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「シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」

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「シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム
南海トラフ巨大災害の
防災対策について
講演概要集
平成 26 年 9 月 27 日(土) 13:30~17:30
金沢工業大学 扇が丘キャンパス 酒井メモリアルホール
金沢工業大学オープンリサーチセンター
地域防災環境科学研究所
シンポジウム
南海トラフ巨大災害の防災対策について
プログラム
司会 西村 督・山岸 邦彰
石川 憲一
13:30
挨拶
金沢工業大学
13:35
挨拶
研究所
顧問
沓掛 哲男
13:45
主旨説明
研究所
所長
髙畠 秀雄(プロジェクト代表者)
14:10
セッション1 巨大地震対策について
学長
司会 宮里 心一・垂水 弘夫
超巨大災害発生直後における被害状況の迅速な把握対策 (田村正行・京都大)
長周期地震動による超高層ビルの横揺れ対策 (髙畠秀雄・金沢工大)
巨大地震による市街地の液状化対策 (田村修次・東工大)
巨大地震による既存木造住宅の耐震化対策 (後藤正美・金沢工大)
災害時における情報提供への取り組み (井澤慎治・国交省北陸地方整備局)
巨大地震に備えた耐震対策の取り組み ~液状化対策など~ (岡山公雄・国交省近畿地方整備局)
14:55
セッション2 巨大津波対策について
司会 宮里 心一・川村 國夫
巨大津波に対する港湾施設の防災対策 (栗山善昭・港湾空港技研)
巨大津波による火災対策 (増田達男・金沢工大)
巨大津波による大型石油タンクの防災対策 (西村督・金沢工大)
巨大津波に対する地下街及び地下鉄の防災対策 (牧紀男・京都大)
巨大地震と巨大津波の連動作用における構造物の耐震対策 (竹脇出・京都大)
巨大津波に備えた地域が連携した取り組み ~総合啓開と港湾部対策~ (井口泰行・国交省中部地方整備局)
巨大津波による浸水想定区域の排水等の活動 (岡山公雄・国交省近畿地方整備局)
15:45-15:55
15:55
<休憩>
セッション3 避難・避難所対策について
司会 宮里 心一・後藤 正美
超巨大災害発生時の避難勧告・指示の効果的情報伝達対策 (土田義郎・金沢工大)
超巨大災害での地域行政と地域住民が連携した防災力の向上対策 (木村定雄・金沢工大)
巨大地震・巨大津波による建物被害の迅速な災害復興対策 (山岸邦彰・金沢工大)
超巨大災害時の自然エネルギー利用による地域の創電・節電対策 (垂水弘夫・金沢工大)
超長期滞在避難所及び仮設住宅での生活環境改善対策 (円井基史・金沢工大)
巨大津波に備えた避難支援 ~避難路確保や道路啓開等の対策~ (岡山公雄・国交省近畿地方整備局)
企業BCPから地域防災力の向上に向けて(井口泰行・国交省中部地方整備局)
自主防災組織による避難生活計画 (板坂孝司・静岡県)
被災後の仮設住宅の早期確保と基礎自治体の取り組み (林重延・国交省四国地方整備局)
17:00
セッション4 支援活動対策について
司会 垂水 弘夫・後藤 正美
巨大地震・巨大津波による過大荷重を受けた社会資本施設の維持管理対策 (宮里心一・金沢工大)
救援・支援活動に使用する幹線道路の防災対策 (川村國夫・金沢工大)
巨大地震時における交通の流れ及び課題 (井澤慎治・国交省北陸地方整備局)
南海トラフ巨大地震災害に対する中核都市間の救援・支援活動 (詩丘樹持・金沢市)
17:30
結び
木村 定雄
懇親会:
18:30より金沢国際ホテルにて行います。
ご招待の方は無料、メンバーシップ会員は各社1名無料、その他の方は3000円となります。
広報担当:土田義郎・円井基史
はじめに
2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災では、街並みが次々と巨大津波に飲み込
まれていく映像に日本全国の人々が驚愕した。巨大津波は、海側のプレートが海溝で
陸側プレートの下に潜り込むことで発生する。海側プレートの移動は継続的に生じて
おり、何十年~何百年の周期で陸側プレートに蓄積した歪の解放が繰り返される。我
が国はプレートが潜り込む海溝の近くに位置するので、繰り返される巨大地震との戦
いは宿命である。
現在、我が国が直面している最大の危機は、南海トラフ巨大地震と首都直下型地震
である。いずれの地震ともに超巨大であり、大都市を壊滅状態にさせる恐れが極めて
高い。南海トラフで地震が発生すると、巨大地震と巨大津波が生じるので両者に対す
る防災対策が必要となる。巨大地震に対する防災対策は構造物の耐震性を高めること
により対応できるが、巨大地震の数分後に来襲する巨大津波に対しては、地震対策以
上の防災対策が必要となる。特に、巨大津波に対する対策は東日本の太平洋側地方以
外はほとんど実施していないので、巨大津波が作用する太平洋側の沿岸地域に対する
対策が新たに必要となる。
我が国の戦後の経済は、主に太平洋側の都市を中心に発展してきた。また、それと
連動して人口も太平洋側都市に密集する傾向にある。国土の 70%は山であり、限定さ
れた平野に近代的都市が展開され、地下空間の活用と高密度な土地利用により、高層
ビルが林立するという都市形態である。このような脆弱な過密都市に巨大津波が来襲
すると、壊滅的な被害になる。今日の日本の産業および経済基盤を一瞬にして失うと
同時に、数十万人の死者と数千万人の被災者が発生する。まさに地獄であり、日本沈
没である。この事態を回避するには、南海トラフ巨大地震に対する有効な防災対策を
実施して、災害を最小限にすることが唯一の道であり、我が国の総力を挙げて防災対
策に真正面から取り組まなければならない。
本シンポジウムは、平成 25 年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の採択課題
「南海トラフ巨大災害に対する実効性ある防災対策に関する研究」に対する現状報告
と、関連する国及び自治体からの情報発信を通して、南海トラフ巨大地震による防災
対策の取り組みを紹介しています。巨大災害に対する皆様の理解に寄与出来れば幸甚
の至りです。
金 沢 工 業 大 学
地域防災環境科学研究所
所長 教授 髙畠 秀雄
目
1
次
ご挨拶
1
石川憲一・金沢工業大学
2
学長
シンポジウム開催に寄せて
沓掛哲男・金沢工業大学
2
3
地域防災環境科学研究所
顧問
主旨説明
3
髙畠秀雄・金沢工業大学
4
地域防災環境科学研究所
所長・教授
講演発表
セッション1
1-1
巨大地震対策について
超巨大災害発生直後における被害状況の迅速な把握対策
9
田村正行教授・京都大学大学院
1-2
長周期地震動による超高層ビルの横揺れ対策
10
髙畠秀雄教授・金沢工業大学
1-3
巨大地震による市街地の液状化対策
12
田村修次准教授・東京工業大学
1-4
巨大地震による既存木造住宅の耐震化対策
14
後藤正美教授・金沢工業大学
1-5
災害時における情報提供への取り組み
井澤慎治・国土交通省北陸地方整備局
1-6
総括防災調整官
巨大地震に備えた耐震対策の取り組み ~液状化対策など~
岡山公雄・国土交通省近畿地方整備局
セッション2
2-1
16
17
総括防災調整官
巨大津波対策について
巨大津波に対する港湾施設の防災対策
19
栗山善昭特別研究官・独立行政法人港湾空港技術研究所
2-2
巨大津波による火災対策
21
増田達男教授・金沢工業大学
2-3
巨大津波による大型石油タンクの防災対策
23
西村督教授・金沢工業大学
2-4
巨大津波に対する地下街及び地下鉄の防災対策
25
牧紀男教授・京都大学
2-5
巨大地震と巨大津波の連動作用における構造物の耐震対策
27
竹脇出教授・京都大学
2-6
巨大津波に備えた地域が連携した取り組み ~総合啓開と港湾部対策~
井口泰行・国土交通省中部地方整備局
総括防災調整官
29
2-7
巨大津波による浸水想定区域の排水等の活動
岡山公雄・国土交通省近畿地方整備局
セッション3
3-1
31
総括防災調整官
避難・避難所対策について
超巨大災害発生時の避難勧告・指示の効果的情報伝達対策
32
土田義郎教授・金沢工業大学
3-2
超巨大災害での地域行政と地域住民が連携した防災力の向上対策
34
木村定雄教授・金沢工業大学
3-3
巨大地震・巨大津波による建物被害の迅速な災害復興対策
36
山岸邦彰准教授・金沢工業大学
3-4
超巨大災害時の自然エネルギー利用による地域の創電・節電対策
38
垂水弘夫教授・金沢工業大学
3-5
超長期滞在避難所及び仮設住宅での生活環境改善対策
40
円井基史准教授・金沢工業大学
3-6
巨大津波に備えた避難支援 ~避難路確保や道路啓開等の対策~
42
岡山公雄・国土交通省近畿地方整備局
3-7
企業BCPから地域防災力の向上に向けて
井口泰行・国土交通省中部地方整備局
3-8
危機管理部
45
危機政策課
主査
被災後の仮設住宅の早期確保と基礎自治体の取り組み
林重延・国土交通省四国地方整備局
セッション4
4-1
総括防災調整官
自主防災組織による避難生活計画
板坂孝司・静岡県
3-9
44
46
総括防災調整官
支援活動対策について
巨大地震・巨大津波による過大荷重を受けた
社会資本施設の維持管理対策
48
宮里心一教授・金沢工業大学
4-2
救援・支援活動に使用する幹線道路の防災対策
49
川村國夫教授・金沢工業大学
4-3
巨大地震時における交通の流れ及び課題
井澤慎治・国土交通省北陸地方整備局
4-4
51
総括防災調整官
南海トラフ巨大地震災害に対する中核都市間の救援・支援活動
詩丘樹持・金沢市
危機管理監
53
1.ご
挨
拶
金
学長
沢
工
業
大
学
石
川
憲
一
この度、平成 25 年度文部科学省・私立大学戦略的研究基盤形成事業の一環として
採択された「南海トラフ超巨大災害に対する実効性のある防災対策に関する研究」の
中間報告として、本学地域防災環境科学研究所が主催するシンポジウム『南海トラフ
巨大災害の防災対策について』の開催に際しまして、本学を代表して一言ご挨拶申し
上げます。
ご高承のように、地域防災環境科学研究所は平成 20 年 4 月に本学のオープンリサ
ーチセンターの一つとして開設され、北陸地域を中心とする防災に関する諸研究を行
うと共に、講演会や研究会を通じて地域や企業の方々に対して最新の情報を提供して
参りました。
このような実績のもとに、本研究プロジェクトは高畠秀雄所長をはじめとする本学
環境・建築系の教員 11 名に加え、京都大学からは4名の研究者の参画を得て、
研究テーマ1.過去の大災害で指摘されながら未解決な防災力の向上対策
研究テーマ2.超巨大災害により新たに提起した防災力の向上対策
が推進されました。茲で研究テーマ 1 には 11 の細目課題を、研究テーマ2には6の
細目課題を配して、従来我が国を襲った巨大地震や巨大津波による被害データを参照
しながら精緻な防災対策研究を展開し、現在までに5回に亘る研究成果報告会や討議
等を行ってきています。そして、6回目に当たる今回はその中間纏めであり、研究成
果の発表の機会となります。
また、本シンポジウムでは、国土交通省・北陸、近畿、中部、四国の各地方整備局
に加えて、静岡県危機管理部、金沢市危機管理監から其々の担当部局に於ける地域防
災の取り組みや避難救援・支援、更には津波対策等に関する諸計画を講演戴くことに
なっています。
今後 30 年間に発生することが予測される南海トラフ等の巨大地震は約 70%の確率
にあると言われていますが、一旦発生すると経済的のみならず、人的被害は想像を絶
するものとなります。このような状況を視野に収めながら、本研究所の活動は行政機
関並びに地方自治体とも充分な意見交換を行っていく必要があります。従って、研究
期間である平成 27 年度までに正に実効性のある提言を行うことが可能となるように
更なる研究の展開を加速していく必要がありますので、何卒宜しくご指導ご鞭撻賜り
ますようお願い申し上げます。
1
2.シンポジウム開催に寄せて
金
沢
工
業
大
学
地域防災環境科学研究所
顧問
沓
掛
哲
男
我が国は自然災害の多発国であります。
戦後被害(死者)の大きかったのは、順に東日本大震災(2011 年 3 月、死者 18,526
人)阪神淡路大震災(1995 年 1 月、死者 6,437 人)伊勢湾台風(1959 年 9 月、死者
3,769 人)であります。
戦後間もなくは台風により大河川が氾濫し、多数の死者が発生していましたが、大
河川の洪水対策を懸命に実施した結果減災に成功しました。
しかし、巨大地震、巨大津波による被害は、東日本大震災にみる通り国家の盛衰に
も関わる深刻なものであります。今南海トラフ巨大地震の発生が高まっています。今
こそ国を挙げて巨大地震、巨大津波に備えなければなりません。
その一環として金沢工業大学が、シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策に
ついて」を行う事は誠に時宜を得ております。
どうか本シンポジウムに参加され、その学び得たものを更に広めて頂く様お願い申
し上げます。
元防災大臣
2
沓掛哲男
3.主旨説明
シンポジウム 南海トラフ巨大災害の
防災対策についてー主旨説明
1.巨大地震の発生
地震は断層での急激なずれ
平成26年9月27日
金沢工業大学 地域防災環境科学研究所
所長・教授 髙畠 秀雄
日本は地震国
世界の2割の地
震が発生
巨大地震は海溝でのずれ
北米プレート
オホーツクプレート
日本海側は逆
1.巨大地震の発生
2.近年の大災害と防災対策
3.南海トラフ巨大地震の脅威
4.防災対策の基本姿勢
5.南海トラフ巨大災害の防災対策について
太平洋プレート
ユーラシアプレート
アムールプレート
溝
(Trough)
フイリピン海
プレート
1
プレート間に地震を起こす⇒ プレートテクトニクス
ユーラシアプレート
アムールプレート
海溝
(Trench)
Googleより引用2
巨大地震
北米プレート
⇒ 海溝型地震
⇒ 連動型地震により巨大化
⇒ 巨大津波を発生
⇒ 大きな余震を頻発
・観測は出来ても予知は困難
オホーツク
プレート
太平洋プレート
フイリピン海
プレート
被害を防ぐ
日本周辺のプレート境界付近
での大地震の震央分布
日本付近のプレート境界
防災対策は不可欠
参考文献1より引用3
Googleより引用
4
① 関東大震災 (1923年 M7.9)
2.近年の大災害と防災対策
関東大震災延焼推移
関東大震災 1923.9.1
地震+火災
阪神・淡路大震災 1995.1.17 地震+限定的火災
東日本大震災 2011.3.11
地震+津波+原発
・南海トラフ ?(近年) 超巨大災害(地震+津波+火災)
地震⇒津波(短時間後に襲来)
9月1日午後1時
・防災対策: 防災白書 国土交通白書 消防白書等
9月1日午後6時
9月2日午前0時
Googleより引用
• 死者14万人 犠牲者の9割は焼死
• 旧東京市内で、130箇所以上から出火
• 台風の通過直後で、10~20mの強風状態
• 火災旋風 延焼速度 最大 時速800m以上
(阪神大震災 時速70m) 今村明恒助教授
・ 被災地域は阪神大震災の20倍の地域
超巨大災害の防災対策 = 個々の防災対策の有機的複合
+ 新しい発想の防災対策
・巨大津波の破壊力 ⇒ 都市に作用する
・歴史地震による被害の検証 ⇒ 津波の痕跡
最悪のシナリオ+過去の災害 = 想定被害⇒ 防災対策の目標
防災対策の実施 > 財政的基盤
5
6
3
② 阪神・淡路 大震災(1995年 M7.2)
中間階崩壊
直下型地震 5500人死亡
震災の帯
RC造層崩壊 新幹線RCラーメン高架橋落橋
地下鉄構造物の崩壊 (世界初)
液状化
K-NET(全国に1000点)がスタート
GEONET(全国に1200点)がスタート
木造住宅の崩壊と火災
芦屋浜高層住宅の極厚断面柱の破断
既存建築物の耐震診断及び耐震補強 性能の明示7
③
道路高架橋
震災後の火災
Googleより引用
地盤の液状化
東日本大震災の教訓
8
東北地方太平洋沖地震 (2011年 M9.0)
死者 約2万人 (行方不明者含む)
噴砂孔
・巨大地震と巨大津波の連動作用
・巨大津波の破壊力 津波対策を超える津波の高さ
・避難指示の不徹底
・避難防災訓練におけるフレキシビリテイー
・地盤の液状化
・長周期地震動による超高層ビルの大きな横揺れ
・天井等の非構造部材の落下(エスカレータの落下)
・大型液体貯蔵タンクの破損と火災
・原子力発電所の地震+津波被害による爆発、レベル7
・災害復旧と災害復興 改良復旧事業制度
東日本大震災での東京湾沿岸の液状化の状況
液状化に伴う側方流動
参考文献1より引用
9
津波
長波 速度
日本の液状化履歴
10
釜石港湾口防波堤
C  gh
h=1000m→C=99m/s=356km/h
例
・沿岸での波高増幅
国土交通省HPより引用
水深の低下による波高の増幅
Googleより引用
最大水深63m
11
4
12
2Dモデル:地盤・防潮堤・Euler要素
地盤
A端
B端
静水面
130分割
防潮堤
地盤面
拡大図
拡大図
14
13
3.南海トラフ巨大地震の脅威
東海
東南海
南海
Googleより引用
15
南海トラフ地震
巨大地震(海溝型連動地震) 巨大津波がほぼ同時に作用
1605年 慶長地震(M7.8)
①南海
②東南海
③東海
16
最初に引波
①②③
102年間
1707年 宝永地震(M8.4)
①②③
147年間
富士山噴火
1854年 安政地震(M7.8)
安政東海地震
津波地震を起こす領域
安政東海地震(M8.4)
安政南海地震(M8.4)
1944-46年 昭和の地震
①②③
90年間
①②
東南海地震(M7.9) 67年間経過
南海地震(M8.0)
(137年間経過)
Googleより引用
Googleより引用
17
5
18
津波高さ 陸上遡上高さ=津波高さ × 1.5
●南海トラフ巨大地震による震度
都道府県名
34,000
宮崎
23,000
愛知
109,000
静岡
43,000
三重
35,000
和歌山
徳島
3
香川
5
東京(島嶼部)
31
愛媛
21
神奈川
10
高知
34
静岡
33
福岡
4
愛知
22
長崎
4
三重
27
熊本
4
大阪
5
大分
15
兵庫
9
宮崎
17
和歌山
20
鹿児島
13
岡山
4
沖縄
5
広島
4
30都府県
32万3千人
基本ケース
陸側ケース
防波堤被害
3万箇所
4万箇所
-
鉄道施設被害
1.3万箇所
1.9万箇所
-
港湾被害
0.3万箇所
0.3万箇所
126~135 km
帰宅困難者
食料の不足量
飲料水の不足量
7日間で7500万食
520万枚
入院15万人、外来14万人
災害廃棄物
九州
4〜8
2〜5
7〜9
9
下水道
3,210万人
9
9
3〜7
9
9
電力停電
2,710万人
9
9
3〜7
9
9
通信通話支障 930万回線
9
9
3〜6
9
9
2〜6
1
1
2〜9
3〜4
180万戸
液状化
4800万リットル
毛布の不足量
四国
6〜8
要因
中京都市圏400万人、 京阪神都市圏660万人
医療機能支障
山陽
三県
3,440万人
揺れ
950万人
3日間で3200万食
近畿
三府県
単位 割
22
●南海トラフ地震による最悪シナリオ
空港浸水被害 中部国際空港・関西国際空港
高知空港・大分空港・宮崎空港
避難者
東海
三県
●インフラは9割が被害
21
道路施設被害
20
上水道断水
ガス停止
Googleより引用
24
11
「南海トラフ巨大地震の被害想定(第二報告)について」平成25年3月18日
※冬の深夜、風速8m/s、避難が遅れたケース
25,000
高知
最大値(m)
5
千葉
19
東海地方の被害が最大となった場合の死者数
山口
東京(区部)
震度6強 木造建物の倒壊
震度6弱 木造建物の傾斜・倒壊
震度5強 壁に亀裂
内閣府報告書より引用
最大値(m)
6
都道府県名
茨城
全壊棟数
135万棟
死者数
8万人
負傷者数
59万人
13万棟
津波
15万棟
火災
75万棟
23万人
1万人
11万人
2万人
合計
238万棟
32万人
62万人
地震動:陸側ケース 津波ケース ①冬深夜、風速8m/s、早朝避難率減
半壊を含めた棟数
津波による被害
3億1000万トン、
23
約348万棟
多くの被災者を発生
24
6
4.超巨大災害に対する防災対策の基本姿勢
●南海トラフ巨大地震による超巨大災害要約
太平洋側都市・地域が壊滅的被害を発生する
内閣府中央防災会議「南海トラフの巨大地震による津波高・浸水域等」
最大クラスを推定
日本沈没
防災対策の基本姿勢 (横糸的⇒縦糸的対策)
死者32万3千人、30都府県
被災地域人口5900万人
太平洋側都市・地域が壊滅的被害
太平洋側都市
地域が壊滅的被害 超巨大災害
巨大地震の後5分程度で巨大津波が都市を襲う
最悪のシナリオを大胆に提案
グランドデザインの方向性を検討する
(1) 被災する太平洋側地方の防災対策
(2) 救援支援する日本海側地方の防災対策
(3) 超巨大災害に強い産業基盤の再構築
(4) 活火山の噴火を想定した防災対策
防災対策で被害を縮小する事が必修
既存の防災対策では不十分
資産等の被害【被災地】
98兆円 ~ 170兆円
経済活動への影響【全国】 46兆円 ~
68兆円
被災概算合計
144兆円 ~ 238兆円
著書 南海トラフ巨大地震の防災対策
25
北陸地方提案事項 ⇒
提案⑰ 膨大な災害廃棄物の処理法の開発
●災害廃棄物
26
災害救援・支援の対策強化
(1)緊急災害救援・支援道路の確保
3億1000万トン
• 縦糸的高速道路
防災対策・耐震化
・北陸→中部地方
4車線化
・北陸→関西地方
未開通区間の解消
・アクセス道路(防災道路)の耐震化(液状化等)
港 ⇔ 空港 ⇔ 高速道路
⇔ 小松基地自衛隊 ⇔ 防災センタ
防災センター
<1㎥当り 1 ton とすると>
仮置き場 高さ20m 幅100m ⇔ 長さ155km
名古屋―静岡 186㎞
敦賀 136㎞
金 沢 ―敦賀
1㎥当り 0.8 ton ⇒193㎞
膨大な量
(2)新幹線を災害救援列車に利用
100m
20m
(鹿島出版)2592円
車両基地⇒災害救援・支援基地=テックホース
155㎞
(3)産業基盤の再構築に向けたインフラの計画・整備
産業基盤を日本海側に分散配置⇒リスクに強い国
地域格差の是正+地域特性の長所を助長する施策
東日本大震災の15.5倍
●どこに仮置場を設けるのか
28
27
巨大地震対策
5.南海トラフ巨大災害の防災対策について
• 平成25年度私立大学戦略的研究基盤形成支
援事業(文部科学省)採択
総勢16人研究者(外部5人)
巨大津波対策
課題1-1
被害全容の把握
課題1-8
石油タンク
課題1-3
津波火災
課題1-4
超高層ビルの横揺れ
課題1-2
防潮堤の津波対策
研究期間 3年
課題1-7
木造住宅の耐震化
• 「南海トラフ超巨大災害に対する実効性あ
る防災対策に関する研究 16課題
る防災対策に関する研究」16課題
• 学会, 行政, 関連企業, マスコミに情報発信
課題1-5
地盤の液状化
避難・支援対策
課題2-5
自然エネルギー創電
平成26年度
課題1-9
避難放送
課題1-6
事業継続
課題1-10
住民避難
29
7
課題2-2
地震・津波の連動
課題2-6
避難所の住環境改善
課題2-1
地下街・地下鉄の浸水
巨大地震・巨大津波連動対策
課題2-4
幹線道路の防災
課題2-3
過大荷重による劣化
30
巨大地震対策について
発表者
研究代表者+研究分担者 = 16名
国土交通省北陸地方整備局
近畿地方整備局
中部地方整備局
四国地方整備局
静岡県
金沢市
課題
1-1
超巨大災害発生直後における被害状況の迅速な把握対策
京都大学 田村正行 教授
課題
1-4
長周期地震動による超高層ビルの横揺れ対策
髙畠秀雄 教授
課題
1-5
巨大地震による市街地の液状化対策
東工大学 田村修次 准教授
課題
1-7
巨大地震による既存木造住宅の耐震化対策
後藤正美 教授
研究成果報告書刊行⇒防災関連機関に配布 HP公開
31
32
巨大津波対策について
課題
1-2
巨大津波に対する港湾施設の防災対策
港湾空港技研 栗山善昭 特別研究官
課題
1-3
巨大津波による火災対策
増田達男 教授
課題
1-8
避難・支援対策について
巨大津波による大型石油タンクの防災対策
西村督 教授
巨大地震・巨大津波による建物被害の迅速な災害復興対策
山岸邦彰 准教授
課題
1-9
超巨大災害発生時の避難勧告・指示の効果的情報伝達対策
土田義郎 教授
課題 超巨大災害での地域行政と地域住民が連携した防災力の向
1-10 上対策
木村定雄 教授
課題 巨大津波に対する地下街及び地下鉄の防災対策
2-1 京都大学 牧紀男 教授
課題
2-2
課題
1-6
巨大地震と巨大津波の連動作用における構造物の耐震対策
京都大学 竹脇出 教授
33
巨大地震・巨大津波による過大荷重を受けた社会資本施設
の維持管理対策
宮里心一 教授
課題
2 4
2-4
救援・支援活動に使用する幹線道路の防災対策
川村國夫 教授
超巨大災害時の自然エネルギー利用による地域の
創電・節電対策
垂水弘夫 教授
課題
2-6
超長期滞在避難所及び仮設住宅での生活環境改善対策
34
円井基史 准教授
戦後の発展は大都市が巨大災害を受けなかっ
た事による。正に、ラッキーであった。
しかし、
南海トラフ巨大地震は、
四季折々の美しい景色、人々の生活基盤、
社会インフラと財政力を、
全て破壊します 地獄です。
全て破壊します。
地獄です
それに対抗するには、防災力です。
力を合わせて日本沈没を避けよう。
支援活動対策について
課題
2-3
課題
2-5
本日はご参加いただきまして、
ありがとうございます
35
36
8
4.講演発表
セッション1 1-1
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
どのような観測センサがあるか
(課題1-1 )
航空機
超巨大災害発生直後における
被害状況の迅速な把握対策
人工衛星
光学センサ
航空写真
ALOS AVNIR‐2など
レーダー
Pi‐SARなど
ALOS PALSARなど
京都大学 田村正行
2011/3/14
航空写真.石巻(国土地理院)
【目的】
航空機・人工衛星など空からの観測手段を使って、
被災状況を迅速かつ正確に把握し、対策に役立てる
方法を考える
ALOS AVNIR‐2.石巻(JAXA)
2011/3/16
PI‐SAR画像.仙台空港(NICT)
ALOS PALSAR. 東松島市(JAXA)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
東日本大震災時の
航空機や人工衛星による観測のまとめ
•
研究方法
画像の有効利用の条件
– 画像に地理情報を与え、位置の特定と地図との重ね合わせが容易にできること
– 画像をデータベース化し、地図索引から画像を検索できること
•
航空機と人工衛星
– 航空機は即応性があるが観測範囲は衛星より狭い
– 衛星は広範囲を観測できるが、軌道によっては観測できるまでに時間がかかる
 衛星の場合、観測角や軌道を柔軟に変更できることが必要
•
• 光学センサに関しては技術的にほぼ完成しているので、
レーダー画像の利用に重点を置く
– 津波浸水、建造物損壊など被災範囲・程度の判読性の向上
– 光学センサでは検出の難しい事象(地殻変動、液状化など)の検出方法
– 地殻変動の長期モニタリングによる軟弱地盤の面的検出
光学センサとレーダー
– 光学センサは判読が容易であるが曇天・雨天時および夜間は使えない
(例外として、熱赤外センサは夜間でも使用可能)
– レーダーは判読が難しいが、悪天候時や夜間の災害にも使える
– レーダーは、光学センサでは観測の難しい事象(地形変化や液状化)を検出できる
• 最終的には光学センサとレーダー画像の両者を含めて、
地理情報システム化を提言する
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
レーダー画像により検出した液状化地点と現地調査結果
(国土交通省&日本地盤工学会)の比較
画像範囲
東京湾岸
多時期レーダー画像(2006‐2010)から検出した浦安市
の地盤沈下と工学的基盤標高コンター図
利根川流域
N値50以上を有する洪積砂層の深さ
(浦安市液状化対策技術検討調査会
報告書 平成23年度)
9
セッション1 1-2
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
課題番号 長周期地震動による
1-4
超高層ビルの横揺れ対策
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
2. 動的応答解析
髙畠秀雄
建物固有周期
解析モデル
35階建
1. 長周期地震動の発生
平野=堆積層
地震波の長周期成分を増幅させる
共振
150.5m
40
60
80
100
0.5
1
14400
C
7200
36m
長周期地震
200
浦安
B
Z
0
50
100
150
200
250
300
72m
時間(s)
36m
地震波
Z'
A
Y
0
‐200
‐400
‐400
0
D
14400
加速度(cm/s2)
0
‐200
加速度(cm/s2)
普通の地震波
200
20
‐0.5
400
400
0
4.4秒
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪
固有周期が長い
遠隔地の震源
1次モード
‐1
超高層ビル
桁行方向
35
30
25
20
15
10
5
0
7200
7200
7200
7200
X
7200
7200
7200
7200
7200
7200
72m
1
2
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
時間(s)
3. 長周期地震動による応答の特色
普通の地震波
長周期地震波
EL-Centro波
浦安波
4. オイルダンパーによる対策
ダンパーなし
浦安波
内付けオイルダンパー
外付けオイルダンパー
3
4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
最大応答値
■ダンパーなし
階
■内付けオイルダンパー
35
35
30
30
25
25
20
20
15
15
10
10
5
■外付けオイルダンパー
方法:1次元棒材理論による動的解析 1993開発
チェック項目:横変形, 層剪断力, 転倒モーメント
最大応答値< 現有設計のクライテリア
5
相対変位(m)
0
2)
絶対加速度(
絶対加速度(m/s
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
35
5. 長周期地震に対する
既存超高層ビルの耐震診断・補強計画
0
0.5
1
1.5
2
2.5
35
30
30
25
層せん断力(MN)
20
25
15
10
10
5
5
0
0
0
20
40
60
80
オイルダンパーの設置による補強計画
転倒モーメント(GN・m)
20
15
チェック項目:耐震性の確保
最大応答値< 現有設計のクライテリア
0
1
2
3
4
5
6
5
6
10
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
簡易解析法→ 1993年ASCE発表
(棒材理論)
内付けオイルダンパーの効果
v
0
0.2
0.4
水平変位 (m)
0.6
0.8
30
+ρS*u*  ( EIφ+ES*u* )+ GA(v+φ)  m  0
φ : ρI φ
25
20
階数
階数
 v : mv  [ GA(v+φ)]  p y  c v  0
15
10
5
0
0
1
2
絶対加速度 (m/s²)
7
3
4.254
1.455
0.866
4.358 (1.02)
1.480 (1.02)
0.870 (1.00)
浦安ーNS
35
35
30
25
20
15
10
5
0
30
25
20
15
10
5
0
0
35
周期 (s)
棒材理論
SNAP
階数
階数
変形:軸変形、横変形、せん断変形
変形
軸変形 横変形 せん断変形
曲げ変形、shear-lag
35
30
25
20
15
10
5
0
建物固有周期
0.2
0.4
0.6
0.8
0
水平変位 (m)
35
30
25
20
15
10
5
0
0
1
2
絶対加速度 (m/s²)
0.2
0.4
0.6
0.8
水平変位 (m)
階数
等価せん断剛性 κGA
等価曲げ剛性 EI
階数
等価剛性
  ( EI*u* +ES*φ)+ GF*u*  0
 u*:ρI*u* +ρS*φ
表
ダンパーの減衰係数 1000MN/(m/s) モード
太線 ダンパーなし
1次
2次
細線 ダンパーあり
3次
■棒材理論 ■SNAP
地震波:ELCENTRO-EW
新宿ーNS
3
35
30
25
20
15
10
5
0
0
1
2
絶対加速度 (m/s²)
3
8
11
セッション1 1-3
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
1-5
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
巨⼤地震による市街地の液状化対策
浮き基礎と杭の併⽤基礎
杭と浮き基礎を併⽤した⼾建て住宅
の液状化対策
東⼯⼤ 建築学専攻
⽥村修次
はじめに
東⽇本⼤震災では液状化で多くの⼾建て住宅が沈下・傾斜した。
非液状化層
建物の沈下・傾斜を軽減 + 液状化による免震効果
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
PWP (kPA)
Acc. (m/s2)
ケイ砂8号
Dr=20%
加速度計(水平)
ケイ砂8号
Dr=20%
発布スチロール
Acc. (m/s2)
レーザー変位計
(排
(排⼟重量は建物
建物
の総重量の30%)
地下⽔位
GL-20mm
20 mm
110kPa
100kPa
豊浦砂 Dr=40%
鉛直全応⼒
間隙水圧計
126kPa
豊浦飽和砂(Dr=40%)
+
加速度計(鉛直)
京⼤防災研の遠⼼載荷装置
Acc. (m/s2)
160 mm
Acc. (m/s2)
アルミパイプ(φ=4mm, L=100mm)
150 mm 圧力計
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
本震
実験モデル
偏⼼マス(質量28g)
杭で傾斜を軽減
杭
余震による⼾建て住宅の液状化被害拡⼤のメカニズムを検討する。
偏心マス
軽量土
液状化層
液状化層の厚いケースにおける⼾建て住宅の対策として、浮き基礎
と杭基礎を併⽤した⼯法を提案し、その有効性を遠⼼載荷実験で検
討する。
発泡スチロール
軽量⼟で沈下を軽減
非液状化層
80
60
40
20
0
5
Main
過剰間隙⽔圧⽐(GL-5m)
(a) 過剰間隙水圧(GL-5m)
Main
0
M i
Main
0
Main
0
地表⾯加速度
(d) 地表面加速度
-5
5
Main
0
(e)
土槽底面加速度
⼊⼒加速度
0
10
20
30
Time(s)
40
50
余震における建物の沈下・傾斜
対策あり
Angle (rad)
(c)
建物の傾斜(対策無し)
建物の傾斜
(d)
建物の傾斜(対策有り)
建物の傾斜
0.036 rad
0.018 rad
50
100
Time(s)
150
対策なし
-400
対策あり
200
12
最⼤加速度
対策なし
沈下 334 mm 対策あり
(109mm)
-200
200
-400
1.86m/s2
(a) 建物の平均沈下(対策無し)
沈下 543 mm
本震からの増分(218mm)
After
-600
0
Angle (rad)
建物の沈下
(b) 建物の平均沈下(対策有り)
Main
-600
0.1
0.08 Main
0.06
0.04
0.02
0
0.1
0.08 Main
0.06
0.04
0.02
0
0
0
-200
Angle (rad)
-400
対策なし
225mm
-200
Settlemen t (mm) Settlement (mm)
325mm
(a) 建物の平均沈下(対策無し)
建物の沈下
Main
Angle (rad)
Setttlement (mm) Settlement (mm)
臨海波
0
-600
0
60
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
本震における建物の沈下・傾斜
-400
対策あり
(c)
上部構造物加速度(対策有り)
上部構造物加速度
-5
5
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
-200
対策なし
上部構造物加速度
(b)
上部構造加速度(対策無し)
-5
5
-5
遠⼼加速度:50g
臨海波 最⼤加速度 4.1m/s2
(b) 建物の平均沈下(対策有り)
After
-600
0.1
0.08 After
0.06
0.04
0.02
0
0.1
0.08 After
0.06
0.04
0.02
0
0
傾斜 0.089 rad
(0.053 rad)
対策なし
(d) 建物の傾斜(対策有り)
0.026 rad
傾斜
(0.008 rad)
対策あり
(c) 建物の傾斜(対策無し)
50
100
Time(s)
150
200
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨⼤災害の防災対策について」
まとめ
余震による沈下・傾斜拡⼤のメカニズム
13

浮き基礎と杭基礎を併⽤した⼯法を提案し、その有効性を本
震および余震を想定した遠⼼載荷実験で検討した。

提案⼿法で、上部構造物の応答を増やさずに、建物の沈下・
傾斜を軽減することができた。
傾斜を軽減することができた

対策無しの建物では、特に余震で沈下・傾斜ともに激しく進
⾏した。

本震の液状化における地盤沈下(地下⽔位の上昇)と建物の
沈下で、基礎直下における⾮液状化層の層厚が減少し、基礎
が⾮液状化層を踏み抜いたため、⼤きな傾斜が⽣じたと考え
られる。
セッション1 1-4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
耐震化促進の課題
巨大地震による既存木造住宅の
耐震化対策
以下の3課題が少しでも解消される必要がある。
1.低コスト化
2.工期の短縮
金沢工業大学
後藤 正美
3.耐震性能の確保と付加価値
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
1.低コスト化
2.工期の短縮
3.耐震性能の確保と付加価値
• 耐震化ということで壁を設けることは、日常の生
活が不便になる
→
• 付加価値として断熱性を向上させることを考える
• 強化発泡の使用を検討する
• 容易に取り付けられること
• 周辺の構造体をそのまま使えること
→
• あまり強い壁では無く、倒壊を防止できる程度の
壁にする
• パネル化する
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
断熱性能を兼備した壁の提案
色々な留め方や形状の検討
1820
425
212.5
桁:105×180㎜
2730
212.5
425
425
貫:30×90㎜
425
425
柱105×105㎜
土台105×105㎜
14
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
モデルハウスへの適用
壁倍率の比較
2.0
10
1.0
0.5
t3_06
t3_05
t3_04
t3_03
t3_02
t3_01
t2_03
t2_02
t2_01
t1_06
t1_05
t1_04
t1_03
t1_02
0.0
t1_01
倍率
壁倍
1.5
試験体
15
セッション1 1-5
国土交通省 北陸・近畿地方整備局
国土交通省 北陸・近畿地方整備局
地域対策計画の概要
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
1-A 災害時における情報提供の取り組み
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(2)地方整備局は地震情報・津波情報等をもとに速やかに情報収集機器等を活用して情報提供を行う
(1)大規模地震発生直後、気象庁の発表する地震情報、津波情報等は関係機関に伝達・共有
■気象庁から地震情報、津波情報の発表
■収集した映像を関係機関間で共有
■海上保安本部等は、津波避難勧告等を発表し、海洋上の船舶
や港湾内の船舶等に対し、無線通信等を用いて津波情報を伝達
地震発生
衛星
釣人等への情報伝達
巡視船艇等により、釣
客等へ避難勧告
ヘリコプター画像伝送
地震情報
津波情報
の発信
首相官邸危機管理
センター
衛星通信車
Ku-SAT
船舶への情報伝達
津波情報提供及び
沖合への避難勧告・警
戒区域への入域制限
気象庁
海上保安
本部
津波発生
■マスコミ(テレビ、ラジオ、携帯電話等)を通じて、地震情
報・津波情報等を一般市民へ伝達
国土交通本省
ヘリ中継
基地局
官邸・内閣府等
カメラ
CCTVによる情報収集
(那智中学校)
■地方整備局は、電子情報表示板や警報装置等の情報提供装置
を用いて、地震情報・津波情報の伝達や避難誘導の支援等を実
施
事務所
カメラ
NHK、民間TV放送各社
整備局
津波警報装置の表示イメージ
出張所
一般家庭・学校・集会
所等への通知
緊急地震速報等を伝
達し、避難誘導を支援
気象台等
地方自治体等
地方
整備局
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
国土交通省 北陸地方整備局
事務所
情報表示板への自動表示
大津波警報/津波警報等の
発表に応じて、事前に設定し
た固定文章を自動表示
道路標識・情報板による通行者への情報提供
津 波
無線(衛星系)
インターネットによる利用者への情報提供
無線(地上系)
1
出典:近畿地方整備局引用
光ファイバ
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 北陸地方整備局
出典:近畿地方整備局より一部引用
2
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(4)災害時に役立つ河川の水位、レーダ雨量、河川カメラ画像などの情報をインターネットで提供
(3)道路交通情報の広域的提供
河川の水位、レーダ雨量、河川カメラ画像などの情報をホームページで提供
①インターネットを通じた道路情報の提供
②道路標識による道路情報の提供
・インターネットを通じて北陸地域の道路規制、通行止め情
報、チェーン規制情報等道路情報を提供する。
・道路標識によって北陸地域の道路規制、通行止め情報、
チェーン規制情報等道路情報を提供する。
インターネットによる
道路情報
QRコード
< 川の防災情報 >
(川の防災情報)
【パソコン】http://www.river.go.jp/
【携帯】 http://i.river.go.jp/
標識による情報提供
水位情報
XバンドMPレーダによる
雨量観測情報の提供
XRAIN(レーダ雨量)
トップページ
直接入力
http://www.river.go.jp/
xbandradar/
または XRAIN で検索!
現在の河川水位、基準水位(氾濫危険水位等)
との関係を表示
地域全体の雨量情報
情報を見たい地域を選択
(地図上の四角をクリック)
その地域の詳しい雨量情報
さらに任意の地点をクリック
すると、周辺地域を拡大
③ITSスポットサービス
・最小観測面積 : 250mメッシュ、 ・配信周期 : 1分
・観測から配信に要する時間 : 1~2分程度
・中部、近畿方面も含めた広域的な道路情報を
提供するため、ルート上に積雪等で通行止めが
あってもカーナビが最適なルートを選択する。
河川カメラ画像
土砂災害危険箇所
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/sa
bou/9dosya-shitei/
出典:石川県HP
津波浸水想定図
携帯電話による河川カメラ画像の提供
http://www.hrr.mlit.go.jp/i/live/river/toppage.html
管内の河川・
海岸・ダム・
砂防436箇所
の画像を提供
津波による浸水想定範囲を表示
出典:新潟県HP
QRコード
④緊急道路情報メール配信サービス
・北陸地域の国土交通省が管理する国道等で
緊急に実施される通行止め情報をメールで配信
する。
国土交通省 北陸地方整備局
QRコード
(緊急道路情報
メール)
(カメラ画像)
携帯メール
配信画面例
http://www.hoclick.go.jp/
3
4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 四国地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(6)超巨大災害発生時の避難勧告・指示の効果的伝達対策
(5)日本道路情報交通センター(JARTIC)からの情報提供
~出典:四国地方整備局~
防災行政無線の整備も含め、多様な災害情報等伝達手段の推進
道路情報の提供(JARTIC)
• 各市町村は防災行政無線の整備(整備率:80%程度、デジタル化は38%程度)、衛星携帯電話の導入(保有率:62%)を推進
なお、四国総合通信局は移動系防災行政無線のデジタル化を周波数有効利用促進事業により支援
• 各県、市町村においては携帯事業者と緊急速報メールに関する契約締結により運用(3社のサービス利用可能割合:95%)
• 四国総合通信局は、多様なメディアにより災害情報等を伝達する仕組として公共情報コモンズ※を推進
・インターネット、ラジオ、テレビを通じて全国の交通規
制、渋滞予測等道路情報を提供する。大規模災害時
には【災害時情報提供サービス】として通行規制情報
等が提供される。
※公共情報コモンズとは、ICTを活用して、災害時の避難勧告・指示など地域の安心・安全に関するきめ細かな情報の配信を簡素化・一括化し、テレビ、ラジオなどの様々なメディアを通じ
て、地域住民に迅速かつ効率的に提供することを実現するもの。
四国95市町村の防災行政無線等の整備状況
四国95市町村の衛星携帯電話の保有状況
0.0%
平常時
徳島県
香川県
金沢市内の道路情報
愛媛県
大規模
災害時
高知県
50.0%
62.5%
23.5%
41 4%
41.4%
45.0%
65.0%
47.0%
70.5%
H24保有率
H24保有率
四国全体保有率
59/95 ≒
62%
5団体
(5%)
規制情報
の提供
防災行政無線等の整備状況
防災行政無線等
http://www.jartic.or.jp/
仙台市内の道路情報
H25保有率
H25保有率
四国95市町村の緊急速報メール利用状況
渋滞情報
の提供
道路画像
の提供
100.0%
20.8%
四国全体整備率
76/95 ≒ 80%
5
16
市町村数
割合
デジタル同報無線
36
37.9%
アナログ同報無線
40
42.1%
有線系情報提供手段
11
11.6%
情報提供手段なし
7
7.4%
90団体
90団体
(95%)
(95%)
平成26年2月18日現在
3社すべてのサービスが利用可能な市町村
2社のサービスが利用可能な市町村
1社のサービスが利用可能な市町村
6
セッション1 1-6
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 北陸地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
かけはしがわ
北陸地方整備局事例 梯川逆水門耐震補強外工事【H24~26年度】
【目的】
頻度の少ない大規模地震発生により、基礎地盤の液状化による施設の沈下、床版
の変形、堰柱の破壊によるゲート機能喪失の可能性が明らかになった。⇒地盤改良、
床版補強、門柱補強により必要な耐震性能を確保する。
(1) 巨大地震対策
1-B 巨大地震に備えた耐震対策の取り組み~液状化対策など~
昭和 7年 中小河川改修事業にて完成(県)
昭和34年 国営加賀三湖干拓事業にてゲート改築(農水)
昭和46年 梯川1級河川に指定(河川管理施設に移管)
美川水門
①梯川逆水門耐震補強外工事【北陸地整】
梯川逆水門
②木曽三川河口部の液状化対策【中部地整】
日
本
海
固定部4門
可動部5門
施工箇所
しもまきまち
③防潮堤の液状化対策【大阪府】
梯川
④密集市街地の家屋倒壊による道路閉塞に対する道路啓開
オペレーション【近畿地整】
小松市下牧町地先
床版補強
(鉄筋コンクリート増厚)
地盤改良
国土交通省 中部地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
対策実施状況
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
◆優先順位の指標
◆防潮堤の液状化対策の考え⽅
木曽三川下流部は、南海トラフ巨大地震が予測される地域であり、緊急的な耐震・津波対策が必要となっています。また木曽三川下流部は、津波
の溯上区間であり、背後地は閉鎖型ブロックかつ、ゼロメートル地帯であることから、決壊すれば甚大な被害となるため、緊急的に河川堤防の液状化
対策を実施しています。
①
(南海トラフ巨⼤地震⼟⽊構造物耐震対策検討部会報告)
【重点化の⽅針】
『防ぐ』施策の対象範囲
防潮堤の液状化により次の事象を⽣じさせる箇所に重点化
◆百数⼗年に⼀度の地震により津波で浸⽔
◆千年に⼀度の地震により地震後すぐに満潮位で浸⽔
ゼロメートル地帯が広がる濃尾平野
緑実線
木曽川大橋
【優先順位の考え⽅】
①「第⼀線防潮ライン(⽔⾨より外側等)」から優先実施
①「第
線防潮ライン(⽔⾨より外側等)」から優先実施
①-1:地震直後に満潮位で浸⽔する箇所
①-2:津波による浸⽔箇所
湾岸木曽川橋
②「その他の区間(⽔⾨より内側等)」を引き続き、実施
②-1:地震直後に満潮位で浸⽔する箇所
②-2:津波による浸⽔箇所
A-A
静的圧入
締固め
砂杭工法
番号(帯図の着色)
大阪府 【防潮堤の液状化対策平面図】
緑点線
防潮堤位置
被害の要因
概算事業費
(赤・実線)
満潮位
300億円程度
9km
①-2
(緑・実線)
L1津波
1,000億円程度
41km
②-1
(赤・点線)
満潮位
300億円程度
11km
②-2
(緑・点線)
L1津波
500億円程度
28km
合
凡例
①
第⼀線防潮ライン
(⽔⾨より外側等)
実線
②
その他の箇所
(⽔⾨より内側等)
点線
※ ⽔⾨の内側等であっても、地震直後から満潮位で浸⽔が始まる箇所は、
第⼀線防潮ラインの対策箇所と同様、早期に完了。
※ 対策の実施に当たっては、現場条件等を踏まえた詳細な検討が必要。
①-1
深層混合
処理工法
【堤防の耐震対策(液状化対策)施工例】
⾚点線
緑点線
湾岸揖斐川橋
⽔⾨を閉鎖することにより、
内陸部の浸⽔被害を軽減
②
⾚実線
『逃げる』、『凌ぐ』施策の強化
◆津波が防潮堤を越える箇所については、
直ちに倒壊しない構造へ強化
揖斐長良大橋
2
(RC巻立て工法)
大阪府 【第5回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部会中間報告より】
河口部の低平地の浸水被害を防止するため、堤防の耐震対策(液状化対策)を実施
既設床版
鉄筋コンクリート製
門柱補強工
(セメント混合処理)
1
計
対象延長
2,100億円程度
3年間で完成
5年間で完成
10年間で完成
89km
(うち大阪府1250億円)
3
4
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
密集市街地における家屋倒壊/火災
密集市街地
全国 約 25,000ha
重点密集市街地 全国 約 8,000ha
◆大阪市内
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
大阪の重点密集市街地の状況 2,295ha
寝屋川市
守口市
門真市
(うち近畿地整管内 約 3,110ha)
大東市
地震時等に大規模な火災の可能性があり重点的に改善すべき密集市街地
大阪市
東大阪市
震災時の火災、消防活動、避難経路の確保が困難
堺市
老朽建物の倒壊の恐れ
:
:
:
:
満潮時に直ちに浸⽔(直接潮位の影響あり)
満潮時に直ちに浸⽔(⽔⾨内)
百数⼗年規模の津波により浸⽔(⽔⾨外)
百数⼗年規模の津波により浸⽔(⽔⾨内)
神戸市長田区の火災
(阪神淡路大震災)
5
※大阪府提供
17
6
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
■家屋倒壊等により道路閉塞が起きている緊急輸送道路等において道路啓開等を実施
・強い揺れによる建物倒壊、火災が各地で発生。
・密集市街地では大規模に延焼の可能性。また、
倒壊・延焼した家屋や道路占用物等が街路を
ふさぐおそれ。
全壊・焼失棟数(内閣府想定)
道路啓開対策
道路啓開ルート
資材拠点
基地
広域にわたり全壊・焼失
(出典)中央防災会議 防災対策推進検討会議
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ
家屋倒壊等による道路閉塞
※本資料は応急活動計画の作成イメージであ
り、詳細については今後検討する。地震時等
に著しく危険な密集市街地は、密集市街地のう
ち、延焼危険性又は避難困難性が高く、地震
時において最低限の安全性を確保することが
困難である著しく危険な密集市街地を、地方公
共団体が位置づけた地域であり、応急活動計
画を例示するために掲載。
7
18
セッション2 2-1
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
課題番号 1-2:巨大津波に対する港
湾施設の防災対策
・
シンポジウム
巨大津波をも考慮し
た港湾施設及びその
背後地の防災対策の
検討
研究のとり
纏めと今後
に向けての
提言
成果発信
東日本大震災によ
る港湾施設の被害
状況及び被害原因
の検討
・防波堤
・港内の洗掘・堆積
・コンテナ・船舶
(独)港湾空港技術研究所
栗山善昭
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
防波堤破壊のメカニズム
防波堤破壊のメカニズム
港外側
滑動
転倒
ケーソン
マウンド
支持力破壊
浸透流
洗掘
地盤
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
八戸港における航路内の洗掘
North Breakwater
大洗港における洗掘・埋没
10m
4m
Central Breakwater
10m
West Groin
2m 4m
10m
13m
South Breakwater
10m
2m
4m
http://maps.google.co.jp/maps
19
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
4000個のうち2700個が散乱・流出
20
セッション2 2-2
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
気仙沼湾沿岸地域の地形制作範囲
造波水槽による津波実験
反射波防止溝
歪縮尺:鉛直1/100・水平1/300
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
人工津波による瓦礫の動態解析
県合同庁舎
超冷建物
22基倒壊流出
石油タンク
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
蜂ケ崎の山稜に津波が衝突し
西向きのベクトルが生じる
市街地で瓦礫が押し流される
21
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
家屋と瓦礫のトラッキング解析
漂流する瓦礫粒
北
堆積した瓦礫粒
22
セッション2 2-3
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
沿岸部の石油コンビナートで可燃性の
大型貯蔵タンクの被害
巨大津波による大型石油タンクの
防災対策
地震動によるタンクの破壊
スロッシングによる浮屋
グ
る浮
根のダメージ
配管の破壊
液状化によるタンクの沈下
金沢工業大学
地域防災環境科学研究所 研究員
西村 督
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
沿岸部の石油コンビナートで可燃性の
大型貯蔵タンクの被害
プロジェクトの目的
• 海岸近くに設置される大型液体貯蔵タンク等が
巨大津波に対して被災しない方法を検討する
基礎固定部の破壊
タンクの浮き上がり
ボルトの破断
タンクの転倒
側板の破壊
Stage‐1
Stage‐2
Stage‐3
大型石油タンク
の津波に対する
既往の設計法の
問題点
大型石油タンク
の終局状態の
把握
大型石油タンク
の補強法および
倒壊防止設計指
針の対案
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
表1
被災モード
屋外タンクの被災シナリオ
被災の進展
屋外タンクの浮き上がり
→滑り・転倒→本体破損・配管破損→漏洩
屋外タンクの滑動
→配管破損→漏洩
屋外タンクの転倒
→本体破損・配管破損→漏洩
屋外タンク側板の座屈
→本体破損→漏洩
屋外タンクの傾斜
配管の破損
→溶接部の破壊・側板の座屈→破損→漏洩
→漏洩
津波の浸水深、津波高さと被災の可能性
被災原因
空タンクの場合、0.2~0.5mの浸水
で浮き上がる。
滑動限界を超える水平波力と鉛直
波力の作用
転倒限界を超える水平波力と鉛直
波力の作用
水平波力による降伏応力を超える
部材応力の発生
側壁下部へ過大な水平力や揚圧力
によりタンクが傾斜
引張側:溶接部の破壊
圧縮側:側板の座屈
津波による配管の破損
屋外タンクの移動
→滑り・転倒→本体破損・配管破損→漏洩
屋外タンクの基礎部が洗掘
漂流物の衝突
→本体破損→漏洩
木材や船舶等の漂流物の衝突
防液堤の破壊
→流出→波力増加→破損→漏洩
防液堤の滑動、転倒
タンクの滑動を防止する有効な方
策は現時点で存在しない
浸水深5m(波高10m)を超える津波に対して、
タンクが移動しないための、タンクの固定部を
設計する
タンク
タンク
タンク・
配管被害
津波浸水深 5~7m
配管被害
被害なし
津波浸水深 3m
約 2m
タンク基礎
地盤
藤井直樹, 今井文彦:津波に伴う屋外タンクと漂流物による被害に関する実用的評価手法の提案, 自然災害科学, J. JSNDS, 28‐4, pp.371‐385, 2010.
→ 津波高約 10m 以上
→
津波高約 6m 以上
アンカー
防油堤
津波浸水深
護岸
構造物周辺の洗掘
消防法令上、津波の波力を想定
した構造計算は求めていない
津波高
約 2m
満潮位
中央防災会議 防災対策推進検討会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ:石油コンビナート等の防災対策, 総務省消防庁予
防課危険物保安室特殊災害室、経済産業省保安課高圧ガス保安室, 2012.12.12.
23
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
解析モデル
津波外力を受ける中規模鋼製タンクの解析
アンカー
X
【側部】
【浮き屋根】
Cylindrical Shell
内径:29.06 m
重量:700 kN
高さ:18.185 m
板厚:6.0~17.9 mm
重量:1441 kN
側板
水平波力
FtH
【底部】
・底板
・アニューラ板
重量:372.7 kN 重量:128 kN
総務省消防庁:危険物施設の津波・浸水対策に
板厚:9.0 mm 板厚:12.0 mm
関する調査検討報告書, 2009.3.
FtH 
FtV  2

0

   gh
max
( ) 2 R cos 
x

集中材料線素
d
水平波力が最大となるときの
周辺水位
z
y
断面のモデル化
断面の
デル化
 側板要素
Y

アンカー要素
底板要素
 g hVmax ( ) 2 R 2 cos 2  d
鉛直波力が最大となるときの周辺水位
:津波水の密度 g:重力加速度 R:タンクの半径
24
1
2
Z
鉛直波力:FtV

底板
Beam -Column
構成則
セッション2 2-4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
東日本大震災の教訓
地震の規模
死者
建物被害
被災世帯(全半壊)
がれき量1
災害廃棄物
津波堆積物
経済被害額
経済被害額2
巨大津波に対する地下街及び地下鉄
防災 策
の防災対策
京都大学防災研究所
牧 紀男
東日本大震災
M9(Mw)
15,883人
399,079戸
ー
2,758万トン
1,807万トン
956万トン
16兆9千億円
兆 千億円
2013/11/26現在
阪神・淡路大震災3
M7.3(JMA)
6434人
241,980棟
460,356世帯
2,000万トン
ー
ー
9兆9千億円(兵庫県)
兆 千億円(兵庫県)
1.東日本大震災のがれき量については、環境省廃棄物・リサイクル対策部、被
災3県沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況、平成24 年9 月7 日
2.東日本大震災の経済被害額については、内閣府(防災)、2011年6月発表資
3.阪神・淡路大震災については、兵庫県データによる。
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
研究の目的
大阪の被害想定と調査対象地域
本研究の目的は、大都市の地下空間
を対象に津波防止対策を考えること
にある。南海トラフ沿いで発生する巨
大地震について、想定される最大規
模の地震としてM9クラスの想定が行
われ、それに伴う津波浸水地域が公
表されている。大阪府の被害想定で
は地下街が多く存在する梅田地域も
浸水することが想定されている。
M9クラスの被害想定は「命を守る」こ
とが可能かどうか、という観点から実
施されたものであり、基本的な対応は
「避難」するということになる。地下街
に対する浸水被害では様々な影響が
予想されるが、本研究では「命」を守
るという観点に着目し、地下街からの
避難可能性という観点に絞って研究
を進める。
•
•
• 想定外の津
浪により、多く
の人的被害
が発生した。
• 全半壊以上
の被害を受け
た被災世帯の
数は阪神・淡
路大震災の
方が多い
梅田地下街の止水板の設置状況
について現地調査を実施した
出典:大阪府
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
調査結果
地下街の止水板設置状況について現地調査
出
入
口
数
設
置
個
所
数
浸水防止装置
類種
角
落
し
自
動
不
設
置
個
所
ビ
ル
内
に
直
結
備考
0
11
1
ホワイティでは入り口階段の58%に止水装置が設置
されていない。
5
0
5
ビルの地下から直接進入できる階段が多く、特に富
国生命ビルは、避難者を受け入れる「水害避難ビル」
の表示をしている。
2
13
内防水
扉2が
ダミー
2
梅田地下街からJRの高架下を経由した阪急の地下
街へと続くので、阪急の施設内に入れることもあっ
て、地上部分での止水装置の設置は少ない。
0
14
内閉鎖
3
1
梅田周辺でも比較的新しい地下街で、地上の出入口
階段は、路面よりマウンドアップされてはいるが、止
水板はほぼ全てが1m未満である。隣接ビルへの直
接入口が多い。工事閉鎖中3か所。
0
0
0
国道2号線沿いの歩道にある地下進入口は、エレ
ベーターを含めて、全て止水装置が設置されている。
3
4
0
全ての入り口階段は1m以上の高さの角落しを装備。
ビルの入り口一か所が電動式の止水板を設置。止水
板のない2か所は階段途中の踊り場に防水扉を設
置。
0
14
0
最も新しく開発された地域で、全体的に建物は路面
からマウンドアップしている。
防
水
扉
高
さ
• 梅田地下街、ディアモールとも
に、止水装置が設置されていな
い出入口が半数近くある。従っ
て、津波や高潮に備えての浸
水防止対策は、従来通り「土
嚢」を積む計画となっているが、
どのようにして人手を確保する
かが課題となる。
梅田地下街ホワイティ
20
8
8
0
1m未満
6
1m以上
2
1.5m以上
0
2m以上
0
梅田地下街泉の広場
1m未満
14
4
0
スイン
グ4
1m以上
1.5m以上
0
0
0
2m以上
4
1m未満
9
阪急プチシャンゼリゼ
27
15
9
起伏
式1
1m以上
1.5m以上
1
0
2m以上
5
ディアモール
53
38
37
起伏
式1
1m未満
38
1m以上
0
1.5m以上
0
2m以上
0
1m未満
1
• ディアモールの止水装置は、角
落としとなっており、さらに地下
に止水板が収納されていること
から、夜間や休業時に37カ所
の止水装置をどのようにして設
置するのかが課題となる。
国道2号
9
9
7
スライ
ド2
1m以上
8
1.5m以上
0
2m以上
0
堂島地下街
1m未満
15
11
5
3
1
1m以上
6
1.5m以上
1
2m以上
3
1m未満
0
ハービス大阪
14
0
0
0
1m以上
0
1.5m以上
0
2m以上
0
25
• 堂島地下街に堂島川に一番近
いことから、浸水対策の意識が
高く、角落としが半数弱あるが、
主要な階段には、自動化した
止水装置が設置され、さらに内
部に防水扉を設置されている。
また、堂島地下街の管理事務
所は隣接のビルの上階に設け
られている。
• 国道2号沿いの歩道階段は、最
も浸水対策が充実している。国
土交通省の直轄管理ということ
もあるのか、エレベーターを含
む全ての出入口に止水装置が
設置されている
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
発生した災害にどのように対応するのか
-ハリケーン・サンディーの教訓-
•
「発災前日の28 日の段階で、MTA のトップも
入った事態対処センター(Incident CommandCenter)の運用が開始された。また、
市民の避難のためにMTA がバスを提供した
上で、低地部の車両を高い場所に避難させ、
地下鉄の運行を停止した。例えば、低地に位
置するコニーアイランドの車両基地にあった
100 両の車両が標高が高い場所に待避した。
29 日の夜には、サンディに伴う高潮の影響
デ
高
響
で、十分な防備が施されていなかった非常用
出口等から浸水し、大規模な被害を受け
た。」
•
「地下トンネルからの排水作業は、被災翌日
の30 日から開始された。MTA が予め浸水域
の近くに配備していた3 台のポンプ列車を用
いた排水を行ったのに加え、陸軍工兵隊や
海軍も協力して排水作業は実施された。排
水及び復旧作業を迅速に進めた結果、被災 出典:国土交通省、防災関連学会) 国土交通省・防災関連学
会合同調査団、米国ハリケーン・サンディに関する現地調査、
1 週間後の10 月5日(月)の時点で57%、9 日 報告書(第二版)― 先進国の大都市を初めて襲ったニュー
目の7 日の時点で97%の区間で運行を回復 ヨーク都市圏大水害からの教訓 ―、2014
した」
まとめ
26
•
大阪地下街の止水板の設置状況につ
いての現地調査から明らかになったこ
とは、地下街への浸水を完全に防ぐこ
とが可能な体制になっておらず、現状
は万が一津波や高潮が梅田付近まで
到達した場合、地下街へ浸水する可能
性が非常に高いということである。ハー
ド対策の整備を進めていくことも重要で
あるが、浸水を前提としてどのように対
応するのかということについても考えて
いく必要がある。
•
日本においてもニューヨークの事例を
参考に、被害が発生することを前提とし
た、対応計画を策定しておくことが重要
であり、また、危険が予想される場合に
は、躊躇せず地下鉄の運行停止、地下
街の閉鎖といった対策を実施できるよ
うな体制を、訓練を積み重ねることがで
構築しておく必要がある。
•
本年度は梅田地下街の現地調査から
現状では地下街への浸水が想定され
ることを明らかにすると共に、ハリケー
ン・サンディー時のニューヨークの対応
から、地下空間への浸水時の対応のあ
り方について知見を得た。来年度は、
梅田の地下街における危機管理体制
についての調査を実施すると共に、
ニューヨークの事例についての追加調
事例
追
査を行い「命を守る」という観点からの
地下空間における危機管理のあり方に
ついて検討を行う。
セッション2 2-5
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
2‐2 巨大地震と巨大津波の連動作用における構造物の耐震対策
研究の背景:杭の設計について
1995年兵庫県南部地震:液状化に起因する杭基礎
の被害が多数報告
(ポートアイランドでは地盤全体が大きく液状化)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
既往の研究と本研究の関係
1/8
竹脇 出(京都大学)
2/8
薄層要素法
(a)
(b)
単一点入力モデルに対する
応答スペクトル法による解析
竹脇、土井et al. 論報2003
杭の設計における表層地盤の強制変形による杭への影響
(運動学的相互作用)の重要性が再認識
杭の設計は上部構造からの慣性力(慣性の相互作用)
のみを対象とした設計から、慣性の相互作用と運動学的
相互作用を対象とした設計に移行
Kishida & Takewaki ASE 2010
1995年兵庫県南部地震被害例
(ポートアイランド 撮影 竹脇)
慣性の相互作用の
新しい評価法
多点入力
(弾性、連続ばね)
(c)
Eng Struct 2005, SDEE 2005
Kojima et al. SDEE 2014
(d)
・ Sugimuraら(1997)やMuronoら(2000)は、慣性と運
動学的相互作用の組合せを提案
実観測
(小地震)
・ 時松ら(2005)は実験により組合せ方法(単純和や
SRSS)の妥当性を確認
多点入力(弾塑性、離散ばね)
・ 竹脇ら(2010)は全体系を一体としてモデル化し、応
答スペクトル法を用いることで簡易的に杭の最大応
答を求める方法を提案
相互作用ばねの弾塑性特性
多点入力モデルに対
(自由地盤のせん断剛性の
ひずみ依存性との整合性考慮) する時刻歴応答解析
2011年東北地方地震杭被害例
(日本建築学会調査速報)
地盤‐杭‐構造物系の地震時応答評価に関する研究
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
SRSSによる評価の
方が高精度
6
2 10
6
TG>TB
sim p le su m
SRSS
total
1 10 6
0
T =T
0
5
G
TG<TB
B
1.6 10
10
15
多点入力時刻歴解析 5
10
1.2 10
6
8 10
5
T >T
G
4 10 5
0
20
0
単純和による評価の
方が高精度
N um b er of sto ries
0
5
6
dep
pth (m)
Pile-head m
moment (Nm)
Pile-head moment (Nm)
3 10 6
2 10
0
G rou n d B
4 10 6
5
T =T
G
B
T <T
B
G
15
15
20
25
25
30
30
杭頭では精度が高
いが、地中では若干
異なる
B
sim p le sum
SR S S
total
10
20
P resen t res po nse
spe ctrum m e tho d
Mu lti-inp ut m od el
(No n lin e ar
tim e-history)
10
P resen t res po ns e
spe ctrum m e tho d
M u lti-in p ut m ode l
(No n lin e ar
y)
tim e-history)
15
応答スペクトル法
35
35
1 0-s tory (G ro und A)
40
20
5
5
4 10
6 10
2 10
b en d in g m om en t (N m )
0
N um b er of sto ries
5
1 0-story (G ro und A)
8 10
40
5
6
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
非液状化
0
5
5
30
5
sand
G ro un d A
5
S P T value=2
clay
20
Depth (m)
Depth (m)
clay
S PT value=4
7
25
sand
clay
20
SP T value =2
液状化層
clay
0
100
200
300
400
sh ear w ave v elocity (m /s)
500
SP T va lue= 22
40
SP T va lue = 3
SP T va lue
En gine e rin g B ed rock = 44
100
2 00
3 00
4 00
5 00
s hear w a ve velocity (m /s )
clay
0
depth (m)
25
27
40
0
7
1 10
be nd ing m om ent (Nm )
2 10
p ile
in pu t (so il)
15
15
杭弾塑性
P ile: E la stic-plastic
20
25
35
40
0
杭頭残留変位
液状化モデル1
7
30
Liquefied soil
clay
35
liquefaction
2-sto ry (G ro und A)
10
P ile: Ela stic
20
25
sand
S P T value=3
S P T value
E ngineering B edrock =44
p ile
inp u t (s o il)
15
40
2 10
5
35
30
clay
35
7
1 10
b e nd ing m om en t (N m )
30
SP T v alue = 4
kine m atic
total
ine rtia l
Model 2
25
35
0
2-story (G ro und A)
10
杭弾性
20
30
liquefaction
40
7
15
0
15
S P T value=22
30
2 10
1 10
bending m om ent (Nm )
5
G rou nd A
SP T va lue = 3
kine m atic
total
ine rtia l
Model 1
25
2-story (G round A)
0
0
10
clay
15
40
sand
SP T value=3
10
20
35
35
p‐multiplier法による剛性の低下(1/9≅0.1倍)
SP T va lue= 2
10
15
30
non-liquefaction
2-story (G ro und A)
5
depth (m)
25
2章で提案した応答スペクトル法と液状化層の剛性低下を評価するための
p‐multiplier法を組み合わせた単純かつ有効な方法を提案
p
p 法を組 合わ
単純
有効 方法を提案
sand
depth (m)
depth (m)
20
6/8
液状化モデル2
0
2 -sto ry (G ro un d A )
10
kinem atic
total
inertial
15
40
G L- 0
液状化モデル1
0
10
地盤液状化時の解析を詳細に行うには有効応力解析が必要、かつ杭との連成
効果を詳細に解析するには有限要素解析なども合わせて用いる必要があり、
操作が複雑
S P T value=2
4 10
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
5/8
depth (m)
応答スペクトル法に基づく地盤の液状化を考慮した
杭の地震時応答の簡易評価法
6
安全限界
損傷限界
慣性の相互作用効果の単純和、SRSSと全応答の比較(杭径1.5m)
sand
6
2 10
3 10
1 10
b en d in g m om en t (N m )
0
多点入力による時刻歴解析と単一点入力による応答スペクトル法による最大曲
げモーメントの比較(左)損傷限界 (右)安全限界(10層)
安全限界時の最大杭頭曲げモーメントの運動学的相互作用効果と
GL-0
4/8
度で評価
6
G rou n d A
dep
pth (m)
5 10
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
多点入力モデルと応答スペクトル法
の応答の比較
杭頭を含んで全体的に高い精
3/8
解析結果(安全限界)
上部構造と地盤の1次固有周期がほぼ
等しいとき、単純和とSRSSの中間
竹脇、土井et al. 論報2003
100
20 0
30 0
dis plac em ent (m m )
40 0
0
100
20 0
300
displac em ent (m m )
40 0
7
6
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
地震による地盤の液状化と津波の連動作用
を考慮した杭の地震時応答
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
7/8
津波荷重のモデル化
杭頭曲げモーメント
杭頭相対回転角
8/8
2層建物
2011年3月11日の東日本大震災では、巨大な津波が発生し、太平洋沿岸部に非常
に大きな被害をもたらした。
津波
液状化
地震動を受けて地盤が液状化した直後に津波荷重が作用したときの応答を多点入
力時刻歴応答解析によって評価し、これらの同時作用の影響を解明。
10層建物
津波
大変形
液状化
杭曲げモーメント分布
液状化層
0
2層建物と10層建物について、液状化の後に、津波荷重(2層建物で
は設計用浸水深=2.7m、10層建物では設計用浸水深=5.3m)が作用し
た解析を実施した。2層建物では液状化による影響が大きく、津波荷
重はそれを上回ることはなかったが、10層建物では、浸水深が増加し
たこともあり、液状化による応答を大きく上回る結果が得られた。建物
層数が増えると、避難にとっては好都合であるが、浸水深が増加した
場合に大きな力が杭に作用することになるため、それに対する安全性
に十分注意する必要がある。
設計用
浸水深h
z1
1. 液状化の解析
津波波圧
3ρgh
10層建物モデルと津波荷重
2. 津波荷重が作用している
状態の解析
地震動を受けて地盤が液状化した直後に
津波荷重を受ける場合のシナリオ
28
5
liq uefaction o nly
p ile_elas to-p lasticity
liq uefaction + tsuna m i
p ile_elas to-p lasticity
10
depth (m)
3h
z
15
20
液状化と津波
の連動作用
25
30
35
10-story (G ro un d A )
40
0
2 10 7
1 10 7
b end ing m o m ent (N m )
セッション2 2-6
国土交通省 中部地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 中部地方整備局
南海トラフ地震対策中部圏戦略会議
東日本大震災を踏まえ、運命を共にする中部圏の国、地方公共団体、学識経験者、地元経済界等が幅広く連携し、南海トラフ巨大地震に対して
総合的かつ広域的視点から一体となって重点的・戦略的に取り組むべき事項を「中部圏地震防災基本戦略」として協働で策定し、フォローアップを行
います。
・道路啓開(道路部):高速道路等の広域支援ルート、港湾・空港、防災拠点などを連絡するルート及び堤防締切・排水作業に係る進入ルートを確保
・航路啓開(港湾空港部):緊急物資輸送及び港湾物流機能回復に向けて、海からの大量輸送ルートを確保(「くまで」作戦)
・排水作業(河川部):濃尾平野が浸水した場合に早期の堤防締切・排水作業により広域支援ルート等を確保
南海トラフ巨大地震対策中部圏戦略会議
事務局:中部地方整備局
地震・津波対策アドバイザリー会議
○道路啓開STEP1
(高速道路等の広域支援ルート)
○道路啓開オペレーション計画
第1回 平成23年11月25日
第2回 平成24年10月11日
北陸方面
○道路啓開、航路啓開の密接な連携により、
緊急物資輸送ルートを確保
富山県
広域応援部隊
道路
啓開
石川県
広域応援部隊
長野県
○道路啓開STEP2
(沿岸部アクセスルート)
広域応援部隊
関東方 面
STEP1
STEP1
岐阜県
広域応援部隊
山梨県
港湾エリア
STEP1
広域応援部隊
福井県
広域応援部隊
STEP1
滋賀県
STEP1
航路
啓開
STEP2
STEP1
関西方面
● 座長(奥野信宏 中京大学教授)
◆ 学識経験者(13名)
※座長含む
■ 国の地方支分部局(34機関)
■ 地方公共団体(13機関)
■ 経済団体(4機関)
■ ライフライン関係団体等(55機関)
■ 報道関係機関(10機関)
合計129構成員(H26.6.25現在)
第2回 平成23年12月26日
◎連携具体イメージ
【オペレーション計画のイメージ】
※旧 東海・東南海・南海地震対策中部圏戦略会議
第1回 平成23年10月4日(設立)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
総合啓開 ~道路啓開・航路啓開・排水計画の総合的なオペレーション計画の策定
■人命救助、緊急物資輸送ルート確保に向けて、道路啓開・航路啓開・排水作業が密接に連携。
静岡県
愛知県
STEP1
STEP3
STEP2
STEP3
STEP1
STEP1
STEP3
STEP2
STEP3
STEP2
STEP3
STEP3
STEP2
○救援船舶による
海からの供給ル ト
海からの供給ルート
(航路、岸壁及び幹
線道路までの搬送
ルート)
STEP3
STEP2
STEP3
STEP1
三 重県
第3回 平成24年11月5日
STEP3
STEP3
愛知県
STEP3
STEP3
STEP3
中部圏地震防災基本戦略【最終とりまとめ】
平成24年11月5日公表
第4回 平成25年5月24日
中部圏地震防災基本戦略【最終とりまとめ】
・『優先的に取り組む連携課題(10課題)』のフォローアップ
・平成25年度の活動計画を決定
・中部地方幹線道路協議会
・港湾地震・津波対策検討会議
STEP3
伊勢湾・三河湾における緊急物資輸送ルート
伊勢湾・三河湾内における緊急物資輸送ルート(案)
~伊勢湾「くまで」作戦~
~伊勢湾「くまで」作戦~
等
STEP3
国土交通省 中部地方整備局
STEP3
は緊急支援物資等の
海上輸送ルートをイメージ
大規模な緊急物資の受け入れを可能とする
海上輸送ルート
「くまで」 作戦
1
国土交通省 中部地方整備局
伊勢湾全域に被害を及ぼすような広域災害に対し、復旧用資機材調達の制約等について関係者が認識を共有して広域での連携体制 を構築する
ことで、湾域全体として港湾機能の早期回復を図ることを目的とする。
【各港湾】
平成25年5月改訂版
道路啓開目標
3日以内:人命救助のための救援・救護ルートを確保 【被害の甚大なエリアを中心】
航路啓開
排水計画
7日以内:防災拠点等を連絡する緊急物資輸送ルートを確保 【被害地域全域】
「港湾BCPの策定」
平成26年5月改訂版
名古屋港
【伊勢湾】
• 南海トラフ巨大地震による被害は日本列島の太平洋側全体に及び、
伊勢湾内においても各港の港湾区域を超えた範囲まで港湾貨物や
瓦礫等の流出が想定されるなど、極めて広域的な災害となる。
STEP2・3 人命救助のためのくしの歯・沿岸ルートの確保 目標 : 3日以内
STEP2・3 緊急物資輸送のためのくしの歯・沿岸ルートの確保 目標 : 概ね1週間以内
① 被害が小さいエリアに至るくしの歯ルート・沿岸ルートを道路啓開(STEP2・3)
ただし、新たな被災情報、物資輸送情報等に基づき道路啓開の優先順位を随時変更
② 被害地域全域へのルートを概ね1週間以内で道路啓開(STEP3)
通常の防波堤
b
津波波力
越流
【対策断面:中央堤(西)】
越流
津波に
よる波力
ケーソン
【港内側】
(嵩上高さ:1.7m)
嵩上天端高:+6.59m
現況天端高:+4.89m
【港内側】
嵩上
基礎マウンド
【基礎マウンドの洗掘】
【ケーソンの滑落】
津波で押されてもケーソンは基礎マウンドにめり込むが、マウンドからの
滑落は生じない
高潮・津波など
洗掘防止
中詰砂
[出典:南海トラフの巨大地震モデル検討会(第二次報告)を参考に河川部で作成]
越流
〔津波の来襲時〕
【港外側】
中詰砂
地震・津波による浸水想定
【港外側】
対策の実施
(
粘り強い構造)
排水作業 (浸水位 T.P.+0.0mからの排水)
2)基礎マウンドの洗掘がさらに進み、
ケーソンが滑落
給油体制の確保
・堤防仮締切により堤内への海水の逆流を防止
E
【港内側】
基礎マウンド
【基礎マウンドの拡幅・嵩上げ】
ケーソンの滑動の抑制
・災害対策車(排水ポンプ車、
照明車等)、重機、資機材等
の確保・搬入
・高速道路(伊勢湾岸道路
等)からの荷下ろしも活用
B
【港内側】
ケーソンの目地部に発生する強い水流
も基礎マウンドの洗掘に影響
【ケーソンの滑動】 【基礎マウンドの洗掘】
資機材等の確保、搬入
堤防仮締切 (締切高:朔望平均満潮位 T.P.+1.2m)
粘り強い構造の防波堤整備【名古屋港 高潮防波堤】
粘り強い構造の防波堤整備【御前崎港】
【港内側】
・各排水ブロック内の主要施設、道路網等の浸水状況整理
・堤防仮締切、排水手順の検討
・堤防仮締切、排水箇所までの
進入ルートを確認
・道路啓開・航路啓開と連携し、
進入ルートを確保
【被覆材の設置】
基礎マウンドの洗掘
の防止
ケー
ケーソン
ソン
【港外側】
堤防仮締切、排水手順の検討
進入ルートの確保(道路啓開)
粘り強い構造の防波堤
【港外側】
【港外側】
・堤防決壊箇所、浸水域・浸水位、道路・橋梁等の被災状況調査
・既設排水機場、広域活動拠点の被災状況調査
(出典:東北地方整備局)
4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(津波による被災メカニズム)
(津波による被災のメカニズム)
1)津波外力によりケーソンが滑動し、越流により
基礎マウンド(港内側)が洗掘
堤防決壊状況、浸水状況、道路等被災状況の調査
東日本大震災における浸水状況
※海交法上の航路
(伊良湖水道航路) を含む
港内静穏度の確保や津波の低減効果を踏まえ、設計津波レベルを超える規模の津波が来襲する場合であっても、津波の波力や越流等により防
波堤の機能が可能な限り損なわれないように付加的に対策を施し、津波に対して倒壊しにくい「粘り強い構造」を目指す。
■排水作業手順
D
耐震強化岸壁への物資
輸送ルート
港湾施設・海岸保全施設の整備『粘り強い構造』
日本最大の海抜ゼロメートル地帯である濃尾平野において、南海トラフの巨大地震による津波浸水被害を想定。
道路啓開・航路啓開との連携により、堤防仮締切・排水作業を実施し、浸水範囲を順次解消。
人命救助、孤立避難者の救出、早期の復旧復興等のための広域支援ルートを確保。
F
10km
【海上からの伊勢湾「くまで」作戦】
国土交通省 中部地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
最大クラスの震度分布
三河港
津松阪港
※相互に補完して
一体的に機能
「伊勢湾BCPの策定」
3
濃尾平野の排水計画 ~海抜ゼロメートル地帯での対応~
■排水計画の考え方
[出典:南海トラフの巨大地震モデル検討会]
衣浦港
• 各港の港湾物流機能の回復のためには、港湾区域外での啓開作業
が不可欠であり、このことに対応して、国が漂流物の除去を行える
緊急確保航路が位置付けられたことから、各港の港湾BCPに加え、
緊急確保航路を対象とした啓開計画の策定が必要となっている。
• 南海トラフ巨大地震のような広域災害では、地域外からの支援が期
待できず、航路啓開及び復旧工事等に必要な資機材の調達等に限
界があることなど、伊勢湾の港湾物流機能の早期回復のためには、
資機材の調達等の制約条件を考慮し、港湾相互の連携を踏まえた
回復の考え方を検討する必要がある。
① 広域支援ルート(くしの軸)から被害が甚大なエリアに至るくしの歯ルートを1~2日で道路啓開(STEP2)
ただし、新たな被災情報に基づき道路啓開の優先順位を随時変更
② 被害が甚大な沿岸ルートを3日以内で道路啓開(STEP3)
破堤箇所(6ヵ所、延長約10km)
四日市港
【伊勢湾BCPの必要性】
① 耐震化された高速・直轄国道のダブルネットワークの相互利用による早期の広域支援ルート確保と、広域防災拠点の選定
② 直轄,NEXCO,自衛隊,警察,災害協定業者等が密接に連携した被災状況の把握と情報共有
③ 被災状況に対応した道路啓開の優先順位を決定と、災害協定業者との連携による迅速な道路啓開作業の開始
排水対象エリア(T.P.0.0m)
伊勢湾における緊急物資輸送ルート
~伊勢湾「くまで」作戦~
• 大規模災害発生時における、物流機能の低下を最小限に抑え、港湾機能を
早期に回復することが求められている。そのためにも、各港湾において関係
者間の役割や行動を事前に計画し、情報共有することが重要である。
STEP1 広域支援ルート(くしの軸)の確保と道路啓開体制の確立 目標 : 概ね1日
最大浸水エリア(T.P.1.2m)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
航路啓開のオペレーション計画
■伊勢湾港湾機能継続計画(伊勢湾BCP)の目的
救援・救護ルート、緊急物資輸送ルート確保のための道路啓開目標 STEP1(概ね1日)、
STEP2(3日以内)、STEP3(概ね1週間以内)をきめ細かく区分して具体化
道路啓開目標に向けたステップ
2
道路啓開・航路啓開・排水作業が密接に連携した人命救助、緊急物資輸送ルートの確保
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
■浸水想定
臨港道路
※広域な海抜ゼロメートル地帯である濃尾平野が
浸水した場合、排水作業による浸水対策を早期に
実施する。
中部版くしの歯作戦 1.救援・救護ルート、緊急物資輸送ルート確保に向けたステップ
国土交通省 中部地方整備局
STEP2
STEP3
P1
・『優先的に取り組む連携課題(10課題)』及び
平成25年度活動計画のフォローアップ
・中部圏地震防災基本戦略(第一次改訂(案))及び
平成26年度活動計画(案)の審議
C
STEP2
○航路啓開オペレーション計画
中部圏 (5県・189市町村)
第5回 平成26年5月22日
A
EP1
STEP1:高速道路等の広域支援ルート
STEP2:沿岸部(被災地)アクセスルート
STEP3:沿岸沿いルート
分野別検討会
ケーソン補強
・優先度の高いブロックから順次排水作業を実施
・排水機場、排水ポンプ車により排水し、広域支援ルート等を早期確保
5
東日本大震災における防波堤の被災事例
29
6
国土交通省 中部地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
被害状況の把握、被害拡大の防止、火災や油流出の状況に応じた消火や油の防除を実施
石油コンビナート防災アセスメントの実施 ~ 三重県 ~
大阪湾沿岸部、紀伊半島沿岸域では、震度6~7の激しい揺れにより、コンビナート地盤の液状化が発生するとともに津波が押し寄せ、石油類のタンク
の浮き上がりや滑動、スロッシングによる油の流出、火災、爆発の発生などの甚大な被害が発生。
南海トラフ巨大地震による三重県内のコンビナートへの影響を想定するため、平成25年度に石油コンビナート防災アセスメント調査を実施。
想定される災害事象
理論上最大クラス(L2地震)の震度分布
■海域では巡視船艇による海上からの消火活動及び周辺海域の警戒等を実施。
■陸域では、がれきや放置自動車等により消防等の通行が困難な直轄国道について啓開を実施
津波到達予想時間
消火等の部隊の対応
発生件数(件/地震)
地震動
空中からの消火
消防車
0.1件未満
0.1~1件
○
●
1件以上
消防用船艇
○隻
海上への油類流出
消防車
大阪北港地区
四日市臨海地区
危険物タンク流出火災
ヘリ(消火)
可燃性ガス流出火災
○
消防車
コンビナート
堺泉北臨海地区
○:L1地震 ●:L2地震
9施設
約520ha
石油:約114,000kl
●
消防車
関西国際空港地区
毒性物質流出拡散
○
岬地区
岬
区
●
消防用船艇
○隻
和歌山北部臨海北部地区
陸上からの消火
海上からの消火
和歌山北部臨海中部地区
和歌山北部臨海南部地区
御坊地区
コンビナートの火災
輻射熱や毒性物質等が事業所周辺に影響を与える可能性あり
約4分
尾鷲地区
津波
タンク浸水高
浸水タンク数
約2,3分
約 4分
【想定した地震】
○南海トラフ地震
・過去最大クラス(L1地震)
最大震度6強
・理論上最大クラス(L2地震)
最大震度7
■海域における油の拡散や延焼防止の
ため油回収船や巡視船等による回収等
の防除を実施
L2地震
清掃兼油回収船
「美讃」〔坂出港〕
大型浚渫兼油回収船
「白山」〔新潟港〕
清掃兼油回収船
「Dr.海洋」〔神戸港〕
清掃兼油回収船
「クリーンはりま」〔神戸港〕
清掃兼油回収船
「がんりゅう」〔北九州港〕
約2分
L1地震
油回収船等の配備
清掃船
「おんど2000」〔呉港〕
移動タンク数
大型浚渫兼油回収船
「海翔丸」〔北九州港〕
0~3.8m
104
18(18)
167
25(23)
0~5.5m
※( )内は平時の貯蔵率が0%のもの
東京湾
伊勢湾
(出典)津波到達時間:内閣府南海トラフ巨大地震に
よる津波高・浸水域等(第二次報告)
有明・
八代海域
大型浚渫兼油回収船「白山」〔新潟港〕
清掃兼油回収船「Dr.海洋」〔神戸港〕
瀬戸内海
清掃兼油回収船
「みずき」〔徳島小松島港〕
清掃兼油回収船
「いしづち」〔松山港〕
7
調査観測兼清掃船
「海輝、海煌」
〔熊本港、八代港〕
30
清掃兼油回収船
「べいくりん」〔横浜港〕
大型浚渫兼油回収船
「清龍丸」〔名古屋港〕
清掃兼油回収船
「白龍」〔名古屋港〕
8
清掃兼油回収船
「海和歌丸」〔和歌山下津港〕
セッション2 2-7
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 近畿地方整備局
津波浸水想定(大阪府) Mw9.1の地震を想定
大阪府における被害想定(冬18時)
建物被害(全壊) 約180万棟
人的被害(死者) 最大13万人
(2) 巨大津波対策・避難対策
2-B 巨大津波による浸水想定区域の排水等の活動
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
大阪平野のゼロメートル地帯
尼崎駅
①大阪平野における津波による浸水想定区域の排水作業オペレーショ
ン【近畿地整】
新大阪駅
大阪駅
大阪駅
淀川
大阪城
淀川
天王寺駅
大和川
1
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
津波による浸水想定区域の排水作業オペレーション
■津波が到達するまでの間に避難誘導や
水門操作など被害の拡大を防ぐ活動を
実施し、津波浸水後は早期救助のため
の排水作業を実施。
津波が引いた概ね1~2日後の浸水想定区域※及び
人為的な排水作業のために必要な仮締切箇所
※津波浸水想定から、
潮位変動を考慮して津
波が引いた後の浸水域
を簡易的に算出したもの。
・地震及びその後の津波により被災した防潮堤
等で満潮時に海水が浸水する区間では、仮
締め切りを行い、その進捗を見計らいながら、
排水機場や排水ポンプ車による排水を実施。
水門等の確実な操作
排水作業の状況
仮締切の状況
堺2区基幹的広域
防災拠点
自己流量があるため閉鎖しない水門
海水の浸入を回避するため閉鎖する水門
(南海トラフ巨大地震に対して耐震性能を満たす)
南海トラフ巨大地震に対して耐震未対策または未照査のため閉鎖でき
ないと想定した水門
: 海水が浸水するおそれがあり、仮締切が必要な箇所
地震及び津波による破壊により、朔望平均満潮時に
海水が浸水する恐れがある防潮堤等を想定
: 海水が浸水するおそれがあるが、水門閉鎖により回避可能な箇所
3
31
大和川
[津波シュミレーション条件]
対象地震:内閣府ケース3,4,5,10重ね合わせ
堤防扱い:越流時に破堤(堤防なしとする)
構造物条件の組合せ(3条件の重ね合わせ)
防潮堤等
水門
陸閘
解放
条件1
地震時沈下を考慮
閉鎖
条件2
条件3
地震時沈下量なし
解放
閉鎖
[出典]国土地理院作成資料
2
セッション3 3-1
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
正常化の偏見
課題番号 1‐9
超巨大災害発生時の避難勧告・指示の効
果的情報伝達対策
情報が正しくと
も、判断は「正
常化の偏見」に
よってしまう
金沢工業大学 教授
土田 義郎
逃げない
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
防災放送のむずかしさ
受聴者の状況を理解できているか
動転、緊張、興奮
…
じゅ、 住民に避難を指
示します!
Y.T.
放送する側
↓
適切な言葉の
選択や話し方
ができないこ
とがある
受聴者の置かれ
ている音環境
様々な要因に
よる影響
マニュアル:
「住民に避難を指示します」
という指示。いわばト書き。
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
避難情報が伝わるまで
伝えるべき情報
文章化
音声化
放送音声の聴取実験
内容は適切か
文言は適切か
話し方は適切か
放送設備
伝搬空間
減衰・周波数特性の変化
ノイズ重畳[マスキング]
ロングパスエコー
住民聴取
住民
聞こえるか
判断できるか
行動をおこすか
情報の妥当性
情報の伝達
そして
聴取状況の模擬
行動を起こすか?
32
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
まとめ
話し方・性別によって緊迫感は異なる
リスクマネジメント
• 情報を伝えるために
• 情報伝達のハードウエア
• 認知・教育・政策・学習のようなソフトウエア
• 訓練システムの具体化
• PureDataというプラットフォーム
• 避難に焦点を絞ったサイン音
• 新たなサイン音の作成と提案
33
セッション3 3-2
1.地域防災計画とは?
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
1‐10超巨大災害での地域行政と地域住民が
連携した防災力の向上対策
地域特性を活
かした脆弱性
回避手法の検
討とその提言
・
シンポジウム
地域行政、防災関係機関、自主
防災組織、住民等個々のコミュ
ニティの防災上の役割認識とそ
の実行可能性の測定及び地域脆
弱性の特定化
・防災訓練:Actors(行政、住民、企業)の役割を熟知する
・防災教育: Actorsの自然災害に対するリスク認知を高める
・情報公開:行政の防災活動に関心を持たせ、自助・共助を促す
・ハザードマップの配布:危険箇所、安全な場所を周知させる
成果発信
地域防災計画の可視化と
地域行政、防災関係機関、
自主防災組織、住民等の
地域社会構造における機
能分析法の体系化
Response
(災害対応)
金沢工業大学
2.地域の防災力を評価する
災害対策基本法により策定が
義務付けられている
↓
地域特性を考慮し、各自治体
(都道府県・市町村)で
地域防災計画を策定する
↓
公布・社会的受容を得る
(アカウンタビリティの実施)
水防計画
(大雨、洪水等のみ)
防災計画やマニュアルの作成、システム開発、
人材育成
災害発生時の被害軽減に実行力を持つ
救助活動、消火活動、医療活動、避難所運営、
心のケア、生活再建
問題解決能力を高める
Preparedness
(被害軽減策)
等
地域防災計画に基づき実施されている
地域防災計画
安全な土地利用、河川改修、防潮堤、構造物
の耐震化、災害予警報
対策の必要性を理解・ 納得・ 実行
Mitigation
(被害抑止策)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国民保護計画
(国民の保護全般)
(対武力攻撃など)
地域防災環境科学研究所
木村 定雄
2
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
3.地域特性データベースの例
地域特性
地域防災計画
人口的特性
地形的特性
産業的特性
地域防災計画書
国民保護計画
老齢化率
住居分布
社会基盤
防災資機材情報
防災活動運営の情報
Actorsの抽出
Actors Tree
①地域特性の一元化
地域特性の
データベース
③Actorsの役割認識の計測
②災害時プロセスの可視化
防災情報の
データベース
住民行動
プロセスモデル
行政役割
プロセスモデル
住民アンケート
行政アンケート
確率統計手法を用いた地域防災力の測定
【地域間での防災力の比較】
役割認識計測
×
地域特性
3
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
5.プロセス到達の信頼性評価
1
a1
担当課
1
受信
現場職員
担当課
災害情報の
発信
職員
防災関係
災害現場
パトロール
被害の報告
災害現場
パトロール
被害の報告
応急対応
自主防災組織
避難誘導・補助
災害初期対応
異常現象の通報
避難報告
g1
住民
避難
対策本部
f1
担当課
防災関係
a1
b1
d1
c1
i1
h1
e1
g1
f1
避難報告
被害情報等
の報告
対策本部
防災関係機関→総務課
現場職員→総務課
総務課→災害対策本部
プロセスの実行確率
h1
c1
1
i1
a1
誰から
誰へ
何の情報
(総務課・災害情報収集の例)
5
34
住民
1
e1
上位機関→総務課
総務課→住民・自主防
総務課→防災関係機関
総務課→現場職員
住民・自主防→総務課
住民→総務課
自主防→総務課
自主防
1
c1
被害情報
の通報
担当課
上位機関
1
b1
対策本部
b1
情報収集項目A
発信
d1
1
地域コミュニティ
地方自治体
1
上位機関
上位機関
1
4.災害発生時のシンプルプロセスモデル
1
【役割実行プロセスの生起確率】
プロセスモデル
×
役割認識計測
どんな
方法で
いつ
までに
6
6.信頼性評価結果の例
7.行政組織の役割実行可能性の例
総務課の例
1.000 f1:総務課→災害対
策本部
0.900 0.800 シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
a1:上位機関→総務
課
b1:総務課→住民・自
主防
0.700 0.600 0.500 g1:現場職員→総務
課
0.400 0.300 d1:総務課→防災関
係機関
0.200 0.100 0.000 (仮):総務課→現
場職員
e1:防災関係機関→
総務課
c1:住民・自主防→総
務課
h1:自主防→総務課
i1:住民→総務課
分母=有効回答
数
7
35
セッション3 3-3
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
事業継続戦略
課題番号1‐6
巨大津波による建物被害の迅速な災害復興対策
事業継続
事業継続とは
復旧戦略
災害等のインシデントが発生した後に、重要業務を早期に回復させられる状態にしておくこと。
操業度(¥))
復旧時間
≦
操業度の低下、回復にばかり目
が行くが
の面積に注目!
目標復旧時間
100%
代替戦略
リスクコントロール
撤退戦略
リスクファイナンス
新規事業戦略
災害
BCP
復旧戦略
代替戦略
撤退戦略
新規事業戦略
時間
再開
停止
現場の復旧だけが復興ではない!
経営的視点から復興を考えるべき!
操業率
Hazard
22
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
事業継続で必ず遭遇する疑問点
本課題の検討事項
突風
復旧時間を
どうやって評価す
るのか?
代替生産
代替拠点
復旧時間は?
土砂
災害
地震
構造
非構造
他災害
構造
非構造
理論
復旧時間予測
ツール作成
復旧時間は?
復旧時間は?
既存拠点
代替をどこにすれ
ばよいのか?
国内、海外?
キャリブレーション
復旧調査
立地リスク評価
地震
洪水
強風
豪雪
インフラ
その他
津波
地震
代替施設・生産
火山
3
4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
非構造部材の被害率曲線の例
(天井材の被害率曲線)
2011年東日本大震災における生産事業所の事業中断因子
1.0
構造躯体、建築仕上げなどの損傷
0.2
0.4
0.6
0.8
PGV[m/s]
1.0
1.2
1.4
図1 被害率曲線と調査結果のとの比較
貯蔵設備
材料
建築設備
その他インフラ
0.0
ガス・空気
0.0
従業員不出社
生産インフラ
被害率が分かると・・・
被害コストが分かり、
復旧日数が分かる。
0.2
建築物
0.4
生産インフラ、所外インフラは言わずもがな。
建築物の損傷も重大な事業中断因子。
水道・排水
寄与率
被
被害率
本被害関数
本被害関数
0.6
18%
16%
14%
12%
10%
8%
6%
4%
2%
0%
所外インフラ
調査被害関数
北林・藤原(2012)
0.8
因子名
図2 事業中断因子に対する寄与率
5
6
36
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
自然災害リスク評価
1E0
1E-4
1E-6
1E-8
1E-4
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
リスクは場所により大きく異なる。
共通の災害データベースから国内の
リスクを相対的に見ることが重要。
1E-6
1E-8
1E-10
1E-10
0
0.2
0.4 0.6
損 率
損失率
0.8
1
0
1E0
0.2
0.4 0.6
損失率
0.8
1
1E0
Earthquake(KMB)
地震(七尾市)
Flood(KMB)
洪水(七尾市)
Wind(KMB)
風(七尾市)
Total risk(KMB)
リスク(七尾市)
Earthquake(IIB)
地震(輪島市)
Flood(IIB)
洪水(輪島市)
Wind(IIB)
風(輪島市)
Total risk(IIB)
リスク(輪島市)
1E-2
年超過確率
1E-2
年超過確率
まとめと今後の課題
Earthquake(HND)
地震(小松市)
Flood(HND)
洪水(小松市)
Wind(HND)
風(小松市)
Total risk(HND)
リスク(小松市)
1E-2
年超過確率
年超過確率
1E0
Earthquake(SNB)
地震(金沢市)
Flood(SNB)
洪水(金沢市)
Wind(SNB)
風(金沢市)
Total risk(SNB)
リスク(金沢市)
1E-2
1E-4
1E-6
1E-8
1E-4
1E-6
1E-8
1E-10
1E-10
0
0.2
0.4 0.6
損失率
0.8
1
0
0.2
0.4 0.6
損失率
0.8
図3 地震、洪水、強風に関するリスク評価
1
天井の被害率曲線の提案と妥当性把握
事業継続におけるインフラ、建築物の健全性は重要
地震、風、洪水に対するリスク計算方法の提案
ツール化による計算の容易化
総合的な立地リスク評価手法の確立
実態調査とのキャリブレーションによる手法の精度向上
“生活継続”を目指した居住空間の提案
リアルなBCP
設計・コンサル・建設
復興期間の短縮
イマジナリなBCP
設計・コンサル・建設
復興期間の長期化
8
7
37
セッション3 3-4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
「超巨大災害時の自然エネルギー利用による
地域の創電・節電対策」
金沢工業大学 地域防災環境科学研究所
副所長 教授 工学博士 垂水弘夫
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
研究年度計画
需要
災害時 ・食事 ・衛生 ・暖冷房の確保
(平成25年度)
1)東日本大震災における避難所関係公表データの基礎 調査
2)建築物外被を用いた太陽光発電ポテンシャルの評価
3)研究対象地域の選定(兵庫県洲本市:人口47,000人)
4)建築物への分散型エネルギー源適用に関する基礎的 検討
供給
屋根・外壁へのソーラーパネルの適用
*不足分は分散型発電により補う。
(平成26年度)
1)研究対象地域訪問による関連建築物調査
2)避難・医療・行政施設の災害時発生エネルギー需要モデルの作成
避難
療
政施
災害時 生
ギ
デ
作成
3)避難・医療・行政施設の太陽光発電エネルギー供給モデルの作成
小学校
エネルギー融通
ネットワーク
海
市役所
(平成27年度)
1)超巨大災害下における避難・医療・行政施設の太陽光発電によるエ
ネルギー充足レベル評価(施設間電力融通ネットワーク形成の有効性、
太陽光発電による電力サービス水準化の明確化)
2)ローカルエネルギー開発の必要性ならびに自家発電能力と燃料ス
トックに関する提言まとめ(被災住民の生命維持を保障するための、太陽
光発電以外に求めるローカル電力量の提示)
津波被害による浸水域
消防
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
電力供給量の試算
電力供給サイドの検討
計算例)
各施設太陽光パネルの設置可能面積
洲本第三小学校屋根面( 1156 ㎡)における季節別日発電量の試算
春) 39kWh/㎡・春季 ÷ 91日 × 1156 ㎡ = 495[kWh/日]
洲本第三小学校
壁
面
夏) 49kWh/㎡・夏季 ÷ 92日 × 1156 ㎡ = 616 [kWh/日]
校舎
体育館
合計
屋根
596㎡
560㎡
1156㎡
南東
226㎡
6
147㎡
47
373㎡
南西
156㎡
21㎡
177㎡
秋) 36kWh/㎡・秋季 ÷ 91日 × 1156 ㎡ = 457 [kWh/日]
冬) 20kWh/㎡・冬季 ÷ 89日 × 1156 ㎡ = 260 [kWh/日]
以下の計算も同様に行った
鉛直面8方位の年間発電量[KWh/(㎡・年)]
「各施設における発電量算出結果」
洲本市役所
消防署
洲本第三小学校 南東立面図
壁
面
屋根
280㎡
南東
250㎡
南西
230㎡
屋根
壁
面
消防署
春季
洲本第三小学校
892㎡
春季
495
夏期
616
秋期
457
冬期
260
合計
(屋根)
115
109
111
71
市役所
56
51
34
南東
24㎡
(南東)
南西
24㎡
(南西)
合計
洲本第三小学校 南西立面図
53
663
781 619 365
(単位:kWh/日)
38
夏期
265 295
秋期
冬期
251 155
(単位:kWh/日)
春季
合計
夏期
397 489
秋期
冬期
367 210
(単位:kWh/日)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
エネルギー需要量の試算
太陽光電力供給量と災害時必要電力の大小関係
400人収容の避難所1日における消費電力
1)食事
必要機器の消費電力
電気機器
消費電力量
ノートパソコン
18 [Wh]
炊飯器(一升炊き)
250[W/回]
電気ポット(3ℓ)
1000[W]
テレビ(42型)
180[Wh]
扇風機
50[Wh]
照明器具
電球蛍光灯
LED電球
冷蔵庫
12[Wh]
6[Wh]
230[kWh/年]
朝・晩に味噌汁200ccを提供したとき
0.1kWh/5人 × 400人 × 1日2回 ÷ 効率0.5
= 32 [kWh/日]
2)情報源
1000 [W]
200[Wh/年]
簡易シャワー
50W
携帯(スマホ充電)
6.9[Wh/回]
注1)今回の想定では、赤枠のところは算出しないものとする。
注2)避難所空間の想定が困難であるため、現段階では冷房は、
考えないものとする。
洲本第三小学校のみの
太陽光電力供給量
42型TV12台を24時間運転としたとき
180W × 24h/日 × 12台 = 52.8 [kWh/日]
3)食品の保存
450Lの一般的な冷蔵庫を10台としたとき
0.63kWh/日 × 10台 = 6.3 [kWh/日]
4)照明
電子レンジ
温水洗浄便座
洲本第三小学校
避難受け入れ人数400人
炊飯は0.5合/毎食・人 としたとき
250Wh/1升 × 20回 × 1日3食= 15 [kWh/日]
照明は夜間の12時間運転、
必要数は平常時の半分とする(3.3[㎡/人]とする)
5W/㎡ × 400人 × 3.3㎡/人 × 12h/日
= 79.2 [kWh/日]
5)扇風機
冷房100W/㎡とする
100W/㎡ × 1320㎡ × 24h/日 = 3168 [kWh/日]
7)暖房
<< 1325 [kWh/日]
1)春期発災ケース
663 [kWh/日]
2)夏期発災ケース
781 [kWh/日] <<
3)秋期発災ケース
619 [kWh/日]
>
186 [kWh/日]
<< 1237[kWh/日]
4)冬期発災ケース
365 [kWh/日] <<
1890 [kWh/日]
>>
186 [kWh/日]
3354 [kWh/日] >>
1565[kWh/日]
夏期は冷房の代わりに4人で1台扇風機を使用する
50W/台 × 24h/日 × 100台 = 120 [kWh/日]
6)冷房
>
災害時必要電力
洲本第三小学校
洲本消防センター
洲本市役所
太陽光電力供給量
暖房50W/㎡とする
50W/㎡ × 1320㎡ × 24h/日 = 1584 [kWh/日]
39
730 [kWh/日]
セッション3 3-5
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
避難所(収容避難場所)の生活環境
円井基史
(金沢工業大学)
課題番号【2-6】 超長期滞在避難所及び仮設住宅での生活環境改善対策
表 阪神・淡路大震災における避難所の生活環境
に関わる教訓情報(内閣府データより)
地震発生後【初期72時間】
・避難者が殺到し、1人当たりのスペースが1畳に満たない場合もあり、横になることもでき
ないほど
・高齢者や要介護者に配慮されず、むしろ厳しい環境に置かれたケースがあった
地震発生後【4日~3週間】
・火災の恐れや電気容量の問題から暖房器具が使えなかった
・高齢者は、寒さによる肺炎
・プライバシーによるストレス、照明の問題、空気汚染
・仮設トイレ、仮設シャワー、洗濯機の設置
表 避難所数の推移(内閣府データより)
大規模災害(地震等)
↓
トイレ、食糧
↓
入浴、保健・衛生、
プライバシー、広さ
(居住権)
避難所(収容避難場所)
↓
東日本大震災
最大時で40万人以上
(南海トラフ予測:500万人)
出典:静岡県西部危機管理局
東日本大震災
50,000戸以上
↓
・災害公営住宅
・自立再建
1週間後
1ヶ月後
4ヶ月後
7か月後
2,182
2,344
536
73
1,138
961
500
0
527
94
0
0
地震発生後【4週間~6ヶ月】
・被災者の生活の場としての環境確保、リフレッシュ対策、プライバシー確保の対策
・寒さ対策にかわり、梅雨・暑さ対策が必要に
表 新潟県中越地震における体育館と小型施設の避難
者の愁訴(永幡幸司らの研究より)
図 東日本大震災の避難所生活者数の推移
(発災より7か月後まで)(内閣府)
表 東日本大震災3年経過時点での避難者数、
仮設住宅入居者戸数(朝日新聞等より)
・供給数
・立地
・居住性能
応急仮設住宅
東日本大震災
(2011年3月)
阪神・淡路大震災
(1995年1月)
新潟県中越地震
(2004年10月)
避難者数 [人]
仮設住宅入居戸数
[戸] (※みなし仮設
住宅も含む)
災害公営住宅完成戸
数 [戸]
自立再建者向け宅地
完成数 [戸]
バリアフリー、
外部環境、コミュニティ
図 災害後の生活の場とそこで指摘される問題
岩手県
34,847
宮城県
89,882
福島県
855,589
全国
267,419
15,038
37,283
37,696
104,050
587
1,403
357
291
698
399
図 避難所運営
ゲームHUG(静岡県
西部危機管理局)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
応急仮設住宅の生活環境
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
表 仮設住宅の種類(気仙地域)(山本俊哉らの研究より)
仮設のトリセツ(新潟大学 岩佐研究室)
図 応急仮設住宅に
おける居住全般に
関する評価
(山本俊哉らの研究より)
仮設住宅の生活環境に関する学
術研究や取組みは比較的多い。
・室内実測(冬季、夏季、・・・)
・数値シミュレーション(気温、湿度、空
ソクセキ断熱/納涼
プロジェクト
(日建設計ボランティア)
現地視察
宮古
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
田老
仮設住宅の立地特性と配置、
住民によるカスタマイズに着目
した温熱環境調査(石巻、開
成・大橋地区)(2014年8月)
田老
宮古
2013年12月
大槌
気質、・・・)
・建築外部空間(掃きだし窓、駐車場、
植栽等)の調査
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
仮設開成団地
(1142戸)
山田
大槌
住田
住田
釜石
大船渡
大船渡
陸前高田
気仙沼
2013年8月
南三陸
石巻
石巻
陸前
高田
気仙沼
仮設大橋団地
(540戸)
南三陸
40
住民による住みこなしの工夫(増改築、カスタマイズ)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
41
セッション3 3-6
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 中部地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
巨大津波に備えた避難支援~避難場所・避難路確保~
(3) 避難・避難所対策 (BCP)
道路利用者や沿線住民の津波避難行動を支援するため、高台の道路等への避難階段・避難スー
プ・避難スペース等を設置し、避難訓練を実施しています。
3-A 巨大津波に備えた避難支援
~避難路確保や道路啓開等の対策~
■高台の道路への避難スロープ・避難訓練
【国道23号 豊橋バイパス】
■高台の道路への避難階段・避難訓練
【近畿自動車道 紀勢線】
①高速道路等への避難路確保、避難タワー設置、避難支援に向け
た情報提供【中部 近畿 四国地整】
た情報提供【中部・近畿・四国地整】
②道路啓開オペレーション【近畿・四国地整】
③紀伊半島における河道閉塞や孤立集落への対応
1
国土交通省 近畿・四国地方整備局
2
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
津波発生時の避難活動支援
国土交通省 近畿地方整備局
減災に向けた情報提供
■紀伊半島(和歌山県域)では、高速道路が田辺以北の半分しか開通しておらず、「くしの歯」の「歯」も
「歯の根本となる部分」もない。 〔高速道路のあり方検討有識者委員会「東日本大震災を踏まえた緊
急提言」より〕
 津波被害を軽減するため、標識柱な
どを利用して、海抜情報を道路利用
者へ提供
◆津波避難
タワーの設置
(四万十市)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
迅速に救急車等の緊急車両が現地に到着して救助、支援、復旧活動を行うためには、「くしの根本」と
なる 近畿自動車道紀勢線を一刻も早く完成させることが必要。
海抜シート設置例
 国道42号では、インターチェンジや切土
した法面天端の空き地を避難場所に利
用するため、 避難階段・スロープを整備
海抜シートの様式案
海岸沿いを通る国道
42号
(串本市二色)
道路情報板を利用した情報提供イメージ
避難階段
避難通路(スロープ)
近畿自動車道紀勢線(くしの歯の根本)
(
くしの
歯)
※ 緊急時には簡単に壊せる扉を設置
沿岸部の津波浸水区域を中心に段階的に避難階
段等を整備し、地域の避難活動を支援
国道42号
国道42号 16箇所整備済み
注)情報掲載文は、写真にイメージのはめ込みをしています
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
橋谷防災倉庫
1
33
串本町和深地先
時
所
催
力
■訓練概要
【訓練場所】
平成25年12月20日(金) 9時00分~
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浜の宮(那智漁港)
近畿地方整備局、和歌山県、串本町、那智勝浦町
陸上自衛隊第3師団、自衛隊和歌山地方協力本部
新宮警察署、新宮地方建設業協同組合
南海トラフ巨大地震による津波により、 瓦礫の堆積や橋梁が流出
和歌山県
・道路啓開、救命活動(陸上自衛隊第3師団、和歌山県、串本町、那智勝浦町)
・流出橋梁復旧(陸上自衛隊第3師団、近畿地方整備局)
・ヘリコプターからの映像の情報共有(全機関)
○道路啓開・救命活動
33
串本町西向地先
11
■日
■場
■主
■協
新長野川橋
港橋
二河橋
串本出張所付近(串本町)
紀勢線(すさみIC付近)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
各機関が連携して、津波による国道42号の橋梁流出や瓦礫堆積を想定した実践型訓練を実施
道路啓開資材配備状況
暗渠配水管
(コルゲートパイプ)
新宮市広角残土処分場
紀勢線(日置IC付近)
4
広域陸路確保防災訓練 ~瓦礫撤去・仮橋設置訓練~
■標高の高い高速道路は南紀田辺ICまで供用
■紀伊半島沿岸部の都市を結ぶ道路は国道42号のみであるが、標高が低く津
波によって橋梁の流出や瓦礫の堆積が想定
■道路啓開に必要な資機材を各地に分散して備蓄
南紀田辺
IC
凡 例
国土交通省 近畿地方整備局
大規模地震発生時の道路啓開オペレーション
近畿自動車道
紀勢線
朝来帰橋
太平洋
太平洋
3
○暗渠排水管による橋梁復旧
那智勝浦町
○自走架柱橋による橋梁復旧
那智勝浦道路
太地IC付近
玉之浦橋
日置大橋
日置橋
3
4
バックホウ(0.5以上)保管場所
2
2
44
55
田無橋
宝島橋
津荷橋
(新宮市高森地先)
橋梁の応急復旧工法
<コルゲートパイプ+敷鉄板>
クレーン(25t以上)保管場所 新江住橋
和深橋
安指大橋
新田子橋
流出する可能性のある橋
梁
:資材保管場所
新田並橋
:津波浸水予測区域
有田橋
高富橋
※数字は備蓄する資機材の対象橋梁
新二色橋
潮浜橋
神野川橋
伊串橋
姫橋
道路啓開資材配備状況
品目
全体計画
H24
H25
今後
暗渠排水管
230本
100本
130本
-
大型土のう袋
4,000袋
-
4,000袋
-
敷鉄板
1,900枚
-
-
1,900枚
敷鉄板
暗渠排水管(コルゲートパイプ)
6
5
42
国土交通省 四国地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
啓開・応急復旧オペレーション計画の策定
国土交通省 近畿地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
紀伊山地における大規模な斜面崩落、河道閉塞、道路寸断による孤立集落の発生を想定
イメージ
STEP1 比較的被害が少ない瀬戸内側の横軸ラインを確保
STEP2:横軸ラインから太平洋沿岸地域へ乗り込むための縦軸ラインの確保
STEP3:縦軸ラインから太平洋沿岸地域のR55~R56の沿岸ラインを確保
紀伊半島大水害(平成23年台風12号)における主な災害
【対応】
 死者・行方不明者98名、家屋全壊379棟、半壊3,159棟
 土砂崩れなどによる国道・県道の通行止め236箇所、孤立集落
18地区
 奈良県、和歌山県では17箇所の河道閉塞が発生、うち大規模
な5箇所について国が緊急調査
 崩壊土砂量は1億m3、土砂災害106箇所
・河道閉塞発生箇所の迅速な把握
・住民の警戒避難の支援、監視体制の強化、アクセスルートの整
備、仮排水路の設置等
【平時から準備しておくべき事項】
・河道閉塞形成の可能性の高い地域の事前把握と発災後の対応
計画策定
・山間地の応急活動に資する調査資機材や分解型無人重機等の
配備等、対応する職員の技術力向上
・緊急調査を迅速に実施できるよう防災体制の整備等
しみず う い
奈良県五條市大塔町清水(宇井)
【大規模斜面崩壊】
~瀬戸内側から太平洋側へ~
ながとの
奈良県十津川村長殿
【大規模河道閉塞】
7
43
いせき
和歌山県那智勝浦町井関 (那智川)
【土石流・洪水】
8
セッション3 3-7
南海トラフ地震対策中部圏戦略会議
(経済産業省 中部経済産業局 資料)
南海トラフ地震対策中部圏戦略会議
(経済産業省 中部経済産業局 資料)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
地域概要
企業単位の事業継続計画(BCP; Business Continuity Plan )の策定は大企業を中心に徐々に進みつつあるところだが、今般の東日本大震災を顧
みるに個別企業策定のBCPだけでは不十分である。当地域では、東海・東南海・南海複合地震の発生リスクに対する懸念も高いことから、これまでと
は一段高いレベルでの事業継続計画の確立が急務となっている。そこで、産業防災・減災という共通の目的のもと、一企業の枠を超え、グループ単位
で事業継続力強化を図る「地域連携BCP」を普及し、災害に強いものづくり中部の構築を目指す。
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
明海⼯業団地における事業継続⼒の強化について
“災害に強いものづくり中部“の構築を目指して
■東西南北約3kmの臨海埋め立て地に100社を超す有力企業・事業所が立地。ものづくりから多様な物流までを含む一大産
業拠点を形成。
■三河湾は自動車取り扱い港湾としては世界の五指に入り、完成車輸出第二位、輸入では第一位の港湾。
■中核となる明海工業団地は、自動車部品製造業が立地し、自動車メーカーと重要なサプライチェーンを形成。
■工業出荷額は5.4億円。豊橋市の工業出荷額の47%と地域経済に対する明海地区の貢献度は大。
平成25年度は、工業団地等グループ単位でBCMSを導入することによる産業防災力と事業競争力の強化を目指し、中核的な企業群を有する地域、
ポテンシャルの高い地域として、豊橋市明海工業団地、四日市霞コンビナート、尾鷲市・地域企業群を地域連携BCPのモデル地域として推進。
地域として想定される被害状況の抽出と被害イメージを地域企業間で共有し、事業継続に向けた問題点を洗い出し、地域連携での対応課題の検討
を実施。また、他地域への普及に向けて、モデル要素の抽出と普及啓発の方策を整理。
次年度以降、本モデルを東海・東南海・南海複合地震の発生リスク懸念を有する伊勢湾岸地域全域へ普及を図る。
事業内容
■立地企業のうち新たに11事業所の個社BCPを策定(明海地区BCPの協議結果をフィードバック)
■明海地区BCPの深化に向けた各種取組
(1)団地内就業者の安全確保を目的とした、
①工業団地全体での津波緊急避難訓練の実施、②協働救急救命計画の検討
(2)通行障害の応急復旧による取引先への輸送路確保等、事業所の操業停止期間の短縮を目的とした、
(
)通行障害 応急復旧 よる取引先
輸送路確保等、事業所 操業停 期間 短縮を目的 し 、
①MCA無線を利用した行政・企業間の情報伝達訓練の実施、②地区内幹線道路等の液状化可能性調査の実施
取組効果
明海工業団地
(愛知県豊橋市)
1.経営上の利害関係が希薄な企業集団であるがゆえの課題点の整理
日常的には立地企業間の関係が希薄な工業団地において、企業相互の連携活動にあっては、団地機能の早期復旧による立地
企業共通のメリットを具体化すること、自治会等が中心となって取組のリーダーシップを発揮する必要性があることが実証さ
れた。
霞コンビナート
(三重県四日市市)
2.多業種混合型の工業団地におけるBCMS構築モデル
多業種の企業が混在する工業団地において団地内の自治会が中心となり、立地企業による災害時の初動対応における連携体
制を構築。避難受入に関する企業間協定の作成に取りかかるなど、個社の事業継続の取組では対応が困難な、災害時における
団地内企業の従業員2,000人規模の避難受入体制が実現した。また、団地内外の被災情報等の共有化や施設、資機材、人材など
の経営資源を相互融通し合う仕組みの実現に向けた検討を開始した。
尾鷲市・地域企業群
(三重県尾鷲市)
3.外部への訴求ポイント
1
南海トラフ地震対策中部圏戦略会議
(経済産業省 中部経済産業局 資料)
防災減災の先進的な取組を実施する地域としての立地競争力、ブランド力の向上となった。
南海トラフ地震対策中部圏戦略会議
(経済産業省 中部経済産業局 資料)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
霞コンビナートにおける事業継続⼒の強化について
尾鷲市地域企業群における事業継続⼒の強化について
■国際拠点港湾指定の四日市港石油化学コンビナートの1つである霞コンビナートは、東ソー㈱四日市事業所を中心とする化学
製品メーカーの集積からなり、輸送機械産業から日用品に至るまで材料供給としてのサプライチェーンを形成。
■四日市コンビナートでは、企業と行政が一体となって、公害の予防、環境保全、防災対策などに取り組んできており、企業の
事業競争力強化に向けては、「四日市市臨海部工業地帯競争力強化検討会」が組織されている。
■霞コンビナートは、内陸とは霞大橋のみで結ばれており、エチレン、プロピレン等原料のほか、電力・窒素・酸素等の供給を
霞地区内の企業が相互に依存しており、供給企業の事業継続が地区内共通の課題となっている。
■尾鷲市は、平坦地が極めて少なく、海岸線は典型的なリアス式海岸のため、東海・東南海・南海地震が発生した場合、震度
6強以上の揺れや20メートル以上の巨大津波が短時間で押し寄せることが予想されている。
■また、台風・豪雨などの災害リスクも高く、経済や人口の維持が厳しい環境に地域である。
■これまでに尾鷲市では、防災情報発信システムの整備や、住民主導型避難体制の推進など、積極的に防災の取り組みを行っ
てきたところ。地域の防災力・復興力の向上のためには、地域経済と雇用を支える地元企業の事業継続が不可欠。
地域概要
2
地域概要
実施内容
実施内容
■ヒアリングによるコンビナート内企業全13社の実態調査(個別企業の被害想定、BCP策定状況の把握)
■コンビナート企業における取組の意識醸成のためのテーマ別研修・グループワーク(※)の実施
※テーマ別研修1:従業員の安全確保に向けて企業が連携することで強化できることは何か
テーマ別研修2:原料供給やライフライン確保など、事業再開上のボトルネックは何か
■コンビナート企業・有識者・地元行政担当者(港湾・道路・工業用水など)が参画した研究会の開催(計3回)
■コンビナ
ト企業 有識者 地元行政担当者(港湾 道路 工業用水など)が参画した研究会の開催(計3回)
■四日市港石油化学コンビナート全体を対象としたBCP基礎研修、成果報告会の実施
■リーダー組織の尾鷲商工会議所と有志中小企業4社(※)による個社BCMSの策定
(※スーパーマーケット、石油販売、水産加工業、水門等金属加工業といった地域の主要産業で構成)
■沿岸に立地する地域特有の課題点の洗い出しと具体的な対策の検討
←避難ビルの確保など、企業個社では対応が困難な行政アプローチを、商工会議所を窓口として検討
■尾鷲市が防災研究者と開発した「動く津波 ザ ド
■尾鷲市が防災研究者と開発した「動く津波ハザードマップ」を用いた被害イメージの共有、机上訓練
プ を用 た被害イメ ジ 共有 机上訓練
■尾鷲商工会議所会員企業や市民向けの取組報告会の実施
取組効果
取組効果
1.原料やライフラインを相互に依存する関係にあるがゆえの課題点の整理
石油コンビナート等災害防止法などにより、地域防災の取組には過去からの蓄積があるものの、コンビナートの復旧・稼働に
は原料等の融通に係る企業間での調整のほか、行政機関との調整、法的規制の遵守などが必要となるため、コンビナートの安全
対策が最優先となり、事業再開の観点が欠けていた(個社BCPの策定は遅れていた)。
地域連携BCPという概念のもと研究会等での議論を重ねることで情報の収集・共有体制が強化され、平時の防災体制の見直
しと有事の際の迅速な対応を可能にし、被災レベルの低減と早期復旧を見通す機会となった。
1.地方都市における、商工会議所と地場に根ざした中小企業群によるBCMS構築モデル
大規模地震及び津波発生時に壊滅的な被害が想定される中、具体的な避難方法や防災対策を共有するとともに、地域連携
により、物流確保や必要な資源の供給などについての早期再開に向けた検討を開始した。
2.地域連携BCP導入による個社BCMSへのフィードバック例
■ガソリンスタンドにおいて、プロパンガス・ガソリン併用の発電機を導入。被災時における緊急車両への確実な供給が行え
るようになり、日常的な安定供給にもつながった。
■事業継続における「水」の重要性を再認識し、新たに井戸水を活用。水道料金の削減にも役立った。
■サーバーのミラーリングに加えて、バックアップHDの厳重保管化など情報システムのバックアップ態勢を強化した。
2.石油化学コンビナートにおけるBCMS構築モデル
石油化学コンビナートにおける有事の際の安全・確実な停止に必要な窒素の量の把握と備蓄、早期復旧に向けた点検要員の融
通、事業再開目標時期の調整、これらを可能にするための災害対策本部機能の確立等の検討を進めた。
3.外部への訴求ポイント
3.外部への訴求ポイント
地域の商工会議所・主要企業がBCMSに取り組むことにより、災害対応が進んでいる地域・企業として取引先からの評価
を高め、事業継続力の強化に寄与した。
地域一体となって事業継続に取り組むことで行政機関が参画。復旧時期を早い段階で調整、公表ができる体制が構築でき、取
引先の確保と事業競争力の強化に寄与した。
3
44
4
セッション3 3-8
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
南海トラフ巨大地震の震度分布
基本ケース
駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生する地震による生活支障の想定
陸側ケース
○避難者数
震度7:
732km2
震度6強:1,276km2
(2,008km2)
震度7:
344km2
震度6強:2,042km2
(2,386km2)
区分
レベル2の地震・津波
レベル1の地震・津波
(基本ケース)
地震発生1日後
約83万人(うち避難所 約50万人)
約105万人(うち避難所 約65万人)
1週間後
約122万人(うち避難所 約61万人)
約127万人(うち避難所 約68万人)
1か月後
約84万人(うち避難所 約25万人)
約101万人(うち避難所 約30万人)
○避難所避難者の中の高齢単身者等(1週間後)
区分
東側ケース
震度7:
654km2
震度6強:1,940km2
(2,594km2)
避難所避難者総数
基本ケース
陸側ケース
東側ケース
強震断層モデル(静岡県周辺)
内閣府(2012)から作成
1
資料:「静岡県第4次地震被害想定(第一次報告)」(平成25年6月)
レベル1の地震・津波
レベル2の地震・津波
(基本ケース)
約614,000人
約680,000人
5歳未満の乳幼児
約27,000人
約29,000人
65歳以上の高齢単身者
約16,000人
約18,000人
身体障害者
約20,000人
約23,000人
要介護認定者(要支援者を除く)
約19,000人
約21,000人
2
資料:「静岡県第4次地震被害想定(第二次報告)」(平成25年11月)
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
「自主防災組織による避難生活計画」静岡県の課題と対応
避難所運営ゲームHUG
避 難 所
避難所の整備
自主防災組織
・避難生活計画
未策定
・避難所の耐震性
・避難生活計画の策定促進(17.5%→目標65%)
・避難所の耐震化、天井脱落防止の促進
・太陽光発電の導入
・地域間格差
・行政依存
行政依存
・連帯意識希薄
・担い手不足
・リーダー不在
・自主防災組織の組織率(ほぼ100%)
・学校防災連絡協議会
・避難所運営マニュアル、チェックリスト
・避難所運営ゲームHUG
共助の強化に向けた取組
県
災害時に避難しなくてもよい環境づくり
民
・少子高齢化
・行政依存
(・関心度の低下)
・木造住宅の耐震化の推進(約80%→目標90%)
・家具の固定(約70%→目標100%)
・家庭内備蓄の促進
・家庭内DIG
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
プロジェクト「TOUKAI-0」
家庭内DIG
45
セッション3 3-9
国土交通省 四国地方整備局
国土交通省 四国地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
四国南海トラフ地震対策戦略会議
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
【四国地震防災基本戦略】
(H26.3統合・改名) H26.3現在48機関等
ステージ
【目的】
南海トラフ地震への備えを、関係機関の連携・協力により強力かつ着実に推進していく。
※四国全域における「四国地震防災基本戦略」の策定・推進
速やかに成果をあげるべき7つの施策
ハザードマップの見直し・充実並
[施策1]
びに効果的な施設整備
発災前
【国の地方支分部局】 20機関
迅速・確実に避難するために、住
[施策2] 民等への徹底した意識改革と確実
な情報伝達
四国管区警察局、四国総合通信局、四国財務局、高松国税局、四国厚生支局、中国四国農政局、林野庁四国森林管理局、四国経済産業局、
原子力安全・保安院中国四国産業保安監督部四国支部、 四国地方整備局、四国運輸局、大阪航空局、国土地理院四国地方測量部、気象庁
大阪管区気象台、 海上保安庁第五管区海上保安本部、海上保安庁第六管区海上保安本部、中国四国地方環境事務所、 中国四国防衛局、
陸上自衛隊第14旅団、海上自衛隊呉地方総監部
徳島県、香川県、愛媛県、高知県、徳島県警察本部、香川県警察本部、愛媛県警察本部、高知県警察本部、
徳島県
香川県 愛媛県 高知県 徳島県警察本部 香川県警察本部 愛媛県警察本部 高知県警察本部
四国市長会
発災直後
(初動対
応・応急
対策)
【経済団体】 2機関
四国経済連合会、四国商工会議所連合会
【学識経験者】 6名
学識経験者
【その他の機関】 11機関
全国消防長会四国支部、日本銀行高松支店、西日本高速道路(株)四国支社、四国電力(株)、四国旅客鉄道(株)、日本貨物鉄道(株)
四国支店、西日本電信電話(株)四国事業本部、(株)NTTドコモ四国支社、(独)水資源機構吉野川局、四国ガス(株)、本州四国連絡高
速道路(株)
発災後
リーダー
サブリーダー
被害想定の見直し
四国地方
整備局
各県
B
被害の最小化
(ハード系)
四国地方
整備局
中国四国
農政局
各県
C
被害の最小化
(ソフト系)
四国地方
整備局
大阪管区
気象台
各県
四国地方
整備局
四国管区
警察局
四国
厚生支局
四国地方
整備局
海上
保安庁
四国管区
警察局
四国地方
整備局
中国四国地方
環境事務所
各県
四国地方
整備局
四国管区
警察局
各県
四国
厚生支局
四国管区
警察局
各県
四国
厚生支局
四国
財務局
広域防災拠点・広域
防災体制等
被害状 把握 復 オ
被害状況把握・復旧オ
迅速・確実な初動対応・応急対策 E
ペレーション計画等
[施策4]
(長期浸水処理及び
(E)
災害廃棄物対策)
迅速・確実な初動対応・応急対策
迅速・確実な救援・救護、救出活動
(巨大災害を想定し
(C)
た訓練)
[施策5]
救援・救護、救出活動
迅速・確実な救援・救護、救出活動 F
体制の確立等
迅速な被災者支援
[施策6]
G
被災者の支援
並びに地域の安全
[施策3] 迅速な広域防災体制の確立
【地方公共団体】 9機関
チーム名・プロジェクト
A
D
H
【四国地震防災基本戦略】
国土交通省 四国地方整備局
発災後
[施策7] 円滑な地域の復興
(復興)
1
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
被災後の仮設住宅等の早期確保
国土交通省 四国地方整備局
施策 6
I
地域づくり
J
地域経済再生
四国
財務局
四国地方
整備局
四国経済
産業局
各県
各県
四国
運輸局
各県
四国
市長会
四国
市長会 2
各県
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
避難所の環境改善に向けた取組や福祉避難所の事前指定の推進
 四国財務局は、「未利用国有地情報提供リスト」を
ウェブサイトに掲載するとともに、地方公共団体防災
担当部署と「防災目的及び発災時対応への国有財産の
活用に係る連絡体制」を構築、あわせて災害時に国有
財産の無償提供を可能とする制度説明を実施
施策 6
 各県は、避難所運営指針等を策定
 各県は、福祉避難所の事前指定を推進
(H24:405施設 ⇒ H25:478施設)
徳島県:24市町村106施設
※平成25年10月1日現在
香川県:17市町135施設
※平成25年5月31日現在
愛媛県:16市町131施設
※平成25年6月30日現在
高知県:25市町村 106施設
※平成26年2月18日現在
未利用国有地情報提供リスト
 四国財務局は、無償提供が可能な国家公務員宿舎のリ
ストを整備
3
 各県は、公営住宅、民間住宅等を把握
国土交通省 四国地方整備局
生活再建
四国
市長会
各県の福祉避難所の指定状況
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 四国地方整備局
福祉避難所マニュアルの策定(愛媛県の例)
4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
犠牲者ゼロをめざす黒潮町の取り組み
基礎⾃治体の事例紹介
5
6
46
国土交通省 四国地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 四国地方整備局
犠牲者ゼロをめざす黒潮町の取り組み
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
犠牲者ゼロをめざす黒潮町の取り組み
個別カルテの作成 (避難マップ)
7
8
47
セッション4 4-1
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
2‐3
巨大地震・巨大津波による
過大荷重を受けた社会資本施設の
荷 を受
社会資本施設
維持管理対策
巨大地震による過大荷重を受けて、ひび割れる。
金沢工業大学 宮里心一
巨大津波により、海水が浸透する。
供試体概要
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
モルタル
被覆
20
10
100
100
ろ紙(厚さ0.5mm,高さ50mm)
腐食箇所
総腐食電気量
密度(C/cm2)
荷重
重 (kN)
SR295φ6mm
740
局部的な腐食
200
150
100
50
0
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
健全
‐10
‐5
0
5
鉄筋の位置(cm)
10
脆性的な破壊
腐食
変形を伴わなず、
急に破壊する
0
‐15
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
実験結果の例
1
2
3
4
5
6
7
8
9
3
評価
10
中央変位 (㎜)
15
4
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
調査から補修・補強に至るまでの手順
被災後の応急的な対策
腐食により力学性能が低下する。
損傷の発見
局部腐食
腐食速度が速い。
腐食速度が速い
原因推定のための標準調査
原因推定
被災後のひび割れ部では短時間で
耐荷力や変形性能が低下し、危険である。
評価の種類の選定(誰が評価できるかを選択する)
対策方法の判定
特に脆性的に破壊する。
補修・補強の実施
5
48
セッション4 4-2
1.能登半島地震による旧能登有料道路(のと里山海道)の被災メカニ
ズム の解明 -山岳・丘陵部道路盛土の地震時安定-
平成25-27年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(H26.9.27シンポ)
研究プロジェクト: 南海トラフ巨大災害に対する実効性ある防災対策
に関する研究
研究テーマ: (2) 超巨大災害により新たに提起 した防災力の向上対策
課題2-4: 救援・支援活動に使用する幹線道路の防災対策
目的: 支援時に使用する幹線道路の防災対策を検討する。
2007年3月25日、最大震度6強の能登半島地震により,旧能登有料道路
(第一次緊急輸送道路)が柳田IC~穴水IC間48.2kmにおいて,大規模な盛土崩壊
11箇所,路面の段差・クラックが37箇所,橋梁損傷が6箇所の被害発生,車輌通行止。
1.能登半島地震の概要
1.能登半島地震による旧能登有料道路(のと里山海道)の被災メカニ ズム の解明
-山岳・丘陵部道路盛土の地震時安定-
山岳 丘陵部道路盛土の地震時安定
2. 緊急輸送道路ネットワークの道路管理総合システム
ー総合的な道路維持管理のマメネジメント・ 緊急時の道路機能の確保ー
H25-26年度ミッション
成果の「地域防
災計画」、「水
防計画」へ反映、
公表
時間雨量(mm/2h)
緊急輸送道路
の地震時機能
評価と重要度
評価
・
シンポジウム
緊急輸送道路盛
土の、特に3D
に基づく地震時
安全性評価
成果発信
緊急輸送道路沿
い斜面の地震時
地盤災害に対す
る安全性評価
金沢工業大学 環境土木工学科 教授 川村國夫
能登半島縦貫有料道路 大崩壊盛土例
大規模崩壊盛土の横断谷の小流域に注目
横断谷地形から流入する盛土地下水に注目
腹付け盛土で横断谷からの流入地下水が崩壊に強く関与した。
流域
流域
流域
流域面積A
(横断管の排水対象)
流域
流域面積 B
(横断管の排水非対象)
沢筋
沢筋
沢筋
沢筋
道路高盛土
横断管
沢筋
沢筋
法尻付近
旧地山緩斜面部
(土砂堆積部)
道路
沢筋
道路高盛土
横断管
図3.2 高盛土断面概念
地山
3.三次元浸透流解析結果
縦‐5非崩壊、縦‐6大崩壊の比較検討
●固定モデルの現象再現性 【縦-5水位】
H20/1/1
H20/1/1
H20/1/1
縦5
縦‐5
解析領域
横断管
浸透3DFEM
沢地形
計算水位と実測水位はやや乖離しているが
全体の傾向は再現できている
断面測線
盛土・切土
地下水位観測孔
(ボーリング孔))
断面測線
地下水位観測
孔(ボーリング)
縦-5
横ボーリング
縦-6
49
簡便法地震時予測地下水位からの非崩壊盛土と大規模崩壊盛土の安定計算結果
横断谷流域から流入する盛土内地下水位推定の簡便法提案
横断谷から流入する盛土地下水位算定の簡便法の妥当性が実際の盛土例から実証できた。
4.流出解析による検証
非崩壊箇所
①集水面積
地形図等より算出
排水量
調査結果
②横Bor流出量、③全流出量
④盛土からの流出量=
③全流出量-②横Bor流出量
⑤透水係数k=1.0×10-3[cm/s]
⑥流出係数C2=0 3
⑥流出係数C2=0.3、
C3=0.4を上限
⑦平均降雨強度対象期間
⑧降雨流出量の算定
三次元
浸透流解析
②横Bor流出量
合理式
Q=1/3.6×C×I×a
=1/3.6×C2×C3×I×aA +
1/3.6×C3×I×aB
⑪横Bor効果流量の算出
②横Bor流出量
項目
⑫算定流出量の算出
最高水位
項目
H19地震時水位
最小安全(Fs)
最高水位
H19地震時水位
常時
常時
地震時
箇所
常時
常時
地震時
1001F070
1.135
1.364
0.884
縦-6
1.032
1.388
0.935
⑫算定流出量=
⑧降雨流出量-⑪横Bor効果流量
縦-5
1.321
1.693
1.101
縦-9
1.480
1.506
0.984
縦-11
1.504
1.566
1.016
縦-10
1.386
1.440
0.995
⑫算定流出量=④盛土からの流出量(実測値)
縦-28
1.212
1.552
1.022
縦-14
1.528
1.660
1.153
縦-21
1.245
1.445
0.981
縦-32
1.222
1.451
縦-38
縦
38
1 197
1.197
1 317
1.317
0 899
0.899
Fs>1
Fs>1
Fs>1
Fs<1
流出係数(C2、C3)、
効果係数、降雨強度の調整
⑬盛土内水位高さの算出
評価条件
Q=v×A(H)=k×i×A(H)
Q≒(⑫算定流出量)となるA(H)を算出
Fs>1
Fs>1
Fs>1
0.955
※地 震時の水平震度:Kh=0.20
3
2
※盛 土材の定数:単位体積重量:γ=17(kN/m ),内部摩擦角:φ=25(度),粘着力:c=27(kN/m )
※最 高水位:過去5年の期間最高降雨強度を用いて流出解析から算出した盛土内水位
流出係数:C2=0.1、C3=0.3、
降雨強度:縦-5=1ヶ月降雨強度
縦-28=15日降雨強度
※H 1 9 地震時水位:H19.3.25以前の期間降雨強度を用いて流出解析から算出した盛土内水位
: 整合
: 不整合
※崩壊箇所のすべり形状(実際)と最小安全率を示す円弧すべりはほぼ同じ形状となる。
水位計算位置(法肩)
強度区分
常時の強度は、乱れの少ない状態で
採取した試料のCU三軸試験結果。
地下水位より
地震時の強度は、乱れの少ない状態 上 不飽和
で採取した飽和または不飽和状態
地下水位より
の試料のCU三軸試験結果。
下 飽和
横Bor(水抜きボーリング)
盛土部
観測孔
算定盛土内水位線
水位計算位置
横Bor効果流量=
QB-ALL×効果係数(%)×
計算位置に対する補正(%)
崩壊箇 所
最小安全(Fs)
4.2 実測値及び三次元浸透流解析を基にした検討
観測孔
観測水位線
水位高さH[m]
(地山からの高さ)
50
常時
C’=6.3kN/m2、φ’=
35.0°
(CU三軸)
地震時
Ccu=27.0kN/m2、φcu=
29.0°(CU三軸)
Ccu=31.0kN/m2、φcu=
27.0°(CU三軸)
セッション4 4-3
国土交通省 北陸地方整備局
国土交通省 北陸地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(2)南海トラフ巨大地震時の代替輸送ルートの整備、代替ルートの設定
4-A 巨大地震時における交通の流れ及び課題
(1)東日本大震災時の北陸地方が果たした役割
深刻な事態になった場合
緊急輸送量の増⼤
南海トラフ巨大地震による震度6強の揺れによって東海地方から近畿地方にかけて甚大な被害
が予想される。また、我が国経済を支える動脈である東名高速道路、東海道新幹線は、数週間
にわたる応急復旧作業等により全線で不通となる。
■東日本大震災時、津波被害により太平洋側の地域が被災
■日本海側の北陸道や関越道、日東道、国道49号、国道113号の交通量が増加
■震災後、太平洋側地域の交通が日本海側地域へ迂回
被災した太平洋岸ルートを代替するルートとして北陸地域を通る高速道路、新幹線、主要一般
道路、在来線により東西で分断した経済交流、人的交流、物流を安全に継続させる。
代替輸送ルートの整備・代替ルートの設定
北陸地域と太平洋側とを結ぶ高速道路網は、磐越道、関越道、上信越道、東海北陸道の4路線
がある。関越道を除く3路線は暫定2車線区間があり、その一部区間で4車線化として整備が
進められている。
▲平成23年3月19日新潟日報
道路による代替ルート
出典:南海トラフ巨大地震対策計画
北陸地域対策計画(第1版) (北陸地整)
国土交通省 北陸地方整備局
22
国土交通省 北陸地方整備局
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(3)緊急避難・物資輸送ルートの整備及び代替のルート設定、 運用計画の策定
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(4)‐1緊急避難・物資輸送ルートの整備及び代替のルート設定、運用計画の策定
■ 太平洋と日本海を結ぶ緊急避難、輸送道路整備(改築及び防震災)
・石川県内においては8箇所で改築事業を、その他橋梁等の防震災対策を実施中。
■太平洋側と日本海側を結ぶ緊急避難、輸送道路整備(高速4車化)
•
•
•
•
•
鉄道による代替ルート
出典:南海トラフ巨大地震対策計画
北陸地域対策計画(第1版)参考資料 (北陸地整)
1
北陸管内と太平洋側とを結ぶ高速道路網は磐越道、関越道、上信越道、東海北陸道の4路線
このうち、関越道を除く3路線(管内延長L=128km)は暫定2車線区間
上信越道は平成30年度に全線4車線化が完成予定
東海北陸道は岐阜県内(白鳥IC~飛騨清見IC:41km)で4車線化工事に着手(平成30年度
完成予定)しているものの、飛騨清見IC~小矢部砺波JCT(68km)は未着手
能越自動車道
七尾氷見道路
至 氷見市
輪島道路(Ⅱ期)
(仮称)七尾IC~七尾城山IC間
L=6.8km
能越自動車道
輪島道路
L=4.7km
一般国道159号
北陸管内 高規格幹線道路と暫定2車区間
出典:南海トラフ巨大地震対策計画
北陸地域対策計画(第1版)(北陸地整)
七尾バイパス
朝日まほろば
朝日三面
村上山辺里
村上瀬波温泉
神林岩船港
荒川胎内
L=4.3km
H26供用予定 七尾市古府町~下
町 L=2.7km
一般国道159号
能越自動車道
羽咋道路
図表 等
七尾氷見道路
L=6.7km
暫定2車線区間 L=38km
信濃町IC~上越JCT
【平成30年度4車線化予定】
七尾城山IC
七尾大泊IC
会津坂下
新潟県内 L=34km
L=28.1km(石川13.6km)
H26供用予定 (仮称)七尾IC~七
尾城山IC L=3.2km
七尾大泊IC~富
山県境 L=1.1km
至 七尾市街
会津若松
新潟県内 L=61km
一般国道8号
加賀拡幅
L=6.4km
H26供用予定 加賀市加茂町~
黒瀬町 L=1.9km
H27供用予定 加賀市松山町~
加茂町 L=2.5km
暫定2車線区間 L=95km
会津若松IC~新潟中央IC
関西
方面
白山
豊田飯山
北陸自動車道
関東
方面
富山県内
L=33km
飛騨清見
白鳥IC~飛騨清見IC
L=41km
【平成30年度4車線化予定】
高鷲
中部
東海
方面
白鳥
L=68km
暫定2車線区間 L=109km
白鳥IC~小矢部砺波JCT
関越自動車道
92
-
上信越自動車道
92
100%
92
100%
34
100%
34
100%
磐越自動車道
61
-
61
100%
61
100%
東海北陸自動車道
34
33
-
-
33
100%
33
100%
日本海沿岸東北自動車道 ※
92
34
58
63%
58
63%
計
675
34
641
95%
641
95%
※一般国7号朝日温海道路 朝日まほろばIC~県境(L=34km)を含む
国土交通省 北陸地方整備局
一般国道159号
単位:km
金沢東部環状道路
管内延長 基本計画
整備計画
供用
①
②
③
③/① ④
④/①
363
- 363 100% 363 100%
水上
荘川
(H24.12現在)
北陸地整管内の高規格幹線道路整備状況
信濃町
L=9.4km
H29供用予定
金沢市神谷内町~東長江
町 L=1.8km
一般国道8号
小松バイパス
L=15.6km
H27供用予定
小松市東山町~津波
倉町 L=5.1km
33
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 四国地方整備局
(4)‐2緊急避難・物資輸送ルートの整備及び代替のルート設定、運用計画の策定
出典:南海トラフ巨大地震対策計画
北陸地域対策計画(第1版)(北陸地整)
44
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
(5)途切れている「命の道」 ~ミッシングリンク(高速道路未整備区間)~
四国地方整備局
○地震による津波の予想浸水箇所は、ミッシングリンクに集中。
■ 太平洋と日本海を結ぶ緊急避難、輸送道路整備(改築及び防震災)
・富山県内においては9箇所で改築事業を、その他橋梁や法面等の防震災対策を実施中。
七尾城山
IC
七尾大
泊IC
能越自動車道
七尾氷見道路
L=28.1km(富山14.5km)
H26供用予定
石川県境~灘浦IC
L=6.0km
坂東交差点立体化
H27供用予定
L=1.1km
(富山高岡バイパス)
一般国道8号
西高岡拡幅
L=6.0km
一般国道8号
豊田新屋立体
L=2.9km
一般国道8号
一般国道8号
富山高岡バイパス
L=24.8km
魚津滑川バイパス
L=7.4km
H25供用予定
滑川市北野~稲泉
L=1.8km
H27供用予定
魚津市佐伯~滑川市
北野 L=2.9km
一般国道8号
入善黒部バイパス
L=16.1km
H26供用予定
黒部市古御堂~魚津市
江口 L=7.3km
猪谷楡原道路
至 富山市
一般国道359号
砺波東バイパス
L=6.1km
一般国道41号
猪谷楡原道路
L=7.4km
至 高山市
富山市方面を望む
(H22.11.20部分開通)
出典:南海トラフ巨大地震対策計画
北陸地域対策計画(第1版)(北陸地整)
55
6
51
国土交通省 北陸地方整備局
(6)‐1道路の防災・震災対策
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
国土交通省 北陸地方整備局
~無電柱化の取り組み~
(6)‐2道路の防災・震災対策
シンポジウム「南海トラフ巨大災害の防災対策について」
~法面対策、橋梁耐震対策の取り組み~
○無電柱化の取り組み
○法面対策
地震・台風時に、被災地への応援物資輸送に必要な緊急輸送道路を確保、また避難路や緊急車両通行
の確保するため、必要な対策を推進します。
降雨、地震時における法面崩壊、落石等
を防止するため、必要な防災対策を推進しま
す。
なお、阪神・淡路大震災においては、地中に埋設された電力線は架空線に比べ被災率が約1/2に、通信
線は約1/80になっていました。
法枠工による法面崩壊対策
ワイヤロープによる落石対策
ワイヤロ
プによる落石対策
○橋梁耐震対策
平成17年度から19年度にかけて「緊急輸
送路の橋梁耐震補強3箇年プログラム」を
実施しました。これにより、兵庫県南部地震
と同程度の地震に対しても落橋・倒壊等の
甚大な被害を防止し、緊急輸送道路の機能
を確保しています。
さらに損傷等の被害を防ぐために、現在の
基準(阪神・淡路大震災クラスの地震でも損
傷しない)に適合するよう耐震補強を推進し
ます。
出典:北陸地方整備局
7
橋桁の落橋を防止する補強例
橋脚の倒壊を防止する補強例
8
52
セッション4 4-4
ブロックと応援チームについて
⼤規模災害時の広域連携に向けて
〜中核市防災第5応援チームの取り組み
〜
平成26年9月27日
金沢市危機管理監
詩丘 樹持
第5応援チームの分布
応援チーム体制が機能するためには
平時からの
“顔の見える関係づくり”
顔の見える関係づくり が重要
金沢市が連絡会議の設置を提案
4
第1回中核市防災第5応援チーム連絡会
議
と き:平成25年8⽉19⽇
広域応援体制の強化に向けて
共同宣言
第1回
7都市相互の
情報共有化
第2回
第3回
連絡会議
ところ:⾦沢ニューグランドホテル(⾦沢市
)
金沢市
宮崎市
西宮市
・
(毎年1回)
(毎年
回)
・
・
・
・
・
広域応援体制の強化
53
課⻑会議
と き:平成25年8⽉20⽇
ところ:⾦沢市役所防災対策室ほか
・各市で想定される
災害及び被害規模
について
・各市の情報共有
のための詳細事
項について
54
本資料についてのお問合せは、下記までお寄せください。
〒924-0838 石川県白山市八束穂 3-1
金沢工業大学 地域防災環境科学研究所
所長・教授 髙畠 秀雄
TEL 076-284-7372 FAX 076-274-7901
[email protected]
事務担当 朝倉 千佳
TEL 076-274-7009 FAX 076-274-7102
[email protected]
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