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自動車部品産業

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自動車部品産業
自動車部品産業
1. 産業概要
◆ 自動車産業の現状(2009 年)
自動車
区分
産業
事業者数(社)
自動車
完成車
エンジン部
その他の
ボディ部品
品
部品
部品
3,037
35
3,002
591
626
1,785
雇用(人)
259,435
93,674
165,761
29,771
38,048
97,942
生産額(十億ウォン)
118,296
64,950
53,346
7,876
11,342
34,128
出荷額(十億ウォン)
117,807
64,704
53,103
7,832
11,298
33,973
付加価値額(十億ウォン)
37,672
21,077
16,595
2,801
3,718
10,075
輸出額(百万ドル)
37,121
25,411
11,710
-
-
-
輸入額(百万ドル)
5,868
2,489
3,378
-
-
-
31,253
22,921
8,331
-
-
-
対外直接投資(百万ドル)
813
457
356
30
82
243
海外直接投資(FDI)
(百万ドル)
505
417
88
-
-
-
3,110
1,889
1,220
-
-
-
貿易収支(百万ドル)
設備投資(十億ウォン)
資料: 統計庁、KOTIS、知識経済部、産業銀行、輸出入銀行
注: 事業者数、雇用、出荷額、生産額は 2008 年基準
◆ 自動車部品産業の経営成果
単位: %、百万ウォン
区分
2003
2004
2005
2006
2007
2008
売上高増加率
13.4
18.0
19.0
10.6
9.7
4.2
成長性 総資本増加率
11.7
14.2
16.2
11.6
8.1
15.6
20.2
17.5
18.2
11.0
13.4
25.1
企業の当期純利益率
9.1
8.4
8.6
7.3
7.6
6.2
収益性 資本金当期純利益率
57.9
55.1
64.3
52.2
62.3
48.2
5.9
5.4
4.8
4.8
4.6
4.3
自己資本増加率
売上高営業利益率
自己資本比率
安全性 負債比率
38.9
37.6
39.2
39.7
40.6
43.9
157.1
166.3
155.2
151.8
146.2
127.6
26.8
26.7
27.5
28.1
27.5
28.6
71
77
86
90
95
99
60
62
64
68
67
68
26.4
25.3
22.7
23.3
22.1
22.1
借入金依存度
労働装備率
生産性 従業員 1 人当たり付加価値額
付加価値率
資料: 韓国銀行
◆自動車部品の品目別現状
単位: 社、十億ウォン
細部品目
2006
事業
者数
生産
額
2007
出荷
額
事業
者数
生産
額
2008
出荷
額
事業
者数
生産
額
出荷
額
エンジン部品
839
6,084
6,052
655
6,863
6,839
614
7,805
7,763
ボディ部品
702
10,438
10,431
592
10,498
10,497
562
10,959
10,939
サスペンションとその部品
150
1,301
1,301
110
1,427
1,427
107
1,329
1,325
ブレーキとその部品
336
3,495
3,482
245
3,632
3,625
234
3,802
3,803
ギアとその部品
502
7,587
7,558
446
8,760
8,735
408
7,993
7,954
ステアリングとその部品
263
2,518
2,510
217
2,489
2,488
190
2,540
2,538
ホイールとその部品
84
1,182
1,178
71
1,113
1,102
58
1,087
1,072
ラディエイトとその部品
53
434
436
39
372
373
32
370
371
165
2,047
2,031
123
2,041
2,024
122
2,059
2,054
シートベルトとその部品
47
357
356
40
374
371
36
435
435
エアバックとその部品
38
544
544
28
706
709
25
755
751
58
634
633
38
404
403
34
315
315
17
103
103
16
188
186
17
140
140
その他の自動車部品
675
6,893
6,871
520
6,998
6,977
463
7,743
7,733
ワイヤリング・ハーネス
n/a
n/a
n/a
89
1,866
1,858
78
1,764
1,759
電気装置部品
n/a
n/a
n/a
32
1,050
1,048
31
523
524
マフラーとその部品
オイルタンク
カーヒーター
資料: 統計庁
注: 2005 年、2006 年は従業員 5 人以上の事業所、2007 年は従業員 10 人以上の事業所を基準と
する。
◆ 国内完成車メーカーの現状(2009 年)
設立年度
工場所在地
現代
起亜
GM 大宇
双竜
ルノーサムスン
1967.12
1944.12
2002.8
1954.1
2000.9
平沢、昌原
釜山
4,763
7,539
乗用車、SUV
乗用車
蔚山、全州、 牙山 光明、華城、光州 郡山、昌原、富坪
従業員数(人)
55,984
生産車種
乗用車、SUV、
CDV、バス、トラッ
ク、特装車
売上高
(十億ウォン)
当期純利益
(十億ウォン)
32,616
16,922
乗用車、SUV、
乗用車、 CDV、
CDV、バス、トラッ
バス、トラック
ク、特装車
31,859
18,416
9,533
1,067
3,656
2,962
1,450
-344
-346
80
生産(千台)
1,607
1,137
532
35
190
内需(千台)
703
413
115
22
134
輸出(千台)
911
736
429
13
56
-
-
-
海外工場
中国、インド、トル 中国、スロバキア、
コ、米国、チェコ
米国
注: 生産、内需、輸出は 2007 年基準
資料: 各社の営業報告書、監査報告書、自動車工業協会
2. 国内自動車産業の位置づけと現状
■ 完成車産業の位置付けと現状
▶ 完成車産業の位置付け
○ 自動車産業は国家経済をリードする製造業の重要な主力産業であり、2008 年現在、
製造業生産の 10.5%、輸出の 10.2%、雇用の 10.6%を占めている。
◆ 自動車産業の位置付け(2008 年)
自動車産業
製造業に占
める割合
生産
(十億ウォン)
118,296
付加価値額
(十億ウォン)
37,672
10.5
10.3
雇用
(千人)
259
10.6
輸出
(百万ドル)
37,122
貿易収支
(百万ドル)
設備投資
(十億ウォン)
3,045
31,253
10.2
6.9
注:1) 輸出、貿易収支、設備投資は 2009 年基準
2) 自動車部品を含む
資料:「ISTANS 主要産業動向指標」、産業研究院
○ 韓国の自動車産業は、1970 年代の組立生産及び国産化、1980 年代の自動車の本格
的な量産と輸出の開始、1990 年代の独自モデル開発という段階を経て成長し、現在は成
熟期の初期に入っている。
. 世界の自動車産業における韓国自動車の位置付けをみると、2009 年の生産シェアは
5.7%で世界 5 位、内需規模は 139 万台で世界第 12 位、自動車の輸出台数は 214 万台で
世界第 4 位を記録。
◆ 韓国自動車産業の発展段階
資料: KIET
◆ 世界 5 大自動車生産国の順位
単位: 千台、%
2007
1
国家
生産
日本
11,596
2008
割合
15.9
国家
生産
日本
11,563
2009
割合
16.3
国家
生産
中国
13,790
割合
22.5
2
米国
10,751
14.7
中国
9,299
13.1
日本
7,934
12.9
3
中国
8,882
12.2
米国
8,671
12.3
米国
5,696
9.3
4
ドイツ
6,196
8.5
ドイツ
6,041
8.5
ドイツ
5,206
8.5
5
韓国
4,086
5.6
韓国
3,826
5.4
韓国
3,512
5.7
資料: 自動車工業協会
○ 最近、世界市場における韓国車のイメージが上がり、価格ではなく品質の良さが高く評
価されている。小型・中型乗用車、小型 SUV では世界最高の品質競争力を有する。
・このような競争力を基に、世界金融危機に端を発して世界の自動車産業の低迷が続く中
でも、米国、中国などの主要市場においてシェアを高めるなど、底力を発揮している。
・米国市場の「ビックスリー」が業績不振に陥る中、国内完成車メーカーはコンスタントな品
質改善、ブランドイメージの向上、攻略的なマーケティングを行い、米国における市場シェ
アを7%まで伸ばした。
◆ 米国自動車市場におけるシェアの変化
単位: %
資料: Ward's
▶ 自動車産業の需給構造
○ 2009 年、世界金融危機による世界の景気低迷で、世界における自動車需要が急減し
たが、政府の自動車内需支援策に支えられ、内需は大幅に増加した一方で、輸出の割合
は減尐。
. しかし、競争国に比べ生産の減尐幅が尐なく、世界の自動車生産台数に占める割合は
上昇。
○ 内需は 2002 年に記録した 160 万台をピークに減り続け、年間 120 万台を割り込む水
準にまで落ち込んだが、2009 年の世界金融危機に伴う内需低迷の打開策として、政府が
老朽車の買い替えに対する税減免措置を打ち出したことが功を発し、内需が大幅に増加。
◆ 韓国の自動車産業の需給状況
単位: 千台、億ドル、%
区分
2010
2009
2008
上半期
増減率
生産
2,099
37.3
3,512
-8.2
3,826
-6.4
内需
710
14.7
1,394
20.8
1,154
-5.3
輸出
1,388
48.0
2,148
-19.9
2,683
-5.8
輸入
49
53.1
69
-13.8
80
9.6
1,232
49.5
1,901
30.5
1,457
25.5
海外生産
増減率
増減率
資料: 自動車工業協会
注: 増減率は対前年比。
. 2008 年、信用収縮、景気低迷による消費者心理の冷え込みなどで需要が減尐に転じ、
2009 年第一四半期までに同じ状況が続く。
. 2009 年第二四半期以降、政府が内需活性化を促す政策として、老朽車の買い替えに対
する税減免措置を打ち出したことで、内需が増大。
◆ 韓国の自動車産業の需給動向
単位: 千台
生産 内需 輸出 海外生産
資料: 自動車工業協会
○ 2002 年以降、内需の低迷を打開するための完成車メーカーの輸出戦略の強化、海外
市場における品質イメージの改善、輸出車種の多様化を追い風に、自動車産業の輸出が
急増。
. 主な輸出車種である小型乗用車の分野に競争メーカーが力を入れていることや、海外生
産の本格化に伴う輸出代替効果などで、外部の競争環境は悪化したが、中東、中南米、
東ヨーロッパなどの新興市場への攻略の強化、輸出車種の多様化により輸出増加の傾向
が続いている。
. 2009 年現在の韓国国内自動車部品産業の地域別輸出の割合は、北米が 28.3%(米国
23.5%)で最も高く、中東が 19.5%、西ヨーロッパが 14.1%、中南米が 13.2%を占め、西ヨーロ
ッパの割合は減る一方で、中東や中南米地域の割合は増えている。
○ 2002 年に 10 万台を突破した海外生産は、その後も生産台数が増加し続け、2009 年
は 188 万台までに増え、海外生産台数 200 万台を目前にしている。
. 2009 年現在、中国、インド、チェコなど新興市場を中心に自動車の生産台数が増え、対
前年比 29.5%増となっている。
. 世界で最も急成長している中国の自動車市場は、年間約 100 万台の生産能力を有し、
部品の現地調達率が 85%に達しており、国内モデルを変更して中国内の独自モデル開発
に乗り出すなど、現地化に取り組んでいる。
. 2005 年から稼働中の米国工場は年間 60 万台の生産能力を有し、今後も持続的に生産
能力を拡大する計画である。現地で部品を調達し、技術研究所とデザイン研究所などを設
立するなど、従来の生産設備の構築を中心とするグローバル化戦略に比べて、一段階踏
み込んだ形になると期待される。
. インドは小型乗用車のグローバル生産拠点として、またトルコとスロバキアはヨーロッパ
市場攻略のための拠点として位置づけると同時に、ロシア、ブラジルなどの新興市場を中
心に海外生産の拡大に乗り出す計画。
◆ 韓国自動車産業の海外生産戦略
東ヨーロッパ
ヨーロッパ市場の攻略支援
生産能力:60万台
ロシア
新市場開拓'推進中(
トルコ
ユーラシア地域
輸出拠点
生産能力:10万台
■ 自動車部品産業の現況
▶ 自動車部品産業の需給状況
中国
世界の成長エンジン
生産能力:103万台
インド
世界の小型生産拠点
生産能力:60万台
米国
ブランド価値の向上
生産能力:60 万台
ブラジル
新市場開拓'推進中(
○ 2008 年の自動車部品産業の生産総額は約 53 兆ウォンで、製造業内の割合が 4.8%
を占めており、付加価値は約 16 兆ウォンで 4.5%の割合を占めている。
◆ 自動車部品産業の位置づけ(2008 年)
生産
付加価値
(十億ウォン) (十億ウォン)
自動車部品
製造業に占める
割合
雇用
(千人)
輸出
(百万ドル)
53,346
16,595
166
11,710
4.8
4.5
6.8
3.2
貿易収支
(百万ドル)
設備投資
(十億ウォン)
1,221
8,331
2.8
資料: 「ISTANS 主要産業動向指標」、産業研究院
注: 輸出, 貿易収支, 設備投資は 2009 年基準
. 最近、国内の自動車部品産業は自動車業界の成長により飛躍的な発展を遂げており、
世界金融危機の影響によって自動車需要が減尐しているにもかかわらず、競争国に比べ
マイナスの影響が比較的尐ない。
. これは海外の完成車メーカーのグローバル調達が拡大したことによって、国内の自動車
部品に対する需要が増加したことと、国内の完成車メーカーの生産量や海外投資の増加
により、納入量が着実に増加したためである。
○ 最近の自動車部品産業は世界の完成車メーカーや部品メーカーへの直接輸出が増え、
また国内完成車メーカーの海外現地生産の拡大に伴い国内の部品輸出が増加したため、
売上高に占める OEM の割合は下がる一方で、輸出の割合は高まっている。
. 2002 年の OEM の割合は 86.7%に達していたのに対し、2009 年には 76.8%に減尐。一方、
同期間の輸出の割合は 7.6%から 18.6%に増加。
◆ 自動車部品産業の年度別売上高
単位: 億ウォン
売上実績
区分
OEM
A/S
輸出
増減率(%)
合計
2005
326,834
22,878
67,610
417,322
14.1
2006
360,004
23,400
76,704
460,108
10.3
2007
386,409
23,185
92,306
501,900
9.1
2008
368,486
22,109
105,271
495,866
-1.2
2009
342,236
20,533
82,689
445,458
-10.2
資料: 自動車工業協同組合
○ 自動車部品の輸出は 2000 年代半ば以降、急速な増加傾向を見せたてきたが、2009
年の世界金融危機よる世界自動車市場の低迷により、輸出が減尐に転じる。
. 2009 年の下半期から急速な回復を見せ、2010 年の上半期は前年同期比 89.2%増という
高い伸び率を記録
◆ 自動車部品産業の輸出入現状
単位: 百万ドル
資料: KOTIS
○ このような輸出の伸びは、インド、中国などの現地工場への KD 部品の輸出も主な要
因であるが、海外メーカーへの OEM 用部品の輸出も大幅に増加し、自動車部品産業の競
争力が大幅に高まったことを示すものである。
. 世界金融危機以降、欧米の部品メーカーが倒産などにより経営が悪化して競争力を失う
中で、欧米の部品メーカーの代わりとして品質並びに価格競争力を持つ国内自動車部品
メーカーとの取引や需要が伸び、輸出が急回復した。
○ 一方、韓国の自動車部品産業の主な輸出入品目をみると、輸出はボディ用の部品とそ
の他のパーツ、トランスミッション、クラッチとそのパーツが多く、輸入はトランスミッション、
エンジン部品、 内燃機関の燃料ポンプなどの品目が多い。
. トランスミッションの場合、高級車用の多段変速機、商用車用の自動マニュアル・トランス
ミッションなどは輸入依存度が高く、日本とドイツなどからの輸入が増えている。
. 最近は、国内でのエコカー生産が増え、GDIエンジンの燃料ポンプ、ハイブリッドカー用の
ECUなどの輸入が拡大しており、国内部品メーカーの中国現地生産によるBuy-backも増
加傾向にある。
◆ 自動車部品産業の主要輸出入品目の詳細
単位: 千ドル、%
HS
品目
8708999000 その他のパーツと付属品
輸
出
割合
2008
8,842
78.1
10,795
8708290000 ボディ用のその他のパーツ(シートベルトを除く)
630
5.6
619
8708400000 トランスミッション(Gear Box)
308
2.7
271
8708930000 クラッチとパーツ
159
1.4
174
8708940000 ハンドル、運転台と運転ボックス
153
1.3
189
8512900000 ライト用または信号用機器のパーツ
144
1.3
144
8708700000 ロードホイールとパーツ
133
1.2
227
8413304000 内燃機関用のポンプ(Fuel Pump)
120
1.1
81
99
0.9
140
86
0.8
102
8708400000 トランスミッション(Gear Box)
901
30.3
1,213
8708999000 その他のパーツと付属品
766
25.8
939
8511909000
内燃機関の始動用または点火用の電気機器とそのパー
ツ
8708920000 マフラーと排気管
輸
入
2009
8409992000 エンジン部品(Diesel)
321
10.8
410
8413304000 内燃機関用のポンプ(Fuel Pump)
121
4.1
170
8708290000 ボディ用のその他のパーツ(シートベルトを除く)
120
4.0
143
8708940000 ハンドル、運転台と運転ボックス
118
4.0
124
8708700000 ロードホイールとパーツ
72
2.4
89
8431200000 フォークリフトトラックとその他の作業トラックのパーツ
56
1.9
95
48
1.6
61
45
1.5
48
870850
差動装置を備えた駆動車軸
8512900000 ライト用または信号機用機器のパーツ
資料: KOTIS
○ 国内完成車の海外現地生産の増加に伴い、自動車部品メーカーの同伴進出または単
独進出が増えている。
. これにより、自動車部品メーカーの海外進出が本格化し、急激な国際化が進んでおり、
国内の自動車部品メーカーは、2008 年現在、110 社が約 310 の工場を運営している。
. 完成車メーカーがグローバル生産の拡大に向けた戦略に乗り出したため、部品調達の
現地化が実現するまで、短期的には海外工場で必要な完成車の部品輸出が拡大する見
通し。
. 長期的には自動車部品の現地化による部品の需給が定着するとみられる。また、buyback 現象が普遍化し、部品業界もグローバル調達体制を構築する可能性がある一方、国
内自動車の生産基盤を拡充しない限り、自動車部品の国内需要は現状維持に止まるもの
とみられる。
▶ 海外直接投資の現状と動向
○ 2008 年末現在、国内の自動車部品産業における外国人投資企業の数は 250 社
. 外国人投資企業は主に技術力の高い主要部品を中心に供給しており、親会社の交渉力
が高く、営業利益率は産業平均を上回っている。
. 世界 10 大自動車部品メーカーの多くが国内の自動車部品産業に投資しており、それぞ
れのメーカーは韓国内に複数の子会社を抱えている。
. 米国の Delphi、Visteon、JCI、ドイツの Bosch、Siemens、ZF、日本の Yajaki、 Denso、フ
ランスの Valeo など、世界屈指のメーカーが韓国に投資している。
. 世界 10 大自動車部品メーカーが進出した外国人投資企業の外国人の持分は、ほとん
どが 50%を超えており、3 社のみが 50%未満となっている。
◆ 自動車部品産業の年度別海外直接投資の現状
単位: 社、百万ドル
区分
1999 以前
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
業者数
139
17
7
18
13
14
14
12
11
5
投資額
1,271
226
36
150
821
321
183
76
n/a
n/a
資料: 自動車工業協同組合
○ 世界有数の企業が経営権を握っている国内部品メーカーは、ほとんどが高い技術力を
持っており、他の国内企業に比べ完成車メーカーとの交渉力が非常に高いため、これまで
優位な立場で部品メーカーを管理してきた従来の取引先との関係に大きな変化が予想さ
れる。
. 外資系企業に買収された国内の完成車メーカー傘下の部品メーカーは、企業のグロー
バル調達ネットワークに組み入れられ、グローバル競争に直面する見通し。
○ 世界大手自動車部品メーカーが国内に進出したのは韓国を国際ネットワーク戦略にお
いて重要な柱として利用するため。
. 世界の有数の自動車部品メーカーは戦略的に活用するために、韓国内投資企業の持分
を多く持つ戦略を駆使。
. 日本と中国など自動車生産大国に隣接しているにもかかわらず、市場規模や生産環境
の面において韓国は戦略的に非常に重要だという評価。
◆ 世界の主要自動車部品メーカーの国内進出現状
会社名(持分)
供給部品
TRW
新韓バルブ工業'株((25%)
エンジンバルブ
デンソー'DENSO(
デンソープンソン'株((44%)
電装品、空調システムなど
デルファイ'Delphi(
デルファイ・コリア'株((100%)
シートベルト、エアバックなど
テソン電気工業'株((49.5%)
電装品
'株(パッカード・コリア(50%)
電装品
韓国デルファイ'株((50%)
電装品、ステアリング・ブレーキ装置
ロバート・ボッシュ
'Robert Bosch(
韓国ロバート・ボッシュ機電'株((100%)
燃料噴射装置、電子制御装置など
'株(ケフィコ(50%)
エンジン制御、燃料噴射装置など
マグナ・パワートレ
イン'MPT(
ヴァレオ'Valeo(
マグナ・パワートレイン・コリア'株((100%)
エンジン、トランスミッション部品
ヴァレオ空調コリア'株((100%)
エアコンコンプレッサーなど
'株(平和ヴァレオ(49%)
クラッチ、摩擦材など
漢拏空調'株((70%)
空調システムなど
徳陽産業'株((51%)
クラッシュパッド、トリム類
ビステオンインテリア・コリア'株((51%)
内臓モジュール
ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ
インテリア・コリア(100%)
ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ・
コリア(100%)
コンティネンタル・オートモーティブシステム
'株((65%)
内装部品
フォルシア排気システム・コリア'株((100%)
排気系
ビステオン
(Visteon(
ジョンソンコントロ
ールズ'Johnson
Controls)
コンティネンタル・
オートモーティブ
'Continental
Automotive)
フォルシア
'Faurecia(
燃料噴射装置、電子制御装置など
▶ 自動車部品産業におけるメーカーの 現状
○ 韓国の自動車部品メーカーのうち、2009 年度の年間売上高が 1 兆ウォンを上回った
現代モービス(10 兆 6,330 億ウォン)、現代ウィア(3 兆 1,180 億ウォン)、マンド(1 兆 5,120 億
ウォン)、漢拏空調(1 兆 4,090 億ウォン)、現代パワーテック(1 兆 3,040 億ウォン)などの 5
社が、リーディング・カンパニーとして位置づけられている。
. これらのメーカーはトランスミッション、アクスル、ブレーキなどの主要部品を生産する 1
次協力会社である。
. これらのメーカーの中で、現代モービス、マンド、現代ウィアなどは、モジュールの納入を
通じて従来完成車メーカーが行ってきた組立工程の一部も請け負っているので、0.5 次協
力会社とも言われる。
. また、漢拏空調、SL、ダイモスなどの一部メーカーもモジュールまたはサブモジュール生
産に乗り出し、モジュールメーカーとして成長するために取り組んでいる。
◆ 韓国の 15 大自動車部品メーカーの現状
単位: 十億ウォン
順位
メーカー名
納品額
売上高
従業員数
主要生産製品
1
現代モービス
5,354
10,633
6,017
モジュール&システム
2
現代ウィア
2,096
3,118
1,950
トランスミッション、アクスル
3
ダイモス
680
909
1,100
パワートレイン、シート
4
現代パワーテック
602
1,304
1,133
トランスミッション
5
デルファイ・コリア
595
724
2,019
ブレーキ、ステアリング、ギア
6
徳陽産業
544
592
759
クラッシュパッド'Crash Pad(
7
漢拏空調
533
1,409
1,710
8
世宗工業
502
357
786
9
マンド
402
1,512
3750
ブレーキ、ステアリング、サスペンシ
ョン
10
キョンシン工業
352
606
1,116
ワイヤリング・ハーネス、 ジャンク
ションボックス
11
ケフィコ
333
708
977
エンジンコントロールユニット、パワー
トレインコントロールユニット
12
ヒソン触媒
318
521
n.a.
自動車触媒
13
ジョンソンコントロール
ズオートモーティブ・コリ
ア
313
211
572
シート
14
S&T 大宇
304
440
1200
15
フォルシア排気システ
ム・コリア
300
n.a.
214
空調システム
マフラー、触媒コンバーター
シャシ、エアバック、エンジン部品
エキゾーストマニホールド、
触媒コンバーター
注: 順位は 2009 年の納入額基準
資料: 自動車工業協会
○ 2009 年の世界 100 大自動車部品メーカーランキング(売上高基準)によれば、バッテリ
ー生産メーカーである LG 化学は電気自動車開発の拡大により、トランスミッション専門メ
ーカーである現代ウィアは親会社である現代自動車の販売台数増加により売上が伸び、
それぞれ 6 位(130 億ドル)と 65 位(19 億ドル)に新たにランキング入りした。
. 現代モービスは売上高が 112 億ドルで、前年度の順位から 7 位上昇しており、マンドは
売上高が 21 億ドルで、前年度の順位から 12 位上昇した 61 位を記録。
◆ 世界の主要自動車部品メーカーランキング
単位: 億ドル
2007
メーカー名
2008
売上高
メーカー名
2009
売上高
メーカー名
売上高
1
Denso'日(
37,510 Bosch'独(
33,901 Denso'日(
28,731
2
Bosch'独(
34,000 Denso'日(
27,762 Bosch(独(
25,617
3
Magna
International'カナダ(
25,645 Continental AG'独(
25,012 Aisin Seiki'日(
20,585
4
Continental AG'独(
25,000
23,295 Continental AG'独(
18,744
5
Delphi'米(
22,283 Aisin Seiki'日(
韓国
企業
Magna
International'カナダ(
20,796
現代モービス(27位)
6,074 現代モービス(19 位)
8,845
マンド(76 位)
2,367 マンド(73 位)
2,200
Magna
International'カナダ(
17,367
LG 化学(6 位)
13,080
現代モービス(12 位)
11,209
マンド(61 位)
2,137
現代ウィア(65 位)
1,096
資料: Automotive News
○ 国内の完成車メーカーの売上高と生産量、そして部品メーカーの輸出と現地生産が増
加するにつれ、国内部品メーカーの世界シェアも上昇
. 売上高基準で上位 5 社の世界シェアは 2001 年に 1.3%だったのが 2007 年には 3.2%に上
昇。
3. 競争状況
■ 韓国自動車部品産業の競争力
▶ 自動車部品産業の競争力
○ 国内の自動車部品産業は内需市場が低迷する中でも持続的な成長を遂げていくため、
海外市場を攻略している。
. 幾つかの部品メーカーは規模大型化や専門化が進み、完成車メーカーとの共同設計が
可能となっており、一部のコア技術も保有している。
. しかし、日本や欧米のメーカーに比べると依然として規模が小さく、技術力や海外市場開
拓においてもやや競争力が落ちる。
◆ 韓日自動車部品産業の競争力比較
日本 = 100
資料: 自動車産業研究所
○ 日本と韓国の自動車部品産業の競争力を比較してみると、価格競争力の面では韓国
の自動車部品が優位であるが、品質や技術競争力の面では务勢である。
. 日本の自動車部品メーカーに比べ価格競争力は 25%の優位性を示しており、生産や品
質の競争力においても 80~85%の水準に追いつき、格差が縮まっている。
. しかし、技術競争力は 75%の水準に止まっており、品質、生産、価格に比べ格差が出て
おり、特に設計技術面での格差が大きい。
▶ エコカーの競争力
○ エコカーの開発はまだその歴史が浅く、エコカー関連の特許も不十分な状況にある。し
かし、エコカー関連の技術水準は、産業基盤の構築により先進国の 70~80%に達している
との評価。
. ハイブリッドカーの主要部品であるモーターや電池の技術力については、単品は先進国
の約 90%に達しているものの、ハイブリッド用のトランスミッション技術は先進国の 50~65%
の水準に止まっている。
◆ エコカーの技術競争力の比較
クリーン
ディーゼル車
コア技術
コモンレール
燃料噴射装置
対先進国(欧州)比
技術水準
60%
コア技術
(プラグイン)
ハイブリッドカー
電気自動車
後処理シス
テム
過給装置
ディーゼルエン
ジンの新燃焼
法
60%
65%
65%
トランスミッション モーターの インバータの電 電池のエネル
の伝達効率
出力密度
力密度
ギー密度
先進国(日本)
85%
1.11kW/kg
4.7kW/L
90Wh/kg
韓国
82%
1.1kW/kg
3.1kW/L
70Wh/kg
対先進国比
技術水準
96%
99%
66%
78%
コア技術
モーターの
出力密度
エネルギー
貯蔵密度
ボディの軽量
化率
先進国(日本(
3.2kW/kg
142Wh/kg
28%
10ms
韓国
2.8kW/kg
145Wh/kg
-
12ms
対先進国比
技術水準
88%
102%
0%
120%
ボディコントロ
ールと応答性
資料: 知識経済部
. モーターシステムは、以前電気自動車開発事業において開発した経験があり、ハイブリッ
ドカー向けの技術開発においても、モーター単体では相当なレベルに達しているが、システ
ムレベルでの技術開発がまだこれからの状態。
. 一方、バッテリーの場合、サムスン SDI と LG 化学などの国内メーカーが 2000 年以降、
エコカーバッテリーとして注目されているリチウムイオン電池の開発に熱を上げ、日本メー
カーと競争できる技術力と市場シェアを確保している。
◆ 韓国の自動車部品産業の SWOT 分析
強み
- 関連産業基盤の存在(電子、情報通信、金型
や工具などの機械、金属、化学などの素材産業)
- 物流及び通信インフラ(需要企業と部品・原材
料の供給企業間)
- 中級品での競争力優位(価格との対比で品質
と技術が優位)
- 急速な品質並びに技術水準の向上
- 先進的な IT・通信技術
機会
弱み
- 専門性及び大手部品メーカーの不足
- 研究開発コストの低さ
- シャシ、パワートレイン分野におけるコア技術
の不足
- 国内の完成車メーカーの依存度が高い
- エコカーの量産化の遅延
脅威
- 先進メーカーのグローバルアウトソーシングの
増大
- 世界金融危機による欧米の部品メーカーの競
争力低下
- 国内の完成車メーカーの海外での販売シェア
が拡大
- 中国、インドなどの隣接市場の浮上
- 韓国及び日本の自動車メーカーの浮上
- 原材料価格の高騰
- 新興国(中国、インド)の部品メーカーが海外
M&A を通して競争力を高める
- エコカーへの切り替えに伴う部品産業構造の
変化
- 米国、EU などの主要自動車貿易国との FTA
推進
■ 自動車部品産業の取引関係
○ 国内の自動車部品産業は約 900 社の一次部品メーカーと、およそ 3,000 社に及ぶ二
次、三次部品メーカーで成り立っている。
. 一次部品メーカーのうち、大手企業は全体の約 13.0%に当たる 118 社であり、87.0%に当
たる 792 社は中小企業である。これらの部品メーカーの納入総額は、2009 年現在、34 兆
ウォンに達している。
. 部品メーカーは中小企業が圧倒的に多いものの、近年自動車産業における自動車部品
産業の役割が高まるにつれ、韓国の自動車部品産業でも大手部品メーカーの割合が増加
している(2001 年 7.0%→2009 年 13.0%).
○ 韓国の自動車部品産業では特定の親会社との依存的な取引構造が問題として指摘さ
れてきたが、通貨危機以降は様々な需要側の企業と取引するオープンな取引関係に切り
替わりつつある。
. 排他的取引の割合は 2001 年に 55.4%を占めていたが、2009 年には 50.0%まで減尐した。
◆ 完成車メーカー別の納入実績
単位: 億ウォン、社、%
納入額
2009
納入メーカー数
2008
2009
納入額の
割合
2008
現代
169,791
172,436
357
355
53.3
起亜
96,006
89,667
354
359
52.1
GM 大宇
49,967
74,392
331
307
52.4
双竜
15,375
14,315
163
222
42.1
ルノーサムスン
4,005
10,234
214
141
37.5
大宇バス
2,491
3,586
197
187
55.0
タタ大宇
4,601
3,865
208
204
67.3
342,236
368,495
1,824
1,775
52.1
合計
注: 1)納入額の割合は完成車メーカーの売上高との対比
2) 納入メーカー数は複数取引メーカーを含む
資料: 自動車工業協同組合
○ 品目別の取引をみると、シャシ、パワートレイン、電装など、技術難易度が高い部品は
取引可能な完成車メーカーが多いのに対し、吸排気装置とその関連部品、外装、インテリ
アなどは、取引できる完成車メーカーが比較的尐ない。
◆ 複数の取引先と取引する業者数(2009 年)
単位: 社、 %
取引先である親会社数
1社
2社
3社
4社
5社
6 社以上
合計
需給企業数
455
219
109
59
47
21
910
割合(%)
50.0
24.1
12.0
6.5
5.2
2.3
100.0
資料: 自動車工業協同組合
4. 自動車部品産業における環境の変化と有望品目
■ 自動車部品産業における環境の変化
○ 原油高、消費者ニーズの多様化、環境規制の強化に応じた関連技術の発展などによ
り、エコカー関連製品及び技術開発が加速化し、車両及び部品に IT 技術を適用する範囲
が拡大され、技術の融合化が進展する見通し。
. 今後、自動車産業における技術革新は、新素材、小型化・軽量化、電子化・情報化へ進
む見込み。
. 長期的にはエコカー需要の増加に伴い、新しい関連部品への関心が高まる一方、内燃
機関に対する依存度が低くなるので、エコカーの主要部品産業は成長し、パワートレイン
関連部品産業は大幅に落ち込む見通し。
◆ 自動車部品産業の環境変化と技術発展
■ 自動車部品産業の有望品目
○ 完成車メーカーのコスト削減努力により、部品メーカーはモジュール化、 グローバル調
達機会の拡大が見られており、消費者ニーズの多様化や環境と安全性の強化に伴い、電
装化や未来型の自動車部品開発などの技術開発力強化を図っている。
○ グローバル調達の強化により、品質競争力が高くて比較的低価格な韓国部品は世界
各国の完成車メーカーへの OEM 納入が増加しており、現在韓国に進出している外国自動
車メーカーを中心にグローバル調達に参加できる機会が拡大されるものと予想される。
○ 国内の完成車メーカーはコアモジュールを部品メーカーの責任の下で開発して納入し
てもらう方向で調達方針を変えており、2001 年に僅か 12%に過ぎなかったモジュール化率
を今後 50%まで引き上げる計画を立てているので、モジュール部品を有望品目に位置づけ
ることができる。
○ 今後、部品の電装化の割合が 40%まで上昇すると予想される中、安全装置、A/V、カー
ナビのようなカーエレクトロニクス分野の成長が一層加速化すると見込まれる。韓国の先
進的な IT 技術や品質などの強みを活かせれば、この分野は国際競争力が十分にあると
思われる。
. まず、スイッチ、配線などの汎用部品には、国内メーカーの参加度が高く、コントロールユ
ニット、モーター、センサーなどは外国部品メーカーとのコラボレーションが活発に行われて
いる。
. 一方、完成車メーカーは、カーエレクトロニクス分野において、車両生産コストを削減する
ために、機器を内蔵するより、外部機器との接続インターフェイスを追加したり、ブルートゥ
ース技術の利用を試みる傾向が見られる。
. これにより、部品メーカー単独で市場を開拓することができるため、外国完成車メーカー
との取引が比較的尐ない韓国メーカーも市場に参入することができるという利点もある。
○ エコカーはまだ初期の市場の段階にあり、完成車を中心に研究開発が行われているが、
エコカーへの転換が従来の自動車産業のパラダイムを変えることができるものと考え、部
品メーカーはその対応に積極的に取り組んでいる。
. 国内完成車メーカーも、2009 年ハイブリッドカーを発売し、2011 年には電気自動車など
の本格的なエコカーを発売するという計画を発表しており、エコカー関連の部品が非常に
注目されている。
. 特に、ハイブリッドカー、電気自動車などの主要部品であるバッテリーは、国内企業が世
界市場をリードしている。
. ハイブリッドカーの普及により従来の内燃機関に、バッテリー、電気モーター、ジェネレー
ター、ECU、IPU、電圧インバータ、コンプレッサ、高電圧配線など、特化した部品が追加さ
れると予想されており、電気自動車においては、このような部品の切り替えがさらに進み、
主動力源であるバッテリーと電装部品の割合が大幅に増加する見込み。
○ また、従来の内燃機関自動車の効率を高めるために技術開発が進められており、多段
トランスミッション、高出力の小型エンジンなどの関連部品は有望部品に思われる。
. 内燃機関自動車の前処理と後処理技術、代替燃料自動車の技術、リサイクル技術、エン
ジンの高性能化技術、小型・軽量化技術
5. 自動車部品産業の投資に有望なエリア
○ 韓国の自動車産業クラスターは、完成車の場合、蔚山、仁川、華城、光州、郡山、牙山、
釜山を中心に形成されており、部品は京畿、慶尚南道、釜山、忠清南道、慶尚北道を中心
にクラスターが造成されている。
. 部品メーカーの技術開発や共同利用設備などのインフラ構築のために、蔚山、全羅北道、
釜山などに自動車部品革新センターの設立及び集積化団地を造成。
. 地域の状況に合った産学研の協力事業の支援を通じて地域の革新能力を強化するとと
もに、超広域クラスターの形成により専門分野を発展させ、相互のシナジー効果を極大化
するなど、部品産業の集積化を推進。
○ 完成車メーカーとの連携を強めると同時に、完成車を生産する地域の周辺には、地域
ごとに自動車のモジュール事業を実施することが望ましい。
. また、完成車事業(の周辺には、重量物や大型部品を中心に特定の分野を特化し、完成
車メーカーと連携して、産業の発展を図る。
. 電装部品やインテリジェントカーの部品、IT を基盤にした自動車部品は、完成車メーカー
の近くに配置する必要はなく、自動車部品や電子産業などが発達した地域において、他の
完成車メーカーと部品メーカーとの連携を図ることが望ましい。
○ 慶尚北道は素材を活かした自動車部品、大邱はインテリジェントカー分野、慶尚南道
は機械産業に係わる自動車部品分野、蔚山は大型モジュール生産に関連する高機能部
品分野、釜山はユニット部品分野でニッチ市場が開拓できるユニット部品が有望な分野。
○ 忠清南道は首都圏地域と共に自動車産業における研究開発の中核拠点として浮上し、
中核的な研究開発の拠点としてその役割を果たしており、エコカーのデザインやユーティリ
ティパーツが有望な分野。
◆ 韓国の自動車部品メーカー団地の分布図
全羅北道は商用車工場の最大の集積地であり、乗用車組立工場が集中して立地している
特色を生かし、地域での素材関連のインフラが活用できる高機能軽量素材部品や環境配
慮型部品の分野に、また光州地域は自動車部品生産の加工に関わる自動車金型分野に
特化することが望ましい。
6. 外国人投資家の成功事例– ボッシュ
○ ドイツの自動車部品メーカーであるボッシュは、世界 6 つの地域で一日に約 6 万 5000
個のブレーキシステムを生産している。
. ボッシュは自動車の中核とも言えるパワートレイン、シャシ、ガソリンㆍディーゼルシステ
ム、安全装置技術を開発・生産する世界最大の自動車部品・技術開発のメーカー。
○ ボッシュは韓国で自動車部品と部品のアフターマーケット、産業オートメーション製品、
電動工具、アクセサリー、セキュリティ技術などを生産・販売している。
. 韓国支社である'株(韓国ロバート・ボッシュ機電をはじめ、'株(カムコ、'株(ETAS・コリ
ア、'株(ボッシュ・レックスロス・コリア、そして合弁会社である'株(斗源精巧と'株(ケフィコ
があり、現在約 3,000 人以上'合弁会社を含む(の従業員を擁している。
. また、300 人以上の研究開発エンジニアを保有しており、最先端の試験並びにアプリケー
ションの設備が備わった技術研究所など、R&D 部門において重要な位置を占めている。
○ 2007 年 10 月に新たに竣工された龍仁本社の社屋は、ボッシュの国内の 5 つの主要
な生産設備'大田、軍浦、安城、芙蓉・釜山(を含め、全国 8 ヶ所の事務所を統括する拠点
として、中心的な役割を担っている。
. 技術研究所を増築し、ガソリン、ディーゼルエンジンの燃料噴射システム、シャシシステ
ム、自動車の電気・電子及び制御装置のアプリケーションのためのエンジニアリングをはじ
め、自動車技術事業を担当。
○ 2007 年、ボッシュは韓国で 9 兆 4 千億ウォンの売上高を記録し、韓国はアジア太平洋
地域ににおいて戦略的に重要な市場として位置づけられた。
. 韓国市場での成果は、韓国の自動車市場の急速な成長に併せて、ボッシュが韓国の完
成車メーカーとの協力関係の維持に取り組んだためである。
. ボッシュは主要部品のサプライヤーとして、先進的なシステムと技術を備えた確かな性能
の部品を提供し、韓国の完成車メーカーが国内の自動車市場で堂々と競争し、北米や西
欧などのような自動車市場への進出に成功できるように貢献。
○ ボッシュはサムスン SDI と折半出資で合弁会社「SB リモーティブ」を設立し、自動車用
リチウムイオン電池を開発・生産・販売する計画
. 新しい合弁会社は高効率のリチウムイオン電池システムを 2011 年に生産し、世界中に
販売する予定である。
. それに向けて、両メーカーは今後5年の間、合計4〜5億ドルを投資する計画を立てており、
水原本社はバッテリーセルの開発を統括することになる。また、国内でリチウムイオンのセ
ルも生産する計画である。
7. 韓国政府の政策とインセンティブ
■ 新成長動力の発展戦略
▶ 基本計画
○ 韓国政府は 2013 年まで「世界 4 大グリーンカー大国」、2018 年まで「世界 4 大自動車
大国への飛躍」を目指し、グリーン輸送システム分野での技術予測と技術企画を強化し、
利用者中心の技術開発システムを構築するために R&D 支援策を策定した。
・環境に配慮したグリーンカーのコア技術を獲得し、先進国と肩を並べる技術力を確保
・バッテリーなど、PHEV/燃料電池/電気自動車の主要部品の早期開発
・開発に伴うリスク負担を恐れ、考慮し、中小部品業界が研究を避けるために輸入依存度
が高い先端部品・素材の国産化を優先的に推進
○ 国内の部品業界を対象に、将来のコア技術の予測、技術開発、実証及び検証、部品
の認証などのための総合支援体制の構築'グリーンネットワーク('2009〜2013(
. 高度な人材をサポートし、高価な装備を購入する際の負担軽減などを通じて、部品メーカ
ーのグリーンカーの部品開発の参加や、信頼性の向上、グローバル化を促す。
◆ グリーンカー開発のための政府支援計画
2009
2010~2013
·PHEV など、グリーンカーの早
2014~2018
•燃料電池の実証事業の推進
期商用化に向けてのコア技術
•源泉技術の開発と部品素材
の開発
の国産化
·グリーンカー普及の活性化の
•実証モデル地区の指定
ための制度改善
· グリーンカーの本格生産
•オンライン電気自動車の試
· グリーンネットワークの構築
験のためのインフラ整備及び
·オンライン電気自動車用の給
商用化に向けた準備
電/集電システムの開発
◆ 自動車産業分野の推進課題
区分
課題名
政策
手段
完了
時期
主管部処
(協力部処)
グリーンカーのコア技術の早期確保
コア
16/32/64km プラグインハイブリッドカー'PHEV(
の開発
R&D
13 年
知識経済部
インフラ
EURO6 及び CO2 排出規制に対応できるクリー
ンディーゼル技術の開発
R&D
13 年
知識経済部
(環境部)
コア
グリーンカーに共通する独自のコア技術の開発
R&D
13 年
知識経済部
R&D
10 年
教育科学技術部
インフラ
オンライン電気自動車をベースとする輸送シス
テムの革新
グリーンカーの輸出競争力の強化
インフラ
グリーンカー部品の育成のための緑のネットワ
ークの構築
金融事
業
(モデル
事業)
13 年
知識経済部
インフラ
グリーンカー部品の検証と評価を行うための技
術支援センターの構築
金融事
業
13 年
知識経済部
インフラ
グリーンカーの実証実験事業に向けたインフラ
整備
金融事
業
13 年
知識経済部(国土海洋
部)
▶ グリーンカー部品の育成のためのグリーンネットワークの構築
○ 国内の部品業界を対象に、将来のコア技術の予測、技術開発、部品の性能実証、検
証・評価などのための総合支援体制の構築
. 高度な人材のサポート、高価な装備を購入する際の負担軽減、国際的なレベルでのグ
リーンカー部品の性能認証を通して、部品メーカーの信頼性向上及びグローバル化を推
進。
○ それに向けての主要課題はグリーンカー部品メーカーを支援するためのグリーンネット
ワークの構築
. 先進技術の調査分析、技術連携ネットワーク、データバンクの構築、特許・標準化の対応、
部品メーカーのグローバル化を支援するためのグリーンネットワークと連携可能なシステ
ムの整備
. 部品業界の高度な人材をサポートし、高価な装備を購入する際の負担軽減を図り、グリ
ーンカー部品の実車搭載時の検証・分析並びに実証実験事業の実施
. 国際的なレベルでグリーンカー部品を検証・評価するシステムを運営し、部品メーカーの
信頼性向上と海外販路拡大を目指す。
◆ 部品メーカーを支援するためのグリーンネットワークの構築
■ 部品・素材発展基本計画
○部品•素材産業が韓国の産業発展の重要なキーワードとして浮上し、完成品中心の育成
戦略から部品•素材産業との連関性の向上を図る戦略へと切り替えつつある業界の傾向に
対応
. 最近、国内の部品•素材産業の競争力の変化を評価し、国内外の急激な環境変化に伴う
問題点を把握し、その解決に向けた政策方向を提示
. 現在の世界シェア 7 位から 2012 年まで世界シェア 5 位を達成し、部品素材における世
界 5 大大国入りをビジョンに提示
. その実現に向けて、部品・素材の独自のコア技術レベルを 2012 年まで対先進国比 90%
の水準までに引き上げ、2012 年の部品・素材の貿易黒字、900 億ドル達成を目指す。
○基本戦略として、「競争基盤の強化-イノベーションインフラの構築-グローバル化の先
導」といった三角構図を描き、部品・素材産業構造の高度化戦略を推進する。
. 政策間の連携強化により、部品・素材産業の育成政策の実効性を高めるともに、技術開
発の戦略性を強化したオープンな技術革新システムを構築して対日収支の拡大と貿易均
衡を図り、長期的な成果が期待できる部品・素材技術にも資源をバランスよく配分をする。
. 2009 年から 2012 年までに総額 1 兆 2,893 億ウォンを投入し'年平均 3,223 億ウォン(、
低炭素、グリーン成長などと連携した融合・複合部品素材及びコア素材技術の開発に注力
○ これらを基にビジョン実現のための重要課題と課題別推進方向を設定する。
競争基盤の強化
1 未来に有望な 100 大部品・素材のコア技術を確保
2 未来の市場を開拓できるコア素材を 70 種類開発
3 部品・素材産業を担う中核企業 400 社を育成
イノベーションイン 4 需要側のニーズに応じた信頼性確保事業の推進
フラの構築
5 部品・素材分野の専門人材を 5 万人育成
6 先進的な知識情報サービスシステムの構築
グ ロ ー バ ルネ ッ ト 7 部品・素材分野への外国人投資の促進と交易規模の拡大
ワークの強化
■ 産業におけるオリジナル技術開発事業
○ 産業における源泉技術開発事業とは、これまで個々の事業に支援されていた産業技
術、情報通信、エネルギー資源分野の中長期的 R&D 事業を、今年度に単一の事業に再
編・新設した知識経済部の代表的な中長期の R&D 事業
. 自動車、バイオ、ロボットなど、産業技術部門の 7 大詳細事業、15 の分野に対する新規
課題'一課題当たり、毎年 20 億ウォン前後、開発期間 5〜7 年(を選定。
○ 産業における源泉技術開発事業を通じ、先端的な自動車技術開発の動向と新技術を
把握して、中長期計画の策定に盛り込み、課題別詳細企画を通じて課題を導出
. 大気環境、地球温暖化、エネルギー、安全性、利便性に関する課題を同時に解決できる
未来型自動車の商用化を推進し、市場主導型の自動車開発を目指す。
. 2009 年の自動車産業関連の分野では、計 10 の課題に約 195 億ウォンの支援が行われ
た。
8. 産業関連機関
機関名
ホームページアドレス
主な活動内容
自動車部品研究院は部品業界の研究人材不足と高
価な機器等の研究開発能力を補うために、1990年に
発足した。以後、業界の研究開発活動の支援、次世
韓国自動車部品
研究院
www.katech.re.kr
代自動車関連技術開発事業、自動車基盤技術開発
事業、未来型自動車技術開発事業、企業委託の課
題開発などを行い、最先端の主要部品から新製品に
至るまで、部品業界向けの総合的かつ体系的な技術
支援と新技術の開発をリード。
自動車部品産業の発展のために設立された民間公
自動車部品産業
振興財団
www.kapkorea.org/en_index.do
益法人で、中小自動車部品メーカーが抱える基盤技
術開発時の問題点の支援、品質システムの確立支
援、経営管理支援、自動車産業全般の情報提供など
の事業を遂行。
自動車工業協同
組合
www.kaica.or.kr/eng/index.php
自動車部品産業界を代表する団体で、自動車部品メ
ーカーを支援し、政府への提案活動や输出の支援・
斡旋を行うなど、部品メーカーの世界市場への進出
を支援。
自動車産業の振興に向けて事業を効率的に行い、自
自動車工業協会
www.kama.or.kr/
韓国産業技術振
興院
www.kiat.or.kr
動車産業の育成、様々な通商懸案の対応、環境や安
全に関する政策と制度改善の提案、自動車産業関連
の調査研究事業と統計資料の発行。
•産業技術革新に関する政策研究、中長期の技術企
画や成果の分析
•産業技術基盤づくり'人材育成、産学連携、新しい技
術文化の形成、設備の構築•管理(
•産業技術の国際協力
•産業技術の移転や事業化の促進
•地域特化産業の育成や地域産業のイノベーションを
支援
•部品素材産業の育成と支援
•産業技術開発事業に関する課題の企画•評価•管理
•技術開発課題の企画のための産業技術のニーズ、
韓国産業技術評
価管理院
www.keit.re.kr
レベル、展望を調査
•技術開発課題の技術的かつ経済的整合性や財務の
健全性を調査
•中小企業の技術力向上のための支援事業課題の企
画•評価•管理
•技術革新が行われる全期間、常時責任管理者制度
を適用してサポート
•産業技術評価院の技術性評価を通過した企業に対
し、投資機関の投資支援と調整
韓国部品素材投
資機関協議会
www.kitia.or.kr/
•投資機関が投資した企業に対する財務支援と事後
管理
•部品•素材専門投資組合の登録と管理
•部品•素材技術開発に関する制度の確立と改善を目
指し、政府や関係機関に政策提案
•部品•素材分野の国際産業協力と交流の促進
•部品•素材技術開発事業の推進など
企業の経営活動に必要な情報をタイムリーに供給
INNONET
www.innonet.net
し、現場が抱える課題を迅速に解決するために、
企業支援総合情報システムを設けて支援
End.
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