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平成25年度グリーン貢献量認証制度等基盤整備事業 (J
平成25年度グリーン貢献量認証制度等基盤整備事業 (J-クレジット制度推進のためのJ-クレジット等の活用推進事業) J-クレジット等の大口向け マッチングスキーム構築・運営等事業 平成26年3月 株式会社イースクエア 1 目 次 1.はじめに 1-1 背景と目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1-2 本事業の目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2.事業実施内容 2-1 マッチングスキームの構築と運営 ・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2-2 マッチングスキームを活用する事業者の発掘 ・・・・・・・・・・17 2-3 マッチングスキームを活用した事業者のPR ・・・・・・・・・・18 3.本事業のまとめと今後の課題 3-1 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 3-2 今後の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 参考資料1 企業アンケートの実施結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・23 参考資料2 日経エコロジー記事 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 2 1. はじめに 1-1 背景と目的 1) 背 景 平成20年度に国内クレジット制度が開始されて以来、経済産業省では、同制度 の普及のため、全国各地でのセミナー開催や民間事業者等を活用したソフト支援 事業等の施策を実施してきた。その結果、平成 25 年 7 月時点で登録された排出 削減事業計画は 1,466 件、認証された国内クレジットは約 150.4 万トンに達した ところであり、全国各地で国内クレジット制度を活用した温室効果ガス排出削減 の取組が広がりつつある。その国内クレジット制度は、平成 25 年度からは、環 境省主管のオフセット・クレジット制度(J-VER制度)と発展的に統合し、 新たなクレジット制度としてJ-クレジット制度を開始している。 他方で、国内クレジットの活用は平成 25 年4月時点で償却量約 34 万トンにとど まっている。また、東日本大震災の影響により温暖化対策に対する各企業の優先 順位が低下傾向にある。そのため、J-クレジット制度の運営を滞りなくかつ活 性化させていくためには、従来の国内クレジット、J-VERのみならずJ-ク レジット(以下「J-クレジット等」という。 )の需要側を活性化させ、J-ク レジット等の供給に対応するJ-クレジット等の需要を開拓することが必要で ある。 2) 目 的 本事業の目的は、大口でのJ-クレジット等の活用を推進し、活用事業者が円滑 にクレジットを活用するための CO2 の環境価値単体での活性化を図るとともにJ -クレジット等の償却量の拡大及びJ-クレジット等の普及啓発を行うものとす る。 1-2 本事業の目標 上記本事業の背景と目的から、本事業の目標を以下のとおり設定した。 ・多数のJ-クレジット等活用事業者の参加意欲を高める仕掛けづくり ・J-クレジット等活用事業者の継続的取組が容易なスキーム構築 ・大口クレジット保有者との連携による認証済クレジットを継続的に供給するた めの仕組みを有する継続可能なマッチングスキームを構築及びJ-クレジット 等の普及啓発の実施 3 2.事業実施内容 2-1 マッチングスキームの構築と運営 1) カーボン・オフセット製品マッチングスキーム ① 概 要 カーボン・オフセット製品協賛事業者と「クレジット代理償却契約」を締結し、 当該事業者のクレジットの調達・償却事務負担の軽減を図るスキームを構築した。 (図 1 を参照) 図 1 : カーボン・オフセットマッチングスキームの概要 具体的には、カーボン・オフセット製品協賛事業者から、カーボン・オフセット 製品取扱期間を通じて、継続的に、当該製品の CFP 値、出荷(販売)等に関する 情報を入手し、適宜、クレジットの調達・償却及び代理償却証明書発行を行い、 当該事業者の事務負担の軽減を図る仕組みである。(図 2 を参照) 4 図 2 : カーボン・オフセットマッチングスキームの概要(詳細版) ② 運営における留意点(プロバイダー視点) ・活用企業の事業内容、CSR・環境方針、製品特性、対象顧客に沿った提案 製品の環境貢献(製品の製造時の省エネの取組等)を「見える化」し、売上に貢 献することを期待してカーボン・オフセット製品に取り組む企業が多いと考えら れるため、取組企業の事業内容、CSR・環境方針(取組内容)、製品特性、対象顧 客等をよく理解した上で、製品ブランド向上に繋がる提案内容を構成することが 重要である。 ・カーボン・オフセット製品の利用者等に向けた効果的なメッセージの発信 企業が、プレスリリース、製品の営業ツール、CSR・環境報告書等で積極的にカ ーボン・オフセット製品の取組を紹介できるようなメッセージを提案することが 必要である。 ・オフセットコストに見合った取組提案 本スキーム活用企業のマーケティング予算の範囲内で効果的にマス顧客に訴求が できる取組の提案を行うことが重要である。 5 ・代理償却等の仕組みによる事務コストの軽減 本スキームの仕組み、活用するクレジット、参加方法等の説明文書、各種必要書 類等を整備すると共に、カーボン・オフセット製品事業とリンクしたクレジット の調達・代理償却(移転)のプロセスを構築し、取組企業の事務コストの軽減を 図ることが重要である。 ・継続的取組を可能にするクレジットの安定供給 大手活用企業によるカーボン・オフセット製品の取組を大規模に展開するために は継続的にクレジットを安定供給する仕組みの構築が必要である。 ③ 活用における留意点(活用企業視点) ・製品等のブランドへの継続的貢献 カーボン・オフセット製品認証の取得に際しては、単なる製品のライフサイクル 全体の CO2 量のオフセットというだけではなく、製品の環境性能の「見える化」、 企業の温暖化防止への取組姿勢の広報及び製品購入者との共同取組としての意識 啓発の3つの側面から、製品及び企業のブランドへの貢献を考慮した継続的な取 組が必要である。 ・PR・マーケティング戦略 CSR・環境部門、販売部門、製品部門、広報部門等の横断的な取組として、当該 製品の営業ツール、CSR・環境報告書、HP 上でのプレスリリース、製品展示会で の展示物、社内報等の媒体の活用等を総合的に実施する PR・マーケティング戦略 を展開していくことが望ましい。 ・費用対効果 カーボン・オフセット製品選定に当たっては、効果(対象顧客の多さ、当該製品 の環境性能の「見える化」、企業イメージの向上等)に、1製品当たりの CFP 取 得費用、オフセット費用が見合っているかを検討することも必要である。 6 ④ スキーム活用事例 ・(大手業務用複合機メーカー) 同社は、業務用の複合機(再生複合機 Refreshed シリーズ:同社の再生技術による、新製品と比較し て質量比で約 76%の部品の再生利用率を達成した 複合機)の製品ライフサイクル全体の CO2 量を国 内クレジットでオフセットし、2014 年 3 月から順 次発売する。 また、本製品の使用者が、使用機器に付随する国内 クレジットを温対法上の報告等に使用することを 希望する場合には、使用者のために当該クレジット を代理償却できる仕組みを構築している。 ・(大手流通グループ) 同社は、植物由来の原料を 55%使用した持ち帰り 専用買いものカゴの製品ライフサイクル全体の CO2 量を国内クレジットでオフセットし、2014 年 3 月から 1 年間販売する。 また、本製品の発売に当たっては、本製品を取扱う 全店舗で経済産業省と共同したポスターを掲示し、 本制度の普及啓発に貢献するとともに、同社の顧客 とともに推進する環境への取り組みの「見える化」 を図っている。 ・(木材合板メーカー) 同社の丸玉トドマツ合板(家屋の天井・壁・床等 の耐力部材)の製品ライフサイクル全体の CO2 量 を国内クレジットでオフセットし、2014 年 3 月か ら販売する。 本製品のオフセットに使用された国内クレジット は、同社工場が立地する地域の自治体の公共施設 のボイラーの燃料を木質バイオマスに転換する削 減事業のものであり、どんぐりポイントの寄付先 についても、地元の環境教育とするなど、環境分 野での地域への貢献を図っている。 7 2) ① 特定規模電気事業者支援型スキーム 概 要 特定規模電気事業者と「クレジット売買契約」を締結し、特定規模電気事業者の クレジットの調達・償却事務負担の軽減を図るスキームを構築した。 (図 3 を参照) 図 3:特定規模電気事業者支援型スキームの概要 具体的には、特定規模電気事業者が、調整後 CO2 排出量を求めるために必要なク レジット量を決定する際に、想定されるクレジット量を予め調達・もしくは買い 予約をすることによって確保し、電気事業者の調整後排出係数の報告期限までに 最終的に決定された必要クレジットを移転(もしくは償却)する仕組みである。 (図 4 を参照) 8 図 4 :特定規模電気事業者支援型スキームの概要(詳細) ② 運営における留意点(プロバイダー視点) ・償却量決定時期と償却時期のマネジメント 特定規模電気事業者のうち、調整後排出係数を算出する事業者は、事業年度末の 実排出係数の予測数値に基づきクレジットを調達し、調整後排出係数の報告期限 までに当該クレジットを償却する必要がある。そのため、必要となるクレジット 量の算定期間が短くなり(1 ヶ月程度)、その間にクレジット調達先と調達量・コ ストを交渉しなければならない。したがって、特定規模電気事業者がクレジット 調達を円滑にするためには、提供するクレジット量の幅をもたせた売買契約を事 前に約定する等して、クレジットの償却量決定時期とクレジット調達及び償却時 期を管理することが重要である。 ・活用クレジットの安定供給 一般電気事業者の実排出係数より高い実排出係数の特定規模電気事業者は、一般 電気事業者の排出係数と同等もしくはそれよりも低い排出係数を電力販売先から 求められることが多く、こうした事業者には継続的なクレジット需要があるため、 複数の電気事業者のクレジット需要を束ねる等により、安定したクレジット供給 体制を整える必要がある。 9 ・代理償却等の仕組みによる事務コストの低減 現時点では、特定規模電気事業者が調整後排出係数算定のためにクレジットを償 却するためには、自ら、償却を実施する必要があるが、今後、オフセットプロバ イダーによる代理償却を可能にすることにより、償却事務コストを低減すること が望まれる。 ③ 活用における留意点(活用企業視点) ・償却量決定時期と償却時期のマネジメント 自社の実排出係数の年度末のシミュレーションを的確に行い、調整後排出係数を 算出する必要があるが、オフセットプロバイダーと償却すべきクレジットの上限、 下限を予め定めたクレジット売買契約を年初に約定する等して、クレジット調 達・償却期間に余裕をもたせる工夫が必要である。 ・クレジット価格変動リスクへの対応 目標とする自社の調整後排出係数の範囲を事業年度当初から想定し、クレジット 価格の季節的な需給バランスを考慮した上で、年度始からオフセットプロバイダ ーに一定量のクレジットを確保させる等により、クレジット価格の変動リスクを 抑えることが必要である。 ・クレジット調達価格の引き下げ オフセットプロバイダーと継続的なクレジット売買契約を締結し、かつ、クレジ ット調達時期による調達価格に段階を設ける等して、クレジット調達平均価格を 引き下げることに留意すべきである。 ④ スキーム活用事例 ・新規参入 PPS 事業者 同社は、電力購入者の要請により、自社の電力販売地域の一般電気事業者の調整 後排出係数を下回る調整後排出係数とするために国内クレジットを活用した。 なお、新規参入 PPS 事業者は、電力販売を開始した年度内に調整後排出係数算定 のためのクレジットを償却する必要があることを留意すべきである。 10 3)地域活性化支援型国内クレジット活用スキーム ① 概 要 クレジット活用企業と「クレジット代理償却(売買)契約」を締結し、クレジッ ト活用企業のクレジットの調達・償却事務負担の軽減を図るスキームを構築した。 具体的には、特に再生可能エネルギー由来のクレジットに関心のあるクレジット 活用企業に対して、複数のクレジットを組み合わせたポートフォリオを提供する ことにより、当該企業の CSR・環境活動の一環としてのクレジット利用を促す仕 組みである。 (図 5 を参照) 図 5 :地域活性化支援型国内クレジット活用スキーム ② 運営における留意点(プロバイダー視点) ・活用企業の事業活動、対象顧客、CSR・環境方針等に沿った提案 大口、小口を問わず活用企業の事業活動、対象としている顧客、CSR・環境方針 等にあった様々なクレジットを提供できる一定規模以上のポートフォリオを構築 しておく必要がある。 11 ・オフセットコストに見合った取組提案 本スキームを活用する企業は、クレジット量よりもクレジットポートフォリオの 構成内容で、顧客への自社の CSR・環境活動の伝えたいメッセージを表す場合が 多いため、オフセットコストに見合った取組を提案することが重要である。 ・クレジットポートフォリオ・代理償却等の仕組みによる事務コストの軽減 クレジット活用企業が、自社で、自らの CSR・環境メッセージを伝えるためのク レジットポートフォリオを組成・償却することは困難であるため、事務コストを 軽減できる代理償却の仕組みを活用できるクレジットポートフォリオを提供する ことが重要である。 ③ 活用における留意点(活用企業視点) ・製品等のブランドへの継続的貢献 製品等のブランディング等に本ポートフォリオを活用する際には、個別のクレジ ット由来ではなく、ポートフォリオのコンセプト(地域活性化への貢献、東北地 方への貢献等)を訴求する等により継続的な取組とすることが重要である。 ・PR・マーケティング施策 本スキームを活用することにより、活用するオフセットの総量だけでなく、全国 各地の排出削減事業から創出された再生可能エネルギー由来の地域活性化に貢献 するものとして広報することが可能になる。 ・費用対効果 オフセットプロバイダーと長期の「クレジット代理償却契約」を締結することに より事務コストを引き下げるとともに、本スキームへの取組を積極的に広報する 等して、費用対効果を高めることも重要である。 12 ④ スキーム活用事例 ・大手電気通信機器メーカー 同社は、環境計画の長期目標達成に向けた一つの 施策として、全国 19 の排出削減事業から創出され た再生可能エネルギー関連の国内クレジットを活 用している。 ・大手流通グループ 同社は、環境貢献キャンペーンの一環として、同 社の特定の製品の販売台数に応じて、森林組合等 が創出した国内クレジットを償却し、国内の森林 保全に貢献するというメッセージを広報している。 同社が本キャンペーンに使用したのは、全国 6 つ の森林組合及び製材業者の排出削減事業のクレジ ットである。 13 4) 東日本大震災復興支援型国内クレジット活用スキーム ① 概 要 本スキームは、2011 年 3 月 11 日の東日本大震災を受け、その復興に国内クレジ ットの活用を通して貢献できるスキームとして平成 24 年度に立ち上げたスキーム で、全国各地の排出削減事業者及び国内クレジット活用企業の協力を得て、排出 削減事業者が、国内クレジットの売却代金の一部を東日本大震災の被災地へ義援 金を寄付する仕組みである。 (図 6 を参照) 図 6 :東日本大震災復興支援国内クレジットスキームの概要 14 ② スキーム活用事例 ・紙・文具卸会社 同社は、 「震災復興型カーボン・オフセット用紙」 を印刷会社向けに販売し、印刷会社は顧客の印刷 物に対しロゴマークと「この印刷物はカーボン・ オフセット用紙を使っています」と文言を明記し、 CO2 削減と被災地支援を同時に顧客企業が企業 イメージを高めることができる仕組みを構築・展 開している。 また、本クレジットは、同社のある北海道の削減 事業から創出され、北海道環境財団が委託販売を するクレジットであるため、地域ブランドも活用 する継続的な CSR 活動として活用されている。 15 5) まとめ 大口活用企業を発掘するためには、大手企業にとって価値のあるクレジット活用提案 を行うと共に、下記の仕組みを構築する必要がある。 ① 大口償却を可能にする仕組み (クレジットのプール) 大口活用企業のためのマッチングスキームを円滑に運営するためには、クレジッ ト需要を満たす相当程度のクレジットを、原則、事前にプールしておく必要があ り、活用企業の希望買取り価格に柔軟に対応できる国内クレジット保有者等との 連携が重要な要素になる。 ② 継続償却を可能にする仕組み クレジット活用企業が事業年度を越えて継続的にクレジットを安定的に活用でき るためには、将来の必要クレジットを活用企業と合意したクレジット単価で供給 することを約定する必要がある。 こうした個々に必要クレジットが異なる数十企業の要望を満足させるため、必要 となるクレジット量を上回る量のクレジット(取得単価の異なる)を調達して対 応した。 ③ クレジット調達費用を引き下げる仕組み 大口活用スキームに使用するクレジットの調達費用引き下げのため、大口の排出 削減事業者及びクレジット保有者から将来必要となるクレジットを大量購入する 体制をとった。 16 2-2 マッチングスキームを活用する事業者の発掘 1) CFP 取得企業に対するアンケート調査による活用事業者の発掘 平成 25 年 9 月~10 月にすでに CFP を取得している事業者(55 企業)に対して CFP 取得の趣旨、対象製品のカーボン・オフセット意向についてアンケート調査を実施。 (回 答率:27%) ※アンケート結果は、「参考資料1 2) 企業アンケートの実施結果」に記載 その他による活用事業者の発掘 一般社団法人日本カーボンオフセットの HP 等を通じて、活用事業者の発掘及びオフ セット事例の勧奨を継続実施。 17 2-3 マッチングスキームを活用した事業者のPR 国内クレジット等の継続的活用を推進することを目的としたカーボン・オフセッ ト製品マッチングスキームを活用したカーボン・オフセット製品(どんぐりマー ク製品)事業に協賛した大手企業の取組事例を、企業の CSR・環境担当者を購読 者とする日経エコロジー(発行部数:12,000 部)に経済産業省の広告記事として 掲載した。 ○経済産業省 「消費者と企業が参画する新しい地球温暖化防止の取組」 ~「どんぐりマーク」製品・サービスの購入で地球温暖化防止に貢献~ ○キャノン 「ライフサイクル CO2 ゼロ、複合機初のどんぐりマーク取得」 ~オフィス向け複合機 Refreshed シリーズで「カーボンフットプリントを活用し たカーボン・オフセット」制度を導入~ ○イオン 「持続可能な社会への貢献を目指してーイオン株式会社」 ~持続可能な社会の実現を目指し、どんぐりマーク製品で低炭素社会の 実現に取り組む~ ○ソニー 「Xperia:CO2 の削減を推進するどんぐりキャンペーンに参加」 ~スマートフォン Xperia Z1SO-01F と Xperia Z1 SOL23 で「どんぐりポイント 制度」試行事業に参加~ 18 3.本事業のまとめと今後の課題 3-1 まとめ 1) J-クレジット等の大口向けマッチングスキーム構築・運営業務 ① J-クレジット等を活用した「カーボン・オフセット製品マッチングスキ ーム」の構築及び運営 オフセット製品協賛事業者と代理償却事務委託契約によるカーボン・オフセット のためのクレジットの調達及び当該製品の販売計画及び実績に基づくクレジット の代理償却スキームを構築した。 本スキームの平成 26 年 3 月 31 日時点の参加者は、以下の 5 企業である。 ・キャノンマーケティングジャパン株式会社 ・イオン株式会社 ・丸玉産業株式会社 ・ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 ・クリーンテックスジャパン株式会社 19 ② 既存のJ-クレジット等マッチングスキーム・ポートフォリオ運営 ・東日本大震災復興支援型クレジット活用スキーム 北海道環境財団、株式会社伊藤組、日本水なし印刷協会の協賛により、合 計 1,613 トンを償却し、被災県(3 県)に 695,180 円の義援金を送付した。 ・地域活性化支援型クレジット活用スキーム 本スキームの活用実績は以下のとおりであった。 20 2) J-クレジット等普及啓発業務 ① J-クレジット等マッチングスキーム問合せ対応(HP の拡充) 「J-クレジット等活用支援プログラム」の WEB ページにおいてJ-クレジット 制度への移行にともなう所要の追加・改訂を実施した。 ② 日経エコロジーを活用した活用事例の告知を記事広告として掲載(別記) ③ どんぐりマーク製品ポスターの掲示(4 月) イオン株式会社から、J-クレジット等の普及啓発の一環として、環境調和産業 推進室と連携して、どんぐりマーク製品(バイオ・マイバスケット)販売期間中 (平成 26 年 3 月から 1 年を予定)のイオンモールでのポスター掲示協力を得た。 21 3-2 今後の課題 1)大企業・業界団体等との連携によるクレジットの代理償却スキームを活用し たJ-クレジット等の普及啓発 クレジット活用者に対する低価格のクレジット提供と同時に新規プロジェクト実 施者からのクレジット買取価格を相対的に高くすることを目指し、大手企業・業 界団体等と連携したクレジットの代理償却スキームを活用したJ-クレジット等 の普及啓発を、大量クレジット保有者の在庫クレジットと新規参入のプロジェク ト実施者により新たに創出されるクレジットを組み合わせたポートフォリオの構 築等を通じて実施する。 2)カーボン・オフセット製品等認証事業とリンクしたJ-クレジット等の活用 促進 カーボン・オフセット製品を継続的、かつ、大規模に実施する場合は、将来に亘 って安定的なクレジット供給が担保される必要があるため、現時点で、多量の在 庫があり、また、今後新規クレジットが積み上がることが想定されるプログラム 型プロジェクトから創出されるクレジット等を活用することによって、大手企業 等のカーボン・オフセット製品化を促進する。 3)特定規模電力事業者(PPS)へのJ-クレジット等の提供 排出係数を引き下げる必要のある小規模特定規模電力事業者の円滑なクレジット 償却を支援することを目的としたクレジットポートフォリオの構築と、代理償却 等の仕組みの導入等を検討することによってクレジット提供先の拡大を図る。 22 参考資料1 企業アンケートの実施結果 「カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査結果報告書」 参考資料2 日経エコロジー記事 23 参考資料1 <平成25年度グリーン貢献量認証制度等基盤整備事業 (J-クレジット制度推進のためのJ-クレジット等の活用推進事業)> カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査結果報告書 調査期間 2013年9月24日~2013年12月5日 報告日 2014年3月14日 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 1.アンケート回収状況 アンケート聴取先 候補 (※) アンケート依頼済 アンケート依頼予定 回答済 回答拒否 対象外 計 事業者数 55 15 24 16 55 0 (終了) (占率) 100% 27.3% 43.6% 29.1% 100% 0% ※「回答拒否」には、明確で意志的な拒否のケース、明確ではないが何度連絡しても不在/多忙等、対応不可で返信も無いケース、 回答は可だが株式会社イースクエア以外への報告と集計への反映は拒否(事実上、回答を使用できない)のケースを含む 2.アンケート聴取先 CFPプログラムに掲載されているCFP宣言認定製品(BtoB)の事業者から55企業を抽出した。 2 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 2.アンケート集計結果 定量的質問への回答状況 (1) カーボンフットプリントに関する取り組みについて 1‐1 カーボンフットプリント宣言の取組趣旨 サンプル(N=15)中の回答率(%) 60.0 1‐2 取り組みで困難だった点 サンプル(N=13)中の回答率(%) 69.2 53.3 38.5 33.3 38.5 6.7 回答数: 系列1 0.0 a. 低炭素社会構 築に向け、製造 している製品や 提供している サービスのCO2 排出量を把握す ることは、事業者 の責任と考えて いるため b. 新しい取り組 みを把握するた めに試行事業に 参加した c. 他企業が取り 組んでいるの で、実施すること にした d. その他 70 60 5383 6 71 33 35 「その他」の主な内容 ・社会に対するアピールになる ・自社の企業ブランディングとして ・将来的な、商品の付加価値化を見据えて ・顧客に対するサービスとして ・定量的に顧客に説明・訴求が可能なので ・競合製品との差別化のため ・・・等 b. 原料の調達 a. カーボンフッ などのサプライ トプリントの算 チェーンの把 定方法がわか 握が難しかっ りにくかった た 系列1 回答数: 38.5 5 38.5 5 c.特になし d. その他 0.0 0 69.2 9 「その他」の主な内容 ・算定作業に多くの時間を要す/大変な労力がかかる ・原材料やエネルギー等の使用量の把握が困難 ・突き詰めるときりがないが、どこまで詳しくやるかの判断 ・世の中にデータが無い中、一から実測しなければならなかった ・サプライヤー企業たちと意識を合わせ、協力してもらう事が大変 ・事務局の対応が厳しすぎる/業界事情が理解されていない ・費用負担が大きい ・・・等 3 カーボンフットプリント宣言に取り組まれている企業様に対するアンケート〈最終〉集計結果 2.アンケート集計結果 定量的質問への回答状況 (1) カーボンフットプリントに関する取り組みについて 1‐3 想定していた効果の有無 サンプル(N=13)中の回答率(%) あり 【6】 なし 【7】 1‐4 今後継続していくか サンプル(N=15)中の回答率(%) 未定 【1】 取り組む 考えなし 【4】 取り組んで いく 【10】 回答数: 回答数: a. あり b. なし 6 7 「あり」の主な理由 ・環境対策に積極的な企業というイメージ向上には寄与した ・商品価値を高められた ・使用エネルギー量を把握する事で節約につながった ・銀行から融資を受けやすくなった ・社内の環境意識が向上した ・・・等 「なし」の主な理由 ・取り組みが評価されるほど社会に認知が広まっていない ・購買者がメリットを感じにくい ・流通までは伝わっても最終消費者まで伝わらない ・営業につながっていない ・自社の努力で削減できる余地が少ない ・・・等 a. 今後とも、継続的に取り組んでいく 10 b. これ以上、新たに取り組む考えはない 4 (未定) 1 「取り組んでいく」の主な理由 ・自社の環境負荷をきちんと把握しておくべき ・世の中の人達に今後もCO2の事を知ってもらう一助として ・少数だがCFP製品だから使用してくれる顧客もいるので ・業界のためにも算定ノウハウを維持するため ・費用対効果が高い/付加価値によって価格競争を回避できる ・制度は別にしても、元々の社風だから ・・・等 「取り組む考えはない」の主な理由 ・あまりメリットが見込めない/費用対効果が低い ・他社との差別化にならない ・・・等 4 カーボンフットプリント宣言に取り組まれている企業様に対するアンケート〈最終〉集計結果 2.アンケート集計結果 定量的質問への回答状況 (2) カーボンオフセットに関する検討状況 2‐1 カーボンオフセットという言葉を 知っていますか サンプル(N=15)中の回答率(%) 2‐2 カーボンオフセットの実施方法を ご存知ですか サンプル(N=15)中の回答率(%) 知らない 【4】 知っている 【11】 知っている 【15】 a. 知っている 回答数: 15 a. 知っている b.知らない 0 回答数: 11 b. 知らない 4 5 カーボンフットプリント宣言に取り組まれている企業様に対するアンケート〈最終〉集計結果 2.アンケート集計結果 定量的質問への回答状況 (2) カーボンオフセットに関する検討状況 2‐3 カーボンフットプリント宣言で算定したCO2排出量を カーボンオフセットすることについての考え サンプル(N=15)中の回答率(%) 2‐4 【実施、検討したい方】 理由 サンプル(N=5)中の回答率(%) 80 60 わからない 【2】 考えはない 【5】 40 既に実施 【3】 40 20 是非したい 【1】 a. CO2排出 量を算定す るだけでは なく、それを オフセット (相殺)する ことが、企業 の社会的責 任(CSR)の 観点から望 ましいため 検討しても よい 【4】 回答数: a. 既にカーボンオフセットを実施している 3 b.是非、実施したい 1 c. 実施することを検討してもよい 4 d. 実施する考えはない 5 e. わからない 2 系列1 回答数: 40 2 b. 顧客に対 するPRとなる ため 60 3 c. 社会に対 するPRとなる ため d. 社内の環 境意識向上 に役立つた め e.その他 80 40 20 4 2 1 「その他」の内容 ・どんぐりポイント制度に興味がある 6 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 2.アンケート集計結果 定量的質問への回答状況 (2) カーボンオフセットに関する検討状況 2‐5 【実施しない、わからない方】 理由 サンプル(N=7)中の回答率(%) 57.1 2‐6 どのような支援があれば推進したいと思うか サンプル(N=13)中の回答率(%) 30.8 30.8 30.8 30.8 30.8 42.9 14.3 0.0 系列1 回答数: 0.0 a.カーボン オフセットの やり方がわ からないか ら b. カーボン オフセットを するには手 間がかかり そうだから 0.0 14.3 0 1 c.費用が高 そうだから d. PR効果、 売上増加等 の効果があ ると思えな いから e.その他 0.0 42.9 57.1 0 3 4 「その他」の主な内容 ・まだ自社の方針が定まっていない/社会状況を見てから検討する ・いま進められている方法論に異論がある (「削減量」よりも「削減率」を目標にすべき/「ニュートラル」に こだわるべきでない、等) ・国の政策・方針・削減目標等がはっきりしないので様子を見たい ・まずはオフセットよりも排出そのものの削減をすべき ・・・等 b. カーボンオフ c. カーボンオフ a. カーボンオフ セットのための セットの支援を d. 資金的な支 セットに関する CO2排出権の してくれるよう 援 基本的な情報 調達・手続の なコンサルティ 代行サービス ングサービス 系列1 回答数: 30.8 4 30.8 4 30.8 4 30.8 4 e.その他 30.8 4 「その他」の主な内容 ・そもそも支援が要らないような、企業が自分で安価に継続できるための 国のマネジメントをお願いしたい ・カーボンオフセットの必要性を企業・個人により一層周知してほしい ・実施企業のメリットを明確化してほしい /実施した企業が評価される環境を作ってほしい ・該当製品の紹介や宣伝サービス ・・・等 7 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 3.ポイント 定性的質問(自由回答)からのファインディングス ●やはり企業にとっては利益も重要なので「具体的メリット」の提示を ➔ CFPやオフセットに取り組むメリットの提示によって、企業が自主的に取り組む機運を作る。 【企業の具体的なコメント】 実施する事でどれだけマーケティング効果があるかという視点も大切。企業なので費用対効果もきちんと見ないといけない。CFP を算出するのもそれなりに手間とコストがかかるので。 (オフセットだけでなくCFPも含め)国には「実施企業のメリットの明確化」をお願いしたい。やはり企業は「費用対効果」を重視する ので、かかるコスト以上のメリットを打ち出してくれるとありがたい。 費用対効果で見るので、費用に見合う効果が明確であれば意味がある。 (CFPにしてもオフセットにしても)生活者や小売りがメリットを感じてメーカー側に実施を要求するくらいの状況になってこないと、な かなか活性化は難しい。 (取り組んでいる企業が他社との差別化になるよう)グリーン購入法のプレミア基準を明確化してほしい。(丸玉産業株式会社様) グリーン購入報の対象等、取得した企業にメリットがあるとよい。 8 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 3.ポイント 定性的質問(自由回答)からのファインディングス (続き) ●積極的に取り組む企業が評価される環境を整える ➔善意だけがモチベーションで、あまり実利に結びつかないと、拡張性・持続性がない 【企業の具体的なコメント】 企業としては取り組みによって事業価値が高まることが必要で、社会貢献も当然大切だが、それら取り組みの価値を市場に認め てもらえるようにしていかないといけない。 取り組む企業がきちんと市場や社会から評価される環境を、国として作ってほしい。これは一社一社では難しく、国の役割かと思 う。 CFP企業がきちんと評価され、メリットになるような社会環境を作っていってほしい。 取り組んでいる企業がもっと評価される、得をする土壌を作り出してほしい。費用や時間・労力を割くことができなくなる。CSRの意 識だけでは企業は儲からない。 国・制度側による実施企業がきちんと評価される仕組み作りが必要。国/制度事務局/実施企業による、もっと良い形の連携が 必要。 9 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 3.ポイント 定性的質問(自由回答)からのファインディングス (続き) ●CFPやカーボンオフセット、マーク・ラベル類の認知・理解の向上を ➔現在、似て非なる用語(カーボンフットプリント、カーボンオフセット、カーボンニュートラル・・・等)や それぞれのマークがあり、一般の人には違いが分かりにくい事も、広がりと取り組むメリットを阻害する一因 【企業の具体的なコメント】 例えばどんぐりマーク等も、ただ付けるだけだとそれが何を表しているのか一般生活者には分かりにくい。何を表していて購入者に はどんなメリットがあるのか(社会・環境へのメリットも含む)の説明も書いてくれると分かりやすくなるだろう。 マーク・ラベルの類が乱立していて非常に分かりにくい。この整理なくして、中身の理解・納得もない。その状態でラベルだけを普及 させ、付ける企業数だけを増やそうとしても無理があるのでは。 CFPという言葉やコンセプトの認知がもっと世の中に広がり、やっている企業が評価される環境が整わないと。今は関心ある企業 が善意だけでやっている状態。同じカーボンでも、フットプリント、オフセット、ニュートラル…と、分かりにくい。我々は関係者だから 分かるが、一般には分からないだろう。 10 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 3.ポイント 定性的質問(自由回答)からのファインディングス (続き) ●費用や労力の負担軽減を ➔関心ややる気はあっても、CFPの申請費用の高さや手続きの煩雑さがネガティブ要因になっている 【企業の具体的なコメント】 制度上(登録料、ラベル付与費用など)、企業にとって費用負担が非常に大きい。現在の制度はコスト的に企業が取り組みを維持 できない。とにかく「費用対環境効果」がこのままでは見合わない。 認証されるための基準も少々厳格すぎる気もする。簡単すぎてはいけないが、やる気の企業にとってあまりに苦労が大きいと、広 がりにくいのでは。 PCRの申請は1種類だけで10万円から15万円かかる上に、有効期限はたった数年。費用対効果が悪すぎる。 費用は何とか工面するとしても、制度運営主体が変わったら一から再計算しなければならない事や、申請手続きも煩雑すぎて、 せっかくのやる気がある企業の気持ちを削ぐと思われる。是非改善を望む。 カーボンオフセットの費用を当社だけが負担するのではなく、顧客にも負担してもらえる仕組みを作る必要がある。 CFP算出にあたって今後の問題点は、算出する労力と申請費用。既存のデータが少なく苦労しているので、理想を言えば、個社 事情に合わせた生データを入れれば計算できるようなシステムがあって、一般公開してくれると良い。 代行サービスや支援が要らないような、企業が自分で安価に継続できるための国のマネジメントをお願いしたい。企業がいったん 始めても、「これ以上続けるには費用負担が大きい」「でもやめにくい」といった状況になってしまうと、なかなか広がらないと思う。 国も企業も、両方が長期的に腰を据えて、志ある企業が安心して取り組めるように制度設計してほしい。 11 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 3.ポイント 定性的質問(自由回答)からのファインディングス (続き) ●その他の、企業からの意見・提案 【企業の具体的なコメント】 消費税のエコ減税制度を新規創設すれば、売り手は高く売ることができ、買い手は、安く買うことができる。売り手と買い手がwin‐ winの関係となり、CFP制度の導入が促進されるのではないか。0.1%でも減税されれば効果があると思う。 「実施したメリットがあった」という企業を集めて活用事例集をつくると良いと思う。実践している企業の実践報告が無いと広まらな い。その際に、運営側(省庁)だけの話では判断できないので、運営側・実施者側(企業)の両方の立場から話をするのが良い。ま た、「失敗事例」に非常に価値がある。成功事例は、条件が変わると当てはまらなくなってしまうが、失敗事例は共通で「それをやら なければいい」。実施企業もそれをうまく活用する知恵が必要だし、国・制度側も実施企業がきちんと評価される仕組み作りが必 要。国/制度事務局/実施企業による、もっと良い形の連携が必要。 金融機関を巻き込むのも一つの手。「環境融資」に力を入れてもらい、CFP実施企業に「融資が受けやすい」というメリットがあるよ うにする。省庁から働きかけをしたら取り組む金融機関は絶対あると思う。金融機関側にも「環境のことをちゃんと考えている」とい う良いイメージが付き、メリットは大きい。 (CFP制度は「比較」について消極的であるが) 「比較」の容認、簡素化なども今後継続する動機となる。 今後制度がどうなっていくか、それによって世の中の関心がどうなるかがあまり見えない。制度や規制の行方など、国には早めの 行動をとって明確にし、情報を発信してほしい。また、排出係数、計算式(算出方法)などの情報が混乱しているので、企業が取り 組みやすいよう一本化してほしい。 ニュートラルありきではなく、CO2の削減率が重要と思う。製品のライフサイクル全体をオフセットするのが果たして健全か疑問。 企業はあくまでも製品の売上収入からしかコスト負担できないが、製品によっては原材料~製造過程のCO2排出は小さく、使用段 階が大部分を占めるものもある。それも製造企業が負担すべきがどうか。もちろんメーカーも使用時のエネルギー消費に責任を持 たないわけではなく、使用時もなるべくCO2排出を抑える製品づくりに配慮すべきではあるが。 そもそも温暖化を防げる分の排出削減を(まずは)目指せば良いのであり、製造時の排出がライフサイクル全体の10分の1だとす ると負担コストも10%、さらにそこから追加可能な量を目指すべきではないか。これなら、むやみな100%オフセットよりも企業として 12 納得感もあり、実際のコスト負担面でもさほどではなく、現実的である。 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 4.質問票 ※調査実施最初期は、Ⅰ‐(2),Ⅰ‐(3),Ⅱ‐(6)の設問なし(回答15票中2票)。 カーボンフットプリント宣言に取り組まれている企業様に対する アンケート Ⅰ.カーボンフットプリントに関する取組について (1) カーボンフットプリント宣言には、どのような趣旨で取組まれました でしょうか。(複数回答可) a. 低炭素社会構築に向けて、製造している製品や提供しているサー ビスにおいて、どれだけのCO2を排出しているかを把握しておくこと は、事業者の責任だと考えているため b. 新しい取り組みを把握するために試行事業に参加した c. 他企業が取り組んでいるので、実施することにした d. その他 →「その他」の内容 (2) 取組にあたって困難だった点はありましたか。(複数回答可) a. CFPの算定方法がわかりにくかった。 b. 原料の調達などのサプライチェーンの把握が難しかった。 c. 特になし d. その他 →「その他」の内容 (3) 当初想定しているCFP の効果はありましたか。 a. あり b. なし →「あり」の理由 →「なし」の理由 (4) 今後とも、カーボンフットプリント宣言に継続的に取り組んでいかれ る予定でしょうか。 a. 今後とも、継続的に取り組んでいく b. これ以上、新たに取り組む考えはない →「取り組む」の理由 →「取り組まない」の理由 Ⅱ.カーボンオフセットに関する検討状況について (1) カーボンオフセットという言葉を知っていますか。 a. 知っている b. 知らない (2) カーボンオフセットの実施の方法(例えば、CO2排出権の調達方 法、手続等)をご存知ですか。 a. 知っている b. 知らない (3) カーボンフットプリント宣言において算定したCO2排出量をカーボン オフセットすることについてどのようにお考えでしょうか。 (CO2 1トン当たり500円程度を想定) a. 既にカーボンオフセットを実施している b. 是非、実施したい c. 実施することを検討してもよい d. 実施する考えはない e. わからない 13 カーボンフットプリント宣言取り組み企業向け調査集計結果 4.質問票 (4) 【3.でb.又はc.とお答えの方へ】 カーボンオフセットをしたい、又は検討してもよい、とされている理由 をお聞かせください。(複数回答可) a. CO2排出量を算定するだけではなく、それをオフセット(相殺)するこ とが、企業の社会的責任(CSR)の観点から望ましいため b. 顧客に対するPRとなるため c. 社会に対するPRとなるため d. 社内の環境意識向上に役立つため e. その他 →「その他」の内容 (5) 【3.でd.又はe.とお答えの方へ】 その理由をお聞かせください。(複数回答可) a. カーボンオフセットのやり方がわからないから b. カーボンオフセットをするには手間がかかりそうだから c. 費用が高そうだから d. PR効果、売上増加等の効果があると思えないから e. その他 →「その他」の内容 (6)どのような支援があれば、カーボンオフセットを推進したいと思いま すか? (複数選択可) a.カーボンオフセットに関する基本的な情報 b.カーボンオフセットのためのCO2排出権の調達・手続の代行サービ ス c.カーボンオフセットの支援をしてくれるようなコンサルティングサービ ス d.資金的な支援 e.その他(自由記述) f.その他 →具体的に ご意見、ご要望があれば、ご記入ください。 14