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VMware View VDI
ベ ス ト プラ ク ティ ス ガイド
VMware View VDIのための
Nimble Storageベストプラクティス
NIMBLE ベストプラクティスガイド:VMWARE VIEW VDI のための NIMBLE STORAGE
1
概要
仮想化は、多くのITソリューションにおいて重要な基盤技術です。仮想化への取り組みの範
囲は、近年飛躍的に拡大しています。仮想化のITプロジェクトは、尐数のサーバ(多くの場
合、試験および開発)から、Microsoft ExchangeおよびSQLのような主流の仮想化アプリケー
ションに移行しています。仮想化技術の利用に対する最新の動きは、デスクトップおよびノ
ートパソコン環境を企業のIT基盤に置き換えることが始まったことです。この分野は、仮想
デスクトップ基盤(VDI)と呼ばれ、企業基盤に新たな課題、ツール、ソリューションを提
示し仮想化に取り組みます。VDIソリューションは、このガイドの焦点となります。特に、
VMware ViewおよびNimble Storageソリューションについて検討します。
VDI環境をサポートするためのストレージソリューションの課題は、導入される総合的な仮
想化アーキテクチャーの2つの重要なポイントがまず挙がります。数百または数千のエンド
ユーザーデスクトップおよびノートパソコンがITデータセンターに集中するため、個々のワ
ークロードを融合することと、ユーザーの使用感を維持する必要があることです。快適なユ
ーザー使用感は、ストレージ性能によって決まります。そのため、VDIに合ったストレージ
を選ぶことが成功のための重要なポイントとなります。
負荷の状況は、ユーザーによって実行される必要のある一般的な日常的なタスク(定常レベ
ル)と共有環境を妨害する可能性のある運営上のタスクにおいて、重要な課題を提示します。
ユーザーシステムのブート処理、ログイン、ウィルススキャンの実行、アップデートの実行、
バックアップの実行などは、ストレージのI/Oストレスの原因となることがあります。
ストレージ層のスループット(MB/s)またはIOPSのような典型的な評価基準は、正しいソリ
ューションを理解するのに十分ではないことがあります。エンドユーザー使用感を維持する
ためには、ストレージシステムのレイテンシおよびユーザレベルの応答時間も重要な性能評
価基準となります。
要するに、障害や動作のピーク時の負荷に対処でき、低コストで管理が容易なパッケージで
定常レベル状態の動作を提供できる適応型のストレージソリューションが必要とされていま
す。Nimble Storageは、VDI環境に上記のソリューションを提供します。
対象者
このガイドは、Nimble Storageを使用してVMware ViewベースのVDIソリューションを最適に
配備したいソリューションアーキテクト、ストレージエンジニア、システム管理者およびIT
マネージャーを対象としています。この文書では、読者がVMware vSphereシステム管理、
Microsoft® Windows®デスクトップ管理、iSCSI SANのネットワーク設計、基本的なNimble
Storage操作の実際的な知識があるものと仮定しています。VMware Viewデスクトップ管理ソ
リューションの知識も有用です。
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Nimble Storageソリューション
Nimbleは、全く新しいストレージへのアプローチを開発しました。このストレージでは大容
量ドライブとSSDをシームレスに組み合わせています。Nimbleの画期的なCASL™アーキテクチ
ャーは、VDIの性能とコストの課題に取り組むために徹底的に設計されています。
Nimble Storage iSCSIアレイは、フラッシュで高速化された一次ストレージ、コスト効率の高
い容量、瞬時に取得できるアプリケーション対応バックアップ(スナップショット)および
レプリケーションなど、アプリケーションに対応した完全なデータストレージソリューショ
ンを提供します。これにより、一次ストレージ、二次ストレージ、およびオフサイトディザ
スタリカバリーストレージの管理を単一のストレージソリューション内で統合できます。
Nimble Storageアレイは、iSCSIターゲットボリューム(LUNs)をVMwareホストに提供します。
Nimble Storageアレイ上で作成されたボリュームは、下記の利点を提供することにより、仮想
マシンに高度に最適化されています。
性能および容量効率
 CASLのフラッシュの革新的な利用は、読み込み性能を強化し、ブートストームおよび
ログインストームの状況(複数ユーザーのブート処理または同時ログインなど)に対
処します。ランダム書き込みのシリアル化は、ウイルススキャンおよびOSアップグレ
ードによって実行される書き込みI/Oのピークに効率的に対応し、書き込み性能を強化
します。
 CASLはすべてのデータを圧縮し、30~75%の容量を削減します。ゼロコピークローニン
グは、複製イメージが貴重なディスクスペースを消費しないようにします。
 最も重要なことは、Nimbleがワークロードの変動に迅速に反応できることです。比較と
して、従来のティアリングアーキテクチャーは、IOパターンの変更に対応するのに数時
間または数日を必要とします。
 シンプロビジョニング:確保されたスペースではなく書き込まれた実際のデータを効
率的に保存します。
統合型データ保護
 高効率のスナップショットは、仮想デスクトップイメージおよびユーザーデータの保
管期間が60~90日間で、頻繁なリカバリポイントの作成をを可能にします。バックア
ップは数秒で終わり、アプリケーションやストレージ性能には影響を与えません。
 ゼロコピークローニング:重複したデータのストレージ容量を削減するためにあらか
じめ重複排除します。
 組み込みのレプリケーションは、サイト障害の際にVDIデータが遠隔地で保護されるよ
うにします。
快適な操作
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 直感的なNimble UIは、プロビジョニング、複数のストレージ、バックアップ、ディザ
スタリカバリーデバイスの管理の複雑さを取り除きます。
 Nimble vCenterプラグインは、仮想デスクトップのプロビジョニング、レプリケーショ
ン、バックアップ、モニタリングの管理を簡単にします。
 システムに障害が起こる前に潜在的な障害を見つけるため、短い間隔のハートビート
により、システムヘルスをモニタリングします。無停止のアップグレードに加えて、
高可用性および障害耐性の特性は、実質的にダウンタイムをなくします。
VMware View VDI
仮想デスクトップソリューションは、1つの基盤で、数十のデスクトップ(<100)から、数百
または数千のユーザーデスクトップの範囲になることがあります。デスクトップ基盤を既存
のNimble Storageベース仮想化ソリューションに追加しても、初めから専用VDIを構築するに
しても、考慮すべき点の多くは同じです。
企業のデスクトップシステムを仮想化するタスクを検討する際、考慮することがたくさんあ
ります。異なるエンドユーザーシステムのすべての数と相違、そして、ユーザー人口との直
接的な相互作用は、これをやりがいのある仕事にします。
デスクトップ仮想化アプローチを使用する動機の一つは、各ユーザーデスクトップとその環
境が独立した仮想マシンと専用のOSインスタンスに導入されていることです。これは、端末
PCベースのソリューションとは異なり、複数ユーザーを単一の共有OSプラットフォームに結
び付けます。VDIアプローチの使用は、アプリケーション、ユーザー設定、各ユーザーのワ
ークロードの間の不一致を尐なくするのに適しています。Windowsのフルプライベートコピ
ーによって、一人のユーザが他のユーザーの使用環境またはプラットフォーム安定性に影響
を与える機会を減らします。
デスクトップ仮想化ソリューションを定義するタスクには、下記に示すようにいくつかの多
様な分野を取り扱う必要があります。
1.
ユーザー使用環境およびアクセシビリティ
2.
アプリケーションサポートおよびライセンス認証
3.
サーバリソース管理
4.
ネットワーク接続性
5.
ストレージ管理
この文書は、VMware View VDIソリューションのストレージの側面に焦点を当てます。
VDI環境には、次の基本コンポーネントがあります。
 仮想デスクトップを実行するサーバ
 ユーザー、他のサーバ、ストレージへのネットワーク接続
 ストレージ基盤、デスクトップ、ユーザーデータ
 オペレーティングシステムおよびアプリケーション
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 デスクトップ仮想化動作を管理して実行するVDIコンポーネント
図1は、一般的なVDIアーキテクチャーの層を示します。環境によっては、デスクトップユー
ザーの大きなコレクションをサポートしている単一のNimble Storageアレイに接続された複数
のESXサーバがある場合があります。
サイジング
VDI導入において考慮しなければならない重要
事項の一つは、ユーザーのニーズと期待、それ
からIT企業の予算および運用上のニーズに応え
るための総合的なソリューションの適切なサイ
ジングです。
VDI導入全体を理解するためのサイジング作業
は、本文書の範囲外となります。代わりにVDI
設定をサポートするためのストレージソリュー
ションを適切に設計するために必要な考慮事項
に焦点を当てます。
図 1:基本的な VDI アーキテクチャー
デスクトップのストレージをサイジングして整理す
るのに役立つ評価基準を検討するとき、多くの要素を考慮する必要があります。それは、ス
トレージIOPS、スループット、レイテンシ、容量の組み合わせです。加えて、Windowsデス
クトップの大規模な集合からのワークロードのI/O特性の相違を考慮する必要があります。
これらの特徴を区別する基準に厳格な境界はありませんが、私たちは最良のストレージソリ
ューションの選択および設計に役立つ特徴を見つけました。ストレージに対する多数のデス
クトップユーザーの複合作用は、ユーザーのタイプ、接続の仕方や他にどのようなITデスク
トップ管理動作がサポートされている必要があるかによって影響されます。
各デスクトップユーザーについては、IOPSでユーザー毎に3~5の低い定常レベルから、50~
100の高いブート/ログイン要件までの範囲を確認しました。例えば、シンプルな単一の
Windows7ユーザーログインイベントは、2500~3000の低レベルI/O動作の命令で生成されま
す。それぞれの場合で、VDI層(サーバ・ネットワーク・ストレージ)は、目標定常レベル
に対応するためだけでなく、瞬間的なワークロードを吸収するため、十分な能力を持つ必要
があります。デスクトップVMの状態の適切な管理と効率的なユーザープロファイル制御は、
サーバおよびストレージ層で実行される必要のあるワークロードの極端な変動を軽減します。
例として、下記のグラフは、数百のデスクトップVMのVDI環境で典型的な一日に発生する可
能性があるワークロードの変動を表します。選択されたストレージソリューションによって
提供される必要のある潜在的なピークのワークロードと定常レベルの動作間の性能ニーズの
広がりは、かなりの大きさになります。Nimble Storage CASLアーキテクチャーは、このタイ
プのワークロードの遷移に適しています。
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図 2:VDI の典型的な一日
VDIワークロードを処理するために、ストレージソリューションは、サイズの範囲が4K~64K
(またはそれ以上)に及び、その時々に高いレベルの書き込みまたは読み込み動作がある
I/O動作の非常にランダムなワークロードを効率的に処理する必要があります。下記のテー
ブルは、ワークロードの例で、2つの異なるデスクトップユーザーのワークロードと、必要
な推定スループットおよびレート要件を示しています。
ユーザータイプ
IOPS(平
均)
IOPS(ピー
ク)
スループット
(平均)
スループット(ピー
ク)
ライトユーザー
ヘビーユーザー
5
20
20
50
0.3 MB/s
0.6 MB/s
0.8 MB/s
1.6 MB/s
表 1:ワークロードの例
VDIデスクトップストレージコンポーネントのスループット要件は、オペレーティングシス
テム、アプリケーション要件、および一時スペースにより関係しており、ユーザーデータへ
のアクセスに関連していません。ユーザーデータは、設計により、仮想デスクトップから集
中した共有リソースに移行する必要があります。ユーザー毎のオペレーティングシステムお
よびアプリケーション(Microsoft Wordなど)のスループットは非常に低く、多くの場合、
測定値はKB/s単位となります。
低レイテンシや高速I/O応答時間は、優れたユーザーエクスペリエンスのもう一つの重要な
評価基準です。それ自体が優れたデスクトップ仮想化ソリューションの構築においての重要
な要素であり、設計目標です。読み込みおよび書き込みの両方のレイテンシが、ストレージ
層に考慮される必要があります。実際のユーザーデスクトップワークロードの分析では、一
部の環境では、I/Oの書き込み比率が80%と高いこともありますが、定常レベルの間、読み込
み/書き込み比が約50/50を示しています。ブート・ログインストームは、読み込みに集中す
る傾向があります。
注記:レイテンシは、ユーザーレベルを秒単位で、そしてストレージレベルをミリ秒単位で
測定します。VDIソリューションは、ほとんどのユーザー動作に対して1~2秒以下のレイテ
ンシを目標とし、ストレージ層での動作の大部分に対しては20ミリ秒以下を目標とする必要
があります。
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Nimble Storage CASL(Cache Accelerated Serialized Layout)アーキテクチャーは独自に、技術を
適切に組み合わせることで、性能と容量が効率的に両立できることを示しています。Nimble
Storageアーキテクチャーは、キャッシュによる読み込みに対する優れた応答時間と、圧縮に
よる効率的な書き込み応答時間とともに、ランダムなI/Oワークロードに独自に適したプラ
ットフォームを提供します。詳細については、Nimble Storageウェブサイト
(http://www.nimblestorage.com/products)をご覧ください。
Nimble Solutionは、性能の本質である処理性能とHDDの回転数に依存する組み合わせの構成
との間の障壁を取り払い、もっとストレージ層のサービスレベル(IOPS、スループット、レ
イテンシ)に焦点を当てています。Nimble Storageソリューションがあれば、特定の物理ディ
スクやストレージのRAID層の心配をする必要がありません。すべてのNimble Storageボリュー
ムがCASLアーキテクチャーの恩恵を受けます。これにより、ストレージ構成の決定とタスク
が簡単になります。Nimble Storageボリュームを構築するとき、ポリシーとして整理された尐
数の基準を設定するだけでよいのです。レイアウトをあまり心配せずに、管理および可測性
に焦点を合わせることができ、性能の問題に対処できます。
ストレージ実装での主な作業は、デスクトップコンポーネントの整理です。これらのコンポ
ーネントには、iSCSI LUNs(Nimble Storageボリューム)、VMware VMFSデータストア、VMテ
ンプレート、および仮想マシン(VMDK)自体が含まれます。テンプレートおよび仮想マシ
ンは、どのように実装されているかによって、基盤となる仮想ディスク構造を定義します。
VDIソリューションによって、巨大さやいっそう多くの仮想化するコンポーネント(デスク
トップなど)に対処する必要があります。優れたVDI設計は、1つの任意のストレージコンポ
ーネントに関連するデスクトップコンポーネントの数と、管理するのに多すぎるストレージ
基盤の拡散との間のバランスを目指します。目標は、一か所(サーバ、ネットワーク、テン
プレート、プールなど)に依存しすぎたり、多すぎる管理ポイントは運用メリットを減らす
ので作成しすぎたりしないようにすることです。この管理課題の一つは、ストレージボリュ
ームをVMware環境へ提供することです。
Nimble Storageアレイ上でのボリュームの設定は、NimbleストレージをVMware仮想化ソリュ
ーションの他の部分へ提供するときと同じ基本ガイドラインに従います。選択肢は非常に簡
単です。パフォーマンスポリシーは、「VMware」に設定します。これは、自動的に最適な
ブロックサイズを選択し、圧縮とキャッシュを可能にします。Nimbleボリュームは、デフォ
ルトでシンプロビジョニングされるので、VMwareの内部のシンプロビジョニングとして扱
う必要がありません。管理およびモニタリングのほとんどがVMware基盤(ESX、Virtual
Center、View Administrator、Nimble Virtual Centerプラグインなど)から実行されますが、10~
20%のボリューム閾値および制限を使用してNimble Storageシステムからの通知を行うことが
できます。
Nimbleボリュームは、ESXホストのネットワーク接続性に基づいて適切なマルチパス設定に
より、データストアとしてVMware環境に提供されます。Nimble Storageは、ほとんどの
VMware環境で、すべてのNimble Storageボリュームに対してRound Robin MPIOを使用するこ
とを推奨します。NimbleボリュームとVMwareデータストアの関係は、一対一の関係です。
これに関する詳細は、以下のオンラインリソースを参照してください。
http://www.nimblestorage.com/resources/overview.
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次の考慮すべき重要な点は、データストアに何を入れるかです。VDI実装の場合、これはた
くさんのデスクトップVMとなります。
ストレージ配分のステップとして、デスクトップ環境への基本的なストレージ配分を決定し
ます。最もシンプルなアプローチは、一つの大規模なデータストアを作成し、すべてのデス
クトップを単一の入れ物に入れることです。実際には、これは一般的に50個以下のデスクト
ップの小さな環境でのみうまく機能します。
環境のサイズが拡大されるにつれ、管理、モニタリング、リソースおよび復元可能性の観点
から、より管理しやすい作業セットに分けるのが理にかなっています。
現在のガイドラインは、50個までのフルサイズデスクトップ仮想マシンを保持するために、
単一のNimble StorageボリュームからVMFSデータストアを構築することです。フルサイズの
デスクトップのサイズは、圧縮、シンプロビジョニング、またはリンクされたクローニング
がなかった場合、イメージのサイズです。例えば、20GBの標準VDIデスクトップサイズが一
般的です。Nimble Storage圧縮およびシンプロ
ビジョニングにより、控え目で小さい閾値内
でストレージの割り当てを超えて利用できま
す。例えば、1TBのボリュームをプロビジョ
ニングして、実際のストレージが数百GBのみ
必要とする場合、ストレージが消費されない
ため、無駄がありません。しかし、VMが定義
された潜在的ディスクサイズに拡大する場合、
またはスナップショット(VMwareまたは
Nimble)を使用する場合に、必要なスペース
を提供する余裕があります。図3は、VMware
Viewプールの一つとして使用される特定のデ
ータストアに関連する情報を示します。
数十から数百のデスクトップ仮想マシンの配
備および管理の増大に対応する唯一の方法は、
図 3:VMware View データストアの詳細
VMクローニングの形式を使用することです。ゴールデンイメージが作成され、デスクトッ
プおよびノートパソコンが標準ベースイメージからユーザーに配備されている物理的世界の
ように、VMware Viewは、VDI環境内でデスクトップ仮想マシンをクローニングするための強
固な管理ソリューションを提供します。これらのクローンされた仮想マシンの生成には異な
る方法があります。
クローンは、既存の仮想マシンのコピーです。クローニング動作が完了すると、クローンは
固有のIDを持つ独立した仮想マシンになります。完全なクローンは、仮想マシンの独立した
コピーで、クローン動作が完了したら、オリジナルの仮想マシンと何も共有しません。新し
いVMのストレージの詳細スペックは、親VMと同じです。
VMwareは、リンククローン(Linked Clone)と呼ばれるVMをクローニングする代替方法を提
供します。このアプローチでは、新しいVMは仮想マシンのコピーで、親VMと仮想ディスク
を共有し続けます。親VM(およびそのスナップショット)は、新しいVMにリンクするのに
使用されるVMのレプリカを表します。差分(リンククローンに固有のデータ)は、別の場
所に保存されます。
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このアプローチによって、リンククローンは、変更されたデータのみの小さな占有容量を持
ちますが、動作するためには、常に親(レプリカ)ディスクにアクセスする必要があります。
その結果、VMwareリンククローンは、ストレージ要件を削減する方法を提供し、一斉にデ
スクトップを更新するための効率的なプロセスを定義します。VMwareリンククローン配備
の場合、より優れた保護ポリシーの管理と、より簡単な容量と性能の測定を可能にするため、
マスターレプリカおよびリンククローンを同じデータストアに保管することを推奨します。
いずれかの方法で生成された各クローンに対し、VMはデスクトップ仮想マシンのセット
(名前、IP、ライセンス認証など)に含めるために適切に準備される必要があります。これ
はVMwareを介して自動化されます。
図 4:VMware View ダッシュボード
仮想センターおよびVMware View管理者機能
図4は、デスクトップ設定を構成しているプール、デスクトップ、およびデータストアコン
ポーネントの管理に対する高レベルのビューを示します。このパネルから、デスクトップ展
開の自動化機能のステータスと管理ポイントの簡単な概要を表示できます。
ストレージプロビジョニングで考慮するべきもう一つの点は、“目的”です。基盤コンポーネ
ント(AD、バーチャルセンター、アプリケーション、ユーザー共有など)には別々のデータ
ストアを推奨します。加えて、テンプレートとリンククローンのゴールデンイメージのデス
クトップには、別々のデータストアとNimble Storageボリュームを推奨します。別々にする理
由は性能に関係しませんが、環境の保護とモニタリングに関連します。Nimbleボリューム保
護ポリシーは各ボリュームまたはボリュームコレクション毎に設定できます。ユーザーデー
タ、テンプレート、およびゴールデンイメージのような重要なデータはより積極的に保護で
き、リンククローンのような他のボリュームはやや消極的に保護できます。これは、リンク
クローンのように再現しやすいデータでは十分とみなせます。機能別のデータストアの分離
は、環境のモニタリングに役立ちます。使用量、ボトルネック、リソースの使用率が個々に
モニタリングされることで、それらの課題を見つけやすくなります。
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このレベルでストレージボリュームを作業可能なサイズのデータストアに分類するもう一つ
の理由は、VMware Viewのデスクトップインスタンス管理を促進するためです。VMware
View内では、デスクトッププールがデスクトップインスタンスのセットの生成および制御を
整理する基本的な方法となります。ストレージ層に関連するデスクトッププールの重要な側
面は、データストアの割り当を行い、デスクトップVMを保持することです。
デスクトッププールは1つ以上のデータストアを使用でき、データストアはデスクトッププ
ール間で共有できます。これは、デスクトップイメージの大規模なコレクションの下でスト
レージの整理およびスケール変更をするのに便利な方法です。ストレージがもっと必要な場
合は、データストアをもう一つデスクトッププールに追加します。他のタイプやグループの
デスクトップが必要な場合は、データストアがいっぱいになるまで共有できます。図5は、
VMware View環境で定義されたプールにアクセスするのに使用されるパネルを示します。こ
こから、デスクトップの具体的な作成方法を制御するプールのプロパティを追加または編集
できます。
図 5:VMware View デスクトッププール
デスクトッププールは、デスクトップユーザーの異なるタイプを区別するために使用できま
す。ユーザーのプロファイルが独立してモニタリングしたいものであれば、1つ以上の特定
のデータストアにプールを関連付けます。リンククローンの場合は、マスターレプリカに別
のデータストアを使用し、リンククローン部分に1つ以上のデータストアを使用することを
提案します。デスクトップイメージの場合、これは静的データ(OSなど)の一部を一か所に
置き、デルタ(ユーザープロファイル)データを他に置くことになります。
単一のプールで管理されるデスクトップの数は、1000まで可能です。デスクトッププールの
サイズが拡大するにつれ、上記のガイドラインに従って複数のデータストアコレクションを
使用することを推奨します。
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保護および復元
どの本番環境でも適切で十分なデータ保護手段を導入する必要があります。Nimble Storageソ
リューションには、高効率のスナップショット機構と他のNimble Storageアレイへのレプリケ
ーション機能が組み込まれています。
重要な基盤要素が、ローカルスナップショット保護ポイントと最終的にリモート(複製)コ
ピーによって、確実に保護されていることが大切です。基盤要素には、デスクトップテンプ
レート、ゴールデンイメージ、およびVMware環境(仮想センターやView接続マネージャー
など)が含まれます。
個々のデスクトップに関しては、問題が発生したとき、単一のデスクトップシステムを再構
築した方が簡単で早いことがあります。デスクトッププールのVMware Viewプロビジョニン
グの方法は、デスクトップ実装および割り当てモデルの特定のタイプに対して、この一部を
自動化できます。
スナップショット
スナップショットは、ローカルストレージシステム内で一貫した復元ポイントを提供する方
法の1つです。これらのスナップショットは、VMware環境内、ストレージ層内、またはその
両方に機能があります。
上記で示された重要なデータアイテムの保護ポリシーによってNimble Storageスナップショッ
トを使用することを推奨します。Nimble Protection Manager機能を使用することにより、これ
らのスナップショットはVMware環境内で整合性が取れます。
多数のデスクトップVMが単一のデータストア(Nimbleボリューム)に関連しているような、
これらのボリュームではVMware Virtual Centerに統合されたスナップショットの使用を推奨
しません。シンプルなストレージスナップショットが、デスクトッププールのクラッシュ整
合性の保護に十分です。Vmwareの一貫性のあるストレージスナップショットは、VMware
Virtual Centerによって呼び出された対象とするボリューム内の各VMのスナップショットを必
要とします。そのようなスナップショットが必要な場合は、それらのプールでデスクトップ
動作が停止しているか、または尐ない時間にスケジュールするようにしてください。
レプリケーション
他のNimble StorageアレイへのNimble Storageボリュームのレプリケーションは、別のレベル
の基盤保護を提供します。他の重要な仮想化データセットのように、お客様の主要VDIボリ
ュームのVMwareレプリケーションベストプラクティスに従うことを推奨します。
レプリケーションがDR目的の場合、デスクトップ統合のDRサイトへの適用は、アダプタを
介してNimble Storageレプリケーション機能に完全に統合しているVMware Site Recovery
Manager(SRM)のようなツールによって管理される必要があるので注意してください。DR
は、重要なコンポーネントがレプリケーションされ、VMware View環境が新しい状況で再作
成に利用されているもう一つの例です。VMwareの有識者と、どの方法が最も高いデスクト
ップ基盤の柔軟性と回復力を提供するか決定します。
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まとめ
VMware View VDI実装にNimble Storageを使用するとき、これらの簡単な設定ガイドラインに
従うことにより、お客様の投資を最大限に活用できます。
1.
最適のブロックサイズを選び、キャッシュと圧縮(デフォルト)を可能にするデフォル
トのVMwareパフォーマンスポリシーを使用して、NimbleボリュームをVMwareデータス
トアにプロビジョニングします。
2.
VMFSデータストアとして設定されたNimble Storage iSCSI LUNのラウンドロビンMPIO設定
を使用します。
3.
ボリュームとVMFSデータストアのサイズを約50のフルサイズデスクトップにします。
これは、目安としてデスクトップにつき10~20GBを使用して、約500GBになります。
4.
Viewプール設定のVMware Viewリンククローンを使用して、スペースを節約し、デスク
トップ提供を速くします。
5.
マスターレプリカとリンククローンを同じデータストア(Nimble Storageボリューム)
に保管します。
6.
VMware Viewデスクトッププールを使用して、デスクトップをタイプ別、位置別、管理
容易性別に配分します。VMware Viewプールの比率をプールにつき約50~100デスクト
ップにします。注記: リンククローンの場合、これはマスターレプリカとリンククロ
ーンの比率をプールと同じ比率にします。
7.
必要に応じて、複数のデータストアをVMware Viewプールに割り当てて、容量を拡大し
ます。
8.
VMware Viewメカニズムでは簡単に再導入できない重要なボリュームの保護テンプレー
トを定義します。これらには以下が含まれます。VMテンプレート、ゴールデンイメー
ジ、ユーザーデータ、重要なユーザーのデスクトップ、および基盤コンポーネント。
Nimble Storage, Inc.
2740 Zanker Road, San Jose, CA 95134
Tel:1-408-432-9600; 1-877-364-6253 | www.nimblestorage.com | [email protected]
© 2012 Nimble Storage, Inc. All rights reserved. CASLは、Nimble Storage, Inc.の商標または登録商標です。
WP-VDI-0812を元に翻訳。By Toshiba coporation. nmblbpg006(140303)
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