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第 1章 発音の基礎知識 ? ,舌
第 1章 発音 の基 礎 知 識 リハ ビリに入る前 に,健 常者 が行 つている構音 (発 音 )の 仕方を知 っておくことが必 要 です。この章は、そ の 中の必 要最小限の知識を書 いています 。 「ア」とか「力」といった「音」は,言 葉 の意 味を区別するための最小 の「音」となっていま す。これを言語音 と言 います が,言 語音は喉頭 にある声帯で直接作られているので はありません。 声帯が震えて出す「音」は,羽 音 のようなブー という音 だけです。これを喉 頭原音と言 います。 音 は空気 の振動 によるものです が,一 つの周波数 (1秒 間に振動する回数 ;単 位 はヘルツ)で 出来 てい る音を純音 と言 います。喉頭原音 には,主 として周波数 が100∼ 8000ヘ ルツの純音 が含 まれています。 第 1図 は頭頸部 の断面図です。肺 から出た空気 (呼 気)は 声帯を通 つ て,舌 と硬 口蓋 (上 顎 )と 軟 口蓋で囲まれた口腔 を通 つて,日 先から放 出されます。我 々はそれを音声として聞いています。 口腔 内で舌 の形 を色 々変 える と,喉 頭原音 は 口腔 内で反響 し,喉 頭 原音 に含 まれている特定 の周波数 の純音 が強調されて,他 の音 は減 衰 し ます。これを共鳴 と言 います 。舌 の形 がある形 になった時 ,共 鳴 し合 った 下 顎 結果生 じた音 の 中に「ア・イ。 オ」と聞こえる音 があります 。それが 日 ウ・工 。 本語 の母音です。 つ まり母音というのは,喉 頭原音 が共 鳴 したあと,日 先から出て来た音 のことです。その 中 に、どの周波 数 の純音 がどれ くらい含 まれているかということは,音 声分析すれ ばスペ クトル やスペ クトログラムの形で分 力ります。特 にフォルマントの出方 に特徴 があります。 では,舌 の形をどのようにすると,何 という母音 になるのでしょうか ? 第 2図 (MRI画 像 )に 母音と舌 の形状との関係 を示しました。 「ア」の音 は,日 を大きく開けて,舌 全 体を後方 (ノ ド側 )に 寄せて,前 舌 (舌 の前側 )を 下げて,奥 舌 (舌 の後部 )を 高く上げる(隆 起させ る)こ とで作られます。 「イ」の音 は,口 をわずかに開けて,舌 全体を前方 (唇 側 )に 寄せて,前 舌 と中舌を出来るだけ高く上げる ことで作られます。この場合舌根部と咽頭壁 の間が広 くなります。 「ウ」の音 は,口 をわずかに開けて,舌 全 体を中央 に保持した まま,中 舌 (舌 の 中央部 )を 出来るだけ高く上げ,唇 をややすば めることで作られます。 「工」の音 は,口 をやや開けて,舌 全 体を中央 に保持したまま 中舌を「イ」ほどではないがやや高く上げることで作 られます。 , 「オ 」の音 は,「 ア」ほどではないが 口をや や大きく開けて,舌 全体を後方 (ノ ド側 )に 寄 せ て,前 舌を下げて,奥 舌を「ア」より 高く上げ,唇 をややすばめることで作 られます。 舌癌患者 の場合 は,前 舌を切 除することが多いので,母 音 の 中では特 に「イ」の音 が歪 みます。 次 頁の第 3図 は英語 のん/の 発 音 の場合 の断面 図 です が , 舌 と硬 口蓋との間に非常に狭 い空間が作 られています。この狭 い空間で共 鳴 させることで「イ」の音 が作 られます。 日本語 の「イ」は,こ れほど狭くはないのです が,舌 癌患者 の場合 は,舌 の片側 が切 除されている(第 3 図に赤線 で表示 )の で,舌 と硬 口蓋との間を充分狭く出来ず ,呼 気 が横 に漏れて,「 イ」を発音 出来ないと いう問題 が発 生します。また舌を切 つたままでは、日腔内が広がり過ぎて、摂食 にも問題が出ます。 そこで通常は,切 除された部分 に腕・股 。 胸などから皮弁を移 植 して再建 舌を作ります 。しかし再建 舌 は,神 経 がない ので 自 硬 口蓋 分 自身は可動しません。手術前 の舌 のように柔軟 に形 状 を自由 に変形できません。そのため「イ」の音 が歪むのは避 けられませ ん。特 に舌亜全摘 のように前 舌 自体 がない場合 は,「 イ」を発音 することが困難となります。 このように,人 は 口腔 内で舌を色 々な形 に動かす ことによつて , 言葉を作っているのです。決して声帯で作 つているのではありま せん。 舌 の一 部を失 ったり,た とえ再建しても舌 の柔軟性や可動性 を失うので,音 声 が不明瞭 になります。 日腔 内で共鳴させる音 の音源 は,喉 頭原音 だけではありません。人は色 々な方法で,日 腔 内で「音」を 発 生させ ,そ れを共 鳴 させて,母 音以外 の種 々の言語音 を作 っています。それが子音と呼ばれる「音」で す。たとえば,「 パ 」という言語音 は,ロ ーマ字では paと 書かれます。これは/p/(「 プ」)と いう子音を発生さ 「パ 」を長く発 せ ,そ れとほぼ同時 に/a/(「 ア」)と いう母音を発 生させることで作 られることを表しています 。 「ア」という音 が残 ります。これは舌を「ア」の構 えにして構 音 している証拠 です。そこで子音 の後 に 音すると 付く母音を後続母音と呼んで,単 独 の (単 )母 音と区別することがあります。 では,/p/(短 い「プッ」という音 )と いう子音 は,ど のようにして作るのでしょうか ? 日本語 の子音を発生させる方法 (調 音法という)は ,6種 類あります。たとえば/p/(「 プ」)は , 日唇を閉 じて,声 帯 で声を出さず に,肺 から呼気を一 気 に吐き出す と,小 さな音 です が「プッ」という音 が聞こえる筈 です。これは 日唇 のところで呼気が乱流を起 こして,発 生した衝撃音です 。 このように口腔 内のどこかで呼気を一 時閉鎖し,そ の後 一気 に放 出することにより,衝 撃音を発 生させた 「ウ」という母音が残るので子 音を破裂音と呼んでいます。(日 本語 の「ぷ」は正しくは puで ,長 く発音すると 音 の/p/(「 プ」)と は違 います 。)閉 鎖音と呼ばれることもあります。 この他 に,主 な調音法としては摩擦と弾き (ハ ジキ)が あります 。 一 方 ,同 じ調音法 で音を発生させても,そ れを回腔内のどこで発 生させるかという違 いで,違 つた種類 の 言語音を作ることが出来ます。音源 の発 生場所を調音点 と言 います 。 前述 の/p/(「 プ」)は 口唇 のところで発生した破 裂音なので,両 唇破裂音 と呼ばれています 。歯茎 のとこ ろで,歯 茎と舌を軽く接触させて破裂音を作ると,夕 行 の/t/(「 トゥ」)と いう音を作ることが出来ます。これは 歯茎破裂音 と呼 ばれます 。軟 口蓋のところで,軟 口蓋 と舌を軽 く接触 させて破 裂音を作ると,力 行 の/k/ (「 ク」)と いう子音 (軟 口蓋破裂音 )を 発生させることが出来ます。 なお英文字 の両側 の//は ,そ れが音声を表す記号 (字 母 )で あることを示すものです。 調音法 と調音点を決 めれ ば,ど の子音 が発 生するかが決まります 。逆 に,ど の子音を発音するには,ど の調音法 で,ど の場所を調音点 にして構音すれ ば良いかが分 かります。 日本語で使われている子音 について,そ の作り方を次頁 の第 1表 にまとめました。 第 1表 (日 本語の子音 ) ■ 毒 点 議晏書 調 音 餞 鷹■■ 彙声青 口(′ tl t(夕 } 有声青 1) bく ′ d(ダ 〕 彙声奮 0(7) ●{サ } 有声青 破饉書 苗 罐 爾唇 =(ザ } =孤 口豊 3{シ ) L(ツ 〕 tJ〔 チ〕 有声書 dB(ズ 〕 d3{ジ ) 有声書 鼻青 有声書 半母音 有声青 目唇職 回豊 載 口壼 声門 k(力 ) =(ガ 奪(ヒ 〕 } h〔 ハ ) 3{ジ 〕 無声青 弾音 覆 ロニ r{り ) m{マ ) 腱〔 コリ 昴 (二 ) i(ヤ 〕 w{ワ ) (注 )① 子音は,国 際音声字母で表記してあります。英語 の発音記号には出て来ない文字 (赤 で表示 )も ありま す。すべての言語音の発音の仕方 は,こ の国際音声字母で表記出来ます。 ②国際音声字母の後ろに括弧で示した言語音は,そ の子音が使われる代表的な例です。 ③「有声音」と書かれている「音」は,子 音単独 の音源だけではなく,喉 頭原音も音源として使われている 「音」であることを示しています。 このよ うに言語音 は舌 の形状で決 まる 「音」 なので,舌 の手術 の影響 が大きいのです。 特 に前 舌を切 除すると,た とえ再建しても,母 音 の方/,ラ 行 の/r/,夕 行 の/t/,ナ 行 の/n/,ヤ 行 の/j/は 発音しづ らい音 になります。発音された言語音が歪み ,不 明瞭な音韻 になります。 健 常時代 に無 意識 に覚えた構 音 の仕方 (舌 の動 かし方 )の ままで発音 したので は,歪 んだ言語音しか 得 られません。そこで,そ れを若干修正して出来るだけ歪みのない言語音 に近 づ けるという訓練をする必 要 があります。それが リハ ビ リ (構 音機能回復 )の 目的です。自分 の歪んだ発 音を耳で聞いて,術 後 の 舌 の状態 にマッチした構 音 の仕方を覚 え直す ことにあります。 自分が「発音しにくい」と思う言語音は,多 くの場合不明瞭な音 になっています。ですから,リ ハ ビリの前 に自分 の苦手な言語音をしっかりと自覚 して,そ の矯 正 に集 中することが必 要 です。 第 2章 訪1練 の仕 方 1.こ のカリキュラムでは、多くの舌切除患者 が構音 (発 音 )に 苦労すると思われる言語 音を難 しい順 に取 り上 げて、訓練するように各 節を並 べ てあります 。(や さしい音 は省略 しました。) 2.練 習す る音を出来るだけ正確 にかつ 早くマスター 出来るように、このカリキュラムではイメージ ロトレー ニングの考 え方を採用 します。やり方は次 のようにします 。 (1)ま ず 自分が健常人に成 りきつて、練習する音を頭の中でイメージして,日 を閉じて,声 を出さず に、 舌 のみ動かして,頭 の 中でその言語音を明瞭 に発音 します。 (2)そ の声を忘れないうちに、その声 に倣 つて実 際 に声を出して読みます。 (3)実 際 の声 が頭 の 中で発音したものと違 っていたら、直ちに頭 の 中で発音したものに近 い音 になる まで何度でも反復 します。即ち,自 分 の舌 の状態 にマッチする構音 の仕方を探します。 健 常者 が行う各言語音 の正しい構音 の仕 方を図示してあるので,そ れを参考 にしてください。 (4)満 足 の行 く発音 が 出来たら、それと同じ発音を連続 (5回 程度 )し て出来るようになるまで、繰 り返 し練習 します。どうしても満足する音 にならないときは,最 良のものを「善 し」とします 。 3.単 語や例文 では,必 ず 自分の声に意識を向けて,発 音 の明瞭性を自分 でチェックしてください。訓練 のために,極 力発音しづ らい語を選んであります。 以下では,上 記 のやり方を「イメージ・トレーニング法 に沿つて、訓練す る」と略記 してあります。 母音 イ 【i】 1.五 十音表の「イ」の列 (「 イ列音」)の 構音訓練 ★ 母音「イ」のイメージ ロをわず かに開けて,舌 全体を前方 (唇 側 )に 寄せて,前 舌 と中舌を出来 るだけ高く隆起させることで作 られます。この場合 ,舌 根部 と咽頭壁 の間が 広くなります。 P.2の 第 3図 の右側 の図を見 てください。舌 は平板ではなく,自 然 に中央 が凹んだ形 になります 。(右 図では分 からない。)と ころが前舌を手術 して 再建 した舌は,こ のような形 にならないので,「 イ」の音 が歪みます。 ★ 訓練 回 五十音表 の「イ」の列 の音 は,特 に「イ列音」と 呼ばれ ています。下記 の「イ列音」を「イ」のイメー ギ ジを持って,イ メージ・トレーニング法に沿って訓 ジ 練してください。子音 のイメージは,こ の段階では り み じかい もみ じ ぎようじ ビ ビニール びちく び じん ビキニ いび シ チ ニ ヒ ミ リ ギ じしん 総括 に沿つて訓練してください。 きい ろ きかい きもち いき いっぴん つみき ・ ーニン ージ レ メ グ法に沿 を1文ずつ、 イ ト □ 次の文 につき せ きゆ たきび ひきだし シ しいた け した じき しりとり って副1勝 してください。 しる し お しいれ みそしる ミシン もや し チ 二 ヒ ちしき ちかい ちきゅう まいにち み かわいい いもうとは いま いっさいです ち い りぐち じちたい いちご もういちど かいがい にんき にばし にぎ りず し にしび つ りょこうに いつてみた い みに ざりがに いにしえ ひきにく あの いえには いつも いいにおいの はなが ひいき ひか り ひたい む じひ さいている み りん みぎ みちひき みつ り いいことが いつぱい あると いい イ ちちの いけには あ力ヽ` こいや くろい こいが ひ かけひき しおひが り じひびき ミ い墜 え い主 る い 1/ず え い上 ばん い にしえ いいひ と いみあ りげ い り え いぎもうしたて いじわる いびる や さい ちゅうい あい さつ びょういん キ じちたい にじむ ひ じ ピリオ ド ぴちやぴちゃ ピザ ージ ・ レ ーニング法 ト □ 次の単語を1語 ずつ,イ メ い し いか り い じわる たい じだい き しびれ はやびけ たきび えび ピ ぴいぴい きんぴか ピチ ピチ ぴ りから ジ (デ ) ビ ピ イ ぎ しき せい ぎ りちぎ にぎる ひぎしゃ きぎれ 持たないで構いません。 イ キ ぎ じしん こ う ぎかい ミニ いみ ひ いっぱい およいでいる しみる さしみ ひとみ りくち イギリス と イタリアに いちど いつてみたい りりく いちみ り み どり い り と いつも おもつています ぬしは いませんか まいごの イヌの 力ヽ` え きり よりみち ひとりごと 4 鹸 この きずぐすりは よく ききます ひヽ き すみきつた あきの くうきは きれいだ たたみの へやは みるみるうちに すみずみま きりぎりすが きれいな こえで なきました で みがきあげられた おなかが きりきりと いたくなり きりきりま 隕 ちりん ちりんと ふうりんが なります い した ふみきりでは みぎ ひだり みて わたります つきつきりの かんび ょうで きせきてきに た りつぱな りきしが おおどおりを とお りまし すかつた た ヘ リコプター リリく ちゃくりく とりのよう 嶽 ことしの なしは あまくて おいしい さむさが ひしひしと みに 陽 ます しんぱいしないで あんしんして ください たしか おととしの ししまいは おもしろかつ た ほしいほしいと おもつていた まっしろい し ろくまの ぬいぐるみ 蝙 いちばべ いく ちかみち です 麒 ゆうぎ力ヽヽこ ぎりぎり まにあった むこうぎしに ふしぎな かぎが おちていた きりぎりすは たまねぎも ねぎも きらいです おにぎりと むぎちゃを もつて でかけま しょ う ペンギンが ぎょうぎよく ならんで おじぎを している しちごさんの ちとせあめを もちかえつた 漑 じどうしや じこの げんばは いきじごく だった いちじから いちばの まえで もちつきを じいやは きの うも しちじで みせ じまいを します した しちじに まちあわせて あさいちに い くこと い じわるな お じさんが よ うじを たくさん にした いいつけた ちいさな ほしが ちかちか またたく % つの けいこ ま にんじゅ にんじゃの につ力 ヽ いちにち にぎわう にちようび に力ヽ` に にもつを とりに いく あには ましヽこち ランニングを している おにぎり じゅうにこ にぎつて にいさんに R もたせた ひり いたみます きり きずが ひり じだいに さからった じぎょうは じりひんを むかえた このじぎょうは じきに だいじぎょうまで は ってん します 颯 ちびの かれは どうさが きびん びりの やつは びしびし しごけ ごほ うびに もらった しょうきんは びちくに ひがたで ひとでを ひとつ ひろつた まわす ひとえだの ひいらぎを ひらきどに さす しました ゆうびんやさんが よびりんを ならすと とび らが あいた ビキニの びじんが はまべに ビニール シー ちょうちょが はねを ひろげて ひらひらと トを しいた ひろい ひろい ひろばで ひなたばっこを とんでいきます みへの みち なみきみち 屁 みずう あかみそ しろみそ みそやの みせさき やつれはて みに こそ しみる うみの みち ぴり からい 骰 この ピラフは ぴり さかなが いっぴき びちぴち はねて いた きんぴかで ぴかぴか い ヽ る ネクタイピン 2.ヤ 行 と拗音 (キ ャ行など)の 構音訓練 ヤ行 の「ヤ・ユ・ヨ」と、拗音 の小さいヤ行「ャ0ュ・ョ」は,舌 切 除者 には ヤ (イ )ユ (イ ェ)ヨ の子音 【j】 大変構 音 しにくい音 です。 キャ行 。 リャ行などの拗音 の場合 ,そ の子音部 を発 音す るときは,中 舌を「イ」以 上 に硬 口蓋 に近 づ けた構えで子 音を構音する必要 がありま す。たとえば「キャ」の子音 は,中 舌を「キ」の子音 /k/よ りも硬 口蓋 側 に く― 近 づ け,し かも高く隆起させ て構音します。このような子音を硬 口蓋化 子音と呼び ,国 際音声字母では/「/と 表記 されます。このような硬 口蓋 化子音 は,元 の子音よりももつと構音 が難 しくなります。 ★ 半母音 ん/(「 ヤ」の子 音 )の イメージ 声帯から声を出しながら,中 舌を「イ」以上に隆起させて 呼気が硬 口蓋壁 にこすれる音 がするくらい 「ユ」 「ヨ」と発音 してください。実際には「ヤ」 にまで,中 舌を硬 口蓋に近 づ けた構えの状態から,「 ヤ」 「イ」 「イ」 「イ」 ⇒「ア」,「 ユ」なら ⇒「ウ」,「 ヨ」なら なら ⇒「オ」といつた形に(無 意識 に)舌 が一気に変化 し ます。この時の「音」の変化が半母音/j/の 音 として知覚され,ヤ 行や拗音が認識されます。 ☆ 訓1練 回 下記 の音を上記 の半母音/1/の イメージを持っ て,イ メージ 。 トレーニング法に沿つて訓練してくださ ょう きょうりょく きょくち ません。 ヨ キャ キュ キ ョ シャ ンユ ショ チャ チュ チ ョ ニャ ニュ ー ヨ しやがむ シュ しゅみ しゅうじ しゅくだい しゃ しん いしゃ ばしや お しゃれ お しゃべ り い。子音 のイメージは,こ の段階では持たないで構い ヤ ユ シヤ シャツ ししゅう か じつ しゅ ていしゅつ ショ しょうじ しょうゆ しょるい じしょ ヒヤ ヒュ ヒョ ミャ ミュ ミョ リヤ めいしょ や しょく ゆうしょく リュ リョ ピャ ピュ ピョ ビャ ビュ チャ チャイム ちゃいろ にほんちゃ ビョ ギャ ギュ ギ ョ ジャ ジュ むぎちゃ ピッチャー いっちゃく ジョ (デ ャ デュ デ ョ) チュ ちゅうい ちゅうしゃ シチュー ちちゅう ・ ージ レ ーニング法に メ イ ト □ 次の単語を1語 ずつ、 ふちゅうい ひや しちゅうか チ ョ ちょきん チ ョッキ ちょうれい いちょう 沿つて訓練してください。 ヤ や り や さい やきゅう タィャ えきちょう きちょうひん ニヤ コニヤック ぐにゃぐにゃ はんにゃ にくや ゆみや はやい めやに ゆうやけ ユ ゆうひ ゆびわ ゆうびん にえゆ つゆい り からつゆ やまゆり こんにゃく ふにゃふにゃ りゆう _ュ はんにゅっ ニュー ヨーク ニュース にゅういん きにゅう マニュアル ヨ よてい よ うせい よりみち めいよ びよ う たいせいよう たちよみ ニ ョ にょうぼ う てんにょ けんにょう ぜんなんぜんに ょ とうにょうびょう キャ きゃしゃ きゃくしつ きゃくりょく ひき ゃく ばいきゃく たいきゃく ヒャ ひゃく ひゃくにちぜき にひゃく おひゃくしょうさん きゅうひゃく キュ きゅうゆ きゅうりょう ききゅう ちきゅ ヒユ ヒューズ う えいきゅうし ちきゅうぎ キョ きょひ きょり きょうぎ きょうみ きき ヒュッテ ヒョ ひ ょうじゅん ひ ょうきん ひょうし 6 な ほうこくしょを ■■じょうしに じゅうよう どひょう かい1ひ ょう た]い1)ょ う 国圏 りゃくだつ りゃくじ りゃくしき じゅり してもらう そりゃく がい りゃく せい りゃく 口目 じょうしきある じょうきゃくは としより に せきを ゆずる ものだ ││:り ゅうぎ りゅういき きりゅう ぎやくりゅう びりゅうし ボリューム する 日llざんぎゃくな ギャングを ぎゃくしゅう 日目にゅうぎゅうから ぎゅうにゅうを しばる ひ りょうり りょうしん ちりょう ■■ りょ ゆうりょう きりょく さぎょうを しています ■Eみ ゃく みやくどう すいみゃく せきを のばして せかし こ 、 目目 ぎょう みゃくらく ふせいみゃく ほこれる いぎょうを なしとげた ■■ミュージカル ミュージック 圏目きゃしゃな からだでも きゃくりょくは コミュニケーション シミュレーター つ よい 目目みょうぎ みょうじ みょうにち 口目 きゅうしゅうと とうきょうを むすぶ きみょう じゅみょう だいみょう とつきゆう れっしゃです 目圏びゃくや さんびゃく かいびゃく 圏目きょだいな きょうりゅうについて きょうかしょで べんきょうします びやつこたい なんびゃくにん 日■デビュー ビュッフェ ごびゅっ 目鷹 こんにゃくは あした にゅうかする び ゅうび ゅう ビューティーサロン よていです 量轟びょうき びょうし びょうとう ぎゅうも くじらも ほにゅうるいです 目目にゅう 日置にょろり にょろにょろ へびが いく ぶ を えら 目■ひゃく1動 なかかられつ崚う ヒ 圏鳳 ュッテのそとは かぜが ひゅ―ひゅ― 題順壼 たいびょう さんびょうし きゅうびょう ろっぴゃく はっぴゃくえん コンピュータ ピューマ ぴょこぴょこ ピョンヤン はっぴょう ふいてい る 順闘おおきな ひょうたんが できて しんぴ ょうせい 国鷹ギャグ ぎゃら ざんぎゃく あんぎゃ ひょうしょうじょうを もらった 麗回 しんりゃくしゃは まちを おそって ぎやくりゅう ギャップ 口■ぎゅうしゃ ぎゅうひ ぎゅうにゅう りゃくだつの かぎりを つ くした 圏日その りゅうがくせいは ゅうしゅう にくぎゅう すいぎゅう 麗 ぎょうじ ぎょらい ぎょにく だった 目目 りょうめの しりょくは りょうこうです 圏Eど うみゃくが みやくうっている 日目 きみょうな いでたちの ミュージシャンが ちぎょ きんぎょ らいぎょ りんぎょう スト じ ゃぐち じ ゃり 目■ジャーナリ にんじゃ む じゃき たまじゃり 圏凰 じゅうい じゅうじか じゅうみん きた 目鷹そのみょうじが みょうに きになる がいろじゅ たいじゅう しゅじゅつ ■目ちゃみせで ちゃがしと おもちゃを ちゅ 目■ じょし じょうぎ じょきょ きゅうじょ じゅんじょ にゅうじょう うもん した ージ ・ト レーニング法に沿 目■ ちゅうしゃちゅうの くるまにも ちゅうい イメ 回 次の文を1文ずつ、 して あるきましょう 目 きいろい ちょうちょと しろい ちょうち よが ちょうど とんできた って司I勝 してください。 ■目 じやぐちから みずが じゃあじゃあ ながれている 7 ‐ はじきおん 3.ラ 行 (弾 音 /r/)の 構音訓練 ラリル レロの子音 【r】 ラ行 の子音「ル 」は弾 音 /r/で す。これは,舌 先が硬 口蓋を r】 の舌の構え 【 (上 顎面) たたいたときの破裂音 と,舌 先 が大 きく動 いたときの音 の変 化 が子 音「ル 」として知 覚されるものなので ,構 音 しにくい音 です。 ★ 弾音 /r/(ラ 行の子音「ル 」)の イメージ ラ行 の子音 /r/を 構音するには,声 帯から声を出しながら , 舌先 をやや す ぼめて,参 考 図 が示 すように,呼 気を前舌 の両側 から漏 らしながら,舌 先で歯茎を一度弾くようにたたいて (接 触させて)か ら戻 します。 従 って,喉 頭原音以外 に短い破裂音を発 生させる事と,舌 先を大きく動 かす ことによつて音 の変化 を 生じさせる事 が弾音 /r/の ポイントです。 英語 の/1/(エ ル )は ,舌 先が歯茎 に保持されたままです。また/r/(ア ール )は ,舌 先 が硬 口蓋上をなめ るように接触 させることで作る音 です。その点で 日本語 の「ル 」とは異なります 。それで子 音「ル 」は/r/と いう国際音声字母 で表します。 ★ 訓練 /r/の イメージを持ちて ・トレ 上記の弾音ノ ,イ メージ ・ト ージ レ ーニング法に沿 メ イ □ 次の文を1文ずつ、 ーニング法に沿って訓練してください。 ラ リ ル レ ロ 次の単語を1語 ず つ、イメージ・トレーニング法に 沿つて訓綜してください。 つて訓練してください。 ラ あられが ぱらばら かわらを うった り ライ ト ラジオ ライオン いたずら りくち りゆう いか り おどり ひまわり むりな りくつは とおりません かみなり ひだりて よりみち りんごの かたちの ふ うりんが かぜに ルーキー るしせ ん ひる ビ=ル あ0ヽ る れきし れんじゅう れいとう すみれ さみだれ だしし,Ъ ぎょうれつ ろうじん ろくろ ろうざいく 力ヽヽ ろ レヽ しころ よろい きろく いろがみ Sに ぶつかり すりきずを きこりは きりお つくりました ぬりえや おりがみは おわりにして かえろう すべりだい すべりそこねて しりもち ついた てのひら たいら ドライブ みらい おりづる いるか ミルク らくだに のったら らくだった て りんりん なった 渤 オし ル みそしるに まるい なるとを いれてみた るすばん する よる こわい よる レ 口 かれんな れんげ はるの おとずれ 絲 `とうの こまぎれにくを レンジに いれる ろじで ころんで ろっこつ うった かぞく そろつて ろてんぶろに はいろう 4.夕 行とダ行 (歯 茎破裂音/t/,/d/)の 構音訓練 夕行とダ行 は舌先を歯茎 に当てて構音する音です。 このため舌先を手術した人には発 音 しにくい音 です。舌亜 t】 の舌の構え 【 (上 顎面) 全摘 出により舌先 の再建部分すらない人 は,次 頁 の代償 法を利用してください。 ・ 1-― ☆ 歯茎破裂音/t/,/d/(夕 行 ロ 「ドゥ」) ダ行の子音「トゥ」 のイメージ タ行 の子音 /t/を 構音するには , ① 参考図が示すように,舌 先を上顎 の歯茎 の内側 にベ ッタリくっつ けた状態 にして , 呼気が漏れないようにします ② その後 ,口 腔 内の内圧を上げて,舌 先を歯茎から離 して,呼 気を一気 に開放 します ⇒ (無 声 )歯 茎破 裂音 となる ダ行 の子音/d/を 構音するには,声 帯から声を出しながら,上 記 の①② の動作を行 えば良いのです。 ⇒ 有声音となる ★ 歯茎硬 口蓋破擦音/tS/,/d3/(「 チ」口 「ジ」の子音)の イメ―ジ 「ジ (ヂ )」 は破擦音 と呼ばれ タ行とダ行 のうち,「 チ」と , 並 裂音 と摩盗 音 の複合音です。 「チ」の子音/t'/は ,/t/の 破裂 の後 に,歯 茎と硬 口 L参 考図 │ 【S】 の舌の構え 蓋の中間で呼気が硬 口蓋壁とこすれる音 (摩 擦音/S/) を発生させることで作られます。 摩擦音/S/は ,参 考図 のピンクの部分で硬 口蓋と舌が接するような状態で呼 「チ」 気を流出させて作ります。 を意図的に長く発音しよ うとすると,摩 擦音/S/(空 気がこすれる音)を 聞き取るこ とが 出来ます。 「ジ」の子音/d3/は ,「 チ」の子音 /tS/を 声帯 で声を出しながら構音すると得 られます 。 「ジ (ヂ )」 は無 声音「チ」の有声音 です。日本語 では「ジ」と 「ヂ」は同じ発音です。 ★ 歯茎破擦音 /ts/,/dz/(「 ツ」と 「ズ 」の子音 )の イメージ 「ツ」の子音 /ts/は /t/の 破裂 の後 に,歯 茎 のところで摩擦 音 /s/を 発 (ツ ア )(ツ ィ )ツ (ツ ェ )(ッ ォ )の 子音 生させると,得 られます。摩擦音 /s/は「サ」の子音「ス」です。つ まり,「 ツ」 は「トゥ」/t/と「ス」/s/の 複合音 です。 「ズ (ヅ )」 の子音/dz/は ,声 帯から声を出しながら,「 ツ」の子音 /ts/と 同じように構 音すれば得 られます。 「ズ」は後続母音 が「ウ」です。 なお ,「 ツ」と 「ジ」は後続母音 が「イ」です。 「イ列音」の一つです 6従 っ 一 方「チ 」と 「ジ」は発 音 しにくい音 です。 て,舌 切 除者 には,「 チ」と 舌先 のない人は、次 の代償法を訓練すると良いでしょう。 9 く_ ★ 歯茎破裂音 口 歯茎破擦音 口 歯茎硬 口蓋破擦音の代償音 (代 償法 ) これらの音 は歯茎または歯茎硬 口蓋 に舌先をベ タリと接触 させて 歯菫破製音・歯菫破擦書・ 歯豊硬口査破擦青 , 呼気 の流れを一旦 閉鎖 し,そ の後 で呼気を一気 に開放して,破 裂 を 作る音 です。しかし再建 舌 の有無 によらず ,舌 先を失 った人 には,原 理的にこれらの音を構音することは困難 です。そこで,本 来 の音韻 で はない けれど,そ れ に近 い音 を出す代償法 があります。 以下に記述します。右 の参考図を参考 にしてください。 ① まず下顎を後ろに引いて、上顎 の前歯 (F号 歯 )と 下顎 の前歯 の 間 の間隔を広 げるようにします ② 下唇をややそり気味にして,上 顎 の前歯 (F日 歯 )の 裏側 と下唇 の内側が軽く接触するようにします ③ その状態 で,呼 気を閉鎖 し,次 に呼気を一 気 に流 出させれば,歯 茎破 裂音 (/t/)が 得 られます 歯茎破擦音 /ts/を 得 るには,破 裂 で生じた呼気を強く噴 出して,上 顎 の前歯 (F号 歯 )と 下唇 の間で空 気 のこすれる音 (摩 擦音 )を 同時に発 生させれば 良いのです。 この応用動作により歯茎破裂音・歯茎破擦音・歯 茎硬 口蓋破擦音 の代償音が得られます。 しかしこの方法 の調音点 は,前 歯 と下唇 の接点 にあるので,歯 茎 音 /t/(/d/)と 両唇音/p/(/b/)の 中 間の音韻 となります。その点は承知しておく必 要 があります。 口Ш ☆ 訓1練 上 記 の歯茎破裂音 /t/,/d/の イメー ジを持 っ だいず クイズ みずたま いたずら て,イ メージ・トレー ニング法 に沿 って訓練 し デ でぐち でさき でい りぐち ひとで みぎうで ひでり なでしこ いでたち て ください。前舌 のない人は,代 償法を真似 ド どだい どようび ひきど たい ど て発音 してください。 国圏 タ チ デ ド ツ テ ト ダ ジ (ヂ )ズ (ヅ ) てつ どう みどり いきどまり ゆきどけ ・ト レーニング法 イメージ 回 次の文を1文 ずつ、 次 の単語 を1語 ず つ 、イメージ・トレー ニング 法 に沿って訓練 してください。 チ ア ダ たかい たきび ただいま かるた 夕 こたつに はいつたら あたたかく なった まないた あした つめたい ひたい チ みちに ちらばった おちばを ちりとりで ちかい ちしき ちかてつ ちい さい とる みつばち いのち いちご いちにち いちじから いちばの まえで もちつきを つ り つづき つめきり つなひき ひみつ キャベ ツ こづつみ くつひ も します にちようびに ようちえんの てき てちょう てのひら ききて あそんだ みぎて りょうて きてき とこや とじま り とけい こびと ズ していせき ツ なつみかんを みつつ つつんで あ しが つ めたいので しだ だいず だいみ ょう いかだ を はいた じだい か しだし ゆきだるま テ じじょ しゃもじ 卜 お ととい もみ じ み じかい じゅうじか きじ ダ じゅず あつでの くつ した ともだちの いえに とまった だいこんと えだまめの サラダは からだに よい 10 ください ていねいに けがの てあてを してもらう じしゃく じびか ずるい ずきずき ずぶ とい ともだちと つつ じと さつきは ごがつに さきます みなと ひとり ちりとり にわとり いわはだ ジ に沿って司│1練 してください。 い ア じぶんの じてんしゃ だいじに つか う ジ じきに てじなが はじまります いそいで いえを でて デパー トに でかけました うずまきや みずたまの ずがらの どようびに じどうしゃで どうぶつえんに いった お りがみです ズボンが ずぶぬれ はずかしい 5.ナ 行 (歯 茎 鼻音/n/と 歯茎硬 口蓋鼻音/コ /)の 構音訓練 ナ行 の子音 には,歯 茎 鼻音/n/と 歯茎硬 口蓋 鼻音 /p/が あります が,/t/ と同じように舌先を歯茎 にベ ッタリと当てて構 音する必 要 があるので,舌 先を 失 った人 には発音 しにくい音 です。 ★ 歯茎鼻音 /n/(「 二」以外のナ行の子音 )の イメージと代償法 声帯から声を出しながら, /t/と 同じように呼気を歯茎で閉鎖 して,一 気に開 放することで破裂音を発生させ ,そ の破裂音を呼気 と一緒 に鼻腔 に通して,鼻 腔内で共鳴させて鼻から声を出します。 実際の感覚は,「 トゥ」/t/を 発音するつもり(意 識 )で 口を開きながら,声 を鼻 に通す という感 じです。声が鼻 に抜けるのは,軟 口蓋が開くからです。鼻音以外 の音では,発 音するとき軟 口蓋は閉まっています。 ただ,舌 先を失った人は,歯 茎での閉鎖 が出来ないので,前 歯を下唇の内側 に当てて,呼 気を鼻 に通す 代償法 (前 頁参照)を 使えば,それらしい音が得られます。しかしマ行に近い音 になるのは避けられません。 ★ 歯茎硬 口蓋鼻音/J/(「 二」の子音 )の イメージと代償法 これは,舌 先 よりやや後方 の前舌後部を歯茎と硬 口蓋の 中間に接 しさせ る という点で/n/と 異なります が,そ の他 は/n/と 同じ要領 で発音します。拗音 の 「ニャ・ニュ・ニョ」 も同じです。 _ 「二」は「イ列音」の一つです から,舌 切 除者 には発 音 しにくい音 です。子 音 が同じなので,拗 音 の「ニャ・ニュ0ニ ョ」 も発音しにくい音 です。 なお/n/と 同じ代償法 (前 頁参照)が 使 えます。但 し「ミ」に近 い音 になります。 ☆ 口Ш 訓練 上記の鼻葛旬 /と /■ /の イメージわ て,イ メー ぬれぎぬ たぬき きぬい と けぬき ジ・トレーニング法に沿つて訓練してください。前 ナ 園日 ねずみ ねらい ねじまわし ひるね 舌のない人は,代 償法をイメージして発音してく なきまね たねまき はりねずみ ださい。 ニ ヌ ネ ノ のぞみ のぎく のこぎり の り きもの (ニ ャ ニュ ニ ョ) ひので みのむ し こどものひ 次の単語を1語 ずつ、イメージ・トレーニング法に 次の文を1文 ずつ 、イメージ・トレーニング法に沿 沿つてヨI断してください。 って副1勝してください。 ナ ニ ナ ネ ながい ななめ なみだ てじな バナナ ひらがな いない かみなり とだなの なかの もなかが なくなる おべんとうに にんじんと にまめが はいつています めやに ひにち とりにく ぎゅうにく にかいで にくまんを いっしょに たべた ヌ ネ におい につき にわとり つみに につき にぎりず し にちようび やまぐに ノ しょうにか ゆびにんぎょう ぬ りえ ぬいばり ぬかみそ こいぬ 11 てぬいで ぬい ぐるみを ぬいあげる とめがねの ねじを ねじまわしで しめる このみの のみものを ちゃのまで のんだ 6.「 キ」 と 「ギ」(軟 口蓋破裂音/k/と /g/)の 構音訓練 カキクケコの子青 【kl 「キ」 も「ギ」 も「イ列音」です から,舌 切 除者 には発音 しにくい音 です。さ らに舌亜全摘 出者 のように舌根 の一 部を切 除された人 には,力 行 の子音 「ク」(/k/)と ガ行 の子音「グ」(/g/)が 発音しにくくなりま す。 ★ 軟 口蓋破 裂音 /k/と /g/の イメージ カ行 の子音「ク」(/k/)は ,奥 舌を後方に引いて,軟 口蓋と接触させ ,そ こ で呼気を閉鎖します。そのあと一気 に開放することで得 られる破裂音です。 ガ行 の子音「グ」(/g/)は ,声 帯から声を出しながら,/k/を 発音すれ ば得ら れます。注意したいのは,軟 口蓋と言うのは,そ の端部は円弧 (弓 状)を 描いていることです。右図 (参 考図)で 「口蓋垂」というのは,い わゆるノドチンコですが,日 腔内を覗くと,そ れと繋 がる膜が見えます。 それが「口蓋舌弓」で,こ れが軟 口蓋の先端部となります。 奥舌が軟 口蓋と完全に接触するときは,奥 舌もタイコ状 になって 接触′ 員は弓状になります。 ところが舌亜全摘出のように奥舌や舌根を切除した人は,奥 舌 , や舌根 の片側が切られているので,軟 口蓋との完全な密閉が出 来ません。つまり,完 全な (軟 口蓋)破 裂音になりません。 手術 の関係 で 口蓋 舌筋や 口蓋 帆挙筋などに障害が生じた場 口唇 歯肉 合も軟 口蓋が歪む ので,充 分な破裂音を作れません。同じ理 由 から,術 後 の頭頸部 の腫れが著しい間は,明 瞭な力行・ガ行を発 (ハ グキ ) ロ 歯列 口蓋咽頭 弓 口蓋舌 音出来ないことがあります。このような場合 ,舌 根 と口 因頭壁 との接 口蓋痛桃 (ヘ ントウセン) 歯後隙 触で,い わゆる咽頭破裂音を作り,そ れで代償する方法もありま す。ただし,こ れは明瞭な「力」 や「ガ」にはなりません。 ★ □Ш 訓練 上記 の軟 口蓋破裂音 /k/と /g/の イメージで コ こたつ , イメージ・トレーニング法 の訓練 をしてくださ い たいこ とびばこ じこく ちこく ガ ガラス がよ うし がん じょう めいが 。 カ キ ク ケ コ ガ ギ グゲ ゴ み ょうが ひ しがた じゃがい も ギ ぎしき ぎせい ぎじゅつ お じぎ ージ ・ レーニング法 イ メ ト □ 次の単語を1語 ずつ、 やなぎ きょうぎ かぎり かいぎしつ に沿って訓練 してください。 力 キ かがみ か らだ す いか ミニカー きかい きらい つみき い きおい ク こび と こづかい おやこ グ グライダー かいが ら い るか スイ ミング で ぐち い りぐち ひぐらし しか く にかい ゲ げひん げきとつ げき ひきにげ きもち たぬき おみやげ ゴ ごかい かま き り やきい も くじら クイ ズ くもリ マイク しず く ちくわ はくしゅ もくよ うび グラム ギャング しげみ ちょんまげ ひげ ごちそ ぅ ぃな ご えいご ゆりかご み ごと にげごし じごく ージ ・ト レーニング法に イ メ □ 次の文を1文 ずつ、 沿って訓練してください。 ケ けむ り けやき けしき とけい キ きしゃが きてきを ならして ふみきりを ひやけ みけねこ ジャケット しけん とおる 12 ― きんようびが おてんき だったら はやおき して で力ヽすましょう たまごやきと のりまきが だいすきです な うわぎを くぎに ひつかけて かぎざきを つくって しまった くぎぬきで ぎんいろの くぎを ぬきました ぎじゅつ しゃが ぎじゅつの ありかたを ぎ ろんした ヒャヒヒュ (ヒ ェ)ヒ ョの子書 【 9】 7.「 ヒ」 の構音の仕方 「ヒ」の子音/9/は 無声硬 口蓋摩擦音と呼ばれ ,前 舌後部と中舌を隆起させ , 硬 口蓋との隙間を非常 に狭くして勢 いよく呼気 を通 1/t軽 い摩擦音 (空 気 のこ すれる音 )を 発生させることで 明瞭な「ヒ」が得 られます。 この摩擦音が消えていると,「 ヒ」に聞き取れなくなります 。訓練 では,ノ ドから 声を出さず に,呼 気だけで硬 口蓋の所 で空気 のこすれる音 (摩 擦音 )を 出す訓 練をすると良いでしょう。 またハ行 は「ハ 」以外は,日 唇をやや狭 める方が明瞭になります。摩擦 音 が発生 しやすくなるからです。 「フ」以外 は声 門音 です。つ まり声 門付近で発 生させた摩擦音です ので、 「ヒ」と ハ 行 は、 「ヒ」と 「フ」とは まるで違う子音 であることに注意 してください。 声 門音 は舌 の有無 とは関係 がないところの子音です ので、舌 がん患者でも構音 は難 しくありません。 ★ 口Ш 訓練 ・ト レーニング法に沿つて訓練して く 子音/9/の イメージを持って,イ メージ ださい。 ヒ (空 気 のこすれる音を極力強く,長 く出せるように何度も発音 してみてください) 次 の単語 と例文を1語 ず つ 、イメージ・トレーニング法 に沿って訓練 してください。 ひ あごひげ ごひきく ひろい いり り ひ 圏 ひがしひいらぎ ひらがな たいひ しょく した みずに ひたした 轟 てのひらを ひんやり 13 ― ― ― ― ― ― ― -1- 第 3章 総 括 一般 に「イ列音」は,舌 切除者 が発音しにくい音 です。この他 に,ラ 行 ,夕 行 ,ナ 行,ダ 行 ,ヤ 行 ,拗 音など が発音 しにくい音 です が,舌 切 除 の大きさや領域 ,再 建 舌 の有無などにより,ど の言語音 (音 節 )が 発音 し にくいかが違 って来ます。このような言語 音 と発音 のしにくさの関係を把握するには,日 本語 の拡張五 十音 表を利用するのが便利 です。 下表 の拡張五 十音表 で自分の苦手な音をマークして,そ の音 を重点的に訓練 してください。 「ャ。 日本語 には,100種 類 の音節 (言 語音 )が あります。それらは,直 音 と拗音 に分けられます 。 ュ・ョ」と いう添え字を付けて表される音が拗 音 です。さらに清音 と濁音 に区分 されます 。 拡 張 五 十 音 表 (直 音 エ オ 代表的子音 キ ク ケ コ k シ ス セ ソ イ │カ サ ト t ノ モ ホ ム フ テ ネ ツ ヌ ハ ヽ ミ ヒ マ チ ニ 直 青 ウ ア タ ナ 清 ) メ h ル ﹁ ラ ヤ リ ロ レ ヨ 代 イ列 音 ワ 土日 グ ザ ジ ズ │ダ ヂ ヅ パ ブ プ パ │ノ t// 一 ア ギ ビ ピ 濁 音 │ガ コ │ g dz d ベ ボ b ペ ポ p (注 )四 角 で 囲 つ た 音 節 は ,本 文 中 に 記 載 した 「 代 償 法 」と 表 示 した 音 節 は ,本 文 に 記 載 の 代 償 法 が 適 用 で き る も の で す 。 キュ シャ シュ キ シ チ ュ チ L:I ヽ ミ ヒ 清 青 拗 キャ ) Ю ・ , P ? 拡 張 五 十 音 表 (拗 音 ミャ ヒュ リヤ リュ r⑨ ギ ジ 濁 音 ジャ 6 リ ユ ユ ギャ ギ ジ ヒャ m◎ ヨ g◎ ヨ G ヤ ヂ ュ デ dC・ ビャ ビュ ヒ b⑨ ピャ ピュ │ヂ L (注 )上 付 き の「 ◎Jは 硬 口 蓋 化 音 で あ る こ とを 示 しま す 。 日 本 語 に は ,特 殊 な も の と して 搬 音「 ン J,促 音「 ッ」,長 母 音「 ― Jが あ りま す 。 「 代 償 法 Jと 表 示 した 音 節 は ,本 文 に 記 載 の 代 償 法 が 適 用 で き る もの で す 。 拗 音 の 子 音 は ,「 イ 列 音 Jと 共 通 して い る こ と に 注 目 して くだ さ い 。 14 p◎ 第 4章 構音 や咀疇・廉 下に必要な筋 肉の強 化 一般 に舌を切 除すると,切 除後 の空間を埋めるために身体 の他 の部分 から皮弁を移植 して,再 建 舌を 設 けます。しかし再建舌は神経 のない 肉の塊 に過ぎないので,舌 のように自由に変形することが 出来ませ ん。結局わず かに残 つた残 存舌 と口唇 の筋 肉 (口 輪筋)を 強化することによって,出 来るだけ舌を広 い範 囲 で 自由に可動できるようにすることが必要 となります 。下図に舌全体 の位置 を移動させる筋肉 (外 舌筋)と , 舌 の外形を変形させる筋肉 (内 舌筋)を 示しましたが,こ れらを意識 して,手 術後残 ったこれらの筋 肉 (舌 筋 ) を鍛えることが大切 です。 内舌筋 外舌筋 咽顧 舌筋 菫突舌 筋 舌下神 経 第 2章 の説 明から分かるように,発 音や 咀曙 。 庶下 には舌先 が非常に重要な働きをします。 ところが,舌 先を切除した人は,舌 背 の前部 (前 舌)を 切 除されるので,そ の部分 の内舌筋は失われます。 さらに多くの場合 ,外 舌筋 のオ トガイ舌筋 の片側 (左 右 にある)も 失 ってしまうので,舌 全 体を前方 (口 唇側 ) に寄せて,舌 背 の 中央 (中 舌 )を 隆起させることが難 しくなります 。その結果 ,舌 先を使 った破裂音や摩擦 音 を構音することや食 べ 物を咀曙 。 庶下することに障害が生じます 。従 って,発 音や咀曙・蕪 下 の障害 の 改善 には,残 存舌 の舌筋を鍛 えること、また下顎 を壬生した憑全 は、口輪笠の強化 が重要です。 従来 のままでは殆んど動 かせなかった領域 まで,舌 を動かせるようになると期待 出来るからです。 上記 の舌筋を意識 して,下 図のように,舌 の抵抗運動を行 ってください。 ◆ ]勇 尚 ]に は ょ慧 言鷲 [撥 i〔 [し ⇒ 轟 ◆舌 を上 に挙 げなが ら、舌 の前方部 を指か ス プー それ に逆 らって舌 で押 し返 します。 > 残存する内舌筋 の強化 になります ◆ 舌 を側方 に動 か しなが ら、指か スプー ンで舌先 を押 し込む よ うに ` ‐ 抵抗 をカロえます。それ に逆 らって舌 で押 し返 ヽ 残存する内舌筋や外舌筋 の強化 になります ◆ 口輪筋 の強化も大切です。これは上唇と下唇を作 また両唇 の内側 同士を押し合 います。 > マ行やパ行 の明瞭化 に必要です 。 これ らを, 10回 を 1セ ッ トとして, 1日 3セ ッ ト行 い ます。最初 は 1日 1セ ッ トか らス ター トし,舌 に痛みや疲 労 を感 じない範囲 でセ ッ ト数 を増や します。なお ,訓 練 は手術後 出来 るだけ早 い段 階 か ら開始す るのが効果的 です。通常術後 1カ 月 もすれ ば、訓練 に入れます。 15 '