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屋根・屋根材料

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屋根・屋根材料
屋根の機能
屋根・屋根材料

外的環境の遮断・緩和・制御




野口貴文
屋根に対する要求条件




安全性
居住性
耐久性
生産性

雨
雪
日射
寒さ
音
屋根に対する要求と材料性能(1)

安全性

力学的安全性(力変形に対して破損しないこと)




風に対して破損しないこと
地震などの振動に対して離脱しないこと
衝撃に対して破損しないこと
局部圧縮荷重に対して破損しないこと
耐風性
耐震性
耐衝撃性
耐局部圧縮性
耐曲げ性
(メンブレン防水材上への設備機器の設置)

火災安全性(火・熱に対して安全であること)

火が移りにくく、燃え広がらないこと
不燃性、難燃性
屋根に対する要求と材料性能(2)
屋根に対する要求と材料性能(3)


居住性





雨水が入らないこと
防雨性、防水性、吸水性
屋根を介しての不必要な熱の流出入がないこと
断熱性
結露が生じないこと
防露性
音の発生、屋根を介しての不必要な音の流出入がないこと
非発音性、遮音性




美観性(美観上、快適であること)


意匠・造形性に優れていること
汚染による美観の低下がないこと
気象に対する抵抗性(気象による性能低下が少ないこと)

日常生活快適性(快適な日常生活ができること)


耐久性
力・変形に対する抵抗性(力・変形による性能低下が少ないこと)

意匠性
耐汚染性


施工性(所定の性能が容易に確保できること)






材料が安価であること、工費が安いこと、工期が短いこと
経済性
耐用年数が長いこと
耐用性
補修・改修性(補修・改修が容易であること)


運搬性(質量、形状、寸法)
貯蔵安定性
加工性、作業安全性
静粛性、不発煙性、低臭性
経済性(経済的であること)


運搬が容易であること
貯蔵・養生が容易であること
作業が安全で容易なこと
環境に害を及ぼさないこと
交換性があること、補修が可能なこと 補修性
耐疲労性、変形追随性
汚染物質により美観が損なわれないこと 耐塵埃性
屋根材料の分類
生産性

下地の挙動により損傷しないこと
塵埃に対する抵抗性

屋根に対する要求と材料性能(4)
熱による品質の変化が少ないこと
耐熱性、耐熱劣化性、耐寒性、温冷繰返し抵抗性
光による品質の変化が小さいこと
耐光性、耐紫外線性
オゾンなどの有害物質による品質の変化が小さいこと
耐オゾン性、耐酸性雨性
湿度、水、氷などによる品質の変化が小さいこと
乾湿繰返し抵抗性、凍結融解抵抗性
葺材



メンブレン(水を通さない薄い皮膜)防水材


勾配屋根用
葺き作業が安全にできること、人間が持ち運び、取付
け可能なサイズ
陸屋根用
構造材と一体
屋根材料の分類(1)
屋根材料(1):有機材料


有機材料
動植物
植物系
それ以外の高分子
天然高分子
動物系

合成高分子

木質系
皮革
アスファルト
合成ゴム
竹
動物繊維
天然ゴム
プラスティック
草木系
その他


木質系
竹
草木系
繊維製品
皮革
動物繊維
板
割り竹
茅、藁
布(キャンパス)、紙(ルーフィング)
獣皮
動物性繊維の布
繊維製品
屋根材料(2):有機材料





アスファルト、アスファルトシングル
アスファルトルーフィング
天然ゴム
ゴムシート
合成ゴム
ゴムシート
プラスティック 塩ビ波板、アクリル樹脂(ドーム)
ポリカーボネート樹脂(平板、曲面板)
その他
防水塗料
屋根材料の分類(2)
アスファルト
無機材料
非金属
金属
鉄鋼系
銅系
アルミニウム系
チタン系
その他
天然石材
鍍金鋼板
粘土焼成品
塗装・被覆鋼板
土・漆喰
複合板
耐候性鋼板
ステンレス鋼板
ガラス
その他
屋根材料(3)









鍍金鋼板
塗装・被覆鋼板
複合板
耐候性鋼板
ステンレス鋼板
銅系
アルミニウム系
チタニウム系
その他(金属)
屋根材料(4)
亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板
着色鋼板、塩ビ鋼板
(積層材料)
耐候性鋼板
ステンレス鋼板、カラーステンレス板
銅板、緑青銅板
アルミニウム合金板
チタン合金板
亜鉛板、鉛板
屋根材料の分類(3)





複合材料

コンクリート系
繊維強化板
積層材料
サンドイッチパネル
不定型
半定型
定型
定型
ガラス
その他(非金属)
天然スレート、鉄平石
瓦
粘土(茅葺きの棟)
漆喰(目地)
ガラス板(天窓)、ガラス瓦
無機ボード類
屋根材料(5)

混合材料
天然石材
粘土焼成品
土・漆喰
裏打ち板

その他




不定型(コンクリート系) 現場打ちコンクリート
防水モルタル
定型(コンクリート系) プレキャストコンクリート
半定型(繊維強化板) 石綿セメント板(平板、波板)
定型(繊維強化板)
石綿セメント板製品(コロニアル等)
サンドイッチパネル
サンドイッチ鋼板等
裏打ち板
ライニング付き鋼板
断熱材付き鋼板
裏打ち付きアルミサイディング
その他(積層材料)
鉛瓦(木製瓦に鉛板を貼った物)
屋根葺きの分類(1)
屋根葺きの分類(2)
一体か定尺部品の組合せか
一体型
部品分割パターン
流れ方向のみ分割
組合せ型
一体の部品をそのまま使用
板1枚の屋根
不定型材料現場成形
水平方向のみ分割
両方向分割
羽重ね板葺き
長尺瓦棒葺き
瓦葺き
長尺一文字葺き
竹葺き
シングル葺き
半定型部品現場接合
瓦葺き、こけら板葺き、波板葺き
定型部品現場接合
防水モルタル、塗布防水
アスファルトシート防水
半定型材現場接合
金属板瓦棒葺き
金属板一文字葺き
葺材(1)

瓦


粘土瓦
セメント瓦



引掛け桟瓦葺
土葺(重量大、地震に対し不利)
スレート




厚形スレート
平形屋根スレート
波形屋根スレート
波形石綿スレート
粘土瓦(石州瓦、三州瓦、淡路瓦)
セメント瓦
瓦葺(引掛け桟瓦葺)
瓦葺(土葺)
平形スレート
住宅用屋根スレート葺
波形スレート
波形石綿スレート葺
葺材(2)

金属板(平板、折板)






亜鉛鉄板
着色亜鉛鉄板
ポリ塩化ビニル金属積層板
ステンレス鋼板
チタン板
銅板
 心木あり瓦棒葺(心木あり、心木なし)
 たてはぜ葺
 平葺
 折板葺:緩勾配屋根
亜鉛鉄板
ステンレス鋼板
アルミメッキ鋼板
ステンレスアルミメッキ鋼板
アルミ亜鉛合金メッキ鋼板
フッ素樹脂鋼板
チタン板
緑青銅板
瓦棒葺(心木あり)
瓦棒葺(心木なし)
たてはぜ葺
平葺
折板葺
葺材(3)

樹脂


繊維強化波板
硬質塩化ビニル波板



波形樹脂板葺
透光性に優れる
波形樹脂板葺
折板樹脂板葺
葺材(4)

アスファルトシングル

アスファルトシングル


独特のテクスチャ、色彩
下葺材



アスファルトフェルト
アスファルトルーフィング
塩化ビニル系ルーフィング

瓦葺、屋根スレート葺、金属板葺、アスファルトシングル葺の
雨水の浸入防止
アスファルトシングル葺
屋根材料の熱伝導率
80
71.8
70
(kcal/m h℃ )
60
50
40
30
20
10
0.83
0
メンブレン防水材(1)

アスファルト




アスファルト
アスファルトルーフィング
ストレッチルーフィング
砂付きルーフィング


アスファルトをスラブ面に流し、その上にアスファルトルーフィン
グを貼付け
最上層
砂付き、砂利まき、保護コンクリート
瓦
1.41
厚形スレート
0.93
石綿スレート
メンブレン防水材(2)

改質アスファルトシート

改質アスファルトルーフィング


合成ゴム、プラスティックの添加で改良
トーチ工法


裏面をガスバーナーで溶融
施工簡便・短時間
着色亜鉛鋼板
アスファルト防水層
メンブレン防水材(3)

シート



加粒ゴムルーフィング
非加粒ゴムルーフィング
塩化ビニル樹脂ルーフィング




シート防水層
接着剤で貼付けまたは固定金物で取付け
変形性大(不安定な下地に適)
施工簡便・短時間
接合部が弱点
メンブレン防水材(4)

塗膜




ウレタン
アクリルゴム
ゴムアスファルト
FRP



液状ゴムを直接塗布
複雑な形状の屋根に適
補強クロス

塗膜を丈夫にするため、塗り厚さを一定にするため
塗膜防水層
メンブレン防水材(5)

ステンレスシート

ステンレスシート(厚0.4mm程度)




モルタル

樹脂入りモルタル(厚数10mm)


ステンレス防水層
高耐久性
下地の乾燥によらず施工可能
複雑形状には不適
施工簡便
大面積には不適
モルタル防水層
構造体と一体

プレハブユニット



コンクリート屋根パネル
木質系屋根パネル
鉄鋼系屋根パネル


接合部:シーリング材
膜構造


繊維補強テフロンシート
繊維補強塩化ビニルシート
宿題




屋根に特徴のある建築物を一つ選び、
屋根がどのような材料で構成されているのか、
なぜその材料が使用されたのか調べよ。
形式:A4判1枚
提出:再来週の講義終了時
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