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BOM-TR W取説BNC.cwk (WP)

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BOM-TR W取説BNC.cwk (WP)
オキシメータ(レーザー組織血液酸素モニター)
BA4D9013-3
オメガモニターTR BOM-L1TR W
ωOMEGAMONITOR
BOM-L1 TR W
取扱説明書
目 次
ページ
使用前のご注意
2
1. 概要と使用目的
3
2. 各部の名称と機能
4
3. レコーダーへの接続および操作方法
12
4. 測定原理
15
ブロック回路図
5. 使用上と取り扱いの注意事項
19
6. 仕様
22
7. 保証
23
1
使用前のご注意
1. レーザー光を、光学部品を通して見ないでください。
2. グランド端子がある電源コンセント(3P)から電源を取ってください。
3. プローブとディテクタを接続後に電源スイッチをONにしてください。電源が入った状態で
ディテクタを接続すると故障する場合があります。
4. 長期間(数年)ご使用されなかった場合には、電解コンデンサ等の部品の劣化による不具合が
生じる場合があります。長期間 の不使用後に使用される場合には、当社にご連絡ください。
2
1. 概要と使用目的
レーザー組織血液酸素モニター「オメガモニター、BOM-L1 TRW」は、脳や筋肉などのいろ
いろな部位の組織酸素化血液量、組織脱酸素化血液量、組織全血液量を非侵襲で連続的に測定
する装置です。手術中の脳循環のモニターや、運動中の筋肉の代謝測定などに適しています。
特徴としては、2点で受光して各々の血液量パラメータを演算後に差分を求めているため、表
面から深い部分からだけの信号を得ることができます。
BOM-L1 TRW の光源には3種類の半導体レーザーを用いているので発光波長の幅が非常に狭
く、互いの発光波長に重ならないためにS/N比の高い測定が可能です。また、半導体レーザーの
安定発光システムによりレーザー光出力が安定しているために演算処理速度を速くすることが
できるので、早い血液量変化を観測することも可能です。
測定深度は、組織によりますが、光ファイバープローブとディテクター間距離とほぼ同程度
になります。
BOM-L1 TRW と同時にレーザー組織血流計(FLO-N1)を用いて微小循環血流を測定すること
で、組織の血流動態をより詳細に把握することが可能です。
3
2. 各部の名称と機能
1)各部の名称
①表示部
本体前面部
②ディテクター表示
③モードスイッチ
④セットスイッチ
⑤距離設定スイッチ
⑥レーザースイッチ
⑦ディテクターレベ
ル表示
⑧プローブ受光レベ
ル表示
⑨光コネクター
赤 : 出射側
黒 : モニター側
⑩ディテクタ
コネクタ
⑪ハンドル
⑫ゲイン切替スイッチ
プローブ用
本体背面部
⑬ゲイン切替スイッチ
ディテクター用
⑭ディスプレイセレ
クトスイッチ
⑮平均値切替スイッチ
⑯レコーダー用出力
⑰電源スイッチ
⑱アース端子
⑲電源プラグ
4
プローブ
20 プローブプラグ
ディテクター
21
ディテクタープラグ
5
2) 各部の機能
①表示部
組織血液酸素飽和度と組織全血液量を表示します。
組織血液酸素飽和度(StO2)は100分率(%)で、組織全血液量はTOTAL Hbは0 100.0(変動
量は-100.0 +100.0)を表示します。組織酸素化血液量(OXY Hb)と組織脱酸素化血液量
(deOXY Hb)は表示されませんが、背面出力には常時3種類の組織血液量パラメータが出力さ
れております。
出力状態(モード)には、測定状態の"MEA"モード、背面出力と表示を0にする"0"モード、
背面出力と表示に較正値を出力する"CAL"モードの3種類があります。"CAL"モードでは、
StO2は10.0、TOTAL Hbは20.0を表示し、背面出力にはStO2、OXY HbとdeOXY Hbが各
1V、TOTAL Hbは2Vが出力されます。
TOTAL Hb = OXY Hb + deOXY Hb です。
表示されている値は"ディテクター表示"で示されているディテクタで検出された値です。
表示されるディテクタは背面の"ディスプレイセレクトスイッチ"により選択できます。
ここに表示される値は1種類ですが、レコーダー出力には常に3種類、ディテクタ1(DET1)、
ディテクタ2(DET2)とディテクタ2-1(DET2-1)の値が出力されます。
DET2-1 の値は次式の計算から求めています。
DET2-1 = {(DET2 X L2) - (DET1 X L1)} / (L2-L1)
L2, L1 : ⑤距離設定スイッチで設定した、それぞれのディテクタの照射点からの距離
②ディテクターの表示
表示している値がどのディテクターで測定されている値であるかを表示します。
切替はリヤーパネルの
ディスプレイセレクトスイッチ
で行います。
③モードスイッチ
表示と背面出力の出力状態(モード)を、"MEA"、"0"、"CAL"の中から1つ選択するための
スイッです。
6
④セットスイッチ
セットスイッチをONにするとその時点の組織血液パラメータの値を"0"としてセットし、
変化量のみを表示、出力します。ただし、StO2は"0"にセットされません。ONでは赤ランプ
が点灯します。
モードスイッチが"MEA"、レーザースイッチがON、ディテクターレベルが緑色、プローブ受
光レベルが緑色であることを確認してからセットスイッチをONにしてください。
⑤距離設定スイッチ
生体組織上に配置したプローブとディテクター1の距離(L1)をDET1に、プローブとディテ
クター2の間の距離(L2)をDET2に入力します。ここで設定された値が組織血液量パラメータ
演算に用いられます。単位はmmです。DET2の値がDET1より大きくないと、レーザーが点
灯しないようになっています。
⑥レーザースイッチ
レーザー光出力のON-OFFを行うスイッチです。測定するときにはONにしてください。赤
ランプが点灯します。
⑦ディテクターレベル表示
ディテクターの受光レベルを表示します。緑色ランプが点灯しているときは測定が可能で
す。L(LOW)かH(HIGH)の赤色のランプが点灯しているときには背面のディテクター用ゲイン
切り替えスイッチを廻して緑色が点灯するように設定してください。
Lは受光量不足を、Hは受光量過多を表わします。ディテクター用ゲイン切り替えスイッチの
番号が大きくなるほど増幅率が高くなりますので、Lのときには大きな番号のほうへ、Hのと
きには番号の小さなほうへ廻してください。
2つのディテクタの受光レベルが、「⑭ディスプレイセレクトスイッチ」で選択したディテ
クタに関係なく、常に表示されます。
⑧プローブ受光レベル表示
プローブでの受光レベルを表示します。緑色ランプが点灯しているときは測定が可能で
7
す。L(LOW)かH(HIGH)の赤色のランプが点灯しているときには背面のプローブ用ゲイン切り
替えスイッチを切り替えて緑色が点灯するように設定してください。
Lは受光量不足を、Hは受光量過多を表わします。プローブ用ゲイン切り替えスイッチの番号
が大きくなるほど増幅率が高くなりますので、Lのときには大きな番号のほうへ、Hのときに
は番号の小さなほうへ切り替えてください。
⑨光コネクター
専用の光ファイバープローブを接続するためのコネクターです。
赤印にはプローブの赤色側のプラグを、黒印にはプローブの黒色側のプラグを接続してくだ
さい。プローブのプラグにはキーがあり、本体の光コネクターにはキー溝があります。キー
とキー溝を合わせてプラグを挿入し、しっかりとネジを廻して固定してください。
上から見た図
本体 キー溝
キー
8
プローブコネクタ
⑩ディテクターコネクター
専用のディテクターのコネクタを接続するためのコネクターです。
⑪ハンドル
本体を運ぶとときと、置いた状態の角度を変えるときに用います。90
ステップで固定さ
れます。
⑫ゲイン切替スイッチプローブ用
プローブでの受光量が不足していたり、過多であったりしたときに用いるスイッチです。
通常は真ん中の"2"に設定しておけばほとんどの場合問題なく測定可能です。プローブの汚
れがあったり、光の吸収が大きい組織を測定したときには、受光量が不足してプローブ受光
レベル表示が"L"となり赤色ランプが点灯する場合があります。このときにはスイッチを"3"
にするとプローブ受光レベルが緑色ランプになり、測定可能となります。また、散乱、反射
が強い組織を測定したときには受光量が多すぎてプローブ受光レベル表示が"H"となり赤色ラ
ンプが点灯する場合があります。このときにはスイッチを"1"にするとプローブ受光レベルが
緑色ランプになり、測定可能となります。
表面測定用の特殊プローブ-ディテクタユニットを使用するときにはこのスイッチを"1"に
してください。
⑬ゲイン切替スイッチディテクター用
検出用光ファイバーの受光信号のゲイン切り替えを行います。受光量が少なくてディテク
ター受光レベルが"L"となり赤色ランプが点灯しているときには、番号の大きいほうへ廻して
ディテクター受光レベルの緑色ランプが点灯する位置に設定してください。また、受光量が
多くてディテクター受光レベルが"H"となり赤色ランプが点灯しているときには、番号の小さ
いほうへ廻してディテクター受光レベルの緑色ランプが点灯する位置に設定してください。
本装置は2点で受光していますので、2点の受光感度を別々に設定できます。DETECTOR 1 は
レーザー照射点から近い方、DETECTOR 2は遠い方です。
9
⑭ディスプレイセレクトスイッチ
正面パネルの表示部にどのディテクタで検出した値を表示させるかを選択できます。1, 2,
2-1の3種類あります。
⑮平均値切り替えスイッチ
レコーダー出力値の移動平均を、1、2、5secの中から選択するスイッチです。
⑯レコーダー用出力
DET1 : ディテクタ1で測定している表面から浅い所までの血液動態を出力します。
DET2 : ディテクタ2で測定している表面から深い所までの血液動態を出力します。
DET2-1 : 2と1の差分の血液動態を出力します。この値は次式の計算から求めています。
DET2-1 = {(DET2 X L2) - (DET1 X L1)} / (L2-L1)
L2, L1 : ⑤距離設定スイッチで設定した、それぞれのディテクタの照射点からの距離
組織酸素化血液量(OXY Hb)、組織脱酸素化血液量(deOXY Hb)、組織全血液量(TOTAL Hb)組
織血液酸素飽和度(STO2)の値を常に出力します。
"MEA"モードでは測定値を0 +10V、または-10 +10Vで出力します。セットスイッチを
ONにした場合には-10 +10Vで出力します。
"0"モードでは0Vが各々に出力されます。
"CAL"モードでは組織酸素化血液量(OXY Hb)と組織脱酸素化血液量(deOXY Hb)に1Vが出力
され、組織全血液量(TOTAL Hb)には2Vが出力されます。
⑰電源スイッチ
本体電源のON-OFFを行います。
⑱アース端子
他の機器との共通グランド設定のための端子です。他の機器と併用しているときに計測値
10
にノイズが載る場合等に、この端子と併用機器とのアース端子を電線で結んでください。
また、基本的にはアースは添付の3P電源コードを3Pのコンセントに接続してアースを取りま
すが、3Pの電源コードでアースがとれないときにはこの端子を使用してアースをとって下さ
い。
⑲電源プラグ
3Pの電源コードを差し込みます。
⑳プローブプラグ
プローブを本体に接続するプラグです。キーが付いていますから、本体コネクターのキー
溝に合わせてゆっくり挿入してください。
21 ディテクタープラグ
ディテクターを本体にに接続するプラグです。
ディテクターの"1"は、プローブからの距離が近い所に設置して下さい。
ディテクターの"2"は、プローブからの距離が遠い所に設置して下さい。
11
3. レコーダーへの接続および操作方法
1)接続方法
(1)BOM-L1 TRW とレコーダーを専用信号ケーブルを用いて接続します。
BNCコネクタをレコーダーの入力に差し込んでください。
(2)電源コードを電源に差し込んでください。
(3)BOM-L1 TRWとレコーダーの電源スイッチをONにします。
2)操作方法 (1)プローブのプラグを本体の光コネクターに、キーをキー溝に合わせて差し込んでください。
必ず正面から入れ、ゆっくり差し込んでください。斜めから入れたり、強引に差し込みます
とプローブコネクターを傷つけますのでご注意ください。差し込んだらプラグのネジを廻し
てしっかり固定してください。
プローブにはレーザー出力側と受光側があります。本体の赤色の光コネクターにはプロー
ブの赤色側のプラグを、黒色の光コネクターには黒色側のプラグを差し込んでください。
(2)ディテクタープラグを本体に接続してください。
(3)プローブとディテクターを測定対象の組織に設置してください。ディテクターには外からの
光が入らないように、黒いゴムシートやビニールテープ等で光を遮断してください。
プローブ
ディテクター1
専用ホルダー、
または黒いシート
12
ディテクター2
(4) 距離設定スイッチでプローブとディテクター間の距離を"距離設定スイッチ"に入力してく
ださい。ディテクタ1(DET1)とディテクタ2(DET2)をそれぞれ入力してください。数字の上
下にあるスイッチを押す度に数字が1ずつ変わります。単位はmmです。
ディテクター1はプローブに近い方に、ディテクター2はプローブから遠い方に設定してくだ
さい。ディテクター1では生体組織表面から浅い部分を、ディテクター2は深い部分までを測
定します。したがって、ディテクター2の値からディテクタ−1の値を引くことで、主に深い
部分のみの血液動態を得ることができます。
DET2の距離
DET1の距離
プローブ
ディテクター1 ディテクター2
(5)「LASER」スイッチをONにしてください。
ディテクターレベル表示とプローブレベル表示が両方共に緑色のランプが点灯しているこ
とを確認してください。赤色のランプが点灯していたら、背面のゲイン切り替えスイッチで
緑色のランプが点灯するように設定してください。ディテクターレベル表示とプローブレベ
ル表示のどちらか一方でも赤色のランプが点灯していると、レーザーはONになりません。
(6)キャリブレーション
①レコーダーのレンジ切り替えスイッチでフルスケールを10Vに合わせます。
②「MODE」スイッチを押して"0"に設定します。
③"0"が出力されていますので、レコーダーのゼロ調整つまみでゼロを記録紙の基準線に合わ
せてください。出力は0 +10V、または変化量測定の場合には-10 +10Vです。
④「MODE」スイッチを押して"CAL"にします。
StO2 : 10.0 , OXY Hb :10.0 , deOXY Hb :10.0 , TOTAL Hb : 20.0
の値が出力され、前面に表示されます。出力電圧は各々1V, 1V, 1V, 2Vです。
13
レコーダーのスケール調整つまみで適当な所に合わせてください。
⑤チャートを走らせて、上記の操作で較正波を書かせてください。 S tO 2
OXY Hb & deOXY Hb
TOTAL Hb
20.0
10.0
10.0
0
0
0
t
t
t
(7)「MODE」スイッチを押して"MEA"に合わせてください。測定が可能になります。
(8)測定波形が小さい場合には、レコーダーの感度を上げてください。
(9)本体背面にある移動平均値切替スイッチで適当な移動平均値を選択してください。移動平均
値が長いほど測定波形は平均化されます。
(10)ある時点からの変化量を測定する場合には、セットスイッチをONにしてください。ONで
は赤色のランプが点灯します。
一度レコーダーが調整されていれば、次からはすぐ測定することができます。
3) 停止方法
(1)レコーダーのチャートを止め、「LASER」スイッチをOFFにします。
(2)BOM-L1 TRWの電源スイッチをOFFにします。
(3)プローブとディテクターを本体から外します。プローブのプラグはゆっくり引き抜いてくだ
さい。斜めから無理に抜こうとすると曲がってしまい、故障します。
(4)BOM-L1 TRW本体の光コネクターに保護キャップをします。
(5)プローブのプラグに専用のキャップをし、軽く巻いてケースに保管してください。
14
4. 測定原理
1)レーザー組織血液量測定の基本原理
酸素化赤血球(または酸素化ヘモグロビン)と脱酸素化赤血球(または脱酸素化ヘモグロビ
ン)の光吸収スペクトルは異なっており、3種類の異なる波長の光の吸収度合の変化を調べるこ
とで、測定対象とする組織中の酸素化赤血球と脱酸素化赤血球量を知ることができます。
組織上のある点から波長の異なる3種類の近赤外光(λa、λb、λc)を測定光として光ファイ
バーを通して組織に照射します。近赤外光を用いる理由は、組織中での光の透過性が良いため
です。光照射点から数cm程度離れた点に光検出器で組織を透過してきた測定光の強度を測定す
ると、酸素化赤血球と脱酸素化赤血球の吸光度が波長によって異なるので、光検出器で測定さ
れるλa、λb、λcの強度の変化が異なります。したがって、この3種類の受光強度の変化から酸
素化赤血球、または脱酸素化赤血球の組織中での量を調べることができます。酸素化赤血球量
と脱酸素化赤血球量の合計が全赤血球量です。
光検出器で受光される測定光は組織中の血液による吸収のみでなく、組織自体による散乱に
よっても減衰した光です。したがって、検出されるλa、λb、λc波長の測定光 強度Ia, Ib, Icは
次式の様に表わすことができます。
Ia=ηIaoexp[{-ρOσa -ρRσb -μ}L]
(1)
Ib=ηIboexp[{-ρOσc -ρRσd -μ}L]
(2)
Ic=ηIcoexp[{-ρOσe -ρRσf -μ}L]
(3)
ここで、
Iao, Ibo, Icoはa,b,c 各波長の光の照射光強度、
ηは光システムに関わる係数、
ρOは単位組織体積あたりの酸素化赤血球数密度、
ρRは単位組織体積あたりの脱酸素化赤血球数密度、
ρは単位組織体積あたりの全赤血球数密度で、ρ=ρO+ρR
σaはIao光波長での酸素化赤血球の吸収断面積、
σbはIao光波長での脱酸素化赤血球の吸収断面積、
σcはIbo光波長での酸素化赤血球の吸収断面積、
σdはIbo光波長での脱酸素化赤血球の吸収断面積、
σeはIco光波長での酸素化赤血球の吸収断面積、
σfはIco光波長での脱酸素化赤血球の吸収断面積、
Lは光路長で、プローブとディテクタ間距離の4倍と仮定、
μは組織の散乱係数と吸収係数の和、
です。
15
(1), (2), (3)の式より、ρOとρRは(4)と(5)式で得られます。
ここでμは、測定に用いた波長が互いに近いので、一定と仮定します。
(σd-σb)(Eb-Ec) - (σf-σd)(Ea-Eb)
ρO=
(4)
L{(σe-σc)(σd-σb) - (σf-σd)(σc-σa)}
(σa-σc)(Eb-Ec) - (σc-σe)(Ea-Eb)
ρR=
(5)
L{(σe-σc)(σd-σb) - (σf-σd)(σc-σa)}
ここでEa=LN(Ia/Ia0)、Eb=LN(Ib/Ib0)、Ec=LN(Ic/Ic0)で置き換えました。
また、全赤血球量ρは
ρ=ρO+ρR
(6)
で、
酸素飽和度StO2は
StO2 = ρO/(ρO+ρR)
(7)
で求めることができます。
原理的には酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの吸光度が異なることを利用してい
ますが、赤血球数としたほうが量的に理解しやすくなるために上記測定原理では赤血球数と
して取り扱っています。
ディテクター2で得られた値(深い所までの信号)とディテクター1で得られた値(浅い所の信
号)の差を求める場合、ディテクター1で得られた値をρO1、ρR1、ρ1、ディテクター2で得られ
た値をρO2、ρR2、ρ2とすると、出力される各々の値は
ρOdiff = ρO2 - ρO1、 ρRdiff = ρR2 - ρR1、 ρdiff = ρ2 - ρ1、 StO2 = ρOdiff/ρdiff
となります。
16
2)表示と単位について
BOM-L1 TRWの表示1.0が約1 104[個/mm3]の組織赤血球密度に相当します。ただし、実
際に光が組織を通過する距離Lがプローブとディテクター間距離の4倍と仮定した場合です。
通常、全血1mm3中の赤血球数は約5 106個でヘマトクリットは45%です。
ヘモグロビン量、[μmol/100mL]、との関係は以下の通りです。
1[μmol/100mL]≒2.2 104[個/mm3]
上記換算に用いた定数は、
血液中のヘモグロビンが15[g/100mL]=A、
血液中の赤血球密度は約5 106 [個/mm3]=B、
ヘモグロビン分子量 65000、1mol質量は65000[g/mol]なので
1μmol質量は6.5 10-2[g/mol]=C、
これより 1[μmol/100mL]= (B C)/A = 2.2 104 [個/mm3] と計算されます。
したがって、1 104 [個/mm3]=0.45 [μmol/100mL] です。
BOM-L1 TRWでは、組織中の赤血球数密度1 104[個/mm3]のとき表示1.0、背面出力100mV
です。上記計算に用いた数値は代表的な値です。したがって、それぞれの値には幅があり、ま
た光路長についても4倍と仮定して計算していますのでご注意ください。
17
パネル表示
時定数回路
アナログ出力
D/A
コンバータ
CPU
A/D
コンバータ
タイミング回路
A/D
コンバータ
スイッチ
コントロール部
直流電圧
+
-
G
レーザー
基礎絶縁
変圧器
ディテクター
電源回路
モニター受光
光コネクタ
光カプラ
レーザー駆動回路
プローブ
ヒューズ
2本
電源スイッチ
ディテクタは2つであるが、
1つ省略している。
ブロック回路図
18
本体ケースに結線
ノイズフィルター
5. 使用上と取り扱いの注意事項
1)機器を設置するときには、次の事項に注意してください。
(1)水のかからない場所に設置してください。
(2)気圧、温度、湿度、風通し、日光、ほこり、塩分、イオウ分などを含んだ空気などにより
悪影響を生ずる恐れのない場所に設置してください。
(3)傾斜、振動、衝撃(運搬時を含む)など安定状態に注意してください。
(4)化学薬品の保管場所やガスの発生する場所に設置しないでください。
(5)電源の周波数と電圧および消費電力に注意してください。
(6)アースを正しく接続してください。
2)機器を使用する前には次の事項に注意してください。 (1)スイッチの接触状況、メーター類の点検を行い、機器が正確に作動することを確認してく
ださい。
(2)アースが完全に接続されていることを確認してください。
(3)すべてのコードの接続が正確でかつ完全であることを確認してください。
(4)機器の併用は正確な診断を誤らせたり、危険を起こすおそれがあるので、十分注意してく
ださい。
3)機器の使用中は次の事項に注意してください。
(1)診断、治療に必要な時間、量をこえないように注意してください。
(2)機器全般および患者に異常のないことをたえず監視してください。
(3)機器および患者に異常が発見された場合には、患者に安全な状態で機器の作動を止めるな
ど適切な措置を講じてください。 (4)機器本体に患者が触れることのないように注意してください。
(5)機器から出力されているレーザー光を直接、またはレンズを通して見ないでください。
(6)プローブはガラスファイバー製のため,故障した場合にはほとんど修理不可能です。プ
ローブの取扱には特に次の点にご注意ください。
19
①曲げ半径10mm以下に曲げないでください。
プローブケーブル
R
R >10mm
②踏んだり、足に引っかけたり、機械の下に挟んだりしないでください。
③プローブ先端、プラグが汚れないように注意してください。ご使用にならないときには
専用の保護キャップを取り付けてください。
④プローブコネクタの差し込み、引き抜きの際には無理な力を加えないでください。
4)機器の使用後は次の事項に注意してください。
(1)定められた手順により操作スイッチを使用前の状態に戻したのち、電源を切ってくださ
い。
(2)コード類の取り外しに際してはコードを持って引き抜くなど無理な力をかけないでくださ
い。
(3)保管場所については次の事項に注意してください。
①水のかからない場所に保管してください。
②気圧、温度、湿度、風通し、日光、ほこり、塩分、イオウ分などを含んだ空気などによ
り悪影響を生ずる恐れのない場所に保管してください。
③傾斜、振動、衝撃(運搬時を含む)など安定状態に注意してください。
④化学薬品の保管場所やガスの発生する場所に保管しないでください。
(4)附属品、コード、プローブは清掃したのち、整理してまとめておいてください。
(5)機器は次回の使用に支障のないよう必ず清掃しておいてください。
20
5)故障したときには勝手に修理せずに適切な表示を行い、修理は専門家に任せて
ください。
6)機器は改造しないでください。
7)保守点検
(1)機器および部品は必ず定期点検を行ってください。
(2)しばらく使用しなかった機器を再使用するときには、使用前にかならず機器が正常かつ安
全に作動することを確認してください。
21
6. 仕様
測定用レーザー : 半導体レーザー、波長780nm, 810nm, 830nm
プローブ先端出力7mW以下
プローブ : 光ファイバー
ディテクター : シリコンフォトダイオード
測定パラメータ
1)組織酸素化血液量(OXY Hb) :0 +100.0、または変化量-100.0 +100.0
2)組織脱酸素化血液量(deOXY Hb) : 0 +100.0、または変化量-100.0 +100.0 3)組織全血液量(TOTAL Hb) : 0 +100.0、または変化量-100.0 +100.0
4)組織血液酸素飽和度(StO2) : 0 100.0%
表示 : StO2とTOTAL Hbを正面にデジタル表示
出力 : 背面アナログ出力
1)OXY Hb : 0 10V、または-10 +10V
2)deOXY Hb : 0 10V、または-10 +10V
3)TOTAL Hb : 0 10V、または-10 +10V
4)StO2 : 0 10V
移動平均 : 1, 2, 5 secの3種類
電源 : AC100 10V, 50/60Hz
電力 : 20VA
重量 : 5.5kg
寸法 : 幅257、高さ100、奥行き325 (mm)
ただし、ハンドル部分を除く
電撃に対する保護形式による分類 : クラスⅠ機器、
電撃に対する保護程度による分類 : B型機器
環境条件 : 使用温度 5-40℃
相対湿度 0-90%
22
7. 保証
1)本体
ご購入より1年以内に発生した故障につきましては、下記の場合を除き、無償で修理させて
いただきます。1年後、または下記の場合は有償で修理させていただきます。
(1)取扱説明書に対して誤ったご使用、およびご使用上の不注意による事故、損傷。
(2)天災、火災その他の外部要因による故障および損傷。
2)プローブ及びディテクター
消耗品扱とさせていただき、初回の修理規定を以下のとおりとさせていただきます。2回目
以降の修理につきましては本規定外となります。
ご購入後 修理代金
6ヶ月以内 定価の50%以下での修理、または交換
1年以内
定価の70%以下での修理、または交換
1年以上
ご相談下さい。
製造元 オメガウェーブ株式会社
東京都府中市片町2-20-3 TEL : 042-333-0067 No. M43910 23
Fly UP