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ソフトウェア製品の品質改善及び生産性向上の標準化に関する調査研究
平成 15 年度 経済産業省委託 (基準認証研究開発事業) 「情報分野の要素技術」標準化調査研究開発 ソフトウェア製品の品質改善及び生産性向上 成 果 報 告 書 平成 16 年 3 月 財団法人 日本規格協会 情報技術標準化研究センター この調査研究は,経済産業省からの委託で実施したものの 成果である。 目次 ページ 1.はじめに ······························································································································································ 1 2.委員会名簿·························································································································································· 2 2.1 WG1:ソフトウェアライフサイクルプロセス委員会 ···························································· 2 2.2 WG2:CASEデータ交換形式委員会 ····················································································· 2 2.3 WG3:ソフトウェア機能規模測定法委員会 ············································································· 3 2.4 WG4:オンラインドキュメンテーション委員会 ···································································· 3 3.各委員会の活動報告 ········································································································································· 4 3.1 ソフトウェアライフサイクルプロセス委員会 ··············································································· 4 3.1.1 背景 ····················································································································································· 4 3.1.2 システムライフサイクルプロセス規格とは·················································································· 4 3.1.3 活動概要 ············································································································································· 5 3.1.4 活動成果 ············································································································································· 6 3.2 CASEデータ交換形式委員会 ········································································································ 7 3.2.1 背景 ····················································································································································· 7 3.2.2 活動概要 ············································································································································· 8 3.2.3 活動成果 ············································································································································· 9 3.3 ソフトウェア機能規模測定法委員会 ····························································································· 10 3.3.1 背景 ··················································································································································· 10 3.3.2 活動概要 ··········································································································································· 11 3.3.3 活動成果 ··········································································································································· 12 3.4 オンラインドキュメンテーション委員会 ····················································································· 13 3.4.1 背景 ··················································································································································· 13 3.4.2 3.4.3 活動概要 ···········································································································································13 活動成果 ··········································································································································· 14 1.はじめに 世界規模で進展している情報通信技術(IT)による産業・社会構造の変革(いわ ゆ る「 I T 革 命 」)に 対 応 し ,わ が 国 で も「 I T 立 国 」の 形 成 を 目 指 し た 施 策 が 推 進 さ れている。 あらゆる分野で構造的改革や組織改革が本格化する中で,ソフトウェアの利用局面は 拡大の一途をたどっており,経済・社会システムにおけるソフトウェアへの依存度が 高まりつつある。こうした環境下において,ソフトウェア産業は質の高いソフトウェ アを供給することにより,経済・社会システム全体の信頼性・安全性の確保に貢献す ることを求められている。さらに,わが国のソフトウェア産業を基幹産業として国際 市場で通用する産業競争力を養っていくことが重要となってきている。ここでいう, ソ フ ト ウ ェ ア と は 一 般 に ビ ジ ネ ス に 適 用 さ れ て い る ソ フ ト ウ ェ ア だ け で な く ,家 電 品 , 自動車,携帯電話などに組み込まれているソフトウェア(組込みソフト)も含んでい る。 ここで求められているソフトウェアは,信頼性が高く,システムダウンを起こさな いというだけは十分でない。利用者が直接操作するアプリケーションソフトウェアで は,使用性を考慮し,専門家でなくても容易に操作方法が理解でき,使用できるもの が必要となってきている。さらには,必要なときに,必要な人に,適切な操作方法の 説明がリアルタイムでできることも必要となってきている。 こうした高品質で使いやすいソフトウェアを実現するためには,発注者と開発者と がお互いに同じステージに立ち,共通の言葉を使って,受注活動から開発・納入・運 用・保守まで全工程でお互いに納得できる基準に従って,協力し合うことが重要であ る。 特に,ソフトウェアの開発ということに着目すると,開発作業の国際分業化がます ます進んできている。こうした中で,開発作業を円滑に,かつ効率的に進めるために は,基盤となる開発モデルを参照しながら開発作業を進める必要がある。また,そこ で使用される開発ツールの共用化も必要となってくる。 本調査研究委員会では,ソフトウェアエンジニアリング分野に関する調査研究を続 け て お り , ISO/IEC JTC1/SC7 と 密 接 な 関 係 を 持 っ て 活 動 し て お り , そ の カ バ ー す る 範 囲は広範囲に及んでいる。例えば,ソフトウェアシステムの文書化,ツールと環境, ソフトウェア製品の品質評価と測定,ライフサイクルプロセス管理,ソフトウェアの 完 全 性( イ ン テ グ リ テ ィ ),ソ フ ト ウ ェ ア プ ロ セ ス 評 価 ,機 能 的 規 模 測 定 法( フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 な ど ), 品 質 管 理 , モ デ リ ン グ 言 語 , 構 成 管 理 な ど が あ る 。 今年度は,これらの中から,①ライフサイクルプロセス管理:システムライフサイ ク ル プ ロ セ ス 委 員 会 , ② モ デ リ ン グ 言 語 : CDIF( CASE デ ー タ 交 換 形 式 ) 委 員 会 , ③ 機能的規模測定法,適合性評価の規格:機能規模測定法委員会,④ソフトウェアシス テムの文書化:オンラインドキュメンテーション委員会 1 について活動を行った。 2.委員会名簿 W G 1 : ソ フ ト ウ ェア ラ イ フ サ イ ク ル プロ セ ス 委 員 会 : S LC P 主査 竹下 亨 幹事 林 利弘 幹事 村上 憲稔 中部大学 大学院経営情報学研究科 (株)日立製作所 モノづくり技術事業部 富士通(株)ソフト・サービスビジネスグループ (兼)ソフト・サービス事業推進本部 委員 黒川 利明 (株)CSK e-ソリューション技術本部 委員 小堀 賢司 委員 篠 博康 (社)ソフト化経済センター 委員 高橋 勇喜 (株)日立製作所 情報制御システム事業部 委員 永山 勉 NECソリューションズ ソリューション開発研究本部 IBMビジネスコンサルティングサービス(株) CRMソリューション 委員 新倉 忠隆 新倉システムコンサルティング 委員 丹羽 展男 日本IBM(株)サービス事業 委員 宮原 克彦 委員 室中 健司 富士通(株)システム技術統括部 委員 山田 淳 (株)東芝 研究開発センター 委員 わかつき (株)エスシーシー 人事課 俊彦 日本電気(株)第一システム事業本部 経済産業省 銭 祥富 産業技術環境局 標準課(2003年6月から) 経済産業省 小谷 光弘 産業技術環境局 標準課(2003年5月まで) 事務局 薫 (財)日本規格協会 情報技術標準化センター 山形 W G 2 : C A S E デー タ 交 換 形 式 委 員 会: C D I F 主査 篠木 裕二 (株)日立製作所 幹事 塩谷 和範 (株)SRA先端技術研究所 委員 梶原 清彦 東日本電信電話(株)技術部 委員 加藤 潤三 (株)アルゴシステム創研 委員 加藤 卓雄 日本電気(株)ソリューションズ開発研究本部 委員 銀林 純 富士通(株)ソフト・サービス共通技術センター 委員 夏川 勝行 日本電信電話(株)情報流通プラットフォーム研究所 委員 藤本 卓也 三菱電機(株)設計システム技術センター 委員 山田 淳 (株)東芝 研究開発センター 委員 山本 喜一 慶應義塾大学 理工学部 情報工学科 経済産業省 銭 祥富 産業技術環境局 標準課(2003年6月から) 経済産業省 小谷 光弘 産業技術環境局 標準課(2003年5月まで) 事務局 薫 (財)日本規格協会 情報技術標準化センター 山形 2 ソフトウェア事業部 研究開発グループ W G 3 : ソ フ ト ウ ェア 機 能 規 模 測 定 法 委員 会 : F S M 主査 西山 茂 NTT ア ド バ ン ス テ ク ノ ロ ジ( 株 )コ ア ネ ッ ト ワ ー ク 事 業 本 部 幹事 竹田 滋 (株)日立製作所 委員 菊地 奈穂美 沖 電 気 工 業 ( 株 ) ISC ビ ジ ネ ス サ ポ ー ト 本 部 委員 佐藤 季敬 日本ユニシス(株)システムサービスマネジメント本部 情報・通信グループ (2004年1月から) 委員 高橋 良子 日本ユニシス(株)システム・サービス品質管理部 (2003年12月まで) 委員 砂塚 利彦 委員 高橋 光裕 (財)電力中央研究所 情報研究所 委員 田中 武志 (株)東芝 ソフトウェア技術センター 委員 野中 誠 東洋大学 経営学部 経営学科 委員 八谷 貴則 富 士 通 ( 株 ) PMO・ SI 技 術 統 括 部 委員 丸山 智靖 IBMビジネスコンサルティングサービス(株) 委員 三毛 功子 三菱電機(株)設計システム技術センター 経済産業省 銭 祥富 産業技術環境局 標準課(2003年6月から) 経済産業省 小谷 光弘 産業技術環境局 標準課(2003年5月まで) 事務局 薫 山形 日本電気(株)e ラーニング事業部 (財)日本規格協会 情報技術標準化センター W G 4 : オ ン ラ イ ンド キ ュ メ ン テ ー シ ョン 委 員 会 : O L D 主査 山本 喜一 慶應義塾大学 理工学部 情報工学科 幹事 高瀬 明 富士通(株)ソ事本・開発技術統括部 委員 片岡 克尚 日本IBM(株)ソフトウェア開発研究所 委員 米谷 尚久 委員 林 浩子 シ ス コ シ ス テ ム ズ( 株 )ア ラ イ ア ン ス & テ ク ノ ロ ジ ー 本 部 経済産業省 銭 祥富 産業技術環境局 標準課(2003年6月から) 経済産業省 小谷 光弘 産業技術環境局 標準課(2003年5月まで) 事務局 薫 山形 (株)日立製作所 ソフトウェア事業部 (財)日本規格協会 3 情報技術標準化センター 3.各委員会の活動報告 3.1 3.1.1 ソ フ ト ウ ェア ラ イ フ サ イ ク ル プロ セ ス 委 員 会 ( WG1) 背景 ラ イ フ サ イ ク ル 管 理 の 標 準 化 を 進 め て い る ISO/IEC JTC1/SC7/WG7 は ,ソ フ ト ウ ェ ア ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス 規 格( Software Life Cycle Processes ; ISO/IEC 12207:JIS X0160), そ の ガ イ ド ( JIS X 160 の 解 説 に 記 載 ), 追 補 ( JIS 化 作 業 中 ) 及 び ソ フ ト ウ ェ ア 保 守 規 格 ( Software Maintenance ; ISO/IEC 14764 : JIS X0161) な ど を 開 発 し て き た 。 上記の規格は,ソフトウェアを中心としたプロセスを定めたものである。その上位 の シ ス テ ム レ ベ ル の プ ロ セ ス を 明 ら か に す べ く , SC7/WG7 は , シ ス テ ム ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス 規 格( System Life Cycle Processes ; ISO/IEC 15288:JIS X 0170)を 開 発 し た 。 ま た ,SC7/WG7 で は 並 行 し て ISO/IEC 15288 の ガ イ ド( テ ク ニ カ ル レ ポ ー ト )も 開 発 している。 このシステムライフサイクルプロセス規格は,人,ハード,ソフト等を構成要素と す る シ ス テ ム 構 築・運 用 上 の 幾 多 の 課 題 解 決 が 期 待 で き ,ソ フ ト ウ ェ ア 産 業 界 を 始 め , 製造・流通・交通・金融・教育・行政などあらゆる分野の発展の基盤になるものであ る 。 こ の た め , 日 本 規 格 協 会 INSTAC の ソ フ ト ウ ェ ア ラ イ フ サ イ ク ル 管 理 で は , 早 期 に そ の メ リ ッ ト を 産 業 界 で 享 受 す る た め に , 2002 年 度 後 半 か ら JIS 化 原 案 の 作 成 を 行 ってきた。 3.1.2 シ ス テ ム ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス 規 格 ( ISO/IEC 15288:2002 , JIS X 0170:2004) と は (1)概要 人が作るシステムの複雑さが前例のないレベルに増大しており,システムを開発し 利用する組織に多くの課題をもたらしている。この規格は,システムを開発し,利用 し,運用する関係者が統合化され首尾一貫したやり方で仕事ができるように,これら の関係者のコミュニケーション及び協調を改善するための「共通のフレームワーク」 を提供する。この規格でいうライフサイクルは,システムの構想段階からシステムの 廃棄までを含む。このフレームワークには,プロセスの評価とその改善も想定してい る 。多 く の シ ス テ ム を 抱 え る 組 織 が な す べ き「 エ ン タ ー プ ラ イ ズ プ ロ セ ス 」,プ ロ ジ ェ ク ト レ ベ ル で な す べ き「 プ ロ ジ ェ ク ト プ ロ セ ス 」,シ ス テ ム 開 発 管 理 で な す べ き「 テ ク ニ カ ル プ ロ セ ス 」,調 達 と 供 給 に 関 す る「 合 意 プ ロ セ ス 」の 4 つ の 主 要 な プ ロ セ ス か ら なる。この規格は,システムライフサイクルに関する要求事項,ライフサイクルにお け る ス テ ー ジ (ラ イ フ サ イ ク ル 中 の 一 つ の 期 間 )に 関 す る 要 求 事 項 , こ の 規 格 の 修 整 に 関する要求事項を規定している。 1995 年 に 制 定 し た ソ フ ト ウ ェ ア ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス( JIS X 0160)が ソ フ ト ウ ェ 4 アレベルの規定であるのに対し,この規格は,システムレベルになる。 ( 2 ) JIS 化 の 必 要 性 今日産業界では,システム開発におけるトラブルが多発しており,システムエンジ ニアリングの観点からこの規格の完成が待望されていた。この規格は,情報処理シス テ ム は も ち ろ ん の こ と , カ ー ナ ビ な ど の 組 み 込 み シ ス テ ム 関 連 , シ ス テ ム LSI や 移 動 体システムのような半導体・通信関連,航空機システム,防衛システムなどさまざま な関連業界の発展に貢献する。 ①翻訳にあたっては,この規格が作業プロセスを定義し,世界共通の共通フレームを 持つことから,実作業ができるよう,作業の目的と内容を吟味しながら進める。 ②これまでのソフトウェアライフサイクル規格との整合性をとりながら,新たなシス テムライフサイクルプロセス規格の用語集を整備する。 ③ す で に 発 行 さ れ て い る ソ フ ト ウ ェ ア ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス 規 格 ( Software Life Cycle Processes ; ISO/IEC 12207: JIS X0160) の 追 補 の JIS 化 作 業 も 考 慮 に 入 れ る 。 な お ,こ の 追 補 は ,同 じ く 2002 年 4 月 に 成 立 し た も の で ,広 く 普 及 し て い る JIS X0160 の機能追加(再利用プロセスなどの新たなプロセスの追加,プロセス評価規格 ( ISO/IEC TR 15504 と JIS X 0160 と の 関 係 な ど 明 示 ) で あ る 。 3.1.3 活動概要 シ ス テ ム ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス 規 格( ISO/IEC 15288:2002)を 翻 訳 す る に あ た っ て 最も腐心したことは,作業の目的と内容を理解し,その言葉が持つ意味を一意に定義 するために作業体制を次のように定めた。 一 次 翻 訳 担 当 者 ( 10 人 ) の 内 容 は , そ れ ぞ れ 次 の 章 を 担 当 し て い る も の が レ ビ ュ ー し,相互検証を行う。全体を 3 つのグループに分割し,グループ責任者がそれぞれの グ ル ー プ の 内 容 を レ ビ ュ ー す る 。そ の 結 果 を 竹 下 主 査 ,国 内 SC7/WG7 の 村 上 主 査 の 二 人がレビューする方式を採った。更に,全体を通して不明な点については,対象とな る文章や用語の意図するところを国際エディタに確認しながら原案を作成するという 方 法 を 取 っ た 。 例 え ば , Conformance of Producibility と は ,「 設 計 さ れ た も の が 製 造 し やすいものになっているかなど,設計と製造の適合性を指している」ことが伝えられ た。 例えば,技術部門が作ったハードウェア設計図面が,工場の製作部門で図面通 りでは人間の手が入らない隙間しかなく製造不能で図面を書き直させるなど,設計技 術部門と製造部門とのやり取りを思い出していただくとよい。今日,部品外部調達や 製 造 の 外 部 委 託 が 多 い 時 代 に ,こ の 言 葉 が 持 つ 重 要 性 が よ り 理 解 で き る 。同 じ よ う に , 上流を担当する組織が利害関係者のニーズを分析し,概念設計したシステム案に対し て,システム構築を担当する組織がシステムの方式設計を検討すると実現性の面で不 可能な部分が見つかり,見直されるケースも少なくない。下流を念頭に置いた上流の 作業のあり方を言いえたものである。 5 シ ス テ ム ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス 規 格 の JIS 原 案 の 作 成 は 9 月 に 終 了 し , 次 の テ ー マ と し て , ISO/IEC 12207/AMD.1 と す る か , ISO/IEC 15288 の ガ イ ド ( TR)と す る か 検 討 し た 結 果 , 業 界 へ の 影 響 が よ り 大 き い と 考 え ら れ る ISO/IEC 12207/AMD.1 を 先 に JIS 化することにした。 今年度の活動経緯は以下のとおりである。 第1回 2003 年 4 月 08 日 ( 火 ) 今年度計画 第2回 2003 年 5 月 20 日 ( 火 ) ISO/IEC 15288 の 翻 訳 ス ケ ジ ュ ー ル と 作業分担 第3回 作 業 手 順 の 検 討 と ISO/IEC 15288 の 2003 年 6 月 10 日 ( 火 ) 翻訳レビュー 第4回 2003 年 7 月 08 日 ( 火 ) ISO/IEC 15288 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第5回 2003 年 09 月 09 日 ( 火 ) ISO/IEC 15288 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第6回 2003 年 10 月 14 日 ( 火 ) ISO/IEC 12207/AMD.1 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第7回 2003 年 11 月 11 日 ( 火 ) ISO/IEC 12207/AMD.1 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第8回 2003 年 12 月 09 日 ( 火 ) ISO/IEC 12207/AMD.1 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第9回 2004 年 01 月 13 日 ( 火 ) ISO/IEC 12207/AMD.1 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第10回 2004 年 02 月 10 日 ( 火 ) ISO/IEC 12207/AMD.1 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第11回 2004 年 03 月 09 日 ( 火 ) ISO/IEC 12207/AMD.1 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 3.1.4 活動成果 当 初 , 以 下 の JIS 化 を 行 う こ と を 計 画 し , 調 査 研 究 活 動 を 開 始 し た 。 ・ ISO/IEC 15288 シ ス テ ム ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス の JIS 化 ・ ISO/IEC 12207/Amd1 ソ フ ト ウ ェ ア ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス 追 補 1 の JIS 化 ・ ISO/IEC TR 19760 シ ス テ ム ラ イ フ サ イ ク ル プ ロ セ ス を 利 用 す る た め の ガ イ ド の TR 化 その結果, ① ISO/IEC15288 に つ い て は , 9 月 に JIS 原 案 を 作 成 し , 2004 年 2 月 に JISC 情 報 技 術 専門委員会にて承認された。 2004 年 6 月 に は JIS X 0170 と し て 発 行 さ れ る 予 定 で あ る 。 ② ISO/IEC12207/AMD1 に つ い て は , 既 存 の JIS X 0160 の 追 補 で あ り , 業 界 へ の 影 響 が 大 き い と 考 え ら れ る の で JIS 化 を 優 先 着 手 し , 現 在 作 業 中 で あ る 。 2004 年 中 に JIS として発行を予定している。 ③ ISO/IEC TR 19760 に つ い て は , JIS X 0170 の ガ イ ド で あ り , JIS 化 が 急 が れ る が , 次 年度以降の作業とした。 6 3.2 3.2.1 CASE データ交換形式委員会 背景 ( 1 ) CASE デ ー タ 交 換 形 式 の 必 要 性 と 開 発 経 緯 高品質なコンピュータソフトウェアの開発を適切にかつ効率的に行うということは, 1960 年 代 か ら 取 り 組 ま れ て い る 古 い が ,重 要 な 課 題 で あ る 。こ れ を 実 現 す る た め に 様 々 なアプローチが提案され,ツール化され,成果を上げてきている。この一つとして, 本 年 度 JIS 原 案 を 作 成 し た 計 算 機 支 援 ソ フ ト ウ ェ ア エ ン ジ ニ ア リ ン グ( CASE)ツ ー ル 間 デ ー タ 交 換 形 式 メ タ 規 格 CDIF が あ る 。 メ タ ツ ー ル 規 格 の 先 駆 で あ る CDIF 規 格 群 の JIS 化 を 早 期 に 完 成 し 公 開 す る こ と に よ り ,CASE ツ ー ル 開 発 の 手 本 と な し ,ま た ,企 業 及 び 学 校 に お い て の ソ フ ト ウ ェ ア 工 学 の方法論の習得と合わせて,それを実装するツールの実装例として役立てるなどの利 用が考えられる。 今 年 度 は ,CDIF 転 送 規 格 群 (JIS X 0138)の 3 規 格 ,第 1 部:構 文 及 び 符 号 化 の 一 般 規 則 , 第 2 部 : 構 文 SYNTAX.1, 及 び 第 3 部 : 符 号 化 ENCODING.1 の JIS 化 を 行 っ た 。 続いて,分野ごとの開発手法と方法論を実装するツール同士の,モデルデータ交換 の た め の CDIF 意 味 メ タ モ デ ル 規 格 群 の う ち ,CDIF 意 味 メ タ モ デ ル 第 1 部: “ 基 礎 ”, 第 2 部:“ 共 通 ”,第 3 部 :“ デ ー タ 定 義 ”,第 4 部:“ デ ー タ モ デ ル ”,第 5 部:“ デ ー タ 流 れ モ デ ル ”, 第 6 部 :“ 状 態 事 象 モ デ ル ” の 6 規 格 も 順 次 JIS 化 い く 予 定 で あ っ た が , 諸 般 の 事 情 に よ り 中 断 中 で あ る 。し た が っ て ,CDIF 意 味 メ タ モ デ ル の 理 解 を 助 け る た め の 説 明 を JIS X 0138 の 解 説 に 追 加 す る こ と に し た 。 ( 2 ) CDIF 概 要 CDIF は , 異 な る 実 行 環 境 (メ イ ン フ レ ー ム か ら PC ま で )で 独 立 に 稼 動 す る 様 々 な CASE ツ ー ル が ,お 互 い に 通 信 を 介 し て デ ー タ 交 換 を 行 う た め の 拡 張 可 能 な 規 格 群 を 定 義する。 ① CDIF 規 格 群 の 構 成 CDIF で は , 次 の 3 層 か ら 構 成 さ れ , 連 携 し て 目 的 を 実 現 し て い る 。 (a) CDIF 意 味 メ タ モ デ ル 規 格 群 : 対象分野ごとの各々のモデルの記述の仕方を定 め る メ タ モ デ ル 規 格 (デ ー タ 流 れ モ デ ル , デ ー タ 定 義 , デ ー タ モ デ ル , 状 態 事 象 モ デルなど) (b) CDIF フ レ ー ム ワ ー ク 規 格 群 : メ タ モ デ ル を 記 述 す る た め の 拡 張 可 能 な 基 盤 を 定 める。 (c) CDIF 転 送 形 式 規 格 群 : メ タ モ デ ル で 記 述 さ れ た デ ー タ を ,CASE ツ ー ル 間 で 共 通 に 転 送 す る た め の 形 式 に 変 換 す る 方 法 (構 文 と 符 号 化 規 則 )を 定 め る 。 次 に , CDIF 規 格 群 一 覧 を 示 す 。 ”*”は , 日 本 が エ デ ィ タ で あ る こ と を 示 す 。 7 ● CDIF フ レ ー ム ワ ー ク 規 格 群 ・ JIS X0137-1 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF フ レ ー ム ワ ー ク - 第 1 部 : 概 要 ・ JIS X0137-2 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF フ レ ー ム ワ ー ク - 第 2 部 : モ デ ル 化 及 び 拡張性 ● CDIF 転 送 形 式 規 格 群 ・JIS X 0138-1 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 転 送 形 式 - 第 1 部:構 文 及 び 符 号 化 の 一 般 規則* ・ JIS X 0138-2 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 転 送 形 式 - 第 2 部 : 構 文 SYNTAX.1* ・JIS X 0138-3 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 転 送 形 式 - 第 3 部:符 号 化 ENCODING.1* ● CDIF 意 味 メ タ モ デ ル 規 格 群 ・ ISO/IEC 15476-1 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 意 味 モ デ ル - 第 1 部 : 基 礎 ・ ISO/IEC 15476-2 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 意 味 モ デ ル - 第 2 部 : 共 通 ・ ISO/IEC 15476-3 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 意 味 モ デ ル - 第 3 部 : デ ー タ 定 義 * ・ ISO/IEC 15476-4 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 意 味 モ デ ル - 第 4 部 : デ ー タ モ デ ル * ・ ISO/IEC 15476-5 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 意 味 モ デ ル - 第 5 部 : デ ー タ 流 れ モ デ ル ・ISO/IEC 15476-6 CASE デ ー タ 交 換 形 式 -CDIF 意 味 モ デ ル - 第 6 部 : 状 態 事 象 モ デ ル * こ れ ら の モ デ ル の 標 準 規 格 は ,CASE ツ ー ル 規 格 と し て の 利 用 に と ど ま ら ず ,ソ フ ト ウェア工学の教育や今後の開発支援環境の検討の上で標準的な基盤を提供するという 意味で必要性も大きいと考えられ,教育面でも期待されている。 3.2.2 活動概要 今 年 度 は ,CDIF 転 送 形 式 規 格 群 3 規 格 の JIS 原 案 作 成 作 業 を 実 施 し ,JIS 化 を 完 了 した。 今年度の活動経緯は以下のとおりである。 第1回 2003 年 06 月 03 日 ( 火 ) 今年度計画と翻訳レビュー 第2回 2003 年 07 月 01 日 ( 火 ) 翻訳レビュー 第3回 2003 年 09 月 02 日 ( 火 ) 翻訳レビュー 第4回 2003 年 10 月 07 日 ( 火 ) 翻訳レビュー 第5回 2003 年 11 月 04 日 ( 火 ) 翻訳レビュー 第6回 2003 年 12 月 04 日 ( 火 ) 翻訳レビューと解説レビュー 第7回 2004 年 01 月 06 日 ( 火 ) 翻訳レビューと解説レビュー 第8回 2004 年 02 月 17 日 ( 火 ) 翻訳レビューと解説レビュー 8 第9回 2004 年 03 月 17 日 ( 火 ) 翻訳レビューと解説レビュー Adohoc 第 1 回 2003 年 08 月 12 日 ( 火) 翻訳レビュー 3.2.3 活動成果 以 下 の JIS 化 を 行 い ,2004 年 2 月 に JISC 情 報 技 術 専 門 委 員 会 に て 承 認 さ れ た 。2004 年 6 月 に は JIS X 0138-1~ -3 と し て 発 行 さ れ る 予 定 で あ る 。 ・ ISO/IEC 15475-1( JIS X 0138-1) CASE デ ー タ 交 換 形 式 - CDIF 転 送 形 式 : 第 1 部 : 構 文 及 び 符 号 化 の 一 般 規 則 の JIS 化 ・ ISO/IEC 15475-2( JIS X 0138-2) CASE デ ー タ 交 換 形 式 - CDIF 転 送 形 式 : 第 2 部 : 構 文 SYNTAX.1 の JIS 化 ・ ISO/IEC 15475-3( JIS X 0138-3) CASE デ ー タ 交 換 形 式 - CDIF 転 送 形 式 : 第 3 部 : 符 号 化 ENCODING.1 の JIS 化 9 3.3 3.3.1 ソフトウェア機能規模測定法委員会 (WG3) 背景 ソフトウェア開発などでソフトウェア技術を利用する組織は,その産業成立以来, a) プ ロ セ ス の 効 率 及 び 効 果 の 測 定 b) ソ フ ト ウ ェ ア の コ ス ト 管 理 c) ソ フ ト ウ ェ ア の 取 得 , 開 発 , 改 良 又 は 維 持 管 理 のための実用的な定量化及び測定手法を模索してきている。この測定に対する重要な 要求条件のうち,明確に定義することが困難なもののひとつに,ソフトウェア規模の 決 定 に 関 す る も の が あ る 。過 去 に 多 く の ソ フ ト ウ ェ ア 規 模 測 定 手 法 が 提 案 さ れ て き た 。 これらにはプログラムコードのソース行数やソフトウェアの技術的特性から測定する ものなど,様々な測定手法がある。 しかし,これらの手法には,次のような限界があった。 ・ソフトウェア開発プロセスの初期工程で常に適用できるとは限らない。 ・ソフトウェアライフサイクルを通して,一様に適用できるとは限らない。 ・ソフトウェアの利用者にとって意味あるものとは限らない。 機 能 規 模 測 定 (FSM)手 法 は , 規 模 測 定 の 焦 点 を ”ソ フ ト ウ ェ ア の 実 現 法 ”か ら ”利 用 者 が 要 求 す る 機 能 ”に 移 す こ と に よ っ て , こ れ ら の 限 界 を 克 服 す る よ う に 設 計 さ れ た 。 最 初 の FSM 手 法 で あ る フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 の 公 表 以 来 , Albrecht や そ の 他 の 人の考え方に基づいて多くの手法が開発されてきた。これらの規模測定手法は,基本 的 な FSM の 考 え 方 に 関 す る 共 通 の 認 識 な し に 開 発 さ れ た た め ,手 法 間 の 一 貫 性 を 欠 い たものとなった。このため,従来の手法を標準的ソフトウェア機能規模測定手法とし て利用することの可能性,魅力が薄れた。 こ の よ う な 状 況 か ら , FSM に 関 す る 一 般 的 な 概 念 ・ 原 理 を 国 際 規 格 と し て 制 定 し よ う と い う 機 運 が 高 ま り ,1993 年 6 月 オ ラ ン ダ 及 び オ ー ス ト ラ リ ア か ら FSM の 国 際 規 格 化 の 提 案 が 共 同 で ISO/IEC JTC1 に 提 出 さ れ た 。 ISO/IEC JTC1/SC7 が こ れ を 同 年 12 月 に 承 認 し ,JTC1/SC7/WG6 の 作 業 と し て 国 際 規 格 化 が 開 始 さ れ た 。当 初 の プ ロ ジ ェ ク ト タ イ ト ル は ”Function point analysis”で あ っ た が ,1994 年 6 月 に SC7/WG12 に 担 当 を 移 し , よ り 一 般 性 を 持 た せ る た め , タ イ ト ル を ”Functional size measurement(FSM)”と 改 称 し 規 格 化 活 動 を 継 続 し た 。 SC7/WG12 で の 検 討 が 進 む 過 程 で , 1995 年 6 月 に , 国 際 規 格 利 用 者 の 利 便 性 の 観 点 か ら ,当 該 活 動 は 次 の 5 つ の Part に 分 け て 実 施 す る こ と に な っ た 。 ・ Part 1 : Definition of concepts (ISO/IEC 14143-1: 1998) [概 念 の 定 義 : JISX0135-1] ・ Part 2 : Conformity evaluation of software size measurement methods to ISO/IEC 14143-1:1998 (ISO/IEC 14143-2: 2002) [ソ フ ト ウ ェ ア 機 能 規 模 測 定 手 法 の Part 1 へ の 適 合 性 評 価 :JISX0135-2] ・Part 3 : Verification of functional size measurement methods [あ る FSM 手 法 が 特 定 の 利用者にとって有効であるかを検証するための基準及びプロセス] 10 ・ Part 4 : Reference model (ISO/IEC TR 14143-4: 2002) [参 照 モ デ ル :TRX0073-4] ・ Part 5 : Determination of functional domains for use with functional size measurement [FSM 手 法 適 用 の た め の 機 能 領 域 の 決 定 プ ロ セ ス ] こ の う ち ,Part 1 と Part 2 は IS と し て 制 定 し ,Part 3 か ら Part 5 ま で は 発 行 後 3 年 以 内 に IS に 移 行 す る か を レ ビ ュ ー す る Type 2 の TR と な っ て い る 。 Part 1 に 対 応 す る JIS 規 格 は , ”JIS X 0135-1:1999 機 能 規 模 測 定 - 第 1 部 : 概 念 の 定 義 ”と し て 制 定 さ れ た 。Part 4 に 対 応 す る JIS 標 準 情 報 は ,本 年 度 活 動 の 成 果 と し て ,”TR X 0073-4:2003 機 能 規 模 測 定 - 第 4 部 : 参 照 モ デ ル ”と し て 制 定 さ れ た 。 Part 3 及 び Part 5 は ,ISO の 場 で DTR 投 票 が 可 決 さ れ て お り ,TR と し て 制 定 さ れ た 。 今 年 度 は , Part 2 を JIS 規 格 と し て 制 定 す る こ と を 目 標 と し , 活 動 を 行 っ た 。 Part 3 及 び Part 5 の JIS・ TR 化 は 後 回 し に し た 。 さ ら に , 業 界 で の 必 要 性 が 大 き い と 思 わ れ る ,「 ISO/IEC 20926 フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 に よ る 計 数 の 実 施 の 手 引 の JIS 化 」 を 優 先 す る こ と に も し た 。 3.3.2 活 動 概 要 Part 2 は ,あ る 機 能 規 模 測 定 手 法 が Part 1 に 準 拠 し た 手 法 で あ る か を 検 証 す る プ ロ セ スの規定である。 Part 2 に つ い て は , 対 応 国 際 規 格 に 対 す る IDT の 規 格 と し て 原 案 作 成 を 進 め て き た 。 委員会は月 1 回開催し,以下の活動を行った。 Part 2 の 規 格 翻 訳 作 業 は , 11 月 に 終 了 し , 解 説 書 を 作 成 し た 上 で , ”JIS-X 0135-2”と して制定する。 さらに,次のテーマとしては,次の 2 件が候補として挙げられたが,業界に対する 影 響 度 が よ り 大 き い と 思 わ れ る ISO/IEC20926 を 先 に す る こ と に な っ た 。 ・ ISO/IEC 20926 Function point counting practices manual. フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 に よ る 計 数 の 実 施 の 手 引 の JIS 化 ・ ISO/IEC 19761 COSMIC-FFP -- A functional size measurement method COSMIC-FFP法 今年度の活動経緯は以下のとおりである。 第1回 2003 年 4 月 15 日 ( 火 ) 今 年 度 計 画 と Part 2 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第2回 2003 年 5 月 20 日 ( 火 ) Part 2 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第3回 2003 年 6 月 17 日 ( 火 ) Part 2 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第4回 2003 年 7 月 15 日 ( 火 ) Part 2 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第5回 2003 年 09 月 16 日 ( 火 ) Part 2 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第6回 2003 年 10 月 21 日 ( 火 ) Part 2 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第7回 2003 年 11 月 18 日 ( 火 ) Part 2 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第8回 2003 年 12 月 16 日 ( 火 ) Part 2 の 解 説 レ ビ ュ ー 11 第9回 2004 年 01 月 20 日 ( 火 ) Part 2 の 解 説 レ ビ ュ ー と ISO/IEC 20926 の 翻 訳 の 進 め 方 に つ い て 第10回 2004 年 02 月 17 日 ( 火 ) Part 2 の 解 説 レ ビ ュ ー と ISO/IEC 20926 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 第11回 2004 年 03 月 16 日 ( 火 ) Part 2 の 解 説 レ ビ ュ ー と ISO/IEC 20926 の 翻 訳 レ ビ ュ ー 3.3.3 活動成果 ソ フ ト ウ ェ ア 見 積 り 手 法 の 標 準 化 と し て , 以 下 の JIS 化 を 行 っ た 。 ・ISO/IEC 14143-2 ソ フ ト ウ ェ ア 測 定 - 機 能 規 模 測 定 - 第 2 部:ソ フ ト ウ ェ ア 規 模 測 定 手 法 の JIS X 0135-1:1999 へ の 適 合 性 評 価 の JIS 原 案 は ,2004 年 2 月 に JISC 情 報 技 術 専 門 委 員 会 に て 承 認 さ れ た 。 2004 年 6 月 に は JIS X 0135-2 と し て 発 行 さ れ る 予 定 で ある。 ・ ISO/IEC 20926 フ ァ ン ク シ ョ ン ポ イ ン ト 法 に よ る 計 数 の 実 施 の 手 引 の JIS 化 は 2004 年 1 月 か ら 開 始 し た 。 12 3.4 3.4.1 オンラインドキュメンテーション委員会(WG4) 背景 この委員会では,オンラインドキュメンテーションの国際規格の原案を作成し提案する こ と を 目 標 の 一 つ と し て い る 。 N W I と し て 提 案 す る た め に 国 際 SC7/WG2 委 員 会 で 検 討 した結果,規格とするには内容がまだ研究段階であり,実現の方法がイメージできないと の各国の代表からの意見があり,規格原案の提出を見送った経緯があった。 今年度は,現在の技術水準によって実現できることを確認することを目的に,今までの 議論を見直し,簡単な例ではあるけれどもプロトタイプを作成することによって実現性を 確認しながら議論を進めるという方針を採った。いわゆるオンラインドキュメントを動的 に生成することができること,ヘルプ,チュータ,ウイザードなどのドキュメントを一つ のデータベースから生成できることが確認でき,具体的にどのように実装すればよいのか に重点を置いて調査研究を進めた。もちろんのことではあるが,この際に現実の商用アプ リケーションにここで提案する手法を使えるかどうかを常に考慮した。 ユーザタスクの認識に基づく知的支援を行うための手法についても調査研究を行ってき たが,この点に関してはいまだ技術的に未成熟であり,今後さらに研究が必要であること から,規格化の対象からはとりあえず除き,ユーザからの明示的な要求に基づく動的なオ ンラインドキュメントの生成に焦点を絞って調査研究を進め,今年度中に規格原案のたた き 台 を 完 成 し , ISO/IEC JTC1/SC7/WG2 国 際 委 員 会 内 で 一 応 の 合 意 を 得 る こ と を 目 標 と し た。また,この合意を得るために,できるだけ早くデモシステムを作成し,実際に動かし て見せることによって技術的成熟度を明らかにするし,国際委員会における説得力を高め るという方針を立てた。 も う 一 つ 特 に 考 慮 し な け れ ば な ら な い 点 と し て , ISO/IEC JTC1/SC36 学 習 , 教 育 , 研 修 の た め の 情 報 技 術 で 進 め ら れ て い る Web ベ ー ス の オ ン ラ イ ン 学 習 の た め の シ ス テ ム 及 び そ の た め の 規 格 が あ る 。 ま た , ISO/IEC JTC1/SC34 文 書 の 記 述 と 処 理 の 言 語 で 規 格 化 さ れ て い る XML を は じ め と す る マ ー ク ア ッ プ 言 語 及 び そ れ ら を 用 い た 概 念 記 述 な ど も 大 き く 関係することが予想された。 本委員会には,国内情報関連企業から委員が参加しており,実際のドキュメント作成の 状況や現在使われているドキュメント作成手法についての情報を提供していただき,ここ で提案する手法が現実のドキュメント生産にどのようなインパクトを与えるのかについて も議論を進めることとした。 3.4.2 活動概要 本 年 度 は ,2002 年 10 月 の ペ ナ ン 会 議 に 提 案 し ,各 国 の ナ シ ョ ナ ル ボ デ ィ の 賛 同 を 得 ら れた,オンラインドキュメンテーションに関する国際規格の原案を作成することを目標と し,その実現性のフィージビリティスタディも実施した。 13 今年度の活動経緯は以下のとおりである。 第1回 2003 年 05 月 06 日 ( 火 ) 今年度計画 第2回 2003 年 06 月 03 日 ( 火 ) 実 現 性 検 証 の 進 め 方 : FactBase 第3回 2003 年 07 月 01 日 ( 火 ) データ定義及び構造記述について 各社の状況ヒアリング 第4回 2003 年 09 月 02 日 ( 火 ) XML で の 記 述 デ モ , N X D の 適 用 の プ レ ゼ ン NXDの適用のプレゼンテーション 第5回 2003 年 10 月 06 日( 火 ) FactBase ど の 自 動 生 成 の 検 討 ,フ リ ー N X D の 調 査 報 告 , INCONIX に よ る ユ ー ス ケ ー ス 第6回 2003 年 11 月 04 日 ( 火 ) XML で の 記 述 デ モ , シ ナ リ オ の 検 討 , 各社の状況の説明 第7回 2003 年 12 月 09 日 ( 火 ) ユースケースより作製するロバストネス図 (UML)を作図するツールの途中経過をデモ及び議論, 規格原案(NWI)の検討 第8回 2004 年 01 月 13 日 ( 火 ) オンラインヘルプの自動生成デモ, 画面遷移における機能確認デモ 第9回 2004 年 02 月 24 日 ( 火 ) 規格原案の検討 第10回 2004 年 03 月 16 日 ( 火 ) 規格原案の検討 3.4.3 活動成果 簡 単 な ド キ ュ メ ン ト 表 示 は で き る こ と を 確 認 で き た 。実 用 的 な も の に す る た め に は , 更なる検討(オンラインドキュメントの生成方法,データベース構造など)が必要で あるが,国際規格原案として提案し,各国の賛同を得られるものを提示することは可 能である。次回のSC7/WG2国際委員会に向けて,NWIを作成中である。 なお,今回の実現性の検証では,山本主査の研究室の方に多大な協力を頂き,国際提案 時の実現性説明が十分に行えるデータを得られた。ここに,研究室のメンバーの方に感謝 の念を表します。 14 平成 15 年度 経済産業省委託 (基準認証研究開発事業) 「情報分野の要素技術」標準化調査研究開発 ソフトウェア製品の品質改善及び生産性向上 成 果 報 告 書 平成 16 年 3 月 発行 印刷 財団法人 日 本 規 格 協 会 〒107-8440 東京都港区赤坂 4-1-24 電話(03)3592- 1408 スタンダード・メンテナンス 株式会社 〒107-8440 東京都港区赤坂 4-1-24 日本規格協会ビル内 電話(03)3585- 4558 -禁無断転載―