
59年
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【その 2】高度経済成長期から
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ハイティーンに成長
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平成の始まり【その 2】
76年
77年 78年
79年
80年 81年
82年 83年
84年 85年
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【その 3】バブル経済崩壊から
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乳
業
H23 H24
年金受給
(4)研究の対象年齢と視点
高齢者食育の研究対象年齢を現在の高齢者と次期高齢者までの年代で捉え、次のように規定する。
55 歳~74 歳を研究対象とする。
・食生活による健康な生活という命題から対象年齢の上限は、現在の健康寿命(75 歳)を踏まえ
て 70 代前半までとする。
・人口動態からみると、65 歳~74 歳に加えて、人口ボリュームの大きい団塊世代を研究対象
とする。団塊世代は、次期高齢者として位置づけられる。
・加齢と疾病増加の傾向からみると、疾病が顕在化する 50 代以上を本研究の対象にする。老
年前の年代を対象にすることにより、高齢化への対策を考える。
・40 代については、将来の健康に派生する可能性年代と捉え、与件として補足する。
現在の高齢者(65 歳~74 歳)と次期高齢者(55 歳~64 歳)の二つの層に分けてみていく。
・現在の高齢者とは、老年の 65 歳から健康寿命の 74 歳までのいわば現在の引退世代である。
この世代は、日本型食ライフスタイル世代で、日本本来の食文化や食習慣を体験してきている。
この点も念頭に食生活・食習慣の意識と実態をとらえ、その問題解決策を考えると同時に日本
の食文化・食習慣のベンチマークとして、健康な食生活の要素を探る。
・次期高齢者とは、来るべき本格的高齢化社会を構成する団塊世代を含む 50 代後半から 60 代
前半(55 歳~64 歳)とした。次期高齢者は現役世代で、社会的な拘束から自身のコントロー
ルが不可能な生活を送っており、現在の高齢者とは生活リズムが異なっている。また、食のラ
イフヒストリーからアメリカ型食ライフスタイル世代ということができる、「日本型食生活体
験世代」とは異なる世代の食生活・食習慣の意識と実態を捉え、予防的食育を考える。
図表 1-16:対象ターゲットと視点
●対象:高齢者(65 歳~74 歳)と次期高齢者(55 歳~64 歳)の二つの層
食生活を通した健康な生活の構築(=健康寿命)を念頭に高齢者の対象は 70 代前半までとする
人口動態を念頭に疾病顕在化傾向を考慮し 50 代以上の次期高齢者を対象に加える
次期
高齢者
高齢者
(65歳~74歳)
(55歳~64歳)
現在対応
将来対応
・現高齢者の食生活・食習慣の意識と実態
・老齢化前の年代を対象とし、高齢化への
をとらえその問題解決策を考える
対策を検討する
・健康寿命を伸長させてきた世代として
・現高齢層とは異なる世代の食生活・食習
ベンチマークとして健康な食生活の要素を探る
慣の実態をとらえ予防的対策を考える
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第Ⅱ章
高齢者の食育とは何か
~これまでの取組みと指針・提言~
本項では、高齢者の食育を研究する上で対応すべき領域を明らかにすることを目的
に、国・関連諸団体における既存の健康・食関連の指針や提言をレビューし、その方
向をまとめる。
1.健康づくり運動から食育へ
(1)健康づくり運動と食育の関係
食生活のありように関する国や団体のこれまでの取組みについて、健康づくり運動
と食育の関係を整理する。
健 康 づ く り 運 動 は 、 1978 年 の 「 第 1 次 国 民 健 康 づ く り 対 策 」 か ら 始 ま り 、 2000 年
の 「 健 康 日 本 2 1 」 に 至 る 。「 第 1 次 国 民 健 康 づ く り 対 策 」 で は 、 生 涯 を 通 じ た 健 康
づ く り が 推 進 さ れ 、健 康 づ く り の 3 要 素 で あ る 栄 養・運 動・休 養 が 指 針 と な っ た 。1988
年の「アクティブ80ヘルスプラン」は、いわば第 2 次国民健康づくり運動といえる
も の で 、80 歳 に な っ て も 身 の 回 り の こ と が で き 、社 会 参 加 も で き る こ と を 目 指 す 健 康
寿 命 の 延 伸 が 目 的 と な っ て い る 。 2000 年 に は 、「 健 康 日 本 2 1 」 が 策 定 さ れ 、 第 3 次
国民健康づくり運動としてさらに発展したものになった。健康づくり運動の流れは、
健 康 寿 命 を 伸 ば す 総 合 戦 略 と し て の「 健 康 フ ロ ン テ ィ ア 戦 略 」
( 2004 年 )、国 民 自 ら の
そ れ ぞ れ の 立 場 に 応 じ て 行 う 健 康 対 策 を 指 針 と す る「 新 健 康 フ ロ ン テ ィ ア 戦 略 」
( 2007
年)へと進化した。
食 生 活 に 関 す る 指 針 は 、1985 年「 健 康 づ く り の た め の 食 生 活 指 針 」か ら「 健 康 づ く
り の た め の 食 生 活 指 針 ( 対 象 特 性 別 )」( 1990 年 ) を 経 て 、 2000 年 に 閣 議 決 定 さ れ た
「 食 生 活 指 針 」 へ と つ な が り 、 2005 年 の 「 食 育 基 本 法 」 と し て 法 整 備 さ れ た 。
「 食 生 活 指 針 」 の 内 容 は 、 図 表 2- 2 の 10 の 指 針 に ま と め ら れ る よ う に 、 健 康 の 保
持・増 進 の 観 点 か ら「 2 1 世 紀 に お け る 国 民 健 康 づ く り 運 動( 健 康 日 本 2 1 )」の「 栄
養・食生活」分野で設定された目標に向けて具体的な実践を進めていく手だての一つ
として策定されたものである。
このような一連の流れを見ると、食生活が健康づくり推進というコンテクストの中
で、その重要要因として位置づけられていることが理解できる。
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図 表 2-1: こ れ ま で の 取 組 み と 指 針
●第1次国民健康づくり対策(1978年)
※生涯を通じた健康づくり推進
⇒健康づくり3要素(栄養・運動・休養)
●第2次国民健康づくり運動
=アクティブ80ヘルスプラン(1988年)
※80歳になっても身の回りのことができ
社会参加も できることを目指す
=健康寿命の延伸
●第3次国民健康づくり運動
=健康日本21(2000年)
●健康づくりのための食生活指針
(1985年)
●健康づくりのための食生活指針(対象
特性別)(1990年)
●食料・農業・農村基本法制定(1999年)
●食生活指針(2000年閣議決定)
※1次予防(生活習慣改善により健康を
増進し生活習慣病等を予防する)重視
と生活の質の向上
●健康フロンティア戦略(2004年)
※健康21とのリンク
⇒健康増進法(2002年):医療制度改革大綱
※健康維持を国民の義務化
●食育基本法(2005年)
●新健康フロンティア戦略(2007年)
●健康づくり推進というコンテクストの中で、その重要要因としての食生活という位置付
図 表 2-2: 食 生 活 指 針 の 内 容
国民の
健康増進
生活の質の
向上
食料安定供給
の確保
食生活指針(2000年閣議決定)
●国民的運動として推進
1.食事を楽しみましょう。
2.1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
3.主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
4.ごはんなどの穀類をしっかりと。
5.野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
6.食塩や脂肪は控えめに。
7.適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
8.食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
9.調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
10.自分の食生活を見直してみましょう。
食生活指針分野
における推進
教育分野にお
ける推進
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食品産業分野
における推進
農林漁業分野
における推進
(2)健康日本21における栄養・食生活のあり方
健 康 づ く り 運 動 の 重 点 項 目 は 、図 表 2- 3 に ま と め る こ と が で き る 。食 生 活 は 、「 健
康 日 本 2 1 」に お け る 第 一 の 展 開 領 域 と し て 位 置 づ け ら れ て お り 、
「新健康フロンティ
戦 略 」に お い て も 、
「 食 育 の 推 進 」と し て 明 記 さ れ 、重 要 項 目 と し て 位 置 づ け ら れ て い
る。
図 表 2-3: 健 康 日 本 2 1 、 健 康 フ ロ ン テ ィ ア 戦 略 、 新 健 康 フ ロ ン テ ィ ア 戦 略 の 要 点
●健康日本21(国民健康づくり運動)の
展開領域(2000年)
1.栄養・食生活
2.身体活動・運動
3.休養・こころの健康
4.たばこ
5.アルコール
6.歯 の 健 康
7.糖尿 病
8.循 環 器 病
9.がん
●健康フロンティア戦略(2004年)
※「健康寿命」を2年伸ばす 総合戦略
1.働き盛りの健康安心プラン
2.女性のがん緊急対策
3.高齢者の介護予防10カ年戦略
4.健康寿命を伸ばす科学技術の振興
●新健康フロンティア戦略(2007年)
※国民自らがそれぞれの立場に応じて
行う健康対策
1.子どもを守り育てる健康対策
(子どもの健康力)
2.女性を応援する健康プログラム
(女性の健康力)
3.メタボリックシンドローム対策の一層の
推進(メタボリックシンドローム克服力)
4.がん対策の一層の推進(がん克服力)
5.こころの健康づくり(こころの健康力)
6.介護予防対策の一層の推進
(介護予防力)
7.歯の健康づくり(歯の健康力)
8.食育の推進(食の選択力)
9.運動・スポーツの振興(スポーツ力)
こ こ で は 、「 健 康 日 本 2 1 」 に お け る 栄 養 ・ 食 生 活 の あ り 方 に つ い て 、 概 括 す る 。
「 健 康 日 本 2 1 」の 基 本 概 念 は 、
「全ての国民が健康で明るく元気に生活できる社会」
の 実 現 を 図 る た め 、 早 世 (早 死 )を 減 少 さ せ 、 認 知 症 や 寝 た き り に な ら な い 状 態 で 生 活
で き る 期 間 (健 康 寿 命 )を 延 伸 さ せ る こ と な ど を 目 標 に 、個 人 の 力 と 社 会 の 力 を 合 せ て 、
国民の健康づくりを総合的に推進することとしている。
「健康日本21」策定の背景には、超高齢化社会下での介護・老人医療保険制度へ
の危機感もあって、生活習慣病を予防することが柱の一つになっており、従来の疾病
予 防 の 中 心 で あ っ た「 二 次 予 防 」
( 健 康 診 査 等 に よ る 早 期 発 見・早 期 治 療 )や「 三 次 予
防」
( 疾 病 が 発 症 し た 後 、必 要 な 治 療 を 受 け 、機 能 の 維 持・回 復 を 図 る こ と )に 留 ま る
こ と な く 、「 一 次 予 防 」( 生 活 習 慣 を 改 善 し て 健 康 を 増 進 し 、 生 活 習 慣 病 等 を 予 防 す る
こ と ) を 重 視 し 、 生 活 の 質 ( QOL) を 高 め る こ と に よ り 、 実 り 豊 か で 満 足 で き る 生 涯
づくりを目指すことに重点を置いている。
このために、国民の健康増進、疾病予防及び生活の質の向上を図るために必要な対
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象 分 野 を 設 定 し 、そ れ ぞ れ の 分 野 に お け る 2010 年 度 を 目 処 と し た 目 標 等 を 提 示 し た 。
その展開領域は、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康、たばこ、ア
ル コ ー ル 、歯 の 健 康 、糖 尿 病 、循 環 器 病 、癌 ま で 幅 広 い 。中 で も 、「 栄 養 ・ 食 生 活 」を
生 活 習 慣 病 と 関 連 付 け る だ け で な く 、生 活 の 質( QOL)と も 関 連 付 け て い る 。
「栄養・
食生活」は、生命を維持し、また人々が健康な生活を送るために欠くことのできない
営みであり、身体的な健康という点からは、栄養状態を適正に保つために必要な栄養
素等を摂取することが求められる。また、食生活は社会的・文化的な営みであり人々
の 生 活 の 質( QOL)と の 関 わ り も 深 い も の と 位 置 づ け 、良 好 な 食 生 活 を 実 現 す る た め
の個人の行動変容にまで言及している。
「 健 康 日 本 2 1 」に お け る 栄 養・食 生 活 の あ り 方 は 、国 民 の 生 活 の 質( QOL)、健 康
の向上を目指した施策を新たに展開するもので、次の対応領域を規定している。
1) 生 活 の 質 ( QOL)、 健 康 、 疾 病
2) 栄 養 状 態
3) 栄 養 素 、 食 物 等 の 摂 取 状 況
4) 食 生 活 、 食 行 動
5) 食 物 へ の ア ク セ ス
6) 情 報 へ の ア ク セ ス
これらの各段階に対して、ベースライン診断を行うこと、それに基づいて政策が決
定され、実施されること、さらに実施された政策の有効性を経過も含めて評価するこ
と が 重 要 で あ る と さ れ て い る 。ま た 、ヘ ル ス プ ロ モ ー シ ョ ン プ ラ ン ニ ン グ に お い て も 、
個人の動機付けに関わる「知識や態度」と共に、そのような行動を実現するために必
要 な「 資 源 や 技 術 」、さ ら に「 対 象 者 を 取 り 巻 く 人 々 の 支 援 」が 行 動 変 容 に 影 響 を 与 え
る も の と し て 位 置 づ け ら れ て い る 。 さ ら に 「 環 境 」 が 健 康 や 生 活 の 質 ( QOL) に 大 き
く影響を及ぼすものとして位置づけられており、栄養・食生活における課題は、次の
ように規定されている。
1)「 栄 養 状 態 」 を よ り 良 く す る た め の 「 適 正 な 栄 養 素 ( 食 物 ) 摂 取 」
2) 適 正 な 栄 養 素 ( 食 物 ) 摂 取 の た め の 「 行 動 変 容 」
3) 個 人 の 行 動 変 容 を 支 援 す る た め の 「 環 境 づ く り 」
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図 表 2-4: 健 康 日 本 2 1 に お け る 栄 養 ・ 食 生 活 の あ り 方
出典:健康日本 21 1.栄養・食生活
付録:栄養・食生活と健康、生活の質などの関係について
図 表 2-4 は 、
「 健 康 日 本 2 1 」に お け る 栄 養・食 生 活 の あ り 方 の 概 念 図 で あ る 。こ れ
に よ る と 、最 上 位 に 生 活 の 質( QOL)が 位 置 づ け ら れ 、常 に こ こ に 帰 結 す る 形 で の 対
応が求められていることが示されている。
2.高齢者のための食生活指針
厚 生 労 働 省 は 、 1990 年 (平 成 2 年 )に 個 々 人 の 特 性 に 応 じ た 、 よ り 分 か り や す い 具 体
的 な 目 標 と し て「 健 康 づ く り の た め の 食 生 活 指 針( 対 象 特 性 別 )」を 策 定 し た 。こ の 指
針 は 、 成 人 病 予 防 、 成 長 期 の 子 供 、 女 性 (母 性 を 含 む )、 高 齢 者 の 4 つ に 区 分 さ れ 、 そ
の中で、高齢者向けは7項目からなっている。特に注目すべきは第1項目の「低栄養
に気をつけよう - 体重低下は黄信号」で、しっかり栄養をとるように呼びかけてい
る こ と で あ る 。 高 齢 者 で は 加 齢 に 伴 う 精 神 や 身 体 機 能 (咀 嚼 、 嚥 下 能 力 )の 低 下 な ど に
より、食物摂取量、消化・吸収力が低下する傾向にある。また、経済事情や孤食など
により十分な食事がとれない場合もある。高齢化に伴い食事の量が少なくなるため、
第 3 項 目 で は「 副 食 か ら 食 べ よ う - 年 を と っ た ら お か ず が 大 切 」と 呼 び か け て い る 。
これは十分なたんぱく質を摂取するのに役立つことである。
また、東京都老人総合研究所は、低栄養を予防し老化をおくらせるための食生活指
針 を 提 案 し て い る 。15 の 食 生 活 指 針 は 、高 齢 者 の 健 康 な 食 生 活 に 関 す る 具 体 的 な 提 案
になっている。
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図 表 2-5: 高 齢 者 へ の 食 生 活 指 針
●高齢者のための食生活指針
1.低栄養に期をつけよう
―体重低下は黄信号―
2.調理の工夫で多様な食生活を
3.副食から食べよう
4.食生活リズムに乗せよう
5.よく体を動かそう。空腹感は
最高の味付け
6.食生活の知恵を身に付けよう
7.おいしく、楽しく、食事をとろう
●低栄養を予防し老化をおくらせるための食生活指針
1.3食のバランスをよくとり、欠食は絶対避ける
2.動物性たんぱく質を十分に摂取する
3.肉と魚の摂取は 1:1 程度の割合にする
4.肉は、様々な種類を摂取し、偏らないようにする
5.油脂類の摂取が不足しないように注意する
6.牛乳は、毎日200ml以上飲むようにする
7.野菜は、緑黄色野菜や根菜など豊富な種類を毎日
食べる。火をとおして摂取量を確保する工夫をする
8.食欲がない時はおかずを先に食べ、ご飯は残す
9.食材の調理法や保存法に習熟する
10.酢、香辛料、香り野菜を十分に取り入れる
11.味見をしてから調味料を使う
12.和風、中華、洋風と様々な料理を取り入れる
13.会食の機会を豊富につくる
14.かむ力を維持するために義歯は定期的に点検を
受ける
15.健康情報を積極的にとりいれる
「健康づくりのための食生活指針(対象特性別)」
資料:厚生労働省:1990
資料:東京都老人総合研究所
こ の よ う に 、食 生 活 指 針 は 達 成 目 標 と し て の 個 別 施 策 へ と 進 み 、高 齢 者 に 対 し て は 、
栄養の摂取を重点課題としつつ、食生活に関わる知識や健康情報を取り入れること、
調理の工夫や会食を美味しく/楽しくするなど、良好な食生活を実現するための個人
の行動変容を促す内容になっている。
3.食育のおかれた位置
これまでの国・関連諸団体における既存の健康・食関連の指針や提言の流れをまと
め る と 、 図 表 2- 6 の よ う に 三 つ の フ ェ ー ズ に 整 理 で き る 。
健康づくり運動
国 民 の 健 康 づ く り 運 動 は 、介 護・老 人 医 療 保 険 に 対 す る 危 機 感 を 背 景 と し て 、
健康寿命の伸長を目的に、生活習慣病の予防に重点が置かれていたといって
よ い 。 こ こ で は 、「 健 康 日 本 2 1 」 に 象 徴 さ れ る よ う に 生 活 の 質 ( QOL) の
向 上 が 最 終 的 な 目 標 と さ れ 、栄 養・食 生 活 が 重 点 事 項 と し て 位 置 づ け ら れ た 。
最重要事項としての栄養・食生活(食生活指針)
国 民 の 健 康 づ く り 運 動 は 、食 生 活 指 針 と し て よ り 具 体 化 さ れ た 。10 の 指 針 は 、
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栄養・食生活のあり方を具体的に示すものである。これは、迫る高齢化社会
に対する一次予防に重点的に取り組むための健康な食生活の提言と位置づ
けることができる。
良好な食生活を実現するための個人の行動変容支援(食育)
食 生 活 指 針 は 、達 成 目 標 と し て の 個 別 施 策 へ と 発 展 し て き て い る 。こ こ で は 、
食育を国民的運動として位置づけながら、成長期、女性、高齢者ごとの対象
特性に応じた食生活指針が示されている。高齢者に対する指針の背景には、
当然のことながら介護予防も含まれるが、主たる狙いは適正な青壮年層を中
心においた栄養摂取にとどまっている。
図 表 2-6: 食 育 の お か れ た 位 置
●健康づくり運動
※背景としての
介護・老人医療保険
※健康寿命の伸長
※生活習慣病予防
・生活の質の向上
●最重要事項
としての
栄養・食生活
(食生活指針)
※迫る高齢化社会
※一次予防重視
・健康な食生活
●良好な食生活を
実現するための個
人の行動変容支援
(食育)
※青壮年シフト
※高齢者へは介護予防
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・達成目標としての
個別施策
※適正な栄養摂取
4.生活総体から食育を捉えなおす必要性
(1)食育の捉えなおしの必要性
健 康 づ く り 運 動 が 「 生 活 の 質 ( QOL)」 を 追 求 す る も の で あ る 一 方 で 、 そ の 主 要 要
因である食生活指針や食育の具体的活動は、適正な栄養摂取を主としたものにとどま
っている。いわば、食事のみにシュリンクしている状態といわざるを得ない。健康で
健 全 な 食 事 ・ 食 生 活 、 ひ い て は そ れ を 通 し た 生 活 の 質 の 向 上 は 、「 何 を ど れ だ け 、( ど
のように)食べたらよいのか」だけで達成されるものではない。高齢者食育は、高齢
者の生活総体から捉えなおす必要がある。
図 表 2-7: 食 育 の 捉 え な お し の 必 要 性
シュリンクする理念
生活(QOL)
生活総体から食育
をとらえなおす
必要
食生活
食事
健康で健全な食事・食生活ひいてはそれを通した生活の質の向上は
「何をどれだけ、(どのように)食べたらよいのか」だけで達成されるものではない
(2)社団法人日本栄養士会の食育提言
社 団 法 人 日 本 栄 養 士 会 で は 、ラ イ フ ス テ ー ジ を 妊 娠 /授 乳 期 ・ 乳 児 期 ・ 幼 児 期 ・ 学 童
期・思 春 期・成 人 期・高 齢 期 と 七 つ に 分 類 し 、高 齢 期 に つ い て は 、“サ ク セ ス フ ル エ イ
ジ ン グ ”を 提 唱 し て い る 。サ ク セ ス フ ル エ イ ジ ン グ と は 、心 も 体 も 健 や か に 齢 を 重 ね る
こ と を 指 し て い る 。 社 団 法 人 日 本 栄 養 士 会 は 、 生 活 の 質 ( QOL) の 観 点 か ら 、 楽 し く
おいしく食べて健康寿命を伸ばすことを目的に、そのために何をすべきかを提言して
いる。
そ の 内 容 は 、“食 べ る こ と ”は 、単 に 食 べ る だ け な の か ? と い う 問 題 提 起 の も と で 、
「食
べる」という行為には、単に食べるという以外にも様々な行為があるとし、次のよう
な提案をしている。
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食事を食情報の収集・購入・デザイン・調理という総体として捉え、高齢化
を念頭に置いたそれぞれへの対応の図り方・スキルの構築を提案している。
生 活 の 質 ( QOL) の 観 点 か ら 、 自 立 の 維 持 を 念 頭 に 置 い た 共 食 ・ 食 知 識 の 伝
授・食に関する地域との関係作りを提案している。
社 団 法 人 日 本 栄 養 士 会 は 、 生 活 の 質 ( QOL) の 観 点 か ら 生 活 ・ 社 会 と の 関 係 性 も 含
め、高齢化に伴う問題点を視野に入れた食生活に関わる各種の提言を行っている。
この提言は、単に食事にとどまるのではなく生活総体から食育を捉えており、これ
からの高齢者への食育のあり方を指し示すひとつの方向であるといえるだろう。
図 表 2-8: 栄 養 ・ 食 生 活 分 野 の 目 標 設 定 の 枠 組 み
(社団法人日本栄養士会
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武 見 ゆ か り ・ 村 山 伸 子 、 2001 年 )
参考資料:
・食に関する情報検索・収集
テ レ ビ や 新 聞 、雑 誌 、イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 し て 、健 康 と 栄 養 と の 関 わ り や 、健
康的な食生活、栄養バランスの良い食事について調べたり、情報を収集する。
・食物を購入する
原材料表示や成分表示を活用して、自分にあった市販食品を買う。
・食事をデザインする
キ ッ チ ン に あ る 食 材 を 考 え な が ら 、主 食 、副 菜 、主 菜 の 揃 っ た 、旬 を と り い れ た
おいしい献立を考える。
・料理の腕をふるう
家 族 や 友 人 を 招 待 し て 腕 を ふ る っ た 料 理 で も て な す 、風 邪 で 寝 込 ん で し ま っ た 妻
のために消化のよいおかゆを作る。
・料理の仕込みやパパッと後片付けをする
料 理 の 腕 前 を 披 露 す る た め に 前 の 日 か ら 仕 込 む 、手 早 く エ コ な 後 片 付 け が で き る 。
・外食でもメニュー選びでモタモタ迷わない
外 食 メ ニ ュ ー の 栄 養 成 分 表 示 を み な が ら 自 分 に あ っ た 料 理 を 選 ぶ 、居 酒 屋 で も ヘ
ルシーな食事がとれる。
・孫に日本の食文化を伝承する
家族の食卓で日本の誇るべき食文化を語り、子、孫の代に伝える。
・お一人様の楽しみもスキル次第。
お一人様を楽しむには、食の自立が肝心。 そのための食のスキルを磨く必要が
あ る 。 ス キ ル と い っ て も 、 難 し い こ と で は な い 。 “男 の 料 理 ”と 気 負 う 必 要 も な い 。
“食 ”に 関 わ る 行 動 が で き る よ う に な れ ば よ い 。
情報検索・収集スキル
イ ン タ ー ネ ッ ト の 料 理 レ シ ピ を み て 活 用 し た り 、自 分 に 必 要 な 健 康 や 栄 養 情 報 を
取捨選択して必要な情報を考えて活用することが大事。
買い物スキル
献 立 を 決 め た ら 、 次 は 「 何 を 手 に 入 れ れ ば い い か 」、 あ れ も こ れ も 買 い 込 ん で あ
と で 使 い み ち に 困 っ て し ま う こ と の な い よ う に 、買 い 物 リ ス ト を 作 る と よ い 。購 入
先 で は 、重 た い も の は 宅 配 を 上 手 に 活 用 、電 話 や ネ ッ ト で 自 宅 配 送 、な ど 便 利 な サ
ービスもある。無理せず自分に合ったサービスを使いこなすスキルが役立つ。
食事デザインスキル
「 食 事 デ ザ イ ン 」と は 、主 食 、副 菜 、主 菜 の 揃 っ た お い し い 献 立 づ く り の こ と 。皆
さんが親しみ育まれてきた家庭での食事を自分でデザインする。
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調理スキル
作 る ス キ ル が あ る と ず い ぶ ん 食 事 作 り も 楽 し く な る 。冷 凍 食 品 や 半 調 理 品 の 上 手
な 活 用 も 有 効 。今 の 冷 凍 技 術 は 発 達 し て い る か ら 美 味 し く 食 べ ら れ る も の が 研 究 さ
れ て い る し 、お 惣 菜 で も ヘ ル シ ー な も の が 選 べ る 。体 調 な ど が 悪 く 、料 理 が 作 れ な
い と き に は 、献 立 に あ わ せ た 食 材 や 料 理 の 配 送 サ ー ビ ス も あ る 。ま た 調 理 時 間 を 短
縮 す る ス キ ル ア ッ プ に は 、電 子 レ ン ジ 、炊 飯 器 、オ ー ブ ン ト ー ス タ ー な ど の 調 理 家
電の活用がある。
エコ家事スキル
残 っ た 野 菜 で ス ー プ や き ん ぴ ら を 作 る 、皿 に つ い た 油 は ふ き 取 っ て か ら 洗 う・・・
環境にいいことを考えた家事ができるようになりたい。
スマートな外食スキル
外 食 で も 上 手 に 選 べ ば 健 康 な 食 生 活 の 味 方 に な る 。最 近 、メ ニ ュ ー に 栄 養 成 分 表
示 が 載 っ て い る お 店 も 増 え て い る 。主 食・主 菜・副 菜 の 揃 っ た メ ニ ュ ー を 意 識 す る
だけでも、ヘルシーな食事につながる。
ふるさと自慢で教養を語る
子 ど も の 頃 に 食 べ た も の を 再 現 し て 孫 に 伝 え た り 、郷 土 の 料 理 や 特 産 品 を 教 え な
が ら 一 緒 に 食 事 を 楽 し ん だ り 。お じ い ち ゃ ん 、お ば あ ち ゃ ん か ら 教 わ っ た 食 の 伝 統
は、きっと忘れないはず。
一 人 よ り 二 人 、 二 人 よ り み ん な 。 貴 方 が さ さ え る 20 年 後 の 地 域
高 齢 者 だ け の 世 帯( 独 居 高 齢 者 世 帯 )は 今 後 ま す ま す 増 え て い く 。将 来 に 対 し て
今 か ら 漠 然 と 不 安 を 抱 え る の で は な く 、行 動 を 始 め る こ と が 大 切 で あ る 。高 齢 者 の
自立の維持にはどのような生活スタイルが好ましいのか?外に出かけることも重
要 な 行 動 の 一 つ で あ る 。支 え る こ と は 一 方 通 行 で は な い 。皆 が 互 い に 支 え あ え る 地
域のために、今、皆さんが支えられることから始めよう。
食べ友、何人います?
配 食 サ ー ビ ス は 、外 出 で き な く な っ て か ら 。今 は 、に ぎ や か に 楽 し く 食 事 を す る
機 会 を 増 す の が よ い 。ふ る さ と の 自 慢 料 理 を 持 ち 寄 っ た 食 事 イ ベ ン ト な ど に 参 加 す
れば、意外と近所に気の合う仲間がいるかもしれない。
学び友、どこにいけば会えます?
食 事 に つ い て 困 っ た こ と が あ っ た ら 、ど こ か で ? 誰 か に ? 相 談 で き ま す か ? 地 域
に は 、健 康 や 食 に つ い て の 支 援 シ ス テ ム が で き て い ま す か ? な け れ ば 、皆 さ ん か ら
地域に提言することだってできるはず。
地域のお助け先生に
地域は、高齢者のパワーを期待している。子どもたちの食生活が乱れている今、
親の世代と一緒に悩み、考え、解決していく力になれることもある。
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
参考資料:国及び関連団体の主な食育情報発信
農林水産省
・ 安全で健やかな食生活を送るために
健 全 な 食 生 活 を 送 る 上 で 、食 品 の 安 全 性 に つ い て 正 し い 知 識 を 持 ち 、食 品 を 適
切 に 選 び 、 取 り 扱 う こ と は と て も 大 切 な こ と で す 。「 そ ん な の 難 し い し め ん ど う
だ」と思う人もいるでしょう。でも、これまでの習慣を少し見直し、ほんのち
ょっと工夫するだけでより健全な食生活に近づけると私たちは考えています。
・ なぜ?なに?食育!!
食育の現状、政府で取り組む食育についての紹介。
・ 食 品 表 示 と JAS 規 格
・ 食料自給率の部屋
厚生労働省
・ 生活習慣病予防(健康づくり)特集
・ 健 康 日 本 21
・ 栄養・食育対策の推進
・ 健康増進法
内閣府
・ 食育推進
食育推進基本計画の策定、食育白書の作成、各種食関連データの提供
・ 健康フロンティア戦略
食事バランスガイドについて
・ 食事バランスガイド(農林水産省)
・ 食事バランスガイド(厚生労働省)
「 食 事 バ ラ ン ス ガ イ ド 」は 、望 ま し い 食 生 活 に つ い て の メ ッ セ ー ジ を 示 し た「 食
生 活 指 針 」を 具 体 的 な 行 動 に 結 び つ け る も の と し て 、1 日 に「 何 を 」
「どれだけ」
食べたらよいかの目安を分かりやすくイラストで示したもので、厚生労働省と
農 林 水 産 省 に よ り 平 成 17 年 6 月 に 決 定 さ れ た 。
食生活指針について
・ 食生活指針(農林水産省)
・ 食生活指針(厚生労働省)
その他
・ e-shokuiku.com( 食 育 ・ 食 生 活 指 針 の 情 報 セ ン タ ー )
・ あぐりチャンネル(財団法人食品産業センター)
・ 食を考える国民会議
- 38 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
第Ⅲ章
高齢者の食育の方向性
本項では、高齢者と次期高齢者の食栄養特性と運動時間やストレスについて、他の年代と比較
することにより、この世代がどれだけ健全な状態にあるのかを見る。これによって、高齢者食育
の方向はどうあるべきかを見極めていく。
1.高齢者の食栄養特性
高齢者の栄養摂取状況を、「朝食欠食状況」「野菜摂取量」「食塩の摂取状況」「栄養バラン
ス」「PFC バランス」といった側面から見ていきたい。
(1)朝食欠食の状況
朝食の欠食率を 2007 年(平成 19 年)国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)で見ると、男女
とも 20 代~30 代の欠食率が高く、40 代以降の高年代ほど欠食率は低くなる。高齢者は、他の世
代に比べて朝食欠食率は低く、おおむね摂取されている。
図表 3-1:朝食欠食率
40
32.9
男
25.6
10
20.5
20.2
18.3
20
9.3
13.3
11.1
17.9
14.9
11.4
13.2 13.4
5.3
3.8
4 4.2
(単位:%)
30.2
28.6
30
11.8
9.2
6.4
6.2
5.6
0.8
7.4
4
2.8
2.3 3.4
0
総数
1-6歳
7-14歳
15-19歳
20-29歳
30-39歳
20年前(昭和62年)
40-49歳
50-59歳
10年前(平成9年)
60-69歳
70歳以上
平成19年
40
女
(単位:%)
30
24.9
20
10
11.5
7.3
6 5.9
2.7
0.8
6.9
16.3
14.7 15.9
14.8
10.1
8.8
9.8
7.4
12.8
10.2
9.7
7.7
6.7
4.5
3.5 2.4
5.4
5.1
4.7
3.8
1.7
1.7
60-69歳
70歳以上
0
総数
1-6歳
7-14歳
15-19歳
20-29歳
20年前(昭和62年)
30-39歳
40-49歳
10年前(平成9年)
50-59歳
平成19年
厚生労働省:平成19年 国民健康・栄養調査結果より
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(2)野菜摂取量の状況
20 歳以上における野菜摂取量の平均値は 290g であり、「健康日本 21」の目標値である 350g
には達していない。50 代以上の摂取量は平均よりも多く、他の年代と較べても多い傾向にある。
また、朝食の喫食状況別に野菜摂取量を見ると、野菜を目標値(350g)以上食べている者の割合
は、朝食喫食者 32.5%に対し、朝食欠食者 16.3%と半数に激減する。
図表 3-2:野菜の摂取量(20 歳以上の男女)
400
(g)
その他の野菜(緑黄色野菜以外)
300
200
(2 9 0 . 1 )
(3 0 1 . 9 )
(2 4 8 . 5 )
(2 5 1 . 3 )
(2 6 5 . 7 )
174.3
166.7
183.9
97.7
74.2
84.6
81.8
総数
20-29歳
30-39歳
40-49歳
192.4
(3 3 4 . 1 )
(3 0 5 . 5 )
220
191.9
98.5
114.1
113.6
50-59歳
60-69歳
7 0 歳以上
203.4
100
0
緑黄色野菜
厚生労働省:平成19年 国民健康・栄養調査結果より
図表 3-3:朝食の喫食状況別・野菜摂取量の分布割合(20 歳以上の男女)
朝食欠食者(平均=283.6g)
朝食喫食者(平均=297.7g)
3 50g以上
1 6 .3%
3 5 0g以上
32 .5 %
35 0g未満
67 .5%
3 5 0 g未満
83.7%
厚生労働省:平成19年 国民健康・栄養調査結果より
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(3)食塩摂取の状況
食塩摂取量の平均値は、男性で 12.0g(目標 10g 未満)、女性で 10.3g(目標 8g 未満)となってお
り、男女ともに食塩摂取の目標量を上回っている。
50 代で 11.6g、60 代が 11.7g と世代間での差は小さいものの、他の世代と比較すると高い数値
になっている。
図表 3-4:食塩摂取量の平均値(20 歳以上)
14
12
(g)
12
10.3
10
12.6
11.7
11.3
9.4
9.6
9.9
20 -2 9歳
30 -3 9歳
4 0 -4 9歳
1 2 .6
10.8
10.9
50 -5 9歳
60- 69 歳
11.9
10.4
男性
8
11.4
女性
6
4
2
0
総数
7 0 歳以上
図表 3-5:男女別食塩摂取量の割合(20 歳以上)
【女性】
【男性】
8g未満
31.8 %
10g未満
37 .6%
1 0g以上
62.4%
8g以上
68 .2%
厚生労働省:平成19年 国民健康・栄養調査結果より
厚生労働省「健康日本 21」では、一日あたりの食塩平均摂取量を基準値の 13.5gから 10g未満へと減
少させ目標値として掲げている。これに照らしても、男性 50 代と 60 代は、高い数値になっている。
1 日あたりの平均摂取量
基準値
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13.5g
目標値
10g未満
(4)栄養摂取状況
2000 年(平成 12 年)の厚生労働省
国民栄養調査によると、60 歳以上の栄養摂取の充足率は
ほとんどの栄養素について男女とも 100 を越えており、高齢者の栄養素摂取量は、充足されてい
る。一つだけ不足しているのは、女性 70 歳以上のカルシウムの摂取量である。
図表 3-6:「2000 年(平成 12 年)
厚生労働省 国民栄養調査」栄養素等摂取状況
年齢階級別 栄養素等摂取量(男)
男性
年齢階級別 栄養素等摂取量(女)
女性
50-59歳 60-69歳 70歳以上
栄養素等摂取量
エネルギー
kcal
たんぱく質
g
カルシウム
mg
鉄
mg
ビタミンA
IU
ビタミンB1
mg
ビタミンB2
mg
ビタミンC
mg
平均栄養所要量
エネルギー
kcal
たんぱく質
g
カルシウム
mg
鉄
mg
ビタミンA
IU
ビタミンB1
mg
ビタミンB2
mg
ビタミンC
mg
平均充足率%
エネルギー
kcal
たんぱく質
g
カルシウム
mg
鉄
mg
ビタミンA
IU
ビタミンB1
mg
ビタミンB2
mg
ビタミンC
mg
2281
2189
1961
栄養素等摂取量
エネルギー
92
88.2
80.9
たんぱく質
562
604
601
カルシウム
13.1
13.3
12.5
鉄
3056
2937
2855
ビタミンA
1.3
1.27
1.21
ビタミンB1
1.55
1.51
1.4
ビタミンB2
136
157
149
ビタミンC
kcal
g
mg
mg
IU
mg
mg
mg
平均栄養所要量
エネルギー
1977
1941
1681
65
65
65
たんぱく質
600
600
600
カルシウム
10
10
10
2000
2000
2000
1.1
1.1
1.1
ビタミンB1
1.2
1.2
1.2
ビタミンB2
100
100
100
ビタミンC
kcal
g
mg
鉄
mg
ビタミンA
IU
mg
mg
mg
115
113
117
平均充足率%
エネルギー
142
136
124
たんぱく質
94
101
100
カルシウム
131
133
125
鉄
153
147
143
ビタミンA
118
115
110
ビタミンB1
129
126
117
ビタミンB2
136
157
149
ビタミンC
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50-59歳 60-69歳 70歳以上
kcal
g
mg
mg
IU
mg
mg
mg
1866
1773
1618
78.2
74.6
67.2
590
604
553
12.2
12
11
3009
2832
2644
1.17
1.14
1.03
1.42
1.4
1.22
158
162
144
1617
1566
1347
55
55
55
601
600
600
12
12
10
1802
1800
1800
0.8
0.8
0.8
1
1
1
100
100
100
115
113
120
142
136
122
98
101
92
102
100
110
167
157
147
146
143
129
142
140
122
158
162
144
(5)日本人の三大栄養素摂取量の推移からみる世代別食体験
日本人の三大栄養素摂取量の推移をみることにより、日本人の食の変化と転換点を明らかにし、
現在の高齢者と次期高齢者の世代別の食体験の違いに接近する。
図表 3-7 は、日本人のたんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の三大栄養素の 1 人一日
当りの摂取量の推移を 1950 年(昭和 25 年)から 2007 年(平成 19 年)で見たものである。
・たんぱく質(P)は、増減はあるものの、三つの栄養素の中で摂取量の変化は少ない。し
かし、1980 年(昭和 55 年)には動物性が植物性を上回り、動物性の割合は 58 年間で 1.8
倍に増加している。高度成長期の食の洋風化によって、肉料理が増えたことによるものと考
えられる。
・脂質(F)は、高度成長期以降に増加し、この 58 年間で 2.6 倍に増えた。植物性の摂取量
に変化は見られないが、動物性が上積みされた形で増加しており、1975 年(昭和 50 年)以
降、植物性と動物性がほぼ半々の割合で推移している。動物性脂質の増加も肉料理が増えた
結果であろう。
・炭水化物(C)は、脂質の増加とともに減少し、53 年間で約 4 割減少した。高度経済成長
を背景とした大衆消費期の中で、主食である米の割合が多い食生活から、主菜、副菜が増え
る豊かな食生活になった結果であろう。
高度成長期を境に、栄養素摂取量とその内容が大きく転換し、食の洋風化によって、日本人の
栄養素摂取が変わり、現在に至っているのである。その転換点は、1970 年(昭和 45 年)である
といえる。この転換点を境に、現在の高齢者(65 歳~74 歳)と次期高齢者(55 歳~64 歳)の食
体験を考察すると、次のようになる。
・現在の高齢者(65 歳~74 歳)の 1970 年(昭和 45 年)当時の年齢は、26 歳~35 歳であ
る。食習慣が身につく子どもの時期に、日本型食生活による栄養素摂取を体験してきた世
代といえる。
・次期高齢者(55 歳~64 歳)の 1970 年(昭和 45 年)当時の年齢は、16 歳~25 歳である。
育ち盛りから家族形成期にかけて、肉料理中心の洋風型食生活による栄養素摂取になって
いる世代である。
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図表 3-7:三大栄養素摂取量(1 人一日当り)年次推移
増減はあるものの、動物性の割合が1.8倍に増加
P:たんぱく質
85
450
411
75
399
400
F:脂質 58年間で2.6倍の増加
368
55
337
350
45
313
C:炭水化物
298
35
287
53年間で約4割以上減少
300
280
267
266
25
264
264
250
たんぱく質の摂取量
77.6g
【摂取量総量】
77.9g
79.0g
78.7g
(H
19
)
18
)
年
07
年
06
(単位:g)
81.5g
77.7g
69.8g
3 7 .5
3 2 .8
3 2 .3
69.8g
38
71.1g
3 8 .3
4 1 .7
4 4 .4
4 1 .4
2 4 .7
4 0 .1
2 2 .3
3 9 .2
2 1 .3
71.3g
3 8 .9
69.7g
3 4 .2
69.7g
2 8 .5
70.1g
80.0g
(H
17
)
(H
05
年
(H
00
95
年
年
年
90
年
12
)
7)
(H
2)
(H
60
)
(S
55
)
85
75
80
年
年
(S
(S
50
)
45
)
(S
70
年
年
(S
35
)
65
年
60
55
年
(S
(S
30
)
25
)
(S
年
40
)
15
50
炭水化物 g( )
たんぱく質・脂質 g( )
384
65
【動物性】
【植物性】
3 1 .8
36
3 7 .1
3 7 .3
3 8 .9
3 8 .7
4 1 .1
4 3 .4
4 2 .8
45
4 7 .4
4 8 .8
50年 55年 60年 65年 70年 75年 80年 85年 90年 95年 00年 05年 06年 07年
(S25) (S30) (S35) (S40) (S45) (S50) (S55) (S60) (H2) (H7) (H12) (H17) (H18) (H19)
脂質の摂取量
(単位:g)
59.9g
53.9g
54.1g
55.1g
2 7 .3
2 7 .7
2 6 .6
2 6 .8
2 7 .4
57.4g
2 7 .3
2 7 .2
2 7 .5
52.4g
56.9g
2 7 .6
52.0g
2 7 .4
【摂取量総量】
56.9g
46.5g
2 8 .8
2 0 .9
【動物性】
2 8 .6
2 5 .2
2 4 .6
2 5 .6
1 5 .5
2 1 .7
3 0 .1
2 0 .3
2 9 .4
2 1 .2
【植物性】
2 9 .3
20.3g
9 .2
21.2g
24.7g
1 4 .3
動・植物性
の区別無し
2 9 .8
36.0g
50年 55年 60年 65年 70年 75年 80年 85年 90年 95年 00年 05年 06年 07年
(S25) (S30) (S35) (S40) (S45) (S50) (S55) (S60) (H2) (H7) (H12) (H17) (H18) (H19)
厚生労働省:平成19年 国民健康・栄養調査結果より
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(6)PFCバランス
日本人の三大栄養素のバランスの側面から見てみよう。三大栄養素のバランスは、たんぱく質
(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の頭文字から「PFC バランス」と呼ばれるものである。図表
3-8 は、1955 年(昭和 30 年)~2006 年(平成 18 年)までの 5 年毎の PFC バランスをグラフで
示したものである。
・1970 年(昭和 45 年)以前は、炭水化物(C)が多く、脂質(F)が不足している。
・1970 年(昭和 45 年)から 1980 年(昭和 55 年)にかけては、炭水化物(C)の過多と脂
質(F)の不足が補正されている。
・1980 年(昭和 55 年)の PFC のバランスは理想的なものになっている。
・1985 年(昭和 60 年)以降は、たんぱく質(P)と脂質(F)がやや多めで、炭水化物(C)
の摂取不足が続いている。エネルギー量も 2000 年(平成 12 年)に 2000kcal(キロカロ
リー)を下回り、減少傾向が続いている。
このような傾向の中で、高齢者の PFC バランスを見ていこう。2007 年(平成 19 年)の 20 歳
以上の PFC バランスを年代別に見たものが、図表 3-9 である。
・60 代、70 代は、PFC のバランスがとれており、1980 年(昭和 55 年)の理想的な形と
同じ状態になっている。
・20 代~50 代の PFC バランスは、炭水化物(C)が不足、脂質(F)が過多の状態になっ
ている。
・1985 年(昭和 60 年)以降の日本人の PFC バランスの崩れは、50 代以下の若い世代に
よるものである。
以上のことから、現在の高齢者の PFC バランスに問題はなく、むしろ、次期高齢者の PFC バ
ランスがとれていないことが浮き彫りになっている。
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図表 3-8:1955 年(昭和 30 年)~2006 年(平成 18 年)までの PFC バランス
【エネルギー量】
2104kcal
【エネルギー量】
2096kcal
【エネルギー量】
2184kcal
【エネルギー量】
2210kcal
日本型
食生活
【エネルギー量】
2188kcal
【エネルギー量】
2084kcal
【エネルギー量】
2088kcal
【エネルギー量】
2026kcal
【エネルギー量】
2042kcal
【エネルギー量】
1948kcal
【エネルギー量】
1904kcal
【エネルギー量】
1891kcal
C マーケティング総合研究所
○
図表 3-9:2007 年(平成 19 年) 年代別 PFC バランス
【エネルギー量】
1898kcal
【エネルギー量】
1912kcal
【エネルギー量】
1942kcal
【エネルギー量】
1930kcal
【エネルギー量】
1928kcal
【エネルギー量】
1978kcal
【エネルギー量】
1962kcal
【エネルギー量】
1779kcal
C マーケティング総合研究所
○
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三大栄養素【P=13:たんぱく質、F=25:脂質、C=62:炭水化物】 を適正基準値とした
厚生労働省「国民健康・栄養調査結果概要」栄養素等摂取量(1日当り平均)より 算出
2.高齢者の運動時間、ストレス
(1)高齢者の運動時間
一週間の運動時間で、全く行なわない者(0 分)の割合は、男女共に 20~50 代で約 3 割だが、60
代になると、26.7%と減少傾向にある。反対に、運動時間で見ると、60 代は、一週間に 2 時間以
上運動している人が 54.2%で、運動時間の多い人の割合は、19 歳以下を除く他の世代の中で最も
多く、70 代はこれに次いで多い。50 代までは、就業や家事が優先し、時間的余裕もなく運動不
足になりがちだが、60 代になると、時間的余裕もある為、散歩など軽い運動とはいえ、運動時間
は増える傾向にあると考えられる。
運動時間でみる限り、高齢者に問題があるわけではない。
図表 3-11:性年代別一週間の運動時間
【女】
【男】
100%
100%
18.7%
23.3%
24.4%
18.8%
16.4%
22.9%
29.2%
17.2%
17.9%
3時間以上
18.5%
13.3%
17.0%
14.8%
21.7%
30.0%
80%
80%
49.4%
25.0%
24.8%
25.6%
24.0%
24.4%
60%
2時間~3時間未満
11.6%
13.2%
9.7%
13.2%
10.9%
9.8 %
27.2%
9.0%
1時間~2時間未満
14.1%
8.9%
31.8%
30.6%
5.2 %
35.8%
31.7%
10.8%
1分~1時間未満
27.4%
24.9%
12.8%
16.5%
12.8%
14.4%
13.5%
11.9%
13.8%
14.0% 13.8%
17.7%
12 .5%
11.6%
20%
36.5%
26.7%
35.6%
40%
8.2%
20%
25.9%
14.3%
10.8%
10.7%
26.5%
14.8%
11.6%
10.4%
40%
25.5%
60%
25.0%
10.5%
20.5%
26.8%
24.6%
29.2%
8.3%
28.9%
0分
35.6%
31.6%
23.6%
29.3%
28.9%
27.4%
14.4%
9.4%
0%
0%
総数
15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上
総数
15-19歳 20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上
平成18年国民生活調査より
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(2)高齢者のストレス
性・年代別にストレスをどの程度感じているかを見ると、男女とも 20 代~40 代でストレスを感
じている人の割合が高いが、50 代になるとやや減少し、60 代ではさらに減少する。20 代~40 代
は、仕事・職場や子育てなど社会とのかかわりや忙しい生活を送っているためと考えられる。50
歳になると徐々にこのような生活から解放されるため、ストレスを感じる程度は少なくなるので
あろう。
ちなみに、高齢者のストレスは、自身の健康問題が一番であり、高齢者のおよそ半数が「自身
の健康・病気・介護」に対する不安がストレスにつながっている。将来への不安を抱くのは当然
のことで、総じて高齢者の心理的問題は少ないといえる。
図表 3-12:性年代別ストレスと 65 歳以上のストレス内容
100%
男
80%
1 2 .2
8 .9
30
3 0 .4
6 .5
6
4 .9
2 2 .8
2 1 .6
2 2 .4
4 9 .7
4 8 .4
4 9 .7
8 .1
1 5 .9
4 0 .4
60%
40%
4 2 .4
1 6 .0
1 8 .3
2 1 .0
2 4 .0
2 3 .0
1 6 .6
9 .2
6 .9
総数
15-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60-69歳
70歳以上
8 .5
7 .3
17
3 4 .5
大いにある
100%
女
80%
3 9 .3
4 9 .2
4 1 .9
20%
0%
2 6 .9
2 6 .1
2 7 .6
多 少あ る
6 .6
21
2 6 .9
あま りな い
3 .3
2 .1
4 .0
2 0 .4
2 1 .1
2 6 .5
ま った く な い
1 1 .1
1 9 .8
3 3 .3
3 9 .1
60%
40%
5 3 .7
5 3 .8
5 3 .9
5 0 .3
4 6 .3
4 3 .0
3 2 .6
20%
0%
4 8 .8
1 2 .6
2 2 .0
2 2 .2
2 2 .4
2 3 .0
2 0 .7
1 2 .7
8 .6
総数
15-19歳
20-29歳
30-39歳
40-49歳
50-59歳
60-69歳
70歳以上
大いにある
多少ある
あま りな い
ま った く な い
厚生労働省:平成19年 国民健康・栄養調査結果より
ストレスの内容(複数回答)
職場や学校で
の人つきあい
65歳以上男性
全世代男性(12歳~65歳以上)
65歳以上女性
全世代女性(12歳~65歳以上)
家族関係
自由にできる
自分の健康・
仕事上のこと
時間がない
病気・介護
49.4%
家族の健康・
病気・介護
26.2%
収入・家計
21.0%
12.5%
2.7%
8.6%
14.2%
25.5%
12.1%
13.2%
41.3%
24.6%
15.8%
21.9%
1.0%
14.4%
4.4%
3.5%
53.1%
24.7%
10.9%
21.0%
19.4%
15.6%
21.3%
28.6%
21.2%
25.0%
(参考)厚生労働省 平成12年 保健福祉動向調査
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3.高齢者の食育の方向性
高齢者の食栄養特性と運動時間やストレスから、次のことが明らかになっている。
①現在の高齢者は、食栄養特性、運動時間やストレスの側面を見る限り、決定的な問題は見
当たらない。
②一方、次期高齢者の 50 代現役世代(次期高齢者)は、栄養バランス、運動時間の側面で
問題を抱えている。運動時間は、現在の 50 代も引退すれば、時間にゆとりができるので増
えることが予想されるが、栄養バランスは、食習慣によるところが大きいので、一朝一夕に
改善することは望めないだろう。次期高齢者の栄養バランスの改善は、予防的食育の観点か
らの課題となる。
現在の高齢者と次期高齢者への食育は、栄養バランスのよい食事にとどまるのではなく、食生
活に影響を及ぼす生活要因までを含めて考えていかなければならない。高齢化で避けて通れない
のは、加齢による衰えと生活環境の変化である。加齢による肉体の衰えは、人による程度の差こ
そあれ、確実に進行していく。また、生活環境についても家族形態の変化や現役から引退世代へ
の移行などにより、人・社会との関わりが希薄化していくことは、当然の成り行きといえる。高齢
者の健康な食生活は、これらの要因への対策まで考慮して、よりよい食を推進していくことで実
現されるのである。
その方向性は、次のように整理される。
①高齢者の食育とは、「健康な食生活」を考えることである。「健康な食生活」とは、食を
起点とした健康な生活の実現であり、その最終的なゴールは、生活満足の向上である。
②「健康な食生活」を実現するために、加齢による衰えを補うことや食を規定する生活要因
への対策が求められる。
③栄養バランスのよい食事はもとより、「健康な食生活」を後押しする肉体的な健康状態や
人・社会とのつながりまで含めて考えていかなければならない。
高齢者の食育とは、高齢者の食生活に関わる行動をよりよいものに変えていく推進活動であり、
生活満足を向上させ、ひいては日本人の健康で心の豊かな社会を考えることにつながるといって
も過言ではない。
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4.高齢者の健康な食生活
高齢者の健康な食生活は、栄養バランスのよい食事(食)、体の健康状態(体)、豊かな心(心)
の三つが整った、いわば「食事が楽しい」状態である。
①栄養バランスのよい「食」
栄養バランスのよい食事が基本になる。歯が丈夫でおいしく食べられることも条件になる。
②「体」が動く
適度な運動をして、足腰が丈夫で病気がない、身体の健康状態である。
③豊かな「心」
人、社会とのつながり、ふれあい、コミュニケーションや社会参加から醸成される心の豊
かさである。ひとり暮らしや夫婦のみ世帯の増加といった生活要因の変化に対して、周囲と
のつながりが重要視される。
図表 3-13:高齢者の健康な食生活=「食事が楽しい」条件
栄養バランスのよい食事
おいしく食べられる
歯が丈夫
栄養バランス
のよい「食」
平穏
健康体
健康
運動
足腰丈夫
病気がない
「体」が動く
生きがい
豊かな「心」
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人、社会とのつながり
(ふれあい。コミュニケーション、
社会参加)
第Ⅳ章
高齢者の食育を捉える枠組み
本項では、高齢者の食育を捉える枠組みを考察する。まず、現代の食環境の中で、健康な食生
活を実現するための駆動力となる「食生活力」を提案する。そして、高齢者の食育を捉える枠組
みの全体像を提示して、食育推進課題を検討する道筋と消費者調査の方向性を示す。
1.食の領域拡大と食生活力
(1)現代の食の捉え方
日本人の食は、核家族化や近代化により食習慣が転換し、便利さの追求が進み、食文化の伝承
が欠如してきている。その結果、そもそも食の判断基準や選択基準は拡散化したといわざるを得
ない。以前は既知のものであった素材の安全性や、鮮度の見分け方やおいしいものの見分け方、
調理方法などについて、知っている人と知らない人の差が大きくなる状態にある。
しかし一方では、現代の食は、その捉え方が拡大し、複雑化してきている状態にあるといえよ
う。その要点は、次のようになる。
①食の捉え方が拡大し、ニーズが多岐に渡るようになってきた。
食のレジャー化や食卓演出で食を楽しむなど、食は娯楽や生活の楽しさと結びついてきて
いる。また一方では、健康によい食というように、効用を求める食のニーズも強まっている。
以前には他のものと区別されていた食が、生活の中でそれ以外のものとの境界がなくなり、
むしろ結びついた形で捉えられてきているのである。その結果、食のニーズは多岐に渡るよ
うになった。
米国の社会学者・リッツア(2005 年)は、以前は区別されていた複数の統一体の相互崩
壊につながる境界の溶解または消失を“内破”と呼び、新しい消費手段の爆発的成長が多数の
内破をもたらしていると述べている。一つのショッピングモールでショッピングと娯楽が同
時に楽しめたり、食事を楽しめたりするようになっていることを、典型的な例としてあげて
いる。
食も同様に、他のものと結びつくことにより、境界が決壊し“内破”が進行してきたといっ
てよい。
このような現象の進行に伴い、食を取り巻く情報が拡大してきている。新しいメニューや
合理的な調理方法を教える料理番組や、おしゃれなレストランなどの外食情報、旅行番組で
の食情報や産直など、様々な情報とともに食の情報が提供されている。
②食が複雑化し、判断基準が複雑化してきた。
このような食の複雑化により、生活者の食に関する判断基準は複雑化してきているといえ
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よう。ある人は、鮮度のよいものをおいしく食べることが重要と考えるであろうし、ある人
は、ありふれた退屈なところですばらしいものを食べるより、すばらしい部屋でありふれた
ものを食べる方がよいと考えるであろう。食を豊かにする基準が個人や場面で異なるため、
その判断基準も複雑化してきているのである。
同時に、氾濫する情報の中で生活者の情報への依存度が高まり、情報取得能力が豊かさを
左右するようになっているといっても過言ではない。
図表 4-1:食の判断・選択基準の拡散化
食の判断・選択基準
安全性や鮮度
食習慣の転換
何がおいしいのか
何が安くて便利か
どうしたら上手に作れるか
わからなくなってしまった
生活者
どうしたら食を通してハッピーになれるか
・・・
伝承の希薄化
(2)食生活力が問われる時代
食のニーズが拡大、複雑化した現代において、高齢者の食育の対応は、食そのものだけでは
なく領域を広げ、生活環境要因との関係の中で捉えていかなければならない。生活環境要因に
は、家族形態の変化や情報化などがあげられる。高齢者の食をよりよいものにしていくために
は、これらの生活環境要因に適応していく力、すなわち「食生活力」が問われているのである。
(図表 4-2)
「食生活力」は、食べることだけでなく、食に関わる一連の行動をポジティブに実践する力
であり、「生活環境要因の影響に対して、どのように適応させていくか、という力」である。
当然のことながら、健康な食生活は、「食生活力」の力量に依存しているといってよい。
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図表 4-2:生活環境要因に適応した食生活力
生活環境要因
・家族形態の変化
・情報化社会
・利便性
・モノの氾濫
食生活力
生活環境要因の影響に対して、
どのように適応させていくか、という力
図表 4-3 は、食生活の主要な要素から代表的に考えられるものを 10 の指標として整理したも
のである。10 の指標は、知識や判断基準、または思考や行動においてどれだけ実践できるかで測
定されると考えられる。
①情報力
普段の買物に関する情報知識をどの程度持っているか。具体的には、どの店のどの品がよ
いかを知っている、新しいメニューや店を探すのを楽しんでいるか。
②買物力
鮮度の見分け方や素材の良し悪しの判断基準を含め、買物そのものを楽しんでいるか。
③献立力
メニューを考える、工夫する力。メニューを考えるのが楽しい、主食・主菜・副菜の栄養
バランスを考える、必要に応じて惣菜を使う、市販の惣菜に一手間加えるなど。
④調理力
具体的には、アク抜きや下ごしらえの知識、調理器具を使いこなす、楽しんで調理するな
ど、調理の知識と実行性。
⑤演出力
食卓を演出する力で、食器に対する関心や盛り付けに対する関心の強さ。
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⑥飲食力
食べることを楽しんでいるか、いろいろな味を楽しんでいるかなど、食べることに関する
力。
⑦外食力
外食に行くのが楽しみか否か、外食時の店やメニューを選ぶのが楽しみか否かという積極
性。
⑧共食力
人と一緒に食べることを楽しんでいるか否か。
⑨保管力
食材の保管方法を知っているか否か。
⑩片付力
食事の後片付けを手際よくできるか否か。
以上の「食生活力」の 10 の指標は、食行動サイクルとして回っていくものであり、この食行
動サイクルが回ることによってより食生活力が高まっていくと考えられる。
図表 4-3:食生活力の 10 の指標
情報力
片付力
買物力
保管力
献立力
共食力
調理力
外食力
演出力
飲食力
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(3)食生活力を支える 3 つの能力と 4 つの力
「食生活力」が高いか低いかという差(力量)をもたらす要因には、創意工夫の能力と加齢に
よる衰えの二つが考えられる。
現代の食生活に求められる創意工夫の能力は、次 3 つである。
①問題解決能力
経験知や情報取得能力によって、判断や選択する力
②創造性
メニューについて考えたり、工夫して食を楽しむ加工力や応用力
③自己実現
食行動を楽しむ、楽しんで食事をする
また、加齢による衰えの中から食生活に求められる力は、次の 4 つである。
①体力
買物、調理、外食に対してどれだけ楽しんで身体を動かしているか。
②気力
食材選びや調理、外食の店選びを楽しむ力。
③知力
鮮度や素材の見分け方や調理方法、保存方法を知っているかという力
④社会力(周りの人との協調力)
盛り付けや器などの食卓演出を楽しみ、みんなで食べることを楽しむ力。
3 つの能力と 4 つの力は、当然のことながら人によって差異が生じているとみられる。また、
4 つの力は、加齢による衰えの中で、どれだけ維持されているかが焦点になる。
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図表 4-4:食生活力を支える 3 つの能力・4 つの力
食生活力
生活環境要因の影響に対して、
どのように適応させていくか、という力
創意工夫の能力
加齢による衰え
・体力
・気力
・知力
・社会力
・問題解決能力
・創造性
・自己実現
図表 4-5:食生活力の詳細と 3 つの能力・4 つの力
求められる能力
【食生活力】
情報力
買物力
献立力
調理力
演出力
飲食力
外食力
共食力
保管力
片付力
思考・行動
どの店のどの品がよいか知っている
新しいメニューや店を探すのが楽しい
鮮度や素材の良し悪しが見分けられる
いろいろな食材を選ぶのが楽しい
買い物に行くのが楽しい
主食・主菜・副菜の栄養バランスを考えている
必要に応じてできあがり惣菜を利用
メニューを考えるのが楽しい
市販の惣菜に一手間加えて利用
アク抜きや下ごしらえの方法を知っている
いろいろな調理器具を使いこなせる
調理するのが楽しい
おいしそうに盛り付けるのが好き
いろいろな器を揃えるのが好き
いろいろな味を楽しんでいる
食べること自体が楽しい
何をどこで食べるか店を選ぶのが楽しい
外食に行くのが楽しみ
皆で食べることが楽しい
食材の保存方法を知っている
手際よく食事の後片付けができる
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問
題
解
決
創
造
性
自
己
実
現
求められる力
体
力
気
力
○
社
会
力
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
知
力
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
2.高齢者の食育を捉える枠組み
図表 4-6 は、高齢者の食育を捉える枠組みの全体像である。健康な食生活が生活満足をもたら
すという前提に立って、健康な食生活のための意識と実態を踏まえて、さらにこの要因としての
食生活力を捉える。
図表 4-6:高齢者の食育を捉える枠組み
生活満足
健康な食生活
心
食
体
(満足度)
(満足度)
(満足度)
食生活力
10の指標
創意工夫の能力
加齢による衰え
この枠組みは、次の仮説に基づいている。
①「健康な食生活」は「生活満足」の向上につながる。
高齢者の生活満足は、健康な食生活と日常生活要因に依存している。生活満足は、経済的
満足、肉体的満足(健康)と社会的満足との関係も強いとみられるが、健康な食生活が、生
活満足に大きく影響すると考えられる。
②健康な食生活には、心・食・体の 3 つの条件がある。
高齢者が楽しく、おいしく食事をする「健康な食生活」のためには、“心”“食”“体”
が必要とされる。これら 3 つの満足度の高さを健康な食生活と規定し、これがどのようにな
っているかを見ていく。
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③高齢者の「食生活力」が心・食・体の豊かさにつながり、「健康な食生活」を実現する。
食生活力は、健康な食生活の実態を駆動させていくものとして位置づけられる。高齢者の
心・食・体の豊かさを高めるための食生活力とは何かを明らかにする。
高齢者の食育アプローチは、健康な食生活の実態を捉え、これを実現する「食生活力」におけ
る課題を明らかにして、対応策を検討していくことである。
3.消費者調査で明らかにすること
(1)明らかにすること
消費者調査で明らかにすることは、次のとおりである。
①高齢者の「食生活力」、「健康な食生活」(心・食・体の満足度)と「生活満足」
の実態を把握する。
②高齢者の食生活の意識と実態を把握する。
③食生活力を支える 3 つの能力と 4 つの力を把握する。また、加齢により 4 つの力
の衰えがどのようなものかを把握する。
④その上で、食生活力の高い人と低い人が、食生活の意識と実態、生活行動におい
てどのような点が異なるのかを明らかにする。
(2)実態把握の視点と調査対象
調査対象者を年代と世帯構造で分類し、食生活を中心とした意識と実態を把握する。
①世帯構造(暮らし方)から見えてくる課題
単身世帯、夫婦のみ、2 世代・3 世代世帯に分けてみていくことにより、生活環境の中で
最も影響の大きい世帯構造が食生活にどのような影響を与えているのか、その課題は何かを
明らかにする。
②高齢者(65 歳以上)の食文化・食習慣と課題
ベンチマークとして 65 歳以上の高齢者の食習慣をみていくことにより、日本型食文化の
要素を明らかにする。また、「生涯元気でいきいき人生」のために、求められることがらを
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洗い出す。
③次期高齢者(55 歳~64 歳)の食と課題
現在、現役世代としての次期高齢者の食生活実態を把握することにより、「生活習慣改善
でずっと健康」のために、何が必要なのかを明らかにする。
図表 4-7:調査対象
満55歳~64歳(現役世代) 満65歳~74歳(引退世代)
計
女性
男性
女性
男性
単身世帯
30
30
30
30
120
夫婦のみ
40
40
40
40
160
2~3世代世帯
40
40
40
40
160
計 440
《参考文献》
Ritzer, George(2005) Enchanting a Disenchanted World,2nd ed., PINE FORGE,Inc.(山本徹
夫、坂田恵美訳『消費社会の魔術的体系-ディズニーワールドからサイバーモールまで』明石
書店、2009 年)
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
- 60 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
第Ⅴ章
高齢者の食生活の実像
本章では、首都圏に在住の高齢者(満 65~74 歳)および次期高齢者(満 55~64 歳)440 名を
対象に、食を含めた生活に関する意識と実態を聴取した結果をとりまとめた。
調査実施要領は以下の通り。
□ 調査対象:首都圏在住の、満 55~74 歳男女。
□ 調査方法:留置法(対象者自記式)、日記式併用。
□ 調査対象者選出法:エリアサンプリング法。
□ 標本数(有効回収数)
:440名。
〔属性別内訳〕
(名)
満 55~64 歳
(次期高齢者)
満 65~74 歳
(高齢者)
計
男性
女性
男性
女性
単身世帯
30
30
30
30
120
夫婦のみ世帯
40
40
40
40
160
2・3 世代世帯
40
40
40
40
160
計
110
110
110
110
440
□ 調査実施内容:
調査は次の 2 本立てで実施。
① 食生活等に関する意識・実態等のアンケートを自記式で記入。
② 日曜日、および平日の本人の食事の状況を日記式で記入。
□ 調査実施時期:
2009 年 6 月 19 日(金)~29 日(月)
*日記は、上記期間内の日曜日 1 日、平日(月~金曜日)1 日の 2 日間。
※ 調査結果および調査票の詳細については、別冊「調査報告書」をご参照ください。
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1.標本構成
【本人職業】
「週 5 日以上勤務」している者は、満 55~64 歳男性で 61%、満 65~74 歳男性で 16%、満
55~64 歳女性で 21%。一方、
「無職」は満 65~74 歳女性で 72%、満 55~64 歳女性で 39%、
満 65~74 歳男性で 40%。
世帯構成別にみると、満 65~74 歳男性の有職率は夫婦のみ世帯が 45%と、単身世帯
(63%)、
2・3 世代世帯(73%)と比較して低い。
〔本人職業〕
常勤
(週5日以上)
週4日以下
自営
無職
(%)
25.2
TOTAL <N=440>
21.6
満55~64歳男性 <N=110>
15.5
満55~64歳女性 <N=110>
20.9
8.2
40.0
39.1
10.0
71.8
7.3
53.3
13.3
16.7
36.7
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
19.1
17.3
30.0
17.3
3.6
11.8
27.3
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
39.8
60.9
満65~74歳男性 <N=110>
満65~74歳女性 <N=110>
13.4
36.7
13.3
40.0
13.3
16.7
30.0
26.7
3.3
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
6.7
16.7
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
57.5
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
15.0
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
63.3
13.3
20.0
17.5
17.5
47.5
15.0
75.0
20.0
2.5
10.0
55.0
10.0
20.0
15.0
2.5
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
70.0
25.0
2.5
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
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17.5
27.5
10.0
2.5 15.0
42.5
7.5
27.5
10.0
75.0
2.5
27.5
37.5
【同居家族人数】
2・3 世代世帯での同居家族人数は、
「4 人以上」が 54%と半数以上を占めている。
〔同居家族人数(2・3 世代世帯のみ)〕
2人
3人
4人以上
(%)
2・3世代世帯 計 <N=160>
満55~64歳男性/2・3世代世帯
<N=40>
満65~74歳男性/2・3世代世帯
<N=40>
満55~64歳女性/2・3世代世帯
<N=40>
満65~74歳女性/2・3世代世帯
<N=40>
3.8
41.9
54.4
47.5
52.5
45.0
10.0
55.0
45.0
45.0
30.0
5.0
65.0
【同居家族】
「配偶者」が 84%、
「未婚の子ども」が 74%、
「子ども夫婦」
「孫」がそれぞれ 26%、27%。
〔同居家族(2・3 世代世帯のみ)〕
2・3世代世帯 計 <N=160>
0
20
40
60
84.4
配偶者
73.8
未婚の子ども
子ども夫婦
26.3
孫
26.9
その他
(%)
100
80
0.6
(%)
N
配偶者
未婚の
子ども
子ども
夫婦
孫
その他
2・3 世代世帯 計
160
84.4
73.8
26.3
26.9
0.6
満 55~64 歳男性/2・3 世代世帯
40
100.0
92.5
7.5
7.5
0.0
満 65~74 歳男性/2・3 世代世帯
40
90.0
60.0
37.5
37.5
0.0
満 55~64 歳女性/2・3 世代世帯
40
87.5
92.5
7.5
7.5
0.0
満 65~74 歳女性/2・3 世代世帯
40
60.0
50.0
52.5
55.0
2.5
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【住居形態】
「持ち家一戸建」が 61%、「持ち家集合住宅」が 16%と、80%近くが持ち家。
持ち家率が高いのは 2・3 世代世帯で、満 65~74 歳女性が 98%、満 65~74 歳男性が 93%。
反対に持ち家率が低いのは男性の単身世帯で、満 55~64 歳、満 65~74 歳とも 43%。
〔住居形態〕
持ち家一戸建
持ち家集合住宅
賃貸一戸建
賃貸集合住宅
(%)
61.1
TOTAL <N=440>
15.7
20.9
2.3
満55~64歳男性 <N=110>
55.5
26.4
15.5
2.7
満65~74歳男性 <N=110>
63.6
21.8
12.7
1.8
満55~64歳女性 <N=110>
56.4
20.9
19.1
3.6
満65~74歳女性 <N=110>
69.1
14.5
15.5
0.9
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
36.7
50.0
6.7 6.7
30.0
56.7
13.3
40.0
26.7
46.7
30.0
3.3
36.7
13.3
3.3
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
65.0
17.5
15.0
2.5
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
77.5
12.5
7.5
2.5
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
62.5
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
17.5
80.0
60.0
15.0
5.0
10.0
10.0
17.5
22.5
75.0
17.5
5.0
2.5
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
62.5
20.0
15.0
2.5
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
75.0
22.5
2.5
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【主な収入源】
「公的年金・恩給」と「給与・自営収入」がそれぞれ 60%近く。
「給与・自営収入」は、満 55~64 歳男性で 90%みられるのに対し、満 65~74 歳男性では
40%。
一方、
「公的年金・恩給」は、満 55~64 歳男性の 26%に対し、満 65~74 歳男性では 74%。
〔主な収入源〕
TOTAL <N=440>
0
20
40
60
(%)
100
80
58.2
公的年金・恩給
57.0
給与/自営収入
26.6
企業年金・個人年金など私的年金
8.4
家賃・地代など
5.7
利子・配当
仕送り
0.5
その他
0.5
(%)
男 性
女 性
TOTAL
55-64 歳 65-74 歳 55-64 歳 65-74 歳
N
440
110
110
110
110
公的年金・恩給
58.2
26.4
73.6
50.0
82.7
給与・自営収入
57.0
90.0
40.0
70.0
28.2
企業年金・個人年金など私的年金
26.6
14.5
40.0
17.3
34.5
家賃・地代など
8.4
10.9
3.6
7.3
11.8
利子・配当
5.7
7.3
2.7
6.4
6.4
仕送り
0.5
0.0
0.0
0.0
1.8
その他
0.5
0.0
0.0
1.8
0.0
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2.食生活力
(1)食生活力
食生活力とは、健康な食生活を送るに際して必要な基本的な力であり、10 の指標から構成さ
れる。本項では、性・年齢・世帯構成別の食生活力をみていくとともに、食生活力に必要な「3
つの能力」
「4 つの力」をどの程度持っているかを併せてみることで、どの層でどのような力(能
力)があり、また欠けているのかを明らかにする。
①食生活力
≪食生活力算出に際し使用した項目≫
演出力
飲食力
○
○
○
○
○
○
○
○
時と場合に応じて、市販の惣菜を適宜利用している
○
○
メニューを考えるのが好き
○
市販の惣菜を一手間かけて食卓に出すことが多い
○
○
○
○
いろいろな調理器具を使いこなせる
○
調理をするのが楽しい
○
おいしそうに盛り付けたり、食卓を飾るのが好き
○
いろいろな食器やテーブルウエアを揃えるのが好き
○
○
○
○
○
○
○
○
外食の際、何をどこで食べるか店を選ぶのが楽しい
○
○
○
いろいろな味を楽しんでいる
○
○
○
食べることが楽しい
外食力
○
主食・主菜・副菜の栄養バランスを考えている
アク抜きや下ごしらえの方法を知っている
調理力
○
○
買い物に行くのが楽しい
献立力
社会力
○
○
いろいろな食材を選ぶのが楽しい
知 力
買物力
気 力
○
新しいメニューや店を探すのが楽しい
鮮度や素材の良し悪しが見分けられる
4 つの力
体 力
品質や値段などお店の情報をよく知っている
自己実現能力
情報力
創造性
問題解決能力
3 つの能力
○
○
外食に行くのが楽しみ
○
共食力
皆で食べることが楽しい
○
保管力
食材の保存方法を知っている
○
片付力
手際よく食事の後片付けができる
○
○
○
○
○
○
○
○
○
(注)「3 つの能力」「4 つの力」の欄の○印は、それぞれの「能力」「力」に対応することを表す。
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〔食生活力 10 の指標〕
(%)
70
男性計<N=220>
60
女性計<N=220>
50
40
30
20
10
0
情報力
買物力
献立力
調理力
演出力
飲食力
外食力
共食力
保管力
片付力
10 の指標の中で相対的に高かったのは、男性では「共食力」「飲食力」、女性では「共食力」
「片付力」「飲食力」「買物力」。
男女間でみると、10 の指標すべてにおいて男性より女性が上回っている。
男女間での差が特に大きいのは、
「片付力」
(その差 26.4%、以下同じ)
、
「調理力」
(21.4%)、
「買物力」(19.5%)、「演出力」(19.1%)。
反対にその差が小さいのは「情報力」(7.5%)。
性・年齢別にみると(次ページの表参照)、各指標とも高いのは世帯構成にかかわらず満 65
~74 歳女性で、10 指標中「外食力」を除く 9 指標で最も高いスコアを獲得。(「外食力」が最
も高かったのは満 55~64 歳女性。)
反対に低いのは満 65~74 歳男性で、10 指標中「買物力」
「献立力」
「保管力」を除く 7 指標
で最も低い。
(「買物力」
「献立力」「保管力」の 3 指標が最も低いのは満 55~64 歳男性。)
世帯構成別にみると、単身世帯の満 65~74 歳男性では、
「買物力」「調理力」「演出力」「共
食力」の 4 指標で、満 55~64 歳夫婦のみ世帯男性では「情報力」「保管力」「片付力」の 3 指
標で最も低い。
(「献立力」は 2・3 世代世帯の満 55~64 歳男性、
「飲食力」は単身世帯の満 55
~64 歳男性、「外食力」は夫婦のみ世帯の満 65~74 歳男性で最も低い。
)
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〔食生活力 10 の指標(属性別)〕
(%)
N
情報力
買 物力
献立力
調 理力
演 出力
飲食力
外 食力
共 食力
保 管力
片付力
平 均
TOTAL
440
9.2
28.3
16.7
20.4
14.1
35.9
26.5
53.2
15.2
30.9
25.0
男性 計
220
5.5
18.5
10.3
9.7
4.5
30.2
18.4
46.8
6.4
17.7
16.8
女性 計
220
13.0
38.0
23.1
31.1
23.6
41.6
34.5
59.5
24.1
44.1
33.3
満 55~64 歳男性
110
5.9
17.3
9.5
10.3
6.4
34.5
24.5
54.5
2.7
18.2
18.4
満 65~74 歳男性
110
5.0
19.7
11.1
9.1
2.7
25.9
12.3
39.1
10.0
17.3
15.2
満 55~64 歳女性
110
9.5
28.8
18.6
26.7
21.4
33.2
35.0
52.7
17.3
35.5
27.9
満 65~74 歳女性
110
16.4
47.3
27.5
35.5
25.9
50.0
34.1
66.4
30.9
52.7
38.7
120
9.2
24.4
18.5
19.4
15.0
32.5
28.3
43.3
12.5
28.3
23.1
男性/単身世帯
60
5.8
15.0
13.8
8.9
1.7
19.2
19.2
33.3
6.7
21.7
14.5
女性/単身世帯
60
12.5
33.9
23.3
30.0
28.3
45.8
37.5
53.3
18.3
35.0
31.8
満 55~64 歳男性
30
6.7
17.8
16.7
12.2
3.3
15.0
30.0
46.7
6.7
26.7
18.2
満 65~74 歳男性
30
5.0
12.2
10.8
5.6
0.0
23.3
8.3
20.0
6.7
16.7
10.9
満 55~64 歳女性
30
11.7
34.4
20.8
35.6
30.0
45.0
33.3
36.7
20.0
40.0
30.8
満 65~74 歳女性
30
13.3
33.3
25.8
24.4
26.7
46.7
41.7
70.0
16.7
30.0
32.9
160
8.8
29.8
17.0
20.8
15.0
38.4
22.8
53.1
17.5
36.3
26.0
男性/夫婦のみ世帯
80
4.4
17.9
9.4
8.8
4.4
28.8
14.4
43.8
3.8
16.3
15.2
女性/夫婦のみ世帯
80
13.1
41.7
24.7
32.9
25.6
48.1
31.3
62.5
31.3
56.3
36.8
満 55~64 歳男性
40
2.5
12.5
8.1
6.7
5.0
31.3
22.5
50.0
0.0
15.0
15.4
満 65~74 歳男性
40
6.3
23.3
10.6
10.8
3.8
26.3
6.3
37.5
7.5
17.5
15.0
満 55~64 歳女性
40
7.5
27.5
16.9
22.5
17.5
33.8
36.3
65.0
20.0
40.0
28.7
満 65~74 歳女性
40
18.8
55.8
32.5
43.3
33.8
62.5
26.3
60.0
42.5
72.5
44.8
160
9.7
29.6
15.0
21.9
12.5
38.4
28.8
60.6
15.0
27.5
25.9
男性/2・3 世代世帯
80
6.3
21.7
8.8
11.3
6.9
41.3
21.9
60.0
8.8
16.3
20.3
女性/2・3 世代世帯
80
13.1
37.5
21.3
32.5
18.1
35.6
35.6
61.3
21.3
38.8
31.5
満 55~64 歳男性
40
8.8
21.7
5.6
12.5
10.0
45.0
22.5
65.0
2.5
15.0
20.9
満 65~74 歳男性
40
3.8
21.7
11.9
10.0
3.8
37.5
21.3
55.0
15.0
17.5
19.8
満 55~64 歳女性
40
10.0
25.8
18.8
22.5
18.8
31.3
35.0
52.5
12.5
27.5
25.5
満 65~74 歳女性
40
16.3
49.2
23.8
42.5
17.5
40.0
36.3
70.0
30.0
50.0
37.6
単身世帯 計
夫婦のみ世帯 計
2・3 世代世帯 計
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〔食生活力 10 の指標(属性別)(TOTAL=100 として算出)〕
(%)
情報力
買 物力
献立力
調 理力
演 出力
飲食力
外 食力
共 食力
保 管力
片付力
TOTAL
440
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
男性 計
220
59
65
62
48
32
84
69
88
42
57
女性 計
220
141
134
138
152
168
116
130
112
158
143
満 55~64 歳男性
110
64
61
57
51
45
96
93
103
18
59
満 65~74 歳男性
110
54
70
67
45
19
72
46
73
66
56
満 55~64 歳女性
110
104
102
112
131
152
92
132
99
114
115
満 65~74 歳女性
110
178
167
165
174
184
139
129
125
203
171
120
100
86
111
95
106
91
107
81
82
92
男性/単身世帯
60
63
53
82
44
12
53
72
63
44
70
女性/単身世帯
60
136
120
140
147
201
128
142
100
121
113
満 55~64 歳男性
30
72
63
100
60
24
42
113
88
44
86
満 65~74 歳男性
30
54
43
65
27
0
65
31
38
44
54
満 55~64 歳女性
30
127
122
125
174
213
125
126
69
132
129
満 65~74 歳女性
30
145
118
155
120
189
130
157
132
110
97
160
95
105
102
102
106
107
86
100
115
117
男性/夫婦のみ世帯
80
48
63
56
43
31
80
54
82
25
53
女性/夫婦のみ世帯
80
143
147
148
161
182
134
118
117
206
182
満 55~64 歳男性
40
27
44
49
33
35
87
85
94
0
49
満 65~74 歳男性
40
68
82
64
53
27
73
24
70
49
57
満 55~64 歳女性
40
82
97
101
110
124
94
137
122
132
129
満 65~74 歳女性
40
204
197
195
212
239
174
99
113
280
235
160
105
105
90
107
89
107
108
114
99
89
男性/2・3 世代世帯
80
68
77
52
55
49
115
83
113
58
53
女性/2・3 世代世帯
80
143
133
127
159
129
99
134
115
140
125
満 55~64 歳男性
40
95
77
34
61
71
125
85
122
16
49
満 65~74 歳男性
40
41
77
71
49
27
104
80
103
99
57
満 55~64 歳女性
40
109
91
112
110
133
87
132
99
82
89
満 65~74 歳女性
40
177
174
142
208
124
111
137
132
197
162
N
単身世帯 計
夫婦のみ世帯 計
2・3 世代世帯 計
(注)白抜き部分は 140 以上、網掛け部分は 60 以下。
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
【食生活力に必要な「3つの能力」
「4つの力」
】
〔食生活力に必要な「3 つの能力」〕
「問題解決能力」
「創造性」
「自己実現能
(%)
60
力」の 3 つの能力とも、男性より女性が高
男性計<N=220>
50
く、その差は「問題解決能力」で最も大き
女性計<N=220>
く、以下「自己実現能力」「創造性」の順
40
となっている。
30
3 つの能力とも、最も高いのは夫婦のみ
20
世帯の満 65~74 歳女性、反対に最も低い
10
のは、「問題解決能力」では夫婦のみ世帯
の満 55~64 歳男性、
「創造性」と「自己実
0
問題解決能力
創造性
現能力」では単身世帯の満 65~74 歳男性。
自己実現能力
〔食生活力に必要な「4 つの力」〕
上記 3 つの能力同様、
「体力」
「気
力」「知力」
「社会力」の 4 つの力
いずれも男性より女性が高く、そ
の差は「体力」で最も大きい。
(%)
60
男性計<N=220>
50
女性計<N=220>
40
4 つの力とも、最も高いのは夫
婦のみ世帯の満 65~74 歳女性
30
(「気力」は単身世帯、2・3 世代
20
世帯の満 65~74 歳の女性も)、反
10
対に最も低いのは、
「体力」
「気力」
「社会力」では単身世帯の満 65
~74 歳男性、「知力」では夫婦の
み世帯の満 55~64 歳男性。
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0
体力
気力
知力
社会力
〔食生活力に必要な「3 つの能力」「4 つの力」(属性別)〕
(%)
N
問題解決
能力
創造性
自己実現
能力
体力
気力
知力
社会力
TOTAL
440
23.6
15.8
29.6
31.4
24.7
19.3
28.1
男性 計
220
13.8
10.3
20.8
21.5
17.1
11.3
20.1
女性 計
220
33.5
21.3
38.4
41.3
32.3
27.3
36.1
満 55~64 歳男性
110
12.5
11.8
24.2
24.0
20.3
11.1
23.2
満 65~74 歳男性
110
15.1
8.7
17.5
19.1
14.0
11.4
16.9
満 55~64 歳女性
110
27.5
17.1
33.1
34.4
28.1
21.9
31.3
満 65~74 歳女性
110
39.5
25.5
43.8
48.2
36.6
32.8
40.9
120
22.7
15.4
27.6
29.7
24.6
18.6
25.4
男性/単身世帯
60
16.2
8.8
15.0
18.0
15.0
11.5
14.0
女性/単身世帯
60
29.3
21.9
40.2
41.3
34.3
25.7
36.7
満 55~64 歳男性
30
17.6
13.3
18.6
20.7
22.4
13.6
17.1
満 65~74 歳男性
30
14.8
4.3
11.4
15.3
7.6
9.4
11.0
満 55~64 歳女性
30
31.0
21.4
37.6
41.3
31.9
26.7
32.9
満 65~74 歳女性
30
27.6
22.4
42.9
41.3
36.7
24.7
40.5
160
24.4
16.8
29.8
32.4
23.7
20.5
28.8
男性/夫婦のみ世帯
80
11.4
9.5
19.8
20.5
15.7
9.7
19.5
女性/夫婦のみ世帯
80
37.3
24.1
39.8
44.3
31.6
31.3
38.2
満 55~64 歳男性
40
9.3
8.9
21.4
21.0
17.1
8.1
21.4
満 65~74 歳男性
40
13.6
10.0
18.2
20.0
14.3
11.3
17.5
満 55~64 歳女性
40
27.5
16.1
32.5
33.5
26.4
20.8
32.5
満 65~74 歳女性
40
47.1
32.1
47.1
55.0
36.8
41.7
43.9
2・3 世代世帯 計
160
23.6
15.6
31.7
32.8
25.9
19.0
30.1
男性/2・3 世代世帯
80
14.3
12.1
26.6
25.8
20.2
12.6
25.5
女性/2・3 世代世帯
80
32.9
19.1
36.8
39.8
31.6
25.3
34.6
満 55~64 歳男性
40
11.8
13.6
28.9
26.5
21.8
12.1
27.5
満 65~74 歳男性
40
16.8
10.7
24.3
25.0
18.6
13.1
23.6
満 55~64 歳女性
40
25.0
14.3
32.5
33.0
26.8
19.0
31.1
満 65~74 歳女性
40
40.7
23.9
41.1
46.5
36.4
31.7
38.2
単身世帯 計
夫婦のみ世帯 計
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
〔「食生活力」に必要な「3 つの能力」「4 つの力」(属性別)(TOTAL=100 として算出)〕
N
問題解決
能力
創造性
自己実現
能力
体力
気力
知力
社会力
TOTAL
440
100
100
100
100
100
100
100
男性 計
220
58
65
70
69
69
58
71
女性 計
220
142
135
130
131
131
142
128
満 55~64 歳男性
110
53
75
82
76
82
57
83
満 65~74 歳男性
110
64
55
59
61
57
59
60
満 55~64 歳女性
110
117
108
112
109
114
113
111
満 65~74 歳女性
110
167
161
148
153
148
170
146
120
96
97
93
94
100
96
90
男性/単身世帯
60
69
56
51
57
61
60
50
女性/単身世帯
60
124
139
136
132
139
133
130
満 55~64 歳男性
30
75
84
63
66
91
71
61
満 65~74 歳男性
30
63
27
39
49
31
49
39
満 55~64 歳女性
30
131
136
127
132
129
138
117
満 65~74 歳女性
30
117
142
145
132
148
128
144
160
103
106
101
103
96
106
103
男性/夫婦のみ世帯
80
48
60
67
65
64
50
69
女性/夫婦のみ世帯
80
158
153
135
141
128
162
136
満 55~64 歳男性
40
39
57
72
67
69
42
76
満 65~74 歳男性
40
58
63
62
64
58
58
62
満 55~64 歳女性
40
117
102
110
107
107
108
116
満 65~74 歳女性
40
200
203
159
175
149
216
156
160
100
99
107
104
105
98
107
男性/2・3 世代世帯
80
61
77
90
82
82
65
91
女性/2・3 世代世帯
80
139
121
124
127
128
131
123
満 55~64 歳男性
40
50
86
98
84
88
63
98
満 65~74 歳男性
40
71
68
82
80
75
68
84
満 55~64 歳女性
40
106
90
110
105
108
98
111
満 65~74 歳女性
40
172
151
139
148
147
164
136
単身世帯 計
夫婦のみ世帯 計
2・3 世代世帯 計
(注)白抜き部分は 140 以上、網掛け部分は 60 以下。
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②食生活力指数
つぎに、食生活力算出に際し使用した項目から食生活力指数を算出した。
食生活力指数は、21 の項目について
あてはまる=2 点
ややあてはまる=1 点
(あまり)あてはまらない=0 点
の得点を与え各対象者の得点を求め(42 点~0 点)、42 点を指数 100、0 点を指数 0 として算
出した。(次ページの図参照)
【食生活力指数】
男性と女性とでは下図のように食生活力指数に差がみられ、男性では指数 50 以下が 81%を
占めているのに対し、女性での指数 50 以下は 41%にとどまっている。
〔食生活力指数〕
76以上
51~75
26~50
平均
指数
25以下
(%)
男性 計 <N=220>
42.3
17.7
38.2
33
1.8
女性 計 <N=220>
14.5
44.1
34.5
6.8
54
男女間で食生活力指数に差がみられたため、男女別に食生活力指数から下表ように食生活力
を「H(高)
」「M(中)」
「L(低)」の 3 水準に分類した。
〔食生活力の L(低)/M(中)/H(高)〕
食生活力/H(高)
食生活力/M(中)
食生活力/L(低)
指数
50~100
26~49
0~25
構成比
20.9%
40.9%
38.2%
指数
73~100
50~72
0~49
構成比
21.4%
40.0%
38.6%
男 性
女 性
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〔食生活力/分布〕
(名)
30
男性<N=220>
女性<N=220>
20
10
0
得 点
~2 ~4 ~6 ~8 ~10 ~12 ~14 ~16 ~18 ~20 ~22 ~24 ~26 ~28 ~30 ~32 ~34 ~36 ~38 ~40 ~42
指 数
5
10
14
19
33
38
43
48
52
57
62
67
71
76
81
86
90
95 100
男
3.2
6.8
7.7
6.8 13.6 10.5 11.8
6.4
5.9
6.4
4.5
4.5
5.5
3.2
1.4
0.9
0.9
0.0
0.0
0.0
0.0
女
0.0
1.4
0.0
2.3
5.0
4.1
9.5
6.4 12.3
7.7
6.4
7.3
8.2
5.5
5.5
2.3
0.0
0.0
%
24
3.2
29
4.1
9.1
〔食生活力/累積〕
(%)
100
90
80
70
60
50
40
30
男性<N=220>
20
女性<N=220>
10
0
得 点
指 数
男
~2 ~4 ~6 ~8 ~10 ~12 ~14 ~16 ~18 ~20 ~22 ~24 ~26 ~28 ~30 ~32 ~34 ~36 ~38 ~40 ~42
5
10
14
19
24
女
33
38
43
48
52
57
62
67
71
76
81
86
90
95 100
3.2 10.0 17.7 24.5 38.2 48.6 60.5 66.8 72.7 79.1 83.6 88.2 93.6 96.8 98.2 99.1 100 100 100 100 100
L(0~10点/38.2%)
%
29
0.0
1.4
1.4
3.6
M(11~20点/40.9%)
H(21~42点/20.9%)
6.8 10.9 20.0 25.0 29.1 38.6 45.0 57.3 65.0 71.4 78.6 86.8 92.3 97.7 100 100 100
L(0~20点/38.6%)
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M(21~30点/40.0%)
H(31~42点/21.4%)
食生活力H(高)が多くみられるのは、男性では単身世帯の満 55~64 歳、女性では夫婦の
み世帯の満 65~74 歳、反対に食生活力L(低)が多くみられるのは、男性では単身世帯の満
65~74 歳、女性では夫婦のみ世帯と 2・3 世代世帯の満 55~64 歳。
〔食生活力〕
H(50以上)
M(26~49)
L(25以下)
(%)
男性 計 <N=220>
20.9
男性/単身世帯 計 <N=60>
21.7
男性/夫婦のみ世帯 計 <N=80>
男性/2・3世代世帯 計 <N=80>
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
38.8
44.5
17.3
33.3
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
22.5
36
38.2
34
38.2
32
26.7
38
27
45.0
42.5
17.5
22.5
31
56.7
35.0
20.0
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
42.5
40.0
33.3
10.0
32
31.3
37.3
24.5
33
41.7
46.3
22.5
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
38.2
36.7
18.8
満55~64歳男性 <N=110>
満65~74歳男性 <N=110>
40.9
37.5
30
40.0
32
40.0
35
55.0
H(73以上)
22.5
M(50~72)
36
L(49以下)
(%)
女性 計 <N=220>
女性/単身世帯 計 <N=60>
21.4
15.0
女性/夫婦のみ世帯 計 <N=80>
16.3
満55~64歳女性 <N=110>
14.5
満65~74歳女性 <N=110>
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
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31.3
38.3
54
37.5
56
36.7
53.3
20.0
40.0
40.0
17.5
45.0
37.5
45.0
47.5
37.5
50.0
58
52
55
50
30.0
25.0
53
51
33.6
38.2
10.0
17.5
54
43.6
28.2
15.0
38.6
40.0
43.8
41.8
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
46.7
31.3
女性/2・3世代世帯 計 <N=80>
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
40.0
62
50
32.5
56
(2)食生活力からみた生活習慣や意識・行動
①生活習慣や態度
【生活習慣や態度】
食生活力H(高)とL(低)との間で差が大きい項目をみると、男女共通して「好き嫌いな
くいろいろなものを食べるようにしている」
「カルシウムやビタミンを積極的にとるようにして
いる」「地域の産物や旬の素材を積極的に使うようにしている」があげられる。
その他、女性では「よく噛んで食べるようにしている」「食事は腹八分目にしている」「時間
をかけてゆっくり食事をするようにしている」などもあげられる。
〔生活習慣や態度〕
(%)
〈男 性〉
食生活力H
食生活力L
46
84
カルシウムやビタミンを積極的にとるようにしている
47.8
14.3
+33.5
地域の産物や旬の素材を積極的に使うようにしている
34.8
10.7
+24.1
好き嫌いなく、いろいろなものを食べるようにしている
67.4
45.2
+22.2
食生活力H
食生活力L
47
85
好き嫌いなく、いろいろなものを食べるようにしている
87.2
42.4
+44.8
よく噛んで食べるようにしている
74.5
35.3
+39.2
食事は腹八分目にしている
63.8
36.5
+27.3
地域の産物や旬の素材を積極的に使ようにしている
55.3
30.6
+24.7
時間をかけてゆっくり食事をするようにしている
48.9
24.7
+24.2
過度な飲酒はしないようにしている
46.8
24.7
+22.1
カルシウムやビタミンを積極的にとるようにしている
59.6
38.8
+20.8
休養を十分にとるようにしている
63.8
43.5
+20.3
固いものも食べるようにしている
34.0
15.3
+18.7
気分転換をしていやなことは忘れるようにしている
57.4
38.8
+18.6
H-L
N
〈女 性〉
H-L
N
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【(食)生活習慣等に対する意識】
男女ともすべての項目で食生活力H(高)がL(低)を上回っているが、特に食生活力H(高)
とL(低)との間に 30 ポイント前後以上差がみられたのは、男女共通して「食材の調理法や
保存法に習熟したい」「健康情報を積極的に取り入れたい」
「できるだけ楽しく食事をしたい」
「和風、中華、洋風といろいろな料理を取り入れるとよい」
「野菜は火を通すなどして量を食べ
られるよう工夫するとよい」の5項目。
その他、男性では「できるだけ規則正しい生活をしたい」
「早寝早起きをしたい」
、女性では
「お酢や香辛料、香り野菜を十分に取り入れるとよい」
「いろいろな人と触れあったり、社会参
加をしたい」も。
〔(食)生活習慣等に対する意識(差の大きかった項目上位)〕
(%)
〈男 性〉
食生活力H
食生活力L
46
84
52.2
11.9
+40.3
健康情報を積極的に取り入れたい
54.3
15.5
+38.8
できるだけ楽しく食事をしたい
82.6
47.6
+35.0
できるだけ規則正しい生活をしたい
91.3
58.3
+33.0
早寝早起きをしたい
87.0
54.8
+32.2
和風、中華、洋風と色々な料理を取り入れるとよい
52.2
20.2
+32.0
野菜は火を通すなどして量を食べられるよう工夫するとよい
52.2
22.6
+29.6
お酢や香辛料、香り野菜を十分に取り入れるとよい
52.2
23.8
+28.4
かむ力を維持するため、歯は定期的に診てもらいたい
60.9
35.7
+25.2
適度な運動をしたい
82.6
59.5
+23.1
塩分を控えめにしたい
71.7
50.0
+21.7
味見をしてから調味料を使うとよい
50.0
28.6
+21.4
睡眠を十分とりたい
93.5
72.6
+20.9
緑黄色野菜や根菜など色々な野菜を毎日食べるとよい
73.9
53.6
+20.3
カロリーを取りすぎないようにしたい
69.6
51.2
+18.4
いろいろな種類の肉を偏らずに食べた方がよい
26.1
8.3
+17.8
肉と魚を同じ程度食べたほうがよい
39.1
21.4
+17.7
H-L
N
食材の調理法や保存法に習熟したい
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(%)
〈女 性〉
食生活力H
食生活力L
H-L
N
47
85
和風、中華、洋風と色々な料理を取り入れるとよい
80.9
23.5
+57.4
お酢や香辛料、香り野菜を十分に取り入れるとよい
70.2
34.1
+36.1
健康情報を積極的に取り入れたい
70.2
34.1
+36.1
いろいろな人と触れあったり、社会参加をしたい
68.1
37.6
+30.5
できるだけ楽しく食事をしたい
95.7
65.9
+29.8
食材の調理法や保存法に習熟したい
66.0
36.5
+29.5
野菜は火を通すなどして量を食べられるよう工夫するとよい
83.0
54.1
+28.9
家族揃って(誰かと一緒に)食事をしたい
72.3
47.1
+25.2
塩分を控えめにしたい
91.5
67.1
+24.4
味見をしてから調味料を使うとよい
70.2
45.9
+24.3
会食の機会を豊富につくりたい
29.8
7.1
+22.7
適度な運動をしたい
78.7
56.5
+22.2
できるだけ規則正しい生活をしたい
85.1
63.5
+21.6
カロリーを取りすぎないようにしたい
85.1
63.5
+21.6
肉と魚を同じ程度食べたほうがよい
40.4
21.2
+19.2
食欲がない時はおかずを先に食べご飯は残すほうがよい
38.3
21.2
+17.1
栄養バランスのよい食事をしたい
95.7
80.0
+15.7
緑黄色野菜や根菜などいろいろな野菜を毎日食べるとよい
95.7
80.0
+15.7
毎日朝食を食べたい
93.6
80.0
+13.6
油脂類の摂取が不足しないようにしたい
19.1
7.1
+12.0
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【(食)生活習慣等に対する実態】
食生活力H(高)と食生活力L(低)との間に、29 項目中男性で 21 項目、女性で 24 項目
に有意差がみられた。
特に、食生活力H(高)と食生活力L(低)との間で差が大きかった項目としては、
「できる
だけ楽しく食事している」「毎日楽しく過ごしている」「栄養バランスのよい食事をしている」
が男女共通してあげられる。
その他、男性では「健康情報を積極的に取り入れている」
、女性では「和風、中華、洋風とい
ろいろな料理を取り入れている」「できるだけ規則正しい生活をしている」「家族揃って(誰か
と一緒に)食事をしている」「カロリーを取り過ぎないようにしている」といった項目も。
(%)
〈男 性〉
食生活力H
食生活力L
H-L
N
46
84
できるだけ楽しく食事をしている
65.2
20.2
+45.0
健康情報を積極的に取り入れている
41.3
2.4
+38.9
毎日楽しく過ごしている
56.5
22.6
+33.9
栄養バランスのよい食事をしている
45.7
11.9
+33.8
〈女 性〉
食生活力H
食生活力L
H-L
N
47
85
和風、中華、洋風と色々な料理を取り入れている
55.3
15.3
+40.0
毎日楽しく過ごしている
63.8
25.9
+37.9
できるだけ楽しく食事をしている
59.6
22.4
+37.2
栄養バランスのよい食事をしている
51.1
15.3
+35.8
できるだけ規則正しい生活をしている
63.8
29.4
+34.4
家族揃って(誰かと一緒に)食事をしている
59.6
25.9
+33.7
カロリーを取りすぎないようにしている
48.9
15.3
+33.6
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②食生活実態と知識
【よく食べる(飲む)ようになったもの、食べる量や回数が少なくなったもの】
ここ数年でよく食べる(飲む)ようになったもので、食生活力H(高)とL(低)との間で
差が大きかったのは、男性では「納豆や豆腐・煮豆などの豆類」
「野菜の煮物」
「漬物」
「煮魚・
焼き魚」「味噌汁」、女性では「果物」
「豆乳」「漬物」など。
反対に、食べる量や回数が減ったもので、食生活力H(高)とL(低)との差が大きかった
のは、男性では「ファストフード」
「菓子類」、女性では「ご飯(白米)
」。
〔よく食べる(飲む)ようになったもの〕
(%)
〈男 性〉
食生活力H
食生活力L
H-L
N
46
84
納豆や豆腐・煮豆などの豆類
80.4
52.4
+28.0
野菜の煮物
56.5
31.0
+25.5
漬 物
43.5
20.2
+23.3
煮魚・焼き魚
67.4
45.2
+22.2
味噌汁
65.2
44.0
+21.2
おひたし
45.7
25.0
+20.7
野菜ジュース
28.3
13.1
+15.2
食生活力H
食生活力L
〈女 性〉
H-L
N
47
85
果 物
74.5
55.3
+19.2
豆 乳
31.9
12.9
+19.0
漬 物
48.9
30.6
+18.3
魚の干物
61.7
43.5
+18.2
てんぷらやカツ・フライなどの揚げ物
27.7
12.9
+14.8
食生活力H
食生活力L
〔食べる量や回数が少なくなったもの〕
〈男 性〉
H-L
N
46
84
ファストフード
54.3
32.1
+22.2
ポテトチップスなどの菓子類
47.8
29.8
+18.0
魚の干物
19.6
6.0
+13.6
〈女 性〉
食生活力H
食生活力L
H-L
N
ご飯(白米)
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47
85
23.4
9.4
+14.0
食生活力とは別に、満 55~64 歳と満 65~74 歳とを比較すると、
「ご飯」は満 55~64 歳より満 65~74 歳のほうが男性では増加、女性では減少
「パン」は男女ともに満 55~64 歳より満 65~74 歳のほうが増加
の回答が多くみられる。
〔食嗜好の変化(年齢別)〕
≪満 65~74 歳男性-満 55~64 歳男性≫
増えたもの
減ったもの
ご飯(白米)(22.7%)
日本茶(21.8%)
魚の干物(21.8%)
パン(20.9%)
ポテトチップス等菓子類(11.9%)
豆乳(10.9%)
鍋物・しゃぶしゃぶ(10.0%)
スーパー等の惣菜(9.1%)
果物(20.0%)
ご飯(白米)(-6.4%)
スーパー等の惣菜(-7.3%)
雑穀入りご飯(-8.2%)
煮魚・焼き魚(-6.4%)
果物(-9.1%)
≪満 65~74 歳女性-満 55~64 歳女性≫
増えたもの
減ったもの
パン(15.5%)
おひたし(15.5%)
肉野菜などの炒め物(14.5%)
ご飯(白米)(6.4%)
豆乳(6.4%)
野菜ジュース(5.5%)
天ぷらやカツなど揚げ物(11.8%)
果物(10.9%)
納豆や豆腐などの豆類(10.0%)
インスタントラーメン等(-5.5%)
豆乳(-4.5%)
雑穀入りご飯(-5.5%)
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焼肉・ステーキなど肉類(-6.4%)
天ぷらやカツなど揚げ物(-15.5%)
【ふだんの1日で食事の支度に費やす時間】
食事の支度に費やす時間は、女性では食生活力の高低にかかわらず平均 80 分弱。
男性は食生活力が低いほど“食事の支度はしない”者が増加、食生活力H(高)の 26%に対
し、L(低)では 64%と 38 ポイントの差がみられる。
なお、男性でも食事の支度をする者に限ると、食生活力の高低にかかわらず 1 日に食事の支
度に費やす時間は平均 50 分強。
〔ふだんの1日で食事の支度に費やす時間〕
2時間以上
1~2時間
30分~1時間
30分以内
支度はしない 平 均
(分)
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
19.6
男性/食生活力M(中) <N=90>
2.2 14.4
男性/食生活力L(低) <N=84>
8.4
女性/食生活力H(高) <N=47>
10.6
37.0
16.7
18.9
17.8
17.4
9.5
26.1
51
47.8
54
64.3
51.1
50
31.9
4.3
79
2.1
女性/食生活力M(中) <N=88>
58.0
11.4
20.5
9.1
79
1.1
女性/食生活力L(低) <N=85>
8.2
50.6
34.1
5.9
1.2
(注)平均(分)は「支度はしない」を除いて算出。
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76
【最近1週間のふだんの食事のための買い物日数】
食事のための買い物日数は、男女とも食生活力H(高)で多くみられ、“殆ど毎日”は男性
で 17%、女性で 47%。
男性では食生活力が低いほど“最近 1 週間に買い物に行かなかった”者が多くみられ、食生
活力L(低)では 42%。
〔ふだんの食事のための買い物日数(最近1週間)〕
週4-5日
殆ど毎日
週1-3日
行かなかった
平均
日数
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
男性/食生活力M(中) <N=90>
男性/食生活力L(低) <N=84>
17.4
8.9
10.9
10.9
60.9
16.7
65.6
8.9
2.7
41.7
48.8
6.0
3.4
2.5
3.6
46.8
女性/食生活力H(高) <N=47>
19.2
31.9
5.0
2.1
21.6
女性/食生活力M(中) <N=88>
29.4
女性/食生活力L(低) <N=85>
45.5
33.0
30.6
4.0
38.8
4.3
1.2
(注)平均は最近1週間に買い物をした人をベースとして算出。
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【食材の宅配サービスの利用】
食材の宅配サービスの現在利用者は、男女とも食生活力H(高)より食生活力M(中)・L
(低)のほうが多くみられ、男性で 3~5 ポイント、女性で 6~8 ポイント食生活力H(高)を
上回っている。
〔食材の宅配サービスの利用〕
現在利用している
以前利用したことある
利用したことない
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
10.9
13.4
男性/食生活力M(中) <N=90>
15.5
男性/食生活力L(低) <N=84>
12.8
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力M(中) <N=88>
20.5
女性/食生活力L(低) <N=85>
18.8
23.9
65.2
14.4
72.2
11.9
72.6
31.9
55.3
56.8
22.7
60.0
21.2
【食材のお取り寄せの利用】
食材のお取り寄せを現在利用している者の割合は、男性の食生活力L(低)を除くと 20%台。
特に女性の食生活力H(高)では「インターネット」を 10%強があげている。
〔食材のお取り寄せの利用〕
(%)
食生活力H
N
食生活力L
H-L
84
利用している
26.1
6.0
+20.1
インターネット
4.3
1.2
+3.1
テレビ・ラジオショッピング
10.9
2.4
+8.5
カタログショッピング
19.6
2.4
+17.2
利用してない
73.9
94.0
-20.1
47
85
H-L
利用している
27.7
23.5
+4.2
インターネット
10.6
8.2
+2.4
テレビ・ラジオショッピング
8.5
4.7
+3.8
カタログショッピング
8.5
16.5
-8.0
利用してない
72.3
76.5
-4.2
男 性
46
N
女 性
(注)アンダーラインのある項目は、食生活力HとLとの間に信頼度 95%で有意差あり。
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【サプリメントの利用】
サプリメントの利用率が高いのは、男性では食生活力H(高)、女性では食生活力M(中)
で、それぞれ現在利用率は 30%、42%。
〔サプリメントの利用〕
以前利用したが
現在は利用してない
現在利用している
利用したことない
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
男性/食生活力L(低) <N=84>
63.1
25.0
11.9
23.4
27.7
女性/食生活力H(高) <N=47>
42.0
女性/食生活力M(中) <N=88>
21.2
女性/食生活力L(低) <N=85>
56.7
18.9
24.4
男性/食生活力M(中) <N=90>
60.9
8.7
30.4
48.9
37.5
20.5
56.5
22.4
【カロリーや栄養・健康についての情報源】
食生活力H(高)とL(低)との間で有意差がみられるのは、男性では「本や雑誌」と「ラ
ジオ」、女性では「本や雑誌」と「新聞」で、いずれも食生活力H(高)のほうが食生活力L(低)
より高い。
〔カロリーや栄養・健康についての情報源〕
(%)
男 性
H
調査数
本や雑誌
L
46
84
50.0
32.1
女 性
H-L
H
調査数
+17.9
L
H-L
47
85
本や雑誌
83.0
55.3
+27.7
友人・知人
37.0
21.4
+15.6
新聞
70.2
50.6
+19.6
ラジオ
23.9
10.7
+13.2
友人・知人
63.8
48.2
+15.6
医者や看護師・栄養士等
32.6
20.2
+12.4
医者や看護師・栄養士等
31.9
18.8
+13.1
スーパー等の店頭
13.0
1.2
+11.8
親
12.8
2.4
+10.4
新聞
54.3
42.9
+11.4
スーパー等の店頭
19.1
9.4
+9.7
テレビ
73.9
70.2
+3.7
インターネット
14.9
7.1
+7.8
親
6.5
3.6
+2.9
祖父母
6.4
0.0
+6.4
祖父母
2.2
0.0
+2.2
ラジオ
14.9
12.9
+2.0
インターネット
8.7
8.3
+0.4
テレビ
80.9
81.2
-0.3
その他
8.7
3.6
+5.1
その他
2.1
1.2
+0.9
(注)網掛け部分は食生活力 H と L との間に信頼度 95%で有意差あり。
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【年齢により必要なカロリーや栄養素が変わること】
男女とも食生活力が高いほど認知している。“知っていた”は食生活力H(高)とL(低)
との間に男性で 22 ポイント、女性で 25 ポイントの差がみられる。
〔年齢により必要なカロリーや栄養素が変わることの認知〕
知っていた
何となく知っていた
知らなかった
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
男性/食生活力M(中) <N=90>
男性/食生活力L(低) <N=84>
41.3
47.8
25.6
10.9
16.7
57.8
19.0
59.5
女性/食生活力H(高) <N=47>
21.4
40.4
53.2
54.5
42.0
女性/食生活力M(中) <N=88>
6.4
3.4
58.8
28.2
女性/食生活力L(低) <N=85>
12.9
つぎに、年齢により変わることを気にした食生活を実践しているのかどうかをみると、男女
とも食生活力が高いほど気にしているし実践しており、
“気にしているし実践している”は食生
活力H(高)とL(低)との間に男性で 26 ポイント、女性で 17 ポイントの差がみられる。
〔年齢により変わることを気にした食生活を実践しているのかどうか〕
気にしているし
実践している
気にしているが
実践はしてない
気にしてないし
実践もしてない
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
男性/食生活力M(中) <N=90>
男性/食生活力L(低) <N=84>
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力M(中) <N=88>
56.7
28.9
14.4
59.5
13.1
13.0
47.8
39.1
27.4
51.1
38.3
10.6
70.5
26.1
3.4
女性/食生活力L(低) <N=85>
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21.2
57.6
21.2
【「食育」の認知状況・理解度】
「食育」について“内容までよく知っている”と回答した者は、食生活力が高いほど多くみ
られ、女性の食生活力H(高)では 34%が“内容までよく知っている”と回答。
〔「食育」認知状況〕
内容まで
よく知っている
言葉は
聞いたことがある
聞いたこともない
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
26.1
男性/食生活力M(中) <N=90>
10.0
男性/食生活力L(低) <N=84>
2.4
18.9
66.7
31.0
59.6
17.0
女性/食生活力M(中) <N=88>
8.2
23.9
71.1
34.0
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力L(低) <N=85>
50.0
6.4
76.1
68.2
6.8
23.5
「食育は、子どものためにあ
「食育」の理解内容についてみると(次ページのグラフ参照)、
るものである」
「大人のためにあるものである」
「高齢者のためにあるものである」の 3 項目と
も、食生活力が高いほど男女とも“そう思う”の回答率が高い。
特に、
「食育は、高齢者のためにあるものである」についてみると、食生活力H(高)で “そ
う思う”の回答は男性で 28%、女性で 32%、“ややそう思う”を加えると男性で 61%、女性
で 77%。
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〔「食育」認知内容〕
a)食育は、子どものためにあるものである
そう思う
(+3)
ややそう思う
(+2)
(あまり)そう思わない
(+1)
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
男性/食生活力M(中) <N=90>
7.8
32.2
60.0
11.9
31.0
57.1
男性/食生活力L(低) <N=84>
13.0
21.7
65.2
17.0
80.9
女性/食生活力H(高) <N=47>
2.52
2.52
2.45
2.79
2.1
20.5
75.0
女性/食生活力M(中) <N=88>
31.8
61.2
女性/食生活力L(低) <N=85>
4.5
7.1
2.70
2.54
b)食育は、大人のためにあるものである
そう思う
(+3)
ややそう思う
(+2)
(あまり)そう思わない
(+1)
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
23.9
男性/食生活力M(中) <N=90>
22.2
男性/食生活力L(低) <N=84>
23.4
2.11
28.4
42.0
2.01
32.9
51.8
15.3
1.71
42.6
29.5
女性/食生活力M(中) <N=88>
1.93
42.9
34.0
女性/食生活力H(高) <N=47>
1.83
28.9
48.9
42.9
14.3
女性/食生活力L(低) <N=85>
41.3
34.8
1.82
c)食育は、高齢者のためにあるものである
そう思う
(+3)
ややそう思う
(+2)
(あまり)そう思わない
(+1)
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
男性/食生活力M(中) <N=90>
男性/食生活力L(低) <N=84>
31.9
女性/食生活力M(中) <N=88>
30.7
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44.0
39.3
16.7
18.8
44.7
37.5
45.9
1.89
33.3
42.2
24.4
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力L(低) <N=85>
39.1
32.6
28.3
1.91
1.73
23.4
31.8
35.3
2.09
1.99
1.84
③生活行動
【運動(最近1週間)】
男女とも食生活力が高いほど最近 1 週間に運動をした者が多く、運動した日数も多い。
〔運動(最近1週間)〕
毎日
4~5日
2~3日
1日だけ
しなかった
平均
(日)
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
26.1
15.2
18.9
男性/食生活力M(中) <N=90>
13.3
14.3
男性/食生活力L(低) <N=84>
女性/食生活力M(中) <N=88>
11.4
女性/食生活力L(低) <N=85>
10.6
25.6
15.5
19.1
女性/食生活力H(高) <N=47>
19.6
3.8
40.5
31.9
3.7
10.6
43.2
27.1
4.0
33.3
9.5
19.1
23.5
23.9
8.9
20.2
14.8
15.2
19.1
3.7
21.6
9.1
10.6
3.3
28.2
3.5
(注)平均は最近1週間に運動した人をベースとして算出。
【外出(最近1週間)】
男女とも最近 1 週間“毎日外出した”は、食生活力H(高)で多くみられ、男性で 24%、女
性で 21%。また、最近 1 週間に“1 日も外出しなかった”は男性の食生活力L(低)で 25%。
〔外出(最近1週間)〕
毎日
4~5日
2~3日
1日だけ
しなかった
平均
(日)
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
23.9
20.0
男性/食生活力M(中) <N=90>
17.9
男性/食生活力L(低) <N=84>
9.5
11.4
女性/食生活力L(低) <N=85>
15.3
28.6
18.8
17.4
16.7
36.7
19.0
23.4
17.0
21.7
15.2
13.3
21.3
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力M(中) <N=88>
21.7
13.3
25.0
38.3
40.9
37.6
3.8
26.1
15.3
3.3
14.9 2.1
3.6
4.5
2.9
12.9
(注)平均は最近 1 週間に外出した人をベースとして算出。
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3.4
3.4
【外食(最近1ヵ月間)
】
食生活力H(高)では“5 回以上”が男性で 30%、女性で 26%。また、最近 1 ヵ月間に“外
食をしなかった”は、男性の食生活力H(高)で 20%。
〔外食(最近1ヵ月間)〕
5回以上
3~4回
2回
しなかった
1回
平均
(回)
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
30.4
21.7
25.6
23.3
男性/食生活力M(中) <N=90>
27.4
20.3
男性/食生活力L(低) <N=84>
23.4
31.8
31.8
17.6
女性/食生活力L(低) <N=85>
16.7
22.6
31.8
21.6
女性/食生活力M(中) <N=88>
11.1
28.9
34.0
25.5
女性/食生活力H(高) <N=47>
19.6
13.0
15.2
25.9
11.8
3.7
11.1
3.7
13.1
3.6
10.6 6.4
3.7
6.8 8.0
3.4
12.9
3.2
(注)平均は最近1ヵ月間に外食した人をベースとして算出。
【旅行(最近1年間)】
最近 1 年間に“旅行に行かなかった”は、特に食生活力L(低)の男性で 41%みられ、同じ
男性の食生活力H(高)と比較して 20 ポイント近く上回っている。
〔旅行(最近1年間)〕
(%)
男 性
食生活力 食生活力
H
L
N
計
15.2
17.9
2 回以上
8.7
1回
H-L
H-L
85
-2.7
12.8
9.4
+3.4
2.4
+6.2
4.3
3.5
+0.8
6.5
15.5
-9.0
8.5
5.9
+2.6
計
69.6
56.0
+13.6
70.2
64.7
+5.5
3 回以上
32.6
16.7
+15.9
38.2
24.7
+13.5
2 回以下
37.0
39.3
-2.3
31.9
40.0
-8.1
国内の日帰り旅行
26.1
14.3
+11.8
38.3
40.0
-1.7
最近1年間は旅行に行かなかった
21.7
40.5
-18.8
19.1
22.4
-3.3
国内の宿泊旅行
84
食生活力 食生活力
H
L
47
海外旅行
46
女 性
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【参加サークル・グループ活動】
食生活力「H(高)」と「L(低)」との間で回答率の差が大きいのは、男性では「ボランテ
ィア活動」、女性では「スポーツクラブやサークル」があげられ、それぞれ「H」と「L」の間
に 10 ポイント以上の差がみられ、いずれも食生活力「H(高)」のほうが高い。
〔参加しているサークル・グループ活動〕
(%)
〈男 性〉
食生活力H
食生活力L
H-L
N
46
84
ボランティア活動
15.2
4.8
+10.4
スポーツクラブやサークル
26.1
17.9
+8.2
地域活動やまちづくり活動
13.0
7.1
+5.9
宗教活動
4.3
2.4
+1.9
軽易な就労や作業活動
2.2
2.4
-0.2
政治活動
0.0
1.2
-1.2
俳句やダンスなど趣味のクラブやサークル
6.5
10.7
-4.2
その他
4.3
2.4
+1.9
参加しているものはない
54.3
60.7
-6.4
食生活力H
食生活力L
〈女 性〉
H-L
N
46
84
スポーツクラブやサークル
36.2
24.7
+11.5
地域活動やまちづくり活動
14.9
12.9
+2.0
軽易な就労や作業活動
4.3
2.4
+1.9
ボランティア活動
10.6
9.4
+1.2
政治活動
2.1
1.2
+0.9
宗教活動
4.3
4.7
-0.4
俳句やダンスなど趣味のクラブやサークル
27.7
30.6
-2.9
その他
0.0
0.0
0.0
参加しているものはない
36.2
42.4
-6.2
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【趣味や好きでしていること】
趣味や好きでしていることを具体的に記入してもらった結果、男女とも食生活力が高いほど
数多く回答、平均回答数は食生活力H(高)の男性で 1.6、女性で 1.9。
〔趣味や好きでしていること(回答数)〕
4つ以上
3つ
2つ
1つ
平均
なし
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
15.2
34.8
34.8
13.0
1.6
2.2
10.0
男性/食生活力M(中) <N=90>
22.2
47.8
18.9
1.3
1.1
男性/食生活力L(低) <N=84>
6.0
23.8
23.8
45.2
1.2
1.2
14.9
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力M(中) <N=88>
女性/食生活力L(低) <N=85>
8.0
10.6
9.1
29.8
29.8
25.0
4.7 10.6
35.2
17.6
14.9
1.9
22.7
40.0
1.5
27.1
1.3
趣味や好きでしていることを具体的に記入してもらった結果を、“自宅外なのか自宅なのか、
動的なのか静的なのか”で分類した結果が下図で、食生活力H(高)をみると、男性は“自宅
外/動的”を、女性は“自宅/静的”を多くあげている。
〔趣味や好きでしていること(回答内容別)〕
0
(%)
20
40
60
56.5
自宅外/動的
35.6
41.7
37.0
自宅外/静的
自宅/動的
22.2
21.4
10.9
15.6
6.0
21.7
男性/食生活力H <N=46>
31.1
27.4
自宅/静的
男性/食生活力M <N=90>
13.0
18.9
なし
男性/食生活力L <N=84>
23.8
38.3
37.5
自宅外/動的
30.6
27.7
25.0
自宅外/静的
女性/食生活力 <N=47>
女性/食生活力M <N=88>
18.8
21.3
自宅/動的
女性/食生活力L <N=85>
12.5
20.0
55.3
自宅/静的
42.0
34.1
14.9
なし
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22.7
27.1
80
【健康診断】
健康診断を“毎年定期的に受けている”者の割合が低いのは、男女とも食生活力L(低)で、
“定期的に受けてない(毎年ではないが受けている+(殆ど)受けたことがない)”は男性で
31%、女性で 36%。
〔健康診断〕
毎年定期的に
受けている
毎年ではないが
受けている
(殆ど)受けた
ことがない
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
82.6
6.5 10.9
74.4
男性/食生活力M(中) <N=90>
18.9
14.3
16.7
69.0
男性/食生活力L(低) <N=84>
25.5
72.3
女性/食生活力H(高) <N=47>
6.7
2.1
23.5
63.5
女性/食生活力L(低) <N=85>
【通
17.0
76.1
女性/食生活力M(中) <N=88>
6.8
12.9
院】
“現在通院している”のは、男性では食生活力M(中)が 46%、女性では食生活力H(高)
が 53%。特に女性では、食生活力が低いほど“特に病気はない”の回答が多くみられる。
〔通院状況〕
現在通院している
通院はしてないが
薬を飲んでいる
特に病気はない
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
男性/食生活力M(中) <N=90>
男性/食生活力L(低) <N=84>
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力M(中) <N=88>
女性/食生活力L(低) <N=85>
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
41.3
19.6
39.1
16.7
45.6
41.7
44.3
41.2
44.0
14.3
12.8
53.2
12.5
11.8
37.8
34.0
43.2
47.1
【喫煙状況】
女性の喫煙率は、食生活力の高低にかかわらず 7%前後であるにのに対し、男性は食生活力
が高いほど喫煙率は低く、食生活力H(高)とL(低)との間に 6 ポイントの差がみられる。
〔喫煙状況〕
現在吸っている
禁煙した
以前から吸ってない
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
43.5
28.3
34.4
32.2
男性/食生活力M(中) <N=90>
33.3
41.7
34.5
男性/食生活力L(低) <N=84>
28.3
23.8
女性/食生活力H(高) <N=47>
6.4 8.5
85.1
女性/食生活力M(中) <N=88>
6.8 8.0
85.2
女性/食生活力L(低) <N=85>
7.1
83.5
9.4
【ストレスや不安を感じている程度】
ストレスや不安を“感じている(非常に+やや感じている)
”のは、男性では食生活力L(低)、
女性では食生活力M(中)で最も多くみられ、それぞれ 52%、49%。
〔ストレスや不安を感じている程度〕
非常に
感じている
(+5)
やや
感じている
(+4)
まったく
あまり
感じていない 感じていない
(+1)
(+2)
どちらとも
いえない
(+3)
平均
(%)
男性/食生活力H(高) <N=46>
8.7
男性/食生活力M(中) <N=90>
7.8
男性/食生活力L(低) <N=84>
7.1
39.1
15.2
34.8
3.17
2.2
34.4
16.7
45.2
33.3
16.7
7.8
27.4
3.01
3.25
3.6
14.9
女性/食生活力H(高) <N=47>
女性/食生活力M(中) <N=88>
29.8
36.4
12.5
12.8
36.2
21.6
6.4
26.1
3.11
3.28
3.4
女性/食生活力L(低) <N=85>
7.1
34.1
31.8
25.9
3.20
1.2
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(3)食生活力と加齢
①10 年前と比較しての体力・気力・知力・社会力
10 年前を 100 点として、現在の「体力・気力・知力・社会力」のレベルを点数で記入して
もらった結果、10 年前と比較して満 65~74 歳男性では「体力・気力・知力・社会力」のすべ
てにおいて“50 点以下”がそれぞれ 30%以上みられ、特に「社会力」では 50 点以下が 45%
と半数近くを占めている。
また、65~74 歳女性でも、「体力・知力・社会力」で“50 点以下”がそれぞれ 30%以上み
られ、中でも「社会力」は同年齢の男性同様 50 点以下が 44%と半数近くみられる。
その他、“50 点以下”が 30%以上みられたのは、満 55~64 歳女性の「知力」と「社会力」。
〔10 年前と比較しての体力・気力・知力・社会力のレベル〕
体 力
気 力
81 点
以上
(%)
50 点
以下
(%)
平 均
(点)
81 点
以上
(%)
50 点
以下
(%)
平 均
(点)
TOTAL
8.4
28.0
65.1
18.0
24.8
69.1
満 55~64 歳男性
9.1
23.6
65.6
20.0
18.2
69.8
満 65~74 歳男性
12.7
30.9
63.1
20.9
30.9
67.4
「65~74 歳」-「55~64 歳」
(男性)
+3.6
+7.3
-2.5
+0.9
+12.7
-2.4
満 55~64 歳女性
7.3
26.4
67.6
15.5
25.5
71.3
満 65~74 歳女性
4.5
30.9
64.2
15.5
24.5
68.1
「65~74 歳」-「55~64 歳」
(女性)
-2.8
+4.5
-3.4
0.0
-1.0
-3.2
知 力
社会力
81 点
以上
(%)
50 点
以下
(%)
平 均
(点)
81 点
以上
(%)
50 点
以下
(%)
平 均
(点)
TOTAL
12.0
30.5
65.7
17.3
35.9
64.6
満 55~64 歳男性
25.5
18.2
72.7
28.2
23.6
72.5
満 65~74 歳男性
11.8
33.6
64.7
16.4
44.5
60.7
「65~74 歳」-「55~64 歳」
(男性)
-13.7
+15.4
-8.0
-11.8
+20.9
-11.8
満 55~64 歳女性
7.3
31.8
63.7
18.2
31.8
66.5
満 65~74 歳女性
3.6
38.2
61.6
6.4
43.6
58.7
「65~74 歳」-「55~64 歳」
(女性)
-3.7
+6.4
-2.1
-11.8
+11.8
-7.8
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〔体力・気力・知力・社会力のレベル/分布〕
(%)
40
体 力
気 力
30
知 力
社会力
20
10
0
20点以下
~30点
~40点台
~50点
~60点
~70点
~80点
~90点
~100点 101点以上
〔体力・気力・知力・社会力のレベル/累積〕
(%)
100
90
80
70
60
体 力
50
気 力
知 力
40
社会力
30
20
10
0
20点以下
~30点
~40点台
~50点
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~60点
~70点
~80点
~90点
~100点 101点以上
②食生活力と体力・気力・知力・社会力
10 年前と比較しての「体力・気力・知力・社会力」のレベルをみると、男性では 4 つの力と
も食生活力が高いほど“81 点以上”が多く、
“50 点以下”が少ない。その差が大きいのは「社
会力」、ついで「知力」。
これに対し女性では、「気力」と「体力」で食生活力の高いほうが“50 点以下”が少なく、
特に「気力」ではその差が 20 ポイント以上みられるものの、男性と異なり食生活力が高いか
らといって“81 点以上”が多くみられるとはいえない結果となっている。
〔10 年前と比較しての体力・気力・知力・社会力のレベル〕
(%)
81 点以上
食生活力 H 食生活力 L
50 点以下
H-L
食生活力 H 食生活力 L
H-L
男
力
17.4
7.1
+10.3
21.7
28.6
-6.9
気
力
26.1
19.0
+7.1
17.4
26.2
-8.8
知
力
23.9
15.5
+8.4
17.4
31.0
-13.6
社会力
26.1
17.9
+8.2
23.9
39.3
-15.4
体
力
10.6
5.9
+4.7
21.3
29.4
-8.1
気
力
19.1
15.3
+3.8
8.5
30.6
-22.1
知
力
2.1
5.9
-3.8
34.0
35.3
-1.3
社会力
6.4
12.9
-6.5
34.0
37.6
-3.6
性
体
女
性
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〔10 年前と比較しての体力・気力・知力・社会力のレベル〕
~80点
81点以上
平均
50点以下
(%)
≪体 力≫ 男/H <N=46>
男/M <N=90>
男/L <N=84>
60.9
17.4
60.0
11.1
64.3
7.1
≪気 力≫ 男/H <N=46>
28.9
63
28.6
63
56.5
26.1
68
21.7
17.4
74
男/M <N=90>
18.9
54.4
26.7
67
男/L <N=84>
19.0
54.8
26.2
68
≪知 力≫ 男/H <N=46>
男/M <N=90>
男/L <N=84>
男/M <N=90>
24.4
男/L <N=84>
17.9
≪体 力≫ 女/H <N=47>
10.6
女/M <N=88>
3.4
≪気 力≫ 女/H <N=47>
41.1
42.9
64
69
21.3
64.8
65
31.8
13.6
58.0
女/L <N=85>
15.3
54.1
63.8
65
29.4
72.3
19.1
2.1
67
39.3
68.1
女/M <N=88>
≪知 力≫ 女/H <N=47>
70
23.9
34.4
64.7
5.9
67
31.0
50.0
72
68
25.6
53.6
15.5
26.1
17.4
55.6
18.9
≪社会力≫ 男/H <N=46>
女/L <N=85>
58.7
23.9
8.5
28.4
30.6
76
68
68
34.0
63
女/M <N=88>
6.8
58.0
35.2
63
女/L <N=85>
5.9
58.8
35.3
62
≪社会力≫ 女/H <N=47>
6.4
59.6
34.0
62
女/M <N=88>
14.8
45.5
女/L <N=85>
12.9
49.4
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
39.8
37.6
63
63
年齢による衰えは男女とも 10 年前と比較して 60~70 前後であるのに対し、満 65~74 歳
の食生活力をみると、男性は「知力」を除くと年齢による衰えと同レベルにまで食生活力も
低下しているのに対し、女性は年齢による衰えを感じさせるどころか、食生活力はかえって
上昇。
〔年齢による衰え〕
体力
気 力
知 力
社会力
満 55~64 歳男性
66
70
73
72
満 65~74 歳男性
63
67
65
61
(満 55~64 歳基準)
41
47
47
44
満 55~64 歳女性
68
71
64
67
満 65~74 歳女性
64
68
62
59
(満 55~64 歳基準)
43
49
39
39
*満 65~74 歳(満 55~64 歳基準)=「満 55~64 歳の点数」×「満 65~74 歳の点数」
〔食生活力〕(TOTAL=100 とした数値)
体 力
気 力
知 力
社会力
満 55~64 歳男性
76
82
57
83
満 65~74 歳男性
61
57
59
60
満 55~64 歳女性
109
114
113
111
満 65~74 歳女性
153
148
170
146
年齢による衰え
63
67
65
61
食生活力
80
69
103
73
年齢による衰え
64
68
62
59
食生活力
140
130
150
131
体力
気力
知力
社会力
満 55~64 歳男性/単身世帯
63
66
66
67
満 65~74 歳男性/単身世帯
59
67
62
58
(満 55~64 歳基準)
37
44
41
39
満 55~64 歳女性/単身世帯
69
70
62
60
満 65~74 歳女性/単身世帯
61
63
58
57
(満 55~64 歳基準)
42
44
36
35
≪男女とも満 55~64 歳を 100 として≫
満 65~74 歳男性
満 65~74 歳女性
≪単身世帯≫
〔年齢による衰え〕
*満 65~74 歳(満 55~64 歳基準)=「満 55~64 歳のスコア」×「満 65~74 歳のスコア」
〔食生活力〕(TOTAL=100 とした数値)
体力
気力
知力
社会力
満 55~64 歳男性/単身世帯
66
91
71
61
満 65~74 歳男性/単身世帯
49
31
49
39
満 55~64 歳女性/単身世帯
132
129
138
117
満 65~74 歳女性/単身世帯
132
148
128
144
≪男女とも満 55~64 歳を 100 として≫
満 65~74 歳男性
/単身世帯
年齢による衰え
59
67
62
58
食生活力
52
34
69
64
満 65~74 歳女性
/単身世帯
年齢による衰え
61
63
58
57
食生活力
100
115
93
123
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〔表Ⅳ-20.年齢による衰えと食生活力に必要な 4 つの力(つづき)〕
≪夫婦のみ世帯≫
【年齢による衰え】
体力
気 力
知 力
社会力
満 55~64 歳男性/夫婦のみ世帯
66
69
74
74
満 65~74 歳男性/夫婦のみ世帯
62
67
66
60
(満 55~64 歳基準)
41
46
49
44
満 55~64 歳女性/夫婦のみ世帯
68
70
63
67
満 65~74 歳女性/夫婦のみ世帯
68
73
65
64
(満 55~64 歳基準)
46
51
41
43
*満 65~74 歳(満 55~64 歳基準)=「満 55~64 歳の点数」×「満 65~74 歳の点数」
【食生活力】(TOTAL=100 とした数値)
体 力
気 力
知 力
社会力
満 55~64 歳男性/夫婦のみ世帯
67
69
42
76
満 65~74 歳男性/夫婦のみ世帯
64
58
58
62
満 55~64 歳女性/夫婦のみ世帯
107
107
108
116
満 65~74 歳女性/夫婦のみ世帯
175
149
216
156
≪男女とも満 55~64 歳を 100 として≫
満 65~74 歳男性
/夫婦のみ世帯
年齢による衰え
62
67
66
60
食生活力
96
84
138
82
満 65~74 歳女性
/夫婦のみ世帯
年齢による衰え
68
73
65
64
食生活力
164
139
200
134
体力
気力
知力
社会力
満 55~64 歳男性/2・3 世代世帯
67
73
77
75
満 65~74 歳男性/2・3 世代世帯
68
68
65
64
(満 55~64 歳基準)
46
50
50
48
満 55~64 歳女性/2・3 世代世帯
66
73
66
70
満 65~74 歳女性/2・3 世代世帯
63
67
62
54
(満 55~64 歳基準)
42
49
40
38
≪2・3 世代世帯≫
【年齢による衰え】
*満 65~74 歳(満 55~64 歳基準)=「満 55~64 歳のスコア」×「満 65~74 歳のスコア」
【食生活力】(TOTAL=100 とした数値)
体力
気力
知力
社会力
満 55~64 歳男性/2・3 世代世帯
84
88
63
98
満 65~74 歳男性/2・3 世代世帯
80
75
68
84
満 55~64 歳女性/2・3 世代世帯
105
108
98
111
満 65~74 歳女性/2・3 世代世帯
148
147
164
136
≪男女とも満 55~64 歳を 100 として≫
満 65~74 歳男性
年齢による衰え
68
68
65
64
/2・3 世代世帯
食生活力
95
85
108
86
満 65~74 歳女性
年齢による衰え
63
67
62
54
/2・3 世代世帯
食生活力
141
136
167
123
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(4)食生活力と親からの伝承
子ども時代の生活を振り返ってもらった結果、食生活力H(高)とL(低)との間で差が大
きかったのは、男性では「おやつは手作りだった」「食事中のマナーや行儀を教えられた」「食
事の支度や後片付けを手伝っていた(手伝わされていた)
」、女性では「食事中のマナーや行儀
を教えられた」「食べ物の生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられた」
「ふだんの日
の朝食は親と一緒に食べていた」といった項目でそれぞれ 30 ポイント以上の差がみられ、い
ずれも食生活力H(高)がL(低)を上回っている。
〔子ども時代の生活“あてはまる”(H-L=20ポイント以上)〕
(%)
〈男 性〉
食生活力H
食生活力L
46
84
H-L
N
おやつは手作りだった
47.8
9.5
+38.3
食事中のマナーや行儀を教えられた
71.7
38.1
+33.6
食事の支度や後片付けを手伝っていた(手伝わされていた)
37.0
6.0
+31.0
食べ物の生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられた
47.8
23.8
+24.0
好き嫌いなくいろいろなものを食べていた
65.2
41.7
+23.5
食材を生産する現場を見たり体験させられた
43.5
20.2
+23.3
食生活力H
食生活力L
47
85
食事中のマナーや行儀を教えられた
80.9
45.9
+35.0
食べ物の生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられた
59.6
24.7
+34.9
ふだんの日の朝食は親と一緒に食べていた
95.7
64.7
+31.0
食事の支度や後片付けを手伝っていた(手伝わされていた)
70.2
42.4
+27.8
できるだけ外で遊んだり運動をしていた
85.1
57.6
+27.5
夏休みや春休みの時の昼食は手作りだった
72.3
47.1
+25.2
好き嫌いなくいろいろなものを食べていた
66.0
41.2
+24.8
テレビやラジオの時間を制限されていた(決められていた)
44.7
21.2
+23.5
食材を生産する現場を見たり体験させられた
46.8
23.5
+23.3
〈女 性〉
H-L
N
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この子ども時代の生活を性・年齢でみると、女性では満 55~64 歳と比較して食生活力の高
い満 65~74 歳のほうが「食べ物の生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられ」
「おや
つは手作りだった」をはじめとして多くの項目で上回っている。
同様に男性についてみると、満 65~74 歳より食生活力の高い満 55~64 歳のほうが上回って
いる項目が多くみられる。
特に、性・年齢でみた 4 セルの中で最も回答の低かった項目数をみると、満 55~64 歳男性
と満 65~74 歳女性ではそれぞれ 1 項目であったのに対し、満 55~64 歳女性では 7 項目、満
65~74 歳男性では 14 項目みられる。
〔子ども時代の生活“あてはまる”〕
(%)
男 性
55~
64 歳
65~
74 歳
食べ物の生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられた
37.3
40.9
おやつは手作りだった
21.8
食材を生産する現場を見たり体験させられた
女 性
55~
64 歳
65~
74 歳
-3.6
28.2
55.5
-27.3
25.5
-3.7
20.0
47.3
-27.3
22.7
36.4
-13.7
17.3
40.9
-23.6
好き嫌いなくいろいろなものを食べていた/食べさせられた
55.5
55.5
0.0
44.5
64.5
-20.0
できるだけ外で遊んだり運動をしていた
77.3
76.4
+0.9
60.9
78.2
-17.3
食事中のマナーや行儀を教えられた
57.3
52.7
+4.6
53.6
70.0
-16.4
ふだんの日の朝食は親と一緒に食べていた
78.2
66.4
+11.8
70.9
87.3
-16.4
食事の支度や後片付けを手伝っていた(手伝わされていた)
19.1
21.8
-2.7
44.5
58.2
-13.7
夏休みや春休みの時の昼食は手作りだった
59.1
43.6
+15.5
56.4
70.0
-13.6
学校や塾から帰ってくる時間に合わせ家族一緒に食事
61.8
41.8
+20.0
59.1
70.9
-11.8
テレビやラジオの時間を制限されていた/時間を決められた
38.2
32.7
+5.5
24.5
30.9
-6.4
毎日朝食を食べていた
82.7
75.5
+7.2
87.3
91.8
-4.5
自分の好みより栄養を第一に考えたメニューだった/と思う
15.5
7.3
+8.2
9.1
12.7
-3.6
カルシウムやビタミンを積極的に摂らされていた(と思う)
12.7
10.9
+1.8
10.9
13.6
-2.7
栄養のことをいろいろ教えられた
13.6
5.5
+8.1
9.1
9.1
0.0
早寝早起きをしていた
61.8
51.8
+10.0
69.1
69.1
0.0
おやつや夜食は量や栄養を考えたものだった(と思う)
17.3
11.8
+5.5
12.7
11.8
+0.9
毎日の食事のための買い物を親と一緒に行っていた
6.4
2.7
+3.7
13.6
12.7
+0.9
できるだけ規則正しい生活をしていた
57.3
50.9
+6.4
67.3
65.5
+1.8
外で何を食べているか親は知っていた
26.4
20.9
+5.5
39.1
37.3
+1.8
栄養バランスのよい食事を食べていた(と思う)
28.2
14.5
+13.7
23.6
20.9
+2.7
差
差
(注)表中の白抜き数字は、男女/満 55~64 歳・満 65~74 歳の 4 セルの中で最も回答が低いことを表す。
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3.健康な食生活度
高齢者が楽しく、おいしく食事をするためには、単に食べることだけにとどまるのではなく、
体の健康状態や人・社会とのつながりから醸成される心の豊かさまで含めて考えることが必要
との観点から、本項では「心(人間関係)」
「食(食生活)
」
「体(健康)」の3つの側面から満足
度を捉えた。
(1)心(人間関係)・食(食生活)
・体(健康)の満足度
3つの側面の中で最も満足度が高いのは「食(食生活)」で、80%が“満足(非常に満足+
やや満足)”と回答、反対に低いのは「体(健康)」で、“満足”は 51%。
〔心(人間関係)・食(食生活)・体(健康)満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
(%)
心(人間関係) <N=440>
17.0
60.0
18.0
4.1
3.60
0.9
59.1
20.5
食(食生活) <N=440>
13.0
5.2
3.17
2.3
体(健康) <N=440>
43.6
7.3
27.0
16.6
5.5
3.31
「心(人間関係)」「食(食生活)」
「体(健康)
」それぞれの満足度の関係をみると、「心(人
間関係)」に満足している者は「食(食生活)」
「体(健康)
」にも満足しており、
「食(食生活)
」
「体(健康)
」でも同様の傾向がみられる。
中でも相関が高いのは、
「食(食生活)」と「心(人間関係)
」。
心(人間関係)に満足
食(食生活)に満足
体(健康)に満足
-
97.3%
68.0%
食(食生活)に満足
94.4%
-
74.4%
体(健康)に満足
81.2%
87.5%
-
心(人間関係)満足度
食(食生活)満足度
体(健康)満足度
-
0.499
0.189
食(食生活)満足度
0.499
-
0.302
体(健康)満足度
0.189
0.302
-
心(人間関係)に満足
〔相関係数〕
心(人間関係)満足度
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【心(人間関係)満足度】
年齢・世帯構成にかかわらず男性より女性の満足度が高い。
特に満足度が高いのは、夫婦のみ世帯の満 55~64 歳・満 65~74 歳女性、単身世帯の満 65
~74 歳女性で、“満足(非常に満足+やや満足)
”はそれぞれ 90%以上。
反対に、満足度が低いのは単身世帯の男性で、満 55~64 歳・満 65~74 歳ともに“満足”は
60%以下。
〔心(人間関係)満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
(%)
17.0
TOTAL <N=440>
60.0
18.0
4.1
3.88
0.9
満55~64歳男性 <N=110>
60.9
9.1
20.0
9.1
3.68
0.9
満65~74歳男性 <N=110>
55.5
12.7
6.4
24.5
3.73
0.9
16.4
満55~64歳女性 <N=110>
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
15.5
0.9
1.8
58.2
30.0
満65~74歳女性 <N=110>
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
65.5
50.0
10.0
30.0
43.3
13.3
30.0
3.94
11.8
4.18
10.0
3.60
10.0
3.53
3.3
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
76.7
70.0
12.5
55.0
60.0
20.0
50.0
17.5
4.10
3.88
2.5
5.0
3.80
7.5
4.08
10.0
4.25
15.0
27.5
65.0
15.0
6.7
17.5
35.0
5.0
3.77
2.5
77.5
15.0
6.7
12.5
70.0
7.5
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
23.3
16.7
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
50.0
20.0
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
5.0
17.5
3.55
3.80
3.93
2.5
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
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35.0
47.5
17.5
4.18
【食(食生活) 満足度】
単身世帯を除くと、年齢・世帯構成にかかわらず“満足(非常に満足+やや満足)”が 75%
を超えている。
単身世帯での“満足”は、女性で 67%、男性で 60%以下にとどまっており、特に単身世帯
の満 65~74 歳男性では“満足してない(あまり満足してない+満足してない)”が 30%。
〔食(食生活) 満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
(%)
20.5
TOTAL <N=440>
13.0
59.1
5.2
3.90
2.3
22.7
満55~64歳男性 <N=110>
13.6
54.5
4.5
3.86
4.5
20.0
満65~74歳男性 <N=110>
10.9
57.3
9.1
3.83
2.7
満55~64歳女性 <N=110>
14.5
12.7 4.5
67.3
3.90
0.9
24.5
満65~74歳女性 <N=110>
14.5
57.3
2.7
0.9
23.3
60.0
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
13.3
4.02
3.30
3.3
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
16.7
50.0
3.3
13.3
23.3
13.3
53.3
6.7
16.7
3.20
3.57
3.3
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
6.7
26.7
60.0
3.63
3.3
3.3
40.0
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
7.5
50.0
4.28
2.5
25.0
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
60.0
7.5 5.0
4.00
2.5
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
20.0
32.5
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
70.0
22.5
50.0
10.0
12.5
12.5
55.0
5.0
7.5
4.10
4.10
3.88
2.5
27.5
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
60.0
10.0
4.13
2.5
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
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15.0
75.0
10.0
30.0
62.5
7.5
3.95
4.23
【体(健康)満足度】
年齢・世帯構成にかかわらず男性より女性の満足度が高い。
特に満足度が高いのは、夫婦のみ世帯と2・3世代世帯の満 65~74 歳女性、夫婦のみ世帯
の満 65~74 歳男性で、“満足(非常に満足+やや満足)”はそれぞれ 60%以上。
反対に、満足度が低いのは単身世帯の満 55~64 歳男性で、
“満足(非常に満足+やや満足)”
の 37%に対し、“満足してない(あまり満足してない+満足してない)
”も同率の 37%。
〔体(健康)満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
(%)
TOTAL <N=440>
7.3
満55~64歳男性 <N=110>
6.4
満65~74歳男性 <N=110>
30.0
39.1
5.5
14.5
31.8
39.1
12.7
16.6
27.0
43.6
8.2
14.5
3.31
3.21
3.43
3.6
満55~64歳女性 <N=110>
4.5
満65~74歳女性 <N=110>
5.5
28.2
44.5
17.3
18.2
51.8
5.5
20.0
3.25
3.34
4.5
36.7
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
10.0
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
10.0
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
26.7
40.0
30.0
13.3
26.7
40.0
40.0
3.3
50.0
10.0
3.23
6.7
3.30
6.7
3.03
10.0 5.0
3.48
15.0
3.50
30.0
30.0
22.5
2.87
6.7
16.7
20.0
42.5
12.5
13.3
23.3
2.5
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
37.5
37.5
5.0
3.38
12.5
3.60
12.5
30.0
35.0
17.5
10.0 5.0
22.5
57.5
7.5
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
30.0
52.5
2.5
7.5
15.0
3.20
3.50
2.5
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
2.5
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
5.0
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27.5
40.0
55.0
25.0
12.5
20.0
5.0
7.5
3.10
3.30
【心・食・体の満足度に影響を及ぼす要因】
健康な食生活を構成する「心(人間関係)」
「食(食生活)
」
「体(健康)」それぞれの満足度は
何に起因しているのかをみると、“毎日楽しく過ごす”“ストレスや不安を感じていない”は 3
つの側面に共通してあげられているが、その他には以下のような点があげられる。
心の満足:楽しく食事(できるだけ楽しく食事、皆で食べる)とともに、人との触れあい
や社会参加
食の満足:誰かと一緒に楽しく食事、いろいろな野菜を食べるとともにいろいろな味を楽
しむ(一人暮らしは満足度が低い)
体の満足:適度な運動
(注)(
)内は、「“満足”と答えた者の回答率」-「
“不満”と答えた者の回答率」
≪心(人間関係)に満足≫
・毎日楽しく過ごしている(+57%)
・ストレスや不安を感じてない(+47%)
・できるだけ楽しく食事をしている(+42%)
・いろいろな人と触れあったり、社会参加をしている(+41%)
・皆で食べることが楽しい(+40%)
・緑黄色野菜や根菜などいろいろな野菜を毎日食べている(+39%)
・できるだけ規則正しい生活をしている(+38%)
・野菜は火を通すなどして量を食べられるように工夫している(+37%)
・買物に行くのが楽しい(+37%)
・主食・主菜・副食の栄養バランスを考えている(+37%)
・よく食べるようになったもの「野菜の煮物」
(+36%)
・よく食べるようになったもの「生野菜」(+36%)
・食べることが楽しい(+35%)
・参加しているサークル、クラブ活動がない(-32%)
※男性(-35%)、女性(+35%)
≪食(食生活)に満足≫
・家族揃って(誰かと一緒に)食事をしている(+51%)
・毎日楽しく過ごしている(+43%)
・できるだけ楽しく食事をしている(+43%)
・食べることが楽しい(+40%)
・緑黄色野菜や根菜などいろいろな野菜を毎日食べている(+40%)
・3食のバランスをよくとり、欠食はしない(+38%)
・皆で食べることが楽しい(+38%)
・栄養バランスのよい食事をしている(+37%)
・いろいろな味を楽しんでいる(+37%)
・ストレスや不安を感じてない(+36%)
・ふだんの 1 日に食事の支度に費やす時間「1 時間半以下」
(-33%)
・家族人数 1 人(-43%)
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≪体(健康)に満足≫
・毎日楽しく過ごしている(+45%)
・ストレスや不安を感じてない(+42%)
・適度な運動をしている(+41%)
・現在通院している(-21%)
【満足度阻害要因】
達成率(“できている”の%/“したいと思う”の%)をみると、「心(人間関係)」「食(食
生活)」「体(健康)」とも平均は 0.5~0.6 程度にとどまっている。
達成率の低い項目の、満足度を阻害している要因としては、以下のような点があげられる。
・毎日楽しく過ごす → 忙しい/ストレスがある
・食材の調理法や保存法に習熟する → 家事や調理をしない
・栄養バランスのよい食事をする → 好きなものを食べる
・睡眠を十分とる → 眠れない、仕事で遅い
・適正体重を維持する/カロリーを取りすぎないようにする → 食べ過ぎる
心(人間関係)
食(食生活)
体(健康)
【意識/実態/達成率】
54.8%/29.8%/0.54
46.2%/28.2%/0.61
達成率の高い項目
≪心(人間関係)≫
家族揃って(誰かと一緒に)食事をする
(0.65)
いろいろな人と触れあったり社会参加
(0.63)
≪食(食生活)≫
油脂類の摂取が不足しないようにする
(1.00)
動物性たんぱく質を十分に摂取する(1.00)
毎日朝食を食べる(0.97)
食欲がない時はおかずを先に食べ、
ご飯は残す(0.90)
≪体(健康)≫
早寝早起き(0.66)
できるだけ規則正しい生活をしている
(0.53)
63.4%/32.8%/0.52
達成率の低い項目
毎日楽しく過ごす(0.44)
食材の調理法や保存法に習熟する(0.27)
栄養バランスのよい食事をする(0.34)
カロリーを取りすぎないようにする
睡眠を十分とる(0.46)
適正体重を維持する(0.47)
適度な運動をする(0.49)
(注)(
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)内の数字は達成率
(2)健康な食生活度
健康な食生活は「心(人間関係)」「食(食生活)」「体(健康)」の3つの側面から構成され
るものと定義、前述の「心・食・体」それぞれの満足度に
非常に満足している=4点、やや満足している=3点
どちらともいえない=2点
あまり満足してない=1点、満足してない=0点
の得点を与え、各対象者の得点を求め(12 点~0 点)、「健康な食生活度」を算出した。
〔健康な食生活度/分布〕
(名)
70
60
男性 <N=220>
50
女性 <N=220>
40
30
20
10
0
(得点)
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
〔健康な食生活度/累積〕
(%)
100
90
80
男性 <N=220>
70
女性 <N=220>
60
50
40
30
20
10
0
%
得点
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
指数
0
8
17
25
33
42
50
58
67
75
83
92
100
男
0.0
0.5
2.3
3.6
6.8
14.1
23.2
39.5
54.1
78.6
91.4
99.1
100.0
女
0.0
0.0
0.5
0.5
1.8
5.9
14.5
30.0
51.8
76.8
88.6
98.2
100.0
構成比
L(34.8%)
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M(43.0%)
H(22.3%)
健康な食生活度でL(低)が相対的に多くみられるのは単身世帯で、満 55~64 歳女性を除
くといずれも 50%以上がL(低)。
反対に、H(高)が多くみられるのは満 55~64 歳男性と満 65~74 歳女性のいずれも夫婦の
み世帯で、H(高)はそれぞれ 30%台。
〔健康な食生活度〕
H(高)
M(中)
L(低)
(%)
TOTAL <N=440>
22.3
満55~64歳男性 <N=110>
22.7
満65~74歳男性 <N=110>
20.0
満55~64歳女性 <N=110>
19.1
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
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37.3
47.3
33.6
46.4
26.4
30.0
10.0
60.0
33.3
13.3
53.3
36.7
20.0
43.3
33.3
16.7
50.0
40.0
37.5
22.5
47.5
20.0
32.5
27.5
47.5
35.0
25.0
15.0
15.0
50.0
35.0
17.5
17.5
60.0
22.5
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
41.8
42.7
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
34.8
35.5
27.3
満65~74歳女性 <N=110>
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
43.0
45.0
42.5
30.0
42.5
52.5
20.0
(3)食生活力と健康な食生活度(心・食・体の満足度)
最初に「心(人間関係)」
「食(食生活)」
「体(健康)」の満足度(T.P.=トータルポジティブ)
と食生活力との関係をみると、女性では食生活力が高いほど「心・食・体」いずれの満足度
とも高い。
男性では、
「体(健康)
」は食生活力が高いほど満足度も高いものの、
「心(人間関係)」
「食(食
生活)」は食生活力M(中)で満足度が高い。最も満足度が低いのは食生活力L(低)。
(%)
心(人間関係)満足
食(食生活)満足
体(健康)満足
T.B(%)
T.P.(%)
T.B(%)
T.P.(%)
T.B(%)
T.P.(%)
食生活力H(高)/男性
13.0
63.0
32.6
78.3
17.4
58.7
食生活力M(中)/男性
13.3
78.9
21.1
83.3
11.1
51.1
食生活力L(低)/男性
7.1
61.9
15.5
70.3
3.6
40.5
食生活力H(高)/女性
46.8
95.7
48.9
97.8
8.5
61.7
食生活力M(中)/女性
20.5
85.3
17.0
81.8
2.3
51.2
食生活力L(低)/女性
12.9
78.8
5.9
73.0
5.9
50.6
(注)T.B.=トップボックス(非常に満足)、T.P.=トータルポジティブ(非常に満足+やや満足)
つぎに、健康な食生活度と食生活力との関係をみると、男女とも食生活力が高いほど健康な
食生活度H(高)の占める割合が高く、特に女性の食生活力H(高)では健康な食生活度H(高)
が 49%と半数を占めている。
〔食生活力と健康な食生活度〕
(%)
健康な食生活度
H(高)
M(中)
L(低)
食生活力H(高)/男性
34.8
30.4
34.8
食生活力M(中)/男性
21.1
42.2
36.7
食生活力L(低)/男性
14.3
40.5
45.2
食生活力H(高)/女性
48.9
40.4
10.6
食生活力M(中)/女性
22.7
44.3
33.0
食生活力L(低)/女性
9.4
52.9
37.6
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4.生活満足度
(1)現在の生活満足度
現在の生活満足度は男性より女性で高く、満 65~74 歳女性では 73%が“満足(非常に満足
+やや満足)
”と回答。
性・年齢・世帯構成別にみると、最も満足度が高いのは夫婦のみ世帯の満 65~74 歳女性で、
“満足(非常に満足+やや満足)”と 85%が回答、反対に最も低いのが単身世帯の満 55~64
歳男性で“満足(非常に満足+やや満足)”は 37%。
〔現在の生活満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
(%)
10.0
TOTAL <N=440>
55.2
12.0
20.9
3.60
1.8
満55~64歳男性 <N=110>
7.3
11.8
23.6
54.5
3.52
2.7
8.2
満65~74歳男性 <N=110>
12.7
25.5
50.0
3.46
3.6
10.0
満55~64歳女性 <N=110>
13.6
17.3
58.2
3.63
0.9
14.5
満65~74歳女性 <N=110>
満55~64歳男性/単身世帯 <N=30>
3.3
満65~74歳男性/単身世帯 <N=30>
16.7
満55~64歳女性/単身世帯 <N=30>
16.7
26.7
40.0
10.0
3.77
6.7
3.00
10.0
3.17
26.7
30.0
33.3
6.7
17.3
58.2
13.3
20.0
46.7
3.60
3.3
満65~74歳女性/単身世帯 <N=30>
満55~64歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
13.3
5.0
20.0
26.7
40.0
3.47
20.0
72.5
3.78
2.5
満65~74歳男性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満55~64歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
満65~74歳女性/夫婦のみ世帯 <N=40>
5.0
62.5
7.5
22.5
12.5
65.0
15.0
12.5
67.5
17.5
10.0
3.63
3.65
4.00
2.5
満55~64歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
12.5
満65~74歳男性/2・3世代世帯 <N=40>
12.5
52.5
22.5
12.5
27.5
45.0
12.5
3.65
3.53
2.5
満55~64歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
満65~74歳女性/2・3世代世帯 <N=40>
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7.5
12.5
60.0
62.5
20.0
15.0
12.5
10.0
3.63
3.78
(2)食生活力と現在の生活満足度
現在の生活に“満足(非常に満足+やや満足)
”している者は、“満足してない(どちらとも
いえない~満足してない)”者と比較して食生活力H(高)が多く、L(低)が少ない。
特に現在の生活に“満足してない”者では食生活力L(低)が男女ともほぼ半数を占めてい
る。
食生活力
M(中)
L(低)
現在の生活に満足
23.5%
47.3%
29.5%
現在の生活に満足してない
17.0%
31.8%
51.1%
現在の生活に満足
23.9%
41.9%
34.2%
現在の生活に満足してない
15.4%
35.4%
49.2%
男 性
H(高)
女 性
(3)健康な食生活度(心・食・体の満足度)と現在の生活満足度
最初に現在の生活満足度と「心・食・体」の満足度との関係をみると、現在の生活に満足(非
常に満足+やや満足)している者は、
「心(人間関係)」と「食(食生活)」に 90%が“満足(非
常に満足+やや満足)”と回答している。
また、相関係数をみると、現在の生活満足度と「心(人間関係)」
「食(食生活)」
「体(健康)」
の満足度との間には相関がみられる。
現在の生活に満足
〔相関係数〕
現在の生活満足度
心(人間関係)に満足
食(食生活)に満足
体(健康)に満足
89.5%
89.5%
64.8%
心(人間関係)満足度
食(食生活)満足度
体(健康)満足度
0.462
0.442
0.415
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つぎに、現在の生活満足度と健康な食生活度との関係をみると、男女とも健康な食生活を送
っている者ほど現在の生活満足度は高く、健康な食生活度H(高)では男女とも 90%以上が“満
足(非常に満足+やや満足)”と回答しているのに対し、L(低)では男性 31%、女性 42%に
とどまっている。
(%)
現在の生活満足度
満足 計
非常に満足
まあ満足
どちらとも
いえない
不満 計
あまり満足
していない
満足して
いない
健 康な 食 生 活 度
男性/H
<N=47>
93.6
25.5
68.1
2.1
4.3
2.1
2.1
男性/M
<N=86>
70.9
4.7
66.3
23.3
5.8
5.8
0.0
男性/L
<N=87>
31.0
1.1
29.9
37.9
31.0
24.1
6.9
女性/H
<N=51>
94.1
37.3
56.9
2.0
3.9
3.9
0.0
女性/M <N=103>
76.7
6.8
69.9
13.6
9.7
9.7
0.0
女性/L
42.4
1.5
40.9
34.8
22.7
21.2
1.5
<N=66>
(4)現在の生活満足度と経済的・社会的・肉体的(健康)満足度
【経済的・社会的・肉体的満足度】
“満足(非常に満足+やや満足)”と回答した者が最も多くみられたのが「肉体的(健康)」
の 51%、反対に最も少ないのが「社会的」の 38%。
〔経済的・社会的・肉体的(健康)満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
(%)
経済的満足度 <N=440>
4.5
社会的満足度 <N=440>
2.5
38.6
35.7
28.0
20.9
42.0
8.0
16.1
3.11
3.17
3.6
肉体的(健康)満足度 <N=440>
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7.3
43.6
27.0
16.6
5.5
3.31
〔経済的満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
(%)
TOTAL <N=440>
4.5
満55~64歳男性 <N=110>
2.7
満65~74歳男性 <N=110>
28.0
38.6
33.6
7.3
20.9
27.3
30.9
8.0
15.5
20.9
3.11
2.87
7.3
3.08
5.5
3.22
3.6
3.26
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
31.8
22.7
満55~64歳女性 <N=110>
3.6
45.5
25.5
満65~74歳女性 <N=110>
4.5
44.5
27.3
20.0
20.0
〔社会的満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
(%)
35.7
16.1
42.0
TOTAL <N=440>
2.5
満55~64歳男性 <N=110>
0.9
満65~74歳男性 <N=110>
2.7
35.5
44.5
14.5 2.7
3.21
満55~64歳女性 <N=110>
1.8
38.2
42.7
16.4 0.9
3.24
満65~74歳女性 <N=110>
4.5
32.7
14.5
40.0
36.4
19.1
40.9
3.6
8.2
3.17
3.07
2.7
3.17
あまり満足 満足してない
してない
(+2)
(+1)
平均
〔肉体的(健康)満足度〕
非常に満足
やや満足
(+5)
(+4)
どちらとも
いえない
(+3)
(%)
TOTAL <N=440>
7.3
満55~64歳男性 <N=110>
6.4
満65~74歳男性 <N=110>
12.7
満55~64歳女性 <N=110>
4.5
満65~74歳女性 <N=110>
5.5
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
43.6
39.1
39.1
44.5
51.8
27.0
31.8
30.0
28.2
18.2
16.6
14.5
5.5
8.2
14.5 3.6
17.3
20.0
3.31
3.21
3.43
5.5
3.25
4.5
3.34
【現在の生活満足度と経済的・社会的・肉体的(健康)満足度】
現在の生活満足度と「経済的・社会的・肉体的(健康)」満足度との間には相関がみられ、
「経済的・社会的・肉体的(健康)
」満足度の高いほうが現在の生活に満足している
強いていえば、現在の生活満足度には、
「経済的」満足度が最も影響しており、以下影響力
が強い順に「社会的」満足度、「肉体的(健康)
」満足度となる。
現在の生活に満足
N
T.B.(%)
T.P.(%)
経済的に満足
T.B.(%)
T.P.(%)
社会的に満足
T.B.(%)
T.P.(%)
肉体的に満足
T.B.(%)
T.P.(%)
満足している
287
6.6
60.3
3.8
52.6
9.8
64.8
満足してない
153
0.7
11.1
0.0
11.1
2.6
24.8
満足している
190
19.5
91.1
5.3
66.8
11.1
72.6
満足してない
250
2.8
45.6
0.4
16.4
4.4
34.4
満足している
168
19.0
89.9
9.5
75.6
11.9
75.6
満足してない
272
4.4
50.0
1.5
23.2
4.4
35.7
肉体的 満足している
(健康)に
満足してない
224
16.5
83.0
7.1
61.6
4.0
56.7
216
3.2
46.8
1.9
24.1
0.9
19.0
現在の
生活に
経済的に
社会的に
生活満足度
〔相関係数〕
経済的満足度
社会的満足度
肉体的満足度
0.566
0.509
0.415
0.585
0.401
生活満足度
経済的満足度
0.566
社会的満足度
0.509
0.585
肉体的(健康)満足度
0.415
0.401
0.502
0.502
なお、
「肉体的(健康)」満足度に及ぼす食生活以外の要因としては、ストレス、休養、運動、
喫煙があげられ、健康に満足している者は、ストレスフリーで、十分な睡眠をとり、運動もし、
タバコは以前吸っていたが現在は禁煙している。
≪ストレス≫
≪睡
≪運
≪喫
ストレスを感じてない
満足=62.5% > 不満=20.4%
睡眠を十分にとっている
満足=56.3% > 不満=30.1%
最近1週間の運動日数4日以上
満足=59.4% > 不満=26.0%
現在吸っている
満足= 6.3% < 不満=19.4%
以前吸っていたが禁煙した
満足=40.6% > 不満=24.1%
眠≫
動≫
煙≫
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5.食生活実態(日記調査の結果より)
(1)摂食率
性・年齢による差は、昼食・夕食と比較して朝食でみられ、朝食の摂食率は満 55~64 歳男
性が低く、日曜日・平日とも 80%台半ばにとどまっている。中でも低いのが満 55~64 歳単
身世帯男性の日曜日の朝食(摂食率=73%)。
朝食は食生活力の高いほうが日曜日・平日ともよく食べており、その差は男性で 10 ポイン
ト前後、女性で 5~8 ポイントみられる。
〔摂食率〕
(%)
日曜日
平
日
朝食
昼食
夕食
朝食
昼食
夕食
TOTAL
92.7
95.9
99.1
93.9
97.5
99.8
満 55~64 歳男性
84.5
97.3
100.0
85.5
98.2
99.1
満 65~74 歳男性
95.5
93.6
97.3
96.4
96.4
100.0
満 55~64 歳女性
95.5
97.3
100.0
97.3
99.1
100.0
満 65~74 歳女性
95.5
95.5
99.1
96.4
96.4
100.0
満 55~64 歳男性
73.3
96.7
100.0
83.3
96.7
100.0
満 65~74 歳男性
90.0
90.0
93.3
86.7
90.0
100.0
満 55~64 歳女性
93.3
96.7
100.0
93.3
96.7
100.0
満 65~74 歳女性
93.3
96.7
96.7
93.3
100.0
100.0
食生活力 H(高)/男性
97.8
97.8
100.0
97.8
100.0
100.0
食生活力 L(低)/男性
88.1
96.4
96.4
85.7
95.2
98.8
食生活力 H(高)/女性
100.0
95.7
97.9
100.0
100.0
100.0
食生活力 L(低)/女性
91.8
96.5
100.0
95.3
96.5
100.0
≪単身世帯≫
≪食生活力別≫
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(2)メニュー数
メニュー数は、特に単身世帯男性の日曜日の朝食と、満 65~74 歳単身世帯男性の平日の朝・
昼・夕食で相対的に少ない。
また、日曜日・平日、朝食・昼食・夕食にかかわらず、男女とも食生活力の高いほうが低い
層よりメニュー数は多くみられる。
〔メニュー数〕
日曜日
朝食
平
昼食
朝食
昼食
夕食
平 均
(%)
4品以上
平 均
(%)
4品以上
平 均
(%)
4品以上
平 均
(%)
4品以上
平 均
4品以上
平 均
4品以上
(%)
夕食
日
(%)
TOTAL
59.4
3.7
25.4
2.6
70.1
4.0
58.7
3.7
31.8
2.9
74.9
4.1
満 55~64 歳男性
48.3
3.3
19.0
2.3
66.7
3.9
48.4
3.5
36.0
3.0
75.9
4.1
満 65~74 歳男性
54.9
3.6
27.9
2.5
70.1
4.0
56.8
3.6
30.3
2.8
63.0
3.8
満 55~64 歳女性
58.8
3.7
19.5
2.4
71.5
4.0
63.2
3.7
24.6
2.8
83.6
4.3
満 65~74 歳女性
73.8
4.0
33.4
3.0
71.7
3.9
65.1
3.9
38.0
3.1
76.9
4.1
満 55~64 歳男性
28.6
2.9
25.1
2.3
57.9
3.6
54.2
3.5
40.0
3.4
70.0
3.8
満 65~74 歳男性
36.0
3.0
22.3
2.3
56.0
3.6
38.4
3.1
35.7
2.6
41.7
3.0
満 55~64 歳女性
74.1
3.8
19.0
2.3
65.4
3.9
66.6
3.7
41.7
3.3
76.9
4.1
満 65~74 歳女性
74.0
4.0
34.8
3.0
68.2
3.9
64.2
3.6
36.3
3.0
60.7
3.8
51.2
3.4
35.7
2.9
68.3
4.0
61.4
3.7
46.7
3.3
74.4
4.1
49.3
3.4
16.0
2.1
65.2
3.8
45.7
3.4
22.6
2.6
63.2
3.8
79.5
4.2
37.1
3.0
82.1
4.2
74.5
4.0
47.4
3.2
71.7
4.0
57.1
3.8
21.0
2.6
61.8
3.7
60.5
3.7
27.8
2.8
76.3
4.1
≪単身世帯≫
≪食生活力別≫
食生活力 H(高)
/男性
食生活力 L(低)
/男性
食生活力 H(高)
/女性
食生活力 L(低)
/女性
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(3)具体的メニュー
【朝
食】
日曜日・平日とも「パン」が最も多く、以下上位 10 には「ご飯」
「果物」
「みそ汁」
「サラダ」
「卵(料理)
」「コーヒー」「ヨーグルト」「納豆」
「漬け物」があげられている。
上位 10 以内で日曜日と平日との間に差がみられるのは「サラダ」のみで、平日より日曜日
で多くあげられている。
〔メニュー(朝食)〕
TOTAL
N
396
男 性
女 性
55~64 歳
65~74 歳
55~64 歳
65~74 歳
89
102
102
103
日曜日/朝食
パ ン
53.3 (211)
55.1 (49)
48.0 (49)
67.6 (69)
42.7 (44)
ご 飯
40.2 (159)
41.6 (37)
45.1 (46)
26.5 (27)
47.6 (49)
果 物
32.1 (127)
19.1 (17)
29.4 (30)
42.2 (43)
35.9 (37)
みそ汁
30.3 (120)
29.2 (26)
35.3 (36)
22.5 (23)
34.0 (35)
サラダ
25.8 (102)
18.0 (16)
29.4 (30)
28.4 (29)
26.2 (27)
卵(料理)
21.2
(84)
24.7 (22)
19.6 (20)
20.6 (21)
20.4 (21)
コーヒー
21.0
(83)
18.0 (16)
18.6 (19)
28.4 (29)
18.4 (19)
ヨーグルト
15.9
(63)
(6)
11.8 (12)
26.5 (27)
17.5 (18)
納 豆
14.4
(57)
13.5 (12)
16.7 (17)
9.8 (10)
17.5 (18)
漬け物
14.1
(56)
14.6 (13)
15.7 (16)
8.8
(9)
17.5 (18)
牛 乳
11.9 (47)
12.4 (11)
10.8 (11)
14.7 (15)
9.7 (10)
6.7
焼き魚
5.8
(23)
7.9
(7)
2.9
(3)
3.9
(4)
8.7
煮 物
5.6
(22)
3.4
(3)
2.9
(3)
5.9
(6)
9.7 (10)
ハム・ベーコンエッグ
5.3
(21)
8.9
(8)
1.0
(1)
6.9
(7)
4.9
N
407
91
104
106
(9)
(5)
106
平日/朝食
パ ン
50.6 (206)
45.1 (41)
45.2 (47)
65.1 (69)
46.2 (49)
ご 飯
41.0 (167)
46.2 (42)
50.0 (52)
24.5 (26)
44.3 (47)
みそ汁
34.2 (139)
34.1 (31)
44.2 (46)
17.9 (19)
40.6 (43)
果 物
29.7 (122)
20.9 (19)
24.0 (25)
40.6 (43)
33.0 (35)
卵(料理)
24.8 (101)
34.1 (31)
25.0 (26)
19.8 (21)
21.7 (23)
コーヒー
21.4
(87)
22.0 (20)
16.3 (17)
24.5 (26)
22.6 (24)
サラダ
19.9
(81)
14.3 (13)
19.2 (20)
29.2 (31)
16.0 (17)
ヨーグルト
18.9
(77)
(9)
13.5 (14)
29.2 (31)
21.7 (23)
漬け物
16.2
(66)
15.4 (14)
19.2 (20)
12.3 (13)
17.9 (19)
納 豆
14.3
(58)
12.1 (11)
19.2 (20)
9.4 (10)
16.0 (17)
牛 乳
10.3
(43)
12.1 (11)
12.5 (13)
14.2 (15)
焼き魚
6.1
(25)
6.6
(6)
9.6 (10)
2.8
ハム・ベーコンエッグ
5.7
(23)
4.4
(4)
2.9
(3)
煮 物
4.4
(18)
1.1
(1)
2.9
(3)
9.9
(注)表中数字は%、
(
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3.8
(4)
(3)
6.6
(7)
8.5
(9)
6.6
(7)
5.7
(6)
7.5
(8)
)内数字は回答者人数。
【昼
食】
日曜日は「麺類」、平日は「ご飯」が 1 位(2 位は日曜日「ご飯」、平日「麺類」)
。その他に
多くあげられていたのは「パン」「果物」「サラダ」「みそ汁」「コーヒー」「漬け物」
。
上記 8 メニューの中で日曜日と平日との間に差がみられるのは「麺類」
「ご飯」
「みそ汁」で、
「麺類」は平日より日曜日、「ご飯」「みそ汁」は日曜日より平日で多くあげられている。
〔メニュー(昼食)〕
男 性
TOTAL
N
303
55~64 歳
63
女 性
65~74 歳
55~64 歳
79
77
65~74 歳
84
52.8 (160)
60.3 (38)
55.7 (44)
54.5 (42)
42.9 (36)
ご 飯
35.6 (108)
36.5 (23)
38.0 (30)
40.3 (31)
28.6 (24)
パ ン
16.8
(51)
15.9 (10)
13.9 (11)
11.7
(9)
25.0 (21)
果 物
16.2
(49)
4.8
(3)
15.2 (12)
11.7
(9)
29.8 (25)
サラダ
16.8
(51)
7.9
(5)
17.7 (14)
20.8 (16)
19.0 (16)
漬け物
13.9
(42)
14.3
(9)
10.1
(8)
16.9 (13)
14.3 (12)
みそ汁
9.2
(28)
14.3
(9)
6.3
(5)
7.8
(6)
9.5
(8)
コーヒー
7.6
(23)
4.8
(3)
8.9
(7)
6.5
(5)
9.5
(8)
揚げ物
5.3
(16)
7.9
(5)
1.3
(1)
5.2
(4)
7.1
(6)
煮 物
5.0
(15)
4.8
(3)
3.8
(3)
5.2
(4)
6.0
(5)
卵(料理)
4.6
(14)
6.3
(4)
3.8
(3)
5.2
(4)
3.6
(3)
牛 乳
4.6
(14)
3.2
(2)
3.8
(3)
3.9
(3)
7.1
(6)
日曜日/昼食
麺 類
N
239
25
66
69
79
平日/昼食
ご 飯
46.4 (111)
56.0 (14)
59.1 (39)
44.9 (31)
34.2 (27)
麺 類
34.7
(83)
32.0
(8)
37.9 (25)
31.9 (22)
35.4 (28)
パ ン
21.3
(51)
20.0
(5)
10.6
(7)
18.8 (13)
32.9 (26)
みそ汁
17.2
(41)
24.0
(6)
21.2 (14)
17.4 (12)
11.4 (9)
果 物
16.7
(40)
12.0
(3)
10.6
(7)
14.5 (10)
25.3 (20)
サラダ
16.3
(39)
12.0
(3)
15.2 (10)
11.6 (8)
22.8 (18)
漬け物
15.9
(38)
28.0
(7)
13.6
(9)
13.0
(9)
16.5 (13)
コーヒー
9.6
(23)
8.0
(2)
4.5
(3)
7.2
(5)
16.5 (13)
卵(料理)
8.8
(21)
8.0
(2)
7.6
(5)
8.7
(6)
10.1
(8)
煮 物
8.8
(21)
4.0
(1)
7.6
(5)
10.1
(7)
10.1
(8)
揚げ物
7.1
(17)
8.0
(2)
6.1
(4)
8.7
(6)
6.3
(5)
牛 乳
6.7
(16)
4.0
(1)
1.5
(1)
5.8
(4)
(注)表中の数字は%、(
©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
12.7 (10)
)内数字は回答者人数。
【夕
食】
日曜日・平日とも「ご飯」
「サラダ」
「みそ汁」が上位 3。その他上位 10 以内には「刺身」
「漬
け物」「煮物」「揚げ物」
「焼き魚」「炒め物」「豆腐」があげられている。
上位 10 のメニューの中で日曜日と平日との間に差がみられるのは「刺身」「焼き魚」「炒め
物」で、
「刺身」は平日より日曜日、
「焼き魚」
「炒め物」は日曜日より平日で多くあげられてい
る。
〔メニュー(夕食)〕
TOTAL
N
364
男 性
女 性
55~64 歳
65~74 歳
55~64 歳
65~74 歳
84
97
91
92
ご 飯
82.1 (299)
78.6 (66)
82.5 (80)
79.1 (72)
88.0 (81)
サラダ
33.8 (123)
45.2 (38)
26.8 (26)
37.4 (34)
27.2 (25)
みそ汁
32.4 (118)
25.0 (21)
39.2 (38)
29.7 (27)
34.8 (32)
刺 身
19.5
(74)
27.4 (23)
18.6 (18)
22.0 (20)
10.9 (10)
漬け物
19.2
(70)
21.4 (18)
19.6 (19)
23.1 (21)
13.0 (12)
18.4
(67)
16.7 (14)
11.3 (11)
22.0 (20)
23.9 (22)
15.1
(55)
11.9 (10)
13.4 (13)
16.5 (15)
18.5 (17)
焼き魚
12.1
(44)
9.52
16.5 (16)
炒め物
11.8
(43)
11.9 (10)
豆 腐
11.3
(41)
麺 類
11.0
(40)
吸い物・スープ
9.6
(35)
7.1
(6)
果 物
7.7
(28)
6.0
(5)
煮 魚
6.9
(25)
2.4
(2)
おひたし
6.3
(23)
1.2
(1)
9.3
酢の物
5.5
(20)
3.6
(3)
4.1
日曜日
煮 物
揚げ物
N
395
8.3
(8)
(7)
11.9 (10)
87
(9)
12.0 (11)
11.3 (11)
12.1 (11)
12.0 (11)
12.4 (12)
15.4 (14)
8.7
(8)
(8)
15.4 (14)
8.7
(8)
7.2
(7)
11.0 (10)
5.2
(5)
8.8
(8)
12.4 (12)
2.2
(2)
9.8
(9)
(9)
5.5
(5)
8.7
(8)
(4)
7.7
(7)
6.5
(6)
8.2
9.9
100
104
12.0 (11)
10.9 (10)
104
ご 飯
85.6 (338)
75.9 (66)
85.0 (85)
91.4 (95)
88.5 (92)
みそ汁
38.7 (153)
40.2 (35)
39.0 (39)
38.5 (40)
37.5 (39)
サラダ
32.2 (127)
36.8 (32)
24.0 (24)
35.6 (37)
32.7 (34)
漬け物
22.0
(87)
19.5 (17)
18.0 (18)
25.0 (26)
25.0 (26)
平 日
焼き魚
19.5
(77)
23.0 (20)
21.0 (21)
20.2 (21)
14.4 (15)
炒め物
19.0
(75)
18.4 (16)
16.0 (16)
24.0 (25)
17.3 (18)
煮 物
18.5
(73)
21.0 (21)
24.0 (25)
18.3 (19)
豆 腐
14.2
(56)
18.4 (16)
12.0 (12)
12.5 (13)
14.4 (15)
刺 身
12.2
(48)
13.8 (12)
13.0 (13)
12.5 (13)
9.6 (10)
揚げ物
11.4
(45)
11.0 (11)
12.5 (13)
12.5 (13)
おひたし
10.4
(41)
10.6 (11)
14.4 (15)
麺 類
9.4
(37)
果 物
8.1
(32)
6.9
吸い物・スープ
7.1
(28)
煮 魚
6.3
(25)
酢の物
5.8
(23)
9.2
(8)
9.2
(8)
9.2
(8)
7.0
(7)
12.6 (11)
9.0
(9)
7.7
(8)
(6)
5.0
(5)
6.7
(7)
9.2
(8)
6.0
(6)
8.7
(9)
4.8
(5)
9.2
(8)
4.0
(4)
7.7
(8)
4.8
(5)
3.4
(3)
2.0
(2)
7.7
(8)
9.6 (10)
(注)表中の数字は%、(
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8.6
(9)
13.5 (14)
)内数字は回答者人数。
(4)主
食
具体的に記入してもらったメニューの中から主食だけを取り出してみると、主食として最も
多くあげられているのは、
朝食:日曜日・平日とも「パン類」
昼食:日曜日は「麺類・その他」、平日は「ご飯類」
夕食:日曜日・平日とも「ご飯類」
“主食なし(記入してもらった具体的メニューの中に主食らしきものが見あたらなかった
者)”は、日曜日・平日とも朝食・夕食でそれぞれ 5~6%台。
〔主な主食〕
ご飯類
主食なし
麺・その他
パン類
(%)
日曜日/朝食
39.6
<N=396>
52.3
5.6
2.5
平 日/朝食
40.8
<N=407>
50.1
6.1
2.9
日曜日/昼食
<N=303>
31.4
53.8
13.9
1.0
平 日/昼食
<N=239>
43.5
19.7
34.7
2.1
日曜日/夕食
<N=364>
81.9
6.3
11.3
0.5
平 日/夕食
<N=395>
85.3
5.1
8.6
1.0
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〔主な主食〕
(%)
日曜日/朝食
平日/朝食
パン類
麺類他
な
N
ご飯類
パン類
麺類他
な
39.6
52.3
2.5
5.6
407
40.8
50.1
2.9
6.1
満 55~64 歳男性
89
40.4
53.9
2.2
3.4
91
45.1
45.1
4.4
5.5
満 65~74 歳男性
102
44.1
48.0
2.9
4.9
104
50.0
44.2
3.8
1.9
満 55~64 歳女性
102
26.5
65.7
0.0
7.8
106
24.5
65.1
0.9
9.4
満 65~74 歳女性
103
47.6
41.7
4.9
5.8
106
44.3
45.3
2.8
7.5
日曜日/昼食
し
ご飯類
396
し
N
TOTAL
平日/昼食
パン類
麺類他
な
N
ご飯類
パン類
麺類他
な
31.4
13.9
53.8
1.0
239
43.5
19.7
34.7
2.1
満 55~64 歳男性
63
27.0
12.7
60.3
0.0
25
52.0
16.0
32.0
0.0
満 65~74 歳男性
79
36.7
8.9
53.2
1.3
66
54.5
10.6
34.8
0.0
満 55~64 歳女性
77
35.1
11.7
53.2
0.0
69
43.5
15.9
34.8
5.8
満 65~74 歳女性
84
26.2
21.4
50.0
2.4
79
31.6
31.6
35.4
1.3
日曜日/夕食
し
ご飯類
303
し
N
TOTAL
平日/夕食
パン類
麺類他
な
N
ご飯類
パン類
麺類他
な
81.9
0.5
11.3
6.3
395
85.3
1.0
8.6
5.1
満 55~64 歳男性
84
78.6
0.0
11.9
9.5
87
75.9
1.1
11.5
11.5
満 65~74 歳男性
97
81.4
1.0
8.2
9.3
100
85.0
2.0
7.0
6.0
満 55~64 歳女性
91
79.1
1.1
15.4
4.4
104
90.4
0.0
6.7
2.9
満 65~74 歳女性
92
88.0
0.0
9.8
2.2
104
88.5
1.0
9.6
1.0
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し
ご飯類
364
し
N
TOTAL
(5)手作り率
手作り率が高いのは、日曜日の夕食(女性)と、平日の夕食で、それぞれ 0.8 前後を示して
いる。
反対に、手作り率が低いのは、単身世帯満 65~74 歳男性の平日朝食で、手作り率は 0.49
にとどまっている。
食生活力の高・低別にみると、女性の日曜日の夕食を除くと、食生活力の高いほうが低い層
より手作り率は高い。
〔手作り率〕
日曜日
平
日
朝食
昼食
夕食
朝食
昼食
夕食
TOTAL
0.63
0.64
0.76
0.62
0.63
0.80
満 55~64 歳男性
0.65
0.65
0.71
0.65
0.67
0.78
満 65~74 歳男性
0.61
0.61
0.73
0.60
0.63
0.79
満 55~64 歳女性
0.61
0.65
0.80
0.58
0.63
0.82
満 65~74 歳女性
0.64
0.64
0.81
0.65
0.62
0.79
満 55~64 歳男性・単身
0.58
0.53
0.61
0.62
0.41
0.57
満 65~74 歳男性・単身
0.61
0.66
0.66
0.49
0.67
0.72
満 55~64 歳女性・単身
0.60
0.70
0.76
0.53
0.64
0.77
満 65~74 歳女性・単身
0.63
0.62
0.75
0.64
0.65
0.77
食生活力 H(高)/男性
0.67
0.68
0.74
0.68
0.70
0.81
食生活力 L(低)/男性
0.58
0.61
0.66
0.61
0.66
0.77
食生活力 H(高)/女性
0.70
0.74
0.80
0.65
0.62
0.84
食生活力 L(低)/女性
0.60
0.63
0.80
0.59
0.59
0.79
≪単身世帯≫
≪食生活力別≫
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6.調査結果のまとめ
(1)食生活力
①食生活力が高い層・低い層
食生活力が高いのは満 65~74 歳女性、低いのは単身世帯の満 65~74 歳男性
食生活力が高いのは男性より女性、女性でも満 55~64 歳より満 65~74 歳のほうが高く、特
に夫婦のみ世帯の満 65~74 歳女性が高い。
男性は満 55~64 歳より満 65~74 歳のほうが低く、特に単身世帯の満 65~74 歳男性が低い。
②食生活力が高い人と低い人の差
食生活力が高い人=食に限らず生活全般にわたり活動的で生活を楽しんでいる
(注)%は食生活力高(H)と食生活力低(L)との差
〔食生活に関する意識〕
カルシウムやビタミンを積極的に摂るようにしている(男性+34%、女性+21%)
地域の産物や旬の素材を積極的に使うようにしている(男性+24%、女性+25%)
好き嫌いなくいろいろなものを食べるようにしている(男性+22%、女性+45%)
〔食生活に関する実態〕
できるだけ楽しく食事をしている(男性+45%、女性+37%)
栄養バランスのよい食事をしている(男性+34%、女性+36%)
〔生活行動〕
毎日楽しく過ごしている(男性+34%、女性+38%)
ふだんの 1 日の食事の支度時間(男性:30 分以上+21%、女性:2 時間以上+3%)
1 週間の食事のための買物日数週 4 日以上(男性+19%、女性+19%)
最近1週間に毎日運動をした(男性+12%、女性+9%)
最近1週間に週4日以上外出した(男性+18%、女性+11%)
最近1ヵ月間の外食は 5 回以上(男性+10%、女性+8%)
最近1年間に旅行に行った(男性+19%、女性+3%)
サークルやグループ活動に参加している(男性+6%、女性+6%)
趣味や好きでしていること 2 つ以上回答(男性+21%、女性+22%)
自宅外での動的趣味を回答(男性+20%、女性+8%)
健康診断を毎年定期的に受けている(男性+14%、女性+9%)
食生活力が高い人=朝食をはじめしっかりと食べ、メニュー数も手作りも多い
(注)%は食生活力高(H)と食生活力低(L)との差
〔食生活の実態〕
平日朝食の摂食率(男性+12%、女性+5%)
平日朝食のメニュー数(男性+0.3 品、女性+0.3 品)
平日朝食の手作り率(男性+7%、女性+6%)
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子ども時代の生活が現在の食生活力に結びついている
子ども時代の生活を振り返ってもらった結果、子ども時代の生活が現在の食生活力と密接に
結びついており、食生活力の高い満 65~74 歳女性では満 55~64 歳女性と比較して「食べ物の
生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられた」をはじめとして多くの項目で上回って
いる。
(注)%は満 65~74 歳女性と満 55~64 歳女性との差
〔子ども時代の生活〕
食べ物の生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられた(+27%)
おやつは手作りだった(男性+4%、女性+27%)
食材を生産する現場を見たり体験させられた(+24%)
好き嫌いなくいろいろなものを食べていた/食べさせられた(+20%)
ふだんの日の朝食は親と一緒に食べていた(+16%)
食事中のマナーや行儀を教えられた(+16%)
③食生活力と加齢
男性は体力・気力・知力・社会力の低下とともに食生活力も低下
年齢による衰えをみると、満 55~64 歳・満 65~74 歳の男女とも、10 年前と比較して体力・
気力・知力・社会力はいずれも 60~70 前後(満 65~74 歳は満 55~64 歳を基準とすると 40
前後:100=現状維持)に低下。特に低下が著しいのは、男性では体力、女性では知力と社会力。
一方、食生活力に必要な体力・気力・知力・社会力を満 65~74 歳でみると、男性は 70 前後
~100 といったように年齢による衰えと同レベル近くまで低下しているのに対し、女性は 130
~150 を示し、年齢による衰えを感じさせない結果となっている。
特に、単身世帯男性では年齢による衰え以上に食生活力は低下している。
(年齢による衰え=
62、食生活力=55)
(2)食生活力を構成する 10 の指標、食生活力に必要な 3 つの能力・4 つの力
①10 の指標
共食力・飲食力はあるが、情報力・献立力・演出力・保管力に欠ける
男女ともあり:
共食力(人と一緒に食べることを楽しむ力)
飲食力(食べることそのものや、いろいろな味を楽しむ力)
女性はあり:
片付力(手際よく食事の後片付けができる力)
買物力(素材の良し悪しを見分けられる、買物に行くのが楽しい等の力)
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男女ともなし:
情報力(ふだんの買物や外食をするに際しての商品や店に関する情報を得る力)
献立力(メニューを考えたり工夫する、栄養バランスを考える等の力)
演出力(食器を選んだり料理を盛り付ける力)
保管力(食材の保管を適切にできる力)
。
男性でなし:
買物力(素材の良し悪しを見分けられる、買物に行くのが楽しい等の力)
調理力(下ごしらえの方法を知っている、調理をするのが楽しい等の力)
外食力(外食の際店を選ぶのが楽しい、外食に行くのが楽しみといった力)
片付力(手際よく食事の後片付けができる力)
10 指標すべてにおいて男性より女性が圧倒的に高く、女性でも外食力を除くと満 55~64 歳
より満 65~74 歳のほうが高い。
食生活力が低い男性の単身世帯と夫婦のみ世帯をみると、単身世帯では満 65~74 歳の演出
力と調理力(演出力は満 55~64 歳でも)、夫婦のみ世帯では満 65~74 歳の演出力と外食力、
満 55~64 歳の保管力と情報力が特に低い。
②食生活力に必要な 3 つの能力
男女とも 3 つの能力の中では創造性が低い
3 つの能力すべてにおいて男性より女性が高く、女性でも満 55~64 歳より満 65~74 歳のほ
うが高い。
特に低いのが単身世帯の満 65~74 歳男性の創造性と自己実現能力。
③食生活力に必要な 4 つの力
男女とも 4 つの力の中では知力が低い
前述の 3 つの能力同様、4 つの力すべてにおいて男性より女性が高く、女性でも満 55~64 歳
より満 65~74 歳のほうが高い。
特に低いのが単身世帯の満 65~74 歳男性の気力と社会力。
(3)健康な食生活度(心・食・体の満足度)
①心・食・体の満足度
心・食・体とも単身世帯での満足度が低く、特に単身世帯男性の満足度が低い
〔心(人間関係)満足度〕
男性より女性の満足度が高く、中でも夫婦のみ世帯の満 55~64 歳・満 65~74 歳女性と単身
世帯の満 65~74 歳女性では 90%以上が満足と回答。
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反対に低いのは、単身世帯の満 55~64 歳と満 65~74 歳男性(満足は 60%以下)。
〔食(食生活)満足〕
単身世帯を除くと満足と 75%以上が回答。
単身世帯で満足と回答したのは、女性で 67%、男性で 60%以下。
〔体(健康)満足〕
男性より女性の満足度が高いが、中でも夫婦のみ世帯の満 65~74 歳男女と 2・3 世代世帯の
満 65~74 歳女性では満足と 60%以上が回答。
反対に低いのは、男性単身世帯で、満 55~64 歳・満 65~74 歳とも満足は 40%以下。
心・食・体の満足は、毎日楽しく過ごすことと、ストレスや不安を感じない生活から
心・食・体の満足に共通しているのが、毎日楽しく過ごすこと・ストレスや不安を感じない
ことで、その他に
心(人間関係)満足:楽しく食事をするとともに、人との触れあいや社会参加
食(食生活)満足:誰かと一緒に楽しく食事するとともに、いろいろな野菜を食べる、いろ
いろな味を楽しむ
体(健康)満足:適度な運動(その他に、十分な睡眠と禁煙も)
が心・食・体の満足に寄与している。
②健康な食生活度
食生活力が高い=健康な食生活度も高い
心・食・体の満足度から得られる健康な食生活度と食生活力との関係をみると、食生活力が
高い者ほど健康な食生活を送っている者が多くみられ、男性より女性でその傾向は強くみられ
る。
健全な食生活度 H(高)(食生活力 H-L:男性+21%、女性+40%)
健全な食生活度 L(低)(食生活力 H-L:男性-10%、女性-27%)
単身世帯では男女とも半数前後が健康な食生活を送れていない
単身世帯の満 55~64 歳女性を除くと、単身世帯では男女とも半数以上が健康な食生活度で
L(低)となっている。
(満 55~64 歳単身世帯女性のLは 43%)
反対に健康な食生活度でH(高)が多くみられるのは満 55~64 歳男性と満 65~74 歳女性の
いずれも夫婦のみ世帯で、それぞれHは 30%台。
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(4)生活満足度
①生活満足度
満 55~64 歳単身世帯男性で満足しているのは 37%にとどまっている
現在の生活に満足している者は男性より女性で多くみられ、女性でも満 55~64 歳より満 65
~74 歳のほうが満足しているとの回答が、世帯構成にかかわらず多くみられる。
最も満足度が高いのは夫婦のみ世帯の満 65~74 歳女性で、85%が満足と回答。
②生活満足度と健康な食生活度(心・食・体の満足度)
現在の生活に満足=健康な食生活を送っている(=心・食・体に満足している)
現在の生活に満足している者は、心(人間関係)・食(食生活)に満足とそれぞれ 90%が回
答、体(健康)にも 65%が満足と回答している。
③生活満足度と食生活力
食生活力が低いと現在の生活満足度も低い
食生活力の高いほうが現在の生活に満足している者が多くみられ、食生活力H(高)とL(低)
の差は、男性で 21 ポイント、女性で 17 ポイント。
食生活力H(高い)
:現在の生活に満足
男性=67%、女性=79%
食生活力M(中間)
:現在の生活に満足
男性=69%、女性=74%
食生活力L(低い)
:現在の生活に満足
男性=46%、女性=62%
④生活満足度と経済的・社会的・肉体的満足度
生活満足度に最も影響を及ぼしているのは経済的満足度
生活満足度は経済的満足・社会的満足・肉体的満足に強く関係している。中でも経済的満足
の要因が強く働いている。
現在の生活の満足:経済的に満足=60%、社会的に満足=53%、肉体的に満足=65%
(相関係数:経済的満足度=0.566、社会的満足度=0.509、肉体的満足度=0.415)
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高齢者および高齢者予備軍の食生活を、単に食べるという行為だけではなく、食に関わる一連
の行動で捉え、この一連の行動がどの程度実践できているのかを計るため食生活力という概念を
規定、この食生活力を基軸として高齢者および次期高齢者の食生活を中心とした生活全般をみて
きたが、今回の調査結果からはつぎのようなことが言えそうである。
⑴ 食生活力は心(人間関係)
・食(食生活)
・体(健康)の満足度(健康な食生活度)と関連
しており、食生活力が高いと心(人間関係)
・食(食生活)
・体(健康)の満足度も高い(=
健康な食生活度も高い)。
⑵ 同様に、食生活力は現在の生活満足度にも関連しており、食生活力が高いほど現在の生活
にも満足している。
⑶ 食生活力が高い人ほど、買物や食事の支度といった食にかかわる行動のみでなく、生活全
般にわたり行動的で生活を楽しんでいる。
⑷ 食生活力が高いのは、男性より女性で、特に高いのが満 65~74 歳女性、反対に低いのが
単身世帯の満 65~74 歳男性。
⑸ 食生活力の中身をみると、共食力・飲食力はあるものの、情報力・献立力・演出力・保管
力に欠けている。
また、食生活力に必要な能力では創造性が、食生活力に必要な力では知力が低い。
⑹ 男女とも体力・気力・知力・社会力は加齢とともに低下している。
一方、食生活力をみると、男性は加齢による体力・気力・知力・社会力の低下とともに食
生活力に必要な体力・気力・知力・社会力も低下しているのに対し、女性には加齢による
低下がみられない。
⑺ 対象者が子ども時代に送った生活とのかかわりでみると、食生活力が高い者ほど子ども時
代に親からいろいろ教わっており、子ども時代の生活が大人になってからの食生活力を規定
するとの結果もみられた。
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ストレスフリー、十分な睡
眠、適度な運動、禁煙が肉
体的満足に
生活満足度には経済的
満足度が一番寄与して
いる
肉体的満足
経済的満足
社会的満足
健康な食生活の度合
いが高いほど現在の
生活に満足している
生活満足
健康な食生活
心(人)
食(食生活)
体(健康)
心(人)満足
食(食生活)満足
体(健康)満足
食生活力が高いと
心・食・体の満足度
も高い=健康な食
生活を送っている
食生活力が高いのは
満 65~74 歳の女性、
低いのは満 65 ~ 74
歳単身世帯の男性
食生活力
【10の指標】
情報力
買物力
献立力
調理力
演出力
飲食力
外食力
共食力
保管力
片付力
共食力・飲食力はある
ものの、情報力・献立
力・演出力・保管力に
欠けている
生活実態・行動
≪3つの能力≫
問題解決能力
創造性
自己実現能力
食事の現状(日記)
食生活力が高いほど行
動的で生活を楽しんで
いる
親からの伝承
子ども時代に親からい
ろいろ教わっていた、
きちんとした食生活習
慣を実践していた者ほ
ど食生活力が高い
食生活力が高いほど毎日
の食事をしっかり摂り、
しかもメニュー数が多く
手作り率も高い
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≪4つの力≫
体 力
気 力
知 力
社会力
3つの能力では創造
性が低い
4つの力では体力が
最も高く、知力が最も
低い
年齢要因(加齢)
男性は加齢ととも
に食生活力も低下
第Ⅵ章
食生活力でみる高齢者の食育課題とアプローチ
本項では、まず、消費者調査の結果から仮説を検証し、食生活力の意義を確認する。次に、食
生活力の高い人の食生活とその要因を明らかにする。そして、食生活力の高くない人の実態から
食生活力向上の課題を明らかにして、高齢者の食育アプローチについて考える。
1.食生活力の意義と高齢者食育の方向性
(1)食生活力の意義
高齢者の意識と実態を明確にする消費者調査によると、次のことが明らかになっている。
・食生活力が高い人ほど健康な食生活の度合い(=心・食・体の満足度)が高い。
・健康な食生活が高い(=心・食・体の満足度が高い)人ほど生活満足度も高い。
つまり、食生活力を高めることが、健康な食生活(心・食・体の満足度)につながり、生活満足
の向上につながることが検証されている。このことから、高齢者の食育は、食生活力の現状を手
がかりにして、高齢者食育の課題と方向性を検討することにより、実効性を高めることが可能に
なると考えられる。
図表 6-1:食生活力と健康な食生活、生活満足の関係
肉体的満足
経済的満足
健康な食生活が高い人
ほど生活満足度も高い。
社会的満足
生活満足
健康な食生活
心(人)
食(食生活)
体(健康)
心(人)満足
食(食生活)満足
体(健康)満足
食生活力が高い人ほど
健康な食生活の度合い
が高い。
食生活力
【10の指標】
情報力
買物力
献立力
調理力
演出力
飲食力
外食力
共食力
保管力
片付力
生活実態・行動
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≪3つの能力≫
問題解決能力
創造性
自己実現能力
食事の現状(日記)
≪4つの力≫
体 力
気 力
知 力
社会力
親からの伝承
年齢要因(加齢)
図表 6-2:食生活力と健康な食生活、健康な食生活と生活満足の相関
(%)
健康な食生活
H(高)
M(中)
L(低)
食生活力H(高)/男性
34.8
30.4
34.8
食生活力M(中)/男性
21.1
42.2
36.7
食生活力L(低)/男性
14.3
40.5
45.2
食生活力H(高)/女性
48.9
40.4
10.6
食生活力M(中)/女性
22.7
44.3
33.0
食生活力L(低)/女性
9.4
52.9
37.6
(%)
現在の生活満足度
(非常に満足+まあ満足)
健康な食生活 H(高)
93.9
健康な食生活 M(中)
74.1
健康な食生活 L(低)
35.9
(2)食生活力 10 の指標の実態と方向性
食生活力 10 の指標の実態を消費者調査の結果から要約すると次のようになる。
(図表 6-3 は、
消費者調査の結果から食生活力 10 の指標における男性と女性のスコアを示したものである。)
・10 の指標の中で男女とも相対的に高いのは、「共食力」と「飲食力」である。男性では
「共食力」「飲食力」と食べることに限られるが、女性では、これらに加えて、「片付力」
「買物力」が高い。
・一方、男女とも相対的に低いのは、「情報力」「献立力」「演出力」「保管力」である。
「共食力」と「飲食力」の“食べる”ことが高いことは当然のことであり、これら以外の指標
での底上げが求められる。食生活力を総合的に高めるには、「共食力」「飲食力」と他の指標を
関係づけることによって、日常生活に中で“食べる楽しさ”を鍵にして、
“食材選びを楽しむ”“調
理を楽しむ”など他の食生活力指標に波及させていくことが必要であろう。食生活力の 10 の指標
を総合的に向上させることにより、健康な食生活の実現を目指していくものである。
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図表 6-3:食生活力 10 の指標
(3)食生活力における 3 つの能力・4 つの力の実態と方向性
食生活力における 3 つの能力(問題解決能力、創造性、自己実現能力)と 4 つの力(体力、気
力、知力、社会力)の視点からみていく。
まず、3 つの能力についての実態は、次のようになっている。
《3 つの能力》
・男女とも、3 つの能力(問題解決能力、創造性、自己実現能力)のなかで「創造性」が低
い。
・男女間で比較すると、総じて男性より女性が高く、その差が大きいのは「問題解決能力」
である。
「創造性」とは、“新しいメニューや店を探す”“いろいろな食材を選ぶのが楽しい”“メニ
ューを考えるのが楽しい”“市販の惣菜に一手間加えて利用”“調理器具を使いこなせる”など
である。「創造性」が低い要因は、食に対する積極性の欠如と知識不足にあると考えられる。「創
造性」を高めるには、まずは“食を楽しむ”態度が必要であり、食に対する積極性があれば、知
識の吸収も進むであろう。
また、「問題解決力」とは、“どの店のどの品がよいかを知っている”“鮮度や素材の良し悪
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しが見分けられる”“主食・主菜・副菜の栄養バランスを考えて”“必要に応じて出来上がり惣
菜を利用”“アク抜きや下ごしらえの方法を知っている”“食材の保存方法を知っている”“手
際よく食事の後片付けが出来る”など食材や調理に関する知識がベースになっている。この「問
題解決力」における男女の差は、食に関する経験知の差と見ることが出来る。概して、男性は食
べることが中心で、買物や食事の支度への関与が低い傾向がある。男性の「問題解決力」を高め
るには、高齢者になる前の段階から食のプロセスへの参加を促進し、食に関する経験知を少しで
も高めることが必要であろう。
次に、4 つの力(体力、気力、知力、社会力)については、次のことが明らかになっている。
《4 つの力》
・男女とも、「体力」「社会力」「気力」「知力」の順で高い。
・いずれの指標においても男性より女性が高く、その差がもっとも大きいのは「体力」であ
る。
食生活における「体力」とは、買物、調理、外食に対して楽しんで身体を動かしているかであ
る。「社会力」は、盛り付けや器などの食卓演出を楽しみ、みんなで食べることを楽しむ力であ
る。「気力」は、食材選びや調理、外食の店選びを楽しむ力である。「知力」は、鮮度や素材の
見分け方や調理方法、保存方法を知っているかという力である。
食生活の“基礎体力”である「体力」が最も高く、食が複雑化し食の伝承がなくなった現在にお
いては、「知力」が最も低くなるのは当然のことかもしれない。
高齢者の食生活力向上のために優先されることは、加齢による衰えを最小限にとどめることで
ある。このことから、「体力」の維持がベースになるべきで、買物、調理、外食などの食行動に
対して楽しんで臨み、これをベースに食材選びや食卓演出を楽しむことが課題になるだろう。
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2.食生活力が高い人の実態とその要因
消費者調査結果によると、食生活力が最も高いのは「65~74 歳女性/夫婦のみ世帯」であ
った。この層の食生活の意識・実態と生活行動の特徴から、食生活力が高い要因を明らかにする。
図表 6-4:食生活力が高い人と低い人
高い層
生活満足
健康な食生活
・男性より女性で高い
・65~74歳女性/夫婦のみが最も高い
・55~64歳男性/単身が最も低い
・夫婦のみ世帯で高い
・女性>男性
・単身世帯は低い
・2・3世代世帯は55~64歳男女で低い
・男女とも55~64歳ほど低い
・全体的に満足
・単身世帯(65~74歳男性)
・2・3世代世帯(55~64歳女性)
心
・女性>男性
・女性は夫婦のみ、単身世帯で高い
・2・3世代世帯(55~64歳男性)
体
・女性>男性
・65~74歳女性(単身以外)
・単身世帯(特に55~64歳男性)
食
心・食・体
の満足度
低い層
食生活力
3つの能力と4つの力
・女性>男性
・65~74歳女性/夫婦のみが最も高い
・男性/単身世帯と夫婦のみ
・65~74歳男性/単身が最も低い
・3つの能力では、創造性が低い
・3つの能力は、女性>男性
65~74歳男性/単身:創造性、自己実現
・4つの力は、女性>男性
65~74歳女性/夫婦のみが最も高い ・4つの力では、知力が低い
65~74歳男性/単身:気力、社会力
(1)食生活力が高い人の食生活
この層の食生活の特徴は、次のようなものである。
・あっさりした日本の伝統的な食事メニューが増え、油を使ったものが総じて減少している。
よく食べるようになったものは、「納豆や豆腐・煮豆などの豆類」「煮魚・焼き魚」「野菜
の煮物」など日本の伝統的な食事メニューが多い。また、「生野菜」「果物」もよく食べて
いる。
食べる量や回数が減ったものは、「ポテトチップスなどの菓子類」「インスタントラーメン・
カップ麺」「ハンバーガーなどのファストフード」などのいわゆるジャンクフードである。
「スーパー等で売っている惣菜」も減少している。
・規則正しい生活のなかで、栄養バランスのよい食事をし、人との触れあいのある食生活を実
践している。
食生活力等に対する意識で高いのは、「毎日楽しく過ごす」「栄養バランスのよい食事」
「毎日朝食」「規則正しい生活」「いろいろな野菜を毎日」「楽しく食事」「適正な体重を
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維持」「塩分を控えめ」で、“楽しく、健康に”という意識が強い。実態でも、「毎日朝食」
「いろいろな野菜を毎日」「規則正しい生活」を実践している。
達成率の高いものは、「毎日朝食」に加えて、「肉と魚を同じ程度食べる」「いろいろな
種類の肉を偏らずに食べる」など偏りのないように食べている。調理の面では、「味見をし
てから調味料を使う」「野菜は火を通すなどして量を食べられるように工夫する」などの工
夫が見られる。また、「色々な人と触れ合ったり、社会参加をする」「家族揃って(誰かと
一緒に)食事をする」というように、人との触れあいに対して積極的である。
図表 6-5:食生活力が高い人の食生活
《食生活の実態》 (65~74歳女性の特徴)
「よく食べるようになったもの」
「食べる量や回数が減ったもの」
・納豆や豆腐・煮豆などの豆類
・煮魚・焼き魚
・野菜の煮物
・生野菜
・果物
・日本茶
・牛乳・乳製品
・コーヒー・紅茶
・おひたし
・魚の干物
・ポテトチップスなどの菓子類
・インスタントラーメン・カップ麺
・ハンバーガーなどのファストフード
・スーパー等で売っている惣菜
・ごはん(白米)
《食生活等に関する意識》
・毎日楽しく過ごす(93%)
・栄養バランスのよい食事(90%)
・毎日朝食を(89%)
・規則正しい生活(85%)
・色々な野菜を毎日(85%)
・楽しく食事(83%)
・適正な体重を維持(82%)
・塩分を控えめ(80%)
《食生活等に関する実態》
・毎日朝食(89%)
・色々な野菜を毎日(56%)
・規則正しい生活(52%)
・野菜は火を通すなど工夫(52%)
・欠食しない(51%)
※カッコ内は「できている」人の割合
※カッコ内は「そう思う」人の割合
《食生活等で達成率の高いもの》
(達成率が高く他の層より高いもの)
・毎日朝食を食べる(1.00)
・肉と魚を同じ程度食べる(0.91)
・色々な種類の肉を偏らずに食べる(0.90)
・味見をしてから調味料を使う(0.80)
・野菜は火を通すなどして量を食べられるように工夫する(0.74)
・色々な人と触れ合ったり、社会参加をする(0.74)
・家族揃って(誰かと一緒に)食事をする(0.73)
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(2)食生活力が高い人の生活行動
食生活力が高い人の生活行動を生活行動と意識について見ると、買物や運動の頻度が多く、旅
行に出かける、サークル活動に参加するなど、活動的な生活をしている。
また、子供時代の生活では、「普段の日の朝食は親と一緒」「食事中のマナーや行儀を教えら
れた」「夏休みや春休みの時の昼食は手作り」「好き嫌いなくいろいろなものを食べていた」「食
事の支度や後片付けを手伝っていた」というように親からの伝承のなかで、子供時代からきちん
とした食生活習慣を実践していたことが窺われる。
図表 6-6:食生活力が高い人の生活行動
《生活行動と意識》
(65~74歳女性/夫婦のみ世帯の特徴 旅行・趣味は65~74歳女性)
・ふだんの食事のための買物頻度が最も多い。(1週間に平均5回)
・運動をした日数も多い。(1週間に平均4.1回)
運動の内容は、「散歩・ウォーキング」
・外出は、ほどほど。(1週間に平均3.5回)
・外食は、平均より低い。(1ヶ月に3.3回)
・旅行は、国内の宿泊旅行・日帰り旅行
・スポーツクラブのサークル、俳句やダンスなどのクラブやサークルをはじめ、
地域活動やボランティア活動に参加
《子供時代の生活》 (65~74歳女性)
・ふだんの日の朝食は親と一緒に食べていた
・できるだけ外で遊んだり運動をしていた
・食事中のマナーや行儀を教えられた
・夏休みや春休みの時の昼食は手作りだった
・好き嫌いなくいろいろなものを食べていた/食べさせられた
・食事の支度や後片付けを手伝っていた
・おやつは手作りだった
(3)食生活力が高い要因
以上のことを食生活力が高い要因としてまとめると、次の7つになる。
①子供時代の食生活習慣(親からの伝承)
②日本型食生活を体験して育った世代
③夫婦のみ世帯で時間的・精神的束縛がない/ストレスがない
④運動、外出、旅行、趣味など活動的な生活
⑤規則正しい生活
⑥栄養バランスのよい食事
⑦食を楽しんでいる
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3.食生活力向上の課題
影響要因と考えられる次の 5 つの視点で食生活力を捉えることにより、食生活力向上の課題を
明らかにしていく。
①性・年代と食生活力
②加齢による衰えと食生活力
③生活環境要因と食生活力
④生活行動と食生活力
⑤食生活の実態と食生活力
(1)性・年代と食生活力
食生活力を性・年代別に見ると、図表 6-7 に示すことが明らかになっている。
図表 6-7:性・年代別の食生活力
肉体的満足
経済的満足
社会的満足
生活満足
健康な食生活
心(人)
食(食生活)
体(健康)
心(人)満足
食(食生活)満足
体(健康)満足
・男性が低い。特に65~74歳
男性が低い。
・65~74歳男性が低いのは
、「演出力」「外食力」「調理
力」
「情報力」「片付力」
・55~64歳男性が低いのは
、「保管力」
・55~64歳女性は、65~74
歳女性に比べて低い。
・「演出力」は平均以上だが
、「飲食力」が平均以下
生活実態・行動
・65~74歳男性は「創造性
」と「自己実現能力」で低い
・55~64歳男性は「問題解
決能力」で低い
食生活力
【10の指標】
情報力
買物力
献立力
調理力
演出力
飲食力
外食力
共食力
保管力
片付力
≪3つの能力≫
問題解決能力
創造性
自己実現能力
食事の現状(日記)
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≪4つの力≫
体 力
気 力
知 力
社会力
親からの伝承
・65~74歳男性は「気力」
「知力」「社会力」で低い
・55~64歳男性は「知力」
で低い
年齢要因(加齢)
食生活力 10 の指標については、次のようになっている。
・女性より男性が低い。特に低いのは 65~74 歳男性である。
・男性が低いのは、「演出力」「保管力」「調理力」「片付力」「情報力」である。
・65~74 歳男性は、「演出力」が特に低い。また、「外食力」も低い。
・55~64 歳男性が他の層と比較して特に低いのは、「保管力」である。反対に高いのは、
「共食力」である。
・55~64 歳女性は、65~74 歳女性に比べて低い水準にとどまっている。「演出力」は平均
以上だが、「飲食力」が平均以下にとどまる。
男性の「演出力」の低さは、食卓演出を楽しむことが欠如していることを物語っている。高齢
者男性の食生活力向上のためには、食べるという行為だけでなく、それ以外の食についても楽し
むことを浸透させることが必要である。
一方、55~64 歳女性の「演出力」の高さは、“盛り付け”や“食器・テーブルウエア”へのこだわ
りがうかがわれるが、「飲食力」の低さは、“いろいろな味を楽しんでいる”ことが不足している
実態の現れで、食事メニューの広がりに問題がありそうだ。日頃から食を楽しんでいるこの層に
対しては、メニューバリエーションを拡げることが課題になるだろう。
また、食生活力における 3 つの能力と 4 つの力でみても男性は女性より低くなっているが、世
代によって低い点が異なっている。
・3 つの能力では、65~74 歳男性は「創造性」と「自己実現能力」で低いが、55~64 歳男
性は「問題解決能力」で低い。
・4 つの力では、65~74 歳男性は「気力」「知力」「社会力」で低いが、55~64 歳男性は
「知力」で低い。
65~74 歳男性は、食を楽しむことが不足していることが窺われるのに対して、55~64 歳男性
は、食に関する知識が不足している。65~74 歳男性の食生活力向上の課題は、何よりも食を楽し
むことである。一方、55~64 歳男性は、食のライフヒストリーでみたように、核家族化、洋風化、
外食化などこれまで育ってきた環境要因もあり、食に関する知識不足は否めない。この世代は、
今後高齢化すると、食に関する知識不足による問題が表出してくる可能性が高いと危惧される。
従って、この層における今からの課題は、食べることだけでなく食行動に積極的に関わっていく
ことが求められる。
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(2)加齢による衰えと食生活力
図表 6-8 は、10 年前と比較しての体力・気力・知力・社会力が 50%以下と回答した人の割合
を示したものである。
図表 6-8:10 年前と比較しての体力・気力・知力・社会力が“50%以下”の割合
単位:%
体力
気力
知力
社会力
55~64歳
男性
23.6
18.2
18.2
23.6
65~74歳
男性
30.9
30.9
33.6
44.5
55~64歳
女性
26.4
25.5
31.8
31.8
65~74歳
女性
30.9
24.5
38.2
43.6
・65~74 歳男女の 3 人に 1 人は、「体力」「知力」「社会力」が低下したと感じ、65~74
歳男性は、「気力」も低下、全ての力での低下を感じている。
・4 つの力の中でも「社会力」の低下が著しい。
ここで言う「社会力」とは、周囲の人との協調力である。「社会力」の低下は、現役から引退
することによって、会社などそれまでの組織から離れ、家庭外の社会とのかかわりが希薄化する
ことによるものと考えられる。男性の場合、それまでの生活時間の大半を会社という組織に当て
てきたわけで、それまで帰属していた組織からの離脱は、社会との関わりが消滅したに等しいだ
ろう。一方、女性においても、専業主婦であったとしても子育てなどで、これに関連する人付き
合いがあっただろうが、これが一段落することにより、社会との関わりが希薄化するものと考え
られる。それまでの社会とのかかわりが希薄化する生活環境のなかで、必然的に周囲との協調が
希薄化していくと考えられる。
「社会力」の低下を最小限にとどめるには、高齢者世代の社会とのつながりを再創出する必要
があるだろう。高齢者の社会とのつながりとは、現役時代の組織への参画ではなく、帰属意識や
仲間意識をもてる緩やかな組織に参加することである。具体的には、趣味のサークルへの参加や
何かを学ぶところに通うなどの社会参加で、人との触れあいや新たなつながりの機会を作ること
である。「社会力」を維持することにより、「気力」「知力」への波及効果も期待できるであろ
う。
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(3)生活環境要因と食生活力
単身世帯、夫婦のみ世帯、2・3 世代世帯の生活環境別の食生活力は、次のようになっている。
・食生活力 10 の指標が低いのは、単身世帯男性である。女性は、生活環境の違いに関わら
ず平均以上で高いのに対し、男性は 2・3 世代世帯、夫婦のみ世帯の順で高い。男性は同居
家族が多いほど食生活力が高い傾向が見られ、男性の食が同居家族に依存していることが窺
える。
・単身世帯男性は、「演出力」が際立って低く、「調理力」「保管力」「買物力」「飲食力」
も低い。単身世帯/65~74 歳男性では、これに加えて「外食力」「共食力」「情報力」も
低い。
図表 6-9:生活環境別食生活力
(%)
N
情報力
買物力
献立力
調理力
演出力
飲食力
外食力
共食力
保管力
片付力
TOTAL
440
9.2
28.3
16.7
20.4
14.1
35.9
26.5
53.2
15.2
30.9
単身世帯 計
120
9.2
24.4
18.5
19.4
15.0
32.5
28.3
43.3
12.5
28.3
男性/単身世帯
60
5.8
15.0
13.8
8.9
1.7
19.2
19.2
33.3
6.7
21.7
女性/単身世帯
60
12.5
33.9
23.3
30.0
28.3
45.8
37.5
53.3
18.3
35.0
夫婦のみ世帯 計
160
8.8
29.8
17.0
20.8
15.0
38.4
22.8
53.1
17.5
36.3
男性/夫婦のみ世帯
80
4.4
17.9
9.4
8.8
4.4
28.8
14.4
43.8
3.8
16.3
女性/夫婦のみ世帯
80
13.1
41.7
24.7
32.9
25.6
48.1
31.3
62.5
31.3
56.3
2・3 世代世帯 計
160
9.7
29.6
15.0
21.9
12.5
38.4
28.8
60.6
15.0
27.5
男性/2・3 世代世帯
80
6.3
21.7
8.8
11.3
6.9
41.3
21.9
60.0
8.8
16.3
女性/2・3 世代世帯
80
13.1
37.5
21.3
32.5
18.1
35.6
35.6
61.3
21.3
38.8
単身生活では、一人で食べることが多くなりがちなため、“食べる”ことだけに終始し、食を楽
しむ姿からは程遠い状態になり、栄養バランスも懸念される。反対に、同居家族が多いほど食生
活力が高くなるのは、家族との関わりの中で食生活力が維持されていることを物語っている。単
身世帯の高齢者に求められるのは、一人での食事だけでなく、皆で食べる機会や外食に行く機会
を増やすことによって、食を楽しむ気持ちを醸成していくことであろう。
更にその中で、栄養バランスのよい食事への配慮を浸透させていくことも忘れてはならない。
参考までに 3 つの能力と 4 つの力の現状を見ると、単身男性は、3 つの能力の中では「創造性」
「自己実現能力」、4 つの力ではいずれも低い。
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(4)生活行動と食生活力
食生活力の高い人と低い人の生活行動の違いは、次のように整理される。
・食生活力が高い人ほど、運動日数が多い
・食生活力が高い人ほど、外出日数が多い
・食生活力が高い人ほど、外食頻度が多い
・食生活力が高い人ほど、旅行回数が多い
・食生活力が高い人ほど、参加サークルやグループ活動に参加している
男性は、「ボランティア活動」「スポーツクラブやサークル」
「地域活動やまちづくり活動」
女性は、「スポーツクラブやサークル」「地域活動やまちづくり活動」
・食生活力が高い人ほど、趣味の数が多い
男性は自宅外での趣味でこの傾向が顕著
・食生活力が高い人ほど、喫煙率が低い
食生活力の高い人ほど、活動的な生活を送っており、生活を楽しんでいる姿が浮かび上がる。
生活行動と食は密接に結びついており、実際には次のような行動が考察される。
・日常の運動により健康な体を維持することでおいしく食事ができる。
日常の運動には、散歩や買物に行くなど近隣を歩くことも含まれる。
・外出、旅行時の外食で食を楽しむ。
・趣味、ボランティア活動・サークル活動など人と一緒の活動を通して共食を楽しむ。
活動領域が広がるほど食を楽しむ機会が増えると考えられ、「日常の運動」や「人と一緒の活
動」を推進することが、食生活力によい影響を与えることになる。
(5)食生活の実態と食生活力
食生活力向上の要件を抽出するために、生活習慣や態度、食生活習慣等に対する意識・実態に
ついて、食生活力が高い人と低い人で差が大きい点を確認する。
生活習慣や態度について、食生活力が高い人には次のような特徴がみられる。
・カルシウムやビタミンを積極的に取るようにしている
・地域の産物や旬の素材を積極的に使うようにしている
・好き嫌いなくいろいろなものを食べるようにしている
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・よく噛んで食べるようにしている
・食事は腹八分目にしている
・時間をかけてゆっくり食事をするようにしている
次に、食生活習慣等に対する意識について、食生活力に違いで大きな差がみられた項目は、以
下のようなものである。
《男性》
・食材の調理法や保存法に習熟したい
・健康情報を積極的に取り入れたい
・できるだけ楽しく食事をしたい
・できるだけ規則正しい生活をしたい
・早寝早起きをしたい
・和風、中華、洋風といろいろな料理を取り入れるとよい
《女性》
・和風、中華、洋風といろいろな料理を取り入れるとよい
・お酢や香辛料、香り野菜を十分に取り入れるとよい
・健康情報を積極的に取り入れたい
・いろいろな人と触れあったり、社会参加をしたい
男性は、食材の調理・保存、健康情報への関心が高く、食事を楽しみたいという意識が強い。
女性は、料理のバリエーションや調味料、健康情報への関心が高く、人との触れあいを求めてい
る。男女に共通しているのは、食や健康への関心が高いことである。
さらに、食生活習慣等に対する実態については、次のようになる。いずれも男女共通して食生
活力の違いで大きな差がみられた項目である。
・できるだけ楽しく食事をしている
・毎日楽しく過ごしている
・栄養バランスのよい食事をしている
食生活力が高い人は、生活を楽しみ、楽しんで栄養バランスのよい食事をしている。
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以上をまとめると、食生活力の高い人ほど「食や健康への関心」が高く、「栄養バランスのよ
い食事を楽しんでいる」。このような食生活習慣を浸透させることにより、食生活力を高めるこ
とが実現されることになる。
(6)食生活力向上の課題
図表 6-10 は、5 つの影響要因からみた現状と要因、課題を一覧にしたものである。
図表 6-10:食生活力への影響要因と課題
《影響要因》
①性・年代
《現状》
・男性が低く、
特に低いのは65~74歳男性
・55~ 64歳女性は、
65~74歳女性に比べて低い。
②加齢による衰え ・引退世代での「社会力」の
低下が著しい
③生活環境要因
・単身世帯男性が最も低い
・男性は同居家族が多いほど
食生活力が高い
④生活行動
・食生活力の高い人ほど、
活動的な生活を送り、
生活を楽しんでいる
⑤食生活の実態
《課題》
《要因》
・ 65~74歳男性:
食を楽しむことが不足
・ 55~64歳男性:
知識が不足
・ 55~64歳女性:
食事メニューの広がりに問題
・社会とのつながりの希薄化
・男性の食が同居家族に依存
・活動領域が広がるほど
食を楽しむ機会が増える
食生活力が高い人ほど、
・栄養バランスに気を遣い、積極的に
いろいろなものを正しく食べるようにしている
・食や健康への関心が高い
・生活を楽しみ、楽しんで栄養バランスのよい食事
・食を楽しむことの浸透
・食行動への関わりの推進
・メニュー拡大
・社会参加の促進
・共食機会や外食機会を増やす
・食を楽しむ気持ちの醸成
・栄養バランスのよい食事
・日常の運動や人と一緒の
活動の推進
・食や健康への関心を高める
・栄養バランスのよい食を楽しむ
これらの課題は、意識と行動の側面に分けられ、つぎのように集約される。
《意識面》
・食を楽しむことの浸透、または醸成(高齢者:65~74 歳男性)
・食行動への関わりを推進(次期高齢者:55~64 歳男性)
・食や健康への関心を高める
・栄養バランスのよい食事への心がけ
《行動面》
・「日常の運動」や「人と一緒の活動」の推進
・社会参加を促進
・皆で食べる機会や外食機会を増やす
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活動的な人ほど食生活力も高く、健康な食生活を実践していることは、食生活の実態から明ら
かになっている。従って、高齢者の食生活力を向上させるには、まず行動を起こさせることが先
決であろう。行動を起こすことによって、対人関係の中で食への意識が高まり、食を楽しむこと
が増えると考えられるのである。
4.高齢者の食生活力向上の考え方
これまでみてきた課題に対して、高齢者の食生活力向上を推進する枠組みは、図表 6-11 のよう
に考えることができる。高齢者の食生活力向上のための目的は、ピラミッドの中の 4 つである。
①健康な体を維持する基礎としての栄養バランスのよい食事
②食を楽しむ
③行動する(活動する)
これには、運動や旅行も含まれる
④社会とつながる
これを達成するためには、自分自身で取り組むものと、周囲や社会が支援するものの二つがあ
る。
・「栄養バランスのよい食事」を実現するためには、周囲や社会の啓蒙活動も必要であるが、
自分自身の規則正しい生活と栄養バランスへの配慮が必要である。
・「食事を楽しむ」ことも、周囲や社会からの意識喚起も必要だが、自分への問いかけから
始めなければならない。
・「行動(活動)する」ためには、自身で目標を作り、行動することが求められる。周囲が
すべきことは、買物や運動、趣味などの行動する機会を提案、提供していくことであろう。
・「社会とつながる」ためには、まず自分で趣味を持つことである。あるいは、コミュニテ
ィに積極的に参加することである。周囲には、コミュニティや趣味サークルなどへの参加
の機会を作り、提示していくことが求められる。
高齢者が楽しく健康な食生活を実践するためには、自分の生活を見直し、自分の目標を立てて、
積極的に活動していくことだ。健康な高齢者に対する周囲や社会の支援は、モノの支援よりも、
高齢者が参加するコトを提案していくことにあるだろう。参加するコトを通して、食を楽しむ場
面が創出され、その結果、食生活力が向上していくと考えられる。食は、あらゆる場面で楽しめ
るものであり、食そのものがコミュニケーションでもあるので、コトのなかで有意義なものにな
ると確信している。
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図表 6-11:食生活力向上を推進する枠組み
《自分自身》
《周囲や社会の支援》
・趣味を持つ
・積極的に参加する
社会とつながる
・コミュニティや趣味
サークルなどを提案
・目標を作り、行動する
行動(活動)する
・買物・運動・趣味
の促進
・自分への問いかけ
食事を楽しむ
・規則正しい生活
・栄養バランスに配慮
栄養バランスのよい食事
モノよりコトで推進
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・意識喚起
・「栄養バランスのよい
食事」の啓蒙
第Ⅶ章 高齢者の食育推進への提言
本研究は、今日の高齢者の食の現状と食を取り巻く外的要因と生活要因、及び、心理面に起
因する外的要因を含めて研究したものである。本項では高齢者食育推進の提言の背景を確認し、
高齢者食育を捉える枠組みとしての「食生活力」を向上させるアプローチと提言を述べたい。
1.食生活力向上への提言の背景
我々は、高齢化社会で食育を考える必然性を次のように規定した。
①日本人口の最大ボリュームへの対策を考える
②健康な食生活による予防的対策により、健康寿命を伸ばす
③生活環境の違いによる食生活の違いへの対応を考える
そして、高齢者研究の対象を 55 歳~74 歳とし、次の 2 つの層に分けてみることとした。
①65 歳~74 歳の現在の高齢者について、「日本型食生活体験世代」として捉え、日本の
食文化・食習慣のベンチマークとして健康な食生活の要素を探る。
②55 歳~64 歳の次期高齢者の食文化・食習慣の意識と実態を把握し、予防的食育を考え
る。
高齢者の食栄養特性や運動時間やストレスを見る限り、決定的な問題は見当たらないが、高
齢化で避けて通れないのは、加齢による衰えと生活環境変化である。高齢者の食育を考えるこ
とは、栄養バランスのよい食事に留まるのではなく、加齢と生活環境要因まで含めて考えるこ
とが肝要で、高齢者の食生活に関わる行動をより良いものに変えていく推進活動と位置づけて
いる。この考え方に基づき、次の方向性で捉えている。
①食を起点とした健康な食生活を実現し、生活満足の向上
②「健康な食生活」の実現のための、加齢による衰えと生活要因への対策
③「健康な食生活」を後押しする肉体的な健康状態や人・社会とのつながりまで含めて考
える
このような考えに基づいて、我々は「食生活力」という枠組みを提示した。「食生活力」と
は、食に関わる一連の行動をポジティブに実践する力で、生活環境要因の影響に対してどのよ
うに適応させていくか、という力と規定する。「食生活力」は、食生活の主要な要素から代表
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的に考えられる 10 の指標で構成され、これを健康な食生活に必要な創意工夫の 3 つの能力と
高齢化で衰えるであろう 4 つの力に分解できるようにしたものである。
前の章で、「食生活力」を尺度にして、高齢者と次期高齢者の食生活の意識と実態の詳細が
明らかにされている。その要点は次のようなものである。
①男性の食生活力が低い。特に低いのは、65~74 歳男性。
②引退世代(65~74 歳男女)の「社会力」の低下が顕著
③単身世帯男性の食生活力が低い
④食生活力が高い人ほど、活動的な生活を送り、生活を楽しんでいる。また、楽しんで栄
養バランスのよい食事をしている。
さらに、意識と行動の側面における課題を次のようにまとめている。
《意識面》
・食を楽しむことの浸透、または醸成(高齢者:65~74 歳男性)
・食行動への関わりを推進(次期高齢者:55~64 歳男性)
・食や健康への関心を高める
・栄養バランスのよい食事への心がけ
《行動面》
・「日常の運動」や「人と一緒の活動」の推進
・社会参加を促進
・皆で食べる機会(共食機会)や外食機会を増やす
高齢者の食生活力を向上させるには、様々な生活場面に関わろうとする意識と意欲(気力)が
大切で、さらに、それを支える体力が求められることが、調査によって明確に示された。そし
て、日常の運動や各種活動に参画しようとする行動を起こすことによって、対人関係の中で食
への意識が高まり、食を楽しむことが増えると考えている。従って、食生活力向上のための指
針は、「栄養バランスのよい食事」を基礎にした意識と行動面での指針になる。
①栄養バランスのよい食事(健康な体を維持するための基礎として)
②食を楽しむ
③行動する(活動する)
④社会とつながる
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2.高齢者の食生活力向上への提言
(1)高齢者食育の考え方
財団法人ハイライフ研究所が 2009 年に発表した幼児・児童保有世帯の食育提言は、休日・
催日・記念日を契機とした家庭内での家族一緒の楽しい食事のなかで栄養バランスのよい食事
を実現していくものであった。ここでの具体的な行動は、次のものである。
①「一緒に買物に行こう」
②「旬を楽しむメニューを考えよう(食材を知ろう)」
③「一緒に食事の準備をしよう(食卓の準備を手伝おう)」
④「楽しく一緒に食事をしよう」
⑤「後片付けを手伝おう」
⑥「冷蔵庫にしまうのを手伝おう」
⑦「ゴミ捨てを手伝おう」
⑧「冷蔵庫の片付けは月に一度しよう(手伝おう)」
⑨「冷蔵庫の中からメニューを考えよう(もったいないを考えよう)」
高齢者に向けた食育提言は、幼児・児童保有世帯のものとは決定的に異なる。高齢者の食育
提言は、栄養バランスのよい食事をとることは当然だが、食生活に関する気力・体力・知力・
社会力を含め、食生活に関する問題解決能力、創造性、自己実現能力の向上にまで言及せねば
ならず、単に健康な食への提言にとどまることは出来ない。
そして、高齢者の食に求められるのは、共食力・飲食力をベースとした「買物力」、「片付
け力」の向上と「外食力」、「調理力」を支える「食の情報力」、「献立力」、「演出力」、
「保管力」といった 10 の『食生活力』の実現に向けての提言が求められる。さらに、健康な
食生活を実現する為には、高齢者の「心の満足」、「食生活の満足」、「体力(健康)の満足」
の実現へ向けて複合して取組まねばならず、その背景には、生活満足を支える「経済的満足」、
「肉体的満足(ストレスフリー)」、「社会的満足(脱孤立感)」が求められる。
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図表 7-1:世代別食育アプローチの違い
幼児・児童保有世帯
高齢者
栄養バランスのよい食事
食生活に影響を与える
加齢と生活環境要因
への対応
家庭内での
家族一緒の楽しい食事
食事を楽しむ
家族一緒の食行動提案
行動(活動)提案
“社会とつながる”提案
つまり、高齢者の食育を考えるには、「健康・健全な生活を送れる」生活の質の向上を命題
としながら「健康な生活」を実現し、その為に生きがいのある生活を保障する為の「健康な食
生活」を考える意欲と気力を醸成せねばならない。食べるコトの創造性と問題解決力、そして
食を通じた自己実現力の向上にまで踏み込んだ提言でなければならない。
図表 7-2:高齢者の食育研究の方向性
高齢者の食育を考えることは、「健康な食生活」を考えること。つまり、食を起点とした
「健康な生活」の実現であり、その最終的なゴールは、「生活満足の向上」である。
●外部要因
食を規定する社
会・生活要因への
対応を考える
高齢者食育
健康な食生活
●自己要因
加齢による衰え等
が及ぼす食生活
への影響に対する
対応を考える
健康な生活
豊かな社会
食を通じた人・社会との関係性まで念頭に検討を図る
生活満足の向上=自立した元気で楽しく生きがいのある生活構築
これらの事項を前提に、高齢者の食育の方向性と提言を考えなければならないが、本研究で
は”食生活力 10”を指標のベースと考えている。
食べるコトだけではなく、食に関わる一連の行動を積極的に「関わろう」「活動しよう」「参
画しよう」「取組もう」といった動機付けと、適応力・行動力を醸成してもらう提言が求めら
れる。その起点には、生活環境要因の変化による個人のライフスタイルやライフヒストリーに
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よる現実を踏まえたアプローチ・提言であることが求められるだろう。すなわち、生活の質の
向上に関わろう、楽しもうとするコトの提言と食とを結び付けねばならない。
図表 7-3:高齢者の食育を捉える枠組み:食生活力
●食の複雑化・多様化の中で、生活環境要因に対しいかに適応し食生活を構築していくかと
いう力が必要とされている
●特に高齢者に於いては加齢に伴い体力・知力をはじめとして各種能力が衰える中で、より
よい食生活を構築していく上ではこのような適応力の保持が重要なポイントとなる
食生活力
食べることだけでなく、食にかかわる一連の行動を
ポジティブに実践する力であり、生活環境要因の
影響に対しどのように適応させていくかという力
●広く社会・生活との関係から食を見つめなおしていく上で、さまざまな生活環境要因に
適応し健康な食生活を構築する力を「食生活力」と位置付け、これを軸として現状の
食生活行動の把握・課題の抽出を行い、今後の対応策構築に役立てていく
これらの前提を基に、食生活力向上のために求められることは、大きく 2 つある。
第一は、高齢者及び次期高齢者自らが生活課題としている「自己実現」の方向性を認識し、
特に社会参画・コミュニティ参画行動への提言が必須となる。高齢者には、自らが参画する活
動のなかで”食べるコト”が喚起される状態が求められる。この過程の中で、”食生活力 10”の創
意工夫の 3 つの能力の側面において、食を楽しもうとする「創造性」と「問題解決力」が醸成
されなければならないし、高齢化で衰えるであろう 4 つの力のなかでも、食卓や外食を演出す
る「社会力」が醸成されることにつながる。
一方、次期高齢者に求められることは、”食生活力 10”の指標の適応力強化に向けて、将来の
高齢化に備えて今のうちから食行動に積極的に関わり、気力の醸成と刺激の継続が求められる。
現状では「共食力」「飲食力」が高い一方で、「保管力」の低さが指摘されており、「買物」「調理」「演
出」といった食行動全体への参画により、鮮度や素材の良し悪しが見分けられ、「問題解決力」
や栄養バランスやメニューを考える「知力」が醸成されてくる。そして、”食生活力 10”の指標に
向けた適応力の強化と積極的に取組む意識と意欲の醸成が求められる。
第二は、社会やコミュニティの支援である。高齢者及び次期高齢者は、国や行政のみならず
様々な社会やコミュニティでの支援を知り、体験・参画することになると想定される。従って、
高齢者を取り巻く様々な社会やコミュニティは、高齢者自らがそれらの活動内容を実感・体感・
継続参画できる環境づくりを行なう必要がある。様々な支援制度や機構・機能や知識について、
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未だに充分な認知・理解が成されているとは言い難い。コミュニティ機構を高齢者が利用し、
実感・体感できる環境づくりによって、高齢者の生活観の中で、「生活満足」と共に「心・体・
食」の満足を醸成することを提言せねばならない。
図 7-4 は、この考え方をまとめたものである。「Inside Out」の感性と行動力は、自らの意
識と意欲の中から生まれてくるもので、これを醸成する為に「Outside In」のアプローチが必
要であると考えられる。そして、我々は、栄養バランスの良い食事の提言は当然のこととし、
その為に求められる生活満足の支援から始まる「心・体・食」の満足をも視野に入れた、生活
そのものの質を高める為の”食生活力 10”の適応力向上の為の提言を試みなければならないと
考えている。
図 7-4:「食生活力を醸成する Inside Out・Outside In の概念」
片付力
共食力
外食力
の指標」
保管力
「
食生活
情報力
10
買物力
献立力
調理力
演出力
飲食力
「Inside Out」
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「Outside In」
(2)生活領域アプローチ
今日の高齢者及び次期高齢者に共通しているのは、戦後の貧しい時代を共有してきたことで
ある。1945 年から 50 年代の食は、貧しいながらも伝統的な日本型食生活であり、家族揃って
食事をし、家族形態の中での生活倫理観を持たせられていた。しかし、50 年代の所得倍増計画
による家電商品の普及は生活の便利さを求めたものである。生活の「充足時代」を経て、また、
経済成長は地方生活者の都市部への移動と定住を促進、さらに 70 年代の食生活の欧米化も年
齢は違えども共通の価値観として実感・体感してきている。つまり、生活の便利さを追求する
ことと、生活の「充足」は共通の認識であると言えよう。
従って、現在の高齢者はモノの無い時代を知っている世代であり、モノの充足による生活の
便利さと欧米化による食生活の変革を共有化してきた世代と言える。
1980 年に入り、高度経済成長が終焉すると、時代は生活の質の「充実」の時代へと突入する。
その世代の価値観は個人化社会であり、今日の高齢者と次期高齢者には違いが見えてくる。す
でに、住宅を持ち、充実した家族形成を成し遂げ、安定した生活と社会的役割の先導者として
の現高齢者と、これから家族形成を充実させようとする次期高齢者とのライフスタイルには大
きな変化が見られる。
現在の高齢者は欧米化の食スタイルに取り込まれつつも、伝統的な食生活体系も併せ持った
食のライフスタイルを維持してきた。しかし、次期高齢者は 70 年代から始まった洋風化の生
活を家族形成すると同時に、伝統的食生活をともすれば回避してきた世代とも言える。
そのことが「現高齢者の食生活力のあるヒト」との差異となっているとも言える。特に、食
生活力の中では「情報力」「献立力」「調理力」「保管力」の差となって表われてきており、
その点からも、高齢者をベンチマークとして考えなければならない意味と意義が見出せる。
しかしながら、80 年代は高齢者も次期高齢者も「生活の質の充実」を求めた時代であり、個
人の価値観にも多様化が生じ、生活領域の多次元化の時代とも言われた。いわゆる「成熟社会」
の開花であり、ライフスタイルの多様化・多次元化と言われた。つまり、両世代とも、この時
代の牽引者として生活を営んできたのである。
価値観の多様化と生活領域の多次元化は、表裏一体の関係にある。また、それは生活時間消
費の多様性も示すものである。一般に生活の質の充実に生活者が向かうと、家庭や職場の生活
だけに時間消費するのではなく、個人の生活領域を「一人だけの生活」や「街とのふれあい生
活」等、次元の異なる様々な生活に向けた時間消費を図り、生活時間を配分しようとする。そ
して、個人の価値観によって関わり方や過ごし方が異なってくる。このことを生活領域の多次
元化と生活価値観の多様化と呼んでいる。
これらの多様な生活領域と時間を消費しようとする「コト」と、使われる「モノ」との関わ
り――「コト×モノ」との関わり――を”生活シーン”と呼んでいる。生活の質の充実は、こ
の多様な生活シーンとの関わり方にある。
高齢者と次期高齢者は、成熟社会の進化の中で、この生活領域の多次元化と時間消費を実感・
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体感してきた世代と言える。多様な生活領域との関わりは、食の関心よりコトの参画への関心
を強め、食は「より便利で簡単に」の色合いを強め、これらに対応する食の様々な業態が出現
し、現在に至っている。例えば、コンビニエンスストアや多くのファミリーレストラン及び居
酒屋等の外食産業の進化、スーパーマーケットの食材一括購入業態や惣菜店の進化などが、そ
れに該当しよう。
当然、食も簡単・便利の傾向にあり、調理手順の簡便化や調理済み食品の利用が促進されて
いる。80 年代から始まったこれらの事象は、高齢者や次期高齢者の中にも入り込み、定着し、
特に次期高齢者は多次元な生活領域に関与しながら食の簡便化を享受してきたと言える。いつ
しか伝統的な日本の食文化は、現状の”食生活力 10”の指針の中でも「共食力」と「飲食力」の
みが突出して高くなり、食に対する「情報力」「献立力」「保管力」「調理力」「買物力」等
が希薄な食生活を歩んできた。
現高齢者が現役時代までは継続されてきた多次元な生活領域との関わりは、リタイアし、体
力の低下が見られるにしたがって薄まるが、多次元な生活領域と関わる傾向は強く残っている。
しかし、問題は食との関わりにあまり関心が持たれなくなることで、高齢者の中でも単身者と
なったり、夫婦が別々の行動をとることが多くなったり、体力が落ち込んできたりすると、よ
り多次元な生活領域との関わりの低下は一層強まってきているように思われる。
ところで、現高齢者も次期高齢者も男女間で「買物力」、「調理力」、「片付け力」等に大
きな格差が見られる。この要因は、彼らの夫婦生活の中で”男性は外で仕事、家事は専業主婦の
女性の役割”といった、多くの家庭で見受けられた男女役割区分に影響されたものと見られる。
女性の社会進出が、結果として、女性の食生活力の向上にもつながっているとも言える。
食生活力での歴然とした男女間の格差は、次期高齢者と位置付けた 55 歳~64 歳までの男女
においても特に顕著である。それは、男性がまだ現職にあり、仕事中心で成り立っていること
によるもので、「飲食力」、「共食力」は高いが、他の食生活力は低い。逆に、女性は「外食
力」が高く、「保管力」と「情報力」で現高齢者より低くなっている。つまり、次期高齢者の
女性は、生活領域が家庭だけではなく、外で様々な領域の活動に参画していることに起因して
いるからだろう。
以上のことを踏まえて、以下に挙げる 7 つの生活領域に合わせた高齢者の食生活力向上を提
言していくべきであると考えている。この生活領域アプローチは、高齢者の生活領域を拡大し、
社会参画を推進していくための道筋であり、次期高齢者が引退世代へ移行した後にも適用でき
ると考える。
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図 7-5:食生活力に影響を与える 7 つの生活領域
図 7-5 に示したように、「個の生活領域」は、”一人でいる時”あるいは”一人で○○したい”、
といった自閉的な生活領域である。「家族・夫婦の生活領域」は、一般的な家族体系の生活で
ある。「仕事・職域・社会参画での生活領域」は、時間を拘束され、規範を求められる生活で
ある。高齢者の生活領域は、現役からの引退により、この「仕事・職域・社会参画での生活領
域」が「仕事以外の社会参画での生活領域」に変わる。また、時間のゆとりができることによ
り、以下の生活領域へと拡がっていく可能性も高くなる。
①「ヒトとの縁の生活領域」は、
古くからの友人や知人、また趣味やサークル活動で得た知人との生活である。
②「近隣・地域での生活領域」は、
近所や地域のヒトや機関との関わりの中での生活である。
③「都市・街での生活領域」は、
ハレの場面や街に出かけたりする都市空間との生活である。
④「自然・旅行等での生活領域」は、
自然とのふれあいや旅行で地方の文化に接触する生活である。
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これら 7 つの生活領域拡大への高齢者の積極性と参画意欲を醸成していくことが、高齢者の
食生活力を向上させることにつながると考えられる。食は各生活領域のなかで必然的に存在し、
意味や価値を持っているので、生活領域が拡大すれば、食生活力も向上する。高齢者の生活領
域の拡大と関与は、食を楽しむことにつながり、食の「問題解決力」、「創造力」、「自己実
現能力」を高めることになる。同時に、「体力」、「気力」、「知力」、「社会力」の 4 つの
力を醸成することにもつながる。従って、高齢者の生活領域の拡大を優先し、それぞれの生活
領域の中で”食べるコト”を提言していくことが重要だと考えている。
高齢者の生活領域の拡大に向けての提言は、高齢者の社会とのつながりの醸成であり、ひい
ては高齢者の食育の最終的なゴールである「生活満足の向上」にもつながる。生活領域拡大の
ためには、高齢者自身が「時間消費の在り方」を認識し、より充実した時間構成を考慮する必
要がある。
「時間消費の在り方」とは「行動スケジュール」の立て方である。現役から引退した現在の
高齢者は、時間のゆとりがある反面、拘束から解放されているために、どれだけ自身で行動ス
ケジュールを管理しているのかには疑問が残る。また、次期高齢者も男性は現役であり仕事中
心に陥りがちで、他の生活領域への拡がりや関わりが希薄になっていると予想される。高齢者
及び次期高齢者の「時間消費ノウハウの確立」は、自らが自創者(一人での生活の質の向上と自
己実現を楽しむヒト)や、共創者(一人ではなくコミュニティに参画し、一人で出来ないコトを
誰かと共に実行しようとするヒト)として積極的に自己実現に向けて社会の中での役割を確立
することになり、これが社会とのつながりや、生活満足につながるのである。
“食べるコト”の提言とは、栄養バランスやそれぞれの生活領域での規則正しい生活、あるい
は、これらの生活領域に向けての参画と楽しみ方の提言であり、そこに食の意味と意義と、更
に楽しむコトの意義を実感・体感させていくことである。これは、単なるメニュー提案や旬の
食材といった食べるモノの提言ではなく、例えば、それぞれの生活領域におけるメニューや旬
の食材を知るコト、買うコト、献立を考えるコト、調理するコト、食べる演出をするコト、共
に食べるコト、保管するコト、食事の後片付けをするコト等に向けての提言である。これを高
齢者の食の行動スケジュールにおける生活領域とのかかわりとして、具体的に提言しなければ
ならない。食の行動スケジュールとは、誰と食べるか、一人で何をどう楽しく食べるか、旬は
何か、購入場所や調理方法を何処で知ればよいか、どんな食の演出をするか、誰と共有するか、
片付けをどうするか、余ったモノの保存はどうするか等について、生活領域ごとに計画を立て
ることである。
高齢者と次期高齢者が食の行動スケジュールとして認識した上で、それを考え、実行し、参
画、実感・体感する試みが確立出来れば、食生活力の向上へとつながるだろう。
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行動スケジュールの提言の考え方は図表7-6 のようになる。
図表 7-6:食生活力を推進するための行動スケジュール喚起マトリクス
目標・行動
週 次 、月 次 の行 動 スケジュールを考 える、
立てるコトで規則正しい生活を送れるという
コトに向けた意識の喚起
活動・意識の喚起
身体を動かして、参画する場と、コミュニティ
参画に向けた意識の喚起
上手な時間消費の生活の仕方と仕組みを
提言する
国・地域・企業を含めた生活支援サポート
を認知・理解し、実感・体感・参画をする
コミュニティを知り、理解し・参画する
楽しさを時間消費として実感・体感する
社会とつながる
個人の生活で PC やツールを活用し、コミュニティで
知識・見識を得る・参画する
家族でするコトの知識・見識、外出先の知識・見識
を得る・参画する
職場・社会との接点で知識・見識を得る・参画する
身近な人と接 するコトから知 識・見 識を得 る・参画
する
人との接触から情報・活動の知識・見識を得る・参
画する
都市・街・旅行・文化の知識・見識を得る・参画す
る
自然との関わりの知識・見識を得る・参画する
(個人として、家族として社会とつながる為の実感・体
感の提言と活動支援が求められる)
食事を楽しむ意識の喚起
日 常 の規 則 正 しい食 事 と、運 動 ・外 出 を
社会とのつながり、活動の中で”食べるコト”を知る
知る・行動する
自ら ”食べるコト”の参画で何ができるのか、何をしよう
何処で何を買えるのかを知る・行動する
と意識するのかを知る
旬の食材を買う・食べる・料理するコトを知
料理教室・料理サークルへの参画を知り、生活の一
る・行動する
部と考える
片付け・保管の仕方・ゴミの捨て方を知る
旬と産地を知る
一人でも楽しい食事の仕方や、家族とのス
地域と食文化に興味を持ち、知る
トレスのない食事を知る・行動する
身体によい、楽しむ食の演出を知る
便利・経済性の上手な食事を知る・行動
“食べるコト”とヒトの係り方を知る
する
身体の健康と食べ物、栄養バランスを考えた食事を
時間消費と”食べるコト”の楽しさのノウハウ
知る
を知る・行動する
時間消費の活動の中での食べる場面と場所を知る
ヒトの為に作る楽しみ・食メニューを知る・行
日常の生活における小さな(ささやかな)ハレと、仲間
動する
とのハレの活動と食を知る
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(3)参画するコトを提案していく必要性
現役から引退した高齢者が何かに参画するのは、”社会とのつながり”を求めていることに他
ならないが、その最終目的は、自身が社会からの承認を得るためであると考えられる。
その道筋となる参画する”コト”は大きく次の 3 つになるだろう。
①自分を磨くコト
そば打ちに没頭する等、自らの趣味の世界で技術を磨いて、自分自身を向上させる。
自分の可能性を広げるために、最初はそば打ち教室などへ通って学習する。そして、
技術習得後は率先して他の人に教えるようになり、周囲との交流が盛んになっていく。
高齢者が求めていることの一つは、自分を磨くコトであり、この延長線上に人との共
感や共有がある。
②人と共有・共感するコト
高齢者世代の母と娘が一緒に楽しむことが多い。母娘旅行は、互いの時間を共有し、
感動を共有するためである。彼女らの日常のショッピングやちょっとした外出も、互
いのコミュニケーションの時間を持つことことにつながっている。母と娘に限らず、
友達同士での旅行も同じで、人と何かを共感や共有するコトといえる。中高年のトレ
ッキングや山登りといったアウトドア人気が高まっている。最初は一人で参加する人
がほとんどだが、旅行中に意気投合し登山仲間になるケースが少なくないようだ。ま
た、最近のカメラブームもこれと同じで、最初は個人の趣味で始まったものが同じ趣
味を持つ人同士でよい景色を求めて撮影旅行に出かけるというように、人の広がりや
行動の広がりにつながっているといえる。現役から引退した世代にとっての人とのか
かわりは、楽しい時間を共有するという意味深いものなのである。この場合の人間関
係には、親子、同じ趣味を持つ人同士、地域の人など様々な形が想定される。
③社会に貢献するコト
ボランティアに限らず、地域や人のためになるコトである。自分の経験を社会に役
立てたいという想いから、カルチャー教室で教える人もみられる。いつまでも社会の
構成員であり続けられるコトを求めている。
高齢者のモチベーションを喚起するのは、自身が楽しめ、自己実現につながる可能性のある
コトなのである。食生活力の向上のために外部がすべきことは、高齢者の参画するコトに対す
るマインドを触発し、積極的な参加を喚起することである。高齢者がコトに参画すれば、人と
のかかわりのなかで、自身の”食べるコト”への意識も必然的に高まっていくと思われる。参画
すべきコトの提言と支援が最優先され、参画するコトの中で食行動を楽しむことへのサポート
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が求められる。
食生活力の向上は、「情報力」と「心も体も健やかである飲食力」から始まるが、参画する
コトのなかで、参画するコトと食とを関連づけることにより、楽しい食とは何かを意識させ、
食の行動に結びつける知識と情報を提供していくことである。
参画するコトと食の関わりの例には、次のような例が挙げられる。
“趣味の「つり」に出かける時に何を食べようか”
“今日、街に出かけて○○さんと合う時に何を食べようか”
“地域のイベントでは何を食べよう”
“旅行先で何を知り、何を食べようか”
“たまには夫婦で、家族と○○をして、何を食べようか”
“今日は仕事・社会や地域のイベントに参画するが、何を食べようか”
さらに、自らが体験を通して得た知識を他のヒトに教える・伝える場の提供までを提言でき
てこそ、食生活力のある高齢者社会が築けると言えるのだろう。
参画するコトの提言は、高齢者のみならず、次期高齢者の生活領域を拡大していく上でも必
要である。次期高齢者も“社会とのつながり”という点での意識は同じであると考えられるか
らである。さらに、次期高齢者への提言は、「趣味を持とう」などの来るべき引退世代に向け
て、仕事以外の生活領域での“社会とのつながり”に向けた意識を醸成していくことが大切で
ある。
外部がすべきことは、「社会とつながる生活領域の提案」から始まり、「楽しく活動、行動
する場の提供」があり、さらに「得た知識・見識を伝えられる場の提供」をし、その時に「食
事を楽しむ為の自己への問いかけの場や、実感・体感するコトの提案」、そして「自らが規則
正しい生活の中で、体力・気力を保ち、栄養バランスの摂れたメニューや食材、惣菜を選び、
食べる楽しさを感受する提言」といった一連のステップとしてまとめることができる。
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図 7-7:食生活力提言のステップ
社会とのつながる場の
提言サポート
一人で
家族と夫婦と
地域・職場で
出かけよう、参画しようとする
意識の醸成
親しい友人・知人と
近隣や地域のヒトと
街に出かけて
自然との共感の中で
日頃から動こうとする
体力・気力の醸成
出かけたら食に関わるコトを考える
意識の醸成
食の知識・見識を得ようとする
意識の醸成
食材・演出・旬、保存・保管方法、片付け方などを
何処で知り得て、何処で買えばよいのか、何処で
外食するのかを、知ることへの
行動力の醸成と場の提供
食で知り得たコト・実行できるコトを
教える場と行動のチャンスの提供
自らが日常生活の中で食を楽しみ、
栄養バランスの良い生活と食を摂るコトへのサポート
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●参加型生活カレンダー
季節
月
二十四節気(季節の区分)
遠運
足動
会
児童福祉週間
★衣夏
漬替野
物え菜
作
り
梅
雨
入
り
男女共同参画週間
小
暑
半★お
夏七盆
生夕
祭
り
大
暑
土
用
丑
の
日
梅行
雨楽
明
夏
休
み
全国安全週間
立
秋
処
暑
菊
の
節
句
旧
盆
・
帰
省
夏水 ス
祭菓 タ
り子ミ
ナ
重
陽
夏
休
み
水の週間
敬
老
の
日
秋
分
秋
の十
彼五
岸夜
新残夏秋秋秋
学暑バ祭の雨
期 テり味
覚
老人週間
秋祭り
秋の収穫体験
敬老の日のイベント
に参加
月見団子・おはぎ作
り
★新米を食べる
たけのこ狩ツアーは 千鳥が淵以外に桜 茶摘体験フェスタへ 新鮮ならっきょうを 各地で開催される七 お盆の帰省、納涼 お米の専門店を探
あるだろうか
の名所は何処だろう 参加してみよう
産地からお取り寄せ 夕祭りに出かけます 大会も開催されるよ してみよう
か
ようか
うだ
★お花見に行く
ハイキング・山登り
季節
春野菜の収穫
運動会に参加する
鯉のぼり祭り
★お茶摘み体験
いちご狩り
あじさい・あやめ祭
り
さくらんぼ狩り
しいたけ狩り
★梅酒・らっきょう
作り
★七夕祭り
夏祭り
鵜飼の季節
ブルーベリー狩り
タコ料理
うなぎ料理
夏祭り
★納涼大会
花火大会・屋形船
もも狩り
お墓参り
寒
霜
露
降
体秋 孫
育土十の
の用三日
日 夜
立
冬
七
五
三
冬 寒
1月
12月
大
雪
号木冬
枯の
ら味
し覚
1
防冬
寒野
菜
薬と健康の週間
秋の全国火災予防運動
人権週間
防災とボランティア週間
生活習慣病予防習慣
菊人形を見に行こう
りんご狩り
★まつたけ狩り
孫の日
紅葉狩り
七五三のお祝い
イルミネーション
みかん狩り
★新そばを体験
★ゆず湯に入る
ケーキ料理教室
おせち料理セミナー
除夜の鐘・カウント
ダウン
初日の出を見に行
こう
駅伝の応援に行こう
★七草粥・鏡開き
★節分会に参加
梅見に出かけよう
椿祭り
スイーツ料理教室
衣
替
え
遠
足
運
動
会
紅
葉
狩
冬
至
ク
リ
ス
マ
ス
大
晦
日
ゆ冬年
ず休越
湯み し
小
大
寒
寒
元三若七鏡成冬
旦日葉草開人土
と の粥 き の用
ろ節
日
ろ句
2月
小
雪
勤
労
感
謝
の
日
新
学
期
験セ
ン
タ
立
雨
春
水
★ デバ
節
レ
分
ン
タ
イ
ン
ー
春の交通安全週間
涼
味
夏
至
父入
の梅
日
11月
ー
G
・
W
芒
種
秋 涼
10月
9月
)
コトの与件
山菜取りに行く
★たけのこ狩り
町内のひな祭りに
参加
新
学
期
小
満
母
の
日
8月
(
立
夏
★こ端
八ど午
十もの
八の節
夜日句
春
土
用
卒春花
新
業休見 入入
式み
園学
春の全国火災予防運動
買物力
穀
雨
夏 暑
7月
6月
)
春
野
菜
週間
情報力
清
明
5月
(
与件(キーワード)
啓
春
蟄
分
ひ桃ホ春
なのワの
祭節 イ 彼
り句ト岸
デ
春 暖
4月
ー
行 事
(雑 節)
3月
春
一
番
梅
見
試
近頃流行りのそば
打ち教室に初参加
ゆず湯のスーパー 春の七草って何だっ 様々なお寺で行な
銭湯を探してみよう け
われる節分会、今年
は何処のお寺にしよ
うか
帰りに鶏肉と油揚げ 菜の花用にからし和 新茶を楽しむための 梅酒作りの為に、青 豪華な七夕飾りを見 子どもも好きなうな 産地にこだわった新 一年に一度の贅沢 二つの美味しさを味 冬至だからかぼちゃ スーパーで七草セッ 今年の酢飯はこだ
を買おう
えの素を買おう
茶器を買おう
梅とリカーを買って 物した後は、屋台め ぎの長焼きを買おう 米を買いました
を味わう
わう為に、生わさび を買って帰ります
トを購入
わりの「寿司酢」を
きました
ぐりも楽しみだ
と辛味大根を購入
買ってみました
献立力
取ったたけのこでた 花見のお弁当は旬 お茶の若葉を使っ 夏バテ予防にカレー 蒸し暑い夜だから、 とても簡単だけど
けのこご飯を作ろう の菜の花を入れよう て、天ぷらも美味し ライスを食べよう
さっぱり素麺にしよ ちょっぴり豪華なう
か
い
う
なぎのちらし寿司
調理力
油揚げは湯通しし 菜の花は茹でた後 たっぷりの茶葉を
らっきょうのみじん
て、小口切りから千 に水に入れアク抜き じっくり抽出、深い味 切りを添えて
切に
をする
わいだ
採れたてのみょうが 炊き上がったご飯は 新米の水加減は控 洗わずに、湿らせた 生わさびは、専用の 鍋に皮のほうを下に 七草をまな板の上
をみじん切り
熱いうちに合わせ酢 えめに
布巾で全体をふくだ 鮫皮おろし板を使う してかぼちゃをなら でこまかくたたきな
を混ぜて冷ます
け
とさらに美味しい
べ、弱火で煮る
がら切る
ご飯を炊くときは通
常の水加減より寿
司酢の分量減らす
たけのこの皮にお
刺身のせて
七夕の天の川を見 大き目の器に盛って
立てて飾りました
彩り良く飾りつけ
節分の恵方巻きは
「太巻き祭り寿司」で
彩ります
演出力
保存力
新茶の色鮮やかな
緑を引き立たせる茶
器で初夏の香りを演
出
天敵は「湿度・熱・ 冷暗所もしくは、冷
光・臭気」、お茶缶で 蔵庫で保存
密閉
取ったたけのこは濡
れた新聞紙にくるん
で
お弁当箱は持ち帰
り便利な紙ッパック
片付け力
湿気が少なく風通し
の良い場所に保存
します
お茶がらを乾燥させ
て脱臭剤に、冷蔵庫
や下駄箱へ
炊き立ての新米と秋 松茸ご飯と松茸の
あじで美味しく食べ 土瓶蒸し
よう
そば湯も忘れずに
冬至に南瓜は、粘 弱った胃腸を休める 祭り寿司にチャレン
膜や皮膚の抵抗力 ために七草粥を食 ジ
を強くします
べよう
炊きたての松茸ご 打ちたての新そば
飯に土瓶蒸しの香り に、生わさび本来の
が豪華
香りと辛味を味わう
土鍋で米を炊く
新米の保存は冷暗 濡れ布巾などで包 生わさびは濡らした 軽く茹で小分けして 土鍋の裏の湿気は
所、もしくは冷蔵庫 み、さらに新聞紙で キッチンペーパーに 冷凍庫へ、次の料 割れのもと、鍋裏は
が基本
包んで冷蔵庫へ
包んで野菜室で
理にそのまま使える 極力洗わない
使用後は、水分をよ
く拭き取り、直射日
光を避けて陰干し
鮫皮おろしはサッと
水洗いし、日陰干し
に
豆まき殻付ピーナッ
ツにしておこう
青果
じゃがいも、ピーマン、キャベツ、人参、玉ねぎ、そら豆、レタス、
きゅうり、かぶ、わけぎ、たけのこ、ふきのとう、うど、
たらの芽、わらび、らっきょう
いちご、オレンジ、アボガド、いよかん、あまなつみかん、
はっさく、レモン、マンゴー、パパイヤ、キウイ
トマト、インゲン、アスパラ、レタス、かぼちゃ、きゅうり、
らっきょう、梅、なす、とうもろこし、ししとう、しろうり、
にがうり(ゴーヤ)、山芋、しょうが、枝豆、とうがらし、みょうが、
夏みかん、びわ、もも、すもも、あんず、すいか、メロン、パイン
秋なす、ブロッコリー、かんしょ、里芋、大根、ごぼう、れんこん、
白菜、ほうれん草、ねぎ、松茸、しいたけ
りんご、みかん、梨、ぶどう、柿、栗、ぎんなん、ゆず、だいだい
ねぎ、かんしょ、ブロッコリー、大根、ごぼう、れんこん、
白菜、ねぎ、メキャベツ、里芋、やつがしら、菜の花
ゆず、だいだい、ほうれん草、せり、あさつき
みかん、りんご、ポンカン、いよかん
魚介
まかれい、ま鯛、いわし、あさり、にしん、あじ、
初かつお,さわら、はまぐり、あさり、さざえ、ほたて貝、
ほっき貝、つぶ貝
かれい、あじ、初かつお、いか、たこ、あなご、うなぎ、はも、
どじょう、しゃこ、きす、すずき、めばる、銀さけ、ぐち、しじみ、
あわび、あおやぎ
戻りかつお、さんま、さば、いぼだい、かわはぎ、白さけ、
かます、ぼら、しばえび、わたりがに、いぼだい、かわはぎ、
さば、ひらめ、ぼら、かき、いくら、あんこう
ぶり、はまち、むろあじ、あおりいか、いせえび、
ずわいがに、ふぐ、あんこう、ほたて、
かき、とこぶし、なまこ
飾り言葉
桜たい
桜さわら
にしんにたけのこ
初かつお
青葉かつお
六月のキス
苗代のあじ
麦わらたこ
祭りはも
土用しじみ
どじょうとごぼう
土用の内のすずき
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- 162 -
戻りかつお
秋さば
秋かます
秋あじ(白さけ)
霜月のあんこう
寒ぶり
寒ぼら
節分いわし
3.まとめ
(1)高齢者、次期高齢者の食生活力の格差を知り、提言する重要性
本調査結果でも明らかなように、現高齢者と次期高齢者とでは、食生活力の実像と意識
の中に大きな格差が生じている。世代の格差は、前項までに詳しく述べたのでここでは総
論的に述べる。
男性と女性を比較すると、明らかに女性の食生活力は高い。当然の結果と言えようが、
この世代の女性は専業主婦として存在した時代が長く、また、パートタイマーを含め、社
会参画の先駆者とも言える。食生活力に含まれる全ての要素で男性を上回っているのは、
当然の結果で、男性は、職場一筋の生活行動をしてきた事により、飲食の実感・体感が職
場の人間をはじめとする他人との「共食力」のみに偏り、他の力は低い状態にある。
従って、食生活力向上へ向けての全体の提言アプローチの方向性としては、女性・男性
とを区分して提言するか、または、男女でのコラボレーションによる相乗効果をもたらす
提言が求められているといえる。特に、次期高齢者は現在も現役世代であり、時間消費と
食生活力とを結び付ける知識や見識を実感・体感させる場の提案が求められている。
そ し て 、65 歳 以 上 の 高 齢 者 の 中 で も 、女 性 に と っ て は 食 生 活 力 を よ り 延 ば し 、健 康 な 食
生 活 を よ り 一 層 向 上 さ せ 、持 続 さ せ る チ ャ ン ス で あ り 、提 言 効 果 が 高 い 。し か し 、65 歳 以
上の高齢単身男性の食生活力は悲劇的な状況にあり、この世代のこれまでの生活プロセス
を考えれば当然のことと捉えられる。
今日、高齢者の単身世帯は増加の一途を辿っており、彼らの社会参画への提言と食生活
力の向上への提言は、今日の日本にとって最重要な課題と言える。そして、現在の次期高
齢者がこの先、高齢者になり、単身世帯となった時にはより悲惨な状況となることは、こ
の 世 代 が 「 保 管 力 」 「飲 食 力 」「 演 出 力 」 「 購 買 力 」 が 総 じ て 低 く 、 食 事 も 惣 菜 等 の 出 来 合
いで済ませていることからも予見される。さらに、この世代の男性は、夫婦世帯において
も現役は仕事中心の生活であるが故に「飲食力」「外食力」「共食力」を除く全ての食生
活力が乏しく、高齢者になった時点での食生活力の欠如が危ぶまれる。
上記の事項は、本研究の目的において現在の高齢者をモデルとして、次期高齢者を俯瞰
することも前提としている為導き出されている。私たちが食生活力提言の実効性を拡大し
ていく為には、現在の高齢単身者のみならず、単身及び夫婦世帯における仕事中心の次期
高齢者の男性に対する食生活力向上の提言が必要であると思われる。
特に、「買物力」「情報力」「献立力」「調理力」「演出力」「保存力」「片付力」と
いった、多くの食生活力要項についての提言とアプローチが求められる。高齢者への意識
付けから行動喚起に向けては、彼らの生活領域で食との関係性を喚起することが必要とな
- 163 ©財団法人ハイライフ研究所 http://www.hilife.or.jp
ろうが、何よりも優先すべきは、高齢者のコトへの参画意識を喚起し、生活領域を拡大す
ることである。
これまで、様々な食育提言が成されてきたが、多くの提言は「食べるモノ」にのみ焦点
を 当 て て き た 。し か し 、高 齢 者 の 食 育 提 言 は 、「 食 べ る モ ノ 」か ら 始 ま る の で は な く 、「 コ
ト」の提案を通し自らが行ない、自らが参画する、といった意欲・気力を醸成し、それら
の「 コ ト と 食 」と の 関 わ り の 中 で 食 へ の「 知 識 」や「 情 報 力 」を 得 て 、“ 食 を 楽 し む ”“ 食
の 技 を 習 得 し 、 社 会 や コ ミ ュ ニ テ ィ に 関 わ る ” と す る 「気 力 」「 体 力 」 「 知 力 」 「 社 会 力 」
を醸成し、食に向けた認識・意識を持たせることが求められる。
本調査研究の提言の具体的アプローチとしては、例えば、旬や食に関わる技能の習得に
向 け た 提 言 と 提 案 (例 :そ ば 打 ち 技 能 と 新 そ ば 、 漬 物 作 り と 旬 野 菜 、 ケ ー キ 作 り と 旬 の 果 実 ・
地 元 の 卵 や 牛 乳 な ど 地 産 地 消 に 向 け た 意 識 作 り の 醸 成 ) を 併 せ 、手 作 り 料 理 教 室 等 の 企 画 や 参
画する場の提案も複合して行なうといった展開もあるだろう。さらに、その延長線上で技
能習得者には地元の学校での企画や、祭りなど地域イベントへのボランティア参加の案
内・提 案 を 行 な い 生 活 内 で の 継 続 し た 食 生 活 力 強 化 に つ な げ る と い っ た 展 開 も 考 え ら れ る 。
ただし、今回の提言にあるような、食生活総体からの高齢者への食育提言と次期高齢者
への対応として高齢者をベンチマークとして捉えるといったことが実施された事例はこれ
までにあまり例がない。今後の試みで、更なる具体的アプローチと提言を模索したい。
(2)ベンチマークとしての日本型食生活体験世代の食生活
本研究の目的には、「日本型食生活体験世代」を日本の食文化・食習慣のベンチマーク
と し て 捉 え 、健 康 な 食 生 活 の 要 素 を 探 る こ と も 含 ま れ て い る 。消 費 者 調 査 の 結 果 に よ る と 、
食 生 活 力 が 最 も 高 い の は 65~ 74 歳 女 性 で 、 こ の 層 の 食 生 活 習 慣 や 実 態 を 整 理 し て お く 。
《食生活習慣や態度について》
・夜遅くには食べないようにしている
・好き嫌いなく、いろいろなものを食べるようにしている
・缶コーヒーやジュース類はなるべく飲まないようにしている
・間食は控えるようにしている
・休養を十分に取るようにしている
・食事は腹八分目にしている
・よく噛んで食べるようにしている
・気分転換をしていやなことは忘れるようにしている
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・カルシウムやビタミンを積極的に摂るようにしている
・時間をかけてゆっくり食事をするようにしている
・地域の産物や旬の素材を積極的に食べるようにしている
・固いものも食べるようにしている
《食事についての実態》
・毎日朝食を食べている
・栄養バランスのよい食事をしている
・カロリーをとり過ぎないようにしている
・塩分を控えめにしている
・3 食のバランスをよくとり、欠食はしない
・食欲がない時はおかずを先に食べ、ご飯は残している
・油脂類の摂取が不足しないようにしている
・動物性たんぱく質を十分摂取している
・肉と魚を同じ程度食べている
・いろいろな種類の肉を偏らずに食べている
・ 牛 乳 を 毎 日 200ml 以 上 飲 ん で い る
・緑黄色野菜や根菜など色々な野菜を毎日食べている
・野菜は火を通すなどして量を食べられるよう工夫している
・味見をしてから調味料を使っている
・お酢や香辛料、香り野菜を十分に取り入れている
・和風、中華、洋風と色々な料理を取り入れている
・食材の調理法や保存法に習熟している
・健康情報を積極的に取り入れている
・会食の機会を豊富につくっている
・できるだけ楽しく食事をしている
《摂食状況とメニュー》
・ 朝 食 、 昼 食 、 夕 食 の 摂 食 率 が 95% 以 上
・毎食のメニュー数は「4 品以上」
・朝食と夕食は「ご飯」に「みそ汁」、昼食は「パン」
《子ども時代の生活》
・好き嫌いなくいろいろなものを食べていた
・食事の支度や後片付けを手伝っていた
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・食べ物の生産者や食事を作る人に対する感謝の心を教えられた
・食材を生産する現場を見たり体験させられた
以 上 に 見 る 65~ 74 歳 女 性 の ベ ン チ マ ー ク と す べ き 食 生 活 習 慣 や 実 態 を ま と め る と 、 次
のようになる。
・子ども時代に食行動に参加し、食に関する知識を習得
・間食や夜食を控え、朝食・昼食・夕食の食事時間にきちんと食事を摂る
・食事は、時間をかけてよく噛んで腹八分目
・ご飯にみそ汁を基本に、肉魚野菜をバランスよく摂る
・会食機会をつくり積極的に食事を楽しむ
これらは、日本の食文化・食習慣のベンチマークとしての健康な食生活の要素であり、
次期高齢者の食生活に今後さらに求められる事項である。また、これからの高齢者に向け
ての食育において、特に推進していかなければならない要素でもある。
日本人の健康な食生活の要素を今後どのようにして伝承していくか、または現代の生活
のなかでどのように定着させていくべきかを考え、推進していかなければならない。
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