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情 報 報 告 - 日本産業機械工業会

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情 報 報 告 - 日本産業機械工業会
情 報 報 告
ウィーン
欧州環境情報
世界、IPCC 統合報告書が予防措置の必要性を警告
11 月 1 日、デンマークの Copenhagen で開催されていた第 40 回気候変動に関する政府
間パネル(IPCC)の統合報告書では、二酸化炭素(CO2)に起因する温暖化が“実質的に避けら
れない”と警告している。現在の温室効果ガスのレベルが少なくとも 80 万年間で“前例の
無い”もので、人間と自然のシステムへ広範に影響をおよぼしていることを明らかにして
いる。報告書は、現在の燃料燃焼の状況が変わらない場合は、災害を引き起こすレベルの
温暖化になることを政府や業界が防止するために必要な措置に対する提案事項を示してい
る。国連の藩基文事務総長は会議の開始時に、「我々は気候変動を制限し、より良い未来
を築くたまの手段を持っている。我々破壊的な結末を回避したいなら、迅速かつ断固とし
て行動しなければならない」と話した。
世界、需要側管理が再生可能エネルギーの拡大を助ける
11 月 5 日、より多くの間欠的な再生可能エネルギーの容量が世界中の電力グリッドネッ
トワークに追加されているので、その変化する供給量に対応するために、より大きなシス
テムの柔軟性への要求が大きくなっている。欧州の一部では、系統運用事業者らは、新し
い再生可能エネルギーが追加されてますます複雑な管理技術だけでなく、汚染の原因とな
り非効率な予備電源の反復使用が要求されるので、システムのバランスを取ることが一層
困難になりつつあると訴えている。そして、太陽光(PV)発電や風力発電の過度な電力は多
くの場合で完全に使用されていない。
費用対効果の高い貯蔵技術が存在しない場合、部分的な解決策として、再生可能エネル
ギー電力の予想および予想外の変動を吸収しかつバランスを取ることが可能となる高度な
需要側管理が重要になると考えられている。需要と供給のピークを調整することによって、
システムは再生可能エネルギー電力をより効率的に使用することが可能となる。同時に、
再生可能エネルギー電力の不可避の低下と管理できない需要のピークのバランスを取るた
めの汚染源となる化石燃料ベースの予備電源への必要も少なくなる。また、需要側管理シ
ステムは分散型発電に動きを促進する重要な要素にすることによって、より多くの電力源
に対処することが可能となる。
欧州、3 月の皆既日食が電力グリッドの課題となる
11 月 10 日、欧州大陸における太陽エネルギーからの電力が大幅に増加しているので、
2015 年 3 月の皆既日食が欧州の電力グリッドにとって前例の無い試験となると、フランス
の電力グリッド事業者 RTE が話した。
2015 年 3 月 20 日の午前には、ほぼ太陽の全部が隠されるので、ノルウェーや北欧諸国
では 1 時間半に渡り太陽光が遮断され、欧州の他の国、アフリカ北部やロシアでも見てわ
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かるような状況となる。欧州の太陽光(PV)発電の設備容量は、1998 年 8 月の大きな皆既日
食の後に大幅に増加しており、その日の天候に依存している。皆既日食は発電量に急速に
影響するので、電力グリッドの調整が必要となる。「この影の進行は太陽光(PV)発電量を
大幅に低下させるだろう」とフランスの電力グリッド事業者の RTE は予測している。
「我々
の計算によると、この影響は欧州全域で 3 万メガワット(MW)程度の発電量が低下する可能
性がある」と補足した。また、この発電能力は 30 基の原子炉に相当するものである。
RTE は欧州の他のグリッド事業者と対応への協力と予備電力の準備についてすでに議論を
始めている。「その日が曇りであれば、ほとんど気付かないだろう。我々は残り数分前に
分かるだろうが、我々の予期される緊急事態の準備から我々を回避させてくれることにな
らない」と RTE は述べている。
欧州、187万トン-CO2の排出権を売り出す
11 月 12 日、EU は 187.3 万トンの二酸化炭素(CO2)排出枠を 1 トンあたり 6.78 ユーロで
オークションに売り出した。EU の排出権は、23 の EU 加盟国政府に代わって、ドイツの
欧州エネルギー取引所(EEX)を介して EU 排出量取引き制度(EU-ETS)の下、スポット取引
きベースで売り出された。オークションの最低および最高入札価格は、EEX のデータによ
ると、それぞれ 1 トンあたり 6.00 ユーロと 7.00 ユーロであった。
2014 年に EU で行われた 196 回の過去のオークションに基づく平均応札倍率の 5.4 と同
じレベルである。全 18 の入札者がオークションに参加し、内 15 の参加者が落札した。オ
ークションの結果、加盟国政府に対して 1,270 万ユーロの総収入があった。2014 年 12 月
の EU 排出枠の先物契約は、1 トンあたり 6.81 ユーロで割当てされたロンドンの ICE
Futures Europe exchange で提供される。
欧州、船舶の CO2 排出量を測定させる法律に合意
11 月 27 日、初めて、海運部門が EU によって合意された法律の下でその二酸化酸素(CO2)
排出量を監視することになる。合意された法律は、気候変動に影響する汚染物質源拡大に
対する一歩になることを意図している。国際海事機関(IMO)によると、現在の海運部門は世
界中の CO2 排出量の約 3%を占めており、規制が行われなければ 2050 年までに 18%にまで
増加することが予想されている。今回の法律は、EU の汚染物質削減のために最も重要な制
度である排出量取引き制度(EU-ETS)の海運部門を含めて阻止する。
イタリアの Gian Luca Galletti 環境相は、今回の合意について政治的な価値だけでなく
技術的にも大きなものであると評価する。それは、気候変動のための新しい目標に関する
10 月の EU の合意に続くように、船舶からの排出状況の監視、報告と確認のためのメカニ
ズムを導入し、2015 年の世界的協定を結ぶための国連の努力の前の形である。匿名の話に
よれば、外交官は、ギリシャ、キプロス、マルタとポーランドの 4 ヶ国が今回の法律に反
対票を投じたが、阻止することは出来なかったという。法律化に向けた署名作業があるの
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で、正式に公表されるまでには数ヶ月を要することが予想されている。IMO および国連で
の数年間の議論では、強制的な汚染抑制に海運部門の排出量を含める方法を考え出すには
至らなかった。環境保護団体は、新しい EU 法についてより厳しい段階への進展として歓
迎しているものの、排出量を測定するだけなので不十分であると指摘している。世界最大
のコンテナ船の海運業者であるデンマークの A.P. Moller-Maersk 社のような企業は、新し
い法律が実践的な解決策であると言う。新しい法律は長い準備期間があり、2018 年 1 月 1
日から 5,000 トン(グロス)以上の船に限り、その船の所有者は排出量の監視のみを行う必要
がある。
オーストリア、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合が32.5%に増加
11月27日、オーストリア統計局によると、2013年のオーストリアのエネルギー消費量は
2012年と比べて1.8%増の約1,118 ペタジュール(PJ)で、増加の主な原因は交通部門(同4.6%
増の370PJ)に起因するという。エネルギー源別では石炭(同9.2%増の20PJ)、地域熱供給(同
4.8%増の81PJ)、再生可能エネルギー(同3.4%増の177 PJ)、石油(同2.6%増の417PJ)が増加
した。一方で、可燃ごみ(同22.5%減の10PJ)、天然ガス(同0.8%減の191PJ)はそれぞれ減少
した。エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合は前年の32.1%から32.5%、電
力消費量に占める再生可能エネルギーの割合は同65.2%から67.0%に増加した。
ドイツ、EU 基金によって液化ガス基地を建設する
11 月 5 日、欧州委員会は液化天然ガス(LNG)のフェリーと北海に燃料基地を建設するた
めにドイツ企業 2 社に総額 400 万ユーロを提供する。今回のプロジェクトは将来に LNG を
使用する船の数を増やすためのものである。新しい船は 2015 年末に完了し、完全に LNG
で駆動する。欧州で LNG を使用する船はあるが、ガスを補給するための場所の欠如によっ
て船の数は限られている。LNG は水の汚染につながる硫黄酸化物を排出しないので、重油
の代替燃料として考えられている。また、温室効果ガスである炭素および窒素の排出量も
少ない。
海洋での硫黄の排出量削減は、10 年間以上に渡って EU の優先事項であった。2015 年か
ら、EU 法は海洋での硫黄排出量を 0.1%まで低減するためにバルト海および北海で運転す
る全ての船の所有者に適用される。現在、船の所有者は環境規則に所有する船を適用させ
るか、または、規制を受けるかどうかで追われている。「LNG は北海とバルト海の硫黄排
出量を制限する新しい法律を遵守するためのやむを得ない選択である。LNG は船用のクリ
ーンな運転に向けての移行を助けるものである。しかし、LNG は業界にとっての最適な方
法ではない。なぜなら、それは地球温暖化に強力に影響を与えるメタンを排出する化石燃
料だからである」と、気候変動関連の NGO は指摘する。
ECSA によれば、船の所有者の大半が新しい規則を遵守するために努力している。企業
はいつから所有する船をアップデートするかについて 4 つの選択肢を持っている。彼らは
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硫黄成分が最大 0.1%までの燃料、スクラバーのような除去技術、代替燃料として LNG 燃
料またはメタノールを使用することができる。LNG の使用は使用可能な選択肢の一つであ
る。ドイツの環境に優しい船舶と LNG 補給基地の建設は、この地域で LNG を使用する船
数の増加につながる。硫黄に対する法律が発効される前にプロジェクトは最終決定されな
いが、船からの排出量を低減するための他の燃料に依存することになる。
この状況にもかかわらず、欧州委員会は新しい船がこの地域の運輸部門の負担を軽減し、
従来型の船よりも高速で移動すると述べている。それが革新的なコンセプトとデザインの
構築となる。プロジェクトの成果は他の船の所有者に対するベストプラクティスの例とし
て提示されるものであると欧州委員会は期待している。しかし、Transport & Environment
は、このようなプロジェクトが将来のための最善の事例にならないと反対する。「EU の資
金提供は EU の気候目標の全体像に沿って使用され、運輸部門の脱炭素化を助けるように
適切に割り当てされるべきなので、他の化石燃料に補助金を与えるべきではない」と指摘
する。Heligoland とドイツ本土間を往復する 800 万ユーロのフェリーは、欧州委員会の
TEN-T プログラムによって共同支援されている。EU の運輸部門で最大の政策的措置であ
る TEN-T は、ドイツイニシアチブのようなグリーンプロジェクトを支援することによって、
EU のインフラの維持と強化を助けている。
ドイツ、省エネルギーのための改修に対するインセンティブを予定
11 月 12 日、ドイツの Barbara Hendricks 環境相と Sigmar Gabriel 経済エネルギー省ら
は、エネルギー効率に関してドイツがまだ遅れているとして、省エネルギーのための改修
をより魅力的にする措置を導入する。ドイツ連邦政府は、2030 年に向けた EU のエネルギ
ー効率目標(30%の省エネ)を達成のために、建築物の改修に対してより手厚い支援を提供す
ることを予定している。12 月 3 日に、連邦政府は新しい「エネルギー効率に関する国家行
動計画」の通過を期待している。この措置では、ドイツ復興金融公庫(KfW)を介してより直
接的に公的な投資ボーナスだけでなく、民間投資家のための減税が含まれることが予想さ
れている。ドイツの連立政府は建築物のエネルギー効率を高めるための改修面で民間投資
家を支援できることを望んでいた。
今回の計画には、投資家らが 10 年間に渡って経費の 10%
の償却を可能にする措置が含まれていたが、この法律に対して、地方自治体が収入の大幅
な損失を恐れたために連邦参議院(上院)で立ち止まっていた。連立政府からの情報によると、
妥協案では最大 2,250 ユーロの年間減税ボーナスを上限にすることによって、間もなく合
意に至るという。
ドイツ手工業会議所(ZDH)と住宅業界もエネルギー効率性に関心のある投資家に対する
税制面でのインセンティブを要求している。
「業界はドイツにおける一層のエネルギー効率
化を進めるための明確な声明を期待している」と ZDH の Hans Peter Wollseifer 代表は言
う。ドイツ連邦住宅不動産企業連合(GdW)の Axel Gedaschko 代表も「エネルギー効率のた
めの改修のための減税措置」を求めている。
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10 月の EU 会談において、28 ヶ国の代表らは 2030 年までに自国のエネルギー消費量を
27%低減することで合意したが、ドイツの状況はこの目標の実現から遠く離れているため、
既存の建築物の約 2%が省エネルギー化の改修を行う必要がある。ドイツエネルギー機構
(dena)の Stephan Kohler 氏は、ドイツ政府が KfW の支援プログラムを支援し、長期的に
それらを提供できることが重要であると指摘する。
そして、建築物の改修に対する強力な支援の実施は、明らかにドイツが欧州委員会からの
圧力に反応していることを意味する。
フランス、欧州最大の太陽光発電施設が建設
11 月 6 日、フランスは欧州最大の太陽光(PV)発電所の建設開始によって近隣諸国に対す
る遅れを少し縮めることができる。フランスの太陽光(PV)発電の設備容量の増加量は、ド
イツ、スペインおよびイタリアに比べて鈍い。2014 年 6 月時点で、太陽光(PV)発電の設備
容量は 5,095 メガワット(MW)であり、今年の上半期における消費量の 1%しか占めておら
ず、ドイツの約 37,000MW からは大きく水を開けられている。
Cestas の新しい発電所は 3 億 6,000 万ユーロ規模のプロジェクトであり、Bordeaux 近
郊の都市の 1 年間の電力量を供給することが可能である。今回のプロジェクトは Paris に
本社のある Neoen 社によって管理される。300MW の地上設置型発電所は、2015 年 10 月
にグリッドに接続され、20 年間に渡り 1 メガワット時(MWh)あたり 105 ユーロで電力を提
供する予定。フランスの太陽光(PV)発電の電力買取り価格は徐々に競争力を持つようにな
ってきたと開発事業者は話す。Neoen 社の Xavier Barbaro 氏は、国有ユーティリティの
EDF が関与する英国の Hinkley Point C プロジェクトが 35 年間に渡って 1MWh あたり 117
ユーロの買取り価格が保証されている状況と比較する。「我々は英国の新しい原発の電力
価格よりも安い。そのため、より多くのコストが必要となった原子力発電と価格が継続し
て下落している太陽光(PV)発電との価格差が無くなる現象がまさに起ころうとしている」
と、Barbaro 氏は述べる。そして、「4、5 年前まで、誰も 2020 年より前にこのような状
況が訪れるとは考えていなかった」と同氏は補足する。
中国製パネル
フランスの緩やかなスタートは、スペイン、チェコ、そして、ブルガリアで見られた太
陽光(PV)バブルの崩壊を回避させる格好となった。また、これは Neoen 社のプロジェクト
に融資する Societe Generale のような銀行の説得や KKB、Acofi のような投資ファンドを
引き付けるのに役立った。「我々は投資家や銀行に対してこれらのプロジェクトが安全で
あることを示すために多くのことを説明する必要があった。しかし、フランスで大きかっ
たことはプロジェクトが既に疑問を抱かせない軌道上にあったことである」と、Barbaro
氏は説明する。
中国の Yingli 社や Trina Solar 社、そして、Canadian Solar 社製の太陽光(PV)モジュー
ルが、Eiffage 社と Schneider Electric 社のフランスのグループを含むコンソーシアムによ
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って建設そして運転される。Barbaro 氏の説明では、3 億 6,000 万ユーロの投資額を除いて、
フランス企業が負担するシェアは少なくとも 50%になるという。
フランス、途上国の石炭火力プロジェクトへの輸出信用を中止する
11 月 28 日、フランスの Francois Hollande 大統領は、最も汚染のひどい化石燃料である
石炭の使用した途上国のエネルギープロジェクトに対する輸出信用を廃止する。
EU では、気候変動に対する取り組みを主導していくために、国内の石炭火力発電所に対
する補助を 2018 年までに段階的に廃止していく。しかし、6 月の EU の政策文書では、フ
ランスの Alstom 社のような欧州の石炭火力発電メーカーが石炭に関する全ての形体の補
助への反対に陥るので、装置の輸出に対する資金的支援を得られるべきであるとしている。
「最終的に、全ての化石燃料のための補助金は段階的に廃止すべきである。我々は石炭を
使用するときはいつでも途上国に与える全ての輸出信用のような支援を廃止していく」と
Hollande 大統領は、フランスの環境会議の席で述べた。新体制になる前の欧州委員会の貿
易総局による準備された文書では、輸出貸付け、または輸出コストを支援するための優先
融資が最新の石炭火力発電技術のためには継続するべきであると公言している。フランス
の首都 Paris は、2015 年 12 月の気候変動に関する国連会議(COP21)の開催都市であり、世
界中の二酸化炭素(CO2)排出量を削減するための拘束力のある合意を目指している。
デンマーク、CSP 用の新しい熱エネルギーの貯蔵システムを開発
11 月 11 日、デンマークの Aalborg CSP 社とノルウェーに本社のある NEST 社が、より
効率の高いコンクリート製の熱エネルギー貯蔵システムを共同で開発した。新しい貯蔵シ
ステムは、集光型太陽熱発電(CSP)施設に対して予測と需要に基づいた発電を可能にしてく
れる。新しい貯蔵コンセプトは、貯蔵媒体として NEST 社の Heatcrete を採用する熱エネ
ルギー貯蔵技術に基づいている。Heatcrete は優れた熱特性を持った特殊なコンクリートに
鋼製の熱交換器が埋め込まれている。熱伝達用流体は連続的に接続された熱交換器内を流
れる。システム全体はいくつかのこれら熱交換器のセルによって構成されている。
新しく開発されたシステムでは、蒸気からの熱の貯蔵が直接できる。このシステムは、
需要のピーク期間中にエネルギー生産が無いか限定されているとき、需要に応じた発電を
確実にするために日々の蒸気量と発電量を最大化するように考えられている。メーカーに
よれば、固体型のエネルギー貯蔵システムは従来型の溶融塩を採用したシステムと比較し
て費用対効果が高いという。この理由は電気式の熱トレースを必要としないからであり、
待機中の電力使用量が少ないことにある。そのスケール特性によって、本システムはエネ
ルギー供給の安全保障が非常に重要なオフグリッドおよび小規模な施設に適しており、海
水淡水化や地域熱供給のような要件に対して改造することも可能である。さらに、熱貯蔵
用セルは現地で供給可能な原料から作られる。
Aalborg CSP 社の最高経営責任者(CEO)の Svante Bundgaard 氏は、「当社と NEST 社
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の協力関係は性能の向上が結果的に技術競争力によって CSP 発電所のエネルギーの均等コ
スト(LCOE)を低下させるので、CSP 市場に対してさらに拡大する。この貯蔵技術によって、
我々は CSP プロジェクトだけでなくプロセス蒸気を必要とする産業用施設に対して求めら
れているエネルギー貯蔵ソリューションを提供することが可能となる」と述べた。また、
NEST 社の Jarl Pedersen 副社長は、
「協力関係は熱媒油を使用するパラボリック・トラフ
型の施設用に計画された我々のエネルギー貯蔵技術のために既存の市場にも拡大してい
く」と述べている。
ポーランド、PKN ORLENがCCGT発電所を建設
11月26日、ポーランド石油最大手PKN ORLENは、同国中部のPlockにガスタービン・コ
ンバインドサイクル発電所(CCGT)を建設することを発表した。新しい発電所の出力は約
600メガワット(MW)で、2017年末の運転開始を予定している。投資額は16億5,000万ズロ
チ(約3億9,400万ユーロ)。
新発電所からの送電網は国営電力会社PSE(Polskie Sieci Elektroenergetyczne)が整備し、
発電用のガスは国営ガス輸送会社のgas systemが供給する。PKN ORLENの最高経営責任
者(CEO)のJacek Krawiec氏によると、同社はコージェネレーション(熱電供給)分野の発電
容量を3 年内に1.5ギガワット(GW)に引き上げることを目標としているという。
また、PKN ORLENは同国中部のWloclawekにも出力463MWのCCGT 発電所の建設を
計画している。
ポーランド、EBRD が 2 回目の持続可能なエネルギー融資制度を発表する
11 月 6 日、欧州復興開発銀行(EBRD)はポーランドの持続可能なエネルギー融資制度に 2
億ユーロの提供を行うことを発表した。2 回目の“ポーランド持続可能エネルギー融資制度
(PolSEFF2)”は同国の商業銀行を介して実施される。そして、中小企業(SMEs)には地元の
銀行を通じて貸与される。融資は、企業のエネルギーコストの抑制と二酸化炭素(CO2)排出
量の低減のために、暖房、冷房、電気とその関連システムを交換または改装するための投
資資金のために行われる。
“PolSEFF2”は、過去 3 年間に渡って、いくつかのポーランド企業がエネルギー効率
の高いソリューションへの投資に充ててきた最初のプログラムに基づいている。ポーラン
ド環境保護・水管理基金(NFOSiGW)は枠組みに対する投資補助を提供し、そして、欧州委
員会は技術的協力を提案している。EBRD のポーランド担当の Grzegorz Zielinski ディレ
クターは、「中小企業は欧州経済のエンジンである。“PolSEFF”のようなプロジェクト
はポーランドの長期的なエネルギーの持続可能性にとって極めて重要であり、企業にとっ
ても良いことである」と述べた。また、NFOSiGW の Malgorzata Skucha 代表は、「SMEs
の省エネルギーへの投資を対象にすることはポーランド経済の発展にとって基本的なこと
であり、環境保護における我々の目標を達成するためにも必須である。今回の新しいプロ
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情報報告 ウィーン
グラムは、ポーランドの SMEs 部門全てで最善の利用可能なエネルギー効率と再生可能エ
ネルギー技術への投資の資金調達と実行可能な環境を実証するものである」と説明する。
現在までに、EBRD ではポーランドの SMEs において 2,000 件以上のプエネルギー効率
性プロジェクトに資金提供しており、その額は 1 億 9,000 万ユーロに上る。その成果とし
て、年間に 342 ギガワット時(GWh)のエネルギーの節約と 10 万 2,000 トンの CO2 排出量(換
算値)の低減につながっている。
ハンガリー、AlpiqがBudapestの地域熱供給に180億フォリントを投資する
12月2日、スイスの電力供給最大手Alpiq社とハンガリーの地域熱供給事業を手掛けるフォター
ヴ(Főtáv)社が、Budapestの地域熱供給網の近代化に180億フォリント(約5,860万ユーロ)を
投資する。Budapest南地域にある熱供給網を整備することで発電所間の競争を促し、熱供
給の効率化を図る。投資額のうち、Főtáv社が157億フォリントを負担するが、その半分は
EUからの助成金で賄われる予定。残る23 億フォリントをAlpiq社が支出する。
Alpiq社はこのほかにも、環境対策として2019年までに43億フォリントを投資することを
計画している。
プロジェクトでは、Alpiq社が運営するBudapest南地域にある発電所の出力を145メガワット
(MW)から245MWへの引き上げを2017年の暖房シーズンまでに実施する。
ハンガリー、EU-FIREが1億1,160億ユーロの地熱発電所を建設する
12月2日、ハンガリーの再生可能エネルギー開発会社EU-FIRE社は、国内初の地熱発電
所をアイスランドのエンジニアリング会社のMannvit社と共同で建設することを発表した。
投資額は1億1,600万ユーロで、EUから3,930万ユーロの助成金を受ける。2018年末までの
完成を目指す。
ハンガリー政府は、ロシアの天然ガスなど国外からのエネルギー源調達依存度を下げる
と同時に、CO2排出削減につながる地熱発電を促進する戦略を打ち出しており、同地熱発電
プロジェクトは、国家開発省と経済省から支援されている。そして、同プロジェクトは、
地下深層部の高温の岩塊を利用した次世代地熱発電技術“強化地熱システム(EGS)”を採用
する。建設地は南東部のBattonyaで、年間発電能力は12メガワット(MW)、熱エネルギーは
60MWの予定。プロジェクトを実行する合弁会社の出資比率は EU-FIRE社が 95% 、
Mannvit社が5%となる。
ハンガリー、地熱エネルギー利用施設を着工
独アウディ、ジェール工場に
11月25日、フォルクスワーゲン(VW)傘下のAudi社は、ハンガリー子会社であるAudi
Hungariaのジェール(Győr)工場の隣接地に、地熱エネルギー利用施設の建設を開始したと
発表した。
約2,400mの地熱井を掘り、約100℃の熱水をくみ上げて熱エネルギー利用施設に送り込
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情報報告 ウィーン
む仕組みで、同施設は約1年後に稼働する予定。年間に8万2,000メガワット時(MWh)以上の
地熱エネルギーを工場に供給する能力を持ち、Audi Hungariaの熱エネルギー需要の約
60%を賄うことができるという。今回のプロジェクトによって、Audi Hungariaは年間に1
万9,800トンの二酸化炭素(CO2)の排出量を低減できるという。
また、Audi Hungariaは今回のプロジェクトでハンガリーのDDEnergy社と熱供給事業に
関する長期契約を締結している。
ブルガリア、石炭火力発電所が EU 基準によって閉鎖の危機に
11 月 3 日、チェコの電力ユーティリティ CEZ は、EU の環境規制に適合する計画への合
意に失敗した後、2015 年にブルガリアに所有する石炭火力発電所の運転を一時的に停止す
るだろうと述べた。ブルガリア国有のブルガリアエネルギーホールディング(BEH)との改良
工事に資金調達する合弁会社の設立に関する議論は、市場調査の結果はそのような投資が
現在の電力および温室効果ガス排出量のコストを正当と認められないことを示したことで
失敗に終わったと、CEZ は声明書で述べている。
今回の合弁会社は黒海の都市の Varna にある 1,260 メガワット(MW)の発電所の 6 系列
中の 3 系列を環境面で改良し、発電所の寿命を延ばしてリースするための資金の調達を目
指すものであった。「金融モデルは、地域の自由化されたエネルギー市場において競争性
の無いコストで電力を生産することになることを示していた」と、CEZ は話した。依然と
して、CEZ はブルガリアの電力グリッドに対する予備電源として大きく使用されている発
電所の販売または貸し出すために努力することを予定している。
先月、CEZ は、この発電所がロシアとの緊張を考慮してエネルギーの安全保障対策の一
環として EU の規則から除外される可能性があったので、2014 年末以降も発電所の数系列
の停止を遅らせる可能性があることを述べていた。実際のところ、欧州委員会文書ではロ
シアからのガス供給が中断する最悪のシナリオの場合に Varna の発電所は規則の除外が適
用されて運転の延長が可能であった。しかし、ブルガリアが電力供給システムの安全保障
をもたらす契約を延長せず、好ましくない市場環境のために、CEZ は 3 系列に 1 億ユーロ
を投資する計画をキャンセルした。
ルーマニア、Ponta 首相がシェールガスは無いと述べる
11 月 10 日、ルーマニアは明らかに存在しないシェールガスの開発に懸命に取り組んでき
たと同国の Victor Ponta 首相が述べた。しかし、アメリカのエネルギーメジャーの Chevron
社は、ルーマニアのシェールガスの可能性が最終的に評価された訳ではないと即座に対応
した。「あたかもシェールガスが無いように思えるし、我々は持っていない何かのために懸
命に取り組んできた。これ以上話をすることは難しいが、私は我々が存在する何かのため
に取り組んできたと思っていない」と Ponta 首相は説明した。
一方で、Chevron 社はルーマニアのシェールからの天然ガスの可能性の評価が完了して
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情報報告 ウィーン
いないと報告している。
「Chevron 社は、シェールガスの可能性をさらに把握するために掘
削および地震の操作期間中に集められたデータを分析している。分析作業が完了したとき、
その結果は国家鉱物資源局(NAMR)に提供され、ルーマニアの国の管理内にあり続けるだろ
う」と説明する。
ルーマニアは EU 加盟国内において 3 番目にエネルギー面で自立した国である。新しい
EU 加盟国としてポーランドでは、シェールガスの開発を目指す企業の参入に積極的であり、
アメリカで見られる安いエネルギーのブームの再現を期待している。2014 年当初に、
Chevron 社はルーマニア東部の Pungesti の掘削井での調査作業が完了したと話している。
また、同社はルーマニアの黒海付近に 3 ブロックの調査権を持っている。
EU にそのガス輸出量の半分を送るロシアとウクライナの紛争によって、より緊急を要する
ことになった代替のガス資源の発見を支援するアメリカのエネルギー省(DOE)では、ルーマ
ニアが 51 兆立方フィート(約)のシェールガスの可能性があり、その量は1世紀以上の国内
需要量を供給できるものであると試算している。
セルビア、EBRDがエネルギー効率の改善を支援する
11月13日、欧州復興開発銀行(EBRD)は、セルビアのコメルツィヤルナ(Komercijalna)
銀行に1,000万ユーロを融資することを発表した。EBRDは同銀行を通じて、セルビアの商
業ビルや工業部門のエネルギー効率の改善を支援する。また、長期資金を供給することで
エネルギー事業への投資を呼び込み、小規模な再生可能エネルギーの導入などの支援も行
う。融資は“西バルカン地域の持続可能エネルギー資金供給ファシリティーII(WeBSEFF
II) ” と 協 調 し て 行 わ れ る と と も に 、 EU お よ び EBRD の 株 主 特 別 フ ァ ン ド (EBRD
Shareholder Special Fund)からの資金供給も受けられるようにする。
EBRD はこれまでにセルビアの181のプロジェクトに対して38億ユーロを融資している。
トルコ、EBRD がエネルギー効率改善に対して 3 億 5,000 万ドルの融資制度を発表
11 月 21 日、欧州復興開発銀行(EBRD)は、トルコの家屋のエネルギー効率改善のために
3 億 5,000 万ドルの新たな融資制度を発表した。“トルコ住宅エネルギー効率融資制度
(TuREEEE)”は、RBRD から 2 億 8,250 万ドルとクリーンテクノロジー基金(CTF)から 6,750
万ドルを受け取る。住民のエネルギー料金の低下を助けながら、トルコの銀行や技術的サ
ービスのための財政支援を行う。EU と CTF はアドバイザリーサービスのために 1,000 万
ドルの助成金を提供する。
今回の制度では、建築物における再生可能エネルギーを利用したシステムの開発から離
れて、熱効率性、効率的な暖房、照明と水の利用のような機能強化に資金を提供する。
Sekerbank は、エネルギー効率強化のために家庭部門において、家の所有者、住宅協会、
マンションや協同組合ならびに民間のサービスプロバイダーへの貸出しのために 6,000 万
ドルの信用供与枠を受け取る。
― 62 ―
情報報告 ウィーン
TuREEFF は、2010 年 7 月に導入された“トルコの持続可能エネルギー融資制度
(TurSEFF)”に続く制度である。中小企業(SMEs)はエネルギー効率や再生可能エネルギーへ
の投資のために TurSEEF の下で約 5 億 5,000 万ドルを確保してきた。2 億 8,420 万ドルで
あった TurSEFF は、SMEs のエネルギー効率と小規模な再生可能エネルギーへの投資に対
する需要への対応のために 2013 年に 2 億 6,500 万ドルまで拡大された。
クウェート、アルバニアと環境保護に関する MoU を締結
11 月 19 日、環境と天然資源の保護および持続可能な発展に関する覚書き(MoU)が、クウ
ェートとアルバニア政府の間で締結され、両国の協力関係の新たな展望が開かれることに
なる。クウェートの Ali Al-Omair 石油相兼国会担当国務大臣によれば、今回の覚書きは、
汚染の予防、廃棄物管理、意識の向上、砂漠化への対応、水資源と土地の管理など、いく
つかの環境的側面から構成されているという。覚書きの締結は、クウェートの Sheikh
Sabah Al-Khaled Al-Hamad Al-Sabah 第 一 副 相 兼 外 務 大 臣 と ア ル バ ニ ア の Ditmir
Bushati 外務大臣によって Bayan 宮殿での会談の後に行われた。
Al-Omair 大臣は、今回の覚書きが問題に関する意見の交換や調整内容を高めることに寄
与することを確信している。国家環境機関(EPA)は専門知識の交換に関して大きく寄与する
ものとして歓迎している。
欧州、貿易団体が玩具安全指令のためのガイドを公開
11 月 18 日、欧州玩具協会(TIE)は、EU の「玩具安全指令(2009/48/EC)」の法的要
件を受ける玩具メーカー、輸入業者、および販売代理店を支援するために欧州委員会
と共同で無料オンラインツールを作成した“EU の玩具安全性”と名付けられた 35 ページ
のオンラインガイドは、欧州委員会から資金提供される啓発の一環として TIE によって発
行された。英語およびフランス語版が入手可能で、そのガイダンスには技術文書、安全性
と適合性評価、EC 適合宣言、CE マーキング、包装要件、サンプル試験、その他が含まれ
ている。
1988 年に指令が出された「玩具安全指令」は、施行に関する新たな規定や新しい安全規
則を含めるために 2009 年 7 月に更新された。改正された指令は 2011 年に施行され、2013
年に化学規定が発効された。指令の意図は、14 歳以下の子供が遊びで使用するために
設計または指向された製品として定義されている全ての国内生産と輸入される玩 具
に対する EU の安全基準を強化することにある。
欧州、ECHA が 6 つの CLH ドシエに意図の登録を追加
11 月 19 日、欧州化学品庁(ECHA)は「調和化された分類および表示(CLH)」の一式
文書(ドシエ)が予想されるために、6 つの物質を“意図の登録(ROI)”に追加した。12
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情報報告 ウィーン
月 20 日までに、オーストリアは 2 つの物質の調和化された分類において、提出され
た一式文書の変更を要求することを予定している。
①無水コハク酸、皮膚腐食性 1B の追加を提案:
眼の損傷 1、呼吸器と皮膚過敏性 1、急性毒性 4 の最低分類の削除
②無水マレイン酸、目の損傷 1 の追加を提案:
皮膚過敏性 1A、特定標的臓器毒性・反復ばく露 1 および 2
急性毒性 4 の最低分類の削除も要求される
また、一式文書は次の殺生活性物質に対しても予想されている。
③コレカルシフェール(colecalciferol)、ビタミン D3:健康被害の分類のため
④パーメスリン(permethrin):皮膚過敏 1 とする分類の削除のため
スウェーデンは、2014 年 12 月 15 日までにコレカルシフェールに対する提案を提
出する予定で、アイルランドは 2015 年 11 月 1 日までにパーメスリンの一式文書を提
出する。パーメスリンは、最近、木材防腐剤ならびに殺虫剤、ダニ駆除剤およびその
他の節足動物を防ぐための製品での使用が承認された。次の 2 つの物質の一式文書も
予想されている。
⑤ジナトリウム(disodium)
イタリアからの一式文書は 2015 年 3 月 20 日に予想されており、物質の調和化さ
れた分類から眼の損傷 1、水生環境有害性 3 の削除を要求する
⑥殺虫剤(iprodiprodione)
分類のために 2015 年 5 月 30 日までにフランスから提出される
欧州、欧州委員会が混合物を評価するためのガイドを発表
11 月 26 日、欧州委員会共同研究センター(JRC)は、混合物の毒性作用を評価するた
めに採用されている様々な方法を取りまとめたガイドを発表した。『混合物の評価-
規制要件とガイダンスの概観』と題されたレポートは、EU の現在の法制度や混合物
の毒性リスクに対処するための限界の概要を示している。
欧州、EU の業界団体が毒物センターの提案に対する意見書を提出
12 月 2 日、EU の 5 つの業界団体が、毒物センター(poison centres)に提出すべき
情報を調整するための提案書に関する意見書を欧州委員会に提出した。欧州化学工業
連盟(CEFIC)、欧州化学物質流通業界(FECC)を含む協会とコーティング、洗剤、作物
保護の分野を代表する団体が、データの提供のための必須要件を支援している。これ
らの団体は、情報の必要事項とデータ様式が EU 加盟国間で一貫性のあるものにした
いと考えている。
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情報報告 ウィーン
・調和のとれた取組みのために国内の制度を変更する必要があること
・追加手数料が発生しないこと
・情報がある毒物センターから他のセンターへ渡される際、データを保護するため
の措置が取られるべきであること
・規定は目下のところ民生品に焦点をあてる必要があるが、専門的な用途にも適用
されるので、データシートには必要な情報を提供すること
また、それらは欧州委員会が行っている現在の費用対効果の分析によって懸念され
ている。欧州委員会は彼らの会員が有効に対応できなかったという。欧州委員会は調
査のための時間的枠組みが合計で 4 ヵ月から 5 ヵ月と短いことを指摘している。また、
調査は 10 月中に約 3 週間に渡り行われ、約 600 の返信があったという。現在、受領
された返信の分析が行われており、追加の提出は受け付けられない。
スペイン、食品接触材からのインク成分の移動を発見する
11 月 20 日、食品接触材(FCMs)からのインク成分の移動を調査する研究者らは、保
存中に多層包装材の表面から食品に移る 24 種類の化学物質を発見した。スペインの
Zaragoza 大学の研究者は、様々な多層材料から 2 つの食品類似物へのインクの移動
を調査した。
今回検出された 24 の物質中の 17 種は、インク、PET、アルミおよびポリエチレン
で構成された材料であった。移動は FCMs の外装印刷面から印刷されていない食品接
触面の内側にインク成分の移動を可能にする材料の保存中に起きる相殺現象によ る
ものであると研究者らは結論付けている。ラッカーの使用はインク成分の移動をかな
り減少させることが見出された。しかし、研究者らは、全体のバリアとして作用せず
に、さらに新しい成分の移動を助ける可能性があるので、ラッカーの成分を慎重に選
ぶ必要があることを強調している。この調査は、
『Dyes and Pigments』誌に掲載され
ている。
スイス、政府が水俣条約の批准に向かって動きだす
11 月 24 日、スイスの執行機関である連邦評議会は、
「水銀に関する水俣条約」を承
認する動きを通過させたことを受けて、これからは国の議会で批准について議論され
ることになる。
スイス連邦環境局(Bafu)では、
「 スイスはすでに水俣条約の義務のほとんどを満たし
ている」と説明する。2013 年 10 月にスイスは水銀の使用を制限する条約に署名した
ことを指摘し、1986 年以来の金属の使用に関する規制の導入について補足した。
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情報報告 ウィーン
北欧、男性の健康のための EDC コストを算出する
11 月 17 日、新しいレポートによると、北欧 5 ヵ国(デンマーク、フィンランド、ア
イスランド、ノルウェー、スウェーデン)における内分泌かく乱化学物質(EDCs)への
ばく露による疾患の年間費用の計算結果が 1 年間に最低で約 360 万ユーロ、最悪の場
合では約 7,230 万ユーロに上ることがわかった。
北欧 5 ヵ国の協力のための公式な政府間組織である北欧理事会によって発行された
レポートでは、男性の生殖機能の健康上の EDCs の影響に関連するコストの社会経済
的分析が、疾患の原因としての EDCs の 3 つの異なる割合に基づき計算されている。
5 ヵ国で男性の生殖機能疾患の 2%が EDCs のばく露による場合、社会のコスト負担
が年間で約 360 万ユーロと算出された。男性の生殖機能疾患の 20%が EDCs のばく
露による場合、社会のコスト負担が 3,610 万ユーロと算出された。最悪の場合として、
40%が EDCs のばく露による場合、社会のコスト負担が約約 7,230 万ユーロに上る可
能性がある。デンマーク環境省によると、レポートの結果は、EDCs に関して欧州委
員会を動かすために使われるという。
デンマーク、スウェーデンと化学協力協定を締結
11 月 12 日、デンマーク環境保護局(EPA)とスウェーデン化学品庁(Kemi)の共同作
業はより強い関係となった。両組織は、より集中して構造化された協定が EU の政策
的議論において“より多くの影響力”を与えることを期待し、内分泌かく乱化学物質
(EDC)、繊維中の化学物質、“カクテル効果”、ナノ物質、および消費者のたえめの化
学物質に関する情報を緊密に協力することで合意した。また、彼らは制限、調和され
た分類または高懸念物質(SVHCs)のための共通の提案の開発をすることもある。
さらに、協定では取締り活動も含まれ、国連環境計画(UNEP)が推進する「国際的
化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)」に対する両組織の作業間に重複が
ないことを確実にすることを目指す。例えば、Kemi が製品中の化学物質の“新興問
題”に関して焦点をあてると、EPA は電気・電子機器に含まれる EDCs または有害物
質を選択する。これまでのところ、特定の作業プログラムはなく、目的は具体的な行
動計画を作成することなので、進捗を評価する毎年の共同会議が行われる予定。長年
にわたり、デンマークとスウェーデンは欧州または世界レベルでの化学物質政策開発
のリーダーであり、両国の国内政策は多くの場合で国境を越えて大きな影響力を発揮
している。
デンマーク、フランスおよびドイツとリスク管理の分析を主導する
11 月 13 日、欧州化学品庁(ECHA)は、そのウェブサイト上で公共活動調整ツール
(PACT)を更新し、現在、86 物質に関する情報が一覧で表示される。フォローアップ
の提案に関して、2 つの新しいまたは更新された入口が先月に作成された。
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情報報告 ウィーン
1 つは、デンマークが発がん性・変異性・生殖毒性物質(CMR 物質)の特性に対して
評価した“ニトリロ三酢酸三ナトリウム”のためのものである。リスク管理オプショ
ン分析(RMOA)によると、それ以上の作業は必要とされない。その他として、デンマ
ークは鉛およびその化合物が高懸念物質 (SVHCs)のようなグループとして提案 さ れ
ることを示唆している。多くの鉛化合物がすでに候補物質リスト上に掲載されている。
PACT リストによると、42 件の RMOA の結論が進行中である。進行中の ROMA の結
論を有する物質は、当局がすでに RMOA 作業機関に通知してきた物質である。注目
すべき物質としては、PVC 可塑剤として使用されているテレフタル酸ビス(2-エチレ
ンヘキシル)、ベリリウム、いくつかのニッケル化合物、メタノール、トルエン、スチ
レン、ポリフッ化有機スルホン酸塩、ジイソノニルシクロヘキサンジカルボキシレー
ト系可塑剤(DINCH)がある。
最近結論が出されたマニュアル・スクリーニングからの 12 物質は、ROMA の作業
が開始されたことを ECHA に通知次第、追加される。マニュアル・スクリーニング以
外の資源から ROMA のために当局によって同定された他の物質は、毎月更新される
リストに追加される。現在までに、デンマーク、フランスおよびドイツが、それぞれ
10 物質以上で最も多くの RMOA の実施を確約している。さらに、スウェーデンは 7
物質、オランダと ECHA はそれぞれ 4 物質、そして、オーストリア、ベルギー、イ
タリアおよび英国は 1 物質または 2 物質である。約 13 物質の RMOS が“保留中”と記
載されている。物質の大半がそれらの CMR 特性に基づいて評価されている。他の 16
物質は、鋭敏化特性により評価されている。
世界、Tetra Tech が USDAID の都市インフラ開発の契約を獲得
11 月 4 日、アメリカの経営コンサルタント会社である Tetra Tech 社が、途上国の都市イ
ンフラ開発を支援するための USAID による不確定調達・不確定量(IDIQ)契約の多重契約を
獲得した。契約金額は 6 億 5,000 万ドル。
Tetra Tech 社は都市部の水、輸送および下水サービスの提供を向上するための技術的ソ
リューションを提供しながら USAID の支援を行う。また、Tetra Tech 社は、自然災害へ
の準備および対応能力を強化し、環境管理面を向上させ、そして、気候変動影響に対する
弾性力を高めるために地元自治体とも作業する。
世界、レポートは水リスクがビジネスの成長を制限する可能性を明らかにする
11 月 10 日、国際的な環境調査を行う NGO(非政府組織)の CDP が年間の水レポート発行
し、世界の大企業の 68%が水リスクの危険性に面しており、いくつかの水リスクによって
ビジネスの成長が制限される可能性があることを警告している。レポートから、報告された
リスクが企業の事業、活動または収益を実質的に変えてしまう可能性があることがわかった。
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情報報告 ウィーン
全体的に、回答企業の 22%は水関連の問題が自社のビジネスの成長を制限する可能性があ
ると予想している。分析は資産価値が 600 兆ドルを有する 573 の国際的投資家の要請に応
じて、CDP に提供された“FTSE Global 500 Equity Index(グローバル 500”のリストにあ
る 174 社からの水管理データに基づいている。CDP では、事業活動の中止や株主の利益の
減少のような 853 の報告されたリスクの約半分が、現在または今後 3 年以内に、競争上の
不利な立場に自社が陥る可能性があることを予想していると警告している。レポートは、
ブラジル、中国、インド、メキシコのような成長する新しい機会が見られる新興市場にお
いて、水に対する圧力が最も厳しく感じられるようになると強調している。
調査では、企業の 75%が水の質と量がどのように自社の成長戦略に影響するかを評価し
ており、Diageo 社、H&M 社、Merck 社、および、Unilever 社のような企業はリスクに対
応し始めていると指摘している。ますます水リスクは事業活動上の問題から役員会議室へ
と移るので、この変化は起こる。水問題に対する最終的な責任は回答企業の 62%で役員レ
ベルにあるとしており、2013 年の 58%から上昇している。そして、回答企業の 90%が水
を自社グループの事業戦略に取り入れており、82%が目標を決めて水の使用量の削減を目
的としている。
世界、国連水会議のレポートが上下水道の取組みの大きなギャップを明らかにする
11 月 20 日、国連水会議(UN-Water)を代表して世界保健機関(WHO)からの新しいレポー
トでは、改善された上下水道を提供する世界的取組みが勢いを増す一方で、資金提供にお
ける大きなギャップが進展を妨げ続けることを警告している。半年ごとの『国連の水のグ
ローバル解析および衛生および飲料水の評価(GLAAS 2014)』では、94 ヵ国と 23 の外部支
援団体からのデータを提供している。その中には多くの良い所見があり、3 分の 2 の国が、
国内法で普遍的な人権として飲料水と下水を認識しており、報告された 80%以上が両方の
ための国の政策を持っていることが明らかにされた。また、75%以上が衛生のための政策
を持っている。
レポートは、上下水道(WASH)のための国際的援助は増加しており、資金面では 2010 年
から 2012 年の間で 83 億ドルから 109 億ドルへと 30%増加している。より多くの資源が貧
困にも焦点をあてており、75%以上の国が低所得層に上下水道を提供する国家計画に具体
的な対策があることを報告している。しかし、このような成功にもかかわらず、世界中で
約 25 億人が依然として基本的な衛生サービスにアクセスできず、10 億人が(便所のない場
所での)オープンな排便を続けている。さらに、7 億 4,800 万人が改善された飲料水にアク
セスする手立てを持っていない。数億人が手を洗うためのきれいな水や石鹸のないところ
に住み、下痢性疾患の拡大を容易にしているとレポートでは指摘している。
そして、著者らは、不十分な資金提供を含むいくつかの重要な課題をリストにしており、
援助は増加してきたが、資金確保の必要性が資金源を凌駕し続けていると指摘している。
約 80%の国が、現在の資金調達レベルでは上下水道の目標を達成するには不十分であると
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情報報告 ウィーン
報告している。また、調達された資金の大部分が都市部の住民の利益のために使用されて
いるので、10%以下の資金しか農村部の衛生設備のために使われていない。
レポートによると、普遍的アクセスのための強力な政策的支援があるにもかかわらず、
33%より少ない国しか、完全な実施、資金提供および定期的に見直されている国家の衛生
計画を持っていないことがわかった。また、監視の面での大きなギャップや学校や医療施
設の衛生の無関心さもあると報告している。
欧州、EBRD が水効率性政策を制定する
11 月 25 日、欧州復興開発銀行(EBRD)は、一層の透明性と説明責任に関与することを目
指し、3 つの新しい方針を発表した。これらの 1 つである“環境と社会政策”は 11 月 7 日
以降に詳細な調査が開始される新しいプロジェクトに適用され、もう 1 つの要点は資源効
率である。資源効率を達成するために、政策はエネルギー効率だけでなく効率的な水使用
も EBRD が事業を行う国々における重要問題であると認識している。生物多様性の分野に
おける政策も強化されている。
ドイツ、研究結果は地下水温度が上昇していることを示す
11 月 12 日、ドイツの研究者らは地下約 60m にある地下水が過去 40 年間に渡る地球温
暖化に沿って統計学的に明らかに温められていることを発見した。チューリッヒ工科大学
(ETH Zurich)の地質学研究所の研究者は、水処理場の運転が行われていた Köln および
Karlsruhe 周辺を流れる地下水の連続的温度計測を 40 年間実施してきた。
計測結果は、地下水温度が上昇し、わずかな時間の差で大気中に見られる温暖化の進行
を直接的に反映していることを示している。『Hydrology and Earth System Sciences』誌
で発表された研究では、地下水の温度上昇が不規則な間隔でいくつかの現地の気温の急激
な上昇を明らかにしている。過去の温暖化調査は、地下水を検討することはなかったかま
たは、人工的な地下水の研究によって温暖化の影響の可能性を見てきた。新しい調査では、
人間によってあまり影響を受けてこなかった地下水を調べている。調査では、発見事項が
もたらす結果を決定することは難しく、上昇した温度が地下の生態系や地下水に依存する
生物に影響を与える可能性があり、一部の生物にとってマイナスの結果を持つかもしれな
い。また、より高い温度が地下水の化学組成(特に、硝酸塩または炭酸塩) に影響し、細菌
の動きが活発になるかもしれない。一方で、研究者らは余剰な地熱の利用を可能性のある
プラス効果として仮定している。
フランス、Veolia Environnement が 9 ヵ月間の利益増加を発表
11 月 6 日、フランスの水処理・廃棄物処理大手の Veolia Environnement 社は、2014 年
1 月から 9 月までの 9 ヵ月間の調整後の営業利益が 2013 年同時期と比べて 15%増の 8 億
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情報報告 ウィーン
9,000 万ドルに増加することを発表した。今回の増加は、主に英国およびアメリカ、ドイツ
における廃棄物管理事業の“堅調さ”によるものと同社は声明で述べている。
Veolia Environnement 社の最高経営責任者(CEO)の Antoine Frerot 氏は、自治体との契
約における収益性の向上ならびに鉱業、石油および食品産業向けの水処理のような市場へ
の進出への関心を示している。
フランス、欧州委員会が議論の残るダムに対する正当性を要求する
11 月 27 日、欧州委員会はフランス政府に同国が提案するダムの建設と「水枠組み指令
(2000/60/EC) 第 4 条」との整合性の説明を要求する最終通知書を送った。南フランスの
Tarn 地域での総額 84 億ユーロの Sivens ダム・プロジェクトは、先月、抗議者が死にいた
るほどに反対の対象となっている。プロジェクトは、現在、利用可能な EU からの資金を
約 300 万ユーロ受け取っている。
「水枠組み指令 第 4 条」では、水および悪化予防のための行動の持続可能な長期的管理
を求めている。欧州委員会スポークスマンの Enrico Brivio 氏は、このプロジェクトが実行
された場合に指令の規範違反の疑いをフランス政府に伝える準備を EU がしていることを
報道陣に話した。彼は、「フランス当局が影響を受ける水の全てが環境に関係する影響の
全てを完全に評価することなくプロジェクトを承認したように思われる」と指摘した。
ダムの建設作業は反対派と政府の交渉のために来年まで中断されており、フランスには
欧州委員会の通知に対応するために 2 ヵ月ある。本プロジェクトは 94 の保護種のある 13
ヘクタールの湿地帯を灌漑するものである。また、環境保護者らは、ダムによって Tescou
川の水質も影響を受けることを主張している。
フランスの Segolène Royal 環境相は、「今回のプロジェクトは EU の要件に従う。通知
書の内容は新しくなったプロジェクトが正しい基準を満たすことを可能にしてくれる」と
述べている。
英国、Defra が農村地域の廃水のための“拘束力のあるルール”の導入を決定
11 月 1 日、英国環境・食料・農村地域省の Dan Rogerson 大臣は、イングランドとウェー
ルズにおいて“少量の下水道放流を制御するためのより簡単な規制的枠組み”を公表した
書面を発行した。今回の変更は、「2010 年環境許可(イングランド・ウェールズ)規則」の
改正であり、2015 年 1 月 1 日から施行される。単純な“拘束力のあるルール”の導入によ
って環境を保護しながら、農村地域の家庭や企業の管理面での負担を取り除くことが狙い。
Defra は、新しい取組みは浄化槽の確保と、廃水処理システムが十分に維持されて汚染をの
原因とならないことに焦点をあてていると説明する。この取組みは慎重を要する地域に対
してよりリスクに基づく取組みを採用しており、農村地域の利害関係者とのコミュニケー
ションとつながりに焦点があてられる。環境許可は慎重を要する地域では、飲料水資源の
保護のためにまだ必要となる。
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情報報告 ウィーン
英国、Krebs 委員長が SUDS の提案に関する懸念を表明
11 月 4 日、気候変動委員会・適応小委員会の Lord Krebs 委員長は、新しい発展におけ
る持続可能な廃水システム(SUDS)の使用を奨励する政府の意向についての懸念を表明す
るための書類を Liz Truss 環境長官宛てに書いた。「2010 年洪水・水道管理法」の SUDS
の施行は一般家庭および新しい進展ペースへの影響に関する懸念からすでに何度も延期さ
れており、現在、政府は SUDS の使用を促進するためのシステム計画に依存する取組み関
する協議を行っている。Krebs 委員長は、彼の委員会が政府の意向を Pitt 卿の提案の“大
幅な弱体化”として考えており、特に、改正された取組みがマイナーな開発を除外し、表
面水の洪水リスクを悪化させる可能性についての懸案を表明している。また、委員会は、
Pitt 卿が取り除くことを推奨していた新たな開発を下水道に接続するための自動的権利が
残されていることにも懸念している。
英国、NOV Mono の装置が汚水処理のために沖合で使用
11 月 12 日、NOV Mono 社の TR Muncher ポンプと Compact C Range ポンプの各 3 台
が Caspian 海の過酷な汚水処理作業のために選ばれた。それらは、Caspian 海にある深層
水半潜水型掘削リグ上の黒水の湿軟と圧送のために使用される。
NOV Mono 社の製品が、石油とガスの探査、開発、および生産だけでなく海洋船舶で使
用される洋上設備のための製品とソリューションを提供する Wärtsilä Water Systems 社
によって選定された。NOV Mono 社の TR Muncher ポンプは、摩耗性のある汚泥の効果的
な湿軟のために特別に設計されており、全ての固形物をバラバラにするために異なる速度
で運転するカッターによって不規則な形状の物体を取り込むのに非常に有効である。カン
チレバー(片持ちの)軸設計が底部のベアリングとシールの必要性を無くすことを可能とし、
消耗部品の数を減らすことに寄与している。TR Muncher ポンプの EZstrip テクノロジー
は、所定の場所に装置を維持することを可能にするので、必要なメンテナンス時間の大幅
な短縮と利用の最大化が得られる。
3 台の Mono Compact C Range 一軸ネジポンプは Wärtsilä Water Systems 社の膜分離
活性汚泥法(MBR)と一緒に運転され、プラットホームの小さな空間に収まり、圧力 2bar(≒
0.2MPa)で効率的かつ信頼性の高い流体移送ソリューションを提供する。
(参照先:www.mono-pumps.com)
モロッコ、カタールが水プロジェクトへの特別融資を提供
11 月 5 日、在モロッコ・カタール大使館は同国 Guelmim 州に飲料水を供給するプロジ
ェクトに対してモロッコと特別融資契約を締結した。プロジェクトの作業には、ポンプ場
の建設、25km の主要パイプラインの敷設、半地下の容量 100 立方メートル(m3)のサービス
貯水槽の建設、および 75km の配水ネットワークの構築と 300 ヵ所の接続管の敷設が含ま
れている。
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情報報告 ウィーン
アルジェリア、Hyflux が Magtaa 淡水化施設を正式に開所する
11 月 12 日、シンガポールの水企業大手 Hyflux 社が、日量 50 万立方メートル(m3)の能
力を有しアルジェリア最大の淡水化施設となる Magtaa 逆浸透(RO)膜淡水化施設の開所を
正式に発表した。同社にとってアルジェリアで 2 件目となる本施設は、国営水供給公社の
L’Algérienne Des Eaux および国営炭化水素公社 Sonatrach との 25 年契約の下で、同国北
西部に位置する第二の都市 Oran および近隣県に水を供給する。Hyflux 社は Magtaa 淡水
化施設の運転と維持補修を行う。
ニジェール、ダム建設プロジェクトが進展する
11 月 24 日、干ばつの発生しやすいニジェールにおける 10 億ドルの盛土式ダムの建設工
事は、同国政府がプロジェクトの資金提供者からの 1 億 9,040 万ドルの追加資金確保の確
認ができたことを受けて大きな支援を受けている。
ニジェールの Amadou Boubacar Cissé 計画相は、「追加資金は 130 メガワット(MW)の
水力発電所の建設、送電線の敷設、そして、16 億立法メートル(m3)の貯水量が見込まれる
8.4km の長いダムによって撤去させられる 4 万人以上の人々の補償のコストを補うための
ものである」と説明した。過去のプロジェクト資料によれば、首都 Niamey の北西 180km
にある Niger 川のダムは川の流れの制御、乾季の貯水、最小流量の維持、そして、下流側
の灌漑を可能にすることを意図している。Cissé 計画相は、「ロシアのインフラ開発事業会
社 Zarubezhhvodstroy に付与した以前の契約を政府が終わらせた後、来年早々に新しい契
約が知らされるであろう」と言う。政府の資金調達に加えて、その他のプロジェクト資金
確保の支持者には、世界銀行、イスラム開発銀行(IsBD)、フランス開発庁(AFD)が含まれる。
ダムに関する政府のレポートによると、ダムの水は、2034 年の中期目標では 12 万 2,000
ヘクタールの可能性のうち 4 万 5,000 ヘクタールとなる主に再定住地域の利益のためとな
る推定 6,000 ヘクタールの土地を潤すこと可能にする。
アメリカ、Xylem が新しい UV システムのモデルを発表
11 月 18 日、
アメリカ水処理大手の Xylem 社が飲料水用の Wedeco Spektron 紫外線(UV)
式滅菌システムの新モデルを発表した。新しいモデルは、1 時間あたり 2,000 立方メートル
(m3)以上の流量を有する大規模な水処理施設に適している。
“2000e”と“4000e”モデルは Wedeco Spektron シリーズを 14 の利用可能なシステム
へと展開し、シリーズの最大流量を 1 時間あたり 4,000 m3 以上へと大きくすることで自治
体の飲料水処理施設に最適な仕様である。それらは、最新の低圧・高出力型 600 ワットの
ECORAY
UV ランプ技術を備えており、ランプ数も最大 60%減少することで、メンテナ
ンスおよびエネルギーコストを低減させている。Spektron“e”シリーズの各モデルには自
動ふき取りシステムを装備されている。また、“2000e”と“4000e”の両モデルは、入口
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情報報告 ウィーン
側に Wedeco OptiCone フロー・ダイバーター(分流器)を備えており、既設の配管構成にか
かわらず、非常に低い圧力損失を有する流体の流れを確実にしている。
(参照先:www.xylem.com )
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