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欧州のCSRの潮流

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欧州のCSRの潮流
日本LCA学会 環境情報研究会
欧州のCSRの潮流
サステイナビジョン株式会社
下田屋 毅
2012年6月6日
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
サステイナビジョンは、英国ロンドンに
拠点を置きグローバルな視点から日
本企業の欧州にある工場・事務所・
支店のCSRプログラム・カーボンマ
ネージメント・CSR環境関連調査業務
をサポートします。
Japan Foundation/Links Japan CSR Seminar Series
(後援:在英日本大使館、JETRO London、在英日本商工会議所、日欧起業家
フォーラム) にてのプレゼンテーションの模様。
(2011年7 月 19 日(火)国際交流基金ロンドン日本文化センター)
会社名
サステイナビジョン株式会社
(Company No. 7477687)
我々は、地球を将来の世代へと受
け継ぐために、持続可能な方法で
将来に渡って地球を持続可能にす
るというビジョンを強く持ち、顧客で
ある企業・組織とそのビジョンを共
有し、一緒に持続可能な社会を構
築していきます。
在英日本商工会議所会員企業
Website
http://www.sustainavisionltd.com
コンタクト
E-mail: [email protected]
サービス
CSR コンサルティング、各種セミナー、CSRリサーチ
英国IEMA認定サステナビリティ(CSR)プラクティショ
ナー資格講習
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本日の内容
1.
2.
世界のCSRのトレンド
欧州委員会 新CSR戦略
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1.世界のCSRのトレンド
世界各地域のCSRへのアプローチの違い
欧州のCSR
 北米のCSR
 中東のCSR
 中国・東南アジアのCSR
 日本のCSR

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CSR/サステナビリティの高まり
グローバルな問題と異なる視点
欧 州
大きな組織はGRIをベースにCSR
報告書を作成
CSR の統合、CSR関連法規制の
増加
中国 /東南アジア
限られたCSR報告、安全衛生、人
権、資格に焦点を当てている。サプ
ライチェーンのからのプレッシャーの
増加
米 国
主に大企業の間でCSR報告書の発行
数が増加しており、コーポレートガバナン
ス、エネルギー、廃棄物管理、カーボン
フットプリント、コスト削減に焦点を当て
ている。
南アメリカ
CSR報告の増加:フィランソ
ロピーのプログラムに焦点を当
て、環境面は意識が低い
中 東
CSR報告の増加:フィランソ
ロピーのプログラムに焦点を当
て、環境面は意識が低い
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欧州のCSRへのアプローチ










CSRの法制化を強調
大企業の重役のCSR/サステナビリティへの意識は高い
社会的側面と環境側面を強調
カーボンフットプリントと従業員の多様性に大きく焦点
大きな組織はGRI(Global Reporting Initiative)をベース
に報告を作成
発展途上国におけるサプライチェーンのプレッシャーの増加(特に
人権問題とカーボンフットプリント)
CSRがブランドイメージを上げるための手段として使われるというこ
とはほとんどない
顧客やその他ステークホルダーからの更なる期待
NGOからのプレッシャーが強く、企業とNGOとの連携が活発
コミュニティや従業員が健康で幸せでなければ、持続可能な発展
はないという考えが根底にある。
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北米のCSRへのアプローチ








(米国政府が)政策的にCSRに取り込んではいない
発展途上国における企業へのサプライチェーン基準の高まり。
企業の重役のCSR/サステナビリティへの意識は高くはない
エネルギー効率とコスト削減を強調
CSR報告書とカーボンフットプリントを強調
コミュニティエンゲージメントが主要な懸念材料
フィランソロピーの意識は高い
米国のCSRに対する考え方は、東部と中央部、そして西部と
に大きく2分割される。(カリフォルニアを代表するように西部
の方が法的拘束力が強く、イノベーションなどや環境に優しい
グリーンカンパニーが発生しやすい)
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日本のCSRへのアプローチ
主にコンプライアンス、フィランソロピー、環境に焦点
 1990年代後半~2000年代前半に ISO 14001の取得
に熱心。ISO14001の影響から、環境報告書の発行をす
る企業が増加
 企業の重役のCSR/サステナビリティへの意識は高くない
 企業のCSR報告書の発行は99%と世界第二位
 GRIの活用に熱心
 チェックリストをこなすだけのアプローチが多い
 NGOからのプレッシャーが低い
 社会的側面、従業員、コミュニティ、人権問題に対して関心
が低い。透明性も弱い。
 ステークホルダーエンゲージメントがあまり得意ではない

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2.欧州委員会 新CSR戦略

2011 年10月25日、欧州委員会はCSRの新しいコ
ミュニケーションを発表。

コミュニケーション:欧州委員会の正式な政策文書。
欧州議会及び閣僚理事会に向けて、今後執行する規
制措置や政策代行案を提案する重要な意味を持つ
雇用・社会問題・一体性総局と企業・産業総局との協
働責任
→ 企業競争力を考慮してCSRを推進していく

なぜ今新戦略を発表するのか?
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2.欧州委員会 新CSR戦略
なぜ、欧州委員会が新しいCSR戦略を発表したのか?
<背景>
 欧州評議会と欧州議会が欧州委員会に対してCSR政
策のさらなる改善を要求していた
 欧州委員会はSingle Market Act(単一市場実行
計画)の中で、2011年末までにCSRにおける新しいコ
ミュニケーションを採択すると発表していた
 経済危機とその社会的重大性から、消費者の自信喪
失につながり、さらに企業の信頼性を損なわせた
 対象期間 2011年~2014年
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(1) 欧州新CSR戦略の目的
欧州経済危機の中で、欧州委員会がCSRの推進に
よって、以下の3つの条件を整えること。
「持続可能な成長」
「責任ある企業行動」
「永続性のある雇用創出」
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(2) CSRにおける欧州政策の影響評価
2006年 欧州議会CSRに対する「欧州アライアンス」と呼ばれるビ
ジネス主導のイニシアティブをサポートする政策を発表
2006
2011
600
1,900
3,300
4,600
多国籍企業協定(労働基準)
79
140
ビジネス・ソーシャル・コンプライアンス・イニシアチブ
69
700
270
850
国連グローバル・コンパクト
EU EMAS(環境マネジメントシステム)
グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)
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(3) 欧州委員会の新しいCSRの定義
旧 “CSRとは、企業が、社会および環境への配慮
を自主的に事業活動及びステークホルダーとの関
係構築の中に組み入れること”
新
“企業の社会への影響に対する責任”
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(4) 欧州委員会の新しいCSRの定義
企
社会
環境
業
事業の
中核戦略に
統合
ステークホルダー
密接な
コラボレーション
倫 理
人 権
消費者の懸念
統合する過程(プロセス)を構築する
コンプライアンス(法令順守)と労働協約の尊重は前提条件
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(5) 欧州委員会の新しいCSRの定義
プラスの影響を大きくする
株主、広くはその他ステークホルダーと社会の間で
共通価値の創造を最大化すること
マイナスの影響を小さくする
企業の潜在的悪影響を特定、防止、軽減すること
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Creating Shared Value (CSV)
ハーバード大学マイケルEポーター教授
“戦略的CSRから
共通価値の創造(CSV)へ”.
“社会問題を企業の事業戦略と一体のものとして
扱い、企業のもつスキル・人脈・専門知識などを提
供しつつ、事業活動として利益を得ながら、社会問
題を解決し、企業と社会双方がその事業により共
通の価値を生み出すWin-Winのシチュエーションを
作るということ”
Source: Michael E. Porter and Mark R. Kramer (2011)
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(6) 国際的に認知されたCSRに関する
原則やガイドライン
下記の国際原則やガイドラインへの強い関与を企業に求めて
いる。
 OECD多国籍企業ガイドライン
 国連グローバルコンパクト
 ISO26000
 ILO多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣
言
 ビジネスと人権における国連原則(ラギーフレームワーク)
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(7) CSRの多面的特徴
原則とガイドラインによるとCSRは少なくとも下記をカバーする
 人権
 労働と雇用慣行
(教育、人種の多様性、男女平等、従業員の健康と福祉)

環境問題
(生物多様性、気候変動、資源の有効活用、LCA、公害防止)
贈収賄・汚職の防止
 地域社会との積極的な関わり・発展
 身体障害者の融合
 顧客の興味(プライバシーを含む)
 従業員のボランティア活動

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(9) アクション2011-14のアジェンダ
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
CSRの見える化の強化とグッドプラクティスの普及
ビジネスの信頼性レベルの改善と追跡
自主規制、共同規制のプロセス改善
CSRに対する市場報酬の拡大
企業の社会・環境の情報開示の改善
CSRの教育・訓練・研究への更なる統合
加盟国におけるCSR政策の重要性の強調
CSRに対する欧州と世界のCSRアプローチの調整
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① CSRの見える化の強化とグッドプラクティスの普及




グッドプラクティス(優れたCSRの
例)を普及する、
企業がよりCSRに対して戦略的
アプローチを展開できるようにする。
特に中小企業に対してCSRの質
の改善ができるようなサポートを実
施していく
CSRヨーロッパの「エンタープライズ
2020イニシアチブ」
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① CSRの見える化の強化とグッドプラクティスの普及
CSRヨーロッパの「エンタープライズ2020」は、欧州連合の成長戦
略「欧州2020」のスマートで持続可能な包括的な成長を達成す
るためのプロジェクトとして発足。
目的としては:
① イノベーションおよび交流のプラットフォーム提供による企業の持
続可能な競争力構築のサポート
② 持続可能な将来のための新たな協同の方法を模索するととも
に企業およびステークホルダーの密接な連携を強化する
③ 欧州連合の機関、団体およびさまざまな国際プレーヤーとの連
携によるヨーロッパのCSRによるグローバルリーダーシップの強化
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① CSRの見える化の強化とグッドプラクティスの普及
CSRヨーロッパ「エンタープライズ2020」は6つの優先順位の高いものをトピック
として取り上げている。
① サプライチェーンと人権(持続可能なサプライチェーン、ビジネスと人権)
② 健康と福祉(健康リテラシー:従業員の健康に関する知識の改善)
③ 高齢化と人口動向(「2012欧州活力ある高齢化年」に沿った、活力あ
る高齢化へのビジネスの貢献)
④ ESGに関する情報開示とレポート(非財務情報の評価:重要な価値
の推進力の特定、測定、管理)
⑤ 金銭(年金)に関する教育(欧州の若者・退職者への金銭能力)
⑥ ベース・オブ・ザ・ピラミッド(BOP(発展途上国でのビジネス)におけるス
マートで持続可能で包括的成長)
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① CSRの見える化の強化とグッドプラクティスの普及
【欧州委員会の予定】
 マルチステークホルダーCSR
プラットフォームを2013年
に創設する。
 CSRパートナーシップの為
に欧州賞スキームを2012
年以降開始する。
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② ビジネスの信頼性レベルの改善と追跡

企業が市民から信頼される為
の方策を提案
【欧州委員会の予定】
グリーンウォッシング等の誤解を招
く恐れのあるマーケティングに対す
る欧州指令(不公正な商慣行
に関する指令)発令による監視
の強化
市民・企業・その他ステークホル
ダーとの開かれた討論会の開催
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② ビジネスの信頼性レベルの改善と追跡
グリーン・ウォッシング:
「企業のサービスや商品が環境
配慮をしているように装いごまか
すこと」
例)サービス・商品は環境に配
慮したものでないのに緑や環境に
関わる画像と伴に販売し、環境
に配慮した、地球にやさしい、グ
リーンなどという表記をつけている
ようなもの。

法律を持った国
◦ 北欧諸国
◦ ベルギー
◦ ドイツ
◦ オーストリア

自主規制ガイドライン
◦ ノルウェー
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グリーンウォッシングの例
④ CSRの市場報酬の拡大
CSRの市場刺激策強
化のために次の3つをテ
コ入れ
CSR市場報酬
の拡大
消費
消費者に対してより持
続可能な選択を作り
出す手助けをする。
公共
調達
社会的・環境的懸念
を公共購買へより統合
させる
投資
政策
倫理的・責任投資基
準について、投資ファン
ドと財政協会の必要条
件を準備する。
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
④ CSRの市場報酬の拡大
<公共調達>
 2011年 社会的責任公共調達
(SPRR)ガイドを発行。
Buying Social
A Guide to taking account
of social considerations
in public procurement
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⑤ 企業の社会・環境の情報開示の改善




CSR報告書の発行企業は、大企業42,000社中、約
2,500社と全体の6%のみ
統合報告書(財務情報と非財務情報が統合された報告
書)は情報開示において中長期の観点から重要。
社会・環境関連情報(非財務情報)の透明性に関する
法律案を中小企業に配慮した形で提出予定。
市民社会団体と公共事業
機関を含む全ての組織が
社会・環境について情報
開示をすることを目標
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
⑥ CSRの教育・訓練・研究への更なる統合
•
•
•
CSR・持続可能な開発、市民の責任を高校・大学レベルの
関連するカリキュラムに統合することを教育機関に奨励する
欧州ビジネススクールに対して、国連原則にサインすることを
推奨する
CSRの更なる研究と革新の為に資金を拠出しCSR原則と
ガイドラインをサポートする。
【欧州連合の予定】
• 欧州連合の生涯学習・若者アクションプログラムにおいて
CSRの教育訓練プロジェクトの更なる財政サポートを実施し、
CSRの協業の重要性について教育の専門家と企業の認識
を高めるために2012年に行動を開始する。
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
⑧ CSRに対する欧州と世界的アプローチのより良い調整

欧州連合は、国際的に認められたCSR原則とガイドライ
ンのCSR政策への統合を確保しつつ、国際的CSR政策
の開発に欧州が目を向けるように働きかけるべきである。
1.国際的に
認められた
CSR原則とガ
イドラインに焦
点を当てる。
2.国連
ビジネスと 人
権に関する指
導原則の実行
3.世界のそ
の他の国々・
地域に関連す
るCSRに重点
を置く。
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⑧ CSRに対する欧州と世界的アプローチのより良い調整
国際的に認められた原則とガイドラインの尊重を促進し、
加盟国間での一貫性を生み出す。
【欧州委員会の予定】
1.国際的に  従業員1,000人を超える欧州のすべての大企業は
ISO26000を考慮し、コミットメントすること。そしてそれ
認められた
を欧州委員会が監視する。
CSR原則とガ
 2014年までに欧州のすべての大企業は
イドラインに焦
 国連グローバルコンパクト
点を当てる。
 OECD多国籍企業ガイドライン
 ISO26000
の少なくとも1つを考慮してCSR方針を作成すること
 多国籍企業も同じく「2014年までに「ILO多国籍企
業及び社会政策に関する原則の三者宣言」を尊重す
るとコミットメントすること
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⑧ CSRに対する欧州と世界的アプローチのより良い調整
2.国連
ビジネスと
人権に関す
る指導原則
の実行
「国連ビジネスと人権に関する指導原則」
ジョン・ラギー教授が2011年3月に公表。
ビジネスと人権に関する指針を関連のある
全ての主体に提示するための包括的な枠組み
①国家による人権保護の義務
②人権を尊重する企業の責任
③企業活動による人権侵害を受けた者への救済手段
の必要性
企業は組織内やサプライチェーン上での人権侵害の発
生を防止するための「人権デューデリジェンス」等が推奨さ
れている
ジョン・ラギー教授
(「ビジネスと人権」に関する国連事務総長特別代表)
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
⑧ CSRに対する欧州と世界的アプローチのより良い調整
2.国連ビ
ジネスと人
権に関す
る指導原
則の実行
ビジネスと人権に関する欧州政策の一貫性を改善するこ
とは重要な課題。
【欧州委員会の予定】
 「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、
2012年に企業とステークホルダーとが協働し、関連産業
セクター及び中小企業に対する「人権ガイダンス」を発展
させる
 2012年末までに「国連ビジネスと人権に関する指導原
則」の実行における欧州連合の優先項目の報告書を発
行し、その後も定期的に経過報告書を発行する。
 「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に定義された
「人権の尊重」をすべての欧州企業が企業責任として実
行することを期待する。
 欧州連合加盟国に2012年末までに「国連ビジネスと人
権に関する指導原則」の実行に対しての国内プランの推
進を勧める。
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
⑧ CSRに対する欧州と世界的アプローチのより良い調整
3.世界のそ
の他の国々・
地域に関連
するCSRに重
点を置く。
• 国際的に認められたCSR原則とガイドラインは、欧
州連合に加盟することを望む国によって受けいれら
れるべき価値観があり、加盟過程において重視し
続ける
• 欧州連合の開発ポリシーはCSRをサポートする必
要性を認識。
• BOPビジネスが開発の影響を最大化する手助けを
する。
• 民間部門との相乗作用を追及することは、欧州連
合の開発協力、自然・人的災害の対応において
重要な役割を担う。
【欧州委員会の予定】
発展途上国において、より包括的で持続可能な回復
と成長に向けた、将来の政策イニシアチブについて責
任ある企業活動を推進するための方法を見つけること。
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
アクション2011-14のアジェンダ
⑤ 企業の社会・環境の情報開示の改善
CSR報告書の国際的な状況
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CSR報告書の国際的な状況
• Future Global500 に基づくグローバル企業250社
(G250)及び世界34カ国を代表する3,400社、各国
100社(N100)を対象とされたもの。
• G250の95%がCSR活動に関する報告を実施。
(報告未実施5%の2/3は米国企業)
• 欧州企業の71%がCSR報告を実施、北米は69%、中東
及びアフリカで61%。アジア太平洋州では49%の実施率。
出典:KPMG CSR報告に関する国際調査2011
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CSR報告書の国際的な状況
• 国別のCSR報告水準の著しい向上あり。特に北欧諸国で著しい
変化。
国名
2008
2011
英国
91%
100%
日本
93%
99%
南アフリカ※
45%
95%
デンマーク※
24%
91%
ブラジル※
78%
88%
フィンランド
44%
85%
アメリカ
74%
84%
スウェーデン※
60%
72%
出典:KPMG CSR報告に関する国際調査2011
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
欧州と日本の位置付け
外見重視派
先頭集団
日本
出遅れ組
堅実派
出典:KPMG CSR報告に関する国際調査2011
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GRIについて


G250企業の80%、N100企業の69%がGRIによる報
告基準に沿った報告を実施している。
GRIが報告書作成の国際的な基準となっている。
出典:KPMG CSR報告に関する国際調査2011
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The CR Reporting Awards 2012
Best Report
 1st Coca-Cola Enterprises Inc
 2 nd Vodafone Group plc
 3 rd Marks & Spencer plc
 4 th General Electric Company
 5 th Novo Nordisk A/S
 6 th Co-operative Group Limited
 7 th Hewlett-Packard Company
 8 th Panasonic Corporation
 9 th Dell Inc
 10 th Hyundai Engineering & Construction Co
出典:CorporateRegister.com 2012 Global Winners &Reporting Trends
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統合報告書について
• G250 企業の27%、N100企業の20%の企業が、年次
財務報告書の中でなんらかの形のCSR報告を実施。
• G250 企業の18%、N100企業の11%は、年次財務
報告書の中にCSRについて取り扱った章を設けているが、
報告の質や定量的なデータが伴っていない。
• 年次財務報告書の中でCSR報告を行っているG250企
業62%は、CSRの章の中でCSR情報の要約を掲載。
出典:KPMG CSR報告に関する国際調査2011
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統合報告書について
• 財務情報と非財務情報(CSR情報)を単に一つの文書
で報告している報告書も数多く見受けられる。
→ 統合報告ではなく結合報告。
• CSRがビジネス戦略に完全に統合されるのであれば、CSR
は年次財務報告書においても不可欠な構成要素となる。
• 企業がCSR報告の統合を真剣に考えようとするのであれば、
CSR報告の為の情報システム、ガバナンス、内部統制、マ
ネジメントを現在の財務報告と同等の水準にまで高める必
要がある。
出典:KPMG CSR報告に関する国際調査2011
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The CR Reporting Awards 2012
Best Integrated Report
 1st Novo Nordisk A/S
 2 nd Hyundai Engineering & Construction Co
 3 rd Vancouver City Savings Credit Union
 4 th SolarWorld AG
 5 th Wildness Holdings Limited
 6 th Flughafen Munchen GmbH
 7 th Syngenta International AG
 8 th Korea Railroad Corporation
 9 th Deloitte LLP
 10 th Takeda Pharmaceutical
Company Limited
出典:CorporateRegister.com 2012 Global Winners &Reporting Trends
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The CR Reporting Awards 2012
出典:CorporateRegister.com 2012 Global Winners &Reporting Trends
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
The CR Reporting Awards 2012
出典:CorporateRegister.com 2012 Global Winners &Reporting Trends
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
統合報告書について
• 統合報告書先進事例
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
統合報告書の今後の動き
• 国際的な統合報告フレームワークの開発を継続する
 パイロットプログラムにより得られる経験の活用
 2012年末までに公開草案を発行。
• 統合報告に関連する測定と報告について、他社と協働す
る。
• 地域内、地域間の報告要求事項の調和を図る(規制と
当局その他の主体と協働)
• 地域ラウンドテーブルその他のエンゲージメント活動を実施。
• 統合報告のガバナンスについての公開コンサルテーションを
実施する。
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
欧州委員会 今後の動向
欧州委員会は、加盟国、企業、その他ステークホルダーと
協働しながら、定期的に経過を監視し、2014年の中ごろ
までに検討会議を共同で準備する。
 アジェンダの実施に関する報告書を発行する。
 金融部門などの欧州ビジネスリーダーに対し、2012年中
頃までに、開かれた責任のあるコミットメントをたてることを
求める。これにより、2015年と2020年という、はっきりとし
た目標年に向かって、公的な規制当局やステークホルダー
と緊密に連携しながら、責任ある企業行動への理解がさら
に多くの欧州企業から得られるように働きかけていく。

Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
御清聴ありがとうございました
サステイナビジョン株式会社
下田屋 毅
Website: http://www.sustainavisionltd.com
E-mail: [email protected]
Copyright © 2012 Sustainavision Ltd All rights reserved.
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