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諸外国におけるレジ袋等容器包装の使用実態調査

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諸外国におけるレジ袋等容器包装の使用実態調査
3.諸外国におけるレジ袋等容器包装の使用実態調査
諸外国におけるレジ袋を中心とした容器包装の使用状況や近年の削減取組の把握を行った。欧
州を中心とした諸外国においては、小売店におけるレジ袋の配布を規制する政策を実施している
例もみられる。ここでは、これらの取り組みについて、制度を実施した理由や、実施にあたる諸
議論、施行の状況および今後の方向性について把握するために、政府機関および小売事業者に対
してヒアリング調査を実施した。
なお、制度については、現在議論を行っている段階にあるものを含んでいる。
3.1
調査の概要
レジ袋について小売店における配布規制等の政策を実施している国、又は政策策定に関する議
論が行われている国を調査対象とした。調査対象国および各国の調査内容、ヒアリング先を表に
示す。なお、韓国については文献情報を元に整理を行った。
表 3.1-1
No.
対象国
1
中国
2
英国
3
アイルラン
ド
調査対象国および調査内容、ヒアリング先
調査内容
ヒアリング先
2008 年 6 月に施行されたレ
ジ袋禁止令
レジ袋有料化施策導入に関
する議論
レジ袋税およびレジ袋税を
財源とした環境基金
・
・
・
・
・
・
4
フランス
非生分解性レジ袋禁止政策
導入に関する議論
・
・
5
米国
(カリフォ
ルニア州)
レジ袋禁止条例
・
韓国
使い捨て容器の使用規制
6
・
・
中華人民共和国国務院
ウォールマート中国法人
英国環境・食糧・農林地域省
イギリス小売業協会
アイルランド環境・文化遺産・地方
自治省
スーパークイン(スーパーマーケッ
ト)
フランス政府環境省
カルフールグループ(スーパーマー
ケット)
カリフォルニア州 サンフランシ
スコ市役所
ホール・フーズ・マーケット(スー
パーマーケット)
文献を元に情報収集
上記の調査対象に対して、文献、インターネット等で情報収集を行った後、電話又は訪問ヒア
リングを行った。以下、調査対象国ごとに、レジ袋政策に関する調査結果を示す。
3.1
3.2
各国の容器包装の使用合理化に関する情報
(1)中国:プラスチック製レジ袋禁止令
中国では 2008 年 6 月からレジ袋を規制する条例「ポリエチレン製のレジ袋の生産・販売・使
用の制限に関する通知」(通称「限塑令」)が施行され、小売店におけるレジ袋の無料配布の禁止
や、0.025 ミリ未満のレジ袋については、生産、販売、使用を一律に禁止することとした。ここ
では、政府関係者および小売業へのヒアリング調査を元に情報を整理した。
①
導入に至る議論および制度設計
・ レジ袋規制の導入理由
中国では高度経済成長により、国内におけるレジ袋を含む石油製品の利用が急激に増加して
いる。中国政府によると、中国では毎日約 30 億枚のレジ袋が使用されている。国内における資
源利用の節約の必要性とともに、散乱ごみの主要因としてレジ袋があげられるなど、環境汚染
の要因として、レジ袋が問題視されてきた。
2008 年に導入された制度の導入に至る議論の背景等については明らかにされていないが、全
国的な制度の導入前に、景観対策の側面から、雲南省の観光地であるシャングリラ県・麗江市
では 2002 年と 2003 年より、チベットのラサ市では 2004 年よりプラスチック製袋の使用禁止
が先行的に行われていた。
②制度の概要
・ 制度の内容
レジ袋の規制について、中国政府は以下の法律を 2008 年に公布している。
「ポリエチレン製のレジ袋の生産・販売・使用の制限に関する通知」(通称「限塑令」)

極薄(0.025MM 以下のもの)レジ袋の生産、販売、使用を制限。

2008 年 6 月 1 日からレジ袋の有償使用制度を実行。
「商品小売施設におけるレジ袋有償使用管理弁法」

商品小売施設における消費者に有償でレジ袋を提供する。

商品小売施設におけるレジ袋に対して正しい価格を表記する。
③制度の目標および効果
・ 制度の目標
中国政府は具体的な目標値を公表していない。
・ 制度の効果
多くのスーパーマーケットのプラスチック袋の利用量は、
「限塑令」が施行した後、急減して
いる。施行後 1 ヶ月目の 2008 年 7 月の段階では、全国で約 40%が減少している。しかし、小
規模の売店・薬局・野菜や肉の市場では、依然としてレジ袋を無料で提供しているとことが多
い。
3.2
スーパーマーケットにおける効果としては、一店舗のレジ袋使用量が 1.5 万枚/日に上って
いたが、現在では約 2 千枚/日に減少している事例が存在する。しかし、
「限塑令」公布された
最初の数ヶ月間は、
レジ袋の使用量減少がみられたが、半年を経過した 2008 年 12 月時点では、
使用量が徐々に増加傾向にあるとの小売業者の指摘もある。使用量が増加している原因として、
消費者が有料レジ袋を購入することに慣れてきたこと、マイバッグを用意して購買していた消
費者も持参の煩わしさから、レジ袋を購入するようになったことが指摘されている。また、北
京の家楽福、易初蓮花等のスーパーマーケットが把握している情報によると、
「限塑令」を実施
した後、食品のロールプラスチック製袋(無料で提供)の使用量が 3~4 割上昇したとの情報も
存在する。北京の易初蓮花社の各店舗では、もともと毎週食品用のロールプラスチック製袋を
100 箱使用していたが、今ではその使用量が毎週少なくとも 130 箱に上るという。
2008 年 12 月時点で、プラスチック製袋の主要な生産地である河北雄県では、2,000 数社の
プラスチック製袋工場の約半数が生産停止か大幅減産の状態に陥っている。
④事業者・消費者の反応
・ 事業者の反応(製造者)
制度の導入にあたって、6 万社のプラスチック包装用品メーカー(その中で大手は約 1.6 千
社)の約半数に、生産に対する影響が出たと言われている。これら企業の多くは、猶予期間が
短すぎるとの抗議を行っている。
・ 事業者の反応(小売店)
中国におけるスーパーマーケットチェーン上位3社の取組状況は以下の通りである。
表 3.2-1
レジ袋販売価格
マイバッグの配布
制度開始後のレジ袋使
用削減量
制度開始後のマイバッ
グ持参率
主要スーパーマーケットチェーンの対応状況
A社
小袋 0.2 元/枚、
中袋 0.3
元/枚、大袋 1.0 元/枚
マイバッグを商品とし
て販売
不明
B社
0.2 元/枚、大袋 0.4 元/
枚
マイバッグを商品と
して1枚6元で販売
約65%
C社
中袋 0.2 元/枚、
大袋 0.3
元/枚
マイバッグを 4.9 元、と
13.9 元で販売
約70%減少
約40%
約40%
約40%
(出所)現地ヒアリング調査結果を元に作成
・ 消費者の反応
政府関係者によると。一般市民の多くは賛成であり、マスコミの論調も大部分が肯定的であ
るが、下記のような反対意見も把握されている。

レジ袋は大変便利であり、代替品がなければ生活に不利な影響を与える。

レジ袋が有料化される前は、そのコストは小売側が負担していたはずであり、一方的に
消費者の負担にするのは納得できない。

現状制限しているのは薄いレジ袋だけであり、厚手ものは依然として使用されているの
3.3
では、この措置の真意は徹底されていることにはならない。

レジ袋を全面的に禁止する政策へ転換すべき。

資源の浪費という視点からして、素材の厚さに関係なく使用を禁止するべき。

マイバッグを常に携帯するのは不便であり、店は買い物後に何らかの包装機能を提供す
べき。
⑤施策の課題
小規模な事業者や農村等地方部に存在する商店では依然としてレジ袋が無料配布されている
状況が続いている。
⑥その他の包装容器に関する取り組等
政府関係者によるとその他の容器包装についても以下の課題を有するとしている。

プラスチック製シート、プルタブ缶、飲料用のビンなど多く包装材料に課題を残す。

特に使い捨て発泡スチロール弁当箱の問題は依然として深刻である。
3.4
(2)イギリス:レジ袋への課税導入議論について
2008 年 3 月 12 日、英政府は環境対策の一環として、スーパーや小売店に対し、使い捨てのプ
ラスチック製レジ袋の有料化を義務付ける方針を発表した。これを受けて政府と小売業界関係者
が協議を行った結果、税の導入は見送られ、業界が自主的取り組みを実施し。2009 年春までに
2006 年比でレジ袋使用量を 50%減らすことで合意がなされた。議論の経緯や今後の動向につい
て、イギリス環境食糧農林省(DEFRA)および小売業の関連団体であるイギリス小売業者組合
(BRC)に対してヒアリングを実施した結果を以下に示す。
①議論の背景
政府はごみ削減およびポイ捨てを防止するためにレジ袋の削減に関する政策の検討を行った。
課税案については、選択肢のひとつとして、課税措置が導入できる枠組みである気候変動法令15
に基づいて実施する方向で検討を行う旨、財務大臣の演説で明らかにした。しかし、それを受
けて小売業界等は政府の方針に反対の立場を示した。政府は業界との協議の末、業界の提案し
た 2009 年春までに 50%のレジ袋を自主削減する案を承諾し、主要小売店業者と取決を結び
2008 年 12 月 18 日に環境食糧農林省のホームページ上で公表された。
議論の過程では、ロンドン協議会16からレジ袋の利用全面禁止に関する提案もなされた。し
かし、政府は事業者に対して特定の材料の使用を禁止することはできないため、この提案は現
実的なものとしては受けいれられなかった。また、政府は全面禁止を支持せず、適切な議論が
行われることが必要であると認識した。
②施策の概要
・ 自主的取決の内容
上記の議論の結果、政府とイギリス小売業組合との間のレジ袋削減に関する取決の概要を以
下に示す。

イギリス小売業者組合(BRC)とイギリス環境食糧農林省、ウェールズ下院議会と北アイ
ルランド環境省は、消費者が使い捨てレジ袋の使用を根本的に削減できるよう支援する
為、共に働きかけることを行うことを誓約した。

この目的を達成する為に、スーパーマーケットは、政府の消費者への普及啓発活動や小
売業界の幅広い支援を通じて、2009 年春までに、2006 年度比で使い捨てレジ袋の利用
量を 50%削減達成する為、顧客の姿勢、行動へ働きかけを続けることを誓約する。

イギリス、ウェールズ、アイルランド政府とイギリス小売業者組合(BRC)は、長期的に
は 70%削減を目指す強い希望を共有し、大手の小売店の支持を受けながら、この目標を
達成することが重要である為、消費者への取り組みを共同で働きかけることを誓約する。

この取決めの経過は、資源行動計画委員会(Waste & Resources Action Programme:
WRAP)によってモニタリングされる。イギリス政府、WRAP、小売業者の三者は合同で
15
担当者へのヒアリングによると、課税に際して既存の関連した法制度の枠組内で行うことが必要であったため気候変動法令
の中で検討が行われた。レジ袋税が若干の二酸化炭素排出削減につながることがその理由であったが、例えば「散乱ごみ防止法
令」等が存在すればその枠内で検討が行われたことが予想される。
16 London Councils:ロンドン市の中の 33 の区による協議会
3.5
2010 年夏にレビューを実施する。
・ 取決め対象のレジ袋
規制の対象となるレジ袋は、使い捨てのレジ袋が予定されている。
③施策の目標および効果
自主的取決めでは、2006 年度比でレジ袋の使用量を半減させることを目標としている。ただ、
この結果については二酸化炭素削減という観点からすると 4 万から 4 万 5 千台の自動車の交通
量削減に等しく、大きな効果はないとみている。しかし、レジ袋を再使用することが国民の習
慣となれば、50%の削減を即実行できるという点で有意義であると認識している。
④事業者・消費者の反応
・ 事業者の反応
小売業者は政府の課税導入提案を歓迎せず、対案として自主的取組の案を環境食糧農林省へ、
2009 年春(イースター)までに 50%までに削減すると提案した。また将来的な 70%の削減に
ついても議論をおこなっている。
さらに、一連の議論の中でレジ袋製造業者と紙袋製造業者との間に論争があった。レジ袋製
造業者は、すべての業者が税対象となるべきであり、もし、レジ袋に税を課すなら、紙袋にも
同様の税を課さなければならないと提案した。
・ 事業者の取組
レジ袋削減に向けて既に以下のような取組が実施されている。
表 3.2-2
企業名
Marks and Spencer
(スーパーマーケット)
Tesco
(スーパーマーケット)
Sainsbury
(スーパーマーケット)
Boots
(ドラッグストア)
Next
(衣料品)
・
・
・
・
・
・
英国小売業の削減取組例
取組内容
繰り返し使えるバッグ(bag for life)の使用促進
レジ袋を顧客の目につかない場所に置く
レジ袋再使用者に対して会員カードにエコポイン
トを付与
顧客に来店の際にはバッグ持参を思い出させるメ
ールメッセージサービスを最近導入。登録をする
と、買い物に頻繁に行く日に袋持参を思い出させ
てくれるメールが届くサービス。
レジ袋の要否を顧客に確認
3 種類のサイズの袋を用意していて、購入したも
のに適したサイズの袋で包装
(出所)イギリス小売業者組合(BRC)へのヒアリングを元に作成
・ 消費者の反応
消費者の反応として、一般的に買い物の際に同じレジ袋を繰り返し使用しようとする消費者
がいる一方で、家でゴミ袋としてレジ袋を使用していた消費者からは今回のレジ袋課税の政策
について批判の声も存在する。
3.6
⑤施策の課題および今後の方向性
政府としては、業界との取り決めの結果を受けて今後の方針を決める予定であり、方針・施
策変更について現段階では予定していない。
⑥その他の包装容器に関する取り組等
イギリスでは、コートールド公約(Courtauld Commitment)という容器・包装削減を目的
に自主的な取決めをイギリス環境食糧農林省、廃棄物・資源対策計画、スコットランド・ウェ
ールズ政府とイギリス小売店業者の間で結んでいる。例えば、取決めに基づいて、ワインやジ
ュース飲料製造者は薄いガラスボトルを使用し、ほかの小売店業者ではリサイクル包装や容器
を利用するなどの取組が行われている。
3.7
(3)アイルランド:レジ袋税および環境基金
アイルランドでは 2002 年より、レジ袋の販売段時における課税を実施している。またレジ袋
税の税収については、環境改善等特定の目的を使途とする環境基金に用いられている。制度の策
定にいたる経緯および現在の施行状況等について、アイルランド環境・文化遺産・地方自治省お
よび主要な小売業者に対してヒアリングを実施した結果を以下に示す。
①導入に至る議論および制度設計
・ レジ袋税の導入理由
経済の発展に伴い急速にごみが増え続けて、レジ袋も社会的な問題となっていった。環境破
壊や動植物への脅威をもたらすとともに、路傍や公園、海岸線などに見られるようになったこ
とが、レジ袋に関する規制の導入理由である。政策手段についての検討が行われた後、税の導
入が決定された。税の導入にあたって、当時の環境大臣のコメントを以下に示す。
表 3.2-3
税導入にあたっての環境大臣のコメント
「政府の政策として、レジ袋の使用量を削減する為レジ袋に課税を実施する。アイルランド全土で毎
年約 19000 の店と小売店で 12 億枚以上のレジ袋が無料で配布されている。レジ袋の殆どがゴミになる。
レジ袋が散乱しすぎており、通りや道路沿い、垣根や木、地方全体にプラスチック製袋が散乱し目障
りとなる。また、プラスチック製袋の汚染は生態系や居住地区や野生動物を脅かす。プラスチック製
袋の使用を続けることを容認できない。国民は第一にレジ袋の使用について考える必要があり、そし
てプラスチック製袋が再使用できなくなるまで使い、そのあと適切に処分しなくてはいけない。
」
(出所)アイルランド環境・文化遺産・地方自治省 Noel Dempsey T.D.大臣発言
・ 導入に至る議論
2002 年に、レジ袋使用の減少計画の一つとして課税政策が導入された。導入前の 1998 年に
は課税以外の別の選択肢を検討するための調査が実施され、その結果、国民はごみ問題解決に
向けた対策を実施する必要があると考えていることが分かり、課税導入を受け入れることが可
能であると判断した。なお、レジ袋製造業者、小売店は課税が消費に悪影響を与えるとの理由
から課税に反対した。
・ 税率の決定方法
政府は税の導入に先立ち、1998 年にコンサルタントへの委託を通して、適切な課税額に関す
る調査を実施した。調査の結果、最適な税額がレジ袋 1 枚につき5セントと示されたが、政府
は、5 セントでは消費者に十分に認識される税額とはならないと判断し、2002 年の制度導入時
の税額を 1 枚 15 セントに決定した。
また、2002 年の施行後、2006 年度における調査においてレジ袋の使用量増加が明らかにな
3.8
ったことから、施策の導入時と同程度の削減効果を確保するために、2007 年から税額が1枚
22 セントへ課税を引き上げられている。
②制度の概要
・ 規制対象のレジ袋
課税対象となるレジ袋は、以下の通りに規定されている。
1.100%もしくは部分的にプラスチックを使用しているもの、かつ
2.規制除外以外のスーパーマーケット、サービスセンター、小売店などで全ての店で消費
者に販売しているもの。
また、課税免除となるレジ袋・包装についても以下の通りに規定されている。

店内の肉、鶏肉、魚の包装

店内の生鮮果物・野菜の包装

最低 70 セントで売られている繰り返し使用可能な長持ちする袋
・ 環境基金の概要
レジ袋税を財源とする環境基金の 2006 年の予算は約 5,200 万ユーロである。この予算は様々
な環境目的(廃棄物管理計画や環境意識を啓発するキャンペーン等)に使用されている。また、
レジ袋税のほかに、廃棄物の埋立税からの収入についても同じ環境基金に組み入れられている。
表 3.2-4
環境基金の収支(2006 年 1 月 1 日~12 月 31 日)
収入
廃棄物埋め立て環境課税
レジ袋税
利息
支出
北/南 廃棄物管理プログラム
INTERREG 廃棄物管理プロジェクト
廃棄物抑制、国内市場開発プログラム
製造者責任イニシアティブ
環境課税回収コスト
廃棄物抑制運営コスト
リサイクルを含む廃棄物管理プロジェクト
リサイクル運営コスト
地方自治体実施イニシアティブ
環境意識向上
汚染規制 大気/気候
国際会議/機関/組織
ポイ捨て防止イニシアティブ
REACH
3.9
2006
€
30,750,433
19,947,315
1,436,644
52,134,392
2005
€
27,798,605
17,484,551
914,525
46,197,681
2006
€
602,438
196
1,725,866
408,304
237,248
59,074
2,242,334
10,000,200
7,774,502
3,649,342
239,595
2,497,984
1,371,716
-
2005
€
341,858
92,669
802,042
541,137
480,825
6,530
7,272,502
7,000,020
8,848,972
4,085,359
137,389
2,436,226
1,044,339
14,188
環境規制の施行部局
EPA 研究開発
水質
Comhar - 全国持続可能性開発パートナーシップ
2,185,886
7,000,000
78,974
292,056
40,365,715
1,800,000
7,000,000
177,927
102,567
42,184,550
当年余剰金/(不足金)
1 月 1 日余剰金累計
11,768,677
45,671,216
4,013,131
41,658,085
12 月 31 日余剰金
57,439,893
45,671,216
(出所)アイルランド環境・文化遺産・地方自治省提供資料を基に作成
③制度の目標および効果
・ 施行状況について
予算委員会の責任の下で税金を徴収している。小売店業者は消費者から課税金を記録してお
く義務があり、課税総額の情報を予算委員会へ提出することとなっている。
・ 削減効果
2006 年には若干のレジ袋使用量増加が見られていたが、2008 年時点で制度導入前と比較し
て 92%の削減に成功している。また、政府によると、散乱ごみに占めるプラスチック袋の割合
は 2002 年以降大幅に減少し、2005 年には 0.22%となっている。
表 3.2-5
散乱ゴミに占めるプラスチック袋の割合
年次
2002 年以前(課税前)
2002 年 12 月
2003 年 8 月
2004 年 8 月
2005 年 8 月
割合
5%
0.32%
0.25%
0.22%
0.22%
(出所)アイルランド環境・文化遺産・地方自治省HP
④事業者・消費者の反応
・ 事業者の対応
事業者が課税への対応について、同国の代表的なスーパーマーケットであるスーパークイン
(Superquinn)社では課税導入に対して当初から賛同し、現在レジ袋 1 枚につき 22 英セント
で販売している。また、顧客の理解を得るための活動として、従業員は顧客に対してレジ袋を
再使用することの利点について説明を行っている。
・ 顧客の反応
同社の顧客からは賛否両論の反応があったが、同社では再使用可能な袋は長持ちするから多
くの利点があると顧客に説明し理解を求めている。
また、当初より制度に対する国民の賛同は高かった。消費者は政府を支持し、課税に賛成し
3.10
ており、レジ袋消費量の削減数値は、その賛同の現われであると考えられる。課税を導入した
2 年後には、ごみは約 90%減少した。また、世論調査の結果により、2003 年には 91%の消費
者が課税導入は、適切な政策であると思っていることが、明らかになった。
3.11
(4)フランス:非生分解性レジ袋禁止法導入議論
フランス下院における農業基本法改正案の審議(2005 年)の際に、生分解性以外のレジ袋の販
売及び配布を、2010 年 1 月 1 日以降、フランス国内で禁止する条項を盛り込むことが全会一致で
承認された(改正第 863 号)。ただし、法律は施行されていない。
政府関係者へのヒアリング結果を以下に示す。
①導入に係る議論および制度設計
レジ袋禁止法案はフランス国民議会(下院)が導入を検討したものである。2005 年 10 月 11
日、フランス国民運動(MP)党は 2010 年から非生分解性レジ袋や包装の販売や配布を禁止する
法案に投票し、この法案は農業基本法改正案に盛り込まれた。なお、同党は以下の根拠をもと
に政策の導入を提案した。
経済面の論拠:
-地方自治体によるレジ袋、容器包装の廃棄物管理・回収費用の低減
-農業者への新規市場の機会提供
環境面の論拠:
-海洋汚染の原因であるレジ袋の削減
エネルギー面の論拠:-化石燃料品への依存から脱出
同法案では、欧州共同農業方針により製造への補助金が減額していることを受けて、生分解
性レジ袋の促進と国内農業者へのトウモロコシやイモ類の新規市場開拓支援することが主目的
として挙げられている(生分解性レジ袋は現在ポリマーとコンスターチで製造されているため)
。
2005 年 11 月、上院は、国民議会(下院)からの提案を改正し、非生分解性レジ袋、使い捨
てレジ袋、薄地レジ袋のスーパーにおける配布を違反とした案に投票した。また、この案では
レジ袋を無料で配布することを違法としたが、非生分解性レジ袋を販売することは違法とはし
ていない。欧州委員会(EU Commission)は、この禁止法案が「包装・包装廃棄物に関する EU
指令」(94/62/CE)の基準に沿ったものではないとして、法案に反対した。これにより、この
禁止法案は施行されなかったが、欧州委員会はこの法案は導入できないが非生分解性レジ袋へ
の課税導入はあり得るとの見解を示している。
2008 年 10 月における 2009 年財政案(2009 年度予算)の討論中、国民運動連合は非生分解
性レジ袋のみを対象として 0.12 ユーロの税金をレジ袋に課す提案をしたが、この修正案は国民
議会(下院)で否決された。さらに、国民運動連合は 2008 年度財政法修正へ修正案を提案し、
使い捨て非生分解性レジ袋へ 0.12 ユーロの課税の導入を求めたが修正案は再度否決された。国
民運動連合は、課税に対して以下の論拠を示している。
環境面の論拠:非生分解性レジ袋は海洋汚染及び景観の阻害の原因の除去
経済面の論拠:道路からのレジ袋撤去及び処分に要する地方自治体の膨大な負担の軽減
その他の論拠:ベルギーやアイルランドでの税導入の成功
3.12
反対理由としては、小売店業界では既にかなりの量のレジ袋を削減していることがあげられ
ている。例えば、2004 年に小売業界で 105 億枚のレジ袋を配布していたが、2007 年にはわず
か 20 億枚のレジ袋配布に止まっている(80%の削減に相当)
。これにより、政府は課税を導入
せずにレジ袋削減の可能性があると認識し自主的な手段でのレジ袋削減が望ましいという立場
をとっている。また、現状の経済状態では、新たな課税施策を導入するのは現実的でないとの
指摘も存在する。
3.13
(5)アメリカ(サンフランシスコ市):プラスチック製レジ袋禁止条例
アメリカ合衆国のサンフランシスコ市では、2007 年からレジ袋の配布禁止を実施し、市内の全
ての小売店に紙袋等プラスチック製以外の袋の利用を義務付けた。サンフランシスコ市関係者、
小売業者へのヒアリング結果を以下に示す。
①導入に至る議論および制度設計
プラスチック製レジ袋が、サンフランシスコ市地域の海洋生物や野生動物に非常に大きな悪
影響を及ぼすことを理由に条例が制定された。制度の導入に関して、当初は配布の全面禁止以
外の方策について、アイルランドにおける税方式のモデルも含めた検討を行った。しかし、食
料品の業界団体が、プラスチック製レジ袋の削減に関して、自主的取り組みを実施することを
表明し、10%までレジ袋の量を削減すると約束しため、同市は、2006 年までレジ袋規制の導入
を保留することとした。
その後、2006 年に、自主的取り組みについて実態調査を行ったところ、状況が全く改善され
ていなかったことが判明したために、市では業界団体に3度の警告を行った上で、2007 年にレ
ジ袋の禁止を導入することを決定した。
②制度の概要
・ 規制対象のレジ袋
サンフランシスコ市は下記以外のレジ袋の配布を禁止している。

リサイクル紙袋17(最低40%再生紙であること)

生分解性素材のプラスチック製レジ袋18(ASTM D6400 の生分解性基準を満たした認可
されたものに限ること)

再使用できるレジ袋19(水洗いできる生地もしくは最低 2.25 ミリインチの厚さのある耐
久性プラスチック製素材であること)
・ 罰則規定
同市の環境条例では条例への禁止に対して以下の罰則規定を設けている。
17
(サンフランシスコ市環境条例による定義)
j)「リサイクル紙袋」とは、次の全ての要件を満たした紙袋のことを指す。
(1)老齢樹木を含まない
(2)100%リサイクル可能かつ最低 40%再生紙使用
(3)袋の外側の見える位置に「再使用可能」や「リサイクル可能」の表示
18
(サンフランシスコ市環境条例による定義)
(b)「生分解できるプラスチック製袋」とは、プラスチック製袋で、下記のことを指す。
(1)カルフォルニア州の品質表示法(公共資源条例 Section 42355 et seq.)に沿う、これは現在の生分解性についての ASTM
基準仕様の要件を満たす
(2)Biodegradable Product Institute のような認可された検証団体によって ASTM 基準を満たしていることを認証し、標識化
(3)環境局規則に記載の長期的に再使用できる生成物含有量が最大である保証できる要件に従う
(4)環境局規則に記載の遺伝子修正工業材料に由来する製品を長期的に徐々に廃止できると保証する要件に従う
(5)「Green Cart Compostable」や「再使用可能」と袋の外側の見える位置に記載
(k)「再使用できる袋」とは何度も再使用できるよう特別にデザイン、製造されている取手付きであり、次のどちらかを満た
す
(1)布もしくは洗濯可能な繊維で製造
(2)最低 2.25 ミリの厚さのある耐久性のあるプラスチックで製造
19
3.14
表 3.2-6
サンフランシスコ環境条例における罰則規定
サンフランシスコ市環境条例 1705 条 「施行と処罰」
(a) レジ袋禁止条例に違反した者は違反の罪で有罪となる。違反を告訴され、有罪となると、次の罰
則を科する。
(1)1 回目の違反は 100 ドル以下の罰金
(2)同年における 2 回目の違反は 200 ドル以下の罰金
(3)同年における 3 回目以降の違反は 500 ドル以下の罰金
(b) サンフランシスコ市がカルフォルニア州政府条例 53069.4 条に準ずる行政罰則を科し、再検討す
るためにサンフランシスコ市行政官用の手順を作成した条例を適応する場合は、当市はこの条例
違反者に対して以下の行政処分を課す。
(1)1 回目の違反は 100 ドル以下の罰金
(2)同年における 2 回目の違反は 200 ドル以下の罰金
(3)同年における 3 回目以降の違反は 500 ドル以下の罰金
(c) 市検事は限度なくこの条例を施行するために法律的、命令的、もしくは公平な賠償を求めること
ができる。民事罰則として、初めの違反に 200 ドル以下の罰金、2度目の違反には 400 ドル以下
の罰金、そして同年の 3 度目以降の違反に 600 ドル以下の罰金を科す。
(d)
サンフランシスコ市は行政処分と民事の両方を同じ違反に対して損失を償うことはできな
い。
③制度の目標および効果
・ 施行の状況
サンフランシスコ市には 50 の大型スーパーマーケットと 60 の薬局があるが、全ての小売店、
薬局が規制を遵守している。市では、これらの業者に対して、規制に沿ったレジ袋に変更する
期間を 3 週間与えた。施行にあたっては、業者がレジ袋を変更したか確認するために視察を実
施し、また、市から市民へ違反を見かけたら通報するよう呼びかけている(電話番号は市のホ
ームページに掲載)
。
・ 効果
レジ袋禁止条例施行前は、サンフランシスコ市で1億枚のレジ袋を使用していた。市で実施
した直近の調査で、約 50%のプラスチックを削減できたことが判明した。
(この調査はプラス
チック製レジ袋のみを対象としたわけではなく、プラスチック梱包なども対象とした)
④事業者・消費者の反応
政策に対して、プラスチック製造業者からの反対は特になく、また、消費者はレジ袋を再使
用するという考え方を好んでいて、反応は肯定的であった。スーパーマーケットであるホール・
フーズ・マーケット社について、同条例に対する姿勢等についてのヒアリングを実施した。同
社では、プラスチック製レジ袋禁止を肯定的にとらえている。現在当社で使用している紙製の
レジ袋は以前のものよりも高い費用がかかるが、北カリフォルニアには 24 店舗しかないため大
きな追加費用とはならない。
ほとんどの顧客からの反応は肯定的なものであった。同社では、バッグ持参の来店客には会
員カードに5ポイント付けるか、もしくは 5 セント慈善活動に寄付できるようになっている。
⑤その他の包装容器に関する取り組等
同市では、ポリスチレン製容器は海洋生物やほかの野生動物に害となることから、この種の
3.15
容器をレストランで禁止している。レジ袋についてはサンフランシスコ市が最初にこの禁止条
例を制定したが、同様の取り組みを行っている市町村としてオークランド、サンタモニカ、フ
ェファックスがある。また、複数の都市で現在導入に向けた検討が行われている。
3.16
(6)韓国:使い捨て容器禁止制度
韓国では、飲食店等における使い捨て容器や用品の無料配布を禁止する法律(一回用品使用
規制)を 1994 年に施行し、1999 年には改正を行い、規制の強化を図った。ここでは、同制度
に関して、レジ袋に関連した部分について、文献等を元に概要を整理した結果を以下に示す。
①導入に至る議論および制度設計
韓国では、80 年代以降の急速な産業化・都市化の進展により、廃棄物発生量の急激な増加が
深刻な社会問題として認識されるようになった。特に、使い捨ての一回用品及び包装材が廃棄
物として大量に排出された。その一方で、韓国の環境条件(人口密度が高く単位あたりの環境
負荷が大きい)及び廃棄物処理施設の拡充の困難性から、ごみの減量が急務となっていた。こ
のような状況に対し、政府は、廃棄物発生抑制と資源確保に向けた諸政策を打ち出し、廃棄物
管理政策の一環として、一回用品使用規制制度が導入された。
②制度の概要
使い捨て商品の無償提供の禁止及び業界側の自主規制
【規制】
業種・業態に応じて、一回製品(使用済み製品)の無償提供を禁止している。
【協定】
ファーストフード店やコーヒーショップの場合、テイクアウト分の容器包装が対象外とな
っていたことから、発生抑制効果が認められなかった。その点を踏まえ、2003 年1月から、
ファーストフード及びコーヒーショップチェーン店 31 社が自発的協約書を発表し、
「テイク
アウト商品に利用した容器包装に対するデポジット制の導入」、「店内で利用される商品への
多回容器(通常のコップや皿等)の利用」等を定めた。
1995 年の制度施行当初の規制内容は、使い捨てのコップ、皿、容器、ショッピングバッグ等
を使用規制の対象とした。違反した場合は、6 か月間の勧告期間の後、履行命令を発し、さら
に 3 か月経過しても、なお、改善が見られない場合は、300 万ウォン(約 30 万円)以下の罰
金を課すという内容であった。1995 年には、規制対象品目及び規制対象事業者の拡大を行な
い、1999 年には、規制方式及び履行担保方式を一部変更し、レジ袋について、使用の抑制(使
用禁止)から無償提供の禁止(販売)へと転換を図った。同時に、違反者に対し罰金を課す場
合は、事前予告の勧告条項を削除し、履行命令後 3 か月後の執行へと変更した。その後、制度
導入から十分な期間が経過し、法を遵守する事業者が多数を占めたため、2003 年 1 月には再
度規制対象の拡大を行い、同時に、違反者に対しては履行命令期間を置かずに即時に罰金を課
すこととした。
③制度の目標および効果
アンケート調査(表3.2-7)によると、一回用品使用規制により、使い捨てのレジ袋、
ショッピングバッグの使用量が全国平均で 61.6%減少している。
3.17
表 3.2-7
売場面積
韓国一回用品使用制限による削減効果
3,000 ㎡以上
50 坪以上
10~50 坪
合計
事業所数
232
2,306
1,522
4,060
減少率(%)(計)
65.4
57.5
51.3
61.6
レジ袋
65.5
57.6
51.4
61.3
ショッピングバッグ
64.8
54.4
44.4
64.3
ごみの減少量(トン/月)
1,376.20
316.2
53.5
1,745.90
費用節約額(千ウォン)
1,209,456
456,115
78,170
1,743,741
(出所)舟木賢徳(2006)
『「レジ袋」の環境経済政策』
、リサイクル文化社
3.18
3.3
各国における容器包装の使用合理化事例
各国の容器包装製造時における使用合理化事例について、文献等から情報を収集した。収集し
た内容を以下に示す。
企業名
取組内容
United Biscuits
リユース、リデュース、リサイクルにより、2006 年は 2003 年と比較して年間
6,800 トンの容器包装の減量に成功した。Waste and Resources Action Programme
(WRAP)と協力して菓子業界における新しいより効果的な容器包装の開発に取り
組んでいる。
常に包装市場における新しい革新的な技術に目を向けている。たとえば、現在使
用しているものよりも 17%軽い容器包装の開発を菓子包装業者と行っているが、
これは毎年約 700 トンの容器包装を削減できる可能性がある。
取組効果
容器包装重量の 80%以上は容易に再利用することができる。また、段ボールは再生
材を 90%以上使用しており、バージン原料の使用を大幅な削減につながっている。
出典
企業名
取組内容
Institute of Grocery Distribution(IGD)英国食品産業系シンクタンク
(http://www.igd.com/index.asp?id=1&fid=1&sid=5&tid=49&folid=0&cid=233)
Nestlé
1990 年代初めから、包装材の使用量を削減していた。ネスレ英国とアイルラン
ドは包装材を 2010 年までに 2006 年基準に対して 10%削減を目標としている。現
在英国では、ネスレの包装材の半分以上はリサイクル可能であり、さらなる拡大を
目指している。
2009 年、イースターのために使用される包装材の重量を、小さな卵で 30 %、
中くらいのもので 27 %、高級な大人用のもので 23 %削減し、結果的に 784 トン
の包装材を削減した。また、小中サイズの卵の箱を硬質プラスチック製のものから
紙制のものに変更した。
イースターエッグの箱は少なくとも 75%のリサイクル繊維を含む段ボールから
作られており、地方自治体の収集計画を通してリサイクルすることができる。また、
イースターの卵パックに使用されるプラスチック材料は、少なくとも 50%以上再生
材を使用するため、バージン原料を数百トン節約にもつながっている。
取組効果
小中サイズの卵の箱を縮小したことにより、輸送の際にトラックで運ばれる箱の数
も増加し、約 350 台分の削減につながった。
出典
Institute of Grocery Distribution(IGD)英国食品産業系シンクタンク
(http://www.igd.com/index.asp?id=1&fid=1&sid=5&tid=49&folid=0&cid=739)
3.19
企業名
United Biscuits
(商品名)
(チョコレート)
取組内容
10 オンス箱の商品では、チョコレートはポリラミネート袋に入れて、石油を
主成分とするポリラミネートで覆われた箱に乗せ、バージン材の紙を使用した
折りたたみ式のカートンスリーブで覆っていた。しかし、板紙やラベルで支え
てポリラミネート袋が自立できようにしたことにより、箱の高さを半分にする
ことができ、50~60%の材料を削減した。
3 オンスのものは、16 ポイントの白いバージン材の折り畳み式ボール紙の箱
に入れていたが、製品がよく見えるよう箱に切り込みを入れるなど、軽量化と
包装材の削減をおこなった。
また、箱はすべてリサイクル可能なものとした。
以前の 3 オンス、10 オンス容器
新しい 3 オンス、10 オンス容器
取組効果
新しいデザインによる容器包装削減により、材料コストの削減や労働力の削
減にもつながり、輸送や保管コストの削減にも可能にした。
Sustainable Packaging Coalition
出典
持続可能な包装連合
( http://www.sustainablepackaging.org/pdf/casestudies/casestudy_starbuck
s.pdf)
3.20
企業名
Kraft
(商品名)
(Salad Dressings)
取組内容
デザイン変更により 19 パーセントの軽量化を実現し、年間 300 万ポンド以
上のプラスチックを削減した。
新しいデザインは、これまでのものよりも持ちやすく、キャップも簡単に開
けることができる工夫がされている。
取組効果
トラック1台に詰めるボトルの数も増加し、輸送効率は 18%向上した。
20th DuPont Packaging Awards
出典
2008 Award Winners
( http://www2.dupont.com/Packaging/en_US/news_events/20th_dupont_pac
kaging_awards_winners.html)
企業名
Marks & Spencer
(商品名)
(Swiss Chocolate Assortment)
取組内容
再生可能材料を使用した、堆肥化可能な菓子用包装材を導入した
取組効果
20th DuPont Packaging Awards
出典
2008 Award Winners
( http://www2.dupont.com/Packaging/en_US/news_events/20th_dupont_pac
kaging_awards_winners.html)
3.21
企業名
タイ味の素社
(商品名)
(コーヒー飲料「Birdy」
)
取組内容
コーヒー飲料缶における省資源化を実施した。缶の高さを 3mm、口径 5mm
縮小した。
取組効果
アルミニウムの重量を年間 200 トン、
スチールの重量を年間 250 トン削減した。
出典
味の素グループ環境報告書 2007
企業名
ブラジル 味の素インテルアメリカーナ社
(商品名)
(風味調味料「Caldo Sazon」
)
取組内容
商品の中身である粉末の品質を改定することにより、容器包装の重量も削減
した。粉立ちを抑えたことにより、袋の大きさを小さくすることが可能となり、
紙箱も小さくなった。
取組効果
紙の重量 28 トン(1 箱あたり 15%)、プラスチック重量 24 トン(1 袋あたり
23%)削減した。
出典
味の素グループ環境報告書 2007
3.22
3.4
諸外国における容器包装使用合理化の方向性
本報告書では、中国、イギリス、アイルランド、フランス、アメリカ(カリフォルニア州)
、韓
国について、レジ袋に関する政策の導入状況等を整理した。調査結果のまとめを以下に示す。
(1)導入の要因
レジ袋の規制を導入している、中国、アイルランド、アメリカ(サンフランシスコ市)のいず
れの国についても、規制導入の背景として、散乱ごみによる景観の破壊や野生生物への影響があ
げられている。一方、韓国ではレジ袋を含む使い捨て容器包装を規制対象としており、規制導入
の背景として埋立処分場の負荷軽減および資源の節約が示されている。このように、レジ袋のみ
を対象とした規制が導入されているケースにおいては、その導入理由として散乱ごみや野生生物
への悪影響の防止が主たるものとなっている。
(2)政策の実現プロセス
レジ袋の規制を導入している国における、規制導入のプロセスは各国によって様々である。中
国を除いては規制導入を前に小売業界の業界団体等から何らかの意見が示されたことが確認され
ている。例えば、アメリカ(サンフランシスコ市)においては、規制導入の検討に際して、小売
業界が反対の意見を示し、9 割削減の自主的取組を実施することとなったが、取組のコミットメ
ントが達成されなかったことから、より厳しい配布全面禁止の規制が導入された。一方で、イギ
リスにおいては協議の結果自主的取組を行うことが 2008 年末に決定している。
(3)政策の効果
取組の効果については、各国とも精緻な定量評価は実施していないが、大まかな把握を実施し
ている国が存在する。例えば、規制導入から比較的年数が経過しているアイルランドにおけるレ
ジ袋消費量は規制導入前の 2002 年における 15 億枚から、2006 年には 1 億 2000 万枚へと減少し
たとしている。アメリカ(サンフランシスコ市)においては、2006 年の 1 億枚から 2008 年には
半数程度が削減されたとしている。
3.23
表 3.4-1
国名
レ ジ 袋 規
制・協定の
有無
(手段)
1.中国
各国のレジ袋規制の内容および手法各国ごと規制の内容および背景
2.イギリス
○
(自主的取組)
内容
導入の背景
3.24
○
(直接規制)
制度・協定
施行前のレ
ジ袋使用量
制度施行後
のレジ袋使
用量
3.アイルランド
4.フランス
5.アメリカ
(サンフランシ
スコ市)
6.韓国
○
(課税)
×
(導入議論)
○
(直接規制)
○
(直接規制)
プラスチック製レ
ジ袋の無料配布禁
止
2006 年度比でレジ
袋の使用量を半減
させる自主的取決
を業界と政府が締
結
小売段階でプラス
チック製レジ袋に
課税
非生分解性のレジ
袋の課税又は禁止
について議論され
ているが、規制導入
の見通しは立って
いない。
プラスチック製レ
ジ袋の配布を禁止
使い捨て容器の使
用を規制
散乱ごみによる景
観および野生生物
への影響
散乱ごみによる景
観および野生生物
への影響
散乱ごみによる景
観および野生生物
への影響
バイオマスプラス
チックの消費増大
による国内農業の
振興
散乱ごみによる景
観および野生生物
への影響
埋立処分場の負荷
軽減および資源の
節約
130 億枚
(2006 年)
15 億枚
(2002 年)
20 億枚
(2007 年)
1 億枚
(2006 年)
―
100~110 億枚
(2008 年)
1億 2000 万枚
(2006 年)
30 億枚
(年不明)
―
―
約 50%削減
(2008 年)
―
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