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カーボンフットプリント制度構築事業

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カーボンフットプリント制度構築事業
平成22年度環境負荷表示制度構築等事業
(カーボンフットプリント制度構築事業)
報
告
書
平成23年3月
みずほ情報総研株式会社
-
目
次
-
1.事業の目的 .............................................................................................................................. 3
2.事業の概要 .............................................................................................................................. 4
3.スケジュール及び試行事業全体イメージ ............................................................................... 7
4.事業の成果 .............................................................................................................................. 9
4.1
試行事業の運営管理 ..................................................................................................... 9
4.1.1
カーボンフットプリント制度試行事業運営委員会............................................ 9
4.1.2
海外動向調査 ................................................................................................... 10
4.2
カーボンフットプリントの制度設計に関する検討 .................................................... 11
4.2.1
カーボンフットプリント・ルール検討委員会................................................. 11
4.2.2
検証スキーム検討委員会 ................................................................................. 47
4.3
CFP算定・表示試行事業 ........................................................................................ 66
4.3.1
PCR原案策定計画登録 ................................................................................. 66
4.3.2 PCR認定委員会 ............................................................................................ 69
4.3.3 CFP検証パネル ............................................................................................ 72
4.4
カーボンフットプリントの導入支援事業................................................................... 75
4.4.1
PCR原案の策定支援..................................................................................... 75
4.4.2
カーボンフットプリントの算定支援 ............................................................... 77
4.4.3
カーボンフットプリントの算定等に関する支援ツールの検討・改善............. 79
4.5
カーボンフットプリントに関する専門家の育成 ........................................................ 85
4.5.1
試行事業に参加する外部専門家の確保 ........................................................... 85
4.5.2
カーボンフットプリント地域連絡会 ............................................................... 91
4.6
カーボンフットプリントの制度理解向上に向けた取組 ............................................. 94
4.6.1
カーボンフットプリント連絡会 ...................................................................... 94
4.6.2
事業者及び消費者への情報発信の拡充 ........................................................... 95
4.6.4
小中高生むけ制度理解向上の取り組み ......................................................... 118
4.6.5
消費者リーダー向け講習会 ........................................................................... 132
4.6.6
消費者ワークショップ................................................................................... 139
- 1 -
<巻末資料>
附属書 A
附属書 B
:
:
附属書 C
附属書 D
附属書 E
附属書 F
附属書 G
附属書 H
附属書 I
附属書 J
附属書 K
附属書 L
附属書 M
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
カーボンフットプリント制度の在り方(指針) 2010年7月改定版
カーボンフットプリント制度 商品種別算定基準(PCR)策定基準
2010年7月改定版
「単位量あたり」「機能あたり」のCFPの算定・表示方法について(第三版)
CFPの削減率の算定方法について
認定 PCR の引用及び検証済み CFP データの利用について
サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証の考え方
カーボンフットプリントマークに関するアンケート調査結果
カーボンフットプリントのマーク表示に関するアンケート調査
カーボンフットプリント(CFP)算定・検証・公開システム要求事項(案)
次年度の検証スキームに対する提言
PCR原案策定計画登録の一覧(平成22年度登録分)
認定PCRの一覧(平成22年度認定分)
CFPマーク使用許諾製品の一覧(平成22年度検証分)
<注意事項>
本事業は「カーボンフットプリント制度構築事業」が契約上の正式名称であるが、本報告書
においては、対外的な通称である「カーボンフットプリント制度試行事業」(または試行事
業)と記載する
また、本報告書においては、特に断りの無い限り、「CO2」とは「CO2(二酸化炭素)を含
む温室効果ガス」を表すものとする。
- 2 -
1.事業の目的
平成20年より、京都議定書の第1約束期間に入り、産業、運輸、民生等の各部門で
の更なるCO2削減に向けた取組が求められている。
この状況を踏まえ、平成20年度より、商品及びサービス(以下「製品」という。)の
ライフサイクル全体で排出される温室効果ガスをCO2量に換算して表示するカーボン
フットプリントの試行事業を行い、製品のCO2の「見える化」を実施している。
本事業ではカーボンフットプリント制度の試行状況や国際動向等を勘案し、「カーボ
ンフットプリント制度の在り方(指針)」(以下「在り方(指針)」という。)、「商品種別
算定基準(PCR)策定基準」(以下「PCR策定基準」という。)等のルールの改定・
整備等を行うことにより企業・業界の温暖化対策の取組を促進し、低炭素型の産業構造
への変革の実現と消費者自身の低炭素行動を促すことを目的に本事業を実施する。
- 3 -
2.事業の概要
2.1
試行事業の運営管理
2.1.1 カーボンフットプリント制度試行事業運営委員会
有識者及び試行事業事務局関係者による「カーボンフットプリント制度試行事業運営委員
会」(以下「運営委員会」という。)を設置して、カーボンフットプリント制度試行事業(以
下「試行事業」という。)の全体の進捗管理、情報共有等を行った。
2.1.2 海外動向調査
ド イ ツ ・ ベ ル リ ン で 開 催 さ れ た 「 PCF World Forum 」 の ワ ー ク シ ョ ッ プ 「 French
Environmental Labelling Scheme」に参加して、フランスをはじめとする欧州のカーボンフ
ットプリント制度の動向について情報収集を行った。
2.2
カーボンフットプリントの制度設計に関する検討
2.2.1 カーボンフットプリント・ルール検討委員会
有識者による「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」(以下「ルール検討委員会」
という。)を設置し、基本ルール「在り方(指針)」「PCR策定基準」の見直しや、運用ルー
ルの追加整備について検討した。
運用ルールの追加整備に関連して、委員会の下に「比較表示ルール検討WG」「表示の多
様化検討WG」「サービス検討WG」という3つのWGを設置し、個別テーマについて専門家
による詳細検討を行った。
また、PCRの階層構造の整理や、PCR策定負荷の軽減を目的として「広範囲PCRに
関する実証実験」を実施した。
2.2.2 検証スキーム検討委員会
「検証スキーム検討委員会」を設置し、平成21年度「第三者認証スキーム検討委員会」
における検討状況等を引き継いで、適切な検証スキームのあり方について検討した。
また、「システム認証(プロセス認証)方式」「要員認証方式」の2つの検証スキーム方式
について実証実験を行い、実現可能性及び課題について検討した。実証実験の実施方法につ
いては「検証スキーム実証実験 WG」を設置し、検討した。
- 4 -
2.3
CFP算定・表示試行事業
2.3.1 PCR原案策定計画登録
PCR原案策定を計画している業界及び事業者に対して、PCR原案策定計画登録に関す
る手続処理を行った。
2.3.2 PCR認定委員会
PCR認定に関する審議スキームの運営を行った。具体的には「申請受付」「意見公募の
実施」「事前レビュー」「PCR認定委員会」の4つのプロセスの運営実施を行った。
2.3.3 カーボンフットプリント検証パネル(CFP検証パネル)
CFPに関する審議スキームの運営を行った。具体的には「申請受付」「事前検証」「CF
P検証パネル」の3つのプロセスの運営実施を行った。
また、CFP検証に必要となる参考データの提供を行った。
2.4
カーボンフットプリントの導入支援事業
2.4.1 商品種別算定基準原案(以下「PCR原案」という。)の策定支援
事業者に対して、コンサルタントの派遣を通じ、PCR原案策定の支援を行った。合計3
次にわたる公募を行い、2件のPCR原案策定支援を実施した。
2.4.2 カーボンフットプリントの算定支援
事業者に対して、コンサルタントの派遣を通じ、カーボンフットプリント算定の支援を行
った。合計3次にわたり公募を行い、計4件のCFP算定支援を実施した。
2.4.3 カーボンフットプリントの算定等に関する支援ツールの検討・改善
事業者によるカーボンフットプリントの算定等を容易にすることを目的に、事業者向けの
支援ツールとして、平成21年度事業において構築した「カーボンフットプリント算定キッ
ト」の改善・拡充を行った。
2.5
カーボンフットプリントに関する専門家の育成
2.5.1 試行事業に参加する外部専門家の確保
CFP算定・表示試行事業におけるレビューア及び検証員、カーボンフットプリントの導
- 5 -
入支援事業における支援コンサルタントを担う外部専門家を確保するため、公募及び研修を
行った。
2.5.2 カーボンフットプリント地域連絡会
地方におけるカーボンフットプリントの人材育成を目的として「カーボンフットプリント
連絡会」を開催した。
2.6
カーボンフットプリントの制度理解向上に向けた取組
2.6.1 カーボンフットプリント連絡会
カーボンフットプリント連絡会を開催し、カーボンフットプリント制度試行事業に参加す
る事業者等に対する情報連絡を行った。
2.6.2 事業者及び消費者への情報発信の拡充
平成21年度事業において設置したカーボンフットプリント・ウェブサイト
(http://www.cfp-japan.jp)の内容の改良と発信情報の拡充を実施した。
また、平成21年度事業において作成したカーボンフットプリント制度試行事業の取り組
み等を紹介するパンフレット及びチラシの改訂増刷を行った。
2.6.3 エコプロダクツ2010における消費者受容性調査
国内最大級の環境展示会「エコプロダクツ2010」に出展し、カーボンフットプリント
制度の理解向上を目的としたブース展示と、来場者に対するアンケートによる意識調査を実
施した。
2.6.4 小中高生むけ制度理解向上の取り組み
小・中・高校生等へのカーボンフットプリントの理解促進を図るプログラムの開発とイベ
ントを実行し、あわせて受容性調査を実施した。
2.6.5 消費者リーダー向け講習会
カーボンフットプリントの仕組みを理解し、この考え方を活用して消費者や小中高生に向
けて環境教育を行うことのできる指導者・リーダーの育成を目的とした講習会を実施した。
2.6.6 消費者ワークショップ
全国5か所で消費者向けワークショップを実施した。ワークショップでは、DVD上映、
事業者の取り組み紹介、クイズ等により、カーボンフットプリント制度に対する理解向上を
図るとともに、参加者に対するアンケートによる意識調査を実施した。
- 6 -
3.スケジュール及び試行事業全体イメージ
本事業は、以下のような作業スケジュールにて行われた。
<
実施期間
:
平成22年4月
10.4
~
平成23年3月
10.5
10.6
10.7
10.8
>
10.9
10.10
10.11
10.12
11.1
11.2
11.3
1. 試行事業の運営管理
(1) 運営委員会
○
○
(2) 海外動向調査
○
○
2. カーボンフットプリントの制度設計に関する検討
(1) カーボンフットプリント・ルール検討会
○ ○ ○
○
○
表示の多様化検討WG
○ ○
比較表示ルール検討WG
○ ○
○
○
○
○
○
サービスWG
○ ○ ○
広範囲PCRを用いた実証事業
マーク表示に関するアンケート調査
(2) 検証スキーム検討委員会
○
検証スキーム実証実験WG
○
○
○ ○
○
○
○
システム認証に関する実証実験
要員認証に関する実証実験
3. CFP算定・表示試行事業
(1) PCR原案策定計画登録
(2) PCR認定委員会
○
○
○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○○○
○○○ ○○○
○○○
○ ○
○ ○
○○○ ○
○○
(3) CFP検証パネル
4. カーボンフットプリントの導入支援事業
(1) PCR原案の策定支援
支援先の選定
コンサルタント派遣
(2) カーボンフットプリントの算定支援
支援先の選定
コンサルタント派遣
一次・二次公募
○ ○
三次公募
○
一次・二次公募
○ ○
三次公募
○
(3) 支援ツールの検討・改善
5. カーボンフットプリントに関する専門家の育成
(1) 試行事業に参加する外部専門家の確保
外部専門家の公募
外部専門家に対する研修
○○
外部専門家情報連絡会
(2) カーボンフットプリント地域連絡会
○
○
○ ○○○
6. カーボンフットプリントの制度理解向上に向けた取組
(1) カーボンフットプリント連絡会
(2) 事業者及び消費者への情報発信の拡充
HP引継・開設
○
○
○
更新・改良
パンフレット作成等
(3) エコプロダクツ2010への出展
○
○
募集
決定
エコプロダクツ2010
出展準備
出展者(事業者)
企画
申込
○
受容性調査
(4) 小中高生むけ制度理解向上の取り組み
小中校での推進
○
○
○○
ジュニアグリーンスクール
(5) 消費者リーダー向け講習会
(6) 消費者ワークショップ
ワークショップ開催
まとめ
○
○
準備
○
○
まと
○
○○
○
○○
まとめ
アンケート調査
- 7 -
平成22年度試行事業の全体イメージ
カーボンフットプリント(CFP)制度構築事業 (本事業)
【凡例】
・事業者・・・楕円(ピンク)
・委員会、連絡会・・・四角(紫)
・事務局・・・丸四角(水色)
・公開物・・・四角(緑)
海外動向調査
CFP制度試行事業運営委員会
○試行事業全体の運営・管理
○CFP制度の動向に関する情報収集
<カーボンフットプリント制度に関するルールの検討>
CFPルール検討委員会
検証スキーム検討委員会
○ ルール(指針、PCR策定基準等)の改善検討
○ 第三者検証スキーム等の検討
表示の多様化検討WG
検証スキーム実証実験WG
○ 表示の多様化の詳細検討
○ 実証実験に関する内容を検討
比較表示ルール検討WG
検証スキーム方式に関する実証実験
(システム認証、要員認証)
○ 比較を行う際の算定方法等に関する課題の整理
サービス検討WG
○ サービスに関するPCR策定等の考え方の整理
広範囲PCRに関する実証事業
CFPのマーク表示に関するアンケート調
査
試行事業で抽出した制度上の論点・課題等について委員会で検討
平成21年度の試行事業で明らかになった制度上の論点・課題等
<カーボンフットプリント算定・表示試行事業>
<CFP検証関連>
<PCR認定関連>
P
C
R
事
前
レ
ビ
P
C
R
認
定
委
員
会
認
定
P
C
R
公
表
PCR原案の審査・認定
C
F
P
事
前
検
証
C
F
P
算
定
・
検
証
申
請
C
F
P
マ
ク
付
与
C
F
P
マ
ク
表
示
商
品
の
流
通
CFP算定結果・
表示内容の検証
認
P
定
C
済
R
み
PCR原案策定支援
C
F
P
検
証
パ
ネ
ル
ー
P
C
R
原
案
の
策
定
ー
P
C
R
原
案
策
定
計
画
登
録
ュー
P
C
R
原
案
策
定
計
画
の
申
請
CFP算定支援
<カーボンフットプリントの導入支援事業>
<認知度向上に向けた取り組み>
<連絡会、連絡会議、情報発信>
<消費者受容性調査の実施>
CFP連絡会
エコプロダクツ2010
<CFP算定のための
ツールやデータの整備>
CFP算定等の支援ツールの
検討・改善
○ 試行事業に参加する事業者との意見交換
CFP地域拠点連絡会議
小・中・高校生向け制度理
解促進
○ CFP認知度向上に向けた説明会等の開催
消費者向け制度理解促進
事業者及び消費者への情報発信
○ ホームページの改良、パンフレット等の作成
○ リーダー向け講習会、
ワークショップ
- 8 -
CFP算定に必要となる
参考データの管理
4.事業の成果
4.1
試行事業の運営管理
4.1.1
カーボンフットプリント制度試行事業運営委員会
有識者及び試行事業事務局関係者による「カーボンフットプリント制度試行事業運営委員
会」(以下「運営委員会」という。)を設置して、カーボンフットプリント制度試行事業の全
体の進捗管理、情報共有等を行った。
具体的には、ルール検討委員会の開催スケジュールや検討テーマの方向性について議論、
エコプロダクツ展の出展をにらんだCFP算定・表示試行事業や広範囲PCRを用いた実証
事業の進捗などについて確認し、カーボンフットプリント制度試行事業全体の方向性や問題
点の整理など、試行事業全体としての整合性を確保する役割を果たした。
なお、委員会会合は非公開にて3回開催した。
表4.1-1 カーボンフットプリント・ルール検討委員会
日程
開催実績
主な議事
第1回
平成 22 年 5 月 18 日
13:00~15:00
・平成22年度試行事業について
・ルール検討委員会の開催について
第2回
平成 22 年 8 月 31 日
10:00~12:00
・試行事業の進捗について
・ルール改定後のルール検討委員会の進め方について
第3回
平成 22 年 11 月 15 日
16:00~18:00
・試行事業の進捗について
・今後のルール検討委員会の進め方について
・エコプロダクツ2010への出展準備について
- 9 -
4.1.2
海外動向調査
欧州諸国のカーボンフットプリント制度の動向調査と企業におけるケーススタディにつ
いて具体的な情報収集を行うため、ドイツ・ベルリンで開催された「PCF World Forum」の
ワークショップ「French Environmental Labelling Scheme」に参加し、フランスをはじめ
とする欧州のカーボンフットプリント制度の動向について情報収集を行った。
ワークショップでは、フランス・ドイツ両国の取組状況、それらに関する意見交換、カジ
ノ社・ルクレール社のパイロットスタディの報告などがなされ、我が国と同様に国による検
討を続けるフランスにおける動向をより深く調査することができた。
ワークショップの開催概要を表4.1-2に示す。
表4.1-2 French Environmental Labelling Scheme 開催概要
項目
内容
日時
2010 年 6 月 23 日 10:30~16:00
会場
ホテル・コンコルド・ベルリン
(Augsburger Strasse 41, Berlin)
主なテーマ
1.
2.
3.
4.
フランスにおける環境ラベルのスキームの背景解説
フランスでの取り組みに対するドイツの見解
フランスにおけるパイロットスタディの紹介
データベースとソフトウェアの開発状況
- 10 -
4.2
カーボンフットプリントの制度設計に関する検討
4.2.1
カーボンフットプリント・ルール検討委員会
(1)ルール検討委員会
①委員会の設置・開催
我が国におけるカーボンフットプリント制度の基本ルール「在り方(指針)」及び「PC
R策定基準」は、平成21年3月、経済産業省が設置した「CO2排出量の算定・表示・評
価に関するルール検討会」によってとりまとめられ、平成21年度から始まった試行事業は、
この基本ルールに基づき運営されている。今回、試行事業を通して得られた知見を基に、基
本ルール等の見直し検討を行い、その改定及び運用改善を図ることを目的として、有識者等
7名を委員として「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」を設置した。
委員名簿を表4.2-1 に、委員会開催実績を表4.2-2 に示す。委員長は稲葉委員
が、副委員長は平尾委員がそれぞれ務めた。また、委員会会合は8回開催し、いずれもカー
ボンフットプリント・ウェブサイトによる告知を経て公開した。
はじめに、平成21年度試行事業を通して得られた課題を中心に検討テーマの整理を行っ
た。特に、平成22年度試行事業を運営するにあたり、早期に見直すべきテーマを抽出し、
基本ルールの改定を含めた改善に取り組むこととした。その上で、5月~7月にかけて集中
的に計4回の会合を開催し、基本ルールの改定案を作成、意見公募を経て、基本ルールの改
定を実施した。
一方で、時間をかけて検討すべきテーマについては、個別に詳細検討を行うワーキンググ
ループ(以下「WG」という。)としてカーボンフットプリントマークの多様な表示方法の在
り方を検討する「表示の多様化検討WG」、多様な表示方法の1つである削減率表示に関する
算定方法等の在り方を検討する「比較表示ルール検討WG」、サービス分野に関するPCR認
定やCFP検証の在り方を検討する「サービス検討WG」の3つを委員会の下に設置し、そ
の成果を踏まえて委員会にて運用ルールの整備等を行った。
さらに、PCRの分類体系や階層構造の在り方等について知見を得るための実証実験とし
て、「広範囲PCRを用いた実証事業」を実施した。
- 11 -
表4.2-1 カーボンフットプリント・ルール検討委員会
委員名簿
(敬称略・順不同)
稲 葉
敦
工学院大学 工学部 環境エネルギー化学科 教授
玄 地
裕
独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門
素材エネルギー研究グループ グループ長
齋 藤
雅 典
須 田
茂
辰 巳
菊 子
西尾
チヅル
平 尾
雅 彦
東北大学大学院 農学研究科 教授
社団法人産業環境管理協会 名誉参与
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
常任理事
筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 教授
東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻 教授
表4.2-2 カーボンフットプリント・ルール検討委員会
日程
第1回
平成 22 年 5 月 21 日
13:00~15:00
第2回
平成 22 年 6 月 10 日
10:00~12:00
第3回
平成 22 年 6 月 18 日
16:00~18:00
第4回
平成 22 年 7 月 8 日
16:00~18:00
第5回
平成 22 年 11 月 18 日
10:00~12:00
第6回
平成 23 年 1 月 7 日
13:00~15:00
第7回
平成 23 年 2 月 1 日
14:00~16:00
第8回
平成 23 年 3 月 9 日
15:30~17:30
会場
開催実績
主な議事
ベルサール九段
ROOM4
・委員会の開催趣旨について
・ルール見直し検討について
全日通霞ヶ関ビル8階
大会議室(A)
・ルール見直し検討について
航空会館 7階
大ホール
・基本ルールの改定案の検討
・広範囲PCRの策定と試行について
全日通霞ヶ関ビル8階
大会議室(A)
・基本ルール改定のとりまとめ
・広範囲PCRを用いた実証事業について
学士会館 202号室
ベルサール神田
Room2+3
・「表示の多様化」の検討について
・「サービス」の検討について
・広範囲PCRを用いた実証事業について
・中間財PCR等の引用方法について
・「表示の多様化」の検討について
・「サービス」の検討について
・広範囲PCRを用いた実証事業について
ベルサール神田
Room2+3
・「表示の多様化」の検討について
・中間財PCR等の引用方法について
KKRホテル東京
10階 瑞宝
・「サービス」の検討について
・「表示の多様化」の検討について
・広範囲PCRを用いた実証事業について
- 12 -
②検討テーマの整理
はじめに、平成21年度試行事業を通して得られた課題を中心に検討テーマの整理を行っ
た。第1回及び第2回会合において議論された検討テーマ及び進め方についての一覧を表4.
2-3 に示す。
この進め方に沿って、後述の通り基本ルールの改定や運用ルールの整備等を進めた。
表4.2-3 ルール検討委員会における検討テーマの整理と進め方
検討テーマ
進め方
●流通・販売段階の算定
販売店舗からの CO2 排出量を個別商品に
配分する方法が難しい。
平成21年度試行事業においては、金額当た
りの GHG 排出原単位を使用。しかし、価格の
高い小さな商品と、価格の低い大きな商品で比
べる場合など、事業者の努力が及ばない部分
で GHG 排出量が大きく変わることが懸念され、
より適切な原単位の設定の必要性が検討され
たが、適切な原単位の設定に至らなかった。
●廃棄・リサイクル段階の算定(リサイクル材
の取り扱い)
製品の廃棄・リサイクル段階で、リサイクルを
行う場合に算定すべき範囲が必ずしも明確で
ない。例えば、リサイクル材料を原材料として
利用する製品のCFP算定において、リサイクル
材料の生産プロセス(使用済み製品に対してリ
サイクル処理を行いリサイクル材料とするまで)
における算定範囲が必ずしも明確でない。
●一次データ・二次データ
公開されている共通原単位だけでは算定に
十分でない。平成21年度事業事業において
は、事務局に問い合わせることにより、利用可
能な二次データとして「参考データ」が提供され
たが、その位置づけが明確でなかった。
●マーク本体の数値
マーク本体に表示する数値として、「商品・サ
ービス販売単位当たりのライフサイクル全体の
CO2排出量の絶対値表記」以外の表示も認め
て欲しいとの意見があった。
<合意した方向性>
¾ 流通・販売段階のうち、店舗における販売部分について
は暫定的に評価対象外とし、店舗に至るまでの物流部分
については、従来どおり評価対象に含める。
<その他の追加意見>
¾ 販売については中長期的に考えていく課題と位置づけ
る。その際、販売業としてサービスのカーボンフットプリン
トを検討することで、販売事業者の削減努力を評価する
ことができるのではないか。
<合意した方向性>
¾ 廃棄・リサイクル段階のシステム境界について、回収や
前処理といったリサイクル準備段階までを、使用済み製
品のカーボンフットプリントとして算定対象に含める。
<その他の追加意見>
¾ 追加表示におけるリサイクル効果を評価する際には、間
接影響の部分も考慮したシステム境界を設定する必要が
あるため、廃棄・リサイクル段階の算定対象の設定とは
別の検討が必要ではないか。
<合意した方向性>
¾ 各事業者が共通のデータを使う利便性やデータの信頼
性を考慮し、共通原単位データベース及びPCRに掲載さ
れていない二次データについては、暫定的に試行事業事
務局が「参考データ」として提供することとし、PCRにおい
て位置づけを明確にする。
<その他の追加意見>
¾ 将来的には、カーボンフットプリントの普及によって一次
データの入手が容易になることや、共通原単位が拡充し
て、参考データの利用は減少していくことが期待される。
<合意した方向性>
¾ 「単位量あたり表示」「削減率」「数値なし」といった多様な
表示方法を試験的に認める方向性で進める。ただし、具
体的な表示方法や検証方法など詳細については今後の
検討課題とする。
¾ 数値をラベルに記載しない場合、数値情報等を開示する
場所がわかるように、カーボンフットプリント・ウェブサイト
には必ず掲載するよう特定し、ホームページの存在を含
めて広く伝えることが必要。
- 13 -
検討テーマ
●中間財のマーク利用
中間財についてもマーク利用を認めて欲しい
との意見があった。
●追加表示における、製品の「効果」による削
減量の扱い
追加表示における「他の製品と比較してのC
O2削減効果」をより幅広く認めて欲しいとの意
見があった。例えば、製品を利用したことによる
システム全体でのCO2削減効果(タイヤによる
自動車の燃費削減効果、断熱材利用による住
宅の省エネ効果等)
●PCRの策定負荷
PCRが長文かつ複雑。作るのも読むのも難
しい。カーボンフットプリント制度普及の障壁と
なって、普及が進まない。
●PCR策定における商品種別の考え方(登録
時)
「商品種別」の粒度が揃っておらず、一部で
は細分化しすぎたPCRが乱立した。このような
場合、類似した製品でも新たなPCR策定が必
要となってしまう。
また、「商品種別」の階層構造として、上位の
大分類と下位の小分類の間で重複が生じる場
合の考え方が十分に整理されていない。後発
のPCRが重複する場合、その成立を認めるべ
きか、また、上位と下位のいずれを優先すべき
か、といった考え方の整理が必要。
●策定されたPCRの内容
策定されたPCRの書き振りにばらつきがあ
り、統一されていない。
進め方
<合意した方向性>
¾ 中間財のマーク利用については、ISO化の動向も注視し
つつ、今後時間をかけて検討を行うこととする。
<合意した方向性>
¾ 2つの製品を比較して削減効果を示すにあたっては、同
一PCR内でシステム境界を揃えて評価する必要がある。
(「効果」による削減量は、これに相当しない。)
¾
ただし、使用済み製品のリサイクル効果を示すにあたっ
ては、算定範囲をリサイクル準備段階までと定めてしまう
と、定量評価をすることが出来ない場合も発生するため、
継続課題とする。
<合意した方向性>
¾ 「改定PCR原案テンプレート(案)」に沿って「PCR原案テ
ンプレート」の改定を行うこととする。
<その他の追加意見>
¾ より簡潔な記述ができないか、更なる検討の余地がある
と思われる。
<合意した方向性>
¾ 新たな申請に対しては、商品分類の対象範囲が細分化
しないよう事務局にて調整する。
¾ 大括りのPCRを試験的に策定し、これに基づくCFPの算
定・表示を試験的に実施する。
¾ 大括りPCRの試験的な実施の具体的な進め方について
は、事務局が検討し提案を行う。
<その他の追加意見>
¾ 大括りPCRの分類に関しては、韓国やフランス等の海外
の事例を参考に検討してはどうか。
<合意した方向性>
¾ 既存のPCRを見直し、必要に応じ事務局側で修正を行う
こととする。
¾ 修正する場合には、策定事業者の意見を伺いながら進
めていくこととする。
●一次データの収集範囲
一次データの収集範囲が明確に定められて
いない(あらゆるデータを一次データで収集す
ることが「原則」として求められている)。
サプライヤー等から一次データを入手しよう
とするための負担が大きい。しかし、結果的に
入手できず二次データを使うケースも多い。
<合意した方向性>
¾ PCR原案策定時にはCFPの簡易計算による事前評価を
行うことを前提に、CFP算定結果に大きく影響を及ぼす
項目については一次データの収集を原則行うなど、デー
タ収集範囲についてメリハリをつけることとする。
- 14 -
検討テーマ
進め方
●サービスのカーボンフットプリント
サービスの定義や考え方が明確に示されて
いない。
サービスにおけるライフサイクルは、工業製
品や農産物とは大きく異なることが想定され
る。これに沿った、ライフサイクル段階の考え方
などが整理されていない。
●使用・維持管理段階のシナリオの考え方
使用・維持管理段階のシナリオが、消費者か
らみて違和感を持つような設定となってしまう
可能性がある。特に、食材のように用途が多岐
にわたる場合、特定の調理方法などでシナリオ
を固定するとわかりづらくなる。
●カットオフ基準
カットオフ基準が、各ライフサイクル段階ごと
のGHG排出量の5%以下となっている。このた
め、全体に占める寄与度が低いプロセスであっ
ても、カットオフが認められず、算定の負担が
大きくなってしまうケースがある。
●資本財(機器、設備等)の取り扱い
PCRにおける資本財の取り扱いについて検
討が必要である。
●事前評価(事前CFP試算)の必要性
PCR策定においては、資本財の扱いやシナ
リオ設定など、実際にCFPを算定した経験がな
いと、適切な検討が難しいケースがある。
<合意した方向性>
¾ サービスのカーボンフットプリントについては、サービスの
定義を整理することとあわせて、時間をかけて検討する。
¾ 当面の試行事業においてサービスに関するPCRの申請
があった場合には、検討課題が継続扱いのままであるこ
とを事業者に説明し、協力を得ながら検討を進める。
<合意した方向性>
¾ 使用・維持管理段階において想定される利用方法が多
岐にわたる商品、及び使用・維持管理段階においてGH
G排出がされない商品については、国際的な議論も考慮
しつつ、当面の間は個別のPCRでその扱いを定めること
とする。
<合意した方向性>
¾ カットオフ基準については、PCR内で事業者の一次デー
タ収集範囲を特定し、カットオフした部分を明確に表示す
ることを条件として、全体の GHG 排出量の5%を超えな
い量をカットオフしてもよい、という運用のルールを定める
こととする。
<合意した方向性>
¾ 資本財を考慮すべき条件については、国際的動向も踏ま
えて、時間をかけて検討していくこととする。
<合意した方向性>
¾ PCR原案策定時にはCFPの簡易計算による事前評価を
行うことを前提に、CFP算定結果に大きく影響を及ぼす
項目については一次データの収集を原則行うなど、デー
タ収集範囲についてメリハリをつけることとする。
●その他の課題
「土地利用変化」「炭素貯留」など、ISOにお
いて議論となっているテーマへの対応のうち、
我が国の基本ルールでは特に定めていないも
のがある。
<合意した方向性>
¾ ISOで議論されている最中であり、国際的動向も踏まえ
て、時間をかけて検討していくこととする。
③基本ルールの改定
「②検討テーマの整理」で先述した検討テーマのうち、平成22年度試行事業におけるP
CR認定、CFP検証を行うために必要となる検討テーマについて、2つの基本ルール(「在
り方(指針)」「PCR策定基準」)改定により対応した。
改定にあたっては、まず、第3回ルール検討委員会において「改定案」をとりまとめた。
続いて、この「改定案」に対する意見公募を、カーボンフットプリント・ウェブサイトによ
- 15 -
り実施した。意見公募では、「在り方(指針)」に対しては 67 件、「PCR策定基準」に対し
ては 171 件のコメントが各方面から寄せられた。意見公募により得られた意見を踏まえて改
定案の修正を行った後、第4回ルール検討委員会にて議論を行い、最終的な改定のとりまと
めを行った。
「在り方(指針)」「PCR策定基準」の改定版を付属書A及び付属書Bに示す。なお、こ
こでは、修正箇所がわかる見え消し版を掲載した。今回の改定における主なポイントを以下
に示す。
<基本ルールの主な改定内容>
— 暫定措置として、販売プロセスを算定・表示の対象から外す
— 暫定措置として、多様な表示方法(「単位量あたり排出量」「機能あたり
排出量」「削減率」「数値なし」など)を試験的に認める(ただし、削減
率については更に今後議論を続ける)
— PCR策定にあたり、事前の試算によるプロセス別の寄与度分析を推奨
— ライフサイクル全体に対する寄与度が低いプロセスの一次データ収集原
則を緩和
— リサイクル準備プロセスまでのCO2排出量を使用済み製品の廃棄・リ
サイクル段階として算定
— カットオフ基準をライフサイクル全体のCO2排出量の 5%以内に変更
④表示の多様化に関する検討
基本ルールの改定による暫定措置として、多様な表示方法が認められたことに伴い、これ
を実際に運用するための運用ルールを整備した。
まず、「単位量あたり排出量」「機能あたり排出量」の表示方法については、ルール検討委
員会での議論を踏まえ、事務局にて運用ルール「『単位量あたり』『機能あたり』のCFPの
算定・表示方法について」(付属書C)を発行した。
その他の多様な表示方法については、「表示の多様化検討WG」に詳細検討を委ね、その
成果を踏まえて委員会で更なる議論を行い、その成果を経済産業省はじめ4省庁連名による
「カーボンフットプリントマーク等の仕様」を改定して対応することとなった。その考え方
については、表示の多様化検討WGの活動報告にて後述する。
また、表示の多様化のうち「削減率」に関する表示については、2つの異なる製品の比較
を行う必要が生じることから、その算定方法及び表示方法に関する課題を整理するため「比
較表示ルール検討WG」を設置し、詳細検討を委ねた。その成果を踏まえて委員会にて更な
る議論を行い、その成果を運用ルール「CFPの削減率の算定方法について」(付属書D)
として発行した。検討経過については、比較表示ルール検討WGの活動報告にて後述する。
- 16 -
⑤認定PCRの引用及び検証済みCFPデータの利用について
PCR認定及びCFP算定に影響を及ぼす「中間財PCR等の引用」及び「検証済みCF
Pデータの引用(利用)」について、ルール検討委員会において論点を整理し、運用ルール
「認定PCRの引用及び検証済みCFPデータの利用について」(付属書E)として発行し
た。
⑥サービスの取り扱いについて
サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証において、「「在り方(指針)」及び「P
CR策定基準」の内容及び解釈等について補足する文書「サービスに関するPCR策定及び
CFP算定・検証の考え方」(付属書F)を発行した。検討経過については、サービス検討
WGの活動報告にて後述する。
⑦PCRの分類体系及び階層構造について
PCRの分類体系及び階層構造について明らかにするため、広範囲PCR2件(エネルギ
ー使用型製品、エネルギー非使用型製品)を事務局にて策定し、これを用いた実証事業を行
った。その成果については、広範囲PCRを用いた実証事業の報告として後述する。
⑧その他
ルール検討委員会で議論された内容のうち、基本ルールの改定や運用ルール等を整備・発
行せずに運用レベルで対応できるものは、PCR認定やCFP検証の試行事業の運用面で対
応した。
・ PCRの書きやすさ及び読みやすさ向上を目的としたPCRテンプレートの改定
・ 基本ルール改定に対応した平成21年度試行事業での認定済みPCRの一括改定(事
業者からの申請を前提とする)
・ 細分化したPCRの乱立を回避するためのPCR原案策定計画登録の対象範囲の調整
(商品分類の適切化に向けた事業者との調整)
など
このほか、「資本財の取り扱い」「土地利用変化」「炭素貯留の取り扱い」については、ISO
における国際標準化の議論の動向をにらみつつ、今後の検討課題と位置づけることとした。
- 17 -
(2)表示の多様化検討WG
①WGの開催
「表示の多様化検討WG」は、「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」の下に、
平成22年7月の基本ルール改定によって暫定措置として認められた表示の多様化の詳細検
討を行うために設置された。具体的には、
「削減率」、「数値なし」の新マークの追加検討のほ
か、従来の「絶対値」マークの在り方に加え、追加情報表示部の望ましい表示方法等の表示
方法全般について、アンケート調査等を通じて事業者の意向や消費者効果を測定しつつ、誤
解を生じない表示方法(マーク等)等についての検討を行った。
委員名簿を表4.2-4 に、WG開催実績を表4.2-5 に示す。WG座長は西尾委員
が務めた。また、WG会合は非公開で4回開催し、その検討結果については、第7回ルール
検討委員会にて報告した。
表4.2-4 表示の多様化検討WG
委員名簿
(敬称略・順不同)
大石 美奈子
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
環境委員会 副委員長
西尾 チヅル
筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 教授
深津
学治
グリーン購入ネットワーク 事務局次長
本田
智則
独立行政法人産業技術総合研究所
安全科学研究部門 研究員
表4.2-5 表示の多様化WG
日程
第1回
平成 22 年 10 月 5 日
14:00~16:00
第2回
平成 22 年 10 月 25 日
14:00~16:00
第3回
平成 22 年 11 月 19 日
18:00~20:00
第4回
平成 23 年 1 月 28 日
18:30~20:30
開催実績
主な議事
・表示の多様化検討WGについて
・新マーク追加検討について
・新マークの論点とコンセプト(案)について
・表示内容の在り方と新マークのデザイン(案)につ
いて
・WGのスケジュール(案)について
・表示の多様化検討WGの検討内容について
・エコプロダクツ展における実証実験について
・表示方法等のマークの仕様について
・WGのスケジュール(案)について
・表示の多様化検討WGの検討内容について
・アンケート調査結果について
・カーボンフットプリントマークの選定について
・WGのスケジュール(案)について
- 18 -
②多様な表示に関するアンケート調査
表示の多様化検討に資する消費者及び事業者のニーズを把握するため、アンケート調査を
実施した。
まず、消費者に対しては、エコプロダクツ2010の来場者に対するアンケートを行うと
共に、ウェブモニターに対する消費者アンケートを実施した。これは、エコプロダクツ20
10では実際に多様なカーボンフットプリントマークが表示された商品サンプルを見ながら
アンケートに回答できる一方で、来場者が環境意識の高い消費者や業界関係者に偏る傾向が
みられることに配慮して、ウェブアンケートを追加したものである。
一方、事業者に関しては、試行事業に参加している関係事業者等に対するアンケートを行
うとともに、試行事業に参加していない大手企業等に対しても同様のアンケートを実施した。
アンケート実施概要を以下に示す。また、アンケート結果については、付属書Gに示す。
表4.2-6 カーボンフットプリントの多様な表示に関するアンケート実施概要
実施対象
属性
回収数
エコプロダクツ2010
来場者(企業関係者、消費者など)
配布 1,114 件
ウェブモニター
消費者
ウェブ 1,980 件
試行事業関係者
企業関係者
郵送 44 件
その他大手企業等
企業関係者
郵送 54 件
③新マークデザイン案の検討
従来のカーボンフットプリントマークは、CO2排出量の絶対値を表示することをコンセ
プトとして作成されており、表示の多様化によって「削減率」や「数値なし」といった表示
方法に対しては、その異なるコンセプトに合わせて新しいマークデザインを導入することが
考えられる。そこで、新マークデザインの導入について、その是非も含めて検討することと
なった。
マーク作成事業者を公募して複数のマークデザイン案をWGに提示し、その中から選択し
た2タイプの案を最終候補として、上述②のアンケート調査に活用した。
④WGにおける検討内容
上記②のアンケート結果等も踏まえ、多様な表示の具体的な実施ルール及び考え方につい
て検討した。
a)カーボンフットプリントマークについて
・ カーボンフットプリントマークは、「①カーボンフットプリントの趣旨に沿ったイメ
- 19 -
ージ」、「②印象の残りやすさ」、「③数字の見やすさ」を考慮し、現行マークのデザイ
ンを基本とする。
・ なお、数値なしマークについては、数値記入欄が不要になるが、消費者の混乱を避け
るべく、その数値記入欄は空欄とする。
b)マーク周辺の表示方法について
●キャッチコピーについて
・ マークのみではカーボンフットプリントの趣旨等が伝わりにくい恐れがあることか
ら、マーク近傍にキャッチコピーを挿入することとする。
・ 挿入するキャッチコピーは、長短の複数のキャッチコピーを用意し、「マークの意味
を分かりやすく伝えること」、「カーボンフットプリントの普及に繋がること」、「マ
ークの詳細情報を容易に検索できること」等を考慮し、『CO2の「見える化」 カ
ーボンフットプリント』と「カーボンフットプリント」とする。
●カーボンフットプリントマークの近傍の情報について
・ 表示スペースの制約を考慮し、必要性の低い情報の代わりにキャッチコピーを表示
する。具体的には、「カーボンフットプリントのマーク等の仕様」において必須とさ
れているアクセス情報部のうち、「カーボンフットプリント試行事業」の表記をキャ
ッチコピーに変更する。
・ カーボンフットプリント・ウェブサイトにはライフサイクル段階毎の算定方法等の
詳細情報が掲載されており、カーボンフットプリント・ウェブサイトのURLが消
費者の目に触れる機会を確保することが望ましい。そのため、カーボンフットプリ
ント・ウェブサイトのURLは必須とする。また、検証番号は任意とするが、カー
ボンフットプリント・ウェブサイトにおける当該製品の詳細情報に辿れるような工
夫を凝らすことを前提とする。
・ 使用年数情報部は、サイズの大小に関わらず耐久消費財の場合に必須となっている
が、単位量や機能あたりの表示ルールに統合させる。
●追加情報表示部の記載内容について
・ 追加情報表示部には、消費者からの必要性が高かったライフサイクル段階毎の円グ
ラフの表示を強く推奨することとする。また、ライフサイクル段階毎の情報をわか
りやすく正確に伝えるように、カーボンフットプリント・ウェブサイトに工夫を凝
らすこととする。
・ 「CO2削減する使用・廃棄方法」については検証が可能な範囲内での記載を推奨
し、その他CO2排出量の代替表現、カーボンフットプリントの意味の説明、算定
方法の根拠等は、カーボンフットプリント・ウェブサイト上に掲載する運用ルール
の中で例示を記載して、カーボンフットプリントの導入促進を促すこととする。
- 20 -
●削減率の表示について
・ 以下を製品上への必須記載項目とする。
¾ 自社製品との比較であること
¾ 何年前の製品との比較か
・ 来年度の削減率マークの実証実験の実施にあたっては、消費者に対して誤った解釈
を与えるような実施方法は避けることとする(例えば、原則、ある分類での実証実
験は1製品とする
など)。
・ また、削減率マークは、その削減率の大小により消費者に対して誤った解釈を与え
る可能性が高いため、将来的には当該製品の絶対値の記載が望まれる。
⑤ルール検討委員会への報告と成果
検討結果については、第7回ルール検討委員会にて報告し、委員会における議論を経てと
りまとめを行った。。
また、今後の試行事業における表示の多様化の取り扱いについて、以下のように整理した。
・ 単位量又は機能あたり、削減率等の多様な表示方法の試験的運用を通じて、その必要性
や望まれるマーク表示の在り方を検討する。
¾ 単位量又は機能あたりの表示については、100gあたり、1杯あたり等の細分表
示に伴う算定方法の適切性や表示の信頼性等に関する課題抽出と改善方法の検討
を行う。
¾ 削減率、数値無しの表示については、当該製品の算定・表示に関する検証のほか、
市場流通を通じて受容性の調査等を行いつつ、消費者への訴求力と事業者の利便性
の両立の観点から表示の在り方の検討を行う。
・ 多様な表示の実証実験にあたっては、カーボンフットプリント・ウェブサイトを充実さ
せることにより、製品のCO2排出量の絶対値等の情報を提供していくことが重要。
・ また、カーボンフットプリント・ウェブサイト等を通じて実証実験の趣旨のほか、削減
率及び数値なし等のマークやその表示方法を説明することとし、消費者の混乱が生じな
いように最大限配慮する。
・ 将来発行されるカーボンフットプリントの国際規格(ISO14067)に関する議論の動向
等を考慮して検討を行う。
- 21 -
(3)比較表示ルール検討WG
①WGの開催
「比較表示ルール検討WG」は、「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」の下に、
「削減率」を含む、2つの異なる製品の比較を行う際の算定方法及び表示方法に関する課題
を整理するために設置された。
委員名簿を表4.2-7 に、WG開催実績を表4.2-8 に示す。WG座長は玄地委員
が務めた。また、WG会合は非公開で2回開催し、その検討結果については、第5回及び第
7回ルール検討委員会にて報告した。
表4.2-7 比較表示ルール検討WG
神崎
委員名簿
(敬称略・順不同)
社団法人産業環境管理協会
製品環境部門 製品環境情報事業センター
エコリーフ事業室 室長 兼 カーボンフット推進チーム チーム長
昌之
裕
独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門
社会と LCA 研究グループ グループ長(※)
辰巳
菊子
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
常任理事
田原
聖隆
独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門
社会と LCA 研究グループ 主任研究員(※)
玄 地
(※)所属等はいずれもWG開催時
表4.2-8 比較表示ルール検討WG
日程
第1回
平成 22 年 10 月 7 日
19:30~21:30
第2回
平成 22 年 10 月 13 日
10:00~12:00
開催実績
主な議事
・比較表示ルール検討WGの設置について
・削減率表示等における比較表示ルールの検討
・削減率表示等における比較表示ルールの検討
②WGにおける検討内容
表示の多様化のうち「削減率」に関する表示については、2つの異なる製品の比較を行う
必要が生じる。また、追加表示においても比較に関する表示が想定されるため、こうした「比
較表示」に関する算定方法及び表示方法の考え方について検討した。
a)比較表示を行う製品が備えるべき基本的な条件
「削減率」を算定・表示するには、「削減前」と「削減後」の2つの製品について、そ
- 22 -
れぞれCFP算定を行い、その差を比較する必要がある。試行事業では、比較する2つの
対象製品について、ISO14025・14040・14044及び将来的にはISO1
4067の記載をベースとして、以下の条件を満たすこととする。
・ 同一のPCRを用いて算定されていること。
・ 原則として自社製品どうしの比較であること。
・ 同一の機能もしくは同等であること。(削減主張の場合は同等以下の機能との比較
も可)
・ データの収集方法が同等であること。
・ 検証を受けた数値間の比較であること。
・ 比較条件に関する情報開示(*)を行うこと。
●自社製品比較のみへの限定について
「在り方(指針)」における暫定措置の記述として、「自社比較」のほか「業界標準値
等との比較」を認めていることから、自社製品どうしの比較に限定する必要はない、と
の意見があった。しかし、業界標準については、当面、具体的な基準値を定めることが
困難であり、将来課題となる。当面は、自社製品どうしの比較以外は実質不可能である
と思われることを踏まえ、「原則として」と付記しつつ、自社製品比較のみに限定するこ
ととした。
●情報開示について
カーボンフットプリントマーク本体及び追加情報への表示方法については、表示の多
様化検討WGへ委ねることとし、本WGでは表示において留意すべき考え方について整
理した。比較条件に関する情報開示が重要であることから、カーボンフットプリント・
ウェブサイトにおいてCFP検証済み製品の「詳細情報」を活用すべきとした。その際
には、「当該製品における販売単位あたりのライフサイクル全体の絶対値」「機能が同一
もしくは同等であることの説明」を必ず記載し、さらに、削減ポイントの解説を付記す
ることが望ましい、とした。
b) 比較表示を行う上で注意すべきポイント
a)で整理した基本的条件にもとづき比較表示を行うにあたって注意すべきポイントを以
下に示す。
●同一もしくは同等の機能の考え方
(基本的な考え方)
・ 比較表示を申請する事業者は、同一あるいは同等の機能であることを説明しなけれ
ばならない(きちんと説明できることを条件に比較表示を認める)。
・ 可能な場合にはJIS規格等を活用して、同等であることを示してもよい。
- 23 -
(その他のポイント)
・ カーボンフットプリント制度で、独自に各製品の「同等の機能」を定義する(例:
PCR等に書き込む)ことは技術的に困難であり、また、仮に定義した場合には、
各種規格等との競合による混乱を招く恐れがある。したがって、既にある定義やル
ールを活用することが望ましい。
・ 会計監査については「合理的な保証水準」と呼ばれ、その内容についても監査人が
責任を負うことが求められる。これに対して、CFP検証や環境報告書の第三者意
見は「限定的な保証水準」と呼ばれるものであり、その内容(数値等)にまで責任
を負う必要がない。
●削減率の比較
(基本的な考え方)
・ 削減率どうしを比較すべきではない。
●一次データと二次データ
(基本的な考え方)
・ 原則として、一次データのみの比較とする。
・ 二次データの差異のみによる比較はすべきではない。例えば、CO2原単位を更新
することによって、CO2が削減した場合には、データ収集方法が異なることにな
り、比較できない。
・ CO2削減を目的とした素材切り替えの場合は、それぞれの素材生産の2次データ
を原単位として用いた算定を行うことが多い。しかし、この場合には、素材を切り
替えるために設計を見直し、適切な素材使用量を求めることが一次データの収集と
差異を生み出すとみなせることから、単なる二次データの比較ではないとも言える。
したがって、比較表示を行ってよいこととする。
●部分削減表示
(基本的な考え方)
・ 一部のライフサイクル段階等に限定した部分削減表示については、追加表示のみ認
める。その場合においても、ライフサイクル全体でのCFP削減率が記載されてい
ること、及びライフサイクル全体に占める寄与度が十分に大きいことを条件とする。
(その他のポイント)
・ 部分削減表示のみを行った場合、優良誤認を招く恐れがある。このために、全体の
CFP削減率の表示を必須とする。
・ 全体のCFP削減率は、「削減率マーク」としてマーク本体に表示するケースと、
部分削減表示と並んで追加表示とするケースが考えられる。
・ 部分削減表示は、ISO14025( 6.7.2)において「情報モジュールに基づく
- 24 -
タイプⅢ環境宣言の比較には、省略された製品のライフサイクル段階の環境影響が
重要(寄与が大きくない)でないこと、又は省略されたライフサイクル段階のデー
タが許容されるデータ不確実性の範囲内で同一であることが要求される。」とされ
ていることから、ライフサイクル全体に占める寄与度が大きいものについてのみ認
めることとする。
●最低削減率
(基本的な考え方)
・ 削減率を表示する場合には、ライフサイクル全体でCFP削減が実現していること
を検証することを原則とする。
(その他のポイント)
・ 削減率を表示するにあたっては、例えば「1%以上削減しなければ、削減率を表示
してはならない」といったルールを定めるべきかどうか検討した。
・ 使用・維持管理段階がライフサイクル全体の90%以上を占める場合などでは、生
産段階で画期的なプロセス改善を実現しても、削減率はみかけ上、小さな比率にと
どまってしまうため、制限を設けるべきではないと判断された。
・ カットオフ基準を考慮して、5%未満の削減率表示は認めるべきではない、とする
考え方もある。しかし、同一のデータ収集方法であれば、システム境界もカットオ
フ基準も揃っていることから、5%未満の削減であっても表示してよい。
・ カットオフルールが異なる場合、そもそも比較表示を認めるべきではない。
●過去のデータとの比較
(基本的な考え方)
・ 過去の製品との比較について、比較可能な年数制限は設けない。10年前のデータ
であっても、両方検証を受けられるならば、比較表示してよい。
(その他のポイント)
・ 10年前の製品との比較であっても、そのCFP算定には、現時点の二次データを
用いる。
③ルール検討委員会への報告と成果
検討結果については、第5回及び第7回ルール検討委員会にて報告し、委員会における議
論を経て、運用ルール「CFPの削減率の算定方法について」(付属書D)として発行された。
今後の試行事業においては、表示の多様化に関する暫定措置の一つとして、「削減率」マー
クの適用に活用されるほか、追加表示において削減率の記載がなされる場合にも活用される。
- 25 -
(4)サービス検討WG
①WGの開催
「サービス検討WG」は、「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」の下に、サー
ビスに関するPCR策定及びCFP算定・検証を行う際の考え方を整理するために設置され
た。
委員名簿を表4.2-9 に、WG開催実績を表4.2-10 に示す。WG座長は玄地委
員が務めた。また、WG会合は非公開で3回開催し、その検討結果については、第8回ルー
ル検討委員会にて報告した。
表4.2-9 サービス検討WG
玄 地
裕
委員名簿
(敬称略・順不同)
独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門
素材エネルギー研究グループ グループ長
柴原
尚希
名古屋大学大学院 環境学研究科
都市環境学専攻 助教
辰巳
菊子
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
常任理事
林
清 忠
藤 井
松野
実
泰也
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
中央農業総合研究センター
環境影響評価研究チーム チーム長
独立行政法人国立環境研究所 アジア自然共生研究グループ
環境技術評価システム研究室 研究員
東京大学大学院 工学系研究科
マテリアル工学専攻 准教授
表4.2-10 サービス検討WG
開催実績
日程
主な議事
第1回
平成 23 年 1 月 20 日
10:00~12:00
第2回
平成 23 年 2 月 10 日
16:00~18:00
・サービス検討WGの設置について
・カーボンフットプリントにおける「サービス」の取り扱
いについて
第3回
平成 23 年 2 月 28 日
10:00~12:00
・カーボンフットプリントにおける「サービス」の取り扱
いについて
・サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証の
考え方について
・来年度試行事業におけるサービス関連テーマの取
り扱いについて
- 26 -
②WGにおける検討内容
はじめに、カーボンフットプリント制度では、商品・サービスに関するライフサイクル全
体のCO2排出量を算定・表示することを目指しているが、平成21年度試行事業では、サ
ービスに関連すると思われるPCRにおいて、策定・認定が難航したことを確認した。その
原因として、工業製品や農産物等に比べ、カーボンフットプリントのベースとなるLCAの
研究評価事例が少ないことや、無形物であり、且つ多岐にわたるサービスの特徴にあわせた
評価手法について、関係者が十分に納得できる方法を生み出せなかったことが挙げられる。
次に、サービスの定義について検討し、「他人のために、効用や満足を提供する労務又は便
益であって、独立して商取引の対象となる役務のこと」と整理した。そして、このサービス
については、これまでの基本ルール(「在り方(指針)」「PCR策定基準」)の適用や解釈に
補足や見直しが必要であることを確認した。
そこで、サービスに関するPCR認定やCFP検証を進めるための考え方や注意事項につ
いて検討し、これを後述する「サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証の考え方」
の素案としてとりまとめた(検討内容の詳細については同文書(付属書F)参照)。
最後に、今後の試行事業における、サービスの取り扱いについて検討した。
③ルール検討委員会への報告と成果
検討結果については、第8回ルール検討委員会にて報告し、委員会における議論を経て、
「「在り方(指針)」及び「PCR策定基準」の内容及び解釈等について補足する文書「サー
ビスに関するPCR策定及びCFP算定・検証の考え方」(付属書F)として発行された。
なお、今後の試行事業におけるサービスの取り扱いについて、以下のように整理した。
・ 「考え方」によるサービスの定義を満たし、かつ、CFP/LCAの評価事例がある、
等の一定条件を満たすサービスについては、通常のCFP算定・表示試行事業にもとづ
き、PCR認定及びCFP検証の試行を進める。
・ その他のサービスについては、公募により、CFP試算の支援を行う実証事業を行う。
・ 平成23年度試行事業における実証実験の詳細については、平成23年度試行事業開始
後に改めて事務局等にて検討を行い、実施することとする。
- 27 -
(5)広範囲を用いた実証事業
平成21年度の試行事業において発生した細分化されたPCRの乱立を防ぐため、平成2
2年7月に行われた基本ルールの改定では、個々のPCRが対象とする製品カテゴリー範囲
を定義するにあたっては、少なくとも、
・ 機能・特性、
・ 用途(例:業務用、民生用 等)、
・ 法規制事項、
・ その他の関連基準(例:業界基準 等)、
を考慮し、可能な限り広く定義することが議論された。
そこで、PCRの階層構造の考え方及び個別のPCRが対象とすべき製品群の範囲を検討
することを目的として、対象範囲の広いPCR(以下「広範囲PCR」という。)を試験的に
策定し、実際の製品における算定・表示や検証の実現可能性についての実証事業を行った。
- 28 -
①広範囲PCRを用いた実証事業の概要
a)実証事業の目的と進め方
●実証事業の目的
・ 広範囲PCRを用いたCFP算定及び検証について、以下の実証を行う。
¾ 広範囲PCRによるCFP算定・表示とその検証の可能性
¾ 広範囲PCRを行う上での課題と改善方法の検討
・ 広範囲PCRの試験的運用を通じて、PCRの階層構造の考え方を整理するととも
に、個別のPCRが対象とすべき商品群の範囲について検討する。
●実証事業の進め方
・ 以下の 2 つの広範囲PCRの原案をカーボンフットプリント制度試行事業事務局に
て策定の上、PCR認定委員会にて審査を行った。
¾ PA-BR-01 広範囲 PCR(エネルギー非使用型製品)
¾ PA-BQ-01 広範囲 PCR(エネルギー使用型製品)
・ 認定された広範囲PCRを用いてCFP算定・表示とその検証を行うことを希望す
る事業者を公募し、実証を行った(採択結果については、表4.2-11 を参照)。
表4.2-11 広範囲PCRを用いた実証事業の採択結果一覧
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
対象製品
バタークッキー ≪バター5%≫
ワンタン しょうゆ味
BOX あずきバー
ポリッピー しお味
ステーキソース大根おろし
210g
豚肉がおいしい生姜焼のたれ
210g
晩餐館焼肉のたれ焙煎にんにく
210g
揚げ作り
マドレーヌ
認定PCR
PA-BR-01
広範囲PCR
(エネルギー非
使用型)
事業社名
株式会社ブルボン
東洋水産株式会社
井村屋株式会社
株式会社でん六
日本食研ホールディング
ス株式会社
株式会社菓匠三全
- 29 -
b)実証事業の活動実績
表4.2-12 に広範囲PCRを用いた実証事業の活動実績を示す。
表4.2-12 広範囲PCRを用いた実証事業活動実績
項目
公募
採択
期間
2010/9/6 ~ 9/15
10/1
(事務局によるコンサル支援)
10/29
検証申請
事前検証
~11/15
11/22
CFP検証パネル
エコプロダクツ展
12/9 ~ 12/11
2011/2/23
CFP検証パネル
実証事業のとりまとめ
1月 ~ 3月
3/9
ルール検討委員会への報告
備考
6 社採択
5 社審議
5 社展示
2 社審議
第 8 回ルール検討委員会
c)実証事業における検証方法
●広範囲PCRにおけるCFP検証方式
・ 通常のPCRにおけるCFP検証においては、検証員はPCRに対する適合性の確
認によりCFP検証を行う。
・ 広範囲PCRにおけるCFP検証においても、通常のPCRと同様に、検証員は広
範囲PCRに対する適合性の確認によりCFP検証を行った。
・ ただし、広範囲PCRの要求事項は、通常のPCRの要求事項より具体的でないこ
とから、自己宣言として算定条件を記載した「補足説明資料」を事業者が作成し、
「広範囲PCR」及び「補足説明資料」に対する適合性の確認によりCFP検証を
行った(図4.2-1)。
・ ここで、CFP検証においては「補足説明資料」に対して、PCRレビューのよう
な客観性に関する妥当性確認は行っていない。ただし、検証の一環として、補足説
明資料の内容面については申請書「(4)別紙」の確認を行い、明らかに不適切な
シナリオ設定等については、広範囲PCRの要求事項に基づき修正を求めている。
¾ 「補足説明資料」が公開されるにあたり、その妥当性はCFP検証による保証
の対象外となる(検証員の責任範囲外とする)。
- 30 -
指針等
事前レビューを経てPCR認定委員会で認定済み
広範囲PCR
通常はPCR策定時に
レビューが行われる
ような算定条件を
独自に設定
事業者が事務局支援を受けつつ自らの責任で
システム境界や使用時のシナリオ等の条件を設定
追加条件設定
(シナリオ等の補完)
CFP検証申請書
補足説明資料
検証員およびCFP検証パネルが、検証申請書に対して、上位文書
(指針等、広範囲PCR)との適合性を評価し、数値の妥当性を検証
※独自に設定した追加条件についても上位文書との適合性を確認
広範囲PCRの場合、要求事項が通常のPCRより具体的でないこと
から、算定条件を記載した「補足説明資料」を
自己宣言として作成し公開することで、算定結果の信頼性を確保
※補足説明資料については検証の対象外
・ CFPの数値自体は事業者の責任(通常PCRと同様)
・ 広範囲PCRを用いた実証事業による実験的成果であることを宣言
・ 補足説明資料の開示
図4.2-1 広範囲PCRを用いた実証事業における検証方式のイメージ
●補足説明資料について
・ 事業者は、事務局による支援のもと、公開用の「補足説明資料」を作成する。
・ ここで、「補足説明資料」とは、広範囲PCRの要求事項を対象製品ごとに算定条
件を記載した文書である。具体的には、システム境界や使用時のシナリオ等、広範
囲PCRで定められた要求事項を補足するための項目を記載した。
・ フォーマットはPCRと同一であり、各項目には広範囲PCRからの差分を記載し
た(表4.2-13 )。
表4.2-13 補足説明資料の記載内容について
広範囲PCRの規定
10 使用・維持管理段階
10-1 データ収集範囲に含まれるプロセス
消費者が家庭等に持ち込んでから消費また
は当該製品の想定寿命を全うするまでのす
べてのプロセスを対象とする。
10-2 データ収集項目
・ 製品使用に伴い必要となるエネルギーや
水の量
10-5 シナリオ
・ 対象製品から一般的に想定されるシナリ
オを適用する(例、米における炊飯、衣料用
粉末洗剤における洗濯など)
…
補足説明資料の記載例
(「ワンタン しょうゆ味」の場合)
10 使用・維持管理段階
10-1 データ収集範囲に含まれるプロセス
次のプロセスを対象とした。
・ 商品の調理(水の沸騰)に係るプロセス
10-2 データ収集項目
・ 水の使用量
・ 水の沸騰に係るエネルギー
10-5 シナリオ
・ 水の沸騰に係るエネルギーは、
「PA-BH-02 【改訂版】即席めん」におけ
る使用シナリオを引用し、ガスコンロ(都市
ガス 13A)の使用に伴う GHG 排出量を算定
した。
- 31 -
d)実証事業におけるCFP算定結果
表4.2-14 に実証事業におけるCFP算定結果を示す。「BOX あずきバー」及び
「ワンタン しょうゆ味」においては、既存のPCRを参考にした使用・維持管理段階の
シナリオを設定した上で算定した。
表4.2-14 より、製品の種類によって、ライフサイクル全体に対する各段階の温
室効果ガス排出量の占める割合が異なっているのがわかる。
表4.2-14 実証事業におけるCFP算定結果
No.
事業社名
製品名
ライフサイクル GHG 排出量
廃棄・リサイクル
バタークッキー
≪バター5%≫
1
株式会社ブルボン
流通
ライフサイクル
GHG排出量
生産
430 g-CO2e
原材料
調達
ワンタンしょうゆ味
使用・維持管理
廃棄・
リサイクル
流通
2
東洋水産株式会社
生産
BOX あずきバー
ライフサイクル
GHG排出量
293 g-CO2e
原材料
調達
使用・維持管理 廃棄・リサイクル
流通
3
ライフサイクル
GHG排出量
井村屋株式会社
630 g-CO2e
生産
- 32 -
原材料
調達
ポリッピー
廃棄・リサイクル
しお味
流通
4
ライフサイクル
GHG排出量
株式会社でん六
生産
ステーキソース大根おろし
210g
5
日本食研ホールデ
ィングス株式会社
183 g-CO2e
原材料
調達
廃棄・
リサイクル
ライフサイクル
GHG排出量
流通
生産
424 g-CO2e
原材料
調達
流通
廃棄・リサイクル
マドレーヌ
6
生産
株式会社菓匠三全
- 33 -
ライ フサイ クル
G HG 排出量
492 g-CO 2 e 原材料
調達
e)広範囲PCRの検証後の取り扱い
・ 広範囲PCR及び追加条件設定を用いた検証の結果、適切と認められる場合には、通常
のCFP検証と同様にCFPマークの使用許諾を与え、事業者の協力の下、試験販売等
の実証事業を試みた(※2 月中旬より「でん六”ポリッピーしお味”」が全国で販売開
始(図4.2-2))。
・ 使用許諾期限は他のCFPと同様に、平成 23 年度までとした。ただし、広範囲PCR
を用いた実証事業であることの「識別子」を併記した(図4.2-3)。また、追加条
件設定を記述した「補足説明資料」を公開した。
図4.2-2 広範囲PCRの表示例(でん六
”ポリッピーしお味”)
広範囲PCR
図4.2-3 広範囲PCRの表示例(ブルボン
- 34 -
”バタークッキー”)
②広範囲PCRを用いたCFP算定及び検証について
a)広範囲PCRの実証事業のためのCFP算定・検証
●実施概要
事務局のコンサルティング支援の下、算定事業者が広範囲PCRを用いたカーボンフッ
トプリントの算定を行い、試行事業における事前検証及びCFP検証パネル(特別会合と
して開催)にて、算定結果の妥当性の検証・審議の実証事業を行った。そして、実証事業
における関係者(支援コンサルタント、パネル委員・検証員及び算定事業者)から広範囲
PCRを用いた算定・検証に関する意見を収集した。
なお、事務局のコンサルティング支援は、以下のスキームにて実施した。
・ キックオフミーティングの開催
¾ 広範囲PCRを用いた実証事業の概要説明
¾ 全体スケジュール説明
¾ 具体的作業内容の説明
・ CFPの算定に必要となるデータの収集に関するアドバイス
¾ 対象製品を構成する原材料とその調達量
¾ 調達する原材料の輸送に関する情報
¾ 対象製品を生産する工場の入出力データ
¾ 対象製品の出荷に関する情報
¾ 使用・維持管理段階のシナリオ
・ CFPの算定結果の計算チェック
・ 事前検証や検証パネルでの指摘に対するアドバイス
●検証パネルの審議案件
<2010 年 11 月 22 日:5 社、5 件(表4.2-15 )>
表4.2-15 2010 年 11 月 22 日の検証パネルの審議案件
No
1
2
3
4
5
対象製品
バタークッキー ≪バター5%≫
ワンタン しょうゆ味
BOX あずきバー
ポリッピー しお味
ステーキソース大根おろし
210g
- 35 -
事業社名
株式会社ブルボン
東洋水産株式会社
井村屋株式会社
株式会社でん六
日本食研ホールディング
ス株式会社
<2011 年 2 月 23 日:2 社、4 件(表4.2-16 )>
表4.2-16 2011 年 2 月 23 日の検証パネルの審議案件
No
1
2
3
4
対象製品
豚肉がおいしい生姜焼のたれ
210g
晩餐館焼肉のたれ焙煎にんにく
210g
揚げ作り
マドレーヌ
事業社名
日本食研ホールディング
ス株式会社
株式会社菓匠三全
●支援コンサルタントの主な意見
・ 実証事業における検証は、「広範囲PCR」及び「補足説明資料」に対する適合性
の確認であり、「補足説明資料」自体は検証の対象外であったが、事前検証及び検
証パネルにおいて「補足説明資料」自体の議論が展開された。そのため、実証事業
における検証方式を事業者、検証員及び検証パネル委員に周知させる必要がある。
・ 製品の使用維持管理段階のシナリオは、事業者によって「補足説明資料」に記載さ
れることとなるが、どのようなシナリオを設定すればよいか事業者が判断に迷うこ
とがあった。
・ PCRの階層構造の整理やPCRの適正な製品カテゴリーを検討するためには、あ
る程度統一された考え方の下に作成された「補足説明資料」が必要である。
・ LCAを実施する際には、LCAを実施する目的を明確にし、その目的にあった算
定方法等を採用する必要がある。そのため、広範囲PCRの実証事業においても、
その目的を再確認し、目的にあった算定方法を採用する必要がある(例えば、実証
事業を、個別PCRを策定する前段階の(ライフサイクル GHG 排出量を算定し、
システム境界や一次データ収集項目等を特定する)プロセスと位置付ける場合、ラ
イフサイクル GHG 排出量を厳密に計算する必要は無く、緩やかなルールの下で算
定することでも目的は達成できると思われる)。
●パネル委員・検証員の主な意見
・ 広範囲PCRの規定内容が具体的でないため、通常のPCRに比べて解釈の幅が広
い。そのため、算定結果の妥当性の判断には専門性が要求される。また、事業者間
の算定結果には、不整合(例:使用するシナリオが異なる)が想定される。
・ 広範囲PCRの検証に対して、使用時のシナリオ設定以外の部分については、大き
な違和感はなかった。
・ 事業者が作成する「補足説明資料」は、自己宣言という位置づけだが、算定結果の
信頼性を確保するためには、「補足説明資料」の妥当性の確保が重要なのではない
か。
・ 個別PCRの在り方として、「広範囲PCR」をベースとして「補足説明資料」で
- 36 -
補完する形でもよいのではないか。
●算定事業者の主な意見
・ 広範囲PCRの規定内容が具体的でないため、通常のPCRに比べて解釈の幅が広
い。そのため、算定結果が妥当であるかどうかの判断が困難であった。また、事業
者間の算定結果には、不整合(特に、流通段階以降)が想定される。
・ 自社内においても、算定結果の不整合が生じる可能性があるため、継続して評価を
おこなっていくためには、PCRが必要となるのではないか。
・ 広範囲PCRのシステム境界は広く設定されている(明確でない)ため、データの
収集が困難であった。
・ 広範囲PCRによる算定は自由度が大きいが、決して不可能ではないと感じた。
b)広範囲PCRの課題
実証事業における関係者から収集した意見を整理し、広範囲PCRの課題としてまとめ
た。以下に、それぞれの課題を記載する。
●広範囲PCRによる算定について
<課題1>
・ 広範囲PCRは、通常のPCRに比べて解釈の幅が広いため、前例や同業他社との
不整合が生じることが想定される(特に使用時のシナリオ)。そのため、前例や同
業他社との不整合をどのように整理するのか、また使用時のシナリオをどのように
設定するのが課題である。
<課題2>
・ 広範囲PCRの算定には、算定事業者自身が「補足説明資料」を作成する必要があ
り、その作成にはLCA等の知識が求められる。そのため、算定事業者の力量をど
のように確保するのかが課題である。
<課題3>
・ LCAを実施する際には、LCAを実施する目的を明確にし、その目的にあった算
定方法等を採用する必要がある。そのため、広範囲PCRの実証事業においても、
その目的を再確認し、目的にあった算定方法を採用する必要がある。
●広範囲PCRの検証について
<課題1>
・ 実証事業における検証は、「広範囲PCR」及び「補足説明資料」に対する適合性
の確認であり、「補足説明資料」自体は検証の対象外であったが、事前検証及び検
証パネルにおいて「補足説明資料」自体の議論が展開された。
- 37 -
●広範囲PCRの今後について
<課題1>
・ PCRの階層構造の整理やPCRの適正な製品カテゴリーを検討するためには、あ
る程度統一された考え方の下に作成された「補足説明資料」が必要である。
<課題2>
・ 算定結果の信頼性は、「補足説明資料」の妥当性に依拠するところが大きい。その
ため、上記の算定事業者が作成する、「補足説明資料」の作成方法及び検証並びに
公開方法はどのようにするのかが課題である。
・ 上記のような課題は残るが、広範囲PCRによる算定は可能であると思われ、シス
テム境界や一次データ収集項目等の選定に資する重要な情報は得られると思われ
る。そのため、広範囲PCRを、CFP制度において、どのような位置付けとする
のかが課題である。
- 38 -
③PCRの階層構造の考え方について
ここでは、広範囲PCRの試験的運用を通じて、PCRの階層構造の考え方及び個別のP
CRが対象とすべき商品群の範囲について整理するために、
・ 実証事業の対象製品を日本標準商品分類へあてはめるとどのような傾向が見られるの
か
・ 実証事業において作成した補足説明資料を分析するとどのような結果が得られるのか
・ CFPに関連する各国のプログラムにおいては、どのような分類体系になっているのか
を検討した。
以下にそれぞれの検討結果及び整理の方向性を示す。
a)実証事業の対象製品における日本標準商品分類へのあてはめ
平成22年度の試行事業においては、適度な商品分類の粒度として、日本標準商品分類
(JSCC)における「小分類」または「細分類」程度が望ましいと、ルール検討委員会の
議論で取上げられた(図4.2-4)。
図4.2-4
日本標準商品分類(JSCC)の例
図4.2-5に対象製品の日本標準商品分類への当てはめ結果を示す。実証事業の対象製
品を、日本標準商品分類へ当てはめると、「細々分類」に属すると思われる。
- 39 -
(分類の例)
大分類
7
食料品、飲料及び製造たばこ
大分類
7
食料品、飲料及び製造たばこ
中分類
72
農産加工食品
小分類
725
めん・パン類
細分類
7251
めん類
細々分類
72513
即席めん類
小分類
727
菓子類
(※小分類「727
⇔
ワンタン
しょうゆ味
菓子類」の下に「細分類」はなし)
細々分類
72701
ビスケット類
⇔
バタークッキー
細々分類
72706
半生菓子類
⇔
マドレーヌ
細々分類
72716
冷菓
⇔
BOX あずきバー
細々分類
72799
その他の菓子類
⇔
ポリッピー
中分類
75
その他の食料品
小分類
751
調味料及びスープ
細分類
7517
調味料関連製品
細々分類
75174
焼肉等のたれ
⇔
ステーキソース大根おろし
しお味
図4.2-5 対象製品の日本標準商品分類への当てはめ結果
平成22年度の試行事業においては、「小分類」または「細分類」でのPCRを推奨して
いるため、この「細々分類」に基づいたPCRの製品カテゴリー範囲の特定は、細かすぎる
ように思える。そのため、同分類にある製品をまとめて、「小分類」や「細分類」を検討する
必要があると思われる。
一方、CFPの算定や表示を行う上での特性から、製品カテゴリー範囲を特定する場合は、
日本標準商品分類ではなく、以下のような視点から製品カテゴリー範囲を特定することが重
要であると思われる。
<重要と想定される視点>
・ データ収集基準
¾ システム境界、
¾ 一次データ収集項目、…
・ 設定するシナリオ
¾ 使用時のシナリオ、…
・ 表示上配慮する点
¾ 賢い使い方への誘導、…
など
- 40 -
b)補足説明資料の分析
●補足説明資料の分析方法
<補足説明資料の内容の分類化>
・ 公開されている補足説明資料の内容を、共通部分と製品特有の部分に分類化し、C
FPの算定や表示を行う上で、どのような視点がPCRの製品カテゴリー範囲を特
定するのに重要であるかを検討する(図4.2-6)。
<補足説明資料の内容>
•バタークッキー
•ワンタン しょうゆ味
•あずきバー
•ポリッピー しお味
•ステーキソース大根おろし210g など
どのような傾向が
みられるのか?
補足説明資料で記載した
各製品の共通部分を分類
補足説明資料で記載した
製品特有の部分を分類
図4.2-6 補足説明資料の分析方法(内容の分類化)
<補足説明資料を基としたPCR策定>
・ 分類化した補足説明資料の分析結果を基に、広範囲PCRを前提としてPCRを策
定し、①どのようなPCRの策定が想定されるか、そして、②どのような製品カテ
ゴリーが得られるのかを検討する(図4.2-7)。
<補足説明資料の分析結果>
•バタークッキー
•ワンタン しょうゆ味
•あずきバー
•ポリッピー しお味
•ステーキソース大根おろし210g など
①どのようなPCRの策定が想定されるか?
②どのような製品カテゴリーが得られるのか?
図4.2-7 補足説明資料の分析方法(PCR策定)
- 41 -
●補足説明資料の内容の分類化
図4.2-6の分析方法により、補足説明資料の内容を分類化した結果を図4.2-
8に示す。
<補足説明資料の内容>
No.項目
1. 適用範囲
<補足説明資料で記載した
各製品の共通部分>
容器包装PCRの引用
2. 製品の定義
3. 引用規格およびPCR
副資材の製造・輸送プロセスの除外
原材料の輸送シナリオ
4. 用語および定義
5. 対象範囲
6. 全段階に共通して適用する項目
7. 原材料調達段階に適用する項目
8. 生産段階に適用する項目
11.廃棄・リサイクル段階に適用する項目
副資材の製造・輸送プロセスの除外
商品の売れ残りに関する規定
廃棄物の輸送シナリオ
主にシステム境界に
関する規定
12.二次データ適用項目
13.表示方法
附属書
使用・維持管理段階に関する
PCRの引用
・あずきバー:ハムソーセージ類
・ワンタン:即席麺
副資材の輸送シナリオ
9. 流通段階に適用する項目
10.使用・維持管理段階に適用する項目
<補足説明資料で記載した
製品特有の部分>
主に使用シナリオに
関する規定
倉庫保管プロセスに関する規定
・あずきバー:算定対象
・その他:算定対象外
使用・維持管理プロセスのシナリオ
・あずきバー:冷蔵庫保管
・ワンタン:水の沸騰
・その他:GHG排出量はゼロ
図4.2-8 補足説明資料の分析結果(内容の分類化)
図4.2-8より、各製品の共通の部分は、「容器包装PCRの引用」、「副資材の製
造・輸送プロセスの除外」及び「商品の売れ残りに関する規定」等であり、主にシステ
ム境界に関する規定であることがわかる。一方、製品特有の部分については、「使用維持
管理段階に関するPCRの引用」、「倉庫保管プロセスに関する規定」及び「使用維持管
理プロセスのシナリオ」であり、主に使用シナリオに関する規定であるのがわかる。
- 42 -
●補足説明資料を基としたPCR策定
図4.2-7の分析方法により、補足説明資料の内容からPCRの策定を想定した場
合の結果を図4.2-9に示す。
大分類
7
食料品、飲料及び製造たばこ
中分類
72
農産加工食品
小分類
725
めん・パン類
細分類
7251
めん類
細々分類 72513
即席めん類
小分類
菓子類
727
PCR名:エネルギー非使用型製品
(常温保管、使用段階未計上)
<広範囲PCRの規定内容>
+
3. 容器包装PCRの引用
7. 副資材の製造・輸送プロセスの除外、
原材料の輸送シナリオ
8. 副資材の輸送シナリオ
9. 副資材の製造・輸送プロセスの除外、
商品の売れ残りに関する規定、廃棄物の輸送シナリオ
※727は、小分類 下に 「細分類」 はなし
PCR名:エネルギー非使用型製品
(常温保管、使用段階計上)
細々分類 72701
ビスケット類
細々分類 72706
半生菓子類
細々分類 72716
冷菓
<上記(常温保管、使用段階未計上)の項目>
+
3. 使用・維持管理段階に関するPCRの引用
10.使用・維持管理プロセスのシナリオ
細々分類 72799
その他の菓子類
小分類
751
調味料及びスープ
細分類
7517
調味料関連製品
細々分類 75174
焼肉等のたれ
PCR名:エネルギー非使用型製品(冷凍保管)
<上記(常温保管、使用段階未計上の項目>
+
3. 使用・維持管理段階に関するPCRの引用
9. 倉庫保管プロセスに関する規定
10.使用・維持管理プロセスのシナリオ
の規定番号を表す。
※上記の数字は、PCR
上記の数字は、PCRの規定番号を表す。
図4.2-9 補足説明資料の分析結果(PCR策定)
図4.2-9より、想定されるPCRとしては、「エネルギー非使用型製品(常温保管、
使用段階未計上)」、「エネルギー非使用型製品(常温保管、使用段階計上)」及び「エネ
ルギー非使用型製品(冷凍保管)」の 3 つが想定され、製品カテゴリーとしては、各製
品の共通の部分をまとめた、「エネルギー非使用型製品(常温保管、使用段階未計上)」
がベースとなり、その下に製品特有の部分が規定された「エネルギー非使用型製品(常
温保管、使用段階計上)」と「エネルギー非使用型製品(冷凍保管)」が想定された。
●補足説明資料の分析結果
上記の検討より、製品カテゴリー範囲を特定するのに重要である項目としては、「シス
テム境界に関する規定」と「使用シナリオに関する規定」であり、「システム境界に関す
る規定」は製品間で共通する部分が多く、「使用シナリオに関する規定」は製品特有の部
分であった。
また、想定されるPCRとしては、製品間で共通する部分が多い「システム境界に関
する規定」をまとめたPCRがベースとなり、製品特有の部分である「使用シナリオに
関する規定」を追加したPCRがそのベースのPCRの下位に位置付けられると考えら
れる。
- 43 -
c)各国のCFP関連プログラムの製品カテゴリーについて
表4.2-17 に各国のカーボンフットプリントに関連するプログラムにおける、製品
カテゴリーを示す。
表4.2-17 各国のCFP関連プログラムの製品カテゴリー
EPD の製品カテゴリー
(⇒ 国連中央生産分類(CPC)を利用)
・ 農産品、林産物、水産物
・ 採石、鉱石、石
・ エネルギー、水
・ 食品、飲料
・ 繊維製品、家具
・ 木材、紙
・ ゴム、プラスチック、ガラス、化学製
品
・ 金属
・ 機械器具
・ 輸送設備
・ サービス
・ 建築
韓国のCFP制度の製品カテゴリー
・
・
・
・
・
資本財
エネルギー非消費耐久財
消耗品
サービス
エネルギー消費耐久財
フランスのCFP制度の製品カテゴリー
・ 食品・ペットフード
・ 電気・電子製品
・ 洗剤・ガーデニング商品
・ ボディケア用品
・ 衣服・布地・靴・鞄
・ 建築用・塗装用製品
・ 家具
・ 文化製品・オフィス用品
・ 食器・調理用品
・ スポーツ用品
・ キャンピング用品・ゲーム
・ 非電気製品・金物類
・ 金融サービス
・ 自動車
・ 宝石類
・ 自動車用部品
・ 楽器類
サステナビリティコンソーシアムの
製品カテゴリー
・ 電子機器
・ 食料品、飲料、農産品
・ ホーム・パーソナルケア製品
・ (紙)
表4.2-17 より、各国のカーボンフットプリントに関連するプログラムでは、様々
な製品カテゴリーが存在しているのがわかる。例えば、EPD やフランスのように製品特性(製
品の、機能・特性や用途等)に応じた製品カテゴリーがある一方、韓国やサステナビリティ
コンソーシアムのように、CFPの算定や表示を行う上での特性(システム境界や一次デー
タ収集項目等)に応じた製品カテゴリーがある。
平成22年度の我が国の試行事業においては、「日本標準商品分類(JSCC)」を基に、製
品特性に応じたPCRを策定しており、CFPの算定や表示を行う上での特性は充分に検討
されていない。また、これまで制度に関する議論においても「我が国のカーボンフットプリ
ント制度においては、どのような製品カテゴリーが適切であるか」、という議論は尽くされて
いない。そのため、どのような製品カテゴリーが適切であるかということは、今後の検討課
題の一つであると思われる。
- 44 -
④ルール検討委員会への報告と成果
検討結果については、第 8 回ルール検討委員会にて報告し、委員会における議論を経て、
広範囲PCRによる実証事業を継続し、更なる知見を蓄積するとともに、補足説明資料の分
析結果を基にしたPCR策定、及び、適正な製品カテゴリーを検討することが承認された。
今後の整理の方向性、及び、今後の課題について、以下のように整理した。
●整理の方向性
・ 平成22年度における実証事業においては、
1.エネルギー使用型PCRによる実証がなかったこと、
2.エネルギー非使用型PCRの実証が食品関連のみであったこと、
から、補足説明資料をベースにしたPCR原案策定とその認証の可能性を検討すべ
く、広範囲PCRの実証事業を継続し、さらなる知見の蓄積を行う。
・ 平成22年度の広範囲PCRの実証事業で作成した補足説明資料を基に、適正なP
CRの範囲を分析し、PCR原案の策定を検討する。
・ 補足説明資料の分析結果に基づき、適正な製品カテゴリーを検討する。
●今後の課題
・ 実証事業での対象製品をどのようにPCR策定に結びつけるか。
・ 試行期間終了後における広範囲PCRの活用についての検討が重要。
- 45 -
(6)カーボンフットプリントのマーク表示に関するアンケート調査
①アンケート実施概要
カーボンフットプリント試行事業において使用するマークの表示方法について検討する
にあたり、どのようなマークの場合に消費者が付加価値を感じるか、ウェブアンケートによ
って調査を行った。
調査結果の詳細については、付属書Hに示す。
②ルール検討委員会への報告と成果
調査結果については、経済産業省へ報告を行い、その一部が掲載された試行事業の概要説
明資料(図4.2-10)が、第5回ルール検討委員会にて報告された。
図4.2-10 経済産業省による試行事業説明資料(アンケート関連部分抜粋)
- 46 -
4.2.2
検証スキーム検討委員会
(1)検証スキーム検討委員会の開催
カーボンフットプリント制度では、事業者が製品毎にカーボンフットプリントの数値を算定
し、それらの情報を製品やインターネット上で公開することを目的としている。そのため、事
業者が実施する算定や表示等については、消費者に対する信頼性・透明性を維持することが重
要であり、そのために検証作業を行うことが必要である。一方で、制度の広範な普及を考えた
場合には、この仕組みが事業者の過度の負担とならないことも重要な観点である。
本年度の検証スキーム検討委員会では、平成21年度に行われた「第三者認証スキーム検討
委員会」における調査結果をもとに、上記の観点を踏まえた望ましい検証スキームのあり方を
引き続き検討することを目的とした。具体的には、平成21年度に検討した3つの検証スキー
ム(表4.2-13 )のうち、「システム認証」及び「要員認証(内部検証員を認証する仕組
み)」について、その実証実験を行い、上記の観点(信頼性・透明性及び事業者への負担)から、
より適したスキームの在り方を検討した。また、これとともに検証の責任や検証の有効期間な
ど、実証実験だけでは明確にはならない問題についても、委員会において議論を行った。その
成果として、試行事業の最終年度である平成23年度の検証スキームで明らかにすべき内容を
「次年度の検証スキームに対する提言」としてとりまとめた。「次年度の検証スキームに対する
提言」については、本報告書の附属書Jとして巻末に掲載した。
システム認証
要員認証
パターン:1計算者の認証
計算担当課
計算担当課
計算者
3rd party
verification
計
算
結
果
計算要員
認証機関
認
証
機
関
計算者
Independent
verification
3rd party
verification
計
算
結
果
個品別検証
パターン2:検証員の認証
計算担当課
計算担当課
計算者
計算者
計
算
結
果
検証担当課
検証担当課
検証担当課
内部検証人
内部検証人
内部検証人
サンプリング検証を実施
サンプリング検証を実施
サンプリング検証を実施
検証結果
(計算結果
と宣言)
検証結果
(計算結果
と宣言)
検証要員
認証機関
3rd party
verification
計
算
結
果
検証担当課
内部検証人
計算
結果
組織のCFP算定プロセス(システム)に
ついての第三者認証。
組織内で算定を実施する人材を
認証する。
検証結果
(計算結果
と宣言)
組織内で検証を実施する人材を
認証する。
図4.2-11 実証実験の対象とした検証スキーム
- 47 -
3rd party
verification
第三者検証機関
(or外部検証人)
検証結果
(計算結果
と宣言)
結果を第三者が個別検証。
検証スキーム検討委員会は、4回の会合を開催し、いずれもカーボンフットプリント・ウェ
ブサイト上で告知を行い、公開の形で実施した。
表4.2-18 検証スキーム検討委員会 委員名簿
(敬称略、順不動)
氏名
組織名
所属・役職
稲葉
敦 (委員長) 工学院大学
環境エネルギー化学科
浅川
健一
財団法人日本品質保証機構
地球環境事業部
海野
みづえ
株式会社創コンサルティング
代表取締役
大沼
章浩
社団法人全日本文具協会
専務理事
木村
昌敏
三菱化学株式会社
環境安全・品質保証部・RC企画
久保
真
公益財団法人日本適合性認定協会
常務理事
公文
正人
社団法人全国清涼飲料工業会
専務理事
小松
郁夫
東洋製罐株式会社
資材・環境本部
下井
泰典
株式会社日本環境認証機構
代表取締役
須田
茂
社団法人産業環境管理協会
名誉参与
高橋
庸一
株式会社日立製作所
地球環境戦略室
辰巳
菊子
社団法人日本消費生活アドバイザ
ー・コンサルタント協会
常任理事
奈良
広一
独立行政法人製品評価技術基盤機構
認定センター所長
野網
俊也
社団法人日本フランチャイズチェー
ン協会(株式会社ローソン)
地球環境ステーション
担当マネジャー
則武
祐二
株式会社リコー
社会環境本部
浩
大日本印刷株式会社
環境安全部
シニアエキスパート
服部
順昭
東京農工大学大学院
農学研究院
教授
増井
忠幸
東京都市大学
環境情報学部
長谷川
- 48 -
教授
環境審査課長
認定センター長
環境部
課長
副室長
審議役
学部長
表4.2-19 検証スキーム検討委員会 開催実績
日程
会場
第1回
平成22年7月9日
13:30~15:30
全日通霞ヶ関ビル
8階大会議室(B)
第2回
平成22年9月8日
16:00~18:00
全日通霞ヶ関ビル
8階大会議室(A)
第3回
平成23年1月28日
13:00~15:00
航空会館 7階
702+703会議室
第4回
平成23年3月1日
10:00~12:00
全日通霞ヶ関ビル
8階大会議室(A)
主な議事
・ 検証スキーム検討委員会における検討の範囲
・ 平成21年度の第三者認証スキーム検討委員
会の内容
・ カーボンフットプリント検証スキームの再整理
・ 実証実験の方向性
・ 実証実験WGの設置及び検討経過
・ カーボンフットプリント制度試行事業における検
証方式
・ 実証実験の詳細計画
・ 今後の論点
・ カーボンフットプリント算定・検証・公開システム
要求事項案について
・ 次年度の試行事業におけるシステム(プロセス)
認証の進め方
・ 実証実験以外の論点
・ 次年度の検証スキームに対する提言(骨子案)
について
・ 要員認証実証実験の内容・評価及び今後の取
扱
・ 次年度の検証スキームに対する提言(案)につ
いて
(2)検証スキーム実証実験WGの開催
「検証スキーム検討委員会」の下に「検証スキーム実証実験WG」を設置して、検証スキ
ーム検討委員会の下に実施される実証実験の内容について検討した。具体的には、実証実験
の詳細内容の検討、実施された実証実験の結果に関する分析を行い、システム認証方式及び
要員認証方式の是非について検討し、これらの方式に関して、次年度に向けた提言内容及び
次年度の検証スキーム検討に使用する文書内容をまとめた。
WG会合は非公開の形で4回開催した。
WGの検討結果については、検討委員会の「次年度の検証スキームに対する提言」の中に
反映した。また、次年度の検証スキームの検討(システム認証の実証事業)に使用する文書
として「カーボンフットプリント算定・検証・公開システム要求事項」を作成した。「カーボ
ンフットプリント算定・検証・公開システム要求事項」については、本報告書の附属書Iと
して巻末に掲載した。
- 49 -
(3)実証実験の内容
「検証スキーム検討委員会」及び「検証スキーム実証実験WG」のもと、システム認証及
び要員認証の2つのスキームについて、それぞれ民間の事業者に協力をいただいた。システ
ム認証に関しては、類似の制度である ISO14001 や ISO9001 との同時認証の可能性を図る
ことも想定し、ISO14001 との同時認証の可能性を1事業者に検討いただき、もう1事業者
には ISO14001 とは別に新たにシステムを構築する場合を検討いただいた。要員認証方式に
関しては、実証実験に協力いただく事業者に公募を行い、4事業者からの応募をいただき、
その中から、最終的には2事業者に検証を実施いただいた。
以下にシステム認証及び要員認証に関する実験の内容及びその結果を示す。
①システム認証の実証実験
a) 実証実験の目的
実証実験は、以下の目的で行った。この実証においては、個品別検証方式との比較により、
システム認証方式の手法が妥当であるかどうかが観点となる。また、合わせて実証を行うた
めに、システムの要求事項を作成し、実証を踏まえてその内容をよりカーボンフットプリン
ト制度に適した内容とすることを検討した。
1) 第三者によって認証されたシステム(社内に構築)にもとづいてカーボンフットプリ
ントの算定及び内部検証を実施することにより、第三者による個品別検証(事前検証
+検証パネル)を受けた場合と同等のカーボンフットプリント算定内容・表示方法の
信頼性・妥当性が担保できるか、その可能性を確認すること
2) また、システム認証に必要な要求基準案を作成し、実際に社内にシステムを構築・認
証し、信頼性・妥当性を担保するために必要な要求事項を抽出することを目的とする
b) 実証実験の内容
以下に実証実験の内容を示す。実証実験では、実際に各事業者にシステム構築を行ってい
ただくことを想定したが、ISO14001 などの他のマネジメントシステムとの同時構築に関し
ては、実際の算定ではなく、作成した要求事項の内容で同時構築可能であるかどうか検討い
ただくこととし、要求事項案に対するコメントをいただいた。
また、実際にシステムの構築をいただいた事業者(単独構築)については、システムの構
築、カーボンフットプリントの算定、内部検証を実施いただいた後、その検証結果の評価を
目的に、外部検証員による検証(事前検証)とカーボンフットプリント検証パネル(システ
ム認証実施事業者のための特別会合を実施)による検証を受けていただいた。
- 50 -
①システム認証に必要となる要求基準を作成(ISO9001やISO14001を参考に) ②システム認証のための認証ガイドラインの作成 <システム単独構築の場合> ③事業者によるシステム構築 ④構築されたシステムの審査・認証 <他のマネジメントシステムとの同時構築> ⑤他のシステムとの同時構築の可能性検討・要求基準の課題抽出 ⑥システムの同時審査の可能性検討・ガイドラインの課題抽出 ⑦事業者によるシステムを用いたカーボンフットプリントの算定 ⑧算定結果の検証(第三者検証:事前検証→検証パネル特別会合) ⑨システム要求事項の評価 ⑩①の要求基準の修正(必要に応じて内部検証をシステムに追加するか検討) 実験の流れ
②ガイドライ
ンの作成
③事業者がプ
ロセスを構築
④事務局による
プロセス審査
⑦事業者によ
るCFP算定
⑧算定結果の検証
(第三者検証)
①要求基準の
作成
⑤既存環境マネジメ
ント規格と同時構築
⑨プロセス認証の
要求事項の評価
⑥プロセス
の同時審査
(システムの構築は行わず、スキームの実現可能性の検討のみ実施 )
⑩修正・必要に応じて内部検証をプロセスに追加
図4.2-12 システム認証の実証手順
<システム認証実証実験のためのカーボンフットプリント検証パネル特別会合>
●開催日
2010年12月3日
●パネル委員
検証スキーム検討委員2名
カーボンフットプリント検証パネル委員2名(ともにエコリーフシステム審査
員歴あり)
- 51 -
c) 実証実験のスケジュール
以下に実証実験のスケジュールを示す。単独構築に関する実証実験は、第二回の検証スキ
ーム検討委員会の後、12月の検証スキーム実証実験WGに至るまでの約3ヶ月間で実施し
た。12月の段階で今回の実証の主目的である個品別検証との検証精度の比較は実現できた
が、その後、システムとしては不足していた内部監査や是正処置などの仕組みについても継
続的に進めていただき、その内容については、次年度以降に評価するものと考えている。
また、同時構築に関する検討については、このスケジュールとは別に検討を進め、その内
容はカーボンフットプリント算定・検証・公開システム要求事項案へ反映することで、次年
度の同時構築の実施に資するものとした。
分類
実施内容
合同検討日
(第二回検証スキーム検討委員会)
上旬
9月
中旬 下旬 上旬
24 30
4
10月
中旬 下旬
12
25
上旬
11月
中旬 下旬
24
上旬
2
12月
中旬 下旬
●9/8実施
実証実験の進め方共有化
対象組織、対象製品の決定
全体システム CFPシステム構築
(CFP管理マニュアル等作成)
●
●
原案作成
マニュアル修正(システム構築)
●
各種様式等(システム構築)
●
システム
(プロセ
ス)
構築
各システム運用(算定関連システ
ム
原案作成 ● フロー図作成/記入例作成
実施計画書
CFP算定者による内容作成・運用
算定プロセス
様式作成
CFPデータ収集シート
CFP実施手順書
教育
CFP教育
●算定者 ●検証者
CFP算定
CFP算定実施
内部検証
算定・検証
CFP算定者による内容作成・運用
作成・運用
修正
●10/28実施
第三者検証 事前検証
● 11/24実施
検証レビューパネル
エコプロダクツ展展示
●12/3実施
●12/9‐11実施
図4.2-13 システム認証実証実験の実施スケジュール
d) 実証に協力いただいた事業者の概要
以下に実証に協力いただいた事業者の概要を示す。他のマネジメントシステムとは関係な
く新たにシステムを単独構築した事業者は、エコリーフ、カーボンフットプリントともに経
験のある事業者であり、他のマネジメントシステムとの同時構築を検討いただいた事業者は
カーボンフットプリントの経験は無いが、エコリーフ制度の経験を有する事業者であった。
- 52 -
表4.2-20 実証に協力いただいた事業者の概要
協力事業者
単独構築を実施した
事業者
他のマネジメントシス
テムとの同時構築を
検討した事業者
事業者概要
【事業者の実績】
・エコリーフ環境ラベル、カーボンフットプリント(複数)の経験あり
・エコリーフPCR、カーボンフットプリントPCRの策定にも関与
・ISO14001 取得
【今回の算定者・検証員等の力量】
・算定者:これまでにカーボンフットプリントの計算実績なし
・検証員:同社が算定しているカーボンフットプリントの計算に関与
・今回のシステム構築担当者:ISO14001 の担当者ではない
【事業者の実績】
・エコリーフ環境ラベルの経験あり
・エコリーフPCRの策定にも関与
・ISO14001 取得
【今回の検討を行った担当者の力量】
・ISO14001 の内容に精通
e) システムを単独構築した場合の実証実験の結果
<システムの構築状況>
協力いただいた事業者では、システム(プロセス)認証の要求事項に従い、以下の構築状
況まで実施した。本結果は以下のシステム及び作成文書によって行われた結果に対するもの
である。
なお、構築されていない内部システム監査やマネジメントレビュー、是正措置等は、シス
テム審査上では必要となる事項であるが、これらの項目における「効果」は継続的なモニタ
リングが必要であり、また、構築にも時間を要することから、本実験の段階においてはこれ
らを省く形で実施した。また、カーボンフットプリントの教育・訓練については、システム
化に至ってはいないが、今回は、算定にあたり事務局から算定者への教育が実施された。
是正処置、監査、マネジメントレビュー、教育などは継続的なシステム維持の観点から重
要であり、今後の課題と考える。
また、作成文書の内容は、あくまでも今回の事業者に向けたものである。システムの文書
は要求事項によって、各事業者が構築をすればよいが、その一例として以下のような文書体
系を検討した。
- 53 -
構築済みのプロセス
1.一般要求事項
2.体制及び責任
3.実施計画
4.ライフサイクルデータ収集・算定
使用・
生産
流通
維持
原材料
調達
廃棄・リ
サイクル
データ収集・算定
9.内部システム監査
5.CFP内部検証
CFP開示
6.CFPラベルの使用及
びCFP情報の開示
12. マネジメントレビュー
データ補正 7.公開データの補正
8.CFP教育・訓練
10.是正処置
11.文書・記録管理
図4.2-14 今回のシステム構築状況
CFP算定・検証・公開
システム要求事項
(資料5-1)
組織のCFP管理マニュアル
CFP管理マニュアル
(資料5-2)
1.一般要求事項
:
3.CFPの計画
1.一般要求事項
:
3.CFPの計画
4.ライフサイクルデー
タ収集・算定
:
:
12.マネジメントレ
ビュー
4.ライフサイクル
データ収集・算定
:
:
12.マネジメントレ
ビュー
各種様式
CFP算定・検証・公開システム
を組織内に導入する場合の要求
基準を定めたもの
組織内のシステム(プロセス)
要求事項に合致した組織のCFP
の仕組全般を示した文書。各種
様式も含む。
CFP算定実施計画書
(表紙)
CFPを算定・公開するまでの
スケジュールや体制を明確
にしたもの
CFP管理システム業
務フロー
データ収集、算定、検証、
公開しくみをフロー図で表
したもの。
CFP算定手順書
データ収集、算定、検証、
公開の具体的な手順を記載
したもの
CFP算定実施計画書
CFPデータ収集・算定を行ううえ
で予め明確にしておくべき事項
を示すもの。
具体的には以下の項目を含む。
・データ収集プロセス(ライフ
サイクルフロー図)
・算定の詳細の取り決め
(1次/2次データ、カットオフな
ど)
データ収集シート
CFPデータ収集を行ううえ
で用いる様式(フォーマッ
ト)例
図4.2-15 システムにおける作成文書の例
<実証実験の結果>
以下にシステム認証の実証実験の結果として、内部検証による指摘事項と、第三者検証(事
前検証)における指摘事項及びカーボンフットプリント検証パネル特別会合で得られた示唆
の内容を示す。
- 54 -
【内部検証(自社内での検証)における指摘事項】
1.<算定範囲の誤認に関する指摘(算定漏れ)>
PCR 上、収集が義務付けられているデータの一部が収集されていなかった(一部付属
品に関連するデータの収集・算定漏れ)。
2.<材質の誤認に関する指摘>
算定者が、一部の材料の材質を誤認しており、材料の二次データの適用が妥当ではな
かった。(例:
「素材 A」を適用するところに「素材 B」のデータを採用といったような
ミス)
3.<一次データ収集期間に関する指摘>
生産工場のユーティリティ使用量の一部データを、全体の算定データ収集期間とは異
なる収集期間で収集していた(1ヶ月ずれたデータ)。
4.<計算ミスの指摘>
活動量の計算の一部にミスがあった(内部検証時及び内部検証後で発見された)。
5.<エビデンスの準備不足>
内部検証時にエビデンス(算定データのもととなる証拠書類)の準備が不十分であっ
た(確認できないエビデンスがあった)。
6.<カーボンフットプリント算定内容・表記方法申請書記載方法に関する指摘>
算定に使用するデータの詳細説明の記載が不十分であった。
【第三者検証(事前検証)における指摘事項】
1.<カーボンフットプリント算定内容・表記方法申請書の記載方法に関する指摘>
申請書の記載方法について、一部記載方法に間違いがあった(原単位区分が誤:
「共通」
→正:「参考」)。
2.<カーボンフットプリント算定内容・表記方法申請書における数値転記内容に関する指
摘>
「別紙」の計算式に基づく計算結果と、「データ入力と算定結果の詳細」の記載値が一
致しない点があった(1 箇所)。→ 有効数字の取扱における内部検証員の誤解による
もの
3.<一次データ妥当性の未確認>
外部調達材料の製造時 CO2 排出量を「外部工場の CO2 排出量÷生産量」で算定して
いたが、生産量の数値が「能力値」の可能性があったが、内部検証で把握できていな
かった。(「能力値」であった場合には、生産量を過大評価し、生産量あたりの CO2
排出量を過小評価する)→ 外部検証時に先方に確認し、問題は無かった。
- 55 -
【実験結果に対する検証パネルにおける意見交換】
●これまでの個品別検証では、多製品を一度に取り扱わなければならない場合などに、
ヒューマンエラーが発生する。システムを社内に構築することで、特定の人間のみで
はなく、組織としての作業となるので、ミスの発生率は確実に少なくなっている。
(事
業者)
●内部検証員に対して検証を行ったことで、検証行為がスムーズに進んだ。LCA の経験
が豊富な方が内部検証を行ったことで、外部検証員と内部検証員で同じ観点で議論が
できたことが大きい。(外部検証員)
●今回のシステムをEMS(環境マネジメントシステム)と比較すると、最低限必要な
ラインのレベルと感じた。カーボンフットプリントとしては、必要ではない部分もあ
ると思うので、今後、本当に役に立つ部分のみ残す方向で検討しても良いのではない
か。(事業者)
●個品別検証における外部検証員よりも、製品の工程を熟知している内部検証員による
検証の方が、ミスが少なくなることも想定される。(パネル委員)
また、事業者へのヒアリングにより得られた、システム認証にかかった時間負荷を以下に
示す。
今回のシステム構築では、事務局で支援を行った。構築には事業者内で2名が主担当とし
て関わり、およそ二人合計で60時間(およそ8人日)を要した(システムの審査は今回行
っていない)。算定は、事業者の中で、始めてカーボンフットプリントに携わる社員が行い、
1名が算定を実施した。時間負荷は、2製品で研修から検証後の修正対応まで60時間程度
であった。算定にかかった時間のうち、約半分は当てはめる二次データの選定であり、同じ
社員であれば次回以降大幅な短縮が見込まれるものと考えられる。
なお、算定・申請書の作成にかかる時間が7割になれば、2回目以降の作業時間は述べ5
4時間になる。外部検証の場合には、内部検証の代わりに外部検証があり、そのほかにカー
ボンフットプリント検証パネルがある。
図4.2-16 今回のシステム認証実証実験に要した作業時間
項目
作業
人数
述べ
作業時間
システムの構築(事務局支援)
2名
60時間
内部研修
4名
20時間
実施計画書作成
1名
12時間
CFP値の算定・申請書作成
1名
34時間
内部検証
3名
20時間
内部検証及び検証後の修正対応
1名
10時間
CFPの算定
内部検証
合計
今後の予測
2回目以降は発生しない
2回目以降は時間削減が
想定される
(【参考】外部検証では
1.5人日(述べ10時間
程度)+検証コスト)
156時間
以上の結果としては、第三者検証(事前検証)による指摘はあったものの、算定結果に大
きな影響を及ぼすような指摘は無く、システム認証自体の精度がある一定の評価を得られた
- 56 -
結果となった。また、事業者、検証員、カーボンフットプリント検証パネル委員のそれぞれ
からは、システム認証のメリットを示す意見をいただいた。
f) 他のマネジメントシステムとの同時構築の検討
<実証実験の結果>
検討の結果、同時構築の検討に協力いただいた事業者については、事業者社内の関係部署
において、事務局が作成したシステム要求事項案を議論いただき、追加すべき要求事項や削
除すべき要求事項等について、ISO14001 等の既存規格と比較してコメントをいただいた。
巻末に別紙とした「カーボンフットプリント算定・検証・公開システム要求事項」はこれら
を反映したものとなっている。
g) システム認証実証実験の評価
この結果にもとづき、その後の検証スキーム実証実験WG及び検証スキーム検討委員会に
おいて分析・検討を重ねた結果、システム認証方式のメリットや得られた結果の精度を考慮
し、次年度以降に更に広範な実証と具体的な内容の検討を行うことについて承認が得られた。
また、他マネジメントシステムとの同時構築に関しても同様に次年度に具体的な実証を行う
方向で承認が得られた。
なお、カーボンフットプリント検証パネル特別会合において、以下の3点が課題及び示唆
があげられた。これらについては、今後のシステム認証方式及び精度構築へ向けた検討課題
と考えられる。なお、システム認証方式の次年度の検討の方向性については、巻末の「次年
度の検証スキームに対する提言」の本文及び「(別紙1)次年度のカーボンフットプリント
制度試行事業におけるシステム認証方式の運用について」に取りまとめた。
・ヒューマンエラーが生じた場合のシステムの修正が重要になるので、今後の検討課題とし
たい。
・外部検証を受けることが事業者にとっての圧力にもなる。外部検証員も検証パネルでの説
明責任があることが大きい。システム認証においても事業者、内部検証員にある程度の圧
力(サーベイランス)をかける仕組みは必要ではないか。
・管理マニュアルだけでは運用は出来ないので、下位の手順文書が重要となる。マニュアル
と下位文書を含めて、事業者として使いやすい形を検討すべき。マニュアルは軽いもので
よいのではないか。
・マニュアルや文書例を開示し、各社の状況に応じて書き換えるような運用が望ましい。
→
マニュアル例を作り込み過ぎると、その文書自体を事業者が考えなくなるので形骸化
する恐れもある。
・内部検証員として、数値を背負う責任は重い。適格要員といった形で内部検証員にも資格
を得る形の方が、検証員としてはやりやすい。
・システムの構築は自社だけでは難しい。試行事業のメニューとして、システム認証方式に
関するシステム構築の支援制度があるとよいのではないか。
- 57 -
②要員認証の実証実験
a) 実証実験の目的
実証実験は、以下の目的で行った。この実証においては、要員認証方式が個品別検証方式
との比較により、その手法が妥当であるかどうかが観点となる。
・ 認証された内部検証員による検証のみで、個品別検証(事前検証+検証パネル)を受
けた場合と同等のカーボンフットプリントの算定内容・表示方法の信頼性・妥当性が
担保できるか、その可能性を確認すること
b) 実証実験の内容
以下に実証実験の内容を示す。実証実験では、実際に各事業者に要員認証による検証を行
っていただいた。具体的には公募によって決定された事業者の内部検証員へ事務局から検証
方法の研修を行い、その後、自社内のカーボンフットプリントの算定結果(算定は検証員と
は別の人員が実施)を内部検証していただいた。内部検証された結果については、その評価
を実施する目的で、外部検証員による検証(事前検証)とカーボンフットプリント検証パネ
ルによる検証を受けていただいた。
①内部検証員、カーボンフットプリント計算員の力量基準案の策定(個品別検証の成果を活
用)
②内部検証員、カーボンフットプリント計算員の研修プログラム・ガイドラインを作成(個
品別検証の成果を活用)
③研修の実施(12/27に研修会を実施)
④内部検証員、計算員による、実際のカーボンフットプリント値の算定を実施
⑤第三者検証(「外部検証員による検証」→「検証パネル」)による内部検証結果の評価
⑥算定結果の評価を実施
⑦力量評価手法の検討
⑧力量基準、研修プログラムを修正
【その他】透明性を確保するための施策として、情報公開に関する基準、継続チェック、サ
⑧力量基準、プログラムの修正
実験の流れ
①力量基準
の検討
②研修プロ
グラムの作
成
③研修の実
施
④内部検証
員、計算者
による算定
④ガイドラ
インの作成
⑤算定結果
の検証(第
三者検証)
⑥検証の評
価
⑦力量評価
手法の検討
【その他、実験に並行した検討】 透明性確保施策(情報公開基準、継続チェック、サーベイランス等)
図4.2-17 要員認証の実証手順
- 58 -
c) 実証実験のスケジュール
以下に実証実験のスケジュールを示す。実証実験は、第二回の検証スキーム検討委員会の
後、準備を始め、10月末より公募を開始した。その後、第四回検証スキーム実証実験WG
(2月初旬)に至るまでの約4ヶ月間で実施した。実証実験では、4社に応募いただき、そ
のうちの2社に検証までの作業を行っていただいた。検証まで行っていただいた事業者は、
過去にカーボンフットプリントの経験のある事業者が1社と経験の無い事業者が1社であ
った。過去にカーボンフットプリントの経験のある事業者については、2月上旬までに検証
パネルまで実施いただき、評価をいただいたが、経験の無かった事業者に関しては検証パネ
ル以前の段階で課題が多く、これについては、第三者検証を実施いただいた外部検証員と事
務局の間で評価を行い、2月末までに課題点の整理を行った。
分類
実施内容
9月
合同検討日
(第二回検証スキーム検討委員会)
要員認証実証実験協力企業の募集
教育
10月
11月
12月
1月
2月
上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬
28
12
● 9/8実施
10/28~11/12
内部検証員の研修
● 12/27実
CFP算定実施
内部検証
算定・検証
第三者検証 事前検証
検証パネル
● 2/7実施
図4.2-18 システム認証実証実験の実施スケジュール
- 59 -
d) 実証に御協力いただいた事業者の概要
以下に実証実験に協力いただいた事業者の概要を示す。事業者Aはカーボンフットプリン
ト、エコリーフの両制度ともに経験の豊富な事業者であり、一方で事業者BはLCAについ
ては知見があるものの、制度に対しては知見の無い事業者であった。
表4.2-21 実証に御協力いただいた事業者の概要
協力事業者
事業者A
(検証パネルまで終了)
事業者B
(外部検証員による検証
まで実施)
事業者概要
【事業者の実績】
・エコリーフ環境ラベル、カーボンフットプリント(複数)の経験あり
・エコリーフPCR、カーボンフットプリントPCRの策定にも関与
【今回の算定者・検証員の力量】
・算定者:これまでにカーボンフットプリントの計算実績あり(1件)
・検証員:同社が算定しているカーボンフットプリントの計算に関与
【事業者の実績】
・エコリーフ環境ラベル、カーボンフットプリントの経験なし
・LCA算定の実績はあり(自社製品)
【今回の算定者・検証員の力量】
・算定者:LCA計算の経験はなし
・検証員:社内のLCA計算について実績あり
e) 要員認証実証実験の結果(事業者Aの場合)
以下に要員認証の実証実験の結果として、内部検証による指摘事項と、外部検証員による
検証(事前検証)における指摘事項及びカーボンフットプリント検証パネルで得られた示唆
の内容を示す。
【内部検証(自社内での検証)における指摘事項】
1.<データ転記ミス>
原材料調達段階の一部投入量に転記ミスがあり
2.<計算方法の誤認>
包装材の CO2 算定方法について、素材別に投入量を計上し、これに二次データを当
てはめる形式に変更を指示(他の製品と同じ算定方法とする)
3.<工場データの誤認>
当該製品では使用しない燃料の投入量が計上されていた
4.<ライフサイクルステージの誤認>
本来、流通段階に計上すべき「段ボールの製造・輸送」を原材料調達段階へ計上し
ていた
【第三者検証における指摘事項】
1.<二次データの当てはめ>
原材料の一部データについて当てはめが最適ではなかった
2.<工場における廃棄物計上方法>
廃棄物について、工場の廃棄物量実績を用いるのではなく、生産時のロス分とマス
バランスを合わせるように計上すべき → カーボンフットプリント検証パネルの判
断事例としてあげられた事項
- 60 -
【実験結果に対する検証パネルにおける意見】
1.<今回の状況>
・今回は内部検証員のレベルが高かったと考えられる(製品のかなり細かい内容まで
質問したが、全て内部検証員が正確に回答していることからも、レベルの高さが伺
える)。
・このようなレベルの高い検証による内部検証を通った結果であっても、外部検証で
指摘事項があった。
2.<要員認証方式における課題>
・事務局がデータを抑えなくなるため、同業他社との数値比較は出来なくなる(現状
では、事務局ですでに登録済みの結果と比較することができる)。公平性の担保が難
しいのではないか?
・内部検証では、カーボンフットプリント算定結果の値をより低くするインセンティ
ブは働くのではないか?
→ 事業者は、リスクもあるので、数値を恣意的に数値を低くする方向には考えな
いだろう。
・スケジュール重視になった結果、精度が疎かにならないような注意が必要であろう。
・外部検証員は経験を重ねることでレベルアップが図られるが、内部検証員の場合に、
検証の精度が落ちないような仕組みが必要であろう。)
また、今回の算定について、算定・申請書作成にかかる時間については、要員認証でも通
常の個品別検証と変わらないという意見を事業者からはいただいている。内部検証は述べ1
3時間かかっているが、個品別検証における外部検証員の作業時間を考慮すれば大きな差は
無いものと考えられる。むしろ内部検証の場合、内部検証員は、事前に社内データにアクセ
ス可能なケースが多く、対面検証の時間短縮につながっている可能性がある。コスト面でも
外部への支払いが少なくなるメリットもある。
また、通常の個品別検証では、検証申請から事前検証、検証パネルまでの手続きにかかる
時間が2ヶ月程度になることから、事業者にとってはタイムラグが生じるが、内部検証であ
れば、そのような点は改善されるといったメリットがある。
図4.2-19 今回の要員認証実証実験に要した作業時間
項目
作業人数
延べ作業時間
1名
10.5時間
事前チェック(検証員)
1名
3時間
内部検証(検証員+計算者)
2名
内部検証後の修正対応(計算者)
1名
内部検証結果報告書(検証者)
1名
CFP値の算定・申請書作成
内部検証
内部検証合計
6時間
4時間
13 時間
合計
23.5 時間
- 61 -
実証実験の結果、事前検証においても大きな間違いはなく、一定の精度が得られたものと
考えられる。この大きな要因としてはカーボンフットプリントの算定について、実際に算定
を行った担当者にも経験があり、内部検証員も経験豊富であったことがあげられる。ただし、
指摘事項も存在しており、やはり、指摘に対する対応策を社内で徹底する仕組みが重要と考
えられる。
f) 要員認証実証実験の結果(事業者Bの場合)
以下に、内部検証による指摘事項と、外部検証を行った検証員・事務局による分析結果を
示す。
【内部検証(自社内での検証)における指摘事項】
1.<データ転記ミス>
原材料調達段階の一部投入量に転記ミス、海外調達比率などのデータに誤りがあっ
た
2.<計算方法の誤認>
電力消費量の算定結果が大きく算定されており、正しい算定方法へ修正を依頼
3.<廃棄物量データの誤認>
廃棄物の処理量データに誤りがあった
【外部検証における経緯と分析】
1.<申請書の書きぶり>
・カーボンフットプリント算定内容・表示方法申請書の記載方法に大きなミスがあり、
数値の検証が困難。
・通常、算定単位(1 個あたり,1 本あたりなど)を表記すべきところ、1工場あたり
のデータが記載されていたため、数値の検証ではなく、書き方の指導を行った。
・事務局提供の原単位ではなく、独自のデータを採用しており、CFP カーボンフット
プリントの算定ルールへの理解が少ない。
・算定内容としては、データは入っているが、PCR との整合性については保証できな
い。
2.<再検証(外部検証員からのコメントに対応)>
・指摘事項は大幅に修正されており、一度目の検証における検証員の指摘が有効に働
いた様子。
・LCA の算定結果としては妥当なレベルだが、カーボンフットプリントルールへの対
応には課題あり。
・内部検証の内容も、PCR 遵守性についてのチェックは不十分であった。
→ 制度に対する理解の深耕が今後の課題。
実証実験の結果、内部検証の結果は、申請書の書きぶり、内容ともに通常の外部検証が出
来るレベルではない状態であったが、カーボンフットプリントルールが理解されれば内部検
証による精度向上の可能性はあるのではないかと推測された。
g) 要員認証実証実験の評価
この2社の結果をもとに、その後の検証スキーム実証実験WG及び検証スキーム検討委員
- 62 -
会において分析を行った。その結果、今回の要員認証実証実験については、カーボンフット
プリントに対する経験を有する事業者とそうではない事業者の差が現れているものと推測
される。経験を有する事業者であれば、内部検証の結果について一定の精度を認められる結
果となる可能性があるが、経験の無い事業者では精度の妥当性について疑問が生じる。つま
り、導入にあたっては、事業者の経験(一定のカーボンフットプリントの算定プロセスの有
無など)、内部検証員の力量(算定プロセス及びカーボンフットプリント制度に関する理解)
の判断方法が重要となる。
事業者Aについては、検証パネルにおける判断事例が内部検証員へ伝わっていないことか
ら、生じた指摘があった(廃棄物の計上方法など)。この点については、要員認証方式とし
た場合には、内部検証員へ、現在の外部検証員と同様の情報提供(連絡及び連絡事項の事業
者内での把握・管理が必要)が重要となる。
h) 今後の取扱
今回の実証実験から、要員認証方式においては、事業者の経験と要員(内部検証員)の力
量が重要であることが明らかとなった。その一方、試行事業で行っている個品別検証におい
ても、外部検証員の検証結果について、さらに検証パネルによる指摘があることを考慮すれ
ば、事業者の経験や要員の力量のみを認証する方式の導入は、現状では難しいものという認
識が得られた。
その上で、要員認証方式については、次年度に具体的な実証を継続するのではなく、個品
別検証やシステム認証の実証を通じ、事業者の経験や検証員の力量に関する知見を蓄積し、
今後、制度が成熟して事業者の経験や力量の基準が明確となった時点で改めて検討するとい
う方向で結論が得られた。また、要員認証の課題として、要員認証方式の公正性の低さを考
慮し、消費者の受容性やサーベイランスの方法についても、要員認証の扱いの中で検討して
いくことがあげられた。次年度の取扱の内容に関しては、巻末別紙「次年度の検証スキーム
に対する提言」にも示した。
- 63 -
③システム認証と要員認証の比較
内部検証という形でカーボンフットプリントの算定結果を検証した今回の2つの実証実験
の結果を比較すると、以下のような仮説を考えることができる。
システム認証の事業者と要員認証の事業者Aについては、内部検証について一定の精度が
得られていることが確認されたが、この2事業者については、過去のカーボンフットプリン
ト制度での申請経験などから、既に社内におけるカーボンフットプリント算定の仕組みが構
築されていたと考えることができる。それらを踏まえて、今回の実証実験では、システム認
証の実証実験を行った事業者はこれを文書化し、要員認証の実証実験を行った事業者Aは文
書化せずに要員の知見に基づいて内部検証を行ったと考えられる。
つまり、事業者の経験に基づいた要素が、内部検証の精度に影響を与えたものと考えるこ
とができる。
なお、システム認証では、内部監査や是正処置といった内部での改善機能が備わっている
が、これは要員認証の評価の際に課題としてあげられた事項と同じであることから、要員認
証においても何らかの内部改善の体制を構築する必要があると考えられる。
表4.2-22 システム認証と要員認証の結果の比較
要員認証
システム認証
算定者
経験
CFP経験
検証者
経験
CFP経験
LCA経験
LCA経験
内部検証の評価
事業者A
事業者B
無し
有り
無し
有り
有り
一定の精度あり
無し
有り
一定の精度あり
内部検証のみでは
課題あり
認証する対象
企業内の算定・検証に関する明文化されたシステ
ム(内部検証を含む)
内部検証員の力量
時間・コスト的
メリット
システム構築及び構築後の教育・監査に時間・コ
ストがかかるが、検証自体は外部検証に比べ、検
証パネルの必要が無い分短くなる。
検証行為に関する時間は、外部の事前検証と同様だが、
検証パネルの必要が無い分短くなる。
内部改善機能
内部検証以外に、是正処置(ミスに対するシステ
ムの改良)、内部監査等のチェックが実施される
内部検証のみ
(4)検証スキーム検討委員会の成果
本年度の検証スキーム検討委員会では、(3)に示したシステム認証及び要員認証の実証実験
を実施し、その可能性について検討するとともに、システム認証については基準文書となるシ
ステム要求事項を作成した。
また、実証実験以外の論点としても、検証主体を含めた検証体制、検証における責任の所在、
検証及びカーボンフットプリントの数値精度向上に向けた取組の必要性、検証費用、表示の検
証方法、検証・認証の有効期限など検証スキームに関連する議題について、検討を行い、一部
については、今後の検討課題として整理した。
- 64 -
このうち、システム認証方式については、上記の通り、次年度以降に更に広範な実証と具体
的な内容の検討を行うことが委員会で承認された。また、検証の主体として「検証機関」が検
証を行う方式(現在はプログラムホルダーが個人の検証員を派遣し、その検証結果を第三者の
検証パネルで検証を実施)についても、次年度に「検証機関」が参加可能な仕組みについての
検討を行うことが承認され、次年度にWGを設置して具体的な内容について議論することが承
認された。これらについては、次年度の実証を踏まえてその可否、課題の抽出を行う。
各議論の整理結果や次年度以降の課題については巻末の別紙「次年度の検証スキームに対す
る提言」に示す。
- 65 -
4.3
CFP算定・表示試行事業
4.3.1
PCR原案策定計画登録
(1) 概要
PCR原案策定計画登録に関して、PCRの策定を希望する事業者・業界からのPCR
原案策定計画の受付(登録)業務等を行った。また、PCR原案策定計画登録の手続きに
必要となる規約類の整備等を行った。
平成22年度の登録受付は平成22年7月より開始し、平成22年度の新規案件とし
て17件、改正案件としては7件が登録された。平成22年度に新たに登録されたPC
Rの一覧を付属書Kにまとめる。
(2) 平成22年度の新たな取組み
平成21年度の試行事業においては、試行事業の1年目ということもあり、カーボンフッ
トプリント制度の普及を図るという観点から、事業者から申請されたPCR原案策定計画登
録申請を幅広く認めていた経緯がある。その結果、対象とする製品の範囲が狭いPCRが数
多く乱立するという課題が生じていた。
平成22年度は、ルール検討委員会でも検討されたように、平成21年度の反省を踏まえ、
PCR原案策定計画登録の申請段階で、対象とする製品の範囲をできるだけ幅広くとっても
らうように努めた。まず、「PCRの登録にあたっては、日本標準商品分類(JSCC)に
おける「小分類」または「細分類」に相当する「商品群」程度であることが望ましい。」(図
4.3-1 )との告知を事業者や業界団体に対して行った。更に、事務局が申請内容を確
認して、対象範囲が狭すぎる場合には、範囲を広げてもらうよう事業者や関連業界団体と調
整を行った。その結果、平成21年度のように「細かい」PCRが乱立することを避けるこ
とができた。
図4.3-1 日本標準商品分類(JSCC)の例
- 66 -
また、事務局として、運用レベルでの形式チェックや作業手順の明確化をはかり、カーボ
ンフットプリント制度の円滑な事務局運営に資するため、PCR原案策定計画登録に関わる
規約類、申請書等の整備を進めた。これらの文書一覧を以下に示す。
表4.3-1 PCR原案策定計画登録に関わる規約類、申請書等の文書一覧
項目
内容
PCR原案策定計画の登録の手順書
PCR原案策定計画の登録のフロー図
PCR原案策定WG運営マニュアル
PCR原案策定計画登録一覧表
PCR原案策定計画登録申請書
PCRの原案登録の通知書
規程・手続き
規程・手続き
規程・手続き
ウェブ公開用
様式
様式
カーボンフットプリン
ト・ウェブサイトにお
ける規約類、申請書等
の公開/非公開
非公開
非公開
非公開
公開
公開
非公開
(3) 課題と対応
事務局がPCR原案策定計画の登録業務を進める中での気づきとして、以下のような課題
を整理し、随時、対応策を講じた。
●PCRの対象とする範囲の調整
PCR原案策定計画の登録申請時における商品分類の対象範囲にばらつきがみられた。特
に、申請事業者の特定製品に対象が特定されてしまい、適切な対象範囲の選定が難航した事
例が散見された。
これは、日本標準商品分類における「小分類」または「細分類」に相当する「商品群」程
度での登録が望ましい事やPCRの性質について、事業者・業界等に十分に浸透していなか
ったことが要因と推測される。
これらの課題について、申請書フォーマットの記入上の注意を詳細に記載することが有効
であると考えられ、「PCR原案策定計画登録申請書」の記入上の注意の項目を中心に修正
作業を行った。
また、事業者・業界等には更なるPCR策定における適切な商品群の啓蒙を行う必要があ
る。
●平成21年度からの継続案件のフォロー
平成21年度試行事業より継続してPCR策定が行われていた案件において、基本ルール
及びPCR原案テンプレートの変更に伴って、平成21年度より関係者間において継続的に
行われてきたPCR原案策定が進まなかったとの意見があった。平成23年度は、平成22
年度から基本ルールの変更はないことから、PCR認定申請から認定までのスケジュールを
- 67 -
早期にカーボンフットプリント・ウェブサイトで公開するなど事業者・業界への情報提供及
び共有を行うことによる参加しやすい体制整備を図るとともに、カーボンフットプリント制
度への事業者の積極的な参加を呼びかける取り組みが望まれる。
- 68 -
4.3.2
PCR認定委員会
(1) 概要
申請されたPCR原案を審議する「PCR認定委員会」を設置し、PCR認定委員会の委
員として適切な学識経験者、有識者等を16名選定した。また、「申請受付」「意見公募の実
施」「事前レビュー」「PCR認定委員会」の4つのプロセスの運営実施を行った。具体的に
は、PCR認定委員会の日程調整、資料作成、手順の作成等の事務局業務を行った。併せて、
事務局・業界からの提出資料の事前確認、PCR原案策定の進捗管理、助言及び必要な規約
類の整備を行った。さらに、PCR原案について事前確認を行うレビューアの審査能力の向
上、PCR認定委員会において論点となった事項にかかる情報の共有など、PCR認定委員
会の効率的運営に関する検討を実施した。
平成22年度は、計12回のPCR認定委員会を開催した。また、平成22年度は新規・
改正案件、一括改訂案件を含めて54件のPCR原案が認定された。認定済みPCRの一覧
については付属書Lにまとめる。
表4.3-2 PCR認定委員会の開催実績
名称
第1回PCR認定委員会
第2回PCR認定委員会
第3回PCR認定委員会
第4回PCR認定委員会
第5回PCR認定委員会
第6回PCR認定委員会
第7回PCR認定委員会
第8回PCR認定委員会
第9回PCR認定委員会
第10回PCR認定委員会
第11回PCR認定委員会
開催日
平成22年8月30日
平成22年9月17日
平成22年10月1日
平成22年10月22日
平成22年11月5日
平成22年11月26日
平成22年12月3日
平成22年12月17日
平成23年1月14日
平成23年1月21日
平成23年2月4日
第12回PCR認定委員会
平成23年2月18日
第13回PCR認定委員会
平成23年2月25日
審議案件数
19件審議(一括改訂17件、新規2件)
6件審議(一括改訂6件)
2件審議(一括改訂1件、新規1件)
3件審議(一括改訂2件、新規1件)
1件審議(改正1件)
5件審議(一括改訂4件、新規1件)
審議案件がなかったため中止
3件審議(一括改訂2件、改正1件)
4件審議(新規3件、一括改訂・改正1件)
3件審議(改正2件、新規1件)
3件審議(新規3件)
5件審議(一括改訂1件、改正2件、新規
2件)
5件審議(新規4件、改正1件)
(2) 平成22年度の新たな取組み
平成21年度に使用されていたPCR原案テンプレートはJISに準じた文書形式であ
ったが、ページ数が多いためどこに何が書かれているのかすぐに判断が付かず、読みづらい
といった事業者からの指摘があった。そこで、平成22年度のPCR認定申請の受付を始め
る前に、PCR原案テンプレートの見直しを行い、文書形式から表形式に全面的に修正する
ことで文書の簡素化を図り、PCR認定委員会の進捗に応じて随時改定を行った。その際、
テンプレートの各項目には、記載方法の解説を加え、事業者がPCR原案を作成しやすくな
るよう努めた。
- 69 -
また、PCR認定委員会の判断事例集を新規に作成した。PCR認定に関わる判断事例と
してカーボンフットプリント・ウェブサイトに公開された。
また、事務局として、運用レベルでの形式チェックや作業手順の明確化をはかり、カーボ
ンフットプリント制度の円滑な事務局運営に資するため、PCR認定に関わる規約類、申請
書等の整備を進めた。これらの文書一覧を以下に示す。
表4.3-3 PCR認定に関わる規約類、申請書等の文書一覧
項目
内容
PCR認定申請の手順書
PCR認定申請のフロー図
PCRレビュー実施ガイドライン(外部専門家向け)
意見公募結果への対応(事業者向け)
PCR認定委員会、委員向け注意メモ
PCR認定委員会の判断事例集
PCR認定申請書
PCR原案(テンプレート)
PCR原案のチェックリスト
PCR原案への意見提出用紙
意見公募結果報告書
意見公募に関わるPCR一覧表
PCRレビュー結果報告書
PCRの認定通知書
認定PCRの一覧表
規程・手続き
規程・手続き
規程・手続き
規程・手続き
規程・手続き
ウェブ公開用
様式
様式
様式
様式
様式
ウェブ公開用
様式
様式
ウェブ公開用
カーボンフット
プリント・ウェブ
サイトにおける
規約類、申請書等
の公開/非公開
非公開
非公開
非公開
非公開
非公開
公開
非公開
公開
公開
公開
非公開
公開
非公開
非公開
公開
(3) 課題と対応
事務局がPCR認定のプロセスの運営業務を進める中での気づきとして、以下のような課
題を整理し、随時、対応策を講じた。
●PCR認定申請書、レビュー結果報告書
意見公募結果報告書において、不適切な回答が散見された。例えば、①新規案件(一括改
訂ではない)にもかかわらず、「御意見の内容は今回の意見公募の対象外ですので、(御意見
に対する考え方)は省略させて頂きます。」と回答する、②意見に対する回答が不十分、な
ど。また、レビュー結果報告書において、レビューアが、研修時の資料の一部を内容を十分
に確認せずにコピー&ペーストしていた事例がみられた。これは、事業者、レビューア双方
に対して、PCR認定ための手続や手法などが明確化されていなかったことが要因として考
えられる。
これらの課題を踏まえ、PCRレビュー実施ガイドライン、PCR原案のチェックリスト、
- 70 -
事業者向けの意見公募結果への対応文書等を整備した。また、レビューアには外部専門家情
報連絡会を通じて、現行ルールや意見公募結果報告書の書き方等の周知徹底、情報共有を図
った。
●PCR認定委員会の進行
申請事業者、レビューアの説明が予定の時間を超過するケースが少なからずみられた。ま
た、審議が長時間に及び、タイムテーブル通りに議事が進行しなかったケースが多数あった。
これは、レビューアが重要なポイントを整理しきれていないなど、PCR認定委員会におけ
る事前レビューアの位置づけなどが明確でなかったことなどが要因といえる。
外部専門家情報連絡会等の機会を活用して、レビューアへの説明ポイントの周知徹底、情
報共有を充実させる、さらに、委員の方々との情報共有を密にして、当日の進行に関して時
間厳守をお願いする等の対策が必要である。
また、PCRレビューを担当する外部専門家からは外部専門家情報連絡会を通じて、いく
つか意見や要望があった。これに事務局としての気づきを加えて、以下のような課題が整理
された。
●タイトなスケジュール
PCR認定申請から、事務局での申請書類の形式チェック、意見公募、PCR事前レビュ
ー、PCR認定委員会での審議、の一連のスケジュールが非常にタイトであった。原因とし
ては、申請段階の原案に形式レベルのミスや不整合が多数あったために、事務局によるチェ
ック・修正作業に時間を要したケースや、申請者とレビューア間における事前レビューのス
ケジュール調整不良などが主な要因とみられる。
対策として、申請段階での原案の記載ミスや不整合を確認するためのチェックリスト等を
導入して、事業者へ事前に活用を促すことや、レビューア選定及び事前レビュー等のスケジ
ュール調整を早期化する手順を確立することが必要である。また、申請書類に不備が見つか
れば申請事業者に差し戻す等の対応も必要と思われる。
なお、スケジュール調整不良については、申請締め切り及びレビューア選定が、ともにP
CR認定委員会の開催日にあわせて調整されるためであるが、PCR認定委員会の開催が流
動的になることによる弊害もあることから、PCR認定申請とPCR認定委員会の開催まで
に行う作業とそれを実行するための期間の更なる検討が必要である。
- 71 -
4.3.3
CFP検証パネル
(1) 概要
申請されたカーボンフットプリント算定結果・表示内容案を検証する「カーボンフットプ
リント検証パネル」(以下「CFP検証パネル」という)を設置し、検証パネルの委員とし
て適切な学識経験者、有識者等を25名選定した。また、「申請受付」「事前検証」「CFP
検証パネル」の3つのプロセスの運営実施を行った。具体的には、検証パネルの日程調整、
資料作成等の事務局業務を行った。併せて、事務局からの提出資料の事前確認、助言及び必
要な規約類の整備を行った。検証の申請があった場合は、検証パネルでの審議に先立ち、検
証員を派遣し、パネルで議論が予想される論点について事前確認を行った。CFP検証に必
要となる参考データのCFP算定事業者への提供も随時実施した。
平成22年度は、「広範囲PCRの実証事業のためのCFP検証パネル特別会合」及び「プ
ロセス認証に関するCFP検証パネル特別会合」も含めて計19回のCFP検証パネルを開
催した。また、平成22年度は218件が合格となり、うち196件がカーボンフットプリ
ントマーク使用許諾製品として公開された。残る22件は、事業者の都合により平成23年
4月から6月にかけて順次公開される予定となっている。既に公開されているカーボンフッ
トプリントマーク使用許諾製品の一覧について付属書Mにまとめる。
表4.3-4 CFP検証パネルの開催実績
名称
第1回CFP検証パネル
第2回CFP検証パネル
第3回CFP検証パネル
第4回CFP検証パネル
第5回CFP検証パネル
第6回CFP検証パネル
第7回CFP検証パネル
広範囲PCRの実証事業のためのC
FP検証パネル特別会合
第8回CFP検証パネル
第9回CFP検証パネル
プロセス認証に関するCFP検証パ
ネル特別会合
第10回CFP検証パネル
第11回CFP検証パネル
第12回CFP検証パネル
第13回CFP検証パネル
第14回CFP検証パネル
第15回CFP検証パネル
第16回CFP検証パネル
第17回CFP検証パネル
第18回CFP検証パネル
第19回CFP検証パネル
第20回CFP検証パネル
第21回CFP検証パネル
開催日
平成22年10月6日
平成22年10月18日
平成22年10月26日
平成22年11月1日
平成22年11月9日
平成22年11月16日
平成22年11月17日
平成22年11月22日
3件審議
2件審議
審議案件がなかったため中止
1件審議
3件審議
審議案件がなかったため中止
4件審議
5件審議
平成22年11月24日
平成22年11月29日
平成22年12月3日
4件審議
5件審議
2件審議
平成22年12月7日
平成22年12月13日
平成22年12月22日
平成23年1月12日
平成23年1月18日
平成23年1月25日
平成23年1月31日
平成23年2月7日
平成23年2月16日
平成23年2月22日
平成23年2月23日
平成23年2月28日
4件審議
3件審議
5件審議
4件審議
審議案件がなかったため中止
審議案件がなかったため中止
5件審議
4件審議
6件審議
8件審議
6件審議
5件審議
- 72 -
審議案件数
(2) 平成22年度の新たな取組み
平成21年度に使用されていたCFP検証申請書は、必要な情報の記載不足がある一方、
複数の事業者から、申請書の記入の仕方がわかりづらいという意見があった。そこで、CF
P検証申請書の見直しを実施し、またCFP検証パネルの進捗に応じて随時改定を行った。
その際、事業者にとってCFP検証申請書の作成が容易になるように、申請書の各項目に記
載方法の詳細な解説を加えた。
また、CFP検証パネルの判断事例集を新規に作成し、カーボンフットプリント・ウェブ
サイトで公開した。
さらに、事務局として、運用レベルでの形式チェックや作業手順の明確化をはかり、カー
ボンフットプリント制度の円滑な事務局運営に資するため、CFP検証に関わる規約類、申
請書等の整備を進めた。これらの文書一覧を以下に示す。
表4.3-5 CFP検証に関わる規約類、申請書等の文書一覧
文書名
備考
CFPの検証申請の手順書
CFPの検証申請のフロー図
CFP検証実施ガイドライン(外部専門家向け)
CFP検証パネルの委員向け注意メモ
CFP検証パネルの判断事例集
CFP検証申請書(フォーマット)
CFP検証結果報告書・CFP検証チェックシート
CFPマーク使用許諾通知書
CFPマークのイメージ
CFP使用許諾製品一覧表
CFP対象製品
規程・手続き
規程・手続き
規程・手続き
規程・手続き
ウェブ公開用
様式
様式
様式
様式
ウェブ公開用
ウェブ公開用
カーボンフットプリ
ント・ウェブサイト
における規約類、申
請書等の公開/非公
開
非公開
非公開
非公開
非公開
公開
公開
公開
非公開
非公開
公開
公開
(3) 課題と対応
事務局がCFP検証のプロセスの運営業務を進める中での気づきとして、以下のような課
題を整理し、随時、対応策を講じた。
●CFP検証申請書、検証結果報告書
CFP検証申請書及び検証結果報告書の不備が特に年度の初期の段階で多数みつかった。
また、CFP検証申請書の「別紙」シート(活動量及び原単位のデータ入手方法、計算式、
式の説明、データ収集期間等の詳細を記載)の書き振りにばらつきが目立った。算定結果に
至るまでの途中の具体的な計算式が詳細に記載されている例がある一方で、定性的な記述の
- 73 -
みで済ませている事例も散見された。これは、具体的な記載事例がなかったことが主な原因
と思われる。さらに、検証結果報告書において、検証員が研修時の資料の一部を内容を十分
に確認せずにコピー&ペーストしていた事例がみられた。
これらの課題に対して、CFP検証実施ガイドライン、CFP検証申請書のチェックリス
トを整備するとともに、CFP検証申請書については記入上の注意をできるだけ詳細に記載
するように修正した。また、検証員には外部専門家情報連絡会の機会を活用して、現行ルー
ルの周知徹底、情報共有を行った。このような活動は、次年度も継続的に実施していく必要
がある。
●CFP検証パネルの進行
検証員の説明に個人差によるばらつきがみられた。また、1案件あたりの審議が長時間に
及び、タイムテーブル通りに議事が進行しなかったケースが多数あった。これは、検証パネ
ルにおける事前検証員の位置づけなどが明確でなかったことなどが要因といえる。PCR認
定と同様に、検証員への説明ポイントの周知徹底、情報共有を図るとともに、委員の方々へ
は当日の進行に関して時間厳守をお願いする等の対策が必要となる。
また、CFP検証を担当する外部専門家からは外部専門家情報連絡会を通じて、いくつか
意見や要望があった。これと事務局の業務を通じての気づきとをあわせて、以下の課題を整
理した。
●タイトなスケジュール
PCR認定の場合と同様に、CFP検証申請から事務局での申請書類の形式チェック、事
前検証、CFP検証パネルでの審議、の一連のスケジュールが非常にタイトであった。原因
としては、申請段階の原案に形式レベルのミスや不整合が多数あったために、事務局による
チェック・修正作業に時間を要したケースや、申請者と検証員間における事前検証のスケジ
ュール調整不良などが主な要因とみられる。
対策として、申請段階での原案の記載ミスや不整合を確認するためのチェックリスト等を
導入して、事業者へ事前に活用を促すことや、検証員選定及び事前レビュー等のスケジュー
ル調整を早期化する手順を確立することが必要である。また、申請書類に不備が見つかれば
申請事業者に差し戻す等の対応も必要と思われる。
なお、スケジュール調整不良については、申請締め切り及び検証員選定が、ともにCFP
検証パネルの開催日にあわせて調整されるためであるが、CFP検証パネルの開催が流動的
になることによる弊害もあることから、CFP検証申請とCFP検証パネルの開催までに行
う作業とそれを実行するための期間の更なる検討が必要である。
- 74 -
4.4
カーボンフットプリントの導入支援事業
4.4.1
PCR原案の策定支援
(1)PCR原案策定支援事業の公募と採択
カーボンフットプリント制度の円滑な導入及び普及を目的として、事業者に対して、コン
サルタントの派遣を通じ、PCR原案策定の支援を行った。合計3次にわたる公募を行い、
2件のPCR原案策定支援を採択・実施した。ただし、うち1件は事業者都合により支援条
件を満たせなくなったため、支援途中で中止となった。
表4.4-1 PCR原案策定支援事業の公募実施概要
項目
1次、2次
公募期間
(1次)
平成 22 年 8 月 16 日(月)~20 日(金)
(2 次)
平成 22 年 8 月 30 日(月)~9 月 3 日(金)
(3 次)
平成 22 年 11 月 2 日(火)~12 日(金)
公募方法
カーボンフットプリント・ウェブサイトによる
カーボンフットプリント・ウェブサイトによる
主な
応募条件
・ 最終消費財であること
・ 業界団体もしくは2社(資本関係が無
く、かつ、当該商品の製造に直接関わ
っている事業者)以上による申請であ
ること
・ 「エコプロダクツ2010」までにPCR認
定を終了したうえCFP算定を行い、出
展を行う意思があること(CFP検証は
未了でも可とする)
・ 一般消費者向け最終製品であること
(スーパー、量販店等で販売されている
もの)
・ 業界団体もしくは2社(資本関係が無
く、かつ、当該商品の製造に直接関わ
っている事業者)以上による申請であ
ること
・ 平成23年度の本事業スタート後、速や
かに(平成23年9月を目処)CFP検証
を完了する意思があること
・ 応募数:2
・ 採択数:1
・ 応募数:1
・ 採択数:1
応募と
採択
3次
表4.4-2 PCR原案策定支援事業の公募採択結果(※)
1
登録番号
製品種類の名称
採択日
申請代表者
PPR-045
木材・プラスチック再生複
合材
2010 年 10 月 19 日
社団法人日本建材・住宅設
備産業協会
(※)その他1件に関しては、事業者都合により支援条件を満たせなくなったため、支援途中で中止となった。
- 75 -
(2)PCR原案策定支援事業の課題
PCR原案策定支援事業の公募について、1次~3次まで実施したが、応募総数3件、採
択数2件に止まった。これは、応募条件として設定した、①最終消費財であること(3次で
は一般消費者向け最終製品であること)、②業界団体もしくは2社以上の申請であること、が
要因として考えられる。
また、申請された場合でも商品分類の範囲が狭すぎてPCR原案策定計画登録に至らず、
支援事業として申請受理できないケースが2件あった。
今後、支援事業を継続する際には、潜在的な事業者ニーズを汲み上げてカーボンフットプ
リント制度に資するPCRの策定を目指した支援が必要と思われる。
- 76 -
4.4.2
カーボンフットプリントの算定支援
(1)CFP算定支援の公募と採択
カーボンフットプリント制度の円滑な導入及び普及を目的として、事業者に対して、コン
サルタントの派遣を通じ、カーボンフットプリント算定の支援を行った。合計3次にわたり
公募を行い、計4件のCFP算定支援を実施した。
表4.4-3 CFP算定支援事業の公募実施概要
項目
1次、2次
公募期間
(1次)
平成 22 年 8 月 16 日(月)~20 日(金)
(2 次)
平成 22 年 8 月 30 日(月)~9 月 3 日(金)
(3 次)
平成 22 年 11 月 2 日(火)~12 日(金)
公募方法
カーボンフットプリント・ウェブサイトによる
カーボンフットプリント・ウェブサイトによる
・ 既にPCRが認定されていること
・ 最終消費財であること
・ 「エコプロダクツ2010」までにCFP検
証を終了し、出展を行う意思があること
・ 既にPCRが認定されていること
・ 一般消費者向け最終製品であること
(スーパー、量販店等で販売されている
もの)
・ 平成23年2月末までにCFP検証を完
了する意思があること
・ 応募数:6
・ 採択数:4
・ 応募数:1
・ 採択数:0
主な
応募条件
応募と
採択
3次
表4.4-4 CFP算定支援事業の公募採択結果
支援対象製品
種類の名称
1
タオル製品
2
消火器
3
ユニフォーム
4
トレー
支援対象製品の該当する
認定PCR番号及び
認定PCR名
PA-BL-02
【改訂版】タオル製品
PA-BA-02
【改訂版】消火器
PA-AO-03
【改訂版】ユニフォーム
PA-AQ-02
【改訂版】食器(陶磁器製
品及び合成樹脂製品)
採択日
申請事業者
2010 年 9 月 30 日
大阪タオル工業組合/八
木春 株式会社
2010 年 9 月 30 日
株式会社 初田製作所
2010 年 9 月 30 日
オンワード商事 株式会
社
2010 年 9 月 30 日
朝日化工 株式会社
- 77 -
(2)CFP算定支援事業の課題
CFP算定支援事業の公募について、1次~3次まで実施したが、応募総数7件、採択4
件という結果であった。PCR原案策定支援と同様に、応募条件として設定した「最終消費
財であること(3次では一般消費者向け最終製品であること)」が要因と考えられる。
採択に関しては、最終消費財であるものの業務用最終製品のため、消費者による認知度向
上に資する可能性が低いとの判断で不採択となるものがあった。このほか、カーボンフット
プリント制度に関して企業としての取組みをスタートしたばかりで、必要なデータ収集を行
うには年度内の支援では対応できないため、支援期間の延長を求める問合せ等があった。P
CR原案策定支援と同様、応募条件により応募総数が大きく左右される傾向にあることから、
採択件数の目安を定めたうえで応募条件を決める必要があると考えられる。
- 78 -
4.4.3
カーボンフットプリントの算定等に関する支援ツールの検討・改善
事業者によるカーボンフットプリントの算定等を容易にすることを目的に、事業者向けの
支援ツールとして、平成21年度事業において構築した「カーボンフットプリント算定キッ
ト(以下「CFP算定キット」という。)」の改善・拡充を行った。
(1)従来のCFP算定キットにおける課題
はじめに、平成21年度作成CFP算定キットにおける課題抽出・整理を行った。課題は、
平成21年度作成算定キットの操作を行ったことがある事業者及び平成22年度のカーボン
フットプリント算定・表示試行事業に参加いただいた外部専門家等からの意見から抽出した。
以下に、平成21年度作成CFP算定キットにおけるそれぞれの課題を示す。
①原単位に関する課題
・ 古いバージョンの共通原単位を使用していることがある。
・ 共通原単位の名称、値等の転記ミスが散見される。
・ 活 動 量 と 原 単 位 の 単 位 の 不 整 合 が 見 ら れ る ( 例 え ば 、 活 動 量 [kWh] ⇒ 原 単 位
[kg-CO2/kg])
②PCRで規定されているデータ収集項目に関する課題
・ CFPを算定するにあたり、PCRの内容が難解であるため、どのようなデータ項目
を収集したら良いのかがわからない。
・ PCRのデータ収集項目に抜けが見られる。
③CFP検証申請書の記入に関する課題
・ CFP検証申請書のフォーマットを独自に改変していることがある。
・ CFP検証申請書の別紙の書き方と質にバラつきがある。
・ 活動量を構成する数値に対して明確なエビデンスが存在していないことがある。
・ プロセス名、サブタイトルに独自の名称が割り当てられており、PCRのどの項目と
対応するのかが分かりづらい。
④機能に関する課題
・ データのコピー・ペースト機能の強化
・ 入力を元に戻す機能や繰り返し機能の追加
・ 入力したデータの印刷機能の追加
・ インストール操作無しでの動作
(2)改良版のCFP算定キットの開発
次に、(1)で抽出・整理した課題を踏まえて、CFPの算定及び申請に伴う算定事業者
- 79 -
の利便性の向上を目的として、平成22年度は改良版の「CFP算定キット」の開発を行っ
た。なお、平成21年度作成CFP算定キットにおける課題に対しては、それぞれ以下の解
決策を講じた。
①原単位に関する課題に対する解決策
・ 共通原単位データベースをインポートし、共通原単位データベースのデータ項目を選
択することによって、共通原単位データベースにおける原単位の名称、値等を自動入
力できるようにした。
・ インポート可能な共通原単位データベースのバージョンを制限した(例えば、最新の
バージョンのみをインポート可能とした)。
・ 活動量と原単位の単位のチェック機能を追加した。
②PCRで規定されているデータ収集項目に関する課題に対する解決策
・ PCRで収集すべきデータ項目の一覧を記載したテンプレートファイルをカーボンフ
ットプリントのホームページ上で公開し、それを基とした算定を可能とした。
③CFP検証申請書の記入に関する課題に対する解決策
・ CFP検証申請書の「詳細情報」の一部及び「データ入力と算出結果」並びに「別紙」
については、入力したデータから自動生成することとした。
・ CFP算定キットの活動量の入力欄の周辺に、算定根拠名の入力欄を設け、算定根拠
の入力を促すこととした。
④機能に関する課題に対する解決策
・ Microsoft Excel ベースのCFP算定キットを開発することにより、データのコピー・
ペースト機能、入力を元に戻す機能、繰り返し入力機能、入力したデータの印刷機能、
及び、インストール操作無しでの動作を達成した。
(3)改良版のCFP算定キットの特徴
CFP算定キットは、多くの企業や団体のカーボンフットプリント制度試行事業への参加
を促す目的で提供する算定支援ツールであり、特に、LCAの知識や経験が浅く、人的、資
金的にも余裕が少ない申請事業者の支援を対象としている。
図4.4-1にCFP検証P算定・検証申請書作成までの流れ、及び、図4.4-2にC
FP算定キットのメニュー画面をそれぞれ示す。
また、(2)の解決策を講じた改良版のCFP算定キットの特徴を以下に示す。
・ CFP算定キットをカーボンフットプリントのホームページで公開することで、誰で
も入手及び利用が可能である。認定PCR毎に、「CFP算定キットのテンプレート」
を用意及び提供することで、CFP算定の入力手間の削減が可能である。
- 80 -
・ 共通原単位データベースをインポートし、その共通原単位データベースのデータ項目
を選択することによって、原単位の名称、値等を自動入力するため、転記作業及び転
記ミスを無くしている。
・ CFP算定キット内では、ユーザーが直接編集可能なデータを数値定義シート(図4.
4-3)に集め、修正が発生した際の転記漏れや計算ミスを最小限にしている。
・ 入力したデータから、事務局へ申請するCFP検証申請書の自動生成が可能であり、
CFP検証申請書の入力の手間の削減が可能である(図4.4-4)。
1.CFP算定・検証申請書作成までの流れ
初めて算定キットを使用して算定する場合
(CFP算定・検証申請を補助します)
算定キットの過去データを元にして算定する場合
(類似した製品のCFP算定・検証申請を補助します)
お使いの算定キット、含まれる共通原単位、検証申請書が最新かどうかを確認してください。
最新の算定キットを事務局からダウンロードした場合には、確認は不要です。
基本キット
PCRに対応したテンプレートを
入手してください
共通原単位
このファイルに含まれている
各コンポーネントのバージョン
確認
算定キット
検証申請書
共通原単位
検証申請書
算定キットを使用して過去に算定を行った
算定キットのファイルを入手します
テンプレート
いいえ
PCRに対応した
テンプレートは入手で
きましたか?
はい
その過去の算定キットファイルを
テンプレートとして「インポート」します
テンプレートを「インポート」します
「定義を展開」します
申請に必要な情報の入力
数値定義への入力
修正
行の種類(申請書出力行、数値入力
行等)、ライフサイクル段階、活動量
(数値、数式、エビデンス等)、原単位
の情報を入力します
移動
検証申請書への直接入力
各種入力支援
(1)検証申請書
移動
「挿入」
計算式生成
(2)詳細情報<最終財用>
移動
原単位の選択
プロセスの選択
(2)詳細情報<中間財用>
移動
(5)マーク表示
移動
「入力チェック」
検証申請書の自動生成
(3)データ入力と算出結果 移動
「下書き生成」
(4)別紙
移動
「申請書出力」
図4.4-1 CFP算定・検証申請書作成までの流れ
- 81 -
修正
バージョン
RC_3
frm_1.1
fct_2.0.1
各種シートのダウンロード・
インポートを行う場所
申請書の入力・編集を行い、その内容を
「(3) データ入力シートと算出結果」と
「(4) 別紙」シートへ反映を行う場所
反映した内容を CFP 制度試行事
業事務局に提出する申請書を出
力する場所
バックアップの作成を行う場所
図4.4-2 CFP算定キットのメニュー画面
- 82 -
図4.4-3 数値定義シートのイメージ
図4.4-4 下書き生成後の検証申請書のイメージ
(4)マニュアルの作成
マニュアルについては利用するユーザー(算定事業者、事務局)によって目的が異なるこ
とから表4.4-5に示す 2 種類を準備した。
「操作マニュアル」は通常のユーザー(算定事業者)がプログラムを利用するにあたって
の操作方法等を記載している。一方、「管理マニュアル」は、パスワードの変更方法や、隠し
シートの表示方法、検証申請書や共通原単位のバージョンアップに伴う管理タスク等、事務
- 83 -
局において実施するタスクについて手順の説明を行っている。
表4.4-5 CFP算定キットにおけるマニュアル
利用ユーザー
算定事業者
事務局
マニュアル名
操作マニュアル
管理マニュアル
ファイル名
操作マニュアル.doc
管理マニュアル.doc
(5)改良版CFP算定キットの公開と今後の課題
改良版CFP算定キットは、カーボンフットプリント・ウェブサイトにて平成 23 年 3 月
31 日に公開した。このため、実際のCFP算定におけるユーザー利用実績を把握することが
できないため、その成果及び課題については、次年度事業を通して確認していく必要がある。
ユーザー向け説明会の開催など、事業者による利用実績を増やすような取組を実施し、一
定の利用実績が得られた段階で、ユーザーからの意見を踏まえながら、更なる改善・拡充を
検討する。
- 84 -
4.5
カーボンフットプリントに関する専門家の育成
4.5.1
試行事業に参加する外部専門家の確保
CFP算定・表示試行事業におけるレビューア及び検証員、カーボンフットプリントの導
入支援事業における支援コンサルタントを担う外部専門家を確保するため、公募及び研修を
行った。
外部専門家としての活動段階においては、事務局から情報共有を進めるとともに、期中と
期末の2回にわたり外部専門家情報交換会を開催し、試行事業を通して得られた知見の共有
と、今後のカーボンフットプリント制度の見直しに向けた情報収集を行った。
(1)外部専門家の公募と採択
試行事業に関わる「外部専門家」とは、カーボンフットプリントに関する一定水準の専門
的知識を有する人材で、事務局メンバー(みずほ情報総研株式会社及び再委託先である社団
法人産業環境管理協会)以外の外部関係者として、試行事業において以下の役割を担うもの
をいう。
・
PCR原案策定支援コンサルタント
・
CFP算定支援コンサルタント
・
PCR認定における事前レビューア(以下、PCRレビューア)
・
CFP検証における事前検証員(以下、CFP検証員)
今回、この外部専門家を確保するにあたっては、カーボンフットプリント・ウェブサイト
において公募を実施した。書類審査を経て、後述する研修の受講が合格の条件となっており、
最終的に 33 名が外部専門家としての登録者となった。
なお、平成22年度の外部専門家 33 名のうち、平成21年度試行事業における経験者は
22 名であり、残る 11 名は新たな人材として発掘・育成することができた。
表4.5-1 外部専門家の公募実施概要
項目
期間
公募期間
平成22年8月12日(木)~19日(木)
公募方法
カーボンフットプリント・ウェブサイトによる
選考方法
① 応募書類による書類選考(一次選考)
② 一次選考合格者に対するCFP研修
③ 研修の課題演習等による選考(最終選考)
- 85 -
(2)外部専門家に対する研修
外部専門家に対して2日間の研修カリキュラムを実施した。産業環境管理協会がみずほ情
報総研と協力して外部専門家の選定及び研修カリキュラムの実施を行うことで、外部専門家
全体としての質を確保し、向上させることを目的とした。
研修カリキュラムでは主に、「在り方(指針)」及び「PCR策定基準」の改定に関する説
明、平成21年度試行事業におけるPCR認定及びCFP検証の際の指摘事項、共通原単位
データベースに関する情報等、外部専門家として必要となる情報についての内容説明を行っ
た。また、実践的なPCR策定及びCFP算定の技術及び知見を向上させるため、PCR模
擬レビュー・CFP模擬検証の実施とフィードバックを行った。
具体的には、外部専門家候補者を2つのグループに分けて、下記のプログラムを実施した。
第1部は座学を中心に、第2部は課題を基にロールプレイを中心に実施した。
表4.5-2 外部専門家むけ研修概要
第1部
(各回内容同じ)
1回目
2010 年 9 月 10 日(金)13 時 30 分~17 時 30 分
2回目
2010 年 9 月 13 日(月)13 時 30 分~17 時 30 分
第2部
(各回内容同じ)
1回目
2010 年 9 月 21 日(火)09 時 30 分~17 時 30 分
2回目
2010 年 9 月 22 日(水)09 時 30 分~17 時 30 分
研修日時
プログラム
○講習会
・ 試行事業の概要
・ 支援事業コンサルタントの役割について
・ PCRレビューについて
・ CFP検証について
○課題演習(PCRレビュー/CFP検証の模擬演習)
・ 模擬PCR事前レビュー
・ 模擬PCR認定委員会
・ 模擬CFP事前検証
・ 模擬CFP検証パネル
- 86 -
(3)外部専門家に対する情報共有
①外部専門家情報交換会
CFP検証パネルでの判断事例やカーボンフットプリント検証ガイドライン等の資料説
明、及びLCAやカーボンフットプリント制度の技術的な論点に対する意見交換及び知見の
深化を図ることを目的に12月と3月に「外部専門家情報交換会」開催をした。
表4.5-3 外部専門家情報交換会の実施概要
(第1回)
2010 年 12 月 17 日(金) 13 時 30 分~16 時 00 分
日時
参加者数
プログラム
・
・
・
・
・
21 名
試行事業の状況
判断事例集の共有
検証結果報告書等の記入方法について
検証ガイドラインについて
事務局との意見交換会
(第2回)
日時
参加者数
プログラム
2011 年 3 月 11 日(金) 14 時 00 分~17 時 00 分
(ただし、東北地方太平洋沖地震発生のため、15 時頃に中止となった。)
19 名
・ 試行事業の状況
・ 判断事例集の共有
・ 平成22年度成果を踏まえたガイドライン、申請書類等の見直しにつ
いて
②外部専門家への情報共有
外部専門家情報交換会とは別に、外部専門家に対する情報共有のために、随時、文書・
資料を発信した。PCRレビューやCFP検証における注意事項の共有や、委員会及びパ
ネルにおける判断事例集の共有を中心に、軽微な連絡もあわせて計37件の文書配信を行
った。
- 87 -
表4.5-4 外部専門家向け情報発信一覧
文書番号
CFPSTF_H22-01
CFPSTF_H22-02
CFPSTF_H22-03
CFPSTF_H22-04
CFPSTF_H22-05
CFPSTF_H22-06
CFPSTF_H22-07
CFPSTF_H22-08
CFPSTF_H22-09
CFPSTF_H22-10
CFPSTF_H22-11
CFPSTF_H22-12
CFPSTF_H22-13
CFPSTF_H22-14
CFPSTF_H22-15
CFPSTF_H22-16
CFPSTF_H22-17
CFPSTF_H22-18
CFPSTF_H22-19
CFPSTF_H22-20
CFPSTF_H22-21
CFPSTF_H22-22
CFPSTF_H22-23
CFPSTF_H22-24
CFPSTF_H22-25
CFPSTF_H22-26
CFPSTF_H22-27
CFPSTF_H22-28
CFPSTF_H22-29
CFPSTF_H22-30
CFPSTF_H22-31
CFPSTF_H22-32
CFPSTF_H22-33
CFPSTF_H22-34
CFPSTF_H22-35
CFPSTF_H22-36
CFPSTF_H22-37
文書名
担当業務について
算定支援に当たっての注意点
業務フローと提出書類のご説明_コンサル 101014
業務フローと提出書類のご説明_レビューア、検証員 101014
業務報告書_CFP 算定支援 20101014
業務報告書_PCR 策定支援 2010101
旅費謝金請求書 20101014
旅費謝金請求書 20101015
業務フローと提出書類のご説明_レビュー、検証 101015
正・副検証員についてのご説明
旅費謝金請求書 20101026
外部専門家向け情報共有シート_101108
業務説明_正・副検証員についてのご説明 101109
検証申請書のフォーマット変更 101112
複数製品検証における報告書の簡略化と参考データ 101207
旅費謝金明細書 20101215
【資料 1】外部専門家情報交換会 プログラム
【資料 2】資料一覧
【資料 3-1】PCR認定委員会・CFP検証パネル 判断事例集
【資料 3-2】外部専門家向け情報共有シート
【資料 3-3】検証結果報告書・チェックシート 記入例
【資料 4】CFP 外部専門家の感じる課題・問題点
【資料 5】カーボンフットプリント(CFP)検証実施ガイドライン(案)
【資料 6-1】PCR原案テンプレート
【資料 6-2】CFP 検証申請書 記入例
【資料 7】業務フローと提出書類のご説明 レビュー、検証
【資料 8】旅費謝金明細書
外部専門家情報交換会_主なやりとり
CFP 検証結果報告書・CFP 検証チェックシート
PCR レビュー結果報告書_フォーマット
カーボンフットプリント(CFP)検証実施ガイドライン
複数検証製品の扱い等について 110106
(1)PCR レビュー実施ガイドライン
(2)CFP 検証実施ガイドライン
(3)PCR 原案のチェックリスト
(4)CFP 検証申請書のチェックリスト
(5)意見公募結果への対応
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発信日
2010/10/14
2010/10/14
2010/10/14
2010/10/14
2010/10/14
2010/10/14
2010/10/14
2010/10/15
2010/10/15
2010/10/26
2010/10/26
2010/11/10
2010/11/10
2010/11/12
2010/12/7
2010/12/15
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/20
2010/12/21
2010/12/21
2010/12/28
2011/1/6
2011/3/9
2011/3/9
2011/3/9
2011/3/9
2011/3/9
(4)外部専門家の活動における課題
外部専門家からは、外部専門家情報連絡会を通して、PCRレビュー、CFP検証、支援
コンサルタントにおける活動に対する意見や要望があった。これに、事務局としての気づき
を含め、以下のような課題が整理された。
○ルールの周知徹底
詳細なルールについて、外部専門家が熟知していないケースがみられた。特に、CFP
算定・表示試行事業の運用中にも、判断事例集や運用上のルール等が整備され、これを踏
まえたPCR認定及びCFP検証が行われており、事前レビューや事前検証においても、
対応が必要であったが、外部専門家への周知徹底が十分でなかったケースがあった。外部
専門家に対する連絡について、頻度やわかりやすい情報発信の改善が必要と思われる。
○レビューア・検証員とコンサルタントの役割の違い
レビューアや検証員として「審査する立場」で事業者に臨まなければならない外部専門
家が、コンサルタントのように「支援する立場」を事業者から求められるケースがみられ
た。例えば、事前検証において、検証員は、PCRに基づく適合性の確認及び不適合箇所
の修正指摘を行うまでが本来業務であり、指摘に対する修正作業は事業者の責任であるが、
事業者から「どのように修正すればよいのか」と問われるケースが多くみられた。検証員
としては、事業者に対して算定方法を細かく指導しなければ検証作業が進まないという実
態もあり、求めに応じざるを得ないケースが多く、その指導が検証員の負担となっている、
との声もあった。
本事業では、試行錯誤を重ねながらCFPの算定方法や検証方法の確立を図っている段
階であり、外部専門家には検証員として活動している際にも、コンサルタント的な役割を
果たしてもらうことにより、CFP算定に取り組む事業者の育成を図らざるを得ない側面
もある。そこで、対応策として、過度な指導を必要とするレベルの申請案件は、再審査案
件として扱うことで、検証員のスケジュールや負担を緩和することを事務局から伝えた。
また、事業者におけるCFP検証のスキル向上は、カーボンフットプリント制度全体の
課題でもあり、平成22年度も算定支援ツール等の改良に取り組んだが、今後も、さらな
る対応策を考えていくことが、外部専門家の負担軽減にも繋がることと思われる。
○一部の外部専門家への負荷集中
一部の外部専門家にレビュー、検証が集中してしまい、受託した外部専門家の負荷が増
大してスケジュール調整が難しくなったケースが発生した一方、外部専門家として登録さ
れながら一度も案件を担当しなかったケースもあった。案件ごとに希望者を募ったが、ス
ケジュールや内容面から選択の余地が少なく、検証員ごとの負荷平準化を考慮することが
難しかった。しかしながら、カーボンフットプリントに関する人材育成の観点からは、外
部専門家が幅広く経験を積むことが求められる。また、試行事業運営上も、一部の外部専
- 89 -
門家に負荷が集中してレスポンスが悪化し、審査スケジュールに支障をきたすことがない
ように改善する必要がある。
○事業者と外部専門家のコミュニケーション
一部の事業者から事務局に対して、外部専門家に対する改善要望が寄せられたケー
スがあった。特に、事業者にとって機密性の高い書類の取り扱いについては慎重を要
するが、事業者としては審査する立場の外部専門家に遠慮して「機密情報だから持ち
出しはできない」と言いづらかったり、外部専門家は「機密情報を扱うのだから配慮
しよう」という心構えが不足していたものと推測される外部専門家に対しては、今一
度、十分な情報管理をしながらレビュー、検証等に臨むよう、周知徹底が必要である。
- 90 -
4.5.2
カーボンフットプリント地域連絡会
(1)カーボンフットプリント地域連絡会の開催
地方におけるカーボンフットプリントの理解と人材育成を促進するために、全国4か所
(大阪、名古屋、仙台、福岡)においてカーボンフットプリント地域連絡会を実施した。
地域連絡会のプログラムは、第1部(午前)でカーボンフットプリント制度の全体概要を
紹介するとともに、カーボンフットプリント制度参加企業による事例紹介を行った。第2部
(午後)では、PCR策定からCFP算定の各作業プロセス上のポイントについて説明した。
また第2部終了後には、希望者に対する個別相談会を行った。
また、地域連絡会での様子は、カーボンフットプリント・ウェブサイトに公開した。
表4.5-5 地域連絡会開催実績
地域
日程
会場
参加者数
大阪
2011年1月25日(火)
阪急グランドビル
45名
福岡
2011年2月8日(火)
福岡県自治会館
48名
名古屋
2011年2月16日(水)
名古屋都市センター
74名
仙台
2011年2月22日(火)
トラストシティ カンファレンス 仙台
51名
図4.5-1 地域連絡会の会場風景(大阪会場)
- 91 -
表4.5-6 地域連絡会のプログラム及び発表者(敬称略)
<大阪会場>
第1部 10:00~12:00
10:00~10:05
開会のご挨拶
10:05~11:15
「CO2の見える化」に向けて
~カーボンフットプリント制度試行事業の成果と今後の取組~
カーボンフットプリント(CFP)と ライフサイクルアセスメント(LCA)について
(社) 産業環境管理協会 鶴田 祥一郎
11:15~11:45
富士フイルムのカーボンフットプリントの取り組み
富士フイルム株式会社 大貫 良子
11:45~12:00
質疑応答
昼休憩(12:00~13:00)
第2部 13:00~15:00
13:00~14:30
商品種別算定基準(PCR)と カーボンフットプリント(CFP)の算定について
みずほ情報総研(株) 加地 靖
14:30~15:00
質疑応答
個別相談会 15:00~15:30
<福岡会場>
第1部 10:00~12:00
10:00~10:05
開会のご挨拶
10:05~11:15
「CO2の見える化」に向けて
~カーボンフットプリント制度試行事業の成果と今後の取組~
カーボンフットプリント(CFP)と ライフサイクルアセスメント(LCA)について
(社) 産業環境管理協会 神崎 昌之
11:15~11:45
JA宮崎経済連における カーボンフットプリントの取組み
JA宮崎経済連 梅木 哲也
11:45~12:00
質疑応答
昼休憩(12:00~13:00)
第2部 13:00~15:00
13:00~14:30
商品種別算定基準(PCR)と カーボンフットプリント(CFP)の算定について
みずほ情報総研(株)
越智 崇充
14:30~15:00
質疑応答
個別相談会 15:00~15:30
<名古屋会場>
第1部 10:00~12:00
10:00~10:05
開会のご挨拶
10:05~11:15
「CO2の見える化」に向けて
~カーボンフットプリント制度試行事業の成果と今後の取組~
経済産業省 山室 芳剛 氏
カーボンフットプリント(CFP)と ライフサイクルアセスメント(LCA)について
(社) 産業環境管理協会 十村 勝
11:15~11:45
カーボンフットプリント(CFP)の取り組み 対象製品: BOXあずきバー
井村屋グループ株式会社 戸澤 修美
11:45~12:00
質疑応答
昼休憩(12:00~13:00)
第2部 13:00~15:00
13:00~14:30
商品種別算定基準(PCR)と カーボンフットプリント(CFP)の算定について
みずほ情報総研(株)
北村 修
14:30~15:00
質疑応答
個別相談会 15:00~15:30
- 92 -
<仙台会場>
第1部 10:00~12:00
10:00~10:05
開会のご挨拶
10:05~11:15
「CO2の見える化」に向けて
~カーボンフットプリント制度試行事業の成果と今後の取組~
経済産業省 村田 有
カーボンフットプリント(CFP)と ライフサイクルアセスメント(LCA)について
(社) 産業環境管理協会 神崎 昌之
11:15~11:45
カーボンフットプリントへの取組の概要 ~印刷物及び容器包装~
大日本印刷株式会社 長谷川 浩
11:45~12:00
質疑応答
昼休憩(12:00~13:00)
第2部 13:00~15:00
13:00~14:30
商品種別算定基準(PCR)と カーボンフットプリント(CFP)の算定について
みずほ情報総研(株)
加地 靖
14:30~15:00
質疑応答
個別相談会 15:00~15:30
(2)まとめ
カーボンフットプリント制度が我が国に定着し、参加する企業を増やしてゆくためには、
首都圏以外の各地域における企業・業界の取組と人材育成が重要であるとの観点で、地域連
絡会を開催した。来場者アンケートには「地方における情報発信を継続・拡張して欲しい」
といった意見が多く見られ、カーボンフットプリント制度に関する情報に対するニーズを伺
うことができた。これらを踏まえ、今後も内容を充実させつつ、情報発信及び人材育成の地
域展開を継続してゆくことは、カーボンフットプリント制度の更なる発展に資するものと思
われる。
今後、地域におけるカーボンフットプリント制度関連の情報発信を行うにあたっては、地
域において事業者に対するコンサルティングを実施できるような専門家人材を確保すると
共に、専門家人材と事業者をネットワーク化し、そうした各地域におけるカーボンフットプ
リント制度を展開するための拠点づくりについて検討が求められる。
- 93 -
4.6
カーボンフットプリントの制度理解向上に向けた取組
4.6.1
カーボンフットプリント連絡会
カーボンフットプリント連絡会を開催して、カーボンフットプリント制度試行事業に参加
する事業者等に対する情報連絡を行った。
傍聴者の募集の呼びかけには、カーボンフットプリント・ウェブサイトへの開催概要・募
集要項の掲載や、メールマガジン発行により実施した。
傍聴者は、カーボンフットプリント制度試行事業に参加している事業者や、これから参加
を予定している事業者が中心であった。
連絡会開催実績を表4.6-1 に示す。
表4.6-1
日程
第1回
平成 22 年 8 月 5 日
10:00~12:00
第2回
平成 22 年 11 月 25 日
13:30~14:45
カーボンフットプリント連絡会 開催実績
会場/参加人数
主な連絡内容
全日通霞ヶ関
・制度試行事業の概要について
ビル8階
・基本ルールの改定について
大会議室(A) ・各種申請受付の再開について
・支援事業について
223 名
・PCR策定時の「試算(事前評価)」事例紹介
・制度理解向上に向けた取り組みについて
・稲葉委員長からの総括、
・第5回ルール検討委員会のご報告
航空会館5階
501+502会 ・制度理解向上に向けた取り組みの実施状況
・「あなたが選ぶ!森が活きる!キャンペーン」
議室
のご報告(国分㈱ 山田様、西尾委員)
・エコプロダクツ2010の展示、イベント等
68 名
についてのご案内
・カーボンフットプリントの最近の動向のご紹介
(経済産業省)
- 94 -
4.6.2
事業者及び消費者への情報発信の拡充
平成21年度事業において設置したカーボンフットプリント・ウェブサイト
(http://www.cfp-japan.jp)の内容の改良と発信情報の拡充を実施した。
また、平成21年度事業において作成したカーボンフットプリント制度試行事業の取り組
み等を紹介するパンフレット及びチラシの改訂増刷を行った。
図4.6-1 カーボンフットプリント・ウェブサイト TOPページ
カーボンフットプリント・ウェブサイトTOPページは、ヘッダー部分のロゴを新た
にし、「事務局からのお知らせ」を追加した。「事務局からのお知らせ」は、申請におけ
る留意事項や、サイト内のページに誘導しやすくするために設定したもの。
- 95 -
A5 版、2 つ折、12 ページ
図4.6-2 カーボンフットプリント パンフレット
- 96 -
A4、両面
図4.6-3 カーボンフットプリント リーフレット
(1) カーボンフットプリント・ウェブサイトの実施内容
カーボンフットプリント・ウェブサイトでの更新については、概ね週に5回程度(10
ヶ月間に236回実施)の頻度で対応し、遅滞なく公開した。
また、メールによる問い合わせに対して、個別対応を実施した。
① 各種委員会の開催概要の掲載と傍聴者の募集の実施
平成22年度に開催された「ルール検討委員会」、「検証スキーム検討委員会」、「カー
ボンフットプリント連絡会」についての情報発信は、カーボンフットプリント・ウェブ
サイト、メールマガジンを中心に実施した。以下、対応内容を示す。
・ 開催概要、傍聴者の募集の掲載
・ What’s
Newの掲載や、メールマガジンによるアナウンス
・ 傍聴者の自動受付(自動受付返信メール含む)
・ 傍聴参加者一覧の自動作成
・ 「配布資料」、「議事要旨」をすみやかに掲載
- 97 -
② カーボンフットプリント制度試行事業の実施
平成22年度のカーボンフットプリント制度試行事業において、以下についてウェブ
サイトへの掲載を実施した。
・ 各種手続きの状況
・ 「CO2 換算量共通原単位データベース」の差替え
・ 支援事業(「PCR原案策定支援事業」、「CFP算定支援事業」、「広範囲PCRを
用いた実証事業」)の公募案内・結果報告
・ 各種資料、規程類の差替え
・ カーボンフットプリント制度試行事業における理解向上に向けた取り組みについ
てのイベントや、各種取り組みについてのご案内
各種手続きの掲載件数について、表4.6-2 に示す。
表4.6-2
各種手続きの掲載件数
(平成23年3月25日現在)
手続き(掲載ページ)名
PCR 原案策定計画登録済計画一覧
PCR原案意見公募
意見公募の結果報告
認定PCR一覧
CFPマーク使用許諾製品一覧
CFP対象製品
- 98 -
掲載件数
17
59
42
41
154
50
③ ウェブサイトの改良の実施
キッズページ、CFP対象製品等を構築し、小中学生や主婦層等にも分かりやすいカ
ーボンフットプリント・ウェブサイトのコンテンツを作成した。
以下、ページ毎の改良内容について表4.6-3 に示す。
表4.6-3
掲載ページ
トップページ
キッズページ【新規】
カーボンフットプリント制
度の国内におけるこれま
での取組
委員会の情報
PCR原案策定計画登録
済計画一覧
認定PCR一覧
CO2換算量共通原単位
データベース
CFPマーク使用許諾製
品一覧
CFP対象製品【新規】
ISO関連情報
イベント情報
カーボンフットプリント・メ
ールマガジン
支援事業のご案内
FAQ【新規】
ページ毎のウェブサイト改良実施内容
改良内容
・現状に即した、キャッチコピーへ変更
・ウェブサイト訪問者への連絡用として「事務局からのお知らせ」の
運用を開始
イラストを中心に以下のコンテンツを展開
・イラストによる商品の一生(4製品)
・クイズ(初級編、上級編)
・4コママンガ(4編)
・「「カーボンフットプリント」ってなに??」の映像
・パンフレット
平成21年度、平成22年度の取組を追加
対象年度の情報を見やすくするために、過去の年度分を別ページ
切り出し、リンク
一覧を検索しやすくするため、形式をPowerPointからExcelに変
更
最新版のPCRを検索しやすくするために、1明細に1認定PCRと
し、最新版、旧版を併せて掲載
対象年度の情報を見やすくするために、過去の年度分を別ページ
切り出し、リンク
一覧を検索しやすくするため、現行の一覧とは別にExcel表を別途
掲示
・CFPマークを付与された製品を画像つきでわかりやすく掲載
・「CFP対象製品(一覧)」ページでは、上部に、最新に掲載された製
品のみを表示する FLASH を対応。下部には製品一覧を掲載
・「CFP対象製品(製品詳細)」ページでは、製品個別のページとし、
製品の写真の他に、マーク、追加情報、CO2排出量の各段階毎の
円グラフを表示
ISO規格の動向について、最新情報を掲載
・対象年度の情報を見やすくするために、過去の年度分を別ページ
切り出し、リンク
・エコプロを含めた各イベントの報告では、様子をわかりやすくする
ため写真をより多く掲載
お問い合わせが多かった、登録アドレスの変更方法について、注釈
を追記
対象年度の情報を見やすくするために、過去の年度分を別ページ
切り出し、リンク
カテゴリ別に掲載
- 99 -
④ メールマガジンの発行
平成22年6月2日から平成23年3月25日時点で、計88回発行した。購読者数
も661名から993名であり、332名増加した。
メールマガジンの内容は、カーボンフットプリント・ウェブサイトの更新があった場
合の連絡や、委員会の傍聴案内、イベントの参加募集については、募集期限まで継続し
て掲載した。
⑤ アクセス状況
平成23年度におけるカーボンフットプリント・ウェブサイトの訪問者(1日のうちの
重複はカウントは含まず)数について表4.6-4 に示す。
また、一番最初にウェブサイトサイトに訪問されるページは圧倒的にトップページで
あるが、その他では、「CFPとは」、「認定PCR一覧」、「CO2換算量共通原単位デー
タベース」、「What‘s
Newのバックナンバー」、「CFPマーク表示許諾製品一
覧」が多い。平成23年に入ってからは「CFP対象製品」の訪問者数も伸びてきてい
る。
表4.6-4
平成23年度 カーボンフットプリント・ウェブサイトの訪問者数
月
4
5
6
7
8
9
件数
25,544
24,799
26,841
26,747
25,612
25,741
月
10
11
12
1
2
3(~23 日)
件数
25,870
26,766
27,772
28,538
27,795
10,876
(2) パンフレット及びチラシの実施内容
① パンフレット
平成21年度に作成されたパンフレットを基に、平成22年度のルールの改定や、平
成20年の環境省の温室効果ガス排出量(確定値)の数字の取込みを実施した。
消費者が見やすいように、A4版の冊子から、A5版に縮小した。5000部作成し、
エコプロ2010の来場者、イベント参加者、利用希望者への提供した。
PDFについて、カーボンフットプリント・ウェブサイトに掲載済である。
② チラシ
平成21年度に作成されたパンフレットを基に、平成22年度のルールの改定や、平
成20年の環境省の温室効果ガス排出量(確定値)の数字の取込みを実施した。
8000部作成し、エコプロ2010の来場者への提供した。
PDFについて、カーボンフットプリント・ウェブサイトに掲載済である。
- 100 -
4.6.3
エコプロダクツ2010への出展
国内最大級の環境展示会「エコプロダクツ2010」(平成22年12月9日(木)~1
2月11日(土))に東京ビッグサイト
東展示場東1ホール
1-015において、9小
間を使用した、カーボンフットプリント試行製品を展示するブースを出展し、カーボンフッ
トプリント制度の理解向上を目的としたブース展示と、来場者に対するアンケートによる意
識調査を実施した。
平成22年度は「知ることが、変えていくための最初の一歩」をテーマに、ブース内を学
校と近所のスーパーに想定、カーボンフッ
トプリント製品の展示をはじめ、子供向け
学習コーナー、専門家・参加事業者を招い
ての授業や来場者を対象に意識調査(アン
ケート調査)を実施した。
展示コーナーへの来場者数は、約800
0人、3日間とも、終日大変盛況であった。
また、東国原宮崎県知事、鳩山前首相がブ
ースを視察した。
[参考]
ブース全体の様子
カーボンフットプリント制度説明の様子
東国原宮崎県知事の視察
鳩山前首相の視察
エコプロダクツ2010
総来場者数
183,140人 (昨年182,510人)
- 101 -
(1) カーボンフットプリント製品の展示
平成22年度の製品展示数は、35事業者75製品(表4.6-6 展示製品名一覧
参
照)で、教室、職員室、医務室、校庭、スーパーマーケットなどそれぞれ展示した。その製
品展示や来場者の様子は下記の通りである。
表4.6-5
展示製品名一覧
(35事業者
展示製品名称
75製品)
出展事業者
1
食品廃棄物を原料とした有機質の液体肥料 「育つんです!!スク
スク」
アースサポート株式会社
2
キッズメイト(R)リサイクル PET トレー
朝日化工株式会社
3
キッズメイト(R)リサイクル強化磁器食器
朝日化工株式会社・九セラ株式会社
4
学校体育衣料「トレーニングシャツ」 品番:AN-351
株式会社アシックス
5
学校体育衣料「トレーニングパンツ」 品番:AN-451
株式会社アシックス
6
トップバリュキャノーラ油
イオン株式会社
7
トップバリュキャノーラ油
イオン株式会社
8
トップバリュグリーンアイ特別栽培米 あきたこまちギフト用
イオン株式会社
9
トップバリュごはん 福島産こしひかり 200g
イオン株式会社
10
トップバリュごはん 福島産こしひかり 200g×3 個
イオン株式会社
11
トップバリュごはん 福島産こしひかり 200g×5 個
イオン株式会社
12
トップバリュスーパークリーン
イオン株式会社
13
トップバリュグリーンアイ特別栽培米 こしひかり
立命館大・イオン・JA 北びわこ・神明
・大和産業
14
BOX あずきバー
井村屋株式会社
15
ごみ袋 農ポリリサイクル製品 「農強ダストパック」
株式会社岩井化成
16
泉州タオル・グリーンクラブ加工 カラータオル
大阪タオル工業組合・八木春株式会社
17
泉州タオル・グリーンクラブ加工 白タオル
大阪タオル工業組合・八木春株式会社
18
ユニフォーム(看護士用衣料)
オンワード商事株式会社
19
チューブファイル<エコツイン R>A4 縦 30mm とじ 2 穴青・シルバー
品番:フ-RT630B(青)・C(シルバー)
コクヨS&T 株式会社
20
チューブファイル<エコツイン R>A4 縦 50mm とじ 2 穴青・シルバー
品番:フ-RT650B(青)・C(シルバー)
コクヨS&T 株式会社
21
チューブファイル<エコツイン R>A4 縦 80mm とじ 2 穴青・シルバー
品番:フ-RT680B(青)・C(シルバー)
コクヨS&T 株式会社
22
チューブファイル<エコツインR>用替表紙 A4 縦 50mm タイプ用
品番:フ-RH650B(青)・C(シルバー)
コクヨS&T 株式会社
23
E-エポカル(PNB-30E)
三信化工株式会社
24
E-エポカル(PNS-23E)
三信化工株式会社
25
パワーセラハイセレクション YBH-706 (イングレーズ)
三信化工株式会社
- 102 -
展示製品名称
出展事業者
26
パワーセラハイセレクション YBH-706 (下絵)
三信化工株式会社
27
パワーセラハイセレクション YBH-733 (イングレーズ)
三信化工株式会社
28
パワーセラハイセレクション YBH-733 (下絵)
三信化工株式会社
29
パワーセラハイセレクション YBH-771 (イングレーズ)
三信化工株式会社
30
パワーセラハイセレクション YBH-771 (リサイクル)
三信化工株式会社
31
パワーセラハイセレクション YBH-771 (下絵)
三信化工株式会社
32
パワーセラハイセレクション YSH-364 (イングレーズ)
三信化工株式会社
33
パワーセラハイセレクション YSH-364 (下絵)
三信化工株式会社
34
パワーセラハイセレクション YSH-7015 (イングレーズ)
三信化工株式会社
35
パワーセラハイセレクション YSH-7015 (下絵)
三信化工株式会社
36
ポリプロトレイ(T-152)
三信化工株式会社
37
食器(メラミン樹脂製) MB-2130
三信化工株式会社
38
油性マーカー 「乾きまペン」(K-177N 及び K-199N)
シヤチハタ株式会社
39
自社宣伝用カレンダー A2,7 枚綴り
株式会社新藤
40
エコカイト(無機性汚泥を原料とする再生路盤材)
株式会社ソイルマネジメントジャパン
41
女子長袖ブラウス
株式会社チクマ
42
女子事務服2つ釦ジャケット AR4818
株式会社チクマ
43
女子事務服スカート
AR3818
株式会社チクマ
44
女子事務服ジャケット NF4524
株式会社チクマ
45
女子事務服ベスト NF2524
株式会社チクマ
46
女子事務服スカート
株式会社チクマ
47
女子ジャケット TE4040
株式会社チクマ
48
女子スカート TE3042
株式会社チクマ
49
女子事務服ジャケット SA102J
株式会社チクマ
50
女子事務服ベスト SA103B
株式会社チクマ
51
女子事務服スカート SA104D
株式会社チクマ
52
男子ジャケット TE2040
株式会社チクマ
53
男子スラックス TE5042
株式会社チクマ
54
E サイズ 60g ポリッピー塩味
株式会社でん六
55
ワンタン しょうゆ味
東洋水産株式会社
56
カーテンレール E202(2m 用ダブルセット)
トーソー株式会社
57
ステーキソース 大根おろし 210g
日本食研製造株式会社
58
セフターE 1.0kg<計量スプーンなし>箱入り
日本生活協同組合連合会
AR1447
- 103 -
展示製品名称
出展事業者
59
上級森の薫り あらびきウインナー (184g)
日本ハム株式会社
60
上級森の薫り あらびきウインナー (92g)
日本ハム株式会社
61
上級森の薫り ももハム (53g)
日本ハム株式会社
62
上級森の薫り ロースハム (30g ×3 パック)
日本ハム株式会社
63
上級森の薫り ロースハム (60g)
日本ハム株式会社
64
東京都東村山市 家庭用指定収集袋(燃やせないごみ 40L)
日本フィルム株式会社
65
東京都東村山市 家庭用指定収集袋(燃やせるごみ 40L)
日本フィルム株式会社
66
ICT ホスティングサービス
日本ユニシス株式会社
67
消火器
株式会社初田製作所
68
電子黒板「StarBoard」
株式会社日立ソリューションズ
69
印刷用 PS 版:新聞用途 i-Presso HN-N V
富士フイルム株式会社
70
印刷用 PS 版:商業印刷用途 ECONEX XP-F
富士フイルム株式会社
71
バタークッキー <バター5%>
株式会社ブルボン
72
宮崎県産 トップバリュグリーンアイ 特別栽培 ピーマン
みやざきブランド推進本部
73
宮崎県産 促成グリーンピーマン(特別栽培)
みやざきブランド推進本部
74
バラの切り花
有限会社メルヘンローズ
75
廃棄物焼却処理・埋立処分(中間財) (パネル展示のみ)
株式会社ミダックふじの宮
<ブース内
製品展示の様子>
スーパーマーケット
スーパーマーケット製品を手に取ってみる
来場者
- 104 -
- 105 -
(2) 教室での授業 (イベントコーナー)
学校の教室では、カーボンフットプリントの有識者、事業者の方々を講師に迎え、次の授
業を行った。(時間割は表4.6-6 参照)
カーボンフットプリントのおはなし
3講演
カーボンフットプリント講座
2講座
わが社のカーボンフットプリントの取り組み
9事業者
各授業も開始と同時に人が集まり、大盛況であった。
12月9日1時間目 山田先生
12月9日3時間目 田原先生
12月10日 2 時間目 稲葉先生
12月11日1時間目 辰巳先生
<教室の様子>
壁新聞
全体
- 106 -
表4.6-6
カーボンフットプリント学園の授業時間割
時間割
授業内容
11:00~11:20
2010 年 12 月 9 日
(木)
11:30~12:00
15:00~15:20
15:30~16:00
11:30~12:00
2010 年 12 月 10 日
(金)
13:00~13:20
14:30~14:50
15:30~16:00
2010 年 12 月 11 日
(土)
11:30~11:50
12:00~12:30
授業の合間
カーボンフットプリントのおはなし~事業者にとって~
山田英夫 先生(国分株式会社)
わが社のカーボンフットプリントの取り組み
株式会社アシックス、三信化工株式会社
カーボンフットプリント講座
田原聖隆 先生(産業技術総合研究所)
わが社のカーボンフットプリントの取り組み
(株)ソイルマネジメントジャパン
わが社のカーボンフットプリントの取り組み
日本ユニシス株式会社、(株)日立ソリューションズ
カーボンフットプリントのおはなし~世界の動き~
稲葉 敦 先生(工学院大学)
カーボンフットプリント講座
加地靖 先生(みずほ情報総研株式会社)
わが社のカーボンフットプリントの取り組み
株式会社チクマ、富士フィルム株式会社
カーボンフットプリントのおはなし~消費者にとって~
辰巳菊子 先生(日本消費生活アドバイザーコンサルタント協会)
わが社のカーボンフットプリントの取り組み
井村屋株式会社、日本食研製造株式会社
DVD「カーボンフットプリントってなに?」(消費者編)
(3) 子供向け環境学習コーナー 「パズルを使って、商品の一生を完成させよう!」
子供たちが楽しくゲームに参加しながら、商品の一生「材料をつくる」「商品をつくる」
「運ぶ」「使う」「捨てる」の各段階でCO2を排出されていること、また、商品によって、
また各段階によってそれぞれCO2排出量の違いがあることに気づき、では、自分たちはC
O2を減らすために何が出来るかを考え、行動へつなげてもらうことを目的に実施した。
環境学習コーナーの参加者数を表4.6-8に示す。
表4.6-7
子供向け環境学習コーナー
実施日
2010 年 12 月 9 日(木)
2010 年 12 月 10 日(金)
2010 年 12 月 11 日(土)
3 日間 計
- 107 -
参加者
参加者数
80 名
285 名
171 名
536 名
子供向け環境学習コーナー
全体
商品の一生について説明を聞く
中学生も参加
皆で一緒に!
(4) エコプロダクツ2010における来場者受容性調査とその結果
① 受容性調査について
カーボンフットプリント展示コーナーの来場者に対してアンケート調査を実施した。同時に
表示の多様化に関するアンケートも実施したが、本報告書からは除外した。
調査実施期間は、平成22年12月9日(木)~11日(土)、調査実施場所は東京ビッグ
サイト東展示場東1ホール1-015である。アンケート調査票は開催期間を通して、全体で1
114件の回収を得た。回収数の内訳を表4.6-8 に示す。
表4.6-8
アンケートの回収数
実施日
2010 年 12 月 9 日(木)
2010 年 12 月 10 日(金)
2010 年 12 月 11 日(土)
3 日間 計
- 108 -
アンケート回収数
245 件
535 件
334 件
1114 件
② アンケート結果
回収した回答数は1114件、Q1からQ6の結果(Q3を除く)は次に示す。
Q1 回答者の属性
性 別
26%
43%
男 性
女 性
無回答
31%
年代別
14%
3% 4%
24%
16%
10代
20代
30代
40代
50代
17%
60代以上
無回答
22%
職業別
16%
会社員
3%
自営業
主夫/主婦
2%
52%
13%
学 生
無 職
その他
無回答
10%
4%
図4.6-4 アンケート 回答者属性
男女比では男性43%、女性31%と男性がやや多かった。年代では 20 代24%、4
0代が22%と多く、ついで30代17%、50代16%とほぼ同じであった。職業は会
- 109 -
社員が半数で圧倒的に多かったが、続いて学生13%、主夫・主婦10%と続いた。
Q2 カーボンフットプリント(以下、CFP)という言葉について、ご存知でしたか?
CFP認知状況
2%
19%
意味を知っていた
確かに聞いたことがあった
聞いたことがあるような気がする
知らなかった
無 回 答
52%
11%
16%
図4.6-5 アンケート CFP認知状況
エコプロダクツ展に来場する人は環境意識の高い人が多いことが反映され、意味を知っ
ていた人が52%と半数を超え、確かに聞いたことがあったという人を含めると、約7
0%近くとなっている。
Q4 マークの貼付された商品をマークの貼付されていない商品よりも優先して買いたい
と思いますか?
CFPマークが貼付された商品について
8%
3%
7%
7%
高くても買いたい
同じ価格なら買いたい
多少安ければ買いたい
マークの有無を判断基準としない
無回答
75%
図4.6-6 アンケート CFPマークが貼付された商品について
同じ価格なら買いたいという回答が75%と圧倒的に多い。他は7~8%と同程度であった。
- 110 -
Q5 どのような特典があればCFPが表示された商品を購入しますか?
CFP表示商品の購入動機
2%
ポイントがつく
2%
19%
植林事業などを通じて、CO2がオフセット
されている
何かの品物(エコバッグ等)と交換できる
35%
特に特典は必要ない
11%
その他
無回答
31%
図4.6-7 アンケート CFP表示商品の購入動機
「ポイントがつく」が、「CO2がオフセットされている」よりやや多く、ついで、「特
に特典は必要がない」が多かった。
「その他」と回答した場合、具体的に購入動機とな
るものを記載してもらったが、主な記載動機は、下記のようなものであった。
・買うことにより、自分がCO2削減に協力したことが判る。3件
・カーボンフットプリントの意味をきちんと理解できれば購入する。3件
・多くの商品にカーボンフットプリントマークがつけば、その中から性能などを考え選択
することができる。
4件
・価格に反映してもらえば購入する。2件
・たまったポイントの使い方による。2件
等
- 111 -
Q6
商品がもたらす環境負荷には、温室効果ガスのほか、資源枯渇・大気汚染・水質汚
濁など多様なものがあります。CFPは、このうちCO2 (温室効果ガス)の排出量に
特化していますが、このようにCO2に特化して数値を表示することについて、どう
考えますか?
CO2に特化して数値を表示すること
1%
9%
CO2に特化して表示することが重要
とりあえずCO2だけ表示されていればよい
19%
40%
CO2だけ表示することは好ましくない
CO2を含めて環境負荷については考慮し
ない
無回答
31%
図4.6-8 アンケート CO2に特化して数値を表示すること
CO2に特化して表示またはCO2だけ表示されていればよいと回答した人が70%
と、肯定的な意見が圧倒的であった。さすがにエコプロダクツ展に来場する人は、環境負
荷について考慮しないという人は1%とほとんどいなかった。
自由欄:カーボンフットプリントやその制度に関して
自由に意見を書く欄には、約140名の方の意見を聞くことがでたので、主な意見を次
にまとめた。
①カーボンフットプリントへの期待
・早く多くの商品に表示され、一般的になって欲しい。
・実際表示している商品を見たことがないので普及が進んで欲しい。
・商品購入のときの選択の目安にしたい。
・もっとメディア等で宣伝したり、国民への周知や学校教育が必要など。
②気づき
・企業が努力していることを知ったこと。
・CO2量がこんな多いことをはじめて知った。
・まず、知ることが大切。もっと、情報を流して下さい。
・教育の必要性を感じました。
○ご参考:表示方法やマークについて
・削減率でも排出量の絶対値でもなく、削減量を絶対値であらわして欲しい。
・CO2排出量は罪悪感、削減率は幸福感。
・その商品を買うことによる削減量を知りたい。自分の行動がどのように
活かせるかを知りたい。
・数値表示に対して信頼性してよいのか・・・。
- 112 -
・表示が判りにくい。親しみのあるマークが良い。カラフルにするとか、
キャラクターがあるとか。
③ 考察
今回のアンケートにより、性別、年代別、職業別のカーボンフットプリントの認知状況に
ついて、集計した結果を考察した。
・性別によるカーボンフットプリント認知状況を下記に示す。
図4.6-9 アンケート 性別によるCFP認知状況
意味を知っている人は男性294名、女性148名と男性が女性の2倍であった。
意味を知っている人、確かに聞いたことがある人は男性が多く、聞いたことがあるよう
な気がする、または知らなかったと回答した人は女性が多かった。
- 113 -
・年代別によるカーボンフットプリント認知状況を下記に示す。
図4.6-10 アンケート 年代別によるCFP認知状況
10代を除くと各年代で、意味を知っていた人が非常に多く、20代、30代の若い人
は知らなかったと回答した人が確かに聞いたことがあると同程度または少なかった。逆に
40代以上では、意味を知っていたに次いで、知らなかった人が多かった。
・職業別によるカーボンフットプリント認知状況を下記に示す。
図4.6-11 アンケート 職業別によるCFP認知状況
職業別では会社員、学生では意味を知っている人が多く、主夫・主婦では知らなかっ
た人が多かった。
- 114 -
【参考】
参考までに、エコプロダクツ2010の来場者と、カーボンフットプリントブースのア
ンケート回答者の男女比及び職業別傾向について、比較をしてみたので次に記す。
1)来場者数(男女比)について:
エコプロダクツ2010では、3日間の全来場者のうち約74.7%が男性、25.
3%が女性であった(エコプロダクツ2010報告書から推計)。一方、カーボンフッ
トプリントブースのアンケート回答者では、無回答を除く男女の割合は、男性が58.
4%、女性が41.6%と女性の比率が高くなっており、カーボンフットプリントに関
する女性の関心の高さが伺われる。
2)職業別傾向:
エコプロダクツ2010来場者調査とカーボンフットプリントアンケート調査での職
業別分類方法が、「主婦/主夫」と「学生」は同じであるが、他は異なっているため、全
体的には必ずしも対応しない。しかし、大きく分けて、「お勤め」、「自営業者」と考え
られる層が、ともに最も多く60%程度を占めている。また、「主婦/主夫」と「学生」
の比率ではカーボンフットプリントアンケート回答者で「主婦/主夫」層の比率が高く「学
生」の比率が低くなっていることから、「学生」に比べて「主婦/主夫」層の関心が高い
と推察される。
図4.6-12 エコプロダクツ2010の来場者とCFPブースのアンケート回答者の比較
70
60
CFP回答者
エコプロ来場者
(%)
50
40
30
20
10
0
お勤め・自営 主夫/主婦
学 生
- 115 -
その他
無回答
④アンケートのまとめ
アンケート回答総数は1114件、男女比は「無回答」を除外すればほぼ6:4であり
男性が若干多かった。回答の中で、カーボンフットプリントについて「意味を知っていた」
という回答は過半数を占めており、「知らなかった」に比べて極めて多かった。一方、「意
味を知っていた」という回答は主夫/主婦層では20%弱であり、逆に「知らなかった」と
いう回答が49%と高かったことから、業務や講義などでカーボンフットプリントについ
て知る機会が多いと思われる会社員や学生に比べて、一般家庭ではカーボンフットプリン
トについて知る機会がかなり少ないと推察された。
カーボンフットプリントマーク付きの商品については、「同じ価格なら買いたい」を選
択した人は全体の約75%、4人のうち3人と際だって多い結果となった。この傾向は女
性・学生でも同じである。主夫/主婦層では約69%と低いが、大きな差ではない。
一方、「高くても買いたい」を選んだ人の中では主夫/主婦層が学生の2倍程で約10%
となっている。両者で若干の差がみられたのは、(もっと詳しく調査しないとはっきりしな
いが)購買力の違いも一因と考えられる。
カーボンフットプリントマーク付き商品の特典として「ポイントがつく」と「植林事業
などを通してCO2がオフセットされている」を選んだ人は約 3 人に1人の割合であった。
ただし「何かの品物(エコバック等)との交換できる」を選んだ人は少なく、13%弱で
あった。一方で「特に特典は必要ない」とした回答も 5 人に 1 人程度あった。
この中で、主夫/主婦層は若干この傾向と異なっており、「ポイントがつく」と「特に特
典は必要ない」の回答率が28%程度で拮抗している。この理由として、エコプロ展に来
場する主夫/主婦層は、カーボンフットプリントについての知識はまだ低いかもしれないが、
環境に関する意識が高いためではないかと推察された。
「CO2に特化して表示」と「とりあえずCO2だけ表示」の二つを併せれば約73%
になり、「CO2だけでは好ましくない」の19.3%を大きく上回る結果であった。この
比率は女性や学生でもほとんど同じであり、主夫/主婦層では「CO2に特化して表示」で
よいとする回答だけで約52%と高かった。なお「環境負荷について考慮しない」を選択
した人は1%前後であり、これからも回答者は環境意識が高いことが伺える。記述式回答
を分類すると表示方法に関する意見が最も多かった。
以上、エコプロ展への来場者でアンケートへの回答者は、カーボンフットプリントにつ
いて極めて高い認知率をもっていることが改めて確認された。これは、回答者の多くの会
社員・学生が業務や講義を通してカーボンフットプリントと関わっているためと考えられ
る。一方で、特徴的なのは「主夫/主婦層」の回答である。この層の来場者は、CO2等温
室効果ガスによるに「地球環境問題」に関心が高いことがQ4やQ6から推察されるが、
Q2からはカーボンフットプリントについての知識が低いことがわかる。
次へのアプローチとしては、「消費行動」によってCO2を削減するためには、環境に
関心のあるこれらの層がカーボンフットプリントについて正しい知識を持つことが重要で
あり、今後いかに広く知ってもらうかが鍵であるといえる。また、エコプロ展での受容性
調査は継続して実施していき、カーボンフットプリントの受容性の動向を確認することが
- 116 -
大切であると思われる。
- 117 -
4.6.4
小中高生むけ制度理解向上の取り組み
小・中・高校生等へのカーボンフットプリントの理解促進をはかるプログラムの開発とイ
ベントを実行し、あわせて受容性調査を実施した。
(1) 開催実績
小・中・高校生等へのイベント開催実績を以下に示す。
表4.6-9
小・中・高校生等へのイベント開催実績
日程
イベント名
実施場所
平成22年6月8日
エコフェスティバル
越谷市立 大袋東小学校
平成22年11月21日
エコフェスティバル(2)
越谷市立 大袋東小学校
平成22年12月
9~11日
ジュニアグリーンスクール
東京ビッグサイト
平成22年9月22日
総合学習
「一人ひとりのエコの力が
地球の未来を救う」
川崎市立 宮内中学校
平成22年12月17日
公開授業(エネルギ環境 WS)
川崎市立 枡形中学校
平成22年11月21日
第 7 回高校生環境サミット
東京都立 つばさ総合高校
- 118 -
(2) イベント内容と結果
以下、小学校、ジュニアグリーンスクール、中学校、高等学校のイベントでの実施内容、
結果、受容性調査結果について示す。
① 小学校
小学生に、カーボンフットプリントマークの付いた製品を実際に見て、製品の一生を考え、その一
生の様々な段階でCO2が排出されていることを児童たちに知ってもらい、カーボンフットプリントへ
の理解を深めることを目的にしたプログラムを開発し、実際に小学校におけるイベント(特別授業)で
実践した。
プログラムの実践を行ったのは、埼玉県越谷市立大袋東小学校であるが、同校では、6月と11月
の2回にわたって環境に関する学習イベントとして外部講師を招いて模擬授業を行っている。今回、
このイベントに参加したが、特に11月のイベントでは、6月の実践で得られた知見を踏まえて、改良
版のプログラムを用意して参加した。
小学校でのカーボンフットプリントの受容性については、プログラムの最後で、カーボン
フットプリントについての質問を実施することで確認した。ほぼ全員の児童が「カーボンフ
ットプリント」という言葉、意味を学んだと考えられる。
●越谷市立大袋東小学校のカーボンフットプリント理解促進イベント6月について
表4.6-10
日時
場所
対象者
プログラム
越谷市立大袋東小学校のカーボンフットプリント理解促進イベント(6月)
平成 22 年 6 月 8 日(火)9:00~12:00 (30 分×5 回)
埼玉県越谷市立大袋東小学校
小学生 約 33 名(内訳:1 年生から 6 年生各 5,6 人)×5 回。
各回、3 グループ(約 10 名/グループ)に分かれた。延べ参加人数 166 名
導入
これから学ぶ「カーボンフットプリント」のマークの紹介を紹
介する。
ステップ1:グループワーク「マークをさがそう」
品物のカーボンフットプリントマークを探す。
導入:マークの紹介
ステップ2:グループワーク「ものの一生」
「ものの一生」カードを品物の一生の流れどおりに並べか
える。
ステップ2の様子
- 119 -
プログラム
ステップ3:説明「カーボンフットプリント」
全てのグループの、並べかえた「ものの一生」カードを黒
板に貼る。講師が「ものの一生」カードに足跡マーク(CO2 相
当量)を貼る。
ステップ4:クイズ「カーボンフットプリント並べ」
足跡マークを参考にして、品物の CO2 排出量が多い順を
予想する。ステップ1で見つけたマークの数字(答え)を各グ
ループから発表する。
児童の反応
ステップ3の様子
ステップ5:まとめ
いろいろな品物のカーボンフットプリントマークを見る。
カーボンフットプリントマークを覚えたかどうか、確認する。
ステップ5の様子
電気を使う時に出る CO2 と電気を使わなくても品物の一生の
中で出る CO2(カーボンフットプリントで見える化できる)を確
認する。
当日は、児童が実際の製品を触ったり調べたりしながら、熱心にカーボンフットプリン
トの説明に聞き入り、楽しみながら学習していた。また、プログラム終了時にはほとんど
の児童がカーボンフットプリントの名称とマークを覚え、「実際に品物がお店にあったら
買ってみたい」という感想も出るなど、盛況のうちにイベントを終えることができた。
【児童の感想(抜粋)】
・わたしは「カーボンフットプリントって?」というのをやりました。すごくむずかしかったけ
どたのしかったです。(小学 2 年生)
・わたしたちはポテトチップスのことをやって、どんなに CO2 をつかってたのかわかりまし
た。一番つかっていたのはおわんでした。これからはカーボンフットプリントを見たらメ
モしてみたいです。(小学3年生)
・わたしは、最初「なんだろう」と思っていました。話をよく聞いてよくわかりました。CO2 を
どのくらい使っているかをあらわした物です。おかあさんにも教えたいです。(小学4
年生)
・CO2 を足の大きさで表したようなものをカーボンフットプリントといいます。少しむずかし
い説明だったけど、ポテトチップスを作るのに使う CO2 の量がとても大きくて、ホワイト
ボードにはることができなかったです。すごくびっくりしました。(小学5年生)
・カーボンフットプリントの勉強をしました。カーボンフットプリントは CO2 を足あとであら
わしたものです。食器の CO2 はとくにおどろきました。かなりのデカさでポテトチップス
の何十倍でした。一つははりきれないほどだったので、かなりおどろきました。(小学5
年生)
・最初カーボンフットプリントってなにかな?と思ったけれど、商品を作るときにはい出さ
れる CO2 のはい出量をしるためにマークだときいてびっくりしました。(小学5年生)
・ポテトチップスの一生や、ペン、しょっきの一生について考えました。自分で考えたり、
みんなで考えたりしてとても楽しかったです。(小学5年生)
・品物の一生にはどれだけの CO2 がかかっているのかを調べました。中でも食器のよう
なプラスチックだと CO2 を重さにかえて 15kg~30kg 以上かかることが分かりました。
(小学6年生)
・カーボンフットプリントは CO2 の勉強とほぼ同じでした。ペンの一生が一番 CO2 を使わ
ないことが分かりました。食器が一番 CO2 を使うと分かりました。食器はすごい使うの
で、くりかえし使いたいです。(小学6年生)
・カーボンフットプリントとは商品の足あとだということがわかりました。商品はまず原材
料を作って、それから商品を作って、売るために運んで、消費者が買って最後にすて
るというふうにするのに、CO2 が出る量が多い物があったり、少ない物があるということ
がわかりました。(小学6年生)
- 120 -
児童の反応
・私はペンや食器、ポテトチップスなどについているカーボンフットプリントについて教
えてもらいました。カーボンフットプリントとは、原材料をつくる~すてるまでの CO2 排
出量のことでした。ペンはいつも使っている物だったのでびっくりしました。(小学6年
生)
・私は今日、カーボンフットプリントを知りました。ポテチとペンと食器では、食器がいち
ばん CO2 を出すことがわかりました。食器は CO2 をいっぱい出したので、大切につか
いたいです。(小学6年生)
・たのしかったです。ポテトチップスを作るのにどれくらい CO2 を使っているのかというの
を勉強しました。あと、お皿、ペン、せんべい、あめ、おぼんのも調べました。(小学6
年生)
●越谷市立大袋東小学校のカーボンフットプリント理解促進イベント11月について
6月のイベントにおける児童の反応をふまえて、プログラムを改良して参加した。具体的
には、「なぜ足跡が大きいのか(CO2排出量が多いのか)」、「なぜ足跡が小さいのか(CO
2排出量が少ないのか)」を考えて、「CO2排出量の削減に向けて自分達ができることを考
える」という展開を追加した。
表4.6-11
日時
場所
対象者
プログラム
越谷市立大袋東小学校のカーボンフットプリント理解促進イベント(11月)
平成 22 年 11 月 6 日(土)13:00~14:50 (30 分×3 回)
埼玉県越谷市立大袋東小学校
小学生 約 36 名(内訳:1 年生から 6 年生各 5,6 人)×3 回
各回、3 グループ(約 12 名/グループ)に分かれた。延べ参加人数 108 名。
導入
これから学ぶ「カーボンフットプリント」のマークの紹介を
紹介する。
ステップ1:グループワーク「マークをさがそう」
各グループの机の上にポテトチップス、ペン、食器のう
ち、1種類の品物を置く。各グループで、机の上の品物
のカーボンフットプリントマークを探す。
- 121 -
導入:マークの紹介
プログラム
ステップ2:グループワーク「ものの一生」
「ものの一生」カード(原料を集める、品物をつくる、運
ぶ、使う、捨てる・リサイクル)を、品物の一生の流れどお
りに並べかえる。
各グループで並べかえた「ものの一生」カードをホワイ
トボードに貼って発表し、順番の答え合わせをする。
ステップ1の様子
ステップ3:クイズ「カーボンフットプリント並べ」
各グループでポテトチップス、ペン、食器について、
CO2 排出量が多い順(品物の一生でエネルギーを多く使
う順番)を予想して、結果と理由(CO2 排出量が多いと予
想した理由)を発表する。
ステップ1で見つけたカーボンフットプリントマークの数
字(答え)を各グループから発表して、答え合わせをす
る。
ステップ2の様子
ステップ4:説明「カーボンフットプリント」
ポテトチップス、ペン、食器について、講師が「ものの
一生」カードに足跡マーク(CO2 相当量)を貼る。
それぞれの品物の一生の中で足跡マークの大きさを
確認します。品物の特徴を考えて、一生の中のある段階
で「なぜ足跡が大きいのか」、「なぜ足跡が小さいのか」を
考える。
ステップ 4 の様子
ステップ5:まとめ
いろいろな品物のカーボンフットプリントマークを見る。
カーボンフットプリントマークを覚えたかどうか、確認す
る。電気を使う時に出る CO2 と電気を使わなくても品物の
一生の中で出る CO2(カーボンフットプリントで見える化で
きる)を確認する。
ステップ5の様子
児童の反応
・食器のカーボンフットプリントを足跡で表すと、大きな足跡になることに驚いていた。
・高学年の児童はステップ3のクイズやステップ4の説明の「なぜ足跡が大きいのか」「な
ぜ足跡が小さいのか」を積極的に考えて、発表していた。
・ステップ3のクイズでは、各グループでポテトチップス・ペン・食器の CO2 排出量を予
想する判断基準として、リサイクルできるかどうか、石油を使っているかどうか、材料を
育てる(ポテトチップスのじゃがいも)時には何をするかなどに着目していた。
・ステップ4において「食器のカーボンフットプリントは“使う時になぜ足跡が大きいの
か”」を考えた際、食器は長期間使用されることや、食器を使う度に洗うことに気づい
た。そこから自分達に出来ることは食器を大切に長く使うことや、食器を洗う時に使う
水量を少なくする工夫をすることを話し合った。
・ステップ4において「ポテトチップスのカーボンフットプリント」を考えた際、じゃがいもを
育てる時にかかる時間や多くの作業に比べると、ポテトチップスは食べ始めたらすぐ
に食べ終わり、袋だけがごみになることから、生活の中で見えるのはポテトチップスの
一生の中のわずかな部分であることに気づいた。
- 122 -
② ジュニアグリーンスクール
ジュニアグリーンスクールは、エコプロダクツ2010の事業の中で、参加企業や団体が
行う環境活動を通して、楽しみながらエコを学ぶ特設テーマゾーンと位置づけられている。
小中学生を中心とした来場者に「気づき」や「発見」の情報を発信する「エコプロ教室(4
0分の体験型授業)」は、小中学生に対する受容性調査の一環として、カーボンフットプリ
ント試行事業に参画している事業者の協力を得て開催した。
ジュニアグリーンスクールでのカーボンフットプリントの受容性については、プログラム
の最後で、カーボンフットプリントについての質問で、確認した。ほぼ全員の児童が「カー
ボンフットプリント」という言葉、意味を学んだと考えられる。
対
象:小中学校の生徒
開催場所:エコプロダクツ2010展示場
(ビッグサイト東展示場東6ホール6-905)
開催日時:平成22年12月9日~11日
受講者数:158人
表4.6-12
ジュニアグリーンスクールのプログラム
項目
内容
「カーボンフットプリントマ 映像から、カーボンフットプリントマークを学ぶ
ークって知ってる?」
グループワーク「商品の一生」 商品の一生(ライフサイクル)の中で、どのような場面で CO2
が出ているのかゲームを通して考える。
説明「カーボンフットプリント カーボンフットプリントマークを表示している企業の人から
マークを表示している企業の 「どんなところが CO2 排出量が多いか」、「こんなところに注
人のお話」
目」等のお話を聞く
実際に、「制服」「文房具」「ウインナソーセージ」を教材と
して使用
クイズ「カーボンフットプリン クイズを通して、カーボンフットプリントについて、理解を深
トの意味」
める。
まとめ
最後にカーボンフットプリントの意味を聞き、CO2 を減らすため
に自分たちにできることについて考える。
表4.6-13
時間割
2010 年 12 月 9 日(木)
12:55~13:35
2010 年 12 月 10 日(金)
10:10~10:50
2010 年 12 月 11 日(土)
10:20~11:00
ジュニアグリーンスクールの実施スケジュールと参加者
参加生徒
横須賀市北下浦中学校 1 年生
50 人
相模原市藤野北小学校 3-6 年生 23 人
市川市立稲越小学校 4 年生
25 人
都立富士高等学校附属中学校 1 年生 60
人
- 123 -
商品の一生を説明する先生
株式会社チクマ 吉川様
コクヨ S&T 株式会社 竹内様
シヤチハタ株式会社 伊藤様
日本ハム株式会社 河崎様
ジュニアグリーンスクール(エコプロ教室)の様子
グループワーク「商品の一生」
「カーボンフットプリントマークを表示している企業の
人のお話」 その1
「カーボンフットプリントマークを表示している企業の
人のお話」 その2
クイズ「カーボンフットプリントの意味」
- 124 -
③ 中学校
品物の一生の中で発生する環境負荷やCO2を考えて、意見を出し合い、カーボンフット
プリントの意味を学び、また、カーボンフットプリント試行事業に参画している事業者の協
力により、実際のカーボンフットプリント商品を手にしながら話を聞き、環境問題とのつな
がりを学ぶことを目的にしたプログラムを開発し、実際に中学校における授業で実践した。。
9月に実施した川崎市立宮内中学校では授業時間が110分であったことと、総合的な学
習(全11回)の1回に位置づけて一連の流れの中で授業を実施できたことから、品物の一
生と環境問題全体とのつながりを考える時間をとることができた。一方、川崎市立枡形中学
校では授業時間が宮内中学校よりも20分短い90分であり、また、授業の位置づけも1回
限り、単発の授業であった。そのため、品物の一生と環境とのつながりを考えるステップ1
では、エネルギー(CO2 排出量)に特化して検討するプログラムに変更した。
中学校でのカーボンフットプリントの受容性については、プログラムの最後で、カーボン
フットプリントについての質問や感想によって、確認できたと考えられる。カーボンフット
プリントの概念だけでなく、環境全体について学んだと考えられる。
●川崎市立宮内中学校のカーボンフットプリント理解促進イベントについて
表4.6-14
日時
場所
対象者
プログラム
川崎市立宮内中学校のカーボンフットプリント理解促進イベント
平成 22 年 9 月 22 日(水)13:35~15:25 (50 分×2 コマ、休憩 10 分)
神奈川県川崎市立宮内中学校
中学生 25 名(内訳:1 年生 12 名、2 年生 9 名、3 年生 4 名)
5 グループに分かれて参加
プログラム:「カーボンフットプリントって何だろう?」
品物の一生の中で発生する環境負荷や CO2 を考えて、
意見を出し合い、カーボンフットプリントの意味を学ぶ。今
回、対象とした品物は下記の 2 種類の CFP マーク商品であ
る。
・ポテトチップス[うすしお味](カルビー(株)) 2 袋
・女子事務服 ジャケット((株)チクマ) 3 着
ステップ2:グループワーク
ステップ1:環境を考えた品物選びの時にほしい情報は
何?
環境を考えた品物選びの時にほしい情報を考えて、全体
で共有する。
ステップ2:グループワーク「品物の一生」
各グループで1種類の品物を扱う。
グループで、品物の一生「原料を集める、製品をつくる、
運ぶ、使う、捨てる・リサイクル」の各段階で使われている物
や関連する出来事を話し合い、模造紙に書き出す。
品物の一生のうち、どのような場面で何をすると環境に負
荷を与えるのかを話し合い、書き出す。
書き出した環境負荷のうち、CO2 の排出につながることは
何かを話し合う。
- 125 -
ステップ2:グループの発表
品物の一生の中で、最も CO2 排出量が大きい段階をグル
ープで予想して、発表する。
プログラム
ステップ3:説明「カーボンフットプリント」
講師からカーボンフットプリントの意味を説明する。
ポテトチップスとジャケットの一生の各段階に、講師が足
跡マーク(CO2 相当量)を貼る。
ポテトチップスとジャケットの一生の中で、それぞれ足跡
が大きいのはどの段階なのか、確認する。
ステップ4:説明「カーボンフットプリントマークを表示してい
る企業の人のお話」
カーボンフットプリントを実際に算出した(株)チクマから、
ジャケットのカーボンフットプリントについて説明してもらう。
説明の中で、クイズなどを通じて、衣服と環境問題のつな
がりや、衣服を通したエコ活動を学ぶ。
ステップ5:まとめ
電気を使う時に出る CO2 と電気を使わなくても品物の一
生の中で出る CO2(カーボンフットプリントで見える化できる
こと)を確認する。いろいろな品物のカーボンフットプリントマ
ークを見る。ふりかえりシートに記入する。
ステップ3:カーボンフットプリ
ントの説明
ステップ4:企業の取り組み
の説明
ステップ5:まとめ
生徒の感想
【生徒の感想(抜粋)】
1. 初めて知ったこと
・ カーボンフットプリントという物があること
・ カーボンフットプリントの意味
・ 二酸化炭素が目で見えるように計算されていること
・ カーボンフットプリントに参加している製品があったこと
・ 自分が知らないうちに CO2 をだしているということ
・ 身のまわりの色々なものは、ほとんどが CO2 を排出しているということ
・ 服を作るときに一番 CO2 が使われている所が染色だったということ
2. 驚いたこと
・ ポテトチップスやジャケットをつくるだけで、たくさんの CO2 が出ること。
・ 製品を製造・販売する過程で多量の石油などを使用していること
・ 運ぱんよりも製品を作るときにたくさん CO2 が出ること
・ ジャケットとポテトチップスでは出す CO2 の量が全然ちがうこと
・ ジャケットの重さよりもそこから出される CO2 の重さの方が重いこと
・ 服を作るのに服の 20 倍の CO2 を出していること
・ 殆どの物が、作られる過程で(意外なところから)多くの二酸化炭素が出ているというこ
と
・ 日常生活でも、たくさん CO2 を出しているのだということ
3. 嬉しかったこと
・ カーボンフットプリントに参加している企業があること
・ カーボンフットプリントについて知れたこと!!
・ カーボンフットプリントをたくさんの人に知ってもらうように活動していること
- 126 -
・ CO2 やゴミをあまり出さない工夫をしていっていること(会社)
・ カーボンフットプリントを見たことがあったこと
・ いろいろなつながりを見つけたこと
・ 消費者が環境にやさしいものを選びやすくなったこと
4. がっかりしたこと
・ まだ全体に広がっていないこと
・ 自分が知らないうちにたくさんの CO2 を出していたこと
・ 製品が手に入るまでの事がほとんど全て CO2 を出していること
・ たった1つのポテトチップスでもすごくたくさんの CO2 がでていること
・ 自分がしたちょっとした事で CO2 をだしていること
・ 日常生活でたくさんの二酸化炭素が出ているということ
・ CO2 が年々ふえてること
・ 石油があと 41 年でなくなり、そうすると生活が大変になってしまうこと
5. だれかに教えたいこと
・ カーボンフットプリントの意味や役割
・ CO2 がどれだけ排出されているかが分かるカーボンフットプリントのこと
・ カーボンフットプリントがあること
・ 日常生活でたくさん CO2 が出るということ。ふだんから気をつけてほしい。地球に優し
く!!
・ 物一つ一つがその物の重さよりも出る CO2 の方が多いことと、CO2 をたくさん出すとど
れだけ大変な事になるかということ
・ すべての工程に CO2 がでていたりすること
・ 物を1つ作るのにたくさんの CO2 を出していること
・ 将来もう今みたいな生活ができない(石油がないから)こと
・ 作られたものの重さよりも出された二酸化炭素の量の方が重くなることがあるということ
・ 少し意識するだけで地球温暖化ストップへつなぐことができるということ
●川崎市立枡形中学校のカーボンフットプリント理解促進イベントについて
表4.6-15
日時
場所
対象者
プログラム
川崎市立枡形中学校のカーボンフットプリント理解促進イベント
平成 22 年 12 月 17 日(金)13:30~15:00 (45 分×2 コマ)
神奈川県川崎市立枡形中学校
中学生 35 名(内訳:1~3 年生 各 10 名程度)
6 グループに分かれて参加。
プログラム:「カーボンフットプリントって何だろう?」
品物の一生の中で行われることや、それに伴って発生する CO2 を考えて、意見を出し
合い、カーボンフットプリントの意味を学ぶ。今回、対象とした品物は枡形中学校の女子
制服ブレザー((株)チクマ)である。
ステップ1:グループワーク「品物の一生」
グループで、ブレザーの一生「原料を集める、製品をつく
る、運ぶ、使う、捨てる・リサイクル」の各段階で何が行われる
のかを話し合い、関連する出来事のカードを模造紙に並べ
- 127 -
る。ブレザーの一生の各段階で行われる出来事につい
て、答え合わせをする。ブレザーの一生のどの場面で何を
すると、エネルギーを使い、CO2 の排出につながるのかを話
し合う。ブレザーの一生の中で、最も CO2 排出量が大きい段
階をグループで予想して発表する。
ステップ2:説明「カーボンフットプリントマークを表示してい
る企業の人のお話」
カーボンフットプリントを実際に算出した(株)チクマから、
ブレザーのカーボンフットプリントについて説明してもらう。説
明の中で、クイズなどを通じて、衣服と環境問題のつながり
や、衣服を通したエコ活動を学ぶ。
ステップ3:説明「カーボンフットプリント」
カーボンフットプリントの意味を確認する。ステップ2をふり
返り、ブレザーの一生の中で、CO2 排出量が大きいのはどの
段階なのか確認する。
ステップ1:グループワーク
ステップ3:カーボンフットプリ
ントの説明
ステップ4:まとめ
様々な品物のカーボンフットプリントマークを見る。
電気を使う時に出る CO2 と電気を使わなくても品物の一
生の中で出る CO2(カーボンフットプリントで見える化できる
こと)を確認する。いろいろな品物のカーボンフットプリントマ
ークを見る。ふりかえりシートに記入する。
生徒の感想
1. 嬉しかったこと
・ カーボンフットプリントがわかったこと
・ CO2 をなるべく削減しようとしていること(会社)
・ CO2 を考えながら商品を作っている人がいること
・ 使われている CO2 の量が明記されている商品が出てきていること
・ 自分達にもできることがあること
・ 少しは環境に貢献できていること
・ 改めて制服を大切に使わなきゃって思えたこと
・ 制服がリサイクルできること
・ リサイクルするだけでも約 3kg の CO2 を削減できること
・ 制服とつくるときに出たゴミがリサイクルされていること
・ クイズに正解したこと
2. だれかに教えたいこと
・ カーボンフットプリントについて!!
・ 親や友達に教えて、カーボンフットプリントについて広めたい
・ CO2 を気にかけていること
・ 環境問題と衣服はつながっているということ
・ 品物をつくるのにこんなに CO2 が出ていること
・ 目に見えない所でたくさんの CO2 が出ている
・ ブレザーをつくるのに約 20kg もの CO2 を排出していたこと
・ ブレザーは原料作りや品物作りに一番 CO2 が出ること
・ トラックで運ぶときより、作るときのほうが CO2 が出ていたこと
・ 布を染めるところでエネルギーを多く使うこと
・ 制服の 20%がゴミになっていること
・ リサイクルした方が CO2 削減できること
・ 制服はリサイクルすれば 3kg くらいの CO2 が削減できること
- 128 -
ステップ4:まとめ
④ 高等学校
カーボンフットプリントに対する理解促進を図り、将来のグリーンコンシューマーを
育成することを目的に、高校生に対する受容性調査を東京都立つばさ総合高校で開催さ
れた「第7回環境サミット」に参加した。
環境サミットでは、カーボンフットプリント製品の展示やDVD上映によってカーボ
ンフットプリントの説明をする他、高校生向けのクイズ「カーボンフットプリント」を
実施した。
高校生環境サミットは、高校生のみならず、中学生でも大人でも、基調講演・パネル
展示・実践発表などの全メニューに参加できるため、カーボンフットプリントの展示室
には、学校の先生、大学生、高校生(つばさ高校以外の生徒も)など、50名ほどが来場
し、アンケートへ協力してくれた。
ブース来訪者に対してのアンケート結果よりカーボンフットプリントの受容性を確認
することができた。学生のみとした場合、Q1 では、73%、Q2 では75%が 「そう思
う」、「ややそう思う」と肯定的な意見であった。
学生たちは、制度に対する質問も積極的であり、カーボンフットプリントに対する理解
促進を図ることができたと考えられる。
表4.6-16
名称
東京都立つばさ総合高等学校のカーボンフットプリント理解促進イベント
「第 7 回高校生環境サミット」におけるカーボンフットプリント普及イベント
「カーボンフットプリントって何?」
日時
平成 22 年 11 月 21 日(日)
09:30~16:30(第 7 回高校生環境サミット全体)
12:30~14:45(カーボンフットプリント展示)
場所
東京都立つばさ総合高等学校 【所在地】〒144-8533 東京都大田区本羽田 3-11-5
来場者
環境サミッ
ト展示の様
子
高校生 14 校から 136 人、大学生 5 大学から 32 人、引率・スタッフの教職員 49 人、その
他 60 余名(高校・大学以外のパネル展示団体関係者のほか、中学生、地域の皆様、本
校保護者、行政関係の方々、取材など)。展示ブースには 50 名ほどが来場。
今回実施したカーボンフットプリントに関する展示と企
画
11:15~11:45 パネル展示団体の自己紹介
12:30~14:45 パネル展示(ゼミ室)
DVD 「カーボンフットプリントって何?」
カーボンフットプリントの制度や意味をわかりやすくま
とめた DVD を上映しました。高校生や来場者は熱心
に見ていました。
クイズ「カーボンフットプリント」
- 129 -
DVD を見る高校生
セミナー室入口に PC を設置し実施したところ、多くの
大学生がクイズに挑戦してくれ、カーボンフットプリン
トの理解を深めてもらいました。
商品及びパネルの展示
カーボンフットプリントマークのついた商品やカーボン
フットプリントに関して、判りやすく説明したパネルやメ
ッセージを展示しました。
クイズに挑戦する大学生
アンケートの実施
来場者へカーボンフットプリントの理解や今後への期
待についてアンケートを実施しました。
展示されたパネルと商品
参加者の
感想等
参加者の
感想等
【参加者の質問、意見等】
○マークについて
高校生は、カーボンフットプリントマークの 「はかり」
を
知らない様子でした。
○制度について
質問で多かったのは、「マークをつけることによ
る、 企業、消費者にとってのメリットは何ですか」でし
た。
○アンケート結果
Q1 商品に CO2 排出量が表示されることは商品を
選ぶ基準になると思いますか?(回答者46名)
そう思う
学生(男8、女3) 一般(男1、女3)
ややそう思う 学生(男7、女4) 一般(男3、女6)
ややそう思わない
学生(男4、女1) 一般(男0、女2)
そう思わない 学生(男3、女0) 一般(男0、女0)
Q2 カーボンフットプリント制度は、その効果が期
待できると思いますか?(回答者46名)
そう思う
学生(男7、女1) 一般(男2、女3)
ややそう思う 学生(男12、女5) 一般(男3、女6)
ややそう思わない
学生(男3、女0) 一般(男0、女0)
そう思わない 学生(男4、女1) 一般(男0、女0)
- 130 -
カーボンフットプリントに
関する意見をお聞かせ下さい。
(3)まとめ
各環境イベントの授業の中で、小学生約120人、中学生160人を対象にカーボンフ
ットプリントマークについて「ものの一生」通じて、各段階で出るCO2を自分たちで考
える参加型の講座を実施した。最後にクイズでカーボンフットプリントマークを覚たかの
確認をし、ほぼ全員が「カーボンフットプリント」という言葉、意味を学んだと考えられ
る。引率の教員を含めて、全員が初めて知る内容であったことから、興味深く聞いていた
生徒が多かった。カーボンフットプリントパンフレットを手渡したことで、家庭に持ち帰
り、話してもらえることが期待できる。
また、企業の方から直接話を聞くこと、実際の商品を手にしながら講座を受けることは、
とても有意義であったと考えられる。
一方、高校生約50名に対しては、カーボンフットプリントについての説明を実施した。
その結果、大部分はカーボンフットプリントマークの「はかり」を知らなかった。そのた
め質問もたくさんあったが、多かったのは「マークをつけることによる企業、消費者にと
ってのメリット」に関するものであった。また、高校生及び一般参加者(高校でのイベン
ト来場者)との対話の後で、簡単なアンケートをした結果「商品にCO2排出量が表示さ
れることは商品を選ぶ基準になる」と思う高校生は31名中22名、そうではないとの回
答は9名であった。また、「カーボンフットプリント制度は、その効果が期待できる」との
回答は33名中25名、否定的な回答は8名であった。
カーボンフットプリントに対する理解促進を図ることができたと考えられる。
次への取組としては、小中高生向け制度理解向上のプログラムを更に改良し、環境学習
を通じて、より多くの生徒たちにカーボンフットプリントについて興味を持ち続けてもら
えるよう、工夫することが大切であるといえる。
- 131 -
4.6.5
消費者リーダー向け講習会
カーボンフットプリントのしくみを理解し、この考え方を活用して消費者や小中高生に向
けて環境教育を行うことのできる指導者・リーダーの育成を目的としたプログラムを実施し
た。
消費者リーダー向け講習会でのカーボンフットプリントの受容性については、「ふりかえ
りシート」による感想・意見での、今後、カーボンフットプリントを広める活動をしたい、
という意見が多かったことにより、確認できた。
(1) 開催実績
消費者リーダーのイベント開催実績を表4.6-18に示す。
表4.6-17
消費者リーダー向け講習会の開催実績
場所/日時
東京
平成22年8月24日
9:30~16:30
大阪
平成22年10月17日
10:00~16:30
参加
人数
協力事業者
36
チクマ 宮之原様
日本ハム 河崎様
34
チクマ 宮之原様
コクヨS&T 武内様
(2) イベント内容と結果
東京と大阪の2回を開催したが、いずれも受講した内容を持ち帰り、消費者や小中高生に
向けて講習会ができるよう、単なる聴講形式だけではなく、参加型のワーク形式のプログラ
ムを大幅に盛り込んだ。また、講習会の内容をより効果的に学べるよう、グループで行うプ
ログラムとした。
特に、2回目となった大阪では、1回目の参加者のふりかえりシートや意見を踏まえて課
題を抽出し、グループワーク2の進め方を改善したプログラムに改良して実施した。
以下、各イベントでの実施内容、結果、受容性調査結果について示す。
- 132 -
① 東京の環境リーダー育成講習会
表4.6-18
事業の目的
東京の環境リーダー育成講習会
この事業は、カーボンフットプリントのしくみを理解し、消費者や小中高生に対
して、この考え方を活用した環境教育を行うことのできる指導者・リーダーの育
成を目的にしております。講習会では株式会社チクマ様、日本ハム株式会社様、
シャチハタ株式会社様の協力を得て、CFP 商品を題材にしたグループワークや、
商品説明等を実施しました。
日時
平成 22 年 8 月 24 日(火)9:30~16:30
場所
コンベンションルーム
参加対象者
講習会の
様子
講習会の
様子
AP 西新宿
Room A
環境教育の指導者・リーダー またはそれを目指す方 36 名 (内訳:学校 4 名、
自治体等 2 名、環境/消費者団体 14 名、企業 11 名、個人 5 名)
「カーボンフットプリントで学ぶ CO2 排出量の
「見える化」
開会式/オリエンテーション
「なぜ、今“カーボンフットプリント”?」
消費者向け DVD「カーボンフットプリント制度」
を上映し、カーボンフットプリントの背景や目
的、仕組みを紹介。
アイスブレーキング「私の一押しエコプロダク
ツ」
自己紹介とともに、私の一押しエコプロダクツ
を紹介しあい、ともに学ぶ関係性を作る。
グループワーク1「商品の一生を知ろう」
グループに分かれ、日常生活で使う商品の資源
調達から廃棄にわたる商品の一生における環境
負荷を洗い出して、カーボンフットプリントの基
礎となる考え方を学ぶ。他のグループの結果発表
を聞き、環境負荷に対するお互いの考え方を知
る。
対象とした商品は下記の通り。
・油性マーカー「乾きまペン」(シャチハタ株式
会社)
・女子事務服ジャケット(チクマ株式会社)
・上級森の薫りあらびきウインナー(日本ハム株
講習会の
様子式会社)
開会の様子
グループワーク1の様子
各グループで作成した
「商品の一生」
- 133 -
講演1「カーボンフットプリントの仕組み」
現場でいろいろな質問を受けた時に説明でき
るように、カーボンフットプリントについて、よ
り詳しい情報を得る。
講演2「カーボンフットプリントラベルと商品」
グループワーク1で用いた商品の一生につい
て、事業者の方から具体的に説明を聞く。
受講生は自分体が考えた商品の一生と比較す
る。
グループワーク2 「カーボンフットプリント商
品をあなたは選ぶ? 選ばない?」
グループで話し合うことにより、カーボンフッ
トプリントとその制度に関する理解度を上げ、普
及を促進するための方法を考える。
まとめ「今後に向けて」
講習会で学んだことを、今後の活動にどのよう
に生かしていきたいか、受講生に聞く。そして、
これからのカーボンフットプリント普及促進に
むけて協力をお願いする
受講生の
感想
結果発表
グループワーク2の様子
【まとめの時間に述べられた受講生の感想(抜粋)】
・ 地元で区民向け、市民向け、子供向けの省エネ活動を実施している。(本日使
用した)ワークシートは今後の活動のために勉強になった。
・ 地域で市民子供向けに教育しているが、今回の商品の一生のワークシートを
利用して進めていきたい。
・ 地元の自治体で環境教室をやっている。グループ討議でいろいろ議論してい
くと、理解が深まっていくものだということが良くわかった。
・ 最初に見せてもらったカーボンフットプリントの DVD は、今後、啓発ツー
ルとして使える。
・ 本日使用したツールの貸し出しを是非お願いしたい。
・ カーボンフットプリントの普及には時間がかかることがよく判った。教員と
しては、小さな子にはそれを理解させるのは難しいが、高校生には授業の中で、
なぜ普及に時間がかかるのか、どうしたら普及するかなどを教えていきたい。
・ 県と一緒に進めている環境教育の中に、CFP を含めた新しいプログラムをつ
くっていきたい。
・ 環境保全の市民講座でも早速 CFP を紹介したい。
・ 日々、子供たちに CO2 を減らすことを教えている。今回、事業者の話を聞く
ことが出来て、すべての商品は CO2 を身にまとっているということを実感した
ので、それを子供たちに教えていきたい。
・ CFP のトップランナーである事業者の方のお話しを聴けたのがうれしかっ
た。
- 134 -
② 大阪の環境リーダー育成講習会
表4.6-19
事業の目的
大阪の環境リーダー育成講習会
平成 22 年のカーボンフットプリント制度試行事業の一環として、カーボンフ
ットプリントのしくみを理解し、消費者や小中高生に対して、この考え方を
活用した環境教育を行うことのできる指導者・リーダーの育成を目的とした
講習会を実施しました。
名称
カーボンフットプリント理解促進のための環境教育リーダー育成講習会
カーボンフットプリントで学ぶ CO2 排出量の「見える化」
日時
平成 22 年 10 月 17 日(日)10:00~16:30
場所
ドーンセンター(大阪市)
対象
小・中・高校・大学の教員
環境・消費者団体、企業・自治体の環境教育担当者
環境教育やライフサイクルアセスメントに興味のある人
実施概要
5F
特別会議室
・ 参加希望の申し出があった 37 名の中から、学校・地域などで教育リーダ
ーとして活躍できる方を優先して受講者 34 名を決定しました。当日は、
全員が出席しました。
・ プログラムは映像(DVD)やパワーポイントを利用したカーボンフットプ
リントに関する説明に加えて、グループで作業することによって、より
カーボンフットプリントについて理解を深める内容にしました。
・ グループワークでは 34 名を6つのグループ(1グループ 5~6 名)に分
けて、グループ毎に話し合い、結果を発表してもらいました。
【プログラムの概要】
時間
プログラム
10 分
開始前に
5分
開会挨拶
15 分
なぜ、今「カーボン
フットプリント」?
20 分
75 分
30 分
20 分
55 分
内容
アイスブレーキング
「私の一押しエコプロ
ダクツ」
休 憩[5 分]
事務局からのお願いとスタッフ紹介
グループワークに向けての心構えについ
て
本講習会の主旨説明
消費者向け DVD「カーボンフットプリント
制度」の上映
カーボンフットプリントの背景や目的、仕
組みなど
自己紹介、私の一押しエコプロダクツをお
互いに紹介
ともに学ぶ関係性を作る
日常生活で使う商品の資源調達から廃棄
グループワーク1
にわたる商品の一生における環境負荷を
「商品の一生を知ろう」 洗い出して、CFP の基礎となる考え方を学
ぶ
休 憩[5 分]
グループワーク 1
グループワークの中で学びあったことを
(つづき)発表と質疑 発表することで確認
カーボンフットプリン カーボンフットプリントの現状について
トの仕組み
の質疑応答
カーボンフットプリン CFP を実施した事業者さんの商品の一生の
トラベルと商品
説明
- 135 -
自分たちが考えた商品の一生と比較する
(15 分+質疑)×3
休
憩[5 分]
60 分
グループワーク2
カーボンフットプリン
ト普及への道を探る
45 分
まとめ/今後に向けて
終了挨拶
CFP とその制度に対する理解度を上げ、普
及を促進させるためには何が必要なのか、
グループでの話し合いも含め意見交換を
行う
本講習会で学んだことを今後どのように
活動に生かし、CFP 普及促進へ協力してい
くかを考える
講習会の
様子
オリエンテーション
開会の挨拶
10:00~10:10
開会式/オリエンテーション
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサ
ルタント協会 辰巳菊子
本講習会の趣旨を説明しました。
「商品の一生」の様子①
10:10~10:15
開会の挨拶
経済産業省環境調和産業推進室
菊池 龍佑氏
本講習会の主旨を説明しました。
10:15~10:30
「なぜ、今“カーボンフットプリント”?」
みずほ情報総研(株) 加地 靖 氏
消費者向け DVD「カーボンフットプリント
制度」の上映
カーボンフットプリントの背景や目的、仕
組みなどを説明しました。
- 136 10:30~10:55
アイスブレーキング「私の一押しエコプロダ
クツ」
「商品の一生」の様子②
リントの基礎となる考え方を学びます。他の
グループの結果発表を聞き、環境負荷に対す
るお互いの考え方を学びました。
13:25~13:45
講演1「カーボンフットプリントの仕組み」
みずほ情報総研(株) 加地 靖 氏
質疑応答により、現場でいろいろな質問を
受けた時に説明できるように、カーボンフッ
トプリントについて、より詳しい情報を得ま
した。
「商品の一生」の様子③
13:45~14:40
講演2「カーボンフットプリントラベルと商
品」
進行 (社)未踏科学技術協会 水野 建樹
氏
①事例1
株式会社チクマ 宮之原 一樹氏、
②事例2
みずほ情報総研 加地 靖氏
(日本ハム製品の説明)
③事例3
コクヨS&T 武内 計憲氏
グループワーク1で用いた商品の一生につ
いて、事業者の方から具体的に説明を聞き、
質疑応答で疑問を解くとともに、受講生は自
分達が考えた商品の一生と比較しました。
14:45~15:45
グループワーク2 「カーボンフットプリン
ト商品をあなたは選ぶ? 選ばない?」
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサル
タント協会 村上千里
色紙を使って答えてもらうことにより、全
体の旗色を見ながら意見交換を行います。カ
ーボンフットプリントとその制度に関する理
解を深め、さらにどのような表示であれば普
及を促進できるかを考えました。
15:45~16:30
まとめ「今後に向けて」
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサル
タント協会
辰巳菊子 大石美奈子
- 137 -
カーボンフットプリント商品を
あなたは選ぶ? 選ばない?
受講生の
感想
【まとめの時間に述べられた受講生の感想(抜粋)】
・微力ながら頑張って普及に進めていきたいと思うので根気強く本制度化し
てほしい。
・自分が受け持っている講義の中で、このような取り組みがあることを伝え、
自立した消費者として商品を選択していく時の目安の一つとして、どう考え
るかという投げかけから始めたい。
・自治体で発行している広報誌にカーボンフットプリントを記事として掲せ
て、消費者が少しずつ、このマークや制度を理解するようにしたい。スーパ
ーで初めて目にしたときに「あ、このマークね」と判る様に。
・企業の努力、アピールポイント、改善・改良点をどんどん消費者に伝えて
いきたい。
・小・中・高校生たちへの環境教育プログラムとして是非活用していきたい。
・普及する中で、既に知識や思い込みのある人への説明には、具体的な事例
を入れる必要性があることに気付いた。
・3R、低炭素社会検定の公式テキストにも CFP の章を設けており、講習会
セミナー等の機会を広げていく。
・食品安全のリスクコミュニケーションを進める中で環境の視点を取り入れ
たフードマイレージについて、さらに CFP についても紹介したい。
・商品が多くは出回っていない現在、講座をしたいと思っても受け入れてく
れるか不安なので 企業の協力があれば嬉しい。
・ブログで CFP について説明し、学校・公民館での環境出前講座実施、その
他で説明したい。
・家族、地域、職場などで会話を通じて広げていきたい、さらに講座でとり
あげインターネットでも情報提供したい。
(3)まとめ
カーボンフットプリントのしくみを理解し、消費者や小中高生に対して、この考え方を活
用した環境教育を行うことのできる指導者・リーダーの育成を目的とした講習会を東京と大
阪の2回に分けて実施した。受講者は併せて70名(男性41名、女性29名)であった。
受講者の参加動機は、この講習会の開催目的として期待したいたように、その多くが「カー
ボンフットプリントについて正しい知識を得たい」、「学校や地域・社内での環境教育の手法
を習得したい」であった。また、受講後に感じたこととして、今回の講習でカーボンフット
プリントの仕組みや内容、現在の企業の取り組み状況について改めて学び、カーボンフット
プリントを理解する上で大変役に立ったという意見はかなり多かった。ただし、カーボンフ
ットプリントの算定方法や今後の普及についてはまだ多くの課題がありそうだと多くの受
講者が感じていることも伺えた。また、今後の自分の活動との関係では、カーボンフットプ
リント普及のために仕組みや概念を伝えたいという意思が感じられた。そのために「DVD
やパンフレットなどカーボンフットプリント説明用ツール」を活用したい、「製品のライフ
サイクルでCO2の問題を考えるグループワークの手法」を現場で活用したいという意見が
多く見られた。
次への取組としては、消費者リーダー向け講習会のプログラムを更に改良し、講習会後に
参加者にメーリングリストに参加してもらい、現場での活動状況や、実施プログラムに対す
るフォロー体制等も含めて検討していくことが大切であるといえる。
- 138 -
4.6.6
消費者ワークショップ
「新しいライフスタイルCO2を見ながら“お買いもの”」をテーマに全国5か所で消費
者向けワークショップを実施した。
ワークショップでは、DVD 上映による「入門編」、わかりやすくカーボンフットプリント
の概要を解説する「初級編」、事業者の取り組みを紹介する「実務編」、クイズ形式の「上級
編」というプログラムを組み、一般消費者が楽しみながら学べるプログラムとした。
また、参加者に対するアンケートによる意識調査を実施した。
(1) 開催実績
・消費者リーダーのイベント開催実績を表4.6-18に示す。
表4.6-20
場所/日時
愛知
平成 22 年 11 月 13 日
13:30~15:30
札幌
平成 22 年 11 月 16 日
13:30~15:30
東京
平成 22 年 12 月 11 日
13:30~15:30
福岡
平成 23 年 1 月 22 日
13:30~15:30
仙台
平成 23 年 1 月 24 日
13:30~15:30
消費者ワークショップの開催実績と担当割
参加
人数
入門編
初級
実務編
上級編
34
みずほ
加地
NACS
辰巳委員
生協連合会 小野様
シヤチハタ 伊藤様
未踏科学
水野
37
みずほ
加地
産総研
田原委員
日本ハム 河崎様
チクマ 宮之原様
98
みずほ
加地
稲葉
委員長
生協連合会 小野様
日本ハム 河崎様
未踏科学
水野
67
みずほ
加地
産総研
田原委員
生協連合会 小野様
日本食研 平松様
みずほ
加地
39
みずほ
樋口
東北大学
齋藤委員
チクマ 宮之原様
三信化工 豊田様
- 139 -
みずほ
加地
未踏科学
水野
(2) プログラム内容
5か所とも共通のプログラムを使用した。
表4.6-21
時 間
13:30
-13:35
13:35
-13:50
13:50
-14:15
14:15
-14:45
14:45
-15:10
15:10
-15:25
15:25
-15:30
消費者ワークショップの時間割
プログラム
内 容
カーボンフットプリント制度試行事業と、
ワークショップの主旨について紹介します。
開会のご挨拶
カーボンフットプリント・・
それは何ですか?
(入門編)
カーボンフットプリント・・
もう少し詳しく知りたいのですが?
(初級編)
カーボンフットプリントマークの
ついた商品はあるのですか?
(実務編)
クイズに挑戦!!
あなたもカーボンフットプリント通
になれる!
(上級編)
新しいライフスタイルと
カーボンフットプリント
(まとめ)
カーボンフットプリントをわかりやすくまとめ
た DVD を上映します。
カーボンフットプリントの目的やマークについ
て専門家から「ポイント」をわかりやすく説明し
ます。
実際にカーボンフットプリントマークの付いた
商品について、メーカーの方から紹介してもらい
ます。
カーボンフットプリントクイズに挑戦し、答え合
わせをしながら、理解を深めることができます。
消費者として、カーボンフットプリントをどのよ
うに活用するか、一緒に考えます。
閉会のご挨拶
(3) アンケートの結果
ワークショップで実施したアンケート調査表とその結果を表4.6-22 ~表4.6-
24 に示す。
- 140 -
表4.6-22
消費者向けワークショップ
質問
性別
名古屋
22.11.13
項目
男
女
無回答
計
年齢
10代
20代
30代
40代
50代
60代以上
無回答
計
職業
お勤め
自営業
主夫/主婦
学生
無職
その他
無回答
計
意味を知っていた
カーボンフットプリントと 聞いたことがある
Q1
いうことについて
知らなかった
計
最近
1年前
2年前
2年以上前から
Q1で知っていたと回答 無回答
した方
計
(a).いつ頃知りました
Q2 か?
ニュースや新聞等で
(b)何で知りました
環境展等イベントで
か?
仕事を通じて
複数回答あり
学校や地域の環境教育の場で
その他
無回答
計
Q3
よくわかった
だいたいわかった
CFPとは何をどのよう あまりわからなかった
に計算したものなにか まったく分からなかった
分かりましたか?
関心がない
無回答
計
- 141 -
13
14
0
27
0
2
3
10
10
2
0
27
21
0
4
1
0
0
1
27
21
5
1
27
4
5
5
7
0
21
4
1
10
1
1
4
21
10
16
1
0
0
0
27
アンケートのまとめ (1)
札幌
22.11.16
16
19
1
36
0
8
7
7
14
0
0
36
23
1
5
3
0
4
0
36
25
7
4
36
4
5
13
3
0
25
2
3
13
2
4
1
25
6
27
1
0
0
2
36
東京
22.12.11
49
11
2
62
0
8
10
13
19
8
4
62
44
4
1
4
1
6
2
62
55
2
5
62
10
8
19
18
0
55
8
7
27
3
0
14
59
26
34
1
0
0
1
62
福岡
23.1.22
15
42
1
58
5
2
3
11
22
14
1
58
30
5
8
5
7
2
1
58
16
15
27
58
6
3
2
4
1
16
5
1
2
0
0
8
16
17
35
3
0
3
0
58
仙台
23.1.24
21
18
0
39
0
3
7
5
11
12
1
39
25
2
5
1
2
3
1
39
24
9
6
39
4
3
9
8
0
24
4
4
11
0
6
0
25
19
18
1
0
0
1
39
計
114
104
4
222
5
23
30
46
76
36
6
222
143
12
23
14
10
15
5
222
141
38
43
222
28
24
48
40
1
141
23
16
63
6
11
27
146
78
130
7
0
3
4
222
表4.6-23
質問
①商品を選ぶ基準にな
る
②効果が期待できる
Q4 ③世の中に広まりそう
④表示を利用してCO2
を減らしたい
⑤もっと詳しく知りたい
消費者向けワークショップ
項目
名古屋
22.11.13
かなりそう思う
そう思う
ややそう思う
ややそう思わない
そう思わない
かなりそう思わない
無回答
計
かなりそう思う
そう思う
ややそう思う
ややそう思わない
そう思わない
かなりそう思わない
無回答
計
かなりそう思う
そう思う
ややそう思う
ややそう思わない
そう思わない
かなりそう思わない
無回答
計
かなりそう思う
そう思う
ややそう思う
ややそう思わない
そう思わない
かなりそう思わない
無回答
計
かなりそう思う
そう思う
ややそう思う
ややそう思わない
そう思わない
かなりそう思わない
無回答
計
3
8
9
4
2
0
1
27
3
6
13
1
3
0
1
27
1
5
12
3
4
2
27
3
13
8
1
1
1
27
7
8
7
3
1
1
27
- 142 -
アンケートのまとめ (2)
札幌
22.11.16
2
10
17
3
4
0
0
36
2
9
16
5
3
1
0
36
5
8
13
6
4
0
0
36
4
16
13
1
1
1
0
36
10
16
10
0
0
0
0
36
東京
22.12.11
11
17
21
6
5
2
0
62
8
12
25
6
9
1
1
62
5
10
28
11
8
0
0
62
13
21
19
6
3
0
0
62
21
19
16
3
1
0
2
62
福岡
23.1.22
6
19
17
9
6
1
58
3
16
20
13
2
1
3
58
1
10
27
14
2
1
3
58
9
24
20
1
2
1
1
58
7
27
15
7
1
1
58
仙台
23.1.24
7
9
17
4
2
0
0
39
7
8
16
7
0
0
1
39
5
10
16
6
1
0
1
39
15
11
7
4
0
0
2
39
13
11
6
7
0
0
2
39
計
29
63
81
26
19
2
2
222
23
51
90
32
17
3
6
222
17
43
96
40
19
1
6
222
44
85
67
13
7
3
3
222
58
81
54
20
3
0
6
222
表4.6-24
消費者向けワークショップ
質問
名古屋
22.11.13
項目
食料品
惣菜類
飲料
お酒
たばこ
洗剤類
札幌
22.11.16
東京
22.12.11
福岡
23.1.22
仙台
23.1.24
計
111
3
22
22
11
15
8
9
16
18
12
9
15
22
12
20
9
10
5
1
214
5
29
34
13
23
15
8
21
18
15
18
21
41
37
32
15
16
9
1
337
5
46
32
10
22
10
8
20
25
14
9
17
37
22
27
6
5
7
3
274
8
47
23
9
15
11
6
16
18
10
15
18
27
14
22
12
13
3
3
235
7
29
120
44
84
49
32
81
89
60
60
78
140
95
113
47
46
25
8
1171
28
173
0
2
7
3
2
14
0
2
27
9
0
0
36
18
0
4
62
38
0
0
58
27
0
1
39
27
0
7
222
119
削減量を従来製品から●g削
減と表示
2
11
13
6
17
49
削減量を従来製品から●%削
減と表示
8
9
14
16
11
58
3
6
10
16
6
41
16
11
15
14
9
65
2
0
40
4
0
59
7
0
97
8
1
88
3
0
73
24
1
357
ティッシュ/トイレットペーパー
化粧品
どのような商品に表示 文具
Q5
してほしいですか?
衣類
家電製品
照明器具
自動車
家具
公共交通機関のチケット
その他
無回答
計
高くても買いたい
同じ商品を比べた場 同じ価格なら買いたい
合、CO2排出量が少な 商品を購入する際にCO2の排
Q6 い商品を優先的に購 出量は考えない
入したいと思います
その他
か。
無回答
計
排出量を数値で表示
CFPをラベルとして表
示する場合、どのよう 星の数など数字ではなくマーク
Q8
な表示方法が望ましい で表示
ですか?
商品の一生の各段階の排出量
を円グラフで表示
その他
無回答
計
- 143 -
9
1
9
5
1
8
10
9
9
7
13
10
12
5
2
1
アンケートのまとめ (3)
(4)まとめ
「新しいライフスタイルCO2を見ながら“お買いもの”」をテーマに全国5か所で消
費者向けワークショップを実施した。受講者は併せて275名であった。
アンケート回答総数は222名であった。回答者は20代以上で、64%が勤め人、男
女比はほぼ同数であった。しかしながら、東京は男性が80%で、福岡は女性が80%で
あった。今回は、一般消費者のカーボンフットプリント受容性を調査することであったが、
アンケートからは受講者の多くはカーボンフットプリントについての知識はあるものの
(Q1の回答)、内容をもっとよく知りたいということで参加していることがわかった。受
講の結果、カーボンフットプリント計算の概要を理解することができたが、興味深いこと
はカーボンフットプリント表示についてさらに詳しく知りたいという意見が非常に多かっ
たことである(Q4-⑤の回答)。
カーボンフットプリントマーク付き商品について、この表示がCO2削減に役立つとか
という問には、軽い肯定(ややそう思う)という意見が最も多く、積極的肯定意見を含め
ればかなり多くの意見が肯定的であったが、強い否定意見も少なからずみられた(Q4-
①~③の回答)。
カーボンフットプリントについて個人的な受け取り方では、このマークを使ってCO2
を削減したいという積極的意見は半数近いが、価格との関係では「同じ価格なら買う」と
いう意見が78%と多く、高くても買う(13%)を大きく上回っている(Q4-④、Q
6の回答)。
表示を希望する商品については、家電製品、照明器具、自動車、食料品、ティッシュ/
トイレットペーパーなどが比較的多く、総菜類、嗜好品(酒・たばこ類)、家具等について
は比較的少なかった(Q5の回答)。また、表示方法としては「排出量を数値で表示」が最
も多く選ばれ、次が「商品の一生の各段階の排出量表示」であり、「削減量で示す」あるい
は「マークだけ表示」することよりも多かった(Q8の回答)。
次への取組としては、消費者ワークショップ終了後に、カーボンフットプリント製品を
手にとってもらえるよう、プログラムを更に改良することや、ワークショップ終了後に、
カーボンフットプリント製品を手にとってもらえるよう、カーボンフットプリント・ウェ
ブサイトの「TOPページ」、
「キッズページ」「CFP対象製品ページ」等について、より
魅力あるコンテンツを提供していくことが、大切であるといえる。
- 144 -
附属書A
カーボンフットプリント制度の在り方(指針)
2010年7月改定版
カーボンフットプリント制度の在り方
(指針)
改定版
2010年7月16日
カーボンフットプリント・ルール検討委員会
目
次
はじめに ........................................................................................................................................... 1
1.
カーボンフットプリント制度の背景・考え方 .................................................................... 1
2.
我が国におけるカーボンフットプリント制度の在り方について ....................................... 2
(1) 我が国のカーボンフットプリント制度に関する定義と導入が期待される分野............ 2
① カーボンフットプリント制度の定義 ............................................................................. 2
② カーボンフットプリント制度の導入が期待される商品及びサービス分野 ................... 2
(2) カーボンフットプリント制度の目的 ............................................................................. 3
(3) カーボンフットプリントの算定方法の在り方............................................................... 3
① 算定対象とする温室効果ガス ........................................................................................ 3
② 算定範囲 ......................................................................................................................... 4
③ 算定方法 ......................................................................................................................... 4
④ 商品種別算定基準(PCR) ...................................................................................... 76
⑤ 各プロセス各段階における算定のポイント .................................................................. 7
(4) カーボンフットプリントラベルによるの表示方法の在り方..................................... 109
① 表示に関する基本ルール............................................................................................ 109
② 選択的措置 ....................................................................................................................11
(5) カーボンフットプリントの信頼性を担保する仕組みの在り方 ............................... 1312
3.
カーボンフットプリント制度の実用化・普及に向けた課題......................................... 1413
(1) カーボンフットプリント制度の認知度の向上、コストの適正な転嫁及び公的関与
1413
(2) 原単位データベース..................................................................................................... 14
(3) CO2排出量以外の環境情報等との整合性 ................................................................ 14
(4) 海外のカーボンフットプリント制度との比較及び相互承認について .................... 1514
(5) 継続的な更新................................................................................................................ 15
4.
CO2排出量削減に向けた他の制度・アプローチとの関係............................................. 15
(1) カーボンオフセットとの関係 ...................................................................................... 15
(2) グリーン電力証書との関係...................................................................................... 1615
(3) 環境家計簿との関係..................................................................................................... 16
(4) 他の「見える化」手段との関係................................................................................... 16
5.
他の国際ルールとの整合性................................................................................................ 16
はじめに
本指針は、我が国において検討されているCO2排出量の「見える化」の一手段としての
カーボンフットプリント制度の在り方を示すものである。本指針は、法令に基づく規格又は
基準を定めるものではなく、カーボンフットプリント制度を担う構築する上で試行的に定め
るものであり、消費者、事業者、団体及び政府による様々な取組を通じて、適時かつ適切に
見直される。
なお、本指針においては、特に指定のない限り、広く温室効果ガス(GHG)のことを「C
O2」と表記するものとし、CO2排出量とは商品及びサービスからライフサイクルを通し
て排出される温室効果ガスのCO2相当量を意味する。
1. カーボンフットプリント制度の背景・考え方
カーボンフットプリント制度は、商品及びサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに
至るライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定するLCA(ライフサイクルア
セスメント, Life Cycle Assessment)手法を活用し、ライフサイクル全体における温室効
果ガス排出量をCO2に換算し表示するものである。LCA手法により算出したCO2排出
量が商品及びサービスに表示されることは、CO2排出量の「見える化」の有力な一つの手
段であり、それにより、消費者は環境負荷低減に向けた正しい情報の入手が可能となり、事
業者はライフサイクルのどの段階で環境負荷が高いかを割り出し、効率的に環境負荷を下げ
ることが可能となるとともに、自らの環境負荷低減の取組を消費者に訴求することができる。
また、副次的に商品のトレーサビリティの充実につながることで、サプライチェーンを構成
する事業者間のCO2排出削減意識の更なる高まりも期待される。
我が国の地球温暖化対策においては、家庭部門や業務部門における温室効果ガス排出量の
抑制が大きな課題となっており、商品・サービスの利用に伴うCO2の排出を「見える化」
することは、販売活動を通じて消費者・サプライチェーンへの環境負荷の低減を働きかける
手段の1つとして注目を集めている。2008年3月改定の京都議定書目標達成計画では「省
エネ製品の選択といった消費者の行動を促すため、様々な製品やサービスの生産・使用段階
等における二酸化炭素排出量の「見える化」を推進する」とされ、2008年6月9日に行
われた福田総理(当時)のスピーチ(
「低炭素社会・日本」めざして」
)では「CO2排出の
見える化によって、消費者が的確な選択を行うための情報を提供すること」が重要であると
して、その具体的な方策としてカーボンフットプリント制度の試行的な導入実験を2009
年度から開始する方針が示されている。さらに、2008年7月29日に閣議決定された「低
炭素社会づくり行動計画」においては、カーボンフットプリント制度等の「見える化」につ
いて、国際整合性に十分配慮しつつ、
「2008年度中に排出量の算定やその信頼性の確保、
表示の方法等に関するガイドラインを取りまとめ、来年度から試行的な導入実験を行うよう
目指す」とされている。
1
カーボンフットプリント制度は事業者が主体的・自主的に商品にCO2排出量を表示し、
これを元に消費者が消費行動を変革することにより地球温暖化防止に向けた取り組みを事業
者、消費者が一体となって行うことを目的とするべきものであるが、各事業者が異なるルー
ルを用いて算定や表示を行っては、消費者が地球温暖化防止のための消費行動を行うことが
できず、制度が健全に発展・普及することは難しい。このため、民間の活力をいかしつつ一
定の公的関与の下でルールと運用システムを構築することが、消費者のみならず、参加する
事業者からも信頼されるカーボンフットプリント制度を実現するために不可欠である。
2. 我が国におけるカーボンフットプリント制度の在り方について
(1)
我が国のカーボンフットプリント制度に関する定義と導入が期待される分野
① カーボンフットプリント制度の定義
本指針において定義されるカーボンフットプリント制度とは、
「商品・サービスの原材料調
達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガス
の排出量をCO2に換算して、当該商品及びサービスに簡易な方法で分かりやすく表示する
仕組み」を意味する。
② カーボンフットプリント制度の導入が期待される商品及びサービス分野
カーボンフットプリント制度は、あらゆる財・サービスに適用することが可能である。た
だし、本制度は数あるCO2排出量等の「見える化」の一手段であることから、分野ごとの
商品特性をかんがみた上で、個別の排出量が簡易な方法で直接的に理解でき、かつ比較が容
易であるというカーボンフットプリントの強みを事業者が最大限にいかすことができる分野
からの導入が有効であると考えられる。こうした観点からは、まず、日常的に購入(商品選
択)の機会が多い日用品などの非耐久消費財から導入していくことが消費者にとって分かり
やすく、制度の実用化・普及への第一歩として期待される。
また、耐久消費財のうち、エコリーフ制度などLCA手法による算定が行われているもの
については、制度の整合性に配慮しつつ早期の導入を図るとともに、将来的には、既存のL
CA手法による算定が行われていないものについても導入を検討する。これによって、耐久
消費財の環境面における競争力強化に本制度が戦略的に活用されることが期待される。
さらには、運輸・民生業務部門などのサービス分野においても検討を進めることが必要で
ある。
これら分野の拡大に当たっては、国際標準との整合性の観点から、先行する英国等におけ
る動向を注視しつつ検討を進めることが重要である。
なお、本制度は事業者等が自主的・自発的に参加するものであるため、広く事業者の参加
を促すためには、単に制度の精緻さのみを優先するだけではなく、業種や商品及びサービス
の特性に応じた多様なアプローチが可能な仕組みとすることが必要と考えられる。例えば、
商品によっては、構成する部材・部品の量、調達ルートの多様性、生産工程の複雑性等によ
2
り、算定の難易度に相当程度差があるものがあり、それらの特性に十分な配慮が求められる。
加えて、本制度を事業者が実施するに当たってのコスト負担と環境負荷低減効果の有効性
の両面を十分確認しつつ、広く事業者が取り組める有用な制度となるよう、配慮する必要が
ある。
(2)
カーボンフットプリント制度の目的
カーボンフットプリント制度の目的は、自らの出す炭素に責任を持つことが求められてい
る産業界と国民一人一人が、低炭素社会の実現に向けて、賢く、そして責任ある行動をとる
ために、CO2排出量の「見える化」によって、事業者はサプライチェーンを構成する企業
間で協力して更なるCO2排出量削減に努め、消費者は提供された情報を有効に活用して自
らの消費生活を低炭素なものに変革していくことが求められる。こうした制度の実現に向け
ては、以下の2つのアプローチが考えられる。
・ カーボンフットプリントの表示を、事業者による排出量の削減努力のアピールと
捉え、事業者による削減努力を促すアプローチ
・ カーボンフットプリントの表示を、当面、「消費者が自らの活動に伴い、どれぐ
らいのCO2を排出しているのかを認識するための情報」の提供や、「事業者や
消費者の理解や参加の進捗度合いに応じて消費者が相対的に低排出量の商品及
びサービスを選択するための判断材料」の提供と捉えるとともに、使用・廃棄段
階の排出量の認識等を通じて消費者による削減努力を促すアプローチ
いずれのアプローチにおいても、真摯に炭素削減に参画する事業者及び消費者が明確な基
準の下で自己の削減努力を定量的に把握できるような公正な制度設計が必要である。
(3)
カーボンフットプリントの算定方法の在り方
① 算定対象とする温室効果ガス
算定対象とする「温室効果ガス」は、以下のとおり。
項目
温室効果ガス種類
内容
CO2、CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6の6種類
(京都議定書で対象となっている温室効果ガス)
対象排出源
自然由来(家畜、その他の農業プロセスによる放出など)を含む
GWP (*)
IPCC第二次報告の100年値
(京都議定書における国別排出量の算定基準)
(*)GWP(Global Warming Potential 地球温暖化係数)
:温室効果ガスの温室効果をもたらす程
度を、二酸化炭素の当該程度に対する比で示した係数。
ただし、温室効果ガスの種類については、例えばIPCCのSAR(二次レポート)に掲
載されるすべてのガスにするなど、今後の国際的な議論などを踏まえつつ、定期的な見直し
を行う。また、CO2以外の温室効果ガスに適用するGWPについても、IPCCの報告デ
3
ータの更新などを反映して定期的な見直しを行うよう更新ルールを整備する必要がある。
自然由来(家畜、その他の農業プロセスによる放出など)のものを算定対象とするか否か
については、国際的な議論の動向などを踏まえつつ、引き続き検討を行う。
② 算定範囲
算定範囲としては、商品の機能を満たす範囲でありかつCO2排出量への寄与の大きさの
観点から無視できないプロセスを含めるよう設定しなければならないものとし、ライフサイ
クル全体を通した算定を基本とする。ライフサイクルは下記の各段階で構成される。
・ 原材料調達段階
・ 生産段階
・ 流通・販売段階流通段階
・ 使用・維持管理段階
・ 廃棄・リサイクル段階
また、算定範囲の決定に当たっては、システム境界の概念を導入し、段階ごとに算定対象
範囲を定めることが必要である。
ただし、段階によっては、算定を行うことが極めて困難な場合や他の事業者からのデータ
収集等が極めて困難な場合等が想定される。このため、この場合には、国際的な議論の動向
などを踏まえつつ、個々の商品・サービスの特性に応じて、後述の商品種別算定基準(商品
種別ごとにLCAの算定条件を定めるもの:Product Category Rule:以下「PCR」という。
)
において上記段階ごとの算定対象範囲を定める際に、理由・根拠を明確にした上で、ある段
階又はある段階の一部を含まないことを認めるなど、柔軟な対応を検討する必要がある。
例えば、一次産品や中間財については、使用方法の特定が極めて困難なため、使用・維持
管理段階や廃棄・リサイクル段階の一部を算定範囲の対象外とすることが考えられる。
ただし、この取組を進めていく中で、除外した算定対象範囲を含めていくよう、不断の努
力が求められる。加えて、消費者の誤解を招かないよう、段階ごとの算定対象範囲に含まれ
る部分と含まれない部分との境界が明確に判明できるよう表示が行われるべきである。
なお、原則として各段階の算定は、それぞれの関係事業者が責任を持って行うものとする。
③ 算定方法
(ア) 算定に関する基本的ルール
LCAにおけるCO2排出量の算定方法は、一般に以下の式に従って、②の測定範囲内の
各プロセスで算定され、合算される。活動量、原単位の例は以下の表のとおり。
CO2排出量 = ∑ (活動量i ×CO2排出原単位i ) :i はプロセスを指す
4
プロセス名
ライフサイ
活動量の例
原単位の例
クル段階
原材料調達
素材使用量
素材 1kg 当たりの生産時のCO2排出原単位
生産
組立て重量
重量 1kg 当たりの組立て時CO2排出原単位
生産時電力消費量
電力 1kWh 当たりCO2排出原単位
輸送量(kg・km)
商品の輸送量 1kg・km 当たりのCO2排出原
=輸送距離×積載率×トラックの積載量
単位
使用時電力消費量
電力 1kWh 当たりCO2排出原単位
流通・販売
使用・維持
管理
廃棄・リサ
埋立重量
イクル
リサイクル重量
1kg 埋立時のCO2排出原単位
1kg リサイクルの準備プロセス時のCO2排
出原単位
ここで、原単位とは、主に制度の運用団体が整備する共通データを指す。カーボンフット
プリントに係る算定を行う事業者が共通データ以外の原単位を用いる場合には、その原単位
の妥当性を証明しなければならない。
活動量とは、原単位に掛け合わせるデータであり、算定する事業者が自ら収集するもの(素
材使用量、生産時電力消費量等)及びシナリオを想定して収集するもの(使用時電力消費量、
埋立重量等)である。
また、算定する事業者が自らの責任で収集するもの(シナリオ設定に基づいて収集される
データを含む)を一次データと呼ぶ。これに対して、自ら収集することが困難で共通データ
や文献データ、LCAの実施例から引用するデータのみによって収集されるものを二次デー
タという。CO2排出量の算定に当たってはり、ライフサイクル全体に対する寄与度が高い
プロセスについては、事業者が商品・サービスのCO2排出量を自ら算定(一次データ)す
ることを基本とし原則とし、その他は二次データの利用は一次データの取得が困難な場合に
限るも認める。なお、一次データ収集範囲については、個別にPCRで定めることとする。
なお、当該二次データの活用に一定の制限を設けるという考え方もあるが、他の手段によ
るデータの信頼性の高さや、商品やサービスの特性によるデータ取得の困難性等を勘案しな
がら適宜継続的に検討していくものとする。
新製品や商品改良の発売開始直後、あるいは短期間でモデルチェンジを繰り返す商品では、
事業者が販売と同時にカーボンフットプリントの算定・表示を希望しても、短期間では十分
な一次データの収集に至らないケースが多い。しかし、過去の類似商品からの設計変更が軽
微であれば、そのデータを適用しても、ほとんど誤差のない算定が可能なケースも考えられ
る。あるいは、試作設計段階のデータによる暫定的な算定表示を行い、これを一定期間後に
一次データの蓄積による再評価を行う仕組みなども考えられる。
このように、一次データや二次データの取得が困難にある場合においては、商品特性を踏
5
まえつつ、類似データや推計データを採用することの妥当性を慎重に評価した上でこれを認
めるなど、柔軟な対応を検討する必要がある。
(イ) 配分(アロケーション)の考え方
生産段階や流通・販売段階流通段階など、複数種別の商品が混流するプロセスにおいては、
全体の排出量から、個別商品の排出量を推計(いわゆる、
「配分(アロケーション)
」
)する必
要がある。この際、それぞれの商品の重量比を用いる場合、経済価値比を用いる場合、面積
比を用いる場合など複数の方法が考えられる。
LCAでは重量比で考えられることが多いが、例えば、貴金属類など軽量・高付加価値な
商品が混流している場合は金額比で配分することが妥当とされるケースもありうると考えら
れる。また、工場の照明など各商品の生産ラインの床面積で配分することが妥当とされるケ
ースもありうる。
流通・販売段階流通段階では、店舗や在庫などにおいて同時に扱う商品種類・点数が膨大
であり、配分は煩雑である。このため、重量比や面積比ではなく金額比(売上比など)を用
いる方法が考えられるあるが、金額の高低により事業者の削減努力が及ばない部分でCO2
排出量が大きく変わることが考えられることを踏まえ、今後販売プロセスにおける適正な原
単位の整備が望ましい。ただし、その際、例えば「常温/冷蔵/冷凍」等のように、排出量
に大きな差が出る配送・販売の場合は分けて算定するべきである。
そこで、配分方法についても商品特性やプロセス特性に応じて、PCRを作成する際に定
めていく。
(ウ) カットオフ基準について
商品の素材構成を測定するに当たり、商品によっては何万点もの部品の重量測定・材質の
見極めが必要となり、事業者に過大な作業負荷を及ぼす場合がある。したがって、LCAの
算定においては、すべての部品・材料のうち一定の基準以下のものは、全体のCO2排出量
算定結果に大きな影響を及ぼさないものとして、算定を行わなくてもよいという取り決めを
行うことが適当である(カットオフ基準)
。
そのカットオフの具体的内容や適用範囲については、PCRを作成する際に公正な議論を
踏まえて定めていくこととする。その際、カットオフする部品・材料を恣意的に選択し排出
量を低く表示することができないように具体的な基準を定める。
(エ) 複数サプライヤーからの調達に関する基準
特定の原材料について、複数のサプライヤーから調達を行っており、その原材料を一次デ
ータとして収集する場合には、すべてのサプライヤーからデータの収集を行う必要がある。
しかし、それが困難な場合は、主要なサプライヤーから収集した一次データを、一定の基準
の下に他のサプライヤーの二次データとして使用することを認める。
6
④ 商品種別算定基準(PCR)
各段階における算定に当たっては、PCRを定める。PCRは、同一商品種における、共
通の算定基準であり、対象商品・サービスの定義、各ライフサイクルステージの設定、LC
A計算、表示方法等から構成(※)される。
PCRの作成に当たっては、カーボンフットプリントラベルによるの表示を行おうとする
事業者や業界団体等が中心となるものの、関係事業者の参加の下、一定の公正な手続を経て
策定される必要がある。また、策定したPCRはインターネット上ウェブサイト上などで一
般に公開されるなど、公平性や透明性を確保する必要がある。
PCRの公平性や透明性を確保するため、すべてのPCRに共通する概念となる策定基準
や作成手順を定める必要がある。あわせて、商品グループごとに共通する算定基準について
も、必要に応じて定めることとする。
策定したPCRは、同一分野で複数の異なるPCRが乱立することがないよう、一定の公
的関与の下で管理が行われる仕組みを検討する。その際、JIS制度などを活用するととも
に、国際的な整合性を確保する仕組みを考慮することが必要である。
なお、PCRの策定は固定的なものではなく、算定の正確性や簡便性等の観点から、策定
後も常時見直し・改善を行う必要がある。
(※)PCRに記述する各項目のイメージ
大項目(例)
対象商品・サービスの定
義
各ライフサイクルステー
ジの設定
小項目(例)
商品・サービス種類
算定範囲(ライフサイクルステージ、システム境界)
各ステージで収集するデータ項目
配分方法(アロケーション)
カットオフ基準
廃棄・リサイクルの考え方(シナリオ設定等) など
LCA計算
使用する原単位 など
表示方法
ラベル表示位置、サイズ
追加表示項目 など
⑤ 各プロセス各段階における算定のポイント
(ア) 原材料調達段階
原材料調達段階で原材料としてリサイクル品やリユース品を活用した場合と、廃棄・リサ
イクル段階で使用済み商品をリサイクルする場合において、使用済み商品の回収、再生処理
等の一連のリサイクル過程で発生するCO2排出量について、どの過程までを原材料調達段
階に算入し、どの過程からを廃棄・リサイクル段階に算入するかは、それぞれの算定範囲で
二重計上が生じないように、商品の特性やリサイクル処理方法などに勘案して、PCR策定
基準において規定する。
7
工場新設や生産設備の導入、土地の利用の変化に伴うCO2排出量は、全体に対する寄与
度が明らかに高い場合を除き、原則考慮しなくてもよい。ただし、これらについては、国際
的な動向を踏まえつつ、引き続き検討を行う。
また、原材料に木材を使用する場合の炭素貯留の考え方についても、引き続き検討を行う。
(イ) 生産段階
生産段階において、自家発電を利用している場合には、投入した電力量に基づくCO2排
出量について、一般的な購入電力における排出原単位ではなく、自家発電において投入した
燃料の排出原単位を採用する。
工場新設や生産設備の導入、土地の利用の変化に伴うCO2排出量は、全体に対する寄与
度が明らかに高い場合を除き、原則考慮しなくてもよい。ただし、これらについては、国際
的な動向を踏まえつつ、引き続き検討を行う。
商品の生産設備の稼働に関する情報を収集する際には、直接に生産に係わっている部門(直
接部門)のみを対象とする。ただし、直接部門と事務や研究開発などに関連する間接部門が
同一サイトに存在し、直接部門だけを切り出すことが困難な場合は、サイト全体から直接部
門として配分(アロケーション)してもよい。
(ウ) 流通・販売段階流通段階
店舗や販売方法によってCO2排出量が大きく異なる商品(例:缶ジュース等の自動販売
機による販売と店頭販売、同一店舗での冷蔵販売と常温販売など)の算定について、流通経
路や販売形態別に表示を変更することは、表示する事業者にとって煩雑であり、コストもか
かるので、この場合には、一定のシナリオを設定することができる。
ただし、流通段階に関しては、商品の生産サイトから一次物流拠点など経路が特定できる
ものや海上航空輸送など環境負荷の大きな輸送は実測値を算定するべきである。販売段階プ
ロセスに関しては、シナリオを作成する場合は、カーボンフットプリント制度の目的と照ら
し合わせ、消費者が的確な選択を行える情報を提供することを想定したシナリオを検討する
必要がある。
なお、シナリオ作成に際しては、当該商品の関係事業者を交えた公正・公平な議論に努め
るとともに、必要があれば測定範囲の拡大・縮小といった見直しも可能としておく必要があ
る。
<試行期間における暫定措置>
平成 21 年度試行事業においては、販売プロセスの算定について金額当たりのCO
2排出原単位が使用されている。しかし、金額の高低により事業者の削減努力が及ば
ない部分でCO2排出量が大きく変わることが考えられることを踏まえ、原単位の見
直しが行われたが、適切な原単位の設定に至っていない。
そこで、当面の措置として、販売プロセスの適切な算定方法が整備されるまでの間、
8
販売プロセスを算定・表示に含まないこととする。
(エ) 使用・維持管理段階
使用・維持管理段階のCO2排出量も、流通・販売段階流通段階と同様に使用者によって
様々なケースが想定されるため、PCRを作成する際には最も標準的なシナリオを設定して
算定する。
なお、PCRの標準的なシナリオ作成においては、使用に伴う活動のうち、当該商品のカ
ーボンフットプリントとして含むべき測定範囲の設定が課題となる。例えば、電球が消費す
る電力量は全量を電球のカーボンフットプリントとして測定範囲とすべきと思われるが、洗
濯時の水使用量や電力使用量は、洗濯機と洗剤のどちらに計上すべきか(あるいは共に計上
する、共に計上しない、など)といった議論が予想される。
したがって、シナリオ作成に際しては、当該商品の関係事業者を交えた公正・公平な議論
に努めるとともに、必要があれば測定範囲の拡大・縮小といった見直しも可能としておく必
要がある。
(オ) 廃棄・リサイクル段階
廃棄・リサイクル段階において、木材等のバイオマスを燃焼した際に発生するCO2排出
量は考慮しない。これは、バイオマスは生産(成長)時に大気中のCO2を固定しており、
その燃焼に際して発生するCO2はこれと等価であるためである(ただし、バイオマスの生
産・輸送等のために投入される活動に伴うCO2排出量を算定対象として加える必要がある)
。
ただし、循環資源である木材も、過剰に使用されると、成長が伐採に追いつかなくなる問
題も予想されるため、例えば、廃材の再利用である場合はその旨を明示することや、植林・
管理されている森林から調達した場合のみ認める等の制約条件を付与するなど、算定に当た
ってのバイオマス燃焼の扱いの適用は慎重にすべきである。なお、制約条件を付与するに当
たっては、バイオマスエネルギー利用の拡大に支障を与えないよう、過度なものとならない
ような配慮が必要である。
原材料調達段階で原材料としてリサイクル品やリユース品を活用した場合と、廃棄・リサ
イクル段階で使用済み商品をリサイクルする場合において、使用済み商品の回収、再生処理
等の一連のリサイクル過程で発生するCO2排出量について、どの過程までを原材料調達段
階に算入し、どの過程からを廃棄・リサイクル段階に算入するかは、それぞれの算定範囲で
二重計上が生じないように、商品の特性やリサイクル処理のやり方などに勘案して、PCR
策定基準において規定する。
9
(4)
カーボンフットプリントラベルによるの表示方法の在り方
① 表示に関する基本ルール
(ア) カーボンフットプリントラベルによるを表示を行うする際の基本的条件
カーボンフットプリントラベルによるの表示を行う事業者は、以下のルールを遵守しなく
てはならない。
・ 表示にはカーボンフットプリント制度の運用において定められる共通のラベルを用いる。
・ 原則として、商品・サービス販売単位当たりのライフサイクル全体のCO2排出量の絶対
値を表記カーボンフットプリント制度の運営者が運営するウェブサイトで開示する。
・ 排出量の単位は「g-CO2換算」
「kg-CO2換算」
「t-CO2換算」とし、実際の
表示では「g(グラム)
」
「kg(キログラム)
」
「t(トン)
」とする。数値の端数につい
ては算定における有効桁数を考慮して記述する必要がある。
・ 表示を行う事業者は、CO2排出量の継続的削減に向けて努力する。
・ カーボンフットプリント制度を活用したコミュニケーションにおいて、表示を行う事業者
は、消費者の誤解を招きやすい表現や他社製品との比較、PCRを越えた比較などを行わ
ないよう十分に注意する。
カーボンフットプリント制度の参加条件としてCO2排出量の継続的削減努力を求めるも
のの、具体的な数値目標は義務付けないこととする。数値目標を宣言する場合には、その意
欲を消費者に伝えることができるような追加表示を認め、目標達成度を示す追加表示につい
ても検討する。また、企業のCO2排出量削減のインセンティブを与えるような仕組みにつ
いても検討を行う。
同一型式の商品においては、地域差(あるいは複数の生産拠点間の差)や季節変動を考慮
した平均値で表示する。これは、細分表示による新たなCO2排出量の発生及びコスト増大
を回避するとともに、消費者の混乱を回避するためである。
なお、すでに、法令による様々な表示義務が課されるとともに、表示スペースが限られた
商品は多く、かつ、これら表示の信頼性に係る消費者等の要求は極めて高いこと等を考慮す
れば、表示ルールを定めるに当たって十分な注意が必要である。
(イ) 表示内容
カーボンフットプリントラベルによるの表示に当たっては「CO2排出量の絶対値」を表
示カーボンフットプリント制度の運営者が運営するウェブサイトで開示する。
なお、消費者にとって分かりやすい表示方法としては、他の商品や業界標準等との比較情
報をあわせて提供することが考えられる。その上で、表示された数値の持つ意味を消費者に
理解してもらうため、家庭のCO2排出量を見える化できるようになる等のカーボンフット
プリントの読み方に関するガイドブックを整備する等の啓発活動を進めていく。
<試行期間における暫定措置>
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試行事業においては、消費者や事業者が受け入れやすい表示方法を検討するため、
当面の間、多様な表示方法(例えば、
「単位量あたり排出量」
「機能あたり排出量」
「削
減率」
「数値なし」など)を試験的に認める。なお、その場合にも共通のラベルを用
いるほか、商品・サービス販売単位当たりのライフサイクル全体のCO2排出量の絶
対値をカーボンフットプリント制度の運営者が運営するウェブサイト(カーボンフッ
トプリント・ウェブサイト)において開示することを条件とする。
算定されたカーボンフットプリントの数値を比較して表示することは、自社の同種製
品の経年変化、自社の類似製品との比較、業界標準値等との比較の場合のみ可能とする。
その場合は、一定の条件を満たしていることが必要である。なお、条件等の詳細につい
ては、消費者の誤解を招くことのない仕組みとするため、別途検討を行う。
(ウ) 商品・サービスへのラベル表示位置、サイズ等
原則として、ラベルは商品本体又は包装資材に貼付する。
表示位置とサイズについては、消費者への訴求力と事業者の利便性を両立する観点から、
一定のルールを作成することが必要である。商品の大きさ(表面積など)によって段階的な
基準を設けることが考えられる。
その他、商品本体又は包装資材へのラベリング以外の表示としては、インターネットのホー
ムページウェブサイト、パンフレット、環境報告書、値札、店頭、QRコード、その他別途
検討する手法の中で、事業者が選択するものとする。
(エ)詳細情報の公開
カーボンフットプリントのライフサイクルステージごとの詳細情報等は、カーボンフット
プリント制度の運営者が運営するインターネットウェブサイト等で入手できるよう公開され
る必要がある。具体的には、表示された商品・サービスに適用されたPCRに係る通し番号
を併記するなどして、その番号から詳細情報を入手できるようにするなどの工夫が考えられ
る。例えば、エコリーフ制度では、同制度の運営者が運営するインターネットサイトウェブ
サイトでPCR番号順、製品種別等の一覧から、製品環境情報開示シート等の情報が入手可
能である。
なお、開示する詳細情報の方法、範囲及び内容等については今後検討を行う。
② 選択的措置
カーボンフットプリントラベルによる表示は消費者に簡潔で分かりやすい表示を行うこと
が原則であるが、基本的な表示ルールとは異なる表示を行うことがCO2排出量の削減に有
効である場合には、例外的な表示を認めることも検討する。この場合、表示の内容はCO2
排出に関するものに限るとし、商品のその他の機能、性能、特長等の表示は行わないものと
する。具体的な想定ケースとその考え方については以下のとおり。
11
(ア) 追加情報表示(削減率、プロセス別表示、部品別表示)
事業者のCO2排出量削減努力を適切に消費者に伝える観点から、経年での削減率をカー
ボンフットプリントの傍に表示することを可能とすべきである。
また、各プロセス及び部品ごとのCO2排出量が「見える化」され、各プロセスを担う事
業者ごとに削減努力を促す効果が期待されることから、プロセス別あるいは部品別の内訳を
ラベルに表示することができる。
(追加表示の例)
・ 自社の従来製品に対する削減率
・ 業界標準値に対する削減率
・ プロセス(算定段階)別表示、部品別表示
・ 使用方法に関する表示(
「こういう使い方をすれば、表示よりもCO2排出量が少なく
なります」といった表示等)
・ 容器リサイクルに関する表示(使用後の空容器のリサイクルを促進するため「この容器
が100%リサイクルされると表示以上にCO2排出量が少なくなります」といった表
示等)
・ 単位使用量・数量当たりCO2排出量
なお、追加情報を活用した広告については、消費者の誤解を招きやすい表現の記載を防ぐ
ためのルールを定めることとする。
(イ) 耐久消費財における想定寿命(使用年数)の併記
電化製品のように使用時のCO2排出量が大きい場合など、ライフサイクル全体での一個
当たりCO2排出量表示を行うと、必ずしも有効にCO2排出量の削減努力を反映しないケ
ースが想定される。例えば、電球型蛍光灯は寿命が長いため、1個当たりのCO2排出量は、
寿命の短い白熱電球1個と比較すると必ずしも優位ではない。また、長寿命化をはかること
が、かえって1個当たりCO2排出量を増大させるという問題が生じうる。
そこで、耐久消費財については、ライフサイクル全体のCO2排出量に加えて、客観性を
確保できる想定寿命(想定使用年数)を表示する。
なお、必要に応じて、単位使用量当たりCO2排出量(例:
「1年間使用当たりCO2排出
量」
)の追加表示を認めることとする。
(ウ) 地域差、季節変動、サプライヤー差を伴う表示
地域別表示や季節別表示といった細分化によってCO2削減が期待できる場合には、それ
らの違いを分かりやすく表示することが認められるべきである。特に、生鮮品など一次産品
については、気象条件等に応じて投入資材や温室効果ガスの排出・吸収量が大きく変動する
こと、品目が多数あることに加え各々の品目に係る営農体系も地域特性などによって多岐に
渡ること、
「見える化」に必要なデータは個々の農家の日々の営農体系などの記録に負うこと、
等を考慮する必要がある。
また、型式や生産拠点が同じであっても、同一の原材料を複数の異なるサプライヤーから
12
調達し、それぞれのCO2排出量が異なる場合、サプライヤー別に最終商品を区別して異な
るカーボンフットプリントを表示することも検討する必要がある。サプライヤーの努力が直
接的に「見える化」され、CO2排出量削減が促進されることが期待できるような表示が望
まれる。
(5)
カーボンフットプリントの信頼性を担保する仕組みの在り方
カーボンフットプリント制度に対する信頼性を担保するには、事業者がルールに則った算
定・表示を確実に行うことのみならず、これを適切に検証する仕組みを構築することが必要
となる。
(ア) カーボンフットプリントの検証スキームの検討
基本的には、独立した公正な第三者による検証の仕組みを軸に検討するが、その際、制度
の信頼性の確保の視点と事業者側負担の効率化の視点の適切なバランスが重要である。また、
国際的な整合性を考慮することも必要であり、今後、検証に関する国際基準や海外における
動きを踏まえつつ検討する。例えば、第三者による検証には、商品やサービス単位に個別審
査するもののほか、事業者が継続的に算定・表示するために構築した体制・システムを審査
するもの等も考えられるが、以上の観点を踏まえた適切な仕組みの設計が求められる。
(イ) PCRの認定とカーボンフットプリントの検証
PCRについては、関係事業者の参加の下、一定の公正な手続を経て策定するにあたり、
策定基準等への適合性を評価して、これを認定する仕組みを構築することが必要である。
カーボンフットプリントの検証については、PCRをはじめとする算定、表示に関するル
ールへの適合性を評価し、根拠となる数値の妥当性を確認することが必要である。
(ウ) 検証の有効期間と更新
なお、検証は、算定・表示の初回段階と、その更新段階(継続性)について検討する必要
がある。更新段階の検証は、一定期間毎に行われるべきであり、事業者によるルール遵守の
継続的チェックのみならず、算定・表示されたCO2排出量のその後の状況変化(調達先の
変更、生産設備の更新、流通プロセスの見直し等)による変動が適切に反映されていること
を担保する必要がある。これらの検討に当たっては、商品ライフサイクルの長短や事業者負
担の軽減など実際の運用を考慮する必要がある。
<試行期間における暫定措置>
試行事業においては、カーボンフットプリントの算定・表示について検証を受けた
場合、試行事業終了(平成23年度末予定)まで有効であり、商品等への表示を行っ
てよい。ただし、PCRの更新により、算定・表示に著しい変更が生じる場合には、
更新することが望ましい。
13
3. カーボンフットプリント制度の実用化・普及に向けた課題
(1)
カーボンフットプリント制度の認知度の向上、コストの適正な転嫁及び公的関与
本制度の実用化・普及に当たっては、事業者の積極的な取組に加えて、消費者の正しい理
解が重要であり、そのためには本制度の趣旨や算定方法、表示内容等について、政府、消費
者団体等による積極的なPR活動及び啓発活動が求められる。加えて、各主体においては次
の取組が求められる。
事業者においては、商品の特性による表示内容の相違点を簡潔かつ分かりやすく消費者に
理解させるための表示及び説明に努める。
消費者関連団体等においては、表示された数値の意味や算定方法に加え、買い方(個配・
宅配)や店舗への交通手段、さらには捨て方(リサイクル回収など)など、消費者が自らの
主体的な行動によってCO2排出量の削減に貢献できることを伝えることが望まれる。
政府においては、事業者の取組支援、制度構築に向けた関与を行っていく必要がある。本
制度を通じて事業者及び消費者双方の主体的な温暖化防止活動を促すための基盤を整備する
とともに、低炭素社会づくりへ向けた国民運動として広く一般に対して、制度の趣旨と算定・
表示方法に関する正しい理解が得られるような普及・啓発に取組む。
さらに、カーボンフットプリントを算定・表示するための基礎データの収集・分析、マー
クの貼り付け、信頼性の担保等については相応のコストが生じると考えられるが、このコス
トについては、適正に商品価格に転嫁されるべきことを、サプライチェーンに関わるすべて
の事業者が共通の認識を持つことが重要であり、消費者には理解を求めていくことが必要で
ある。
(2)
原単位データベース
本制度で利用される原単位データベースは、これまで国が整備を行ってきた既存のLCA
データベースが活用され、信頼性・汎用性・網羅性が高く、可能な限り最新のデータが、制
度運用主体において、適切に整備・管理されていることが望まれる。データの整備にあたっ
ては、更新ルールに基づき、統一性のあるものとすることが必要である。このデータベース
システムの構築に当たっては、これらの条件が確保されるよう、国が一定の関与に努める必
要があるとともに、運用の利便性と企業情報の機密性とを両立した設計が必要である。
(3)
CO2排出量以外の環境情報等との整合性
商品のライフサイクル全体で、CO2排出量を削減する際、他の環境負荷や資源消費量を
増やすことにつながることがあり、この場合、CO2排出量削減と他の価値観がトレードオ
14
フの関係になる。このため、消費者がカーボンフットプリントのみならず、他の環境負荷等
についてのバランスのとれた商品情報が提供され、総合的な判断ができるような環境を整え
ていくことが望まれる。
(4)
海外のカーボンフットプリント制度との比較及び相互承認について
海外との輸出入において、相手国に独自のカーボンフットプリント制度が導入されている
場合には、同じ商品に異なるカーボンフットプリントラベルが表示されることが想定される。
そのため、異なるカーボンフットプリント制度の表示は単純に比較できないことを消費者に
十分周知させるなどの対応を検討することが重要である。
また、仮にISO等による国際標準が定まり、各国が国際標準に則った制度を構築しても、
制度の詳細部分ではルールが異なることが予想されることから、相互承認の仕組みづくりを
検討していく必要がある。
(5)
継続的な更新
カーボンフットプリント制度を常によりよいものとするためには、本指針を固定的なもの
ととらえるのではなく、引き続き事業者及び消費者の意見を反映させる場を設け、両者の理
解を十分得つつ、常にこれを更新していくことが必要である。
4. CO2排出量削減に向けた他の制度・アプローチとの関係
(1)
カーボンオフセットとの関係
カーボンオフセットの取組に対する信頼性を構築する上での課題としては、オフセットに
使用するクレジットの確保、重複の回避、透明性などと併せて、オフセットの対象となる活
動に伴うCO2排出量を一定の精度で算定することがあげられる。
カーボンフットプリント制度は、商品・サービスのCO2排出量を算定する仕組みである
ため、商品・サービスの売買を通じたカーボンオフセットの取組・普及へ関連することが想
定される。また、カーボンオフセットについてもクレジットの第三者検証やオフセット努力
のラベリング表示が検討されており、本事業における第三者検証や表示方法の検討と関係す
るものと考えられる。
具体的な検討内容は今後設定していくが、例としては、
・ CO2排出量表示のオフセットへの適用可能性
・ 両者の表示方法の統一化・統合化
・ 相互に関係する場合の効果的な表示方法や情報の授受
・ 第三者検証事業の相互関連性
などがあげられるものと思われる。
15
(2)
グリーン電力証書との関係
グリーン電力証書を購入した場合、投入した電力量に基づくCO2排出量について、一般
的な購入電力における排出原単位ではなく、購入したグリーン電力における排出原単位を採
用することが考えられる。
グリーン電力における排出原単位を採用する際は、購入したグリーン電力証書が電力会社
から供給される電力を対象としている場合には一般電力からの購入部分に代替して採用さ
れるべきものであり、自家発電部分に代替して採用することはできない。
(3)
環境家計簿との関係
カーボンフットプリント制度により各商品・サービスのCO2排出量データを消費者が入
手できるようになることから、これを環境家計簿等に活用することが考えられる。従来の環
境家計簿では、電力やガスといったエネルギー消費量にもとづくCO2排出量削減を促すツ
ールであったが、カーボンフットプリント制度を活用することで、省エネ以外にも取組を広
げることが可能となる。
(4)
他の「見える化」手段との関係
CO2排出量の「見える化」には様々なアプローチがあり、どのアプローチを採用するか
については、対象の商品特性やコスト等を勘案し、「見える化」を行う事業者が自主的に判
断して取り組むべきものである。
5. 他の国際ルールとの整合性
カーボンフットプリント制度が貿易障害的な影響を与えず、逆に公正な競争の基盤となり
うるように、WTO協定等を踏まえつつ、ISO14020シリーズ、14040シリーズ、
その他ISO規格等との国際整合性に十分配慮した取組を進める。
なお、国際輸送の際の排出量も本制度の算定の範囲の対象となるものであるが、その表示
方法等については、国際的なルールが確立するまでは慎重に取扱う必要がある。
以 上
16
附属書B
カーボンフットプリント制度
商品種別算定基準(PCR)策定基準
2010年7月改定版
カーボンフットプリント制度
商品種別算定基準(PCR)策定基準
改定版
2010年7月16日
カーボンフットプリント・ルール検討委員会
目 次
はじめに ........................................................................................................................................... 1
1.
用語の定義 ........................................................................................................................... 1
2.
共通基準............................................................................................................................... 3
(1)
データの収集基準....................................................................................................... 3
(2)
各ライフサイクル段階で利用される機器、設備等データの取扱基準 ...................... 3
(3)
複数のサプライヤーからの調達基準 ......................................................................... 3
(4)
地域差、季節変動の取扱基準 .................................................................................... 4
(5)
生産設備の稼働に関する取扱基準 ............................................................................. 4
(6)
バイオマスの取扱基準 ............................................................................................... 4
(7)
リサイクルの取扱基準 ............................................................................................... 4
(8)
リユースの取扱基準................................................................................................... 4
(9)
カットオフ基準 .......................................................................................................... 4
3.
商品又はサービスの定義と範囲 .......................................................................................... 5
(1)
対象商品又はサービスの定義 .................................................................................... 5
(2)
算出範囲の具体的特定 ............................................................................................... 5
(3)
ライフサイクル段階の設定 ........................................................................................ 5
4.
各ライフサイクル段階におけるデータ収集........................................................................ 5
(1)
原材料調達段階 .......................................................................................................... 5
(2)
生産段階 ..................................................................................................................... 6
(3)
流通・販売段階流通段階............................................................................................ 7
(4)
使用・維持管理段階................................................................................................... 8
(5)
廃棄・リサイクル段階 ............................................................................................... 8
5.
CO2排出原単位データ ..................................................................................................... 9
(1)
CO2排出原単位データベース................................................................................. 9
(2)
CO2排出原単位データベースの整備の必要性 ....................................................... 9
6.
CO2排出量の算出 .......................................................................................................... 10
(1)
7.
LCA計算................................................................................................................ 10
表示方法............................................................................................................................. 10
(1)
カーボンフットプリントラベルによるの表示方法の設定 ...................................... 10
はじめに
本基準は、「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」に基づき、同一商品種における
算定基準である商品種別算定基準(PCR)を定めるにあたり、PCRの公平性や透明性を確保
するため、全てのPCRに共通する概念となる策定基準を定めたものである。本基準は、法令に
基づく規格又は基準を定めるものではなく、カーボンフットプリント制度を構築する上で試行的
に定めるものであり、担う消費者、事業者、団体及び政府による様々な取組を通じて、適時かつ
適切に見直される。
PCRの策定は固定的なものではなく、算定の正確性や簡便性等の観点から、策定後も常時見
直し、改善を行う必要がある。
なお、本基準においては、特に指定のない限り、広く温室効果ガス(GHG)のことを「CO
2」と表記するものとし、CO2排出量とは商品及びサービスからライフサイクルを通して排出
される温室効果ガスのCO2相当量を意味する。
1.
用語の定義
本基準で用いる用語について、以下のとおり定義する。
・ 温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)
大気を構成する気体で、地球の表面、大気及び雲によって放射される赤外線スペクトル
内部の特定波長で放射線を吸収及び放出するものをいう。本基準では、京都議定書で対象と
なっている二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフ
ルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)及び六フッ化硫黄(S
F6)の6種(自然由来である家畜、その他の農業プロセスによる放出などを含む)を対象
とする。
・ ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)
商品又はサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体
を通しての環境負荷を定量的に算定する手法をいう。
・ カーボンフットプリント制度
商品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を
通して排出される温室効果ガスの排出量を地球温暖化に与える影響の程度によりCO2相
当量に換算して、当該商品及びサービスに簡易な方法で分かりやすく表示する仕組みをいう。
・ 商品種別算定基準(PCR:Product Category Rule)
同一商品又はサービスの種別ごとの共通のLCA算定基準をいう。
・ システム境界 [JIS Q 14040:1997]
製品システムと、環境又は他の製品システムとの境界をいう。
・ 製品システム [JIS Q 14040:1997]
一つ又はそれ以上の定義された機能を果たす、物質的及びエネルギー的に結合された単
位プロセスの集合体をいう。
1
・ 単位プロセス [JIS Q 14040:1997]
LCAを実施する際に,データを収集するための製品システムの最小部分をいう。
・ 原単位
単位量当たりのプロセス時における相当量の総和をいう。
・ シナリオ
GHGCO2の排出に係る一連の状況設定をいう。
・ 一次データ
カーボンフットプリントの算定を行う事業者が、自らの責任で収集するデータ(シナリ
オ設定に基づいて収集されるデータを含む)をいう。
・ 二次データ
カーボンフットプリントの算定を行う事業者が自ら収集することが困難で、共通データ
や文献データ、LCAの実施例から引用するデータのみによって収集されるものをいう。
・ 類似データ
該当データの入手が困難な場合に用いる近似データをいう。
・ 推計データ
該当データの入手が困難な場合に用いる計画値や設計値に基づくデータをいう。
・ 配分(アロケーション)
複数種別の商品が混流するプロセスや、異なる部門が混在するサイト等において、全体
の排出量から個別商品の排出量を推計することをいう。
・ 直接影響
商品又はサービスのLCAを行う中でシステム境界内のプロセスに直接影響を及ぼすこ
とをいう。
・ 間接影響
商品又はサービスのLCAを行う中でシステム境界内のプロセスに直接影響を及ぼさな
いことをいう。
・ リサイクル効果
リサイクル材を用いることにより、バージン材の製造に必要となるCO2排出量を削減
する効果をいう。
・ リユース効果
リユース品を用いることにより、部品等の製造に必要となるCO2排出量を削減する効
果をいう。
・ 直接部門(生産設備)
生産設備において、生産に直接関係する部門をいう。
・ 間接部門(生産設備)
生産設備において、事務や研究開発など生産に直接関係しない部門をいう。
・ カットオフ基準
LCAの算定において、商品又はサービス全体のCO2排出量の算定結果に大きな影響
を及ぼさないものとして、一定の基準以下のものは算定を行わなくてもよい取決めをいう。
2
2.
共通基準
PCRを策定するにあたっては、以下(1)~(9)の共通基準に従うこととする。
なお、PCRの策定にあたっては、事前にカーボンフットプリントの試算を行い、どのプ
ロセスがライフサイクル全体のカーボンフットプリントに対する寄与度が高いかを明らかに
し、一次データと二次データの収集範囲やカットオフ基準、システム境界の特定を行うことが
望ましい。
(1)
データの収集基準
1) ライフサイクル全体に対する寄与度が高いプロセスについては一次データの収集を原則
とし基本とする。ライフサイクル全体に対する寄与度が低いプロセスや、算定事業者が一
次データを入手することが困難な場合については、二次データの利用も認めるは一次デー
タの収集が困難な場合に限る。なお、一次データ収集範囲については、個別にPCRで定
める。
2) 一次データの収集に関し、以下の項目について特定する。
① 対象となる段階とデータ収集範囲
② 収集場所(例:国内、国外、工場 等)
③ 収集期間(例:年、季節、月 等)
3) 二次データを利用する際は、出所を明らかにする。
4) 一次データ及び二次データの取得が困難な場合には、商品特性を踏まえつつ、類似デー
タや計画値・設計値等の推計データを採用してもよい。
(2)
各ライフサイクル段階で利用される機器、設備等データの取扱基準
各ライフサイクル段階で利用される機器、設備等(例:原料採掘時の重機、工場の生産
設備、運送時のトラック 等)の使用時以外のデータについては、データの収集が困難な
ことや、一般的に全体に対するCO2排出量への寄与が低いことが多いことから、原則考
慮しなくてもよい。
ただし、CO2排出量への寄与が高いことが明らかな場合は、考慮しなければならない。
(3)
複数のサプライヤーからの調達基準
特定のある原材料について、複数のサプライヤー(調達先)から調達を行っている場合
は、原則、全てのサプライヤーから一次データを収集することとし、二次データの利用は
一次データの収集が困難な場合に限る。
なお、主要なサプライヤーから収集した一次データ(主要なサプライヤーが複数ある場
合は合計)が一定割合以上である場合は、当該一次データを他のサプライヤーの二次デー
タ(主要なサプライヤーが複数ある場合は加重平均)として使用してもよい。当該割合は、
代表性を確保するため50%以上でなければならない。
3
(4)
地域差、季節変動の取扱基準
地域差や季節変動の違いがある場合は、その違いを考慮して、各地域、各季節の一次デ
ータをもとに加重平均等により適切に算出することが望ましい。ただし、困難な場合は、
一次データ以外を使用してもよい。
(5)
生産設備の稼働に関する取扱基準
生産設備の稼働に関するデータを収集する際は、直接部門だけを対象とする。ただし、
直接部門と間接部門とが同一サイトに存在し、直接部門だけを切り出すことが困難な場合
は、サイト全体から直接部門として配分(アロケーション)してもよい。
(6)
バイオマスの取扱基準
木材等のバイオマスを燃焼した際に発生するCO2排出量は考慮しない。ただし、バイ
オマスの生産・輸送等のために投入される活動に伴うCO2排出量は考慮しなければなら
ない。
(7)
リサイクルの取扱基準
カーボンフットプリントにおいてリサイクル工程を取り扱うに当たっては、カーボンフ
ットプリント算定対象製品とリサイクルした材料を使用する製品のカーボンフットプリン
ト算定値のいずれかが過大・過小評価となること及び二重計上を避ける必要がある。これ
を踏まえ、リサイクル工程(例:回収、前処理、再生工程 等)に伴うCO2排出量につ
いては、基本的に、回収した上で、一定素材の選別を行うといったリサイクルの準備プロ
セスまでを使用済み製品の廃棄・リサイクル段階として算定し、全てそれ以降のプロセス
については、原材料調達段階でのリサイクル材リサイクルした材料を使用する製品の原材
料調達段階に含めることとする。が、リサイクル工程については製品ごとに特性が異なる
ため、必要に応じ個別の検討を行うものとする。
なお、この場合、使用済製品の廃棄・リサイクル段階の範囲と同製品が廃棄物処理法に
基づき、廃棄物として取り扱われる範囲とは異なる場合があることに注意が必要である。
リサイクル効果については、二重計上が生じないよう、リサイクルの間接影響は考慮し
てカーボンフットプリントの算定対象に含めてはならない。ただし、廃棄・リサイクル段
階(下流工程)のリサイクルの間接影響については、追加表示(別表示)してもよい。
(8)
リユース取扱基準
リユース工程(例:回収、洗浄 等)に伴うCO2排出量については、全て原材料調達
段階や生産段階でのリユース品に含めることとする。
リユース効果については、二重計上が生じないよう、リユースの間接影響は考慮してカ
ーボンフットプリントの算定対象に含めてはならない。ただし、廃棄・リサイクル段階(下
流工程)のリサイクルリユースの間接影響については、追加表示(別表示)してもよい。
(9)
カットオフ基準
カットオフする場合は、当該商品又はサービスの各ライフサイクル段階のCO2総排出
量に対してそれぞれ5%以内とする。また、カットオフする範囲を明示しなければならな
い。
4
ライフサイクル全体に対する寄与度が低いプロセスについては、全体のCO2排出量の
うち5%までを限度とし、範囲を明示した上で、カットオフしてもよい。ただし、シナリ
オや類似データ、推計データを活用して代替することを優先し、それが困難な場合に限る。
なお、中間財におけるカットオフ基準は、中間財のPCRで算定対象とする全てのライ
フサイクル段階を合計したCO2排出量のうち5%までを限度とする。
3.
商品又はサービスの定義と範囲
(1)
対象商品又はサービスの定義
1) 対象商品又はサービスを定義する。定義するに当たっては、少なくとも以下の項目を考
慮し、可能な限り広く定義する。例えば、リサイクル材料を用いた製品とバージン材を用
いた製品のように、一般的に比較対象となる同種の製品は、同一のPCRで扱うことを原
則とする。
① 機能・特性
② 用途(例:業務用、民生用 等)
③ 法規制事項(例:省エネ法基準 等)
④ その他の関連基準(例:業界基準 等)
(2)
算出範囲の具体的特定
1) 商品又はサービスのCO2排出量の算出対象を具体的に特定する。
(例:本体、付属品、
容器包装 等)
2) 商品又はサービスの単位を設定する。(例:個数、重量、面積 等)
(3)
ライフサイクル段階の設定
1) 原則として以下の全てのライフサイクル段階を対象としなければならない。
①原材料調達段階、②生産段階 、③流通・販売段階流通段階 、④使用・維持管理段
階、⑤廃棄・リサイクル段階
2) 特定のライフサイクル段階や、ライフサイクル段階のうち特定のプロセスを含まない場
合は、その理由及び根拠を明示する。なお、使用段階でエネルギーを使用しない製品であ
って、使用・維持管理段階で想定される利用方法が多岐にわたる製品の使用・維持管理段
階の扱いについては、当面の間は個別のPCRで扱うこととする。
4.
各ライフサイクル段階におけるデータ収集
(1)
原材料調達段階
1) 原材料調達段階における対象商品のデータ収集範囲を具体的に特定する。
2) 原材料の収集データ項目及び収集方法について、以下を考慮して具体的に特定する。
① 収集データの種別を明確にする。(例:一次データ、二次データ、類似データ、推
計データ 等)
5
② 複数あるサプライヤーから原材料を調達する場合で、主要なサプライヤーからのみ
限定的にデータを収集する場合は、そのサプライヤーを明確にする。
③ 原材料の輸送形態及び輸送時のエネルギー消費量のデータ収集方法を明確にする。
(例:燃費を直接計測する方法(燃費法)、輸送距離・積載率等から燃費を計測す
る方法(トンキロ法) 等)
④ 原材料の輸送について共通のシナリオを設定する場合は、輸送区間ごとに輸送形態
や輸送距離等を明確にする。
⑤ 地域差や季節変動を考慮する場合は、データを収集する地域や期間、算出の方法を
明確にする。
⑥ リサイクル材やリユース品を使用している場合は、バージン材や新品と区別し、具
体的なリサイクル・リユース工程の範囲を明確にする。
⑦ カットオフする場合は、ライフサイクル全体に対する寄与度が低い原材料調達段階
におけるCO2総排出量の5%以内であることを示し、その範囲を明確にする。
(2)
生産段階
1) 生産段階における対象商品のデータ収集範囲を具体的に特定する。
2) エネルギー消費量や投入・排出される物質等の収集データ項目及び収集方法について、
以下を考慮して特定する。
① 収集データの種別を明確にする。(例:一次データ、二次データ、類似データ、推
計データ 等)
② サイト全体の生産工程の中から当該商品の生産工程について配分(アロケーショ
ン)する場合は、その配分方法を具体的に設定する。(例:敷地面積、工数 等)
③ 複数のサイトで生産する場合で、主要なサイトのみ限定的にデータを収集する場合
は、そのサイトを明確にする。
④ 中間製品等の輸送形態及び輸送時のエネルギー消費量のデータ収集方法を明確に
する。(例:燃費を直接計測する方法(燃費法)、輸送距離・積載率等から燃費を
計測する方法(トンキロ法) 等)
⑤ 中間製品等の輸送について共通のシナリオを設定する場合は、輸送区間ごとに輸送
形態や輸送距離等を明確にする。
⑥ 地域差や季節変動を考慮する場合は、データを収集する地域や期間、算出の方法を
明確にする。
⑦ 自家発電を利用している場合は、発電用燃料(例:重油、天然ガス、石炭 等)の
使用量を一次データとして収集する。
⑧ リユース品を使用している場合は、新品と区別し、具体的なリユース工程の範囲を
明確にする。
⑨ カットオフする場合は、生産段階におけるCO2総排出量の5%以内であるライフ
サイクル全体に対する寄与度が低いことを示し、その範囲を明確にする。
6
(3)
流通・販売段階流通段階
1) 流通・販売段階流通段階における対象商品又はサービスのデータ収集範囲を具体的に特
定する。
2) エネルギー消費量等の収集データ項目及び収集方法について、
以下を考慮して特定する。
① 収集データの種別を明確にする。(例:一次データ、二次データ、類似データ、推
計データ 等)
② 商品の輸送形態及び輸送時のエネルギー消費量のデータ収集方法を明確にする。
(例:燃費を直接計測する方法(燃費法)、輸送距離・積載率等から燃費を推計す
る方法(トンキロ法) 等)
③ 販売形態及び販売時のエネルギー消費量のデータ収集方法を明確にする。(例:店
舗内での陳列場所や自動販売機で直接計測する方法、店舗全体から当該商品に配分
(アロケーション)する方法 等)
④ 商品の輸送について共通のシナリオを設定する場合は、輸送区間ごとに輸送形態や
輸送距離等を明確にする。その際、輸送形態(例:常温、冷蔵、冷凍、保温 等)
による冷却・加熱負荷を考慮することが望ましい。
⑤ 販売について共通のシナリオを設定する場合は、販売形態、販売時間、商品の回転
率(店舗や自動販売機に滞留する日数)等を明確にする。その際、販売形態による
局所的な冷却・加熱負荷を考慮することが望ましい。
⑥ 同一店舗内や自動販売機内で複数商品の中から当該商品における販売時のエネル
ギー消費量を配分(アロケーション)する場合は、その配分方法を具体的に設定す
る。(例:敷地面積(照明、空調)、容積(局所冷却・加熱) 等)
⑦ 地域差や季節変動を考慮する場合は、データを収集する地域や期間、算出の方法を
明確にする。
⑧ 販売時に自家発電を利用している場合は、発電用燃料(例:重油、天然ガス、石炭
等)の使用量を一次データとして収集する。
⑨ 販売時における売れ残り(廃棄処理)を考慮する場合は、廃棄量、廃棄方法を明確
にする。
⑩ カットオフする場合は、流通・販売段階おけるCO2総排出量の5%以内であるラ
イフサイクル全体に対する寄与度が低いことを示し、その範囲を明確にする。
<試行期間における暫定措置>
平成 21 年度試行事業においては、販売プロセスの算定について金額当たりのCO2排
出原単位が使用されている。しかし金額の高低により事業者の削減努力が及ばない部分
でCO2排出量が大きく変わることが考えられることを踏まえ、原単位の見直しが行わ
れたが、適切な原単位の設定に至っていない。
そこで、当面の措置として、販売プロセスの適切な算定方法が整備されるまでの間、
販売プロセスを算定・表示に含まないこととする。
7
(4)
使用・維持管理段階
1) 使用・維持管理段階における対象商品又はサービスのデータ収集範囲を具体的に特定す
る。
2) エネルギー消費量、消耗品、交換部品等の収集データ項目及び収集方法について、以下
を考慮して特定する。
① 収集データの種別を明確にする。(例:一次データ、二次データ、類似データ、推
計データ 等)
② 使用・維持管理形態及び使用・維持管理時のエネルギー消費量等のデータ収集方法
を明確にする。(例:使用機器や維持管理設備から直接計測する方法、建屋全体か
ら当該商品の維持管理に配分(アロケーション)する方法 等)
③ 使用・維持管理について共通のシナリオを設定する場合は、使用・維持管理形態、
使用時間、使用年数、維持管理期間等を明確にする。その際、業界標準(例:電化
製品の使用・待機時間 等)や商品に明記されている方法(例:調理方法 等)を
考慮する。
④ 同一建屋内や調理段階で複数商品の中から当該商品における使用・維持管理時のエ
ネルギー消費量等を配分(アロケーション)する場合は、その配分方法を具体的に
設定する。(例:敷地面積(照明、空調)、使用量(調理時の加熱) 等)
⑤ 部品等の輸送形態及び輸送時のエネルギー消費量のデータ収集方法を明確にする。
(例:燃費を直接計測する方法(燃費法)、輸送距離・積載率等から燃費を計測す
る方法(トンキロ法) 等)
⑥ 部品等の輸送について共通のシナリオを設定する場合は、輸送区間ごとに輸送形態
や輸送距離等を明確にする。
⑦ 地域差や季節変動を考慮する場合は、データを収集する地域や期間、算出の方法を
明確にする。
⑧ カットオフする場合は、使用・維持管理段階におけるCO2総排出量の5%以内で
あるライフサイクル全体に対する寄与度が低いことを示し、その範囲を明確にする。
(5)
廃棄・リサイクル段階
1) 廃棄・リサイクル段階における対象商品のデータ収集範囲を具体的に特定する。
2) エネルギー消費量、廃棄物処理等の収集データ項目及び収集方法について、以下を考慮
して特定する。
① 収集データの種別を明確にする。(例:一次データ、二次データ、類似データ、推
計データ 等)
② 廃棄・リサイクル段階(下流工程)でリサイクルの間接影響を考慮する場合は、追
加表示とするため、本表示のデータと区分して扱う。
③ 廃棄・リサイクル・リユースについて、その方法及び処理時のエネルギー消費量や
8
廃棄・リサイクル量等のデータ収集方法を明確にする。(例:機器や設備から直接
計測する方法、建屋全体から当該商品の廃棄処理に配分(アロケーション)する方
法 等)
④ 廃棄・リサイクル・リユース処理について共通のシナリオを設定する場合は、その
方法、廃棄・リサイクル割合等を明確にする。その際、法令・業界標準(例:処理
方法、データ実績 等)や商品に明記されている方法を考慮する。
⑤ 同一建屋内で複数の物品の中から対象となる物品の廃棄・リサイクル・リユース処
理時のエネルギー消費量等を配分(アロケーション)する場合は、その配分方法を
具体的に設定する。(例:敷地面積(照明、空調)、容積・重量(処理工程) 等)
⑥ 廃棄物・リサイクル材・リユース品廃棄・リサイクル段階の対象物の輸送形態及び
輸送時のエネルギー消費量のデータ収集方法を明確にする。(例:燃費を直接計測
する方法(燃費法)、輸送距離・積載率等から燃費を計測する方法(トンキロ法)
等)
⑦ 廃棄物・リサイクル材・リユース品廃棄・リサイクル段階の対象物の輸送について
共通のシナリオを設定する場合は、輸送区間ごとに輸送形態や輸送距離等を明確に
する。
⑧ カットオフする場合は、廃棄・リサイクル段階におけるCO2総排出量の5%以内
であるライフサイクル全体に対する寄与度が低いことを示し、その範囲を明確にす
る。
5.
CO2排出原単位データ
(1)
CO2排出原単位データベース
1) CO2排出原単位は、原則、国や公的機関が整備を行う積み上げ法のLCAデータベー
スを活用する。当該CO2排出原単位データベースは、専門家によるデータの検証が行わ
れていることが望ましく、また、可能な限り最新のデータが整備・管理されていることが
望ましい。
2) 必要なCO2排出原単位は、現在利用可能なLCAデータベース(積み上げ法)を活用
したCO2排出原単位データによって特定する。ただし、困難な場合は、他のLCAデー
タベースを活用してもよい。
現在、利用可能なLCAデータベース(積み上げ法)は以下のとおり。
①LCA日本フォーラムLCAデータベース
②JEMAI-LCAデータベース
③エコリーフ原単位データ
(2)
CO2排出原単位データベースの整備の必要性
1) CO2排出原単位は、カーボンフットプリントを行う事業者が個別に選択するのではな
く、制度全体を通した一定の管理の下で、共通のデータを用いることが望ましい。そのた
め、信頼性・汎用性・網羅性が高く、最新のデータが整備・管理されている共通のCO2
9
排出原単位データベースの整備が望まれる。
<試行期間における暫定措置>
試行事業においては、カーボンフットプリント制度試行事業事務局が管理する共通の
データとして「CFP制度試行事業用CO2換算量共通原単位データベース(暫定版)」
をカーボンフットプリント・ウェブサイトで公開している。また、算定に必要となる二
次データが入手できない場合には、試行事業事務局が「参考データ」として提供する。
6.
CO2排出量の算出
(1)
LCA計算
1) CO2排出量の算出は、プロセスごとに活動量にCO2排出原単位を乗じて算定し、こ
れを合算する。
CO2排出量 = ∑ (活動量 i ×CO2排出原単位i ) :i はプロセスを指す
7.
表示方法
(1)
カーボンフットプリントラベルによるの表示方法の設定
カーボンフットプリントラベルによるの表示に関し、以下の項目について設定する。
① ラベルの表示形式、位置、サイズ
① 耐久消費財における想定寿命(想定使用年数)の表示
② 追加情報の表示(例:段階別表示、容器リサイクルに関する表示 等)
<試行期間における暫定措置>
消費者や事業者が受け入れやすい表示方法を検討するため、当面の間、試行期間において、
下記のように多様な方法をラベルに表示することも試験的に認める。ただし、共通のラベ
ルを用いるほか、商品・サービス販売単位当たりのライフサイクル全体のCO2排出量の
絶対値をカーボンフットプリント制度試行事業事務局が運営するウェブサイト(カーボン
フットプリント・ウェブサイト)において開示することを条件とする。
(表示の例)
① 単位量あたり排出量(例:100 グラムあたり排出量 等)
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② 機能あたり排出量(例:1回使用あたり排出量、1000 時間あたり排出量 等)
③ 削減率(例:対基準年比の排出量削減率 等)
④ 数値なし(例:ラベルのみ表示 等)
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附属書C
「単位量あたり」「機能あたり」の
CFPの算定・表示方法について
(第三版)
「単位量あたり」「機能あたり」のCFPの算定・表示方法について(第三版)
平成23年1月25日
カーボンフットプリント制度試行事業事務局
本年5月から7月に開催された「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」において、試行期間の暫定措
置として「多様な表示」を認めることとなり、「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」及び「商品種別算
定基準(PCR)策定基準」等の改定が行われました。
「多様な表示」の具体的な運用方法については、随時検討を進めており、去る10月15日には、「単位量
あたり」および「機能あたり」のCFP算定・表示について検証を開始すべく、暫定的なルールを公開いたしま
した。
このルールは、試行事業を通じてより適切なものへと変更をしていくものでありますが、このたび、一部修
正を行うこととなりましたので「第三版」として修正・公開いたします。 また、このルールは、試行的であるこ
とから、新たな単位・機能の設定方法が出てきた場合には、CFP検証にむけて、調整に時間がかかること
がございますのでご了承ください。
<検証時の暫定的な「単位量あたり」「機能あたり」の算定・表示方法の確認の仕方>
①CFPの算定方法について
算定方法については、「単位量あたり」「機能あたり」のCFP値を求める際の方法について、妥当性・適切
性を確認します。
(ア) 「単位量あたり」「機能あたり」を算定・表示する単位の考え方の妥当性
¾ 100gあたり、m2 あたり、リットルあたり、1杯あたり、1回あたり、などの当該単位を選定した理由。
とくに、消費者の視点から、当該単位で表示することの妥当性をCFP検証にて示すことが必要。
(イ) 単位量の算定方法の適切性
¾ 通常の販売単位の数値を、上記単位で割る方法(算定手法と考え方)。
例えば、すでに認定されている「野菜および果実」や「バナナ」のPCRの場合は、カット毎に重量
が異なることから、「標準重量」を設定して販売単位あたりの CFP を算定し、これを割り戻して、1
00gあたりのCFP値を算出している。
※同一PCR内における同一製品群で、多様な(異なる方法により)「単位量あたり」「機能あたり」の表示を
行うことは、消費者にとって誤解を生む可能性があるため、引き続き検討の対象とします。
今後の検証の際に、上記の様な可能性がある場合は、別途事務局より相談させていただきます。
②表示について
「単位量あたり」「機能あたり」の表示については、消費者の誤解を招かないよう配慮する観点から、マー
クおよび追加情報等の表示情報から、販売単位の CFP を消費者が算定できるよう配慮することとします。
そのため、当面は以下の表示方法とします。(デザイン、追加情報への必須情報などについては、今後変
更の可能性があります。)
下記に特定した以外の表示の仕様については、「カーボンフットプリントマーク等の仕様」
(http://www.cfp-japan.jp/regulation/index.html)を遵守すること。
(ア) CFPマークの上もしくは下(必須情報部とマークの間)に、識別出来る文字の大きさで、選択した「単
位量」「機能」の表示を行うこと。
(イ) 追加情報表示部には、上記(ア)で用いた当該製品の販売単位の CO2 排出量が算定できるような情
報を表示すること。ただし、製品本体に販売単位の CO2 排出量が算定できるような情報が既に明記
されている場合には、追加情報表示部への表示を省略することができる。
なお、各種法令等に抵触する恐れがある場合は、この限りではない。
¾ 選択した機能単位が、「1杯あたり」であれば、当該製品の販売単位を「杯数」にて表示すること。
¾ 選択した機能単位が、「使用1回あたり」であれば、当該製品のライフサイクル全体の「想定使用
回数」を表示すること。
<表示の例>
☆「100グラムあたり」での表示の場合
<単位量あたり表示を行う場合におけ
る追加情報表示部の必須記載事項(各
種法令等に抵触する恐れがある場合
はこの限りではありません)>
・本製品の内容量は○○○グラム。
別途、内容量が製品本体
内容量100グラムあたり
に明記されている場合
には、追加情報表示部へ
の内容量の表示を省略
してもよい。
☆「1回あたり」での表示の場合
使用1回あたり
<機能あたり表示を行う場合における
追加情報表示部の必須記載事項(各種
法令等に抵触する恐れがある場合はこ
の限りではありません)>
・本製品の想定使用回数は300回。
マークの上下いずれかに
「単位量」「機能」を明記
【改訂履歴】
(制定) 第一版 : 平成22年10月15日
(改訂) 第二版 : 平成22年10月20日
(改訂) 第三版 : 平成23年1月25日
附属書D
CFPの削減率の算定方法について
CFPの削減率の算定方法について
平成23年3月10日
カーボンフットプリント制度試行事業事務局
昨年5月から7月に開催された「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」において、試行
期間の暫定措置として「多様な表示」を認めることとなり、
「カーボンフットプリント制度の在り方
(指針)
」及び「商品種別算定基準(PCR)策定基準」等の改定が行われました。
すでに、「多様な表示」のうち、「単位量あたり」及び「機能あたり」のCFP算定・表示方法につ
いては、暫定的な運用ルールを公開しておりますが、これに引き続き、
「削減率」の算定・表示の考
え方について整理いたしました。
<「削減率」の算定方法の考え方>
1.
「削減率」を算定する対象製品が備えるべき基本的な条件
「削減率」を算定・表示するには、
「削減前」と「削減後」の2つの算定を行う。こうした算定結
果の比較においては、ISO14025・14040・14044及び将来的にはISO14067(現
在、標準化作業中)に記載される、比較に関連する要求事項を満たすことが望まれる。それらをベース
として、CFP制度試行事業における「削減率」算定・表示においては、以下の条件を満たさなければ
ならない。
① 同一のPCRを用いて算定されていること。
② 自社製品の比較であること。
③ 同一もしくは同等の機能であること。(削減主張の場合は同等以下の機能との比較も可)
④ データの収集方法が同等であること。
⑤ 検証を受けた数値間の比較であること。
⑥ 比較条件に関する情報開示(*)を行うこと。
※)情報開示の方法について
・ CFPマークの表示方法については「カーボンフットプリントマーク等の仕様」に従うこと。
・ CFPウェブサイトに掲載される「詳細情報」においては、
「当該製品における販売単位あた
りのライフサイクル全体の絶対値」
「機能が同一もしくは同等であることの説明」を必ず記載す
ること。さらに、削減ポイントの解説を付記することが望ましい。
2.
「削減率」の算定において求められる要件
(1)同一もしくは同等の機能の考え方
・ 「削減率」の算定・表示を申請する事業者は、同一あるいは同等の機能であることを説明し、妥当性
を示さなければならない。
¾
JIS規格等を活用して、同等であることを示してもよい。
(2)一次データと二次データ
・ 一次データにもとづくCO2削減でなければならない。
ただし、CO2削減を目的とした素材切り替えの場合の二次データの変更による削減は認める。
・ 算定においては、削減前と削減後ともに最新の原単位データベースを用いなければならない。(つま
り、削減前の検証結果も最新の原単位データベースで再検証を受けること。)
(3)過去のデータとの比較
・ 過去の製品との比較について、検証可能な範囲において比較しても良い。
¾
削減前の比較対象製品が10年前のデータであっても、検証を受けられるならば、削減率の算
定・表示をすることができる。
(4)最低削減率
・ 一定水準以上の削減率を実現しない場合には、削減率表示を認めるべきでないという考え方もあるが、
データ収集方法が同等であるならば、削減率が小さくとも表示しても良い。
(5)部分削減表示
・ ライフサイクル全体でのCFP削減率を表示した上で、一部のライフサイクル段階等に限定した部分
削減表示について、以下の条件に基づき追加表示しても良い。
ただし、追加表示する場合には消費者に誤認を与えないなど、特段の配慮が求められる。
¾
ライフサイクル全体の寄与度が高い場合は、削減率や削減のポイントなどを表示することができ
る。
¾
ライフサイクル全体の寄与度が低い場合は、削減のポイントのみ表示することができる。
3.その他
・
その他の比較表示についても、本算定方法に基づいた算定・表示をしなければならない。
・
本算定方法を用いて、
「削減率」の算定・表示を行う事業者は、事前に必ずカーボンフットプリント
制度試行事務局へ連絡すること。
以
上
附属書E
認定PCRの引用及び検証済みCFPデータの利用について
認定 PCR の引用及び検証済み CFP データの利用について
平成23年3月10日
カーボンフットプリント制度試行事業事務局
本年1月から2月に開催された「カーボンフットプリント・ルール検討委員会」において、認定 PCR の引用
等及び検証済み CFP データの利用に関する検討が行われ、その具体的な適用方法が取りまとめられまし
た。今後、新たな PCR 認定及び CFP 検証を行う際には、本ルールに従って認定 PCR の引用等及び検証
済み CFP データの利用を行って下さい。
なお、このルールは、試行事業を通じてより適切なものへと変更をしていくものである旨、ご留意下さい。
1. PCR 策定時に他の認定 PCR を引用する場合
①引用方法
・
PCR を引用する場合は、引用部分が明確になるように引用すること。
・
「中間財 PCR」として認定された PCR をすべて引用する場合は、そのまま引用することができる。ただし、
中間財 PCR であっても、一部分のみを引用する場合には、引用するライフサイクル段階やプロセスを
特定する必要がある。
・
「最終財 PCR」として認定された PCR の一部のライフサイクル段階やプロセスを引用する場合は、引用
する部分を特定して引用すること。(例:「野菜および果実」の PCR を、他の食品の PCR の原材料デー
タ収集において、引用 PCR として適用するケースでは、「野菜および果実」PCR のライフサイクル段階ま
たはプロセスを特定し、当該 PCR に記載する)。
②基本的な引用ルール
・ 引用 PCR がある場合には、PCR フォーマット「3.引用規格および PCR」欄に記載する。
¾
引用 PCR は、認定 PCR 番号を特定せず、認定 PCR の名称を記載する(CFP 検証時には、原則
として最新のものを適用する)。
¾
①のように、引用する部分が一部の場合は、引用した部分を特定すること。
¾
他の PCR が引用可能なライフサイクル段階やプロセスについて、ライフサイクル全体に対する寄
与度が低い場合や、算定事業者が一次データ収集を入手することが困難な場合については、引
用 PCR を用いた一次データの収集を行う代わりに、二次データを利用することができる。
¾
既存の PCR が存在し、それを引用しない場合は、PCR 認定時に正当化されなければならない。
・ 引用 PCR を用いてデータ収集するプロセスについては、引用 PCR にもとづきデータ収集を行うことを明
記する。
2. 引用 PCR を含む PCR に基づいた CFP の算定・検証
①引用PCRの特定
・ 引用 PCR を含む PCR に基づいて CFP を算定する際には、適用した引用 PCR の認定 PCR 番号を明
確にする。
3. 検証済み CFP データを引用した CFP 算定
①検証済み CFP データの引用
・
・
ライフサイクルの中で、CFP 検証済みの製品又は中間財を使用している場合には、その検証済み CFP
データをそのまま引用することができる。
¾
CFP 検証済みの製品又は中間財の PCR が、最終製品の PCR に引用されていることを前提条件
とする。
¾
これは一次データ収集と同等であるため、一次データとして扱うこともできる
¾
ただし、類似製品の場合(同一製品で無い場合)は、一次データとしての引用はできない。
なお、検証済 CFP 値を引用する場合で、そのデータが最新の PCR に基づいた値で無い場合は、最新
版 PCR と旧版 PCR の差異を確認し、検証結果に大きな影響を与えないことが明らかな場合には採用
できる。ただし、その判断は、検証員及び CFP 検証パネルの判断に委ねる。
【改訂履歴】
(制定) 第一版 : 平成23年3月10日
附属書F
サービスに関するPCR策定
及びCFP算定・検証の考え方
サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証の考え方
平成23年3月10日
カーボンフットプリント制度試行事業事務局
1.カーボンフットプリント制度におけるサービスの取り扱いについて
(1)経緯
カーボンフットプリント制度では、商品・サービスに関するライフサイクル全体のCO2排出
量を算定・表示することを目指している。しかし、平成21年度CFP制度試行事業では、サー
ビスに関連すると思われるPCRにおいて、策定・認定が難航した。これは、工業製品や農産物
等に比べ、カーボンフットプリントのベースとなるLCAの研究評価事例が少なく、無形物であ
り、かつ多岐にわたるサービスの特徴にあわせた評価手法について、関係者が十分に納得できる
方法を生み出せなかったことにある。
そこで、平成22年度CFP制度試行事業においては、CFP制度におけるサービスの取り扱
いについて検討することとした。
(2)本書の位置づけ
本書は、サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証において、
「カーボンフットプリン
ト制度の在り方(指針)
」(以下、「在り方(指針)」という。)及び「商品種別算定基準(PCR)
策定基準」(以下、「PCR策定基準」という。)の内容及び解釈等について補足するもの。
・ 「在り方(指針)」及び「PCR策定基準」の記載内容において、
¾
サービス関連分野へそのまま適用できるが、特に重要なものについては、再整理する。
¾
サービス関連分野への適用や解釈が難しいものについては、補足や読み替えを行う。
・ 試行事業を通して、適宜見直しを行う。
・ 試行事業終了時には、「在り方(指針)」及び「PCR策定基準」の改定に盛り込むことを
想定する。
2. サービスの定義
CFP制度試行事業において対象とする「サービス」の定義を以下のように定める。
● サービス: 他人のために、効用や満足を提供する労務又は便益であって、独立して商取引
の対象となる役務のこと。
例えば、広告、通信、金融、輸送業、クリーニングなどが挙げられる。従って、商品を販売す
- 1 -
るときにプレゼント用の包装紙に包むサービス等は、それ自体が独立して商取引の対象とならな
いため、本書で扱う「サービス」ではない。
ここでは、産業分類としての「サービス業」ではなく、利用者が契約・利用するサービスを中
心に扱い、利用者に対して、そのサービス利用に伴うCO2排出量を「見える化」することを想
定する。なお、サービス業が提供する役務以外の製品やシステムについては、従来のルールに従
って、PCR策定やCFP算定・検証を行うこととする。
本書では、対象となるサービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証の運用において、基
本的な考え方を整理する。
3. 基本的な考え方
(1)CFP制度試行事業で対象とする条件
CFP制度試行事業において、サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証を行うにあ
たっては、当該サービス分野に関するCFP/LCAの評価事例があることを条件とする。具体
的には、国内外のCFP関連事業(ISO14025 含む)や、LCA分野における学術的な評価事例の
実績を想定する。
(2)実施上の留意点
サービスに関するPCR策定及びCFP算定・検証を行うにあたっては、通常の製品における
取り組み以上に、これまで行われたLCAなどの研究評価事例を参照するなど、PCR策定のプ
ロセスに十分な議論を行い、丁寧に進めていく必要がある。
4. 算定範囲
(1)算定範囲(ライフサイクル段階、システム境界)の考え方
現在、算定範囲について、「在り方(指針)」では以下のように定められている。
※「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」から抜粋
算定範囲としては、商品の機能を満たす範囲でありかつCO2排出量への寄与の大
きさの観点から無視できないプロセスを含めるよう設定しなければならないものと
し、ライフサイクル全体を通した算定を基本とする。ライフサイクルは下記の各段階
- 2 -
で構成される。
・原材料調達段階
・生産段階
・流通段階
・使用・維持管理段階
・廃棄・リサイクル段階
また、算定範囲の決定に当たっては、システム境界の概念を導入し、段階ごとに算定
対象範囲を定めることが必要である。
波線部・・・・サービスでも重要であり順守すべきポイント
二重線部・・・サービスにおける運用で注意を要するポイント
サービスにおける算定範囲の考え方としては、以下の点に注意して取り扱う必要がある。
<サービスでも重要であり順守すべきポイントの再整理>
・ サービスの機能単位を定め、サービスの提供に係るすべての構成要素(以下、
「ライフサイ
クル全体」という)の算定を考慮する。
・ ライフサイクル全体に対する寄与の大きいプロセスは算定範囲に含める。
・ システム境界の概念を導入し、算定範囲を明確にする。
<サービスにおける運用で注意を要するポイントの課題と対応案>
・ サービスでは、事業者による生産(サービス提供)と消費者による使用・維持管理(サ
ービス利用)が同時に行われると考えることができるなど、「在り方(指針)」に示され
た5つのライフサイクル段階をそのまま当てはめることが難しい場合がある。
・ サービスのライフサイクルフロー図を作成するにあたっては、工業製品の5段階にとら
われず、適切にプロセスを抽出し、サービスの種別を考慮し、個別PCRで定めること
が望ましい。
<解説>
サービスにおけるカーボンフットプリントの算定範囲として、サービス提供に係る全ての構成
要素を洗い出し、それぞれのライフサイクル全体を評価することが基本である。その際には、シ
ステム境界として、サービスの特性や寄与の大きいプロセスを含む算定範囲を設定することが重
要となる。
サービスにおけるライフサイクルフローの考え方の例を以下に示す。
- 3 -
原材料調達
サービス事業者にとってのフロー
生産
サービスに利用されるモノ(*)のフロー
流通
(*)サービスに利用される「モノ」と
して、本図では工業製品を想定
したフローを描いているが、シ
ステムやエネルギーなど、利用
されるモノに応じたフロー図作
成が必要となる。
利用申し込み(契約)
使用・維持管理
サービスの開発・準備
サービスの提供/利用
利用終了(解約)
サービスの後処理
廃棄・リサイクル
図1
サービスにおけるライフサイクルフローの考え方の例
(2)算定単位
現在、算定単位について、
「在り方(指針)」
「PCR策定基準」では明確な定めがないが、表
示方法について以下のように「販売単位あたりのライフサイクル全体のCO2排出量」の開示
が必須とされており、これまで認定されたPCRにおいても販売単位を算定単位としている。
※「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」から抜粋
(ア)カーボンフットプリントラベルによる表示を行う際の基本的条件
カーボンフットプリントラベルによる表示を行う事業者は、以下のルールを遵守しなくて
- 4 -
はならない。
・ 表示にはカーボンフットプリント制度の運用において定められる共通のラベルを用いる。
・ 商品・サービス販売単位当たりのライフサイクル全体のCO2排出量の絶対値をカーボン
フットプリント制度の運営者が運営するウェブサイトで開示する。
(中略)
(ウ)商品・サービスへのラベル表示位置、サイズ等
原則として、ラベルは商品本体又は包装資材に貼付する。
波線部・・・・サービスでも重要であり順守すべきポイント
二重線部・・・サービスにおける運用で注意を要するポイント
サービスにおける算定単位の考え方としては、以下の点に注意して取り扱う必要がある。
<サービスにおける運用で注意を要するポイントの課題と対応案>
・ サービスにおいても、算定単位は「販売単位」を原則とする。
・ ただし、販売単位が契約ごとに異なるサービスでは、個別に算定・検証を行うことが困難
な場合も想定されることから、「単位量あたり」
「機能あたり」を算定単位としてよい。そ
の際には、ウェブサイトへの開示するCO2排出量も「単位量あたり」
「機能あたり」とし
てよい。
・ 商品本体へのラベルの表示が困難なサービスについては、消費者がサービスを選択・利用
する際に見やすいように、パンフレット等を利用して、カーボンフットプリントラベルの
表示を行うことを原則とする。
<解説>
「在り方(指針)」のとおり、サービスにおいて、算定単位は「販売単位」を原則とする。
サービスの販売単位は、利用者の視点から
・利用申し込み(契約手続)
・サービス利用中(契約中)
・利用終了(解約)
という範囲である。
その際には、
・サービス提供のための開発・準備段階
・サービス提供
・サービス提供後の後処理(維持管理や廃棄・リサイクル等を含む)
という事業者がサービスを販売するために必要となるこれらの段階から生じる環境負荷を考
慮し、サービスの販売単位に配分する。
つまり、サービス提供のために必要となる「モノ」のライフサイクルも評価対象となりうるこ
とに注意する。配分についての考え方は、後に詳しく記す。
- 5 -
ただし、販売単位による算定・検証を行うことが困難な場合には、
「単位量あたり」「機能あた
り」の算定・表示を認める。
また、サービスでは、商品本体または包装資材へのラベル貼付が困難なケースが多いことから、
パンフレットや料金表などにカーボンフットプリントラベルを表示することを認める。
(3)サービスで利用する機器・設備等の取り扱い
現在、算定範囲について、「PCR策定基準」では以下のように定められている。
※「商品種別算定基準(PCR)策定基準」から抜粋
各ライフサイクル段階で利用される機器、設備等(例:原料採掘時の重機、工場の生産設
備、運送時のトラック
等)の使用時以外のデータについては、データの収集が困難なこと
や、一般的に全体に対するCO2排出量への寄与が低いことが多いことから、原則考慮しな
くてもよい。
ただし、CO2排出量への寄与が高いことが明らかな場合は、考慮しなければならない。
波線部・・・・サービスでも重要であり順守すべきポイント
二重線部・・・サービスにおける運用で注意を要するポイント
サービスに利用する設備・機器等の考え方としては、以下の点に注意して取り扱う必要がある。
<サービスでも重要であり順守すべきポイントの再整理>
・ サービス提供のために利用する機器、設備等の使用時以外のデータについて、CO2排出
量への寄与が高いことが明らかな場合には、考慮しなければならない。
・ ただし、使用時以外のデータはデータの収集が困難なことが想定される。そのため、二次
データの利用を含め、ライフサイクル全体を考慮することが必要となる。
<サービスにおける運用で注意を要するポイントの課題と対応案>
・ サービス提供のために利用される機器、設備等のCO2排出量への寄与度については、過去
の評価事例が少ないことから、「一般的に低い」とは言い切れない。従って、「原則考慮しな
い」のではなく、簡易LCA評価等による事前評価を必須とし、システム境界に加えるかど
うかを判断すべきである。
・ 特に、サービス提供のために利用される機器、設備等のうち、サービス提供に不可欠な
モノやシステムについては、そのライフサイクル全体(原材料調達から廃棄・リサイク
ルまで)を、原則として算定範囲に含める。
- 6 -
<解説>
「在り方(指針)」では、商品の生産に必要となる工場等の設備機器や流通に必要となる輸送
機器などの、いわゆる「資本財」ついては、寄与度が低いことが多いことから、使用時以外のデ
ータを原則考慮しなくてもよい、としている。だたし、これはこれまで行われてきた工業製品や
農産物における多数のLCA評価事例から得られた知見に基づいており、LCA評価事例の少な
いサービスへの適用は、慎重に行う必要がある。
特に、サービスの構成要素のうち、サービス提供に不可欠なモノやシステムについては、その
ライフサイクル全体(原材料調達から廃棄・リサイクルまで)を、原則として算定範囲に含める
方向で検討すべきと思われる。1
ただし、寄与度が明らかに小さい場合には、算定範囲から外すことも可とする。そのためには、
寄与度の大小について必ず評価してから判断する必要がある。
なお、寄与度の大小とその取り扱いについては、事業者からの提案を受け、PCR認定及びC
FP検証のプロセスを通して専門家による判断を行う。
5. 算定方法
(1)一次データと二次データ
現在、一次データと二次データについて、「在り方(指針)
」では以下のように定められてい
る。
※「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」から抜粋
算定する事業者が自らの責任で収集するもの(シナリオ設定に基づいて収集されるデータ
を含む)を一次データと呼ぶ。これに対して、自ら収集することが困難で共通データや文献
データ、LCAの実施例から引用するデータのみによって収集されるものを二次データとい
う。CO2排出量の算定に当たり、ライフサイクル全体に対する寄与度が高いプロセスにつ
いては、事業者が商品・サービスのCO2排出量を自ら算定(一次データ)することを基本
とし、その他は二次データの利用も認める。なお、一次データの収集範囲については、個別
にPCRで定めることとする。
波線部・・・・サービスでも重要であり順守すべきポイント
二重線部・・・サービスにおける運用で注意を要するポイント
1
例えば、鉄道サービスにおける車両や、理容サービスにおけるハサミやドライヤーといった機材な
どが考えられる。
- 7 -
サービスにおける算定単位の考え方としては、以下の点に注意して取り扱う必要がある。
<サービスでも重要であり順守すべきポイントの再整理>
・ サービスにおいても寄与度が高いプロセスについては一次データ収集を基本とする。
・ ただし、利用者によるエネルギー消費量や、購入した機器、設備等に伴うCO2排出量な
ど、サービス提供者が一次データの入手が困難なケースには、PCR等によりシナリオを
設定したり、二次データを活用することができる。
<解説>
サービスにおいても「在り方(指針)」に示されているように「ライフサイクル全体に対する寄
与度が高いプロセスについては、事業者が商品・サービスのCO2排出量を自ら算定(一次デー
タ)することを基本とし、その他は二次データの利用も認める」という考え方に変わりはない。
たとえば、サービス提供のために事業者が直接利用したエネルギーや「モノ」の消費量を一次
データで収集することが必要と思われる。
なお、サービス利用にあたって利用者が消費するエネルギーやモノの消費量を算定範囲に含め
る場合には、一次データ収集が難しいケースが多いが、商品における使用・維持管理段階と同様、
一定のシナリオを置いて算定する方法が考えられる。
また、サービス提供に必要となるモノやシステムについては、事業者がメーカー等から購入し
ているケースが多いことから、その生産・開発等に必要となるCO2排出量について一次データ
を収集することが困難となることが予想される。こうしたサービス特有の事情を考慮すべき場合
には、寄与度が高いプロセスであっても二次データの利用をすることを認める。
ただし、一次データの収集が困難だから、という理由で算定範囲から外すことがないように注
意しなければならない。
(2)配分(アロケーション)の考え方
現在、一次データと二次データについて、「在り方(指針)
」では以下のように定められてい
る。
※「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」から抜粋
生産段階や流通段階など、複数種別の商品が混流するプロセスにおいては、全体の排出量
から、個別商品の排出量を推計(いわゆる、
「配分(アロケーション)
」)する必要がある。こ
の際、それぞれの商品の重量比を用いる場合、経済価値比を用いる場合、面積比を用いる場
合など複数の方法が考えられる。
(中略)
- 8 -
そこで、配分方法についても商品特性やプロセス特性に応じて、PCRを作成する際に定
めていく。
波線部・・・・サービスでも重要であり順守すべきポイント
二重線部・・・サービスにおける運用で注意を要するポイント
サービスにおける算定単位の考え方としては、以下の点に注意して取り扱う必要がある。
<サービスでも重要であり順守すべきポイントの再整理>
・ サービスにおいても商品特性やプロセス特性に応じて配分方法を定める。
<サービスにおける運用で注意を要するポイントの課題と対応案>
・ サービスにおいては、サービス提供/利用において発生するCO2排出量を利用者間で配
分する際に、利用量が一律でなく、配分しづらいケースが多い。
・ 利用者間の配分については、配分に用いるデータの設定が困難な場合や、設定したデータ
の計測が困難なケースが少なくないことを考慮しつつ、利用者間のCO2排出量の配分が
公平公正となるように、慎重な検討をしなければならない。
<解説>
サービスの場合には、特にアロケーションの方法が難しいケースが多い。サービス提供に伴う
CO2排出量を事業者(提供するシステム)全体で把握し、これを利用者間で配分することが必
要になるが、サービス提供サイドによるカスタマイズや、利用者ごとに利用形態が異なるなど、
配分するサービスが多種多様となるためである。
利用者数による単純配分を行わざるを得ないようなケースも想定されるが、利用者間のCO2
排出量の配分が公平公正となるように、慎重な検討を行うべきである。
なお、PCR策定に際しては、利用者間の配分について、事業者側の意見だけではなく、利用
者の立場からの意見も十分に取り入れるよう注意が必要となる。
6. 表示方法
(1)表示に関する基本的な考え方
表示方法については、
「2.(2)算定単位」で示したとおり、販売単位での開示を原則とし、
必要に応じて暫定的に認められた「単位量あたり」
「機能あたり」表示を用いることが考えられる。
また、商品と異なり、パンフレット等による表示が主となることが予想されることから、利用
シナリオ等の算定条件についても追加情報に加え、わかりやすく消費者に「見える化」すること
が望ましいと思われる。
- 9 -
(2)サービス利用者に対する表示のタイミング
CFPの算定結果をサービス利用者に開示するタイミングは、利用者がサービスを選択・契約
(購入)する前を原則とする。
サービスの種類によっては、サービス利用後に実績データを用いて算定を行わなければ、適切
な算定と判断することが出来ないケースも想定されるが、利用者にとっての「見える化」として、
できる限り、サービス利用前にCFPの表示ができるように算定方法の工夫を行うことが望まし
い。
(3)比較表示の考え方
削減率などの比較表示については、運用ルール「CFPの削減率の算定方法について(仮)」
(今
年度中に発行予定)に従う。
7. 利用者ごとに販売単位が異なるサービスにおける検証及び表示
サービスのうち、利用者ごとに販売単位(サービス利用量など)が異なる場合には、サービス
利用の「単位量あたりCO2排出量」
「機能あたりCO2排出量」で検証を受け、これを顧客に表
示及びウェブサイトへ開示することができる。
以
- 10 -
上
附属書G
カーボンフットプリントマークに関する
アンケート調査結果
カーボンフットプリントマークに関する
アンケート調査結果
1
~消費者向けの調査結果~
2
回答者属性(1) ~消費者向け~
<エコプロダクツ展>
■サンプル数=1,114
■性別
■職業
その他
3.1%
学生・無職
16.6%
女性
41.6%
男性
58.4%
■年代
60代以上
13.9%
主夫・主婦
12.0%
会社員・公
務員等
63.1%
自営業
5.2%
■認知度
10代
4.1%
知らない
19.1%
20代
24.9%
50代
16.2%
エコプロダクツ展の結果は、
CFPの認知度が高い人に
対する結果である
30代
17.8%
40代
23.1%
知っている
80.9%
3
回答者属性(2) ~消費者向け~
<Webアンケート>
■サンプル数=1,980
その他
8.0%
■性別
■職業
学生・無職
21.9%
女性
50.0%
会社員・公
務員等
42.3%
男性
50.0%
主夫・主婦
19.8%
■年代
■認知度
60代以上
16.7%
10代
16.7%
Webアンケートの結果は、
CFPの認知度が低い人
に対する結果である
50代
16.7%
20代
16.7%
40代
16.7%
自営業
7.9%
30代
16.7%
知っている
39.4%
知らない
60.6%
4
カーボンフットプリントマークに関する調査結果 ~消費者向け~
【調査内容】 以下の①~③観点からカーボンフットプリントマークに関する調査を実施した。
①カーボンフットプリントの趣旨に沿ったイメージがどうか、
②印象に残るデザインかどうか、
③数字が見やすいかどうか
10.3%
90%
80%
9.7%
5.9%
22.9%
33.0%
100%
16.0%
90%
36.9%
70%
<デザインB>
<デザインC>
<Webアンケート>
<エコプロダクツ展>
100%
<デザインA>
17.0%
80%
24.1%
70%
60%
60%
50%
50%
40%
9.0%
32.6%
52.1%
40%
67.4%
30%
52.9%
61.0%
20%
20%
10%
10%
0%
66.9%
30%
50.4%
31.9%
0%
イメージが合う
デザイン
デザインA
印象に残る
デザイン
デザインB
数字の見やすい
デザイン
イメージが合う
デザイン
デザインC
デザインA
印象に残る
デザイン
デザインB
数字の見やすい
デザイン
デザインC
•エコプロダクツ展における調査では、「イメージ」、「印象」及び「数字の見やすさ」として最も支持率が高かったのは、
デザインAであった。
•Webアンケートにおける調査では、「イメージ」はデザインAが、「印象」及び「数字の見やすさ」はデザインBが
最も支持率が最も高かった。
5
キャッチコピーに関する調査結果 ~消費者向け~
【調査内容】 以下のキャッチコピーAからキャッチコピーCからカーボンフットプリントとして相応しいキャッチコピーに関する調査を実施した。
・キャッチコピーA:
マークの意味を分かりやすく伝えるキャッチコピー(例:この商品のカーボンフットプリントは123gです。)
・キャッチコピーB:
目指すべき将来を伝えるキャッチコピー(例:低炭素スタイルへカーボンフットプリント)
・キャッチコピーC:
実施主体が分かる(例:経済産業省は応援しています。)
<エコプロダクツ展>
<Webアンケート>
キャッチコピーC
(実施主体が分か
る)
7.0%
キャッチコピーC
(実施主体が分か
る)
9.3%
キャッチコピーB
(目指すべき将来
を伝える)
40.4%
キャッチコピーA
(マークの意味を
分かりやすく伝え
る)
50.3%
キャッチコピーB
(目指すべき将来
を伝える)
43.7%
•マークの意味を分かりやすく伝えるキャッチコピーAの支持率が最も高く、約50%を占めた。
•目指すべき将来を伝えるキャッチコピーBの支持率は2番目に高く、約40%であった。
•実施主体が分かるキャッチコピーCの支持率は低く、10%未満であった。
キャッチコピーA
(マークの意味を
分かりやすく伝え
る)
49.2%
6
カーボンフットプリントマークの周辺の情報に関する調査結果(1) ~消費者向け~
【調査内容】 カーボンフットプリントマーク以外に伝えるべき情報に関する調査を実施した。
【追加情報表示】
①キャッチコピー、
②使用年数情報部
③アクセス情報部
④追加情報表示部
④
①
<エコプロダクツ展>
①キャッチコピー
69.4%
9.3%
0%
20%
11.7%
③アクセス情報部
6.4%
④追加情報表示部
③
76.7%
②使用年数情報部
14.9%
③アクセス情報部
②
<Webアンケート>
①キャッチコピー
②使用年数情報部
想定使用年数:5年
この商品の
カーボンフットプリント試行事業
カーボンフットプリントは http://www.cfp-japan.jp
123gです。
検証番号:CV-XXYY-ZZZ
3.1%
④追加情報表示部
40%
60%
80%
100%
8.5%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
•カーボンフットプリントマークの周辺の情報として圧倒的に必要性が高いのはキャッチコピーであった。
•大きく開いて使用年数情報部が続き、10%強の必要性を獲得した。
•アクセス情報部、追加情報表示部に対する必要性は低く、10%未満であった。
7
カーボンフットプリントマークの周辺の情報に関する調査結果(2) ~消費者向け~
【調査内容】 カーボンフットプリント制度を理解する上で、④の追加情報表示部に記載すべき情報に関する調査を実施した。
<エコプロダクツ展>
【回答例】
• 使うときに節電、節水をすればCO2排出量が少な
くなるなどの情報。
• 消費者が何をしたら何g少なくなるという、モデル例。
• 廃棄方法、リサイクル・リユース方法の情報。
• ライフサイクル段階(つくる、はこぶ、つかい、すて
る)毎の排出量を表した円グラフ。
• カーボンフットプリント制度についての分かりやす
い説明。
• 数値が何を表しているのかがわかる情報。
• 消費者がイメージしやすい単位への換算。CO2削
減率(量)。
• 数値の値(g)が、何のどのくらいになるかなどの情
報(例:1年間で1本の樹木が…など)。
• カーボンフットプリントの数字の算出根拠。
• 昔の商品に比べてCO2が何%低いとか、競合の
商品と比べて何%低いとかの削減率に関わる情報。
• その他
・化学物質などのCO2以外の環境負荷情報。
・へっていく森林や北極の氷に関する情報
<Webアンケート>
【回答例】
• 消費者本人が身近にできるCO2対策の事例やごみ
の分別と再利用の方法。
• 使うときに節電、節水をすればCO2排出量が少な
くなるなどの情報。
• ライフサイクル段階毎の排出量。
• カーボンフットプリントマークの意味とその必要性。
• 節電や節水によるCO2削減量が木の何本分に相当
するのかなどの情報。
• その他
・業界標準値からのプラス・マイナス度合い
・CO2が増加することによる環境悪化の具体例
・排出量とそれを吸収する森林の規模を示す情報。
・日本国のCO2排出量の目標値。
・その製品がどのような素材を使って作られている
か。
・食品添加物が何g含まれているか
・CFPの許諾に伴うコスト
・一人当たりの年間のCO2排出量
•追加情報表示部の情報として、ライフサイクル段階別の情報に対する必要性が最も高かった。
•次に、CO2を削減する使用・廃棄方法、CFP(制度)の意味等が続いた。
•また、その他の情報として、一般的な環境に関する知識等を求める声も多かった。
8
~事業者向けの調査結果~
9
回答者属性 ~事業者向け~
<主要企業及び環境経営の評価の高い企業>
<PCR・CFP関連事業者>
■サンプル数=54(配布数:116)
■サンプル数=44(配布数:134)
■認知度
■認知度
■導入状況
検討してい
ない
26.9%
CFPを知っ
ている
100.0%
導入中
5.8%
■導入状況
本結果は、CFPを導入
していない事業者に対
する結果である
検討中
34.6%
CFPを知っ
ている
100.0%
検討してい
検討したが ない
未実施
4.5%
9.1%
検討中
36.4%
本結果は、CFPを導入
している事業者に対す
る結果である
導入中
50.0%
検討したが
未実施
32.7%
10
カーボンフットプリントマークに関する調査結果 ~事業者向け~
【調査内容】 製品にカーボンフットプリントマークを貼る場合に好ましい
デザインに関する調査を実施した。
<デザインA>
<主要企業及び環境経営の評価の高い企業>
<デザインB>
<デザインC>
<PCR・CFP関連事業者>
デザインC
5.0%
デザインC
10.3%
デザインA
46.2%
デザインB
45.0%
デザインA
50.0%
デザインB
43.6%
•デザインAの支持率がやや高いものと、デザインBも同等の支持率を獲得した。
•デザインCの支持率は、極めて低いものであった。
11
キャッチコピーに関する調査結果 ~事業者向け~
【調査内容】 以下のキャッチコピーAからキャッチコピーCからカーボンフットプリントとして相応しいキャッチコピーに関する調査を実施した。
・キャッチコピーA:
マークの意味を分かりやすく伝えるキャッチコピー(例:この商品のカーボンフットプリントは123gです。)
・キャッチコピーB:
目指すべき将来を伝えるキャッチコピー(例:低炭素スタイルへカーボンフットプリント)
・キャッチコピーC:
実施主体が分かる(例:経済産業省は応援しています。)
<主要企業及び環境経営の評価の高い企業>
キャッチコピーC
(実施主体が分か
る)
5.0%
キャッチコピーC
(実施主体が分か
る)
2.4%
キャッチコピーB
(目指すべき将来
を伝える)
41.5%
<PCR・CFP関連事業者>
キャッチコピーA
(マークの意味を
分かりやすく伝え
る)
56.1%
キャッチコピーA
(マークの意味を
分かりやすく伝え
る)
35.0%
キャッチコピーB
(目指すべき将来
を伝える)
60.0%
•CFPを導入していない主要企業及び環境影響の評価の高い企業にとっては、キャッチコピーAが好評であった。
•半数がCFPを導入しているPCR・CFP関連事業者にとっては、キャッチコピーBが好評であった。
•実施主体が分かるキャッチコピーCの支持率は低く、10%未満であった。
12
カーボンフットプリントマークの周辺の情報に関する調査結果 ~事業者向け~
【調査内容】 カーボンフットプリントマーク以外に伝えるべき情報に関する調査を実施した。
【追加情報表示】
①キャッチコピー、
②使用年数情報部
③アクセス情報部
④追加情報表示部
④
①
<主要企業及び環境経営の評価の高い企業>
③アクセス情報部
③アクセス情報部
20.8%
0%
20%
25.6%
②使用年数情報部
22.9%
④追加情報表示部
2.3%
④追加情報表示部
40%
60%
80%
③
30.2%
①キャッチコピー
14.6%
②使用年数情報部
②
<PCR・CFP関連事業者>
41.7%
①キャッチコピー
想定使用年数:5年
この商品の
カーボンフットプリント試行事業
カーボンフットプリントは http://www.cfp-japan.jp
123gです。
検証番号:CV-XXYY-ZZZ
100%
41.9%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
•CFPを導入していない主要企業及び環境影響の評価の高い企業にとっては、キャッチコピーの必要性が高かった。
•半数がCFPを導入しているPCR・CFP関連事業者にとっては、追加情報表示部の必要性が高かった。
13
•消費者向けの調査と比較すると、必要と思われる情報にバラツキが見られる。
環境ラベルの導入における制約に関する調査結果 ~事業者向け~
【調査内容】 環境ラベルの導入における制約に関する調査を実施した。
<主要企業及び環境経営の評価の高い企業>
【回答例】
•製品群によって制約は異なる。
•お客様毎に個別対応が必要になる。
•製品が大きいので、サイズに制約があると使
いにくい。
•法廷表示義務のあるものだけで表示スペース
がいっぱいになってしまう。
•小さな商品のため、貼付が難しい。
•リサイクルの品質向上の為には、ラベルはなる
べく少ない方が良い。
•コストアップになる(企業はラベル1枚のコスト
削減に取組んでいる)。
•薬事法により、表記が認められない可能性が
ある。
•文字サイズは5.5ポイント以上
•文字サイズは6ポイント以上。
<PCR・CFP関連事業者>
【回答例】
•パッケージ全体の中でデザイン的に問題が無
いことが要求される。
•環境ラベルは、極力、省スペースなデザインに
なるようお願いしたい。
•環境ラベルは色指定なしの単色印刷を許容し
ていただきたい。
•種々の義務表示対応のため、表示可能面積が
少ない。
•販売単位における算定と表示が、制約となる。
(申請が多岐にわたる)
•薬事法など他の法規制に基づく表記との並列
の問題。
•文字サイズは5.5ポイント以上。
•文字サイズは8ポイント以上。
•マークは10mm角以上、文字サイズは7ポイン
ト以上(同様の回答が複数有)
•CFPを導入していない主要企業及び環境影響の評価の高い企業にとっては、環境ラベルの導入における制約は
浮き彫りになっていないように思える。
•一方、半数がCFPを導入しているPCR・CFP関連事業者にとっては、文字サイズの制約やスペースの制約などが
前者と比較して多くなっていた。
14
附属書H
カーボンフットプリントのマーク表示に関する
アンケート調査
カーボンフットプリントのマーク表示に関するアンケート調査
1. 目的
カーボンフットプリント試行事業において使用するマークの表示方法について検討
するにあたり、どのようなマークの場合に消費者が付加価値を感じるか、Web アンケ
ートによって調査を行った。
2. 調査の内容
別添の調査票のとおり、Web アンケートを行った。
z
3種類の商品(500ml ペットボトル飲料のお茶、スーツ、ドラム式洗濯乾燥機)
を1年以内に購入したことがある、もしくは購入を検討している人に対して、マ
ーク付を含む各商品の価格を自由記述してもらうことにより、マークの有無やマ
ークの提示方法による値段の差異を検討した。
¾
調査対象者を A「マークなし商品」、B「マークあり商品、マークの説明なし」、
C「マークあり商品、マークの説明あり」の3グループに分けて比較を行った。
¾
B グループ、C グループには①コミットメントマーク、②削減率マーク、③オ
フセットマーク、④絶対値表示(カーボンフットプリントマーク)のそれぞ
れのマークがついた商品に関してアンケートを行った。
¾
各商品のグループ B には②削減率マークの認証部分を変更した3パターンを
追加した。
¾
グループは、1 商品に対して 12 グループ、3 商品の合計で 36 グループある。
グループA
マークなし
説明なし
マークなし
認証なし(METIクレジットあり)
①コミットメント
認証なし(METIクレジットあり)
認証なし(METIクレジットあり)
グループB
マークあり
説明なし
グループC
マークあり
説明あり
②削減率
認証なし(METIクレジットなし)
認証あり(自己宣言)
認証あり(第3者認証)
③オフセット
認証なし(METIクレジットあり)
④絶対値
認証なし(METIクレジットあり)
①コミットメント
認証なし(METIクレジットあり)
②削減率
認証なし(METIクレジットあり)
③オフセット
認証なし(METIクレジットあり)
④絶対値
認証なし(METIクレジットあり)
1 商品あたりの調査パターン
1
CO2
CO2
削減
当社では当該製品のCO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
CO2
削減50%
(当社前年比)
当社では当該製品のCO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
経済産業省は企業のCO2削減を応援しています
カーボンフットプリント試行事業
経済産業省は企業のCO2削減を応援しています
カーボンフットプリント試行事業
①コミットメントマーク
164g
50%オフセット
②削減率マーク
当該製品のCO2排出量の50%は
宮崎の森林管理で吸収されています。
経済産業省は企業のCO2削減を応援しています
カーボンフットプリント試行事業
③オフセットマーク
④絶対値マーク
(カーボンフットプリントマーク)
本アンケートで用いた 4 種類のマーク
CO2
CO2
CO2
CO2
削減50%
削減50%
削減50%
削減50%
(当社前年比)
(当社前年比)
(当社前年比)
(当社前年比)
当社では当該製品のCO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
経済産業省は企業のCO2削減を応援しています
カーボンフットプリント試行事業
当社では当該製品の
CO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
当社では当該製品のCO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
当社では当該製品の
CO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
認証なし
認証なし
認証あり
認証あり
METI クレジットあり
METI クレジットなし
自己宣言
第三者検証
(②削減率マーク)
z
認証に関するアンケートで用いたマーク
調査対象者は、20~64 歳の男女。年齢、性別によって、20~34 歳の男女、35~
49 歳の男女、50~64 歳の男女の6パターンの割付を設定する。各割付は 34 サン
プルずつ、合計で 204 サンプル回収した。
各割付のサンプル数
男性
20~34歳
35~49歳
50~64歳
合計
女性
34
34
34
204
34
34
34
2
z
グループA
マークなし
説明なし
本アンケートで回収するサンプル数は、下記の通り、7344 サンプルである。
マークなし
認証なし(METIクレジットあり)
①コミットメント
認証なし(METIクレジットあり)
②削減率
認証なし(METIクレジットなし)
認証あり(自己宣言)
認証なし(METIクレジットあり)
グループB
マークあり
説明なし
男性
認証あり(第3者認証)
グループC
マークあり
説明あり
③オフセット
認証なし(METIクレジットあり)
④絶対値
認証なし(METIクレジットあり)
①コミットメント
認証なし(METIクレジットあり)
②削減率
認証なし(METIクレジットあり)
③オフセット
認証なし(METIクレジットあり)
④絶対値
認証なし(METIクレジットあり)
12パターン
z
20~34歳
35~49歳
50~64歳
合計
×
女性
34
34
34
204
34
34
34
×
204サンプル
3商品
設問について
¾
各種マークがついた各商品に対して、「高すぎて買わない値段」「高いと感じ
始める値段」
「安いと感じ始める値段」「安すぎると思う値段」「ちょうどよい
と思う値段」を自由記述形式で調査した。
¾
上記の値段に関するアンケートとは別に環境に関するマーク 11 点の認知度の
調査も行った。11 点のマークを下記に示す。
CFP マーク
カーボン・オフセット
エコマーク
統一省エネマーク
認証ラベル
自動車の燃費性能の
省エネラベリング制度
再生紙使用マーク
グリーンマーク
評価及び公表マーク
バイオマスマーク
グリーン・
間伐材マーク
エネルギー・マーク
3
3. 調査結果について
3-1. 環境関連マークの認知度
カーボンフットプリントマークをはじめとする、環境関連マークの認知度の調査を行っ
た。カーボンフットプリントマークの認知度は、「よく知っている」が 2.1%で、
「見たこと
があり、意味をなんとなく知っている」が 7.6%だった。これは間伐剤マークと同じくらい
の知名度であり、エコマークや再生紙使用マークなどの多くの商品に貼り付けられて流通
しているマークに比べると低い認知度だった。
1
Q19
+
あなたは、これらのマークをご存知ですか。
全体
Q20
2
見たこと
があり、
よく知って 意味をな
いる
んとなく
知ってい
る
3
4
見たことはあ
るが、 どの
ようなものか 知らない
よくわからな
い
単一回答
1 カーボンフットプリント・マーク
2 カーボン・オフセット認証ラベル
3 エコマーク
4 統一省エネマーク
5 自動車の燃費性能の評価及び公表マーク
6 省エネラベリング制度
7 再生紙使用マーク
8 グリーンマーク
9 バイオマスマーク
10 グリーン・エネルギー・マーク
11 間伐材マーク
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
(人)
(%)
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
7344
100.0
154
2.1
184
2.5
2805
38.2
1247
17.0
1403
19.1
272
3.7
1875
25.5
1709
23.3
160
2.2
99
1.3
171
2.3
560
7.6
776
10.6
3037
41.4
2382
32.4
2350
32.0
742
10.1
2636
35.9
2486
33.9
591
8.0
341
4.6
545
7.4
913
12.4
1229
16.7
1109
15.1
1312
17.9
1563
21.3
1431
19.5
1638
22.3
2150
29.3
1299
17.7
858
11.7
1083
14.7
5717
77.8
5155
70.2
393
5.4
2403
32.7
2028
27.6
4899
66.7
1195
16.3
999
13.6
5294
72.1
6046
82.3
5545
75.5
4
3-2. マークの種類とマーク説明有無の比較
マークなしと 4 種類のマークを貼り付けた商品に対して、回答者はどのマーク貼付商品
を付加価値が高いと感じるか、調査を行った。また、マークの説明の有無で付加価値に差
があるかを調査するために、マーク貼付商品に説明を加えた場合と加えなかった場合も比
較した。
„
お茶の場合
マークなしの「ちょうど良いと思う値段」を 1 としたときの比較を図に示す。マークの
種類に関らず、マークがある方が「ちょうど良いと思う値段」が高く、回答者の評価が高
いという結果になった。また、コミットメントマークを除いて、マークの説明ありの方が
説明なしよりも高く評価されている。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
説明なし
説明あり
0.90
0.80
マーク種類
単一回答
説明の有無
マークなしを
(-)
1とした場合
204サンプル
(円)
の平均
(C 絶対
FP
値
マ
ー
ク
)
ト
ッ
率
フ
セ
減
オ
削
ミッ
トメ
コ
マ
ー
ク
な
ン
ト
し
0.70
なし
無
コミットメント
無
有
削減率
無
オフセット
有
無
絶対値
有
無
有
1.00
1.04
1.02
1.04
1.07
1.04
1.09
1.03
1.05
109.3
113.8
111.8
114.2
117.4
113.5
118.6
112.5
114.5
5
„
スーツの場合
マークなしの「ちょうど良いと思う値段」を 1 としたときの比較を図に示す。コミット
メントマークを除いて、マークがある方が高く評価されている。また、マークの種類に関
わらず、マークの説明ありの方が説明なしよりも高く評価されている。
1.40
1.30
1.20
1.10
説明なし
説明あり
1.00
0.90
0.80
マーク種類
単一回答
説明の有無
マークなしを
(-)
1とした場合
204サンプル
(円)
の平均
オ
削
フ
セ
(C 絶
FP 対
マ 値
ー
ク
)
ッ
ト
率
減
ン
ト
ミッ
トメ
コ
マ
ー
ク
な
し
0.70
なし
無
コミットメント
無
有
削減率
無
オフセット
有
無
絶対値
有
無
有
1.00
0.98
1.01
1.00
1.03
1.01
1.07
1.03
1.06
20556.0
20103.0
20821.0
20619.0
21205.0
21220.0
21921.0
20771.0
21889.0
6
„
洗濯機の場合
マークなしの「ちょうど良いと思う値段」を 1 としたときの比較を図に示す。コミット
メントマークと絶対値マークでは、説明ありの方が説明なしよりも評価が低くなった。絶
対値マークにおいて説明ありの評価が低い原因として、洗濯機の CO2 量を 1665kg と示し
たことが考えられる。マークの説明を読んだ回答者は、1665kg という CO2 量の多さから、
アンケートで示した洗濯機が環境に悪いのではないかと考えた可能性がある。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
説明なし
説明あり
0.90
0.80
マーク種類
単一回答
説明の有無
マークなしを
(-)
1とした場合
204サンプル
(円)
の平均
対
値
ッ
ト
率
なし
無
1.00
コミットメント
無
1.01
99517.0 100458.0
有
0.98
削減率
無
1.01
)
ク
絶
オ
削
フ
セ
減
ン
ト
ミッ
トメ
ー
マ
P
F
(C
コ
マ
ー
ク
な
し
0.70
オフセット
有
1.03
97661.0 100945.0 102545.0
無
1.00
絶対値
有
1.04
無
有
1.05
1.00
99565.0 103508.0 104540.0
99828.0
7
9
マークの有無が付加価値に及ぼす影響
全体的に回答者はマークがない製品よりもマークがある製品を高く評価する傾向にあ
った。
9
マーク説明の有無が付加価値に及ぼす影響
全体的に回答者はマークの説明なしよりも説明ありを高く評価する傾向にあった。ただ
し、洗濯機の絶対値マークにおいては、説明ありは説明なしよりも低い評価であった。こ
れは、本アンケートでは洗濯機の CO2 量を 1665kg と示したことから、マークの説明を
読んだ回答者は、アンケートで示した洗濯機は CO2 量が多く、環境に悪いのではないか
と考えた可能性がある。
9
マークの種類が付加価値に及ぼす影響
また、マークの種類は、オフセットマーク、削減率マーク、コミットメントマークの順
で回答者は高く評価した。絶対値マークは、商品によって数値が異なるため、回答者の評
価も商品によって異なった。回答者がオフセットマークを高く評価した理由としては、マ
ークの中に「当該製品の CO2 排出量の 50%は宮崎の森林管理で吸収されています」など
の解説が書かれているので、回答者がより高い付加価値を感じた可能性が高い。また、コ
ミットメントマークではお茶と洗濯機においては、説明ありよりも説明なしの方が評価が
高く、スーツにおいては説明ありとマークなしがほぼ同等の評価であった。具体的にどれ
くらい CO2 を削減したか情報開示しないと消費者の評価は低くなることが予想される。
9
3種の商品のアンケート結果の比較
お茶、スーツ、洗濯機の商品による比較では、特に関係性は見られなかった。
8
3-3. カーボンフットプリントの知識の有無による比較
アンケート以前からカーボンフットプリントを知っていた人と知らなかった人で、付加
価値の評価に影響があるか分析を行った。
„
お茶
マークなし商品を 1 としたときの絶対値マーク貼付商品の「ちょうど良いと思う値段」
をアンケート以前からカーボンフットプリントを知っていた人と知らなかった人に分けて
示す。なお、いずれのグループにもマークの説明はしていない。
以前からカーボンフットプリントを知っていたという回答者の方が、知らなかった回答
者よりもマーク貼り付け商品を高く評価している。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
CFPマークなし
CFPマークあり
「知らない人」
CFPマークあり
「知っている人」と
「なんとなく知っている人」
CFP マークの認知度による分析
CFPマークなし
CFPマークあり
「知らない人」
CFPマークあり
「知っている人」と
「なんとなく知っている人」
マークなしを
1とした場合
(-)
1.00
1.03
1.23
平均値
(円)
109.3
112.4
134.8
9
„
スーツ
マークなし商品を 1 としたときの絶対値マーク貼付商品の「ちょうど良いと思う値段」
をアンケート以前からカーボンフットプリントを知っていた人と知らなかった人に分けて
示す。なお、いずれのグループにもマークの説明はしていない。
お茶と同様に、以前からカーボンフットプリントを知っていたという回答者の方が、知
らなかった回答者よりもカーボンフットプリントマーク貼り付け商品を高く評価している。
カーボンフットプリントを知らなかった回答者はマークなしの回答者とほぼ同じ値段を示
した。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
CFPマークなし
CFPマークあり
「知らない人」
CFPマークあり
「知っている人」と
「なんとなく知っている人」
CFP マークの認知度による分析
CFPマークなし
CFPマークあり
「知らない人」
CFPマークあり
「知っている人」と
「なんとなく知っている人」
マークなしを
1とした場合
(-)
1.00
1.00
1.16
平均値
(円)
20556
20481
23895
10
„
洗濯機
マークなし商品を 1 としたときの絶対値マーク貼付商品の「ちょうど良いと思う値段」
をアンケート以前からカーボンフットプリントを知っていた人と知らなかった人に分けて
示す。なお、いずれのグループにもマークの説明はしていない。
お茶やスーツと同様に以前からカーボンフットプリントを知っていたという回答者の方
が、知らなかった回答者よりもカーボンフットプリントマーク貼り付け商品を高く評価し
ている。カーボンフットプリントを知らなかった回答者はマークなしの回答者とほぼ同じ
値段を示した。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
CFPマークなし
CFPマークあり
「知らない人」
CFPマークあり
「知っている人」と
「なんとなく知っている人」
CFP マークの認知度による分析
CFPマークなし
CFPマークあり
「知らない人」
CFPマークあり
「知っている人」と
「なんとなく知っている人」
マークなしを
1とした場合
(-)
1.00
1.00
1.10
平均値
(円)
99517
99705
109072
カーボンフットプリントを知らない人は、商品に関わらず、マーク貼り付けの有無がほ
とんど評価に影響していないと思われる。一方でカーボンフットプリントを知っている人
は、知らない人に比べてマーク貼り付け商品に高い評価を示している。
この結果から、カーボンフットプリントの認知度を上昇させることがマーク貼り付け商
品の高い評価につながると考えられる。
11
3-4. 認証マークの有無の比較
削減率マークにおいて、どのような認証が高い評価につながるか、4 種のマークを用いて
調査を行った。用いたアンケートは下図の通りである。
CO2
CO2
CO2
CO2
削減50%
削減50%
削減50%
削減50%
(当社前年比)
(当社前年比)
(当社前年比)
(当社前年比)
当社では当該製品のCO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
経済産業省は企業のCO2削減を応援しています
カーボンフットプリント試行事業
当社では当該製品の
CO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
当社では当該製品のCO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
当社では当該製品の
CO2排出量を計測し、
その削減に努めています。
認証なし
認証なし
認証あり
認証あり
METI クレジットあり
METI クレジットなし
自己宣言
第三者検証
(②削減率マーク)
認証に関するアンケートで用いたマーク
また、自己宣言と第三者検証では、下記の説明も合わせて提示した。
自己宣言:起業の責任において算定した数値です。
第三者検証:算定方法の適切性について第三者が検証した数値です。
なお、いずれのマークにおいてもマーク自体の説明は提示していない。
„
お茶の場合
認証なしを 1 とした場合の比較を図に示す。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
認証なし
(METIクレジットあり)
認証なし
(METIクレジットなし)
認証あり
(自己宣言)
認証あり
(第三者検証)
認証なし
認証なし
(METIクレジットあり) (METIクレジットなし)
認証あり
(自己宣言)
認証あり
(第三者検証)
認証なし(METIクレジットあり)
を1とした場合
(-)
1.00
1.00
0.99
1.01
204サンプルの平均
(円)
114.2
114.2
112.8
114.8
12
„
スーツの場合
認証なしを 1 とした場合の各認証の比較を図に示す。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
認証なし
(METIクレジットあり)
認証なし
(METIクレジットなし)
認証あり
(自己宣言)
認証あり
(第三者検証)
認証なし
認証なし
(METIクレジットあり) (METIクレジットなし)
認証あり
(自己宣言)
認証あり
(第三者検証)
認証なし(METIクレジットあり)
を1とした場合
(-)
1.00
1.05
1.01
0.97
204サンプルの平均
(円)
20619
21685
20811
20058
13
„
洗濯機の場合
認証なしを 1 とした場合の各認証の比較を図に示す。
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
認証なし
(METIクレジットあり)
認証なし
(METIクレジットなし)
認証あり
(自己宣言)
認証あり
(第三者検証)
認証なし
認証なし
(METIクレジットあり) (METIクレジットなし)
認証なし(METIクレジットあり)
を1とした場合
(-)
204サンプルの平均
(円)
1.00
100945
0.99
100157
認証あり
(自己宣言)
1.00
101328
認証あり
(第三者検証)
0.97
97611
認証の種類と付加価値の間に相関関係は見られなかった。認証の種類に関しては簡単な
注記をつけただけなので、回答者に「自己宣言」や「第三者検証」の意味が正確に伝わら
なかった可能性が考えられる。
METI クレジットの有無による付加価値への影響を比較したところ、明確な傾向は見られ
なかった。
14
4. まとめ
3-1 では、環境関連マークの認知度に関する調査を行った。カーボンフットプリントマー
クの認知度は、「よく知っている」が 2.1%で、
「見たことがあり、意味をなんとなく知って
いる」が 7.6%だった。
3-2 ではマークの有無や貼り付けられているマークの種類、マークの説明の有無による付
加価値への影響の比較を行った。マークの有無による付加価値の影響を分析したところ、
全体的に回答者はマークがない商品よりもマークがある商品を高く評価する傾向にあった。
マークの種類は、オフセットマーク、削減率マーク、コミットメントマークの順で回答者
は高く評価する傾向にあった。マークの説明の有無による付加価値の影響を分析したとこ
ろ、全体的に回答者はマークの説明なしよりも説明ありを高く評価する傾向にあった。ま
た、お茶、スーツ、洗濯機の商品による違いと付加価値との関係性は見られなかった。
3-3 では、カーボンフットプリントの知識の有無による比較を行った。カーボンフットプ
リントを知っていた人は知らなかった人よりも高い評価をつける傾向が見られた。
3-4 では、認証マークによる比較を行った。今回のアンケートでは認証マークと付加価値
に相関関係は見られなかった。これは、認証マークの特徴の違いが回答者に伝わりにくか
った可能性がある。
本調査を通じて、カーボンフットプリントをアンケート以前から知っていた人や、マー
クの説明を読んだ人はマーク貼り付け商品に高い評価を示す傾向が見られた。カーボンフ
ットプリントの認知度を向上させることで、マーク貼り付け商品の付加価値も向上するこ
とが期待される。
別添資料
・予備アンケート調査票
・本アンケート調査票
15
附属書I
カーボンフットプリント(CFP)
算定・検証・公開システム要求事項(案)
カーボンフットプリント(CFP)算定・検証・公開システム
要求事項(案)
【本文:2011/2/10、前書き&附属書 A&B 追加 3/17】
1
目次
0.1 序文
0.2 適用範囲
0.3 引用規格
0.4 用語及び定義
【CFP 算定・検証・公開システム要求事項】
1. 一般要求事項
2. 責任及び体制
2.1 トップマネジメント
2.2 管理責任者
3. CFP の計画
4. ライフサイクルデータ収集・算定
4.1 全般
4.2 データ収集依頼
4.3 データ収集・提供
4.4 CFP 算定
4.5 ラベル作成
5. CFP 内部検証
6. CFP ラベルの使用
7. 公開データの補正
8. CFP 教育・訓練
9. 内部システム監査
10. 是正処置
11. 文書・記録管理
11.1 文書管理
11.2 記録管理
12. マネジメントレビュー
2
まえがき
本文書は、カーボンフットプリント(CFP)制度試行事業期間中に検討された、CFP の検証方法
の一つである、「CFP 算定・検証・公開システム要求事項」を示すものである。
本文書中の要求事項は、CFP の取組を通じて、適時かつ適切に見直されるものである。
3
CFP 算定・検証・公開システム要求事項
0.1 序文
CFP 制度の普及に際して、消費者に対し公開される数値や表示の信頼性、透明性の確保
が必須である。また、組織が、信頼性・透明性を維持しつつ CFP の算定・検証・表示する
にあたり、検証にかかる負担を軽減する工夫も重要である。
CFP 制度試行事業期間中に開催された、「CFP 検証スキーム検討委員会」では、考えら
れる検証方法から実証実験等を通じて、将来の CFP 制度実施における適切な検証方式の検
討を行ってきた。その検討の一つとして、組織が内部に CFP の算定・検証・公開に関する
システムを構築し、そのシステムについて第三者から認証を受ける方式、
「CFP 算定・検証・
公開システム認証方式」の検討が進められた。
組織は、この要求事項に従って CFP 算定・検証・公開システムの構築・運用によって、
個品別の検証方式に比べて、次の便益を期待することが出来る。
・短い時間で算定・検証・公開を行うことができる。
・申請のタイミングに捕らわれず、CFP 公開までの手順を踏むことができる。
・多数の製品に CFP を表示する場合、少ないコストで対応できる。
・組織内に CO2 算定の仕組みが構築でき、様々な内部活用が可能となる。
また、この要求事項は、環境マネジメントシステム、品質マネジメントシステムなどの
他のマネジメントシステムと統合したマネジメントシステムとしての構築ができるように
検討されている。そのため、組織は、この要求事項に適合したシステム構築しようとする
にあたって、他のマネジメントシステムを既に構築している場合、既存のマネジメントシ
ステムを基礎とし、CFP 算定・検証・公開システムを構築することも可能である。
なお、本システム要求事項の構成は、図1に示すとおりである。要求事項構成は、CFP
を実施するための「計画」、ライフサイクルデータの収集・算定を行う「算定」、検証を経
て公開/補正する「公開」、その他システム全体の基盤となる「システム基盤」に大別され
る。
4
図1
要求事項の構成
0.2 適用範囲
本要求事項は、業種及び形態、規模、並びに提供する製品・サービスを問わず、PCR が
存在する範囲において、CFP 制度に参加するあらゆる組織に適用される。
本要求事項は、法令に基づく規格又は基準を定めるものではない。
0.3 引用規格、ガイドライン等
次に掲げる文書は,本要求事項に引用されることによって,本要求事項の一部を構成す
る。
a)
カーボンフットプリント制度の在り方(指針)
b)
カーボンフットプリントマーク等の仕様
c) 対象となる製品の PCR
0.4 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
【LCA 関連技術用語】
・LCA(ライフサイクルアセスメント:Life Cycle Assessment)
製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通しての
5
環境負荷を定量的に算定する手法をいう。
・PCR(商品種別算定基準:Product Category Rule)<PCR 策定基準>
製品の種別ごとの共通の LCA 算定基準をいう。
・ライフサイクル(Life Cycle)
CFP 算定対象、範囲のシステム境界。ライフサイクルは下記の各段階で構成される。
¾
原材料調達段階
¾
生産段階
¾
流通段階
¾
使用・維持管理段階
¾
廃棄・リサイクル段階
・カットオフ<PCR 策定基準>
LCA の算定において、製品の CO2 排出量の算定結果に大きな影響を及ぼさないものと
して、一定の基準以下のものは算定を行わないことをいう。
・配分(アロケーション)<PCR 策定基準>
複数種別の製品が混流するプロセスや、異なる部門が混在するサイト等において、全
体のユーティリティ使用量や CO2 排出量から、算定対象製品のユーティリティ使用量や
CO2 排出量を推計することをいう。
・1 次データ<PCR 策定基準>
CFP の算定を行う事業者が、自らの責任で収集するデータをいう。
・2 次データ<>
1 次データが収集困難な場合に利用される、共通データや文献データ、LCA の実施例か
ら引用するデータのみによって収集されるものをいう。
・共通原単位データベース<CFP 制度指針>
カーボンフットプリント制度試行事業事務局がカーボンフットプリント・ウェブサイ
トで公開している「CFP 制度試行事業用 CO2 換算量共通原単位データベース(暫定版)」
のこと。
・製品
商品又はサービスのことをいう。
6
【CFP 制度関連用語】
・CFP 制度
製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排
出される温室効果ガスの排出量を、地球温暖化に与える影響の程度により CO2 相当量に
換算して、当該製品に簡易な方法で分かりやすく表示する仕組みをいう。
・CFP 算定
PCR に基づいてデータを収集し、収集した活動量データに、排出原単位を乗じ、これ
らを合算することをいう。
・CFP 検証
CFP 算定とは独立した立場で、算定された CFP の PCR との適合性を確認するととも
に、その算定に用いたデータの根拠を確認する。また、表示に関する PCR 等の要求事項
との適合性を確認することをいう。
・CFP 公開
検証された CFP の算定結果及び表示内容について、制度の運営者や事業者が運営する
ウェブサイトで情報を開示すること、または製品等に表示することをいう。
・データ補正
公開された CFP のデータが適切な状態に維持することをいう。
【マネジメントシステム関連用語】
・CFP マニュアル
CFP 算定・検証・公開システム要求事項に基づいて構築するシステムについて、概要
や手順を記述した文書をいう。
・トップマネジメント<ISO9000>
最高位で組織を指揮し、管理する個人又はグループ。
・CFP 方針
トップマネジメントによって正式に表明された、CFP に関する組織の意図及び方向付
けをいう。
・内部検証
7
構築された CFP 算定・検証・公開システムで算定された CFP が、PCR や表示に関連
する要求事項に適合していることを、必要な力量を持つ者が組織内部の責任において証
明する活動をいう。
・力量<ISO9000>
知識と技能を適用するための実証された能力をいう。
・内部監査<ISO14001>
構築された CFP 算定・検証・公開システムが、組織の定めた監査基準を満たしている
か判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価する体系的で、独立し、文
書化された手順。
参考: 多くの場合、特に中小規模の組織の場合は、独立性は、監査の対象となる活動
に関する責任を負っていないことで実証することができる。
・是正処置<ISO9000>
検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための
処置をいう。
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1. 一般要求事項
組織は、この要求事項に従って、CFP 算定・検証・公開システムを確立し、CFP マニュ
アルとして文書化し、実施し、維持しなければならない。CFP 算定・検証・公開システム
は、該当する PCR を確実に実施できるものでなくてはならない。
組織は、対象とする製品と該当する PCR を踏まえて、CFP 算定・検証・公開システムの
適用範囲(対象製品群及び組織)を明確にしなければならない。
なお、CFP 算定・検証・公開システムは、独立して確立しても、他のマネジメントシス
テムに組み込んで確立してもよい。
2. 責任及び体制
組織は、以下の項目を含めて CFP の算定及び公開を実施するための役割、責任及び権限
及び実施体制を文書に定めなければならない。
2.1 トップマネジメント
a) CFP の算定及び公開を実施するうえで不可欠な資源を用意すること。資源には、人的
資源及び専門的な技能、技術並びに資金を含む。
b) CFP に取組む目的及び人的資源や信頼性等に関するコミットメントを含めた CFP 方
針を定め、組織内外に公開すること。
c) 管理責任者を任命し、次の「2.2 管理責任者」に示す役割、責任及び権限を与えるこ
と。
2.2 管理責任者
a) この要求事項に従って CFP 算定・検証・公開システムが確立され、実施され、かつ
維持されることを確実にすること。
b) CFP 算定・検証・公開システムの状況をトップマネジメントに報告すること。
c) 従業員の CFP に対する理解を深めること。さらには、データ提供者、消費者の理解
を深める努力をすることが望ましい。
3. CFP の計画
組織は、CFP の公開タイミングの設定や要員のリソース配分などを明確にするために、
個々の CFP 算定活動毎に以下を含む計画を立案しなくてはならない。
a) 対象製品
b) 該当する PCR
c) 推進体制(CFP 算定者、各段階のデータ提供者(組織内及びサプライヤーの担当)、
内部検証員等を含む)
d) 日程計画
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4. ライフサイクルデータ収集・算定
4.1 全般
組織は、各ライフサイクル段階の収集すべきデータを明確にし、該当する PCR に準拠し
て信頼性のあるデータを収集・算定できるプロセスを構築し、文書化し、実施しなくては
ならない。
また CFP の算定活動を確実にするために、次のことの明確化を含めた準備をしなくては
ならない。
a) 対象製品の構成要素(原料、部品等)、材質
b) 対象製品のライフサイクル段階とデータを収集すべきプロセスを明確にしたライフ
サイクルフロー図
c) 1次/2次データの区分、カットオフ、配分方法等、CFP 算定に必要な各段階の具体
的な条件や取り決め
なお、各段階で必要なデータが定常的に収集できるプロセスの確立が望ましい。
4.2 データ収集依頼
CFP 算定者は、データ収集依頼に関して、以下の事項を確実にしなくてはならない。
a) 組織内の関連部門又は組織外組織のデータ提供者にデータ収集を依頼する場合は、デ
ータの収集範囲や精度等データ収集に関する必要な要件を文書で伝達すること。なお、
必要に応じて説明を行うなどデータ収集を確実にするための対応を取ること。
b) CFP 算定者は、データ提供者に依頼をする前に、依頼事項が妥当であることを確実に
すること。
なお、定常的にデータを収集できるプロセスが確立されている場合はこの限りではない。
4.3 データ収集・提供
データ提供者は、データの提供に関して、以下の事項を実施しなくてはならない。
なお、データ提供者が組織外である場合には、CFP 算定者は、データ提供者が以下の事
項を確実に実施するために必要な期間の確保や情報の提供などに配慮しなくてはならない。
a) 依頼に基づき必要なデータを収集し、CFP 算定者に遅滞なく文書(電子メール、電
子データ等を含む)にて、データを提供すること。
b) 不明な点等を見つけた場合には、早急に CFP 算定者に問い合わせ、作業内容等を明
確にすること。
c) 重要なデータについては、CFP 算定者にデータを提供する際に、内容の妥当性を再確
認し、適切な責任者の承認のうえ、責任者を明記してデータを提供すること。
d) 重要なデータについては、データの精度や妥当性(計測器の妥当性を含む)について
説明が行えること。
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4.4 CFP 算定
CFP 算定者は、収集されたデータの適切性を確認し、CFP 算定に関して以下のことを確
実にしなくてはならない。
a) 内部検証用資料を適切に作成すること。
b) CFP 算定値の検算の実施や可能であれば他の類似事例との比較等、数値が妥当である
ことを確実にすること。
c) いつでもデータの検証が行えるよう、CFP 算定に係わるデータのエビデンス資料、2
次データや原単位の当てはめの妥当性を示す資料等を整理して保管しておくこと。
d) 収集したデータを適切に管理すること。
注:「内部検証用資料」は、現在の個品別検証の申請書と同一で考えています(2011 年 2 月
現在)。
4.5 ラベル作成
CFP 算定者は、CFP 算定結果をもとに、該当する PCR に従い、適切に公開用のラベル
を作成しなくてはならない。
5. CFP 内部検証
組織は、CFP ラベルの使用にあたり、CFP 申請書類の記載内容が次の a)から c)の事項を
満たしていることを明確にするために、内部検証員による内部検証を実施しなくてはなら
ない。
a) 該当する最新版の PCR に適合していること。
b) 最新版の「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」、「カーボンフットプリン
ト制度商品種別算定基準(PCR)策定基準」、
「カーボンフットプリントマーク等の仕様」、
「ISO14040」及び「ISO14044」に適合していること。
c) 「4. ライフサイクルデータ収集・算定」に基づき構築された組織のデータ収集・算定
プロセスに準拠して、収集・算定が行われていること。
組織は、検証を実施するにあたり、以下のことを満たさなければならない。
d) 検証員は、LCA 及び CFP に関する知識を有し、データ収集及び CFP 算定を実施で
きる力量を有していること。
e) 検証員は、当該製品のデータ提供者及び CFP 算定者とは独立した者であること。
f) 検証員は、検証の結果を記録に残すこと。記録は、製品及び収集データのエビデンス
をトレースできるようにしておくこと。
g) 検証結果は、管理責任者へ報告されること。
h) 検証を外部委託する場合においても、検証結果の責任は組織が有すること。
なお、検証員は、LCA 及び CFP 算定に必要な製品及び生産工程に関する相当程度の知識
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を有することが望ましい。
6. CFP ラベルの使用
組織は、CFP ラベルの使用に当たって、使用のための基準、役割分担及び責任・権限を
明確にし、実施しなくてはならない。また、組織はラベルを組織外に公開する前に CFP 制
度試行事業事務局にラベルの登録をしなくてはならない。
7. 公開データの補正
組織は、公開された CFP ラベルのデータ補正の判断基準を設定し、必要に応じてデータ
補正を行い、変更内容と補正理由を CFP 制度試行事業事務局に届けなければならない。デ
ータ補正が必要な場合とは、一般的に以下の様な場合がある。
a) 新製品の上市前の推定値(設計値/計画値)に基づいて公開したデータを、その後の
実測値に基づくデータに変更する場合
b) 生産工程の変更等により、データに変化が生じた場合
c) 生産量等の大幅な変更により、データに変化が生じた場合
d) 2 次データを用いていたものを 1 次データに変更する等、より精度の高いデータに変
更する場合
e) 公開データに誤り、不足等が発見された場合
f) 第三者からの情報等に対応し、組織が補正に同意した場合
g) その他、CFP 制度試行事業事務局から要請があった場合
8. CFP 教育・訓練
CFP 算定・検証・公開に直接携わる要員(CFP 算定者、内部検証員及び内部システム監
査員)は、その業務を行う力量を保有していなくてはならない。それらの要員の力量を担
保するために、CFP 及び LCA に関する適切な教育・訓練の受講又は経験に基づく組織内の
認定を行わなければならない。
また、データ提供者についても、一般的な CFP に対する理解、LCA データ収集方法等に
ついて必要な教育を行うことが望ましい。
9. 内部システム監査
組織は、この CFP 算定・検証・公開システム全体の改善の機会を提供することを目的と
して、次の a)から c)の事項が満たされていることを明確にするために、あらかじめ定めら
れた間隔で内部システム監査員による内部システム監査を実施しなければならない。
a) 組織の CFP 算定・検証・公開システムが、本要求事項に適合していること。
b) 組織が定めた CFP に関する要求事項に適合していること。
c) システムが効果的に実施され、維持されていること。
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組織は、内部システム監査を計画し、実施するにあたり、以下のことを満たさなければ
ならない。
d) 内部システム監査員は、CFP に関する知識及びマネジメントシステム監査を実施で
きる力量を有すること。
e) 内部システム監査員の選定及び監査の実施においては、監査プロセスの客観性及び公
平性を確保すること。
f) 内部システム監査員は、自らの仕事は監査しないこと。
g) 内部システム監査員は、監査の結果を記録に残すこと。
h) 監査結果は、CFP 管理責任者及びトップマネジメントへ報告されること。
i) 内部システム監査を外部委託する場合においても、監査結果の責任は組織が有するこ
と。
10. 是正処置
組織は、CFP 内部検証、内部監査、外部システム審査又はラベル取得後に不適合が発見
された場合には、その原因を特定し、原因を取り除く処置を講じなければならない。
組織は、実施した是正処置の有効性をレビューしなければならない。また是正処置の結
果は記録しなくてはならない。
11. 文書・記録管理
11.1 文書管理
組織は、本要求事項を仕組化するために必要な文書を作成し、維持しなければならない。
文書は常に最新版が使われることを確実にしなければならない。
また、文書は以下の外部情報の最新版に則って作成・維持されていなければならない。
a) カーボンフットプリント制度の在り方(指針)
b) カーボンフットプリントマーク等の仕様
c) CFP 算定・公開システム要求事項
d) 運用ルール
e) 共通原単位データベース
f) カーボンフットプリント算定結果・表示方法検証申請書
11.2 記録管理
組織は、要求事項への適合及び CFP 算定値が正確であることの証拠として、次の項目を
含む必要な記録を作成し、容易に検索可能な状態で適切な期間保管しなければならない。
a) CFP の計画資料
b) CFP 算定準備の資料
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c) 内部検証用資料
d) 各段階の CFP データ収集結果資料
e) データ収集のエビデンス資料
f) 内部検証結果資料
g) 内部システム監査結果資料
h) 教育・訓練の記録
i) 是正処置の記録
j) 計測器管理の資料
12. マネジメントレビュー
トップマネジメントは、CFP 算定・検証・公開システムが、引き続き適切で、妥当で、
かつ、有効に機能していることを確実にするために、あらかじめ定められた間隔で CFP 算
定・検証・公開システムをレビューしなければならない。
マネジメントレビューへのインプットは、次の事項が含まれることが望ましい。
a) CFP 算定・公表状況
b) 監査の結果
c) ステークホルダーとのコミュニケーションの状況(フィードバック等)
d) 是正処置の状況
e) 前回のマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ
f) CFP 値(CO2 排出量)の変化
g) 変化している周囲の状況
h) 改善のための提案
マネジメントレビューからのアウトプットには、CFP 方針の及び CFP 算定・公開システ
ムの変更の必要性についての決定を含まなくてはならない。
以上
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附属書 A(参考)
利用の手引き
A.1.一般要求事項
この附属書に示される追加的な情報はあくまで参考であり、この規格の要求事項の誤っ
た解釈を防ぐことを意図している。この情報は、要求事項の項番と対応し整合しているが、
その要求事項に対して追加したり、削除したり、何らかの変更を行うことは意図していな
い。
組織は、確立した CFP 算定・検証・公開システムの全体が分かる文書として CFP マニ
ュアル(具体的な文書の名称は組織が自由に決定してよい)に定めるとよい。
組織は、CFP 算定・検証・公開システムの適用範囲を定めるにあたっては、PCR で定め
る対象製品及びその事業体を含む組織を考慮するとよい。
組織は、ISO9001 や ISO14001 など他のマネジメントシステムを運用している場合には、
附属書 B などを参考にして、それらのマネジメントシステムにこの規格の要求するプロセ
スを付加することで統合したシステムとして確立・運用してもよい(平成 23 年度実証実験
でも検討される内容であると考えるため、その結果を適切に反映する記載に今後修正する)
。
A.2. 責任及び体制
本システムの運用を成功させるためには、実施体制を確立して、それぞれの役割、責任、
権限を明確にすることが重要である。実施体制には、トップマネジメント、管理責任者、
CFP 算定者、データ提供者、内部検証員、内部システム監査員などを考慮するとよい。
特にトップマネジメントの CFP システムに対するコミットメントが重要である。そのコ
ミットメントを示すために、CFP に対する方針を作成し組織内外へ表明するとよい。なお、
トップマネジメントは、本システムの範囲の最上の経営層があたることが望ましい。
また、このコミットメントの一環として、トップマネジメントは、CFP を実施するため
に定められた責任及び権限をもつ特定の管理責任者を任命するとよい。大規模又は複雑な
組織では、複数の管理責任者が任命されることもある。
管理責任者は、本システム全般を管理し、組織内外の CFP に対する理解を深める努力を
行うとともに、12.のマネジメントレビューなど、必要に応じてトップマネジメントと CFP
に関するコミュニケーションを行うとよい。
A.3. CFP の計画
CFP を効果的かつ効率的に推進するためには、CFP 算定実施前に適切な計画を作成する
ことが望ましい。計画には、提供する人的リソース(いつどれだけの人的工数がかかるの
か)を明確にするためにも、推進体制や日程計画を含めるとよい。
計画の記載レベルは、組織の規模や CFP 対象製品数などによっても異なる場合がある。
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例えば、c)においてサプライヤーのデータ提供者の氏名まで記載すべきか、d)において、デ
ータ収集依頼、データ収集、まとめ、内部検証、など詳細日程計画が必要か、などは、組
織が有効かつ効率的と判断するレベルで記載されればよい。
A.4. ライフサイクルデータ収集・算定
A.4.1 全般
ライフサイクルデータ収集・算定は、本システムの中で最も中心的で重要な手順である。
従って、組織にとって最も適切なライフサイクルデータ収集・算定の手順を構築し、文書
化しておくことが重要である。
ライフサイクルデータ収集・算定の手順には、通常、データ収集依頼、データ収集・提
供、CFP 算定、ラベル作成の手順を含む。
また、ライフサイクルデータ収集・算定の手順を効率的に推進するためには、この手順
を実施する前に、対象製品の構成要素の明確化、ライフサイクルフロー図の作成、1 次デー
タ/2 次データの区分、カットオフの有無、配分方法の詳細などを十分に検討し、曖昧な点
についての実施方針を明確化することで、可能な限り手戻り的な業務の発生を抑え、効率
的に正しい CFP の算定が可能になる。
なお、効率的かつ定常的にデータ収集を行えるように、生産管理情報や設計情報から必
要データを容易に収集・活用できるシステムの確立が望ましい。
A.4.2 データ収集依頼
必要なデータを得るためには、できる限り関連情報をデータ提供者に確実に伝えること
が重要である。データ収集の期間、範囲、サンプリングの方法、実測の場合の計測器の基
準など詳細に伝達することは、データ提供者のデータ収集業務の効率性に大きな影響を及
ぼすことを考慮すべきである。
A.4.3 データ収集・提供
データ提供側は、組織の内部と外部を問わず、データ収集依頼に基づき遅滞なくデータ
を収集すべきであるが、不明確な部分については、勝手に判断せずにデータ算定者に確認
することが重要である。提供者の要求内容を明確化し、求められるデータの質を明らかに
するなど、適切なデータを提供することで、データ収集を二度行うなどの手間を避けるこ
とができる。
計測器を用いて重量の実測等を行う場合には、CFP 制度で求められる数値の精度を勘案
しながら、測定精度を満たす計測器を用いていることなどを示せるようにしておくことも
必要である。当然、既に測定されているデータであって、CFP のデータの要求を満たすも
のであることが確認されれば、それを流用することもできる。
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また、CFP 検証時において、データ提供者の収集・提供したデータをもとに検証を行う
場合があるため、提供されたデータの責任の所在を明確にすることが重要である。
特に、データ提供者が組織外部の者になる場合は、データ提供者に対して直接的に要求
ができない場合がある。そうした場合には、データ算定者が責任を持ってデータ提供者と
のコミュニケーションを密にして組織内部と同等のデータ収集が行われるよう努力するこ
とが望まれる。
A.4.4 CFP 算定
収集したデータを基に CFP 数値を計算して、所定の内部検証用資料等にまとめる段階で
ある。まず、収集したデータが想定値と大幅に異なっていないかなど、妥当な数値かを確
認するとよい。算定された CFP 値は、計算結果の検算や類似製品の算定結果との比較など
を実施して、妥当性を判断するとよい。
また、データの検証に備えて、エビデンス資料を整理して保管しておくことが必要であ
る。データは機密事項も含まれている場合があるため、外部漏えいなど不適切な取扱いが
無いように適切な管理の仕組みを持つことが望まれる。
A.4.5 ラベル作成
該当する PCR と「カーボンフットプリントマーク等の仕様」に従って、追加情報を含め
た表示ラベルの仕様を明確にする。ラベルや詳細情報に関する表現ぶりについては、個品
別検証においても問題が多発していることから、システムの外部認証を受ける際に、ラベ
ルや詳細情報に記載する内容についても確認を受けることとする。その際、注意すべき観
点は、消費者に分かりやすく、誤解を与えないことである。
A.5. CFP 内部検証
CFP 内部検証は、CFP 算定値及び表示の適切性をチェックするうえで重要である。従っ
て、内部検証員は、LCA 及び CFP 並びに該当する製品及び生産工程に関する知識を有して
おり、また、検証を公平かつ客観的に行う立場であることが望ましい。
検証員の独立性については、検証員が検証する製品のデータ提供者及び CFP 算定者以外
の者であることで実証することができる。
組織内部のリソースの問題のために CFP 内部検証を外部の者に委託することもできるが、
検証結果の責任はあくまで組織にある。
A.6. CFP ラベルの使用
CFP ラベルの公開は、
まず CFP 制度のルールに則り CFP 制度試行事業事務局に登録し、
その後ホームページや商品への添付などによるラベル公開を行う流れになる(提出資料な
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どについての詳細、プログラムホルダーへの登録の方法や PH での確認機能の有無などの
詳細については、別途システム認証実証実験の運用で定める)。
CFP ラベルの登録や公開のための基準(どういう状態であれば登録申請可能かなど)や
役割分担(登録作業実施者、公開作業実施者、登録の最終決定者など)を含めた手順を明
確化しておくとよい。
A.7. 公開データの補正
公開データと実際の値に差異が生じる場合があるため、データを補正するための判断基
準や仕組み(差異の発見、補正要否判断、補正実施の手順)を構築するとよい。補正すべ
き公開データには、追加表示など表示全般を含めるべきである。
A.8. CFP 教育・訓練
CFP 算定・検証・公開に携わる者のうち、特に CFP 算定者、内部検証員、内部システム
審査員は、それぞれの業務を行う力量が求められる。力量の基準は、CFP や LCA の経験や
研修の受講、ISO14001 などのマネジメントシステムの内部監査員資格及び関連業務経験な
どに基づき設定するとよい。現在の CFP 制度については、必ずしも外部の教育機関が充実
していないことから、その修了証などを要求するものではない。
A.9. 内部システム監査
内部システム監査は、本 CFP 算定・検証・公開システム要求事項を満たす組織の仕組み
の構築状況とその運用状況を定期的に確認するものである。内部システム監査において、
CFP 内部検証のプロセスを監査する場合には、既に実施された内部検証を再度レビューし、
内部検証結果の内容に誤りがないことの確認もする。
内部システム監査員は CFP の知識のみならず、マネジメントシステムに関する力量も必
要である。マネジメントシステムに関する力量は、ISO9001 や 14001 の内部監査員資格の
保有などで担保できる。
内部システム監査員の独立性については、内部システム監査員が、トップマネジメント
及び管理責任者以外の者であり、また、CFP 算定者においては、自ら CFP 算定を行った製
品に関しては内部監査の対象としないことで実証することができる。
組織内部のリソースの問題や内部システム監査のレベルアップなどのために内部システ
ム監査を外部の者に委託することもあるが、システム監査の責任はあくまで組織にある。
A.10. 是正処置
発見された過ちを繰り返さないために、不具合の再発防止の仕組みを構築することが有
効である。手間のかかる重い仕組み構築を意図しているわけではなく、発見された不具合
の再発防止処置をチェックリストに追記する、4.1 b)で作成するライフサイクルフロー図
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に注意点として吹き出しで表記するなどの方法で、関係者内で共有化するなど、効果的で
効率的な方法を検討してもよい。
A.11. 文書・記録管理
A.11.1 文書管理
本要求事項で最低限作成する文書は、CFP マニュアル(「1.一般要求事項」参照)とラ
イフサイクルデータ収集・算定の手順書(「4. ライフサイクルデータ収集・算定 4.1 全般」
参照)である。ここで、CFP マニュアルは、要求事項に基づいて構築する組織のシステム
について、概要や手順を記述した文書であり、手順書はその一部の業務手順をより詳細に
(誰が、いつ、どの様になど)示した文書である。組織が必要と判断し、これ以外の手順
書を準備することもできる。
文書作成にあたっては、11.1 文書管理の要求事項に記載された関連する外部文書を参照
するとよい。
それらの文書は、旧文書が誤って使われることの無いように最新版の管理をおこなうと
よい。
A.11.2 記録管理
本システムの要求事項に適合することを証明する記録と、CFP 算定に用いたデータやそ
の根拠など CFP 算定に関する記録を示せるように準備しておくとよい。これらの記録は、
CFP 内部検証や内部システム監査でも求められるため、すぐに示せるように整理して保管
しておくことよい。
保管期間は、CFP システム認証の更新期間などを考慮して決定するとよい。
A.12. マネジメントレビュー
マネジメントレビューは、トップマネジメントへの情報のインプットとトップマネジメ
ントからの CFP システムに関する指示事項(アウトプット)の明確化を含めるとよい。
マネジメントレビューは、組織が CFP を戦略的に活用するための情報収集、情報交換の
場として活用することができる。
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附属書 B(参考)
CFP 算定・検証・公開システム要求事項と JIS Q 14001、JIS Q 9001
及びエコリーフ環境ラベルとの対応
表 B.1 は、本 CFP 算定・検証・公開システム要求事項と JIS Q 14001、JIS Q 9001 及
びエコリーフ環境ラベルの要求事項との技術的対応を示している。この比較の目的は,既
にこれらの規格を既に運用し、今後 CFP のシステムを運用したいと望む組織に,両方のシ
ステムの関連性を参考として示し、合わせて使えることを示すことにある。なお、2 つのシ
ステムを統合して構築する場合に、この表の要求事項の組合せでなくてはならないという
ことではない。
表 B.1 CFP システム要求事項と JIS Q 14001、JIS Q 9001、エコリーフ環境ラベルとの対応表
CFP算定・検証・公開
システム
JISQ 1 4 0 0 1 、JISQ9 0 0 1 及びエコリーフ環境ラベルとの関連
JISQ14001
JISQ9001
エコリーフ環境ラベル
1-1 一般要求事項 (トップの
方針策定、体制・管理責任者
5.1 経営者のコミットメント の任命、マニュアルの作成)
5.3 品質方針
5.5.1 責任及び権限
5.5.2 管理責任者
6.1 資源の提供
1. 一般要求事項
4.1 一般要求事項
2. 責任及び体制
2.1 トップマネジメ
ント
2.2 管理責任者
4.2 環境方針
4.4.1 資源、役割、責
任及び権限
3. CFPの計画
4.3.3 目的、目標及び
実施計画
7.1 製品実現の計画
2-1 情報・データの収集・加
工の基準
4. ライフサイクル
データ収集・算定
4.1 全般
4.4.6 運用管理
4.2 データ収集依頼
4.4.3 コミュニケー
ション
4.4.6 運用管理
7.1 製品実現の計画
7.5.1 製品及びサービス提供
の管理
7.5.2 製造及びサービス提供
に関するプロセスの妥当性確
認
5.5.3 内部コミュニケーショ
ン
7.4.2 購買情報
2-1 情報・データの収集・加
工の基準
3-1 製品情報・データ集積シ
ステム
3-2 製造サイトデータ収集シ
ステム
3-3 物流/使用/廃棄・リサイクル情
報・データ集積システム
5-1 計測管理
4.3 データ収集・提
供
4.5.1 監視及び測定
4.4.6 運用管理
7.6 監視機器及び測定機器の
管理
4.4 CFP算定
4.3.1 環境側面
4.4.6 運用管理
4-1 集積データ加工処理シス
7.4.3 購買製品の検証
7.5.1 製品及びサービス提供 テム
の管理
4.5 ラベル作成
4.4.6 運用管理
5. CFP内部検証
4.5.1 監視及び測定
6. CFPラベルの使用
4.4.3 コミュニケー
ション
4.4.6 運用管理
7.5.1 製品及びサービス提供
の管理
8.2.4 製品の監視及び測定
6-1 製品環境情報・データ検
証システム
7.5.1 製品及びサービス提供 8-1 エコリーフ環境ラベル発
の管理
行システム
7. 公開データの補正
4.4.7 緊急事態の準備
及び対応
4.5.1 監視及び測定
8.2.4 製品の監視及び測定
7-1 製品・環境情報・データ
補正システム
8. CFP教育・訓練
4.4.2 力量、教育訓練
及び自覚
6.2 人的資源
1-1 一般要求事項 (教育・訓
練)
9. 内部システム監査
4.5.5 内部監査
8.2.2 内部監査
-
10. 是正処置
4.5.3 不適合並びに是
正処置及び予防処置
8.3 不適合製品の管理
8.5.2 是正処置
6-1 製品環境情報・データ検
証システム
(内部検証時の是正処置)
4.2.2 品質マニュアル
4.2.3 文書管理
4.2.4 記録の管理
5.6 マネジメントレビュー
7-2 文書・記録管理
11. 文書・記録管理
11.1 文書管理
11.2 記録管理
12. マネジメントレ
ビュー
4.4.5 文書管理
4.5.4 記録の管理
4.6 マネジメントレ
ビュー
4.1 一般要求事項
20
-
附属書J
次年度の検証スキームに対する提言
次年度の検証スキームに対する提言
1.カーボンフットプリント制度における検証のねらい
カーボンフットプリント制度では、事業者が製品毎にカーボンフットプリントの数値を
算定し、それらの情報を製品やインターネット上で公開することを目的としている。その
ため、事業者が実施する算定や表示等については、消費者に対する信頼性・透明性を維持
することが重要であり、そのために検証作業を行うことが必要である。一方で、制度の広
範な普及を考えた場合には、この仕組みが事業者の過度の負担とならないことも重要な観
点である。
次年度のカーボンフットプリント制度試行事業における検証スキームの検討においては、
以下に記載する内容の実証実験や議論を進めることにより、消費者への信頼性を維持しつ
つ、事業者の過度の負担とならない検証方法の検討を更に進めることとする。これによっ
て、将来の制度の成熟に合わせ、事業者の能力・目的に即した検証方法が選択できるよう
な、カーボンフットプリント制度の検証スキーム構築に向けた議論を行うことを目的とす
る。
2.検証の方式(一般論)
(1)検証の主体
・ 検証の主体としては、第三者と第一者があげられ、第三者としてはプログラムホルダ
ーが第三者の検証員を派遣する形式、検証機関が検証を行う形式、検証員が個人で検
証を行う方式があり、第一者は事業者自身で検証を行う形式があげられる。
・ プログラムホルダーや検証機関による検証は、組織としての確認機能を備えるため、
信頼性は高い。一方で検証員単独で検証を行う場合は、確認機能が無いことから信頼
性はやや劣るが、単独で行うためコストや迅速性に優れている。
・ 事業者自身が検証を行う場合には、信頼性の点では劣るが、コストや迅速性という意
味では第三者機関が行うよりも優れている。
(2)検証の対象
・ 第三者の視点を含む認証及び検証は、個品別の検証、事業者のシステムやプロセスの
認証、検証員個人の力量の認証(要員の認証)
、といった3つのケースが考えられる。
・ 事業者のシステムやプロセスを認証する方法については、個品別の検証と同等の信頼
性を担保できる可能性がある。
・ 要員を認証する場合は、事業者に対する公開条件を厳しくすることで、信頼性を担保
1
するなどの仕組みが必要と考えられる(方法の妥当性は今後の課題)
。
3.本年度の議論と次年度に向けた提言(委員会とWGにおける議論、実験結果より)
3.1
カーボンフットプリント制度における検証方式について
・ カーボンフットプリント制度における検証方式については、信頼性を担保する観点か
ら、何らかの第三者の関与が必要である。
・ 他方、カーボンフットプリント制度が普及し、製品数が増加した場合、個品別検証で
は事業者の費用的な負担が大きくなることから、システム認証方式や要員認証方式な
ど、第三者の寄与が認められる範囲で事業者の負担が軽減される認証方式も採用すべ
き。
(1)システム認証方式に関する実証実験の実施【次年度の実証検討スキーム①】
・ 本年度の実証実験を踏まえれば、次年度は、
「個品別検証」に加え、
「システム認証」
を試行事業で実施し、システム認証方式の可能性について検討を深めるべき。そのた
め、年度内も必要な準備を進めつつ、次年度開始直後から WG 等を設置して、遅滞な
く具体的な議論を進める(別紙1及び別紙2参照)。
・ システム認証方式の正式な採用の決定は、次年度における実証実験を踏まえ、また、
ISO の議論の進捗を考慮しつつ判断することとしてはどうか。
(2)要員認証方式に関する取扱
・ なお、実証実験を行った要員認証方式については、制度が成熟し、事業者の経験や制
度全体における検証の力量基準が明らかになった段階で導入を再検討する位置づけ
としてはどうか(この方式が不要ということではなく、導入には時期尚早である)
。
3.2
検証主体について
・ 検証主体については、数の増大に伴う検証の負荷増大を想定し、現行のプログラムホ
ルダーが検証員を派遣する方式だけではなく、その他の検証機関の参加が可能な仕組
みとすることが必要ではないか。
(1)検証機関を含めた検証体制に関する実証実験の実施【次年度の実証検討スキーム②】
・ 検証機関による検証体制を考慮するためには、検証機関に実際に検証に参加してもら
い、その体制に関する課題整理を検討しておくべき。
・ そのため、次年度に検証機関の参加を検討するため、年度内も必要な準備を進めつつ、
次年度開始直後から WG 等を設置して、遅滞なく具体的な議論を進める。
(別紙2参照)。
2
(2)将来の望まれる検証体制のイメージ
・ なお、制度の初期・普及期によって、プログラムホルダーによる検証と、検証機関等
による検証の割合は以下のように変遷するものと考えられる。
¾
制度運用初期:プログラムホルダーより派遣される検証員を中心に一部検証機
関による検証も試験的に実施
¾
制度普及期:プログラムホルダーより派遣される検証員と、認定された複数の
検証機関による検証へ移行
3.3
検証における責任の所在の整理
・ カーボンフットプリント制度における検証は、LCA という手法の性質から、数値その
ものの正確性について合理的保証水準の保証を行うことは現実的ではないと考えら
れる。限定的保証水準のものとして扱うのが妥当ではないか。
・ 算定結果の数値の責任については事業者が有する。
・ 検証主体は、上記保証水準の中で、算定ルールに基づき、定められた検証手順に則っ
た検証の実施について責任を有する。
・ これらの責任の所在については、将来的には申請事業者と検証を行う検証機関やプロ
グラムホルダー及びプログラムホルダーが派遣する検証員との間の契約に基づくも
のとなるだろう。
・ プログラムホルダーは、検証の手順、検証のための算定ルールなどの確立・運用につ
いて責任を有する。
3.4
検証及びカーボンフットプリントの数値精度向上に向けた取組の必要性
(1)検証員・検証機関の能力の向上【次年度検討課題】
・ 検証員・検証機関の差による検証結果の差が出ないようにすることは制度の信頼性を
保つために必要である。個品検証ガイドラインを作成したが、更なる検証員・検証機
関の能力向上のための施策が必要ではないか。
・ そのため、プログラムホルダーは、最低限必要となる力量(GHG の知見、LCA に関す
る知見)を担保するための方法(試験・研修など)を実施するとともに、検証員間の
意見交換などにより、検証時の指摘事項を統一するための措置を講じることが必要で
ある。
・ また、検証員・検証機関の力量としては、検証対象となる製品の生産工程などに関す
る相当の知識を有することが望ましいと考えられるが、初期では検証員・検証機関の
数が限定されるため、その対応には限界がある。従って、必要性については認識しつ
つ、普及期に向けた課題としてはどうか。
3
(2)算定者の教育及びコンサルタントの拡充
・ カーボンフットプリント制度では、LCA 手法の複雑さなどの専門性の高さが、初めて
カーボンフットプリントに取り組む事業者の参入障害となっている可能性が高い。
・ これを回避するための方策として、算定者の教育を行うことが、将来的に適切なカー
ボンフットプリントの算定を可能とし、ひいては検証の負担軽減に繋がることも考え
られる。
・ 具体的には、算定者の理解向上に資する教育・研修の充実や、事業者の理解向上の助
力となるコンサルティングの拡充を行う仕組みの構築・充実があげられる。
3.5
検証費用の精査【次年度検討課題】
・ 第三者検証を実施する場合の費用については、持続的なプログラムを構築する上で必
ず検討されなければならない。
・ そのため、プログラムホルダー、認定機関、検証機関、検証員などのコストを整理し、
制度運営者、検証主体及び算定する事業者にとって適切と考えられる費用について、
引き続き検討する必要がある。
3.6
表示方法の検証及び表示案の適切な使用についての検討
(1)表示方法の検証についての検討【次年度課題】
・ 算定内容については、
「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)
」や PCR に詳細
なルールが存在し、外部検証員や検証パネルにて検証が行われているところである。
・ 表示についても、指針や PCR 等に定められた内容については、外部検証や検証パネル
の段階で確認することが可能である。
・ しかしながら、マークや詳細情報における「表現ぶり」については、事業者にゆだね
られている部分があり、それが消費者に伝わりにくい表現になっている事例が散見さ
れる。
(例)仕様:リサイクル30%
→
リサイクル材を30%使っているのか、将来的
に製品のリサイクルが30%行われるという前提で算定が行われているのか不明。
・ そのため、特に追加表示を中心とした表示方法における消費者へのわかりやすさにつ
いては、当面は、検証パネルで検証し、個別事例を積み上げることとする。その上で、
表示に対する見解が一定程度定まったところで、既存の規格なども参考として、ルー
ル検討委員会等で議論し、追加表示のあり方を設定するとしてはどうか。
・ 次年度実証を行うシステム認証においては、認証時に一定の表示形式について合わせ
4
て認証し、認証された形式の表示のみ、第三者検証なしで認める手順も検討してはど
うか。
(2)許諾された表示案の適切な使用に関して【次年度検討課題】
・ サーベイランスは重要であり、市場販売品やカタログ記載の情報については、プログ
ラムホルダーが、随時抜き取り検査などにより、検証で許可された表示内容との整合
をチェックすることが必要である。
・ 事業者からの実商品提供(販売開始時、終売時など)の義務付けについての検討など、
プログラムホルダーの運用ルールとして検討してはどうか。
3.7
検証・認証の有効期限についての検討【次年度課題】
・ 検証の有効期限については、検証スキーム検討委員会で以下に示す案が考えられた。
これらも踏まえ、次年度にルール検討委員会で検討することとしてはどうか。
【案①】商品の市場寿命に合わせる(補正の必要が無ければ、販売期間中は同じ数値
でよい)
。ただし、農作物など商品寿命が実質無いものや商品寿命が非常に長い製品
については、PCR 内で有効期間を設定するなどとする。
【案②】個品別検証の算定ルールとしては原則、直近の1年間のデータを収集するこ
ととしている。これを考慮し、算定結果の有効期限も1年間程度とする。
【案③】一定の複数年(2 年ないしは 3 年)とする。
・ システム認証の有効期限については、当面は既存の ISO14001 や ISO9001 と同様に、1
年で審査、3 年で更新とし、1 年ごとの審査内容は次年度の検討課題としてはどうか。
4.その他の検証スキームの検討について
・ 考えうるその他の検証方式として、「サーベイランス方式(十分にカーボンフットプ
リント制度の内容を理解している事業者については、数製品に1回の第三者検査を行
うことで、個品の検証を軽減する)」なども考えられる。これらの方式についても、
将来的に必要に応じて検討してはどうか。
5.ISO等の国際的な議論の進捗
ISOにおける進捗も考慮しつつ、検証にかかる議論を慎重に進める必要がある。また、
ライフサイクルアセスメントやGHGマネジメント等の国際的な動向も考慮しつつ、検討
を進めることが望ましい。
5
(別紙1)次年度のカーボンフットプリント制度試行事業におけるシス
テム認証方式の運用について(案)
1.次年度試行事業におけるシステム認証方式の取扱
・次年度のシステム認証方式による CFP の算定・検証については、より多くの事業者に参
加いただき、更なるスキームの信頼性向上のための実証実験を行うこととしてはどうか。
・また、事業者の審査の負担軽減を考えた場合、ISO14001 あるいは 9001 と、本システム認
証の同時審査あるいは追加審査について、具体的な検討を踏まえつつ実証実験を継続す
ることとしてはどうか。
・本年度に協力をいただいた事業者には、継続的にシステムを運用していただき、短期間
の実証では行うことのできない外部のサーベイランスやシステムの是正、内部教育、文
書管理方法の実証などに御協力いただくこととしてはどうか。
・なお、システム認証方式の検証結果の表示については、個品別検証と同じラベルを使用
することを想定しているため、消費者の視点から検証済結果の信頼性が同等になるよう、
慎重に議論を進める必要がある。
2.具体的なシステム認証方式の運用方法について
【全般】
・基礎となるシステム要求事項案については、今般議論した「カーボンフットプリント算
定・検証・公開システム要求事項」を使用し、実証実験を行うこととする。
・上記システム構築を支援する事業を、次年度のカーボンフットプリント制度試行事業に
おいて検討してはどうか(P)
。
・全体のスケジュールとしては、夏いっぱいでシステムを構築し、秋を目処にシステム認
証の審査を実施することとしてはどうか(P)
。
・システム認証は、審査に合格した事業者が、個品別検証で行われる第三者検証(事前検
証+CFP 検証パネル)を受けずにマーク付与可能な仕組みとなる。しかしながら、この方
式の信頼性を担保する「審査員」
「内部検証員」の力量確保の方策が現時点で未定である
ことから、システム認証導入に関する最終的な判断は事業の進捗を見ながら検討しては
どうか(次年度が試行事業の最終年度であることを考えると、一定の結論は必要)
。
・また、サーベイランスの仕組みを試験的に導入することによって、システムから算定さ
れた結果が適切であることを確認する作業を行ってはどうか(サーベイランス全般につ
いては、システム認証方式だけの課題ではないとの認識に立ちつつ、まずはシステム認
証のケースを検討する必要があるか?)。
【審査方法】
・審査方法は、事業者がシステム及びプロセスを構築し、それを1回以上運用し、PDCA サ
6
イクルを回した後に実施することとする(通常の 14001 の手順と同じ)
。
・具体的な審査方法については、審査開始までに WG 等での議論を踏まえて決定する。例え
ば、システム審査員による事前審査の後、最終的な判断をするシステム認証パネル(仮
称)による審査を実施し、審査にかかるノウハウの蓄積をしてはどうか。
・審査については、当面は、同様のシステム構築(エコリーフシステム認定や ISO14001 の
審査員など)に関する資格を有するコンサルタントで、カーボンフットプリントの個品
別検証の経験を有する者あるいはこの要件を満たすチームを対象としてはどうか。
・また、審査にあたっては、システム認証を実施する認証機関にノウハウがあると考えら
れることから、認証機関の参画も積極的に募ることとする。
【表示方法の検証】
・表示方法(マーク表示及び詳細情報)に関しては、制度の信頼性を一手に担う情報媒体
である。しかしながら、現在の個品別検証パネルにおいては、詳細情報の記載内容にか
かる指摘が多いのも事実である。ところで、システム認証方式では、検証パネルのよう
な表示の第三者確認が行われず、事業者の主張そのものが表示・開示されることとなる
ため、消費者にわかりにくい内容のまま情報が表示・開示される可能性も否めない。
・そのため、試行期間中はシステム認証においても、CFP 検証パネルと同等の表示に関する
審議を踏まえる方式か、システムの認証時に表示形式についても認証し、その形式の表
示のみを認める方式、のいずれかを選択できるものとしてはどうか。
3.今後早急に準備すべき文書及び検討すべき課題
<文書類>
・以下に示すガイドラインや補助文書の作成
-
システム構築のためのガイドライン(事業者向け)
-
システム審査のためのガイドライン(審査員向け。審査のタイミングまでに)
-
その他、実施に必要な手順書及び文書
<手順等の具体化>
・審査の手順・方法の具体的な検討
-
審査の手順書やスケジュールの公開
-
サーベイランスのあり方
-
構築されたシステムの有効期間の議論(14001 等と同時であれば、1年で審査、3
年で更新)
-
システム認証の単位について(試験的に PCR 毎とする)
-
是正処置、内部監査、マネジメントレビュー等の評価
7
<各種力量について>
・審査員に要求される力量の整理
-
システム・CFP の両方の力量を持つ人材が少ないことから、審査チーム(機関)
としての力量の観点で検討すべきか
・事業者の力量差が、システム認証に基づく CFP 算定結果に及ぼす影響について
-
今回の実証実験では、過去にカーボンフットプリントの経験が比較的豊富な事
業者が対象であった。過去に経験の無いあるいは少ない事業者であっても、審査
の手順を踏まえることにより同様の結果を得られるのか
・内部検証員・内部監査員の資格付与・登録制度、継続的な力量の維持の方法が必要
ではないか(現在は、必要性のみ要求基準に記載されている)
-
内部検証員及び内部監査員への第三者機関による資格付与の必要性
-
限定された PCR 内での検証員・監査員資格とするか
-
定期的かつ継続的な力量の監視、講習会の義務付け、外部検証員・審査員との
意見交換会などによる力量維持等
-
内部検証員・内部監査員の独立性について(小規模の事業者でも担保可能な仕
組みも検討する必要がある)
<その他>
・システム認証にかかる費用や時間などを集計し、どういったメリットが事業者にある
のかをまとめる
以上
8
(別紙2)次年度に実証を検討する検証スキームのイメージ(案)
・ 本年度のカーボンフットプリント制度試行事業の検証スキームと次年度に検討を考
えている検証スキームを以下に示す。
・ 次年度には、本年度に行っている個品別検証に加え、以下に示す2つのスキームの双
方を実証してはどうか。
<本年度に試行されている検証スキーム>
・ 本年度の検証スキームは「個品別検証」のみを実施。
・ プログラムホルダー(試行事業事務局)が外部検証員を募集・登録(登録にあたって
は、過去の実績等をもとに事務局で選考を実施)
。
・ 事業者の申請を受けて、プログラムホルダーが外部検証員を事業者に派遣。
・ 外部検証員が、算定事業者に対し「事前検証」を実施。
・ 事前検証後、有識者を中心とした検証パネルにより、事前検証の検証結果を踏まえて、
事業者の算定結果について第三者検証を実施する。
現在の試行事業における検証体制
(個品別検証方式)
プログラムホルダー(試行制度事務局)
検証パネル
検証結果
検証の
申請
マーク付与
検証員
事前検証を実施
算定
支援
CFP算定事業者
コンサルタント
(CFP算定支援)
<次年度に実証を検討する検証スキーム(案)①:検証方式の追加(システム認証
方式)>
「システム認証方式」の審査・認証を広く実施し、システム認証方式の審査方法や信
頼性の担保について検討する。
・ プログラムホルダー(試行事業事務局)が外部審査員を募集・登録(個人?機関?)
。
9
・ (P)事業者は支援事業の応募から選定される。
・ 事業者は、自社内にシステムを構築し、PDCA サイクルを最低 1 度回し、認証申請す
る。
・ 認証を申請した事業者に対し、外部審査員あるいは認証機関による事前システム認証
審査を実施。
・ システム認証パネル(仮称)を設置し、事前審査結果を第三者認証
・ システムを認証された事業者は CFP の算定結果について、内部検証した結果をプログ
ラムホルダーへ登録し、マークの付与を受ける(個品別の検証を受けるかどうかは、
実証実験実施の中で判断
次年度の追加検証体制案①
(システム認証方式)
プログラムホルダー(試行制度事務局)
システム審査パネル
審査結果
認証の
申請
CFP
算定製品 マーク付与
の登録
システム審査員
(外部審査員・認証機関)
事前審査を実施
算定
支援
CFP算定事業者
<システム認証後は内部検証で結果を提出>
コンサルタント
(システム構築支援)
<次年度に実証を検討する検証スキーム(案)②:検証主体の検討(検証機関によ
る検証方式)>
今後、CFP 制度の広範な普及に資する検証スキームとして、現状のプログラムホルダ
ーからの検証員派遣ではなく、検証機関による検証を検討してはどうか。この実証を通
じて、検証機関による検証方法の確立を検討する。
・ 検証員ではなく、検証機関が CFP 算定事業者に赴き、
「個品別検証」を実施する。
(事
業者による検証の申請方法は要検討)
・ 検証機関が実施した「個品別検証」の結果については、最初の数件については、第三
者の「検証パネル」を通すものとし、最終的には、検証機関内部の検証スキームに則
って実施いただく。
・ 可能性としては、検証機関単独によるシステム認証方式の実施も考えられるが、次年
10
度については、システム認証パネルにおける一括審議を経ることによって、ノウハウ
等の蓄積を図ることとしたい。
・ 下図については、断定的に表現しているが、現時点で十分な検討が行われていないこ
とから、参加検証機関との議論により適宜調整・修正をしていくものとする。
次年度の追加検証体制案②
検証機関による検証(個品別検証)
プログラムホルダー(試行制度事務局)
検証パネル
検証パネルによる検証を行
わない形式への移行も検討
検証結果
検証の
申請
マーク付与
検証機関
検証を実施
算定
支援
CFP算定事業者
11
コンサルタント
(CFP算定支援)
附属書K
PCR原案策定計画登録の一覧
(平成22年度登録分)
PCR原案策定計画登録の一覧
No.
1
PCR 計画
登録番号
PPR-082
製品の種類の
名称
飲料用紙パック
2
PPR-083
エネルギー使用型
製品(広範囲PC
R)
3
PPR-084
エネルギー非使用
型製品(広範囲PC
R)
4
PPR-085
家庭用洗濯用洗剤
製品の詳細情報
登録日
PCR 原案
完成予定時期
・飲料用紙パックとは、カートン工場で製造したカートンに飲料工
場で一定量の飲料を充填・密封した状態のものをいう。
・飲料用紙パックに関わる原紙の調達を受けて、カートンの製
造、飲料の充填・密封、及び飲料用紙パックの廃棄・リサイクル
までを範囲とする。
2010 年
8 月 27 日
調整中
2010 年
8月5日
・本 PCR は、ルール検討委員会にて検討され、実証実験を行う
こととなった広範囲 PCR の1つ。
・平成22年度試行事業における実証実験として作成するもので
あり、事務局による公募により採択された案件のみが本 PCR に
基づく CFP の検証を行うことができる。
・「エネルギー使用型製品」とは、製品の機能を発揮する際に、エ
ネルギーの投入が必要となり、その製品においてエネルギー変
換が行われる最終消費財をいう。例として、自動車、家電製品な
どが挙げられる。
・「本体(容器包装を除く)」、「付属品(容器包装を含む)」、「副資
材」および「(使用・維持管理段階で必要となる場合の)消耗品や
交換部品類」を対象とする構成要素とする。
・本 PCR は、ルール検討委員会にて検討され、実証実験を行う
こととなった広範囲 PCR の1つ。
・平成22年度試行事業における実証実験として作成するもので
あり、事務局による公募により採択された案件のみが本 PCR に
基づく CFP の検証を行うことができる。
・「エネルギー非使用型製品」とは、製品の機能を発揮する際
に、エネルギーの投入が不要なもの、もしくはエネルギーの投入
が必要で、かつ、その製品においてエネルギー変換が行われな
い最終消費財をいう。例として、食品、日用品、文化用品などが
挙げられる。
・「本体(容器包装を除く)」、「付属品(容器包装を含む)」、「副資
材」および「(使用・維持管理段階で必要となる場合の)消耗品や
交換部品類」を対象とする構成要素とする。
家庭用の洗濯用洗剤または洗濯用石鹸であり、粉末状、液状、
固形等あらゆる剤型ものを含む
申請代表者
計画実施事業者等
全国牛乳容器環境協議会
・全国牛乳容器環境協議会
・日本乳業協会
2010 年 9 月
PCR 認定済
(PA-BQ-01)
CFP 制度試行事業事務局
(みずほ情報総研株式会社)
・CFP 制度試行事業事務局
(みずほ情報総研株式会社)
2010 年
8月5日
2010 年 9 月
PCR 認定済
(PA-BR-01)
CFP 制度試行事業事務局
(みずほ情報総研株式会社)
・CFP 制度試行事業事務局
(みずほ情報総研株式会社)
2010 年
8 月 13 日
ISO との国際的
動向ないし整合
性を見極め、認
定申請を予定
日本石鹸洗剤工業会
・日本石鹸洗剤工業組合
5
6
7
8
PPR-086
PPR-087
PPR-088
PPR-089
カーテンレール
カーテンレールとは、カーテンを吊り、開け閉めするためのレー
ルのことをいう。
2010 年
8 月 20 日
2010 年 12 月
PCR 認定済
(PA-BT-01)
トーソー株式会社
・トーソー株式会社
社団法人 日本印刷産業連合
会
・株式会社久栄社((社)日本印
刷産業連合会)
・共同印刷株式会社((社)日本
印刷産業連合会)
・株式会社トーク
・大日本印刷株式会社((社)日
本印刷産業連合会)
・図書印刷株式会社((社)日本
印刷産業連合会)
・凸版印刷株式会社((社)日本
印刷産業連合会)
宣伝用および業務
用印刷物
日本標準商品分類(総務省、平成 2 年[1990 年]6 月改定) で規定
する「宣伝用印刷物(9231)」および「業務用印刷物(9232)」を対
象として策定する。ただし、宣伝用印刷物のうち、「POP(92314)」
および「包装紙及びショッピングバッグ(92317)」は含まない。
2010 年
8 月 27 日
2010 年 10 月
PCR 認定済
(PA-BS-01)
豚肉(部分肉)
本 PCR の対象は、日本標準商品分類「70121 豚肉」を対象とし、
日本標準産業分類「0911 部分肉・冷凍肉製造業」に分類される
事業者が生産した部分肉、冷凍肉を対象とする。ただし、ソーセ
ージ、ハム、ベーコン等の肉加工品は含まない。
2010 年
9 月 15 日
PCR 認定
申請中
住商フーズ株式会社
・住商フーズ株式会社
精製糖
精製糖(グラニュ糖、上白糖、液糖、三温糖、白双糖、中双糖、
氷砂糖、角砂糖)
・グラニュ糖:結晶が光沢の白色を有し、大きさが 0.2~0.7mm 程
度で、糖度が 99.9 以上、還元糖や灰分が非常に少ない純度の
高い砂糖。
・上白糖:白色の細かい結晶でしっとりした手触りで、水分と還元
糖がグラニュ糖と比べ多めの砂糖
・液糖:グラニュ糖を溶解して得た(あるいは精製工程で結晶缶
に入れる前のファイリンカーをさらに精製して得た)蔗糖型液糖
・三温糖:上白糖に似た手触りを持つ黄褐色の砂糖
・白双糖:結晶の大きさが 1mm~3mm の無職透明に近い砂糖。
グラニュ糖と同等以上の品質
・中双糖:結晶の大きさは白双糖とほぼ同程度で色調はやや濃
い黄褐色。品質はグラニュ糖や白双糖に比べ、やや純度が低
い。
・氷砂糖:大きな結晶状であるクリスタル氷糖と不整形で割れた
岩石状のロック氷糖の2種類がある。
・角砂糖:精製糖を原料とし、これに液糖を加え混合して加工す
る。
2010 年
11 月 12 日
2011 年度
精糖工業会
・精糖工業会
9
10
PPR-090
アプリケーション・
サービス・コンテン
ツ・プロバイダにお
けるサービスの一
種であるアプリケー
ションサービス
・アプリケーションソフトウェアを稼動させ、ネットワークを介し、企
業・個人等が必要に応じてその機能を利用する権利を供するも
のである。従来のアプリケーションパッケージライセンス販売形
態とは相違しサービス提供形態である。
・サービスを構成する主たる要素は以下の通りである。
-サーバ・ストレージ・ネットワーク等所謂 ICT 基盤
注)PA-AX-01 ポータルサイト・サーバ運営業に おけるサービ
スの一種である ICTホスティングサービスのPCR準拠
2010 年
12 月 1 日
2011 年度
日本ユニシス株式会社
・株式会社日立製作所
・日本ユニシス株式会社
PPR-091
冷凍・冷蔵ピザ、チ
ルドスナック
・小売店にて冷蔵・冷凍で販売されるピザ、及び冷蔵で販売され
るナン、ベーグルなど(上記製品パッケージに内包するソース類・
香辛料等を含む)。
・配達飲食サービス業にて提供されるピザは除く
2010 年
12 月 1 日
2011 年度
日本ハム株式会社
・日本ハム株式会社
2010 年
12 月 9 日
2011 年 3 月
PCR 認定済
(PA-BW-01)
久保興業株式会社
・久保興業株式会社
11
PPR-092
きのこ類
日本標準産業分類(平成 19 年 11 月改正)における中分類:野菜
作農業(0113)の内‘栽培されたきのこ類’に位置付けられ、日本
標準商品分類(平成 2 年[1990 年]6 月改定)における 6976 きのこ
類及び 7213 きのこ類加工品に区分されるきのこ製品を対象とす
る。
12
PPR-093
鶏肉
日本標準商品分類「70171 鶏肉」および「73134 鳥肉冷凍食品」
を対象とする。
2010 年
12 月 15 日
2011 年度
株式会社ニチレイ
・株式会社ニチレイフレッシュ
・株式会社ニチレイ
13
PPR-094
魚介類(養殖生産
物を除く
海上で漁獲される魚介類を対象とする。
2010 年
12 月 15 日
2011 年度
株式会社ニチレイ
・株式会社ニチレイフレッシュ
・株式会社ニチレイ
全国酪農業協同組合連合会
・明治乳業株式会社
・森永乳業株式会社
・社団法人日本乳業協会
・独立行政法人家畜改良センタ
ー岩手牧場
・浜中町農業協同組合
有楽製菓株式会社
・有楽製菓株式会社
14
PPR-095
生乳(中間財)
・本 PCR の対象とする「生乳」は、食品衛生法の「乳及び乳製品
の成分規格等に関する省令(昭和二六年一二月二七日厚生省
令第五二号)」に定める生乳とする。
・第二条 2 この省令において「生乳」とは、搾取したままの牛の乳
をいう。
15
PPR-096
チョコレート
日本標準商品分類において[72712 チョコレート類]に分類され
るもの。
2010 年
12 月 27 日
2011 年 3 月
PCR 認定済
(PA-BY-01)
2011 年
1月5日
2011 年度
16
17
PPR-097
PPR-098
木製製品
木材・木質材料を主原材料とした製品。
【製品例】
フローリング(日本標準商品分類 126 のフローリング[木質系])、
木製包装(ソーメン箱、酒箱、果物箱、うに箱、贈答品箱等)、木
製インテリア雑貨(ごみ箱、ティッシュケース、時計、収納ラック等)
2011 年
1 月 13 日
PCR 認定
申請中
株式会社ヤマト工芸
・日本複合床板工業会
・フローリング工業会
・日本防音床材工業会
・全国天然木化粧合単板工業
協同組合連合会
・山口製凾株式会社
・株式会社ジェイ・テック
・株式会社ヤマト工芸
フィルタ
対象となる物(気体、液体)から特定の成分(粉塵や不純物など)
を取り除く機能を持つ製品全般を含む。ただし、現時点ではろ材
を用いて空気中に浮遊する粉塵を除去する「エアフィルタ」を念
頭に PCR を作成する。
関連規格:JIS B9908「換気用エアフィルタユニット」
2011 年
2 月 16 日
2011 年度
ニッタ株式会社
・ニッタ株式会社
附属書L
認定PCRの一覧(平成22年度認定分)
認定済みPCRの一覧
1
認定PCR番
号
PA-BQ-01
2
PA-BR-01
3
4
5
6
7
PA-AD-02
PA-AF-03
PA-AI-03
PA-AK-02
PA-AO-03
8
PA-AQ-02
9
10
11
12
13
14
15
16
PA-AW-02
PA-AZ-02
PA-BA-02
PA-BB-02
PA-BC-02
PA-BD-02
PA-BE-02
PA-BH-02
17
PA-BI-02
18
PA-BK-02
19
PA-BM-02
20
21
22
PA-AR-02
PA-AS-02
PA-BL-02
23
PA-BO-02
24
25
PA-BF-02
PA-BJ-02
26
PA-AX-02
27
28
29
30
31
32
PA-BS-01
PA-AB-02
PA-AC-02
PA-AF-04
PA-AM-02
PA-AA-02
33
PA-BG-02
No.
PCR名称
広範囲PCR(エネルギー使用型製品)
広範囲PCR(エネルギー非使用型製
品)
【改訂版】出版・商業印刷物(中間財)
平版印刷用PS版【第3版】
【改訂版】ハム・ソーセージ類
【改訂版】オフィス家具
【改訂版】ユニフォーム
【改訂版】食器(陶磁器製品および合成
樹脂製品)
【改訂版】花き
【改訂版】日学用・事務用紙製品
【改訂版】消火器
【改訂版】紙製容器包装
【改訂版】プラスチック製容器包装
【改訂版】金属製容器包装
【改訂版】ガラス製容器(中間財)
【改訂版】即席めん
【改訂版】電子黒板を用いた遠隔会議シ
ステム
【改訂版】リユースバッテリー(産業用鉛
蓄電池)
【改訂版】廃棄物焼却処理・埋立処分
(中間財)
【改訂版】ファイル・バインダー
【改訂版】筆記具類
【改訂版】タオル製品
【改訂版】文具・事務用品(紙製品、ファ
イル・バインダー、筆記具類、オフィス家
具
を除く)
【改訂版】野菜および果実
【改訂版】バナナ(生食用)
【改訂版】ポータルサイト・サーバ運営業
におけるサービスの一種であるICTホス
ティング
サービス
宣伝用および業務用印刷物
【改訂版】菜種油
【改訂版】衣料用粉末洗剤
平版印刷用PS版【第4版】
【改訂版】インスタントコーヒー
【改訂版】うるち米(ジャポニカ米)
【改訂版】荷役・運搬用プラスチック製平
パレット
- 1 -
公表日
備考
2010 年 9 月 6 日
新規
2010 年 9 月 6 日
新規
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
一括改訂
一括改訂
一括改訂
一括改訂
一括改訂
2010 年 9 月 8 日
一括改訂
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
2010 年 9 月 8 日
一括改訂
一括改訂
一括改訂
一括改訂
一括改訂
一括改訂
一括改訂
一括改訂
2010 年 9 月 8 日
一括改訂
2010 年 9 月 8 日
一括改訂
2010 年 9 月 8 日
一括改訂
2010 年 9 月 17 日
2010 年 9 月 17 日
2010 年 9 月 17 日
一括改訂
一括改訂
一括改訂
2010 年 9 月 17 日
一括改訂
2010 年 9 月 17 日
2010 年 9 月 17 日
一括改訂
一括改訂
2010 年 10 月 1 日
一括改訂
2010 年 10 月 7 日
2010 年 10 月 26 日
2010 年 10 月 26 日
2010 年 11 月 10 日
2010 年 12 月 3 日
2010 年 12 月 3 日
新規
一括改訂
一括改訂
改正
一括改訂
一括改訂
2010 年 12 月 3 日
一括改訂
No.
認定PCR番
号
34
PA-AN-02
35
36
PA-BT-01
PA-AV-02
37
PA-AL-02
38
PA-BU-01
39
PA-BV-01
40
PA-AT-02
一般照明用ランプ【第2版】
2011 年 2 月 3 日
41
42
43
44
45
46
PA-BF-03
PA-BJ-03
PA-BW-01
PA-BX-01
PA-BY-01
PA-AZ-03
野菜および果実【第3版】
バナナ(生食用)【第3版】
きのこ類
清涼飲料
生乳(中間財)
日学用・事務用紙製品【第3版】
2011 年 2 月 4 日
2011 年 2 月 4 日
2011 年 2 月 4 日
2011 年 2 月 17 日
2011 年 3 月 28 日
2011 年 3 月 28 日
一括改訂
・改正
改正
改正
新規
新規
新規
改正
47
PA-AX-03
ポータルサイト・サーバ運営業における
サービスの一種であるICTホスティング
2011 年 3 月 28 日
改正
48
49
50
51
52
53
54
PA-BZ-01
PA-CA-01
PA-CB-01
PA-BL-03
PA-CC-01
PA-CD-01
PA-CE-01
サービス【第3版】
ゴムチップ製品
印刷インキ(中間財)
木材・プラスチック複合材
タオル製品【第3版】
木材・木質材料
木製製品
経営管理・組織基盤支援システム
2011 年 3 月 28 日
2011 年 3 月 28 日
2011 年 3 月 28 日
2011 年 3 月 28 日
2011 年 3 月 30 日
2011 年 3 月 30 日
2011 年 3 月 31 日
新規
新規
新規
改正
新規
新規
新規
PCR名称
【改訂版】食品廃棄物を原料とした有機
質の液体肥料
カーテンレール
【改訂版】汎用鋼管杭
【改訂版】チョコレート(ウェハース入りチ
ョコレート)
飼料用アミノ酸(中間財)
ビール類(ビール、発泡酒、その他の醸
造酒(発泡性)①、リキュール(発泡性)
①)
公表日
備考
2010 年 12 月 3 日
一括改訂
2010 年 12 月 3 日
2011 年 2 月 3 日
新規
一括改訂
2011 年 2 月 3 日
一括改訂
2011 年 2 月 3 日
新規
2011 年 2 月 3 日
新規
以上
- 2 -
附属書M
CFPマーク使用許諾製品の一覧
(平成22年度検証分)
CFPマーク使用許諾製品の一覧 (平成22年度検証分)
No.
検証番号
製品名
1
2
CV-AI03-001
CV-AI03-002
3
CV-AI03-003
4
5
CV-AI03-004
CV-AI03-005
6
CV-AI03-006
7
CV-AI03-007
8
CV-AI03-008
9
CV-AS02-001
10
CV-AQ02-001
11
CV-AQ02-002
12
CV-AQ02-003
13
CV-AQ02-004
14
CV-AQ02-005
15
CV-AQ02-006
16
CV-AQ02-007
17
CV-AQ02-008
18
CV-BS01-001
19
CV-BS01-002
20
CV-AD02-001
21
CV-AD02-002
22
CV-BS01-003
23
CV-BS01-004
24
CV-BI02-001
25
CV-AD02-003
26
CV-BS01-005
27
28
29
30
31
32
33
34
CV-AO03-001
CV-AO03-002
CV-AO03-003
CV-AO03-004
CV-AO03-005
CV-AO03-006
CV-AO03-007
CV-AO03-008
上級森の薫り ロースハム
上級森の薫り ロースハム 39g
上級森の薫り ロースハム(内容
量 39g × 3パック)
上級森の薫り ロースハム 60g
上級森の薫り ももハム 53g
上級森の薫り あらびきウイン
ナー(内容量 92g)
上級森の薫り あらびきウイン
ナー(内容量 92g ×2パック)
上級森の薫り あらびきウイン
ナー(内容量 184g)
油性マーカー「乾きまペン」
パワーセラハイセレクション YBH
-706(イングレーズ)
パワーセラハイセレクション YBH
-706(下絵)
パワーセラハイセレクション YBH
-733(イングレーズ)
パワーセラハイセレクション YBH
-733(下絵)
パワーセラハイセレクション YSH
-364(イングレーズ)
パワーセラハイセレクション YSH
-364(下絵)
パワーセラハイセレクション YSH
-7015(イングレーズ)
パワーセラハイセレクション YSH
-7015(下絵)
DNPパンフレット(エコプロダクツ
2010配布用)
DNPリーフレット(エコプロダクツ
2010配布用)
エコプロダクツ2010 折り込みチラ
シ(B3二つ折り)(中間財)
エコプロダクツ2010 エコプロの歩
き方(タブロイド判)(中間財)
エコプロダクツ2010 折り込みチラ
シ(B3二つ折り)
エコプロダクツ2010 エコプロの歩
き方(タブロイド判)
電子黒板「StarBoard」
環境ビジネスエコプロダクツ2010
特別号(中間財)
環境ビジネスエコプロダクツ2010
特別号
女子事務服 ジャケット
女子事務服 スカート
女子事務服 ベスト
女子事務服 パンツ
男子作業服 ブルゾン
男子作業服 パンツ
女子長袖ブラウス AR1447
女子半袖ブラウス AR1647
35
CV-AQ02-009 食器(メラミン樹脂製) MB-2130
日本ハム株式会社
日本ハム株式会社
準拠する認定
PCR番号
PA-AI-03
PA-AI-03
日本ハム株式会社
PA-AI-03
日本ハム株式会社
日本ハム株式会社
PA-AI-03
PA-AI-03
日本ハム株式会社
PA-AI-03
日本ハム株式会社
PA-AI-03
日本ハム株式会社
PA-AI-03
シヤチハタ株式会社
PA-AS-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
三信化工株式会社
PA-AQ-02
大日本印刷株式会社
PA-BS-01
大日本印刷株式会社
PA-BS-01
新日本印刷株式会社
PA-AD-02
新日本印刷株式会社
PA-AD-02
株式会社日経ピーアール
PA-BS-01
株式会社日経ピーアール
PA-BS-01
株式会社日立ソリューションズ
PA-BI-02
カワセ印刷株式会社
PA-AD-02
株式会社日本ビジネス出版
PA-BS-01
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
三信化工株式会社
PA-AQ-02
事業社名
1 / 6 ページ
No.
検証番号
製品名
事業社名
36
CV-AR02-001
37
CV-BS01-006 自社宣伝用カレンダー A2,7枚綴り 株式会社新藤
38
CV-BC02-019
39
CV-BC02-020
40
CV-BC02-021
41
CV-AD02-004
42
CV-BS01-007
43
CV-BF02-001
44
CV-BF02-002
45
CV-BR01-001 ステーキソース大根おろし 210g
46
47
48
49
CV-BR01-002
CV-BR01-003
CV-BR01-004
CV-BR01-005
50
CV-BS01-008
51
CV-AO03-009
52
CV-AO03-010
53
54
55
56
CV-AO03-011
CV-AO03-012
CV-AO03-013
CV-AO03-014
57
CV-AD02-005
58
CV-BS01-009
59
CV-AQ02-010
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
CV-AO03-015
CV-AO03-016
CV-AO03-017
CV-AO03-018
CV-AO03-019
CV-AO03-020
CV-AO03-021
CV-AO03-022
CV-AO03-023
CV-AO03-024
CV-AO03-025
CV-AO03-026
CV-AO03-027
CV-AO03-028
CV-AO03-029
CV-AO03-030
CV-AO03-031
CV-AW02-001
エコプロダクツ2010用 ポリプロピ
レン(PP)製 ホルダー
東京都東村山市 家庭用指定収集
袋(燃やせるごみ)
東京都東村山市 家庭用指定収集
袋(燃やせないごみ)
ごみ袋 農ポリリサイクル製品 「農
強ダストパック」
カーボンフットプリント日本フォーラ
ムパンフレット(中間財)
カーボンフットプリント日本フォーラ
ムパンフレット
清水印刷紙工株式会社
準拠する認定
PCR番号
PA-AR-02
PA-BS-01
日本フィルム株式会社
PA-BC-02
日本フィルム株式会社
PA-BC-02
株式会社岩井化成
PA-BC-02
株式会社サンエー印刷
PA-AD-02
カーボンフットプリント日本フォーラム
PA-BS-01
みやざきブランド推進本部(宮崎県、
宮崎県産 トップバリュグリーンア
JA宮崎経済連)、イオントップバリュ
イ ピーマン
株式会社、JAはまゆう
宮崎県産 促成グリーンピーマン みやざきブランド推進本部(宮崎県、
(特別栽培)
JA宮崎経済連)、JAはまゆう
日本食研ホールディングス株式会社
ポリッピー しお味
株式会社でん六
BOXあずきバー
井村屋株式会社
ワンタン しょうゆ味
東洋水産株式会社
バタークッキー ≪バター5%≫
株式会社ブルボン
ミュージックジャケットギャラリー常
株式会社金羊社
設展チラシ
女子事務服 スカート AR3818
株式会社チクマ
女子事務服 2つ釦ジャケット
株式会社チクマ
AR4818
男子 ジャケット TE2040
株式会社チクマ
女子事務服 スカート TE3042
株式会社チクマ
女子 ジャケット TE4040
株式会社チクマ
男子 スラックス TE5042
株式会社チクマ
水なし印刷の提案 パンフレット(中
株式会社久栄社
間財)
水なし印刷の提案 パンフレット
一般社団法人日本WPA
キッズメイト(R) リサイクルPETト
朝日化工株式会社
レー RPTA-3527
男子ジャケット TE2140
株式会社チクマ
男子スラックス TE5040
株式会社チクマ
男子スラックス TE5041
株式会社チクマ
女子ジャケット TE4140
株式会社チクマ
女子ベスト TE8040
株式会社チクマ
女子スカート TE3040
株式会社チクマ
女子スカート TE3041
株式会社チクマ
男子ジャケット TE2013
株式会社チクマ
男子ベスト TE9013
株式会社チクマ
男子スラックス TE5813
株式会社チクマ
女子ジャケット TE4013
株式会社チクマ
女子ベスト TE8013
株式会社チクマ
女子パンツ TE3973
株式会社チクマ
男子ジャケット U6205
株式会社チクマ
男子スラックス U6400
株式会社チクマ
男子ジャケット U6805
株式会社チクマ
男子スラックス U6800
株式会社チクマ
荘花園のバラ
荘花園
2 / 6 ページ
PA-BF-02
PA-BF-02
PA-BR-01
PA-BR-01
PA-BR-01
PA-BR-01
PA-BR-01
PA-BS-01
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AD-02
PA-BS-01
PA-AQ-02
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AW-02
No.
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
108
検証番号
製品名
事業社名
CV-AW02-002 安彦園芸のバラ
CV-AW02-003 梶農園のバラ
CV-AW02-004 花プランのバラ
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-005
スターチス
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-006
カスミソウ
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-007
カーネーション
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-008
スイートピー
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-009
小菊
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-010
キンギョソウ
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-011
ストック
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-012
アスター
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-013
デルフィニウム
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-014
スガビオーサ
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-015
ヒマワリ
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-016
セネシオ
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-017
チョコレートコスモス
JAみなべいなみMPS研究会の花
CV-AW02-018
ダリア
CV-AK02-001 CZデスク CZN-127HA-W7W7
CV-AK02-002 CZデスク CZN-127HA-W9W9
CV-AK02-003 エピオスチェア
CV-BC02-022 GPEミクロンロール 12C
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
CV-AQ02-011
器食器 13.2cm水切りボール
ユニフォーム(看護師用白衣 ジャ
CV-AO03-032
ケット)
ユニフォーム(看護師用白衣 ワン
CV-AO03-033
ピース)
ユニフォーム(看護師用白衣 パン
CV-AO03-034
ツ)
CV-AQ02-012 NP55 34㎝PPトレー
CV-AQ02-013 J13 13㎝ボール
CV-AA02-001 はなふじ米(JAレーク大津)
CV-AA02-002 環境こだわり米(JAレーク大津)
CV-AI03-012 トップバリュ 生ハム 100g
トップバリュインスタントコーヒー
CV-AM02-001
スプレードライ 200g
109
CV-BF03-001
110
CV-BF03-002
111
112
113
114
CV-AQ02-014
CV-AQ02-015
CV-AQ02-016
CV-AQ02-017
有限会社安彦園芸
梶農園
有限会社花プラン
準拠する認定
PCR番号
PA-AW-02
PA-AW-02
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
みなべいなみ農業協同組合
PA-AW-02
株式会社イトーキ
株式会社イトーキ
株式会社イトーキ
大倉工業株式会社
PA-AK-02
PA-AK-02
PA-AK-02
PA-BC-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
オンワード商事株式会社
PA-AO-03
オンワード商事株式会社
PA-AO-03
オンワード商事株式会社
PA-AO-03
国際化工株式会社
国際化工株式会社
レーク大津農業協同組合
レーク大津農業協同組合
イオン株式会社
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AA-02
PA-AA-02
PA-AI-03
イオントップバリュ株式会社
PA-AM-02
みやざきブランド推進本部(宮崎県、
宮崎県産 トップバリュグリーンア
JA宮崎経済連)、イオントップバリュ
イ ピーマン
株式会社、JAはまゆう
宮崎県産 促成グリーンピーマン みやざきブランド推進本部(宮崎県、
(特別栽培)
JA宮崎経済連)、JAはまゆう
A18 うどん丼
国際化工株式会社
J10 15㎝ボール
国際化工株式会社
J11 14㎝ボール
国際化工株式会社
J12 12㎝ボール
国際化工株式会社
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PA-BF-03
PA-BF-03
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
No.
検証番号
製品名
事業社名
準拠する認定
PCR番号
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-BA-02
115
116
117
CV-AQ02-018 J18 17㎝深皿
CV-AQ02-019 J28 19㎝深皿
CV-BA02-001 蓄圧式粉末消火器
国際化工株式会社
国際化工株式会社
株式会社初田製作所
118
CV-BC02-028 ハイコーンマルチパック(中間財)
ITWハイコーン・ジャパン株式会社
PA-BC-02
119
120
121
122
123
124
125
CV-AQ02-020
CV-AQ02-021
CV-AQ02-022
CV-AQ02-023
CV-AQ02-024
CV-AQ02-025
CV-AQ02-026
国際化工株式会社
国際化工株式会社
国際化工株式会社
国際化工株式会社
国際化工株式会社
国際化工株式会社
国際化工株式会社
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
126
CV-AT02-001
イオン株式会社
PA-AT-02
127
CV-AT02-002
イオン株式会社
PA-AT-02
128
CV-AA02-003
129
CV-AA02-004
130
CV-AA02-005
131
132
133
134
CV-BW01-001
CV-BW01-002
CV-BW01-003
CV-BS01-010
135
「紙製容器包装(中間財)」PCR・
「プラスチック製容器包装」PCR
CV-AD02-006
株式会社久栄社
事業者のためのGHG排出量算定
ガイドライン(中間財)
136
CV-BS01-011
137
CV-AD02-007
138
CV-BS01-012
139
CV-AD02-008
140
CV-AD02-009
141
CV-BS01-013
142
CV-BS01-014
143
144
CV-BT01-001
CV-AI03-013
145
CV-AA02-006
146
CV-BR01-009
147
CV-AQ02-027
148
CV-AQ02-028
149
CV-AQ02-029
J17 18cm平皿
J19 11cm深皿
J21 二ツ仕切皿
J23 角二ツ仕切皿
J27 16cm平皿
J29 12cm浅小鉢
J39 14.5cm深皿
トップバリュ共環宣言LED電球 昼
白色
トップバリュ共環宣言LED電球 電
球色
ふるさと米ひとめぼれ2kg(みやぎ
生協)
ふるさと米ひとめぼれ5kg(みやぎ
生協)
ふるさと米ひとめぼれ10kg(みや
ぎ生協)
菌床しいたけ100gトレイ
菌床しいたけ200g袋詰め
菌床しいたけ240gトレイ
エコ印刷ご案内パンフレット
みやぎ生活協同組合 株式会社
パールライス宮城
みやぎ生活協同組合 株式会社
パールライス宮城
みやぎ生活協同組合 株式会社
パールライス宮城
久保興業株式会社
久保興業株式会社
久保興業株式会社
新日本印刷株式会社
「紙製容器包装(中間財)」PCR・
「プラスチック製容器包装」PCR
社団法人日本印刷産業連合会
事業者のためのGHG排出量算定
ガイドライン
PR誌 GREENSTYLE VOL.22 (中
新日本印刷株式会社
間財)
PR誌 GREENSTYLE VOL.22 (最 株式会社ソニー・ミュージックコミュニ
終財)
ケーションズ
大日本スクリーン製造 製品カタロ
株式会社写真化学
グ(A4 各機種) (中間財)
大日本スクリーン製造 製品カタロ
株式会社写真化学
グ(A3二つ折り 各機種) (中間
大日本スクリーン製造 製品カタロ
大日本スクリーン製造株式会社
グ(A4 各機種)
大日本スクリーン製造 製品カタロ
大日本スクリーン製造株式会社
グ(A3二つ折り 各機種)
カーテンレール E202
トーソー株式会社
森の薫り 新あらびきウインナー 日本ハム株式会社
滋賀県産 コシヒカリ(JA北びわこ JA北びわこ、立命館大学、イオントッ
特別栽培米)
プバリュ(株)、(株)神明、大和産業
マドレーヌ
株式会社菓匠三全
食器パワーセラハイセレクション
三信化工株式会社
YBH-771 (リサイクル材使用)
食器パワーセラハイセレクション
三信化工株式会社
YBH-771 (イングレーズ)
食器パワーセラハイセレクション
三信化工株式会社
YBH-771 (下絵)
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PA-BW-01
PA-BW-01
PA-BW-01
PA-BS-01
PA-AD-02
PA-BS-01
PA-AD-02
PA-BS-01
PA-AD-02
PA-AD-02
PA-BS-01
PA-BS-01
PA-BT-01
PA-AI-03
PA-AA-02
PA-BR-01
PA-AQ-02
PA-AQ-02
PA-AQ-02
No.
検証番号
150
CV-AQ02-030
151
CV-AQ02-031
152
CV-AQ02-032
153
CV-AQ02-033
154
CV-AQ02-034
155
CV-BK02-001
156
CV-BK02-002
157
CV-BK02-003
158
CV-BK02-004
159
CV-AQ02-035
160
CV-AQ02-036
161
CV-AQ02-037
162
CV-AQ02-038
163
CV-AQ02-039
164
CV-AQ02-040
165
CV-AQ02-041
166
CV-AQ02-042
167
CV-AQ02-043
168
CV-BR01-006
169
CV-BR01-007
170
171
172
CV-BR01-008
CV-AX02-001
CV-AO03-035
173
CV-AO03-036
174
CV-AO03-037
175
CV-AO03-038
176
177
CV-AO03-039
CV-AO03-040
178
CV-AO03-041
179
CV-AO03-042
180
CV-AO03-043
181
CV-AO03-044
182
CV-AO03-045
製品名
事業社名
キッズメイト(R) リサイクルPETト
レー RPT-3324
キッズメイト(R) リサイクルPETト
レー RPT-3333
キッズメイト(R) リサイクルPETト
レー RPT-3627
キッズメイト(R) リサイクルPETト
レー RPT-3829
キッズメイト(R) リサイクルPETト
レー RPT-4130
リユースバッテリー eco battery
MSE-100-6
リユースバッテリー eco battery
MSE-200
リユースバッテリー eco battery
MSE-300
リユースバッテリー eco battery
MSE-500
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 13.4cm深皿
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 9cm深菜皿
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 13.2cm深菜皿
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 16cm深菜皿
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 18cm深菜皿
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 16cm深皿
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 18cm深皿
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 13.5cm水切りボール
キッズメイト(R) リサイクル強化磁
器食器 14.2cm水切りボール
豚肉がおいしい生姜焼のたれ
210g
晩餐館焼肉のたれ焙煎にんにく
210g
から揚げ作り
ICTホスティングサービス
女子事務服ジャケット AR4817
女子事務服ぺプラムベスト
AR2817
女子事務服マーメイドスカート
AR3817
女子事務服ライトジャケット
AR1617
女子事務服ベスト AR2818
女子事務服パンツ AR5818
女子事務服一つ釦ジャケット
AR4434-1
女子事務服ぺプラムベスト
AR2433-1
女子事務服八枚接ぎスカート
AR3433-1
女子事務服タイトスカート
AR3434-1
女子事務服パンツ AR5433-1
準拠する認定
PCR番号
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
シンワエンジニアリング株式会社
PA-BK-02
シンワエンジニアリング株式会社
PA-BK-02
シンワエンジニアリング株式会社
PA-BK-02
シンワエンジニアリング株式会社
PA-BK-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
朝日化工株式会社
PA-AQ-02
日本食研ホールディングス株式会社
PA-BR-01
日本食研ホールディングス株式会社
PA-BR-01
日本食研ホールディングス株式会社
日本ユニシス株式会社
株式会社チクマ
PA-BR-01
PA-AX-02
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
株式会社チクマ
株式会社チクマ
PA-AO-03
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
株式会社チクマ
PA-AO-03
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No.
検証番号
製品名
事業社名
183
184
185
186
187
CV-AO03-046
CV-AO03-047
CV-AO03-048
CV-AO03-049
CV-AO03-050
188
CV-BJ03-001
189
190
191
192
193
194
195
196
CV-BA02-002
CV-BA02-003
CV-BA02-004
CV-BA02-005
CV-BA02-006
CV-BA02-007
CV-BA02-008
CV-BA02-009
女子長袖ブラウス AR1440
女子半袖ブラウス AR1640
女子七分袖ブラウス AR1547
男子ベスト U9805
男子スラックス U6200
フィリピン産 自然王国エコ バナ
ナ
YP-10ET
FM3000
YA-5P
YA-4XL
YA-6XL
YA-10XL
YA-10XDL
YA-20XL
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
株式会社チクマ
準拠する認定
PCR番号
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
PA-AO-03
住商フルーツ株式会社
PA-BJ-03
ヤマトプロテック株式会社
ヤマトプロテック株式会社
ヤマトプロテック株式会社
ヤマトプロテック株式会社
ヤマトプロテック株式会社
ヤマトプロテック株式会社
ヤマトプロテック株式会社
ヤマトプロテック株式会社
PA-BA-02
PA-BA-02
PA-BA-02
PA-BA-02
PA-BA-02
PA-BA-02
PA-BA-02
PA-BA-02
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