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田市 公共施設再編方針

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田市 公共施設再編方針
⼾田市 公共施設再編方針
平成26年3月
⼾
田
市
は じ
め に
戸田市における公共施設は、高度経済成長とこれに伴う
都市化や人口増加等を背景に、教育、文化など様々な目的
や時代のニーズに応じて整備、運営してきており、市民生
活の利便性の向上に貢献してきました。
一方で、本市では近年も人口増加が進んでいますが、長
期的には人口減少や少子高齢化が緩やかに進展すること
が予想されるとともに、近年の財政の見通しにおいても扶
助費の増加等に伴い、政策経費に充当できる財源が減少し
ていくと見込まれています。よって、今後歳入の増加が見
込めない中で、市の保有する公共施設の多くが更新期を迎えることが、市の財政にとって大き
な負担となっていくことが予想されます。
また、公共施設の多くが耐用年数を経過しはじめており、今後市民が利用する施設の安全性
を確保し、さらに、市民の求める機能を兼ね備えた施設としていくためには、公共施設全体で
の施設・サービスのあり方を検討していく必要があります。
こうした様々な状況を踏まえ、戸田市第4次総合振興計画(平成 23 年3月策定)に掲げる
重点的な取組の一つである「施設の計画的な管理」について、平成 25 年6月に作成・公表し
た「公共施設マネジメント白書」を基礎資料として、公共施設の更新や、機能見直し、施設維
持・運営の効率化などを進めるための基本的な運営方針を定めた「公共施設再編方針」を策定
しました。
今後は、この公共施設再編方針を基に、財政負担の縮減や公共施設・サービスの質の向上に
向けて、各施設分野・施設単位での具体的な再編に向けた検討や、個別事業の実施につなげて
いく予定です。
つきましては、今後も市民の皆様とともに、戸田市の公共施設の将来あるべき姿の実現に向
けて、継続的に行動していきたいと思いますので、御理解と御協力の程よろしくお願いいたし
ます。
平成26年3月
戸田市長
市
民
の
皆
様
へ
全国の自治体では、急速に拡大している福祉関連の支出増
に加え、高度経済成長期における人口の急増に対応するため
に集中的に整備された多くの公共施設が更新時期を迎えつ
つあり、財源不足が懸念されます。
戸田市では人口減少はまだはじまらず、高齢化率は全国平
均よりも低くなっていますが、上記の課題に直面するのは時
間の問題で、近い将来に訪れる課題を抱えているのは全国の
多くの自治体と同様です。
「公共施設マネジメント」といわれる上記の課題に対する
直接的な取組をはじめている自治体は、全国に約 1,700 ある
自治体のなかでもまだあまり多くありませんが、急速にそのニーズが高まってきています。戸田
市が今の時期から取組をはじめていることは評価できることだと思います。
戸田市では、
「公共施設再編方針」の策定にあたっては、施設所管課の代表が参加する公共施設
再編方針策定委員会を開催し、庁内の各担当課の協力の基に進めました。行政は縦割りといわれ
ますが、横断的で意欲的な取組となったといえるのではないでしょうか。本方針をまとめるにあ
たり、委員会や委員会に向けた調整において、各担当課の現場での想いも錯綜し、行政内の葛藤
のプロセスだったといえるでしょう。しかし、その成果は誇るべきものといえます。
今後の課題への取組の過程では、公共施設の役割や配置、サービスを今の時代に合わせて見直
すことになり、施設の統廃合や運営の効率化などを避けて通ることはできず、市民にとっては、
生活にも直接関わり、痛みを伴うこともあるでしょう。それに対して、行政の努力はもちろんの
こと、企業などの民間活力の活用や、市民の理解と協力も必要です。本方針は、そのための意識
を共有するガイドといえます。
一方、この取組は、必ずしも市民サービスの削減を意味するものではありません。民間との協
力や時間を区切った空間利用、担当課を越えた空間の融通など、これまではありえなかったアイ
デアによって公共サービスの向上も期待できるのです。本方針は、そんな事例や検討が盛り込ま
れたアイデア集であり、また、それをかたちにするための指針ともいえます。
今後は、いかに検討を進め、実行に移すのかが問われます。政治の決断、行政の行動力、市民
の参画が問われます。本方針がその一助となれば幸いです。
平成26年3月
戸田市公共施設再編方針策定委員会委員長
(日本工業大学
工学部
建築学科准教授)
【目
第1章
次】
再編方針の概要・位置づけ・背景
1.公共施設再編方針の全体構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2.目標年次(方針の期間の取扱) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
3.対象施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
4.公共施設再編の背景(戸田市の概況・課題) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
(1)人口の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
(2)財政の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
(3)公共施設の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
(4)市民ニーズの概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
第2章
基本方針
1.再編方針の基本的考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
2.基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
(1)施設の有効活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
(2)施設の効率的な維持管理・運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
(3)市民の安全性の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(4)サービスの効率化と質の向上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(5)環境への配慮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(6)市民参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
第3章
施設種別再編方針
1.施設種別再編方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
(1)図書館等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
(2)医療・福祉関連施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
(3)コミュニティ関連施設等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
(4)スポーツ施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
(5)文化施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
(6)保養施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
(7)保育園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
(8)児童施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
(9)産業振興系施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
(10)学校・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
(11)教育関連施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
(12)庁舎等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47
(13)市営住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
(14)上水道施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
(15)下水道施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
第4章
方針の推進に向けて
1.方針の進捗管理・推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
(1)方針の進捗管理
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
(2)推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
2.方針の実施に向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
(1)施設計画(改修・複合化)及び維持管理・運営計画への反映・・・・・・・・・・ 58
(2)公共施設中長期保全計画の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
参考資料
参考資料1
用語説明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62
参考資料2
「再編方針の基本的考え方」において今後 30 年間で想定する削減額の
概算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64
参考資料3
ケーススタディ検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65
(1)ケース1:学校施設の建替に伴う福祉センターとの複合化の検討・・・・・・・・ 66
(2)ケース2:民間住宅を活用した家賃補助制度の活用検討・・・・・・・・・・・・ 81
(3)ケース3:図書館への指定管理者制度の導入に関する検討・・・・・・・・・・・ 93
参考資料4 戸田市公共施設再編方針策定委員会 開催状況等・・・・・・・・・・・・102
(1)戸田市公共施設再編方針策定委員会
要綱・・・・・・・・・・・・・・・・・・102
(2)戸田市公共施設再編方針策定委員会
委員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・103
(3)戸田市公共施設再編方針策定委員会
開催状況・・・・・・・・・・・・・・・・104
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
第1章
再編方針の概要・位置づけ・背景
1.公共施設再編方針の全体構成
公共施設再編方針は、平成 25 年度に作成した「戸田市公共施設マネジメント白書(平成
25 年6月、戸田市)」
(以下、公共施設マネジメント白書と記載)における現状把握、課題分
析結果を基礎資料として、財政負担の縮減と施設サービスの向上に向けた公共施設の更新・
機能見直しや施設維持・運営の効率化などを進めていくため、経営的な視点を取り入れた施
設面での横断的な方針として策定する。また、公共施設再編方針は、市の上位計画(戸田市
第4次総合振興計画)を踏まえた方針とし、策定した再編方針に基づき今後実施する個別事
業の推進と進捗管理を行うため、平成 26 年度に「公共施設再編プラン(仮称)」の策定を予
定する。
なお、再編方針における方向性を踏まえ、公共施設の予防保全や長寿命化を目的とした「公
共施設中長期保全計画」を別途策定する。
図 1-1
戸田市公共施設再編方針の位置づけ
1
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
公共施設再編方針は、施設にかかる全体的な方針として基本的な原則を定める「基本方針」
と、各施設種別の独自の方針を定める「施設種別再編方針」で構成する。また、公共施設再
編方針を推進するための体制や進捗管理の方針についても定めるものとする。
なお、参考として、施設種別再編方針を踏まえ今後考えられる個別事業の一例として、ケ
ーススタディ(3ケース)についても合わせて掲載する。
<基本方針>
・ 方針の基本的な考え方・位置づけ
・ 基本方針(全体方針としての基本原則の掲示)
<施設種別再編方針>

施設種別の再編方針の掲示
※小分類(15 の施設種別)ごとの
<ケーススタディ>
 施設種別再編方針
に沿った概略検討
(3ケース)
再編方針
<方針の推進・マネジメント>

再編方針の推進体制

再編方針の進捗管理・マネジメント
図 1-2
戸田市公共施設再編方針の全体構成
2.⽬標年次(⽅針の期間の取扱)
公共施設再編方針の目標年次(方針の期間の取扱)については、今後多くの施設が更新(建
替)の時期を迎えることや、公共施設マネジメント白書における公共施設の将来的な維持・
運営・更新(建替)に係る今後 30 年間のコストの概算結果(平成 24∼53 年度)を踏まえ、
概ね 30 年間を見据えた方針とする。
なお、公共施設再編方針は、今後の社会情勢や財政状況などを見据えながら適宜見直しを
行うものとする。
2
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
3.対象施設
対象施設は、公共施設マネジメント白書と同様に、主に戸田市が建設した建築物(概ね延
床面積 500 ㎡以上、下表参照)の 65 施設を対象とする。
<公共施設再編方針
大分類
小分類
(1)図書館等
(2)医療・福祉
関連施設
(3)コミュニティ
関連施設等
市
民
利
用
施
設
施
設
名
称
図書館・郷土博物館
所
在
対象施設>
地
新曽 1707
構
造
鉄骨鉄筋コンクリート
面積(㎡)
6,699
99
(施設占用部分)
99
(施設占用部分)
42
(施設占用部分)
22
(施設占用部分)
543
(施設占用部分)
建築年月
S58.7
障害者福祉会館
(図書館下戸田分室)
西部福祉センター
(図書館美笹分室)
東部福祉センター
(図書館下戸田分室)
戸田公園駅前行政センター
(配本所)
上戸田福祉センター
(図書館上戸田分館)
川岸2-4-8
鉄筋コンクリート
美女木5-2-16
鉄筋コンクリート
下前1-2-20
鉄筋コンクリート
本町4-15-1
鉄骨
上戸田2-21他
鉄筋コンクリート
健康福祉の杜
上戸田 5-4
鉄骨鉄筋コンクリート
7,870
H9.3
障害者福祉会館
(心身障害者福祉センター)
川岸2-4-8
鉄筋コンクリート
2,638
S61.3
S61.3
S47.3
S49.3
H22.3
再整備中
福祉保健センター
大字上戸田5-6 鉄骨
3,082
H23.3
介護老人保健施設
美女木 4-20-6
鉄筋コンクリート
5,949
H6.12
市民医療センター
美女木 4-20-1
鉄筋コンクリート
2,911
H26.4
供用予定
軽費老人ホーム白寿荘
笹目 7-10-23
鉄筋コンクリート
2,187
S55.2
笹目コミュニティセンター
笹目3-12-1
鉄骨鉄筋コンクリート
2,753
H9.3
新曽福祉センター
新曽1395
鉄筋コンクリート
2,130
S52.3
西部福祉センター
美女木5-2-16
鉄筋コンクリート
2,074
S47.3
東部福祉センター
下前1-2-20
鉄筋コンクリート
2,283
S49.3
再整備中
上戸田福祉センター
上戸田 2-21他
鉄筋コンクリート
4,205
芦原小学校
(生涯学習施設)
大字新曽1961
鉄筋コンクリート
741
(4)スポーツ施設
スポーツセンター
新曽 1286
鉄骨鉄筋コンクリート
14,157
S55.7
(5)文化施設
文化会館
上戸田 4-8-1
鉄骨鉄筋コンクリート
10,950
S55.11
(6)保養施設
保養所(白田の湯)
静岡県東伊豆町 鉄筋コンクリート
(7)保育園
喜沢南保育園
喜沢南 2-6-3
下戸田保育園
(8)児童施設
(9)産業振興系施設
H16.12
2,089
H5.12
鉄筋コンクリート
734
S47.2
下前 2-9-22
鉄筋コンクリート
494
S48.3
上戸田保育園
上戸田 2-18-5
鉄筋コンクリート
471
S43.5
上戸田南保育園
本町 5-11-11
鉄筋コンクリート
630
S49.8
新曽保育園
新曽 1835-1
軽量鉄骨
1,001
H15.2
新曽南保育園
新曽南 2-15-38 鉄筋コンクリート
622
S54.3
笹目東保育園
笹目 1-37-17
鉄筋コンクリート
494
S48.3
笹目川保育園
笹目 2-5-5
鉄筋コンクリート
1,327
H11.3
鉄筋コンクリート
2,917
H4.9
児童センタープリムローズ 笹目 2-19-14
戸田公園駅前行政センター
(子育て広場)
本町4-15-1
鉄骨
児童センターこどもの国
本町 1-17-7
鉄筋コンクリート
戸田公園駅前行政センター(ビジネス
インフォメーションコーナー)
本町4-15-1
鉄骨
3
151
H22.3
(施設占用部分)
H27.4
4,519 供用予定
130
H22.3
(施設占用部分)
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
<公共施設再編方針
大分類
小分類
(10)学校
教
育
施
設
(11)教育関連施設
(12)庁舎等
行
政
施
設
(13)市営住宅
市
営
住
宅
(14)上水道施設
上
下
水
道
施
設
(15)下水道施設
施
設
名
称
所
在
対象施設>
地
構
造
面積(㎡)
建築年月
戸田第一小学校
上戸田 3-7-5
鉄筋コンクリート
6,941
S34.9
戸田第二小学校
喜沢南 2-2-37
鉄筋コンクリート
7,982
S33.3
新曽小学校
新曽南 2-13-8
鉄筋コンクリート
5,707
S34.9
美谷本小学校
美女木 7-11-3
鉄筋コンクリート
4,495
S37.7
笹目小学校
笹目 6-9-1
鉄筋コンクリート
5,241
S40.6
戸田東小学校
下戸田 1-3-3
鉄筋コンクリート
5,319
S39.3
戸田南小学校
本町 4-8-2
鉄筋コンクリート
6,700
S44.3
喜沢小学校
喜沢 1-48-6
鉄筋コンクリート
5,435
S44.2
笹目東小学校
笹目 3-17-12
鉄筋コンクリート
5,540
S48.3
新曽北小学校
大字新曽 1367
鉄筋コンクリート
6,032
S48.3
美女木小学校
美女木 2-33-1
鉄筋コンクリート
5,217
S55.2
芦原小学校
大字新曽 1961
鉄筋コンクリート
10,392
戸田中学校
本町 5-8-46
鉄筋コンクリート
7,978
S44.8
戸田東中学校
下戸田 1-11-15 鉄筋コンクリート
6,823
S36.5
美笹中学校
美女木 5-12-6
鉄筋コンクリート
7,243
S38.8
喜沢中学校
喜沢南 1-6-29
鉄筋コンクリート
6,759
S50.7
新曽中学校
大字新曽 1448
鉄筋コンクリート
8,307
S53.8
笹目中学校
笹目 4-38-1
鉄筋コンクリート
6,926
S54.4
教育センター
上戸田 1-19-14 鉄筋コンクリート
920
H11.3
学校給食センター
新曽南 4-3-45
鉄骨
2,502
H23.9
少年自然の家
長野県諏訪郡富士見町
鉄筋コンクリート
2,096
S49.9
消防本部庁舎
大字新曽1875-1 鉄骨鉄筋コンクリート
3,652
H2.9
消防署東部分署
下前 1-14-20
鉄筋コンクリート
951
S48.7
消防署西部分署
笹目 5-9-1
鉄筋コンクリート
694
S46.8
4,472
H16.12
新曽南庁舎
新曽南 3-1-5
鉄筋コンクリート
戸田公園駅前行政センター
(出張所)
本町4-15-1
鉄骨
本庁舎
上戸田 1-18-1
鉄骨鉄筋コンクリート
16,110
もくせい住宅
下前1-7-12
プレキャスト鉄筋コンクリート
905
S53.3
川岸住宅
川岸 2-6-22
鉄筋コンクリート
916
S46.3
後谷住宅
上戸田3-23-2
プレキャスト鉄筋コンクリート
1,260
S54.3
柳原住宅
新曽 980
鉄筋コンクリート
1,436
S47.3
下笹目住宅
笹目 8-1-26
鉄筋コンクリート
3,411
H21.4
笹目夏浜住宅
笹目7-15-3
プレキャスト鉄筋コンクリート
1,586
S62.8
笹目中居田住宅
笹目 6-13-4
壁式鉄筋コンクリート
1,496
H8.1
下前住宅
下前 1-10-10
鉄筋コンクリート
2,722
H13.1
東部浄水場
中町 2-21-15
鉄筋コンクリート
737
H10.3
中部浄水場
下前 1-7-5
鉄筋コンクリート
883
S43.3
西部浄水場
笹目 2-23-25
鉄筋コンクリート
516
S49.2
新曽ポンプ場
新曽南 3-1-8
鉄筋コンクリート
3,594
S54.3
下戸田ポンプ場
喜沢南 1-6-20
鉄筋コンクリート
1,624
S47.11
454
H4.9
H22.3
S45.10
注1)介護老人保健施設、市民医療センター、上戸田福祉センター、児童センターこどもの国については、
現在再整備計画を進めており、施設情報は平成 26 年3月時点で計画中のものである。
注2)学校(小学校・中学校)等の複数棟を有する施設の建築年月は、築年数が一番古い棟の建築年月とし
ている。
4
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
4.公共施設再編の背景(⼾⽥市の概況・課題)
公共施設再編方針の検討にあたって、公共施設マネジメント白書における掲載内容を基に、
人口、財政、公共施設等に係る概況・課題を以下に整理する。
(1)人口の概況
【人口・世帯数等の推移】
・ 総人口は 128,345 人(平成 25 年時点)で、31 年間で約 1.7 倍に増加。
・ 昭和 62 年まではほぼ横ばいで推移していたが、平成に入ってからは増加傾向。
・ 世帯数も約 2.3 倍に増加しており、「単独世帯」
、「核家族世帯」の増加が顕著。
【年齢別人口の推移】
・ 高齢化の進行が顕著に現れているが、少子化は進んでいない。
・ 30 歳代∼50 歳代にかけての人口が増加。
・ 児童数(小学校)・生徒数(中学校)は共に増加している。
<人口(人)>
150,000
<世帯数(世帯)>
100,000
120,000
80,000
90,000
60,000
60,000
40,000
30,000
20,000
0
0
S57
S62
H4
H9
H14
H19
人口
H24 H25
世帯数
※上記人口は、住民基本台帳人口を示す。
(資料:統計とだ、各年4月1日現在)
図 1-3
人口及び世帯数の推移
5
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
男女年齢5歳階級別人口構成の比較(平成2年∼平成22年)
100歳以上
95∼99歳
老年人口(65歳以上)
老年人口(65歳以上)
平成22年: 9,335人(16.8%)
平成2年: 3,318人(8.0%)
90∼94歳
平成22年: 7,792人(12.9%)
平成2年: 2,395人( 5.2%)
85∼89歳
80∼84歳
75∼79歳
70∼74歳
65∼69歳
60∼64歳
55∼59歳
生産年齢人口(15∼64歳)
平成22年: 43,027人(71.3%)
平成2年: 35,710人(78.1%)
生産年齢人口(15∼64歳)
平成22年: 37,636人(67.5%)
平成2年: 30,606人(74.1%)
50∼54歳
45∼49歳
40∼44歳
35∼39歳
30∼34歳
25∼29歳
20∼24歳
15∼19歳
10∼14歳
年少人口(0∼14歳)
平成22年: 9,518人(15.8%)
平成2年: 7,591人(16.6%)
10,000
8,000
年少人口(0∼14歳)
平成22年: 8,749人(15.7%)
平成2年: 7,389人(17.9%)
5∼9歳
0∼4歳
6,000
4,000
2,000
0
0
図 1-4
4,000
上段:平成22年
下段:平成2年
男性
(人)
2,000
6,000
8,000
10,000
女性
(人)
男女年齢5歳階級別人口構成の比較(平成2年∼平成 22 年)
【将来の人口動向】
・ 人口は、平成 32 年に 137,048 人に増加すると推計される。
・ 首都圏の人口増加が進んでいること等から戸田市の重要性が認識される。
・ 将来的には少子高齢化が緩やかに進んでいくと予想される。
<人口(人)>
総人口の推移
150,000
140,000
130,000
120,000
110,000
100,000
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
人口推計(第4次総合振興計画)
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
実績値(住基台帳+外国人登録)
(資料:戸田市人口予測(戸田市総合振興計画人口推移の根拠資料))
図 1-5
コーホート要因法による将来人口の推計
6
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
(2)財政の概況
【歳出等の概況】
・ 財政状況(普通会計)は、年間約 330 億円から 480 億円で推移(決算)し、増加傾向。
・ 歳出は、義務的経費の扶助費(生活保護費や児童手当、小児医療費助成、就学援助費等
の社会保障関係費)が年々増加(約 41 億円(平成 13 年度)→約 116 億円(平成 24 年度))。
・ 投資的経費(施設等の整備に係る経費)も歳入と同様に増加傾向。
【財政の見通し】
・ 臨時・政策的経費充当可能額(経常的経費のうち、歳入から歳出を差し引いた金額)は、
平成 25 年度当初予算実績の約 18 億円から、平成 30 年度には約8億円と約4割強にま
で減少することが予想される。
歳出の推移
<歳出(億円)>
(普通会計・決算)
500
450
91
99
400
123
350
300
150
68
66
61
76
187
176
189
39
250
200
75
47
67
88
153
165
175
176
159
162
18
18
16
19
21
21
21
172
184
21
17
101
113
116
172
21
100
14
41
18
47
54
59
61
63
66
69
74
50
86
85
83
83
82
81
79
76
74
73
73
72
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
0
人件費
扶助費
公債費
その他の経費
投資的経費
(資料:戸田市 HP(財政状況)
)
図 1-6
市の歳出の推移
中期財政計画(一般会計)経常的経費
48,000,000
46,000,000
臨時・政策経費
充当可能一般財源
臨時・政策経費
充当可能一般財源
臨時・政策経費
充当可能一般財源
臨時・政策経費
充当可能一般財源
臨時・政策経費
充当可能一般財
1,807,885
2,529,436
1,935,502
1,918,317
1,570,206
(千円)
(千円)
(千円)
(千円)
(千円)
臨時・政策経
充当可能一般財源
805,933
(千円)
44,000,000
︵
千
︶
円
42,000,000
40,380,162
41,063,753
41,461,791
41,082,793
41,730,062
41,427,214
歳入
40,000,000
38,000,000
38,572,277
38,534,317
39,147,291
39,543,474
40,159,856
40,621,281
歳出
36,000,000
34,000,000
32,000,0000
※上記の中期財政計画は、施設整備事業、扶助費の見込み等において、担当所属より提出された計画により推計したものより、
健全財政を維持するために修正を行い、健全財政維持型の計画としたもの。
(資料:戸田市中期財政計画(平成 26∼30 年度)
図 1-7
戸田市中期財政計画における財政の見通し(平成 26∼30 年度)
7
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
(3)公共施設の概況
【施設の老朽化の状況】
・ 築後 20 年以上を経過する施設が全体の約 82%、築後 30 年以上を経過する施設が全体の
約 73%、築後 40 年以上を経過する施設が全体の約 40%(延床面積ベース)を占める。
・ 新耐震設計基準施行(昭和 56 年6月)以前に建築された施設(44 施設)のうち、学校
施設など、すべての施設において耐震診断・耐震改修の対応を実施済み。
年度別の施設の整備状況
40,000
40年以上
経過
50年以上
経過
35,000
20年以上
経過
30年以上
経過
新耐震設計
基準施行
30,000
25,000
㎡
15,000
︵
延
床
面
積
10年以上
経過
小・中学校、市庁舎
福祉センター、市営住宅等
5
スポーツセンター、文化会館等
︶
施
設
数
20,000
10,000
5,000
0
0
S30
S35
S40
S45
S50
S55
延床面積
図 1-8
S60
H2
H7
H12
H17
H22
施設数
年度別の施設の整備状況
【施設の利用状況】
・ 貸室(会議室、ホールなど)を提供している施設は、笹目コミュニティセンター、福祉
センター(4施設)、文化会館、スポーツセンターなど 16 施設。
・ 貸室全体の年間での利用者数は約 114 万人(平成 21∼23 年度の平均)で、平成 21∼23
年度の経年変化では概ね横ばい。
・ 貸室全体の平均稼働率は、約 32∼34%程度にとどまっている。
8
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
貸室の年度別利用者数・使用料収入の推移
165,335
1,156
150,000
1,155
1,112
500
50,000
0
40.0%
千
円
H22
利用者数(千人)
34.1%
31.8%
31.9%
H21
H22
H23
20.0%
0.0%
0
H21
図 1-9
60.0%
︶
︶
千
人
80.0%
使
用
料
収
入
︵
100,000
︵
利
用
者
数 1,000
159,738
142,767
1,500
貸室全体の年度別平均稼働率の推移
100.0%
H23
稼働率(%)
使用料収入(千円)
貸室の年度別利用者数・使用料収入の推移
図 1-10
貸室全体の年度別平均稼働率の推移
【施設の管理運営状況】
<維持管理・運営費>
・ 平成 23 年度実績で、歳出合計約 86.9 億円、歳入合計約 18.0 億円。
・ 実質的な市の負担額は 68.9 億円で、歳出に対して歳入の占める割合は約 21%にとどま
っている。
<管理運営主体>
・ 市の公共施設の維持管理・運営は、市直営(業務委託等を含む)が大部分。
・ 対象施設のうち、指定管理者による管理運営が行われている施設は8施設にとどまって
いる。
施設全体の維持管理・運営費及び歳入 (単位:億円)
歳出
23.4
27.7
76.1
25.0
H21
歳入
20.0
歳出
H22
32.9
歳入
32.2
歳入
29.7
25.0
86.9
18.0
0.0
維持管理費
図 1-11
81.9
21.6
20.5
歳出
H23
27.5
20.0
40.0
運営費(人件費)
60.0
80.0
運営費(人件費以外)
100.0
歳入
施設全体の年度別維持管理・運営費・歳入の状況
9
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
【施設の将来的な維持・更新に係る見通し】
・ 今後 30 年間の将来更新費は、約 547 億円となり、年度平均で約 18.2 億円。

財政の見通しの平成 30 年度の政策経費充当可能額(約 8 億円)よりも約 10 億円上
回っており、将来更新費の確保が課題になると考えられる。
・ 施設の維持・運営・更新のためのコストとして1年あたり約 99.9 億円。

平成 23 年度の市の歳出額(約 445 億円、普通会計)の約 22%に相当
・ 施設の維持・更新費が将来的に大きな財政負担になると考えられる。
◆将来経費( 今後3 0 年間の概算値)
単位:億円
平成24
年度平均
∼53年度
維持管理費
886
29.5
運営費
1,565
52.2
更新費
547
18.2
2,998
99.9
将来経費(合計)
施設の維持・運営及び将来更新費の見通し(平成24∼53年度) [億円]
200
180
160
140
120
更新費
18.2(億円/年)
100
80
60
運営費
52.2(億円/年)
40
20
維持管理費
29.5(億円/年)
0
∼ H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 H40 H41 H42 H43 H44 H45 H46 H47 H48 H49 H50 H51 H52 H53
*1
維持管理費(修繕費含む)
運営費
更新費
*1:昭和 30 年代に建設された小学校(3施設)が平成 24 年以前に更新時期を迎えているため、平成 24
年度以前の将来更新費が多くなっている。
注 1)昭和 40 年代に建設された小・中学校、本庁舎等の多くの施設が更新時期を迎えるため、平成 31 年度
以降から特に将来更新費が多くなっている。
注 2)大規模施設であるスポーツセンター、文化会館等が平成 42 年度に更新時期を迎えるため、特に平成
42 年度の更新費が多くなっている。
図 1-12
施設の維持・運営・更新費の見通し
10
第1章 再編方針の概要・位置づけ・背景
(4)市⺠ニーズの概況
※ここでは、市民ニーズの概況として公共施設マネジメント白書における「利用者アンケー
ト調査結果(平成 24 年 11 月実施)」を基に、施設の利用状況、満足度、施設の今後のあ
り方に係る結果概要を以下に抽出・整理する。
※利用者アンケート調査の対象施設は下記の 11 施設である。
・ 笹目コミュニティセンター/保養所(白田の湯)/新曽福祉センター
東部福祉センター/上戸田福祉センター/西部福祉センター
障害者福祉会館(心身障害者福祉センター)/戸田公園駅前行政センター(3F子育て広場)
児童センタープリムローズ/児童センターこどもの国/芦原小学校(生涯学習施設)
【利用者アンケートに基づく施設の利用状況、満足度、今後のあり方】
<利用状況>
・ アンケート調査対象施設

笹目コミュニティセンター、福祉センター(4施設)、戸田公園駅前行政センター
(3F子育て広場)が比較的よく利用されている。
・ 市内のその他の施設(アンケート調査対象施設を除く施設)

全体として、その他よく利用する施設としては図書館、スポーツセンター、文化会
館、笹目コミュニティセンターなど、市の中核的な市民利用施設が多くなっている。
・ 市外の施設

全体として、回答数が少ないことから、市外の他の公共施設を利用する傾向は少な
いと考えられる。
<満足度>
・ 施設の位置

戸田公園駅前行政センター、児童センターこどもの国、芦原小学校(生涯学習施設)
など、鉄道駅近傍の施設の満足度が高くなっている。

駅から離れている西部福祉センター等の満足度が比較的低くなっている。
・ 施設の規模・施設内容の充実度

笹目コミュニティセンター、保養所(白田の湯)、戸田公園駅前行政センター(3
F子育て広場)、芦原小学校(生涯学習施設)など、比較的新しい施設の満足度が
高くなっている。

老朽化の進んでいる福祉センター(4施設)の満足度が比較的低くなっている。
・ 施設の利用しやすさ

戸田公園駅前行政センター(3F子育て広場)、芦原小学校(生涯学習施設)など、
駅近傍で比較的新しい施設の満足度が高くなっている。
・ 開館時間、利用料金、職員の対応

各施設とも不満の意向はほとんど無く、満足度が高くなっている。
<施設の今後のあり方>
・ 全体として、再整備予定の上戸田福祉センター、児童センターこどもの国を除き、すべ
てのアンケート調査対象施設で「できるだけ現施設を維持すべき」との回答が多くなっ
ている。
11
第2章 基本方針
第2章
基本方針
1.再編方針の基本的考え方
公共施設再編方針は、財政負担の縮減と施設サービスの向上に向けた公共施設の更新・機
能見直しや施設維持・運営の効率化などを進めていくため、経営的な視点を取り入れた施設
面での横断的な方針である。
前章の公共施設再編の背景及び公共施設マネジメント白書における公共施設に係る戸田市
の概況・課題を踏まえ、公共施設再編方針の策定に当たっての基本的な考え方を以下に示す。
【今後の公共施設・サービスのあり方に係る主な現状と課題】 ※戸田市公共施設マネジメント白書より
<施設の安全性確保>
■施設の老朽化への対応
 ほとんどの施設で耐震対応が完了。
 築後 30 年以上の施設が全体の約7割。
 築後 40 年以上の施設が全体の約4割。
<施設・サービスの充実による市民満足度の向上>
■市民ニーズへの対応と施設の有効活用
 利用者の施設の満足度は全般的に高い。
 利用者の施設内容の充実度は福祉センタ
ーの満足度が比較的低い。
 コミュニティ関連施設、文化施設の稼働率
が比較的低い。
■大災害(地震・洪水等への対応)
 大規模地震時の影響が大きい地域がある。
 市域の大部分が浸水想定地域。
■少子高齢化等への対応
 人口増加が続いているが、長期的には人口
減少や少子高齢化の進行が想定される。
 児童施設、学校施設は概ね充足。
<厳しい財政状況への対応>
 今後 30 年間施設を維持する場合の将来経
費(約 100 億円/年)は大きな財政負担に
なる。
 公共施設が抱える財政負担は今後増大。
 これまで以上に厳しい財政状況が想定。
■地域サービスとしての公共施設のあり方の見直し
 下戸田地域、上戸田地域、新曽地域におい
ては、今後も人口増加。
 笹目地域、美女木地域は今後人口増加は見
込めず、少子高齢化が進展。
【再編方針の基本的考え方】
 厳しい財政状況への対応を考慮し、できる限り既存施設の効率的な維持管理・運
営と効果的な活用を行うことや、将来的な施設の統廃合(施設総量の規制)によ
り、財政負担の縮減を図る。
 今後 30 年間で想定される施設更新費不足額(約 138 億円)の削減に取り組む。
(※削減額の概算については後述の参考資料2を参照)
 市の魅力向上に向けて、安全性確保や提供サービスによる市民満足度の向上など、
地域戦略として重点的に実施すべき施策に優先的に取り組む。
 施設の安全性確保のため、老朽化対策や避難機能確保等の災害時対応に取り組む。
 事業実施段階において、自然エネルギーの活用等の環境への配慮や市民参加手法
の導入に取り組む。
図 2-1
公共施設再編方針の基本的考え方
12
第2章 基本方針
2.基本方針
公共施設再編方針は、施設にかかる全体的な方針として基本的な原則を定める「基本方針」と、
各施設種別の独自の方針を定める「施設種別再編方針」で構成する。
基本方針は、公共施設マネジメント白書における課題・改善の方向性や、前項の再編方針の基
本的考え方を踏まえて以下のように定める。
なお、基本方針は、全体的な方針として、すべての対象施設に適用する位置づけとする。
(1)施設の有効活用
①既存施設の活用
既存施設の長寿命化・用途変更などにより、できる限り既存施設の
有効活用を図る。
②新規整備の抑制
原則として新規の施設整備は行わない。
③民間施設の活用
既存施設を更新(建替)する前に、民間施設の活用について検討す
る。
④施設の複合利用
更新(建替)する場合は、可能な限り複合的な機能をもつ施設とす
る。
⑤施設の総量規制
施設の複合利用や統廃合により施設の総量規制(施設ボリュームの
削減)を進める。
⑥施設の多目的利用
更新(建替)する場合の公共施設の各室は、できる限り多目的で使
用することができる仕様にして、用途転用も可能な工法(スケルト
ン・インフィル※)を導入する。
⑦公有財産の有効活用
継続して保有する必要性が低い施設における民間売却の可能性の検
討や、未利用地・低利用地や施設の複合化や統廃合により空いた土
地の活用方策の検討など、公有財産の有効活用を図る。
※スケルトン・インフィル: 建物の構造躯体(スケルトン)と、更新(建替)の多い設備・内装(インフィル)
を分離した設計・施工のこと。住宅などでは、耐久性が高いスケルトンと、ライフスタイルの変化に合わせ
て柔軟に変更できるインフィルをはっきり分離することによって、物理的にも社会的にも長持ちする方式と
して採用されている。
(2)施設の効率的な維持管理・運営
①民活手法※の導入
市が直接維持管理・運営を行うべき施設を除き、PPP※や指定管理
者制度など民活手法の導入を検討し、コストの縮減と運営サービス
の向上を図る。
②受益者負担の適正化
使用料負担を求められる施設については、受益者負担の適正化を図
るとともに、稼働率の向上による使用料収入の増加を図る。
13
第2章 基本方針
③市民参加による維持
管理・運営
市民利用施設については、市民団体による施設管理など、市民参加
による施設の維持管理・運営を促していく。
※民活手法:PPP など民間の資金力や事業能力を活用した手法。
※PPP:Public Private Partnership(官民協働)の略。公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広く捉
えた概念で、民間資本や民間のノウハウを活用し効率化や公共サービスの向上を目指すもの。
(3)市⺠の安全性の確保
①老朽化対策
防災上重要な公共施設(例:庁舎、避難所等)や、市民や児童が多
く利用する施設(例:小中学校、保育園、福祉センター等)の老朽
化対策を優先的に実施する。
②避難所等の安全性確
保
③施設の優先度の設定
地震・洪水ハザードのリスクなどを踏まえ、地域防災計画との連携
による避難所等の安全性確保を図る。
更新(建替)する施設の優先度を設定し、優先度の高い施設から更
新(建替)を行う。
(4)サービスの効率化と質の向上
①人口動向に対する施
人口は近年も増加が続いているが、長期的には人口減少や少子高齢
設サービスの適正化
化が進んでいくことを踏まえ、学校施設、児童施設の統廃合や、医
療・福祉関連施設の配置見直しなどにより、施設サービス形態の適
正化を図る。
②地域ニーズに対する施
設サービスの適正化
③市民利用施設の維持
管理・運営の改善
5地域(下戸田・上戸田・新曽・笹目・美女木)の地域特性や地域
ニーズに合わせて、施設や提供サービスの適正化を図る。
稼働率の低い市民利用施設は、維持管理・運営の改善を図るととも
に、改善の見込みや将来的な利用ニーズが見込めない施設について
は、統合や廃止も検討する。
④市民利用施設の多目
的利用
⑤他自治体との連携・
民間施設の有効活用
⑥施設の集約化に伴う
公共交通等の拡充
施設の空きスペースの有効活用や、用途を限定せずに時間帯を区分
して多目的に利用するなど、市民利用施設の有効活用を図る。
市民利用施設の相互利用など他自治体との連携や、民間施設の有効
活用による効率化やサービス向上を検討する。
複合化や統廃合による施設の集約化の際には、利便性向上のために、
バス路線の拡充等を検討する。
(5)環境への配慮
①自然エネルギー・省
エネルギーの導入
②CO2 削減
改修や更新(建替)の際には、自然エネルギーを利用した発電設備、
省エネルギー仕様の施設整備を積極的に導入する。
低炭素型コンクリートを用いた施設整備やパッシブ建築※による施
設整備などによりCO2 削減を図る。
※パッシブ建築:断熱強化等をして建物の性能を上げ、極力電力を使わないで太陽光や風を取り入れるよう
な設計を行う建築方法。
14
第2章 基本方針
(6)市⺠参加
①早期段階での市民参
加
再編方針に基づく個別事業の実施にあたっては、計画段階で市民参
加を図る。
図 2-2
事業実施にかかる市民参加のフロー
15
第3章 施設種別再編方針
第3章
施設種別再編方針
1.施設種別再編方針
ここでは、前章の基本方針を踏まえ、各施設種別の方針について、次頁の小分類(15 の施
設種別)ごとに示す。
施設種別再編方針は、今後の財政負担の縮減と施設サービスの向上に向けて、施設種別ご
とに、将来を見据えて今後必要になると考えられる施設更新・機能見直しや施設維持・運営
の効率化などを進めるための内容を定めたものであり、今後の社会情勢や財政状況などを見
据えながら適宜見直しを行うものとする。
なお、前章の基本方針に規定する内容は、全体共通事項として、施設種別すべてに適用す
る。
【施設種別の区分】
(1)図書館等
(2)医療・福祉関連施設
(3)コミュニティ関連施設等
(4)スポーツ施設
(5)文化施設
(6)保養施設
(7)保育園
(8)児童施設
(9)産業振興系施設
(10)学校
(11)教育関連施設
(12)庁舎等
(13)市営住宅
(14)上水道施設
(15)下水道施設
1.2.
16
第3章 施設種別再編方針
<対象施設における施設種別の区分>
大分類
小分類(施設種別)
(1)図書館等
(2)医療・福祉
関連施設
(3)コミュニティ
関連施設等
市
民
利
用
施
設
施
設
名
称
図書館・郷土博物館
所
在
地
新曽 1707
構
造
鉄骨鉄筋コンクリート
面積(㎡)
6,699
建築年月
S58.7
障害者福祉会館
(図書館下戸田分室)
西部福祉センター
(図書館美笹分室)
東部福祉センター
(図書館下戸田分室)
戸田公園駅前行政センター
(配本所)
上戸田福祉センター
(図書館上戸田分館)
99
S61.3
(施設占用部分)
99
S47.3
(施設占用部分)
42
S49.3
(施設占用部分)
22
H22.3
(施設占用部分)
543
再整備中
(施設占用部分)
川岸2-4-8
鉄筋コンクリート
美女木5-2-16
鉄筋コンクリート
下前1-2-20
鉄筋コンクリート
本町4-15-1
鉄骨
上戸田2-21他
鉄筋コンクリート
健康福祉の杜
上戸田 5-4
鉄骨鉄筋コンクリート
7,870
H9.3
障害者福祉会館
(心身障害者福祉センター)
川岸2-4-8
鉄筋コンクリート
2,638
S61.3
福祉保健センター
大字上戸田5-6 鉄骨
3,082
H23.3
介護老人保健施設
美女木 4-20-6
鉄筋コンクリート
5,949
H6.12
市民医療センター
美女木 4-20-1
鉄筋コンクリート
2,911
H26.4
供用予定
軽費老人ホーム白寿荘
笹目7-10-23
鉄筋コンクリート
2,187
S55.2
笹目コミュニティセンター
笹目3-12-1
鉄骨鉄筋コンクリート
2,753
H9.3
新曽福祉センター
新曽1395
鉄筋コンクリート
2,130
S52.3
西部福祉センター
美女木5-2-16
鉄筋コンクリート
2,074
S47.3
東部福祉センター
下前1-2-20
鉄筋コンクリート
2,283
S49.3
再整備中
上戸田福祉センター
上戸田 2-21他
鉄筋コンクリート
4,205
芦原小学校
(生涯学習施設)
大字新曽1961
鉄筋コンクリート
741
(4)スポーツ施設
スポーツセンター
新曽 1286
鉄骨鉄筋コンクリート
14,157
S55.7
(5)文化施設
文化会館
上戸田 4-8-1
鉄骨鉄筋コンクリート
10,950
S55.11
(6)保養施設
保養所(白田の湯)
静岡県東伊豆町 鉄筋コンクリート
(7)保育園
喜沢南保育園
喜沢南 2-6-3
下戸田保育園
(8)児童施設
(9)産業振興系施設
H16.12
2,089
H5.12
鉄筋コンクリート
734
S47.2
下前 2-9-22
鉄筋コンクリート
494
S48.3
上戸田保育園
上戸田 2-18-5
鉄筋コンクリート
471
S43.5
上戸田南保育園
本町 5-11-11
鉄筋コンクリート
630
S49.8
新曽保育園
新曽 1835-1
軽量鉄骨
1,001
H15.2
新曽南保育園
新曽南 2-15-38 鉄筋コンクリート
622
S54.3
笹目東保育園
笹目 1-37-17
鉄筋コンクリート
494
S48.3
笹目川保育園
笹目 2-5-5
鉄筋コンクリート
1,327
H11.3
鉄筋コンクリート
2,917
H4.9
児童センタープリムローズ 笹目2-19-14
戸田公園駅前行政センター
(子育て広場)
本町4-15-1
鉄骨
児童センターこどもの国
本町1-17-7
鉄筋コンクリート
戸田公園駅前行政センター(ビジネス
インフォメーションコーナー)
本町4-15-1
鉄骨
17
151
H22.3
(施設占用部分)
H27.4
4,519 供用予定
130
H22.3
(施設占用部分)
第3章 施設種別再編方針
大分類
小分類(施設種別)
(10)学校
教
育
施
設
(11)教育関連施設
(12)庁舎等
行
政
施
設
(13)市営住宅
市
営
住
宅
(14)上水道施設
上
下
水
道
施
設
(15)下水道施設
施
設
名
称
所
在
地
構
造
面積(㎡)
建築年月
戸田第一小学校
上戸田 3-7-5
鉄筋コンクリート
6,941
S34.9
戸田第二小学校
喜沢南 2-2-37
鉄筋コンクリート
7,982
S33.3
新曽小学校
新曽南 2-13-8
鉄筋コンクリート
5,707
S34.9
美谷本小学校
美女木 7-11-3
鉄筋コンクリート
4,495
S37.7
笹目小学校
笹目 6-9-1
鉄筋コンクリート
5,241
S40.6
戸田東小学校
下戸田 1-3-3
鉄筋コンクリート
5,319
S39.3
戸田南小学校
本町 4-8-2
鉄筋コンクリート
6,700
S44.3
喜沢小学校
喜沢 1-48-6
鉄筋コンクリート
5,435
S44.2
笹目東小学校
笹目 3-17-12
鉄筋コンクリート
5,540
S48.3
新曽北小学校
大字新曽 1367
鉄筋コンクリート
6,032
S48.3
美女木小学校
美女木 2-33-1
鉄筋コンクリート
5,217
S55.2
芦原小学校
大字新曽 1961
鉄筋コンクリート
10,392
戸田中学校
本町 5-8-46
鉄筋コンクリート
7,978
S44.8
戸田東中学校
下戸田 1-11-15 鉄筋コンクリート
6,823
S36.5
美笹中学校
美女木 5-12-6
鉄筋コンクリート
7,243
S38.8
喜沢中学校
喜沢南 1-6-29
鉄筋コンクリート
6,759
S50.7
新曽中学校
大字新曽 1448
鉄筋コンクリート
8,307
S53.8
笹目中学校
笹目 4-38-1
鉄筋コンクリート
6,926
S54.4
教育センター
上戸田 1-19-14 鉄筋コンクリート
920
H11.3
H16.12
学校給食センター
新曽南 4-3-45
鉄骨
2,502
H23.9
少年自然の家
長野県諏訪郡富士見町
鉄筋コンクリート
2,096
S49.9
消防本部庁舎
大字新曽1875-1 鉄骨鉄筋コンクリート
3,652
H2.9
消防署東部分署
下前 1-14-20
鉄筋コンクリート
951
S48.7
消防署西部分署
笹目 5-9-1
鉄筋コンクリート
694
S46.8
4,472
新曽南庁舎
新曽南 3-1-5
鉄筋コンクリート
戸田公園駅前行政センター
(出張所)
本町4-15-1
鉄骨
本庁舎
上戸田 1-18-1
鉄骨鉄筋コンクリート
16,110
もくせい住宅
下前1-7-12
プレキャスト鉄筋コンクリート
905
S53.3
川岸住宅
川岸 2-6-22
鉄筋コンクリート
916
S46.3
後谷住宅
上戸田3-23-2
プレキャスト鉄筋コンクリート
1,260
S54.3
柳原住宅
新曽 980
鉄筋コンクリート
1,436
S47.3
下笹目住宅
笹目 8-1-26
鉄筋コンクリート
3,411
H21.4
笹目夏浜住宅
笹目7-15-3
プレキャスト鉄筋コンクリート
1,586
S62.8
笹目中居田住宅
笹目 6-13-4
壁式鉄筋コンクリート
1,496
H8.1
下前住宅
下前 1-10-10
鉄筋コンクリート
2,722
H13.1
東部浄水場
中町 2-21-15
鉄筋コンクリート
737
H10.3
中部浄水場
下前 1-7-5
鉄筋コンクリート
883
S43.3
西部浄水場
笹目 2-23-25
鉄筋コンクリート
516
S49.2
新曽ポンプ場
新曽南 3-1-8
鉄筋コンクリート
3,594
S54.3
下戸田ポンプ場
喜沢南 1-6-20
鉄筋コンクリート
1,624
S47.11
454
H4.9
H22.3
S45.10
注1)介護老人保健施設、市民医療センター、上戸田福祉センター、児童センターこどもの国については、
現在再整備計画を進めており、施設情報は平成 26 年3月時点で計画中のものである。
注2)学校(小学校・中学校)等の複数棟を有する施設の竣工年月日は、築年数が一番古い棟の竣工年月日
としている。
18
第3章 施設種別再編方針
【施設種別再編方針
一覧表】
※施設種別再編方針は、今後の財政負担の縮減と施設サービスの向上に向けて、施設種別(下記の 15 の小分類)ごとの方針として、将来を見据えて今後必要になると考えられる内容を定めたものであり、今後の社会情勢
や財政状況などを見据えながら適宜見直しを行うものとする。
※基本方針に規定する内容は、全体共通事項として、施設種別すべてに適用する。
施設種別再編方針
大分
類
小分類
施設名
民間売
却の可
能性検
討
民営化
の検討
図書館・郷土博物館
図書館等
医療・福祉関
連施設
指定管
理・包括
委託等
の導入
検討
●
●
維持管
理・運営
業務の
効率化
施設使
用料等
の見直
し検討

●
健康福祉の杜
済
●

障害者福祉会館(心身障害者福祉センター)
済
●

福祉保健センター
●
●
介護老人保健施設
●
市民医療センター
●


図書館・郷土博物館、図書館分館、図書館分室は、戸田市行政改革プランの指針に基づき指定管理
者制度の導入を検討する。
図書館・郷土博物館の将来的な更新(建替)時期を見据え、より幅広い市民が学習、情報交流、憩
いの場として活用できるよう機能の強化を図る。
直営施設の福祉保健センター、介護老人保健施設、市民医療センターは、戸田市行政改革プランの
指針に基づき段階的な業務の委託化や指定管理者制度の導入を検討する。
福祉保健センターは貸室等の利用対象者範囲及び減免団体等を見直し、また、市民交流スペースの
活性化により施設の利用促進を図る。
軽費老人ホーム白寿荘は廃止する。跡地は、企業誘致を前提として民間売却を検討する。
●
市民利用施設
笹目コミュニティセンター
●
済
●

新曽福祉センター(新曽公民館)
西部福祉センター(美笹公民館)
東部福祉センター(下戸田公民館)
上戸田福祉センター(上戸田公民館)
●
●
●


福祉センター、学校施設、生涯学習施設、コミュニティ施設の複合化を検討する。その際、機能の
見直しを併せて検討するとともに、PPP 等の民間活力の導入により効率化を図る。
福祉センターは、戸田市行政改革プランの指針に基づき指定管理者制度の導入を検討する。
施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
芦原小学校(生涯学習施設)
●
●




他自治体との共同運営や民営化の可能性について検討する。
指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管理・運営の効率化を図る。
施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
区画整理の進捗状況に合わせて、施設配置の見直しなど、有効活用の方策を検討する。
他自治体との共同運営や民営化の可能性について検討する。
指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管理・運営の効率化を図る。
施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
●
スポーツセンター
スポーツ施設
●
済
●
●
済
●
●



●
済
●
●



他自治体との共同運営や補助制度への切り替えなどによる民間売却の可能性について検討する。
指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管理・運営の効率化を図る。
施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。

建物の寿命を迎えた保育園は、その時点での保育状況を見定め、原則建替は実施をせず、民設によ
る保育園を推進する。
文化会館
文化施設
保養所(白田の湯)
保養施設
保育園
方針の内容
障害者福祉会館(図書館下戸田南分室)
西部福祉センター(図書館美笹分室)
東部福祉センター(図書館下戸田分室)
戸田公園駅前行政センター(配本所)
上戸田福祉センター(図書館上戸田分館)
軽費老人ホーム白寿荘
コミュニティ
関連施設等
建替時
の施設
複合
化・PPP
検討
●
喜沢南保育園
下戸田保育園
上戸田保育園
上戸田南保育園
新曽保育園
新曽南保育園
笹目東保育園
笹目川保育園
●
19
第3章 施設種別再編方針
施設種別再編方針
大分
類
小分類
施設名
民間売
却の可
能性検
討
民営化
の検討
建替時
の施設
複合
化・PPP
検討
指定管
理・包括
委託等
の導入
検討
維持管
理・運営
業務の
効率化
施設使
用料等
の見直
し検討

児童センタープリムローズ
済
児童施設
●
●
●
●
戸田公園駅前行政センター(子育て広場)
児童センターこどもの国
●
戸田公園駅前行政センター
(ビジネスインフォメーションコーナー)
学校
戸田第一小学校
戸田第二小学校
新曽小学校
美谷本小学校
笹目小学校
戸田東小学校
戸田南小学校
喜沢小学校
笹目東小学校
教育施設
産業振興系
施設
●
●
新曽北小学校
美女木小学校
芦原小学校
戸田中学校
戸田東中学校
美笹中学校
喜沢中学校
新曽中学校
笹目中学校
●
学校給食センター
●
●
少年自然の家
●
行政施設
市営住宅
設
上下水 道施
庁舎等
消防本部庁舎
消防署東部分署
消防署西部分署
新曽南庁舎
戸田公園駅前行政センター(出張所)
本庁舎
市営住宅
もくせい住宅
川岸住宅
後谷住宅
柳原住宅
下笹目住宅
笹目夏浜住宅
笹目中居田住宅
下前住宅
上水道施設
東部浄水場
中部浄水場
西部浄水場
下水道施設
新曽ポンプ場
下戸田ポンプ場
児童センタープリムローズは、指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料の見直しな
ど、維持管理・運営の効率化を図る。
 戸田公園駅前行政センター(子育て広場)は、質の高いサービスを提供しながら、費用対効果等を
検証し、維持管理・運営の効率化を図る。
 児童センターこどもの国は、戸田市行政改革プランの指針に基づき、再整備に伴い指定管理者制度
を導入する。
 施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
《※参考》
学童保育室は、今後、補助制度による民設民営でのサービス提供を推進する。また、既存の直営施
設については、指定管理者による管理運営について検討していく。

業務委託内容の見直しをすることにより、維持管理・運営の効率化を図るとともに、観光情報の発
信などインフォメーションサービスの拡大・充実を図る。

学校の更新(建替)の際には、地域コミュニティの拠点としてコミュニティ関連施設等との複合化
を検討するとともに、PPP 等の民間活力の導入による建替整備・維持管理の効率化を検討する。



教育センターは、貸室の利用形態の見直しや施設使用料の見直しを検討する。
学校給食センターは、計画的な業務の委託化など、維持管理・運営の効率化を図る。
少年自然の家は、他自治体との共同運営や補助制度への切り替えなどによる民間売却の可能性につ
いて検討する。また、将来的な児童・生徒の推移や施設の教育的位置づけ等を考慮の上、指定管理
者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管理・運営の効率化を図る。加えて、
施設使用料を見直し、受益者負担の適正化の推進を図る。

更新(建替)の際には、防災機能を強化するとともに、複合化や PPP 等の民間活力の導入による効
率化を検討する。
敷地・建物の利用可能スペースの民間貸付けを検討し、維持管理・運営の効率化に併せて施設サー
ビスの向上を図る。
●
教育センター
教育関連施設
方針の内容
●
済
●
●
●

●

市営住宅の需要(低所得者等の動向)を見据え、老朽化により更新(建替)時期を迎えた建物を家
賃補助制度に切り替える等により、新たな住宅政策によるサービスの効率化を検討する。

業務委託内容のモニタリングに基づく業務範囲の見直し、及び第三者委託(包括委託)等を推進す
る。また、アセットマネジメントによる計画的な施設管理により、維持管理・運営の効率化を図る。

性能発注と複数年契約による包括的民間委託の導入を推進して、維持管理・運営の効率化を図る。
●
●
●
●
●
20
第3章 施設種別再編方針
(1)図書館等
1) 施設概要
No.
施設名称
概要・位置づけ
施設No.
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
30
6,699(全体)
(図書館:3,611、
博物館:3,088)
1
図書館・郷土博物館
図書館:社会教育法及び図書館法の趣旨に基づい
て、市民の教育や文化の振興を目的に生涯学習の
32-1 拠点として設置。
32-2 郷土博物館:市に関わる歴史・民俗等の資料を収
集保存・調査研究・展示公開することを目的として設
置。
2
障害者福祉会館(図書館下戸田南分室)
26-2
27
3
西部福祉センター(図書館美笹分室)
53-3
41
4
東部福祉センター(図書館下戸田分室)
5
戸田公園駅前行政センター(配本所)
社会教育法及び図書館法の趣旨に基づいて、市民
54-3 の教育や文化の振興を目的として、分館・分室・配
本所を設置し、各地域での図書館サービスを提供。
58-4
6
上戸田福祉センター(図書館上戸田分館)
63-3
3
-
※延床面積は、各施設の主要建物のみでなく、敷地内建物全体の延床面積を表記(以下、本項目で同様)。
図 3-1
39
施設位置図(図書館等)
21
99
(施設占用部分)
99
(施設占用部分)
42
(施設占用部分)
22
(施設占用部分)
543
(施設占用部分)
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

施設規模が比較的大きく利用者も多い図書館・郷土博物館(複合施設)の老朽化に
伴う、安全性の確保や効率的な施設の維持・更新。
■管理運営効率化

図書館・郷土博物館の人件費等の年間維持管理・運営費が比較的多く要しているこ
とを踏まえた、効率的な施設の管理運営。
■利用改善

近年減少傾向にある図書館(分館・分室・配本所含む)、郷土博物館の利用促進。

図書館・郷土博物館の貸室の有効活用。
3) 施設種別再編方針

図書館・郷土博物館、図書館分館、図書館分室は、戸田市行政改革プランの指針に基づ
き指定管理者制度の導入を検討する。

図書館・郷土博物館の将来的な更新(建替)時期を見据え、より幅広い市民が学習、情
報交流、憩いの場として活用できるよう機能の強化を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

笹目地域を除き、各地域(下戸田・上戸田・新曽・美女木)に1施設以上
の図書館(分館・分室・配本所)を設置している。
建物状況

図書館・郷土博物館(複合施設)は、築後約 30 年が経過している。

上戸田福祉センター(現:図書館上戸田分室)は、耐震改修が完了してい
ないが、別途再整備計画が進められている。
コスト状況

図書館の年間コスト(平成 21∼23 年度の平均)は、約 3.0 億円となってお
り、貸出1冊当たりのコストは約 584 円、市民1人当たりのコストは約
2,493 円となっている。

図書館分室、配本所については、貸出等に限定したサービスを行う拠点と
して、それぞれ各地域の福祉センター等に設置していることから運営費が
低く抑えられている。

郷土博物館の年間コスト(平成 21∼23 年度の平均)は、約 5,000 万円とな
っており、観覧者1人当たりのコストは約 1,524 円、市民1人当たりのコ
ストは約 424 円となっている。
維持管理・

すべての施設について市直営(一部業務委託含む)で運営している。
運営状況

図書館分室・配本所は業務委託により運営を行っている。
利用状況

図書館(全体)の貸出冊数は、平成 23 年度で約 76.9 万冊の利用があり、
近年は若干の減少傾向となっている。

全体として、図書館(本館)の割合が多くなっており(平成 23 年度:約
49.5 万冊(約 64%))
、分室・配本所の中では、現:上戸田分室の貸出冊数
22
第3章 施設種別再編方針
が比較的多くなっている(平成 23 年度:約 10.3 万冊(約 13%)
)。

平成 23 年度実績で、利用者1人当たりの貸出冊数は、約4冊前後となって
おり、配本所では約2冊と比較的少なくなっている。また、図書館全体で
の市民1人当たりの貸出冊数は約 6.5 冊となっている。

郷土博物館は、平成 23 年度で約 3.0 万人の来館者があり、近年は若干の減
少傾向となっている。

図書館の貸室(大・小会議室、視聴覚室)
、郷土博物館の貸室(講座室、特
別展示室)については、貸出が市内の社会教育団体に限定されていること
もあり、低い稼働率となっている。
※建物状況の築年数は、平成 25 年4月1日現在。
※コスト状況・利用状況は、
「戸田市公共施設マネジメント白書(平成 25 年6月)」に掲載してい
る平成 21∼23 年度の施設別調査結果に基づく内容より整理している。
(以下、本項目で同様)
23
第3章 施設種別再編方針
(2)医療・福祉関連施設
1) 施設概要
No.
施設名称
1
健康福祉の杜
2
障害者福祉会館
(心身障害者福祉センター)
3
福祉保健センター
4
介護老人保健施設
5
市民医療センター
6
軽費老人ホーム白寿荘
概要・位置づけ
施設No.
地域高齢者の保健福祉の向上及び増進を図ることを
目的に設置。
障害者への能力向上等のための訓練や就労機会等
26-1
を提供する施設として設置。
母子保健事業、成人保健事業など、市民の健康づく
56
りと福祉の向上をはかることを目的として設置。
高齢者等の要介護者への長期・短期入所療養介護
61 サービス及び通所リハビリテーションサービス等を提
供する施設として設置。
市内唯一の公的医療機関として、地域住民のニー
62 ズの高い医療を提供し、市民の健康を守る目的で設
置。
25
64
図 3-2
(平成25年度末で廃止予定。)
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
16
7,870
27
2,638
2
3,082
19
5,949
-
2,911
33
2,187
施設位置図(医療・福祉関連施設)
2) 施設の課題
■管理運営効率化

介護老人保健施設等の比較的コストの高い施設における管理運営の効率化。
■利用改善

貸室を提供している福祉保健センター、障害者福祉会館(心身障害者福祉センター)
の貸室の利用促進。
24
第3章 施設種別再編方針
3) 施設種別再編方針

直営施設の福祉保健センター、介護老人保健施設、市民医療センターは、戸田市行政改
革プランの指針に基づき段階的な業務の委託化や指定管理者制度の導入を検討する。

福祉保健センターは貸室等の利用対象者範囲及び減免団体等を見直し、また、市民交流
スペースの活性化により施設の利用促進を図る。

軽費老人ホーム白寿荘は廃止する。跡地は、企業誘致を前提として民間売却を検討する。
<参考>施設の主な現況
配置状況

医療・福祉関連施設として、市内に5施設を設置している。
(軽費老人ホーム白寿荘は平成 25 年度末で廃止予定)
建物状況

市民医療センターが築後 30 年以上を経過しており、建替工事が進められて
いる。

他の施設は、障害者福祉会館(心身障害者福祉センター)が築後 20 年以上
を経過しているが、比較的新しい建築物が多くなっている。
コスト状況

健康福祉の杜は介護報酬を、障害者福祉会館(心身障害者福祉センター)
は使用料をそれぞれ指定管理者の収入とする形態で運営が行われているた
め、他の施設と比較して低いコストとなっている。

介護老人保健施設は、
歳出額が大きい(約 6.9 億円、
市民1人当たり約 5,824
円)が、歳入を除いた実質的な負担額は、約 3.6 億円となっている。また、
市民医療センターでは、歳入(診療収入等)を除いた実質的な負担額は、
約 1.1 億円となっている。
維持管理・

運営状況
健康福祉の杜、障害者福祉会館(心身障害者福祉センター)は、指定管理
者制度を導入している。

その他の施設(福祉保健センター、介護老人保健施設、市民医療センター)
は、市直営(一部業務委託含む)により運営を行っている。
利用状況

医療福祉関連施設(全体)では、平成 23 年度で約 14.6 万人の利用があり、
近年は若干の増加傾向となっている。

施設別には、健康福祉の杜、市民医療センターの利用者数が多い。また、
健康福祉の杜、介護老人保健施設では若干の減少傾向となっているが、他
の施設は増加傾向となっている。

貸室を提供している福祉保健センター、障害者福祉会館(心身障害者福祉
センター)では、それぞれ稼働率が3割、4割程度となっており、比較的
低い水準となっている。
25
第3章 施設種別再編方針
(3)コミュニティ関連施設等
1) 施設概要
No.
1
2
3
4
5
6
施設名称
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
16
2,753
36
2,130
41
2,074
54
39
2,283
63
-
4,205
9
741
概要・位置づけ
施設No.
笹目コミュニティセンター
33
新曽福祉センター(新曽福祉センター・新曽公民
館)
西部福祉センター(西部福祉センター・美笹公民
館)
東部福祉センター(東部福祉センター・下戸田公
民館)
上戸田福祉センター(上戸田福祉センター・上
戸田公民館)
52
53
地域コミュニティ活動や地域福祉の推進のため、コ
ミュニティセンター(1施設)、福祉センター(公民館)
(4施設)を設置。
地域コミュニティ活動や生涯学習の推進等のため、
55-2
芦原小学校内に生涯学習施設を設置。
芦原小学校(生涯学習施設)
図 3-3
施設位置図(コミュニティ関連施設等)
26
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

地域コミュニティや地域福祉活動の中核施設である福祉センター(4施設)の老朽
化に伴う安全性の確保や、受益者負担の見直しを考慮した効率的な施設の維持・更
新。
■管理運営効率化

笹目コミュニティセンターの指定管理料や福祉センター(4施設)の人件費等の年
間維持管理・運営費が比較的多く要していることを踏まえた、効率的な施設の管理
運営。
■利用改善

近年減少傾向にあるコミュニティ関連施設等の利用促進。

特に、著しく利用者の少ない西部福祉センターの利用促進に向けた改善。
■施設機能見直し

地域ニーズに応じた貸室機能の一部見直し等による稼働率の向上。
3) 施設種別再編方針

福祉センター、学校施設、生涯学習施設、コミュニティ施設の複合化を検討する。その
際、機能の見直しを併せて検討するとともに、PPP 等の民間活力の導入により効率化を
図る。

福祉センターは、戸田市行政改革プランの指針に基づき指定管理者制度の導入を検討す
る。

施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

コミュニティセンター及び福祉センターは、すべての地域(下戸田・上戸
田・新曽・笹目・美女木)に1施設を設置している。
(新曽地域は芦原小学校(生涯学習施設)も設置している。)
建物状況

福祉センター(4施設)は、いずれも昭和 40 年代∼50 年代前半に建設さ
れ、築後 30 年以上を経過している。
コスト状況

上戸田福祉センターは、別途再整備計画が進められている。

笹目コミュニティセンター及び福祉センターは、概ね年間コストとして7
千万円前後となっており、西部福祉センターは5千万円台とやや低くなっ
ている。

芦原小学校(生涯学習施設)は小学校との複合施設のため、年間コストが
著しく低くなっている。

利用者1人当たりのコストは、西部福祉センターが約 2,698 円と他の施設
と比較して2倍以上高くなっている。

笹目コミュニティセンターは、指定管理者による運営が行われているため、
27
第3章 施設種別再編方針
指定管理料が運営費の大部分を占めている。
維持管理・

笹目コミュニティセンターは、指定管理者制度を導入している。
運営状況

福祉センターは、市直営(一部業務委託含む)により運営を行っている。

芦原小学校(生涯学習施設)は、業務委託により運営を行っている。

コミュニティ関連施設等の利用者数は、平成 23 年度で約 30.5 万人の利用
利用状況
があり、近年は減少傾向となっている。

施設別には、東部福祉センター、上戸田福祉センター、新曽福祉センター
の順で利用が多くなっており、西部福祉センター及び芦原小学校(生涯学
習施設)の利用者数は他の施設と比較して著しく少なくなっている。

笹目コミュニティセンターは、新しい施設で、施設規模も比較的大きいが、
利用者数は他の福祉センター(西部福祉センターを除く)よりも少なくな
っている。

稼働率は、東部福祉センターを除き、約3割以下と低い水準になっている。

貸室別には、各施設とも会議室等の多目的用途に利用可能な諸室や、音楽
室・体育室(東部福祉センターのみ)の稼働率が高くなっている。一方で、
調理室、茶華道室、老人いこいの室等の特定の用途に限定されている諸室
の稼働率が低くなっている。

福祉センター(4施設)の貸室別時間帯別の利用状況としては、全体とし
て日中午後の利用が多く、午前中の利用が比較的少なくなっている。また、
夜間の利用としては、会議室、体育室(東部福祉センターのみ)、音楽室(新
曽福祉センター、東部福祉センターのみ)
、老人いこいの室の利用が比較的
多くなっている。

使用料収入については、各施設とも年間で概ね 20∼300 万円程度となって
おり、年間の歳出コストの1割以下にとどまっている。
28
第3章 施設種別再編方針
(4)スポーツ施設
1) 施設概要
No.
1
施設名称
施設No.
概要・位置づけ
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
27
市民のスポーツ振興や健康増進及びスポーツレクリ
エーション活動の推進を図るため、市民のスポーツ
活動の拠点的施設として設置。
33
14,157
スポーツセンター
図 3-4
施設位置図(スポーツ施設)
29
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

市民のスポーツ活動の拠点的施設であるスポーツセンターの老朽化に伴う、安全性
の確保と、施設規模が大きいことを踏まえた、施設の効率的な維持・更新。
■管理運営効率化

スポーツセンターにおける指定管理料や受益者負担の見直し等を考慮した効率的な
施設の管理運営。
3) 施設種別再編方針

他自治体との共同運営や民営化の可能性について検討する。

指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管理・運営の効
率化を図る。

施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。

区画整理の進捗状況に合わせて、施設配置の見直しなど、有効活用の方策を検討する。
<参考>施設の主な現況
配置状況

市民のスポーツ活動の拠点的施設として1施設を設置している。
建物状況

スポーツセンターは、築後 30 年以上を経過している。
コスト状況

スポーツセンターの年間コストは、約 2.8 億円(市民1人当たり約 2,348
円)となっており、利用者1人当たりのコストは 612 円となっている。

スポーツセンターは、指定管理者による運営が行われているため、指定管
理料が運営費の大部分を占めている。また、使用料収入は指定管理者の収
入とする形態で運営が行われている。
維持管理・

スポーツセンターは、指定管理者制度を導入している。

スポーツセンターの利用者数は、平成 23 年度で約 47.4 万人の利用があり、
運営状況
利用状況
平成 21 年度より若干の増加傾向となっている。

スポーツセンターの貸室全体の稼働率は、約7割強となっている。

貸室別には、剣道場、第1競技場、柔道場、卓球場、テニスコートの稼働
率が高くなっているが、第2競技場、会議室、陸上競技場(個人利用を除
く)の稼働率が比較的低くなっている。

スポーツセンターの使用料収入は、年間約5千万円であり、年間コストの
約2割程度となっている。
30
第3章 施設種別再編方針
(5)文化施設
1) 施設概要
No.
1
施設名称
文化会館
施設No.
概要・位置づけ
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
42
文化・レクリエーション活動の振興や福祉の増進等
のため、市民の文化活動の拠点的施設として設置。
33
10,950
図 3-5
施設位置図(文化施設)
31
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

市民の文化活動の拠点的施設である文化会館の老朽化に伴う、安全性の確保と、施
設規模が大きいことを踏まえた、施設の効率的な維持・更新。
■管理運営効率化

文化会館における指定管理料や受益者負担の見直し等を考慮した効率的な施設の管
理運営。
■利用改善・施設機能見直し

文化会館の結婚式場関連の貸室が平成 24 年度末で廃止され、平成 25 年度に改修予
定であること等を踏まえた、貸室機能の一部見直し等による稼働率の向上。
3) 施設種別再編方針

他自治体との共同運営や民営化の可能性について検討する。

指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管理・運営の効
率化を図る。

施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

市民の文化活動の拠点的施設として1施設を設置している。
建物状況

文化会館は、築後 30 年以上を経過している。
コスト状況

文化会館の年間コストは、約 3.0 億円(市民1人当たり約 2,498 円)とな
っており、利用者1人当たりのコストは 1,254 円となっている。

文化会館は、指定管理者による運営が行われているため、指定管理料が運
営費の大部分を占めている。また、使用料収入は指定管理者の収入とする
形態で運営が行われている。
維持管理・

文化会館は、指定管理者制度を導入している。

文化会館の利用者数は、平成 23 年度で約 24.3 万人の利用があり、平成 21
運営状況
利用状況
年度より若干の増加傾向となっている。

文化会館の貸室全体の稼働率は、約3割強となっている。

貸室別には、ホール、会議室、練習室等の多目的用途に利用可能な諸室の
稼働率が高くなっている一方で、ギャラリー、宴会室、和室等の特定の用
途に限定されている諸室の稼働率が低くなっている。
(披露宴室等の結婚式場関連の貸室は平成 24 年度末で廃止され、平成 25
年度に改修予定である。)

文化会館の使用料収入は、年間約4千万円であり、年間コストの約1割程
度となっている。
32
第3章 施設種別再編方針
(6)保養施設
1) 施設概要
No.
1
施設名称
施設No.
概要・位置づけ
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
28
市民等のための保養施設として静岡県賀茂郡東伊
豆町に設置。
20
2,089
保養所(白田の湯)
※保養所(白田の湯)は、市外に設置されているため、施設位置図は省略。
2) 施設の課題
■管理運営効率化

保養所(白田の湯)における指定管理料や受益者負担の見直し等を考慮した効率的
な施設の管理運営。
■利用改善

保養所(白田の湯)の利用者数が若干減少傾向であることを踏まえた、利用促進に
よる施設の有効活用。
3) 施設種別再編方針

他自治体との共同運営や補助制度への切り替えなどによる民間売却の可能性について検
討する。

指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管理・運営の効
率化を図る。

施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

市民等の保養施設として市外に1施設設置している。
建物状況

保養所(白田の湯)は、平成5年に建設され、築後約 20 年となっている。
コスト状況

保養所(白田の湯)の年間コストは、約 1.1 億円(市民1人当たり約 952
円)となっており、利用者1人当たりのコストは 10,848 円となっている。

保養所(白田の湯)は、指定管理者による運営が行われているため、指定
管理料が運営費の大部分を占めている。また、使用料収入は指定管理者の
収入とする形態で運営が行われている。
維持管理・

保養所(白田の湯)は、指定管理者制度を導入している。

保養所(白田の湯)の利用者数は、平成 23 年度で約 1.0 万人の利用があり、
運営状況
利用状況
平成 21 年度より若干の減少傾向となっている。

保養所(白田の湯)の料金収入は、年間約 5,600 万円であり、年間コスト
の約5割となっている。
33
第3章 施設種別再編方針
(7)保育園
1) 施設概要
No.
施設名称
概要・位置づけ
施設No.
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
1
喜沢南保育園
43
41
734
2
下戸田保育園
44
40
494
3
上戸田保育園
45
45
471
4
上戸田南保育園
46
39
630
5
新曽保育園
47
10
1,001
6
新曽南保育園
48
34
622
7
笹目東保育園
49
40
494
8
笹目川保育園
50
14
1,327
図 3-6
児童福祉法に基づく児童福祉施設として、保護者の
委託を受けて乳児・幼児を保育することを目的に保
育所(8施設)を設置
施設位置図(保育園)
34
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

築後 30 年以上を経過する保育園(6施設)の老朽化に伴う、安全性の確保や施設の
効率的な維持・更新。
■管理運営効率化

保育園(直営)は、人件費がコストの大部分を占めることや、保育料収入等が年間
コストの2割前後であることを踏まえた、管理運営の効率化。
(民営保育園の運営状況を踏まえた民間活用や受益者負担の見直し等)
■利用改善

保育園がほぼ定員を満たしており、経年的に保育所待機児童を抱えていることを踏
まえた、保育サービスの拡充の検討。
3) 施設種別再編方針

建物の寿命を迎えた保育園は、その時点での保育状況を見定め、原則建替は実施をせず、
民設による保育園を推進する。
<参考>施設の主な現況
配置状況

美女木地域を除く地域(下戸田・上戸田・新曽・笹目)でそれぞれ公立保
育園を2施設ずつ設置している。
(美女木地域については、私立保育園の1施設が設置されている。)
建物状況

新曽保育園、笹目川保育園を除く6施設は、昭和 40 年台から昭和 50 年前
半に建設され、築後 30 年以上を経過している。
コスト状況

すべての保育園で耐震化への対応が行われている。

保育園の年間コストとして、概ね1∼2億円前後(市民1人当たり約 1,000
∼1,800 円)となっている。また、各施設とも市直営であり、人件費の占
める割合が大きくなっている。

園児1人当たりのコストとしては、概ね 120 万円∼170 万円前後となって
おり、施設別には、笹目川保育園、新曽保育園、喜沢南保育園が比較的高
コストとなっている。

歳入(保育料収入等)については、各施設とも概ね3千万円∼4千万円前
後となっており、年間コストの約2割前後にとどまっている。
維持管理・

すべての施設が市直営(一部業務委託含む)で運営されている。

保育園(全体)の園児数は、平成 23 年度で 829 人となっており、概ね横ば
運営状況
利用状況
いで推移している。

施設別の園児数についても、各施設ともほぼ定員数の園児数が入園してい
る。
35
第3章 施設種別再編方針
(8)児童施設
1) 施設概要
No.
施設名称
1
児童センタープリムローズ
2
戸田公園駅前行政センター(子育て広場)
3
児童センターこどもの国
概要・位置づけ
施設No.
児童に健全な遊びを与え、その健康を増進し、情操
を豊かにすることを目的に設置。
乳幼児とその親を対象に身近な場所でいつでも気軽
に集い交流を図ることや、育児相談、一時預かりな
58-3
ど安心して子育てができる環境を整備することを目
的に設置。
豊かな自然と施設の中でこどもを健全に育成するこ
とを目的に設置。
65
平成24年12月より一時閉鎖中であるが、再整備に
より平成27年度に開設予定。
51
図 3-7
施設位置図(児童施設)
36
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
21
2,917
3
454
(占用部:151)
-
4,519
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■管理運営効率化

使用料収入等が年間コストに対して低い割合であることや、児童センタープリムロ
ーズにおける指定管理料、戸田公園駅前行政センター(子育て広場)及び児童セン
ターこどもの国における人件費がコストの大部分を占めることを踏まえた、管理運
営の効率化。
(指定管理料の見直し等の民間活用や受益者負担の見直し等)
■施設機能見直し

一時閉鎖中の児童センターこどもの国について、平成 27 年度の開設が予定されてい
ることを踏まえた、利用促進に向けた導入機能・サービス等の充実。
3) 施設種別再編方針

児童センタープリムローズは、指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料
の見直しなど、維持管理・運営の効率化を図る。

戸田公園駅前行政センター(子育て広場)は、質の高いサービスを提供しながら、費用
対効果等を検証し、維持管理・運営の効率化を図る。

児童センターこどもの国は、戸田市行政改革プランの指針に基づき、再整備に伴い指定
管理者制度を導入する。

施設使用料の見直しなど、受益者負担の適正化の推進を図る。
≪※参考≫
学童保育室は、今後、補助制度による民設民営でのサービス提供を推進する。また、既
存の直営施設については、指定管理者による管理運営について検討していく。
<参考>施設の主な現況
配置状況

子育て支援等の児童施設として、市内に3施設を設置している。
建物状況

児童センターこどもの国は、築後 30 年以上を経過しているが、平成 27 年
度の開設が予定されている。

他の2施設は、児童センタープリムローズが築後 20 年以上を経過している
が、比較的新しい建築物となっている。
コスト状況

各施設の年間コストは、児童センタープリムローズ:約 9,700 万円(市民
1人当たり約 815 円)、戸田公園駅前行政センター(子育て広場)
:約 1,500
万円(市民1人当たり約 127 円)、児童センターこどもの国:約 4,800 万円
(市民1人当たり約 404 円)となっている。

戸田公園駅前行政センター(子育て広場)は、戸田公園駅前行政センター
の3階部分の占用施設のため、他の施設と比較して年間コストが低くなっ
ている。

児童センタープリムローズでは、指定管理者による運営が行われているた
め、指定管理料が運営費の大部分を占めている。
37
第3章 施設種別再編方針

利用者1人当たりのコストでは、利用者(来館者)の比較的少ない児童セ
ンターこどもの国の方が、児童センタープリムローズよりも高いコストと
なっている(児童センターこどもの国:1,081 円、児童センタープリムロ
ーズ 809 円)
。
維持管理・

児童センタープリムローズは、指定管理者制度を導入している。
運営状況

戸田公園駅前行政センター(子育て広場)は、市直営(一部業務委託含む)
により運営を行っている。
利用状況

児童施設(全体)の利用者数は、平成 23 年度で約 18.1 万人であり、施設
別には児童センタープリムローズが年間 11.9 万人(平成 23 年度)と多く
なっている。

児童センタープリムローズ、戸田公園駅前行政センター(子育て広場)は
増加傾向であるが、平成 24 年 12 月に閉鎖した旧:こどもの国は減少傾向
となっている。

研修室の貸出を行っている児童センタープリムローズ(研修室)の稼働率
は、約4割となっており、低い水準となっている。

使用料収入については、戸田公園駅前行政センター(子育て広場)の一時
預かりで年間約 62.9 万円(平成 23 年度)
、児童センターこどもの国のプラ
ネタリウム・プールで 121.4 万円(平成 23 年度)となっているが、年間歳
出額の5%以下の割合にとどまっている。
38
第3章 施設種別再編方針
(9)産業振興系施設
1) 施設概要
No.
1
施設名称
概要・位置づけ
施設No.
商業・工業・観光などの市内産業情報を収集し、市
58-2 民や企業に発信することで、市内産業の活性化を図
ることを目的に設置。
戸田公園駅前行政センター
(ビジネスインフォメーションコーナー)
図 3-8
施設位置図(産業振興系施設)
39
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
3
454
(占用部:130)
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■管理運営効率化

年間コストにおいて、人件費、委託費が大部分を占めることを踏まえた管理運営の
効率化。
■利用改善

駅前の立地特性であることや、戸田公園駅前行政センター(ビジネスインフォメー
ションコーナー)の稼働率が比較的低いことを踏まえた、戸田公園駅前行政センタ
ー(ビジネスインフォメーションコーナー)の利用促進。
3) 施設種別再編方針

業務委託内容の見直しをすることにより、維持管理・運営の効率化を図るとともに、観
光情報の発信などインフォメーションサービスの拡大・充実を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

産業振興系施設として、市内に1施設を設置している。
建物状況

戸田公園駅前行政センター(ビジネスインフォメーションコーナー)は、
戸田公園駅前行政センターの占用施設として整備し、築後3年と比較的新
しい施設となっている。
コスト状況

戸田公園駅前行政センター(ビジネスインフォメーションコーナー)の年
間コストは、約 800 万円(市民1人当たり約 68 円)となっている。

戸田公園駅前行政センター内の一部占用施設のため、人件費、委託費等の
運営費が中心となっている。
維持管理・

訪問者1人当たりのコストは、約 642 円となっている。

戸田公園駅前行政センター(ビジネスインフォメーションコーナー)は、
運営状況
利用状況
市直営(一部業務委託含む)で運営している。

戸田公園駅前行政センター(ビジネスインフォメーションコーナー)の利
用者数は、平成 23 年度で約 1.5 万人であり、平成 22 年度と比較して著し
く増加傾向となっている。

戸田公園駅前行政センター(ビジネスインフォメーションコーナー)の稼
働率は、約1割強と低い水準にとどまっている。
40
第3章 施設種別再編方針
(10)学校
1) 施設概要
<小学校>
No.
施設名称
概要・位置づけ
施設No.
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
1
戸田第一小学校
3
54
6,941
2
戸田第二小学校
4
55
7,982
3
新曽小学校
5
54
5,707
4
美谷本小学校
6
51
4,495
5
笹目小学校
7
48
5,241
6
戸田東小学校
8
49
5,319
7
戸田南小学校
9
44
6,700
8
喜沢小学校
10
44
5,435
9
笹目東小学校
11
40
5,540
10 新曽北小学校
12
40
6,032
11 美女木小学校
12 芦原小学校
学校教育法に基づく小学校を12校設置し、児童に義
務教育としての普通教育を実施。
13
33
5,217
55-1
9
9,651
<中学校>
1
戸田中学校
14
44
7,978
2
戸田東中学校
15
52
6,823
3
美笹中学校
16
50
7,243
4
喜沢中学校
17
38
6,759
5
新曽中学校
18
35
8,307
6
笹目中学校
19
34
6,926
学校教育法に基づく中学校を6校設置し、生徒に義
務教育としての普通教育を実施。
図 3-9
施設位置図(学校)
41
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

築後 30 年以上を経過する小・中学校(芦原小学校を除く 17 施設)の老朽化に伴う、
安全性の確保や施設の効率的な維持・更新。
■管理運営効率化

施設の維持管理費や光熱水費等の占める割合が大きく、施設規模や施設数が多いこ
とから、維持管理方法や改修の効率化による管理運営コストの縮減。
3) 施設種別再編方針

学校の更新(建替)の際には、地域コミュニティの拠点としてコミュニティ関連施設等
との複合化を検討するとともに、PPP 等の民間活力の導入による建替整備・維持管理の
効率化を検討する。
<参考>施設の主な現況
配置状況

各地域に小学校2校以上、中学校1校以上を設置している。
<地域別学校数>
建物状況

美女木
笹目
新曽
上戸田
下戸田
小学校
2
2
3
2
3
中学校
1
1
1
1
2
小学校は、芦原小学校を除く 11 施設は、昭和 30 年代から昭和 50 年代に建
設され、築後 30 年以上を経過している。

特に、戸田第一小学校等の4施設は昭和 40 年以前に建設されており、築後
約 50 年以上を経過している。

中学校は、6施設すべてが昭和 30 年代から昭和 50 年代に建設され、築後
30 年以上を経過している。

特に、戸田東中学校、美笹中学校は昭和 40 年以前に建設されており、築後
約 50 年以上経過している。
コスト状況

すべての学校において、耐震化の対応が行われている。

小・中学校の年間コストとして、1施設当たり概ね5千万円∼1.6 億円前
後となっている。

施設別には、特に笹目東小学校、新曽北小学校、新曽中学校等について、
年間コストが大きくなっているが、これは大規模な改修や耐震工事等が維
持管理費に含まれているためである。

児童・生徒1人当たりのコストは、概ね6万円∼35 万円前後となっており、
施設別には、大規模な改修や耐震工事等が実施された施設のコストが大き
くなっている。
維持管理・

すべての学校について市直営(一部業務委託含む)で施設管理を行ってい
42
第3章 施設種別再編方針
運営状況
利用状況
る。

小学校(全体)の児童数は、平成 23 年度で 7,393 人となっており、若干減
少傾向となっている。

中学校(全体)の生徒数は、平成 23 年度で 3,252 人となっており、若干増
加傾向となっている。

学校別には、小学校では戸田第二小学校、戸田第一小学校の児童数が多く
なっており、中学校では新曽中学校、戸田中学校の生徒数が多くなってい
る。

児童数・生徒数が少ない小・中学校においても 300 人以上が在籍している。
43
第3章 施設種別再編方針
(11)教育関連施設
1) 施設概要
No.
施設名称
概要・位置づけ
施設No.
1
教育センター
29
2
学校給食センター
57
3
少年自然の家
59
学校教育の課題研究や教職員の研修の推進及び
教育相談活動の充実、生涯学習等の機会の提供を
行い教育の充実を図ることを目的に設置。
学校給食法に基づく学校給食の実施を行う施設とし
て設置。
自然環境の中で心身ともに健全な青少年の育成を
図る目的で長野県諏訪郡富士見町に設置。
小中学校の行事、青少年団体の合宿研修などの対
応を実施。
※少年自然の家は、市外に立地(長野県諏訪郡富士見町)
。
図 3-10
施設位置図(教育関連施設)
44
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
14
920
2
2,502
39
2,096
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

老朽化の進む少年自然の家の安全性確保と、効率的な維持・更新。
■管理運営効率化

使用料収入等が年間コストに対して低い割合であることや、学校給食センターにお
ける人件費、及び少年自然の家における指定管理料が運営コストの大部分を占める
ことを踏まえた、管理運営の効率化。
(指定管理料の見直し等の民間活用や、受益者負担の見直し等)

使用料収入等が年間コストに対して低い割合であることや、学校給食センターにお
ける人件費、及び少年自然の家における指定管理料が運営コストの大部分を占める
ことを踏まえた、管理運営の効率化。
3) 施設種別再編方針

教育センターは、貸室の利用形態の見直しや施設使用料の見直しを検討する。

少年自然の家は、他自治体との共同運営や補助制度への切り替えなどによる民間売却の
可能性について検討する。また、将来的な児童・生徒の推移や施設の教育的位置づけ等
を考慮の上、指定管理者制度に基づいた業務の進捗管理や指定管理料を見直し、維持管
理・運営の効率化を図る。加えて、施設使用料を見直し、受益者負担の適正化の推進を
図る。

学校給食センターは、計画的な業務の委託化など、維持管理・運営の効率化を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

教育関連施設として、市内に2施設(教育センター、学校給食センター)、
市外に1施設(少年自然の家)を設置している。
建物状況

教育センターは築後 14 年と比較的新しい施設であり、学校給食センター
は、平成 23 年度に新設されている。
コスト状況

少年自然の家は、築後 30 年以上を経過している。

各施設の年間コストは、教育センター:約 1,900 万円(市民1人当たり約
160 円)、学校給食センター:約 12 億円(市民1人当たり約 10,219 円)、
少年自然の家:約 8,000 万円(市民1人当たり約 673 円)となっている。

学校給食センターは、平成 22∼23 年度の新設工事が含まれているため、著
しく高いコストとなっている。

少年自然の家では、指定管理者による運営が行われているため、指定管理
料が運営費の大部分を占めている。

利用者1人当たりのコストでは、少年自然の家が約 1.2 万円と比較的高い
コストとなっている。

学校給食センターの歳入(給食事業収入)は、年間約 2.8 億円であり、歳
出額全体の約2割、維持管理費を除く運営費の約4割となっている。
45
第3章 施設種別再編方針
維持管理・

少年自然の家は、指定管理者制度を導入している。
運営状況

教育センター、学校給食センターは市直営(一部業務委託含む)により運
営を行っている。
利用状況

平成 23 年度で教育センターが年間約 1.4 万人、少年自然の家が6千人の利
用者数となっている。

教育センターの利用者は増加傾向であるが、少年自然の家の利用者は減少
傾向となっている。

会議室の貸出を行っている教育センター(会議室)の稼働率は、教育関係、
庁内の使用料免除や生涯学習登録団体の使用料減免が行われていることも
あり、約7割と高い水準になっている。

使用料収入については、教育センターで年間約 14.8 万円(平成 23 年度)、
少年自然の家で 33.6 万円(平成 23 年度)となっているが、年間歳出額の
1%以下の割合にとどまっている。
46
第3章 施設種別再編方針
(12)庁舎等
1) 施設概要
No.
1
施設名称
消防本部庁舎
22
2
消防署東部分署
23
3
消防署西部分署
24
4
新曽南庁舎
5
戸田公園駅前行政センター(出張所)
6
本庁舎
概要・位置づけ
施設No.
市の消防活動や防災拠点等として消防署本部、2つ
の分署を設置。
地方自治法の規定に基づき、市民サービスのための
31
事務所として、本庁舎、新曽南庁舎、出張所を設
置。
58-1
新曽南庁舎は旧さいたま地方法務局戸田出張所の
建物を再利用するもので平成25年1月に供用を開
60
始。
図 3-11
施設位置図(庁舎等)
47
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
23
3,652
40
951
42
694
21
4,472
3
454
43
16,110
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

本庁舎及び消防署は、防災上重要な施設であることも踏まえ、築後 30 年以上を経過
する本庁舎、消防署分署(2施設)の老朽化に伴う、安全性の確保や施設の効率的
な維持・更新。
■管理運営効率化

施設規模の大きい本庁舎、消防本部庁舎では、維持管理費の占める割合が比較的高
いことから、維持管理方法や改修の効率化による管理運営コストの縮減。
3) 施設種別再編方針

更新(建替)の際には、防災機能を強化するとともに、複合化や PPP 等の民間活力の導
入による効率化を検討する。

敷地・建物の利用可能スペースの民間貸付けを検討し、維持管理・運営の効率化に併せ
て施設サービスの向上を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

庁舎として、3施設(本庁舎、戸田新曽南庁舎、戸田公園駅前行政センタ
ー(出張所)
)を設置している。

消防署として、3施設(消防本部庁舎、消防署東部分署、消防署西部分署)
を設置している。
建物状況

本庁舎(本館・新館)
、消防署東部分署、消防署西部分署は築後 30 年以上
を経過している。

特に、本庁舎(本館)
、消防署東部分署、消防署西部分署は昭和 40 年代に
建設され、築後約 40 年以上を経過している。

本庁舎(本館)では、平成 24 年 10 月より耐震改修工事を実施しており、
平成 27 年1月の工事完了予定となっている。
コスト状況

施設別には、消防本部庁舎、本庁舎の年間コストがそれぞれ約 2.5 億円(市
民1人当たり約 2,084 円)、1.8 億円(市民1人当たり約 1,507 円)と大き
くなっており、内訳としては、光熱水費や維持修繕費等の維持管理費の割
合が比較的多くなっている。

消防本部庁舎では備品購入費等の人件費以外の運営費の占めるコストも大
きくなっている。

消防署分署(2施設)
、及び出張所(1施設)は、年間コストとして概ね3
千万円∼4千万円前後となっている。
維持管理・

運営状況
利用状況
すべての施設について、市直営(一部業務委託含む)により運営を行って
いる。
−
48
第3章 施設種別再編方針
(13)市営住宅
1) 施設概要
No.
施設名称
概要・位置づけ
施設No.
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
1
もくせい住宅
34
35
905
2
川岸住宅
35
42
916
3
後谷住宅
36
34
1,260
4
柳原住宅
37
41
1,436
5
下笹目住宅
38
4
3,411
6
笹目夏浜住宅
39
26
1,586
7
笹目中居田住宅
40
17
1,496
8
下前住宅
41
12
2,722
図 3-12
住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃
貸住宅を供給する目的で8つの住宅を設置。
施設位置図(市営住宅)
49
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

築後 30 年以上を経過する市営住宅(4施設)の老朽化に伴う、安全性の確保や施設
の効率的な維持・更新。
■管理運営効率化

下笹目住宅、下前住宅等、施設規模が大きく、比較的築年数の新しい施設を多く抱
えていることを踏まえた、長期的な視点での施設の維持・更新の効率化。
3) 施設種別再編方針

市営住宅の需要(低所得者等の動向)を見据え、老朽化により更新(建替)時期を迎え
た建物を家賃補助制度に切り替える等により、新たな住宅政策によるサービスの効率化
を検討する。
<参考>施設の主な現況
配置状況

市営住宅について、下戸田地域に3施設、上戸田地域に1施設、新曽地域
に1施設、笹目地域に3施設を設置しており、美女木地域には市営住宅は
無い状況となっている。
建物状況

もくせい住宅、川岸住宅、後谷住宅、柳原住宅は、昭和 40 年代から昭和
50 年代に建設され、築後 30 年以上を経過している。

平成元年以後に建設された比較的新しい市営住宅も3施設(下笹目住宅、
笹目中居田住宅、下前住宅)あり、築後 20 年以内となっている。
コスト状況

施設別には、特に川岸住宅、柳原住宅について、年間コストが大きくなっ
ているが、これは大規模な改修や耐震工事等が維持管理費に含まれている
ためである。

川岸住宅、柳原住宅を除く市営住宅(6施設)の年間コストは、概ね3百
万円∼9百万円(市民1人当たり約 20∼80 円)前後となっている。

川岸住宅、柳原住宅を除く市営住宅(6施設)は、家賃等の歳入が年間コ
ストを上回っていることから、これら市営住宅の管理運営に係る年間コス
トが入居者の負担で充当されている。

入居1戸当たりのコストについては、年間コストが特に大きい川岸住宅、
柳原住宅を除く6施設では、概ね 12 万円∼19 万円前後となっている。
維持管理・

運営状況
利用状況
すべての市営住宅について市直営(一部業務委託含む)で施設管理を行っ
ている。

市営住宅(全体)の供給戸数は 231 戸で、入居戸数は平成 23 年度で 228 戸
となっており、概ね横ばいで推移している。

施設別には、比較的施設が新しく、施設規模も大きい下笹目住宅、下前住
宅の入居戸数が多くなっている。

入居率は、すべての施設で 100%となっている。
50
第3章 施設種別再編方針
(14)上水道施設
1) 施設概要
No.
施設名称
概要・位置づけ
施設No.
1
東部浄水場
1
2
中部浄水場
20
3
西部浄水場
21
図 3-13
上水道の供給施設として3つの浄水場を設置。
施設位置図(上水道施設)
51
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
15
737
45
883
39
516
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

築後 30 年以上を経過する中部浄水場、西部浄水場の老朽化に伴う、安全性の確保や
施設の効率的な維持・更新。
■管理運営効率化

上水道の供給施設として、光熱水費や設備の点検保守等の維持管理費を多く要する
ことや、西部浄水場で他の2施設の包括管理が行われていることを踏まえた、維持
管理方法の見直しや設備更新等による管理運営コストの縮減。
3) 施設種別再編方針

業務委託内容のモニタリングに基づく業務範囲の見直し、及び第三者委託(包括委託)
等を推進する。また、アセットマネジメントによる計画的な施設管理により、維持管理・
運営の効率化を図る。
<参考>施設の主な現況
配置状況

上水道施設として、3施設(東部浄水場、中部浄水場、西部浄水場)を設
置している。
建物状況

中部浄水場、西部浄水場は、昭和 40 年代に建設され、築後 30 年以上を経
過している。
コスト状況

東部浄水場は、築後 15 年と比較的新しい施設となっている。

施設別には、西部浄水場において、他の2施設(東部浄水場、中部浄水場)
の包括管理を行っているため、西部浄水場の年間コストが約 1.9 億円(市
民1人当たり約 1,088 円)と大きくなっている。

他の2施設(東部浄水場、中部浄水場)の年間コストは、それぞれ約4千
万円(市民1人当たり約 345 円)、約3千万円(市民1人当たり約 284 円)
となっており、維持管理費の占める割合が大きくなっている。
維持管理・

運営状況
利用状況
西部浄水場において、他の2施設(東部浄水場、中部浄水場)の包括管理
を行っている。
−
52
第3章 施設種別再編方針
(15)下水道施設
1) 施設概要
No.
施設名称
1
新曽ポンプ場
2
下戸田ポンプ場
概要・位置づけ
施設No.
2
30
図 3-14
下水道(雨水・汚水)の排水施設として、2つのポン
プ場を設置。
施設位置図(下水道施設)
53
築年数
(H25.4.1現在)
延床面積(㎡)
34
3,594
41
1,624
第3章 施設種別再編方針
2) 施設の課題
■老朽化対応

ポンプ場2施設(新曽ポンプ場、下戸田ポンプ場)はいずれも築後 30 年以上を経過
していることから、施設・設備の老朽化に伴う、安全性の確保や施設の効率的な維
持・更新。
■管理運営効率化

下水道施設として、光熱水費や設備の点検保守等の維持管理費や、設備の運転のた
めの委託費等を多く要することを踏まえた、維持管理方法の見直しや設備更新等に
よる管理運営コストの縮減。
3) 施設種別再編方針

性能発注※と複数年契約による包括的民間委託の導入を推進して、維持管理・運営の効率
化を図る。
※性能発注:民間事業者が施設を適切に維持管理・運営し、一定の性能(パフォーマンス)を発揮すること
ができるのであれば、施設の運転方法の詳細等については民間事業者の自由裁量に任せるという考え方に
基づく発注方法。
<参考>施設の主な現況
配置状況

下水道施設として、2施設(新曽ポンプ場、下戸田ポンプ場)を設置して
いる。
建物状況

新曽ポンプ場、下戸田ポンプ場とも昭和 40∼50 年代に建設され、築後 30
年以上を経過している。
コスト状況

下戸田ポンプ場では、平成 24 年 11 月より耐震改修工事を実施している。

施設別の年間コストとして、新曽ポンプ場で約7千万円(市民1人当たり
約 604 円)、下戸田ポンプ場で約9千万円(市民1人当たり約 761 円)とな
っている。

新曽ポンプ場、下戸田ポンプ場とも光熱水費、設備の点検保守等の維持管
理費や、運転のための委託費の占める割合が大きくなっている。
維持管理・

運営状況
利用状況
新曽ポンプ場、下戸田ポンプ場とも業務委託により施設の管理運営を行っ
ている。
−
1.3.
54
第4章 方針の推進に向けて
第4章
方針の推進に向けて
1.⽅針の進捗管理・推進体制
(1)⽅針の進捗管理
1) 「公共施設再編プラン(仮称)
」の策定による個別事業の推進と進捗管理
公共施設再編方針に基づき今後実施する個別事業の推進と進捗管理を行うため、平成 26 年
度に「公共施設再編プラン(仮称)」を策定する。これにより、担当部署の実施する個別事業
の取組内容に係る調整や年次別計画に基づく進捗管理を行うとともに、進捗管理結果に応じ
て適宜「公共施設再編プラン(仮称)」の見直し・更新も定期的に行うものとする。
【「公共施設再編プラン(仮称)」による進捗管理の例】
年次別計画
番
号
取組事業名
取組の概要
1
○ ○ 施 設へ の 指定
管理者制度の導入
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○。
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○。
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○
○○○○。
2
3
・
○ ○ 施 設の 民 間売
却の検討
○ ○ 施 設の 廃 止に
よ る 民 間施 設 の活
用
・・
・・
担当部署
H27
H28
H29
H30
H31
・・・
→
→
→
○
→
・・・
○○課
→
→
→
→
○
・・・
○○課
→
→
→
→
○
・・・
○○課
・・
・・
・・ ・・
・・ ・・・
・・
2) 個別計画に係る事前協議の実施
今後実施される個別事業が、公共施設再編方針で定める「基本方針」
、
「施設種別再編方針」
や、今後策定予定の「公共施設再編プラン(仮称)
」に基づいて実施されているかどうかを継
続的に確認することが、再編方針を実現していく上で重要な事項となる。
よって、今後の個別施設における改修・複合化に係る主要な施設計画や、指定管理者制度
の導入等の維持管理・運営計画の策定・見直し等にあたっては、公共施設再編方針の推進を
所管する資産管理課との事前協議の実施を義務付けるものとする。
事前協議の内容は、主に次にかかげるものを想定し、個別事業の位置づけや事業進捗に応
じて適宜調整を行うものとする。
55
第4章 方針の推進に向けて
【事前協議の実施方法】
①対象施設

公共施設再編方針の対象施設すべてを対象とする。

対象施設の改修・複合化に係る構想・計画や、施設維持管理・運営計画の策定・見
直しを行う際に事前協議を実施する。

なお、公共施設再編方針の対象外の施設においても、一定の事業規模を有する改修・
複合化や維持管理・運営計画の策定・見直しについては、必要に応じて適宜協議対
象に加えるものとする。
②協議方法

公共施設再編方針との整合性や、事業性など、下記の項目に基づいて、各所管課が
説明資料を作成した上で、各所管課と資産管理課の間で事前協議を行う。
<事前協議の際の確認・検討項目(例)>
 公共施設再編方針及び公共施設再編プラン(仮称)との整合性
 「基本方針」との整合性
 「施設種別再編方針」との整合性
 「公共施設再編プラン(仮称)」との整合性
 事業の必要性
 上位計画等との位置づけ(総合振興計画、市条例等)
 法的位置づけ(法律上の設置義務等)
 施設の立地、利用状況
 施設のニーズ、充足状況
 施設の機能・規模
 導入機能の状況(複合化に伴う機能連携等)
 導入規模の状況(施設ボリュームの削減等)
 事業性(コスト縮減や効率化の取組)
 事業主体・役割分担(PPP 等の民活手法導入の可能性等)
 コスト・使用料収入の状況
 期待される効果(費用対効果、定性的効果、税収増等)
 事業上の留意点(公共側のリスク負担等)
3) 公共施設マネジメント白書・再編方針の更新
公共施設マネジメント白書に係る施設データについて定期的に更新・蓄積を行うことで、
コスト削減額や利用状況の改善など、再編方針の進捗状況の確認とともに、再編方針や個別
事業を実施する際の基礎データとして活用する。
また、公共施設再編方針についても、公共施設マネジメント白書の更新状況や今後の社会
情勢や財政状況などを見据えながら適宜見直しを行うものとする。
56
第4章 方針の推進に向けて
(2)推進体制
公共施設再編方針の推進にあたっては、平成 25 年度より財務部に編成した資産管理課を中
心に、公共施設再編方針の実施に係る全体調整とともに、関係各課との調整・連携により管
理施設に係る継続的なデータ収集・分析や、今後策定予定の「公共施設再編プラン(仮称)」
に基づく再編方針の実践に係る事業実施を行っていく。また、市民への情報提供を通じた情
報共有・合意形成を図るとともに、実施事業の進捗管理を行うことで、施設管理や提供サー
ビスの効率化と市民サービスの向上の両立に取り組むものとする。
(総合振興計画、各種計画等)
一般
市民
反映・調整
情報提供
助言・
支援
(横断的窓口セクション)
「公共施設再編方針」及び「公共施設
再編プラン(仮称)」の策定・実施に係
る各種調整・情報提供
「公共施設中長期保全計画」の実施
に係る各種調整・情報提供
公有財産の維持・管理に係る情報管
理・各種調整
財政課との連携による財政負担を見
据えた進捗管理・見直し検討 など
(有識者)
(コンサルタント)
など
各種団
体
再編方針・
実施事業
に係る
意見など
データ管理・個別事
業・施策等に係る
協議・調整・助言
NPO
PTA
民間
企業等
総務部・市民生活部・環境経済部・福祉部・こども青少年部・
都市整備部・消防本部・教育委員会 等
管理施設に係る継続的なデータ収集・分析
「公共施設再編方針」及び「公共施設再編プラン(仮称)」に基
づく個別事業・施策の実施
「公共施設中長期保全計画」に基づく個別施設の維持・更新
など
図 4-1
地域
住民
今後の公共施設再編方針の推進に係る組織体系(イメージ)
1.4.
57
第4章 方針の推進に向けて
2.方針の実施に向けて
(1) 施設計画(改修・複合化)及び維持管理・運営計画への反映
1) 施設の複合化の推進
公共施設再編方針の基本方針においては、施設の有効活用の項目で、新規整備の抑制と民
間施設の活用の検討を前提として、
「更新(建替)する場合には可能な限り複合的な施設利用
を図る」ことを定めている。また、施設種別再編方針では、特にコミュニティ関連施設等、
学校、庁舎等について複合化を検討する方針を定めている。さらに、コミュニティ関連施設
等と学校との複合化については、ケーススタディ(参考資料)として、戸田東中学校と東部
福祉センターを対象として概略検討を行っている。
上記を踏まえ、今後の個別事業における複合化の検討にあたっては、次頁に示す主な施設
種別ごとの複合化によるメリットや留意点等を十分に考慮した上で進めていくものとする。
58
第4章 方針の推進に向けて
【施設の複合化により期待される効果・留意点など】
複合化が期待される
施設種別
<共通事項>
主な施設種別
複合化の効果
(諸室・機能の例)
−
複合化を行う上での留意点
 敷地(公有財産)の有効活用
 施設範囲、管理区分の明確化
 共用部や一部諸室の共用等による施設規模の削減
 複合施設間の管理体制の明確化
 人員の削減や設備等の共用管理など、維持管理・運営コストの削
 各施設での防犯機能の確保
市内既存施設の複合化事例
−
減
 複合化によるスケールメリットの創出
 コミュニティ形成の拠点施設としての機能向上(地域との連携強
 静穏が必要な施設の環境確保など、各施設の
コミュニティ
図書館等
図書室、視聴覚室
関連施設等
医療・福祉関連施設
医療・高齢者福祉サービス機能
スポーツ施設
体育スペース、トレーニング室
 市民利用施設の集約化による市民・利用者の利便性向上
(東部福祉センター)
文化施設
ホール、練習室
 共同事業の実施など、複合施設間での連携強化によるサービス向
(上戸田福祉センター)
学校
特別教室(工芸室等)
、体育館
庁舎等
会議スペース
小学校&生涯学習施設
保育園
保育室
(芦原小学校)
児童施設
子育て支援機能(一時預かり等)
図書館等
図書室、視聴覚室
 地域に開かれた学校や生涯学習の拠点としての機能向上
医療・福祉関連施設
医療・高齢者福祉サービス機能
 学校施設の一部共用による地域サービスの効率化(体育館、特別
コミュニティ関連施設等
多目的スペース、会議室、音楽室
保育園
保育室
児童施設
子育て支援機能(一時預かり等)
学校
化)
特性を踏まえた機能の導入
福祉センター&図書館分室
(西部福祉センター)
上
 児童・生徒への教育上の影響への配慮
小学校&生涯学習施設
(芦原小学校)
教室など)
 多世代交流による児童・生徒への教育上の効果(児童施設、福祉
関連施設など)
 コミュニティ形成の拠点施設としての機能向上(地域との連携強
化)
庁舎等
 各種窓口サービスと市民利用施設の集約化による市民・利用者の
図書館等
図書室、視聴覚室
医療・福祉関連施設
医療・高齢者福祉サービス機能
コミュニティ関連施設等
多目的スペース、会議室、音楽室
スポーツ施設
体育スペース、トレーニング室
(例:福祉機能を有する施設との複合化による避難所機能の向上
文化施設
ホール、練習室
など)
保育園
保育室
児童施設
子育て支援機能(一時預かり等)
利便性向上
 庁舎等の執務環境やセキュリティの確保
出張所&ビジネスインフォメ
ーションコーナー&子育て広
 複合整備に伴う防災機能の強化
59
場&配本所
(戸田公園駅前行政センター)
第4章 方針の推進に向けて
2) PPP 等の民活手法導入の推進
将来的な財政負担の縮減に向けては、施設の複合化等と合わせて、施設の効率的・効果的
な改修・更新(建替)や維持管理・運営を行っていく必要があるが、行政側のみでの対応に
は限界があると考えられる。
よって、公共施設再編方針に基づく今後の個別事業の実施にあたっては、各事業の特性等
を踏まえ、下記に示す PPP 等の民活手法の導入を検討していくことで、民間事業者等多様な
主体の資金・ノウハウを積極的に活用していくものとする。
【施設の整備(改修・複合化等)における PPP の導入の例】
事業方式の例
PFI 方式
概要
公共施設の整備・維持管理・運営の長期包括的委託により民間ノウハウや民
間資金の活用を図る。
定期借地方式
統廃合後の跡地などの公有地について民間事業者に定期借地を行うことで、
公有財産の有効活用や、公共施設と民間施設との併設による賑わいの創出等
を図る。
コンセッション
方式
事業収入を有するインフラ施設等を対象に、民間事業者が行政から公共施設
等の運営権を取得し、整備・維持管理・運営を行うことで民間ノウハウの活
用を図る。
設計・施工一括
設計・施工を一体的に民間に委ねることで整備段階での民間ノウハウの活用
発注方式
を図る。
民間提案制度の
市の実施事業を対象に、民間や市民団体等から提案を受けることで効率的・
活用
効果的な公民連携を図る。
【施設の維持管理・運営における PPP の導入の例】
事業方式の例
概要
指定管理者制度
市民利用施設等の公の施設における維持管理・運営段階での長期包括的委託
により民間ノウハウの活用を図る。
包括管理委託
インフラ施設等における維持管理・運営段階での民間への長期包括的委託に
より民間ノウハウの活用を図る。
民営化
公共施設の民間施設への転用や代替的な民設サービスの導入により公民連携
を推進する。
市民参加による
市民利用施設等について、市民団体等とのパートナーシップにより、協働で
維持管理・運営
維持管理・運営を実施する。
3) 施設使用料の見直し
施設の使用料については、コミュニティ関連施設等、スポーツ施設、文化施設等の市民利
用施設において年間コストに対する使用料割合が低水準(概ね1∼2割程度)であることや、
施設種別や個別施設単位での設定金額や使用料の有無の取り扱いの基準が統一されていない
ことを踏まえ、受益者負担の適正化に向けて、使用料の見直しに取り組むものとする。
使用料の見直しにあたっては、施設の維持・更新に必要なコストや、市場性・収益性を踏
まえた上で、検討を進めていくものとする。
60
第4章 方針の推進に向けて
(2)公共施設中⻑期保全計画の推進
公共施設再編方針における「基本方針」及び「施設種別再編方針」に基づき、新規整備の
抑制、施設の複合利用、総量規制、多目的利用等により、既存施設の有効活用を図るため、
別途計画する「戸田市公共施設中長期保全計画」に基づき、財政負担の縮減を図りながら施
設の保全・長寿命化に取り組むものとする。
【公共施設中長期保全計画の推進】 ※詳細は、「戸田市公共施設中長期保全計画」を参照。
①施設の長寿命化

予防保全に基づく施設の適切な修繕・改修等を行い、目標耐用年数を 80 年に延ばす
ことで、各施設のライフサイクルコストを削減する。
②中長期・短期的視点に基づく計画の推進

中長期・短期的視点に基づいた下記の計画を策定し、毎年度最新の情報を反映させる
ことで、財政負担の縮減と各年度の予算制約を踏まえたコスト平準化を図る。
 長期計画(計画期間:50 年)
:長期的視点にたち保全の方向性を決定する。
 中期計画(計画期間:5年 ※中期財政計画の計画期間と整合)
:長期計画のライフサイクルコスト算出結果をベースとしてコスト削減・平準化
を目的として計画する。
 実施計画(計画期間:1年)
:短期的視点にたち具体的な工事の内容・実施方法を決定する。
1.5.
61
参考資料1
参考資料1
指定管理者制度
用語説明
平成 15 年9月の地方自治法改正により導入された制度で、これまでは公共的
な団体等に限定されていた公の施設の管理運営を、民間企業や NPO 法人など
も含めた幅広い団体に委ねることが可能となった。
この制度の活用により、民間企業や NPO 法人などがもつ様々なノウハウを公
の施設の管理運営に活用し、市民サービスの向上と経費の削減を図ることが
期待されている。
なお、指定管理者制度を導入しても、公の施設の設置目的は変わるものでは
なく、市には施設の設置者としての責任があるため、指定管理者に施設の管
理運営を委ねた後も、指定管理者が管理運営を適切に行っているかチェック
していく必要がある。
民活手法
PPP など民間の資金力や事業能力を活用した手法。
PPP
PPP(Public Private Partnership、官民協働)とは、公共サービスの提供に
民間が参画する手法を幅広く捉えた概念で、民間資本や民間のノウハウを活
用し効率化や公共サービスの向上を目指すもの。
PFI
PFI(Private Finance Initiative)とは、公共施設等の事業計画から設計、資
金調達、建設、運営、維持管理など、事業実施に関わる一連のプロセスの全
部または一部を対象として長期包括的に民間部門に委ね、民間部門の資金調
達能力、技術的能力、経営能力など多様なノウハウを活用し、最適な官民の
協働によって財政負担の縮減や、良質低廉な公共サービスの提供を目指す事
業方式(民活手法)の一つ。
「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI 法)
が平成 11 年 7 月に制定されて以来、全国で 418 事業(平成 24 年度末現在)
が PFI の実施方針の公表を行っている(内閣府 PFI 推進室資料より)。
VFM
VFM (Value for Money)とは、PFI における最も重要な概念の1つで、税金
(Money)の使用価値(Value)を最も高めようとする考え方。PFI 事業の方
が、通常事業よりも、「公共の支払いに対して価値の高いサービスを提供」さ
れる場合、PFI 事業の方に「VFM がある」といい、これが PFI 基本方針にお
ける特定事業の選定基準となっている。この場合の支払いは、公共(国、地
方自治体)が事業期間(ライフサイクル)にわたって支出する財政支出額(公
共が負担するリスクの調整分を含む)を適正な割引率で現在価値に換算した
ものが用いられる。
包括管理委託
インフラ施設等の公共サービスの提供において行政側が行う業務のうち、
複数の施設や業務内容を一括して民間事業者に委託するもの。民間ノウハ
ウの活用の観点から、複数年の包括契約とすることが通例である。
性能発注
民間事業者が施設を適切に維持管理・運営し、一定の性能(パフォーマンス)
を発揮することができるのであれば、施設の運転方法の詳細等については民
間事業者の自由裁量に任せるという考え方に基づく発注方法。
62
参考資料1
スケルトン・イ
建物の構造躯体(スケルトン)と、更新(建替)の多い設備・内装(インフ
ンフィル
ィル)を分離した設計・施工のこと。住宅などでは、耐久性が高いスケルト
ンと、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に変更できるインフィルをはっ
きり分離することによって、物理的にも社会的にも長持ちする方式として採
用されている。
パッシブ建築
断熱強化等をして建物の性能を上げ、極力電力を使わないで太陽光や風を取
り入れるような設計を行う建築方法。
維持管理費
光熱水費や清掃業務委託料、土地借上料など、建物等の維持管理に要した直
接的な経費であり、修繕費・改修費等を含んでいる。
運営費
施設で提供しているサービスや実施している事業などに要した経費で、正規
職員、臨時職員などの人件費も運営費に計上している。
なお、指定管理料などの一括の管理運営に係る委託費については、便宜上運
営費として計上している。
更新費
対象施設(建築物)の建替(再整備)に要する経費を示す。
なお、将来更新費については、構造区分別の耐用年数・更新費単価を設定し、
竣工年数より耐用年数に到達した段階で建替に要する経費を計上している。
稼働率
各施設が提供する貸室の年間の提供区分総数に対する利用区分総数の割合を
示す。
(例:1日3区分(午前・午後・夜間)提供で年間 300 日開館している貸室
が、年間 450 区分利用されている場合は、稼働率 50%(450 区分/(3区分
×300 日))となる。
)
使用料収入
各施設が提供する貸室等の利用料金による収入を示す。
なお、会議室・ホール等の貸室の他、スポーツ施設のプール・トレーニング
室や児童施設の一時預かり等の利用料金による収入も含む。
63
参考資料2
参考資料2
「再編方針の基本的考え方」において今後 30 年間で想定する削減額の概算
◆
削減額の計算にあたっての基本的な考え方
近年の対象施設に係る更新費の実績(年あたり)を今後 30 年間確保できる更新費可能額(年
あたりと想定する。この更新費可能額(年あたり)に対して今後 30 年間で想定される将来更
新費(年あたり)を差し引いた金額を不足コスト(年あたり)と想定し、30 年分を乗じるこ
とで「今後 30 年間で想定する削減額」を概算する。
◆
平成 21∼23 年度の更新費の平均値をもとに更新費可能額を設定
平成 21∼23 年度の対象施設の更新費実績の平均値を今後 30 年間確保できる更新費可能額
(年あたり)と想定する。
単位:百万円
◆
H21
H22
H23
平均(H21∼23)
632
2,451
991
1,358
今後 30 年間での削減額を試算
平成 21∼23 年度の対象施設の更新費実績の平均値(13.6 億円)と今後 30 年間(平成 24
∼53 年度)の年あたり更新費概算結果(18.2 億円)との差額を算定し、今後 30 年間で不足
するコストを概算する。
今後 30 年間で不足するコスト(施設更新費不足額)
=(年あたり更新費(18.2 億円)※−H21∼23 年度更新費平均値(13.6 億円)
)×30 年
≒138 億円
※年あたり更新費(18.2 億円)は、「戸田市公共施設マネジメント白書(H25.6)」の将来更新
費の試算結果より設定。
<参考>削減額を延床面積に換算した場合
上記で算出した今後 30 年間で不足する更新費コストをもとに、更新費単価で除することで、
削減すべき施設ボリュームを算定し、削減率を想定する。
削減すべき施設ボリューム(㎡)
=今後 30 年間で不足する更新費コスト(138 億円)/更新費単価(270 千円/㎡)※
≒51,111 ㎡
施設ボリュームの削減率
=削減すべき施設ボリューム(51,111 ㎡)/対象施設の総延床面積(249,258 ㎡)
≒20.5%
※更新費単価は、施設割合の多い鉄筋コンクリート造の設定値とし、
「戸田市公共施設マネジメ
ント白書(H25.6)」の将来更新費の試算結果より設定。
64
参考資料3
参考資料3
ケーススタディ検討
ここでは、前項の施設種別再編方針を踏まえ、施設の統廃合に伴う複合化や、民活手法の導
入による維持管理・運営の効率化など、今後考えられる個別事業の一例として、下記の3ケー
スについてケーススタディとして期待される定量的・定性的効果などの概略検討を行った。
ケース名
概要
対象施設
【ケース1】
学校施設の建替に伴い、福祉センターと
戸田東中学校と
学校施設の建替に伴う福祉セ
の複合化の検討を行うとともに、複合化
東部福祉センター
ンターとの複合化の検討
施設の整備(建替)・維持管理・運営を
PFI 方式により長期包括的に民間活用し
た場合のコスト縮減効果や期待される
サービス向上面等を概略検討する。
【ケース2】
家賃補助制度の活用を基本に、民間住宅
民間住宅を活用した家賃補助
を活用して市営住宅サービスを行う場
制度の活用検討
合のコスト縮減効果や課題などを概略
川岸住宅
検討する。
コスト縮減効果については、老朽化の進
んでいる市営住宅を建て替える場合と、
当該施設を廃止し、同規模の戸数につい
て家賃補助を行う場合の比較を行う。
【ケース3】
図書館の維持管理・運営を指定管理者制
図書館への指定管理者制度の
度により長期包括的に民間委託した場
導入に関する検討
合のコスト縮減効果や期待されるサー
ビス向上面を概略検討する。
1.6.
65
図書館・郷土博物館
参考資料3(ケース1)
(1)ケース1:学校施設の建替に伴う福祉センターとの複合化の検討
1) 検討の概要
戸田東中学校の建替を行う場合に、戸田東中学校の敷地において東部福祉センターとの複
合化を検討する。また、複合化施設の整備(建替)
・維持管理・運営を PFI 方式により長期包
括的に民間活用した場合のコスト縮減効果を概略検討する。
2) 対象施設の概要
戸田東中学校
所在:戸田市下戸田 1-11-15
現況写真
地域地区等:第 1 種住居地域
第 1 種高度地区
建蔽率/容積率:60%/200%
敷地面積:18,651 ㎡
建築面積:2,953 ㎡
延床面積:6,823 ㎡
竣工年:昭和 35 年4月
その他:耐震改修済
主な諸室
(普通)教室棟、特別教室棟、管理教室棟、屋内運
動場、武道場、プール附属棟
東部福祉センター(同施設内の図書館下戸田分室を含む)
所在:戸田市下前 1-2-20
現況写真
地域地区等:第 1 種住居地域
第 1 種高度地区
建蔽率/容積率:60%/200%
敷地面積:2,488 ㎡
建築面積:709 ㎡
延床面積:2,283 ㎡
竣工年:昭和 49 年4月
その他:耐震改修済
主な諸室(貸室) 東部福祉センター
大会議室、中会議室、小会議室、茶・華道室、料理
(下戸田公民館) 室、第一音楽室、第二音楽室、サークル室、集会室、
工芸室、体育室、老人いこいの室
図書館
図書館分室(42 ㎡)
下戸田分室
66
参考資料3(ケース1)
3) 導入機能のイメージ
戸田東中学校及び東部福祉センターを複合化した場合の機能について、利用対象者ごとに
使い方のイメージを以下に整理する。
67
参考資料3(ケース1)
4) 概略規模の想定と事業費の概算
以下に、複合施設の想定規模、概算事業費、及び複合化の効果について整理する。
ア)想定規模の設定
前項の導入機能のイメージを踏まえ、戸田東中学校と東部福祉センターとの複合化施設
の規模設定を行う。
規模の想定にあたっては、既存の戸田東中学校、東部福祉センターの同様の機能(諸室)
を確保することを前提とする。ただし、特別教室(工芸室、料理室、音楽室等)、集会スペ
ース(会議室)、体育スペース(体育館)、共用部等については、学校と福祉センターとの
相互利用を想定することで施設ボリュームの削減を図るものとする。
これらの想定規模の設定内容について、以下に示す。
想定結果として、一部諸室の相互利用や共用部の削減により、約 700 ㎡の施設ボリュー
ムが削減される。
【戸田東中学校と東部福祉センターの複合化検討に伴う想定規模】
※詳細は、次頁の「複合化検討における想定規模(概算)を参照
①既存施設の延床面積合計
9,106 ㎡
(戸田東中学校)
(6,823 ㎡)
(東部福祉センター)
(2,283 ㎡)
②複合化施設の延床面積合計
8,420 ㎡
③複合化に伴い削減される延床面積(①−②)
68
686 ㎡
参考資料3(ケース1)
<複合化検討における想定規模(概算)>
項目
複合化前諸室面積
戸田東中
福祉センター
(計)
複合化後諸室面積
戸田東中
福祉センター
(計)
施設名
戸田東中学校
(教室棟)
戸田東中学校
(管理教室棟)
屋内運動場
格技場
プール
東部福祉センター
専有面積(プール面積含む)
レンタブル比
全体面積 合計面積
【下表凡例】
使用
使用するが空き時間有
不定期に使用
使用しないが専用
使用しない
※戸田東中のレンタブル比は別棟の体育館、格技場、プールを除く校舎面積より算定した数値
5,506
1,703
7,209
0.70
0.75
6,823
2,283
9,106
※各レンタブル比は、1建物への集約による比率向上を想定し既存施設より高めに設定
5,506
863
6,369
諸室名
普通教室
生徒会室
保健室
教育相談室
さわやか相談室
金工室(準備室含む)
木工室(工作技術室)(準備室含む)
社会科室
教材室
化学室・物理室(第1、第2理科室)
視聴覚室
更衣室 多目的室
英語課室
被服室・調理室(準備室含む)
生涯学習課(遺跡備品庫含む)
教室棟 廊下・トイレ等
多目的室
職員室
校長室
事務室
小会議室
職員更衣室・印刷室
準備室1
放送室
音楽室(準備室含む)
準備室2
会議室
総合学習室
図書室
美術室
普通教室
LLパソコン教室
管理教室棟 廊下・トイレ等
ステージ・アリーナ
器具室
体育研究室
スタンド
屋内運動場 廊下・トイレ等
格技場(階段等含む)
プール
うち、更衣室(建築物部分)
老人憩いの室(和室大広間)
機能回復訓練室
廊下・トイレ(福祉サービス部分)
浴室
事務室
機械室
児童図書館
廊下・トイレ(児童図書館部分)
大会議室
中会議室
小会議室
展示ホール
料理教室(準備室含む)
茶華道室
サークル室
集会室
工芸室
相談室
第1・第2音楽室(モニター室含む)
体育館(倉庫、更衣室含む)
東部福祉センター 廊下・トイレ等
0.75
0.80
現状面積
445
64
64
64
64
115
144
64
64
259
64
64
64
259
127
1242
130
130
32
32
32
32
32
32
130
65
65
65
130
130
194
130
586
824
24
24
73
97
560
716
69
7,341
1,079
午前
8,420
午後
夜間
土日祝日 共用可能な福祉センター用途
複合化後専有面積
445
64
64
64
64
115
144
64
64
259
64
64
64
259
127
相談室
相談室
工芸室
工芸室
大会議室
サークル室
130
130
32
32
32
32
32
32
130
65
65
65
130
130
194
130
体育館
体育館
体育館
体育館
824
24
24
73
小会議室
第2音楽室
中会議室
児童図書館(個室対応)
560
716
120
30
52
83
83
52
47
39
120
62
51
62
77
52
60
60
68
26
135
426
394
7,209
(浴室等との一体利用部分)
学校図書館内に現状面積を確保
会議室3室合計の半分の面積を
確保
120
30
52
83
83
52
47
77
62
77
52
※学校側で共用を想定
60
※学校側で共用を想定
※学校側で共用を想定
半分の面積を確保
※学校側で共用を想定
67
小計
※諸室の面積は、概略面積を把握する目的で印刷図面より計算しており、一部において寸法が正確には不明な箇所があること等から若干の誤差が生じている。
69
6,369
参考資料3(ケース1)
<施設構成イメージ>
体育館
福祉
センター
グラウンド
戸田東小学校
共用可能室は集めて配置
戸田東中学校
(将来的な小学校との機能
連携も考慮)
項目
敷地面積
既存校舎面積
複合施設面積
複合施設建築面積
外構面積
校庭面積
公園
緑地
駐車場面積
面積(㎡)
備考
18,651 建蔽率60%(11,191㎡)、容積率200%(37,302㎡)
6,823 プール、体育館、格技場を除く面積: 4,505㎡→建築面積:約1,500㎡
プール、体育館、格技場を除く面積: 6,102㎡→建築面積:約2,000㎡
8,420
プール、体育館、格技場面積:2,318㎡→建築面積:約2,100㎡
4,100 2,000㎡+2,100㎡
14,551 校庭、駐車場含む
2,154 図面より概算、テニスコート含む
560 開発指導要綱(開発区域面積の6%以上(うち、緑地3%以上でも可))
2,425 開発指導要綱(開発区域面積の10%以上)※公園のうち3%を緑地とした
駐車可能台数:5,682÷30=190台(平面駐車)
※市開発指導要綱によると187台(敷地面積100㎡につき1台)以上確保
5,682
5,682㎡=14,551×0.8-2,154-560-2,425
(※校庭通路部分を考慮し×0.8とした)
イ)概算事業費
ャ
イ
コ ニ
スシ
ト
ル
費目
解体設計費
既存校舎解体費
複合施設設計・監理費
複合施設建設費
外構工事費
ラ 施設維持管理費(年間)
コ ン
ス ニ 施設修繕費(年間)
ト ン
グ 光熱水費
福祉センター運営費
金額(千円)
4,094
81,876
146,881
2,273,400
174,612
3,873
23,239
9,683
10,441
備考
解体費の5%
1.2万円/㎡
建設費の6%
27万円/㎡
1.2万円/㎡
460円/㎡
施設全体、建築設備、外構を含む
2,760円/㎡
施設全体、大規模修繕含まず
1,150円/㎡
1,240円/㎡
※費用は、戸田市公共施設マネジメント白書における試算条件及び類似事例等における参考単価により設定。
70
参考資料3(ケース1)
ウ)複合化の効果について
上記の戸田東中学校の東部福祉センターの複合化の概略検討においては、既存施設と同
様の機能を確保することを条件に、特別教室(工芸室、音楽室)、会議室、体育館、設備等
の共同利用を想定することで、施設ボリュームの削減を図っている。
以下に、後述する学校の複合化事例も踏まえ、学校施設の複合化により想定される主な
効果について整理する。
【学校施設の複合化により想定される主な効果】

施設整備の効率化(既存敷地の有効活用)

限られた敷地内に学校施設と公共公益施設を複合化することで、一部施設機能の共
用により、当該施設を単体で建替等を行うよりも施設ボリュームや整備コストの縮
減が期待できる。

維持管理・運営の効率化

学校施設と併設施設を一体的に維持管理・運営を行うことで、人員の削減や設備等
の共用管理など、効率的な維持管理・運営によるコストの縮減が期待できる。

児童・生徒への教育上の効果

学校と生涯学習施設(公民館、図書館等)を併設することで、生涯学習機能を活用
した多様な学習活動の提供など、児童・生徒の教育面での効果が期待できる。

地域との連携強化

学校と地域コミュニティ施設等を併設することで、学校・会議室・特別教室等を活
用し、多世代を対象とした講座・イベントの開催など、児童・生徒と地域住民との
直接的な交流による、地域コミュニティの強化が期待できる。
なお、学校施設の複合化にあたっては、複合施設間の相互・共同利用による学習・生活環
境の向上に寄与するとともに、利用動線・利用時間帯の区分や防犯機能の確保など、学校施
設での児童・生徒の学習・生活に支障がないように計画することに留意する必要がある。
【参考】複合化後に東部福祉センターの跡地を売却する場合の収入額
参考として、戸田東中学校の敷地において戸田東中学校と東部福祉センターを複合化し
た後に、東部福祉センターの跡地を売却する場合、近傍の公示地価※より概算すると、約
5.2 億円の収入額となる。(208 千円/㎡×2,488 ㎡=517 百万円)
※所在:埼玉県戸田市下前1丁目 241 番2外(調査基準日:平成 25 年1月1日)
71
参考資料3(ケース1)
5) VFM の検討(概算)
戸田東中学校と東部福祉センターとの複合化施設の整備(建替)
・維持管理・運営について、
PFI 方式により長期包括的に民間活用した場合のコスト縮減効果の概算を行う。
ここでは、想定条件をもとに、PFI 方式で実施した場合の整備(建替)・維持管理・運営業
務の業務コストの割合と、それに伴う VFM※の関係について感度分析を行い、その結果を以下
に示す。
※VFM は、従来型公共事業方式で実施する場合と、PFI 方式による市の財政負担額の比較によって行うもので、
比較においては、事業期間全体を通じた市の財政負担額を、金銭の時間価値を考慮した額(現在価値額)に換算
し、その差額を VFM として評価する。
算定結果
95.0%
90.0%
85.0%
80.0%
-5.54%
-0.18%
5.18%
10.54%
縮減 後 の業 務コ スト割 合
VFM
歳出(単年度)
2.6 億円/ 年
2.5 億円/ 年
2.4 億円/ 年
2.2 億円/ 年
歳出( 20 年計)
52.5 億円/ 年
49.8 億円/ 年
47.1 億円/ 年
44.5 億円/ 年
15.00%
95.0%
90.0%
85.0%
80.0%
VFM
10.00%
-5.54%
-0.18%
5.18%
[VFM(%)]
5.18%
5.00%
-0.18%
0.00%
95.0%
-5.00%
10.54%
10.54%
90.0%
[縮減後の業務コスト割合(%)]
85.0%
80.0%
-5.54%
-10.00%
VFM
※上記の「縮減後の業務コスト割合」は、従来方式の業務コスト(設計・建設・維持管理・
運営)と比較して、PFI 方式で実施した場合の長期包括的委託に伴う業務コスト(設計・
建設・維持管理・運営)の縮減後の割合を示す。
上記の VFM の概算結果では、縮減後の業務コスト割合(設計・建設費、維持管理・運営
費)が概ね 90%以下の場合、VFM が期待できる(従来型公共事業方式の場合の公共の負担
額よりも PFI 事業として実施した場合の公共の負担額が少なくなる)と想定される。
なお、今後 PFI・PPP 方式等による事業化の検討を行う場合には、民活事業の導入可能性
調査等を通じて、複合化施設の整備・維持管理の条件(事業範囲、導入機能、官民の役割
分担等)の詳細化や、市場性の確認(民間事業者の参加条件等の調査)等により、事業可
能性を十分に検討していく必要がある。
72
参考資料3(ケース1)
【参考】学校施設複合化の参考事例
※学校施設の主な複合化事例を整理。詳細は、次頁以降の各事例の整理表を参照。
類型
施設名称・事業名称
①中学校と
下関市豊北中学校
公共施設の
(山口県下関市)
施設機能
複合化の特徴
中学校、図書館
中学校の中心に地域利用可能な図書館(地域図書
室)の併設や、体育館・音楽室・美術室・技術室・
複合化
家庭科室を地域開放施設としてまとめて配置する
ことなどにより、地域の交流活動の拠点として活
用。
中央区立晴海中学校
中学校、保育
中学校、保育園、特別養護老人ホームを1施設と
(東京都中央区)
園、特別養護老
することで限られた敷地に必要とされる機能を整
人ホーム
備。
中庭や体育館及び校庭を利用し、保育園、特別養
護老人ホームとの交流によるイベント等が実施さ
れている。
文京区立茗台中学校
中学校、生涯学
中学校、生涯学習館、区民プラザを1施設とする
(東京都文京区)
習館、区民プラ
ことで限られた敷地に必要とされる機能を整備。
ザ
②既存校舎
志木市立志木小学校
小学校、生涯学
小学校と生涯学習施設(生涯学習館・図書館)の
を活用した
(埼玉県志木市)
習館、図書館
併設により児童と地域社会(市民利用者等)との
公共施設と
直接的なふれあいの場を創出。
の複合化
(地域との連携強化や生涯学習の推進に寄与)
③PFI によ
川崎市黒川地区小中学
小学校、中学
小中学校と地域交流センターの併設により児童・
る学校施設
校新設事業
校、地域交流セ
生徒と地域社会(市民利用者等)との直接的なふ
の複合化
(神奈川県川崎市)
ンター 、わく
れあいの場を創出。
わくプラザ
(地域との連携強化や生涯学習の推進に寄与)
(仮称)八千代市立萱
小学校、生涯学
体育館、温水プールの利用時間帯の区分による小
田小学校分離新設校及
習施設
学校と地域との共同利用など、小学校と生涯学習
び総合生涯学習施設整
施設の併設により児童と地域社会(市民利用者等)
備・運営事業
との直接的なふれあいの場を創出。
(千葉県八千代市)
(地域との連携強化や生涯学習の推進に寄与)
市立つるせ台小学校、
小学校、図書館
小学校と図書館分館の併設により児童と地域社会
市立図書館鶴瀬西分館
分館、放課後児
(市民利用者等)との直接的なふれあいの場を創
及び市立つるせ台放課
童クラブ
出。(生涯学習の推進に寄与)
後児童クラブ整備並び
放課後児童クラブの併設により児童サービスの向
に維持管理運営事業
上が期待される。
(埼玉県富士見市)
73
参考資料3(ケース1)
①
参考事例(中学校と公共施設の複合化)
名称
下関市豊北中学校(山口県下関市)
写真
※文部科学省 HP より
施設機能
中学校、図書館
施設概要
建ぺい率:21.4%
容積率:27.8%
敷地面積:39,851 ㎡
建築面積:8,545.55 ㎡
延床面積:11,090.04 ㎡
規模・構造:鉄骨造一部鉄筋コンクリート造地上2階
【中学校】
10 クラス、生徒数 311 人、教科教室型
理科教室、数学教室、社会教室、教科多目的スペース、研究室、調理室、
配膳室、家庭科教室、多目的スペース、コンピュータ教室、音楽教室、
共通講義室、美術教室、技術教室、剣道場、アリーナ、保健室、校長室、
職員室、社会教育課事務室、体育研究室、用具室、管理室、ラウンジ
建設期間
平成 16 年 10 月∼平成 17 年 12 月
総事業費
約 28 億円(用地費含む)
事業の特徴
<教科センター方式の導入に伴う移動空間の工夫>
・ラーニングセンター・図書室、校務、教科教室、特別教室、ホームベ
ースの5つのゾーニングにより空間の目的を明確化。
<生徒同士、生徒と教師の交流を促す、多様な学習空間>
・変化に富んだ施設によって、多様な学習活動が促されるとともに、生
徒同士、生徒と教師との交流も活発化。
<地域全体で生徒たちを見守る取組>
・図書室は地域住民も利用でき、公共図書館としての一面も持っている。
図書館担当の市職員が常駐。学校が地域との接点になるよう図書室に
はラウンジが併設。
複合化の特徴
中学校の中心に地域利用可能な図書館(地域図書室)の併設や、体育館・
音楽室・美術室・技術室・家庭科室を地域開放施設としてまとめて配置
することなどにより、地域の交流活動の拠点として活用。
※出典:これからの小・中学校施設(文部科学省、H22.6)
74
参考資料3(ケース1)
名称
中央区立晴海中学校(東京都中央区)
写真
※中央区 HP より
施設機能
中学校、保育園、特別養護老人ホーム
施設概要
敷地面積:5,040 ㎡(他運動場敷地 4,642 ㎡)
延床面積:中学校 12,562 ㎡
保育園 952 ㎡/特別養護老人ホーム 7,340 ㎡
規模・構造:鉄骨鉄筋コンクリート造 地下1階 地上6階建(一部7階建)
6F
体育館、武道場、25mプール
5F
普通教室、多目的ホール、コンピュータ教室、音楽室、美術室
4F
普通教室、多目的ホール、理科室
3F
中学校
普通教室、調理室、会議室
他
他
他
高齢者デイサービスセンター
他
2F
昇降口、職員室、図書室、保健室
1F
給食厨房、事務室 他
B1
木工室、倉庫
他
保育園
特別養護老人ホーム
他
建設期間
平成元年9月∼平成3年3月
総事業費
−
事業の特徴
都市化により少子高齢化に加え、児童生徒を含む定住人口の減少が進む
地域であること、学校区域内における高齢者の施設が必要であったこと
などから建設された施設。
・体育館と校庭は開放している。
・給食施設は、給食形態(メニュー、回数等)が異なり、相互利用はし
ていない。
・高層階の窓清掃は教育委員会の契約で定期的に入る。
・鍵の管理は学校のみ行う。
・トイレの洗浄は、雨水を利用している。
中学校、保育園、特別養護老人ホームを1施設とすることで限られた敷
地に必要とされる機能を整備。
中庭や体育館及び校庭を利用し、保育園、特別養護老人ホームとの交流
によるイベント等が実施されている。
複合化の特徴
※出典:平成9年度「学校施設整備に係る都市化に伴う諸課題に関する調査研究」報告書(文部科学省、H9.10)
、
中央区 HP
75
参考資料3(ケース1)
名称
文京区立茗台中学校(東京都文京区)
写真
※文部科学省 HP より
施設機能
中学校、生涯学習館、区民プラザ
施設概要
敷地面積:6,702 ㎡
延床面積:中学校(9,463 ㎡、1∼6階)
・生涯学習館(1,638 ㎡、7∼
8階)、区民プラザ(574 ㎡、2階)
規模・構造:鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階・地上8階建
8F
中学校
7F
生涯学習館
25mプール
生涯学習館
学習室、事務室、ボランティアセンター
6F
音楽室、家庭科教室、和室
5F
武道場、ミーティングルーム
4F
3F
中学校
レクレーションホール
他
他
体育館
他
普通教室、コンピュータ教室、技術室、相談室
他
普通教室、図書室、多目的室、美術室、資料室
他
2F
職員室、理科室、保健室、放送室
1F
昇降口、給食厨房、主事室
B1
倉庫、機械室
他
他
区民プラザ
他
建設期間
平成3年 10 月∼平成5年 12 月
総事業費
−
事業の特徴
・施設管理は、各々の施設ごとに行っている。
・施設間の相互利用はなく、学校側も施設申し込みを行って利用して
いる(年間2週間程度)。
・各施設間は、扉・シャッター等で物理的に仕切ることは行っていな
い。
・エレベータは主に生涯学習館用として5・7・8階に停止する。
複合化の特徴
中学校、生涯学習館、区民プラザを1施設とすることで限られた敷地に
必要とされる機能を整備。
※出典:平成9年度学校施設整備に係る都市化に伴う諸課題に関する調査研究報告書(文部科学省)
、文京区 HP
76
参考資料3(ケース1)
②
参考事例(既存校舎を活用した公共施設との複合化)
名称
志木市立志木小学校
写真
※文部科学省 HP、志木市 HP より
施設機能
小学校、生涯学習館、図書館
施設概要
旧志木小学校(昭和 29 年築)、旧志木公民館(昭和 42 年築)、旧志木
図書館(昭和 42 年築)を複合化整備。
・教室棟:志木小学校
・生涯学習棟:いろは遊学館・いろは遊学図書館
建設期間
平成 12∼15 年度
総事業費
−
事業の特徴
・既存の南校舎について、耐震補強や大規模改修するとともに、仕切
り壁を撤去しオープンスペースを設けることで、多様な教育内容に
対応。
・特別教室(音楽室・理科室・調理実習室・家庭科教室等)について、
児童が利用しない時間帯(夜間・休日等)は一般市民に開放。
・いろは遊学館では、児童室・研修室・多目的室・和室・ホール・工
芸室・陶芸室があり、多世代を対象とした講座の開催や、学校・図
書館と連携した事業を展開。
複合化の特徴
小学校と生涯学習施設(生涯学習館・図書館)の併設により児童と地域
社会(市民利用者等)との直接的なふれあいの場を創出。
(地域との連携強化や生涯学習の推進に寄与)
※出典:学校施設の老朽化対策について報告書(文部科学省、H25.3)
、新たな学校施設づくりのアイデア集(文
部科学省、H22.1)
、志木市 HP
77
参考資料3(ケース1)
③
参考事例(PFI による学校施設の複合化)
事業名称
川崎市黒川地区小中学校新設事業(神奈川県川崎市)
写真
※川崎市 HP より
施設機能
小学校、中学校、地域交流センター 、わくわくプラザ
施設概要
事業手法
敷地面積:約 24,000 ㎡/延床面積:約 17,500 ㎡
【小中学校】
クラスルーム、半屋外・屋外テラス、オープンスペース、多目的室、ワ
ークスペース、教材コーナー、小教室、教師コーナー、図書コーナー、
ベンチコーナー、談話コーナー等、学年クラスターごとに設定
中学生対象:教科教師ステーション、共通教室、教科教室・特別教室(国
語・数学・社会・英語・理科)特別支援室、管理諸室、創作系特別教室
(図工・美術・技術)
、メディアセンター(図書・コンピュータ)
屋内体育施設:小中学校共通(一般開放)
【地域交流センター】
多目的ホール、コミュニティサロン、調理室、ミーティングルーム
【わくわくプラザ】
「小学校施設を活用した児童の健全育成事業」(わくわくプラザ事業)
の実施場所として、屋内体育施設、グラウンドを使用
PFI 方式(BTO)、サービス購入型
事業期間
17.5 年(設計建設:約 2.5 年、維持管理運営:15 年)
業務範囲
施設の設計・建設・工事監理、維持管理業務並びに運営業務の一部
総事業費
約 55 億円
VFM
約9%
選定事業者
代表企業:UFJ セントラルリース
構成企業:松井建設、豊建築事務所、ハリマビステム、東洋食品、
コクヨ、綜合警備保障
開発(ニュータウン)に伴う児童生徒数の急増に伴う、小中学校の合築
事業。あわせて、地域貢献施設も併設。
※運営業務:小学校給食、中学校・地域交流センターのランチサービス
(有料:400 円/1食)
※地域交流センター:地域の市民活動の拠点施設
※わくわくプラザ:児童の健全育成事業
小中学校と地域交流センターの併設により児童・生徒と地域社会(市民
利用者等)との直接的なふれあいの場を創出。
(地域との連携強化や生涯学習の推進に寄与)
事業の特徴
複合化の特徴
※出典:日本 PFI 協会 HP、PFI インフォメーション、川崎市 HP
78
参考資料3(ケース1)
事業名称
(仮称)八千代市立萱田小学校分離新設校及び総合生涯学習施設整備・
運営事業(千葉県八千代市)
写真
※八千代市 HP より
施設機能
施設概要
事業手法
事業期間
業務範囲
総事業費
VFM
選定事業者
事業の特徴
複合化の特徴
小学校、生涯学習施設
延べ面積:約 11,600 ㎡(合築)
【小学校】約 5,900 ㎡
普通教室 18 クラス、特別教室 10 クラス
【生涯学習施設】
生涯学習センター、スポーツレクリエーション施設
【共用施設】約 5,700 ㎡
アリーナ(体育館)、温水プール、特別教室(パソコン室等)
PFI 方式(BTO)、サービス購入型
約 17 年(整備約2年、維持管理・運営約 15 年)
複合教育施設の整備・維持管理・運営
運営業務内容:
施設一般開放に係る受付予約業務、生涯学習に係る市民講座の企画・開
催業務、プール運営、警備業務等
約 50 億円
約 29%
代表企業:鹿島建設
構成企業:セントラルスポーツ、鉄建建設、日本水泳振興会、ハリマビ
ステム
市街地開発により人口増となったエリアにおける拠点としての施設整
備を行う事業。
コミュニティの核として、小学校と生涯学習施設の合築が計画された。
共用施設は、学校側の利用時間を優先して確保したうえで、民間事業者
が自由にプログラム等を企画・運営している。
体育館、温水プールの利用時間帯の区分による小学校と地域との共同利
用など、小学校と生涯学習施設の併設により児童と地域社会(市民利用
者等)との直接的なふれあいの場を創出。
(地域との連携強化や生涯学習の推進に寄与)
※出典:日本 PFI 協会 HP、PFI インフォメーション、八千代市 HP
79
参考資料3(ケース1)
事業名称
市立つるせ台小学校、市立図書館鶴瀬西分館及び市立つるせ台放課後児
童クラブ整備並びに維持管理運営事業(埼玉県富士見市)
写真
※富士見市 HP より
施設機能
小学校、図書館分館、放課後児童クラブ
施設概要
延べ面積:約 9,000 ㎡(分築:図書館を別棟としている)
【小学校】約 5,900 ㎡
事業手法
PFI 方式(BTO)、サービス購入型
事業期間
約 16 年(整備約2年、維持管理・運営約 14 年)
業務範囲
複合教育施設の整備・維持管理・運営
総事業費
約 27 億円
VFM
約 13%
選定事業者
代表企業: UFJ セントラルリース(現三菱 UFJ リース)
構成企業:首都圏リース、楠山設計、戸田建設、埼玉建興、ビケンテク
ノ、図書館流通センター
事業の特徴
少子化の影響による児童数の減少と施設の老朽化等に対応し、教育環境
の向上と老朽施設の改善を早期に実現するため、鶴瀬西小学校と上沢小
学校を統合した市立つるせ台小学校の整備を行う。
合わせて当該学校施設と市立図書館鶴瀬西分館及び「市立つるせ台放課
後児童クラブを複合した施設を新設し、維持管理・運営を行う。
小学校と図書館分館は、動線上明確に分離。
複合化の特徴
小学校と図書館分館の併設により児童と地域社会(市民利用者等)との
直接的なふれあいの場を創出。
(生涯学習の推進に寄与)
放課後児童クラブの併設により児童サービスの向上が期待される。
※出典:
「複合化公立学校施設 PFI 事業のための手引書」
(平成 16 年、文部科学省)
、日本 PFI 協会 HP、PFI イン
フォメーション、富士見市 HP
80
参考資料3(ケース2)
(2)ケース2:⺠間住宅を活⽤した家賃補助制度の活⽤検討
1) 検討の概要
老朽化の進んでいる川岸住宅を建て替える場合と、川岸住宅を廃止して同規模の戸数につ
いて家賃補助を行う場合のコスト比較を行うとともに、家賃補助の事例等を参考に家賃補助
制度を導入する場合の留意点を整理する。
2) 対象施設の概要
川岸住宅
所在:戸田市川岸 2-6-22
現況写真
敷地面積:1,701 ㎡
建築面積:253 ㎡
延床面積:916 ㎡
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上4階
竣工年:昭和 46 年3月
管理戸数:24 戸
住戸形式:2DK
専有面積:33.15 ㎡
3) 建替を行う場合の条件
老朽化した川岸住宅を将来的に建て替えて、60 年間維持管理を行った場合の整備費・維持
管理・運営費の概算を行う。
ア)
建替を行う場合の整備費の算定条件
・既存施設(川岸住宅)と同様の機能・規模(2DK、33.15 ㎡)を確保することを想定する。
・建設費は、公共施設マネジメント白書での将来更新費試算条件(鉄筋コンクリート造:
270 千円/㎡)を用いる。
イ)
建替を行う場合の維持管理費・運営費の算定条件
・家賃補助の場合との比較のため、維持管理期間として建物の標準的な耐用年数の 60 年を
想定する。
・建物の標準的な耐用年数での比較を行うため、維持管理費・運営費に加えて大規模修繕
費も考慮する。
・維持管理費・運営費は、平成 21∼23 年度の維持管理費・運営費(実績値)の平均値をも
とに設定する。なお、大規模修繕に係る工事費は控除する。
・大規模修繕費は、建替の約6割の単価で設定することが一般的とされていることを踏まえ、
建設費(建替費)の6割で設定する。
81
参考資料3(ケース2)
・大規模修繕は建設時より 30 年後に一度行うこととして計上し、維持管理費・運営費は毎
年計上することとする。
ウ)
建替を行った場合の 60 年間にかかる整備費・維持管理費・運営費の概算結果
<建替を行う場合の費用> (単位:百万円)
①
建設費
245
通常の維持管理費・運営費
平成 21
年度
平成 22
年度
平成 23
年度
平均
値
②
60 年間合計
2.5
3.2
6.6
4.1
246
③
大規模
修繕費
合計
①+②+③
147
638
4) 家賃補助制度を導入する場合の条件
川岸住宅を廃止した後に同規模の戸数(24 戸)の家賃補助を 60 年間行う場合のコストを
概算する。
ア)
制度の枠組み
・市と不動産業者とが連携を図り、市内の民間賃貸住宅の空き家を活用し、それら住宅に
市営住宅入居資格を有する市民が入居した際に、家賃の一部を市が補助を行う。
・土地売却費は川岸住宅敷地近傍※の公示地価額より算定する。
(239 千円/㎡×1,701.38 ㎡≒406.6 百万円)
※所在:埼玉県戸田市本町5丁目 2249 番2外(調査基準日:平成 25 年1月1日)
・家賃補助額は、以下の3パターンの設定を行う。
① 川岸住宅の家賃平均と川岸住宅周辺の民間住宅の家賃相場との差額 3.8 万円と設定
(詳細は下記参照)
② 他事例を参考に2万円と設定
③ ①と②の中間の3万円と設定
イ)
川岸住宅の平均家賃の設定
・現在の川岸住宅の平均家賃より 1.2 万円と設定。
ウ)
川岸住宅周辺の平均家賃の設定
・インターネットによる空き物件の周辺家賃調査では平均家賃が約 5.27 万円であり、また
地元不動産ヒアリングでは概ね5万円程度が多数の回答であったことを踏まえ、5万円
と設定。(次頁の参考1・2参照)
82
参考資料3(ケース2)
<参考1:インターネットによる家賃相場の調査結果(調査日:2013 年 10 月 4 日)>
㎡当たり
番
賃料
専有面積
所在地
交通
賃料
築年数
号
(千円)
(㎡)
(千円/㎡)
西川口駅
1.5
1 喜沢1
60.0
40.50
41
徒歩 10 分
戸田駅
1.4
2 新曽南2丁目
50.0
35.00
38
徒歩 12 分
戸田公園駅
1.6
3 中町2丁目
62.0
39.00
37
徒歩 14 分
戸田駅
1.8
4 下戸田2丁目
60.0
34.02
36
徒歩 13 分
戸田駅
1.7
5 新曽南 2 丁目
52.0
30.00
37
徒歩 12 分
平均
56.8
35.70
1.59
37.8
※賃料は月当たりの金額を示す。
○川岸住宅での家賃(管理費除く)の概算
[㎡あたり賃料の平均値(1.59 千円/㎡)]×[川岸住宅の専有面積 33.15(㎡)]
= 52.7(千円)
<参考2:家賃相場に関する地元不動産ヒアリング結果概要(2013 年 10 月調査)>
会社
A社
B社
C社
D社
E社
エ)
回答
・5万円程度
・5万円程度
・6∼7万円程度(水回りをリフォームすることを前提)
・5万円程度
・取り扱っている物件で類似物件が無いため未回答
家賃補助対象戸数
・川岸住宅の管理戸数と同規模(24 戸)を想定。
オ)
対象期間
・建替を行う場合の比較対象期間として、60 年間を想定。
83
参考資料3(ケース2)
カ)
家賃補助制度を導入する場合の概算結果
①
川岸住宅の家賃平均と川岸住宅周辺の民間住宅の家賃相場との差額 3.8 万円の場合
<家賃補助額:3.8 万円の場合>
戸数
24 戸
家賃補助額
(1戸あたり)
(月額)
3.8 万円
家賃補助額
(24 戸)
(月額)
①年間
家賃補助額
91.2 万円 10.9 百万円
②
土地売却費
60 年間合計
①×60−②
406.6 百万円
247 百万円
※家賃補助額(3.8 万円)=川岸住宅周辺家賃相場(5.0 万円)−川岸住宅の平均家賃(1.2 万円)
②
他事例を参考に2万円と設定した場合
<家賃補助額:2万円の場合>
戸数
家賃補助額
(1戸あたり)
(月額)
家賃補助額
(24 戸)
(月額)
①年間
家賃補助額
②
土地売却費
24 戸
2万円
48 万円
5.8 百万円
406.6 百万円
③
60 年間合計
①×60−②
▲59 百万円
①と②の中間の3万円と設定した場合
<家賃補助額:3万円の場合>
戸数
家賃補助額
(1戸あたり)
(月額)
家賃補助額
(24 戸)
(月額)
①年間
家賃補助額
②
土地売却費
24 戸
3万円
72 万円
8.6 百万円
406.6 百万円
60 年間合計
①×60−②
109 百万円
5) 建替を行う場合と家賃補助制度を導入した場合の概算コスト比較結果
ア)家賃補助額:3.8 万円の場合
・川岸住宅と同じ戸数(24 戸)に対して家賃補助を行う場合、建替を行う場合よりも 391
百万円コスト削減となる。
・建替を行う場合のコストで家賃補助をした場合、家賃補助可能な戸数が 13 戸増加する。
(24→37 戸)
<概算コストの比較(家賃補助額:3.8 万円の場合)>
①建替を行
う場合
638 百万円
②家賃補助を
行う場合
247 百万円
差額
①−②
391 百万円
<建替を行う場合のコストで家賃補助(3.8 万円)をした場合の補助可能戸数>
①
60 年間合計
②
土地売却費
③年間
家賃補助額
(①+②)/60
戸数
③/(3.8×12)
17 百万円
37 戸
638 百万円 406.6 百万円
84
参考資料3(ケース2)
イ)家賃補助額:2万円の場合
・川岸住宅と同じ戸数(24 戸)に対して家賃補助を行う場合、建替を行う場合よりも 697
百万円コスト削減となる。
・建替を行う場合のコストで家賃補助をした場合、家賃補助可能な戸数が 46 戸増加する。
(24→70 戸)
<概算コストの比較(家賃補助額:2万円の場合)>
①建替を行
う場合
638 百万円
②家賃補助を
行う場合
−59 百万円
差額
①−②
697 百万円
<建替を行う場合のコストで家賃補助(2万円)をした場合の補助可能戸数>
①
60 年間合計
638 百万円
②
土地売却費
③年間
家賃補助額
(①+②)/60
戸数
③/(2×12)
17 百万円
70 戸
406.6 百万円
ウ)家賃補助額:3万円の場合
・川岸住宅と同じ戸数(24 戸)に対して家賃補助を行う場合、建替を行う場合よりも 529
百万円コスト削減となる。
・建替を行う場合のコストで家賃補助をした場合、家賃補助可能な戸数が 23 戸増加する。
(24→47 戸)
<概算コストの比較(家賃補助額:3万円の場合)>
①建替を行
う場合
638 百万円
②家賃補助を
行う場合
109 百万円
差額
①−②
529 百万円
<建替を行う場合のコストで家賃補助(3万円)をした場合の補助可能戸数>
①
60 年間合計
638 百万円
②
土地売却費
③年間
家賃補助額
(①+②)/60
戸数
③/(3×12)
17 百万円
47 戸
406.6 百万円
85
参考資料3(ケース2)
◆
検討結果のまとめ
・ケーススタディとして川岸住宅の建替を行う場合と家賃補助を行う場合の概算コストを比
較した結果、川岸住宅の家賃平均と川岸住宅周辺の民間住宅の家賃相場との差額 3.8 万円
を補助する場合においても、建替を行った場合よりコスト削減ができると試算された。
・なお、本検討では川岸住宅敷地の土地売却費(約 406.6 百万円)を市の収入として考慮し
ているため、仮に当該収入を考慮しない場合は、家賃補助額が概ね 3.7 万円を超えると市
営住宅の建替を行った場合よりも実質補助額が増えることに留意する必要がある。
<検討結果(家賃補助額とコスト削減額の関係)>
800
50
46
700
697
45
コスト削減額がゼロ(現状の家賃補助
対象戸数と同戸)となる家賃補助額
40
約3.7万円
600
529
500
400
30
(土地売却費)
25
391
23
20
300
13
15
200
10
100
5
0
0
2万円
3万円
3.8万円
家賃補助額
86
増加戸数(戸)
コスト削減額(百万円)
35
コスト削減額
増加戸数
参考資料3(ケース2)
6) 家賃補助制度の導入に向けた留意点
上記のケーススタディの検討及び参考事例等を踏まえ、市営住宅サービスにおいて今後家
賃補助制度の導入を検討する場合の留意点を以下に示す。
なお、参考として次々頁以降に家賃補助制度に関する他自治体の主な参考事例を示す。
ア)家賃補助制度の導入目的の明確化
他自治体の家賃補助制度の導入事例では、主に下記の目的で家賃補助制度が活用されて
いる。
<家賃補助制度の主な導入目的>
・ 低所得者(高齢者・障害者・離職者等)への住宅サービスの公的支援 <事例多数>
・ 市営住宅の老朽化や市内民間住宅の空家対策 <後述の事例1:ひたちなか市 等>
・ 中心市街地(まちなか)への定住促進 <後述の事例2:岐阜市
等>
・ 若年層(子育て世代)等の定住促進: <後述の事例3:新宿区
等>
これを踏まえ、導入にあたっては、財政負担の縮減とともに、戸田市第4次総合振興計
画等の住宅サービスやまちづくりに係る上位方針等の実現に向けて、家賃補助制度の目
的・適用条件などの明確化を図っていく必要がある。
イ)支給対象の取扱
家賃補助の支給対象の戸数について、ケーススタディでは、老朽化した川岸住宅の廃止
に伴い同程度の戸数(24 戸)を対象とする想定で検討を行った。
現況としては、市営住宅の入居率が概ね 100%であることや、空き住戸が生じた際の募
集倍率が高い状況であることを踏まえ、今後家賃補助制度を導入する場合には、相応の補
助対象戸数を確保する必要があると考えられる。
一方で、補助の対象世帯を広げることにより公平性は高まるものの、財政負担が増大す
るため、財政負担上の対応可能額を考慮の上、支給対象を設定していくことに留意する必
要がある。
ウ)支給額・支給期間の取扱
支給額について、ケーススタディにおいては、川岸住宅の平均家賃と川岸住宅周辺の民
間住宅の家賃相場との差額を補助すること等複数の条件で設定した。
導入に向けては、支給額を一律にする方法や、家族構成(必要面積)や立地条件等に応
じた補助額を算定する方法が想定されるが、市民の不公平感が生じないよう留意する必要
がある。
また、支給期間について、公平性や財政負担の縮減の観点からは期限を設定することが
望ましいと考えられる。
87
参考資料3(ケース2)
エ)民間住宅の要件の取扱
補助対象となる民間住宅については、公的住宅サービスの観点から家賃や居住環境等の
一定の要件を設定することが必要と考えられる。
家賃について、上限を設定する場合には、民間住宅の家主が限度額まで家賃を引き上げ
る恐れがあることに留意する必要がある。
居住環境について、民間住宅の居住環境等の要件を課さない場合には居住水準が改善さ
れない恐れがあること、また要件を課す場合には基準や適合性を確認する仕組みを構築す
る必要があることに留意する必要がある。
【参考】家賃補助制度に関する参考事例
※公営住宅の主な家賃補助制度の事例を抽出整理。詳細は、次頁以降の各事例の整理表を参照。
事業名称
概要
事例1:ひたちなか市
<空家対策、老朽化した市営住宅廃止に伴
家賃補助制度
う対応>
家賃補助額(月額)
家賃相当額の2分の1
上限2万円
市と民間業者が連携し、市内にある一定の
条件を満たした民間賃貸住宅の空家を活
用して、入居資格を有する市民が入居した
場合に家賃の一部を補助する。
事例2:岐阜市
<中心市街地への居住・定住の促進>
(実質家賃負担額−5万円)/2
まちなか賃貸住宅家賃
岐阜市の中心市街地及びその周辺エリア
上限2万円
助成事業
に立地する民間賃貸住宅に、岐阜市外から
転入して居住した人に対し、家賃の一部を
助成することで、人口の流入促進を図り、
中心市街地の活性化を図るもの。
事例3:新宿区
<若年層・子育て世代の居住・定住促進>
学生及び勤労単身者向け
民間賃貸住宅家賃助成
区内の民間賃貸住宅に居住している学生
:1万円
及び勤労単身者や子育て世代の家賃負担
子育てファミリー世帯向け
を軽減することにより、減少が著しい若年
:3万円
層の定住化の促進並びに健全なコミュニ
ティの形成を図ることを目的とする。
事例4:ふじみ野市
市営住宅・霞ヶ丘特定
目的借上公共賃貸住宅
<住宅の借上による低所得者等への市営
住宅の提供>
低所得で住宅に困っている方のために、霞
ヶ丘団地及び上野台団地の一部を都市再
生機構から借り上げて市営住宅を設置す
る。
88
−
参考資料3(ケース2)
事例1:ひたちなか市
家賃補助制度
(空家対策、老朽化した市営住宅廃止に伴う対応)
・ 市と民間業者が連携し、市内にある一定の条件を満たした民間賃貸住宅の空家を活用し
て、入居資格を有する市民が入居した場合に家賃の一部を補助する。
・ 平成 21 年7月に老朽化した市営住宅 113 戸の廃止を決定し、用途廃止に伴う住宅不足に
対応するため、平成 22 年4月に家賃補助制度を創設。
・ 補助の対象となる民間賃貸住宅の要件

市内の民間賃貸住宅で新耐震基準(昭和 56 年)を満たしていること。

共同住宅の場合は、消化器・火災警報器の設置があること。その他の住宅の場合でも
火災警報器の設置がされていること。

家賃は月額5万円以下(管理費、共益費及び駐車場使用料を除く)であること。

敷金は月額家賃の2ヶ月を限度とし、礼金は無いこと。
・ 家賃補助内容

家賃補助額:家賃相当額の2分の1、上限2万円

補助期間:家賃補助開始から最長 60 ヶ月

交付時期:年4回(4、7、10、1月に前3ヶ月分を交付)

交付要件:交付の時点で家賃及び市税を滞納していないこと
・ 認定業者数:16 社(平成 24 年)
・ 家賃補助による入居戸数:20 戸(平成 24 年)
※出典:2012 年度戸田市政策研究所調査研究報告書(2013 年 3 月)、ひたちなか市 HP
89
参考資料3(ケース2)
事例2:岐阜市
まちなか賃貸住宅家賃助成事業
(中心市街地への居住・定住促進)
・ 岐阜市の中心市街地及びその周辺エリアに立地する民間賃貸住宅に、岐阜市外から転入し
て居住した人に対し、家賃の一部を助成することで、人口の流入促進を図り、中心市街地
の活性化を図るもの。
・ 対象となる民間賃貸住宅

まちなか居住促進区内(約 500ha)の民間賃貸住宅であること(下図参照)。

住居専用面積が 30 ㎡以上であること。

住居内に台所、水洗便所、収納、洗面及び浴室を備えていること。

昭和 56 年6月1日以降に着工した住宅であること。
・ 助成内容

助成額:(実質家賃負担額−5万円)/2
※上限額は2万円
※実質家賃負担額は家賃から住宅手当等を控除した額

助成対象期間:申込み承認の月から起算して 12 ヶ月
※出典:岐阜市 HP
90
参考資料3(ケース2)
事例3:新宿区
民間賃貸住宅家賃助成
(若年層・子育て世代の居住・定住の促進)
・ 区内の民間賃貸住宅に居住している学生及び勤労単身者や子育て世代の家賃負担を軽減
することにより、減少が著しい若年層の定住化の促進並びに健全なコミュニティの形成を
図ることを目的とする。
<民間賃貸住宅家賃助成制度の概要>
学生及び勤労単身者向け
子育てファミリー世帯向け
助成内容
月額1万円(最長3年間)
月額3万円(最長5年間)
申込資格
○居住要件
○居住要件
 基準日(10 月1日)現在、すでに新
 基準日(10 月1日)現在、すでに
宿区内の民間賃貸住宅に居住して
新宿区内の民間賃貸住宅に居住し
いる世帯。
ている世帯。
○世帯要件
○世帯要件
 基準日の年齢が 18 歳から 28 歳の単
 基準日時点で、申込者本人が義務教
身者であること。
育修了前の子ども(出産予定は含ま
○家賃要件
ない)を税法上扶養し同居している
 月額家賃(管理費・共益費含まない)
こと。
が9万円以下であること。
○家賃要件
 月額家賃(管理費・共益費含まない)
が 22 万円以下であること。
○所得要件
 世帯全員の 前年中の総所得合計
が、510 万円以下であること。
募集実績
募集数:30 世帯
募集数:50 世帯
(H24 年度)
応募数:116 世帯
応募数:278 世帯
倍率
倍率
:3.87 倍(H23:3.13 倍)
※出典:新宿区 HP
91
:5.56 倍(H23:5.64 倍)
参考資料3(ケース2)
事例4:ふじみ野市 市営住宅・霞ヶ丘特定目的借上公共賃貸住宅
(住宅の借上による低所得者等への市営住宅の提供)
・ 低所得で住宅に困っている方のために、霞ヶ丘団地及び上野台団地の一部を都市再生機構
から借り上げて市営住宅を設置する。
・ 入居補欠者の募集を年1回実施し、入居補欠者に決定された方は1年以内に住宅に空きが
出たときに補欠順位に従って入居できる。
<申込資格>
市営住宅
特定目的借上公共賃貸住宅
 市内在住の住宅に困っている方で入居する
 市内在住の住宅に困っている高齢者・障が
世帯全員の収入(控除後の額)が月額 15 万
い者・母子世帯で、入所する世帯全員の収
8千円以下で、市税を滞納していない方。
入(控除後の額)が月額 19 万8千円以下で、
 単身者の場合は、下記のいずれかに該当する
市税を滞納していない次のいずれかに該当
こと。
する方。
 60 歳以上の者
 60 歳以上の単身者
 4級以上の身体障害者手帳の交付を受
 60 歳以上の方と親族(配偶者、18 歳
けている者
未満の児童、60 歳以上の高齢者のうち
 第6項症または第 1 款症以上の戦傷病
一人に限る)が同居する世帯
 障害者手帳(身体は4級、精神は2級、
者手帳の交付を受けている者
 厚生労働大臣の認知を受けている被爆
知的障がいは中度以上)や第1款症以
者
上の戦傷病者手帳などの交付を受け
 本邦に引き揚げた日から起算して5年
ている方がいる世帯
 配偶者のいない女性で、20 歳未満の子
を経過していない引揚者
 ハンセン病療養所入所者等である者
を扶養している方がいる世帯
 精神障がい者、知的障がい者のうち、
介護(介助、援助)なしで日常生活を
営むことができる者
 DV 被害者のうち、離婚の意思を有する
者
※出典:ふじみ野市 HP
92
参考資料3(ケース3)
(3)ケース3:図書館への指定管理者制度の導⼊に関する検討
1) 検討の概要
図書館・郷土博物館を対象として、維持管理・運営業務について指定管理者制度により長
期包括的に民間委託した場合のコスト縮減効果や期待されるサービス向上面を概略検討する。
2) 対象施設の概要
図書館・郷土博物館
所在:戸田市大字新曽 1707
現況写真
敷地面積:5,492 ㎡
建築面積:2,152 ㎡
延床面積:6,699 ㎡
(図書館:3,611 ㎡、郷土博物館:3,088 ㎡)
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
階数:地上3階(一部4階)
竣工年:昭和 58 年7月
図書貸出冊数:512,911 冊(平成 23 年度)
郷土博物館観覧者数:35,577 人(平成 23 年度)
3) 図書館への指定管理者制度導入によるコスト縮減効果
ア)既往調査・参考事例におけるコスト縮減率
図書館への指定管理者制度の導入によるコスト縮減効果を把握するため、既往の調査結
果や他市の参考事例をもとに、指定管理者制度により長期包括的に民間委託した場合のコ
スト縮減率について次頁に整理する。
93
参考資料3(ケース3)
<既往調査及び参考事例における指定管理者制度導入によるコスト縮減率>
項目
コスト縮減率
①全国自治体へのアンケート結果
直営施設:26.3%
:図書館に限らず全て公共施設に
旧管理委託施設:10.3%
おけるコスト縮減率に係るアン
備考
※出典:
「自治体 PPP 導入に関するア
ン ケー ト
指定管 理者 制度 関連
調査結果」(平成 19 年7月)
ケート調査
②図書館の指定管理者選定の競争
によるコスト縮減率
(事例:北九州市立図書館)
:
「募集要項に示されている指定管
門司区内の図書館(4館) ※指定管理者の選定段階の競争によ
:約 5.0%
っ て実 現し たコス ト縮 減率 であ
戸畑区内の図書館(2館)
:約 1.2%
り、実際の運用段階でのコスト縮
減率ではない。
理料の上限」と「応募企業提案
額」を比較
③図書館の指定管理者制度の公募
図書館:約 4.6%
段階でのコスト縮減率
※指定管理者制度導入後は開館時
間・開館日の拡大等、サービスの
(事例:三田市立図書館)
向上が予定されている。
:
「募集要項に示されている指定管
理料」と「導入前の図書館経費」
を比較
イ)コスト縮減率5%とした場合の維持管理・運営費(参考)
前項より図書館での指定管理者制度の導入事例において、コスト縮減率が概ね5%程度
の事例が複数あったことから、参考として、指定管理者制度の導入によって仮に5%のコ
スト縮減効果が見込まれるとした場合、削減されるコストについて以下に示す。
①従来方式
(平成 23 年度の施設の維持管理・
運営に係る費用)
②コスト縮減率5%とした場合の
維持管理・運営費
(①×0.95)
コスト削減額
(①−②)
図書館(本館)
郷土博物館
279,734 千円
43,691 千円
265,747 千円
41,506 千円
13,987 千円
2,185 千円
94
参考資料3(ケース3)
4) 図書館への指定管理者制度導入による定性的効果
ア)図書館の指定管理者制度導入によって期待されるサービス
図書館・郷土博物館に指定管理者制度の導入を行った場合に、期待されるサービス(定
性的な効果)について、他市の導入事例を参考に、以下に整理する。
※詳細は、後述の「【参考】指定管理者制度導入によるサービスが向上した事例」を参照。
【図書館・郷土博物館に指定管理者を導入した場合に期待される主なサービス内容】
期待されるサービス内容
開館時間の延長
主な事例
千代田区立図書館
例:平日 22:00 まで開館
指定管理者
導入上の留意点等
ヴィアックス・
郷土博物館との開館時間
SPS グループ
の相違に伴う管理上対応
に留意が必要。
電子図書館サービスの導入
徳島市立図書館
(株)図書館流通
電子図書サービスの導入
例:電子書籍貸出
※後述の<事例1>
センター
に伴う歳出(指定管理料)
無料音楽配信サービス
参照
の増加に留意が必要。
電子デバイス企画展
子育て支援サービス
和泉市立和泉図書館
(株)図書館流通
児童施設(児童センタープ
例:すくすくタイムの設置
※後述の<事例2>
センター
リムローズ等)と連携した
(乳幼児と保護者が利用可能な時
参照
事業展開が期待される。
間帯を設置)
BDS(図書紛失防止システム)内
千代田区立日比谷
日比谷ルネッサン
図書館内での付帯施設の
の付帯施設設置
図書文化館
スグループ
設置スペースの確保が必
例:BDS内のレストラン・ショップ・ ※後述の<事例3>
カフェ設置により貸出前の図書を
参照
(代表企業:
(株) 要。
小学館集英社プロ
持ち込み可能
ダクション)
館内のミュージアム設置
郷土博物館内の講座室、特
例:館内展示室での常時・特別展示
別展示室等の活用が期待
特別研究室での重要資料の閲覧
される。
講座開設
郷土博物館と連携した講
例:会議室等を活用した講師による講座
座・イベント等が期待され
やワークショップ
る。
広報誌の発行
郷土博物館の展示会・イベ
例:館内イベント情報や図書展示内容等
ント情報等と合わせた情
を載せた広報誌を近隣に配布
報発信が期待される。
レンタルポイントカード等の導入
武雄市図書館・
カルチュア・コン
周辺民間施設との競合や
例:図書利用にもポイントを付与
歴史資料館
ビニエンス・クラ
個人情報の取扱い等に十
ブ(株)
分に留意することが必要。
(自動貸出機の利用時)
※資料:各事例の自治体 HP
95
参考資料3(ケース3)
イ)指定管理者制度導入による市民満足度
指定管理者制度の導入による定性的効果として、指定管理者制度を導入した図書館に対
する市民アンケートの結果を示す。
下記の2事例において、指定管理者導入後の市民満足度が向上していることが確認でき
る。
①
武雄市図書館・歴史資料館
利用者アンケート
アンケート実施日:平成 25 年6月 27 日(木)∼7月1日(月)
調査時間:9:00∼21:00
調査場所:武雄市図書館・歴史資料館内
調査人数:図書館内:301 人
①武雄市図書館が指定管理者制度導入
により、新しい図書館に生まれ変わっ
たことについて
⇒「大いに満足」、「満足」が全体
の 83.1%を占めている。
②新しい図書館スタッフのサービスについてどうお感じですか?
⇒「大いに満足」、「満足」が全体
の 69.1%を占めている。
③当館で満足しているサービスについて ※複数回答可
⇒武雄市内の利用者にとっては、「開館時間延長」「年中無休」について満足度が高い。
市外からの利用者にとっては、「スターバックスの併設」「居心地のよい空間」につい
て満足度が高い。
※出典: 武雄市図書館・歴史資料館利用者アンケート(平成 25 年7月 29 日)
96
参考資料3(ケース3)
②
立川市立
幸図書館・錦図書館 利用者満足度調査
調査実施日:平成 24 年1月 24 日(火)∼2月5日(日)
調査方法 :アンケート用紙を館内で配布、回収
回収数
:2館合計 294 件
幸図書館
133 件(163 枚配布 回収率 81.6%)
錦図書館:161 件(270 枚配布 回収率 59.6%)
①指定管理者制度の導入前と導入後の比較
⇒全体の 70%以上が「とても良くなった」
「やや良くなった」と回答している。
②指定管理者制度を導入して良くなった点
⇒良くなった点として「スタッフの待遇」をあげる人が半数近くの 46%となった。
※出典: 立川市指定管理者運営図書館 HP
97
参考資料3(ケース3)
【参考】指定管理者制度導入によるサービスが向上した事例
<事例1:徳島市立図書館(徳島県)>
《指定管理者制度導入によるサービスの向上》
①

電子図書館サービスの導入
電子書籍の貸出サービス
インターネットを通じて、自宅パソコン、iPad 等で、電子書籍の「検索」「貸出」
「予約」「返却」ができるサービスであり、平成 24 年度から導入している。名作や、
料理・健康関連の実用書、徳島市出身の作家の著作等約 830 タイトル(平成 25 年6
月現在)がある。

無料音楽配信サービス
様々なジャンルの音楽CD約 70,000 枚(平成 25 年1月時点)を、パソコン等で聴
き放題できるサービスであり、平成 24 年度から導入している。
②
電子デバイス企画展の開催
平成 24 年度から、図書館において電子デバイスを展示し、電子書籍を体験できる
企画展を開催している。
企画展の様子
タブレット
※出典:徳島市 HP、徳島市立図書館 HP
98
参考資料3(ケース3)
<事例2:和泉市立和泉図書館>
《指定管理者制度導入によるサービスの向上》
①“すくすくタイム”の設置
毎週金曜日(休館日を除く)午前 10 時∼正午の間で、0歳から3歳の子どもと保
護者が気兼ねなく図書館を利用できる時間「すくすくタイム」を設けている。音楽
や館内放送で来館者にお知らせし、子どもの泣き声や笑い声が聞こえても協力して
もらうようにしている。
【参考】あかちゃんタイム(杉並区立中央図書館)
保護者が乳幼児と一緒にゆったりと気兼ねなく図書館を利用できるよ
う、各図書館で「あかちゃんタイム」を設置している。図書館スタッフ
とボランティアでサポートしている。
(日時)毎週火曜日 10:30∼12:00
(対象)就学前までのお子さん、保護者
あかちゃんタイムの様子
※出典:広報いずみ(平成 25 年6月号)、和泉市立図書館 HP
99
参考資料3(ケース3)
<事例3:千代田区立日比谷図書文化館>
《指定管理者制度導入によるサービスの向上》
①BDS(図書紛失防止システム)内にレストラン、ショップ&カフェを配置

レストラン
図書フロアの図書を貸出手続せずに持ち込んで読むことができる。季節限定メ
ニューや、併設の大小ホールや会議室の利用者へのケータリングサービス、ポッ
トサービスも実施している。

ショップ&カフェ
コーヒー等の飲み物やサンドイッチ等の軽食類を販売している。また、ショッ
プでは併設ミュージアムの常設展示、特別展示の関連書籍などの販売を行ってい
る。
ショップ&カフェ
レストラン
②ミュージアム
館内に展示室を設け、常設展示、定期的
に特別展示を行っている。
常設展の様子
③特別研究室
博物館資料に相当するような重要な資料を、ただ大切に保管するのではなく、図
書資料として興味ある人々に自由に閲覧してもらい、図書館から蔵書の魅力を発信
していくなど、積極的に活用するための拠点として設置している。
【特別研究室内の特別研究席の利用】
 上質なデスク環境を提供
 全席に電源コンセントを完備し、無線・有線 LAN どちらでもインターネッ
ト利用可能(LAN ケーブル貸出あり)
 料金は利用受付後より2時間当たり1コマ 300 円、終日利用 1,200 円(日
曜・祝日は 900 円)
100
参考資料3(ケース3)
特別研究席
特別研究室
④日比谷カレッジ
大小ホール、ふたつの会議室を利用し、ビジネスのスキルアップ、江戸・東京、
アートなどのテーマで、テーマごとに講師を呼び、講座やワークショップを実施し
ている。
【過去の講座】
 江戸文化特別講座
 日比谷コトづくり塾(公・民が連携して地域を変える最新情報を発信)
 iPad でも学ぶデータベースコーナー、など
⑤月刊広報誌『ポモーヌ』の発行
毎月 25 日発行。館内で開催される「日比谷カレッジ」の講座・イベント情報を中
心に図書フロアの展示やレストランの新メニュー等にいたるまで、全館の主要情報
を掲載している。
配布先は館内、千代田区図書館、
区内各施設を始め近隣区図書館だ
けではなく、近隣オフィス等にも配
布している。
『ポモーヌ』平成 25 年7月号
※出典:日比谷図書文化館 HP
1.7.
101
参考資料4
参考資料4
⼾⽥市公共施設再編⽅針策定委員会
(1)⼾⽥市公共施設再編⽅針策定委員会
開催状況等
要綱
(設置)
第1条
戸田市における公共施設が抱える課題の分析及びその改善に向けた方向性の検討をし、
公共施設の更新、統廃合、機能見直し及び効率的な管理運営を進めるための公共施設再編方針
を策定するため、戸田市公共施設再編方針策定委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(所掌事項)
第2条
委員会は、次に掲げる事項を所掌する。
(1)
公共施設再編方針の策定に関すること。
(2)
公共施設マネジメント白書の作成に関すること。
(3) 公共施設中長期保全計画の策定に関すること。
(4)
その他公共施設の再編に関し必要な事項に関すること。
(組織)
第3条
委員会は、次に掲げる者をもって組織する。
(1)
学識経験者 1人
(2)
市職員
13人
2
前項第1号の委員は、公共施設再編に関して識見を有する者の中から市長が委嘱する。
3
第1項第2号の委員は、別表の委員をもって充てる。
(委員長及び副委員長)
第4条
委員会に委員長及び副委員長を置く。
2
委員長は学識経験者をもって充て、副委員長は財務部長をもって充てる。
3
委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
4
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときはその職務
を代理する。
(会議)
第5条
委員会の会議(以下「会議」という。
)は、委員長が招集し、その議長となる。
2
会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。
3
会議の議事は、出席者の過半数をもって決し、可否同数のときは、委員長が決するものとす
る。
(庶務)
第6条
委員会の庶務は、財務部資産管理課において処理する。
(その他)
第7条
この要綱に定めるもののほか必要な事項は、委員長が定める。
附 則
この要綱は、平成24年7月25日から施行する。
附
則
この要綱は、平成25年4月23日から施行する。
102
参考資料4
委員名簿
(2)⼾⽥市公共施設再編⽅針策定委員会
【平成 24 年度
戸田市公共施設再編方針策定委員会】委員名簿
区分
所属等
学識経験者
日本工業大学
工学部
氏名
建築学科准教授
佐々木
誠(委員長)
勉(副委員長)
市
職
員
総務部長
高野
市
職
員
総務部次長
田熊
幹二
市
職
員
総務部経営企画課長
今井
教雄
市
職
員
財務部財政課長
山上
睦只
市
職
員
財務部管財検査課長
舩戸
秀夫
市
職
員
市民生活部次長(コミュニティ推進課長) 細野
孝司
市
職
員
市民生活部文化スポーツ課長
伊藤
幸子
市
職
員
福祉部福祉総務課課長
安部
孝良
市
職
員
こども青少年部保育幼稚園課長
黒澤
孝一
市
職
員
こども青少年部児童青少年課長
篠原
博
市
職
員
都市整備部建築課長
熊木
幸夫
市
職
員
消防本部次長(総務課長)
森谷
精太朗
市
職
員
教育委員会事務局副参事(教育総務課長) 小沼
利行
市
職
員
教育委員会事務局生涯学習課課長
和巳
【平成 25 年度
田村
戸田市公共施設再編方針策定委員会】委員名簿
区分
所属等
学識経験者
日本工業大学
工学部
氏名
建築学科准教授
佐々木
誠(委員長)
市
職
員
財務部長
田中
庸介(副委員長)
市
職
員
財務部参事(次長)
福井
千澄
市
職
員
財務部財政課長
山上
睦只
市
職
員
総務部副参事(経営企画課長)
熊谷
尚慶
市
職
員
市民生活部次長(コミュニティ推進課長) 伊藤
幸子
市
職
員
市民生活部文化スポーツ課長
篠原
博
市
職
員
福祉部福祉総務課長
安部
孝良
市
職
員
こども青少年部副参事(保育幼稚園課長) 黒澤
孝一
市
職
員
こども青少年部児童青少年課長
矢ヶ崎
市
職
員
都市整備部まちづくり推進室担当課長
熊木
幸夫
市
職
員
消防本部副参事(総務課長)
栃本
由兼
市
職
員
教育委員会事務局副参事(教育総務課長) 小沼
利行
市
職
員
教育委員会事務局生涯学習課課長
和巳
103
田村
富士夫
参考資料4
(3)⼾⽥市公共施設再編⽅針策定委員会
【平成 24 年度
回数
第1回
開催状況
戸田市公共施設再編方針策定委員会】
開催日
平成 24 年 10 月5日
議
題
(1)公共施設マネジメント白書作成及び再編方針策定の概要
及び進め方について
(2)公共施設再編に関する組織改正について(報告)
(3)各公共施設が抱える課題等についての意見交換
第2回
平成 24 年 12 月 20 日
(1)公共施設の現況について
(2)公共施設再編方針に向けた公共施設マネジメント白書作
成の視点について
第3回
平成 25 年2月 12 日
(1)公共施設再編方針を見据えた白書掲載データについて
(2)公共施設の実態把握・分析について(施設種別・地域別)
第4回
平成 25 年3月 22 日
【平成 25 年度
回数
第1回
(1)公共施設マネジメント白書(素案)について
戸田市公共施設再編方針策定委員会】
開催日
平成 25 年5月 30 日
議
題
(1)公共施設マネジメント白書(案)について
(2)公共施設再編方針(今年度検討)の進め方について
第2回
平成 25 年7月 25 日
(1)公共施設再編方針に係る基本方針(素案)について
(2)ケーススタディの検討ケース(素案)について
第3回
平成 25 年9月 27 日
(1)公共施設中長期保全計画(骨子)について
(2)公共施設再編方針に係る基本方針(案)について
(3)ケーススタディの検討条件について
(4)施設種別再編方針(素案)について
第4回
平成 25 年 11 月 22 日
(1)公共施設中長期保全計画(案)について
(2)公共施設再編方針に係る基本方針(案)について
(3)施設種別再編方針(案)について
(4)ケーススタディ検討について
第5回
平成 26 年1月 15 日
(1)公共施設中長期保全計画(案)について
(2)公共施設再編方針(案)について
第6回
平成 26 年3月 14 日
(1)公共施設中長期保全計画(案)について
(2)公共施設再編方針(案)について
※平成 25 年度同委員会において「戸田市公共施設中長期保全計画」を同時に検討・策定。
開催状況については、
「戸田市公共施設中長期保全計画」本編に掲載。
104
参考資料4
⼾田市公共施設再編方針
平成26年(2014年)3月
発行/戸田市
財務部
資産管理課
〒335-8588 戸田市上戸田1丁目 18 番1号
TEL 048-441-1800
FAX 048-432-8521
E-mail [email protected]
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