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大子図書館における外部人材の活用 ニ 業務受託会社への質問紙調査から
私立大学図書館における外部人材の活用 業務受託会社への質問紙調査から 江竜 珠緒 抄録:私立大学図書館では,厳しい財政状況の中で,外部人材を活用した運営が拡大している。しかし,外 部人材の活用に関する見解や報告は,大学図書館専任職員によるものが主で,業務受託会社からのものは少 ない。そこで,本研究では,業務受託会社に対して質問紙調査を実施し,分析と考察を行った。調査の結果, 専任職員の能力低下が厳しく指摘され,外部人材の活用による運営であっても,専任職員主体の運営と同じ く,専任職員が経営計画立案を担当することが,大学図書館をよりよく運営するために必要な要件だと考え られていることがわかった。 キーワード:大学図書館,図書館運営,アウトソーシング,業務委託,請負,外部人材 1.はじめに たのは1997年前後からであるそj。この頃から,目録, 現在,わが国の社会・経済は大きな転換期を迎え, 製本作業以外でも業務の外部化が導入されてきた。 企業においては,従来の終身雇用形態から,外部の 外部人材を用いた大学図書館運営増加の背景には, 人材の有効活用であるアウトソーシングに注目が集 私立大学の厳しい財政状況による専任職員数の減 まっている。この原因は,バブル経済の崩壊,その 少,専任職員中の司書有資格者数の減少等が考えら 後の長期不況,経済のグローバル化による国際競争 れている5工。 によって,企業問競争が激化し,各企業に効率的な 直接雇用の臨時職員,嘱託職員よりも,外部人材 経営が求められていることにある。大学もまた,長 活用による運営が選択される理由としては,次の点 が考えられる。①職員の募集,採用,研修等を含む 引く不況に加え,18歳人口の減少による財政状況の 悪化の中で,多様化,個性化,情報化の推進と教育 の質の向上が求められている。そのため,多くの私 労務管理の必要がない,②業務委託の場合,専任職 員による指揮命令の必要がない,③業務委託の場合, 立大学では,さらに経営の効率化を図るために,外 業務に必要な機器,設備を準備する必要がない,④ 部の人材の活用等をかなり早い時期から進めてき 一定の訓練を受けた人材を確保できる,⑤専任職員 た。 の負担が時問的,経済的にも軽減され,専任職員が 大学図書館にも同様の影響が及んでいる。私立大 専門性の高い業務に集中できる‘{コ,⑥以上によって 学図書館では,厳しい財政状況の中で,専任職員に よる運営だけではなく,専任職員を主体としつつ, 総合的なコストの削減ができる,⑦夜間や日曜日の さまざまな形で外部の人材を活用する運営を取り入 する7=。他方,問題点としては,専任職員のノウハ れてきている。大学図書館内で専任職員以外の人材 ウ喪失や一=,契約以外の業務に関して融通がきかな 開館延長の拡大によって利用者へのサービスが向上 に業務を担当させる場合には,大学と直接雇用の契 い場合があること等が挙げられている…H。 約を結んでいる臨時職員,嘱託職員を用いる方法と, 本研究の目的は,私立大学図書館における外部人 外部の会社(請負者)に発注した上で,請負労働者, 材活用の現状と,業務受託会社から見たその問題点 派遣労働者を大学内に受け入れて用いる方法の二つ と課題を明らかにすることである。これまでの外部 がある一コ。 人材の活用に関する文献の多くは専任職員による報 1990年代後半以後,請負労働者や派遣労働者を用 告が主で,業務受託会社からの見解は少なく,業務 いた図書館運営に関して,多くの見解や事例が報告 されてきたが,これらの文献では,請負労働者と派 受託会社から見た問題点や課題は明らかになってい ないln]。そのため,本研究では,業務受託会社に対 遣労働者が区別して論じられておらず,一方で,こ れらを包括する用語も用いられていない!コ。そのた 査に際しては,特に,大学図書館専任職員と図書館 め,本研究では請負契約や派遣で働く労働者等,大 に勤務する外部人材との具体的な業務の切り分け, 学と雇用契約を結んでいないが大学図書館内で就労 大学図書館専任職員に必要とされる能力に注目し た。これは,これまでの専任職員による見解や事例 している労働者を合わせて「外部人材」と呼ぶ=’j。 私立大学図書館における外部人材の活用が拡大し して質問紙調査を実施し,分析と考察を行った。調 報告でも,外部人材導入時における業務の切り分け, 43 私立大学図書館における外部人材の活用:業務受託会社への質問紙調査から 専任職員の職務の明確化が重視されているためであ る■n。調査においては,「外部人材」に対して,業 務受託会社にわかりやすいように,「スタッフ」と いう言葉を用いている。大学と直接雇用契約を結ん でいる嘱託職員,臨時職員等,専任職員以外の職員 は「非専任職員」’別とし,本調査では対象外として なくなっていた。1社からは,今年度は大学図書館 の受託はしていないという回答を得た。そのため, 本来の目的である大学図書館業務の受託会社中の回 答礼数は,対象社数27社,回答率37%(27社中10 社)となる。今回の調査に関しては,電話で調査の いる。本調査は業務受託会社への調査である。非専 意図を尋ねてきた上で回答を断ってきた会社もあ る。企業名は公表しないことを確約したが,それで 任職員に関する質問は,のちに実施した専任職員へ も業務受託会社としては質問に答えにくいと感じた の調査で行っている。 会社もあったようである。 本稿は6章からなる。第1章で研究の背景と調査 の目的を述べ,第2章で調査の概要を述べる。第3 章で調査の結果と分析をフェイスシート,調査項目, 自由記述の順に述べる。第4章で現状の分析を行い, 第5章で調査のまとめと今後の課題を述べる。最後 に第6章で本稿のまとめを行う。 2.調査の概要 1)調査の目的と観点 この調査の目的は,私立大学図書館における外部 人材活用の現状,問題点と課題を,業務受託会社の 側から明らかにすることである。外部人材導入時に おける具体的な業務の切り分けや,専任職員に期待 6)調査内容 質問項目は,自由回答を含めて11項目で,業務 受託状況,業務受託会社のスタッフ採用基準と教育 内容,大学図書館に対して感じる問題点,大学専任 職員に求める能力と意識,よりよい大学図書館運営 のために必要な条件,自由記述,フェイスシートか ら構成される。調査票は末尾に掲載してある。 3.調査の結果と分析 3.1. フェイスシート 2)調査対象 1)会社概要 回答10社中,図書館サービスサポート会社が4 社,大学関連会社が3社,書籍販売業者が2社,人 材派遣会社が1社である。図書館サービスサポート 会社の中には,図書館内のシステムを中心に扱って いる会社や,資料の装備を中心に請け負っている会 図書館司書就職支援情報サイト’3〕において,過去 社等が含まれている。 する能力に関する業務受託会社側の見解に注目し た。 2年間に大学図書館業務のための外部人材を募集し 用いて図書館業務の受託,人材派遣を行っている会 2)業務形態と受託業務の範囲 回答10社中,「一部業務受託」と回答した会社が 社を検索して,合計30社を抽出した。人材派遣会 8社,「全部受託」「人材派遣」がそれぞれ1社であ ていた会社を調査し,また,複数の検索エンジンを 社,図書館サービスサポート会社,書籍販売業者, る。しかし,「人材派遣」を選択した1社は注をつ 大学の関連会社が含まれている。この調査では,大 け「150校以上と取引があり,1つに丸をつけるこ とができない。枚数は派遣だが,人数が多いのは当 社請負」Mjと記している。この質問では,複数の大 学で異なった業務契約を行っている場合,主な契約 形態を答えることになっているため,この会社のよ うに選択が困難な場合もあったと思われる。「一部 業務受託」を選択した8社中にも,人材派遣と一部 業務受託の両方の形態を使い分けている会社はある 学図書館と契約して図書館業務を託されているとい う意味で,人材派遣会社であっても,すべて「業務 受託会社」という言葉を用いている。 3)調査方法 郵送により調査票を配布し,各社で記入後,郵送 およびFAXにより回収した。 と考えられる。 4)調査時期 2005年3月15日∼2005年3月31日。 2005年4月1日∼20日に督促を行った。 3)業務契約状況 業務の契約状況として,もっとも多かったのが 「複数の大学図書館と契約している」5社であった。 5)回収数 10社から回答を得た。今回の調査では当初30社 を対象としたが,うち2社はすでに会社そのものが 44 「1つの大学図書館とだけ契約している」が3社, 「複数の大学図書館とその他の図書館(公共・専門 等)と契約している」が2社である。契約数に関し 大学図書館研究LXXIX(2007.3〕 ては1つの大学図書館とだけ契約している会社は大 学の関連会社であり,他社はすべて複数校を取り扱 却作業」で9社,ついで「利用者へのOPAC利用に 対する援助」「資料の配置作業」「資料装備作業」 っている。平均して1社につき10校の業務を受託 している。人材派遣の契約数を含めると25校程度 「目録作業のうちのコピー・カタロキング,ローカ となる。 「レファレンスサービス」「分類,記述目録作業」も ルデータ付与等」がそれぞれ8社となっている。 7社あった。 4)スタッフの異動 複数の大学で業務を受託している7社に対し,ス タッフの異動を行なうかどうかを質問した。もっと も多かったのは,「異なる館種の複数の図書館間で 全体に「非専門的業務」である「貸出・返却作業」 のスタッフの異動を行なうことがある」で5社, 「同じ館種の複数の図書館間でのスタッフの異動を 行なうことがある」「複数の図書館問でのスタッフ の異動は行なわない」としたところがそれぞれ1社 のOPAC利用に対する援助」「分類,記述目録作業」 ずつである。 覧カウンター業務,目録業務に関わるものである。 3.2.調査項目 この2つの業務においては,非専門的な業務だけで なく,高い技術を必要とされる専門性の高い業務も 1)大学図書館内で行なっている業務 表1は,大学図書館内で業務受託会社の職員が担 当している業務に関する回答を,回答数の多い順に 並べたものである。担当業務に関しては,日本図書 館協会専門性の確立と強化を目指す研修事業検討ワ ーキンググループの『大学図書館の業務分析』1引の 中から選択して質問した。 『大学図書館の業務分析』は,大学図書館内の業 務を1.経営管理,2.コレクションマネジメント, 3.資料組織,4.利用サービス,5.システムの 活用と運用管理の5つに分類している。この5項目 に分類されたのは,主たる業務としてのA∼Rの18 業務である。18業務はそれぞれ「専門性の高い業務」 と,「一般的業務」または「大学図書館の基本的業 務」に分類され,それぞれに相応する個別業務とし て1∼18項目,計168業務が挙げられている。今回 の調査では,『大学図書館の業務分析』で挙げられ た168業務すべてに関して業務受託の有無を質問す ることは不可能だったため,1.経営管理,2.コ レクションマネジメントという主にマネジメントに 関わる部分での「専門性の高い業務」から5項目を 「マネジメント業務」として選択し,次に3.資料 組織,4.利用サービス,5.システムの活用と運 用管理という知識や技術を要する部分での「専門性 の高い業務」から5項目を「専門的業務」として選 「目録作業のうちのコピー・カタロキング,ローカ ルデータ付与等」「資料の配置作業」「資料装備作業」 が多いが,技術面で専門性を要求される「利用者へ 「レファレンスサービス」「DB検索操作の講習」「シ ステム・ネットワークの運用管理」等の業務も多く の会社が担当している。これらの業務はすべて,閲 外部化される傾向にあることがわかった。「図書館 経理事務」を担当している会社も4社ある。 専任職員が行うべきとされている「広報活動の計 画立案」,「資料配備(書架配置,資料配置)の計画 立案」,「図書館経営全体のための計画立案・総括」, 「展示会・講演会等の開催計画立案」のマネジメン ト業務に携っている会社も項目によって2∼4社あ る。 表1 受託業務の内容(複数回答) 業務内容 ≡社 マネジメ 広報活動の計画立案 ソト業務一学内他部署との連絡調整 「大学図書館の基本的業務」から5項目を「非専門 的業務」として選択し,計ユ5項目について質問し た。調査において業務受託会社にわかりやすいよう 1. 資料配備の計画立案 一一一一 」 ユ 図書館経営全体のための計画立 案 総括 3 一 一 一 ■ ■ ∵ll11練111援」 ㌦記述目録作業 j記述目録作業 業務 8 @ 』†一一 一→’・■ ト レファレンスサービス DB検索操作講習 } 専門 一 一 一≒ 一 L ?w跨 択した。最後に,すべての項目中の「・一一般的業務」 } 業務 貸出・返却作業 ?S」 i81 目録炸薬のうちのコピーカタロギ 塔O、ローカルデータ付与 艘 料の配置作業 料の装備作業 に,用語を変えた部分がある。 回答10社中,もっとも多かったのが「貸出・返 一 ㎜≡ト^±せ一1コ回{旨エ← 一図書館経理事務 L____⊥_ 一_一 ∵ .一 P _____」__ .」 45 私立大学図書館における外部人材の活用:業務受託会社への質問紙調査から 表3 スタッフに対する教育,研修の有無 2)スタッフの採用時に重視する点 表2は業務受託会社が,スタッフの採用時に重視 する点に関する回答を,回答数の多い順に並べたも のである。業務受託会社の回答は,「司書有資格 者・経験ありを優先する」がもっとも多く,7社で ある。「資格・経験は特に問わない」が1社,「その 他」2社では「個人の資質」「なぜ図書館で働きた いかという動機,向上心」「語学力・パソコンのス キル」が挙げられている。司書有資格者であれば経 験は問わないとした会社はなく,司書以外の資格を 優先するという会社もない。 教育,研修の実施状況 社 晦自の版スノ/フ愛育を定期的し実施し ている 研修,スタッフ教育は初任者研修のみで,継続 的・定期的には行っていない 一 研修,スタッフ教育は主にOJTによって行い, 特別に時間を設けて実施することはない 研修,スタッフ教育は大学側に一任し,社内で ㌣ない 表2 スタッフ採用時に重視する事項 「■■1 。 採用時の重視事項 煌i・経験あ1を優先す1 ≡資格・経験は特に問わない 司書有資格者を優先させ,経験は問わない .させる 社 7 1 0 ^ O一 素4は,3)において定期的に研修を行なってい ると回答した会社の,研修内容に関する回答を,回 答数の多い順に並べたものである。本来の回答礼数 は6社だが,「その他」で,業務形態によっては研 修を定期的に行なっている会社の回答を含め,有効 回答数は7社とした。 全社が「図書館業務に対する技術向上,専門性を 「各種資格よりも経験を優先する 1その他 4)研修内容 2; 3)スタッフに対する教育の実施状況 表3はスタッフに対する教育,研修の有無に関す る回答を,回答数の多い順に並べたものである。 「社独自の研修,スタッフ教育を定期的に実施して いる」が6社,「研修,スタッフ教育は初任者研修 高める」ための研修,教育を定期的に実施している と答えている。また,「図書館員としての倫理やプ ライバシー基準等に関するもの」の教育を行なって いる会社が6社ある。「図書館経営に関わるような 人材を育成するため」の研修を行っている会社は2 社ある。 「その他」では「人間性の育成」「モチベーションの 向上」「マナーに関すること」が挙げられている。 のみで,継続的・定期的には行っていない」が1社, その他の研修を実施しているところが3社である。 「その他」では「業務形態によって研修時期,内容 が違う」「OJTが主で,年に1,2回の研修を行なっ ている」「新入社員に対して,接客基本,マナー研 修を行なっている」という回答がある。研修時間数, 内容に違いはあるものと思われるが,定期的に研修 を実施している業務受託会社と,初任者研修のみの 表4 スタッフに対する研修内容(複数回答〕 「 一一1研修内容 ■ ㎏ 務に対する技術向上,専門性を高める の 1図書館員としての倫理やプライバシー基準等に 関するもの 61 票言讐経営に関わるような人材を育成するため■ 会社があることがわかった。 麻 5)大学側に対して感じる問題点 表5は大学側に対して感じる問題点に関する回答 を,回答数の多い順に並べたものである。大学側に 感じる問題点として,もっとも多くの会社が挙げて いたのが「大学側の委託内容決定時期と受託側の準 備スケジュールとが合わないことがある」(7社), 次いで「大学側の提示する業務契約範囲が不明確だ 46 大学1刻書館研究LXXIX(2007.3) 表5 大学側に感じる問題点(複数101答) と感じることがある」「大学側のマニュアルの不整 備を感じることがある」(6社)である。「大学図書 館専任職員と感情的な軋櫟を感じることがある」 「大学図書館専任職員の外部人材との協力体制の欠 如を感じることがある」「大学図書館専任職員の図 書館業務への無関心,やる気のなさを感じることが ある」を挙げた会社がそれぞれ4∼5社ある。「大 学側が外部人材の能力評価を適切に行っていないと 感じることがある」「大学図書館専任職員にもっと マネジメント能力が必要だと感じることがある」を 挙げた会社は4社,問題点のすべてを選択した会社 も2社存在する。 スケジュール調整,業務契約範囲の確定,マニュ アルの整備は,外部人材を導入する上で大学図書館 側が整備すべき基本部分だが,その部分の不備に関 する指摘が目立つ。専任職員のマネジメント能力の 欠如とも関係している。「感情的な軋櫟」は「大学 側が外部人材の能力評価を適切に行っていない」 「大学図書館専任職員の外部人材との協力体制の欠 一10 l学㎞に対しそ感じる問題点一一⊥⊥「手土1 大学側の委託内容決定時期と受託側の準備スケ ジュールとが合わないことがある 学側の提示する業務契約範囲が不明確だと感 ‘ ることがある 大学側のマニュアルの不整備を感じることがある 大学図書館専任職員との感情的な軋蝶を感じる L 一ことがある ;大学側が外部人材の能力評価を適切に行ってい 1ないと感じることがある 大学図書館専任職員の外部人材との協力体制の 欠如を感じることがある 4 i大学図書館専任職員の図書館業務への無関心, 1やる気のなさを感じることがある 一大学図書館専任職員にもっとマネジメント能力 1が必要だと感じることがある 4 大学図書館専任職員にもっと個別業務の専門的 如」「大学図書館専任職員の図書館業務への無関心, 能力が必要だと感じることがある 2 やる気のなさ」から生み出されたものと考えること 時に問題は感じていない 1− もできる。外部人材活用による図書館運営を円滑に その他 3 一一一......一L一 行なうためには.専任職員と外部人材の協力が欠か せず,専任職員側に外部人材を受入れる体制が必要 なことを意味している。 6)大学図書館専任職員に求める能力 「その他」では,「専任職員にマネジメント能力が ない。とてもビジネスにならない」「図書館の本来 表6は業務受託会社が大学図書館専任職員に求め る能力に関する回答を,回答数の多い順に並べたも の機能や役割を忘れている」「図書館を私物化して のである。業務受託会社が専任職員にもっとも強く いる」「特定の業者との癒着がある」といった厳し い意見がある。」方,複数の大学関連合杜からは, 「特に問題がない」「大学関連合祉なので相互に協力 求めている能力は「大学図書館の経営計画立案能力」 できる。協力関係に問題はない」とする意見がある。 が必要だと感じることがある」を挙げた会社すべて …般の業務受託会社のような厳しい指摘は大学関連 が,これを選択していた。次いで「図書館業務に対 する専門性(レファレンス能力,目録作成技術等)」 会社からは出てきていない。ただし,「協力関係に 問題はない」とした大学関連会社もその他の問題点 (スケジュールの不一致,マニュアルの不整備等) を選択している。 (7社)である。前項で大学側に感じる問題点とし て「大学図書館専任職員にもっとマネジメント能力 (4社)「大学全体の戦略把握」(3社)となる。「大 学図書館業務効率化への推進力」「大学他部署との 連携」「日常的な管理業務能力」はそれぞれ2社で ある。「最新の情報機器への対応力」や「図書館業 務の経験」は1社で,それほど求められていないこ とがわかった。「その他」では「図書館サービスを 向上させようという熱意」が挙げられている。 47 私立大学図書館における外部人材の活用:業務受託会社への質問紙調査から 3.3.自由記述 表6 専任職員に求める能力(複数回答) ] @ 専任職員に求める能力 社7 大学図書館と関わっていく上でもっとも重要だと 考えていることに関して,自由回答の形式で記入を 蜉w図書館の経営計画立案能力 ■ 求めた。記述内容は3つに大別される。 図書館業務に対する専門性 4 大学全体の戦略把握 3 1)大学図書館及び図書館界全体に対して,外部人 図書館業務効率化の推進力 2 材による図書館運営の現状に関して,より深く理解 大学他部署との連携 2 するように求める意見 日常的な管理業務能力 2 専任職員が削減される傾向にある中,よりよい外 事務処理能力 2 部人材活用のために,大学と大学図書館専任職員側 最新の情報機器への対応 1 図書館業務の経験 1 」人事管理力 その他 の受入れ体制の整備を望む意見,低賃金で雇用され る外部人材の現状と将来を懸念する意見があっれ O 「図書館を全面委託する事例も出ているが,業務 2 受託会社へどこまで業務を任せ,任せた業務が正し 7)今後の大学図書館運営 表7は,今後の大学図書館運営に必要な要件に関 する回答を,回答数の多い順に並べたものであ糺 今後の大学図書館運営に関しては,「大学専任職員 が経営計画立案を担当し,外部人材(会社)は専門 的業務を含む図書館業務を担当することが重要であ る」と答えた会社が半数の5社である。「大学専任 職員が経営計画立案と専門性の高い業務を担当し, 外部人材(会社)は非専門的業務や,専門的業務で はあってもマニュアル化が可能な業務を担当するこ く運営されているかどうかを大学側がよくチェック していくことが必要である。専任職員削減傾向では あるが,あくまで主役は大学であり,そのためには 専門性の維持,向上のための施策を大学として真剣 に考えていくことが必要だと思っている」 「専任職員は既得権として高額な給与を保障され, 業務受託側は予算がないからと低賃金で夜まで勤務 する。実態の能力やモチベーションはコストにまっ たく比例していない。もっと業界全体で業務やフィ ーをシェアすべきとの大人の常識を持ってもらいた い」 とが重要である」といった,専任職員を中心とする 図書館運営を望む会社が2社,「外部人材(会社) 2)大学図書館,大学専任職員との連携を重視する 側も,業務を担当するだけではなく,大学図書館業 意見 務の経営計画に関わっていくことが重要である」と 大学図書館の基本方針,専任職員と外部人材の役 いった,積極的に大学図書館運営に関わる意志を持 った会社が2社,無回答が1社(大学関連合杜)と 割分担を明確にすることを望む意見があった。互い に協力しあうためにも,業務受託会社は,図書館の なった。 明確な基本方針と業務計画の提示を必要としている ことが述べられていた。 表7 今後の大学図書館運営 「■ @ 今後の大学図書館運営 社一 大学専任職員が経営計画立案を担当し,外部人 材が業務(専門的業務を含む)を担当すること が重要である 5 一大学専任職員が経営計画立案と専門的業務を担 籔;1;;;ll:lll;ll∴ 「図書館の基本方針と業務計画の提示により,お 互いに役割を確認すること(パートナーシップ)」 「大学職員の方との連携が大切である。サービス向 上のための工夫をし続けることも重要だが,専任職 員と業務受託会社が同じ方向に向かっていけるよう チームワークが大切。大学図書館は公共図書館とは 異なる役割がある。ここが理解できないとうまくい かない」 「『図書館が利用者のために存在する』という価値 L替回答 」■」 の振り返りと明確な評価基準が必要」 「専任職員との連携」 「大学と業務受託会社との情報交換をもっと頻繁 に行う」 48 大学図書館研究LXXIX(2007.3) 3)業務受託会社として,業務を受託する責任を重 マナー研修である。このような状況の中で,専門的 視した意見 設定された期限内に失敗なく業務を終了させるこ な知識や能力が必要とされる業務が外部化され, 「業務契約範囲の不明確さ」「マニュアルの不整備」 とを目標としているという意見があった。 が指摘されている。専任職員は,業務受託会社の現 「図書館からの仕様書どおり,ミスなく期限内に 状を把握した上で,外部人材の活用における業務の 切り分けを実施する必要がある。 終了させること」 「受託している業務を契約内容以上のものに仕上 げ,さすがプロ集団に依頼したと信用してもらえる ような実績を作ること。口でいうより形で示すこと」 4.2.大学図書館専任職員の問題点 「大学の組織編成,学内手続きを理解するこ」 例えば,1つの折衝時において,相手は話なのか, ことが多かった境1。 これまでの専任職員の見解では,外部人材導入の 結果として,「専任職員の力量低下」が挙げられる 方法は口頭で済むか,文書でなければならないのか, これに対して,今回の調査では,専任職員の問題 点として,「大学図書館専任職員の図書館業務への この選択を誤ると交渉がうまく運ばないことがあ 無関心,やる気のなさを感じることがある」を挙げ る」 た業務受託会社が4社,「大学図書館専任職員にも っと個別業務の専門的能力が必要だと感じることが 4.現状の分析 4.1.大学図書館専任職員と外部人材との業務の切 り分け 外部人材の導入に際しては,どの業務をどこまで ある」が2社あった。大学図書館専任職員に必要な 能力として「図書館業務に対する専門性」を挙げた 4社のうち3社は「分類,記述目録作業」を請負っ ており,そのうち2社は「レファレンスサービス」 も担当している。非専門的な業務を請け負っている 外部人材に担当させるかを決定しなければならな い。そのためには,大学図書館専任職員と外部人材 の業務の切り分けが重要である。これまでの文献で 業務受託会社ばかりが専任職員に専門性を求めてい るのではなく,技術的に専門性の高い業務を請負っ も,業務の切り分けの曖昧さを指摘し,その重要性 ている会社も,大学図書館専任職員には図書館業務 に関して述べた報告が多数ある。 に関する専門的能力が必要であるとし,現状の専任 これまで,専任職員による見解は,外部人材の担 職員の能力低下を問題視している。 当すべき業務は,比較的容易で定型化が可能な業務 「業務契約範囲の不明確さ」「マニュアルの不整備」 が主だとする意見1信一と,補助的なものではなく,専 を挙げた業務受託会社が6社,「能力評価の不適切 任職員と外部人材との間に差はないとする意見’7一と さ」が4社あった。また,大学図書館専任職員のマ に二分されてきた。どちらの場合も,一度外部化し ネジメント能力の欠如を挙げた業務受託会社が10 た業務を再び内部化することは難しいことが指摘さ れている岨]。ただし,業務受託会社側の人材や業務 社中4社あった。図書館業務を十分理解していない ため,外部人材の導入時に仕様書やマニュアルを作 のノウハウ,業務遂行能力を勘案した上で業務を外 成することができず,運用後も適切な評価ができな 部化しているという報告は少ない。そのため,外部 い専任職員がいることがわかった。仕様書やマニュ 化した業務が業務受託会社側の人材や能力と合致し ないケースも考えられる。専任職員の担当すべき業 アルは,外部人材の導入以前に準備しておく必要が ある。専任職員の力量低下や必要とされる能力の低 務として考えられてきたのは,「選書」19=や「レファ 下が,委託導入後の問題だけではなく,導入以前の レンス」㎜■といった個別業務の他,「業務計画」1”「意 段階にもあることが,業務受託会社の指摘からわか 思決定」221等の計画立案業務である。 った。 これに対して,今回の調査では,「図書館経営全 体のための計画立案・総括」を担当している業務受 4,3.大学図書館専任職員に必要とされる能力 託会社が3社,専門的な知識や能力が必要とされる 「レファレンスサービス」を担当している業務受託 これまで,大学図書館専任職員には,図書館の基 型的でマニュアル化が可能な業務ばかりではないこ 幹となる専門的業務や計画立案業務を担当するた め,①書誌や主題に関する知識,②情報の電子化に 対応できる能力,③マネジメント能力,④コミュニ とがわかった。 ケーション能力等が必要であるとされてきた24〕。 会社が7社あった。受託しているのは,必ずしも定 定期的に研修を実施している業務受託会社は7 社,残り3社は初任者研修のみ,内容も接客基本や 今回の調査では,大学図書館専任職員に求める能 力として,経営計画立案能力を挙げた会社は7社, 49 私立大学図書館における外部人材の活用:業務受託会社への質問紙調査から 図書館業務に対する専門性を挙げた会社は4社あっ た。現在,経営計画立案を受託している業務受託会 っているのかまではわからなかった。これらの業務 に関しては,完全に外部化されているのではなく, 社も,今後のよりよい大学図書館運営のためには, 専任職員が経営計画立案を担当すべきだと回答して 専任職員が主導となって,協働で業務を担当してい いる。外部人材との業務の切り分けや,仕様書やマ ニュアル作成のためにも,大学図書館専任職員には 図書館業務に関する専門性と,図書館運営全体を考 また,今回の調査では,業務受託会社が述べた 「専任職員」が,司書資格を有する専任職員を指す のか,司書資格を持たない事務職系の専任職員を指 えるための能力が求められている。 すのかまではわからなかった。多くの私立大学では, ることも考えられる。 人事異動があるため,必ずしも司書資格を持つ専任 5.調査のまとめと今後の課題 5.1.調査のまとめ 職員だけが図書館業務を担当するわけではない。 「専任職員の能力低下」は,この点からも考える必 今回の調査では,私立大学図書館における外部人 要がある。 材活用の現状に関して,一定程度の傾向をとらえる 業務受託会社のより具体的な意見や,私立大学図 ことができた。これまでの文献で専任職員側が指摘 していた私立大学図書館の問題点,課題を業務受託 書館の外部人材活用における固有の特徴について は,今後の課題としたい。 会社側からも確認した。 業務受託会社は,「図書館の基本方針と業務計画 の提示により,お互いに役割を確認すること」を重 視しているが,そのような中で,「大学側の提示す る業務契約範囲が不明確だと感じることがある」を 6.おわりに 業務受託会社が図書館運営全体に関わる計画立案 業務を担当している場合があること,業務の切り分 けに関しては,定型的でマニュアル化が可能な業務 選択した会社が6社あることもわかった。業務の切 り分けや,業務契約の範囲は,今後考えていかなけ ばかりが外部化されているわけではないことがわか ればならない課題である。 問題点として,外部人材活用による大学図書館運 営で大学図書館側が整備すべき基本事項の不備が指 大学側に感じる問題点において,大学図書館側の 不備に関する指摘が多かった。特に,業務受託会社 った。 摘され,専任職員には専門的な知識や技術,図書館 とのスケジュール調整やマニュアルの整備等の基本 運営の計画立案能力等が求められていた。私立大学 事項が目立った。早急に見直さねばならない課題で 図書館における外部人材の活用については,専任職 ある。 員,業務受託会社双方に解決すべき課題がある。 く求めている能力は,計画立案能力であることがわ 今回の調査から,いくつかの課題が明らかになっ たが,この研究では,質問紙調査の他,業務受託会 かった。計画立案のためにも,業務に関する知識や 社からのさらに詳細な見解および大学図書館専任職 技術,図書館への関心,熱意,外部人材との協力体 制が求められている。 員の見解を得るためにインタビュー調査を実施して いる。今後は,その結果を分析し,私立大学図書館 今回の調査項目ではなかったが,自由記述にあっ の現状と課題をより明確にしていきたい。 たように,外部人材の低賃金,労働条件の悪さも問 題である。この点は業務受託会社の中間マージン率 謝辞 業務受託会社が大学図書館専任職員にもっとも強 等も含めて考えねばならないが,賃金向上は業務評 価,能力評価と関係するため,「大学側の能力評価 の不適切さ」の指摘と決して無関係ではない。業務 受託会社,専任職員双方に解決すべき課題がある。 5.2.調査における今後の課題 本稿は2006年筑波大学大学院図書館情報メディ ア研究科博士前期課程修了論文の一部を加筆訂正し たものです。本研究の実施ならびに本稿の執筆にあ たって,筑波大学大学院図書館情報メディア研究科 の薬袋秀樹先生にご指導とご助言を,博士後期課程 大学院生長谷川昭子氏にご助言をいただきました・ 深くお礼申し上げます。 今回の調査から,今後の課題が明らかになった。 今回の調査では,これまで専任職員が担当すべきと 質問紙調査では,業務受託会社の皆様にご協力を されてきた計画立案業務やレファレンスサービス等 いただきました。ご多忙のところ,お時間を割いて を担当している業務受託会社が存在することがわか った。しかし,業務受託会社だけがこれらの業務を くださった方々に感謝申し上げます。 担当しているのか,専任職員もこれらの業務に関わ 50 大学図書館研究LXXIX(2007.3) 務のアウトソーシング:中央大学図書館の事例報 注記・引用文献 1)請負(業務委託)とは,「請負者が発注者(委託者) から所定の業務を請負い,自己の雇用する労働者 を自ら指揮監督して業務を処理することを要件と する(民法632条)」ものである。人材派遣とは, 「請負者が自己の雇用する労働者を,当該雇用関係 の下に,かつ,他人に指揮命令を受けて,労働に 従事させること(労働者派遣法第2条)」である。 大学図書館業務の請負労働者には,製本のように 請負った業務を図書館外の作業場で行なうもの, 目録作成業務や閲覧業務のように図書館内で業務 を請け負うものがいる。また,大学図書館業務の 派遣労働者には,主に閲覧業務のように、図書館 内において専任職員の指揮命令の下に業務を担当 するものがいる。 2)請負労働者と派遣労働者を用いた図書館運営の外 部化を包括して「アウトソーシング」としたもの は多数ある。①福石妙子.アウトソーシングによる 図書館組織再編の考察.Library and Information Science.no.44.2002.&p.45−50.②野村健.図書館の アウトソーシングに関する小論:透明性を高め, スタッフの戦力化を図るためには何が必要か.大学 図書館問題研究会誌.no.28.2005.6,p.27−36.等 3〕『日本労働研究雑誌』等で正規職員以外の職員の活 用を研究している木村琢磨氏の定義を援用してい る。木村琢磨.特集:非典型雇用.非正社員・外部人 材の活用と職場の諸問題.日本労働研究雑誌. no,505.2002.8,P.27−38. 4)『大学の図書館』では「特集 アウトソーシング」 が組まれ,見解や事例が報告された。特集:アウ トソーシング.大学の図書館.v01116,no.12.1997.12, p.241−248.また,『大学図書館実態調査結果報告』 において,外部委託業務の調査内容に「受付・閲 覧」が含まれるようになったのも1997年度からで ある。文部省学術国際局学術情報課.平成9年度大 学図書館実態調査結果報告.文部省.1998.3.84p. 5)鈴木正紀、特集:図書館職員をめぐる問題.私立大 学図書館員をめぐる問題:大学らしい大学を作る ために.図書館雑誌.vo1.90,no.10.1996.10,p.787−789. 6)田中康雄.特集:図書館の業務委託を考える.アウ トソーシングを活用した大学図書館運営:立命館 告.現代の図書館.voL36.no.4.1998.12,p.256−266. 10)特集=非正規職員の問題を考える.図書館雑誌.vo1.88, no.11.1994.11,p1809−832.}特集1図書館経営の課 題.現代の図書館.vo1.36.no4.1998.12,p1223−285.等。 業務受託会社側の見解を含んだものとしては以下 のものがある。佐々木克彦1特集:大学図書館2005. 大学図書館アウトソーシングの行方.図書館雑誌. vol.99.no.11.2005111.p.780−783.等 11)前掲9) 12)前掲3) 13)司書採用試験情報1われわれの館:図書館司書就職 支援の館.(オンライン),入手先http=〃www5b. big1obe.nejpノ’wir/(参照2006−9−20). 14)この業務受託会社の回答における「当社請負」は, 図書館内での業務委託を意味している。人材派遣 の場合,大学図書館に派遣される人数は1,2名 だが,業務委託の場合には通常10数人からなるチ ームで請け負う形態となるため,「枚数は派遣だが, 人数が多いのは当社請負」という回答となってい る。 15)大学図書館の業務分析.専門性の確立と強化を目指 す研修事業検討ワーキンググループ(第2次)報 告書.(オンライン).入手先くhttp:〃wwwj1a.orJp/ kenshu/kenshuwg/siryo2.pdf〉(参照2006−9−20) 16)前掲2)① 17)藤岡昭治.特集:図書館経営論の課題.情報館の経 営戦略:大学図書館における人の問題と今後の課 題.現代の図書館.vo1,36,no.4.1998.12,p.246−255. 18)木内公一郎.大学図書館のアウトソーシング.情報 の科学と技術.vol.48.no.1.1998.I.p.9−16− 19)杉本純一.アウトソーシング点描1収集整理業務. 関西大学図書館フォーラム.no.6.2001.1,p.70−73. 20)浅井恒雄.アウトソーシング1年目を終えて.関西大 学図書館フォーラム.no.6.200111,p.67−69. 21〕前掲9) 22)前掲2)① 23)井上雅人.特集:アウトソーシング,目録業務にお けるアウトソーシング:立命館大学の試み.大学の 図書館.vo1.16.no.12.1997,12.p.242−243. 24)前掲2)①,6),17)等 大学における現状と課題.図書館雑誌.vol.97.no.3. 2003.3.p,159−161. 参考文献 7)前掲6) 小林麻実.コア・コンビタンスとアウトソーシング: 8)入江伸.図書館システムの現状と課題1次期業務モ リストラされないライブラリーとは何か?.第17回大 デルと大学図書館間の協力体制の確立構想へ向け 学図書館研究集会記録 学術情報提供と次世代図書 て.情報の科学と技術.vo1.51,no,2.2001.2.p.123−126. 9)細井孝雄.特集:図書館経営諭の課題,逐次刊行物業 館サービス:大学図書館の今後の戦略.第17回大学図 書館研究集会運営委員会.大阪市立大学.1999−09−09. 51 私立大学図書館における外部人材の活用:業務受託会社への質問紙調査から 日本図書館協会大学図書館部会.国公私立大学図書館 協力委員会.大阪,2000,12,p.87−92. 牛崎進.変革期における大学図書館経営.専門図書館. no.208.2004.11,P.19−27. ・村橋勝子.人材育成のための諸要件:組織,マネジメ ・保科恵美子.受ける側から見たアウトソーシング の ソト,適正評価,モチベーションなど、情報の科学と 現状と問題点:依頼する側に何を求めたいか.埼玉県 技術.vo1.53,no.3.2003.3,p.128−134. ・守屋淳子.大学におけるアウトソーシング:中小規模 大学・短期大学図書館協議会第16回研修会,レジュメ. 2004.11,4枚1 図書館における事例紹介.第!9回大学図書館研究集会 記録変革の時代に於ける図書館経営戦略:存在感あ る図書館を目指して.早稲田大学2003−09−19第19回大 <2006.9.21受理 えりゅう たまお 明治大学付属 明治高等学校中学校図書館専任司書教諭〉 学図書館研究集会運営委員会.2004.1,p.45−49. Erym T㎜ao Comthgomt Emp1oymemt im P㎡v8te Umivomity Libr㎜拍s:Am阯ysis of Q11estiommdre SlIrvey to Com・ tr8CtOrS Abstmct:An increasing number of private university1ibraries are using outsourcing companies to oper− ate because of financia1di冊。u1ties.Yet most comments and reports about the use of contractors come from academic1ibrarians not the outsourcing companies.Therefore,this research1ooks at their perspec− tive by ana1yzing the resu1ts of a survey sent to contractors.The resu1ts c1ear1y point out a decreasing know1edge among the permanent employees−In order to improve1ibrary operations it is important for professiona1staff to be responsib1e for administration and p1anning whether the1ibraries are staffed by permanent or contingent workers. Koywords:university1ibraries/1ibrary operations/outsourcing/contracts/staff1easing/temporary emp1oyees 52