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歓迎挨拶(PDF)

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歓迎挨拶(PDF)
中山泰秀
第47回
外務副大臣
日本・米国中西部会
歓迎挨拶
日米合同会議
開会式
2015年9月14日(月曜日)
於:帝国ホテル
茂木議長,ドビー議長代理,
各企業代表の皆様,
各州・各県知事の皆様,
御来賓の皆様,
本日,第47回日本・米国中西部会日米合同会議の開会式において,御挨拶
する機会を得ましたことを大変光栄に存じます。日本初の女性大臣である私の
祖母・マサが,13歳で船で渡米し,24歳でオハイオ州のオハイオ・ウェス
リアン大学を卒業していることから,個人的にも中西部との強い絆を感じてお
ります。日米経済関係の発展のため,皆様が果たしてきた役割に敬意を表する
とともに,主催者の日本・米国中西部会の関係者の御尽力に感謝申し上げます。
本年は,戦後70年の節目の年に当たります。日米関係においても,日米両
国の過去70年の歩みを確認し,今後更に発展させていくに相応しい年となり
ました。まず,本年4月,安倍総理が日本の総理大臣として9年ぶりに米国を
公式訪問しました。安倍総理は日本の総理大臣として史上初めて連邦議会上下
両院合同会議で演説を行い,かつて戦火を交えた日米が,戦後和解を果たして
強固な同盟国となり,共に地域と世界の平和と繁栄に貢献してきたことを振り
返り,戦後70年間に亘り日米が育んできた絆をアピールしました。
6月には,経団連が,経団連史上初となる,3グループから構成される総勢
100名のハイレベルな経済ミッションを米国に派遣しました。訪米ミッショ
ンは中西部のイリノイ州シカゴ,インディアナ州インディアナポリス,オハイ
オ州コロンバスを含む全米10州・14都市を訪問し,ラウナー・イリノイ州
知事,ペンス・インディアナ州知事,テイラー・オハイオ州副知事や企業関係
者等との会談を通じ,日米経済関係を更に深化・拡大させました。
そして昨日,今日,明日と日本・米国中西部会日米合同会議が開催されてい
ます。日米間において,約半世紀にわたり,毎年,日米のビジネスリーダーや
多数の知事・自治体関係者が一同に集う会議は,中西部会の他に類を見ないの
ではないでしょうか。今日の日米関係は,互いの国に投資を行い現地の人々と
苦楽を共にしてきた企業の皆様,これらの企業を受け入れ支援してくださって
いる自治体の皆様,それによって発展した日米間の人と人との交流や自治体間
の交流を無くして語れません。今から40年以上前,茂木議長が会長を務める
キッコーマンは中西部ウィスコンシン州に工場をつくり,現地の企業や社員と
協力して,「Made In USA」の醤油を製造・販売し,「テリヤキ」ブームととも
に醤油でアメリカの食文化を一層豊かにしてきました。まさに日米協力の象徴
です。
今回の日本・米国中西部会日米合同会議の後,11月にはアラバマ州バーミ
ングハムで南東部会が,12月にはワシントンDCで日米財界人会議が開催さ
れます。
このように,戦後70年の本年,官民が連携して日米関係を盛り上げてきま
したが,政府としては更なる発展に向けて,具体的な取組を通じて一層努力し
ていきたいと思います。
まず,現在交渉が最終局面にあるTPPについては,日米両国が自由,民主
主義,法の支配といった普遍的価値を共有する他の国々と共に,この地域ひい
ては世界の新たな通商ルールの礎を打ち立てるという重要な戦略的意義を有し
ています。8月末にも安倍総理とオバマ大統領が電話会談で一致したとおり,
TPP交渉の早期妥結に向けて日米両国がリーダーシップを発揮して取り組ん
でいきます。
また,安倍政権は日本を「世界で最もビジネスしやすい国」とすることを目
指し,農業,エネルギー,医療,労働といった,いわゆる「岩盤規制」の大胆
な改革を断行しています。政権交代後,外国企業の日本への投資は,10 倍以上
に増えています。更に日本への投資の魅力を高めるべく,3年後までに,全て
の地方空港により簡単にビジネスジェットで行けるようにします。そして,大
きな投資をしてくれた外国企業を対象に,副大臣を相談相手につける企業担当
制を創設します。オープンな日本において,是非ビジネスチャンスを実感して
ください。
一方で,米国に投資している国のうち,最大規模の国が日本です。日本から
米国への直接投資残高は2014年度で3,836億ドルにまで達しておりま
す。プリツカー商務長官がオバマ大統領の下で推進している「Select USA」に
は,キッコーマンを始めとした多くの有名日系企業が参加しております。中西
部会に参加されている州に対しても,エネルギー・製造業・農業・食品と幅広
い分野で日本からの投資が更に活発化し,日米の連携が更に強化されることを
期待します。
さらに,日本政府は日本を訪れる外国人旅行者数を増大させることにも力を
入れています。昨年の訪日外国人旅行者数は過去最高の1,300万人を超え,
今年は半年(1~6月)で既に900万人を超えています。引き続き,観光を
成長戦略の重要な柱と位置付け,様々な政策を推進していきます。特に,日本
の歴史・文化に高い関心を有する米国からの旅行者に訴求する,日本の歴史や
伝統文化をテーマとしたプロモーションを実施するほか,多様な魅力をもつ地
方にも足を延ばしていただけるよう,広域観光周遊ルートの形成・発信や,無
料 Wi-Fi の整備などにも積極的に取り組んでいきます。
米国中西部よりお越しの皆様も,是非この機会に「クール・ジャパン」の様々
な魅力を発見していただき,今回の訪日が思い出深い滞在となりますことをお
祈りするとともに,そういった日本の魅力を米国各方面に積極的に発信してい
ただくことを期待しております。
日米外交を進めていく上で,地方は重要なパートナーです。長野県とミズー
リ州,山梨県とアイオワ州,滋賀県とミシガン州,千葉県とウィスコンシン州,
埼玉県とオハイオ州,そして私の地元大阪市とシカゴ市を始めとして,中西部
9州と日本の自治体の間には108の姉妹州県・都市があり,日米両国間の交
流や相互理解を深めていく上で大きな役割を果たされています。政府としても,
地方との連携を更に強化し,オールジャパンで日米関係を盛り上げていきたい
と考えております。また,米国の各州は,中央政府とは異なる政治,社会,文
化,魅力を有していることから,米国の各州との関係も州別のアプローチで強
化していきます。
最後に,第47回日本・米国中西部会日米合同会議の御成功を祈念し,日米
関係の更なる発展を願って私の御挨拶とさせていただきます。御清聴ありがと
うございました。
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