Comments
Description
Transcript
第 6 章 すべての主体が参加する地域社会の形成
第 6 章/第 1 節 自主的な環境保全活動の促進 第 6 章 すべての主体が参加する地域社会の形成 第1節 自主的な環境保全活動の促進 ◎現状と課題 <環境保全施設整備等に対する支援> ◆香川県環境保全施設整備資金融資制度 中小企業者が県内で環境保全のために行う公害防止 施設等の設置、改善に必要な資金を、県の事業認定に より指定金融機関を通じて融資する制度で、融資対象 は、大気汚染、水質汚濁、土壌や地下水の汚染、騒音・ 振動および悪臭を処理または防止するための施設、廃 棄物を処理または再生利用するための施設、オゾン層 保護やエネルギーの有効利用に資する施設です。 平成 21 年 7 月から、生活環境保全条例により新た に排水規制の対象となる小規模事業者等の排水処理施 設の設置、改善について、一定の要件を満たすものは、 特例として無利子の融資が受けられるよう、県が金融 機関に利子補給金を交付しました。 さらに、昨今の厳しい経営環境に対応するため、平 成 23 年 4 月から、融資期間の上限を 7 年から 15 年 に延長しました。 地球温暖化や廃棄物、生活排水の問題など、今日の 環境問題の多くは、私たちの日々の暮らしや通常の事 業活動が主な原因となっています。 環境を保全し、後世に引き継いでいくためには、県 民、事業者等が、自主的に省資源・省エネルギー、廃棄 物削減などに努めるとともに、森づくりや環境美化活 動に積極的に参加することが重要です。 ◎具体的な取組み (1)県の環境保全率先活動の推進 (2)事業者の自主的活動の促進 (3)県民・民間団体等の環境保全活動の促進 (1)県の環境保全率先活動の推進 <かがわエコオフィス計画> 県民、事業者、市町などによる環境保全の取組みを 促すため、 「第 3 次かがわエコオフィス計画」 (平成 18 年 3 月改訂)に基づき、県みずからが率先して環境配 慮活動を実行しており、平成 22 年度は、温室効果ガ ス・燃料・上水・廃棄物の項目において、削減目標を達 成しました。 (3)県民・民間団体等の環境保全活動の促進 【エコオフィス計画の取組結果】 項 目 H22 年度実績 H22 年度目標 (対H16 年度比) (対H16 年度比) 97% 103% 82% 107% 81% 76% 98% 以下 98% 以下 97% 以下 94% 以下 96% 以下 91% 以下 ※直島環境センターを除く <公共事業環境配慮システムの運用> 一定規模以上の公共事業は、 「香川県環境配慮指針」 に沿って作成した「香川県公共事業環境配慮システ ム」に基づき、計画、設計、実施の各段階での環境配慮 の実施状況の把握、評価、見直しを行い、環境配慮の 継続的な改善を図りました。 ・活動支援・人材育成の基盤づくり ボランティア活動の活発化と全県的な広がりの気運 を高めるため、感動的な活動などを「ボランティア大 賞」として表彰するとともに、県内でのNPO活動の基 盤づくりと活性化を図るため、NPOのマネジメント能 力向上を図るための講座を開催しています。 また、ボランティア・NPO活動への関心を深めると ともに、各団体間の交流を図るため、22 年 11 月に 「香 川県ボランティア・NPO交流集会」を開催し、環境保 全活動に取り組むグループ・団体の活動内容を展示・ 紹介しました。 (2)事業者の自主的活動の促進 <環境マネジメントシステムの普及> ◆環境マネジメントシステム推進事業 県内の企業、市町などで構成する「香川環境ISOネ ットワーク」 (平成 22 年度末会員数:67 団体)を通 じて情報提供を行いました。 ◆エコアクション 21 推進事業 環境省が推奨する中小企業向け環境マネジメントシ ステム「エコアクション 21」を普及するため、エコア クション 21 地域事務局の設立をめざす高松商工会議 所が実施するセミナーの開催等に対し支援を行いました。 −6 1− ▲環境問題に取り組むNPOの活動紹介 (NPOグリーンコンシューマー高松) 第 6 章 温室効果ガス排出量 電気使用量 燃料使用量 用紙使用量 上水使用量 廃棄物排出量 <ボランティア・NPOの育成・支援・協力> ◆NPO等の活動支援 ・情報提供の総合窓口 NPOなどの活動参加へのきっかけづくりのため、情 報提供の総合窓口「NPOネットワークプラザ」におい て、各種資料の提供やホームページの運営、メールマ ガジンの発行などを行っています。 Web 「共助ネットかがわ」http : //www. kyoujyo ‐net-kagawa.jp/ 第 6 章/第 2 節 第2節 環境教育・環境学習等の促進 環境教育・環境学習等の促進 ◎現状と課題 <指導者の育成> 環境問題が多様化する中、環境教育・環境学習は、 環境教育・環境学習を担う人材を育成する指導者育 学習したことを具体的な行動に結びつける能力を身に 成講座を開催しました。 つけることが大切です。 ・開催数(H22 年度) :6 回(延べ 198 名参加) 「香川県環境教育・環境学習基本方針」では、 「実践 <情報提供などによる支援> 的な体験を中心とした環境教育・環境学習を継続的に ◆環境ライブラリーの整備充実 進めることにより、県民の環境保全についての理解を 環境保健研究センター内に、環境ライブラリーを設 深め、持続的発展が可能な社会の実現に向けて行動す 置し、環境の保全に関する図書やビデオ、環境パネル、 る人を育成する」ことを目標に、具体的な取組みを行 環境学習用資器材の貸し出しや実験・実習を行いまし うこととしています。 た。 学校では、総合的な学習の時間や各教科の中で、環 境教育が行われています。また、県内各地で、自然と ◆環保研・学習サポートボックス事業 ふれあいながら環境を考える行事が活発に開催されて 学校や各種団体が行う環境学習活動をサポートする います。 ため、環境保健研究センターにおいて、職員の講師派 環境教育・環境学習を効果的に推進していくために 遣や、施設見学の受入れ、体験学習を行いました。 は、これらの活動を積極的にサポートするための仕組 ・環境学習・研修実施件数(H22 年度) :35 件 みづくりが重要です。 1,625 人 【香川県環境教育・環境学習基本方針の基本的方向】 環境教育・ 環境学習の 手法の確立 環境問題を総合的に扱い体験を伴う環 境教育・環境学習を継続的に進めるた め、学習プログラムの開発を行い、県 民が環境学習に参加する機会を増やす。 人材の育成 ・活用 講習会・研修会の開催などにより環境 教育の推進力となる人材や地域の活動 のリーダーを育成する。また、環境学 習の人材の確保と活躍の場の拡大を図 る。 情報・資器 材の提供な どによる活 動支援 環境教育・ 環境学習の 場の提供 ◆ホームページ「環境学習ルーム」の充実 インターネット上で県内の環境学習に関するさまざ まな情報や教材を利用できるよう、ホームページの充 実を図りました。 Web 「環境学習ルーム」http://www.pref.kagawa. lg.jp/kankyo/gakushu/gakushu_top.htm (2)参加の場の提供 <環境学習の場としての県有施設の利用> 自主的な環境学習や実践活動を促すた め、情報提供の体制を整備し、環境学 習用資器材を提供する。 ◆森林環境学習等の実施 学校での総合的学習や地域での森林・林業体験学習 などの受入れを、森林センターや東部林業事務所、西 部林業事務所、小豆総合事務所環境森林課で林業普及 環境教育・環境学習を実践できる多様 な場を調査・確保し、さらに、拠点と なる施設の整備・充実を行い、施設間 の連携を図る。 指導員が中心となって行っているほか、公渕森林公園、 満濃池森林公園、ドングリランドの各森林公園では、 指定管理者が、自然観察やクラフト、炭焼き体験や植 栽・間伐などの森林づくり体験活動など実施していま す。 ◎具体的な取組み 【森林・林業体験学習(H22 年度実績)】 (1)環境学習活動の支援 (2)参加の場の提供 回数 参加 参加 参加人数 主な内容等 区分 校数 生徒 教師 森林・林業 小学校 体験学習 の 実 績 14 中学校 (3)学校における環境教育の推進 (1)環境学習活動の支援 合計 <環境学習プログラムの充実> 小中学校における環境学習を支援するため、環境学 習プログラムのテーマとして、 「地球温暖化問題」を 追加しました。 −6 2− 8 379 22 6 166 12 14 545 34 自然観察、 クラフト、 森林整備 第 6 章/第 2 節 環境教育・環境学習等の促進 ◆親子自然体験教室の実施 県内の小学生とその家族を対象に、五色台の豊かな 自然の中で、動植物の観察や、それらを素材とした製 作・実習活動を行う親子自然体験教室を開催しました。 ・参加者数(H22 年度) :4 回で 72 組 210 名 (3)学校における環境教育の推進 <学校や地域の実情に応じた環境教育の推進> ◆環境学習実践モデル校の活動 ▲林業体験 環境学習プログラムを利用して環境教育・環境学習 を実践するモデル校を募集し、活動を支援しました。 ◆五色台トピックスの作成 ・モデル校(H22 年度) :2 校(三豊市立下高瀬小学 五色台の環境の変化や季節の移り変わりをデータ化 校、直島町立直島小学校) して蓄積していくため、草木の開花や野鳥の初鳴き、 珍しい動植物などの観察を記録として保存し、県立五 ◆小・中学校における環境教育の推進 色台少年自然センター自然科学館のホームページや玄 ・各学校での環境教育 社会科、理科、家庭科(技術・家庭科)における環境 関の掲示板に「今月の見どころ」として公開していま 教育のほか、子どもの発達の段階や地域の実態等に応 す。 じ、総合的な学習の時間、道徳、特別活動を用いて、豊 Web 「自然科学館」http : //www.pref. kagawa. lg. かな自然や地域社会での体験活動、環境や自然と人と jp/sizeka/ のかかわりについての学習、環境美化やリサイクルな ◆夏休み親子下水道見学会等の開催 どの環境保全活動に取り組んでいます。 下水道について、小学生や保護者の理解を深めても ・チャレンジ!グリーン活動 らうため、県や市では、夏休み期間などを利用して下 学校全体の環境教育・環境学習の充実を図るため、 水処理場の見学会を行いました。団体の施設見学は、 児童会や生徒会などの推進グループが中心となり、節 随時、受け付けています。 電や節水、リサイクル、緑化活動や美化活動など、環 ・見学会参加者数(H22 年度) :6 処理場(県 4、高 境によい活動を行う学校版のISO活動「チャレンジ! 松市 1、観音寺市 1)で 497 名 グリーン活動」を推進しており、努力目標を達成した <環境について学ぶ機会づくり> ・活動状況(H22 年度) :84 校、98 グループ 環境に配慮した自主的行動の実践を促進するため、 http : //www.pref.kagawa. Web 「環境教育の充実」 小中学校等に環境キャラバン隊を派遣しました。 lg.jp/kenkyoui/gimu/gimu/green/index.html ・派遣回数(H22 年度) :15 回 ◆宿泊学習などにおける環境学習の実施 県立五色台少年自然センターでは、中学生を対象と した集団宿泊学習の中で、星空ウオッチングやグリー ンアドベンチャー、環境学習シートを活用した植物や 水生生物などの観察、海岸のゴミの調査、紙すき(牛 乳パックのリサイクル)、県立屋島少年自然の家では、 水生生物や鳥などの観察や紙すき(牛乳パックのリサ イクル)などの環境学習を行っています。 ▲環境キャラバン隊の出前講座 −6 3− 第 6 章 学校には認定証を発行しています。 ◆環境キャラバン隊事業 第 6 章/第 2 節 環境教育・環境学習等の促進 ◆高等学校における環境教育の推進 ◆環境教育研修講座(教職員に対する環境教育研修) 高等学校では、理科、公民、家庭科、農業などの教科 県教育センターでは、幼稚園・小学校・中学校・高等 や学校行事、生徒会活動などの特別活動において、環 学校・特別支援学校の教員を対象に、環境教育に関す 境問題に対する理解や自然環境の保全に関する意識を る研修講座を実施しました。 高める学習活動に取り組んでいます。また、 「総合的 【環境教育研修講座(平成 22 年度)】 な学習の時間」の学習テーマに環境問題を取り上げ、 人間と環境とのかかわりについて学習している学校も 環境教育 研修講座 り一層推進するための「きらめくかがわの高校づくり 対象 推進事業」の一環として、環境教育に関する活動に取 内 容 あります。さらに、各学校が特色ある高校づくりをよ 対象 講座名 り組んでいます 対象 ・地元小学生の総合学習を支援するため、農 石 田 業体験を主体とする講座を開講した。 高等学校 ・農場開放や真清水動物園を開園して、家畜 や小動物とふれあう機会を提供した。 内 容 【きらめくかがわの高校づくり推進事業(平成 22 年度)】 自然体験 活動研修 講座 対象 ・全校生徒と職員による高松市およびその周 辺のヒートアイランド現象について調査し 高松桜井 た。 高等学校 ・環境委員会を中心に全校生徒に節電や節水 などのエコ活動を呼びかけた。 内 容 海の生態系 観察研修 講座 ・野菜に集まりやすい害虫を捕獲する装置を 農業経営 利用した減農薬野菜栽培に取り組んだ。 高等学校 ・堆肥や廃材の有効利用による環境負荷の少 ない農場経営に取り組んだ。 ・地域住民と、学校に隣接する河川等の清掃 活動を実施した。 香川中央 高等学校 ・ホタル保存会および自治会と連携して、ホ タルの幼虫の飼育を行った。 ・幼稚園や小・中学校と協力して、太陽電池 多 度 津 を利用したイルミネーションを設置した。 高等学校 ・円形水槽を幼稚園、小学校などに持ち込み、 出前水族館を開館した。 内 容 エネルギー 教育研修 講座 内 容 環境教育担当者や環境教育のスキル アップを図りたい教員 「エコすごろく」 「むだ・ムダ・無駄 さがし」 「カードゲーム食物連鎖」の 三つの教材を作製する実習中心 自然体験活動担当者やそのスキルア ップを図りたい教員 県立五色台少年自然センター自然科 学館での自然観察や野外実習等のフ ィールドワーク中心 理科教育および環境教育のスキルア ップを図りたい教員 香川大学瀬戸内圏研究センター庵治 マリンステーションでの海洋調査法 の体験や海洋プランクトン、磯の生 態系観察等の実習中心 エネルギー教育のスキルアップを図 りたい教員 四国電力の協力を得てLNG基地、火 力発電所、変電所、サンポート高松 地区熱供給センターを見学し、電気 を中心としたエネルギー供給の実際 を知る ◆教職員のための森林・林業体験セミナー 森林環境教育を推進するため、森林センター職員の 指導により、教職員のための森林・林業体験セミナー ・幼稚園児を招いて草花の観察・栽培など農 場体験学習を実施した。 笠 田 高等学校 ・希少植物ウンランの保護活動、琴弾公園の 清掃など環境保全活動に取り組んだ。 を 3 日間開催しました。 ・受講者数(H22 年度) :13 人 ▲森林・林業体験セミナー −6 4−