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新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会 第2次報告書

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新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会 第2次報告書
新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会
第2次報告書
新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会
目
1
2
次
社会環境の変化と消防団
(1)社会環境の変化と消防団への影響…………………………………………
1
(2)地域における消防団の役割…………………………………………………
5
(3)制度運営のあり方についての検討の必要性………………………………
6
消防団の実態と消防団長等の意識
(1)消防団の概況…………………………………………………………………
7
(2)消防団の役割及び担当業務等………………………………………………10
(3)消防団の組織及び運営………………………………………………………15
(4)施設及び設備の整備状況……………………………………………………18
(5)教育訓練の内容及び実施方法………………………………………………19
(6)報酬、出動手当及びその他の処遇の状況(資格取得及び福利厚生を
含む)…………………………………………………………………………21
(7)事業所との関係………………………………………………………………26
3
今後の消防団のあり方に関する検討の視点
(1)今後の消防団に期待される役割……………………………………………28
(2)消防団の基本的性格…………………………………………………………28
(3)消防団の特性を踏まえた考え方……………………………………………28
(4)消防団員の多様性及び地域の特性に適合した消防団運営………………29
(5)環境の整備……………………………………………………………………30
4
現段階で考えられる具体的な対策
(1)消防団員の活動を弾力化させる消防団運営………………………………31
(2)消防団に協力し、消防団の裾野を広げるための組織との連携…………32
(3)消防団の組織及び消防団員の活性化を図る工夫…………………………32
(4)教育訓練の見直し……………………………………………………………34
(5)事業所等に対する方策等……………………………………………………34
新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会設置要綱………………………35
新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会委員名簿………………………36
1
社会環境の変化と消防団
(1)社会環境の変化と消防団への影響
①
社会環境の変化
消防組織法制定(昭和23年)当時、常備消防機関を設置していたのはごく一部の都
市に限られ、多くの地域では消防機関とは消防団を意味していた。その後、昭和40年
代に救急ニーズの増大等を背景として、消防常備化が推進され、平成13年4月現在で
は全市町村の98 .0%が常備消防を設置するに至っている 。このような状況のもとで、
従来は消防団が果たしてきた役割が一部常備消防に移行した市町村も少なくない。
しかしながら、消防団への影響という点で特に注目すべきなのは、社会構造の変化や
国民意識の変容等である。戦後、過密・過疎の進行等により、地域社会は大きく変化し
た。この間、就業構造も大きく変化し、昭和34年当時に日本の就業者全体に占める被
雇用者の割合は約5割であったが、平成9年には約8割に達している。
さらに、国民意識も大きく変化し、行政区域を単位とする地域社会への帰属意識の希
薄化等の現象が生じている。また、人口の流動化に伴い、既存の地域組織活動になじみ
が薄い住民が増加している。
一方では、自発的に地域活動を行おうとする組織が、増えつつある。
②
消防団への影響
ア
団員数の減少と団員構成の変化
平成13年の消防団員は約94万4千人である。
最近10年間程度の状況をみると、人口規模が小さい市町村の多くは団員数が減少
しており、政令指定都市の場合は微増という傾向になっている。市町村人口に占める
団員の割合は、人口が小規模であるほど高いことから、人口流動等の影響を小さな市
町村ほど受けやすいという面もある(表1−1−1、P8表2−1−2参照)。
また、かつて消防団は比較的若年層の男性を中心に構成されていたが、地域からの
人口流出や消防団業務の多様化等を背景として、女性の消防団参加が進んでいるほか、
40代や50代以上の割合が増加してきている(P10表2−1−7参照)。
本委員会における検討の基礎とするため、平成13年12月に、全国の市町村や消
防団を対象として行った消防団の実態等に関する調査 (以下「実態調査」という 。)の
結果によれば、団員が減少した市町村でその理由としてあげられているのは、まず人
口減少や若者流出(74%)であり、特に人口が小さい市町村ほどこれを理由とする
-1-
割合が高い。このほか、サラリーマンの増加、住民の理解がないことなどが回答され
ており、このうち後者については大都市ほど高い傾向にある(表1−1−2)。
また、今後の団員確保の見込みについては、全体の8割を上回る市町村及び消防団
から、今後の団員確保は厳しくなるという見通しが示されている。このうち、現在で
も確保が困難であるとの回答は、消防団の25%から示されており、人口が小規模な
市町村ほど高い傾向となっている(表1−1−3及び1−1−4)。
《実態調査》
a
対象者:消 防 団 を 設 置 す る 全 市 町 村 ( 3 , 2 2 1 団 体 ) 及 び 全 消 防 団
(3,636団体)を対象
b
回答率:98.5%(回答のあった市町村の率)
c
回答者:【市町村】消防団事務担当者 、【消防団】団長又は副団長
(注)一つの市町村に複数の消防団がある場合は、代表の消防団に回答をお願いし
た。ただし、人数や装備数等の数値は合計としている。
<表1−1−1
:
10年前と比較した団員数の状況>
市町村回答
全体
増加した
減少した
変化なし
無回答
<表1−1−2
政令市
6%
56%
36%
1%
:
100∼ 10万
42%
42%
17%
0%
18%
40%
42%
0%
10∼2万
8%
43%
47%
2%
2∼1万
1万未満
6%
52%
41%
2%
4%
67%
28%
1%
団員が減少した理由>
市町村回答
魅力ある消防団でないため消防団
を辞める者が多くなった
人口減少、若者流出により入団者
が減少した
住民の理解がないため入団者が減
少した
サラリーマンが活動に参加できな
いことを理由として入団しないため
常備消防の強化推進のため消防団
員定数を削減したため
常備消防の進展により消防団の必
要性が減少したため
その他
無回答
全体
政令市
100∼ 10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
7%
40%
15%
7%
5%
7%
74%
40%
37%
53%
67%
87%
18%
40%
36%
29%
23%
11%
42%
20%
59%
60%
51%
32%
12%
20%
14%
13%
15%
10%
4%
0%
6%
4%
4%
4%
5%
1%
20%
0%
8%
2%
9%
2%
6%
1%
4%
1%
-2-
<表1−1−3
:
今後、貴消防団における新入団員の確保はどのようになると思うか(市町村回答)>
市町村回答
全体
現在と同様に定数を維持できると思う
現在は団員の確保が難しい状況だが、
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
8%
0%
8%
8%
12%
0%
11%
0%
8%
1%
6%
0%
59%
50%
61%
66%
60%
56%
27%
25%
20%
18%
27%
33%
1%
1%
3%
8%
0%
0%
0%
2%
4%
1%
1%
3%
1%
1%
2%
1%
1%
3%
今後は容易になると思う
現在はどうにか団員を確保しているが、
今後は難しいと思う
現在も団員を確保できない状況であり、
今後はさらに厳しくなると思う
わからない
その他
無回答
<表1−1−4
:
今後、貴消防団における新入団員の確保はどのようになると思うか(消防団回答)>
消防団回答
現在と同様に定数を維持できると思う
現在は団員の確保が難しい状況だが、
全体
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
11%
1%
25%
0%
17%
1%
16%
2%
8%
1%
8%
1%
54%
50%
56%
55%
56%
52%
25%
0%
18%
17%
21%
32%
1%
1%
8%
0%
0%
25%
0%
1%
7%
0%
1%
9%
1%
0%
11%
1%
1%
6%
今後は容易になると思う
現在はどうにか団員を確保しているが、
今後は難しいと思う
現在も団員を確保できない状況であり、
今後はさらに厳しくなると思う
わからない
その他
無回答
イ
被雇用者である団員(サラリーマン団員)の増加
かつて消防団員は自営業者等を中心に構成されていたが、被雇用者である団員(以
下「サラリーマン団員」という 。)が増加しており、昭和43年には団員総数の3割弱
であったのが、平成13年には7割弱に達している。
特に、人口が小規模な市町村では就業構造の変化等に伴う影響を大きく受け、団員
全体に占めるサラリーマン団員の比率が高くなっている。これに対し、大都市部では
団員のサラリーマン団員比率は4割台となっており、小規模市町村に比較すれば低い
状況にある(P9表2−1−3参照 )。
③
今後の消防団の見通し
今後の消防団の見通しについては、実態調査では、現状と変化はないと思うと回答し
た市町村が約45%ある一方で、衰退していくと思うとの回答も40%に及んでおり、
特にその傾向は人口規模が小規模になるにつれて強くなる(表1−1−5及び1−1−
-3-
6)。
また、今後の消防団運営の見通しに関する回答では 、「サラリーマン団員に合わせた活
動を行うようになる」が最も多く、市町村と消防団のいずれも6割以上である。次いで
「新入団員の確保が困難になり活動に支障が生じる 」、「活動に参加できる団員が減少し
活動回数が減少する」や「高齢化が進み組織の硬直化が進む」なども4割前後の回答率
となっており、活動力確保の面での問題が大きいことがうかがえる。
このうち「新入団員の確保が困難になり活動に支障が生じる」については、人口が小
規模な市町村ほどその回答率が高い。
そのような中で 、「消防団活動の存続が危ぶまれる」と回答した市町村及び消防団が全
体の7%となっており、人口規模が小規模な市町村ほどこのように回答する市町村や消
防団の割合が高い(表1−1−7及び1−1−8)。
<表1−1−5
:
今後の消防団はどのようになると思うか(市町村回答)>
市町村回答
全体
現 状 よ り消 防団 の活性 化が 進んでいくと
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
8%
33%
24%
10%
5%
5%
40%
45%
4%
3%
8%
50%
8%
0%
23%
44%
5%
4%
31%
53%
3%
3%
39%
49%
4%
3%
49%
40%
3%
3%
思う
現状より消防団が衰退していくと思う
今と変わらないと思う
その他
無回答
<表1−1−6
:
今後の消防団はどのようになると思うか(消防団回答)>
消防団回答
全体
現 状 よ り消 防団 の活性 化が 進んでいくと
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
11%
25%
32%
15%
8%
7%
33%
46%
2%
8%
8%
42%
0%
25%
12%
46%
2%
7%
25%
49%
3%
10%
31%
47%
2%
12%
40%
44%
2%
6%
思う
現状より消防団が衰退していくと思う
今と変わらないと思う
その他
無回答
<表1−1−7
:
今後の貴消防団の運営についてどのようになると思うか(市町村回答)>
市町村回答
新入団員の確保が困難になり、団活動に
全体
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
48%
33%
34%
38%
45%
56%
45%
42%
39%
46%
45%
44%
21%
33%
29%
30%
24%
14%
支障が生じる状態になると思う
団活動に参加できる団員が減少し、活動
回数が減少していくと思う
住民の消防団に対する認識が低下し、団
活動の理解が得られにくくなると思う
-4-
団員の高齢化が進み、組織の硬直化が
41%
50%
33%
33%
33%
49%
5%
42%
13%
7%
4%
3%
68%
92%
82%
78%
77%
58%
17%
42%
38%
21%
16%
12%
18%
42%
25%
19%
17%
17%
7%
0%
3%
4%
7%
9%
2%
3%
0%
0%
0%
4%
1%
3%
2%
3%
2%
3%
進むと思う
女性団員が増加し、平常時活動などきめ
細かい活動が更に充実していくと思う
サラリーマン団員が増加し、それらに合
わせた団活動を行うようになると思う
消 火 活 動 か ら 大 規 模 災 害 や平 常時 の 活
動に役割が移っていくと思う
消防防災活動だけでなく、そ れ以外の活
動も行うことになると思う
多くの 原因により、消 防団活 動の存続が
危ぶまれる状況になると思う
その他
無回答
<表1−1−8
:
今後の貴消防団の運営についてどのようになると思うか(消防団回答)>
消防団回答
新入団員の確保が困難になり、団活動に
全体
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
44%
8%
28%
36%
42%
52%
39%
25%
33%
38%
37%
42%
18%
17%
25%
24%
21%
13%
37%
33%
28%
29%
28%
46%
7%
25%
16%
9%
6%
6%
64%
67%
74%
70%
68%
58%
17%
42%
31%
21%
15%
14%
22%
42%
31%
22%
23%
21%
7%
0%
3%
4%
7%
9%
1%
8%
8%
25%
2%
7%
1%
10%
2%
12%
1%
6%
支障が生じる状態になると思う
団活動に参加できる団員が減少し、活動
回数が減少していくと思う
住民の消防団に対する認識が低下し、団
活動の理解が得られにくくなると思う
団員の高齢化が進み、組織の硬直化が
進むと思う
女性団員が増加し、平常時活動などきめ
細かい活動が更に充実していくと思う
サラリーマン団員が増加し、それらに合
わせた団活動を行うようになると思う
消 火 活 動 か ら 大 規 模 災 害 や平 常時 の 活
動に役割が移っていくと思う
消防防災活動だけでなく、そ れ以外の活
動も行うことになると思う
多くの 原因により、消 防団活 動の存続が
危ぶまれる状況になると思う
その他
無回答
(2)地域における消防団の役割
社会環境の変化に伴い、消防団は大きな課題に直面しており、そのような中で今後の運
営に危惧を抱いている市町村や消防団関係者が多い。その一方で、消防団は、幅広い役割
-5-
を担っており、地域社会の中では極めて重要な存在となっている。
阪神・淡路大震災を契機として再認識されたように、大規模地震や風水害等の大規模災
害発生時には、消防団は、その要員動員力や地域密着性といった特性を活かし、大きな力
を発揮する。また、火災など通常災害への対応でも、消防団が大きな役割を果たしている
地域が多いほか、多くの地域で行方不明者の捜索なども行っている。
さらに、地域密着性という利点を活かし、平常時における住民への防災指導等のほか、
各種の地域行事や地域の高齢者対策等のコミュニティ活動面で重要な役割を担っている消
防団も多い(P11表2−2−1参照 )。
実態調査の結果でも、全国の市町村の約9割が、消防団は非常に重要な存在と回答して
おり(表1−2−1 )、消防団は、今後も地域防災その他の面で、地域社会を維持していく
うえで不可欠の存在と考えられる。
<表1−2−1
:
市町村等における消防団の必要性>
市町村回答
非常に重要
ほどほどに重要
あれば越したことはない
あまり重要でない
必要ない
わからない
その他
無回答
全体
政令市
89%
9%
1%
0%
0%
0%
0%
1%
100∼ 10万
75%
0%
8%
0%
0%
0%
17%
0%
82%
14%
2%
0%
0%
0%
0%
1%
10∼2万
86%
11%
1%
0%
0%
0%
0%
2%
2∼1万
89%
8%
1%
0%
0%
0%
0%
1%
1万未満
90%
8%
1%
0%
0%
0%
0%
1%
(3)制度運営のあり方についての検討の必要性
常備消防機関の規模、地域社会のニーズ、地域のコミュニティの状況等も地域によって
さまざまであり、社会環境の変化に伴う消防団への影響も地域により多様な形であらわれ
ている。今後、消防団の役割、活動内容、運営等も地域により多様なものとなることを迫
られている。
以上のような状況を踏まえ、消防団が、今後も地域の中で必要とされる役割を果たして
いくための方策を検討する必要がある。
-6-
2
消防団の実態と消防団長等の意識
ここでは、全国の統計数値や今回行った実態調査の結果(調査の概要は、P2参照)を
中心に、消防団の実態や消防団長等の意識を紹介する。
(1)消防団の概況
①
全国で昭和20年代には200万人以上であった消防団員数は、平成13年4月1日
現在では94万人余となっている(表2−1−1)。
<表2−1−1
:
消
消防機関数と消防職団員数の推移>
防
消防
消防本部
本
部
出張
消
消
防
消防
年
組合
署
所
職
員
団
消防
分
数
防
団
団数
団常
消防団員
備部
うち女
性団員
被雇用
者であ
る団員
の比率
S27
298
−
392
573
27,269
10,167
−
76
2,090,000
−
S30
360
6
454
683
31,194
5,951
−
106
1,944,233
−
40
620
4
735
1,024
48,075
3,826
31,653
123
1,330,995
50
859
378
1,258
2,590
105,005
3,668
26,805
22
1,118,036
60
933
454
1,496
3,132
128,914
3,641
25,798
7
1,033,376
2
933
464
1,554
3,166
133,610
3,654
25,639
6
996,743
1,923
26.5%
(S43)
42.8%
(S51)
54.5%
(S61)
57.4%
7
931
467
1,631
3,207
147,016
3,637
25,506
−
975,512
5,902
64.4%
12
907
472
1,682
3,230
153,439
3,639
25,322
−
951,069
10,176
68.2%
13
904
475
1,687
3,225
153,952
3,636
25,268
−
944,134
10,776
68.5%
(注)各年とも4月1日現在の数である。
②
全国の消防団員数や団員の構成等を 、平成12年を基準に非常備町村と常備市町村(人
口規模ごと)別に、過去の推移を見ると次のようになる。
団員数については、人口規模の小さな市町村ほど減少率が大きく、逆に政令指定都市
では微増の状況にある(表2−1−2 )。
サラリーマン団員については、昭和43年には全体の1/4程度であったものが、現
-7-
在では全体の約7割となっている(表2−1−1 )。人口規模別に見ると、人口規模の小
さな市町村ほどサラリーマン団員比率が高い傾向にあり、大都市である政令市において
は全団員の44.3%と、人口規模1万人未満の市町村の73.9%と比べ大きく異な
っている。また、今回の調査によれば、団員の約3割は自らが所属する消防団の管轄区
域の外で勤務しており、この点でも人口規模が小さい市町村ほどその率が高い(表2−
1−3及び2−1−4 )。
なお、人口に対する団員比率を見ると、消防が非常備である市町村では住民100人
のうち約4人が団員であるのに対し、政令市ではその1/20である0.2人と、人口
規模が大きくなるほどその比率は急激に低くなっている(表2−1−5)。
団員の平均年齢については、平成13年で36.9歳である。人口規模別では、政令
市の平均年齢が45.4歳と最も高く、他の人口規模の市町村に比較して10歳近く高
い(表2−1−6 )。
また、年代別に区分すると、40代や50代以上の者の割合が増加してきている(表
2−1−7)。
女性団員の団員総数に占める比率は、どの人口区分においても増加しているが、大都
市及び消防が非常備の町村における増加が著しい(表2−1−8)。
<表2−1−2
:
団員数の推移(人口段階、消防の常備・非常備別)>
平成 3年
(人)
消 防 が 非 常 備 の 町 村
平成 7年
(単位:%)
平成12年
(人)
(人)
増減比率
(%)
12,4 62
11,8 04
11,1 46
89 .4
1万人未満
26 7,4 53
26 0,0 32
24 8,4 38
92 .9
消防が
1万人以上2万人未満
18 8,2 78
18 5,1 77
18 0,6 90
96 .0
常備の
2万人以上10万人未満
31 4,7 65
31 1,0 16
30 4,2 32
96 .7
市町村
10万人以上100万人未満
15 9,6 08
15 7,9 19
15 6,5 12
98 .1
49,0 00
49,5 64
50,0 51
10 2.1
99 1,5 66
97 5,5 12
95 1,0 69
95 .9
政令指定都市
合
計
(注)1.本表は、
「平成12年度消防防災・震災対策現況調査」を基に作成。
2.市町村の区分は、平成12年を基準としており、同3年及び7年については、12年における
市町村の区分により団員数を算出。
3.政令指定都市には、東京都特別区を含む。
4.増減比率については、平成3年に対する同年12年の割合を示す。
5.非常備の町村は、平成12年4月1日現在で、全国で68団体あり、そのうち人口が最大の
ものは、16,057人である。
6.以下表2−1−3、2−1−5、2−1−6、2−1−8において同じ。
-8-
<表2−1−3
:
サラリーマン団員比率の推移(市町村の人口段階別)>
平成7年
平 成12年
増加 状況
(%)
(%)
(ポイン ト)
消防が非常備の町村
70.6
71.9
1.3
1万人未満
70.3
73.9
3.6
消 防 が 1万人以上2万人未満
64.4
69.9
5.5
常 備 の 2万人以上10万人未満
64.9
68.3
3.4
市町村 10万人以上100万人未満
60.5
64.1
3.6
政令指定都市
41.8
44.3
2.5
64.4
68.2
3.8
平
<表2−1−4
:
均
管轄区域外に居住、勤務する団員数(平成13年4月1日現在)>
全体
政令市
団体総数 割合
団体数
2,483
2,736
管轄区域外に居住する団員
管轄区域外に勤務する団員
3%
29%
割合
10
11
100∼10万
10∼2万
2∼1万
団体数
団体数 割合
団体数
1%
12%
179
182
割合
3%
17%
557
632
2%
27%
1万未満
割合
542
592
団体数
4%
35%
割合
1195
1319
5%
35%
(注 )「割合 」欄 は、人 口区分ご との団員 総数 のうち 、「 管轄 区域外に 居住する 団員」 又は 「管
轄区 域外に勤 務する団 員」 の割合で ある。
< 表2− 1− 5
人 口に対する団員の 比率の推移>
:
消防が非常備の町村
平成3年
平成7年
平成12年
人口比率(%)
人口比率 (%)
人口比 率(% )
4.23
4.09
4.02
1万人未満
3.65
3.63
3.59
消 防 が 1万人以上2万人未満
2.06
2.03
1.99
常 備 の 2万人以上10万人未満
1.01
0.98
0.94
市町村 10万人以上100万人未満
0.33
0.33
0.32
政令指定都市
0.20
0.21
0.20
0.83
0.81
0.78
合
<表2−1−6
:
計
団員の平均年齢推移(人口段階、消防の常備・非常備別)>
平成3年
平成7年
平成12年
(歳 )
(歳 )
(歳 )
36.0
37.0
37.9
1.9
1万人未満
34.7
35.4
36.2
1.5
消 防 が 1万人以上2万人未満
34.1
34.6
35.3
1.2
常 備 の 2万人以上10万人未満
34.7
35.2
36.0
1.3
市 町 村 10万人以上100万人未満
36.6
37.0
37.8
1.2
43.4
44.4
45.4
2.0
35.4
35.9
36.7
1.3
消防が非常備の町村
政令指定都市
平
均
-9-
増加状況
(歳 )
<表2−1−7
区
分
∼ 19 歳
昭和45年
50
55
60
平成 2年
7
13
<表2−1−8
団員の年齢構成表(年代別)>
:
:
3.3
1.9
0.6
0.5
0.5
0.5
0.4
20∼29歳
30∼39歳
40∼49歳
37.6
39.9
33.2
29.5
27.3
25.7
25.1
44.8
39.2
43.3
47.3
45.5
42.4
38.6
12.1
15.9
17.3
15.7
19.1
23.1
24.4
50 歳∼
平均年齢
2.2
3.1
5.6
7.0
7.6
8.3
11.5
32.
33.
33.
34.
35.
35.
36.
5歳
3歳
7歳
5歳
2歳
9歳
9歳
団員総数に占める女性団員の比率(人口段階、消防の常備・非常備別)>
平成3年
平成7年
平成12年
増加状況
(%)
(%)
(%)
0.19
1.00
1.96
1.77
1万人未満
0.22
0.37
0.52
0.30
消 防 が 1万人以上2万人未満
0.13
0.29
0.52
0.39
常 備 の 2万人以上10万人未満
0.14
0.51
0.97
0.83
市 町 村 10万人以上100万人未満
0.25
0.75
1.12
0.87
1.80
3.08
6.04
4.24
0.26
0.61
1.07
0.81
消防が非常備の町村
政令指定都市
合
計
(ポイント)
(2)消防団の役割及び担当業務等
①
実態調査における消防団の主な業務についての市町村の回答を見ると、
「消火活動 」、
「風
水害等に関する活動 」、「防火防災の啓発活動」のほか 、「行方不明者の捜索」や「祭礼、
イベントの手伝い等の地域コミュニティ活動」等、幅広い分野に及んでいる。また 、「消
火活動」や「行方不明者の捜索 」は人口規模が小さい市町村ほど回答率が高く 、逆に「祭
礼、イベントの手伝い等の地域コミュニティ活動」は人口規模が大きい市町村の方が回
答率が高くなっている(表2−2−1 )。
活動内容を、市町村からの要望によるもの、住民からの要望によるものに分けて消防
団から回答を求めた結果は表2−2−2及び表2−2−3のとおりであるが、市町村と
住民のいずれからも、消防団は多様な面での活動を要請されている。
最近新たに必要となった活動としては 、「大災害を想定した防災訓練 」、「独居老人や高
齢者宅への訪問などの福祉活動」等があげられている(表2−2−4)。
また、消防団として実施したいが実施が困難な活動としては 、「海外援助活動 」、「福祉
事業への参加 」、
「小・中・高校への消防防災啓発 」等があげられている(表2−2−5 )。
- 10 -
<表2−2−1
:
貴市町村における消防団は主にどのような活動を行っているか>
市町村回答
全体
主に消火活動
主に火災現場での後方支援
主に風水害等に係る活動
防火・防災の啓発活動
教育・訓練活動
祭礼、イベントの手伝い等の地域コミュ
ニティ活動
行方不明者の捜索等
その他
無回答
<表2−2−2
:
政令市
78%
60%
75%
71%
54%
66%
83%
58%
78%
72%
58%
51%
89%
49%
73%
78%
63%
41%
94%
35%
75%
81%
65%
33%
79%
2%
1%
33%
8%
0%
55%
2%
0%
75%
2%
2%
83%
1%
1%
83%
2%
0%
政令市
77%
38%
47%
71%
8%
1%
1%
100∼10万
100%
58%
58%
33%
8%
0%
0%
96%
42%
59%
37%
7%
1%
1%
10∼2万
2∼1万
85%
33%
53%
67%
9%
1%
1%
1万未満
75%
37%
48%
77%
9%
1%
1%
71%
40%
42%
75%
6%
2%
1%
住民の要望により行うことが多い活動>
防災、避難訓練
消火器等の取扱い、救急救護の指導等の教育
訓練
管轄区域内の巡回見回り(治安維持等)
イベントや祭事への参加、会場整理等
行方不明者(徘徊老人等)の捜索
道路・河川・海岸の清掃、草刈り、野焼き等
その他
無回答
:
1万未満
58%
83%
83%
92%
58%
58%
消防団回答 全体
<表2−2−4
2∼1万
市町村の要望により消防団が行うことが多い活動>
防災訓練
住民への防災指導
イベントや祭事への参加、会場整理等
行方不明者(徘徊老人等)の捜索
道路・河川・海岸の清掃、草刈り、野焼き等
その他
無回答
:
10∼2万
89%
45%
75%
78%
62%
41%
消防団回答 全体
<表2−2−3
100∼10万
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
38%
47%
67%
67%
56%
37%
41%
42%
37%
50%
34%
49%
41%
49%
59%
12%
1%
2%
50%
92%
42%
8%
0%
0%
51%
77%
39%
10%
0%
2%
42%
65%
60%
14%
2%
2%
40%
52%
66%
14%
1%
1%
39%
36%
58%
10%
2%
3%
最近新たに必要とされはじめた活動>
消防団回答 全体
繁華街等における予防査察
大規模災害を想定した防災訓練
独居老人、高齢者宅への訪問など福祉関係活動
治安維持のための夜警など警察を補助する活動
ボランティア等と連携した防災活動
その他
無回答
政令市
3%
51%
38%
18%
15%
4%
14%
- 11 -
100∼10万
0%
58%
58%
17%
58%
17%
0%
5%
63%
27%
19%
24%
3%
11%
10∼2万
3%
59%
33%
19%
17%
3%
11%
2∼1万
1万未満
4%
52%
38%
21%
15%
4%
15%
2%
45%
42%
17%
13%
4%
17%
<表2−2−5
:
消防団として行いたいが実施が困難な活動>
消防団回答
全体
警察への協力
福祉活動への参加
伝統芸能、文化保護活動
観光等による地域活性化への協力
小・中・高校への消防防災啓発
海外援助活動
その他
無回答
②
政令市
8%
21%
12%
12%
17%
25%
5%
33%
100∼ 10
8%
17%
25%
17%
17%
25%
25%
8%
8%
26%
11%
12%
18%
29%
5%
24%
10∼2
2∼1万
8%
21%
11%
12%
20%
28%
5%
29%
1万未満
9%
21%
10%
12%
18%
25%
5%
34%
7%
20%
13%
13%
16%
23%
6%
36%
火災時の活動については、人口規模が小さな市町村ほど消防団が消火活動全般につい
て主体的な役割を担い、大都市では常備消防への後方支援を主な業務とする(表2−2
−6)。
火災時の出動団員の範囲については、原則的に全員が必ず出動という消防団は全体の
35%であるが、人口規模が小さくなるほどその率が高くなっている(表2−2−7 )。
<表2−2−6
:
火災時における消防団の主な活動>
消防団回答 全体
消火活動全般に主体的な役割を行っている
初期消火活動を主体に行っている
常備消防への後方支援を主体に行っている
警戒区域の設定及び交通整理等を主体に行って
いる
特になし
その他
無回答
<表2−2−7
:
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
78%
34%
55%
20%
25%
33%
100%
75%
57%
20%
76%
29%
67%
31%
70%
22%
79%
32%
59%
20%
86%
39%
42%
17%
0%
2%
0%
0%
8%
0%
1%
3%
0%
0%
3%
0%
0%
2%
0%
0%
2%
0%
火災面での出動団員の範囲の実態>
消防団回答 全体
原則的に全員が必ず出動
出動可能な者が出動
一部の消防団員は必ず出動、その他の団員は可
能なら出動
交代制による当番のみが出動
指示があった者のみが出動
その他
無回答
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
35%
39%
7%
17%
75%
17%
18%
61%
3%
24%
47%
8%
34%
39%
8%
44%
31%
7%
0%
13%
10%
0%
0%
17%
0%
0%
0%
11%
13%
0%
0%
14%
14%
0%
0%
11%
12%
0%
0%
14%
7%
0%
- 12 -
③
風水害時の活動については 、「危険個所等の警戒及び防ぎょ 」、「発生直後の救助、避難
誘導、応急救護活動」となっている(表2−2−8)。
地震や風水害時の出動団員の範囲については、原則的に全員が必ず出動という消防団
は全体の37%であり、出動可能な者が出動というのが36%、指示があった者のみが
出動というのが20%となっている(表2−2−9)。
<表2−2−8
:
風水害における消防団の主な活動>
消防団回答 全体
発生直後の救助、避難誘導、応急救護活動
危険箇所等の警戒及び防ぎょ
情報収集及び伝達業務
常備消防への支援活動
住民の安否確認
特になし
その他
無回答
<表2−2−9
:
政令市
68%
90%
54%
47%
46%
1%
1%
2%
75%
92%
83%
75%
67%
0%
17%
0%
50%
86%
57%
66%
38%
0%
1%
1%
10∼2万
2∼1万
58%
91%
52%
56%
39%
1%
0%
2%
1万未満
67%
92%
55%
46%
45%
1%
0%
2%
76%
89%
55%
39%
51%
1%
0%
3%
地震や風水害での出動団員の範囲の実態>
消防団回答 全体
原則的に全員が必ず出動
出動可能な者が出動
一部の消防団員は必ず出動、その他の団員は可
能なら出動
交代制による当番のみが出動
指示があった者のみが出動
その他
無回答
④
100∼10万
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
37%
36%
5%
50%
50%
0%
24%
56%
2%
30%
42%
5%
37%
35%
5%
42%
29%
5%
0%
20%
5%
1%
0%
8%
8%
8%
0%
12%
11%
1%
0%
20%
6%
1%
0%
20%
4%
1%
0%
21%
5%
1%
平常時の活動については 、「訓練(ポンプ操法訓練など )」が最も実施率が高く全体の
95%となっている。予防啓発活動が83%、防災訓練が71%と続いている。自主防
災組織等への教育訓練については、大都市ほど回答率が高い(表2−2−10)。
平常時の活動での出動団員の範囲については、原則的に全員が必ず出動という消防団
は全体の45%であるが、人口規模が小さくなるほどその率が高く、大都市では出動可
能な者が出動という回答の方が多い(表2−2−11)。
<表2−2−10
:
平常時における消防団の主な活動>
消防団回答 全体
予防啓発活動(特別警戒、戸別防火訪問等)
防災訓練(地震、風水害等への訓練)
政令市
83%
71%
- 13 -
100∼10万
100%
83%
78%
87%
10∼2万
77%
79%
2∼1万
1万未満
85%
73%
86%
63%
訓練(ポンプ操法訓練など)
自主防災組織等への教育訓練
若年・女性層へ消防団を理解してもらうための活
動
特になし
その他
無回答
<表2−2−11
:
95%
21%
13%
100%
58%
42%
96%
34%
17%
96%
21%
14%
96%
21%
12%
94%
19%
13%
1%
2%
0%
0%
17%
0%
0%
1%
0%
0%
3%
0%
0%
1%
0%
1%
2%
0%
平常時の活動での出動団員の範囲の実態>
消防団回答 全体
原則的に全員が必ず出動
出動可能な者が出動
一部の消防団員は必ず出動、その他の団員は可
能なら出動
交代制による当番のみが出動
指示があった者のみが出動
その他
無回答
⑤
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
45%
29%
5%
25%
58%
17%
28%
47%
3%
40%
34%
6%
45%
28%
5%
50%
25%
5%
4%
20%
3%
0%
0%
25%
0%
0%
6%
18%
4%
0%
3%
22%
3%
0%
3%
22%
5%
0%
4%
18%
3%
0%
地震等の大災害時に消防団の重要な活動と考えられるものを回答から見ると 、「火災発
生時の消火」が市町村及び消防団の両者において人口規模にかかわらず9割を超えて最
も多く、全体では「住民に対する避難誘導活動 」、「発生直後の救助・救護活動」が次い
で多い(表2−2−12及び2−2−13 )。
<表2−2−12
:
地震等の大災害時に消防団の重要な活動と考えられるもの(市町村回答)>
市町村回答
全体
住民に対する避難誘導活動
発生直後の救助・救護活動
火災発生時の消火
情報の収集及び伝達活動
危険個所等の警戒
常備消防の支援
ボランティア団体等への指示
特になし
その他
無回答
<表2−2−13
:
政令市
82%
84%
95%
58%
73%
61%
10%
0%
1%
1%
100∼10万
83%
100%
92%
100%
75%
100%
25%
0%
8%
0%
87%
85%
93%
62%
69%
80%
16%
0%
1%
0%
10∼2万
2∼1万
83%
81%
94%
57%
77%
70%
10%
0%
1%
2%
1万未満
79%
80%
95%
57%
72%
62%
7%
0%
0%
1%
82%
86%
95%
57%
73%
53%
10%
0%
0%
1%
地震等の大災害時に消防団の重要な活動と考えられるもの(消防団回答)>
消防団回答 全体
住民に対する避難誘導活動
発生直後の救助・救護活動
政令市
82%
81%
- 14 -
100∼10万
100%
100%
81%
79%
10∼2万
82%
77%
2∼1万
1万未満
81%
78%
83%
84%
火災発生時の消火
情報の収集及び伝達活動
危険個所等の警戒
常備消防の支援
ボランティア団体等への指示
特になし
その他
無回答
95%
60%
73%
54%
11%
0%
0%
0%
92%
92%
75%
75%
25%
0%
17%
0%
93%
65%
71%
71%
13%
0%
1%
0%
94%
60%
73%
67%
13%
0%
1%
0%
96%
60%
74%
53%
10%
0%
0%
0%
95%
59%
74%
46%
11%
0%
0%
0%
(3)消防団の組織及び運営
①
消防団には、管轄区域を区分して、分団、部、班が設けられていることが多い。近年
は、サラリーマン団員の増加や業務の多様化等を反映として、従来とは異なる組織を設
ける例も見受けられる。
「女性消防分団、班などがある」という消防団が全体の11%となっているほか 、「活
動内容別の分団、班がある」とする回答が6%。このほか、昼間活動又は夜間活動のた
めの分団、班などがあるとする回答がそれぞれ5%などとなっている(表2−3−1 )。
<表2−3−1
:
消防団の組織としてどのようなものがあるか>
消防団回答 全体
夜間活動のための消防分団、班などがある
昼間活動のための消防分団、班などがある
消防団区域内企業による消防分団、班などがあ
る
職業区分による消防分団、班がある
女性消防分団、班などがある
活動内容別(職業区分によらない)の分団、班が
ある
特にない
その他
無回答
②
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
5%
5%
3%
8%
8%
0%
6%
4%
1%
4%
4%
3%
5%
5%
3%
6%
6%
3%
1%
11%
6%
0%
25%
25%
0%
23%
4%
1%
13%
5%
1%
10%
5%
2%
9%
6%
70%
4%
3%
50%
8%
0%
64%
6%
2%
70%
4%
2%
72%
5%
3%
69%
4%
3%
消防団の関係団体については多くの組織が設けられている 。
「女性(婦人)防火クラブ 」、
「自主防災会 」、「消防団等OB会」や「少年(少女)消防協力隊」等が設けられている。
全体として、人口規模が大きな市町村ほど、これらの組織が設けられている割合が高い(表
2−3−2)。
- 15 -
<表2−3−2
:
市町村に消防団の関係団体としてどのような団体があるか>
消防団回答 全体
消防団等OB会(消防団員や消防職員のOBなど
で構成される会)
少年(少女)消防協力隊
女性(婦人)防火クラブ
自主防災会
自衛消防隊(企業消防)
その他
無回答
③
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
38%
58%
73%
53%
41%
24%
29%
50%
41%
23%
7%
10%
58%
50%
83%
75%
25%
0%
34%
55%
61%
44%
8%
3%
33%
57%
51%
35%
6%
7%
27%
52%
43%
22%
5%
9%
27%
46%
32%
15%
9%
14%
現在の団員数が消防団活動を行うのに十分であるかという点については、消防団のう
ち56%が「適当である」と回答している。また 、「不足はしているが消防団活動に支障
がない」との回答が21%、「不足しており消防団活動に支障が出ている」との回答が
6%となっている。このほか 、「数は適当であるが活動に出ることができる団員が少ない
ため支障が出ている」と回答した消防団が14%ある(表2−3−3)。
<表2−3−3
:
現在の団員数は消防団活動を行うにあたって十分か>
消防団回答
多すぎる
全体
政令市
100∼ 10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
2%
0%
3%
3%
3%
1%
適当である
56%
58%
57%
60%
61%
51%
不足はしているが消防団活動には
21%
17%
21%
18%
18%
24%
6%
0%
6%
3%
3%
9%
14%
25%
12%
15%
15%
13%
その他
1%
0%
0%
1%
1%
1%
無回答
0%
0%
0%
1%
0%
0%
支障がない
不足しており消防団活動に支障が
出ている
数は適当であるが、活動に出ること
ができる団員が少ないため支障が
出ている
④
定年制については、全体の約1/4が年齢による定年制度を導入している(表2−3
−4)。
- 16 -
<表2−3−4
:
貴市町村では消防団員に定年制導入の有無>
市町村回答
全体
年齢による定年がある
在団年数による定年がある
特にない
その他
無回答
⑤
政令市
26%
0%
68%
5%
1%
100∼10万
33%
0%
42%
25%
0%
10∼2万
26%
0%
64%
8%
1%
2∼1万
23%
0%
70%
6%
2%
1万未満
28%
0%
67%
4%
1%
27%
0%
69%
4%
1%
幹部以外の団員の意見を団運営等に反映する仕組みの必要性については、市町村及び
消防団の約2/3が団員の意見を反映するための場又は意見を聞く何らかの仕組みが必
要であると回答している。一方、その必要はないという意見は全体の約1/3となって
いるが、その理由は既に意思の疎通を図ることができていることを理由とするものがほ
とんどである(表2−3−5及び2−3−6 )。
<表2−3−5
:
階級の低い団員(幹部以外)の意見を反映する仕組みについて(市町村回答)>
市町村回答
団内部でコミュニケーションを図る
ための場が必要
団員の意見を聞く何らかの仕組み
が必要
既に意思の疎通が図れているの
で必要ない
全体
命令系統が崩れる恐れがあるの
で必要ない
その他
無回答
<表2−3−6
:
政令市
100∼ 10
10∼2
2∼1万
1万未満
34%
67%
33%
35%
33%
33%
26%
8%
36%
27%
26%
24%
35%
17%
26%
31%
36%
38%
3%
0%
0%
3%
4%
3%
2%
2%
0%
0%
5%
2%
3%
2%
1%
2%
2%
1%
階級の低い団員(幹部以外)の意見を反映する仕組みについて(消防団回答)>
消防団回答
団内部でコミュニケーションを図る
ための場が必要
団員の意見を聞く何らかの仕組み
が必要
既に意思の疎通が図れているの
で必要ない
命令系統が崩れる恐れがあるの
で必要ない
その他
無回答
全体
政令市
100∼ 10
10∼2
2∼1万
1万未満
41%
50%
44%
42%
40%
40%
27%
33%
36%
29%
28%
24%
30%
25%
21%
28%
30%
32%
2%
0%
0%
1%
3%
3%
2%
2%
0%
0%
0%
2%
3%
2%
1%
2%
2%
3%
- 17 -
(4)施設及び設備の整備状況
消防団の施設は大きく分けて2種類ある。ポンプ車や資機材を収納するとともに待機室
や休憩室を備える消防団の拠点施設と、ポンプ車や資機材を収納することが目的である機
具庫である。実態調査の結果では、拠点施設が全国で約3万7千箇所、機具庫が約3万箇
所に設置さ れ て い る ( 平 成 1 3 年 の 分 団 数 : 2 5 , 2 6 8 、 消 防 団 所 有 ポ ン プ 車
17,312、小型動力ポンプ54,674 )。
通常災害時の装 備 の 整 備 状 況 は 、 配 備 数 と し て は 防 火 衣 一 式 が 約 4 3 万 ( 回 答 団 体
2,651)であり最も整備が進んでいる。市町村別の団体整備率(1つでも持っている
消防団の割合)を見ると、人口規模が小さい市町村ほど整備率が低い状況にある。携帯用
無線機の団体整備率は 、人口規模の少ない団体ほど高い状況にあるが 、逆に無線受令機(受
信のみ)は大都市で整備率が高い(表2−4−1)。
大規模災害時装備の整備状況については、全体で5割を超えるものはなく、整備率は高
くない。人口段階別でみた場合、エンジンカッター(チェーンソー含む )、ジャッキ、バー
ル等の大規模災害時の救助を想定した資機材について大都市部での整備率は高い(表2−
4−2)。
体力錬成機具や訓練用消火器等の整備率は、全体に低い(表2−4−3)。
<表2−4−1
:
消防団の通常災害時装備の整備状況>
全体
整 備 団 団体
整 備 団 団体
整備率
平均数
平均数
平均数
防煙マスク
空気呼吸器
携帯用無線機
無線受令機(受信のみ)
警戒用ロープ
ジャッキ
バール
担架
応急セット
組立式水槽
整備率
100%
8%
8%
33%
83%
83%
整備率
2,293.3
1,890.0
60.0
418.3
168.7
441.5
94% 447.5
7% 363.1
1% 23.5
43% 40.3
70% 67.7
36% 43.0
2∼1万
整 備 団 団体
整備率 平均数
87% 189.4
6% 55.7
2% 11.8
49% 23.5
55% 34.5
22% 28.4
整備率
85%
6%
3%
68%
46%
22%
1万未満
整備団 団体
整備団
平均数 整備率
平均数
133.8
40.4
9.0
18.5
25.2
22.6
80%
8%
3%
65%
22%
24%
93.6
27.7
9.0
15.6
21.8
12.5
消防団の大規模災害時装備の整備状況>
全体
エンジンカッター、チェーンソー
10∼2
整 備 団 団体
84% 162.8
7% 64.3
3% 10.5
60% 19.8
38% 33.9
24% 26.6
:
100∼10
団体
防火衣一式
<表2−4−2
政令市
政令市
100∼10
10∼2
団体
整 備 団 団体
整 備 団 団体
整 備 団 団体
整備率
平均数
平均数
平均数
25%
18%
40%
20%
23%
50%
9.8
17.4
22.6
13.4
13.3
7.9
整備率
50%
67%
92%
75%
58%
75%
整備率
213.7
204.8
277.0
304.7
331.3
117.2
- 18 -
35%
37%
66%
26%
21%
38%
22.6
40.2
57.0
33.2
26.6
15.1
2∼1万
整 備 団 団体
整備率 平均数
22%
18%
44%
16%
20%
42%
11.3
13.8
21.7
13.2
14.3
10.1
整備率
1万未満
整備団 団体
整備団
平均数 整備率
平均数
23% 6.0
18% 10.8
40% 17.2
17% 5.6
22% 7.9
53% 6.6
25% 4.8
15% 8.3
34% 11.2
23% 5.1
25% 7.5
54% 5.7
10%
43%
47%
27%
夜行チョッキ、夜行帯
背負式消火水のう
拡声器、メガホン
防水シート
<表2−4−3
:
54.6
40.4
11.0
62.8
政令市
煙体験ハウス
心肺蘇生法訓練人形
11%
34%
42%
33%
32.3
78.3
31.5
97.2
9%
36%
38%
24%
100∼10
37.7
52.8
13.2
45.1
10∼2
団体
整 備 団 団体
整 備 団 団体
整 備 団 団体
整備率
平均数
平均数
平均数
3%
9%
1%
5%
訓練用消火器
1,443.8
191.8
195.6
1,997.5
9% 29.7
44% 38.6
48% 7.7
29% 54.8
10% 29.0
48% 31.8
50% 6.5
26% 29.6
その他の装備の整備状況>
全体
体力錬成機具等
42%
42%
92%
67%
整備率
2.1
17.6
3.2
2.4
0%
0%
0%
0%
整備率
0
0
0
0
5%
5%
1%
4%
6.4
38.9
1.5
2.3
2∼1万
整 備 団 団体
整備率 平均数
5%
6%
2%
4%
整備率
1.6
21.0
6.6
2.5
1万未満
整備団 団体
整備団
平均数 整備率
平均数
3% 1.2
9% 21.3
2% 1.0
4% 2.3
3% 1.7
12% 14.2
1% 1.2
5% 2.5
(5)教育訓練の内容及び実施方法
①
団員への教育内容で重点が置かれている事項としては 、「火災への対応」が98%と最
も高く 、「住民への防火指導等への対応 」(46% )、「大規模災害(地震、風水害等)へ
の対応 」(41%)が続いている。このうち「大規模災害(地震、風水害等)への対応」
については、政令市では83%と高く、人口規模が大きくなるほど重視される傾向にあ
る(表2−5−1 )。
団員への教育方法については 、「消防学校での教育」や「消防署等での教育」が大部分
を占めている(表2−5−2 )。
<表2−5−1
:
団員への教育内容として重点が置かれているもの>
消防団回答 全体
火災への対応
大規模災害(地震、風水害等)への対応
住民への防火指導等への対応
公務災害防止のための教育
その他
無回答
<表2−5−2
:
政令市
98%
41%
46%
19%
4%
0%
100∼10万
92%
83%
58%
42%
0%
0%
96%
59%
48%
34%
6%
0%
10∼2万
2∼1万
98%
49%
42%
25%
4%
0%
1万未満
97%
40%
47%
18%
3%
0%
98%
35%
47%
15%
3%
1%
団員への教育(訓練除く)の方法>
消防団回答 全体
消防学校で教育を受けさせている
消防署等の職員から教育を受けている
政令市
70%
75%
- 19 -
100∼10万
83%
92%
84%
85%
10∼2万
78%
80%
2∼1万
1万未満
68%
73%
65%
72%
勤務先で必要な知識を習得させている
在宅学習など自分で勉強してもらっている
特にしていない
その他
無回答
②
0%
3%
7%
7%
0%
0%
0%
0%
33%
0%
0%
2%
3%
9%
0%
0%
2%
3%
6%
0%
0%
3%
7%
7%
0%
0%
3%
9%
6%
0%
団員の訓練内容で重点が置かれている事項としては 、「操法大会、出初式などへ向けた
訓練 」「実際の火災を想定した訓練」など、ポンプ操法を中心とした訓練が多い。また、
「大規模災害を想定した訓練」については全体で35%であるが、政令市では92%が
回答しているのに対し、人口規模1万人未満の市町村では25%の回答率に止まってい
る(表2−5−3 )。
訓練日の決定方法については、「団員のスケジュール等を調整して決定」する方法が
36%と最も多いが 、「訓練会場や指導員等の都合により決定 」(33% )、「毎週○曜日
のように定例日がある 」(22%)との回答に分散している(表2−5−4)。
訓練への参加者の実態については、全員が必ず又は可能な限り参加と回答しており、
団員の中で差異を設けるという回答は少数である(表2−5−5)。
<表2−5−3
:
団員の訓練内容として重点が置かれているもの>
消防団回答 全体
操法大会、出初式などへ向けた訓練
実際の火災を想定した訓練
大規模災害(地震、風水害など)を想定した訓練
住民指導を想定した訓練(応急救護訓練等)
その他
無回答
<表2−5−4
:
政令市
87%
89%
35%
27%
1%
0%
毎週○曜日のように定例日がある
団員のスケジュール等を調整して決定
訓練会場や指導員等の都合により決定
その他
無回答
:
92%
83%
92%
67%
0%
0%
89%
89%
57%
32%
0%
0%
10∼2万
2∼1万
90%
90%
48%
28%
2%
0%
1万未満
87%
89%
36%
25%
1%
0%
85%
89%
25%
26%
2%
0%
消防団員の訓練日の決定方法>
消防団回答 全体
<表2−5−5
100∼10万
政令市
22%
36%
33%
13%
0%
100∼10万
42%
42%
50%
0%
0%
30%
37%
32%
14%
0%
10∼2万
2∼1万
23%
35%
34%
14%
0%
1万未満
22%
36%
33%
14%
0%
20%
37%
33%
12%
1%
訓練への参加者の実態>
消防団回答 全体
よほどのことがない限り全員が必ず参加
政令市
40%
- 20 -
100∼10万
17%
31%
10∼2万
39%
2∼1万
1万未満
41%
42%
可能な者が参加
一部の消防団員は必ず参加、その他の団員は可
能なら参加
指示があった者のみが参加
その他
無回答
42%
7%
58%
8%
47%
5%
41%
9%
42%
6%
42%
7%
11%
2%
0%
8%
17%
0%
17%
3%
0%
12%
3%
0%
12%
1%
0%
10%
1%
0%
(6)報酬、出動手当及びその他の処遇の状況(資格取得及び福利厚生を含む)
①
消防団員の報酬については、平成13年4月1日現在で団長に対する報酬の平均が年
額約135,000円、団員に対する報酬の平均が年額約26 ,000円となっている 。
現在の報酬額について、市町村は適当な金額であるとの回答が最も多く(56% )、消
防団はより高くてよいとの回答の方が多かった(51% )
(表2−6−1及び2−6−2)。
報酬のあり方では、市町村及び消防団ともに階級ごとに更に格差を付けて支給すべき
との回答が多く、団員の活動参加率によって差を付けて支給すべきとの回答が、次いで
多かった(表2−6−3及び表2−6−4 )。
<表2−6−1
:
貴市町村で支払われている現在の報酬額についてどう考えるか(市町村回答)>
市町村回答
全体
適当な金額である
もっと高くてよい
もっと低くてよい
無回答
<表2−6−2
:
56%
42%
1%
0%
全体
適当な金額である
もっと高くてよい
もっと低くてよい
無回答
:
100∼1
50%
50%
0%
0%
60%
38%
0%
1%
10∼2万
56%
43%
1%
0%
2∼1万
1万未満
54%
44%
1%
1%
57%
42%
1%
0%
貴市町村で支払われている現在の報酬額についてどう考えるか(消防団回答)>
消防団回答
<表2−6−3
政令市
政令市
48%
51%
0%
0%
100∼1
56%
44%
0%
0%
48%
50%
0%
1%
10∼2万
47%
53%
0%
0%
2∼1万
1万未満
48%
51%
1%
0%
49%
51%
0%
0%
報酬のあり方についてどう考えるか(市町村回答)>
市町村回答
階級ごと(団長、団員など)に更に
格差を設けて支給するべき
職制(機関員、広報員など)によっ
て格差を設けて支給するべき
団員の活動参加率によって差を
全体
政令市
100∼1
10∼2万
2∼1万
1万未満
42%
38%
39%
44%
42%
41%
4%
0%
8%
4%
5%
3%
24%
25%
23%
21%
22%
26%
- 21 -
付けて支給するべき
全団員同額を支給するべき
その他
無回答
<表2−6−4
:
3%
23%
5%
1%
28%
3%
3%
24%
4%
2%
24%
5%
3%
21%
6%
報酬のあり方についてどう考えるか(消防団回答)>
消防団回答
階級ごと(団長、団員など)に更に
格差を設けて支給するべき
全体
職制(機関員、広報員など)によっ
て格差を設けて支給するべき
団員の活動参加率によって差を
付けて支給するべき
全団員同額を支給するべき
その他
無回答
②
0%
38%
0%
政令市
100∼1
10∼2万
2∼1万
1万未満
49%
33%
49%
52%
49%
47%
4%
11%
7%
4%
5%
3%
22%
22%
20%
20%
22%
24%
4%
16%
5%
11%
22%
0%
2%
21%
3%
3%
17%
4%
4%
16%
5%
5%
15%
6%
出動手当は、出動形態ごとに単価に差異を設けている市町村が多いが、平均すると1
回当たり約2,500円程度となっている。
現在の出動手当額については、市町村では適当な金額であるとの回答が過半数である
が(59% )、消防団はもっと高くてよいとの回答(50%)と適当な金額であるとの回
答(49%)がほぼ同数であった(表2−6−5及び2−6−6)。
出動手当のあり方では、市町村及び消防団共に、全出動について1回出動したら支給
すべきとの回答が最も多く、活動内容によって格差を設けて支給すべきとの回答も2割
程度あった(表2−6−7及び2−6−8 )。
<表2−6−5
:
貴市町村で支払われている現在の出動手当額についてどう考えるか(市町村回答)>
市町村回答
全体
適当な金額である
もっと高くてよい
もっと低くてよい
無回答
<表2−6−6
:
政令市
59%
39%
1%
1%
45%
45%
9%
0%
100∼1
61%
36%
1%
0%
10∼2万
59%
40%
1%
1%
2∼1万
52%
46%
1%
1%
1万未満
62%
37%
1%
0%
貴市町村で支払われている現在の出動手当額についてどう考えるか(消防団回答)>
消防団回答
適当な金額である
もっと高くてよい
もっと低くてよい
無回答
全体
政令市
49%
50%
0%
0%
- 22 -
82%
18%
0%
0%
100∼1
53%
47%
0%
0%
10∼2万
49%
51%
0%
0%
2∼1万
45%
54%
0%
0%
1万未満
51%
49%
0%
0%
<表2−6−7
:
出動手当のあり方についてどう考えるか(市町村回答)>
市町村回答
全活動について1回出動を行った
ら支給するべき
全体
階級ごと(団長など)に格差を設
けて支給するべき
職制(機関員、広報員など)によっ
て格差を設けて支給するべき
活動内容により格差を設けて支給
するべき
その他
無回答
<表2−6−8
:
100∼1
10∼2万
2∼1万
1万未満
65%
55%
60%
65%
61%
66%
2%
9%
1%
2%
2%
2%
0%
0%
0%
1%
1%
0%
24%
27%
31%
27%
25%
22%
6%
3%
0%
9%
7%
1%
5%
2%
9%
2%
6%
4%
出動手当のあり方についてどう考えるか(消防団回答)>
消防団回答
全活動について1回出動を行った
ら支給するべき
階級ごと(団長など)に格差を設
けて支給するべき
職制(機関員、広報員など)によっ
て格差を設けて支給するべき
活動内容により格差を設けて支給
するべき
その他
無回答
③
政令市
全体
政令市
100∼1
10∼2万
2∼1万
1万未満
71%
73%
71%
71%
70%
72%
4%
0%
3%
4%
5%
4%
1%
9%
0%
1%
1%
0%
18%
9%
19%
21%
18%
17%
4%
5%
9%
0%
5%
0%
4%
6%
5%
9%
4%
3%
消防団及び関係者に対する表彰については、全団体の82%が何らかの表彰を実施し
ている(表2−6−9 )。
表彰内容は「永年勤続表彰 」(78%)や「優良活動表彰 」(64%)は、多くが実施
している。
「家族 、親族等への表彰」も全体の約1/5が実施している(表2−6−10 )。
<表2−6−9
:
現在、貴市町村(消防団)で消防団員及び関係者(団活動に協力している事業所、団員
の家族等)に対して表彰を実施しているか。(第3協力者、自主防は除く)>
市町村回答
全体
実施している
実施していない
無回答
<表2−6−10
政令市
82%
17%
1%
:
100%
0%
0%
100∼10万
89%
10%
1%
10∼2万
85%
12%
2%
2∼1万
84%
15%
1%
1万未満
78%
21%
1%
表彰実施内容>
市町村回答
永年勤続表彰
優良活動表彰(安全・防災・特別功労等)
全体
政令市
78%
64%
- 23 -
92%
100%
100∼10万
85%
76%
10∼2万
80%
62%
2∼1万
73%
64%
1万未満
78%
62%
団員を雇用する事業者(所)への表彰
家族・親族等への表彰
その他
無回答
④
9%
22%
10%
0%
8%
33%
25%
0%
9%
34%
13%
0%
10%
30%
10%
0%
8%
22%
9%
0%
8%
15%
10%
0%
団員が各種の資格を取得するための支援施策については、全体の21%の消防団が何
らかの支援を実施している。消防団活動を行うための資格取得は、政令市では83%が
実施しており、人口規模が小さい市町村ほど低くなる傾向にある(表2−6−11)。
支援内容では 、「関係者(消防署等)による講習等の実施」が76%と最も高く、次い
で「講習、受験に係る経費を負担」が多かった(表2−6−12)。
消防団活動に有効な消防関係資格として考えているものは 、「応急手当、救急救護関係
資格」が最も多く(82% )、
「小型動力ポンプ整備資格 」
(59%)、
「危険物取扱者資格 」
(24% )、「防火管理者資格 」(24% )、「消防設備士資格 」(14%)の順となってい
る(表2−6−13 )。
消防関係以外の資格で消防団活動に有効と考えているものは 、「無線資格者」が全体の
60%と最も多く 、「自動車整備士 」(38% )、「大型自動車運転資格者 」(30% )、「看
護関係資格」(27%)となっている(表2−6−14)。
なお、現在、資格取得支援を実施している団体においては、消防関係では応急手当、
救急救護関係資格への支援が83%と最も多くなっており、消防関係以外の資格では船
舶操縦士への支援が最も多かった(26% )(表2−6−15及び2−6−16)。
<表2−6−11
:
団員が資格を取得するための支援施策>
市町村回答
消防団活動を行うための資格取得につ
いて実施している
消防団活動には直接関係しない資格取
得についても実施している
特にしていない
無回答
<表2−6−12
:
全体
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
20%
83%
43%
25%
19%
14%
1%
0%
4%
2%
1%
1%
77%
2%
17%
0%
53%
1%
71%
3%
78%
2%
84%
1%
資格取得の支援内容>
市町村回答
講習、受験に係る経費(受講料、受験
料、旅費等)を負担
関係者(消防署等)による講習等の実施
その他
無回答
全体
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
40%
60%
36%
32%
42%
47%
76%
2%
1%
80%
0%
0%
85%
2%
0%
81%
1%
1%
77%
3%
1%
68%
1%
1%
- 24 -
<表2−6−13
:
どのような消防関係資格を取得することが消防団活動に有効であると考えるか>
消防団回答
小型動力ポンプ整備資格
応急手当、救急救護関係資格
消防設備士資格
危険物取扱者資格
防火管理者資格
その他
無回答
<表2−6−14
:
全体
59%
82%
14%
24%
24%
2%
3%
全体
船舶操縦士
自動車整備士
無線資格者
クレーン技師
大型自動車運転資格者
電気工事士
毒劇物取扱者
看護関係資格
スポーツ指導関係資格
その他
無回答
:
75%
92%
8%
25%
42%
0%
0%
51%
90%
13%
27%
35%
1%
2%
10∼2
2∼1万
54%
84%
13%
25%
26%
1%
3%
1万未満
60%
82%
15%
24%
26%
2%
2%
63%
80%
15%
23%
20%
2%
3%
政令市
13%
38%
60%
11%
30%
12%
13%
27%
4%
2%
10%
100∼ 1 0
8%
58%
25%
8%
17%
17%
17%
25%
25%
8%
17%
9%
45%
61%
13%
24%
9%
15%
32%
4%
1%
9%
10∼2
2∼1万
16%
39%
62%
10%
27%
11%
12%
22%
6%
2%
10%
1万未満
11%
38%
64%
10%
29%
12%
13%
27%
3%
3%
9%
13%
37%
58%
12%
33%
13%
14%
28%
3%
2%
10%
どのような消防関係資格の取得へ支援しているか>
市町村回答
小型動力ポンプ整備資格
応急手当、救急救護関係資格
消防設備士資格
危険物取扱者資格
防火管理者資格
消防関係資格なら全て
その他
無回答
※
100∼ 1 0
どのような消防関係以外の資格取得が消防団活動に有効であると考えるか>
消防団回答
<表2−6−15
政令市
全体
政令市
6%
83%
0%
3%
10%
1%
16%
3%
100∼ 10万
30%
100%
0%
10%
10%
0%
20%
0%
10∼2万
4%
90%
0%
6%
17%
1%
20%
1%
4%
86%
0%
2%
9%
0%
15%
1%
2∼1万
5%
87%
2%
4%
11%
1%
14%
2%
1万未満
7%
75%
0%
2%
7%
3%
15%
5%
「資格取得支援を実施している」団体のみ回答
<表2−6−16
:
どのような消防関係以外の資格取得へ支援しているか>
市町村回答
船舶操縦士
自動車整備士
無線資格者
クレーン技師
大型自動車運転資格者
全体
政令市
26%
0%
18%
3%
13%
- 25 -
100∼ 10万
0%
0%
0%
0%
0%
13%
0%
25%
0%
13%
10∼2万
36%
0%
14%
0%
7%
2∼1万
29%
0%
43%
14%
0%
1万未満
22%
0%
0%
0%
33%
電気工事士
毒劇物取扱者
看護関係資格
スポーツ指導関係資格
取得要望のある資格なら全て
その他
無回答
※
0%
0%
0%
0%
5%
16%
24%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
0%
13%
13%
25%
0%
0%
0%
0%
0%
29%
14%
0%
0%
0%
0%
14%
0%
14%
0%
0%
0%
0%
0%
11%
44%
「資格取得支援を実施している」団体のみ回答
⑤
福利厚生面での団員への特別な施策については、団員及び家族へのレクリエーション、
パーティー等の開催を実施していると回答した団体が全体の17%あり、団員への健康
診断を実施している市町村が8%である(表2−6−17 )。
<表2−6−17
:
福利厚生面での団員への特別な施策>
市町村回答
全体
健康診断を実施
団員へ施設利用券、金券等を配付
団員及び家族とのレクリエーション、パ
ーティー等を開催
特になし
その他
無回答
政令市
100∼10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
8%
3%
17%
50%
8%
8%
33%
5%
41%
13%
2%
24%
5%
4%
17%
4%
3%
10%
68%
7%
1%
8%
50%
0%
29%
19%
1%
57%
9%
2%
68%
7%
2%
79%
5%
1%
(7)事業所との関係
①
サラリーマン団員が勤務時間中に消防団活動に出動することに制約が生じる主な理由
としては 、「勤務地が遠距離であるため」が最も多く(70% )、次いで「営業、外部に
出ていて連絡が付きにくいため 」
(55% )、
「仕事が忙しくて出動できる状況でないため」
(50% )と続いている 。このほか、
「勤務先の上司の理解が得られないため」
(30%)
や「出動時間が欠勤又は早退の扱いとなってしまうため 」(24%)などの回答があった
(表2−7−1 )。
<表2−7−1
:
勤務時間中の出動等に制約がある場合、主にどのような理由によるか>
消防団回答
仕事が忙しくて出動できる状況で
ないため
勤務先の上司の了解が得られな
いため
出動時間は欠勤又は早退扱いと
全体
政令市
100∼ 10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
50%
50%
61%
58%
52%
44%
30%
33%
42%
33%
34%
25%
24%
42%
30%
27%
27%
20%
- 26 -
なってしまうため
営業、外部に出ていて連絡が付き
にくいため
勤務先が遠距離であるため
その他
無回答
②
55%
67%
58%
55%
56%
55%
70%
2%
4%
75%
8%
0%
63%
2%
3%
71%
1%
3%
75%
1%
2%
68%
2%
5%
サラリーマン団員を雇用する事業所への表彰等の実施状況については、実施団体は全
体の8%である(表2−7−2 )。
<表2−7−2
:
サラリーマン団員を雇用する事業所への表彰等の支援策を行っているか>
市町村回答
全体
行っている
特に行っていない
無回答
③
政令市
100∼10万
8%
91%
1%
33%
67%
0%
11%
88%
1%
10∼2万
2∼1万
10%
88%
2%
1万未満
9%
90%
1%
6%
94%
1%
サラリーマン団員を雇用する事業所への対策として有効と考えられるものとしては、
市町村及び消防団ともに「協力事業所への表彰及び広報」との回答が最も多く、次いで
「何らかの財政的な支援」である(表2−7−3及び2−7−4)。
<表2−7−3
:
サラリーマン団員を雇用する事業所へ有効と思われる施策は何か(市町村回答)>
市町村回答
インセンティブを与えるような資格
の取得を推進(大型重機免許等)
全体
協力事業所への表彰及び広報
何らかの財政的な支援
その他
無回答
<表2−7−4
:
政令市
100∼ 10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
6%
17%
3%
5%
6%
6%
67%
21%
5%
4%
75%
17%
17%
0%
74%
20%
3%
3%
71%
18%
5%
4%
66%
22%
5%
3%
64%
22%
5%
5%
サラリーマン団員を雇用する事業所へ有効と思われる施策は何か(消防団回答)>
消防団回答
インセンティブを与えるような資格
の取得を推進(大型重機免許等)
協力事業所への表彰及び広報
何らかの財政的な支援
その他
無回答
全体
政令市
100∼ 10万
10∼2万
2∼1万
1万未満
11%
33%
14%
12%
10%
10%
73%
31%
4%
5%
83%
25%
8%
0%
81%
28%
2%
7%
78%
30%
5%
3%
74%
31%
4%
5%
69%
33%
4%
5%
- 27 -
3
今後の消防団のあり方に関する検討の視点
(1)今後の消防団に期待される役割
消防団の構成員である消防団員は、その地域の住民であることが多く、地域の地理、住
民の事情等にも通じた地域に密着した存在である(地域密着性)。
また、団員数は、全国で94万4千人と、常備職員の約6倍強となっている(要員動員
力 )。さらに、団員は、日頃から教育訓練を受けており、災害発生時には即時に対応するこ
とができる能力を有している(即時対応力 )。
消防団は、地域の安全確保のため広範な役割を果たしており、今後もその活動が多くの
地域で求められている(2の(2)参照 )。
(2)消防団の基本的性格
消防団は市町村の消防機関であり、その構成員である団員は、権限と責任を有する非常
勤特別職の地方公務員に位置付けられている。一方、団員は、他に本業を持ちながら、自
らの意思に基づく参加、すなわちボランティアという性格も有している。このうち、団員
の公的な性格は、今後も維持していくことが必要である。
他方、阪神・淡路大震災以後、災害ボランティアへの参加意欲は高まっている中で、消
防団への加入意欲は必ずしも高まっていないという事実もある。
そこで、消防団が本来持つボランティア的な側面にも着目し 、「社会のためになり人に喜
んでもらえる 」「自らの役にも立つ」といった要素にも着目していくことが重要であろう。
今後の消防団を考える上で、公的な存在としての側面とボランティア参加の側面のいず
れも重要であり、各地域の特性等に対応しながら、両者のバランスを適切に確保していく
ことが必要と考えられる。
(3)消防団の特性を踏まえた考え方
①
要員動員力及び即時対応力
ア
消防団が要員動員力や即時対応力という特性を活かしていくためには、基本的に多
数の団員が必要である。
全国で必要とされる団員数は 、各地域により事情が異なるため 、推計は困難である 。
傾向としては、大都市においては、地震等の大規模災害発生時の対応も考え、要員動
- 28 -
員力や即時対応力を発揮できる団員数を確保していく必要があろう。その他の市町村
においては、実態調査で、現在の団員数は適当であると回答した消防団が最も多かっ
た一方で、不足しているとの回答も3割近くあった。これらを踏まえると、各地域の
実情に応じ、これに見合った団員数を確保していく必要があろう。
さらに、実態調査では、消防団活動に参加できる団員が少ないため支障が生じてい
るとの回答が14%あった。就業構造の変化等に伴い、より機動的に対応できる団員
の数の確保はますます重要となってきている。
消防団が要員動員力や即時対応力という特性を発揮できるようにするためには、団
員総数を確保していくことに加え、消防団を支援する組織の創設や、こうした組織と
の連携(例:消防協力隊や少年協力隊)等の対策を 、各消防団が講じる必要があろう 。
イ
消防団員は、災害発生時に即時に対応して地域の安全を守るという任務を的確に果
たすため 、知識技能の習得はもとより、危険な災害現場における安全確保のためにも 、
日頃から適切な教育訓練を受けておくことが必要である。一方で、団員は、他に職業
を有しているため、消防学校における集合教育に参加することは困難な場合が多い。
サラリーマン団員が増加している今日においては、特にこの点に留意する必要があろ
う。
このような状況に対応して、それぞれの団員が適切な教育訓練を受けることができ
るよう対策を講じる必要がある。
②
地域密着性
消防団は、常備消防と比べ、地域住民との直接的なつながりが深く、住民の情報に通
じているという特性を有し、それを活かして、対応力を十分発揮することが可能となる 。
地域防災面の活動だけに止まらず、福祉や環境保全、芸術文化など、他の分野の活動
についても、消防団の業務と連携づけることによって、地域密着性をより高めていくこ
とが必要であろう。
(4)消防団員の多様性及び地域の特性に適合した消防団運営
サラリーマン団員は、着実に増加している。さらに、消防団業務の多様化や男性団員の
減少等に伴い、女性団員が増加し、全国で1万人を超えるに至っている。
また、各地域の常備消防や地域コミュニティの状況はさまざまであることから、地域防
災面での消防団の活動も地域により相違するほか、地域防災以外の面での役割については
- 29 -
一層多様な状況にある。
消防団の組織や運営等については、既に各地域でさまざまな工夫や取組みがなされてい
るが、地域の実情に応じ、今後、一層的確かつ柔軟な対応ができるようにしていくことが
必要と考えられる。
(5)環境の整備
消防団が地域でその役割を果たしていけるようにするためには、外部からの環境整備も
必要である。
まず国民や企業が 、災害に対して自らが自らを守る必要があること 、地域での防災体制、
消防団が指導的役割を果たしていること等について認識を高める必要がある。
このためには、まず学校教育等の場で地域防災や消防団に対する理解を促進していくこ
とが必要であろう。また、地域防災や消防団に国民や企業が積極的に参画することへの何
らかのインセンティブのための方策を講じることも検討すべきであろう。
なお、消防団活動に参加することに伴う社会的名誉を高めるための方策や各種資格取得
の支援など、有形・無形のメリットを付与していくための措置などについて、現行の措置
を講じつつ更に検討すべきである。
また、報酬や手当などについて、適切な処遇の実施を含め、そのあり方に関しても、検
討していく必要があろう 。さらに、ハード面での消防団員の活動環境の整備・向上のため、
国庫補助金等の公的支援も必要である。
- 30 -
4
現段階で考えられる具体的な対策
消防団を取り巻く諸問題に対応するための具体的な対策として、これまで調査・検討して
きた内容から、現段階で考えられる主なものを紹介すると次のようになる。
なお、ここで言及する対策の多くは、もとより全国一律に取り上げられるべきものではな
い。各地域が、それぞれの置かれた実情や備わった特性等を踏まえた上で、取り入れるかど
うかを判断すべきであり、多様な選択・実施形態が想定される。
(1)消防団員の活動を弾力化させる消防団運営
これまで、消防団員は全員が教育訓練に参加し、災害が発生したときには出動命令の対
象となる団員全員が出動することを基本としている地域が多い。一方、サラリーマン団員
の増加に伴い、勤務時間中に団活動に参加することが困難な団員が増加している。また、
国民意識の変化等により、地域防災や消防団活動に関心はあるものの、訓練活動等への参
加に躊躇を感じ、消防団に加入しない者も少なくないとの報告もある。
そこで、団員の一部について、例えば訓練については基礎的なものへの参加義務にとど
め、また例えば災害活動への参加義務についても勤務時間中は免除するというような方策
も一つの考え方である。
なお、この場合、報酬等の処遇は、義務が一部免除されるのに対応し、通常の団員とは
差異を設けることを検討すべきであろう。
他方、より専門的な消防団員として、教育訓練や装備等の充実を図ること等により、消
防吏員に準じるような知識、技能を有する団員を育成することを考えるべきとする意見も
ある。
実態調査では、このような方策について、市町村及び消防団の半数が「差異を設けるの
は良くない」と回答している一方で、「良いと思う」と回答した市町村及び消防団は約
1/3となっている(表4−1及び4−2 )。
また、団員に対する報酬については「階級ごとに更に格差を設けて支給すべき」という
意見が最も多かったが 、「団員の活動参加率によって差を設けるべき」とする意見も少なく
ない。また、出動手当については「全活動について1回出動を行ったら支給するべき」と
の意見が最も多かったが 、「活動内容により格差を設けて支給するべき」との意見も少なく
ない(P21から23表2−6−3、2−6−4、2−6−7及び2−6−8)。
- 31 -
<表4−1
:
任務、教育訓練、報酬等の面で団員間に差異を設けることについてどう考えますか。
(市町村回答)
例:いつでも出動可能、消防教育受講、(中核となる団員)→
それ以外の団員
市町村回答
全体
政令市
100∼ 10万
→
10∼ 2 万
高額な報酬
低い報酬
2∼1万
>
1万未満
良いと思う
31%
25%
31%
27%
33%
32%
差を設けるのは良くない
53%
58%
58%
57%
51%
51%
どちらでもよい
5%
0%
3%
4%
6%
6%
わからない
9%
8%
7%
9%
8%
10%
その他
1%
8%
0%
1%
1%
1%
無回答
1%
0%
0%
2%
1%
1%
<表4−2
:
任務、教育訓練、報酬等の面で団員間に差異を設けることについてどう考えますか。
(消防団回答)
例:いつでも出動可能、消防教育受講、(中核となる団員)→
それ以外の団員
市町村回答
全体
政令市
100∼ 10万
→
10∼ 2 万
高額な報酬
低い報酬
2∼1万
>
1万未満
良いと思う
36%
33%
37%
34%
36%
37%
差を設けるのは良くない
48%
58%
50%
51%
48%
46%
どちらでもよい
6%
8%
5%
6%
6%
6%
わからない
8%
0%
7%
7%
8%
9%
その他
1%
0%
1%
1%
2%
1%
無回答
1%
0%
0%
1%
0%
1%
(2)消防団に協力し、消防団の裾野を広げるための組織との連携
地域防災に貢献したいと考える「女性消防隊」などの住民による「消防協力隊 」、「自ら
の地域は自らで守る」という理念に立った住民による「自主防災組織」や地域の少年によ
る「少年消防隊」などの組織の育成と消防団との連携を強めることにより、地域防災や消
防団への理解を促進するとともに消防団員の確保に役立てるなど、消防団の裾野を広げて
いくことが考えられる。
また、学校教育で地域防災や消防団に関する認識を深めることや、その一環として消防
団が小・中・高校における防災教育を行うことにより、地域の防災力の向上を図るととも
に、消防団への参加意識の高揚等を図ることも有効な方策となり得ると考えられる。
(3)消防団の組織及び消防団員の活性化を図る工夫
現在の消防団組織は、管轄区域ごとに分団、部、班等を設け、消防団員は各地域で必要
- 32 -
とされる広範な業務を処理するというのが一般的な姿である 。一方 、一人ひとりの団員は、
専門技能や各種資格を有している場合もあり、特に希望する活動分野を持っている場合も
あろう。
そこで、すべての団員が常に同様の活動を行うのではなく、能力に合わせた活動を選択
できるようにするため、消防団の組織に、例えば情報通信隊、土木作業隊のような機能別
組織を導入し、団員に業務を選択させるというような方策が考えられる。
この点について、実態調査では、このような方策について否定的な回答が6割程度とな
っている一方で、肯定的な回答も16∼17%程度となっている(表4−3及び4−4 )。
また、意見発表会や優良団員の表彰など、若手・中堅団員向けに魅力があり、意識を喚
起する行事の開催、女性団員向けの研修の充実や活動表彰の実施 、「女性消防隊」を中核メ
ンバーとした女性消防分団の設置などの方策も考えていく必要がある。
さらに、団員が活動しやすい環境づくりのため、国庫補助金等を有効に活用しながら、
詰所や消防ポンプなどの装備の充実・改善を図ることも必要であろう。
<表4−3
:
任務・役割による組織の再編についてどう考えますか。
(市町村回答)
例1:A団員→広報活動、B団員→災害活動と防災指導、C団員→全ての活動
例2:A団員(二輪免許取得)→バイク隊、B隊員(医師免許取得)→救護隊
例3:A団員(サラリーマン)→休日のみの活動又は活動時間の制限
市町村回答
全体
政令市
100∼ 10万
10∼2万
2∼1万
>
1万未満
良いと思う
17%
17%
29%
18%
16%
16%
必要ない
60%
58%
52%
59%
61%
61%
8%
8%
6%
8%
9%
8%
11%
8%
9%
11%
11%
12%
その他
2%
8%
3%
2%
2%
2%
無回答
1%
0%
1%
2%
1%
1%
どちらでもよい
わからない
<表4−4
:
任務・役割による組織の再編についてどう考えますか。
(消防団回答)
例1:A団員→広報活動、B団員→災害活動と防災指導、C団員→全ての活動
例2:A団員(二輪免許取得)→バイク隊、B隊員(医師免許取得)→救護隊
例3:A団員(サラリーマン)→休日のみの活動又は活動時間の制限
消防団回答
全体
政令市
100∼ 10万
10∼2万
2∼1万
>
1万未満
良いと思う
16%
33%
22%
17%
15%
15%
必要ない
61%
67%
56%
62%
61%
62%
9%
0%
7%
9%
11%
9%
12%
0%
11%
11%
11%
12%
どちらでもよい
わからない
- 33 -
その他
2%
0%
3%
1%
1%
2%
無回答
1%
0%
0%
0%
1%
1%
(4)教育訓練の見直し
現在、消防団の教育訓練は、火災への対応や、操法大会・出初式などに向けたものに重
点が置かれている(2の(5)参照 )。一方、林野火災のほか、大規模災害時の対応は、消
防団の重要な任務であることが、阪神・淡路大震災等を契機として認識されている。
このような状況を踏まえ、消防団の教育訓練については、大規模災害時や林野火災への
対応等にも重点を置くほか、各地域の特性や消防団の業務、組織等に対応して、その内容
を充実していくのが適当と考えられる。
また、教育の実施方法については、消防学校又は消防署等での集合教育受講が中心とな
っている(2の(5)参照)が、時間や距離の制約から、そのような教育への参加が困難
な者が増加している。
そこで、教育や訓練の実施状況についても、例えばインターネットを利用したe−ラー
ニングの在宅学習方式の導入など、新しい方法を導入することを検討すべきであろう。
(5)事業所等に対する方策等
事業所等は、明確な役割分担と指揮命令をもって活動する組織である。その事業所等が
地域防災に貢献することは、地域社会の一員として期待されている。事業所等は、被雇用
者が消防団員として活動できるよう進んで支援措置を講じることとし、行政機関は、事業
所等に対してインセンティブを検討することが必要である。
また、事業所等が設ける自衛消防隊と地域の消防団との連携についても、促進すべきで
あろう。
例えば、消防機関と事業所等との間の協定に基づき自衛消防組織が事業所等の外で消防
機関に協力する仕組みの普及や都市の事業所等が密集した地域などで見られるように、自
衛消防隊の構成員が、勤務地において消防団員を兼ねることなどが考えられる。
さらに、民間の事業所等で相当数の雇用を有するものが見られない地域にあっては、地
域に密着した事務・事業を担っている市町村・都道府県の職員や郵便局などの国の機関の
職員が団員となることを慫慂していくことも考えられよう。
実態調査によると、消防団活動への事業所等の理解を促進するためには 、「協力事業所へ
の表彰及び広報」が効果的であるとする意見が最も多かったが 、「何らかの財政的な支援」
が必要との回答が市町村の約2割、消防団長等の約3割となっている(P27表2−7−
3及び2−7−4参照 )。
- 34 -
新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会設置要綱
1
目
的
消防団は、昭和22年の制度発足以来、地域防災の中核として、地域住民の生命・財
産を守る上で重要な役割を果たしてきているが、消防の常備化が急速に進展したことに
伴い、多くの地域で消防団の役割も変化し、火災等への対応の面では常備消防が中心と
なる地域が著しく増加している。
消防団を取り巻く社会環境も大きく変化し、過疎化の進行、就業構造の変化、住民意
識の変容等に伴い、団員数の減少、被雇用者である団員(いわゆるサラリーマン団員)
の増加等により、団活動のあり方の見直しを迫られている消防団が多い。
このように、消防団を取り巻く環境は大きく変化している一方、有珠山噴火災害、鳥
取県西部地震など、近時の大災害においても消防団は重要な役割を果たしているほか、
平常時における防災指導等の面でも、その重要性が注目されている。
阪神・淡路大震災以降、地域防災体制の整備が積極的に進められている状況の下で、
時代の変化に的確に対応した地域防災体制のあり方と、その中で消防団が果たしていく
べき役割等を積極的に検討することが必要となっている。
そこで、今後の地域防災体制と消防団の役割、消防団制度等のあり方等について検討
するため 、「新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会 」(以下「委員会」とい
う)を設置する。
2
3
検討事項
(1)
地域の災害対応と消防団のあり方
(2)
消防団がその役割に応じた機能を発揮するための課題及び対応策
(3)
その他必要な事項
委員会の構成
(1)
委員会は、委員長及び委員10名程度をもって構成する。
(2)
委員長及び委員は、消防防災関係者、学識経験者等の中から消防庁長官が委嘱する。
(3)
委員長は、必要に応じて委員以外の学識経験者等を委員会へ招請し、意見を聴取す
ることができる。
4
庶
務
委員会の庶務は、消防庁消防課において行う。
5
その他
この要綱に定めるもののほか、委員会の運営その他委員会に関し必要な事項は、委員
長が定める。
附
則
この要綱は、平成13年6月22日から施行する。
- 35 -
新時代に即した消防団のあり方に関する検討委員会委員名簿
(敬称略:五十音順)
委員長
伊藤
滋
東京大学名誉教授
早稲田大学理工学部教授
慶応大学大学院
敏文
政策・メディア研究科客員教授
委
員
秋本
委
員
五十嵐
委
員
開田
隆人
石川県金沢市消防本部
委
員
小泉
秀子
静岡県裾野市消防団
委
員
小西
砂千夫
関西学院大学大学院経済学研究科教授
幸男
市町村職員中央研修所
長野県消防協会
学長
参与
消防長
女性消防部長
同大学産業研究所教授
委
員
重川
希志依
冨士常葉大学
委
員
鈴木
正弘
東京消防庁
委
員
滝沢
忠徳
日本消防協会
委
員
中島
芳昭
日本商工会議所
委
員
針ヶ谷
照夫
環境防災学部
助教授
防災部長
常務理事
理事・事務局長
全国町村会常任理事
- 36 -
群馬県板倉町長
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