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2013 年 7 月 15 日号

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2013 年 7 月 15 日号
2013 年 7 月 15 日号
THIS WEEK’S MAGAZINE
1.
Week of July 15
Citi’s World of Promise 株価の上昇が期待される→ P.2
【シティグループ】
シティグループ、海外事業で優位に
2.
Why Ben Will Remain Your Friend バーナンキ議長が味方の理由→ P.4
【インタビュー】
ウエスタン・アセット・マネジメントのケン・リーチ氏に聞く
3.
Why The Fed Wants Higher Prices 資産価値の上昇がカギ→ P.7
【資産効果】
景気回復のためにプラスの資産効果を利用しようとしている FRB
4.
The Trader またしても史上最高値更新→ P.9
【米国株式市場】
バーナンキ議長の講演を受けて金融政策に対する安心感が広がる
5.
Malaysia: New Belle Of The Ball 醜いアヒルの子から白鳥に→ P.12
【マレーシア】
株式市場の好調が続くマレーシア
6.
Cutting Through The Confusion 市場の混乱に動じない投資を→ P.14
【米国債券市場】
債券買い入れが終了することは不可避であり、投資の目先を変えることが必要
7.
Preview 今週の予定→ P.15
【経済関連スケジュール】
新学期を前に
8.
Up & Down Wall Street 「マッドメン」のパートナー→ P.17
【コラム】
ヘッジファンドの広告解禁 バーナンキ発言で揺れる市場
9.
Mission Impossible Ahead 金利上昇に備える→ P.20
【株式市場展望】
住宅建設株、金融株に注目
10.
PC Market Isn't Dead Yet, But It's Barely Breathing 死んではいないが危篤→ P.21
【PC 市場】
PC 販売は記録的なペースで落ち込んでいるが、関連銘柄は好調
※ 当誌は、株式会社 時事通信社がライセンスに基づき Dow Jones & Company, Inc.の発行する BARRON’S 誌の内容を利用して作成したものです。
※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。また、当誌は当社が信頼できると判断した資
料およびデータ等により作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもの
ではありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.
本誌記事の無断転載・複写を禁じます
バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
1. Citi’s World of Promise 株価の上昇が期待される
シティグループ、海外事業で優位に
【シティグループ】
■ 銀行出身者が新 CEO に
シティグループ(C)は創業 200 年を迎えた 2012 年に
経営陣が交代し、2000 年に当時のジョン・リード会長が
引退して以降、初めて純粋な銀行家が経営トップに就任
した。2012 年 4 月 17 日に会長に就任したマイケル・オ
ニール氏は、バンク・オブ・アメリカやハワイ銀行の立
て直しに手腕を発揮し、シティでもコスト削減とリスク
管理を重視した。その半年後にビクラム・パンディット
最高経営責任者(CEO)が辞任したが、事実上の解任と
みられている。オニール氏は生え抜きのマイケル・コー
バット氏を後任の CEO に選んだ。
これによってシティの 3 世紀目は株主にとって幸先のよいスタートを切った。
株価は昨年 4 月以来 45%上昇
して 50.81 ドルだが、RBC キャピタル・マーケッツのジェラード・キャシディ氏は、1 株当たり 62 ドルの
純資産に比べると割安で、向こう 2~3 年間に現行の水準から 50%余り上昇する余地があるとみる。利益が
増え、株主資本利益率(ROE)が上昇する中、純資産の 1.1~1.2 倍の株価が妥当だと言う。
株価の上昇は、コーバット CEO とオニール会長に市場が寄せる信頼の証しだ。シティは 2008~09 年に破
綻寸前となり、450 億ドルの公的資金注入によって救済され、株価は一時 1 ドルを割り込んだ。現在の株価
は、2011 年 5 月に 10 株を 1 株に併合したことを反映している。2001 年には資産量で世界最大だったが、
今は世界で最も利益率の高い銀行を目指している。
コーバット氏は先週、本誌の電話インタビューに対し、
「われわれの目標は、誰もが認めるほど強く安定した
銀行になり、質の高い安定した利益を生み出し、優れた賢明な決定を行い、株主資本と利害関係者の資源を
守る能力を持つ企業として認識されることだ」と述べた。
■ 株主への還元が期待される
シティは米国の銀行には珍しく、大規模な海外事業を展開している。160 カ国・地域で事業を行い、100 カ
国余りにスタッフや事務所を持つ。その多くが急成長する新興国市場だ。2008 年には約 8000 億ドルに上っ
た不良債権は、80%以上減少した。550 億ドルの繰延税金資産も、資本の有効な利用にとって重要だ。多角
化と資本の充実によって、配当や自社株買いの形で株主に還元できる資本が増えるだろう。
今年初め、シティは米連邦準備制度理事会(FRB)による銀行のストレステストに合格し、来年の第 1 四半
期までに 12 億ドルの自社株買いを認められた。比較的控えめな金額だが、1 年前にはストレステストに不合
格となり、自社株買いを禁じられたことを考えれば、象徴的な勝利と言える。投資家もこれに注目している。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
インスティテューショナル・キャピタルのアナリスト、ロバート・ストール氏は、
「オニール氏とコーバット
氏によって、ようやく銀行を経営し、業務を執行できる経営体制が整った。コーバット氏は焦点を合わせ、
われわれが重要だと考えるものを実行に移す明確な戦略を示した」と語る。
コーバット氏は、2015 年までにシティが達成すべき財務目標を明示した。総資産利益率(ROA)を 2012
年の 0.62%から 0.9~1.1%に、ROE は 2012 年の 5%から 10%以上に引き上げる。効率性(シティ・ホー
ルディングスの不良債権グループを除く)は、2012 年の 60%から、50%台の半ばに引き下げる。銀行の効
率性は営業収益に占める間接費の比率で、経営の優れた銀行の効率性は通常 50%の前半だ。
コーバット氏は就任後の 9 カ月で世界の従業員の 4%に当たる 1 万 1000 人を削減し、トルコ、ルーマニア、
パラグアイ、ウルグアイ、パキスタンの個人向け融資事業を売却または縮小し、ブラジルの消費者金融事業
を売却した。また、住宅ローンをめぐる訴訟でファニーメイ(連邦住宅抵当金庫、FNM)に 10 億ドルを支
払って和解したほか、スミス・バーニーの保有株式をモルガン・スタンレーに売却し、資本基盤を強化した。
■ 強みは海外事業
シティが国内の同業他社に比べて傑出しているのは海外事業だ。総営業収益 700 億ドルの約 58%は海外部
門による。JP モルガン・チェース (JPM)の場合には 19%、バンク・オブ・アメリカ(BAC)は 13%に
すぎない。ロンドンに本社を置く HSBC ホールディングス(HSBA.英国)とスタンダードチャータード
(STAN.英国)がシティの海外での最大のライバルだ。
金融危機を受けた規制強化と脆弱(ぜいじゃく)な経済によって銀行の不振が続く中、シティのアジアと中
南米の法人・個人向け事業の営業収益は 2 桁の伸びを示している。一方で国内の営業収益はシティ・ホール
ディングスを除くと横ばいだ。シティグループの総営業収益の約 58%を占める海外事業のうち、消費者向け
が約 43%、残りが法人向け証券・銀行業務、トランザクション・サービス(多国籍企業向けの資金管理)な
どだ。
米規制当局や政策決定者が「大き過ぎてつぶせない」銀行を持つことの是非について議論する中で、海外事
業はさらに重要だ。大手銀行が合併買収によってさらに大きくなることを政府が認める可能性は低い。また
シティのような規模の海外事業の構築は、今となってはコスト面で不可能に近い。コーバット氏は、
「われわ
れのビジネスモデルはユニークで、より価値のあるものだ。それに集中している」と語る。
シティの株主は目先、自社株買い戻しや増配による巨額の還元を期待できる。これらは、シティ・ホールデ
ィングスの不良債権の処理と、550 億ドルの繰延税金資産による。コーバット氏は、現在銀行の中に滞留し
ている資本の活用は「大きな優先事項だ」と語る。
シティ・ホールディングスの不良資産は現在 1490 億ドルで、2008 年のピーク時の 8000 億ドルから大幅に
減少した。それでも、これはシティのバランスシートの 8%に当たり、資本の 20%が赤字を生み出す資産に
縛られているため、利
益の足を大きく引っ張
っている。不良資産の
大半は、米国関連の住
宅ローン、住宅ローン
担保証券、ホームエク
イティローンだ。しか
し住宅市場が回復して
いることから、資産か
らより多くの資金を回
収でき、損失に備えた
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
引当金を引き下げることができそうだ。
クレディ・スイスのモシェ・オレンバック氏は、シティ・ホールディングス関連の不良資産を処理するだけ
で、株価は自らの目標株価 60 ドルを 10 ドル上回る可能性があると語る。ヘッジファンドのオメガ・アドバ
イザーズのレオン・クーパーマン氏も数週間前、本誌に対し、シティの株価は 2014 年末までに 70 ドルに達
する可能性があると述べていた。マッコーリー・キャピタルのデービッド・コンラッド氏は、シティが四半
期配当を現在の 1 株当たり 1 セントから 2014 年に 15 セント、2015 年には 40 セントと大幅に引き上げ、
2014 年には 47 億ドル、2015 年には 77 億ドルの自社株買い戻しを実施すると予想する。
シティは 7 月 15 日に第 2 四半期の決算を発表する。アナリストの予想は、1 株当たり利益が 1.18 ドル、営
業収益は 198 億ドルというものだ。前年同期は 1 株当たり利益が 1 ドル、営業収益は 186 億ドルだった。通
年のコンセンサス予測は、1 株当たり利益が 4.73 ドル(2012 年は 3.86 ドル)だ。2014 年の予想利益は 5.44
ドルだ。
シュナイダー・キャピタル・マネジメントのアーニー・シュナイダー氏は、シティは「国内事業が興味深い。
ただ勢いがあるのは海外だ」と語る。国内事業も海外事業もうまくいくかどうかは、シティに 30 年勤務す
るベテランのコーバット氏の双肩に掛かっている。
Citigroup Inc (C)
Fannie Mae (FNMA)
JPMorgan Chase & Co (JPM)
Bank Of America Corporation (BAC)
HSBC Holdings PLC (UK:HSBA)
Standard Chartered PLC (UK:STAN)
チャートは 3 年
By SANDRA WARD
(Source: Dow Jones)
2. Why Ben Will Remain Your Friend バーナンキ議長が味方の理由
ウエスタン・アセット・マネジメントのケン・リーチ氏に聞く
【インタビュー】
■ 経済に対しては比較的弱気
30 年にも及ぶ債券利回りの低下傾向の後で、最近の金利上昇は投資家の意表を突き、債券価格の下落は債券
投資家や債券のマネジャーの居心地を悪くさせた。金利と金融市場の見通しに関して、ウエスタン・アセッ
ト・マネジメントのケン・リーチ氏に話を聞いた。同社はレッグ・メイソンの債券運用子会社で、旗艦ファ
ンドのウエスタン・アセット・コア・ボンド・ファンド(WATFX)の過去 15 年間の年率リターンは 5.93%
でモーニングスターの上位 14%に位置する。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
本誌:マクロ経済の見方から教えてほしい。
リーチ氏:金融危機以降のわれわれのシナリオは、世界経済が歴史的な標準と比較して極めて緩やかに回復
するというものだった。米連邦準備制度理事会(FRB)が、景気が支援策を必要としない程度まで回復する
可能性を示唆したが、市場はその見解が正しいか否か迷っている。われわれは、経済は依然として多くの支
援が必要とみている。
Q:各国中央銀行が膨大な額の資金を注入したが、インフレが
低位にとどまると見ている理由は。
A:債券利回りの長期的なシナリオはインフレのシナリオだ。
危機のリスクが解消されれば経済、インフレ、そして金利が正
常化するだろうが、経済の正常化までには多くの支援が必要、
つまり回復していないため、インフレ率も低位にとどまってい
る。
Q:低いインフレ率は債券市場にとってプラスか。
A:インフレの見通しが低いために政策決定者は金利を人為
的に低く抑えることが可能で、債券投資家も利上げを心配する必要がなかった。今後もインフレ見通しが低
ければ、各国中央銀行は極めて緩和的なスタンスを維持し、金利を低く抑え続けるだろう。
Q:市場は過剰に反応して国債利回りは上昇した。今後の展開をどうみているのか。
A: 5 月から 6 月にかけて金利が低かったためイールドカーブの短期側に投資していたが、景気見通しは金
利上昇が織り込んでいるほど好調ではないと考えており、投資対象を長期側へ拡大した。われわれの経済見
通しは FRB ほど楽観的ではなく、金利も当面は大幅に上昇しないとみている。
■ 短期の社債やハイイールド債を選好
Q:現在の最善の選択肢は。
A:金利の短期側への投資が一つの手段だ。FRB が金利をゼロ近辺に維持すればリスクはなく、われわれは
そう予想している。中期(5 年から 10 年)の利回りはフェデラルファンド(FF)金利よりも魅力的だ。わ
れわれの景気見通しが正しければ FRB は FF 金利を長期間低水準に維持するため、
国債利回りは大丈夫だろ
う。
Q:株式ファンドの多くのマネジャーは、債券のリスクの方が高いと考えているが。
A:どんな債券ファンドであれ金利上昇のリスクはある。現状を幾分か緩和できる一つの戦略は、クレジッ
トの要素のある短期の債券に投資することだ。例えば、社債やハイイールド債だ。金利上昇はマイナス要因
だが、それは景気の回復によるもので、結果的には企業の業績とキャッシュフローが改善する。金利の上昇
幅が小幅であれば、社債やハイイールド債は往々にして好調に推移する。また、バンクローンなどの変動金
利商品も選択肢の一つだ。
Q:ハイイールド債とエージェンシーの住宅ローン担保証券(MBS)で特に好んで投資している分野は。
A:ハイイールド債では、格付け上の上限である BB 格の短期債を保有しており、MBS ではファニーメイ(連
邦住宅抵当金庫、FNM)の 3.5~4%のクーポンの住宅ローンを保有している。
■ メキシコとブラジルに投資
Q:世界的にみると、どこに価値があるか。
A:米国外では、メキシコに最大の投資機会があるとみており、主に国債だが社債にも投資機会はある。同
国で実施されている構造改革によって経済は一段と健全になると考えている。加えて、メキシコは米国に近
いことから、米国経済が回復すれば貿易でも恩恵を受ける。過去 6~8 週間では、国債スプレッドの拡大に
見られるように圧力がかかっている。しかし、今年のパフォーマンスは上位に入る。
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Q:ブラジルの 10 年国債のスプレッドの拡大はさらに大きい。同国に対する見方は。
A:ブラジルはメキシコよりも最近になって投資した。課題も多く金利も上昇し、為替にも圧力がかかって
いる。しかし、為替は中銀が介入する水準にあると考えている。金利上昇は、中銀が引き上げなければなら
ないだろう幅を上回っている。過去数週間で国債と一部の社債に投資した。
Q:避けているセクターは。
A:欧州の経済見通しを懸念してきたため、トルコやハンガリーといった欧州の新興国を避けている。中国
の経済成長率も懸念しているため、同国の影響を受けやすいアジア諸国も避けてきた。米ドルを好んでいる
ため、円とユーロをショートとしてきた。
■ 米国の銀行の社債にも投資
Q:米国内で投資機会があるとみている他の分野は。
A:社債市場では、銀行を最も選好している。金融危機で極めて厳しい状態に陥ったが峠を越した。政策決
定者の目的は、危機で生じた問題が再び発生しないようにすることだ。銀行は、昔は厳しい規制下にあり、
スプレッドも社債の中で最も低かった。公益企業と同様に、政府の政策当局が確実に見返りをもたらすだろ
うと考えられていたためだ。
現在、規制当局は銀行に対して、自己資本の引き上げとリスクの高い事業の縮小を強制している。シニア債
の保有者の観点でいうと銀行の信用度は高まるだろう。銀行に関しては広範囲のポートフォリオを有してお
り、その中には、ウェルズ・ファーゴ(WFC)
、バンク・オブ・アメリカ(BAC)
、JP モルガン・チェース
(JPM)
、シティグループ(C)が発行した債券を含んでいる。
Q:心配していることはあるか。
A:二つの主要リスクがあるが、硬貨の裏と表だ。一つは、景気拡大が金利とインフレ率の上昇につながる
ことだ。短期的には債券の弱気相場になるだろうが、景気拡大は悪いことではない、雇用や収入が増加し、
企業業績も改善し、ハイイールド債が好調になるだろう。世界経済が癒やされるために新興国も好調になる
だろう。どちらかといえば恐ろしいリスクではない。
むしろ、世界経済または米国経済の足踏み状態の方が恐ろしいリスクだ。だからこそ各国中央銀行は低金利
を積極的に維持してきた。高水準の失業率と余剰生産能力にかんがみると、経済の足踏みは景気後退につな
がる可能性がある。これが、FRB が過去数年間に幾度も懸念してきたことだ。われわれは FRB よりも楽観
的で景気後退入りすると考えたこともなく、現在でも景気後退を予想していない。しかし、懸念材料ではあ
る。
Western Asset Core Bond Fund Class
I (WATFX)
Fannie Mae (FNMA)
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Wells Fargo & Co (WFC)
Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.
バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
Bank Of America Corporation (BAC)
JPMorgan Chase & Co (JPM)
Citigroup Inc (C)
チャートは 3 年
By LAWRENCE C. STRAUSS
(Source: Dow Jones)
3. Why The Fed Wants Higher Prices 資産価値の上昇がカギ
景気回復のためにプラスの資産効果を利用しようとしている FRB
【資産効果】
■ 資産効果の度合いを決定する二つの資産クラス
このところ、資産効果のメリットに対する注目度が高まっている。米
国経済が金融危機からの脱却に四苦八苦する中、資産効果は回復力を
見出す上で基礎的な役割を果たす。ところが、米連邦準備制度理事会
(FRB)は現在の政策声明で資産効果を無視している。そのやり方は
結果主導なのだ。FRB はインフレ率が 2.5%前後、あるいはそれ未満
であり続けることを条件に、失業率目標を 6.5%と定めている。
FRB が詳しく説明していない重要な問題に、住宅価格と株価の上昇が、より活発な経済活動、そしてより早
い経済回復につながるという考え方、つまり資産効果の影響がある。
資産効果は資産価格の変化で決定される。米国では、二つの資産クラスが資産効果の度合いを決定する。住
宅と株式市場である。
■ 住宅
経済学者のカール・ケース教授、ジョン・キグリー教授、ロバート・シラー教授らによる独創的な研究では、
2012 年までの 37 年間にわたる住宅セクターの資産効果を検証した。その結果は全米経済研究所(NBER)
の報告書 18667 として発表されている。教授らは 2007 年に始まった金融危機でこれに大きな変化が起きた
ことを突き止めた。
金融危機以前に米国が数十年にわたって経験してきた住宅・景気循環において、住宅にはプラスの資産効果
しかなかった。経済学者たちの研究で、住宅価格が上がると家計消費は増えるが、住宅価格が下がっても目
立った消費の減少はなかったということが示された。住宅による資産効果は、最近の金融危機まで決まって
プラス効果だったのである。
ところが、2005~2009 年にかけての住宅価格の暴落は、米国に初めてマイナスの資産効果をもたらした。
経済学用語で弾性値と呼ばれる資産価格の変化に対する個人消費の反応の測定値は大きかった。教授らの研
究では、2001~2005 年の住宅価格の実質的な上昇は家計消費を約 4.3%押し上げ、2005~2009 年の実質的
な下落は、家計消費が 3.5%落ち込んだことと関連性があったとしている。
かつては消費者が手取り給与以外でキャッシュフローを生み出す主な手段だったモーゲージ・エクイティ・
ウィズドローワル(MEW、住宅資産の含み益を譲渡以外の方法で現金化する方法)は 2006~2008 年の住
宅価格の暴落以降、回復の兆しを見せていない。住宅資産からのキャッシュフローの減少は購買力や個人消
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費の低下を示唆し、従って住宅の資産効果も小さくなる」と両氏は述べている。
FRB の政策は雇用やインフレ率目標を重視しているというが、政策決定者たちは資産効果が小さいと自分た
ちの仕事がより困難になるということを認識している。金利が非常に低い水準に保たれているのもそのため
だ。プラスの資産効果を実現するために、FRB は住宅価格が上昇することを望んでいる。そのためには住宅
購入のための資金調達コストを下げ、その状態を維持しなければならない。
FRB はこの政策を貫いており、
徐々に成果が表れ始めている。
4 年前に大半の州で下落していた住宅価格は、
今や 40 以上の州で上昇している。そのうちに、住宅に関連したプラスの資産効果が加速し始めるはずだ。
そのモメンタムは米国経済を回復させ、より力強くすることに一役買うことになるだろう。どれぐらいの時
間がかかり、どれほどの資産効果が出るのかはまだ分からないが、ここで紹介した研究や、それに似た他の
研究は、変化の速度が当初は遅くなるということを示唆している。
■ 株式市場
株式市場の資産効果はまた別物である。株式市場の資産効果の威力は、住宅に関連したものと比べて約 3 分
の 1 であることが証拠で示されている。なぜかという問いに答えるのは難しい。保有されている株式の多く
が、確定拠出年金(401k)
、基金、年金制度、個人退職勘定(IRA)など、簡単には消費支出に転換されな
い種類の投資手段に組み込まれているということもある。金融危機当時、401k(40 万 1000 ドル)の価値が
101k(10 万 1000 ドル)まで減ったという笑えないジョークがあった。ここでもマイナスの資産効果が働い
たが、その影響は住宅価格の下落の方がよっぽど深刻だった。
景気回復の兆しが見え始めた 2013 年に資産を配分していると、プラスの資産効果が見えてくる。上昇軌道
にある株価が徐々にそれを生み出しているのだ。株価の上昇が消費や投資に転換され、そうした動きが投資
家の間で少しずつ広がっている。これは、回復が続いている住宅価格についても同じことが言える。
とはいえ、資産価値の持続的な上昇が起こるまで低金利政策を継続させるという決意が FRB にあるのかど
うかという大きな疑問は残る。低金利は資産価格に上向きのバイアスを作りだす。これは住宅価格、株式、
美術品、収集品、不動産、そして金利の動きに敏感なほぼ全ての商品についても言える。
ところが、量的緩和の手段としての超低金利政策をどれほど長く続けるかに関しては、FRB 内でも意見の相
違がある。FRB は雇用とインフレに関して目標値を設けているが、資産価値の水準、方向性、変化率につい
ては目標を定めていない。
■ 金利の見通し
FRB がそれを公にしたがらないということは過去を振り返れば分かる。住宅からの利益を一般世帯に保証し
たくないのと同様に、トレーダーたちのために株価水準や上昇幅を保証するということをしたくないのだ。
それでも FRB の政策決定者たちは経済を持続可能な成長率に押し上げるためにはプラスの資産効果が必要
だということを承知している。公にはその目標値に関して沈黙していたとしても、FRB がこうした資産効果
について考えているということを投資家は知っておくべきだ。
そのため、金利はある程度の長期間、低く保たれることになるだろう。そして、こうした低金利は資産価格
の上昇を促すことになる。住宅のような他の資産クラスと同様に株式市場の価値も上向いている。資産効果
は重要なのだ。
筆者はニュージャージー州バインランドにある投資顧問会社、カンバーランド・アドバイザーズの会長兼最
高投資責任者である。
By DAVID KOTOK
(Source: Dow Jones)
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4. The Trader またしても史上最高値更新
バーナンキ議長の講演を受けて金融政策に対する安心感が広がる
【米国株式市場】
■ NY ダウと S&P500 指数が高値
今年に入ってからダウ工業株 30 種平均(NY ダ
ウ)は、先週の金曜日を含めて 25 回史上最高
値を更新した。S&P500 指数は 19 回で、ナス
ダック総合指数は、金曜日にドット・コム・バ
ブルだった 2000 年 9 月以来の戻り高値を付け
た。この速さは、かつてのホームラン王のバリ
ー・ボンズが記録を作ったときの速さをしのぐ
ようだ。連邦準備制度理事会(FRB)のバーナ
ンキ議長が株式市場の上昇のために充電してい
るかのようだが、さすがに直近の上昇に関して
は、やや不自然な感じがすることを指摘してお
きたい。
バーナンキ議長は先週の講演で、債券購入額の
縮小が来年の金利引き上げにつながるとの投資
家の懸念を和らげた。景気が回復して失業率が
6.5%以下に低下しても、フェデラルファンド
(FF)金利がゼロにとどまる可能性があると述
べたからだ。
ジョーンズ・トレーディングのチーフ・マーケ
ット・ストラテジストを務めるマイケル・オル
ーク氏は、バーナンキ議長が事実上「金融政策
のコントロールを市場に委譲してしまった」と
レポートで論じた。同時に「FRB は出口政策が
うまくいかないことを認めており、市場も金融
緩和を停止する能力について疑っている」との
見方も記されていた。
バーナンキ議長の講演をきっかけに金利敏感セ
クターである住宅建設株が急騰し、同時に「不
動産投資信託(REIT)やモーゲージ REIT、公
益株そして貴金属市況が、9 カ月間の調整の後
の新たなリフレがらみの買いに支えられて上昇した」ともオルーク氏は書いており、住宅建設株がさらに上
昇すると「同セクターには非常に大きな空売りの機会が訪れることになる」と考えている。
先週 NY ダウは 2.17%上昇して 1 万 5464 ドル 30 セントで引け、S&P500 指数は 2.96%高の 1680.19 とな
った。
ナスダック総合指数の上昇率は 3.47%に達して 3600.08 となり、
小型株のラッセル 2000 指数は 3.10%
上昇して 1036.52 で週末を迎えた。
■ 市場の予想を上回る企業業績
先週発表された経済指標や企業業績は、投資家に自信を与えるような内容だった。特に月曜日引け後のアル
コア(AA)から始まった企業業績の発表では、アルコアが堅調な内容だったほか、金曜日に発表された JP
モルガン・チェース(JPM)やウェルズ・ファーゴ(WFC)の決算もアナリストの予想を上回った。ただ
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Copyright © 2013 Dow Jones & Company, Inc.
バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
し、アナリストは過去数カ月間で利益の予想を引き下げていたため、予想を上回ったものの、市場に対する
影響はそれほど大きくはなかった。
ウォーレン・フィナンシャル・サービスのシニア・エコノミス
トであるトロイ・ローガン氏は「市場の予想を上回っても引き
下げられた予想を上回ったにすぎない」と述べるが、同氏は米
国株式市場、特に金融株については強気姿勢を維持した。
一方、ヌビーン・アセット・マネジメントのチーフ・エクイテ
ィ・ストラテジストであるボブ・ドール氏は、市場が上昇基調
を続けるためには企業業績の加速が必要だと指摘し、
「裏付け
のある株価の上昇には、株価収益率(PER)の拡大ではなく、
利益の上昇が必要になる」と述べる。もし利益の拡大がないと
すると、S&P500 指数は調整局面の下値だった 1560 と取引時
間中の高値である 1687 の間で、しばらく横ばいの推移になる
とドール氏はみている。
市場を落ち着かせるためには、しばらくバーナン
キ議長は発言を控えた方がよいという強い意見も
市場には見られる。
しかしそうもいかないようだ。
議長は来週も議会に呼び出されて FRB の姿勢に
ついて述べることになっているからだ。
■ 増配期待の銘柄
REIT や公益株のような高配当銘柄は、FRB の高
官が毎月 850 億ドルの国債等の購入枠の縮小につ
いて述べ始めた 5 月以降、
厳しい値動きとなった。
低金利に対抗してインカムを稼げる安定的な資産
であると投資家が考えて大きく買い上げられた後だっただけに、下げ幅が拡大した。
高配当株の相場は終わってしまったのだろうか。高配当株の中で、特に配当性向の高い銘柄に関しては終わ
ったと考えられるかもしれない。バンク・オブ・アメリカのエクイティ・ストラテジストであるサビータ・
スブラマニアン氏は 6 月に開かれたコンファレンスで「高利回り株は必ずしも安全ではない」と述べた。同
氏は S&P500 指数採用銘柄の中で高利回りの銘柄はリスクが高く、値動きが大きいとしても、注目すべきは
配当を増やす能力のある企業であると指摘した。
マークイット・ディビデンド・リサーチの先週のレポートによると、第 3 四半期中に S&P500 指数採用銘柄
の中で増配する可能性のある企業は昨年の同時期の 58 社から 59 社に増える見込みだ。
同社は本誌のために、
第 3 四半期中に増配する可能性のある企業のうち、配当の予想増加率で上位 10 社を集計してくれた。
上位の 2 社はエネルギー関連のヘス(HES)とノーブル(NE)で、両社とも既に増配の意向を公表してい
る。トップのヘスは探査と生産の二つのビジネスに集中するために多くの資産を売却しており、合計で 75
億ドルに達するとの試算もある。資産売却によるキャッシュの多くは株主還元に使われる予定で、40 億ドル
の自社株買いに加えて、
1 株当たりの配当が 10 セントから 25 セントに 150%増加するとの見方が出ている。
マークイットで配当関連の調査を指揮するチャイタニア・ゴヒル氏は、ヘスは増配を続け、2014 年も 20%
の増配があると予想している。その場合、株価が横ばいならば配当利回りは現在の 1%以下から 2%近くに
上昇するという。
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2 番目のノーブルはオフショア油田掘削会社で、キャッシ
ュフローを株主還元に充てる意向を示しており、92.3%の
増配を行って、
結果 1 株当たり配当金は 25 セントとなり、
現在の株価だと配当利回りは 2.6%になると予想される。
ゴヒル氏は「同社の設備投資額は今年の 30 億ドルから
2014 年は 21 億ドル、2015 年は 8 億ドルに減少すると予
想しており、減少分は株主に還元される予定である。同社
の受注残は今後 10 年分で 160 億ドルに達しており、これ
も安心感につながる」と述べる。
第 3 番目には映画の「20 世紀フォックス」などを傘下に持
つトウェンティ・ファースト・センチュリー・フォックス
のクラス A 株(FOXA)が来る。マークイットでは 29.4%
の増配の結果、1 株当たり配当金は 11 セントになると予想
している。
リストには、今や総額ベースでは最も配当金額が大きく、
増配余地が大きいハイテク株が並ぶ。これまでの数年間、
大型ハイテク株であるアップル
(AAPL)
、
インテル
(INTC)
やマイクロソフト(MSFT)は着実に増配を続けてきた。ハイテク株の中では、金融関連ソフトのインテュ
イット(INTU)が第 3 四半期に最も配当を増加させるとゴヒル氏は予想する。同氏によれば、インテュイ
ットは 23.5%の増配を行って 1 株当たりの配当金が 21 セントとなり、直近の株価で計算すると配当利回り
は 1.3%になるという。
■ 主要指標
DJ Industrials
DJ Transportation
DJ Utilities
DJ 65 Stocks
DJ US Market
NYSE Comp.
Amex Comp.
S & P 500
S & P MidCap
S & P SmallCap
Friday's
Close
15464.3
6436.93
498.03
5219.58
423.06
9498.51
2330.07
1680.19
1221.24
583.89
Week's
Change
+328.46
+146.97
+21.09
+132.28
+12.23
+284.33
+55.66
+48.30
+35.13
+15.74
Week's %
Chg.
+2.17
+2.34
+4.42
+2.60
+2.98
+3.09
+2.45
+2.96
+2.96
+2.77
Nasdaq
Value Line (arith.)
Russell 2000
DJ US TSM
3600.08
3882.94
1036.52
17575.06
+120.70
+124.00
+31.13
+508.63
+3.47
+3.30
+3.10
+2.98
Dow Jones Industrial Average (DJIA)
NYSE
Advances
Declines
Unchanged
New Highs
New Lows
Dollar (Finex spot index)
T-Bond (CBT nearby futures)
Crude Oil (NYM light sweet crude)
Inflation KR-CRB (Futures Price
Index)
Gold (CMX nearby futures)
S&P 500 Index (SP500)
- 11 -
Last
Week
2,523
645
45
551
119
3,158.50
82.99
126-030
105.95
286.66
Week
Earlier
1,657
1513
38
295
111
2,728.20
84.44
124-210
103.22
280.72
1277.80
1212.90
Nasdaq Composite Index (NASDAQ)
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JPMorgan Chase & Co (JPM)
Wells Fargo & Co (WFC)
Hess Corp (HES)
Noble Corporation Baar (NE)
Twenty First Centy Fox Inc (FOXA)
Apple Inc (AAPL)
Intel Corporation (INTC)
Microsoft Corporation (MSFT)
Intuit Inc (INTU)
チャートは 3 年(FOXA は 1 か月)
By AVI SALZMAN
(Source: Dow Jones)
5. Malaysia: New Belle Of The Ball 醜いアヒルの子から白鳥に
株式市場の好調が続くマレーシア
【マレーシア】
■ もはや最も安全な投資先ではない新興国市場.
「醜さコンテスト」に居並ぶ出場者の中から最もかわいい参加者を品定めするかのように、投資家が先進国
を比較して投資先を選び出していたのは、そう昔のことではない。今、新興国市場で同じようなことが行わ
れているようだ。
先週、国際通貨基金(IMF)が新興国市場の成長率を 0.3%ポイント下方修正すると、多くの投資家の思い
が再確認された。すなわち、新興国市場は今では最も安全な投資先だと思われていないということだ。中国
経済は減速を続け、IMF の予想成長率は 8.1%から 7.8%に引き下げられた。ブラジル中央銀行は、多くの
抗議デモを引き起こす原因となった物価上昇を抑えるために政策金利を引き上げた。停滞する経済への配慮
はない。そしてロシアは相変わらずの状況だ。
南米のコモディティー生産国であるペルーとチリの株式市場は、それぞれ 30%と 21%下落している。中国
経済の減速で、鉄や銅に対するニーズが低くなることに投資家が賭けている。インドネシア中央銀行は木曜
日に再び政策金利を引き上げ、リターンを低下させる可能性がある。フィリピンは依然として割高な感じを
受ける。そしてトルコでは、最近の一連のデモで金融機関の果たした役割が調査されているが、株式市場が
15%下落した後では、信頼性の回復において必ずしも最良の手段ではない。
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■ 株式市場の成長が期待されるマレーシア
この状況で残るのはマレーシアである。同国が最もダイナミックな新興国市場であると考える投資家はいな
いだろう。経済は第 1 四半期に 4.1%成長して申し分ない水準ではあるが、インドネシアの 6.2%やフィリピ
ンの 7.8%には遠く及ばない。しかし、株式市場は好調で、東南アジア諸国が過去 3 カ月以上経験していな
い上昇を維持している。インドネシア、フィリピン、タイを対象とした ETF が 10%超下落したのに対し、i
シェアーズ MSCI マレーシア・インデックス・ファンド(EWM)は同期間で 2.3%上昇した。
強さの原因は何か。2012 年にフィリピンやタイの上昇率が世界の上位に入った上昇相場に、マレーシアは乗
らなかったということが一つの理由として挙げられる。i シェアーズ MSCI マレーシア・インデックス・フ
ァンドは配当の再投資を含めると、昨年 15%の収益を上げた。一方、i シェアーズ MSCI フィリピン・イン
ベスタブル・マーケット・インデックス(EPHE)のリターンはその 3 倍を超えている。
これまでマレーシアの政権与党が今年の選挙で敗れる可能性があり、大きく期待されていた経済改革が軌道
から外れるかもしれないという懸念も投資家は持ち合わせていた。5 月の選挙ではナジブ・ラザク首相率い
る与党連合・国民戦線が勝利したが、
「(その勝利は)市場の期待通りの結果だった」とラッセル・インベス
トメンツの新興国市場ポートフォリオマネジャーであるグスタフ・ガリンド氏は言う。
選挙の結果、与党の政策から恩恵を受けられそうな企業の株価が急騰した。電力会社のテナガ・ナショナル
(5347.マレーシア)が今年 25%上昇した理由として、RS インベストメンツの新興国市場ポートフォリオマ
ネジャーであるマイケル・エード氏は、政府が 2014 年に、原材料コストの消費者への転嫁を容認すること
を計画しているためだと言う。過去 12 カ月の実績株価収益率(PER)は 11.1 倍と割安を維持していること
から、株価はさらに上値を狙えると同氏はみている。
マレーシア株式市場の上昇が止まると考えられる材料はほとんどない。調査会社ネッド・デービス・リサー
チの ETF ストラテジストであるニール・リーソン氏は、相場下落局面の底では、i シェアーズ MSCI マレー
シア・インデックス・ファンド構成銘柄の 45%が 30 日間最安値を記録していたが、現時点では 20%程度が
30 日間最高値を記録している、と指摘する。テクニカル指標を合成したネッド・デービスのマルチファクタ
ー・トレンド・モデルでは、今後 12 カ月間の平均リターンは 17%近くになると予想されている。
結論:
「醜いアヒルの子」としてのマレーシアの時代は終わりを迎えつつあるかもしれない。
iShares MSCI Malaysia Index Fund
(EWM)
iShares
(EPHE)
MSCI
Philippines
ETF
Tenaga Nasional Bhd (MY: TENAGA)
チャートは 3 年
By BEN LEVISOHN
(Source: Dow Jones)
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6. Cutting Through The Confusion 市場の混乱に動じない投資を
【米国債券市場】
債券買い入れが終了することは不可避であり、投資の目先を変えることが必要
■ 明確さに欠ける FRB の声明
かわいそうなバーナンキ議長。世界中で、米連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務める同氏ほど、発言内
容が徹底的に精査される割に誤解され続けている人はいないだろう。
バーナンキ議長が口を開くたびに、
その発言内容をめぐって説明-批
判-改革論者による論説-反論と
いう動きが連鎖反応的に起こる。
すると投資家は、議長が最初に発
言した時よりも FRB の意図がま
すます分からなくなって混乱する。
議長が前言について釈明しようと
すると、また同様の連鎖反応が繰
り返されるという具合だ。
最近の FRB は、金融市場が今最
も気にしている話題、すなわち、
経済や資産価格を下支えしてきた
月額 850 億ドルの債券買い入れを
FRB はどのタイミングで縮小あ
るいは終了するのかについて、あ
いまいな発表や、時に矛盾する声
明を繰り返している。
先週水曜日に公表された 6 月の連
邦公開市場委員会(FOMC)議事
要旨では、新しい見解はほとんど
ないというのが大方の第一印象だった。ところが、金融市場は同時に発表された経済見通しの概要に着目し
た。そこには、
「FOMC 出席者の約半数が、資産買い入れを年末までに終了すべきと指摘した。残りの出席
者の多くは 2014 年まで買い入れを継続するのが望ましいとの見方を示した」と書かれており、FRB の債券
買い入れについて縮小どころか年内の終了を支持する向きが多いことが示唆されていた。
FRB がそれぞれの意見を支持する人数についてあいまいな表現を繰り返していることに業を煮やしたのか、
GMP セキュリティーズのストラテジスト、エイドリアン・ミラー氏は、
「算数は得意だけれど、
“多く”と
“数人”と“約半数”を足してもどうしても 100%にならない」と皮肉交じりに述べた。
「よく分かっていな
い人が聞いたら、FOMC のメンバーは、可能性のあるあらゆるシナリオを想定することに決め、実際に考え
ていることについてわれわれには明確には教えないようにしているとしか思えない」
。
■ 債券買い入れの終了を見込んだ戦略を
市場の困惑は増大し、国債価格は下落の気配を見せたが、バーナンキ議長がその日の午後の講演で、FRB は
必要な限り緩和策を継続し、一部の政策については従来の想定よりも長く続ける意向であるとの見解を改め
て表明したことで市場は落ち着きを取り戻し、10 年物米国債の利回りは前週末の 2.736%から金曜には
2.590%まで低下した。
市場は議長の発言を好感したようだが、果たして議長は正しいことを言ったのだろうか。ここで筆者の友人
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が言った、
「妥当な回答が良い回答であるとは限らない。なぜなら、自分の都合のいいように解釈できるから
だ」という言葉を思い出した。
金融市場はバーナンキ議長の発言が、市場にとって都合の良い「妥当な回答」であることを期待している。
しかし、議長の発言は至って現実的である。量的緩和は終了するべきであるという点は一貫しており、あと
はその時期についての言及が変わるくらいだ。ところが、その現実を目の当たりにして市場が下落するにつ
れて批判は激しさを増している。
議長が少しでも動けば FRB による支援が終了の瀬戸際にある市場から投資家が利益の最後の一滴まで搾り
取ろうとする中で、
議長の行動の余地は狭い。
債券ファンドや金利変動に敏感な投資商品はこの数カ月間で、
利回り急騰によってほとんどのリターンがマイナスとなっている。
バーナンキ議長が思わせぶりな発言をしたり、FRB が一般論を述べたりするたびに市場は動揺しているが、
投資家ならばもっと長期的な視点を取るべきだろう。FRB による債券買い入れが数カ月以内に縮小されるこ
とはほぼ確実と認識すべきだ。長期国債のポジションを減らし、地方債や不動産投資信託(REIT)といっ
た、価格が相当に下落していて売られ過ぎと思われる他のインカム投資に資金を移すことで、先を見越した
計画を立てるのも一手である。
By MICHAEL ANEIRO
(Source: Dow Jones)
7. Preview 今週の予定
新学期を前に
【経済関連スケジュール】
■ 成績が下がりそう?
このような猛暑の中ではとても想像しがたいことだが、も
うしばらくすると新学期が始まる。しかし、新学期セール
の見通しはというと、暑さのせいでしおれているようだ。
「2009 年の景気後退以来で最も悪い状況を予想している」
と述べるのは、小売り関係のリサーチ会社カスタマー・グ
ロース・パートナーズの社長、クレイグ・ジョンソン氏だ。
ジョンソン氏はこれまで、
新学期やホリデーシーズンなど、
小売業界にとって重要な時期の売り上げ動向を正確に予測
してきた。
景気後退のさなかのように売上高が前年比マイナスに落ち込むことはないにせよ、今シーズンの伸びについ
て、ジョンソン氏は、前年比 3.4%増と著しい減速を示すものとみている。2012 年は 4.2%、2011 年は 6.7%
だったが、同氏は当時、それぞれ本誌面上でほぼ正確に言い当てている。
この売上高の見通しについては、レストラン、自動車、ガソリン、住宅のリフォームを除く全てのカテゴリ
ーが含まれるが、ジョンソン氏は、さえない予想の理由として、次の 3 点を挙げている。第一に、小売売上
高の動向をみる上で最大の判断材料となる個人所得が伸び悩んでいることだ。年初来の伸び率は、前年同期
比で 1%未満にとどまっている。そして、消費支出を支える正規雇用の増加が不十分であること、さらに、
自動車の買い替え時期に伴い、その他の消費支出が抑制される傾向にある点を指摘している。
だからといって、e コマース、アパレル、アクセサリーなどの分野が合格点を取れないというわけではない。
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アーバン・アウトフィッターズ(ティッカー:URBN)の高級ブランド「アンソロポロジー」のボヘミアン
調ファッションの人気はまだ続きそうだ。一つ気になるのは、トレンドがマキシドレス(スカート丈が足首
まで)に向かっていることだ。一説によると、これが流行すると株式相場が下落に向かうそうだ。
■ 今週の国債入札
曜日
300 億ドル
250 億ドル
木曜日
150 億ドル
(* 金曜日午後現在)
月曜日
3 カ月
6 カ月
10 年 TIPS
Yields (%)
When Issued*
0.035
0.071
NA
Yields (%)
Last Auction
0.045
0.075
-0.630
■ 今週の予定
7 月 15 日(月)
・ 中国が、第 2 四半期国内総生産(GDP)
、6 月小売売上高、6 月鉱工業生産発表。
・ 6 月米小売売上高発表。ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ジム・オサ
リバン氏は、自動車販売の伸びとガソリン価格の上昇により大幅な増加が見込まれると述べている。
・ シティグループ(C)が現地時間午前 10 時に四半期決算発表。
・ サブプライムローン関連商品をめぐり投資家を欺いたとして提訴されたゴールドマン・サックスの元従業
員ファブリス・トゥール氏の裁判がニューヨークの連邦裁判所で始まる。
・ バンク・オブ・アメリカ(BAC)
、シティグループ(C)
、キャピタル・ワン・ファイナンシャル(COF)
、
JP モルガン・チェース(JPM)などが 6 月のマスタートラストのデータを公表。クレジットカードの延
滞の状況や貸し倒れ償却の額などが示される。
・ 日本の市場は休場。
・ リゾート物件を所有する住宅 REIT(不動産投資信託)エクイティ・ライフスタイル・プロパティーズ
(ELS)が取引終了時に 1 株を 2 株に株式分割。
7 月 16 日(火)
・ 6 月米消費者物価指数(CPI)発表。オサリバン氏は、ガソリン価格の上昇に伴い前月比 0.5%上昇と予
想。また、7 月 NAHB 住宅市場指数についても、住宅ローン金利の上昇が、建築業者の景況感にどの程
度影響を与えているかが示されるとみている。
・ カンザスシティー連銀のジョージ総裁が、経済情勢と農業について講演。サンフランシスコ連銀のウィリ
アムズ総裁は、カナダのバンクーバーで開かれる「金融政策における節度の正当性」に関する討論会に出
席。
・ イスラエル、チリの市場は休場。
・ 昨年経営破綻した KV ファーマシューティカルが、再建計画に対する債権者投票の実施について破産裁判
所の承認を申請。
7 月 17 日(水)
・ 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、下院金融サービス委員会で、金融政策に関する半
年に一度の議会証言。オサリバン氏は、バーナンキ議長が「はい、緩和策は縮小させます。いいえ、金融
引き締めは行いません」という、いわゆる「良い警官・悪い警官」的アプローチを取り続けるのではない
かとみている。
・ 電力会社 NRG エナジー(NRG)の子会社で、再生可能エネルギーによる発電施設に投資する NRG イー
ルド(NYLD)が新規株式公開(IPO)の条件決定を実施。1958 万株を 1 株当たり 19-21 ドルで公開予
定。住宅建築会社 UCP(UCP)の IPO は 775 万株で、公開価格は 1 株当たり 15-17 ドルとなる見通し。
・ 6 月住宅着工件数発表。オサリバン氏の予想は年換算 93 万 5000 戸で、前月の 91 万 4000 戸を上回ると
みている。
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・ バンク・オブ・アメリカ(BAC)
、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)
、M&T バンク(MTB)
、
PNC フィナンシャル(PNC)
、US バンコープ(USB)など、多くの銀行が決算発表を行う。
・ FRB が地区連銀景況報告(ベージュブック)を公表。
・ カナダ銀行(中央銀行)が、ポロズ総裁就任後初めての金融政策決定会合を開催。政策金利は据え置かれ
る見通し。
7 月 18 日(木)
・ FRB のバーナンキ議長が、前日の下院に続き、上院銀行委員会での議会証言に臨む。
・ 以下の企業が IPO の条件決定を実施。リゾート施設を運営するダイヤモンド・リゾーツ・インターナシ
ョナル(DRII)が 1550 万株を 1 株当たり 16-18 ドルで、工業用不動産を所有する REIT のレックスフ
ォード・インダストリアル・リアルティ(REXR)が 1600 万株を 1 株当たり 13-15 ドルで、オンライン
クーポンを手掛けるリテールミーノット(SALE)が 909 万株を 1 株当たり 20-22 ドルで、メディア・娯
楽分野を専門に企業買収を行うシルバー・イーグル・アクイジッション(EAGLU)が 2500 万ユニット
を 1 ユニット当たり 10 ドルで、それぞれ公開予定。
・ 経営破綻したホテルチェーン、エクステンデッド・ステイの買収をめぐる訴訟で、ニューヨークの破産裁
判所が、1000 万ドルの和解案について検討。
・ 地銀大手 BB&T(BBT)
、金融大手キャピタル・ワン・ファイナンシャル(COF)
、銀行持ち株会社キー
コープ(KEY)が四半期決算発表。
7 月 19 日(金)
・ モスクワで 20 カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議。
・ スウェーデンの家電大手エレクトロラックス(ELUXY)がニューヨークで投資家向け説明会を開催。
7 月 21 日(日)
・ 日本の参議院選挙の投票日。
Urban Outfitters Inc (URBN)
チャートは 3 年
By ROBIN GOLDWYN
BLUMENTHAL
(Source: Dow Jones)
8. Up & Down Wall Street 「マッドメン」のパートナー
ヘッジファンドの広告解禁 バーナンキ発言で揺れる市場
【コラム】
■ ヘッジファンドの広告解禁
マティーニのジンとベルモットのように、合わせると相性が良いものがある。さて、ヘッジファンドと広告
はどうか。証券取引委員会(SEC)は先週、80 年間禁止していたヘッジファンドの広告を解禁した。たばこ
は健康に良くないため、たばこの広告は何十年も厳しく規制してきた政府だが、富裕層の富にとって有害な
ものを広告するのは構わないと判断したようだ。
広告とは、商品よりは買い手が重要なポイントで、買い手自身が良い気分になり、これまで満たされなかっ
た欲求を充足させなければならない。それだけで、特に必要もなく、欲しいと思ったことさえないものを買
わせることができるのなら、やってみるとよいだろう。
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
広告の目的を達成するために、ファンドマネジャーをこれが「アルファ」だと前面に出すことはまずないだ
ろう(アルファは超過リターンを指すだけでなくトップという意味でもある)
。
米国のロト宝くじのキャッチフレーズは「1 ドルと夢さえあれば」だが、広告業界を描いたテレビドラマ「マ
ッドメン」の主人公ドン・ドレーパーを起用して「1%と夢さえあれば」と広告するのはどうか。それにし
ても、富裕層を守るためヘッジファンドの広告を長きにわたり禁止していたのに、貧しく、疑うことを知ら
ない人たちの貴重な金を宝くじに使わせるようにする広告はなぜ禁止されないのか。結局、宝くじでもうけ
るのは政府だからなのかもしれない。
ヘッジファンドにとって広告は、売っている商品から注意をそらすことができるため非常に好都合だろう。
バンクオブアメリカ・メリルリンチによると、第 2 四半期のヘッジファンドのリターンは 0.13%で、一方
S&P500 指数は 2.36%上昇した。短期的なスランプかというとそうでもないようで、2010 年末から 7 月 9
日までの間に、HFR エクイティ・ヘッジファンド・インデックスは 10%以上下落した(S&P500 指数は約
39%のリターン)
。
一般向けの金融商品は 1000 万ドルが 1400 万ドルになるというのに、1000 万ドルが 900 万ドルになってし
まう特注のぜいたく品を売るという難題を突き付けられたなら、テレビドラマに出てきた広告代理店はどん
なプレゼンを作成するのだろうか。
優越感を売りにすることはできよう。ヘッジファンドに投資したなら、金を捨てる余裕があるほど金持ちだ
という証拠になるわけだ。有名なヘッジファンドに金を預けて、それが溶けてなくなっていくのを見るほど
富を感じさせるものはない。リゾート地のハンプトンズで何百人もの友人を招いてパーティーを開いた時の
会話の口切りにもってこいで、さらにこういう舞台そのものもコマーシャルにぴったりだ。
ヘッジファンドの優位点を強調することもできよう。
「お抱えシェフに、パーソナルトレーナー、自家用飛行
機と、何にでもお金を惜しまぬあなたにはヘッジファンドがふさわしい」というのはどうか。他にもいろい
ろ思い付く。
「増税の時代、当ヘッジファンドはキャピタルゲインの相殺が可能」
。
「船など買えば、お金が流
れ出す穴になる。既にヨットがあるなら、次はヘッジファンドを買おう」
。
「ヘッジファンドに投資すれば、
別れた妻や放蕩息子たちに残す金もなくなりすっきり」
。
もちろん、まともなヘッジファンドもある。年金基金や大学の財団などは、ヘッジファンドなどのオルタナ
ティブ投資に小さな割合を割いているが、
長期で見た場合、
多くのヘッジファンドはヘッジを提供しており、
ポートフォリオの価値急減を幾分か緩和した。ヘッジファンドの選定はプロの仕事で、掘り下げてマネジャ
ーの戦略を研究したり、ポートフォリオ全体の中での位置付けを検討したりする。このようなプロが広告で
懐柔されるものだろうか。
■ バーナンキ発言で揺れる市場
ヘッジファンド側は、自分たちの戦略がうまく機能しないのは、中央銀行が市場に介入するからだと言い訳
するかもしれない。最近のように連邦準備制度理事会(FRB)がコミュニケーションを政策ツールとして使
用し、毎週のようにシグナルを変えた場合はどうか。強気側に振れた場合は先週のように急騰となる。
3 週間前にバーナンキ FRB 議長は記者会見で、量的緩和第 3 弾(QE3)終了の日程を策定するように要請
を受けたと述べた。FRB の経済予想通りになるという大胆な前提によれば、FRB は今年後半に債券購入を
段階的に縮小し、2014 年半ばには完全に終了する可能性もありそうだった。先週水曜日、バーナンキ議長は
米国経済の見通しについては楽観的だと述べたものの若干の留保を残した。中でも失業率 7.6%は雇用情勢
を誇張しており、インフレは FRB の目標とする 2%をかなり下回って推移していると述べた。
このような QE 縮小はないとのほのめかしに対応して、世界中の市場は急騰した。ダウ工業株 30 種平均や
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
S&P500 指数は最高値を更新し、新興国市場や米国の小型株など流動性に依存するセクターは大幅に上昇し
た。住宅建設など景気循環連動銘柄は特に恩恵を受けた。
9 月 17~18 日の連邦公開市場委員会(FOMC)は、段階的縮小開始発表の日と多くの人が考えていたが、
今やそうではなさそうだ。第 2 四半期の国内総生産(GDP)の実質成長率は、第 1 四半期の 1.8%に続き 2%
を切る可能性がある。第 3 四半期は 2%台となる可能性もあるが、QE を中止するほど堅調とはいえないだ
ろう。では、どうして FRB のメッセージはあいまいなのか。FRB は QE 縮小を念頭に置いているわけでは
なく、過剰な流動性供給が引き起こしたバブルっぽい動きを懸念しているというのがこちらの見解だ。株式
市場が高値を更新しただけでなく、ジャンク債の利回り急低下、レバレッジをかけたモーゲージ REIT の急
騰などは一部高官をためらわせている。縮小をちらつかせるが実際には行動しないで、市場を冷ましている
可能性がある。
5 月後半のバーナンキ議長の議会証言以来、30 年の固定金利住宅ローンの金利が 1%ポイント上昇した。具
体的に 20 万ドルのローンの場合、毎月の元利返済額は 3.5%なら 898 ドルだったものが、4.5%なら 1013
ドルに増加する。メディアの説明によると、住宅ローン金利は 10 年物米国債の利回りに連動しているとい
う。米国債の利回りは 5 月初旬の 1.6%から先週のピーク時は 2.70%まで急上昇した。しかし、実際のとこ
ろは逆で、住宅ローン担保証券(MBS)の大量売却が米国債の利回り急上昇を誘発したのではないか。米国
債は流動性が低い MBS のヘッジとして使用されている。ドイツ銀行の推定によると、モーゲージ REIT は
第 1 四半期末から約 290 億ドルの住宅ローン証券を売却しており、さらに 120 億~240 億ドルを売却する必
要があるかもしれない。他にも MBS に投資するミューチュアルファンドやヘッジファンドなどはヘッジの
ために米国債を売却する必要があった。
住宅ローン金利上昇の影響は JP モルガン・チェース(JPM)やウェルズ・ファーゴ(WFC)の第 2 四半期
の決算に明らかに見える。JPM のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、
「住宅ローンの金利が
現在の水準でとどまると、重大なことになるかもしれない」と述べたと伝えられる。住宅市場は今年の経済
の中で明るい点の一つで、財政支出の強制削減の悪影響を一部相殺した。住宅ローン貸し出し減少は都合の
悪い時期に重なったかもしれない。中国や他の新興国市場から欧州まで世界的に経済が低迷の兆しを見せて
いる。原油価格の上昇もプラスにはならない。
S&P 500 Index (SP500)
Dow Jones Industrial Average (DJIA)
JPMorgan Chase & Co (JPM)
Wells Fargo & Co (WFC)
チャートは 3 年
By RANDALL W. FORSYTH
(Source: Dow Jones)
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9. Mission Impossible Ahead 金利上昇に備える
住宅建設株、金融株に注目
【株式市場展望】
■ 金利上昇に対する備え
数週間前に、景気が十分に回復すれば月額 850 億ドルの債券購入の規模を縮小すると発言した米連邦準備制
度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、先週、当面は極めて緩和的な金融政策を継続することを約束した。
これを受けて、
先週 S&P500 指数は高値を更新し、
10 年物米国債の利回りは 2.6%を下回る水準まで下げた。
しかし、間違えてはいけない。たとえ姿勢は若干軟化したとはいえ、金融政策は変更されたわけではない。
一連の展開で浮き彫りになったのは、この先、極めて困難な任務が控えているということだ。FRB は市場が
低金利の資金に過剰に依存する状況に陥る前に、資金を引き揚げる必要がある。
■ 住宅建設株を選好
つかの間の猶予にもかかわらず、債券ストラテジストは 10 年債利回りの年末の目標を 3%に向けて上方修正
している。米国の 30 年住宅ローンの平均金利は 2 カ月間で 3.35%から 4.51%に急上昇し、借り換えは急減
した。前回の景気後退の原因となった銀行と住宅市場は最近アウトパフォームしている。金利の上昇はこの
回復にどのような影響を及ぼすだろうか。
住宅建設株の株価は 20 カ月で 4 倍になったが、5 月以降に 20%調整して再び弱気相場入りした。現在の販
売ペースでは、逼迫(ひっぱく)している住宅在庫はわずか 4 カ月で底をつくだろう。しかし、企業価値は
キャッシュフローの 25 倍であり、住宅建設株は住宅市場の回復を大きく織り込んでいる。
住宅建設株の投資家は今何をすべきだろうか。ゴールドマン・サックスのアナリスト、イーライ・ハッケル
氏は最も成長可能性の高い地域に焦点を絞るべきだという。同氏が推奨するのは、住宅建設大手のライラン
ド・グループ(RYL)で、同社は最近、フェニックスやノースカロライナ州のシャーロット、ローリーのよ
うな堅調な市場の小規模の建設業者を買収した。ライランドの主要市場における建設許可件数は年初来で
44%増加した(全国平均は 26%)
。ライランドの住宅の購入者の 4 分の 3 が、手持ちの物件を売却しそれよ
り高い物件を購入している。彼らは高い購買力を持ち、初めて住宅を購入する人よりも住宅ローンを獲得し
やすい。
ハッケル氏はトール・ブラザーズ(TOL)のような高級不動産の建設業者も選好している。米国の富裕層は
株価の上昇から最も恩恵を受けており、住宅ローンにそれほど頼っていない。
■ 金融セクターにも追い風
金利上昇は金融株にも追い風となる、とモルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのシニア・エクイ
ティ・ストラテジストのハーナンド・コルティナ氏はいう。S&P500 指数は高値を更新したが、金融セクタ
ーの株価は出遅れており、2007 年のピークを 50%下回っている。規制の厳格化が妨げとなり、金融セクタ
ーの株主資本利益率(ROE)は金融危機以前の 15%から 8%に低下し、株価純資産倍率(PBR)は 1.2 倍と
2000 年の 3 倍、2007 年の 1.8 倍を下回る。
基本的に短期で借り入れた資金で長期の融資を行う銀行は、10 年と 2 年の金利のスプレッドが拡大すること
で利益は大きくなるとコルティナ氏は指摘する。イールドカーブのスティープ化は、銀行の貸し出し意欲を
高め、信用供給を改善することで、与信コスト上昇を相殺する。
保険会社は保険の引き受けと保険金の支払いまでに保有するキャッシュからの利益に依存しているため、低
金利に苦しんでいる。保険会社は現在金利上昇によって投資収益は改善している可能性がある。一方、不動
産投資信託(REIT)は住宅ローンコストの上昇が物件購入の妨げになっていることに加え、金利上昇で REIT
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の配当利回りの魅力が相対的に低下する可能性がある。コルティナ氏は、賃借期間が相対的に短く、需要が
回復すれば賃料を改定できるアパートを投資対象とする REIT に焦点を絞ることを推奨する。
■ 金利上昇で経済は縮小
史上最低水準からの金利上昇で株価が必ずしも大幅に下落するわけではないが、企業収益が再び拡大し始め
るまでは金利の変動には注視が必要だ。
「信用市場は株主に低利で資金を提供し、その結果、株価は高水準に
とどまっている」とマクロメイブンズのステファニー・ポムボイ氏は指摘する。
企業はキャッシュが潤沢だが、その大部分は大企業が保有している。最近の金利急騰を受けて、月次ベース
のクレジット商品の発行額は 2600 億ドルから 580 億ドルに縮小した。株主の怒りを鎮めるために、自社株
の買い戻しに頼った企業はどれほどあることか。1 株当たり利益(EPS)は金融危機以前のピークを 10.6%
上回っているが、純利益は 3.3%しか増えていない。
1 月から、金融緩和縮小が口にされ始めた 5 月下旬までの間、株式市場の時価総額は 2.8 兆ドル増加したが、
米国経済の規模は 5000 億ドル増えたにすぎないとポムボイ氏は指摘する。同期間のクレジット商品の発行
総額は、約 2 兆 3000 億ドルにも達する。同氏は「株式市場の先行きを決定するのが、成長(実質的な成長
と借り入れによる成長)だとしたら、過去 6 週間で 4 分の 1 まで発行が縮小したことは、今後の株式市場の
厳しさを示唆している」と述べる。
S&P 500 Index (SP500)
Ryland Group Inc (The) (RYL)
Toll Brothers Inc (TOL)
チャートは 3 年
By KOPIN TAN
(Source: Dow Jones)
10. PC Market Isn't Dead Yet, But It's Barely Breathing 死んではいないが危篤 【PC 市場】
PC 販売は記録的なペースで落ち込んでいるが、関連銘柄は好調
■ 市場は回復を期待するが・・・
昨年 10 月、本誌はカバーページに墓碑のイ
ラストを載せ、
“R.I.P. PC”
(PC よ安らかに
眠れ)と銘打って多くの人を当惑させた。今
のところパソコンはまだ死に至っていないよ
うだが、
容体が思わしくないのは間違いない。
今年上半期の PC 出荷台数は 11%減少。調査
会社の IDC によると、
第 1 四半期は調査開始
以来で最悪だった。一方、ガートナーの調査
では、第 2 四半期は前年同期比で 5 四半期連
続の出荷台数減少となり、最長記録を更新し
た。第 2 四半期の PC 出荷台数は 7600 万台
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
で、景気後退に向かい始めた 2008 年初めの水準に戻った。
市場は今年下半期の PC 販売の回復を予想している。インテル(INTC)は Haswell(ハズウェル)と呼ば
れる新マイクロプロセッサーを投入したばかり。このチップは省電力性に優れ、インテルが提唱している「ウ
ルトラブック」のさらなる薄型化とバッテリー持ち時間の延長を実現し、このカテゴリーの起爆剤になると
期待されている。また、マイクロソフト(MSFT)はウィンドウズ 8 の大規模アップデートを行う見通しだ。
そうだとしても、デスクトップとノートブックの悲観的な見通しに大きな変わりはない。PC 市場は、全般
的な回復を阻む構造的および文化的な変化を経験しつつある。
構造面では、景気要因が法人向け PC の買い換えを妨げている。失業率は 7.6%とまだ高く、デスクトップ
PC の大幅入れ替えを促すほどの雇用は起きていない。
中国のレノボ(992/香港)のような新興ブランドが市場シェアで首位に立つ状況では、業界が復活している
とはとても言い難い。ガートナーによると、レノボのシェアは 1 年前の 14.9%から 16.7%に拡大したが、出
荷台数は減っている。
■ ネットブックの不振も要因に
そしてもう一つの、恐らくは最も重要な構造要因は、非常に安価ながら性能が不十分だったネットブックの
凋落(ちょうらく)だろう。
最近数四半期で最も出荷台数が減少し、シェアを落としたのは、数年前にネットブック旋風を巻き起こした
2 社だった。エイサー(2353/台湾)は昨年第 3 四半期から出荷台数の 2 桁減少が始まった。エイスーステッ
ク・コンピューター(2357/台湾)も今年第 2 四半期に 20%減少した。
ネットブックの最新形態であるクロームブックはグーグル(GOOG)のクロームを基本ソフト(OS)とし
て採用したもので、グーグルの他、サムスン電子(5930/韓国)が製造している。価格は 199 ドルと非常に
安い。しかし、現時点で最も頼れるデータによると、クロームブックがウェブ閲覧に占める割合は 1%に満
たない。PC 関連で最もホットな製品は、実はホットでも何でもないのかもしれない。
そしてこれらが文化的な変化をもたらしている。RBC キャピタルのアミト・ダリャナニ氏の試算によると、
タブレットコンピューターの今年の販売台数は 1 億 9600 万台に達する見込み。
これは PC の約 3 分の 2 で、
出荷台数の伸び率は 63%に上る計算だ。
意外にも、
それよりも重要なのは、
ウォール街がスマートフォンの販売台数予想を下方修正していることだ。
サムスンとアップル(AAPL)は、両社がセグメントを支配する高価格帯のスマートフォンが期待に応えら
れていないとの懸念から、圧力を受けている。
それは、単純にターゲット層で飽和が起きているためでもあるが、それよりも重要な理由として、人々の関
心がハードウエアより、そういったデバイスで使用できるコンテンツやアプリケーションの種類に向けられ
るようになったことが挙げられる。ユーザーは複数デバイスでテレビを見るようになり、スマートフォンや
タブレットで仕事、そして遊びをする方法も増えてきた。
■ 株価は好調
その点が PC にとっての真の問題だ。確かに、PC は動かしたいソフトウエアを何でも動かせる。しかし、
本や映画、音楽、アプリケーションといったコンテンツのスムーズな消費には向かない。一方、アップルの
アップストアやグーグルのグーグルプレイはそれを実現している。人々はデバイスとコンテンツが密接につ
ながったエコシステムを求めており、それゆえ大挙して非 PC デバイスへと移っているのだ。
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皮肉なことに、旧来型 PC ブランドは今年に入ってから株価を大きく上げている。インテルは 15%高と、ナ
スダック総合指数の 19%に及ばないものの、上昇の大部分は第 2 四半期に記録した。マイクロソフトは 34%
上げている。ヒューレット・パッカード(HPQ)はレノボに世界首位の座を奪われたにもかかわらず、回復
の兆しを見せていることで 84%上昇。デル(DELL)はマイケル・デル最高経営責任者(CEO)と投資家の
カール・アイカーン氏の間で戦いが起きていることにより、31%上げた。
PC 市場が軟調であることを踏まえると、今年に入って変わったのはファンダメンタルズではなく、投資家
のセンチメントであることは明らかだ。PC 関連銘柄の好調は夏の間は続くと考えられる。インテルとマイ
クロソフトの配当利回りは非常に高く、デルと HP もしばらく勢いを保ちそうだ。
つまり、PC の見通しは暗いが、PC 関連銘柄についてはそれほど悪くないというわけだ。
Intel Corporation (INTC)
Microsoft Corporation (MSFT)
Lenovo Group Ltd. (HK:992)
Acer Inc. (TW:2353)
ASUSTeK Computer Inc. (TW:2357)
Google Inc (GOOG)
Apple Inc (AAPL)
Nasdaq Composite Index (NASDAQ)
Samsung
Electronics
(KR:005930)
Hewlett-Packard Co (HPQ)
Co.
Ltd.
Dell Inc (DELL)
チャートは 3 年
By TIERNAN RAY
(Source: Dow Jones)
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2013 年 特集記事年間予定表
January
14 ETFs Quarterly Report
14 Mutual Funds Quarterly Report
21 The Barron’s Roundtable, Part 1
21 Davos World Economic Forum
28 The Barron’s Roundtable, Part 2
28 Davos World Economic Forum
28 Hedge Funds Monthly Report
February
4 The Barron’s Roundtable, Part 3
11 Fund Families Special Report
18 America’s Top 1,000 Advisors: State-by-State
25 MLP Roundtable
25 Hedge Funds Monthly Report
March
4 Barron’s PENTA: Where the Wealthy Are Investing Now
11 Review of Online Brokers
18 ETFs Roundtable
25 World’s Best CEOs
25 Hedge Funds Monthly Report
April
8 ETFs Quarterly Report
8 Mutual Funds Quarterly Report
15 America’s Top 100 Financial Advisors
22 Big Money Poll: Barron’s Survey of U.S. Money Managers
29 Hedge Funds Monthly Report
May
6 Barron’s 500: Best-Performing Companies
13 ETFs Roundtable
20 Barron’s PENTA: 100 Best-Performing Hedge Funds
27 Retirement: America’s Top 50 Annuities
27 Hedge Funds Monthly Report
June
3 America’s Top 100 Women Financial Advisors
10 The Barron’s Roundtable, Midyear Recap
17 Most-Respected Big Companies
24 Retirement
24 Hedge Funds Monthly Report
Special News Reports
July
8 ETFs Quarterly Report
8 Mutual Funds Quarterly Report
15 America’s Top Advisory Teams
22 Barron’s ETFs Handbook
29 Hedge Funds Monthly Report
August
5 Best and Worst Run States
12 MLP Roundtable
19 America’s Top 100 Independent Financial Advisors
26 Hedge Funds Monthly Report
September
2 Equity Strategists’ Fall Outlook
16 Barron’s PENTA: Ranking Elite
Wealth Management Firms
30 Hedge Funds Monthly Report
October
7 ETFs Quarterly Report
7 Mutual Funds Quarterly Report
21 Technology Outlook
28 Big Money Poll: Barron’s Survey of U.S. Money Managers
28 AOSI: Picks and Insights
28 Hedge Funds Monthly Report
November
4 Investing in Brazil
11 Retirement
18 ETFs Roundtable
25 Hedge Funds Monthly Report
December
2 Barron’s PENTA: Rating Philanthropies
9 Barron’s Favorite Stocks for 2014
16 Outlook 2014: What’s Ahead for Stocks, Bonds & Mutual Funds
30 Hedge Funds Monthly Report
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THIS WEEK’S MAGAZINE
BARRON'S COVER
1. Citi's World of Promise
Emerging Markets
5. Malaysia: New Belle of the Ball
LEVISOHN
By Sandra Ward
The banking giant's new CEO vows to wring more profit from its
global franchise. Asset sales and a tax break should get him
there.
Advisor Rankings: Top Teams
Top Advisor Teams
By STEVE GARMHAUSEN
Wealthy investors increasingly want to work with advisory
teams, which offer multiple benefits, from brainpower to service
advantages.
Winners and Losers From Immigration Reform
By LESLIE P. NORTON
Despite much skepticism, a comprehensive immigration reform
bill could be passed into law in 2014's first quarter. Here are
potential winners and losers.
Why Entegris Could Clean Up
WILLOUGHBY
By JACK
MercadoLibre's Venezuela Problem
ALPERT
By BILL
The company should benefit from a coming recovery in
semiconductor production, and its success isn't tied to any one
group of customers or products.
MercadoLibre, Latin America's Amazon.com, is a highflying
stock. But it's growth is not what it appears. Why the shares
could fall 50% or more.
Taking It to the Bank
By RESHMA KAPADIA
Banks' loans have become cool, with excellent yields and limited
rate risk. Oppenheimer Senior Floating Rate Fund's Joseph
Welsh explains it.
Interview
2. Why Ben Will Remain
LAWRENCE C. STRAUSS
Your
Friend
By
Kenneth Leech, co-chief investment officer of Western Asset
Management, sees opportunities in several sectors, including
sovereign debt issued by Mexico and Brazil, and corporate and
high-yield bonds in the U.S.
Restoring NCR's Ka-ching!
By DYAN MACHAN
Under William Nuti, 129-year-old NCR has become the leading
seller of ATMs and other digital point-of-sale devices. From the
Bronx to the boardroom.
Other Voices
3. Why the Fed Wants Higher Prices
KOTOK
By DAVID
It's trying to exploit the power of positive wealth effects.
Who Calls the iTune?
By THOMAS G. DONLAN
Don't let government fiddle with competition in the e-book
market.
Market Week
The Trader
4. Another Week, Another Record for Dow, S&P
By AVI SALZMAN
Stocks barrel higher as Fed Chairman Ben Bernanke tapers
talk of tapering. Ten companies that could lift their dividends;
and, why Charles Schwab looks richly valued.
Here's to Diageo's Spirited Growth
GORDON
By KATHY
The world's largest liquor company is riding a wave of
"premiumization," as consumers trade up to top-shelf brands.
International Trader – Asia
Commodity Pain Relievers
By ASSIF SHAMEEN
Asian supply-chain managers can offer a respite to investors
looking to get a little buffer from commodity producers. The
stocks are dirt cheap.
By BEN
With other emerging markets looking ugly, the country sports
new appeal for stock-market investors.
Current Yield
6. Cutting Through the Confusion
ANEIRO
By MICHAEL
Hanging on every word from the Fed isn't going to change the
hard truth: Eventually, QE will end and rates will rise. Plus, a
preference for munis.
Pretzel Logic at the Fed
By STEVEN M. SEARS
Gold Will Regain Luster
By MATT DAY
Don't view the decline in the VIX as an all-clear sign for stocks.
Betting on an earnings bump for CBOE.
Prices fell 23% in the quarter ended June 30. Now they are
stirring, and rising.
DEPARTMENT
•Charting the Markets
•Research Reports
7. Preview
•Insider Transactions
•Mailbag
• Market Watch
•Review
•Follow Up
•Corrections Amplification
•13DFilings
Columns
Up and Down Wall Street
8. Mad Men Meet Their Match
FORSYTH
By RANDALL W.
The U.S. gives the green light to advertising by hedge funds.
One thing they won't be touting: their recent performance.
Streetwise
9. Mission Impossible Ahead
By KOPIN TAN
The Fed's job is to end the party, but how can it do so without
crashing the building? Also, how to play the home builders.
Members of Congress, Tear Down That Wall!
JIM MCTAGUE
By
Adding 700 miles of new fencing along the Mexican border
would be a huge waste of money. Better to create a legal
pathway through which Mexican workers can come and go.
Technology Trader
10. The PC Market Isn't Dead Yet, but It's Barely
Breathing
By TIERNAN RAY
PC sales are falling at record rates. So why are PC-related
stocks—such as Intel, Microsoft and HP—strong?
Check the Buzz on Apple
CAREY
By THERESA W.
A new site tracks what stocks social media are talking about. Is
the sentiment good or bad?
A Changed Biotech Sector Draws Fans
STEVE GARMHAUSEN
By
A stream of new and coming products boosts enthusiasm for the
group.
Fed Fears Call the Tune
CONWAY
By BRENDAN
Bond and precious-metals ETFs were clobbered in the first half
on rising-rate concerns, although finance-based funds did well.
Biotech, anyone?
Walgreen Joins Payout-Boost Parade
SHIRLEY A. LAZO
By
Cummins, Fastenal, and KLA-Tencor also increase dividends.
Why Milton Friedman Lies Uneasy in His Grave
By JACK WILLOUGHBY
Economist Allan Meltzer has been criticizing the Federal
Reserve for decades, and he continues with the current
central-bank policies.
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バロンズ拾い読み 2013 年 7 月 15 日号
『バロンズ拾い読み』
発行
Dow Jones & Company, Inc.
監修
時事通信社
編集人
川田 重信(かわた しげのぶ)
大和證券入社後 1986 年から米国株式を中心に外国株式の営業活動に従事。ペインウェバー(現 UBS)証券を経て 2000
年にエグゼトラストを設立。神戸大学経営学部卒業 米国ロチェスター大学 MBA。
バロンズ拾い読み 主要作成者の略歴(五十音順)
内田 薫(うちだ かおる)
大和証券グループでロンドン、マニラなどの海外勤務を含め、アナリスト活動を中心に国内外の調査業務に従事。2009
年より翻訳活動。東京工業大学機械工学科卒。日本証券アナリスト協会検定会員。
西田 万里子(にしだ まりこ)
旧東京銀行(三菱東京 UFJ 銀行)にて外国送金業務に従事した後、フリーランス通訳・翻訳に転向。現在同志社大学
講師を兼務。神戸大学教育学部教育心理学科卒。英国リーズ大学国際学修士。
西村 嘉洋(にしむら よしひろ)
プロクター&ギャンブルのファイナンス・IT 部門で長らくマネジャーを務め、欧州、米国、アジア各国で勤務経験が
ある。京都大学大学院 情報工学 情報工学科修士、ロンドン大学大学院 金融経済学修士。
発行
『バロンズ拾い読み』 (2013 年 7 月 15 日号)
: Dow Jones & Company, Inc
監修・配信
: 時事通信社
製作
: エグゼトラスト
お問い合せ先(法人・個人の購読契約者様)
記事内容に関すること
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ご契約・システムに関すること
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)
※ 当誌は、時事通信社が Dow Jones & Company, Inc. の発行する BARRON’S 誌の内容を利用して作成したもの
です。
※ 当誌は、情報提供を目的としてのみ作成したものであり、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありませ
ん。当誌はダウ・ジョーンズ社が信頼できると判断した資料およびデータ等に基づき作成しておりますが、その
正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境を保証するもので
はありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
※ 図・表・データの無断使用を禁止します。
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本誌記事の無断転載・複写を禁じます
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