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AN-6224 - フェアチャイルドセミコンダクター

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AN-6224 - フェアチャイルドセミコンダクター
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www.fairchildsemi.com
日本語参考資料
AN-6224
FAN6224 を応用したフライバックおよびフォワードコンバーター
同期整流回路
VIN
概要
N1
FAN6224は二次側に接続されるMOSFETをドライブし効率を
改善する二次側同期整流(SR)コントローラーです。連続モード
(CCM)、不連続モード(DCM)、そして擬似共振型それぞれの
フライバックコンバーターへの応用に適しています。図 1、および
図 2に示すように、ハイサイド、ローサイド両方の整流方式に適用
可能であり、更に、図 3に示すように、フォワード及びデュアルフ
ォワードコンバーターへの応用も可能です。
SR MOSFETは直線的にタイミングを予測する制御(linearpredict timing control)によってオフし、その動作原理は電圧時間バランス法則に基づいています。 この制御アルゴリズムは
図 1に示すように二次巻線に発生する電圧と出力電圧を検出す
ることで実現されます。この方法ではセンス抵抗を用いる必要が
なく効率が改善します。加えて、MOSFETのオン抵抗に影響さ
れないため、柔軟にMOSFETの選択ができます。
VDET
Q1
GATE
3
R1
LPC
VLPC
VRES
7
4
1
6
GND AGND
CRP
R4
RRP
図 1. ローサイド・フライバックコンバーター
標準アプリケーション回路
N3
VIN
N1
Q2
ISR
N2
Q1
VDET VOUT
VDD
R3
5
RES
RP
GATE
R1
3
LPC
FAN6224
7
VRES
4
1
8
VLPC
6
GND AGND
R4
CRP
R2
RRP
図 2. ハイサイド・フライバックコンバーター
標準アプリケーション回路
VIN
N1
N2
VDET
Q1
VOUT
Q3
ISR
GATE
3
Q2
VLPC
LPC
VDD
5
8
FAN6224
RP 1
4
R2
CRP
7
RES
R3
VRES
6
GND AGND
R4
RRP
図 3. デュアルスイッチ・フォワードコンバーター
標準アプリケーション回路
日本語アプリケーションノートはあくまでも参考資料として提供されています。
製品のご検討およびご採用に際しましては、必ず最新の英文アプリケーションノート
でのご確認をお願いいたします。
R3
RES
FAN6224
8
RP
R1
© 2012 Fairchild Semiconductor Corporation
Rev. 1.0.2 • 9/13/13
VDD
5
R2
FAN6224は140KHzを上限として、固定及び可変スイッチング
周波数双方のシステムで動作することが可能です。
このアプリケーションノートではFAN6224を用いたフライバックお
よびフォワードコンバーターの設計手順について述べ、フライバ
ック・ハイサイド整流の設計例を提示します。また、トラブルシュー
ティングの方法を説明し、更に、プリント基板レイアウトのガイドラ
インを提供します。
VOUT
ISR
Q2
SR MOSFETをドライブするためには同期整流コントローラーの
基準グランドをMOSFETのソース端子に接続することが必要で
す。ローサイド整流の場合、基準グランドは出力グランドと同じで、
ハイサイド整流の場合、基準グランドはフローティングとなります。
ハイサイド整流では出力グランドにスイッチングデバイスが接続さ
れないため、ローサイド整流に比べEMI特性が優れています。
無負荷及び軽負荷時には効率を改善するためグリーンモード動
作に移行します。グリーンモード時、FAN6224はスイッチングを
停止し動作電流を低減してスイッチング損失を削減します。デザ
インの柔軟性を高めるため、グリーンモード動作に移行する負荷
レベルはRP端子に接続される外部抵抗により調整可能になって
います。
N2
www.fairchildsemi.com
アプリケーションノート
AN-6224
最低入力電圧(VIN.MIN) と巻線比から 式(3)は以下のように書き
換えられます:
外部コンポーネントデザイン
IC パワーサプライ
ローサイド整流の場合、出力(VOUT)からFAN6224の電源電圧を
供給することが可能です。図 1に示すように、VDD端子はVOUTに
直接接続されています。VDDの動作範囲は11.5V~26Vの間な
ので、定格出力電圧がこの範囲外であるか、または、FAN6224
をハイサイド整流アプリケーションで使用する場合にはFAN6224
に電源を供給するための補助巻線(N3)が必要になります。その
場合出力電圧Voutは補助巻線に伝達され、VDD は以下の式で
与えられます:
VDD 
N3
VOUT
N2
.
1
RatioLPC
V
  IN.MIN  VOUT
 n1

  1.54

SR
MOSFET
Body
diode of
ボディダイオード
SR MOSFET
(6)
SR MOSFET
Body
diode of
ボディダイオード
SR MOSFET
VGS
Synchr onous Rectifier
MOSFET
Primary
MOSFET
VDET
(1)
したがってN3 及びN2 はVDDの動作範囲を満たすように十分考
慮して設計する必要があります。
VIN/n1+VOUT
動作周波数
FAN6224は異なる周波数範囲での動作に対応可能で、動作周
波数範囲はRP 端子に接続するコンデンサー(CRP)の値を変化さ
せ調整することができます。周波数の低いシステム(100kHz以
下)ではCRPに10nFを、また、高い周波数のシステム(100kHz~
140 kHz)ではCRPに1nFを使用することを推奨します。
VLPC
VLPC-TH-HIGH
VRES
図 1に示すようにLPC及びRES端子に接続される抵抗値はリニ
ア予測タイミング制御が正しく動作するように設計する必要があり
ます。4本の抵抗値を決める際、最初にLPC側から設計を始める
ことを推奨します。まずLPC抵抗比(RatioLPC)を選択し、適正な
LPC動作範囲を決めます。その後RatioLPCを基にR1及びR2の
値を決め、次に電圧スケールダウン定数(K)を設定します。すると、
RES抵抗比(RatioRES)を得ることができます。最後にRatioRESを
基にR3及びR4を決めて、抵抗値の設計は終了です。図 4にロ
ーサイド整流のタイミングダイヤグラムを示します。ブランキング期
間(tLPC-EN)を経過した後、LPC電圧(VLPC)がVLPC-EN(VLPCHIGH の87.5%)より高い場合、SRゲート出力は待機しています。
LPC電圧がVLPC-TH-HIGH (1.22 V)を下回ると、SRコントローラー
は ゲ ー ト 信 号 を 出 力 し ま す 。 制 御 ア ル ゴ リ ズ ム か ら 、 SR
MOSFETをオンにするにはVLPC-ENがVLPC-TH-HIGH 以上である
ことが必要です。従って :
VRES-EN
図 4. FAN6224 ローサイド同期整流
QRフライバックコンバーター 標準動作波形
一方、LPC端子のリニア動作範囲は4.8 V以下であることから:
1
RatioLPC
N1
N2
(2)
 VIN.MIN

 VOUT
 n1
1.54
(3)
(4)
R1  R 2
R2
© 2012 Fairchild Semiconductor Corporation
Rev. 1.0.2 • 9/13/13
(7)



 VIN.MAX

 VOUT
 n1
4.8



(8)
従って、設計の初期段階でシステムパラメーターが式(8)を満足し
ているか確かめてください。もし式(8)を満足しない場合、上記パ
ラメーターのいくつかを再設計する必要があるでしょう。
ローサイドアプリケーションの場合、R2は12 kかそれより大きく
してください。図 4に示すように、二次側に電流が流れ始める時、
MOSFETのドレイン-ソース電圧(VDS)は負になります。負電位に
よるLPC端子の損傷を防ぐため、VLPC がVLPC-SOURCE(0.1 V)以
下になると内部回路がLPC 端子に電流をソースします。 従って、
R2が小さ過ぎるとLPC端子をクランプできなくなります。 抵抗値
また、LPC 抵抗の比を次のように定義します:
RatioLPC 

  4.8

.
式(6)と式(7)を結合し、FAN6224の適用範囲はシステムパラメー
ター、n1、VIN.MAX 、VIN.MIN 、及びVOUT が以下の式を満足する
時に限ります。
N1 と N2 の巻線比を以下のように定めます:
n1 
V
  IN.MAX  VOUT
 n1
ここで、VIN.MAX は最大入力電圧です。従って、適切なRatioLPC
を選ぶことで式(6)及び式(7)を満足させる必要があります。
誤差を考慮して、
VLPC HIGH  1.54
VLPC-HIGH
VLPC-EN=
0.875  VLPC HIGH
ローサイド同期整流フライバックコンバーター
0.875  VLPC HIGH  1.22
tLPC-EN
(5)
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2
アプリケーションノート
AN-6224
R2が決まると、R1の値は、適切なRatioLPCを選び、式(5)により計
算できます。実際には初期値として、考えられるRatioLPCの最大
値を選んでください。
しかし、RES端子に関する分圧回路(R3及びR4)の設計では二次
巻線(N2)と補助巻線(N3)の比を考慮する必要があります。巻線
比を次のように定義します:
正しくレイアウトされていないプリント基板が原因で、LPC端子に
重度のノイズ干渉が発生している場合には、小容量のセラミックコ
ンデンサー(約10 pF~22 pF)をLPC端子‐グランド間に接続し
て下さい。
RatioLPC
RatioRES
K
R3  R4
R4
2
VOUT
 4.8
n2  RatioRES
(14)
ハイサイドアプリケーションでは、RES端子に発生する負電圧を
クランプするため、R4 には27 k、かそれより大きい値を推奨しま
す。図 5 に示すように、一次側MOSFET(Q1)がオンした時、N3
両端の電圧(VN3)は負になります。分圧回路が接続されるRES端
子の電圧(VRES)も同様に負です。負電圧によりICが損傷を受け
な い よ う VRES が VRES-SOURCE(0.2 V) 以 下 に な る と 内 部 回 路 が
RES端子に電流をソースします。従って、R4 が小さ過ぎると、
RES端子をクランプできなくなります。 R4 の値が決まるとR3 は式
(10)より求めることができます。
(10)
SR
MOSFET
Body
diode of
ボディダイオード
SR MOSFET
VGS
スケールダウン比が決まった後は、既にRatioLPCを求めているの
で、式(8)よりRatioRES を求めることができます。RatioRES も同様
に、RES端子のリニア動作領域(電圧範囲:2~4.8 V)を満足する
必要があります。即ち、以下の条件を満足させてください。
VOUT
 4.8
RatioRES
(13)
(9)
SR MOSFETは内部のタイミングコンデンサーCT が完全に放電
されるとオフするように設計されていて、Kの値が3.9の時、CT コ
ンデンサーの放電時間、tCT.DIS、はインダクター電流の放電時間、
tL.DIS、と同じになります。従ってインダクター電流がそのクロック
サイクルにおける初期値に達した時点でSR MOSFETはオフし
ます。しかし、必ずtCT,DIS がtL,DIS よりも短くなるようにしてオーバ
ーラップを避けなければならない為、スケールダウン比(K)は分
割抵抗の精度と内部回路を考慮して3.9より大きくしてください。
標準的にKの値は4.2 ~4.7に設定します。
2
RatioLPC
n2  RatioRES
R3とR4 は直接出力電圧を検出するのではなく、補助巻線に発生
する電圧を検出することになります。従って、式(11)を変形して:
ここで:
RatioRES 
(12)
これに従い、式(9)を書き換えると:
R3及びR4を求めるには、まずRESとLPC端子間の電圧スケール
ダウン比(K)を考慮に入れる必要があります。Kを以下のように定
義します:
K
N2
N3
n2 
Primary
MOSFET
SR
MOSFET
Body
diode of
ボディダイオード
SR MOSFET
Synchr onous Rectifier
MOSFET
VDET
VIN/n1
(11)
VIN/n1+VOUT
VOUT
式(6)、(7)、及び(11) の間で、矛盾するようであれば、パラメータ
ー(n1 、VIN.MAX 、VIN.MIN 、VOUT )のいずれかを微調整する必要
があります。R3 及びR4 の抵抗値を求める際、ローサイドアプリケ
ーションの場合はRES端子が負電位になる問題がないため、R4
を数10kΩと決め、次にR3 の値を式(10)から求めることができま
す。
VLPC
VLPC-HIGH
VLPC-EN
VLPC-TH-HIGH
VRES
ハイサイド同期整流フライバックコンバーター
VRES-EN
R1及びR2によって検出されるドレイン-ソース間電圧は双方のア
プリケーションで同じであるため、ハイサイドアプリケーションで
LPC端子に接続される抵抗分圧回路(R1及びR2)の設計方法は
ローサイドの場合と同じです。即ちFAN6224を用いてハイサイド
MOSFETをドライブするには式(6)及び(7)を満足する必要があり
ます。
VN3
n2  VVOUT
OUT
n2  Ratio
Ratio
RES RES
VOUT
n2 n
V2OUT
n3  VIN
図 5. FAN6224 ハイサイド同期整流
QRフライバックコンバーター 標準動作波形
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3
アプリケーションノート
AN-6224
フォワード / デュアルスイッチフォワード・
コンバーター
グリーンモード
FAN6224は軽負荷及び無負荷時には効率を改善する為グリー
ンモード動作となり、SR MOSFETのスイッチングは停止します。
図 7に示すように負荷が軽くなるに従いインダクター電流及び内
部コンデンサー(CT)の放電時間は短くなります。 コンデンサーCT
の放電時間(tCT,DIS)が3サイクル以上連続してtGREEEN-ONより短く
なると、SRコントローラーはグリーンモードに移行し、動作電流は
300 μAに低減します。
デュアルスイッチ・フォワードコンバーターにFAN6224を応用し
た標準的なアプリケーション回路を図 3に示し、主要な部分の波
形 を 図 6 に 示 し ま す 。 一 次 側 MOSFET が オ ン す る と 、 SR
MOSFETの両端に発生する電圧VDET は次の式で求まります。
VDET 
VIN
n1
(15)
SR Gate
ここで n1 はN1 とN2 の間の巻線比で式(4)と同じです。 VDET の
値はフライバックアプリケーションの場合とは異なるので、 式(6)
及び (7) は以下のように書き換えられます:
ノーマルモード
Normal
Mode
1.9µs~4.4µs
VIN .MIN
 1.54
RatioLPC  n1
(16)
VIN .MAX
 4.8
RatioLPC  n1
(17)
1.9µs~4.4µs
図 7. グリーンモード移行時 タイミングダイアグラム
逆に、コンデンサーCT の放電時間が15サイクル以上連続して
tGREEN-OFF を上回った場合、SR コントローラーは図 8に示すよう
にグリーンモードから抜けて通常動作(ノーマルモード)に戻りま
す。
SR Gate
SR MOSFET
Body
diode of
ボディダイオード
SR MOSFET
グリーンモード
Green Mode
ノーマルモード
Normal Mode
15 Times
Synchr onous Rectifier
MOSFET
t
t
VGS
Primary
MOSFET
1.9µs~4.4µs
IM
R2の抵抗値はここでも12 kΩ、またはそれより大きい値にすること
を推奨します。フライバックアプリケーションの時とほぼ同様に設
計を進めていきます。即ち、最初に最大と考えられるRatioLPCを
決め、次に式(5)によりR1を計算します。次に、デッドタイムを考慮
して適切なスケールダウン比(K)を4.2~4.7の間で決めます。そ
の後、式(8)に従ってRatioRES を計算し、その結果が式(10)を満
足するようにします。 最後にR4 の値を数10kΩ程度となるように
決め、式(9)によりR3 を求めることができます。
SR
MOSFET
Body
diode of
ボディダイオード
SR MOSFET
グリーンモード
Green Mode
3 Times
Primary
MOSFET
3.3µs~5.9µs
3.3µs~5.9µs
3.3µs~5.9µs
t
IM
VDET
VIN/n1
……
t
VLPC
tLPC-EN
図 8. 通常動作復帰時 タイミングダイアグラム
VLPC-HIGH
VLPC-EN
VLPC-TH-HIGH
設計に柔軟性を持たせるため、tGREEN-ON及びtGREEN-OFFは外部
抵抗RRP により調整可能です。RRP の抵抗値とtGREEN-ON 及び
tGREEN-OFF との関係式を以下に示します:
VRES
VRES-EN
(18)
tGREEN OFF  tGREEN ON  1.34
(19)
図 9の特性カーブが示すように、RRPの抵抗値の最小値、最大値
はそれぞれ75kおよび200kです。個々のRRP抵抗値は一組
の tGREEN.ON 及び tGREEN.OFFに対応しています。
図 6. FAN6224 フォワードコンバーター標準動作波形
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tGREEN ON  0.02  RRP  0.4
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4
アプリケーションノート
tCT.DIS (ms)
AN-6224
Step 3. RatioLPCの動作範囲を求める:
6.5
6
5.5
5
4.5
4
3.5
3
2.5
2
1.5
RatioLPCの最大値は式(6)より次のように求まります:
tGREEN-OFF
RatioLPC
tGREEN-ON
RatioLPCの最小値は式(7)より次のように求まります:
50
70
90
110 130 150 170 190 210 230
RRP (kΩ)
RatioLPC
図 9. RRP によるtGREEN-ON および tGREEN-OFFの可変範囲
RRPの抵抗値を決める際は、最初にグリーンモードに入る負荷を
決め、次にtGREEN-ONを測定し、その後、式(17)でRRPの値を求め
ます。実際には、設計を最適化するために、尐なくとも2種類の効
率カーブを測定、比較する必要があります。一方はRRPの最小値
(75kΩ)を使い、他方は最大値(200kΩ)を使います。そこで得ら
れた二つのカーブが交差する点が最適化されたグリーンモード
に入る負荷条件になります。二つのカーブが交差しない場合、
75kΩ 及び200kΩのいづれかが最適な抵抗値となります。
VI N .MAX
 VOUT
n1

 16.9
4.8
RatioLPCを23.5とします。実際には、RatioLPCの値を、その最大
値に近い値に設定して設計を始めてください。 求めたRatioRES
が、この先のステップで動作領域をオーバーする場合、再びこの
ステップに戻りRatioLPCを再考します。
Step 4. 抵抗値 R1を求める:
抵抗値がLPC 端子の電位をクランプするのに十分大きい値であ
るとして、最初は抵抗値R2を12kΩにします。R1は式(5)より、次の
ように求められます:
ハイサイド同期整流フライバックコンバーター
設計例
R1  R2   RatioLPC  1  270 k
Step 5. RatioRESを求める:
Step 1. システムパラメーターの設定







VI N .MIN
 VOUT
n1

 24.1
1.54
まず、4.2~4.7の間で適切なスケールダウン比(K)を設定します。
デッドタイムの調整を踏まえて設定しますが、後に微調整すること
が可能です。ここでは、4.11に設定し、RatioRES は式(12)により
次のように求められます:
入力最大電圧 VIN.MAX:373 V
入力最小電圧 VIN.MIN: 86 V
出力電圧 VOUT: 19 V
一次側巻線数 N1: 38 ターン
RatioRES 
二次側巻線数 N2: 8 ターン
巻線比 n1: 4.75
RatioLPC
23.5

 4.3
n2  K
1.33  4.11
次にRatioRES が式(14)を満足するかチェックします。動作範囲と
合わない場合には、Step3に戻り、RatioLPCの設定をやり直しま
す。ここでは:
VIN.MAX、VIN.MIN、n1、およびVOUT を式(8)に代入:
 86
  373

 19  
 19 

 4.75
   4.75

1.54
4.8
2
VOUT
19

 3.32  4.8
RatioRES  n2 4.3  1.33
従って、FAN6224をこのシステムに応用することが可能です。
となって、結果は条件を満たしています。
Step 2. 補助巻線数N3を求める:
Step 6. 抵抗値 R3を求める
VDD を11.5 V ~26 Vの間に設定します。ここでは、15Vとし、式
(1)から以下のようにN3が求まります:
N3 
その値がRES端子の電位をクランプするのに十分であるとして、
最初に抵抗R4の値を27 kΩに設定します。 次にR3の値は式(10)
から、次のように求められます:
VDD  N2
 6.3
VOUT
R3  R4   RatioRES  1  89.1 k
従って、N3は6ターンとします。
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最終的にR1, R2, R3, およびR4 が全て算出されました。デッドタイ
ムをチェックして、4個の抵抗値を確定します。デッドタイムの微調
整は次の項で説明します。
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5
アプリケーションノート
AN-6224
トラブルシューティング
FAN6224がグリーンモードに移行できない
デッドタイムの微調整
グリーンモードに移行する負荷条件はSRのオン時間によって決
まり、それはRRPによって調整できます。 FAN6224がグリーンモ
ードに移行しない場合、RRPの抵抗値を大きくしてください。負荷
が軽くなるに従いSRオン期間が設定されたtGREEN-ON より短くな
るため、コントローラーはグリーンモードに移行します。
SRデッドタイムが大きすぎる場合、R1の値を小さくするか、R2の
値を大きくします。 いずれの場合も、図 10に示すように、VLPCの
値が上昇し、コンデンサーCT の放電時間(tCT.DIS)が長くなり、デ
ッドタイムが減尐します。VLPCを大きくする際、式(7)を満足する必
要があることにご注意ください。
SRが スイッチング動作をしない
VCT
最初にVDD動作電圧が11.5 V~26 Vの間にあるか確認してくだ
さい。 次に、式(3)にあるように、VLPC-HIGHが1.54 V以上であるこ
とをチェックしてください。 更に、SR MOSFETまたは、そのボデ
ィダイオードが導通している時、VRESが2 V以上であるか確かめ
てください。 最後に、FAN6224がグリーンモードで動作していな
いことを確認してください。
Increased
VLPC
t
VGS
tCT.DIS
SRがしばらくの間スイッチ動作をした後 シャットダウンし、
これを繰り返す
Original
Dead-Time
定常負荷動作ではSRスイッチはリニア予測タイミング制御に従っ
てオン/オフを定期的に繰り返します。しかし、過渡的に負荷が変
化する状態ではインダクター電流の充電と放電が常にバランスし
ているわけではありません。 従って、FAN6224は、電圧-時間バ
ランスが崩れた場合オーバーラップを防止する為、LPC-パルス
幅延長および短縮保護、ゲートパルス幅制限、フォールトタイミン
グ保護、 RES電圧ドロップ保護、そしてLPC及びRES端子オー
プン/ショート保護等、様々な保護機能を備えています。 これらの
保護機能のどれかがトリガされるとFAN6224は即座にSRスイッ
チングを停止し、異常状態が取り除かれた後に正常状態に戻りま
す。より詳細な説明に関してはデータシートをご覧いただき、これ
ら保護回路のいずれかが定常負荷動作時にトリガされるかどうか
ご確認ください。
t
VGS
Decreased
Dead-Time
t
図 10. SR デッドタイムの減少
逆に、SRデッドタイムが小さすぎる場合、R3の値を小さくするか、
R4の値を大きくしてください。いずれの場合も、図 11に示すよう
に、VRES の値が上昇し、コンデンサーCT の放電時間(tCT.DIS)が
短くなり、デッドタイムが増加します。VRES を増加させる際、式
(14)を満足する必要があることにご注意ください。
VCT
Increased
VRES
t
VGS
tCT.DIS
Original
Dead-Time
t
VGS
Increased
Dead-Time
t
図 11. SR デッドタイムの増加
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6
アプリケーションノート
AN-6224
プリント基板レイアウト
システム側:

図 12及び図 13にFAN6224をローサイドおよびハイサイドシス
テムに応用した場合の回路図を示します。優れたPCBレイアウ
トは効率の向上、EMIの低減に寄与し、電源がサージ/ESDテ
ストにより影響を受けるのを防ぎます。
二次側のパワーループとなるtrace 5 の配線はできるだけ
太く短くしてください。
Y- キャパシタ ーは 直接出力のグランドに接続し ま す 。
(trace 6)

IC 側:




LPC お よ び RES 端 子 に 対 す る 基 準 グ ラ ン ド は 直 接 IC
GND に接続にして下さい。(trace 1)
GNDおよびAGND端子は太く短い配線、或いは大きな面
積で共に結合させてください。 (trace 2)
CVDDの基準グランドは直接GND端子およびAGND端子に
接続し(trace 3)、その後、出力グランドと接続します。(trace
4)。
LPCおよびRES端子への配線は磁気部品から離すように
してください。
VIN
N1
N2
VOUT
ISR
5
Y-CAP
Q2
6
VDET
Q1
GATE
3
R1
VLPC
LPC
R3
RES
FAN6224
8
RP
VDD
5
4
1
VRES
7
4
6
GND AGND
R2
CRP
CVDD
RRP
R4
2
1
1
3
図 12. ローサイドシステム レイアウトガイドライン
N3
VIN
N1
Q2
ISR
R3
Q1
N2
VDET VOUT
5
VDD
RP
3
4
1
8
CRP
RRP
VLPC
6
GND AGND
R4
R1
LPC
FAN6224
7
VRES
GATE
5
3
RES
Y-CAP
R2
6
2
1
1
図 13. ハイサイドシステム レイアウトガイドライン
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AN-6224
設計例
デザインガイドラインを基に、主要パラメータの設計値を表 2にま
とめて示します。
この項ではFAN6756を使用した65W(19V/3.42A)ACアダプタ
ーの設計例を紹介します。回路図を図 14に示します。システムス
ペックを基に、全ての重要部品および測定結果を掲載しています。
表 2. 主要システムパラメーター
表 1. システムスペック
PWMステージ
入力
入力電圧範囲
90~264 VAC
ライン周波数範囲
47~63 Hz
出力
出力電圧 (Vo)
19 V
出力電力 (Po)
65 W
CIN1
DBD
0.33mF
2KBP06M
PWM トランス一次側巻線数(NP)
38 ターン
PWM トランス二次側巻線数(NS)
8 ターン
PWM トランス補助巻線数(NAUX1)
7 ターン
PWM トランス補助巻線数(NAUX2)
6 ターン
PWM トランス巻線比(n)
一次側インダクタンス (LP)
510 µH
スイッチング周波数 (fs)
65 kHz
DVDD2
NP TF1 NAUX2
38T 510mH
VAC
S1B
6T
RSN CSN
DZDSN
10µF
CIN2
CY
S1M
LO
Q2
DSN
120mF
DHV1
23.5Ω 1nF
CVDD2
P6KE150A
0.22nF
4.75
1.6mH
FDP083N15A
FR107
+
DHV2
S1M
RRES1
RG
IC2
88.7kΩ
Q1
20
FQPF7N65C
NS
100k
1 GND
DRES
CRP
GATE 8
3 NC
SENSE 6
4 HV
RT 5
RLPC1
270kΩ
FAN6224M
4
1
CO1
CO2
1000mF
470mF
VO
RRP
8
-
6
GND
BAT86
10nF
VDD 7
1nF
27kΩ
0.176
2 FB
CFB
RRES2
RSENSE
IC1
FAN6756
RHV2
100k
RP
4.7K
GATE
3
LPC
7
8T
RGS
RHV1
VDD
5
RES
AGND
RLPC2
12kΩ
120kΩ
RD
1.2k
RLPF
100
DVDD1
RRT
1N4935
5.6k
RNTC
CVDD1
100k
47mF
RO1
IC3
CLPF
200k
PC817A
0.47nF
RF
NAUX1
4.7k
7T
CF
2.2nF
IC4
KA431
RO2
30k
図 14. 完成回路図
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AN-6224
表 3. 部品表
品番
値
備考
抵抗
品番
値
備考
CVDD1
47 µF
50 V
RD
1.2 k
1/4 W
CVDD2
10 µF
50 V
RF
4. 7k
1/8 W
CY
0.22 nF
Y-CAP
RG
20 
1/4 W
RGS
4.7 k
1/4 W
DBD
2KBP06M
RHV1
100 k
1/4 W
DHV1
S1M
RHV2
100 k
1/4 W
DHV2
S1M
RLPC1
270 k
1/8 W
DRES
BAT86
RLPC2
12 k
1/8 W
RLPF
100 
1/8 W
RNTC
100 k
RO1
200 k
RO2
ダイオード
MOSFET
DSN
FR107
DVDD1
1N4935
1/8 W
DVDD2
S1B
30 k
1/8 W
DZDSN
P6KE150A
RRES1
88.7 k
1/8 W
Q1
FQPF7N65C
RRES2
27 k
1/8 W
Q2
FDP083N15A
RRP
120 k
1/8 W
RRT
5.6 k
1/4 W
RSENSE
0.176 
1W
RSN
23.5 
1/2 W
インダクター
LO
1.6 µH
IC
IC1
FAN6756A
コンデンサー
IC2
FAN6224M
CF
2.2 nF
IC3
FOD817A
CFB
1 nF
IC4
KA431AZTA
CIN1
0.33 µF
X-CAP
CIN2
120 µF
400 V
CLPF
0.47 nF
CO1
1000 µF
25 V
CO2
470 µF
25 V
CRP
10 nF
CSN
1 nF
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図 15に、19V/65Wの評価ボードを100%負荷(3.42A)で動作さ
せた場合のテスト波形を示します。SRゲートはリニア予測タイミン
グ制御に従ってオフし、一次側と二次側のMOSFETの間でデッ
ドタイムを保ちます。
図 17および図 18に軽負荷から重負荷、重負荷から軽負荷へ変
化する時のテスト波形をそれぞれ示します。一次側と二次側の
MOSFETの間でオーバーラップは存在していません。
図 17. テスト動作波形 負荷変動時
(軽負荷 ⇒ 重負荷)
図 15. テスト動作波形100% 負荷
図 16に、19V/65W評価ボードを25% 負荷で動作させたときの
テスト波形を示します。リニア予測タイミング制御が適正に動作し、
SR MOSFETをオフさせて一次側MOSFETがオーバーラップ
するのを防いでいます。
図 18. テスト動作波形 負荷変動時
(重負荷 ⇒ 軽負荷)
関連資料
図 16. テスト動作波形 25% 負荷
FAN6224 — Synchronous Rectification Controller for
Flyback and Forward Freewheeling Rectification
注意事項
フェアチャイルドセミコンダクターは、本書に記載したすべての製品に対して、信頼性、機能、及びデザインを改善する為に予告なしに変更する権利を所
有しています。また、フェアチャイルドは ここに記載した製品或いは回路の使用及び応用に起因するいかなる債務を負うものではなく、また、当社の特許
権または第三者の権利に基づくライセンスを許諾するものではありません。
生命維持装置への使用について
フェアチャイルドセミコンダクターの製品はフェアチャイルドセミコンダクターコーポレーション社長の書面による承諾がない限り、生命維持装置または生命
維持システム内の重要な部品に使用することは認められていません。
ここで、
1.
生命維持装置または生命維持システムとは、(a) 外科的に体内に埋め込まれ
て使用されることを意図したもの、(b) 生命を維持或いは支持するもの、(c) ラ
ベルに表示された使用法に従って適切に使用された場合にその不具合が使
用者に重大な損傷をもたらすことが合理的に予想されるもの、をいいます。
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2.
重要な部品とは、生命維持装置或いは生命維持システム内のあらゆる部品を
指し、これらの不具合が生命維持装置或いは生命維持システムの不具合の原
因に、またはその安全性および効果に影響を及ぼす原因になるものと合理的
に予想されるものをいいます。
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