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メルマガその1 - 3Doors 株式会社
ア ポ ジ ー Apogeeによる公差解析 3Doors 株 式 会 社 http://www.3doors.jp 2014 年 10 月 号 今月のトピックス SDI Tools は、設計品質プロセスを分析、管理する Triptych(トリップテック)のモジュールと、公差な どに代表される設計品質値そのものの妥当性を解析、評価する Apogee(アポジー)モジュールで構 目次: Apogee とは何でしょう 1 公差解析の原理 1 公差解析のワークフロー 2 感度分析 2 モンテカルロ分析 3 統計的配分 3 最適化処理 4 お役立ち情報 5 成されています。今月は Apogee による公差解析についてどのようなものなのかを説明します。 Apogee とは何でしょう SDI Tools に含まれる公差解析モジュールの総称を Apogee(アポジー)と言っています。そもそも、その語源は 何なのでしょうか? 天文学では軌道運動する月や人工衛星が、地球の重力中心に最も近づく位置を Perigee(ペリジー)と言い、最も 遠ざかる位置のことを Apogee(アポジー)と言います。 Apogee とはこの楕円曲線軌道の変曲点を求めるような解析をイメージして名付けられたものです。 メーリング リストは、ダイレクトメールの返信はがき、顧客情報シート、見本市などで交換した名刺、会員名簿など 公差解析の原理 から作成できます。企業からメーリング リストを購入する場合もあります。 次に、ニュースレターに費やす時間とコストを決めます。これらの点をあらかじめ決めておくことで、ニュースレター 設計における数学的モデルはいくつかの表現形式を取ることができます。 それらは、教科書(物理学、工学、会計など)からの方程式、コンピュータ・シ を発行する頻度と期間を明確にすることができます。 ミュレーション、性能を測定できるプロトタイプの実験式、あるいはテスト結果のデータなどです。 そういったモデルのタイプに関わらず、Y=f(x)で示さ れているような「ブラックボックス式」としてそれらを表現することができます。 ュースレターの目的は、対象読者に対して特別な情報を提供することにあります。製品やサービスを宣伝する手 X1 段として、ニュースレターは非常に効果的です。同業者、会員、社員、取引先などに対し、会社の知名度を高め、 信用を構築する効果もあります。 v X2 Y=f(X) Y Xn Apogee は変数 X の分布と標準偏差から、数学モデルで表現された Y の想定不良率 PNC を計算するものです。 取引先 PNC :Probability Non Compliance 想定不良率と訳されます。 SDI Tools はこの PNC を唯一の評価計数値としています。 1 © Statistical Design Institute, LLC. Used by permission. Apogee による公差解析 2010 年 10 月 号 公差解析のワークフロー 公差解析ははじめに SDI Tools の Apogee モジュールを Excel から立ち上げます。 次に、Y=f(X)の変数 X と応答値 Y をセル上 に定義します。応答値 Y のセルには数学式 が定義されていなければなりません。 そして、変数の設計値とその公差による量産 時の応答値に関する不良率が知りたければ、 感度分析を行ってみましょう。 感度分析アイコンをクリックするだけで 不良率のグラフが生成されます。 このとき、変数値の分布が正規分布でない ならば、モンテカルロ分析を使います。感度 分析は各変数が正規分布であることが前提 となります。モンテカルロ分析は乱数を用いた 数値実験により確率論的に答えの候補を抽出 する計算方法です。 統計的配分は応答値 Y が決まっている場合、 その条件を満足させる変数 X の公差値を 求める場合に用います。 最適化処理は応答値 Y に対する拘束条件と 計算の収束目標となるゴールを設定して、最 もゴールに近い変数値と公差値の組み合わせ を得るものです。 それでは、以下に Apogee に含まれる 4 種の解析(感度分析、モンテカルロ分析、統計的配分、最適化処理)についてもう少し詳し く説明していきましょう。 感度分析:Sensitivity Analysis 目的: 特定の機能の閾値(公差)を検証 する 入力: 数学モデルを構成するパラメータ の中央値と標準偏差値 (通常は公差値から逆算できます) 結果: 特定の機能の応答値の分布図、 想定不良率 PNC 各パラメータの寄与率 感度分析とはパラメータ変数の変化によって引き起こされる応答値の変化を予測するための最も迅速で容易な方法です。また、応答値に最も 影響をもたらすパラメータを特定することができます。また、ワークシート上の黄色のセルの値は編集が可能です。もし、それらの値を変更した 場合は、リアルタイムにワークシート上の全ての値が変更されます。この機能を利用して、特定の機能の特定の閾値が得られるように、対話で 各変数の公差値を求めることができます。感度分析を用いる場合の前提条件として、個々の変数値の分布タイプが正規分布である必要があ ります。 2 © Statistical Design Institute, LLC. Used by permission. Apogee による公差解析 2010 年 10 月 号 モンテカルロ分析:Monte Carlo 目的: 特定の機能の閾値(公差)を検証す る 入力: 数学モデルを構成するパラメータの 中央値と標準偏差値 (通常は公差値から逆算できます) 結果: 特定の機能の応答値分布図、 95%の信頼度での想定不良率 PNC 各パラメータの寄与率 モンテカルロ分析とはパラメータ変数の変化によって引き起こされる応答値の分布形状を予測するための最も強力な方法です。理論上は解 析的に解くことができるが、式が複雑過ぎて解を得ることが困難な場合や計算量が多くなり過ぎる場合、あるいは式を立てられない場合に、そ れらの問題を確率モデルに置き換える方法です。Apogee のモンテカルロ分析ではランダムな(ラテン超方格法による)パラメータの組み合わ せを生成し、特定の機能の閾値に対する想定不良率を 95%の信頼度で計算します。ここで 95%の信頼度と言っているのは、このような解法 が確率計算に基づいているからです。そして、計算によって得られた答えが 100 回のうち 95 回は正解しているという意味です。通常は 10,000 通り前後の変数の組み合わせを発生させます。また、この手法の特徴はパラメータの分布タイプに依らないことで、変数の分布は正規 分布、一様分布、三角分布、指数分布、対数分布、ワイブル分布、ベータ分布、ガンマ分布と様々なタイプを取ることができます。 統計的配分:Statistical Allocation 目的: 特定の機能の閾値(公差)を 実現する変数の中央値や公 差値を求める 入力: 応答値の期待不良率および 標準偏差値と固定する変数の 指定 結果: 固定値に指定されなかった変 数の公差値、 統計的配分とは、応答値が希望する公差値に入るように、個別に変数値の中央値や公差を振ってやって、最もよい応答値となる変数値を求 めるために用いられます。しばしばこの手法は統計的公差付与の方法として用いられます。また、品質とコストのトレードオフを取るために用 いられます。ワークシート上の黄色のセルの値は編集が可能です。もし、それらの値を変更した場合は、リアルタイムにワークシート上の全て の値が変更されます。 3 © Statistical Design Institute, LLC. Used by permission. Apogee による公差解析 2010 年 10 月 号 最適化処理:Optimization 目的: 複数の目的に合致した応答値 (パレート解)が得られる変数値 と公差の組み合わせを得る 入力: 数学モデルを構成するパラメー タの中央値と標準偏差値および 応答値の拘束条件とゴール 結果: 目標値を最も満足させる変数の 中央値と公差の組み合わせ 最適化処理は、高パフォーマンスを実現する高品質で低コストとなる新しい設計値の組み合わせを発見するために使用されます。また、最適 化処理を使えば、具体的な設計値である変数の中央値や公差値に多少の変動があっても、応答値が常に公差内に存在するような設計値を 見つけだすことができます。このような設計手法のことをロバスト設計と言います。最適化処理を行えば、ロバスト設計を誰もが実行することが 可能となります。最適化処理の目標となるゴールは複数存在しても良く、複数の目標を同時に満足させる変数値の組み合わせを見つけ出す ことができます。Apogee の最適化処理はランダムな変数の組み合わせをはじめに 100 セット生成します。その中である一定のルールで最も ゴールに近い組み合わせを数個抽出します。それらをもとにまた 100 セットの変数の組み合わせを生成します。そうやって、ゴールに近い組 み合わせだけが最終的に 100 セット残っていくように繰り返し計算します。この手法は世の中で遺伝的アルゴリズムとして、最適値を見つけ出 すひとつの手法として知られています。 遺伝的アルゴリズムは、自然界の生物の進化課程を模倣した最適化手法であり、1960 年代に Holland によって提唱されました。遺伝的アル ゴリズムの特徴としては、多量のデータを扱う組み合わせ問題や、非線形問題の最適化などに大変優れている点が挙げられます。さらに、基 本概念が受け入れやすいため、数学や工学、生物学、医学、遺伝子学など様々な分野で応用されています。SDI Tools でもその処理スピード の速さを特長として最適化処理のアルゴリズムに採用されました。 4 © Statistical Design Institute, LLC. Used by permission. Apogee による公差解析 お問い合わせ先: 3Doors 株式会社 〒130-0014 東京都墨田区亀沢2−20−12 エムエフ両国602 電話 (050)3609-3692 電子メール [email protected] 2010 年 10 月 号 お役立ち情報 Apogee によって計算された例: …次号以降に以下の分野の事例を順次解説、掲載していきます。お楽しみに! ・部品間の隙間寸法や組立寸法に与える公差 ・・・機械、金型、冶具 ・振動系の応答値、伝達関数などの公差 ・・・タービン、エンジン ・電気回路の出力(電圧、周波数、etc)の公差 ・・・ECU、基板モジュール ・運動の物理量(速度、加速度、角速度、etc)に与える公差 ・・・航空機制御装置、ABS、ポンプ ・熱量(伝熱、輻射、対流)に与える公差 ・・・液晶パネル、電池、プロセス装置 世界で最も SDI Tools が使われている会社: ロッキードマーチン様の事例 F-22 CTF で行ったテストに離陸耐性度テストがありまし た。これは操縦桿でフルに回転させると同時に反対方向 に舵のペダルをフルに踏み込んでやるものです。戦闘機 は 15 秒間この状態を維持できなければなりません。 これらのテストはモックアップが作られる前に試験チーム によって検証されました。 詳細は以下からどうぞ。 http://www.codeonemagazine.com/article.htm 引用:SDI 社トレーニング教材 Web サイトにてお待ちしております。 Web サイト アドレス: http://www.3doors.jp/index.html 開発元 Web サイト アドレス: http://www.statdesign-j.com/ 5 © Statistical Design Institute, LLC. Used by permission.