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m065038
空港別就航便数の分析
提出年月: 2010 年 1 月 27 日
学部:
経営情報学部
指導教員:
草薙信照教授
学籍番号:
M065038
クラス:
4 年 61 組
氏名:
山崎陽平
はじめに ............................................................................................................................. 1
研究方法 ............................................................................................................................. 1
第1章
日本の空港と航空会社の現状 ............................................................................... 2
1-1
日本の空港について ............................................................................................... 2
1-2
日本国内の航空会社について ................................................................................. 4
1-2-1
航空会社の現状................................................................................................ 4
1-2-2 大手 2 社の比較 ............................................................................................... 5
第2章
就航便数の分析 .................................................................................................... 6
2-1 空港別就航便数 ...................................................................................................... 6
2-1-1 全就航便数 ....................................................................................................... 6
2-1-2 JAL 便数.......................................................................................................... 8
2-1-3 ANA 便数 ........................................................................................................ 9
2-2 国内旅行の行動者率との比較 ............................................................................... 10
2-3 幹線の各航空会社別座席利用率 ............................................................................11
2-3-1 幹線とは .........................................................................................................11
2-3-2 東京国際空港(羽田空港)発着便 ...................................................................... 12
2-3-3 大阪国際空港発着便 ...................................................................................... 13
2-3-4 関西国際空港発着便 ...................................................................................... 13
2-3-5 幹線の座席利用率で見る JAL と ANA .......................................................... 14
第3章
結果と考察 ......................................................................................................... 15
あとがき ........................................................................................................................... 16
参考文献 ........................................................................................................................... 17
付録
空港別・会社別就航便数(10 月分) ......................................................................... 18
空港別就航便数の分析
はじめに
2009 年 9 月下旬、JAL のずさんな経営による問題が、浮き彫りになった。経営再建のため、
路線削減や一日の就航本数削減などが検討されている。そういった航空業界の現状の中で、自分
自身は旅客機を今まで数えるほどしか利用したことが無く、ほとんど興味も無い。しかし、JAL
やこの航空業界には一体どんな問題が潜んでいるのか、という部分に興味を惹かれ、この航空分
野に関するデータを調べてみることにした。
今回は航空の中でも国内の空港と航空会社、その就航便について考察した。
研究方法
まず、日本国内における空港のデータを収集する。集めるデータとして、各空港のホームペー
ジから航空会社別の 1 日当たりの、国内の旅客機の発着数を調べる。次に、国土交通省のホーム
ページから公表されている航空輸送統計年報を参考にして、乗客数、座席利用率などを調べて、
ArcMap を利用してマップ化する。そこから得たデータを元に、分析していく。
1
空港別就航便数の分析
第1章
日本の空港と航空会社の現状
1-1 日本の空港について
現在日本には、飛行場を含め 97 ヶ所の空港がある。その中で国内便が就航中の空港は、81 ヶ
所ある。今回はこの中の空港からデータを収集し、分析する。下記のマップは実際の空港の場所
と、都道府県別に空港があるか、無いかを色分けしたものである。京都府、埼玉県、神奈川県等、
比較的人口の多い府県に空港が無いのは、東京、大阪、名古屋に対して、アクセスしやすい場所
であるからと言える。(図 2,3 参照)
礼文空港
利尻空港
紋別空港
女満別空港
旭川空港 弟子屈空港
札幌飛行場(丘珠空港)釧路空港
新千歳空港帯広空港
凡例
奥尻空港
函館空港
Airport2007_TB点
青森空港
三沢飛行場
大館能代空港
空港のある都道府県
空港のない都道府県
秋田空港
花巻空港
庄内空港
山形空港
仙台空港
佐渡空港
新潟空港
能登空港
福島空港
隠岐空港
富山空港
福井空港 松本空港
百里飛行場
出雲空港
調布飛行場
鳥取空港
美保飛行場
成田国際空港
名古屋飛行場
石見空港
対馬空港
静岡空港
神戸空港
広島空港
岡南飛行場高松空港 八尾空港
大島空港新島空港
壱岐空港
徳島飛行場
三宅島空港
福岡空港
大分空港 高知空港 南紀白浜空港
神津島空港
上五島空港
長崎空港
福江空港
八丈島空港
天草飛行場熊本空港
鹿児島空港宮崎空港
枕崎飛行場
屋久島空港
奄美空港
喜界空港
徳之島空港
沖永良部空港
与論空港
粟国空港
慶良間空港那覇空港
北大東空港南大東空港
下地島空港宮古空港
石垣空港
波照間空港
図 1
2
日本国内の空港
空港別就航便数の分析
百里飛行場
成田国際空港
大阪国際空港
調布飛行場
神戸空港
東京国際空港
八尾空港
関西国際空港
徳島飛行場
凡例
Airport2007_TB点
新幹線_路線
大島空港
列車全線_路線
空港のある都道府県
南紀白浜空港
空港のない都道府県
新島空港
図2
大阪府周辺の空港と列車、新幹線路線
図3
東京と周辺の空港と列車、新幹線路線図
国内における空港数は戦後
全空港数
から常に増加している。近年
120
100
70
80
46
60
40
20
13
76
78
82
90
94
97
は若干の増加だが、現在では
97 ヶ所と、各都道府県に 2 ヶ
57
所ずつ空港を置いておける計
算になる。しかし、実際の分
23
布としては、離島の多い沖縄
0
県や東京都、面積の広い北海
道に集中している。
全空港数
図 4
1955 年以降の日本国内の空港総数
3
空港別就航便数の分析
1-2
日本国内の航空会社について
1-2-1
航空会社の現状
今現在、国内線定期便を運航している航空会社は 12 社(グループ会社を含めると 20 社)存在す
る。主に日本航空グループ、全日空グループ、スカイマーク等の新興航空会社、その他のコミュ
ーター航空会社の4つに分類することができる。図4のカッコの会社は国際線のみ運行している。
表 1、表 2 にあるように、売り上げ、グループの規模等の面で、JAL、ANA の 2 社が航空会社の
中でも圧倒的な位置にあることが分かる。2 社の年代別の詳細データは 1-2-2 で示す。
日本航空グループ
日本航空インターナショナル
日本トランスオーシャン
JALエクスプレス
日本エアコミューター
ジェイエア
北海道システム
琉球エアコミューター
(JALウェイズ)
新興航空会社
スカイマーク
北海道国際航空
スカイネットアジア
スターフライヤー
表 1
全日本空輸グループ
全日本空輸
エアーニッポンネットワーク
エアーセントラル
(エアーニッポン)
(エアージャパン)
その他コミューター航空会社
オリエンタルブリッジ
天草エアライン
アイベックスエアラインズ
フジドリームエアラインズ
新中央航空
東方航空
日本国内の国内線を運航している航空会社
売上高
(百万円)
社名
日本航空
全日空
スカイマーク
北海道国際航空
スカイネットアジア航空
スターフライヤー
表 2
1,951,158
1,392,581
42,316
32,149
22,634
17,594
経常利益
従業員数
(百万円)
(人)
(△は赤字)
△82,177
47,526
91
33,045
△2,389
1,049
719
703
148
504
93
400
平成 20 年の日本国内の主要航空会社詳細データ
4
空港別就航便数の分析
1-2-2
大手 2 社の比較
下の図から読み取れるように、過去 5 年間の事業収益は JAL,ANA 共に金額に差はあるものの、
06~07 年頃までの増加傾向から 08 年に減少に転じている。その一方、営業利益で見た際には、
ANA の安定的利益の推移に対して(2008 年はサブプライムローン問題が発生している)、JAL は
赤字、黒字を繰り返す、不安定な経営となっている。また JAL は過去 5 年間、人件費の増加した
年には必ず赤字になっており、人件費の高騰が経営を圧迫させている1つの要因であることが分
かる。
2,500,000
80,000
2,000,000
40,000
(
0
500,000
‐80,000
)
‐120,000
0
2004
2005
JAL
図 5
2006
ANA
2007
JAL
2008
ANA
JAL と ANA の事業収益と営業利益
300,000
50,000
250,000
従 40,000
業
人
員
数 30,000
200,000
20,000
100,000
10,000
50,000
)
150,000
0
0
2004
2005
JAL
2006
ANA
2007
JAL
2008
ANA
JAL と ANA の従業員数と人件費(2005 年はデータ無し)
5
百 人
万 件
円 費
)
60,000
(
350,000
(
70,000
図 6
営
百
業
万
利
円
益
)
‐40,000
(
1,500,000
百 事
万 業
円 収
益 1,000,000
空港別就航便数の分析
第2章
2-1
就航便数の分析
空港別就航便数
ここでは、各空港別に 1 日(10 月 1 日~31 日の時刻表を利用)に運航している旅客機の便数(国内
線のみ)を分析する。
次の表は各空港のホームページから得た各航空会社の 1 日当たりの就航便の総数である。
JALグループ ANAグループ 新興航空会社 その他 合計
905
870
166
78
2019
表 3
2-1-1
各航空会社の 1 日の総便数
全就航便数
全体の地図を見てみるとやはり JAL と ANA の赤と青のグラフが目立つ。JAL が発着している
空港は 87 空港中 52 空港、ANA が発着しているのが 51 空港と殆ど差は無い。割合を含めた円グ
ラフを用いて表した場合、JAL が東北と沖縄周辺の島々、ANA が沖縄を除く西日本と伊豆諸島
北海道北部の割合が多い。
新興航空会社は、北海道国際航空のある北海道地区、スカイネットアジア航空のある九州地区、
スカイマークとスターフライヤーは羽田空港から、関西や福岡等の他の都市圏を結んでいる便が
多い。その他コミューター航空会社の特徴としては、伊豆諸島や福岡県や長崎県の周辺の島など、
旅行のためという需要は少ないと思われるが、移動手段として航空機が必要不可欠な場所を、そ
の他コミューターの各航空会社がカバーするように飛んでいることが分かる (図 7 参照)。
6
空港別就航便数の分析
0
1 3
1
15
14
126
1
5
4
15
22
12
Airport2007_TB点
16
JAL合計
7
4
ANA合計
7
0 20
新興航空会社
2
その他合計
0
17 6
2
2
7
39
152
6
37
8
20
36
3
4
12
21
14
7
3
4
47
12
22
476
78
22 0
170
11
24
6
04 3
53 3
5
80 47
4
鳥取空港
5
145
0
5
0
7
0136
4
12
岡山空港
00
3
0
0
170
大阪国際空港
22
神戸空港
2 018
0
八尾空港
53
関西国際空港
12
高松空港
3
南紀白浜空港
図 7
一日当たり空港別就航便数
7
空港別就航便数の分析
2-1-2
JAL 便数
東京、大阪などの都市圏から、本数は少ないものの九州、北海道まで全国に分布していること
が分かる。ただ日本海側に、就航便数のゼロ空港が目立つ。就航便数の多い空港は上から順に東
京国際空港(羽田空港)の 186 便、大阪国際空港(伊丹空港)の 90 便、福岡空港の 72 便、那覇空港
の 69 便、新千歳空港の 57 便となっており、日本国内の都市間の移動から北海道、沖縄まで問題
なく行えることが分かる。
0 0
0
0
5
57
凡例
1
9
Airport2007_TB点
JAL合計
12
0
10
1 - 15
0
16 - 30
0
31 - 60
0
61 - 186
0
0 72
0
8 0 15
10
3
0
17 0
3
0
0
3
0
186 7
0
7
8
6
19
90
178 0
22
4
3
9
5
145
5
7
0
0
4
00
3
0
0
2 013
図 8
0
0
0 0
0
54 19
0
69
7
8
JAL の 1 日の就航便数
8
7
15
6
0
5
11
空港別就航便数の分析
2-1-3
ANA 便数
JAL と同じく、都市圏に集中しているという点は変わらない。沖縄地方周辺に関してゼロが目
立つ。本数の多い便は上から東京国際空港の 216 便、大阪国際空港の 72 便、福岡空港 65 便、那
覇空港の 59 便、中部国際空港の 56 便となっており、本州の都市間を繋ぐ便が強いことが分かる。
羽田空港における ANA 便の就航便数 216 便は 1 日当たりの便数としては日本国内で最も多い。
しかし、就航便数上位の空港の実際の便数は、ほぼ(中部国際空港を除く)JAL よりも少なく、JAL
比べた場合、東京へ集中している、つまり、東京からどこかへ出かけるときの選択肢は ANA の
方が多いということが分かる。
01 3
1
6
4
凡例
45
Airport2007_TB点
0
11
ANA合計
0
0
1 - 15
4
16 - 30
0 25
0 10
61 - 216
2
0
2
4
0 65
14
4
5
10
6
11
9
7
0
06
0
216 13
4
5
6
17
13
72
338 0
56
2
3
0
00
0
0
0
0
0
59
00
0
0
0
0 05
図 9
1
0
0 1
0
12
22 20
0
0
4
31 - 60
ANA の 1 日の就航便数
9
4
0
4
空港別就航便数の分析
2-2
国内旅行の行動者率との比較
国内旅行の行動者率とは、観光旅行、
帰省、出張で 1 泊 2 日以上の旅行を
行っている人数と、10 歳以上の人口
との比のことである。
この行動者率と、一日当たりの就航
便数を比較したマップを図 10 に示す。
行動者率の高い都道府県(又は近隣に)
に本数の多い空港があることが分かる。
ただし、沖縄のみ国内旅行行動者率が
全国で最下位の 36.2 パーセントであ
るにも関わらず、多くの就航便を出
していることが分かる。これは沖縄県
が観光地として、確立されている点、
また、沖縄本島以外の離島からの移動
するための交通機関が限られていると
いう点が挙げられる。
凡例
Airport2007
全部の合計
0 - 10
11 - 25
26 - 80
81 - 170
171 - 476
都道府県
国内旅行行動者率
36.20 - 50.00
50.01 - 55.00
55.01 - 60.00
60.01 - 65.00
65.01 - 72.40
図 10
全国国内旅行の行動者率と 1 日の就航便数の総数
10
空港別就航便数の分析
2-3
幹線の各航空会社別座席利用率
2-3-1
幹線とは
日本国内において、以下の空港を基幹空港と呼び、基幹空港同士を結ぶ便を幹線と呼ぶ。
・東京地区…東京国際空港、成田国際空港
・大阪地区…大阪国際空港、関西国際空港、神戸空港
・北海道地区…新千歳空港
・福岡地区…福岡空港
・沖縄地区…那覇空港
2009 年 11 月現在の幹線は下表の通りである。
発
着
空港名
北海道地区 東京地区
新千歳
大阪地区
福岡地区 沖縄地区
東京国際 成田国際 大阪国際 関西国際
神戸
福岡
那覇
北海道
新千歳
-
○
○
○
○
○
○
×
東京
東京国際
○
-
×
○
○
○
○
○
成田国際
○
×
-
○
×
×
○
○
大阪国際
○
○
○
-
×
×
○
○
関西国際
○
○
×
×
-
×
○
○
神戸
○
○
×
×
×
-
×
○
福岡
福岡
○
○
○
○
○
×
-
○
沖縄
那覇
×
○
○
○
○
○
○
-
大阪
表 4
日本の幹線
なお、座席利用率とは国土交通省より毎年発表されている、航空輸送統計調査の中の指標の一
つで、〔人キロメートル÷座席キロメートル〕によって求められる。
11
空港別就航便数の分析
2-3-2
東京国際空港(羽田空港)発着便
羽田を発着している幹線のすべて路線で JAL が ANA を上回る結果となった。特に羽田-関西空
港間は JAL が 64.1%に対して、ANA が 53.1%と 11%もの差がある。しかし、上にあるように、
羽田空港における一日当たりの便数が最も多いのは ANA であり、幹線以外の路線もカバーして
いることがうかがえる。
また、以下いずれの座席利用率を使った指標において、「その他」の座席利用率の割合が大きい
のは、利用者の多い幹線等に就航便を集中させているスカイマークを筆頭として、大手 2 社以外
の航空会社が、一定地域や路線に絞った運賃やサービスを行っていることが要因となっている。
新千歳空港
成田国際空港
東京国際空港
大阪国際空港
関西国際空港
福岡空港
凡例
Airport2007_TB点
35
日本航空
全日空
その他
那覇空港
図 11
羽田空港発着便における各社の座席利用率
12
空港別就航便数の分析
2-3-3
大阪国際空港(伊丹空港)発着便
大阪国際空港から発着する 5 便のうち、福岡空港行きを
新千歳空港
除く 4 便で JAL が座席利用率で上回っている。その他の路線
を含めると、5 便中 3 便が 2 社を上回っている。
大阪発着便の特徴としては、幹線の中でも平均の乗客率が
最も高いことが言える。
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
路線名(その他除く)
JAL 大阪-新千歳
JAL 大阪-那覇
JAL 成田-大阪
ANA 大阪-新千歳
ANA 成田-大阪
ANA 大阪-福岡
JAL 羽田-那覇
JAL 大阪-福岡
ANA 羽田-那覇
ANA 成田-那覇
利用率(%)
79.4
75.5
75.4
75.2
73.1
72.8
71.1
71.1
70
69.8
成田国際空港
東京国際空港
大阪国際空港
関西国際空港
福岡空港
凡例
Airport2007_TB点
35
日本航空
全日空
その他
那覇空港
表5
JAL と ANA の幹線上位 10 路線
図 12
2-3-4
大阪国際空港発着便における座席利用率
関西国際空港発着便
新千歳空港
関西国際空港を発着する 4 便中、こちらも福岡空港便を
除く 3 便で JAL が座席利用率で ANA を上回っている。
また関空-福岡間の座席利用率で JAL が 47.7%に対して
ANA61.1%という 13.8%の差となっており、上で挙げた
羽田-関空間の 11%の差も合わせて、会社間で座席利用率
東京国際空港
の差の激しい路線が多くなっている。また、その他の路
成田国際空港
大阪国際空港
関西国際空港
福岡空港
線が上回っているのは 1 便しか無い。
凡例
Airport2007_TB点
35
日本航空
全日空
その他
那覇空港
図 13
13
関西国際空港発着便における座席利用率
空港別就航便数の分析
2-3-5
幹線の座席利用率で見る JAL と ANA
図 14 と図 15 を比べた時、乗客率の多い本数では圧倒的に JAL が上回っている。また、路線の
向う地域で見た時、北海道、沖縄県に発着する便は共に JAL 便がほぼ全てを占めている。ANA
は JAL と同率の利用率の大阪-新千歳間と、JAL のみの運行となっている成田-那覇間の以外で、
利用率を上回っているのが福岡発着便のみとなった。
新千歳空港
新千歳空港
凡例
Airport2007_TB点
35
日本航空
全日空
東京国際空港
成田国際空港
その他
成田国際空港
東京国際空港
大阪国際空港
関西国際空港
大阪国際空港
関西国際空港
福岡空港
福岡空港
那覇空港
那覇空港
図 14
JAL の方が乗客率の上回っている路線
図 15
14
ANA の方が乗車率の上回っている路線
空港別就航便数の分析
第3章
結果と考察
今回 JAL と ANA を中心として日本の空港と航空会社について分析して分かった事として、ま
ず空港に関して、立地条件に関しては人口が比較的多く、交通網の発達した都市圏には(または近
郊に)一つ以上空港があるという点、またそれに伴って最も交通機関の発達している東京都にある
羽田空港が日本で一番、国内線を就航しているという結果も出た。このことから、やはり東京が
日本で一番人口の出入りが大きい場所だと分かる。しかし、予想外だったのが、幹線の座席利用
率を用いて分析した部分で、羽田空港の発着便の利用率よりも、大阪国際空港(伊丹空港)の利用率
の方が高かったことである(表 5、6 参照)。大阪から新千歳や那覇空港行きが多く、これは、大阪
(近畿)という場所が日本のほぼ中心に位置し、本州から外へと、どこに行くにも中途半端な距離に
あるということから考えられる。
順位
1
2
3
4
5
路線名
利用率(%)
その他(アイベックスエアラインズ) 成田-大阪
84.2
その他(ジェイ・エア) 大阪-新千歳
82.2
JAL 大阪-新千歳
79.4
その他(日本エアコミューター) 大阪-福岡
78.7
その他(スカイマーク) 羽田-福岡
77
表6
幹線の利用率上位 5 路線
次に航空会社の視点で考察したとき、やはり良い意味でも、悪い意味でも JAL の業界における
存在は大きく、総便数、全体的な座席利用率(少数の路線に特化した、その他の航空会社を除く)
で、他社を凌いでいる。しかし、影響力の大きさが、必ずしも自社の良好な経営に結びついてい
るとは言い難く、今回の調べた座席利用率のデータソースとなった平成 20 年の翌年度である現時
点(2010 年 1 月)で、上場廃止がほぼ決定となっている。
一方の ANA は業界第 2 位でありなが
ら JAL とほぼ遜色の無い就航便の規模、
国内定期便空輸輸送量推移表(暦年)
便数、利用率を持ちながら、経常利益な
どの経営状況も比較的良く(他社と比べ
てだが…)、JAL の経営破綻も相まって
これからの航空業界を引っ張っていく
ことは間違いないだろう。
しかし、図 16 にあるように過去 10 年
間の旅客機を利用した年間旅客数は過
去 2 年で徐々に減少しており、今後の市
98,000
65.5
65.0
64.5
64.0
63.5
63.0
62.5
62.0
61.5
61.0
60.5
60.0
96,000
94,000
92,000
90,000
88,000
86,000
84,000
82,000
80,000
場縮小は免れない。
図 16
15
国内定期便空輸輸送量推移表(暦年)
年間旅客数
(千人)
座席利用率
(%)
空港別就航便数の分析
あとがき
航空業界という業界を調べれば調べるほど、専門用語が次々と飛び交う世界が広がっていまし
た。当初考えていた、現在問題となっている JAL の経営問題との結び付けも思うようにできず、
(企業年金問題等、空港と就航便以外の原因)その点で不本意な研究になってしまったと思います。
また、就職活動が予想以上に長引いてしまったことで、このテーマに確定するまでに時間とデー
タ収集に時間がかかった事が、後々になって響いてきました。
そしてやっぱり研究するなら自分が楽しいと思える分野でやれば良かったなあと、しみじみ感
じています(スポーツに関わる分析は挫折しましたが…)。この卒論のあとがきを運よく見て、来年
や、これから卒論のテーマを何にしようかと迷っている人達、ぜひ「お笑い芸人」などでデータマ
ップを作って研究してみて下さい。きっと楽しい卒論ができると思いますよ~。
そして、草薙先生毎週夜遅くまで卒論の作成に付き合っていただき、本当にありがとう御座い
ました。
参考文献
高橋重雄・井上孝・三条和博・高橋朋一
著
「事例で学ぶ GIS と地域分析」発行所:古今書院
2005 年 4 月 20 日
「Japanese Airports 日本の空港一覧」
http://www.h3.dion.ne.jp/~t_yamaz/aviation/avtn013.html
上記リンク先各空港 HP
(2009 年 10 月閲覧)
「航空統計調査ホームページ」国土交通省
http://www.mlit.go.jp/k-toukei/koukuu/koukuu.html
(2009 年 10 月閲覧)
「JAL 企業サイト」株式会社日本航空
http://www.jal.com/ja/corporate/
「ANA 全日空-投資家情報」全日本空輸株式会社
http://www.ana.co.jp/ir/
各航空会社 HP 参照
(2009 年 10 月閲覧)
16
空港別就航便数の分析
付録
空港別・会社別就航便数基礎データ(10 月分)
空港名
コメント
JAL(日本航空)グループ
ANA(全日本空輸)グループ
新興航空会社
その他コミューター航空会社
JAL(日 JTA JEX J-AIR JAC HAC RAC ANA ANK AKX NXA CRF SKY ADO SNA SFJ ORC AMX IBX FDA CUK THK
成田国際空港 第一種空港
7
0
0
0
0
0
0
13
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4
0
0
0
中部国際空港
14
1
7
0
0
0
0
56
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
関西国際空港
17
0
0
0
0
0
0
33
0
0
0
0
0
0
0
3
0
0
0
0
0
0
東京国際空港
183
3
0
0
0
0
0 216
0
0
0
0
27
17
18 12
0
0
0
0
0
0
大阪国際空港
35
0 19
0
36
0
0
72
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
8
0
0
0
函館空港
第二種空港
3
0
0
0
0
6
0
11
0
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
旭川空港
4
0
0
0
0
1
0
4
0
0
0
0
2
3
0
0
0
0
0
0
0
0
釧路空港
3
0
0
0
0
8
0
4
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
帯広空港
5
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
稚内空港
0
0
0
0
0
0
0
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
新千歳空港
52
0
0
0
0
5
0
45
0
0
0
0
8
16
0
0
0
0
0
0
0
0
仙台空港
7
0
8
0
0
0
0
25
0
0
0
0
0
4
0
0
0
0
3
0
0
0
秋田空港
10
0
0
0
0
0
0
4
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
山形空港
7
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
新潟空港
4
0
0
0
4
0
0
10
0
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
八尾空港
定期便現在無し。 広島空港
8
0
0
0
0
0
0
11
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
山口宇部空港
3
0
0
0
0
0
0
5
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
高松空港
5
0
0
0
1
0
0
6
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
松山空港
11
1
0
0
7
0
0
17
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
高知空港
9
0
0
0
0
0
0
13
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
福岡空港
57
1
0
0
14
0
0
65
0
0
0
0
12
0
0
0
0
3
0
0
0
0
北九州空港
4
1
0
0
0
0
0
7
0
0
0
0
0
0
0
8
0
0
0
0
0
0
長崎空港
8
0
0
0
0
0
0
14
0
0
0
0
0
0
5
0
12
0
0
0
0
0
熊本空港
9
0
6
0
0
0
0
12
0
0
0
0
0
0
4
0
0
5
0
1
0
0
大分空港
6
0
0
0
4
0
0
10
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
宮崎空港
13
0
0
0
6
0
0
20
0
0
0
0
0
0
7
0
1
0
0
0
0
0
鹿児島空港
13
0
8
0
33
0
0
22
0
0
0
0
0
0
0
0
3
0
0
1
0
0
那覇空港
25
30
0
0
0
0
14
59
0
0
0
0
5
0
3
0
0
0
0
0
0
0
紋別空港
第三種空港
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
奥尻空港
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
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0
0
0
0
0
0
0
礼文空港
定期便現在無し。 利尻空港
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0
0
0
0
0
1
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0
0
0
0
0
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0
0
0
0
0
0
0
女満別空港
6
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0
0
0
0
6
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0
0
0
3
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0
0
中標津空港
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4
0
0
0
0
0
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0
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0
0
0
0
0
青森空港
12
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0
0
0
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0
0
花巻空港
6
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1
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0
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5
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0
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0
福島空港
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9
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0
0
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5
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0
大島空港
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0
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0
1
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
2
新島空港
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0
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0
0
0
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0
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0
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4
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0
0
0
0
0
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0
0
0
0
0
0
0
三宅島空港
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0
0
1
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0
0
0
0
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0
0
0
0
0
0
0
2
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3
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
佐渡空港
定期便現在無し。 富山空港
0
0
0
0
0
0
0
7
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0
0
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0
0
0
0
0
0
0
能登空港
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0
2
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
福井空港
定期便無し。
松本空港
0
0
0
0
3
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
静岡空港
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0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5
0
0
南紀白浜空港
3
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0
0
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
神戸空港
5
3
0
0
0
0
0
8
0
0
0
0
5
0
0
0
0
1
0
0
0
0
鳥取空港
0
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0
0
0
4
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
出雲空港
6
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0
11
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
石見空港
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0
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0
0
2
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0
0
0
0
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0
0
0
0
0
隠岐空港
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0
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0
3
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
岡山空港
4
1
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0
2
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0
5
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
佐賀空港
0
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0
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6
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0
0
0
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0
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3
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0
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2
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対馬空港
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2
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0
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0
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0
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1
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1
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0
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0
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0
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0
0
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0
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9
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4
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0
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0
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0
0
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0
0
0
伊江島空港
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0
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5
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0
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0
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0
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0
慶良間空港
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0
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0
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0
0
0
0
南大東空港
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
下地島空港
定期便無し。
多良間空港
0
0
0
0
0
0
2
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0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
波照間空港
定期便現在無し。 与那国空港
0
1
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
札幌飛行場
共用空港
0
0
0
0
0
6
0
12
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
千歳空港
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
三沢空港
4
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
小松空港
6
3
0
0
0
0
0
10
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
0
0
美保飛行場
0
0
0
0
0
0
0
6
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
徳島空港
6
0
0
0
2
0
0
1
0
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略称
JAL
JTA
JEX
J-AIR
JAC
HAC
RAC
ANA
ANK
AKX
NXA
CRF
正式名
日本航空インターナショナル
日本トランスオーシャン
JALエクスプレス
ジェイエア
日本エアコミューター
北海道システム
琉球エアコミューター
全日本空輸
エアーニッポン
エアーニッポンネットワーク
エアーネクスト
エアーセントラル
略称
SKY
ADO
SNA
SFJ
ORC
AMX
IBX
FDA
CUK
THK
正式名
スカイマーク
北海道国航空
スカイネットアジア
スターフライヤー
オリエンタルブリッジ
天草エアライン
アイベックスエアラインズ
フジドリームエアラインズ
新中央航空
東方航空
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