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潤滑 - NTN

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潤滑 - NTN
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 35
4. 潤 滑
4.1 概要
4.2.1 防錆油
防錆油は、保管や輸送中にリニアガイドから錆が発生
リニアガイドの性能を十分に発揮させるには、十分な
するのを防止します。ただし、防錆油はリニアガイドの
潤滑が必要です。転動体と転走面は、潤滑膜により互い
潤滑には適していません。防錆油と実際に使用する潤滑
に保護されることで抵抗が減り、また、耐食性が向上し、
剤の適合性を必ず確認してください。リニアガイドは、
長寿命化が期待できます。さらに、シールの接触面のす
防錆油「Contrakor Fluid H1/クリューバー社」を封入
べりが良くなり異常摩耗を抑えます。
し出荷します。この防錆油は、NTN-SNR の標準グリース
潤滑が不十分だと、各部の抵抗が増すだけでなく、寿
の「SNR LUB HEAVY DUTY」と適合性があります。
命が大幅に低下します。リニアガイドの性能を良くし、
グリースを指定頂ければグリースを封入した状態で納
長期間使用するためには、最適な潤滑剤の選択が重要と
入できます。
なります。周囲温度や使用条件に合った潤滑剤を採用す
ることで、リニアガイドの機能向上につながります。
4.2.2 潤滑油
潤滑油は、集中注油システムを使用した供給が一般的
影響のある周囲環境や要因の例を以下に示します:
です。配管などの潤滑経路設計が必要ですが、自動です
¡高温と低温
べての給油口に継続的に潤滑油を供給できるため、潤滑
¡高圧水または水しぶき
切れの心配はありません。また潤滑油は、摩擦熱の冷却
¡放射線
効果に優れ、リニアガイドの発熱を抑えることができま
¡高周波振動
す。ただし、潤滑油が周囲へ流出する可能性があり、排
¡真空環境/クリーンルーム環境
出・回収を考慮する必要があります。転走面へ安定的に
¡特殊媒体への暴露(ガス、酸など)
潤滑油を供給するためには、継手の取付位置を検討する
¡高加速度/高速
必要があり、取付位置は、4.4 章をご参照ください。
¡連続的な微小送り/揺動
NTN-SNR リニアガイドに適した潤滑油の種類や特性を
¡ダストやスパッタ
表 4.1 に示します。
¡紛体や木材の切粉
4.2.3 低粘度グリース
4.2 潤滑剤
リニアガイドの潤滑には、潤滑油、低粘度グリースが
適しています。
潤滑剤には、以下の効果があります:
¡リニアガイドの転がり摩擦抵抗低減
¡起動抵抗の低減
低粘度グリースは流出しにくいため、継手の取付位置
を検討する必要はありません。
NTN-SNR リニアガイドに適した低粘度グリースの種
類や特性を、表 4.2 に示します。
4.2.4 潤滑グリース
リニアガイドの潤滑は、グリース潤滑が一般的です。
¡異常摩耗や腐食の抑制
グリースを使用すると、潤滑油や低粘度グリースよりも
¡ノイズの減衰
減衰性に優れ、付帯機器不要でまた、高メンテナンス性
リニアガイドには、グラファイト、PTFE や二硫化モ
といえます。標準グリースには、極圧添加(EP)剤入り
リブデンのような固体系潤滑剤の使用は適していませ
ん。NTN-SNR では、使用環境や用途に合わせた様々な
高性能潤滑剤を取り揃えています。
リチウム系グリース(「SNR LUB HEAVY DUTY」)を
用意しています。特殊環境では、その環境に応じた適切
な潤滑剤の選択が必要となります。また異なる潤滑剤を
追加給脂する場合は、ちょう度の増加など性能に支障を
きたす可能性がありますので、必ず新旧の潤滑剤や防錆
油との適合性をご確認ください。表 4.3 に、リニアガイ
ドで使用されるグリースの種類や特性を示します。
35
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 36
表 4.1 潤滑油
名 称
基 油
動粘度 [mm2/s]
(40℃)
DIN 51562
Klüberoil
GEM 1-100N
鉱物油
100
880
耐食性、耐摩耗性
Kluberoil 4
UH1-68N
ポリアルファ
オレフィン
680
860
耐経年劣化性、耐摩耗性
NSF H1 グレード認定 *
密度
[mg/cm3]
特 性
適用分野
・一般機械
・食品加工産業
・医薬品産業
表 4.2 低粘度グリース
名 称
Isoflex
Topas NCA
5051
NL GI クラス
基油 / 石けん基 DIN 51818
混和ちょう度
[0.1mm](25℃)
DIN ISO 2137
動粘度 [mm2/s]
(40℃)
DIN 51562
密度
[mg/cm3]
特 性
低摩擦、走行性
・一般機械
・ 一般機械構造体
・ 高荷重用途
・ 微小送り機構
・ 振動が多い用途
合成炭化水素油 /
特殊カルシウム
石鹸
0/00
385∼415
30
800
Microlub
GB 0
鉱物油
0
355∼385
400
900
耐摩耗性、耐圧性
Klüber
synth UH1
14-1600
合成炭化水素油・
特殊カルシウム石鹸 /
アルミ複合石鹸
0/00
370∼430
約 160
850
耐経年劣化性、耐摩耗性
NSF H1 グレード認定 *
適用分野
・食品加工産業
・医薬品産業
表 4.3 グリース
動粘度 [mm2/s]
NL GI クラス 混和ちょう度
(40℃)
DIN 51818 [0.1mm](25℃)
DIN 51562
DIN ISO 2137
密度
[mg/cm3]
特 性
約 115
890
耐摩耗性、
耐荷重性、耐食性
・一般機械
̶
25
900
粘着性、耐水性
・高速駆動用途
2
265∼295
160
900
耐熱性、耐食性、
耐酸化性
・高温用途
パラフィン系
鉱物油 /
アルミ複合石鹸
2
265∼295
195
920
耐食性、粘着性、
耐水性、NSF H1
グレード認定 *
・食品加工産業
Microlub
GL261
鉱物油 /
特殊リチウム・
カルシウム石鹸
1
310∼340
280
890
耐摩耗性、耐荷重性、
トライボ腐食防止
剤添加
・ 一般機械
・ 高荷重用途
・ 微小送り機構
・ 振動が多い用途
Klüber synth
BEM34-32
合成炭化水素油 /
特殊カルシウム
石鹸
2
265∼295
約 30
890
耐圧性、耐摩耗性、
・クリーンルーム
経年劣化防止性、
用途
低起動トルク
Klüber
synth UH1
14-151
合成炭化水素油・
エステル油 /
アルミ複合石鹸
1
310∼340
約 150
920
耐食性、経年劣化
防止性、耐水性
NSF H1 グレード認定 *
名 称
基油 / 石けん基
SNR LUB
HEAVY DUTY
パラフィン系
鉱物油 /
特殊リチウム石鹸
2
295
SNR LUB
HIGH SPEED
合成炭化水素油・
エステル油 /
特殊リチウム石鹸
2
SNR LUB
HIGH TEMP
合成炭化水素油・
鉱物油 /
ポリウレア化合物
SNR LUB
FOOD
適用分野
・医薬品産業
・食品加工産業
* この潤滑油は H1 製品として登録されており、食品に偶発的に接触する可能性のある個所に使用できます。経験的に、製品仕様が適合する場合、本製品は
薬品や化粧品産業でも利用できることが認められています。ただし、薬品分野において必要とされる特定の試験結果(例えば生体適合性など)は保有して
いません。当分野で使用される場合、製造者や使用者は、必要なリスク解析を実施してください。また、必要に応じて、健康被害やけがの防止策を講じて
ください(出典:クリューバー社)。
36
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 37
4.3 潤滑方法
NTN-SNR のリニアガイドは、ランナーブロックに取り付けられているニップルや潤滑継手からグリースガン(図
4.1)や自動潤滑ディスペンサ(図 4.2)、集中注油システム(図 4.3)をご用意いただくことで潤滑剤を供給できます。
自動潤滑ディスペンサ(図 4.2)は、ランナーブロックに定期的に潤滑剤を供給できます。設置可能な場所にディス
ペンサを取り付け、ディスペンサからランナーブロックの継手(4.4.2 章)へホースを接続して使用します。潤滑ポー
トごとにディスペンサが必要となります。また、ホースの長さは 500mm を超えない範囲でご使用ください。
集中注油システムは、手動ポンプや電気制御による自動ポンプ等からすべての潤滑ポイントに、必要量の潤滑剤を定
期的に供給できます。これらの機構は、特殊環境下でオイルミスト潤滑にも対応しています。オイルミスト潤滑システ
ムは、潤滑油を圧縮空気によりミスト状にして、潤滑ポイントに供給します。必要最小限の潤滑ポイントに潤滑油を連
続的に供給するため、摩擦熱に対して優れた冷却効果があり、また継続的に内部圧力を高めることによりランナーブロ
ック内部への異物の侵入を防ぎます。
図 4.1 グリースガンによる給脂
図 4.3 集中注油システム
図 4.2 自動潤滑ディスペンサ
37
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 38
4.4 アクセサリ
4.4.1 ニップル
ニップルは、グリースガンを使用してリニアガイドにグリースを給脂するためのものです。表 4.4 に、ニップルの外
観寸法、他詳細を示します。
表 4.4 ニップル
標準タイプ
ニップル形式
MQ
ボールタイプグリースニップル
M3
LGM-GRN-M3-4.2-z-0
α
[˚]
L
N
ボールタイプグリースニップル
LGB-GRN-M3-3.5-z-0
ボールタイプグリースニップル
LGB-GRN-M3-6.0-z-0
M3
LGB-GRN-M3-8.0-z-0
ストレートタイプ
ニップル形式
9.7
4.5
9.5
6
13.0
7.0
15.0
7.0
̶
ボールタイプグリースニップル
MQ
L
N
B
適応リニア
[mm] [mm] [mm] ガイド形式
MQ
α
[˚]
9.5
グリースニップル
17.3
9.5
N
LGB…15
ダブルシール用、
ダブルシール+金属スクレーパ用
取付位置
̶
グリースニップル
LGB…30,35
グリースニップル
LGB-GRN-M8-8.0-z-0
グリースニップル
18.2
M8
22.2
LGB-GRN-M8-12.0-z-0
45°タイプ
LGB…20∼35
LGB…20,25 ダブルシール用含む
LGB…30,35
ダブルシール用、
ダブルシール+金属スクレーパ用
LGB…20,25
ダブルシール+金属スクレーパ用
38
α
[˚]
LGB…45,55
L
N
B
適応リニア
[mm] [mm] [mm] ガイド形式
ダブルシール用、
ダブルシール+金属スクレーパ用
取付位置
備 考
LGB…20∼35
L
MQ
MQ
10.2
α
N
B
ニップル形式
̶
24.0 10.0
LGB-GRN-M6-12.0-z-0
MQ
備 考
LGB…20,25
L
M6
LGM…15B
LGM…15W
L
N
B
適応リニア
[mm] [mm] [mm] ガイド形式
15.0
LGB-GRN-M6-8.0-z-0
備 考
̶
グリースニップル
LGB-GRN-M6-5.0-z-0
取付位置
グリースニップル
LGB-GRN-M6-5.5-k-45
M6
45
23.5 18.0 10.5
LGB…20∼35
LGB…45,55
ダブルシール用、
ダブルシール+金属スクレーパ用
(延長継手:LE-M6-M6 との組み合せで使用可能)
ダブルシール+金属スクレーパ用
(延長継手:LE-M8-M6 との組み合せで使用可能)
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 39
表 4.4(続き) ニップル
標準(67˚)タイプ
ニップル形式
MQ
α
[˚]
L
N
B
適応リニア
[mm] [mm] [mm] ガイド形式
グリースニップル
18.5
グリースニップル
21.5
LGB-GRN-M6-5.0-z-67
M6
67.5
LGB…20∼35
13.5
LGB…20,25 ダブルシール用含む
11.4 LGB…30,35
L
N
LGB-GRN-M6-8.0-z-67
備 考
LGB…20,25
α
B
取付位置
グリースニップル
25.5
LGB-GRN-M6-12.0-z-67
MQ
グリースニップル
LGB-GRN-M8-8.0-z-67
グリースニップル
M8
67.5
MQ
α
[˚]
LGB-GRN-M8-12.0-z-67
90˚タイプ
ニップル形式
18.0
グリースニップル
20.0
LGB-GRN-M6-7.5-z-90
M6
90
N
グリースニップル
MQ
24.5
LGB-GRN-M6-12.0-z-90
グリースニップル
LGB-GRN-M8-8.0-z-90
グリースニップル
LGB-GRN-M8-12.0-z-90
M8
90
ダブルシール+金属スクレーパ用
LGB…30,35
ダブルシール用
13.3 12.3 LGB…45,55
L
N
B
適応リニア
[mm] [mm] [mm] ガイド形式
L
B
25.3
グリースニップル
LGB-GRN-M6-5.5-k-90
α
21.3
LGB…20∼35
ダブルシール用、
ダブルシール+金属スクレーパ用
取付位置
備 考
LGB…20,25
LGB…30,35
LGB…20∼35
LGB…20,25 ダブルシール用含む
12.5 13.0 LGB…20∼35
ダブルシール+金属スクレーパ用
LGB…30,35
20.5
LGB…45,55
24.5
LGB…45,55
ダブルシール用
ダブルシール用、
ダブルシール+金属スクレーパ用
39
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 40
4.4.2 配管継手アダプタ
表 4.5 に、集中注油システムを使用する場合に適したリニアガイドに取り付け可能な配管継手アダプタを示します。
表 4.5 潤滑剤供給継手
Mq
MQ
形 式
N
L
潤滑用継手
(延長継手)
LGB-LE-MQ-MqxL
形 式
N
L
MQ
[mm] [mm]
6
15.4
9
18.4
13
22.4
9
18.4
13
22.4
Mq
適応リニアガイド
形式
備 考
LGB…20,25
LGB…30,35
M6
M6,
M8
又は
Rc1/8
M8
LGB…20∼35
ダブルシール用、ダブルシール
+金属スクレーパ用
LGB…20∼35
LGB…45,55
B
N
L
MQ
[mm] [mm] [mm]
ダブルシール用、ダブルシール
+金属スクレーパ用
適応リニアガイド
形式
Mq
取付位置
備 考
L
B
MQ
N
潤滑用継手
LGB-LS-MQ-Mq
M6
21.5 29.5 17.0
形 式
M8×1
N
L
φD
[mm] [mm] MQ [mm]
適応リニアガイド
形式
L
φD
MQ
N
ホース用継手
LGB-LH-M6S-φD
形 式
12
16
M6
取付位置
備 考
LGB…20∼35
4
又は
6
LGB…20∼35
延長継手 LE-M6-M6
との組み合せで使用可能
LGB…45,55
延長継手 LE-M8-M6
との組み合せで使用可能
B
N
L
MQ
[mm] [mm] [mm]
φD
[mm]
14.0 18.0 16.0
4
又は
6
適応リニアガイド
形式
取付位置
備 考
LGB…20∼35
N
MQ
L
LGB…45, 55 の場合、
延長継手 LE-M8-M6
との組み合せで使用可能
LGB…20∼35
M6
Mq
B
取付位置
ホース用継手
LGB-LH-M6A-φD
M6
φD
4.4.3 上部給油アダプタ
NTN-SNR のランナーブロックは、エンドプレート上
部より給油が可能です。
LGB…20∼35
延長継手 LE-M6-M6
との組み合せで使用可能
LGB…45,55
延長継手 LE-M8-M6
との組み合せで使用可能
②
③
①
① O リング(1)
② O リング(2)
③ アダプタ
取り付け用の穴位置がランナーブロック上面より低い
位置にある為、表 4.6 記載の高さ調整用給油アダプタ及
び O リングが必要です。
図 4.4 給油用アダプタ
40
*編集_リニア 15/08/31 10:55 ページ 41
表 4.6 給油アダプタ
シリーズ
ランナー
ブロック
タイプ
F
LGB_H
B
LGB_X
B
F
LGB_S
B
サイズ
アダプタ
O リング(1)
15
20
25
30
35
45
55
15
20
25
30
35
45
55
25
15
20
25
15
20
25
30
35
45
55
̶
LGB-LA-02
LGB-LA-03
̶
̶
̶
̶
LGB-LA-04
LGB-LA-02
LGB-LA-07
LGB-LA-03
LGB-LA-07
LGB-LA-10
LGB-LA-10
LGB-LA-03
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
LGB-0R-3×1NBR70
LGB-0R-×1.5NBR70
LGB-0R-5×1.5NBR70
LGB-0R-6×1.5NBR70
LGB-0R-6×1.5NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
LGB-0R-3×1NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-5×1.5NBR70
LGB-0R-6×1.5NBR70
LGB-0R-6×1.5NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
LGB-0R-5×1.5NBR70
LGB-0R-3×1NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-5×1.5NBR70
LGB-0R-3×1NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-5×1.5NBR70
LGB-0R-6×1.5NBR70
LGB-0R-6×1.5NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
O リング(2)
̶
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
̶
̶
̶
̶
LGB-0R-3×1NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
LGB-0R-10×2NBR70
LGB-0R-3×1.5NBR70
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
4.4.4 グリースガン
手作業によるリニアガイドのメンテナンスは、NTNSNR のグリースガンにより行うことができます。
仕 様:
¡質量:1,130g
¡操作吐出圧力:18MPa
¡最大吐出圧力:36MPa
¡吐出量:0.8cc/ストローク
¡400g カートリッジに適応し、低粘度グリースの
充填が可能
¡複数のアダプタを用意
図 4.5 NTN-SNR グリースガン
4.4.5 自動潤滑ディスペンサ
NTN-SNR が提供する自動潤滑ディスペンサは、様々
な種類のオイルやグリースを封入できます。潤滑剤は、最
大圧 0.6MPa で供給されます。
仕 様:
¡使用温度範囲:−20℃〜+60℃
¡保護等級:IP65
4.5 潤滑剤供給量
リニアガイドのメンテナンスは、以下の内容です。
¡初回給脂 ¡初回運転時の給脂 ¡再給脂
潤滑剤の最小量は、リニアガイドのタイプやサイズに
より異なります。NTN-SNR のリテナ付きリニアガイド
は、出荷時に、リチウム系グリースを充填しています。初
回給脂時は、初回運転に必要な最小量の 2 倍の潤滑剤を
ランナーブロックに充填してください。表 4.7 に、初回
運転時に必要な給脂量を示します。
表 4.7 初回運転に必要な最小給脂量
形式
ランナーブロック グリース 低粘度グリース
(サイズ)
タイプ
[cc]
[cc]
FS, BS
0.7
0.2
BN, FN
0.9
0.2
LGB_15
BL, FL
1.0
0.2
BE, FE
1.1
0.2
FS, BS
1.1
0.3
BN, FN
1.5
0.4
LGB_20
BL, FL
1.8
0.4
BE, FE
2.0
0.5
FS, BS
1.6
0.4
BN, FN
2.3
0.5
LGB_25
BL, FL
2.6
0.6
BE, FE
3.1
0.7
FS, BS
2.8
0.7
BN, FN
3.7
0.9
LGB_30
BL, FL
4.0
1.0
BE, FE
5.0
1.2
FS, BS
3.9
0.9
BN, FN
5.7
1.4
LGB_35
BL, FL
6.3
1.5
BE, FE
7.5
1.8
BN, FN
7.0
2.0
BL, FL
LGB_45
9.0
2.3
BE, FE
10.0
2.8
BN, FN
13.0
3.5
LGB_55
BL, FL
17.0
4.5
BE, FE
19.0
5.5
BN
0.15
̶
BL
0.20
̶
LGM_09
WN
0.20
̶
WL
0.25
̶
BN
0.30
̶
BL
0.35
̶
LGM_12
WN
0.40
̶
WL
0.45
̶
BN
0.60
̶
BL
0.70
̶
LGM_15
WN
0.80
̶
WL
0.90
̶
潤滑油
[cc]
41
*編集_リニア 15/08/31 10:55 ページ 42
駆動中のリニアガイドに必要な給脂量は少なくてす
みます。表 4.8 に、再給脂に必要な最小量を示します。
4.6 潤滑剤給脂周期
輸送状態
リニアガイドは、出荷時に防錆油を塗布しています。
表 4.8 再給脂に必要な最小量
形式
(サイズ)
LGB_15
LGB_20
LGB_25
LGB_30
LGB_35
LGB_45
LGB_55
LGM_09
LGM_12
LGM_15
ランナー
ブロック
タイプ
グリース
FS, BS
BN, FN
BL, FL
BE, FE
FS, BS
BN, FN
BL, FL
BE, FE
FS, BS
BN, FN
BL, FL
BE, FE
FS, BS
BN, FN
BL, FL
BE, FE
FS, BS
BN, FN
BL, FL
BE, FE
BN, FN
BL, FL
BE, FE
BN, FN
BL, FL
BE, FE
BN
BL
WN
WL
BN
BL
WN
WL
BN
BL
WN
WL
0.3
0.4
0.5
0.6
0.8
1.2
1.4
1.6
0.8
1.2
1.4
1.7
1.4
2.0
2.2
2.8
2.0
3.1
3.5
4.1
4.0
4.5
5.0
6.0
8.0
9.0
0.08
0.10
0.10
0.13
0.15
0.20
0.20
0.25
0.30
0.35
0.40
0.45
[cc]
潤滑油
低粘度
グリース
[cc]
[cc]
0.1
0.1
0.1
0.2
0.1
0.2
0.2
0.3
0.1
0.2
0.2
0.3
0.2
0.2
0.3
0.3
0.2
0.3
0.3
0.4
0.5
0.5
0.6
0.6
0.6
0.7
̶
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̶
̶
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̶
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̶
̶
̶
設置後にランナーブロックへの給脂が必要です。初回給
脂時は、表 4.7 に記載している量の 2 倍のグリースを
充填してください。ランナーブロックには、出荷時にあ
らかじめグリースを充填していますので、設置後は、表
4.7 に記載量のグリースを充填してください。充填後、
グリースがリニアガイドになじむようにランナーブロ
ックをレール全体にわたり数回往復させてください。
長期間停止させる場合や、再使用する際には、表 4.7
のグリース量を充填してください。装置稼働途中でグリ
ースの種類を変更する場合は、新旧グリースの混合によ
る影響がないか必ず事前に確認してください。
使用条件・周囲環境による影響
グリースの給脂周期は、使用条件や周囲環境等の様々
な要因により変わります(4.1 章)。実際の給脂周期を決
めるには、装置・設備の運転状況とリニアガイド部の潤
滑状態を評価・確認する必要があります。
潤滑油供給周期
集中注油システムでは、表 4.8 に記載の潤滑油量を、
約 20 分ごとにランナーブロックに注油することが運
用基準となります。低粘度グリースを使用する場合は、
注油間隔を約 60 分に設定してください。
総ボール形リニアガイドのグリース供給周期
総ボールタイプのリニアガイド(LGBX、LGMX タイ
プ)のグリースのメンテナンス周期は、一般的な使用条
件下で、6 ヶ月もしくは 100km 走行ごとを目安とし
てください。ただし、使用環境に応じて周期設定をして
も構いませんが、軽荷重で汚れが少ない場合でも、2 年
または 500km 走行以上の再給脂なしでの使用は避け
てください。なお、給脂の際は、表 4.8 に記載されてい
る充填量に従ってください。
リテナ付リニアガイドのグリース供給周期
リテナ付きリニアガイド(LGBC、LGMC タイプ)は、
総ボールタイプと使用条件が同一の場合、メンテナンス
周期を延ばすことができます。使用環境に応じて調整す
る必要がありますが、通常の充填間隔は 1 年もしくは
500km 走行ごとを推奨しています。周囲環境が良好で
軽荷重下では、長距離の走行が可能な場合もあります。
メンテナンス周期が非常に長い場合は、潤滑剤の耐久
性を考慮する必要がありますのでご注意ください。
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