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数学 - 広島県

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数学 - 広島県
2
数学
(1)領域別及び評価の観点別の平均通過率
①領域別
【数学A問題】
(%)
中学校での内容
年
度
科目
数学活用
数と式
30.6
図形
23.6
関数
19.2
数学活用
81.4
22.3
63.8
20.7
54.3
19.0
70.6
78.8
69.4
59.0
社会生活におけ
る数理的な考察
58.1
35.1
数と式
二次関数
77.0
65.1
数学と人間の活動
社会生活におけ
る数理的な考察
52.8
46.9
数と式
二次関数
76.6
65.0
15.9
平成 25 年度
数学Ⅰ
数学と人間の活動
27.4
平成 26 年度
数学Ⅰ
高等学校での内容
資料の
活用
64.5
【数学B問題】
(%)
中学校での内容
年
度
科目
数学活用
数と式
図形
63.3 20.0
関数
資料の
活用
43.3
26.7
平成 26 年度
数学Ⅰ
83.0 45.2
数学活用 44.1 35.3
63.8
85.2
75.6
数学と人間の活動
社会生活におけ
る数理的な考察
84.4
60.0
方程式と不等式
二次関数
図形と計量
76.4
65.7
54.4
58.5
48.5
平成 25 年度
数学Ⅰ
高等学校での内容
数学と人間の
活動
社会生活におけ
る数理的な考察
身近な統計
61.3
72.8
58.1
方程式と不等式
二次関数
図形と計量
71.2
71.8
57.7
71.0
②評価の観点別
【数学A問題】
年 度
平成 26 年度
平成 25 年度
【数学B問題】
年 度
平成 25 年度
平成 24 年度
(%)
知識・理解
科目
関心・意欲・態度
数学的な見方や考え方
数学的な技能
数学活用
48.2
27.1
28.3
10.1
数学Ⅰ
85.3
58.3
77.0
73.4
数学活用
47.4
26.5
25.5
2.2
数学Ⅰ
87.3
63.5
74.9
67.7
科目
関心・意欲・態度
数学的な見方や考え方
数学的な技能
知識・理解
数学基礎
62.2
54.4
58.9
26.7
数学Ⅰ
81.9
59.1
65.7
63.9
数学基礎
56.6
59.9
63.7
11.8
数学Ⅰ
55.8
76.2
74.1
62.8
39
(2)設問ごとの通過率等一覧
①数学A問題【数学活用】
(%)
大問 小問 学習指導要領の
出題のねらい
評価の観点 通過率 正答率 準正答率 誤答率 無答率
内容項目等
(1) 中1 数と式 正の数と負の数の四則計算の意味を理解し,そ
36.3
15.6
数学的な技能 48.1 48.1
の計算ができる。
数学的な見方や 26.9 25.8 1.1 25.1 48.0
(2) 中1 数と式 文字を使った式で表すことができる。
考え方
1 (3) 中3 数と式 解の公式を用いて,二次方程式を解くことができ
0.5
26.3
73.2
数学的な技能 0.5
る。
条件を満たすマッチ棒の本数を調べようとする。 関心・意欲・態度
数学的な見方や
(ⅱ) 中1 数と式 マッチ棒の並びを考察し,文字式を活用すること
ができる。
考え方
空間において,平面と直線の位置関係を考察する 数学的な見方や
(1) 中1 図形
ことができる。
考え方
(2) 中2 図形
おうぎ形の面積を求めることができる。
数学的な技能
証明問題について論理的に考察することができ 数学的な見方や
(3) 中3 図形
る。
考え方
三平方の定理を用いて,辺の長さを求めることが 数学的な技能
(4) 中3 図形
できる。
グラフから読み取れる条件を考察することができ 数学的な見方や
(1) 中1 関数
る。
考え方
一次関数のグラフを用いて値を考察することがで 数学的な見方や
(2) 中2 関数
きる。
考え方
二次関数のグラフを用いて,値域(yの変域)を考 数学的な見方や
(3) 中2 関数
察することができる。
考え方
(4) 中2 資料の活用 起こりうる場合の数を整理し,確率を求めようとす
関心・意欲・態度
る。
(4)
2
3
(ⅰ) 中1 数と式
(5) 中1 資料の活用 相対度数の求め方を理解している。
知識・理解
古代ローマにおける記数法に関心をもち,ローマ
(1) 数学活用
数学と人間の活動 数字を算用数字によって表記することができる。 関心・意欲・態度
魔法陣の問題について,空欄の数値を考察するこ 数学的な見方や
(2) 数学活用
数学と人間の活動 とができる。
考え方
4
数学的な見方や
社会生活における数 線対称の考え方を用いて,折り紙を切り取ったとき
(3) 数学活用
の形状について考察することができる。
考え方
理的な考察
社会生活における数 条件や表からデータを読み取ることに関心をもち,
(4) 数学活用
関心・意欲・態度
順位を考察しようとする。
理的な考察
社会生活における数 社会生活に関わる割合を計算することができる。 数学的な技能
(5) 数学活用
理的な考察
社会生活における数 人数の違いを二つのグラフから読み取ることがで
(6) 数学活用
数学的な技能
きる。
理的な考察
40
59.8
59.8
17.8
17.2
26.3
26.8
13.4
36.9
45.3
26.3
53.6
20.1
11.1
11.1
29.1
59.8
20.1
20.1
43.0
36.9
36.9
36.9
32.4
30.7
25.2
25.2
40.2
34.6
27.4
27.4
22.9
49.7
5.0
5.0
29.1
65.9
44.7
44.7
30.7
24.6
10.1
10.1
25.7
64.2
63.6
63.6
16.2
20.2
52.5
52.5
18.0
29.5
42.5
42.5
35.6
21.9
24.6
24.6
40.6
34.8
35.4
35.4
49.2
15.4
38.1
38.1
30.4
31.5
0.6
②数学A問題【数学Ⅰ】
(%)
大問 小問 学習指導要領
出題のねらい
評価の観点 通過率
誤答率
の内容項目等
正答率 準正答率
(1) 中1 数と式 正の数と負の数の四則計算の意味を理解し,そ
8.2
数学的な技能 91.3 91.3
の計算ができる。
数学的な見方や 77.8 76.8 1.0 17.5
(2) 中1 数と式 文字を使った式で表すことができる。
考え方
1 (3) 中3 数と式 解の公式を用いて,二次方程式を解くことができ
14.3
数学的な技能 75.2 75.2
る。
(ⅰ) 中1 数と式 条件を満たすマッチ棒の本数を調べようとする。 関心・意欲・態度
数学的な見方や
(ⅱ) 中1 数と式 マッチ棒の並びを考察し,文字式を活用すること
ができる。
考え方
数学的な見方や
(1) 中1 図形 空間において,平面と直線の位置関係を考察す
ることができる。
考え方
(2) 中2 図形 おうぎ形の面積を求めることができる。
数学的な技能
数学的な見方や
(3) 中3 図形 証明問題について論理的に考察することができ
る。
考え方
(4) 中3 図形 三平方の定理を用いて,辺の長さを求めることが
数学的な技能
できる。
数学的な見方や
(1) 中1 関数 グラフから読み取れる条件を考察することができ
る。
考え方
数学的な見方や
(2) 中2 関数 一次関数のグラフを用いて値を考察することがで
きる。
考え方
数学的な見方や
(3) 中2 関数 二次関数のグラフを用いて,値域(yの変域)を考
察することができる。
考え方
(4) 中2 資料の活用 起こりうる場合の数を整理し,確率を求めようとす
関心・意欲・態度
る。
(4)
2
3
4
(5) 中1 資料の活用 相対度数の求め方を理解している。
知識・理解
(1) 数学Ⅰ
簡単な因数分解をすることができる。
数学的な技能
数と式
(2) 数学Ⅰ
分母を有理化する方法を理解している。
知識・理解
数と式
(3) 数学Ⅰ
一次不等式を解くことができる。
数学的な技能
数と式
(4) 数学Ⅰ
知識・理解
二次関数 二次関数の頂点について理解している。
二次関数のグラフについて考察することができ 数学的な見方や
(5) 数学Ⅰ
二次関数 る。
考え方
(6) 数学Ⅰ
知識・理解
二次関数 放物線の対称性を理解している。
41
93.1
93.1
69.7
65.4
58.8
無答率
0.5
4.7
10.5
6.1
0.8
23.6
6.7
58.8
40.1
1.1
67.2
67.2
24.9
7.9
50.5
50.5
46.9
2.6
78.7
78.7
19.6
1.7
46.9
46.9
50.4
2.7
67.4
67.4
25.9
6.7
48.6
45.2
41.9
9.5
77.6
77.6
20.9
1.5
63.7
63.4
23.8
12.5
67.8
67.8
20.4
11.8
81.5
81.5
15.6
2.9
81.7
81.7
12.5
5.8
70.5
70.5
18.1
11.4
47.0
47.0
52.8
0.2
77.9
63.8
5.7
16.4
4.3
3.4
0.3
14.1
③数学B問題【数学活用】
大問 小問 学習指導要領の
内容項目等
(1) 中1 数と式
(%)
評価の観点 通過率
出題のねらい
正の数と負の数の四則計算の意味を理解し,その 数学的な技能
計算ができる。
数学的な見方や
文字を使った式で表すことができる。
考え方
6.7
6.7
26.7
20.0
20.0
60.0
20.0
20.0
46.7
33.3
26.6
26.6
66.7
6.7
(6) 中2 数量関係 条件を満たすものを全て数え上げようとしている。 関心・意欲・態度
53.3
53.3
20.0
26.7
グラフから読み取れる条件を考察することができ 数学的な見方や
る。
考え方
33.3
33.3
40.0
26.7
古代ローマにおける記数法に関心をもち,ローマ
(1) 数学活用
数学と人間の活動 数字を算用数字によって表記することができる。 関心・意欲・態度
0.0
0.0
100.0
0.0
魔法陣の問題について,空欄の数値を考察するこ 数学的な見方や
(2) 数学活用
数学と人間の活動 とができる。
考え方
93.3
93.3
0.0
6.7
(3) 数学活用
数学と人間の活動 五角形の内角の和を求めることができる。
80.0
80.0
13.3
6.7
与えられた条件にしたがって,自然数を求めようと 関心・意欲・態度
(4) 数学活用
数学と人間の活動 する。
80.0
80.0
13.3
6.7
七曜表の性質を用いて,一年後の曜日を考察する 数学的な見方や
(5) 数学活用
数学と人間の活動 ことができる。
考え方
0.0
0.0
100.0
0.0
数学的な見方や
社会生活における数 2社の給与について比較し,考察することができ
(6) 数学活用
る。
考え方
理的な考察
0.0
0.0
100.0
0.0
数学的な見方や
社会生活における数 線対称の考え方を用いて,折り紙を切り取ったとき
(7) 数学活用
の形状について考察することができる。
考え方
理的な考察
80.0
80.0
13.3
6.7
数学的な見方や
社会生活における数 立方体の展開図において,三面の位置関係を考
(8) 数学活用
察することができる。
考え方
理的な考察
33.4
33.4
53.3
13.3
社会生活における数 社会生活に関わる割合を計算することができる。 数学的な技能
(9) 数学活用
理的な考察
60.0
60.0
33.3
6.7
社会生活における数 条件やグラフから分かることを読み取ることができ
数学的な技能
(10) 数学活用
る。
理的な考察
80.0
80.0
13.3
6.7
社会生活における数 条件や表からデータを読み取ることに関心をもち,
関心・意欲・態度
(11) 数学活用
順位を考察しようとする。
理的な考察
53.3
53.3
40.0
6.7
社会生活における数 人数の違いを二つのグラフから読み取ることがで
数学的な技能
(12) 数学活用
きる。
理的な考察
53.3
53.3
40.0
6.7
(3) 中2 図形
おうぎ形の面積を求めることができる。
数学的な技能
体積を求めることで,立体の大小関係について考 数学的な見方や考え方
1 (4) 中1 図形
察することができる。
(5) 中1 資料の活用 最頻値の意味を理解している。
知識・理解
(7) 中1 関数
数学的な技能
42
60.0
60.0
66.6
59.9
20.0
誤答率 無答率
33.3
(2) 中1 数と式
2
正答率 準正答率
6.7
④数学B問題【数学Ⅰ】
大問 小問 学習指導要領の
内容項目等
1
(%)
出題のねらい
評価の観点
通過率
(1) 中1 数と式
正の数と負の数の四則計算の意味を理解し,その
計算ができる。
数学的な技能
87.6
87.6
(2) 中1 数と式
文字を使った式で表すことができる。
数学的な見方や
考え方
78.4
75.9
(3) 中2 図形
おうぎ形の面積を求めることができる。
数学的な技能
35.5
(4) 中1 図形
体積を求めることで,立体の大小関係について考
察することができる。
数学的な見方や考え方
(5) 中1 資料の活用 最頻値の意味を理解している。
(6) 中2 数量関係
(7) 中1 関数
2
グラフから読み取れる条件を考察することができ
る。
正答率 準正答率
誤答率 無答率
12.0
0.4
17.9
3.7
35.5
55.1
9.4
54.8
54.8
43.1
2.1
知識・理解
58.5
58.5
40.9
0.6
関心・意欲・態度
76.7
76.7
20.0
3.3
数学的な見方や
考え方
51.0
51.0
47.1
1.9
知識・理解
78.0
78.0
20.2
1.8
2.5
(1)
数学Ⅰ
方程式と不等式
指数法則を理解している。
(2)
数学Ⅰ
方程式と不等式
二次式の因数分解ができる。
数学的な技能
78.6
78.6
11.7
9.7
(3)
数学Ⅰ
方程式と不等式
分母の有理化ができる。
数学的な技能
70.3
70.3
23.6
6.1
(4)
数学Ⅰ
方程式と不等式
不等式の性質を用いて,一元一次不等式を解くこ
とができる。
数学的な技能
83.1
83.1
11.3
5.6
(5)
数学Ⅰ
方程式と不等式
解の公式を用いて,二次方程式を解くことができ
る。
数学的な技能
71.9
71.9
14.8
13.3
(1)
数学Ⅰ
二次関数
二次関数において,xの値に対応するyの値を求め
関心・意欲・態度
ようとする。
87.1
87.1
6.1
6.8
(2)
数学Ⅰ
二次関数
二次関数の式とグラフの関係について理解してい
る。
知識・理解
63.9
63.9
34.5
1.6
(3)
数学Ⅰ
二次関数
二次関数のグラフについて考察することができる。
数学的な見方や
考え方
47.5
47.5
50.7
1.8
(4)
数学Ⅰ
二次関数
二次関数のグラフとx軸の位置関係から,二次不
等式の解について考察することができる。
数学的な見方や
考え方
64.1
64.1
33.5
2.4
(1)
数学Ⅰ
図形と計量
三角比の定義について理解している。
知識・理解
61.8
61.8
31.6
6.6
(2)
数学Ⅰ
図形と計量
三角比を活用して,直角三角形の辺の長さを求め
ることができる。
数学的な技能
43.5
43.5
36.0
20.5
(3)
数学Ⅰ
図形と計量
三角比の相互関係を用いて,三角比の値を求め
ることができる。
数学的な技能
55.1
50.9
19.4
25.5
(4)
数学Ⅰ
図形と計量
三角形の面積の公式を理解している。
知識・理解
57.2
57.2
39.2
3.6
3
4
43
4.2
(3)具体的な設問の分析
継続課題
昨年度の課題1
○二次関数の値域を求めることに課題。
【今年度の出題のねらい】
○二次関数のグラフを用いて,値域( y の変域)を考察することができる。
A問題数学Ⅰ3(3)
A問題数学Ⅰ3(3)
下の図は,関数 y = x 2 のグラフです。このグラフで
y
-1≦ x ≦3 に対応する部分を解答用紙の図に実線で
示し,定義域( x の変域)が -1≦ x ≦3 のときの
値域( y の変域)を求めなさい。
x
解答状況及び誤答分析
転記 正答○準正答△
番号 誤答×無解答-
1
○
2
△
3
×
4
×
9
×
0
-
反応率
(%)
解答類型
グラフの該当部分を正しく示し,0≦ y ≦9と解答しているもの
グラフの該当部分は正しく示していないが,0≦ y ≦9と解答しているもの
グラフの該当部分を正しく示しているが,1≦ y ≦9と解答しているもの
グラフの該当部分を正しく示していない上に,1≦ y ≦9と解答しているもの
上記以外の解答
無答
45.3
3.4
24.1
7.1
10.7
9.5
・値域の意味を正確に理解していないため,一次関数と同様に定義域における両端の x の値を関数の
式に代入し,誤答として,1≦ y ≦9と答えた生徒(転記番号3,4)が31.2%いる。
【関連する過去の問題】
y
平成 25 年度A問題数学Ⅰ3(3)
下の図は,関数 y = x 2 のグラフです。このグラフで
-3≦ x ≦1 に対応する部分を解答用紙の図に実線で
示し,定義域( x の変域)が -3≦ x ≦1 のときの
値域( y の変域)を求めなさい。
(通過率 46.1%)
44
x
○:改善,定着 ●:課題
● 二次関数の値域を求めることについて,平成25年度共通学力テストA問題とほぼ同一の問題を出
題したところ,通過率は48.7%であり,引き続き課題である。解答類型の割合を見ると,グラフを
正しく示すことができる生徒(転記番号1,3)の割合は毎年向上(H24 66.1%,H25 67.4%,H26 69.4%)
し,7割近くに達している。一方で,値域を正しく答えることができなかった生徒は51.3%と多く,
値域( y の変域)の意味を正しく理解し,グラフを用いて値域を読み取ることに課題がある。
【改善状況と課題】
【学校における教科の指導と設問の通過率との関連】
指導 数学科では,二次関数の値域を求める指導において,定義域によって,値域が定まることをグラ
フを用いて視覚的にとらえさせるなどの指導を行っている。
よく・やや
あまり・まったく
あてはまる
あてはまらない
通過率(%) A問題 3(3) 49.2
6.0
指導改善のポイント
○ 値域と最大値,最小値との関わりやグラフの変化の様子について,視覚的に実感さ
せることのできるような指導が必要。
⇒p56,58
例 題
1 下の(ア)~(ウ)の2次関数のグラフの実線部分について,(1)~(4)の条件に該当す
るグラフをすべて選び,記号で答えよ。
(ア)
(イ)
(ウ)
y
y
y
4
4
4
1
1
O 1 2 x
2 x
O
-1
O
(1)
y の最小値が1である
(2)
(3)
値域が 1≦ y ≦4 である
(4) 値域が 0≦ y ≦4 である
45
y の最小値が0である
2 x
定着
昨年度の課題2
昨年度の課題2
○放物線の対称性に関して理解することは定着。
【今年度の出題のねらい】
○放物線の対称性を理解している。
A問題数学Ⅰ4(6)
A問題数学Ⅰ4(6)
次の図のように,直線 x = 2 を軸とする二次関数のグラフと x 軸に内接する長方形OABC
があります。点Cの座標は ( 0 , 5 ) です。この長方形OABCの面積を求めなさい。また,ど
のようにして求めたか,その考え方も書きなさい。
y
B
C
O
2
解答状況及び誤答分析
A
x
反応率
解答類型
(%)
グラフの対称性によりOAの長さを求め,20と解答しているも 63.8
○
の
求め方を書いていない,あるいは説明不足であるが,20と解 14.1
2
△
答しているもの
グラフの対称性を用いて考えているが,20 と解答していない 1.2
3
×
もの
9
×
上記以外の解答
4.5
0
-
無答
16.4
・解答類型の割合をみると,求め方を書いていない準正答が 14.1%いる。この生徒は,面積 20
と解答するにはOA=4であることを用いており,対称性について認識していると考えられる。
転記
番号
1
正答○準正答△
誤答×無解答-
46
【関連する過去の問題】
平成25年度A問題数学Ⅰ4(6)
次の図のように,直線 x = 1を軸とする二次関数のグラフと x 軸に内接する長方形OABCが
あります。点Cの座標は(0,3)です。この長方形OABCの面積を求めなさい。また,どの
ようにして求めたか,その考え方も書きなさい。
y
3
O
C
B
1
A
x
〔正答 6 (通過率 76.9%)〕
○:改善,定着 ●:課題
○ 平成 25 年度から,長方形の面積を求める過程で放物線の対称性を活用する力を見る問題
を出題している。通過率は平成 25 年度と比べて1ポイント増加し,無答率も 2.3 ポイント
減少している。また,求め方を書いていない準正答(14.1%)は,面積 20 と解答するには
OA=4を用いており,対称性について認識していると考える。このことから,放物線の対
称性を活用する力については定着したと考えられる。
【改善状況と課題】
47
継続課題
昨年度の課題3
○二次関数の式とグラフの関係を考察することに課題。
【今年度の出題のねらい】
○二次関数のグラフについて,考察することができる。
A問題数学Ⅰ 4(5),B問題数学Ⅰ 3(3)
B問題数学Ⅰ 3(3)
右の図は,二次関数 y = ax + bx + c のグラフです。このグラフから読みとれることについ
て,次の ①~④ の文章のうち,1つだけ間違っているものがあります。そ y
の番号を書きなさい。
2
① グラフが下に凸であるから, a > 0 である。
② グラフと y 軸との共有点の y 座標が正であるから, c > 0 である。
③ グラフより, x = 1 のときの y の値が負であるから,
a + b + c < 0 である。
④ グラフが x 軸と異なる2点で交わるので,b − 4ac < 0 である。
〔平成25年度A問題数学Ⅰ 4(5)と同一〕
1
O
x
2
解答状況及び誤答分析
A問題数学Ⅰ 4(5)
転記 正答○準正答△
反応率
解答類型
番号 誤答×無回答-
(%)
1
×
8.5
①と解答しているもの
2
×
13.2
②と解答しているもの
3
×
27.8
③と解答しているもの
4
○
47.0
④と解答しているもの
9
×
0.2
上記以外の解答
0
―
3.3
無答
・①,②,③と解答した割合がそれぞれ8.5%,13.2%,27.8%いることから,5割程度の生徒が二次関
数の式における係数の持つ意味を十分に理解できておらず,グラフについて考察することできてい
ないと考えられる。
【改善状況と課題】○:改善,定着 ●:課題
● 二次関数の式とグラフの関係について平成 25 年度共通学力テストA問題と同一の問題を出題し
たところ,通過率が1ポイント下がっており,引き続き課題である。二次関数の式とグラフの関係
についての理解が不十分であるといえる。次年度以降,改善を図るためには,グラフから読み取れ
ることや,二次関数の式における係数の持つ意味について類推させたりまとめさせたりして考察を
させる学習活動を取り入れることが必要である。
48
解答状況及び誤答分析 B問題数学Ⅰ 3(3)
転記 正答○準正答△
解答類型
番号 誤答×無回答-
1
×
①と解答しているもの
2
×
②と解答しているもの
3
×
③と解答しているもの
4
○
④と解答しているもの
9
×
上記以外の解答
0
―
無答
反応率
(%)
9.9
17.5
23.2
47.5
0.1
1.8
○:改善,定着 ●:課題
● 経年変化をみるため,昨年度と同一集団に対して同一問題を出題したところ,通過率は平成 25
年度が48.0%,平成26年度は47.5%とほぼ同様となったことから,改善が図れておらず,二次関数
の式の係数とグラフの関係についての理解が不十分である。また,②,③を選択した生徒が約 40%
いることから「 x = 1 のときの y の値」が「 a + b + c 」であることや,y の値の正負など,y の
値とグラフとの関係を理解できていないと考えられる。
【改善状況と課題】
【学校における教科の指導と設問の通過率との関連】
指導 数学科では,二次関数のグラフから読み取れることや,関数の式における係数の意味を考えさせ
るなど,式とグラフの関係を考察させる指導を行っている。
よく・やや
あまり・まったく
あてはまらない
あてはまる
通過率(%) A問題4(5)
48.2
32.9
通過率(%) B問題3(3)
48.1
40.0
指導改善のポイント
○ グラフから読み取れることや,関数の式における係数の意味について,類推させたり
まとめさせたりして考察をさせる学習活動を取り入れることが必要。
⇒p56
例 題 (グループ学習)
二次関数 y = ax 2 + bx + c について,次の条件に合う a ,b ,c の値を具体的に1組決
め,そのグラフを書きなさい。また,グループ内でグラフを比較し,共通点をまとめな
さい。
① a>0
③ b 2 − 4ac > 0
② c>0
④ x = 1 のときの y の値( a + b + c )が
負である
49
【今年度の出題のねらい】
○二次関数のグラフと x 軸との位置関係から,二次不等式の解について考察することがで
きる。
B問題数学Ⅰ3(4)
B問題数学Ⅰ3(4)
次の文章は,Aさんが,二次不等式 x − 3x + 2 > 0 を解いたときの解き方について説明し
たものです。文章中の ア にあてはまる式は,下の ①~④ のうちどれですか。その番号を
書きなさい。
x − 3 x + 2 = 0 を解くと, x = 1 , 2
y = x − 3 x + 2 のグラフで, y > 0 となる x の値の範囲を
求めると, ア となります。
① x <1
② 1< x < 2
③ x < 1 ,2 < x
④ 2< x
2
2
2
1
解答状況及誤答分析
転記
番号
1
2
3
4
9
0
正答○準正答△
誤答×無解答-
×
×
○
×
×
-
2
x
反応率
(%)
3.4
26.0
64.1
3.3
0.9
2.4
解答類型
① と解答しているもの
② と解答しているもの
③ と解答しているもの
④ と解答しているもの
上記以外の解答
無答
【関連する過去の問題】
・平成25年度 B 問題数学Ⅰ3(4)ほぼ同一 (通過率 62.2%)
次の文章は,Aさんが,二次不等式 x − 3x + 2 < 0 を解いたときの解き方について説明したも
のです。文章中の ア にあてはまる式は,下の ①~④ のうちどれですか。その番号を書きなさい。
x − 3 x + 2 = 0 を解くと, x = 1 , 2
y = x − 3 x + 2 のグラフで, y < 0 となる x の値の範囲を
求めると, ア となります。
④1 < x < 2
① x ≦1 , 2 ≦ x ② x < 1 , 2 < x ③1 ≦ x ≦ 2
【改善状況と課題】○:改善,定着 ●:課題
● ここ数年課題があり,改善が求められている問題である。二次関数のグラフと x 軸の位置関係か
ら二次不等式の解について考察できるかどうかを問う問題を設定した。②または③と解答した約
90%の生徒の中で,誤答の②を選択した生徒は約30%である。この生徒は式変形のみで不等式を解
答していると考えられ,グラフにおける不等式の表す意味を十分に理解できていないことが考えら
れる。二次不等式のグラフを用いて不等式の解を考察することの有用性を認識させる必要がある。
2
2
2
1
50
2
x
【学校における教科の指導と設問の通過率との関連】
指導 数学科では,二次不等式の解を求める指導において,不等式とグラフを関連付けて考えさせるな
ど,解の意味を理解させる指導を行っている。
よく・やや
あまり・まったく
あてはまる
あてはまらない
通過率(%) B問題3(4)
63.0
1.1
指導改善のポイント
○ 二次不等式が表す意味をグラフと関連付けて理解させる学習活動を取り入れること
が必要。
⇒p57
例 題 1
右の図は,二次関数 y = x 2 − 8 x + 12 のグラフです。次の問いに答えなさい。
①不等式 x 2 − 8 x + 12 < 0 の意味をことばで説明しなさい。
y
5
② 不等式 x 2 − 8 x + 12 < 0 の解は 2 < x < 6 である。
2 x 6 はなぜ誤りなのか説明しなさい。
≦≦
O
5
x
-5
<<
例 題2
①解が1 x 3 となる二次不等式( x 2 の係数は1であるもの)を作りなさい。また,なぜ
そうなるのかグラフを用いて説明しなさい。
<<
②解が1 x 3 となる二次不等式を作りなさい。また,なぜそうなるのかグラフを用いて
説明しなさい。
51
継続課題
昨年度の課題4
昨年度の課題4
○三角比の定義の理解と公式の定着に課題があり,無答率も高い。
【今年度の出題のねらい】
○三角比を活用して,直角三角形の辺の長さを求めることができる。
B問題数学Ⅰ4(2)
右の図のような AB= 5 ,∠ABC=90°の
直角三角形ABCがあります。
1
tan A = のとき,辺BCの長さを求めなさい。
3
B問題数学Ⅰ4(2)
C
A
A
B
U5
解答状況及び誤答分析
転記
番号
1
正答○準正答△
誤答×無解答-
2
○
反応率
(%)
解答類型
5
3
と解答しているもの
43.5
×
3 5
と解答しているもの
2.6
9
×
上記以外の解答
33.3
0
-
無答
20.5
【関連する過去の問題】
・平成25年度 B 問題数学Ⅰ4(2)ほぼ同一
C
(通過率 58.9%)
右の図のような AB=4,∠ABC=90°の直角三角形ABCが
あります。 tan A = 23 のとき,辺BCの長さを求めなさい。
A
4
B
○:改善,定着 ●:課題
● 三角比を活用して辺の長さを求めることについて,平成25年度に引き続き同様の問題を出題し
たところ,通過率が58.9%から15.4ポイント減少し,43.5%になった。また,無答であった生徒
の割合が平成 25 年度 16.2%から 20.5%と増加していることから,三角比の定義の理解と活用に課
題がある。また,さらに上記以外の解答の中には,図から A = 30 と判断し,1:2: 3 を用
いた誤答がみられ,与えられた条件を正確に用いることにも課題がある。
【改善状況と課題】
o
52
【今年度の出題のねらい】
○三角形の面積の公式を理解している。
A
B問題数学Ⅰ4(4)
次の図のような三角形ABCがあります。
三角形ABCの面積を表す式は下の ①~④ の
うちどれですか。その番号を書きなさい。
①
②
1
⋅4⋅5
2
1
⋅ 4 ⋅ 5 ⋅ sin 30 o
2
③
B問題数学Ⅰ4(4)
4
B
C
30,
5
④
1
⋅ 4 ⋅ 5 ⋅ cos 30 o
2
1
⋅ 4 ⋅ 5 ⋅ tan 30 o
2
解答状況及び誤答分析
転記
番号
1
2
3
4
9
0
正答○準正答△
誤答×無解答-
反応率
(%)
解答類型
×
○
×
×
×
-
① と解答しているもの
② と解答しているもの
③ と解答しているもの
④ と解答しているもの
上記以外の解答
無答
2.3
57.3
28.2
8.4
0.2
3.6
【関連する過去の問題】
・平成25年度 B 問題数学Ⅰ4(4)ほぼ同一 (通過率 59.5%)
次の図のような三角形ABCがあります。
三角形ABCの面積を表す式は下の ①~④ の
うちどれですか。その番号を書きなさい。
A
①
1
⋅4⋅5
2
②
1
⋅ 4 ⋅ 5 ⋅ sin 30 o
2
③
1
⋅ 4 ⋅ 5 ⋅ cos 30 o
2
C
4
30,
B
5
④
1
⋅ 4 ⋅ 5 ⋅ tan 30 o
2
○:改善,定着 ●:課題
● 三角比を活用した三角形の面積を求める公式の理解について,平成25年度に引き続き同様の問題
を出題したところ,通過率が59.5%から2.2ポイント減少し,57.3%となった。 12 ⋅ 4 ⋅ 5 ⋅ cos 30
と誤って解答した生徒の割合が平成 25 年度と同様に約 30%であり,三角比を活用した三角形の面
積を求める公式が定着していないことが明らかとなった。
【改善状況と課題】
o
53
指導 数学科では,「図形と計量」の指導において、公式や定理を生徒に見出させたり,三角比を用い
た公式や定理のよさを生徒に実感させたりする指導を行っている。
よく・やや
あまり・まったく
あてはまる
あてはまらない
通過率(%) B問題4(4)
61.0
38.4
【学校における教科の指導と設問の通過率との関連】
指導改善のポイント
○ 既習事項と関連付けながら考察させ,三角比の公式や定理を生徒自身に見出させた
り,三角比を用いた公式や定理のよさを実感させたりすること。
⇒p57,58
例 題 1
△ABCについて,次の問いに答えなさい。
(1)三角形の面積は (底辺)×(高さ)÷2 を計算して求めることができるが,2で割
る理由を説明しなさい。
(2)三角形の面積が
1
bc sin A を計算して求めることが
2
B
4
できる理由を説明しなさい。
(3)
(2)の式を用いて,右の△ABCの面積を
求めなさい。
A
30,
C
5
B
例 題 2
右の△ABCの面積が9のとき,
辺ABの長さ c を求めなさい。
c
A
30,
6
C
B
例 題 3
右の△ABCの図を見て,問題を作成しなさい。
4
(作成例)
○△ABCの面積を求めなさい。
○点Bから辺ACに下ろした垂線の長さを求めなさい。 A
○辺BCの長さを求めなさい。
○ tan C の値を求めなさい。
54
60,
C
5
ア 「日常生活や社会生活などにおける事象を題材に用いるなどして生徒の関心・意欲を引き出す
指導」の具体的な事例
教科書の問題を生徒の関心・意欲
教科書の問題を生徒の関心・意欲を引
・意欲を引き出す
を引き出すような内容に変えて,
き出すような内容に変えて,
生徒の関心・意欲を高める指導
生徒の関心・意欲を高める指導
(県立向原高等学校)
基礎・基本の定着及び学習に対する関心・意欲に改善が見られた。
数学Ⅰ A問題において,「関心・意欲・態度」の通過率が,県全体の変化に比べ 2.6 ポイント高い。
数学Ⅰ A問題において,「数と式」の通過率が,県全体の変化に比べ 17.2 ポイント高い。
指導例① 数学Ⅰ【不等式】
(1) 顔文字(>_<)
,(≧∀≦),(+≡+)に使われている数学の記号とその名前を答えよ。
(2) A ≧ 4 ,B > 4 ,C ≦ 4 ,D < 4 を言葉で表せ。
(3) 次の (
) に不等号 > ,< ,≧ ,≦ のうち最も適するものを入れよ。
(ア) 東京スカイツリーの高さ(
)東京タワー
(イ) 日本の未成年(
)20 歳
(ウ) 弟の年齢(
)兄の年齢
生徒がメールで使用する顔文字,
登下校で利用する芸備線,
指導例② 数学Ⅰ【絶対値】
関心の高い広島東洋カープ
芸備線(広島-三次間)について考えよう。
を題材にする。
(1) 向原駅から3駅目の駅を答えよ。
(2) 向原駅から3駅以内の駅を答えよ。
(3) 向原駅から3駅より遠い駅を答えよ。
指導例③ 数学 A【順列】
広島東洋カープの打順を考えよう。
右打者(菊池,エルドレット,梵) 左打者(丸,キラ,松山,木村)
(1) 2番を菊池,4番をエルドレットとすると何通りあるか。
(2) 1番を梵か菊池,4番を丸かキラか松山とすると何通りあるか。
(3) 菊池と丸を続けて打たせるとすると何通りあるか。
(4) 右打者を続けて打たせるとすると何通りあるか。
指導改善のポイント
○身近な題材を工夫して取り入れ,身の回りの事象で数学が関連し
ていることを実感させ,生徒の関心・意欲を高める。
55
イ 「グラフから読み取れることや,二次関数の式における係数の意味について,類推させたりま
とめさせたりして考察をさせる指導」の具体的な事例
・生徒の力を的確に把握し身に付けさせ
生徒の力を的確に把握し身に付けさせる力を明確に
させる力を明確にして基礎・基
る力を明確にして基礎・基
本の定着を図る指導
本の定着を図る指導
・二次関数では説明を工夫して変化の様子の理解を促す指導
二次関数では説明を工夫して変化の様子の理解を促す指導
(県立福山商業高等学校)
基本事項に関する理解の状況や,二次関数においてグラフを考察す
ることにおいて改善がみられた。
A問題において,「二次関数」の通過率が,県全体の変化に比べ 7.8 ポイント高い。
A問題において,「知識・理解」の通過率が,県全体の変化に比べ 4.4 ポイント高い。
授業を始める態勢作りと,基礎基本の定着を図る指導
1 学年数学の授業にて,毎回授業開始時に,
「穴埋め九九」,
「二つの数を探そう」など計算の小テストを行う。
★実施のポイント
高校の内容への橋渡しとして,生徒の実態に
応じた義務教育段階の内容を出題。
時間を計り,生徒に「〇〇秒でできた」
という達成感をもたせる。
授業で使用するプリントを統一し,各単元における到達度を明確にした指導
★実施のポイント
学年で統一した授業プリントを授業で使用する。生徒全員が習得する事項(ボトムライン)
を決め,生徒の習得状況を分析する(評価)。分析をもとに,授業内で計算演習を実施する(評
価を指導に生かす)。
平方完成では,式変形
のステップを細かく
分けて練習させ,変形
の流れを習得させる。
グラフの特徴をとらえさせ,式とグラフを関連付ける指導
★実施のポイント
「 y = x において x = 2 のとき y = 4 」
「 y = x のグラフは原点から1右に進んだら1上がる。
2右に進んだら4上がる。 y = 2 x は上がり方はどうなるか。」
のように複数の表現で関数の変化の様子を実感させたり,係数を
変えてグラフを考察させるなどして,関数について理解を深める。
y
2
2
2
O
x
指導改善のポイント
○生徒の力を的確に把握し,身に付ける力を明確にする。
○生徒の理解しやすいことばや図を用いるなど,表現を工夫する。
56
ウ 「方程式や不等式とグラフを関連付けて考える習慣を身に付けさせることで,二次不等式の解
の意味を理解させる指導」の具体的な事例
思考のプロセスをスモールステップに分けことで思考の補助を行
思考のプロセスをスモールステップに分けことで思考の補助を行
い,既習事項と関連付けさせながらステップアップさせる
い,既習事項と関連付けさせながらステップアップさせる指導
させる指導
(県立賀茂北高等学校)
二次関数を考察したり,方程式や不等式の解を求めたりする力に改
善が見られた。
B問題において,「二次関数」の通過率が,県全体の変化に比べ 11 ポイント高い。
B問題において,「方程式と不等式」の通過率が,県全体の変化に比べ 16.7 ポイント高い。
○指導内容・●学習活動
1 不等式かるたをする。
○不等式かるたを読み上げる。
●ペアで不等式かるたカードをとる。
◇指導上の留意事項
不等式の読み取り
不等式の読み取りを苦手としている生徒
式の読み取りを苦手としている生徒
に対して,かるた遊びを通じて不等式
対して,かるた遊びを通じて不等式の
,かるた遊びを通じて不等式の
読解の習熟を図り
読解の習熟を図ります。
図ります。
グラフでは二次方程式の解が何を意味
しているのか,不等号が何を意味してい
るのかを考察させ,説明させます。
2 問題1
問題1を提示する。
提示する。
問題1 次の二次不等式を解け。
(1) ( x −□)( x +■) > 0 (2) x − 5x + 6 < 0
※□や■は生徒が決定
3 問題1について,生徒に解法を説明させる。
問題1について,生徒に解法を説明させる。
2
◇解き方の手順は,次の4点とし,手順シ
ートを黒板に貼る。
「ⅰ.二次方程式( =0))を解く」
4 解法を手順に従って解説する。
解法を手順に従って解説する。
「ⅱ.二次関数(y= )のグラフをかく」
>0, <0の判断」
5 問題2を提示
し,問題1との違いを考えさせる。
との違いを考えさせる。 「ⅲ.
問題2を提示し,問題1
を提示し,問題1
「ⅳ.不等式の解(xの範囲)を求める」
問題2 次の二次不等式を解け。
x 2 − 2x − 2 < 0
二次不等式の解法について,手順シートを用い
て,視覚的に思考のプロセスを支援します。
6 本時のめあてを提示する。
(整数の範囲で)因数分解できない場合でも2次不等式を解くことができる。
○問題2の解き方を予想させる。
◇二次方程式と同様に因数分解できない時
にどのように考えたかを思い出させる。
これまで学習した問題との違いを考え,解き方を予想する
,解き方を予想することで,新出
これまで学習した問題との違いを考え
,解き方を予想することで,新出問題に対して
ことで,新出問題に対して
既習事項と
既習事項と結び付けて,自ら解法を導こうとする態度を
結び付けて,自ら解法を導こうとする態度を育てます。
とする態度を育てます。
指導改善のポイント
○ スモールステップで授業を展開するために,二次不等式の分野の
学習段階を細かく分け,最初に基本の解法パターンを習得させ,そ
れを用いて新出問題を考察するような指導を行う。
57
エ 「教具やICTを活用して視覚的に実感させる指導」の具体的な事例
「基礎・基本となる知識を定着させた上で,生徒同士の教え合いや議論をする場を設け,既存
の知識をつなぎ合わせて,深い理解を促す指導」の具体的な事例
・生徒同士の教え合いを通して知識を定着させる
生徒同士の教え合いを通して知識を定着させる指導
知識を定着させる指導
・ICTを活用し,生徒の思考する時間を確保する指導
(県立御調高等学校)
図形やグラフに関する理解に改善が見られた。
A問題において,「図形」の通過率が,県全体の変化に比べ 3.4 ポイント高い。
A問題において,「数学的な見方・考え方」の通過率が,県全体の変化に比べ 5.3 ポイント高い。
◎生徒の思考する時間を確保するため,本時の目標・問題・解答・キーワード・まとめ等を確認する
ときにICTを活用する。また,生徒が全体で発表するときもICTを活用させる。(ICT機器は,
プロジェクターにタブレット型PCもしくは実物投影機を接続してホワイトボードに投影し,電子黒
板機能も用いて行う。)
1 問題を解かせる。問:次の方法を用いて x の値を求めよ。
(2) 正弦定理
(3) 余弦定理
(1) 三平方の定理
30,
x
4
1
x
3
4
5
x
45,
5
3
2
3
120,
ペアで互いの答えを説明する。
自分の考えを相手に表現する力を身に付けさせると同時に,互い
解答を提示し,解説する。
の理解を深めさせます。また,これまでに習った知識・解法の確
3~4人のグループを作る。
認をさせます。(ideas)
問題を解かせる。問: x の値を求めよ。
(1)
(2)
x
2U 2
45,
6
(3)
x
8
60,
6
x
45,
個人で考えた後,グループで答え合わせをさせる。
7 「三角形の辺と角がどのようなときに,どの定理を使うのか。
」発問し,各グループで考えさせる。
個人で考えた後,意見交換しグループで考えをまとめさせる。
8 各グループに,
「三角形の辺と角がどのようなときに,どの定理を使うのか。」その場で発表させ
る。
3U 3
6
生徒の意見から 「三平方の定理と余弦定理の関係性」「x を含む2辺2角がある場合→正弦定理」「x を含む3辺1
角がある場合→余弦定理」 など,それぞれの定理の知識をつなげさせます。(connections)
9
10
応用問題を解かせる。問:次の x の値を求めよ。
問題が解けた生徒に,白紙の用紙に解法を書かせ,
グループ内で解法を説明させる。
グループ内で問題が解けなかった生徒に,全体の前で発表させる。
5
7
60,
x
11
で確認した3つの基本定理の
知識を 8 のようにつなげるこ
とで,応用問題に挑戦させま
す。
1
指導改善のポイント
○グループ活動での教え合いの結果は一人一人に還元する。
58
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