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高等部 教材・教具事例 ( 手芸 グループ)

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高等部 教材・教具事例 ( 手芸 グループ)
○高等部
教材・教具事例
(
手芸
グループ)
網走養護学校教材・教具事例
教材・教具名称
指導の形態
指導のねらい
自信がつく手縫い練習キッ
ト
作業学習(手芸)
作製者氏名
対象学年児童生徒
既存の教具
鹿角・田代・坪井・小野
集団
○ 協応動作と手指の巧緻性に課題のある生徒が少ない支援で手縫いできるよう
にする。
○ 意欲を高められるようにする。
児童生徒の様子・ ・ 印の点をとばしてしまうこともあったが,目視で次の点を確認しようとするよ
変化
うになった。
・ まっすぐ針を布に刺すのが難しかったり糸を引く力加減がつかめなかったり
していたが,繰り返すことにより意識できるようになってきた。
・ 指導者の生徒に対する言葉かけ・指差し・手を添える等の回数が少なくなり,
さらに達成感を強く感じられるようになった。
・ 繰り返し取り組むことにより,手縫いへの苦手意識から意欲へと変化するよう
になった。
主な材料など
穴あきボード,毛糸,ゴム通し,布,フェルト,糸,仕付け糸,刺子用糸,針,
チャコペン,なみ縫いマーカー,手縫い補助具
【画像】(写真などを添付)
高-15
○高等部
事例集追加項目
検証(課題と成果)
○
教材・教具検証用 チェック項目
① 主体的行動を引き出すものであるか。
チェック欄
◎
② 生活を豊かにするものであるか。
○
③ 成長・発達を促すものであるか。
○
④ 機能・般化するか。
○
⑤ コミュニケーション活動に有効であるか。
○
〈課題と成果〉
○<「合理的配慮」の観点(1)教育内容・方法><(1)-1教育内容>
・
(1)-1-1(学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮)と3(学
習内容の変更・調整)に基づいて研究して上記の成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(1)教育内容・方法><(1)-2情報保障>
・
(1)-2-3(認知の特性や身体の動き等に応じた教材の配慮)と4(ICTや補助
用具等の活用)と5(学習機会や体験の意図的な確保)に基づいて研究して上記の
成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(1)教育内容・方法><(1)-3心理面等での配慮>
・
(1)-3-1(他の子どもと比べ時間を要することへの配慮)と2(実施が困難
な活動への補助や指導上の配慮)と5(心理状態・健康状態への配慮)と6(自立
と社会参加に必要な指導内容の設定)と7(共生の理念の涵養)に基づいて研究し
て上記の成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(2)支援体制><(2)-1専門性のある指導体制の整備
>
・
(2)-3(心理的負担を軽減できる学校・学級における配慮)に基づいて研究し
て上記の成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(3)施設・設備>
・
(3)-1(校内環境のバリアフリー化)と2(発達,障がいの状態及び特性等に
応じた施設・設備の配慮)に基づいて研究して上記の成果を得た。
伸ばすことができた
主体的行動
・印を目視しながら縫うことができるようになった。縫い目も徐々に細かくなった。
・本人なりに布に針をまっすぐ刺せるようになった。
・支援を少なくすることにより,達成感を強く持てるようになった。
・できるところに自信が持てるようになり,困ったときに質問や「手伝って下さい」と
言える様になってきた。
・苦手意識から自信へとつながった。
・集中して取り組める様になった。
高-16
○高等部
教材・教具事例
(
手芸
グループ)
網走養護学校教材・教具事例
教材・教具名称
指導の形態
指導のねらい
自信がつく手縫い練習キッ
ト
作業学習(手芸)
手縫い
作製者氏名
対象学年児童生徒
(イニシャル)
既存の教具
鹿角・田代・坪井・小野
集団
○ 協応動作と手指の巧緻性に課題のある生徒が少ない支援で手縫いできるよう
にする。
○ 意欲を高められるようにする。
児童生徒の様子・ ・ 印の点をとばしてしまうこともあったが,目視で次の点を確認しようとするよ
変化
うになった。
・ まっすぐ針を布に刺すのが難しかったり糸を引く力加減がつかめなかったり
していたが,繰り返すことにより意識できるようになってきた。
・ 指導者の生徒に対する言葉かけ・指差し・手を添える等の回数が少なくなり,
さらに達成感を強く感じられるようになった。
・ 繰り返し取り組むことにより,手縫いへの苦手意識から意欲へと変化するよう
になった。
・ 見本を参考に出来上がりをイメージできるようになり,刺繍糸も自己選択でき
るようになった。
・ イラストの図柄をルレットでなぞって一人で写し取り,裁断までできるように
なった。
・ 出来栄えを見て,不具合のある箇所に気付き,やり直すことができるようにな
った。
・ 完成までの工程のつながりが理解できるようになり,どのように作業したらよ
いかが明確になった。また,材料や道具の使用において自己選択する機会を設
定することが意欲につながり,完成度を上げる動機になった。
主な材料など
ボード,毛糸,ゴム通し,布,フェルト,糸,仕付け糸,刺子用糸,針,
チャコペン
ルレット,転写シート,裁ちばさみ,さらし,まち針
【画像】(写真などを添付)
高-17
○高等部
事例集追加項目
検証(課題と成果)
○
教材・教具検証用 チェック項目
① 主体的行動を引き出すものであるか。
チェック欄
◎
② 生活を豊かにするものであるか。
◎
③ 成長・発達を促すものであるか。
○
④ 機能・般化するか。
◎
⑤ コミュニケーション活動に有効であるか。
△
〈課題と成果〉
○<「合理的配慮」の観点(1)教育内容・方法><(1)-1教育内容>
・
(1)-1-1(学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮)と3(学
習内容の変更・調整)に基づいて研究して上記の成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(1)教育内容・方法><(1)-2情報保障>
・
(1)-2-3(認知の特性や身体の動き等に応じた教材の配慮)と4(ICTや補助
用具等の活用)と5(学習機会や体験の意図的な確保)に基づいて研究して上記の
成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(1)教育内容・方法><(1)-3心理面等での配慮>
・
(1)-3-1(他の子どもと比べ時間を要することへの配慮)と2(実施が困難
な活動への補助や指導上の配慮)と5(心理状態・健康状態への配慮)と6(自立
と社会参加に必要な指導内容の設定)と7(共生の理念の涵養)に基づいて研究し
て上記の成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(2)支援体制><(2)-1専門性のある指導体制の整備
>
・
(2)-3(心理的負担を軽減できる学校・学級における配慮)に基づいて研究し
て上記の成果を得た。
○<「合理的配慮」の観点(3)施設・設備>
・
(3)-1(校内環境のバリアフリー化)と2(発達,障がいの状態及び特性等に
応じた施設・設備の配慮)に基づいて研究して上記の成果を得た。
伸ばすことができた
主体的行動
・一人で取り組める作業が増えた。
・自分の目と手で確認しながら報告することが増えた。
・意欲を持って主体的に取り組める様になった。
高-18
○高等部
教材・教具事例
(国語・数学グループ)
網走養護学校教材・教具事例
教材・教具名称
おこづかいゲームすごろく
作製者氏名
市販教材
我妻 レリ
指導の形態
数学(金銭の学習)
対象学年児童生徒
(イニシャル)
高等部1・2年生徒(2名)
Y T
・金銭の学習では、金種の区別・各硬貨の金額の読み取り、模擬買い物学習、金銭管
理(おこづかい帳やローンの計算)と進んでいく。その中でも、お金の払い方、残
額を意識したお金の使い方を学習するためには、実践的な模擬買い物学習を繰り返
指導のねらい
し実施する必要がある。「すごろく」という遊びを交えながら、買い物の練習をす
ることで、楽しみながら正しい金額を支払う、残金に応じた金銭の支払い方法を学
習することをねらいとした。
・高2の生徒については、以前はプリントを使い、並んでいる 2 種類(10 円・100 円)
の硬貨の金額を読み取ったり、実物を使って模擬買い物学習を学級単位で行った。
模擬買い物学習については、1回の授業で2回程度しか練習できないこともあり、
100円・10円の混ざった金額でも支払いは可能であった。
・高1生徒と高2生徒の2名で本教材に取り組むにあたって、初回と2回目はすごろ
くに取り組み、引いたカードの金額は必ず支払うようにした。お互いの支払いの様
子を見ながら10円玉と100円玉を利用して支払うことができた。
・3回目以降は手持ちのお金を1万円程度とし、本来のルール通りに実施した。
すると、①お金が増えたことにより5枚以上の硬貨や紙幣を数えるのが難しい(高
1)、②買う・買わないを選択できる「ウォンツ」カードについては、必要でない
のに買ってしまう(高1)、③何回も買い物をすることで、気持ちが不安定になる
児童生徒の様子・変化
(高2)、④金種を間違えて支払ってしまう(高2)、⑤手持ちの小銭がなくなる
と、900円の買い物に1000円札を支払うことができない(高1・2)といっ
た実態が分かってきた。
それぞれの課題について、①机に並べて硬貨の枚数を確認するようにする、②本当
に必要か確認する、③すごろくの進む目を決めるために使うサイコロ替わりの数字
カードの数を大きいものにし、授業時間内にゴールに近づけるようにする、④お金
そろばん(10・100・1000円の区切りがついた用紙)を使う、⑤支払方法
を目で見える形で指導者が例示する、という方法をとった。①、③、⑤(高1)に
ついては改善され、特に⑤については高1生徒については大きいお金を使う場面も
何度か見られるようになった。高2生徒についても友達の様子を見ながら、最後ま
でゲームに取り組むことができるようになってきた。
①書籍「遊んで身につく!お金の感覚 NEWおこづかいゲームブック」
(羽田野博子 著、ASCII、1,389円)
②市販のおもちゃ硬貨セット(1000円以内で購入)
(①に添付されている硬貨が本物に似ていないため使用)
③お金そろばん
①
②
③
主な材料など
高-19
画像】(写真などを添付)
①内容
<すごろくの用紙>
・カードは3種類
・「ウォンツ」カードはひいたら
買っても買わなくても良い
・「ニーズ」カードは
必ず買わなくてはならない
・「チャンス」カードは
お年玉、おこづかいマスに
止まったらひくことができる。
・「ニーズ」カードをひく部分と
「ウォンツ」カードをひく部分が
交互にマス目に入っています。
・時々「チャンス」をひける「おこ
づかい」マスがあります。
②ゲーム中の様子
本来のゲーム方法とは少し
違うのですが、ふつうの
すごろくのようにサイコロ
替わりの数字カード
(unoのカードを利用して
います)をひいて、止まった
マス目と同じ色のカードを
ひいて、そのカードに書かれ
たものを買います。
※「ウォンツ」カード、「ニーズ」カードについて
英語の意味的には逆なのですが、商品の金額が「ウォンツ」の方が高額かつ身近な商品ではなく、生徒
が学習したい金額の範囲(1000円以内)と異なるためこのようにしてあります。
※本来は、ニーズカードに金額が書かれていないカードもあったり、おこづかい帳や利息等についての項目
もありますが、まだ学習上難しい段階なので実施していません。
高-20
○高等部
事例集追加項目
検証(課題と成果)
○
教材・教具検証用 チェック項目
① 主体的行動を引き出すものであるか。
チェック欄
○
② 生活を豊かにするものであるか。
◎
③ 成長・発達を促すものであるか。
○
④ 機能・般化するか。
○
⑤ コミュニケーション活動に有効であるか。
○
〈課題と成果〉
・1000円札を利用した1000円未満の商品の購入について、高2の生徒についてはまだ定
着していないものの高1の生徒については、使用する場面が増えてきた。
・購入する・しないを選択できる「ウォンツ」カードを内容を見て選択する場面が増え
た。購入しないという意思表示をする場面が増えている。
・購入物品のカードが実態に即していないため、今後使用するにあたって実態に即した
カードを作る必要がある。
伸ばすことができた ・購入する・しないを選択して模擬買い物をすることができるようになった。
主体的行動
・買い物の際に、手持ちの小銭を確認して払えるかどうかを確認し、紙幣を払うことが
できた。
高-21
○高等部
教材・教具事例
(国語・数学グループ)
網走養護学校教材・教具事例
教材・教具名称
タッチパネル券売機練習機
「タッチで券売機!」
作製者氏名
指導の形態
生活単元学習
(数学(金銭の学習)
(マッチング))
対象学年児童
生徒
(イニシャル)
我妻
レリ
A、B、C
・高等部2年生で見学旅行に行くにあたって、今年度は公共交通機関を使い券売機にて
切符を購入して各施設に行くこととした。しかし、近隣にタッチパネル式の券売機
指導のねらい
がなく練習の機会がない。このため、見学旅行への不安を軽減させる意味で模擬練
習が必要であるという考えから、この教材を考えた。
・最初はテレビで画面を映しながら指導者が実践した後、生徒が実際にタッチパネル
を操作した。正しいボタンを押さないと次の画面に行かないことがわかると、ボタ
ンがうまく反応しないなどのトラブルがありながらも正しく購入までの手順を確認
することができた。
また、テレビとパソコンを接続することで友達がタッチパネルを操作した時の状況
児童生徒の様子・変化
も分かるため、生徒自身が予習・復習をすることもできた。
・生徒によって購入する際の押ボタンが違うため、混乱する生徒もいた。このため、
購入の際に金額・押ボタンを明記したカード・小銭を入れた袋も作成した。
・見学旅行当日は合計10回程度の購入する場面があった。お金を入れ忘れる場面も見
られたが、ボタン操作についてはおおむね一人で操作することができた。
①ノートパソコン(OS:Windows 8、タッチパネル標準装備、私物)
②ソフト(パワーポイント)
※リンク機能を使用
③キーボードカバー用の段ボール箱
④小銭を入れる箱
⑤写真データ(個人で撮影、またはネット上からのコピー)
⑥テレビとPCを接続するケーブル
※ipadで作成することも可能である。
(他校ではipadで作成している実践が多かった。)
<画面一部抜粋>
主な材料など
190
190
160
160
高-22
190
160
190
160
190
○高等部
事例集追加項目
検証(課題と成果)
○
教材・教具検証用 チェック項目
① 主体的行動を引き出すものであるか。
チェック欄
◎
② 生活を豊かにするものであるか。
○
③ 成長・発達を促すものであるか。
○
④ 機能・般化するか。
◎
⑤ コミュニケーション活動に有効であるか。
○
〈課題と成果〉
・テレビで映像を全員が共有できるようにしたことで、初めてのタッチパネル操作に苦
手意識のある生徒も、友達や指導者の様子を見て操作することができた。また、実際
の見学旅行の際にも、指導者に「次は?」と言われると券売機を見て思い出しながら
切符を購入することができた。
・タッチパネル標準装備のPCでの実践であったが、タッチパネルが思うように動作し
ない場合があった。タッチパネルを操作した際に確実に動作があるようなipadやタブ
レット機器を使う方がよりよいのではないかと考える。
伸ばすことができた ・電車に乗る前に必ず切符を買うことを理解し、券売機のボタンを押す、お
主体的行動
金を入れるといった一連の動きを指導者の少ない言葉掛けで自ら実行する
ことができた。
高-23
○高等部
教材・教具事例
(国語・数学グループ)
網走養護学校教材・教具事例
教材・教具名称
拡げようちぐちぐの輪
作製者氏名
千種
一郎
対象学年児童生徒
A
(イニシャル)
輪ゴムを上手に掛けるには、対象物の大きさ(直径)を意識しながら、輪ゴムを
拡げる必要があります。手指の巧緻性、注視などに課題がある本生徒にとって、対
指導のねらい
象物にスムーズにゴムを掛けるという操作行為に取り組む学習が必要であると考え
ました。
初期の段階では、対象物に輪ゴムを掛けることは、本生徒にとって簡単なことで
はありませんでした。輪ゴムを拡げるときの指先の使い方を指導者の手添えによる
支援で行っていました。輪ゴムを拡げるときの指先の使い方が上手になると、対象
物の大きさ(直径)を徐々に大きくしていき、上手にできたことで達成感を感じる
児童生徒の様子・ ことができるようになり、「できた」と言いながら指導者にハイタッチを求めてく
ることが見られるようになりました。
変化
そこで、画像のように、ペットボトルに黒いガムテープを貼り、輪ゴムを掛ける
位置を決め、そこに掛ける課題に取り組みました。また、輪ゴムを10本ずつ洗濯
ばさみではさんだ物を3セット用意し、3セット=数量を意識させるように課題を
設定し、より高次な学習へと発展させることができました。
・輪ゴム
・各種ペットボトル、空き缶、容器
主な材料など
・ガムテープ
【画像】(写真などを添付)
○現在の学習の様子
指導の形態
個別指導(数学)
指定された場所に
輪ゴムを掛ける。
洗濯ばさみから輪ゴ
ムをはずしています。
良く見ながら2
輪ゴムを離すタイミ
ングに注目。
高-24
セット目に!
○高等部
検証(課題と成果)
事例集追加項目
○
教材・教具検証用 チェック項目
① 主体的行動を引き出すものであるか。
チェック欄
② 生活を豊かにするものであるか。
○
③ 成長・発達を促すものであるか。
◎
④ 機能・般化するか。
○
⑤ コミュニケーション活動に有効であるか。
◎
◎
〈課題と成果〉
・「機能・般化するか」という点について、日常生活の中で輪ゴムを手にすることは、
ほとんどないと考えられます。高等部であれば、収穫したものをパックに詰めた物に
輪ゴムをかけるなどの作業を設定できれば、検証することができたと考えられます。
・
「生活を豊かにするものであるか」という点について、学校生活の中での「授業」と
いう場面に限定すると豊かな時間を過ごすことができたと言えます。間接的には、提
示された課題を完遂するということは、自己肯定感を育むことにつながり、別な課題
でも良い影響が見られています。
・輪ゴム30本=たくさん(量概念)、輪ゴムを束ねる洗濯ばさみ3個=(数概念)を意識
するようになり、入門期の数学の課題として、本生徒には取り組みやすい課題と鳴り
ました。
・また、課題に取り組む中で、課題を達成するために、ハードルをあげたときに、うま
くいかないこともありましたが、そのことを自分自身で見つめ、よりよくできるよう
工夫するようになり、主体的な行動を促す上で、困難さを自分で工夫しながら、乗り
越えることができました。
伸ばすことができた ・教材がテーブルに置かれていると、3時間目が始まる前でも自分から机に運び、取り
主体的行動
組もうとする意欲的な姿が見られました。
・「できた、できた。」と言って、指導者に見せながらほうこくすることができました。
報告後、指導者が「良くできました。」と言葉掛けをすると教材を袋の中にしまうこ
とが定着し、次の学習で使う教材を自分の机に持って行くことができました。
高-25
○高等部
教材・教具事例
( 国語・数学 グループ )
網走養護学校教材・教具事例
教材・教具名称
牛乳パックDEかずかぞえ
作製者氏名
佐藤雄一・村田静香
指導の形態
個別指導(数学)
対象学年児童生徒
(イニシャル)
T
指導のねらい
本生徒は、数字と数唱はほぼむすびついているが、数量とはむすびついていない。また、
手元を見続けたり集中したりすることが難しい。「これは何個ありますか」という発問に
対し、「1、2、3、…」と数唱しながら具体物を触って数えようとするが、具体物と数
唱が合わず、例えば3個の具体物に対して「5個」となる。そのため、数唱と動作が一致
するよう、また、数字と数量を視覚的に分かりやすく捉えられるよう、繰り返し取り組む
ことを目的として、この教材を作った。また、身近なもの、日常的に手に取る牛乳パック
を用いることで、日々の生活の中で学習を活かすことができるようにした。
児童生徒の様子・
変化
毎日継続して「牛乳パックDEかずかぞえ」を用いた学習を行っていないため(時間割
の関係。週に1~2回程度。)、定着までは至っていない。しかし「牛乳パックDEかず
かぞえ」を用いることで、具体物である牛乳パックの数が動作的にも視覚的にも分かりや
すくなり、具体物の移動の正確な個数が分かりやすくなったように感じる。
また、5までの数を作成したが、3までの数に取り組んでいる段階で、1と2は定着し
つつある。数かぞえとまでは至っていないが、日常生活の指導の給食の場面では、人数に
合わせた牛乳パックの配膳は難しいものの、最近は「○○さんの」と言い確認しながらお
盆に置くようになり、欠席者がいる場合は素早く戻すことができるようになってきた。
数唱しながら牛乳パックを入れる方法、逆に数唱しながら入っている牛乳パックを取り
出す方法の両方から今後も学習を進めていきたい。
主な材料など
・500mlもしくは1リットルの牛乳パック
・350mlの牛乳パック
・両面テープ
・セロハンテープ
・数字カード
【画像】(写真などを添付)
高-26
○高等部
事例集追加項目
検証(課題と成果)
○
教材・教具検証用 チェック項目
チェック欄
① 主体的行動を引き出すものであるか。
○
② 生活を豊かにするものであるか。
◎
③ 成長・発達を促すものであるか。
○
④ 機能・般化するか。
○
⑤ コミュニケーション活動に有効であるか。
○
〈課題と成果〉
・身近なものであり、本人が持ちやすい形や大きさである牛乳パックを使用することで、
抵抗感なく、むしろ意欲的に学習に取り組むことができた。
・数唱と動作を一致させたことで、数唱の終わり(牛乳パックが入らなくなったら終わ
り)を体感することができた。
・毎日継続的に取り組むことができなかったため定着まで至らなかったこと、また、本
人の理解度を図ったり、教材の検証を充分に行ったりすることができなかったことが
課題であった。
伸ばすことができた ・繰り返し取り組むことで学習内容を覚え、自分で準備や片付けをすることが増えた。
主体的行動
また、意欲が高いときは、はきはきと数唱しながら牛乳パックの出し入れを一人で繰
り返し取り組むことができるときもあった。
高-27
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