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パンフレット - 超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究
IUGONET 超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究 Inter-university Upper atmosphere Global Observation NETwork Metadata Database & Data Analysis Software http://www.iugonet.org/ 超高層大気に関連する多種多様かつ長期にわたる全球地上観測データを 横断的に検索・解析できるシステムを構築・提供し 観測データの有機的な利活用・総合解析・分野横断研究を促進します 超高層大気に関連する長期にわたる全球地上観測データの IUGONET発足の背景 複雑に絡み合う超高層大気の諸現象 太陽 太陽放射や 太陽風などからの エネルギー注入 120 オーロラ 30 0 赤道ファウンテン オーロラ ジェット電流 オーロラ 大気重力波 物質循環 極夜ジェット 大気重力波 寒冷化 中間圏準 2 年周期変動 大気重力波 物質循環 惑星波 オゾンホール 極中間圏雲 中間圏界面 大気重力波 極成層圏雲 イオン 流出 オーロラ ジェット電流 赤道ジェット電流 大気重力波 90 60 赤道異常 乱流 温暖化 電離圏 高度 [km] 200 プラズマ 不安定 大気重力波 成層圏界面 寒冷化 中間圏 300 プラズマ 不安定 イオン 流出 物質循環 成層圏準 2 年周期変動 対流圏界面 オゾン層 大気重力波 温暖化 冬 夏 赤道 北極 南極 対流圏 成層圏 400 熱圏 500 「超高層大気」は 主に熱圏と電離圏 を意味する 地磁気擾乱,オーロラ現象,気象現象などの地球の大気・プラズマの諸現象の源は,太陽放射や太陽風などの形で注入され るエネルギーです. この太陽からのエネルギーは,地球をとりまく空間(大気圏・電離圏・磁気圏)の中をその形態を変えながら 伝搬し,多様な物理現象を引き起こしています. また,地球システムはグローバルな複合系となっており, その理解には異なる大 気層の間の相互作用を理解する必要があります. このため,太陽活動や地球温暖化などに伴う超高層大気の長期変動の実態とその物理機構を解き明かすためには,全球規 模の地上観測ネットワークから長期的に得られた様々な観測データ (電離・中性大気,大気組成,オーロラ,地磁気,太陽風,太 陽紫外線等)を組み合わせた分野間にまたがる総合解析が不可欠です. これまでの研究遂行上の問題点 観測データベースがそれぞれの研究機関に分散 専門分野外の観測データの検索・取得・解析に多大 な労力が必要 観測データの多くは特定の機関や分野での利用に 留まり,一部は公開されないまま有効に活用されな いケースも B研究所 C大学 D研究センター データベース データベース データベース A大学 欲しいデータは どこだろう 自前のデータを広く 周知して活用しても らいたいけど… 多様な観測データを必要とする学際的研究が困難 データベース 1 ? の有機的な利活用・総合解析を促進する研究基盤の構築 IUGONETのねらい IUGONET(読み方: 「ゆーごねっと」,正式名称:Inter-university Upper atmosphere Global Observation NETwork, 超高層大気長 期変動の全球地上ネットワーク観測・研究)は,観測データからメタデータを抽出してネットワーク上で広く共有するシステムを構築 し,各機関が国際地球観測年(1957−1958年)以来蓄積してきた種々の地上観測データの流通を図ります. さらに,それらを含めた観 測データを一元的に取り扱うことが可能な解析ソフトウェアを開発し,観測データの総合解析を促進させます. これにより,全球規模 で起こる超高層大気の諸現象の解明に貢献する研究推進基盤の構築とともに,分野横断的な研究の促進を目指します. IUGONETのとりくみ IUGONETは,超高層大気関連の地上観測を長年推 進してきた実績をもつ国立極地研究所,東北大学,名古 実データ DB 屋大学,京都大学,九州大学の5機関の7組織が連携し, メタデータ DB 2009年に6カ年計画でスタートした大学間連携プロ IUGONET 参加機関 ジェクトです.IUGONETは,次の2つのプロダクトの開発 を柱としてプロジェクトを推進しています. IUGONETメタデータ・データベース(DB) → 5-6ページへ 超高層大気科学 バーチャル情報拠点 UDAS 解析ソフトウェアUDAS (iUgonet Data Analysis Software) → 7-8ページへ メタ データ DB これらの開発プロダクトは,2011年度末に正式版の 国内外の 研究者 実データ DB 公開・配布をプロジェクトのウェブページにおいて開 始し,自由にご利用頂くことが可能です.今後も,参 実データ DB 加機関内外からの地上観測データのメタデータの抽 メタデータ提供 協力機関 出とメタデータDBへの登録を促進するとともに,メ タデータDB及びUDASの機能強化を実施します. IUGONETタイムライン FY2009 メタデータDB メタデータ フォーマット策定 FY2010 FY2011 FY2012 FY2013 FY2014 システム開発 メタデータ登録追加・機能強化 正式公開 UDAS 仕様策定 開発 v2.002 β版公開 正式版(v1.00.1) START v2.00.1 機能強化 さらなる発展へ 超高層大気分野の コミュニティツール, 分野横断研究促進の 基盤として v3.003 v2.01.1 v3.00.2 v3.00.1 2 北欧観測拠点 EISCATレーダー 流星レーダー オーロライメージャー 磁力計 etc. 東北大学大学院理学研究科 惑星プラズマ・大気研究センター/地球物理学専攻太陽惑星空間物理学講 EISCATスバールバルレーダー IPRTで観測された 太陽電波バースト 飯舘惑星電波望遠鏡IPRT 飯舘観測所は東北大学付属観測所の1つで,惑星大気光望遠鏡や飯舘惑星電波望遠鏡 IPRT,木星・銀河デカメートル電波受信機が設置されており,電波と光を観測手段として 惑星圏の現象と環境の解明を実施しています. また,世界各地でオーロラの撮像観測や 地磁気観測,LF電波観測を用いた磁気圏・電離圏のダイナミクスの研究を推進していま す. http://c.gp.tohoku.ac.jp/ 情報システム研究機構 国立極地研究所 研究教育系・宙空圏研究グループ 全天 カメラ N(極側) E アイス ランド 南極無人磁力計ネットワーク 南極昭和基地と アイスランドに おけるオーロラ 共役点観測 昭和 基地 E オーロラ 加速域 赤道大気レーダー(EAR) 電子 S 磁力線 N E 全天 カメラ W W オーロラ 加速域 赤道大気観測所 赤道大気レーダー(EAR) X-バンド気象レーダー シ―ロメーター 自動気象観測装置 全天カメラ etc. 電子 S (極側) 南極昭和基地とその地磁気共役点のアイスランド,他の南極基地や北欧において, カメ ラ・磁力計・レーダー等による多点観測を展開し,オーロラ爆発の発生メカニズム,太陽 風・磁気圏・電離圏間のエネルギーや運動量の輸送過程の理解を目指しています. また, 気象擾乱や太陽活動,南北の大気大循環の影響で大きく変化する極域の中層・超高層 大気の精密計測のための様々な観測を展開しています. http://polaris.nipr.ac.jp/ spuas/ 名古屋大学 太陽地球環境研究所 IUGONET地上観 SuperDARN北 海道-陸別短 波レーダー 太陽面 富士近郊で稼働中の惑星間空間 シンチレーション観測用の電波望遠鏡 http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ 惑星空間 磁気圏 電離大気 国内外に展開された大気圏・電離圏レーダー,電波・宇宙線望遠鏡,光学機器,地上磁場 観測器などを用いて,太陽・惑星間空間∼熱圏・電離圏∼成層圏・対流圏におよぶ広大 な領域を対象とした観測を実施しています.異なる領域での観測と理論・シミュレーショ ンとを組み合わせることにより,太陽から地球大気までのエネルギーや物質輸送/変換 プロセスについて様々な角度から研究を行っています. 京都大学大学院理学研究科 中性大気 附属地磁気世界資料解析センター AE指数の算出に使用している 地磁気観測点の分布 World Data Center for Geomagnetism, Kyotoを運営し,世界約150ヶ所の地磁気観測 所からデータを収集・保存・配布するサービスを行なっています. また,地磁気擾乱の 指数として,AE指数・Dst指数・ASY/SYM指数の3種類の地磁気指数を算出し,公開して います. http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/ 3 SDレーダー 磁力計 プラズマ圏 電離圏 熱圏 当センターで算出/公開している地磁気指数の1例 ∼Geomagnetic Auroral Electrojet (AE) index∼ 太陽望遠鏡観測 中間圏 成層圏 対流圏 電波観測 光学観測 MF/流星レーダー ライダー 磁力計 光学観測 赤 M シ Xバ 境 自動 WDC 収集・算出データ 観測所 南極 中低緯度 東北 国立 WDC magnetometer MAGDAS/CPMN/EMN magnetometer other magnetometer GNU radio beacon receiver OMTI imager various radars solar observations other observations アサバスカ観測点 磁力計 LF帯電波 イメージャー LF帯電波受信機 IUGONETに参加する5機関7組織は,赤道から両極 域にわたる全球上で,地表面から惑星間空間および 太陽圏にいたる広汎な高度範囲の領域を対象とした 観測を実施しています. IUGONETでは, このような各機関が長年蓄積してきた 多様な地上観測データを用いた分野横断的な研究の 促進するための研究基盤を構築しています. 京都大学生存圏研究所 信楽MUレーダー 1986-2012年まで 信楽MUレーダー で観測された中間 圏における平均的 な東西風(左図)と 南北風(右図)の時 間‐高度プロット ペルー・ 太陽フレア 監視望遠鏡 南極昭和基地 オーロライメージャー 磁力計 SuperDARNレーダー ELF/VLF帯受信機 リオメーター ナトリウムライダー etc. 信楽MUレーダーおよび赤道大気レーダー(EAR)は,長期間にわたって対流圏から熱圏, および電離圏における風速場と乱流現象を観測しています. また,様々な高度領域にお ける観測データを基に,大気波動の励起と伝搬メカニズムやその波動を介した異なる 大気層間の結合過程を研究しています. 観測ネットワーク http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ 京都大学大学院理学研究科 附属天文台 太陽彩層 全面画像 太陽望遠鏡観測 飛騨天文台 ドームレス太陽望遠鏡 電波観測 MAGDAS/CPMN磁力計 電離圏FM-CWレーダー 電波観測 磁力計 衛星ビーコン電波受信観測 赤道大気レーダー MF/流星レーダー ラジオゾンデ シ―ロメーター バンドレーダー 境界層レーダー 動気象観測装置 磁力計 光学観測 ISレーダー 磁力計 SDレーダー 光学観測 赤道 中低緯度 北極 国立極地研究所 http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/ 九州大学 国際宇宙天気科学・教育センター ラジオゾンデ シ―ロメーター 境界層レーダー 下部対流圏レーダー 自動気象観測装置 所地磁気データ・地磁気活動度指数・電離圏伝導度モデル値 東北大学 飛騨天文台の太陽磁場活動望遠鏡 SMART とドームレス太陽望遠鏡 DST,ペルー国立 イカ大学に設置したフレア監視望遠鏡 FMT の3つの望遠鏡を中心に,太陽活動の地上 光学観測を実施しています. これらの望遠鏡で得られた撮像・分光観測データやイベン トリスト,ムービー等のデータベースのメタデータを提供することにより,宇宙天気研究, 太陽地球間環境研究の推進に寄与します. 電波観測 光学観測 アイオノゾンデ 光学観測 ライダー 下部熱圏プロファイ MF/流星 ラレーダー レーダー MF/流星レーダー MFレーダー MUレーダー 太陽彩層 部分画像 飛騨天文台 太陽磁場活動 望遠鏡 京都大学 名古屋大学 九州大学 メタデータ提供協力機関 210度磁気子午線沿い,磁気赤道域,96度磁気子午線 沿いに展開するMAGDAS地磁気磁力計 電離層侵入電場を観測する,世界4地点に展開する FM-CWレーダー 当センターでは,主に全球地上磁場・レーダーネットワークMAGDASを運用し,地球磁場 の乱れや電場・電流変動の観測・解析から宇宙や地球の電磁気学的な諸現象について 総合的に研究をおこなっています. さらに, それらの観測解析結果に基づいた様々な地 磁気指数や経験モデルの算出・公開をおこなっています. http://www.serc.kyushu-u.ac.jp/ 4 メタデータ・データベース IUGONETは,観測データからメタデータを抽出してデータベース化し,インターネット上で共有するシステム (=IUGONETメタデータ・データベース)を構築しています. IUGONETメタデータ・データベース(DB) とは メタデータとは メタデータとは,データそのもの(実データ)ではなく,そのデー 観測データ 観測した画像や数値 などの実データ 付帯情報 を抽出 タに付帯した情報を意味します.超高層分野の観測データのメタ データの一例としては,観測日時,観測地点,装置の種類,観測 データの所在などが挙げられます. メタデータ ・観測日時 ・観測地点 ・装置の種類 ・観測データの所在 ・データの保存形式 ・問合せ先 etc. IUGONETメタデータ・データベース(DB)の概要 IUGONETが提供する 「IUGONETメタデータDB」は, これまで参加機関において個別に管理されてきた超高層大気の地上観測デー タベースから, メタデータを抽出してデータベース化し,インターネット上で共有するためのシステムです. これにより,複数の機関が分 散管理している多様な観測データに対して,一度の問い合わせで横断的な検索が可能になります.さらに, メタデータに含まれる観測 データの所在情報を ることで,実際の観測データにアクセスすることが容易になります. なお,IUGONETメタデータDBは,ディジタルリポジトリ構築のためのオープンソースのソフトウェアDSpaceをベースに独自のカスタ マイズを加えて構築しています. また,解析ソフトウェアUDAS (7-8ページ参照) との将来的な連携や,検索結果の他サイトからの利用 も想定し,OpenSearchの機能も実装しています. IUGONET共通メタデータフォーマット 各機関が所有する個々の観測データからメタデータを抽出し, IUGONET共通メタデータフォーマット データベース化するためには,共通のフォーマットを策定する必要が あります.IUGONETでは,欧米の太陽地球系物理学の研究者らによる 国際コンソーシアムであるSPASE (Space Physics Archive Search and Extract)によって作成されたデータモデルをフォーマットの基本として 採用しました.さらにこのSPASEモデルに対して,超高層大気や太陽の 地上観測データの特徴に沿うように修正を加えて,共通メタデータ フォーマットを策定しました. このような既存の有力なフォーマットを ベースにすることで,将来的に世界中の様々な分野・コミュニティとの 間でメタデータの交換や共有が進められることが期待されます. また, このIUGONET共通メタデータフォーマットでは,1つのデータ セットを記述するメタデータの他に,観測装置,観測サイト,人的リソー ス,実データのデータベースなどの情報のカテゴリー毎に,独立したメ タデータを作成します. これらのカテゴリー分けされたメタデータは個 別のXMLファイルとして記述され,相互にリンクする構造を持ちます. また,個々のデータファイルに付随したメタデータ (Granule)も定義さ れており,データファイル毎のメタデータをアーカイブすることで,デー タファイル単位の検索も可能となっています. 5 ※SPASEのデータモデルに独自の微修正を加えて定義 情報のカテゴリー毎に,対応するデータタイプのXMLフ ァイルとしてメタデータを記述 情報のカテゴリー XMLのデータタイプ データセット - 数値データ NumericalData - プロット,ムービー等 DisplayData XML XML - イベントリスト, カタログ等 Catalog XML 地上観測サイト Observatory 観測機器 Instrument 研究者などの人的リソース Person 実データのデータベース Repository 個々のデータファイル Granule XML XML XML XML XML http://www.iugonet.org/mdb.html IUGONETメタデータ・データベース(DB)の活用方法とメリット 登録されているメタデータを検索して観測データを利用する 利用方法 まずは以下の URLから検索ページ にアクセス!<ユーザー登録不要> http://search.iugonet.org/iugonet/ 条件を入力して検索!(キーワード, 日時,地球や太陽面上の緯度・経度, データタイプなどが指定可) 検索結果で表示された実データの 所在地(URLなど)から観測データ にアクセス! メリット IUGONET参加機関と協力機関が所有する観測データに関するメタデータを,1度の問い合わせで横断的に検索可能 簡単な使い方を動画で 紹介します. Keywordの指定では,AND/OR検索や 特定ワードの除外なども可能です. また登録 IDでの検索も可能で,一意 検索や階層検索にも対応しています. (詳細は上記の参考資料へ) メタデータの階層構造に 従って,登録済みのメタ データが一覧として表示 されます.そこからメタ データへ ることもでき ます. 日時範囲やメタデータのタイプ を指定 登録の進 状況が機関毎 に一覧表としてまとめら れています.ここからも メタデータへ ることが できます. ? をクリックすると補足 情報が表示されます http://search.iugonet.org/iugonet/ 自前の観測データのメタデータを登録してデータの流通促進を図る 登録までの流れ IUGONETメンバー にコンタクト 作成するメタデータ セットを確認 代表的な1データセットの メタデータのファイルを試作 複 製・ 修 正 を 行 い , 全セット分を作成 メタデータ DBに登録! メリット 登録したデータがIUGONET メタデータDB での検索でヒットするようになり,データのことを知らない人に,データの情報を 知ってもらえる アナログデータについても,データに関する情報がデジタル化されたカタログ(メタデータ) として登録ができる メタデータの登録をご希望の方へ まずはIUGONETメンバーにe-mail等でご連絡下さい.なお,登録に必要な手順の詳細は, 以下のウェブページで公開している 「IUGONETメタデータ作成・登録の手引き」をご参照下さい. メタデータ作成・登録の手引き: http://www.iugonet.org/mdformat.html お問い合わせ先: [email protected] 6 データ解析ソフトウェア − UDAS IUGONETは,多種の地上観測データを時系列表示・解析するための統合解析ソフトウェア UDAS (iUgonet Data Analysis Software)を開発し,右記のウェブページから配布を行っています. UDASとは UDASは,Interactive Data Language (IDL)で書かれた宇宙物理環境データ解析ソフトウェア Space Physics Environment Data Analysis Software (SPEDAS, 元TDAS)のプラグインソフトウェアで,IUGONET参加機関が提供する様々な地上観測データのロード関数 を提供しています. これにより,IUGONET地上観測データの表示や解析をSPEDAS上で行うことができます. 実際の操作では, コマンドラインだけでなくGUIツールも利用すること ができ,未経験者にとっても直感的に操作しやすい仕様になっています. UDASの特徴 データの所在地を気にすることなく自動的にダウンロード データファイルのフォーマットを気にすることなく表示や解析 SPEDASでロードできる衛星データも含めた異種データの並列表示 多彩な時系列解析の機能(周波数解析, フィルタ処理など) データのアスキーダンプ,画像のPNG/JPEG/GIF/PS出力 SPEDAS/UDASのGUIツールの操作画面の例 UDAS導入までの流れ IDLを既 に利用し ている, または, 利用環境 がある SPEDAS最新版 をインストール YES NO UDAS導入 参照ウェブページ IDLライセンス (有償)が 取得可能 YES UDAS最新版 を追加 IDLをインストール NO SPEDAS VMバージョン をインストール CUIも含めた SPEDAS/UDASの全機能 が利用可能に! SPEDAS/UDASのGUI ツールが利用可能に! UDAS導入方法の全体に関する詳細,UDAS最新版の入手 IUGONET Web http://www.iugonet.org/software/ SPEDASおよびSPEDAS VMバージョンの入手 THEMIS Web http://themis.ssl.berkeley.edu/software.shtml IDLのインストール Exelisvis Web http://www.exelisvis.com/ UDASを用いた観測データのロードのイメージ インターネット上の データサーバー群 SSL, Berkeley THEMIS, GBO CDAWeb OMNI, ACE,Wind etc. ユーザーPC UDAS 自動 ダウン ロード iUgonet Data Analysis Software Data データは自動的 にユーザーPC内 のディレクトリ に格納 CUIでは次のような3つのコマンドのみでデータのプロットが可能 (GUIなら簡単なクリック操作のみ) 7 データは tplot変数に 格納 SPEDAS Space Physics Environment Data Analysis Software IDL HDD 1 timespan, yyyy-mm-dd (日時を指定) 3 tplot, △△△ (ロードされたデータをプロット) 2 iug_load_○○○ (○○○データをロード) http://www.iugonet.org/software.html UDASロード関数 UDASは,下記の表にあるIUGONET参加機関の地上観測データのロードや解析を行うための「UDASロード関数」から構成されてい ます.SPEDASではTHEMISミッション提供のデータや各種の衛星データ (ACEやGOESなど)用のロード関数が提供されています. SPEDASは,UDASが含まれた形で配布されており,SPEDASをインストールするだけでUDASロード関数の利用が可能です.さらに, 新しく開発されたUDASロード関数は,上記のIUGONETウェブページにおいて逐次リリースされており,ユーザーはUDAS最新版を追 加インスト―ルすることによって,SPEDASの更新を待たずに最新のUDASロード関数の利用が可能となります. UDAS s1.00.1(SPEDAS v1.00対応版) で提供しているUDASロード関数の一覧 ロード関数名 観測データ iug_load_smart iug_load_iprt iug_load_hf_tohokuu iug_load_aws_rish iug_load_blr_rish iug_load_ltr_rish iug_load_ear iug_load_mu iug_load_meteor_rish iug_load_mf_rish iug_load_wpr_rish iug_load_eiscat Lバンド下部対流圏レーダーデータ ウィンドプロファイラーレーダーデータ イオノゾンデデータ iug_load_eiscat_vief ラジオゾンデデータ SuperDARNレーダーデータ EISCATレーダーデータ 京大天文台 東北大 東北大 京大RISH 京大RISH MUレーダーデータ 流星レーダーデータ 提供機関 赤道大気レーダーデータ MFレーダーデータ iug_load_ionosonde_rish iug_load_sdfit HF帯太陽・木星電波広帯域スペクトルデータ 境界層レーダーデータ iug_load_radiosonde_rish 太陽HF電波スペクトルデータ 自動気象観測装置データ 太陽磁場活動望遠鏡(SMART)データ 京大RISH EISCATレーダーデータ (イオン速度/電場ベクトル) イメージングリオメータデータ iug_load_avon_vlfb アジアVLF観測ネットワーク (AVON/VLF-B) データ iug_load_asi_nipr 全天イメージャデータ iug_load_gmag_wdc AE, Dst, ASY/SYM指数,観測所地磁気データ1時間値・1分値 LF帯標準電波観測データ iug_load_camera_omti_asi iug_load_gmag_mm210 iug_load_gmag_magdas_1sec iug_load_gmag_stel_induction iug_load_gmag_nipr_induction iug_load_kyushugcm 210° 地磁気観測網データ MAGDAS地磁気観測網データ STEL誘導磁力計観測網データ 昭和基地、 アイスランド誘導磁力計データ 九大GCMシミュレーションデータ 京大RISH 名大,極地研,その他SuperDARN関連機関 名大,極地研 名大,極地研 極地研 東北大 極地研 昭和基地・アイスランド磁力計,南極無人磁力計観測網データ 京大RISH 名大 全天イメージャケオグラムデータ iug_load_gmag_nipr 京大RISH 京大RISH 東北大 超高層大気イメージングシステム (OMTI) データ iug_load_ask_nipr 京大RISH 京大RISH iug_load_irio_nipr iug_load_lfrto 京大RISH 極地研 京大WDC 極地研 名大,九大 九大 名大 極地研 極地研,九大 時系列データの並列表示の例 EISCATレーダーデータ と光学観測データ の並列表示 2次元データの表示の例 SuperDARNデータと THEMIS地上全天カメラ画像の 2次元プロットの例 8 メタデータ・データベース登録データ一覧 (2015年2月時点,☆はデータセットのメタデータ登録予定を示す) ● 東北大学 大学院理学研究科 附属惑星プラズマ・大気研究センター /地球物理学専攻太陽惑星空間物理学講座 女川 地磁気変動データ (サーチコイル) 飯舘HF帯太陽・木星電波広帯域スペクトルデータ 飯舘UHF帯木星メートル電波固定周波数データ 飯舘VHF帯太陽メートル電波スペクトルデータ 蔵王HF帯木星電波固定周波数観測データ ☆ 蔵王HF帯木星電波広帯域観測データ ☆ アサバスカLF帯標準電波位相・振幅変動データ ニーオレスンLF帯標準電波位相・振幅変動データ アラスカ 地磁気変動データ (サーチコイル) アラスカ オーロラ撮像データ☆ アジアVLF帯電磁場観測ネットワーク (AVON) ● 国立極地研究所 研究教育系 宙空圏研究グループ 昭和基地オーロラ光学観測 昭和基地地磁気観測 昭和基地超高層モニタリング観測 昭和基地イメージングリオメータ 昭和基地1-100Hz帯ULF/ELF電磁波動観測☆ 昭和基地ファブリペローイメージャー 昭和基地大型短波レーダー 昭和基地MFレーダー 昭和基地ナトリウムライダー 昭和基地および周辺無人磁力計ネットワーク観測 中山基地超高層物理観測☆ 南極点基地全天オーロライメージャ アイスランド共役点観測 EISCATレーダー 流星レーダー(スバールバル, トロムソ) オーロラ光学観測(スバールバル, トロムソ) ● 京都大学 大学院理学研究科 附属天文台 フレア監視望遠鏡(FMT) : FMT太陽全面多波長画像 FMTイベントリスト FMTイベントムービー 太陽磁気活動望遠鏡(SMART) : SMART Hα太陽全面多波長画像 SMART Hα太陽部分拡大多波長画像 SMARTイベントカタログ SMARTイベントムービー SMART太陽光球磁場データ ドームレス太陽望遠鏡(DST) : DST Hα太陽部分拡大多波長画像 DST 太陽分光観測クイックルック画像 DST 太陽分光観測データ 太陽全面カルシウム線ヘリオグラム ● 京都大学 大学院理学研究科 附属地磁気世界資料解析センター 地磁気指数データ (final) 地磁気指数データ (provisional) 地磁気指数データ (quick look) 地磁気ディジタルデータ (WDC final) 地磁気ディジタルデータ (WDC prompt) 地磁気アナログデータ 地磁気ディジタルデータ (研究観測) 微気圧変動データ (研究観測) 主磁場モデル (IGRF) 電離層モデルによる計算値 磁場データカタログ情報 ● 名古屋大学 太陽地球環境研究所 大気圏: 大気微量成分のキャンペーン観測 大気エアロゾル観測 赤外分光による大気分子観測 (国内) ミリ波サブミリ波分光による大気分子観測 (国内,南アメリカ) 電磁気圏: 210 Magnetic Meridian (210MM) 地上磁力計チェーン STEL磁力計 (国内, カナダ,ロシア) OMTI大気光・オーロラ光学観測☆ 電離圏シンチレーション観測 (インドネシア, ノルウェー)☆ VHFレーダー (インドネシア) ● 京都大学 生存圏研究所 信楽MU観測所: MUレーダー (標準観測:対流圏・成層圏/中間圏/電離圏, 特別観測: 流星/RASS/FAI) ラジオゾンデ 境界層レーダー Lバンド下部対流圏レーダー ウインドプロファイラ (LQ-7) アイオノゾンデ VLF/ELF電磁放射観測 (国内, カナダ) EISCATレーダー MF/流星レーダー (ノルウェー)☆ 大気光・オーロラ観測 (ノルウェー) SuperDARN北海道-陸別短波レーダー 太陽圏: ミューオン望遠鏡☆ 惑星間空間シンチレーション観測 流星レーダー ● 九州大学 国際宇宙天気科学・教育センター ライダー☆ FM-CWレーダ観測データ 下部熱圏プロファイラレーダー☆ シーロメーター 自動気象観測装置 全天カメラ 赤道大気観測所: 赤道大気レーダー (対流圏・成層圏観測,FAI) 境界層レーダー 地上磁力計観測データ 地磁気Pc5 Index データ 地磁気EE Index データ 地磁気Pi2 Index データ MAGDAS/CPMN観測によるSq経験モデル 流星レーダー <メタデータ提供協力機関> シーロメーター 白色光/Hα線太陽全面画像 X-バンド気象レーダー ラジオゾンデ 自動気象観測装置 全天カメラ その他: MFレーダー(ポンティアナ,パムンプク) 流星レーダー(スルポン,ビアク) スルポン境界層レーダー ダーウィンゾンデ (キャンペーン観測) GNUビーコン電波受信 (GRBR) GPS☆ ウインドプロファイラ(LQ-7) (ビアク,マナド,ポンティアナ) 自動気象観測装置(ビアク,マナド,ポンティアナ) ラジオゾンデ (バンドン,ポンティアナ, スルポン,宇治) ● 国立天文台 太陽観測所 太陽全面ストークスマップ (He-I 10830, Si-I 10827, Fe-I 15648) ● 情報通信研究機構 オーロラ・ウェブ・カメラ (アラスカ) MFレーダー(アラスカ/稚内/山川) 1.3GHzウィンドプロファイラレーダ(LQ4)☆ ● 気象庁地磁気観測所 地磁気データ (1時間/1分/1秒値、柿岡/女満別/鹿屋/父島)☆ 地磁気データ (0.1秒値、柿岡/女満別/鹿屋)☆ 地電流データ (1時間/1分/1秒/0.1秒値、柿岡/女満別/鹿屋)☆ 大気電場データ (1時間/1分値、柿岡/女満別)☆ なお, メタデータ登録状況の最新情報や詳細は以下のページからご確認頂くことができます. http://search.iugonet.org/iugonet/community-list メタデータの階層構造に従って登録済みのメタデータを一覧として表示 http://www.iugonet.org/mdblist.html 機関毎のメタデータ登録状況の一覧表(各観測データの説明を概観可能) 9 国内外の様々なプロジェクトとの連携 IUGONETは,太陽地球系科学分野の研究者らとの意見交換によりメタデータのフォーマット策定を行い,超高層物理学分野のメタ データの国際標準を策定しているSPASEデータモデルのコンソーシアムにも参加し,定期的な会合を行っています. このため,国内にお いては,国立天文台,情報通信研究機構,気象庁地磁気観測所の所有する地上観測データのIUGONETメタデータ・データベースへの登 録が進みつつあります. データ解析ソフトウェアUDASの開発に関しては,THEMIS衛星に関する米国などのチームや, 日本のERG衛星(2015年打上げ予定)に 関わるERGサイエンスセンター(http://gemsissc.stelab.nagoya-u.ac.jp/erg_ja/) と共同で行っています. また,IUGONETの検索システムは,他の検索エンジンや検索システムから横断検索が可能になるように準備を進めており,IUGONET 主催の研究集会等で,国内の地球環境に関するデータベース作成を行う異分野のグループとも意見交換を行っています. また,同様の目 的をもつ欧州のESPASプロジェクト (http://www.espas-fp7.eu/) と,2013年6月に協力協定を締結し,連携に向けての打ち合わせをして います. SPASE THEMIS(米) ERG(日) メタデータ・フォーマット策定 検索システムの連携 解析ソフトウェア開発 メタデータ登録 ESPAS(欧) 国立天文台 情報通信研究機構 気象庁地磁気観測所 横断検索など更なる連携強化 ご協力を歓迎致します 恒久的な取り組みに向けた国際的な学術組織からの推薦 さらなる展開,分野横断研究の推進にむけて 研究集会の主催 年2回の頻度で研究集会を主催し, プロジェクトの進 や今後の課題,IUGONET開 発プロダクトを活用したサイエンス研究の成果を議論する場を設けています.さらに 一般講演を募り,関連分野の動向の把握やプロジェクトに対するニーズの発掘を行っ ている他,周辺の研究分野や情報系の研究者の方も招聘し,様々な角度から今後のプ ロジェクトの展開について議論を深める機会となっています. ウェブ,SNS, ニュースレター, メーリングリストを用いた広報・普及活動 IUGONET Channel ウェブページやSNSを活用して,IUGONETの活動や開発プロダクトの普及を図って います.twitterではプロジェクトの最新ニュース等を,YouTubeでは開発プロダクトの チュートリアル動画を配信しています.ユーザー向けのメーリングリストも整備してお り,IUGONETウェブページから簡単にご登録手続きが可能です. また,ニュースレター を2013年1月に創刊し,年2回の頻度で発行をしています. JOIN OUR MAILING LIST! 国内外における解析講習会の実施 開発プロダクトの活用方法に関する講習会を国内外で開催しています.参加者の皆 様には, ご自身のノートPCの上でUDASを操作して習得して頂いております. リクエストベースの小規模な講習会の実施も進めています.皆様の大学や研究機関 等にIUGONET開発メンバーが講師としてお伺い致します.UDAS初心者の方から中級 者の方まで,様々な講習プログラムをご用意しております.講習会をご希望の方は,下 記のお問い合わせ先までご連絡下さい. 過去の解析講習会の資料: お問い合わせ先: http://www.iugonet.org/software/documentation.html [email protected] 10 IUGONETプロジェクト参加機関・構成員 京都大学 生存圏研究所 津田 敏隆, 山本 衛, 橋口 浩之, 古本 淳一, 矢吹 正教, 新堀 淳樹 東北大学 機関代表者 開発メンバー 2015年2月現在 大学院理学研究科 惑星プラズマ・大気研究 センター, 地球物理学専攻太陽惑星空間物理 学講座 小原 隆博, 寺田 直樹, 笠羽 康正, 坂野井 健, 三澤 浩昭, 熊本 篤志, 土屋 史紀, 加藤 雄人, 谷 将人, 八木 学 大学院理学研究科 附属地磁気世界資料解析センター 家森 俊彦, 藤 浩明, 竹田 雅彦, 能勢 正仁, 小山 幸伸 大学院理学研究科 附属天文台 柴田 一成, 上野 悟, 金田 直樹 国立極地研究所 研究教育系 宙空圏研究グループ 中村 卓司, 門倉 昭, 宮岡 宏, 岡田 雅樹, 小川 泰信, 冨川 喜弘, 佐藤 夏雄, 田中 良昌 九州大学 国際宇宙天気科学・教育センター (旧:宙空環境研究センター) 吉川 顕正, 湯元 清文, 羽田 亨, 池田 大輔, 阿部 修司 名古屋大学 太陽地球環境研究所 大学間連携事業推進グループ 塩川 和夫, 藤井 良一, 三好 由純, 大塚 雄一, 荻野 瀧樹, 梅村 宜生 大学間連携事業運営委員会委員 中山 智喜, 長濱 智生, 野澤 悟徳, 大塚 雄一, 藤木 謙一, 松原 豊, 三好 由純, 関 華奈子, 西谷 望, 阿部 文雄 IUGONET 運営協議会 構成員 東北大学 国立極地研究所 名古屋大学 京都大学 九州大学 小原 隆博 中村 卓司(議長) , 佐藤 夏雄 塩川 和夫, 藤井 良一, 荻野 瀧樹 津田 敏隆, 家森 俊彦, 柴田 一成 吉川 顕正, 湯元 清文, 羽田 亨 超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究 Inter-university Upper atmosphere Global Observation NETwork (IUGONET) Web: http://www.iugonet.org/ e-mail: [email protected] Twitter: https://twitter.com/iugonet Metadata DB: http://search.iugonet.org/iugonet/ YouTube: http://www.youtube.com/user/iugonet2009 本プロジェクトは,文部科学省特別教育研究経費(研究推進) [平成21年度] および特別経費(プロジェクト分) [平成22年度∼] の交付を受けて, 平成21年度より6ヶ年計画で実施している事業です 2015年2月1日発行 This work is licensed under a Creative Commons AttributionNonCommercial-NoDerivs 3.0 Unported License.