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シンポジウム> 日本一おもろいODA教室~1時間笑って世界がわかった

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シンポジウム> 日本一おもろいODA教室~1時間笑って世界がわかった
<シンポジウム>
■日本一おもろいODA教室~1時間笑って世界がわかった気になれる~
目 的=難しい印象をもちがちな国際協力の取り組みや世界の現状について、生徒役の芸人
や著名人がボケやツッコみをいれながら質問をし、それに対して教員役の外務省職
員が回答して、おもしろおかしくプログラムを進行したりする中から、参加者が思
わず「なるほど!そういうことか!」と思うような授業を行う。
日 時=2月4日(土)12時~12時45分
会 場=1階大ホール
主 催=外務省
講 師=生徒役:シャンプーハットさん(小出水さん、てつじさん)
/よしもとクリエイティブ・エージェンシー
松田陽子さん/シンガーソングライター、国連UNHCR協会・協力委員
教員役:貴島善子さん/外務省国際協力局政策課企画官
参加者=約250人
内 容=日本のODAや外交、国際政治、国
際協力の活動などについて、「ドラ
えもん」の登場人物やクラスを題材
にODA教室と題したセミナーを行
った。はじめに、「ドラえもん」に
は「学年が変わらない」「クラス替
えがない」「クラスの登場人物はの
び太、ジャイアン、スネオ、しずか
ちゃんしか登場しない」という3不
思議があることを引き合いに出し、194ヵ国で、殆ど同じ同級生がいるクラスに日本
は通い続けているようなものだと紹介された。
さらに、
そのクラスは席替えがなく、
中国ジャイアンやロシアジャイアン、アメリカジャイアン、ヨーロッパスネオ、ア
ジアしずかちゃんグループやアフリカしずかちゃんグループなどが国際社会という
クラスのメンバーの中で、のび太ジャパンは多くのジャイアンに囲まれていると紹
介。そのようなクラスで「ジャイアンたちに殴られたり、肘をでつつかれたりされ
ないためにはどうやって知恵を働かせているか」という頭脳戦を日米同盟になぞら
え、
「のび太ジャパンが文化祭実行委員の選挙で選ばれるにはどうしたらよいか?」
というお題に基づいて、ODAを行う理由について解説がされた。つまり、多くの
票を獲得するには、クラス194人のうち150人近くいるしずかちゃんにモテる必要が
あること。そこでプレゼントをあげたり、勉強を教えたりと多くの努力をしながら
仲良くなり、その結果、実行委員になれるようになってきたという例を挙げ、この
ような「教える、あげる、貸してあげる」という方法がODAの3つの手段である
技術協力、無償資金協力、有償資金協力にあたると解説された。
その他にもマラウィの国旗から垣間見える日本との関係やODAについて語られ、
日本の支援が途上国の発展を促し、憧れを伴った見方をされていると紹介した。東
日本大震災を受けて途上国を含めた多くの国から支援が届いたのも、日本が今まで
にさまざまな国を支えてきたことにあることも紹介された。各国から届いた物資を
お金に換算したり、集まった義援金をあわせると、毎年日本が災害などで出す援助
額の2倍近くの金額になるとの説明もあった。現在、日本のODA拠出額は世界第
5位、国民総所得比率で考えると約0.2%で先進国の中で23カ国中20位であり、「こ
んな状況でいいのか、震災の時にどのように世界中から支援が寄せられたのかを考
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えるべきである」とのメッセージでプログラムが締めくくられた。
タイトルの通り、笑ったり楽しみながらのプログラムとなり、参加者からも「と
てもわかりやすく、楽しみながらODAについて学ぶことができた」とのコメント
もあった。
■「内向き志向脱却はやっぱり大阪から!!!」国際協力について語ろう!
目 的=近年、海外旅行や留学をする日本人が減少している。日本が内向き志向になってい
るといわれる中、世界の中で日本はどうしたら良いのか、特に途上国といわれる国
や地域への国際協力の必要性や今後の方向性とあり方などについて話し合う。また、
実際に国際協力に関わっている政府、企業、NGO、市民、それぞれの視点から議論を
行い、世界の現状や諸課題に対する取り組みについて市民の関心や理解を深め、一
歩を踏み出すきっかけとする。
日 時=2月4日(土)12時50分~14時
会 場=1階大ホール
パネリスト=シャンプーハットさん(小出水さん、てつじさん)
/よしもとクリエイティブ・エージェンシー
松田陽子さん/シンガーソングライター、国連UNHCR協会・協力委員
小田兼利さん/日本ポリグル(株)代表取締役会長
小川真吾さん/(特活)テラ・ルネッサンス理事長
能化正樹さん/外務省国際協力局参事官・NGO大使
モデレーター=岡田浩実さん/司会・レポーター
共 催=外務省
参加者=約350人
内 容=モデレーターの岡田さんの進行にシ
ャンプーハットさんが国際協力に関
する質問を織り交ぜながら、前半は
「私たちができる国際協力」をテー
マに、各パネリストが「海外での体
験」「開発途上国の実情」「日本と
の関係」についてエピソードを交え
て話した。
小川さんからは、寄付やボランティ
アを行うことも大切だが、ライフス
タイルを変えることでできる国際協力もあることが紹介された。小川さんは(特活)
テラ・ルネッサンスの活動を通してウガンダの紛争解決や元子ども兵たちの自立支
援を行っており、紛争が終わらない理由のひとつに資金や武器の供給があること、
そしてその資金はスーダン南部で採れる石油の輸出でまかなわれており、日本はそ
の大きな輸出先であること、そして中国から輸入される製品もその石油を使って作
られていることを説明しながら、私たちの消費行動が原因の一端となっているので
あれば、逆に問題を解決する力もあることを示した。また、小田さんは、問題を解
決するのはボランティアではなく現地の人たちに経済力をつけること、そして世界
平和のためには倫理観のある国の経済力が伸びなければならないと語った。子ども
を持つ松田さんは、
自身の経験から、ボランティアを行うことで人から必要とされ、
それが生きる力になること、そして母親として子どもに伝えられることがあると語
った。
続いて能化さんからは、
日本が途上国の経済協力を推進している理由として、
困っている人、苦しんでいる人を助けないといけないという「人道主義」、感染症
や環境問題などの途上国の諸課題も直接私たちに影響を及ぼすため、国際社会が協
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力をして解決していく「相互依存」、
そしてお互いの経済活動を助けあう
ことで発展の後押しをする「ビジネ
ス」という3つの視点が挙げられた。
後半は海外に対して内向き志向にな
りがちな日本人に対して、各パネリ
ストがコメントした。能化さんから
は、実際に海外に行ってみると多く
の日本人が活躍しており、難民キャ
凝固剤を使って濁った水の汚れを沈殿させ、
ンプなどの生活環境の厳しいところ
飲料に適した水にする実験を行う小田さん
で、日本の若い女性たちが健闘して
いる姿を見てきたこと、また、国連の難民支援機関(UNHCR)のトップが「日
本の女性は勇気がある」と言っていたことなどを紹介した。松田さんは、母として、
子どもに思い入れや教育、哲学的な部分などを伝えることで、将来、世界に目を向
けるようになること、小さな家族の動きが大きなムーブメントに変われば良いと語
った。小川さんは、国際協力などというと遠い話のように受け取られやすいが、ち
ょっとしたきっかけでその考えが変わることがあること、また、自分が見たことや
聞いたことを人に伝えていくだけで意識や考えが広まっていくことなど、私たちに
できることは多くあると語った。小田さんは日本に残ることも良いと思うが、海外
にも目を向け、どのような不条理なことが海外では起きているのかを常に頭に入れ
ておくこと、そして日本で甘えていてはいけないと訴えた。各パネリストは、それ
ぞれが今まで培ってきた経験や取り組んできた活動を紹介しながら、内にこもるの
ではなく、様々なことにチャレンジをしていくべきだと訴え、議論を深めた。
<事業の評価>
①「ワン・ワールド・フェスティバル」の中で「国際協力について語ろう!」を開催したこ
とは、別途開催するより、国際協力に関心の高い市民が多く会場に来場しているというこ
と、また、関西の主要NGOが一堂に会しており、NGOの参加も得やすいことから、今
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回も市民やNGO関係者の積極的な参加が得られた。
②政府・企業・NGO・市民と、それぞれの立場や視点から、身近なことから始めることが
できる国際協力とその意義、またそのことによって精神的・経済的にどのような相乗効果
が得られるかといった議論がなされ、国際協力の重要性を再認識するものとなった。また、
「内向き志向脱却はやっぱり大阪から」のタイトルの通り、関西を基盤にグローバルに活
躍しているパネリストからどのような取り組みが行われているかを知り、その考えに触れ、
参加者が一歩を踏み出すきっかけにつながる貴重な場となった。
③質疑応答では、時間の都合上、質問は1つしか受けることができなかったが、各パネリス
トから丁寧なコメントが述べられた。シンポジウムの終了後、個人的にパネリストに質問
する参加者もおり、参加者の関心の高さがうかがえた。
④参加者アンケートから「ODAを利用してこのような中小企業の技術移転を進めることが
できれば世界の技術をリードすることができる」「ODAは有用な外交ツール。より多く
の国の理解・世論を味方につけることが必要」「誰もができること、そのきっかけに気付
くだけ。全てが担い手になる」などのコメントがあり、ODAの効果的な活用やNPO/
NGOとの連携、多様な担い手との協働など、ODAをはじめとする国際協力について幅
広く考えるきっかけとなったと思われる。
⑤会場の大きさに比べて、参加者が限られた人数にとどまった点は課題と認識している。今
後、こうした大きな会場を使ったプログラムの広報方法や時期、来場者の導線などの運営
方法を工夫していきたいと考えている。
■ルー大柴さん 南スーダン取材記 トークショー
目 的=国際協力をもっと身近に感じてもらえるよう、日本が行っている国際協力の現状や
担い手(人・団体)を紹介するテレビ番組「地球VOCE」で、2011年7月に独立し
たばかりの南スーダンを訪問したルー大柴さんが現地の状況を語ることで、国際協
力や世界の現状について市民の関心を喚起する。
日 時=2月5日(日)11時30分~12時30分
会 場=1階大ホール
講 師=ルー大柴さん/タレント
聞き手=谷山香さん
主 催=外務省
参加者=約800人
テーマ=「ルー大柴さんの世界と“TOGETHER”しよう」
内 容=冒頭、聞き手の谷山さんから、ルーさ
んが環境問題などの社会的な活動に関
わったきっかけや実際に行っている活
動などについて紹介があり、それに続
いて登場したルーさんが、2011年9月
に「地球VOCE」の取材で訪問した
南スーダンについて、次のように報告
した。南スーダンは2011年7月に独立
したばかりの国で、紛争が続いていた
こともあり、公共政策のノウハウなど
が乏しく、国づくりにおいて着手できていない所が多い。国を支援するために国際
機関をはじめ、日本の政府やNGO、企業も多く関わっているが、南スーダンを訪
問中、職業訓練学校や、JICAが取り組んでいる農業の技術指導、民間企業が行
っている橋づくり技術指導の現場を訪れた。その各訪問先での指導の様子を、写真
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を交えて報告したり、「アフリカで54番目に独立した国だ
が、いまだに避難民が多くいる」「6畳ぐらいの大きさの
家の中に3家族が住んでいるがそれでもまだ恵まれてい
る」「市内の道路も舗装されておらず、雨が降るたびに交
通が麻痺する」など現地の様子を、ルー語を織り交ぜたト
ークで盛り上げたりしながら伝えた。また、写真のスライ
ドショーでの現地報告だけではなく、途中何度か会場内を
ルーさん自身が歩き、参加者に意見を求めたり、質疑応答
で多くの質問を受けたりと、活発に対話を行いながら進行
し、それが参加者の興味をさらにひいていた。参加者から
は、「自分たちの置かれている環境にもっと感謝しなきゃいけないと思った」「全
然日本と環境が違うので、日本の常識が世界の常識ではないと思った」などのコメ
ントがあり、本プログラムを通して、日本が南スーダンでどのような支援を行って
いるのかを知る貴重な機会になるとともに、身近にできることについて参加者が考
え、一歩を踏み出すきっかけを与えるものとなった。最後にルーさんから「お互い
人間同士助け合ってこの世界を築いていかないといけない」とのメッセージで、プ
ログラムを締めくくった。
■「なんとかしなきゃ!東アフリカ編」
目 的=東アフリカでは「アフリカの角」を中心に、過去60年間で最悪の干ばつ被害が発生
し、食糧不足によりたくさんの命が危機にさらされている。私たちに今なにができ
るのかを考える。
日 時=2月4日(土)14時~15時30分
会 場=2階小ホール
出演者=冨永愛さん/モデル・国際協力NGOジョイセフアンバサイダー
清家弘久さん/(般財)日本国際飢餓対策機構常務理事
堀内しきぶさん/国際協力レポーター
モデレーター=嶋道まどかさん/フリーアナウンサー
共 催=なんとかしなきゃ!プロジェクト実行委員会
参加者=165人
内 容=東アフリカでは干ばつ被害のため、
ソマリア南部では1日最大2,500人
が餓死していると言われている。ま
た、ソマリアからは多くの人が隣国
ケニアとエチオピアに逃れ続けてお
り、受け入れ国の食糧事情も悪化し
ている。そんななか、私
たちに何ができるのか
を考えるため、嶋道まど
かさんの司会で、エチオピアをはじめアフリカ渡航経験の豊富なモデ
ルの冨永愛さん、世界の飢餓撲滅に取り組んでいる清家さん、国際協
力レポーターとして2011年8月にケニアを訪問した堀内しきぶさんた
ちによるトークセッションを行った。冨永さんは2011年10月にエチオ
ピアを訪れ、そこでの飢餓の様子や子どもたちのおかれている状況を
見てきた。「食糧を配るといった緊急支援だけでなく、土壌改良のよ
うな地道な活動も重要」など、現地の様子を報告した。清家さんは、
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2011年に訪問したケニアのソマリア難民の様子について映像を交えて紹介。また、
堀内さんもケニアを訪問した際の様子について報告を行うなど、それぞれの立場・
視点から「私たちができることは何か」について想いを語った。アンケートから90%
以上の参加者が「とてもよかった」「よかった」と答え、東アフリカで起こってい
る飢饉とそれに対して何ができるかについて考える良い機会となった。
■「地球のステージ東日本大震災と国際協力」編in大阪
目 的=東日本大震災の現状と国際協力について音楽と映像で伝えるコンサート形式のステ
ージやパネルトークを通して、復興と国際協力について考える。
日 時=2月5日(土)13時~15時
会 場=1階大ホール
出演者=桑山紀彦さん/医師・地球のステージ代表理事・なんとかしなきゃ!プロジェクト
メンバー
鈴木重子さん/ヴォーカリスト・なんとかしなきゃ!プロジェクトメンバー
横山浩平さん/(社)アジア協会アジア友の会
モデレーター=山田みゆきさん/テレビ和歌山アナウンサー
共 催=なんとかしなきゃ!プロジェクト実行委員会
参加者=386人
内 容=プログラム前半の第1部は、途
上国の支援と東日本大震災の被
災者支援を行う医師・桑山紀彦
さんによる音楽と大画面の映像
やスライドを組み合わせたコン
サートである「地球のステージ」
を行った。昨年度に引き続き行
われたプログラムで、今回は東
日本大震災の現状と国際協力を
交えたプログラムが実施された。
第2部では「復興と国際協力」をテーマに、テレビ和歌山アナウンサーの山田みゆ
きさんを司会に迎え、桑山さん、ヴォーカリストの鈴木重子さん、アジア協会アジ
ア友の会の横山浩平さんによるトークセッションを行った。鈴木さんからは2011年
11月に訪問したウガンダの様子について映像を交えた紹介があり、横山さんからは
アジアで取り組んでいる活動や緊急災害復興支援の活動が紹介された。アンケート
から、プログラムに参加して「意識の変化/関心の高まりがあった」と答えた人が
半数以上にのぼるなど、テーマを絞ったプログラムの内容で充実したものとなった。
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■「グローバル教育コンクール2011」表彰式&トークショー
目 的=グローバルな課題を自分たちの問題として考え、その解決のために行動に移すこと
ができる人を育成するために、学校現場で実践・活用できる素材を募集した「グロ
ーバル教育コンクール2011」の受賞者への表彰やトークショーを通して、広く市民
に取り組みを知ってもらう。
日 時=2月4日(土)12時~13時10分
会 場=2階小ホール
主 催=(独)JICA
講 師=<審査員・ゲスト>
貝原孝雄さん/JICA広尾センター所長、能化正樹さん/外務省国際協力局参事官、
多田孝志さん/日本学校教育学会会長、斉藤宏さん/全国国際教育協会理事、
セイン・カミュさん/グローバル教育コンクール・ナビゲーター・タレント、
高柳恭子さん/フリーアナウンサー
参加者=約100人
内 容=地球や世界が抱えるさまざまな課題を
子どもたちが身近に理解し、その解決
のために自ら行動に移すことのできる
人間を育成するための教材、活動報告
などを募集したコンクールの成果を、
フェスティバルを通して発信した。受
賞作品の紹介と受賞者への表彰式が行
われ、受賞上位作品はその内容と審査
員のコメントが紹介された。また、グ
ローバル教育トークショーでは同コンクール・ナビゲーターのセイン・カミュさん
とアナウンサーの高柳さんがトークを展開。セイン・カミュさんのユーモアのある
話を通してグローバル教育に関する関心も高まり、ODAに対する市民の理解を促
進する良い機会となった。全体的にプログラムの時間が短かったこともあり、参加
者からは「参加者同士の話し合い・交流の場がほしかった」「他の方の作品も観た
かった」という声もあり、次回への反省点としたい。
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