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日本における精神障害者の地域生活支援

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日本における精神障害者の地域生活支援
海外社会保障研究 Spring 2013 No. 182
特集:精神障害者地域生活支援の国際比較
日本における精神障害者の地域生活支援
−千葉県市川市の取り組み−
下平 美智代 山口 創生 伊藤 順一郎
■ 要約
千葉県市川市では、1980年代後半から精神障害者の地域生活を支える福祉機関を開設する動きが行政と民間双方
から始まった。そこに今世紀に入り、国としての法的な整備が進み、千葉県の「障害のある人もない人も共に暮らし
やすい千葉県づくり条例」の制定(2006年)や同時期の「マディソンモデル活用事業」(アメリカ・ウィスコンシン
州の精神保健地域ケアシステムを取り入れた事業)などの当事者、家族、専門家、行政職員、一般市民が一緒に議論
し取り組んだ事業があり、市川市の現在のようなアウトリーチサービスや就労支援サービスおよび支援ネットワーク
機能が形作られてきた。市川市の例から、日本の精神保健医療福祉が目指す方向として、支援の目標を当事者のリカ
バリーとすること、包括型ケアマネジメントの普及、アウトリーチサービスの充実などがあげられる。その実現のた
めには官民協働のシステムづくりが不可欠である。
■ キーワード
精神障害者地域生活支援、官民協働、包括型ケアマネジメント、アウトリーチ、就労支援
進及びその自立と社会経済活動への参加の促進の
Ⅰ はじめに
ために必要な援助を行い、(中略)精神障害者の
福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ること
日本では今世紀に入るまで、重度の慢性精神疾
を目的する」ことが明示された。さらに2004年に、
患をもつ人々が障害者として地域で支援を受ける
「精神保健医療福祉の改革ビジョン」が示され、
体制が構築されてこなかった。その代わり、そう
「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本
した人々の多くは精神科病院での長期入院を余儀
方針が掲げられた。この改革ビジョンでは、「国
なくされてきた。精神障害者は精神衛生法(1950
民の理解の深化」「精神医療の改革」「地域生活支
年)や精神保健法(1987年)などで規定されてい
援の強化」「基盤強化の推進」が改革の骨子とし
たように医療の対象であり、福祉サービスの対象
て示されている。地域生活支援としては、相談支
とされてこなかったのである。
援、就労支援などの施設機能の強化やサービスの
精神障害をもつ人々が、知的障害や身体障害を
充実を通じ市町村を中心に地域で安心して暮らせ
もつ人々とともに「障害者基本法」の対象として
る体制を整備すること、標準的なケアモデルの開
明確に位置づけられたのは、1993年のことである。
発等を進めることが目標として掲げられた。また、
そして、1995年に「精神保健法」が「精神保健及
2005年の「障害者自立支援法」の成立と「精神保
び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉
健福祉法」の改正は、障害者サービスの内容とそ
法)と改称され、総則の第一条に「社会復帰の促
れに対する補助金を明確にし、障害者サービスに
-4-
日本における精神障害者の地域生活支援
評価やケアマネジメントを部分的に導入すること
これまでと現在の取り組みを概観し、現時点での
で、精神保健福祉サービスの標準化と向上に一定
課題も踏まえて、日本における今後の精神保健医
の貢献を見せた。
療福祉の方向性について提言したい。
このように、日本では近年になって、精神障害
Ⅱ 市川市の取り組み
者の地域移行が制度として推進されるようになっ
たのであるが、1980年代後半には、いくつかの地
1
域で、国の施策に先行するように精神障害者の地
精神障害者地域生活支援を発展させた背景
域生活を支援していこうとする動きはあった。千
市川市は、千葉県の北西部に位置し、東京都江
葉県市川市もそうした地域の一つであった。市川
戸川区や葛飾区と隣接した、人口約47万人を擁す
市には、行政主導で、授産施設(1987年より)、
る首都圏のベッドタウンである。市川市では1990
メンタルサポートセンター(1998年より)、就労
年代には精神障害者の地域生活支援の基盤が徐々
支援センター(2000年より)などを市の直接運営
に形成されつつあった。それが今のように充実し
や市独自の業務委託などで展開してきたという歴
た支援ネットワークに発展したのには少なくとも
史がある。民間では、1994年には精神障害者家族
3つの背景があったと考えられる。
会を母体とした「めぐみ会」(現社会福祉法人サ
第1に、「障害のある人もない人も共に暮らしや
ンワーク)が小規模作業所を、1995年には「市川
すい千葉県づくり条例」(2006年10月11日県議会
の精神保健を考える会」(現NPO法人ほっとハー
にて可決・成立)制定のための運動である。きっ
ト)が共同作業所を設立した。このように、行政・
かけは、2004年7月に県が策定した第三次千葉県
民間共に精神障害者地域生活支援に取り組んでき
障害者計画に、新たな地域福祉像として「誰もが、
た市川市の土壌があり、そこに前述の国としての
ありのままにその人らしく、地域で暮らす」を掲
法的な整備が進み、さらに千葉県では2005年初頭
げ、その実現のための条例の制定を検討すること
より「障害のある人もない人も共に暮らしやすい
が盛り込まれたことであった(千葉県健康福祉部
千葉県づくり条例」制定のためのタウンミーティ
障害福祉課,2006)。その後、県は広く県民から
ングが活発化し、2006年に条例が制定された。同
差別と思われる事例を募集し、2005年1月には研
時期に市川市がマディソンモデル活用事業(千葉
究会の設置と並行してタウンミーティングが県内
県・マディソンモデル活用事業研究会,2008)の
各地で開催されるようになった。市川市でも知的・
モデル地区となり、やはり同時期に行われた精神
身体・精神障害者当事者、家族、支援の実践家や
障害者地域生活支援に関する研究事業やモデル事
有識者、一般市民が集まり活発な対話が行われた。
業があり、それらの出来事のなかでさまざまな議
第2に、2005年度から2007年度の三年間、市川
論や取り組みがあり、市川市の現在のようなアウ
市が千葉県の「マディソンモデル活用事業」のモ
※
トリーチサービス や就労支援サービスおよび支
デル地区となったことが挙げられる。「マディソ
援ネットワーク機能が形作られてきた。本稿では、
ンモデル」とは、米国ウィスコンシン州デーン郡
市川市における精神障害者地域生活支援に関する
で始められた精神保健地域ケアシステムの通称で
※アウトリーチサービス…訪問支援サービスのこと。自宅への訪問のみならず、施設外に支援者が出て行う支援サー
ビス全般を指す。例えば、対象者の住む地域に出向き買い物に同行する、一緒に役所に行って福祉の手続きを補助する、
通院同行するなど。就労支援であれば、支援対象者の職場に出向き職場でサポートすることや、職場の近所で対象者
と会って話しを聴くことなども含まれる。
-5-
海外社会保障研究 Spring 2013 No. 182
あ る。EBP(Evidence Based Practice) と し て
ロジェクトが実施されたこと、および2008年に市
世界中に広がり、日本でも実践が広まりつつある
川の民間の支援機関(特定非営利活動法人ほっと
ACT(Assertive Community Treatment:包括型
ハート)で厚生労働省の生活訓練モデル事業が行
地域生活支援プログラム)は、このデーン郡にお
われたことが挙げられる。これらの研究およびモ
ける精神保健地域ケアシステムのなかで生まれた
デル事業が、それまで支援者個々の力量や善意に
支援である(久永,2008)。マディソンモデルの
支えられて「手作り」で提供されていたサービス
特色は、官民共働のシステムであること、急性期
が、システムとしてのサービスに洗練されていく
対応(危機介入)から住居プログラムまで一貫性
きっかけになったと考えられる。
のある一つのシステムのなかでケアが提供されて
次に、こうした背景のなかで発展してきた、市
いること、アウトリーチが基本的なサービスとし
川市のアウトリーチサービスと就労支援サービス
て位置づけられていること、ピアサポートが充実
について、実施機関とその特色や役割分担などを
していること、リカバリー志向であることなどが
記述したい。
挙げられるだろう。ここで言う「リカバリー」は、
2
米国において精神障害をもつ人々の社会参加のな
アウトリーチサービス
かで、当事者の側から提示された概念である(伊
市川市には現在さまざまな形態のアウトリーチ
藤,2012)。リカバリーの普遍的な定義はないが、
チームがあり、精神障害を持つ多様な層の対象者
人々の間で共通の認識としてあるのは、リカバリ
にサービスを提供している。まずは市川エリアで
ーは疾患や症状がなくなることを意味するのでは
アウトリーチを行う主だった機関を紹介し、次に
なく、個人が地域でその人らしく生活を送るなか
現在とられている役割分担について言及する。
で希望や自律性など生きる力を回復していく過程
(1)
を指すこと、リカバリーの内容は個人によって異
各機関の特色
A.特定非営利活動法人ACTIPS訪問看護ステー
なること、リカバリーの過程は必ずしも直線的で
ションACT-J
はないことなどである(伊藤,2012;Anthony,
1993; President's New Freedom Commission on
ACT-Jは研究事業(伊藤,2008)として2003年
Mental Health, 2003)。市川市では、マディソン
に始まり、2008年からはACTに特化した訪問看
モデル活用事業をきっかけに、「リカバリー」が
護ステーションとなっている。ACT-Jは長期およ
当事者や家族、行政職員、精神保健医療福祉関係
び頻回入院者、長期のひきこもりなど地域社会で
者に広く支援の目標として認知され共有される概
孤立状態にある重い精神障害を持つ18歳から60歳
念となった。また、マディソンモデル活用事業で
未満の人にサービスを提供している。看護師、作
は、県や市の行政職員、精神保健医療福祉の専門
業療法士、精神保健福祉士、チーム精神科医から
家だけでなく、当事者や家族も活発に議論に加わ
成る多職種のチームアプローチによるアウトリー
り、市川市に必要な支援リソースについて意見や
チサービスを提供しており、生活支援と共に医療
アイデアを出し合い、官民協働でこのモデル事業
的対応も行う。医師以外の全ての専門職スタッフ
を実施していった。
が包括型のケアマネジメントを行う。包括型のケ
第3に、2002年度から2007年度にかけて国立精
アマネジメントでは、ケアマネージャーはケアプ
神・神経センター国府台病院(現・国立国際医療
ランの立案、さまざまな精神保健医療福祉サービ
研究センター国府台病院)を拠点にACT-J研究プ
スの仲介、支持的カウンセリングから買い物同行
-6-
日本における精神障害者の地域生活支援
までの幅広い直接支援を包括的に行う。チーム内
同法人は、1994年(平成6年)精神障害者家族
のスタッフの1名は勤務時間の約50%を就労支援
会から始まった。「ぱれっと」の開所は、1998年で、
にあて、利用者を対象に就職支援も行っている。
2004年には、「社会福祉法人サンワーク精神障害
ACTは医療ニーズと生活ニーズがどちらも高
者小規模通所授産施設ぱれっと」となり、2007年
い層が対象者となることから、特に介入初期は日
に障害者自立支援法の障害福祉サービス事業に移
に数度訪問するなど集中度の高いケアを行うた
行し、通所および訪問型の生活訓練を行う機関と
め、スタッフのケースロードは10名までとなって
なった。また、同法人は、千葉県委託事業の「精
いる。利用者の状態の変化に応じて、ケアの集中
神障害者退院促進支援事業」を2009年よりサンワ
度を下げていく。期限は設けてはいないが、利用
ーク指定相談事業で受託するようになり、これに
者の病状や自立度をみながら通所型の支援等、他
より退院前から支援者が病室に訪問して関係づく
の地域支援につなげていくこともある。
りを行うなどして、退院後の生活支援が円滑に行
えるようにしている。
B.特定非営利活動法人ほっとハート らいふ
D. 中核地域支援センター がじゅまる(千葉
らいふは2008年に障害者保健福祉推進事業で訪
県事業)
問型生活訓練のモデル事業として始まった(特定
非営利活動法人ほっとハート,2009)。統合失調
千葉県では、子ども、障害者、高齢者などの対
症等の重度精神疾患を持ち、退院後の生活維持に
象者を横断的にとらえた24時間365日体制での福
集中度の高い支援が必要な人を対象としている。
祉サービスとして、この中核地域支援センターが
障害者自立支援法下の支援で、利用期限があるこ
設置された。がじゅまるは市川地区(市川市と浦
とから、同法人のケアマネージャーがゲートキー
安市)を対象区域として2004年に社会福祉法人一
パーとなり、ニーズの高い利用者にサービスが届
路会が実際の運営を委託されている。支援内容と
くように配慮がされている。ACT-Jとの違いは、
しては、相談事業、訪問、各種福祉サービスの利
合併症の管理や疾患や治療に関する心理教育など
用に関わる援助や調整を行っている。相談経路は、
の医療的支援は行わないところである。具体的な
市川市の児童相談所、県の発達センター、市役所
支援としては、利用者の希望に基づきプランを立
の障害支援課、国府台病院などの精神科病院、民
て、自宅のなかでの生活(家電の使い方、掃除の
間のクリニックなど多岐に渡る。障害者自立支援
仕方、金銭管理、料理など)の支援だけでなく、
法の「生活訓練」やACT-Jのような医療の入った
公共交通機関を一緒に利用したり、近所のスーパ
訪問サービスでは関わらないような部分、たとえ
ーに一緒に買い物に行ったり、一緒に役所に行く
ば、多問題家族や、家庭内暴力、児童虐待などの
など、地域での生活を当事者が自律的に行えるよ
問題から支援に入り、直接支援をしながら、ニー
うに支援していく。通所型の生活訓練や地域活動
ズに合わせて他の地域資源につなげていくことも
支援センターなどにも一緒に見学に行き、通所に
行っている。
つなげたりもする。また、必要に応じてヘルパー
など他の支援も入れる。当事者の自立度が高くな
E.基盤型支援センター えくる(市川市事業)
るにつれて、訪問頻度を下げていく。
市川市が運営主体で2009年より始まった障害者
総合相談事業で、障害の種別を問わず、相談員が
C.社会福祉法人サンワーク ぱれっと
自宅などに訪問し、日常生活上の困難についての
-7-
海外社会保障研究 Spring 2013 No. 182
相談を受け、障害福祉サービスの利用援助、社会
資源の活用や社会生活力を高めるための支援、相
談及び情報の提供や権利擁護の援助、居住サポー
ト事業等を行っている。対象者は市川市民で障害
のある当事者、家族、関係者となっている。障害
者自立支援法の障害程度区分認定などが行われる
前から支援者が対象者に関われるのが「えくる」
の利点である。
F. 国立国際医療研究センター国府台病院 精
神科訪問看護
図1 対象者像とそれに対応するアウトリーチサービス
(吉田, 2010; p38より引用)
国府台病院精神科訪問看護は、2007年10月に始
まった。看護師が徒歩もしくは公共交通機関を使
重篤ではないが、生活障害は重篤であるという人
って訪問するため、訪問エリアは、市川市と松戸
は、訪問型生活訓練の対象となる。ACTも訪問
市内の一部のエリアで、1時間以内で訪問できる
型生活訓練もケアの集中度が高い人が対象となる
範囲としている。利用者は国府台病院に通院して
ため、症状が落ち着き、生活障害が改善されてい
いる患者で、紹介経路は院内のソーシャルワーカ
けば、ホームヘルプサービスや通所サービスにス
ーもしくは主治医からの依頼となっている。一般
テップダウンしていく。一方、本人が地域福祉サ
的に精神科訪問看護は再発や症状再燃防止の観点
ービスの利用をまだ承諾していないが、家族から
から服薬管理に重点を置きやすい傾向があると思
の要望がある場合や、病院の精神科医やソーシャ
われるが、国府台病院の精神科訪問看護は、医療
ルワーカーなどが、アウトリーチ支援の必要性が
的なケアも行いつつ、利用者のストレングス(強
あると判断した場合は基盤型支援センター(市川
み、特技、希望、好み)を尊重した支援に取り組
市事業)につながることが多く、当事者とその家
んでいる。利用者のニーズに応じて、福祉リソー
族が複数の問題を抱えている場合などは、中核地
スへの仲介などは病院ソーシャルワーカーと連携
域支援センター(千葉県事業)につながることが
して行っている。
多い。このように、地域に複数のアウトリーチサ
ービスを提供する機関があることで、相補的な連
(2)
役割の分担
携が取られている。なお、こうしたアウトリーチ
主だったアウトリーチサービスを行う6機関を
サービスに対象者をつなぐ仲介を行うのは、地域
紹介した。それぞれが少しずつ異なる対象者層を
の相談支援事業のケアマネージャー、病院のソー
支援していることで役割分担がとられている。具
シャルワーカー、市役所の障害支援課職員などで
体的には、より医療の関与が必要な場合は訪問看
ある。
護やACT-Jの対象となる。図1のように、訪問看
3
護とACTの対象者は重なるところもあるが、症
就労支援
状の重篤さと生活障害の重篤さが共に高く集中
市川市には障害者の就労支援に関わる機関は複
度の高いケア(頻度の高い訪問)を要する人は
数存在する。ここでは、精神障害者への就労支援
ACTの対象となる。身体合併症もなく、症状も
を行っている3つの機関とその特色について紹介
-8-
日本における精神障害者の地域生活支援
し、次に役割の分担について記述する。
援専門員(Employment Specialist:以下ES)を配
置した。マディソンモデル活用事業が2008年3月
(1)
各機関の特色
で終了した後もクラブハウスForUsを拠点とした
A.特定非営利活動法人NECST 障害者就職サ
就労支援は継続された。マディソンモデル活用
ポートセンタービルド
事業終了後ForUsの運営を引き継いだNECSTは、
特定非営利活動法人NECSTは、市川の既存の3
2009年12月に障害者自立支援法の就労移行支援事
つの法人でリーダーとして活動していた人々と地
業として「障害者就職サポートセンタービルド」
域で開業している精神科医、および筆者の内の一
を設立した。IPS型就労支援は、以降、クラブハ
人(伊藤)が理事となり精神保健福祉の法人を取
ウスForUsから支援の足場を「ビルド」に移した。
りまとめる法人として、2007年3月に設立された。
IPS型支援は、アメリカで始まった重度精神障
「障害者就職サポートセンタービルド」の前身は、
害者を対象とする個別援助付雇用プログラムであ
マディソンモデル活用事業で設立され、現在は
る(Becker & Drake,2004)。訓練して何かがで
NECSTが運営している「クラブハウスForUs」
きるようになってから就職活動を進めていくとい
のなかで始まった就労支援部門である。
う段階的な支援とは対照的に、当事者の希望やス
「クラブハウス」とは、ニューヨークで精神科
キルに合わせて迅速に求職活動を行い、就職後の
州立病院を退院した元患者たちとボランティアた
支援を手厚く行う方法である。アメリカでは通常、
ちが1944年に設立したセルフヘルプグループを前
ESはケアマネージャーを主としたメンタルヘル
身とし、NIMH(アメリカ国立精神保健研究所)
スチームの中に配置されており、チームの一員と
が特別研究の助成金を出した1977年以降、全米に
して他のメンバーとのチームワークのなかで支援
広まった通所型の地域センターであり、その理念
を遂行する。「ビルド」は日本の就労移行支援事
と活動基準は「クラブハウスモデル」と呼ばれる
業という枠組みのなかでサービスを提供している
(下平(渡辺),2011)。クラブハウスを運営して
関係上、複数のESを擁しており、そのESがチー
いくためのさまざまな役割をメンバーとスタッフ
ムをつくって、対象者の生活支援も就労支援と一
が共に分担する。たとえば、キッチンでの昼食づ
緒に行っているのが通常である。2011年4月から、
くり、クラブハウス運営のための事務仕事などで、
ビルドは筆者らの実施する『「地域生活中心」を
日々のクラブハウス内での仕事を「デイプログラ
推進する地域精神科医療モデル作りとその効果検
ム」といい、こうしたデイプログラム参加するこ
証に関する研究』(伊藤,2012)に位置づけられ
とが社会生活機能を回復させるトレーニングにな
ている就労支援に関する研究事業の協力サイトと
っていると考えられている。
なり、同年10月からケアマネージャー1名をESチ
クラブハウスForUsもこのような居場所であり
ームのなかに配置した。この研究事業では、ES
しかも社会的役割を体験していく場として設立さ
とケアマネージャーが共働することで重い疾患を
れた。クラブハウスモデルには独自の就労支援に
持つ対象者の生活機能の向上と就労を実現させて
関する方法論があるが、マディソンモデル活用事
いる。
業ではクラブハウス独自のアプローチではなく、
B. 社会福祉法人サンワーク サンワーク就労セ
米 国 で も 先 進 的 なIPS型(Individual Placement
ンター
and Support Model)の個別援助付雇用モデルを
採用し、ForUsに就労支援部門をつくり、就労支
サンワーク就労センターはビルドと同じく就労
-9-
海外社会保障研究 Spring 2013 No. 182
移行支援機関である。ここでは、個別対応で就職
ある。「サンワーク」同様に、病院のソーシャル
活動の支援を行い、就職後のフォローも行ってい
ワーカーが「アクセス」の就労支援員と連携して
る。また就職活動と連動したプログラムとして、
いる。
コミュニケーション講座、ビジネスマナー講座、
(2)
認知行動療法・ストレスコーピング講座、パソコ
役割の分担
ン基礎講座などを提供している。これらのプログ
市川市には、ここに挙げた以外にも複数の就労
ラムは、就職活動を開始する前に必ず受けなけれ
支援機関が存在する。各機関はほとんどお互いを
ばならない訓練ではなく、利用者によっては、準
知っており、明確な役割分担の意識を持ってはい
備期間として講座を一通り受けてから就職活動を
なくても、実質は相補的な連携が取られている。
する場合もあるし、こうした講座を受けながら同
たとえば、ビルドではおよそ3ヵ月に1回の頻度で
時に就職活動を始める人もいる。ビルド同様にサ
利用説明会を行い、一度に10人前後が契約し利用
ンワーク就労センターも我々の研究協力サイトで
が始まるが、その説明会では、市川市にある他の
ある。内部にケアマネージャーは配置していない
就労支援機関も紹介し、各自に合うところにアク
が、就労支援員は利用者の通院する病院のソーシ
セスするよう促している。その結果、ビルドの説
ャルワーカーと密に連携を取り、重い精神障害を
明会に出たものの、他の就労移行や継続B型につ
持つ人の就労に成功している。
ながるということもある。逆に他の就労支援機関
からの紹介でビルド利用につながる場合もある。
C. 市川市障害者就労支援センター“アクセス”
(市川市事業)
それは、市川ではほとんど全ての支援機関がリカ
バリー志向の支援を行っており、当事者のニーズ
市の委託を受けて行っている事業で、就職活動
に合わせて最適な支援を当事者自身が選ぶことを
の支援には利用期限があるが、いったん就職する
尊重しているためである。支援機関間の差異は、
と、その後のフォローは無期限で行う。センター
就労準備性の捉え方と就職活動支援に踏み出すタ
内でのプログラムは就職活動開始を判断するため
イミング、提供しているプログラム、立地などで
の5日間のセンター内実習のみである。これは決
あり、これらの差異が各機関の特徴となっている。
まった時間に来所して作業を指示どおりに行える
市川市の各就労支援機関の支援員はそれを自覚し
ことや、作業過程の特徴などを就職活動の際の参
た上でお互いの特徴を尊重し、連携している。
考とするために行う。利用期限がこのセンター内
4
実習初日から数えて1年間と制限がある。そのた
ネットワーク機能
め、センター内実習に入る前に、支援者は利用希
市川市は比較的、精神保健医療福祉のサービス
望者と十分に話し合い、本人の希望や生活状況に
機関が充実している地域であるが、これらの機関
よっては、他の機関に紹介することもある。法的
間の連携が円滑であり続けるためには、ネットワ
バックグランドの違いと利用期限の違いもあり、
ーク機能が継続していく必要がある。そのため、
「ビルド」や「サンワーク」のように就職活動に
市川市では自立支援協議会をはじめ、さまざまな
関連したプログラムは提供していない。いざ就職
ネットワークミーティングが開催されている。こ
活動に入るとそれに専心するため、早期に就職が
こでは、こうしたネットワークミーティングの内、
決まる可能性も高い。
「市川コミュニティ精神保健医療福祉会議」と我々
「アクセス」も我々の研究の協力機関の一つで
の研究事業で始まった「地域モデル班:多職種ア
-10-
日本における精神障害者の地域生活支援
ウトリーチ研究市川地区会議」について紹介する。
始まった。会合には、市川市でアウトリーチ支援
を行っている研究協力サイトのケアマネージャ
(1)
市川コミュニティ精神保健医療福祉会議
ー、病院ソーシャルワーカー、研究者が参加して
5つの民間団体の職員から成る実行委員会が主
いる。本研究は2014年3月末で終了するが、研究
催する市民会議で、マディソンモデル活用事業終
事業終了後もこうした連携と会合が継続していく
了後、2008年9月25日に第1回会議が開催されて以
ことが期待される。
降、年4回を目安に開催されている。マディソン
5
モデル活用事業研究会のメンバー、市内の支援機
市川市の課題
関の利用者とスタッフをはじめ、当事者、家族、
これまで述べたように、精神障害者地域生活支
支援者、行政職員など参加希望者に広く開かれた
援として、さまざまなアウトリーチサービスや就
会議で、情報提供、意見交換、勉強会を目的とし
労支援サービスが展開されている市川市は、千葉
ている。この会議は夕方から夜にかけて開催され
県のなかでも地域福祉資源が豊富な地域であるこ
るため、遅い時間帯の参加が難しい人にもこうし
とは確かである。ただし、今後さらに精神障害者
た場を提供しようと、市内の支援機関の利用者を
の地域移行を進めていくためには、不足している
対象として「市川コミュニティミーティング」も
サービスや取り組みがあるのも事実である。ここ
年2回ほど開催している。
では、市川市の課題として特に住居サービス、ピ
ア・スタッフの雇用と育成、一般市民とのつなが
(2)
地域モデル班:多職種アウトリーチ研究
りについて述べてみたい。
市川地区会議
(1)
我々が2011年4月より実施している『「地域生活
住居サービス
中心」を推進する地域精神科医療モデル作りとそ
精神障害者の住まいの確保は、地域生活支援に
の効果検証に関する研究』の中に位置づけている
おいて必須の要素である。障害者には市営住宅や
多職種アウトリーチの研究事業に関連して2011年
県営住宅の入居についての優遇制度があるが、必
12月より始まった会議である。この研究は、国立
要な人全てにいきわたるほど整備されているわけ
国際医療研究センター国府台病院精神科に急性期
ではない。また長期で入院していた人が地域で生
入院した患者を支援の対象としている。入院患者
活を始めるにあたり、また親元から独立して一人
は全て退院後のアウトリーチ支援のニーズについ
暮らしをするにあたり、すぐには単身生活が難し
て入院直後にスクリーニングが行われる。そして
い場合もある。そのようなときに、短期間、小規
スクリーニングで抽出された患者には病院ソーシ
模の24時間ケア付きの住居を利用できれば地域生
ャルワーカーが1名担当となり関係づくりを行っ
活への敷居はぐっと低くなるだろう。また、中
た上で、地域のアウトリーチ支援機関のケアマネ
には、長期にわたりケア付き住居を利用できる
ージャーに紹介する。ケアマネージャーは、入院
ことで地域定着可能な人々もいると考えられる
中の患者を訪れ、関係づくりを行い、退院後速や
(Burns et al, 2002; Chilvers et al, 2004)。近年
かにアウトリーチ支援が行えるようにする。複数
の欧米のエビデンスを概観すると、このような住
のアウトリーチ機関が協力サイトとなっているた
居の利用とそこにアウトリーチサービスが加わる
め、支援の質の保持と機関を越えた支援者同士の
ことで、より地域定着が進むのではないかと予想
意見交換を目的として、この定期ミーティングは
されるが(Thornicroft & Tansella, 2009)、現在、
-11-
海外社会保障研究 Spring 2013 No. 182
市川で精神障害者を対象に特化して稼働している
より良い結果を出し、入院率や入院期間を短縮し、
このような住居はわずか2か所である。ただし、
物質乱用を合併している利用者の物質使用を減
知的障害者と精神障害者共に受け入れているケア
少させるという結果が示されている(Solomon et
付きホームは8か所ある。その他、精神障害者の
al, 1995; Rowe et al, 2007)。
みを対象としたグループホームは2か所、知的障
一方、ピアサポートが広がりつつある市川にお
害と精神障害共に受け入れているグループホーム
いてすら、ピアをスタッフとして常時雇用してい
は3か所である。入居には審査があるため、数が
る機関は少ない。これは市川市ではないが、ある
少ないほど入居の確率が低くなる。ニーズのある
機関で実際にピアを雇用してみたものの、雇用主
人全てが利用できるほどには充実していないのが
側としては何をしてもらったらいいのかわから
現状である。2010年の障害者自立支援法改正では、
ず、当事者も何を期待されているのかわからず退
障害者の地域移行の促進を目的として、ケアホー
職に至ったという話しを聞いたことがある。リカ
ムとグループホームの利用には助成金(特定障害
バリーの概念、ピアサポートの有用性、リカバリ
者特別給付費)が利用できることから、今後これ
ーした当事者が支援スタッフとして当事者を支援
らのサービスの発展は特に期待される。
する有効性についての知識や実感、およびピアが
スタッフとしてどのような動きをするのかという
(2)
ピア・スタッフの雇用と育成
ことについての具体的イメージが、精神医療保健
精神科デイケア、地域活動支援センター、就労
福祉の専門家の間にも当事者の間にもまだまだ浸
移行支援事業所などを利用する当事者同士のグル
透していないということであろう。今後の課題と
ープ活動や支え合いは我が国でも一般的になりつ
しては、リカバリー概念のさらなる普及と共にピ
つあると思われる。こうしたピアサポートの発展
ア・スタッフがうまく機能している機関をモデル
した形として、メンタルヘルスセンター等におい
として提示すること、ピアサポートやピア・スタ
て、リカバリーを経験したピアをケアスタッフと
ッフの育成のための研修が定期的・継続的に行わ
して雇用するということが米国では奨励されて
れるようなシステムの整備が望まれる。
いる。Davidsonら(2012)のレヴューによると、
(3)
メンタルヘルス領域において米国では現在、推定
一般市民とのつながり:啓発活動とイン
10000人以上のピア・スタッフが雇用されている
フォーマル・リソースの活用
という。初期の頃の研究は、ピアを雇用すること
これまで述べたことから、市川市が立地として
が実行可能なことなのかどうかという検証であっ
も社会資源としても恵まれた地域であることは確
た。1990年代に無作為化比較対照研究が行われ、
かである。ただ、日本の他の地域同様に、一般市
ピア・スタッフはケアマネージャーの助手として、
民の精神障害に対する偏見がないわけではない。
当事者の話し相手や買い物などの同伴者としてピ
精神障害者を対象とした地域施設を開所するにあ
アでないスタッフと同等の役割を果たせること
たり、近所の理解が得られないことから場所がな
を示した(Solomon & Draine, 1995; O'Donnell et
かなか決まらないということも現実にある。また、
al, 1999; Clarke et al, 2000; Davidson et al, 2004)。
精神保健医療福祉の通所施設やリソースだけでな
その他のピア・スタッフとピアでないスタッフを
く、地域にある民間のスポーツジムや習い事のた
比較した実証研究では、ピア・スタッフの方が、
めの教室など、インフォーマルなリソースを利用
関係を持つことの難しい利用者との関係づくりで
することもリカバリーの過程で自然なことである
-12-
日本における精神障害者の地域生活支援
が、障害を開示して施設を利用する場合には、な
らば、たとえ急性期入院病棟であっても、患者が
かなか周囲の理解が得られないということがある
地域生活に戻って仕事など社会での役割を果たし
(山口ら,2011)。こうした状況の対応には、地
ていくことを見据えた上での治療が提供されるは
道な啓発活動とその継続が大切になる。具体的に
ずであるし、医師や看護師はソーシャルワーカー
は、病気のしんどさ、リカバリー体験などをバラ
や地域のケアマネージャーと連携を取ることの意
ンス良く紹介する当事者の講演やキュメンタリー
義を認識するはずである。訪問看護などの医療従
映像は、一般市民の態度変容に効果があるとさ
事者による地域支援も、ただ、抗精神病薬の内服
れている(Corrigan et al, 2012; Yamaguchi et al,
が確実に行えているのかを問うのではなく、利用
2013)。これらのエビデンスのある活動を学校教
者の意思や希望に沿う支援となっていくはずであ
育や地域の住民への啓発に定期的に用いることで
る。
偏見の是正は少しずつ進むと予想される。他方、
第2に、ACT-Jが行っているような包括型ケア
支援機関や支援者が地域で一般市民と信頼関係を
マネジメントの普及が望まれる。精神疾患は慢性
築くことや、当事者がインフォーマル・リソース
化しやすく再発もしやすいという意味で、精神障
を活用するなどして地域社会に入り込むことも、
害は固定的な障害ではない。そのため、精神障害
一般市民の意識の変化や精神障害への理解を深め
者の地域生活を支えるためには、医療も含めた包
ていくことにつながると期待される(Thornicroft,
括的な支援であることが必要である。この包括的
2006; 種田ら,2012)。これらは、精神障害者を受
な支援のプランニングやコーディネート、さらに
け入れる地域社会の発展に特に貢献すると思われ
直接支援も提供するのが包括型のケアマネジメン
る。
トである。
第3に、精神保健医療福祉の専門家が機関のオ
Ⅲ 日本における今後の精神保健医療福祉の方向性
フィスで利用者に対応するのではなく、アウトリ
ーチ支援が積極的に提供される必要がある。アウ
本稿では、我が国における、先進的な精神障害
トリーチなくしてただ地域移行を進めれば、家か
者地域生活支援の取り組みをしている地域の1つ
ら出られないという理由で支援を受けられずに放
として、筆者らが研究事業等で関わっている市川
置されるという事態も起こりかねないだろう。こ
市の取り組みを取り上げた。本稿の最後に、日本
うしたアウトリーチ支援は移動のための時間とコ
における今後の精神保健医療福祉の方向性につい
ストのかかる支援でもあるため、ローカルなキャ
ての提言を記述し、まとめとしたい。
ッチメント・エリアを設定することが必要である。
第1に、精神保健医療福祉サービスは、当事者
これには行政との連携が欠かせないだろう。また、
のリカバリーを目標に一貫したシステムの中で提
就労支援サービスにおいても、企業訪問やハロー
供されるべきである。個々の当事者はリカバリー
ワークあるいは障害者職業センターなどとの連携
の過程において、医療ニーズ、住宅ニーズ、就労
のために、積極的なアウトリーチが必要とされて
ニーズなど様々なニーズに直面する。精神保健医
いる。生活支援のアウトリーチ同様に、重度の精
療福祉サービス提供者が利用者のリカバリーを共
神障害を持った人への就労支援におけるアウトリ
通目標とすることは、これらのサービスがそれぞ
ーチには、多大な時間とコストがかかる支援とな
れに機能するのではなく一貫したものになる必要
るため、行政と連携したキャッチメント・エリア
に迫られる。たとえば、リカバリー志向であるな
の規定が現実的な方法であると考えられる。つま
-13-
海外社会保障研究 Spring 2013 No. 182
り、アウトリーチの実現には、行政と連携した枠
Chilvers R, Macdonald G, Hayes A. 2006“Supported
housing for people with severe mental disorders.”
Cochrane Database of Systematic Revews, Vol.4.
組みの整備が必要となる。
以上、市川市の取り組みを概観し、今後の日本
Clark GN, Herincs HA, Kinney RF, et al. 2000.“Psychiatric
の精神保健医療福祉に期待する方向性として、3
hospitalizations, arrests, emergency room visits, and
つの提言を述べた。おそらくこれらの実現のた
homelessness of clients with serious and persistent
mental illness: findings from a randomized trial of two
ACT programs vs. usual care.”Mental Health Service
めには、「障害のある人もない人も共に暮らしや
すい千葉県づくり条例」制定に向けたタウンミー
ティングのような行政と市民が一体となった活動
Research, Vol. 2, 155-164.
Corrigan PW, Morris SB, Michaels PJ, et al. 2012
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meta-analysis of outcome studies.”Psychiatric Services,
や、「マディソンモデル活用事業」で行政職員、
精神保健医療福祉実践家、当事者、家族、研究者、
他の有志一般市民が共に取り組んだような官民共
Vol.63, 963-973.
Davidson L, Shahar G, Stayner DA, et al. 2004.“Supported
socialization for people with psychiatric disabilities:
lessons from a randomized controlled trial.”Journal of
働の地域システムづくりが不可欠となるだろう。
これらの行政、地域事業所、研究者、当事者等の
有機的な連携はケアマネジメント等の臨床技術の
Community Psychology, Vol.32, 453-477.
Davidson L, Bellamy C, Guy K, et al. 2012.“Peer support
among persons with severe mental illnesses: a review
of evidence and experience.”World Psychiatry, Vol. 11,
継承や、アウトリーチなど先進的な実践の地域の
枠組みを構築することにも貢献できると期待され
る。
123-128.
久永文恵2008「本場マディソンの地域精神保健システ
ム-変化を続けるマディソンモデル-」千葉県・
マディソンモデル活用事業研究会. 千葉県マディソ
謝辞
ンモデル活用事業 平成17-19年度事業実績報告書
本稿を執筆するにあたり、市川市で精神障害者地域
生活支援に取り組まれている実践家の皆様から貴重な
情報をいただきました。心より御礼申し上げます。
pp.80-86
伊藤順一郎2008「重度精神障害者に対する包括型地域
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-15-
研究部長)
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