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Oracle SDPの基盤となるキャリアグレードJ2EE

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Oracle SDPの基盤となるキャリアグレードJ2EE
Oracle SDP の基盤となる
キャリアグレード J2EE
Oracle ホワイト・ペーパー
2006 年 4 月
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
目次
概要 ...................................................................................................................... 3
はじめに .............................................................................................................. 4
サービス・デリバリの課題......................................................................... 5
関連する Oracle 製品 .................................................................................... 6
Oracle SDP 構想 .................................................................................................. 6
キャリアグレードの実行環境..................................................................... 7
イネーブラとイネーブラ・フレームワーク ............................................. 8
SOA、サービス・ゲートウェイ、統合ユーザー・プロファイル ......... 8
標準サービス............................................................................................... 10
Web の再検討 – Oracle SDP と Oracle Enterprise..................................... 10
キャリアグレード J2EE - 問題点................................................................... 11
可用性........................................................................................................... 11
スループット............................................................................................... 12
待機時間....................................................................................................... 12
管理............................................................................................................... 12
イベント・ドリブン・アプリケーションのプログラミング・モデル 12
Oracle SDP – OSE の J2EE の実装................................................................... 13
OSE - OMA サービス環境.......................................................................... 13
Parlay と Parlay X ........................................................................................ 13
結論 .................................................................................................................... 15
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
2
Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
概要
IT とネットワークのインフラストラクチャは、オペレータとサービス・プロバイ
ダに集約されてきています。今後、ネットワークの統合データ・サービスを提供
するために、標準的な環境を構築する必要があります。このような環境は、Oracle
Service Delivery Platform(SDP)と呼ばれます。
オラクルの Service Delivery Platform の技術基盤は、業界標準として幅広く採用さ
れている、キャリアグレードに拡張された Java EE(旧称 J2EE)です。このため、
Oracle SDP を配置するサービス・プロバイダは、幅広く採用されている業界標準
(300 万人以上の開発者が J2EE の概念に精通しています)を使用して、魅力的な
新しいデータ・サービスを開発できます。同時に、これらのサービスを配置する
ことで、オペレータはカスタマに対して、同じレベルの可用性、信頼性、安定性、
パフォーマンスを提供できます。
一般的な Service Delivery Platform の複雑性を考慮すると、サービス・プロバイダ
またはオペレータは、さまざまな SDP コンポーネントの標準アーキテクチャの青
写真を検討することが理想的です。Open Mobile Alliance(OMA)内の標準である
OMA Service Environment(OSE)は、この青写真を提供します。オラクルは、OMA
の OSE 標準化作業の主要な役割を担っています。オラクルの Service Delivery
Platform は、キャリアグレード J2EE 環境において OSE を実装します。
Oracle SDP は、モバイル・サービス、音声サービス、および通信サービスを対象
としています(VoIP など)。内部に次世代のデータ・サービスを提供しようとし
ているインターネット・サービス・プロバイダや企業に加えて、ワイヤレス・ネッ
トワーク、固定ネットワーク、統合ネットワークの通信オペレータとサービス・
プロバイダも対象としています。このホワイト・ペーパーは、オラクルの構想、
そしてサービス・プロバイダと企業の OSE を実装する J2EE ベースのオープン標
準の概念を詳細に説明します。
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
はじめに
通信テクノロジと IT テクノロジは、急速に統合されています。膨大なインフラス
トラクチャ・コストに直面し、通信サービス・プロバイダは、投資を回収するた
めに価値が高く新しいサービスを直ちに開発する必要があります。同時に、従来
のサービス(音声など)において収益の減少に対処し、非常に低価格で競合サー
ビスを提供する仮想サービス・プロバイダや他のインターネットベースのサービ
ス・プロバイダなどの新しい競合他社と張り合う必要があります。サービス・プ
ロバイダにとって不可欠なのは、サービスの作成、配置、管理を実現する環境を
合理化でき、サード・パーティ・パートナのサービス・プロバイダによる魅力的
な新しいサービスの開発を促進できることです。
魅力的な新しいサービスの例として、単一のオペレータまたはサービス・プロバ
イダからカスタマへの請求を統合するトリプル・プレイ(音声+データ+ビデオ)
があります。ワイヤレス・ネットワークと固定ネットワーク(ブロードバンドな
ど)を組み合わせたこのような統合サービスの要望によって、サイロベースのアー
キテクチャの代わりに統合を可能にする標準ベースの水平方向のプラットフォー
ム(標準ベースの Service Delivery Platform(SDP))を使用する必要性がさらに高
まっています。
業界全体が、SDP(特に業界標準に準拠し、標準アーキテクチャの青写真に基づ
いて構築される SDP)の必要性を認識しています。業界リーダーで構成される
Open Mobile Alliance(OMA)は、OMA Service Environment(OSE)の SDP に対す
るアーキテクチャの青写真の標準化に取り組んでいます。オラクルは率先して標
準化に取り組んでおり、Oracle Service Delivery Platform は、Java EE(旧称 J2EE)
に基づく OSE を実装します。
J2EE は、インターネットベースのアプリケーションの開発方法を根本から覆した
プラットフォーム・テクノロジとして大きな成功を収めています。350 万人以上
の開発者(約 30%)が J2EE の概念に精通し、J2EE ベースの魅力的な新しいアプ
リケーションをすばやく作成できる事実によって、その成功を簡単に証明できま
す。また、この 10 年間、J2EE は、オペレータ提供サービスの重要な提案を中心
とした堅牢性、拡張性、可用性、およびパフォーマンスを提供するテクノロジ・
プラットフォームとして発展してきました。Oracle Fusion Middleware は、拡張性
とパフォーマンスに優れたアプリケーションの効率的な開発、配置、およびカス
タマイズに関する問題を解決する業界最高の J2EE ベースのミドルウェア・プラッ
トフォームです。
このホワイト・ペーパーでは、Oracle Service Delivery Platform 構想の概要と、その
構想を実装するための J2EE の役割を説明します。参考資料のホワイト・ペーパー
(『Oracle SDP – Enablers and Future-proofing your Investment』と『Oracle SDP – Profile
based policy enforcement』)には、実装の重要な概念に関する詳細情報が記載され
ています。この文書の後半は、次のように構成されています。最初に、主な統合
傾向の概要とインターネット/Web の発展について説明します。次に、Oracle SDP
の構想を説明し、主要なコンポーネントを紹介します。続いて、キャリアグレー
ド J2EE の主な属性について取り上げます。最後に、OSE のコンテキストで Oracle
SDP について取り上げます。
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
サービス・デリバリの課題
統合は、さまざまなレベルの通信ネットワークで発生します。トランスポート・
レベルの IP ベース・テクノロジは、従来の回線交換に置き換わる技術です。サー
ビス・レベルにおけるトリプル・プレイといった新しいサービスは、従来のサー
ビス(音声など)をビデオやデータなどの新しいサービスに統合しています。業
界の統合によって、今まで分離されていたネットワークが 1 人の所有者によって
管理されるようになります(1 人の所有者が固定ネットワークやモバイル・ネッ
トワークを統合している場合など)。サービスの統合とエンド・ユーザー請求の
簡略化によって、統合サービスの請求も統合されます。こういった傾向において、
オペレータの視点は、閉じた固有の環境に関連した従来の高価格で特殊な装置か
ら、汎用ハードウェアと標準ソフトウェアに基づくインターネットのようなネッ
トワークおよびインフラストラクチャに移行しています。
さらに、多くのオペレータは、新世代のデータ・サービスを使用するために、膨
大なネットワーク・インフラストラクチャのアップグレード費用を必要としてい
ます。また、オペレータは、混乱を最小限に抑えた既存のカスタマの環境に基づ
く革新的なデータ・サービスの魅力的なパッケージを提供する必要があります。
サービスの採用には、長期間の投資(最低数ヶ月から数年かかる場合もあります)
が必要になります。キラー・アプリケーションが存在しないため、オペレータは
新しいサービスを迅速に試行し、カスタマのフィードバックを取得して、市場を
牽引するサービスを配置できる柔軟な環境を必要とします。これは、簡単で適切
に定義された多くのサービスを使用し、競争の規制が頻繁に行われ、Push-to-Talk
over Cellular(PoC)などの新しいサービスの動向をオペレータが後から検討して
いた、従来の通信ビジネスや配置モデルとは大きく異なります。つまり、カスタ
マからの要望の増加と柔軟性への高まる要求から、オペレータは"少ない予算でよ
り多くのものを期待される"問題に直面します。これが、サービス・デリバリの中
心を成す課題となります。
この状況は、IT サービス・プロバイダと企業が Web ベースのユーザー・インタ
フェースで新しいアプリケーションをすばやく構築して、バックエンド・システ
ムに迅速かつ柔軟に接続する必要があった Web の商業化に酷似しています。ほと
んどすべての場合、これによって従来の開発におけるアプリケーション・サイロ
を無効にする必要があります。たとえば、在庫管理システムは、今までは企業の
ファイアウォール外部の数百万のユーザーが使用する可能性を考慮せずに開発さ
れていましたが、Web の登場によって、この状況が劇的に変化しました。コン
ピュータを使用してオンラインで注文するユーザーが、発送前に注文のステータ
スを確認するといった要望が発生したのです。近年では、Web の第 2 の波である
Web 2.0 によって、他のサード・パーティ・サービスとのアプリケーション統合の
問題を効率的に解決するアーキテクチャが導入されています。サービス指向アー
キテクチャ(SOA)の原則と Oracle Enterprise Service Bus(ESB)などの製品を統
合した XML サービスおよび Web サービスなどのテクノロジによって、企業は"
少ない予算でより多くのものを期待される"問題を解決し、カスタマ、パートナ、
および従業員の Web ベースのアクセスに対する IT システム機能を開放できます。
ベンダー側では、特にオラクルは、Oracle Fusion Middleware プラットフォームの
一部としての必要な製品とテクノロジを提供し、業界をリードしています。
Oracle Service Delivery Platform 戦略の中心は、Oracle Fusion Middleware プラット
フォームと他の Oracle 製品の適切に定義された多くの拡張機能を使用して、オペ
レータとサービス・プロバイダのサービス・デリバリに関する問題を効率的に解
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
決することです。キャリアグレード J2EE は、これらの拡張機能の中心となります。
関連する Oracle 製品
Oracle Fusion Middleware プラットフォームによって、J2EE に準拠した SOA の標
準ベースの高パフォーマンス・ミドルウェア・プラットフォームが提供されます。
高い可用性、信頼性、進行中のグリッド・コンピューティング構想によって、今
日の Oracle Fusion Middleware は、オペレータがサービス・デリバリで必要とする
要件を満たすことができます(ファイブ・ナイン要件など)。PeopleSoft、JD Edwards、
および Siebel を含むアプリケーションの Oracle eBusiness Suite は、標準の OSS/BSS
統合の実現によって、Oracle Fusion Middleware プラットフォームを補完する
OSS/BSS アプリケーションを提供します。Oracle データ・ハブによって、カスタ
マなどの重要な情報に対し、複数のソースのデータ(サブスクライバ・プロファ
イルなど)を一貫性のあるセキュアな単一のビューに統合できます。Oracle Identity
Management と統合すると、上記のすべてによって、オペレータとサービス・プロ
バイダは、サービスとネットワークのテクノロジの OSS と BSS を統合し、新しい
システムとレガシー・システムを融合できます。
オラクルのデータベース製品と RAC テクノロジは、信頼性、可用性、拡張性、お
よびパフォーマンスの観点から業界のリーダーとして幅広く認められ、通信オペ
レータとサービス・プロバイダにおける事実上の業界標準となっています。Oracle
TimesTen は、リレーショナル・データベースに保存されているデータに対して、
メモリー上での高速なアクセスを提供します。Oracle Carrier Grade Framework
(CGF)構想とは、Home Location Register(HLR)や Home Subscriber System(HSS)、
あるいは Provisioning System などのソリューションを作成する際に、Oracle RAC
と Oracle TimesTen を Telecom Equipment Manufactures(TEM)、Independent Software
Vendors(ISV)、Communication Service Providers(CSP)の基盤として活用するこ
とです。Oracle TimesTen は、リアルタイムのデータ管理層を提供します。Oracle
RAC は、簡単に分散できる永続層を提供します。2 つの層は、Oracle TimesTen の
Cache Connect to Oracle 機能によって同期されます。
Oracle Collaboration Suite(OCS)は、通信、リアルタイム・コラボレーション、コ
ンテンツ、プレゼンス管理、および情報共有に使用する統合されたエンタープラ
イズ・サービスを提供します。企業やサービス・プロバイダは、これらのサービ
スを使用して、モバイル、音声、および通信を有効にしたコラボレーション・ア
プリケーションをすばやく配置できます。また、OCS によって、サービス・プロ
バイダは、管理しやすい幅広い新規のコラボレーション・サービスをカスタマに
提供できます。
Oracle SDP は、この豊富で包括的な機能を使用して、既存の Oracle 製品の機能を
選択的に拡張し、サービス・デリバリの課題を解決するために新製品を投入しま
す。また、新世代の利用者サービスおよび企業の移動性と通信の市場を対象とす
る新しいサービスの開発と配置の実現を目的としています。これらの新世代サー
ビスの市場は、現在も発展しています。Oracle SDP の目的は、この成長を続ける
分野へのオペレータ、企業、サービス・プロバイダによる進出を支援することです。
Oracle SDP 構想
Oracle Service Delivery Platform は、IT およびネットワークの統合の中心的なサー
ビスの設計、開発、配置、および管理を実現する標準ベースの環境であり、サー
ビス・デリバリ分野への Oracle Fusion Middleware Suite の拡張になります。特に、
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
Oracle SDP には、以下の機能があります。
•
次世代のネットワークと従来のネットワークの両方にアクセスする、
サービスのキャリアグレードの実行環境。現在と将来のネットワークで
サービスを実行できる Oracle SDP の明示的な設計によって、将来の動作
を保証します。これは、ROI の観点において、特に関連性があります。IMS
などの新しいネットワークが構築される 12 ヶ月から 18 ヶ月先まで、次
世代サービスを現在のネットワークに配置する必要があるためです。
•
サービス開発において重要なコンポーネントと構成要素の開発時間およ
び実行時間をカプセル化するイネーブラとイネーブラ・フレームワーク。
•
オーケストレーションやポリシーの実施と構成を有効にして、SOA(サー
ビス指向アーキテクチャ)の原則をサービス・デリバリ・コンテキスト
に適用されるコンポーネント。
•
SLA を実施する重要なネットワーク・リソースに、パートナによりアク
セスの制限が可能なサービス・ゲートウェイ。
•
サイロ情報や複数のネットワークの存在するサービス層および実行環境
に、ユーザー(サブスクライバ)情報の統合ビューを提供する統合ユー
ザー・プロファイル。
•
直接 ROI を示すために使用できる標準ベースのプラットフォームで作成
された標準サービス。
Oracle SDP は、通信業界の要望に対するサービス品質の確保に必要な管理、セキュ
リティ、および制御を損なうことなく、多くのコミュニティのサービスと開発者
にネットワークを開放します。次に、Oracle SDP の各機能を説明します。
キャリアグレードの実行環境
オペレータとサービス・プロバイダのサービス・デリバリを中心とする実行環境
は、キャリアグレードである必要があります。J2EE の適合性セクションで、キャ
リアグレードの要件について詳細に説明します。ここでは、主要な要件の概要を
示します。
•
•
キャリアグレードの実行環境には、高い可用性が必要です。
このような環境には、高い拡張性も必要です。また、費用効率の高い方
法で多くのトランザクションをサポートする必要があります。これには、
水平方向と垂直方向の拡張性が含まれます。
•
このような環境は、待機時間の要件(呼制御など)からほとんどの要求
に対応する必要があります。PSTN 分野では、通常、最後の番号がダイヤ
ルされてから 500 ミリ秒以内に、発呼者は相手の着信音を確認できます。
キャリアグレードの実行環境は、このシナリオを満たす必要があります。
•
キャリアグレードの実行環境では、サービスの簡単な配置、管理、およ
びアップグレードをサポートする必要があります。
•
通信サービスは、イベント・ドリブンである点で、Web ベースのアプリ
ケーションとは本質的に異なります。キャリアグレードの実行環境では、
イベント・ドリブン・アプリケーションのプログラミング・モデルを効
果的にサポートする必要があります。
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
イネーブラとイネーブラ・フレームワーク
イネーブラは、シンプルな Northbound API(Java や Web サービスのバインディン
グなど)を公開し、基本となるネットワーク機能の複雑性からユーザーを開放し
ます。また、将来が保証されるサービス開発の全体的な戦略の中心となり、ネッ
トワーク中心のアプリケーションを開発するための開発者の作業範囲を拡張しま
す。Oracle SDP のイネーブラには、以下の機能と利点があります。
•
基本となるネットワーク・テクノロジの選択と設定の抽象化。たとえば、ベ
ンダーに関係なく特定のベンダーによって使用される固有のプロトコル拡張
機能の場合、イネーブラは、アプリケーション開発者に同機能の"Northbound"
を公開できます。これによって、基本となるネットワーク・テクノロジの選
択に関して、アプリケーション開発 API の安定性を保証できます。このため、
ネットワーク・レベルでの移行、既存、および将来のネットワーク要素の統合
は、現在のように多くのサイロを置換することなく、少しずつ実行できます。
•
サービス統合の API ベース・サポート。幅広い API(Java ベースまたは C ベー
スと Web サービス・ベース)のサポートによって、イネーブラは、社内開発
およびサード・パーティとの統合を含む多くの統合シナリオを実行できます。
これによって、特定の機能の実装を内部の開発者が実行するか、またはサー
ド・パーティにアウトソーシングするかを決定する際に、オペレータとサー
ビス・プロバイダといった選択肢が増えることで柔軟に対応できるようにな
ります。また、API ベースのアプリケーションの統合によって、プロトコル・
ベースでコンポーネントを統合する従来の通信手段と比較した場合に大きな
利点があります。
•
シンプルになった OSS/BSS 統合。一般的な OSS/BSS 統合要件をカプセル化す
るイネーブラ(請求など)によって、オペレータは、複数のサービスにまた
がる OSS/BSS システムを統合および共有できます。複数のネットワークと
ネットワーク・テクノロジの統合は、ワイヤレス・ネットワーク、有線ネッ
トワーク、ブロードバンド・ネットワークなどの統合をサポートする場合に
必要です。請求、ID 管理、サブスクライバ・プロファイル、CRM、および
PRM システムの統合ビューによって、サイロベースの場合と比較すると、
サー
ビスの移行、ネットワーク・テクノロジ、ベンダーの費用効率が大きく向上
することがわかります。
一般的な要素を提供する標準のイネーブラに加えて、Oracle SDP は、ISV、SI、オ
ペレータ、サービス・プロバイダが固有のイネーブラを開発できるイネーブラ・
フレームワークも提供します。IT 標準テクノロジを使用した Oracle SDP によって
提供される基本機能をカスタマイズおよび拡張するこの機能は、Oracle SDP の重
要な提案の中心を成します。Oracle SDP の一部として提供されるイネーブラとイ
ネーブラ・フレームワークの詳細は、参考資料のホワイト・ペーパー『Oracle SDP
– Enablers and future proofing your investment』に記載されています。
SOA、サービス・ゲートウェイ、統合ユーザー・プロファイル
SOA の主な原則(再利用、委任、構成、サービスのオーケストレーション)は、
通信分野で開発されたサービスと同様に、Enterprise/IT/Internet 分野のサービスに
も適用できることです。たとえば、オペレータは、競合によって地域で異なる多
くのサービスを構成したり、異なる顧客層を対象にしたりする場合があります。
同時に、オーケストレーションなどの運用では、中心的なサービスやアプリケー
ションのパフォーマンスを大幅に低下させないようにする必要があります。サー
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
ビスは、セキュアかつ管理と請求が可能な方法で、サード・パーティに公開する
必要があります。サービスでは、特定の機能の委任をサポートする必要がありま
す。たとえば、ユーザーがサービスを使用する前には、一般的な認証手順の実行
が必要な場合があります。サービスの起動では、その機能を一般的な認証機能に
委任し、認証手順の結果から必要に応じて最初のサービスの起動に進むことに
よって、このユーザー認証を実行する必要があります。
サービスは、サービス起動中のビジネス・ルールやビジネス・ポリシーの起動も
サポートする必要があります。通常、これらのビジネス・ルールとビジネス・ポ
リシーには、異なる 3 つの特性((a)認証および認可の事前サービス起動、(b)
ユーザーレベル、サブスクライバレベル、またはサービス・レベルの情報を必要
とするサービス固有のポリシー、(c)基本となるネットワーク・リソースへのサー
ビスのアクセス方法を管理するネットワーク要素固有のポリシー)があります。
たとえば、プレミアム・メッセージ・サービスには、ユーザーによる起動中に適
用される次の 3 つのポリシーの組合せがあります。
•
最初に、ユーザーID とパスワード情報でユーザーを認証します。また、
プレミアム・メッセージ・サービスの使用権限もユーザーに付与します。
•
プレミアム・メッセージ・サービスの実行中に、サービスは、ホワイト・
リストまたはブラック・リストを使用して、他のサード・パーティにプ
レミアム・メッセージを送信する権限をこのユーザーに付与するかどう
かを決定します。
•
最後に、ユーザーによって送信されるプレミアム・メッセージは、ユー
ザー・プロファイルとネットワークの容量に基づいて、特定の基本とな
るネットワーク要素(SMSC または MMSC)に送信されます。たとえば、
電話投票などのタイムクリティカルなアプリケーションの実行中は、タ
イムクリティカルではない他のプレミアム・コンテンツの配信の遅延を
許可します。
サード・パーティ用のセルフ・サービス・ツール、サブスクライバ、およびサー
ビス管理者は、通信サービスの SOA 適用の鍵となります。
統合ユーザー・プロファイルは、SOA コンテキストの効率的なサービス実行に必
要なすべてのサブスクライバとユーザー情報の統合ビューをサービス開発者に提
供する単一の仮想リポジトリです。統合ユーザー・プロファイルの中心は、サブ
スクライバ ID、使用されたサービス、MSISDN、ローミング・ネットワーク情報
などの静的プロファイル・データです。ユーザー・プロファイルは、サービス開
発者による Northbound アクセスの一連の標準インタフェースに対応する必要があ
ります(Diameter を使用する場合など)。また、HSS などのプロビジョニング・
システムを含む基本となるさまざまなデータ・ソースから情報を収集できる必要
があります。このようなシステムでは、数千万のユーザーをサポートするために
拡大する一方で、サービス起動時のビジネス・ポリシーの評価に必要となる、重
要なサービス・データへの高速なメモリー上のアクセスをサポートする必要があ
ります。サブスクライバ・プロファイル、サービス固有のポリシー、およびサー
ビス・オーケストレーションの実施の高性能な統合は、サブスクライバでのサー
ビス動作をパーソナライズする中心事項です。この統合は、Oracle Service Delivery
Platform 戦略の主な差別化要素です。SOA を有効にする Oracle SDP コンポーネン
ト、サービス・ゲートウェイ、統合ユーザー・プロファイルの相互の関連性につ
いて、詳しくは参考資料のホワイト・ペーパー『Oracle SDP – Profile based policy
enforcement』を参照してください。
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
標準サービス
オラクルでは、サービス・デリバリ・プラットフォームが注目されていますが、4
番目、5 番目、または 6 番目のサービスがサービス・プロバイダによって配置さ
れる際に、プラットフォーム・アプローチの真の価値があることを認識していま
す。特に、最初の 2 つまたは 3 つのサービスが配置される場合、通常、最初の 2
つまたは 3 つのサービスでプラットフォームに追加される負荷の必要性を検証せ
ずにビジネスを検証しなければならないため、プラットフォームのビジネス・ケー
スの構築は非常に困難となります。このため、オラクルは、Oracle SDP の配置に
即したビジネス・ケースをオペレータが選択できるように、標準ベースのプラッ
トフォームに加えて少数の標準サービスを提供します。考慮するサービスは、以
下のとおりです。
•
仮想 PBX:モバイル・ネットワークとレガシー・ネットワーク
•
Residential VoIP:最初に補足される音声とビデオ
•
Presence:集計されるパブリッシュおよびサブスクライブ・サービス
Web の再検討 – Oracle SDP と Oracle Enterprise
サービス・デリバリの問題を解決しても残るサービス・プロバイダが直面する課
題は、Web やインターネットを処理する際に企業が直面する課題と酷似していま
す。これらの問題の解決には、アプリケーション・サーバーと J2EE を導入し、オー
プン標準ベースの環境として SOA の概念を通じてさらに調べる必要がありまし
た。現在、このようなプラットフォームは、サード・パーティ管理のビジネス統
合と自動化をサポートする本格的なアプリケーションの開発、配置、管理プラッ
トフォームに進化しています。
特に、Oracle Fusion Middleware プラットフォームに現在統合されている以下のす
べての SOA 原則は、Oracle Service Delivery Platform の原則もサポートします。
•
柔軟に結合される相互運用および再利用が可能なアプリケーション・コン
ポーネント
•
機能を統合するレイヤード・アーキテクチャ
•
標準インタフェース
•
統合をサポートするイベント・ドリブンのメッセージ指向アーキテクチャ
•
ワークフローとビジネス・プロセスの定義を通じて使いやすくなったオーケ
ストレーション
•
サービス使用のセキュリティを確保するポリシーの実施
•
J2EE または Web サービスを使用した代わりとなるローカルおよび分散実行
Oracle SDP の概念を考慮すると、通信とコンピュータのインフラストラクチャの
統合に関する企業の問題も、Oracle SDP によって解決できます。たとえば、VoIP
機能を既存の企業ポータルに統合できるといった点は、呼制御イネーブラのシン
プルな使用例となります。企業では、サービス・プロバイダとオペレータに比べ
て、価格設定とパッケージの要件が異なります。ただし、通信を企業のコンピュー
タに密接に統合するために必要な中核テクノロジは、Oracle Service Delivery
Platform 製品セットの一部です。
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
キャリアグレード J2EE - 問題点
J2EE テクノロジが"キャリアグレード"として堅牢さが十分ではないということは
ありません。確かに、頭字語 J2EE(Java 2 Enterprise Edition)の旧式の拡張では、
J2EE(または Java EE)がキャリアグレードの Oracle Service Delivery Platform の実
装のために、基本テクノロジとなることを直接保証してはいないのです。SLEE
(Service Logic Execution Environment)などのテクノロジによって、J2EE に混乱が
生じました。SLEE の中心概念は J2EE から派生しています。SLEE は、2001 年初
期のコア J2EE ファミリー・ツリーから派生しましたが、SLEE の多くの概念は、
J2EE に個別に導入されています(JCA 1.5 の双方向アダプタなど)。この項では、
キャリアグレードのインフラストラクチャの主要な要件と J2EE でこれらの要件
を満たす方法と条件を説明します。
可用性
通信環境またはサービス・プロバイダ環境では、サービスの高可用性が必要です。
J2EE は、最もミッション・クリティカルな通信サービスに必要な可用性のレベル
を提供するテクノロジとして発展しました。現在、通信以外の環境における多く
のミッション・クリティカルなシステムは、J2EE 環境に実装されています。– た
とえば、米国西部の航空管制システムは、J2EE ベースのアプリケーション・サー
バーに実装されています。
J2EE コアを使用する場合、Oracle SDP は、以下の機能を使用して、通信サービス
の可用性の要件に対応します。
•
ローカル(または LAN ベース)の可用性:J2EE は、クラスタリングを
使用して、通信サービスをエンド・ユーザーに提供する単一ノードの障
害に対応します。従来、ハードウェアの冗長性とデュアルシステム設計
を通じて、ノードレベルの高い可用性を実現することが一般的でした。
J2EE は、クラスタの単一ノードがファイブ・ナインの可用性を実現しな
い可能性のあるクラスタ・ベース・アプローチを採用しています(実際
は採用していません)。ただし、クラスタ(つまり、全体のサービス)
は、結果として通信サービスの可用性のレベルを確保できます。
•
WAN(または地理上)の可用性:広範囲の地域にクラスタを分散すると、
データ・センターの壊滅的な災害などから保護できます。
•
ローリング・アップグレードのサービス:J2EE クラスタを使用して、サー
ビスを停止しないでノードごとにクラスタのサービス配置をアップグ
レードできます。最も一般的な方法は、新しいリクエストを特定のノー
ドにルーティングしないロード・バランサ構成を使用することです。こ
のノードは、既存のサービスから"除外"されます。ノードが使用不可にな
ると、このノードのサービスがアップグレードされ、新しいバージョン
のサービスでノードが再起動されます。ロード・バランサ構成を更新す
ると、新しいユーザーからのトラフィックが、更新されたサービス・イ
ンスタンスとともにノードに送信されます。このプロセスがクラスタ全
体を"巡回"するため、停止することなくサービスをアップグレードできま
す。また、このプロセスのトランザクション処理を実行できます。この
ため、アップグレードが失敗した場合は、クラスタ構成を前の構成にロー
ルバックできるので、サービスが停止することはありません。
Oracle SDP の基盤となるキャリアグレード J2EE
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Oracle Corporation 発行「Carrier-grade J2EE as the foundation of the Oracle SDP」の翻訳版です。
スループット
スループットは、J2EE ベースのアプリケーション・サーバーの従来からの長所で
す。2006 年の Oracle SDP の発表の一環として、オラクルは(呼制御を含んだ)多
くのベンチマークを実施しています。インターネット分野における J2EE のスルー
プット速度がサービス・プロバイダや通信分野にも適用できることを保証します。
待機時間
コンテナ操作(特に、ガベージ・コレクション)の待機時間の管理は、J2EE ベー
スのアプリケーション・サーバーで従来から脆弱であると指摘されていました。
しかし、HotSpot や JRockit などの仮想マシン・テクノロジの進歩によって、ほと
んどの J2EE コンテナ操作に対して標準のガベージ・コレクタを使用することで、
一時停止時間を保証できるようになりました。
また、Oracle Enterprise Service Bus(ESB)テクノロジを使用して、アプリケーショ
ン全体の待機時間を管理するガベージ・コレクタのパフォーマンス向上を補完で
きます。Oracle ESB を使用すると、(遅延の最大値を保証する)分散されて拡張
性が高く待機時間の短いデータ転送操作が可能になります。リアルタイムのメッ
セージ指向環境を提供することによって、Oracle ESB は、単一の処理要素の境界
をまたがるアプリケーション処理の待機時間を管理できます。
管理
通信環境に配置されるサービスには、規制に関する理由などから固有の管理要件
があります。たとえば、通信サービスのインスタンスを実行しているクラスタの
ノードで、障害が発生した場合に実行されるアクションを定義するため、メソッ
ドとプロシージャを配置する必要があります。これらのメソッドとプロシージャ
はサービスを本稼働する前に定義し、サービス障害に関連する多くの付随状況を
示す必要があります。
さまざまな障害シナリオの標準のメソッドとプロシージャを提供する前提条件と
して、SNMP トラップの生成を通じて、Tivoli、BMC Patrol、MicroMuse などのさ
まざまな管理コンソールと Oracle SDP(またはサービス実行環境)を統合する必
要もあります。情報(一定のサービス・リクエストが満たされている場合など)、
通知(メモリー使用など特定の重大なシステムのしきい値に達している場合など)、
もしくは緊急シナリオ(クラスタのノード障害など)を提供するために SNMP ト
ラップを作成できます。SDP ベンダーが提供する標準の SNMP トラップを拡張す
るために、カスタム MIB を定義する機能も必要です。
また、メソッドとプロシージャで示される通常のアクションを実行するコマンド
ライン・インタフェース機能も必要です。たとえば、ノードに障害が発生した場
合には手動でクラスタから外し、ノードを再起動してクラスタ・メンバーシップ
に戻す必要があります。定評のある標準コマンドライン・インタフェースを通じ
てこれらの目的を達成できます。
イベント・ドリブン・アプリケーションのプログラミング・モデル
通信サービスの実行プラットフォームでは、イベントベースのプログラミング・
モデルを効率的に実装する必要があります。通信サービスは、本質的に非同期で
イベント・ドリブンです。ネットワークは、アプリケーション・インフラストラ
クチャ(ここでは Oracle SDP)で効率的に処理されるさまざまなイベントを生成
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します。また、アプリケーション開発者は、主にイベント・ドリブンのアプリケー
ションを容易に記述できる必要があります。また、このようなアプリケーション
は、Oracle SDP 環境で効率的に実行する必要があります。
Oracle Enterprise Service Bus(ESB)とともに JCA 1.5 をサポートする J2EE ベース
のアプリケーション・サーバーは、この要件を効率的に処理します。JCA は、基
本となるネットワークへの送信通知とネットワーク要素によって生成されるプロ
セス・イベントをアプリケーションで許可する双方向アダプタ・フレームワーク
です。メッセージ指向の非同期のパブリッシュ/サブスクライブ・ベースのモデル
を使用する Oracle ESB は、イベントを任意の宛先に効率的に配信できます。同時
に、イベント処理システムの通信要件をサポートするイベント・ドリブン・アー
キテクチャを実装します。このようなシステムは、保証された待機時間などの通
信イベント処理の観点から容認可能なパフォーマンスを提供し、この点で SLEE
環境に対応できます。
Oracle SDP – OSE の J2EE の実装
Oracle SDP 構想(オラクルの SDP 実装と OSE などの業界内の SDP の標準化に向
けた取組み)は、IT ミドルウェア、ツール、およびアプリケーションを開発する
際の SOA と専門知識の概念に基づいています。オラクルは、OMA の Open Service
Environment を定義するリーダーとして、市場におけるこの取組みの普及に携わっ
ています。
OSE - OMA サービス環境
OMA Service Environment(OSE)は、OMA イネーブラのやり取りを示すアーキテ
クチャ・モデルとして OMA によって承認されています。オラクルでは、当初か
らこの重要な概念の推進に従事しています。OSE 概念モデルは、図 3 に示されて
います。
OMA によって導入された OSE は、イネーブラの再利用と互換性がほとんどない
垂直サイロに基づく大半の Telco テクノロジの問題に対処します。OSE の普及は、
OMA で進行中です。
現在、サービス・プロバイダによって要求される新しい水平プラットフォームの
OSE によるモデル化については、通信業界でまだ完全に一致していません。オラ
クルは、OSE のキャリアグレードの J2EE ベースの実装が Oracle SDP であるとい
う立場を取っています。この方針は、複数のオラクルのカスタマ(特に、モバイ
ル・オペレータ)が、SDP 系の機能を実装し、実際にこのアプローチの有効性を
確認していることに基づいています。
Parlay と Parlay X
Parlay と Parlay X は、他の SDO(Standard Development Organizations)と連携して
Parlay グループによって定義されています。ここでの Parlay は、2 つのレベルで
OSE と Oracle SDP にスムーズに統合します。
•
Parlay に準拠した基本となるサーバーを合理化する Parlay フレームワークと
ゲートウェイ
•
リモートのアプリケーション開発者に公開される再利用可能な Web Service
(WS)を提供する Parlay X コンポーネント
Parlay は、API を通じて PSTN 呼制御と Intelligent Network(IN)リソースにアク
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セスできます。Parlay-OSA と呼ばれている Parlay は、3GPP で指定される IMS(IP
Multimedia Sub-system)のサービスと 3GPP2 で指定される対応システムの MDS
(Multimedia Delivery Service)を開発するための推奨手順を提供します。Parlay は、
これらのドライバで動作できる標準の OSE/SDP ドライバとリソースを提供しま
す。Parlay X を使用できるコンポーネントは、バインディングが WS にすでに選
択されている場合を除き、OMA イネーブラの機能に相当します。OSE と Parlay
の関係に関するオラクルの視点を図 4 に示します。
サービスとイネーブラが、基本となるネットワークから抽出されると、OSE に基
づく SDP は、今後も保証されます。現在のネットワークでは、Parlay と専用ドラ
イバを使用して、PSTN と IN サービスを提供できます。ネットワークが 2G から
3G に進化して IMS の配置が開始されたため、最初に移行する場合でもドライバ
の変更は必要ありません。ただし、ドライバとして直接 SIP や IMS API を使用し
て、Parlay や IMS へのスムーズな移行を実行できます。このため、ワイヤレス、
有線、およびブロードバンド(IP TV など)のアクセスに対して、同一のプラッ
トフォームとアプリケーションが同時に使用されるのです。
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結論
オペレータとサービス・プロバイダは、競争力があり実現可能な次世代のデータ・
サービスをユーザーに提供する、オープン標準ベースの Service Delivery Platform
(SDP)を必要としています。この SDP は、キャリアグレード制約とともにサービ
ス・プロバイダ領域に適用される、IT テクノロジに基づいたデータ・サービスを
提供する場合に最適な、統合された IT-通信インフラストラクチャです。
オラクルが当初から推進している OMA Service Environment(OSE)は、このイン
フラストラクチャの青写真を提供します。オラクルの Service Delivery Platform 構
想は、OMA による OSE の J2EE 実装です。また、特にモバイル・オペレータによっ
て実際に有効性が確認されています。
オラクルは、以下の製品ラインのエンドツーエンド SDP を提供できる唯一の IT
ベンダーです。
•
Oracle Fusion Middleware を通じて SOA を標準で使用できる J2EE ベース
のミドルウェア・プラットフォーム
•
アプリケーション製品ラインを使用した OSS と BSS システム
•
拡張性のある永続的なデータ層を個別に提供する一方で、プロファイ
ル・データに対して高速なリアルタイム・アクセスに適切な組合せを実
現できる、Oracle Real Application Clusters および Oracle TimesTen テクノ
ロジ
•
Oracle Collaboration Suite(OCS)によって提供されるサービスを含む、一
連の標準サービスを使用した標準の収益創出サービス
Oracle SDP は、オペレータおよびサービス・プロバイダと同様に、新しいサービ
スを開発する(または音声、移動性、通信の新しい機能を既存のサービスに追加
する)企業の要件を満たすように設計されています。また、将来を保証するサー
ビスの開発に最適な革新のプラットフォームです。また、テクノロジの進化と今
日の統合(ネットワーク・テクノロジの統合、ネットワーク・タイプの統合(ワ
イヤレス、有線、ブロードバンド)、アプリケーションの統合(トリプル・プレ
イ、音声、Web、マルチメディアの融合)など)に対処するために、明示的に設
計されています。
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図 1:Oracle Service Delivery Platform
図 2:OMA Service Environment(OSE)
承認 - http://www.openmobilealliance.org/release_program/ad.html
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図 3:Parlay、Parlay X、および ParlayInOSE
Parlay GW は、ネットワーク・リソースを抽象化する方法の 1 つです。他には、ダイレクト・アダ
プタと SIP があります。
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ORACLE FUSION MIDDLEWARE
2006 年 1 月
著者: Stéphane H. Maes
共著者: Indu Kodukula
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