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モバイルヒューマンインタフェース(HI)
モバイル ヒューマンインタフェース(HI) 新世紀を拓く東芝の技術 6 “いつでも,どこでも,最適な形で”情報を届けます 出先で,目的地までの経路がわからな くて困ったこんなとき,携帯電話から目 道路ネットワーク データ入力 静止画撮影 カメラ 的地まで道案内をしてくれたらよいの に,と思ったことはありませんか? マイク 音声認識により タグを入力 検索タグ 音声コメント入力 当社では,2000年9月から,iモード 音声録音 向けのサービス“i - 駅探”の中で道案内 ・状況認識センサによる入 力指示(ハンズ フリー) ・マルチメディアデータで, その場の状況を記録 ・マルチメディアデータ構 造化(関連付け) ・データを自宅やオフィス PCへ無線で転送 ▼[1]ブティックオーサ キのある井ノ頭通り入口 交差点を通り過ぎる データの関連付け ▼神南1交差点を左に曲が る 地図管理 データ 地図データ 目的地指定 Libretto ff 1100 路を簡略地図とテキストで道案内をして 目的地 利用時間 出力サイズ ★左が目的地 (加速度センサ+低消費電力MPU) MPU:Micro Processing Unit 図2.道案内文生成の処理手順 ■メディア変換技術 わが国は,携帯電話からのインターネ (データ蓄積) モバイルHI 変化や段差など,新規のランドマークを 収集するのが街角レポーターです。街角 レポーターで収集したデータには,経 度/緯度が付加されています。段差やエ して健康管理を行う必要性が増してきて ウェアラブル オーサリング います。LifeMinderTMは,ウェアラブル コンピュータ(装着型コンピュータ)を身 健康管理/ 個人プロファイル タグ別一覧表示 は,パソコン(PC)の約1/100の大きさ 機械翻訳 データマイニング しかありません。このような小さい画面 でも情報をわかりやすく提示するため BluetoothTM(注1)の近距離無線技術を用 街角レポーター に,図をテキストに,テキストを音声に, 街角 統計グラフ表示 図1.ウェアラブル オーサリングシステム 撮る (録る)だけで,ユーザーに負担をかけずに マルチメディア情報を自動整理/整とんができます。 道案内 画像認識/OCR いて,ホームサーバに伝送され,蓄積さ 旅先 音声認識/合成 図4.家庭から街角までシームレスに支援するモバイル HI 生活情報を構造化/蓄積して,情報提供を行います。 れます。 街角レポーター,LifeMinderTMで収集 :要素技術 OCR:Optical Character Reader メディア変換技術です。テキストを読み に付け,ユーザーの身体的状況を検知す るシステムです。検知された情報は LifeMinderTM TM というようにメディアを変換するのが, 通れません。このようなランドマークの 高齢化社会に向け,高齢者自身が自律 マルチメディア日記 /個人プロファイル 健康管理 個人データ表示 す。また,道に段差があると,車いすは を実現していきます。 マルチモーダル インタフェース ・データの構造情報を使っ て,タグ別一覧/統計グ ラフ表示を自動的に生成 ・後編集なしで,収集した データを共有/再利用す ることが可能 んな国です。ところが,携帯電話の画面 る店舗などはどんどん変化していきま タを用いて,段差のない経路の案内など 家庭 データベース端末 駅前の開発などで,ランドマークであ により入力します。将来は収集したデー 図3.簡略地図と道案内文の連携 無線で転送 ットへのアクセスが世界中でもっとも盛 ・街角レポーター/LifeMinderTM レベーターの有無などの情報を音声認識 道案内エンジン データ共有/再利用 イメージを図に変換する図面読取り技 ▼[4]渋谷ホームズの 100 m先の渋谷区役所前 交差点(5叉路)の一番左 の道に進む 地図描画 技術がモバイルHIです。 上げる音声合成技術,道路地図のような ▼宇田川町交差点を通り過 ぎる 道案内出力 (データ収集) わせて,最適な形で情報を届けるための ▼[3]蔦のある勤労福祉 会館前交差点をまっすぐ 110 m進む 案内文生成 ウェアラブル端末 状況認識センサ ▼[2]マクドナルドの 110 m先を右に曲がる ■渋谷駅ハチ公口 [1]ブティックオーサキ [2]マクドナルド [3]蔦 [4]渋谷ホームズ ★目的地 利用者の要求 経路探索 スでは,最寄りの駅から目的地までの経 とテキスト,あるいは音声などと組み合 ▼渋谷駅ハチ公口から渋谷 駅前交差点方面に進む ▼渋谷駅前交差点を右に曲 がる サービスを開始しています。このサービ います。ユーザーの状況に合わせて,図 ランドマーク情報 ユーザーに負担を掛けずに日常 術,音声をテキストに変換する音声認識 された情報は,XML形式のデータベー スに蓄積され,Webからの検索/閲覧 ができ,ユーザーに負担をかけない情報 共有が可能です。 技術などの,当社が開発し,実用化して System)などからの位置情報,ユーザ ってコメントするだけの簡単な操作で, こでは,当社の図面読取り技術を使い, 合わせて,変化するようになっています。 きた認識/生成技術を駆使し,使用する ープロファイルなどからモデルは構成さ 図1にあるようなWebページを作成す 道路ネットワークを作成しています。店 道案内の高精度化も併せて実施してい 近距離無線技術の低消費電力化や小型化 端末やユーザーに最適な形で情報を提供 れます。 ることができます。検索用タグの作成に 舗やビル名称などのランドマーク(目印) ます。形状が複雑で直進でもわかりにく 技術により,よりいっそうユーザーに負 は,当社の音声認識技術,XMLのデー 情報と合わせ,自動的に出発地の駅から い交差点での案内や,五差路やT字路の 担を掛けずに,いつでも,どこでも,ユ タベースには,高速な検索を可能とする 目的地までの経路を作成して,簡略化地 ような交差点の形状に沿った道案内な ーザーに最適な情報を提供していきます KnowledgeFactoryを用いています。 図で提供しています(図2) 。携帯電話向 ど,ユーザーモデリングに基づいたサー (図4)。 けの道案内サービスでは,この経路を, ビスを展開しています。ユーザーからの します。 ■ウェアラブル オーサリング ■ユーザーモデリング 情報提供には,種々のコンテンツが必 ユーザーに最適な形で情報を提供する 要です。写真を撮って音声でコメントし ためには,ユーザーの状況を知る必要が たり,検索用のタグを付けるという簡単 ■モバイルHIの展開 テキストの道案内文に変換し,目的地ま 指示に従って必要な地図(ラリーマップ) あります。ユーザーの状況を検知し,モ な 操 作 だ け で , X M L( e X t e n s i b l e ・携帯電話向け道案内サービス での目安となるランドマーク表示をした だけを配信したり,音声で道案内文を読 デリングして,情報提示を制御するもの Markup Language)形式のマルチメデ 1998年に,PC向けに駅前探険倶楽 簡略化地図の説明をしています(図3) 。 み上げたりする新たな提示方法も開発中 が,ユーザーモデリングです。 ィア データベースを作成するのがウェ 部http://ekitan.comの √MAPTMサービ 携帯端末の画面サイズも端末によって異 です。 アラブル オーサリングです。写真を撮 スという道案内が開始されています。こ なるので,簡略化地図の大きさもそれに 端末種別,GPS(Global Positioning 68 東芝レビューVol.5 6No.9(2001) モバイル ヒューマンインターフェース (HI) 当社は,センサやBluetoothTMなどの (注1)Bluetoothは,その商標権者が所有して おり,当社はライセンスに基づき使用 している。 研究開発センター マルチメディアラボラトリー研究主幹 土井 美和子 69