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Technical Report 02 画像処理技術

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Technical Report 02 画像処理技術
2008年10月1日
株式会社トキメックは に 社名変更いたしました。
〒144-8551
東京都大田区南蒲田2-16-46
TEL.03-3732-2111 FAX.03-3736-0261
http://www.tokyo-keiki.co.jp/
ト
キ
メ
ッ
ク
レ
ポ
ー
ト
エコロジービジネスの方向性
1
9
9
8
S U M M E R
Vol. 01
サマータイム制導入が議論されるようになって、もうずいぶんと久しい。特に今年
などの場合、導入することで、低調な景気に対する刺激策ともなるらしい。景気回
復はもはや万人の願いだが、しかしそれは、かならずしもサマータイム制の本質と
は結びつかない論拠ではある。仕事は仕事、休みは休み、そうした良い意味での割
り切りができる西欧文化が、サマータイムのバックボーンであるように思われるの
だ。翻って日本では、1時間前にずれることで効率が上がり、また明るい夏の夕刻
を楽しみの時間として享受できるようになるのだろうか。その為には、仕事の進め
方の問題、そして人生の楽しみをどう捉えるかといった、文化風土的な問題の処理
が同時に必要となるだろう。いや、だからこそ、思い切って導入してしまうべきな
のかも知れない。固定された習慣を打ち破るには、新しい制度もまた必要だ。なら
ば思い切って、夕日の映り込むビアジョッキでも掲げよう。個人が変われば、総体
たる社会もきっと変わっていく。
特集
Contents
ト
キ
メ
ッ
ク
レ
ポ
ー
ト
エコロジー
ビジネスの
方向性
■Technical Report 07
01
ネットワーク技術
02
画像処理技術
■Interview 13
人と環境の変化が進み
変革が迫られている造船業界。
メーカ開発の道標とは!?
1998 SUMMER
Vol. 01
■電子ペットが仲介するユーザ同士の連携 16
■SCIENCE & TECHNOLOGY 18
GPSは巨大地震を予知できるか!?
■TOPICS
21
大形タンカーの海難事故防止に貢献!
バーシングサポートシステムが誕生しました
■HOT LINE 22
電子海図情報表示装置 EC-6000-21
電子海図表示装置の開発・普及に感謝状
海と人を結ぶ積極的なPR活動が評価
社会の安全を守る監視モニタの目
窒素ガスを使用した新しい消火装置
展示会、プライベートショウのお知らせ
『八甲田丸』にBACtalkを配備
SSカードシステムが宅配BOXのキーデバイスに
特集
エコロジー
ビジネスの
方向性
「環境」に対する意識は、日本でもここ1、2年で急速に高まっています。企業活動をとってみても、「エコカー」
「廃棄物ゼロ工場」
「リサイクル素材で作ったパソコン」など、仕事のメーンに「環境テーマ」が据えられています。
一方、そうした中で立ち遅れている1つが廃棄物処理の問題です。現状のシステムのままでは、もはや限界に近づきつつあるこの課
題の解決抜きには、社会生活や産業構造が維持し得ないことが予測される状況と言えます。
そうした中、トキメックでも、当社にとってまったく新しい分野である環境事業を積極的に押し進めていく方向性を打ち出しました。
有機性廃棄物の処理を入り口に、少しでも課題解決にお役に立てるよう取り組んでまいります。
1
エコロジー
ビジネスの
方向性
●隊列を組んだ環境対応の例
引き受け企業
廃棄物
処理機械を提供する企業
処理を行う企業
有機性廃棄物の処理へ 向けた
2つの取り組み方法。
地球温暖化、オゾンホール、有害物
からも、ただ廃棄するというのではな
棄物のリサイクルを目的とする(商
うちに、日本もヨーロッパ型処理を採
質による汚染、有限資源の枯渇……。
く、再利用をいっそう推進できるシス
品:汚泥肥料化装置)、環境改善のた
用していく方向に向かって行くでしょ
現在、こうした負の環境現象の進行に
テムの構築が必要です。
めの商品(商品:フロン回収装置)な
う。
どがあります。
より、社会生活や産業の成り行きがこ
こうした“待ったなし”のテーマへ
こ数年内には重大局面に差し掛かる
向け、トキメックとしてどのような貢
そして第2のステップで、前述の
は、具体的には、全体をマネージメン
と、広く共通の認識として受け止めら
献が可能であるか。以下、その取り組
「計測し制御する」という部分により
トをする会社が中核におり、周りに収
れるようになっています。これら環境
みをご紹介致します。
関わってきます。環境事業を大きく見
集が得意な分野の企業、処理機械が得
ていくと、日本も特にヨーロッパの
意な分野の企業、環境汚染状況、ある
課題への対処は、およそ次の3つに集
再資源化
収集、物流を
担当する企業
マネージメントを
担当する企業
環境を測定する
企業
再資源化
情報システムを
担当する企業
ヨーロッパ型の環境対応システム
1部が最終処分へ
引き受け企業
約されてきています。(1)新しい廃
日本の環境事業にも取り入れられてく
国々の取り組み方にどんどんと追いつ
いは諸要素を計測する企業、過程での
このうち、無機性廃棄物の処理につ
むための橋頭堡と設定しました。いき
棄物処理方法の確立 (2)原料・エ
るヨーロッパ型の環境対応スタイル
いていくことが予想されます。ヨーロ
生成物を原料として引き受ける企業な
いては、法制の整備も比較的進んでお
なりヨーロッパ型環境対応システムを
ッパ型とは、端的に言えば複数企業が
ど、処理を効果的に完了するために必
り、処理方法やリサイクルのメドが立
導入することはできませんので、まず
ネルギー消費の効率化(省資源化)
(3)環境改善へ向けたアクティブ・
異分野とも言える環境事業へ取り組
隊列を組んだ、システマチックな対応
要な企業群が参画しています。こうし
ってきています。一方、有機性廃棄物
はトキメックとして身近な分野、例え
チャレンジ(環境改善を直接進めるよ
むに当たり、まず、トキメックがお応
です。例えば廃棄物の処理でも、回収
たプロセスの中では、当然、情報ネッ
――量的に最も多いのは下水処理場や
ば多大な信頼を頂いている船舶市場、
うな商品・システムの開発)。日本で
えし得るニーズはどのようなことか、
から処理、運用までを一つの企業が全
トワークをはじめとした様々なハー
工場から出てくる汚泥であり、身近な
同様に、トキメック商品をご採用頂い
は中でも、狭い国土という地理的条件
それを明らかにしなければなりませ
て行うというのではなく、処理プロセ
ド・ソフトが必要となります。トキメ
ところでは生ゴミ系――が、全廃棄物
ているお客様の市場領域を対象に、特
から、危急度が高いのは焼却と埋め立
ん。トキメックはこれまで、ある対象
スのそれぞれを得意とする企業が多数
ックはそのシステムに参加し、「計測
のほぼ半数にのぼり、その処理は著し
長ある有機性廃棄物の処理機をご提供
てに依存する現状の「廃棄物処理」だ
を計測し、また制御することを核に据
集まり、情報を管理し、環境を計測し、
し、ハードとしてまとめ制御する」と
く立ち遅れているのが現状です。
していきます。
と言えます。より詳しくみると、産業
えたシステムを、例えば船舶の分野、
廃棄物を資源として再利用を図り、本
いう得意な専門領域をもってニーズに
これまで基本的には焼却処理がなさ
廃棄物では、再生利用率と減量化率は
航空機の分野、油圧機器の分野、その
当に不要となった最小限のものだけを
お応えしていくことを、第2ステップ
れてきましたが、ダイオキシンの発生、
それぞれ4割、最終処分率は2割。一
他様々な分野で活用頂いています。と
処理するといった形態です。昨今、日
に位置づけています。
CO2排出といった問題から、安易な焼
方、一般廃棄物では7割が焼却され、
すれば、環境事業の中にあっても得意
本でも取り組みの始まったゼロエミッ
3割が埋立処理されています。両廃棄
な領域としてご期待頂けるのは、まず
ション・サークルなどがその例として
取り遅れている
の処理方法においても、腐敗や多量の
トキメックでは、有機性廃棄物の処
物の排出量と処理方法が現状のままで
は「計測し制御する」という部分にあ
捉えやすいと思います。
有機性廃棄物の処理方法
含水量という特異な二点から有機性廃
理機を2つの方向に分けて進む方策を
推移すると、焼却エネルギーの消費や
ると捉えました。
棄物は処理が非常に難しく、社会全般
取っています。1つは廃棄物の容量を
で非常に困っている問題となっていま
減らす(減容する)方向の処理機です。
す。
方法には、大きく分けて焼却,乾燥,
2つの処理方法
――減容化とリサイクル
却が取れなくなってきており、また他
日本は現段階では、そうしたシステ
CO2排出が依然低減できないことに加
これを前提に、トキメックでは環境
ムはまだ一般的ではありません。しか
え、より現実的には、今後10年ほどで
事業への取り組みを2つのステップで
し、現状で廃棄物処理に責任を負って
一般廃棄物(5,000万トン)、産業廃棄
埋立による最終処分場が無くなるとの
考えています。まず第一のステップが、
いる自治体や産業者、委託を受ける産
物(4億トン)からなり、性状別では
トキメックでは、そうした社会情勢
炭化,バイオ等があります。究極の減
予測が立っています。それはすなわち、 「環境商品」によるアプローチです。
業廃棄物業者だけが単独で処理を行っ
無機性廃棄物(2億4,000万トン)と
と併せ、またこれまでの研究開発,商
容が消滅であることを考え、また排出
国内で年間に排出される廃棄物は、
個人、企業を含むあらゆる社会活動の
トキメックの環境商品を目的別に見る
ていくには、限界が見え始めているの
有機性廃棄物(2億1,000万トン)と
品の中に、これら有機性廃棄物処理に
現場でそれが可能となる技術,商品と
停滞が生じ得ることを意味するもので
と、廃棄物の減容・消滅を目的とする
も事実です。おそらくは必然的な流れ
に分かれ、両者の排出量はほぼ拮抗し
関わる経験を保有していることから、
いうことで、トキメックはバイオ(バ
す。また有限資源のセーブという観点
(商品:バイロン、厨芥炭化装置)、廃
として、5年、10年といったスパンの
ています。
この分野を環境事業へ本格的に取り組
クテリア)を使った消滅分解方式の処
2
3
エコロジー
ビジネスの
方向性
理機を選択しました。完全にゼロにな
ーを使ってしまうことになります。ま
らなくても、大きく量を減らすことが
た、生ゴミを堆肥化する処理はリサイ
できれば、最終処分をする上でも極め
■バイロン
3マイル以内は一切廃棄不可、3から
いう新方式を開発。この方式は非常に
トキメックでは、生石灰を利用した
トキメックがお届けするバイロン
12マイルの間は裁断して廃棄、陸から
短時間(約1時間)で肥料化が完了で
生ゴミ処理機のプロトタイプを試作し
クルにつながる理想的な方法ですが、
は、埋め立てや焼却によらない新しい
12マイル以降は、有機性廃棄物――生
きるほか、コンポスト化(堆肥化)と
た経験があり、栃木県が指向した方式
て有効と言えます。既に船舶用として
一方で、日々膨大に生み出される堆肥
処理機として開発された商品です。そ
ゴミ,魚のアラなど――は投棄可能、
比べ品質の安定性,酸性化土壌の改良
を汚泥肥料化装置として実現いたしま
ご提供を始めており、高評価を頂いて
をその地域で消費できるのかという、
の最大の特長は、最新のバイオ技術に
など細かく定められています。ルール
材としての効果が高いなど、優れた特
した。
います。
実際の運用の部分に弱点も持っていま
よって生ゴミを消滅させてしまうとい
遵守への有効性はもとより衛生管理へ
長を持っています。
す。
う点にあります。仕組みは、土壌の中
つながることから、艦艇の厨房から排
にいるバクテリアなど微生物の有機分
出される生ゴミ処理装置としてすでに
解能力を応用したものです。
数多くの実績があります。船舶のほか、
もう一つの方向が、リサイクルを行
う処理機です。物質としてリサイクル
つまり、どの方法が相応しいかを考
する、エネルギーとしてリサイクルす
える際には、環境全体の問題として考
る、場合によってはそのままリサイク
えること、さらに地域特性に合ってい
優れた有機分解活性を有する株菌を
ルする方法もありますが、今回トキメ
ること、といった大きな軸と照らし合
もとに開発した特殊バイオ製剤『バイ
食品残さが発生する工場等まで、幅広
ックが進めているのは物質でリサイク
わせることが必要になります。
ロンメディアム』が、生ゴミを食料と
い利用が可能です。
ルするタイプです。現在、栃木県と共
従って、環境事業への取り組みには、
オフィスビル、集合住宅、外食施設、
して水蒸気(H2O)と炭酸ガス(CO 2)
■汚泥肥料化装置
同開発している汚泥処理機は、石灰を
単に「こういう機能の商品です」とい
とに分解、およそ12時間で消滅処理し
混合していくことで処理生成物を土壌
うご提案だけでは、廃棄物処理の真の
ます。バイロンメディアムは常温で活
トキメックでは栃木県との共同によ
改良材として、農地にそのまま還元さ
解決につなげることはできません。ト
性化するように調合されており、ラン
る農業集落排水汚泥の汚泥肥料化装置
せるものです。
キメックでは、さまざまなご要求を確
ニングコストに影響するヒーターや加
を開発しました。すでに益子町で実用
実にフォローできる方法,処理機械,
湿器などが不要(寒冷地を除く)、ま
試験運転をスタートし、住民の方々の
が、処理方法の選択は、実際には決し
システムは何かをお客様と一緒に検討
た雑菌が繁殖しずらい環境にマイコン
意見を伺いながら実証レベルでのデー
て単純な問題ではありません。例えば、
させて頂き、最適な方式をご提案して
制御した処理槽は腐敗臭も発生させま
タ収集を行っています。栃木県では、
汚泥は99%が水分ですから、乾燥させ
参ります。
せん。
農地散布試験などを繰り返した結果、
以上2つの方向性を紹介致しました
る方式を取れば容量は約100分の1に
減らせます。しかしその分、化石燃料
それでは、以下、具体的商品につい
てご説明致します。
『バイロン』は海上保安庁殿との共
同で開発された経緯があります。海洋
にしろガスにしろ、膨大な熱エネルギ
汚泥の肥料化は、図に示すプロセス
汚染防止のための法規制では、陸から
益子町に設置された汚泥肥料化装置
汚泥に生石灰を添加して肥料化すると
監視カメラによって、各処理工程における運転状
況をキャッチ。画像情報は公衆回線を通じて伝送
され、遠隔地でモニタされている。
■汚泥肥料化のプロセス
石灰袋セット
汚泥脱水機
石灰袋
(別売)
生石灰20㎏ 生石灰20㎏ 生石灰20㎏
汚泥脱水機(別売)
石灰破袋部
脱水ケーキ
含水率80∼85%
搬送
石灰計量部
石灰搬送部
石灰破袋部
脱
水
ケ
ー
キ
ケーキ計量・供給部
石灰計量部
脱臭部
撹拌・造粒部
撹拌造粒部
粒観測部
粒観測・排出部
排
気
排出部
脱臭装置
クリーン排気
納入例:海上保安庁殿 観測船「天洋」
石灰処理肥料
納入例:鎌倉市役所殿
4
石灰処理肥料
5
ケ
ー
キ
計
量
・
排
出
部
エコロジー
ビジネスの
方向性
Technical Report
▲
01
を通じて行われます。まず、汚泥がコ
転します。また、コンベアと組
ンベアによって自動供給され、適量の
み合わせることで、投入の段階
生石灰を混入します。攪拌を通じて汚
から排出までの全工程の自動処
泥中の水分と生石灰が化学反応を起こ
理システムを構築でき、作業の
して発熱、さらに攪拌の動きを利用し
大幅な省力化が図れます。
て直径3∼5ミリ程度の粒状(散布機で
(本商品は(株)トキメックパワ
使用しやすい形状とするため)に仕上
ーシステムズがお届けしていま
げます。汚泥の状態に応じて生石灰量
す。)
カニカル技術によって自動化していま
す。
発し、自社の機器の接続に使用しているものと、プロトコルの
はじめに
■超音波流量計/気体流量計
国際環境規格と称される
ISO14000シリーズではその認証
条件の中に、環境に対するインパクト
■厨芥炭化装置
MRDセンタ
統合化/オープン化のキーテクノロジ
「標準プロトコル」への取り組み
の増減や粒の大きさを調整する等のデ
リケートな制御を、画像処理技術とメ
ネットワーク応用技術
や、使用エネルギーの厳密な測定を求
現在開発を進めている、厨芥等の有
めています。廃水といった液体はもと
機性廃棄物を低温で炭化する処理装置
より、一般に困難な気体の流量計測に
です。低温炭化のため、ダイオキシン
ついても、トキメックでは独自の超音
等の有害物質の排出を最小に抑えるこ
波計測技術をもとに信頼性の高い計測
とができます。炎を使わず電気ヒータ
器を商品化し、ご採用頂いています。
ーを熱源とするため安全性が高く、ま
例えば省エネルギー対策という点で
たランニングコストも低減することが
は、気体流量計の設置によって下水処
できます。厨芥等は元の1/100程度の
理場のバッ気槽に送り込む流入空気量
重量の炭となって1日に1回排出され
を効率的に管理、エネルギーロスをな
ます。そのままゴミとして廃棄するこ
くし運転コストを低減させることなど
とができ、処理廃水は下水道に流すこ
が可能です。
JR松本駅構内に設置された空缶圧縮機「かんぱく」
当社が関係する市場において、専用の機器がバラバラにたく
内容を公開し誰でも使用できるようにしたものがある。前者を
さんある状態から、それらを組み合わせ、より高度な応用が求
クローズドなプロトコルと呼び、後者をオープン・プロトコル
められるようになってきた。しかも全体が一社の製品で構築さ
と呼ぶ。
れるケースは殆どなくなり、「マルチベンダ製品を組み合わせ一
オープン・プロトコルはその仕様を誰が決めどのように維持
つのシステムとして使用したい」という顧客ニーズが増えてい
していくのかによって2種あり、公的な機関によって制定承認
る。当社でのこの動きは、統合化ブリッジシステム、船内LAN、
された標準規格と、私的な仕様であるが多くの人に利用された
鉄道保線システム、ビル・オートメーションシステム、ファク
実績によって実質的標準(デファクト・スタンダード)となっ
トリ・オートメーションシステムなどに顕著に見られる。
たものがある。上記のOSI参照モデルは公的標準であり、
TCP/IPはデファクト・スタンダードである。
共通しているのは、広がりを持った現場に分散して配置され
た装置類を、目的に応じ如何にに統合するかである。各装置の
プロトコルの標準化は、不特定多数の通信を必要とする分野
持つ情報の統合であり、必要なのは装置の相互間の情報交換能
から始まったが、現在は、特定応用分野での最適な機器の組み
力である。この情報交換の実現手段として「ネットワーク応用
合わせ、競争的調達の実現、拡張・変更に対する柔軟性を確保
技術」が用いられる。異なるベンダの機器を一つのネットワー
して投資を保護する、といった顧客の要求を満たす手段として
クに接続して情報交換するには、通信プロトコル、即ちどのよ
注目を集めている。
オープン・プロトコルの具体例として、まさにこの方向でユ
うにやりとりするかの約束が同じでなければならない。マルチ
ーザ主導により制定されたBACnetTMについて以下に紹介する。
ベンダ・システムの構築にはプロトコルの標準化が必須である。
ここでは、ビル・オートメーション分野での動向を例に、ネ
2.
ットワークの標準プロトコルについて述べる。
とも可能です。
BACnetの誕生
BACnet(A Data Communication Protocol for Building
有機性廃棄物処理機以外の環境商品
1.
として、以下のようなものがあります。
Automation and Control Networks)は、ASHRAE(American
標準プロトコル
通信プロトコルには、信号の条件(有線,無線,光,音と言
Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning
った手段、周波数、電圧の仕様、通信する速度、変調方式など)、
Engineers, Inc.)が開発/制定したビルの自動化と制御のための
通信の手順、通信相手の指定方法、通信する情報の表現方法と
ネットワークのデータ通信プロトコルである。BACnetは、現
空缶圧縮機「かんぱく」は、空缶を
言った様々なものが含まれる。日常使用している電話や、FAX
在米国国家規格であり、ISO(International Organaization
油圧を利用して圧縮し、約1/5(スチ
にも標準プロトコルが定められており、そのプロトコルに従っ
for Standardization)の標準規格案にもなっている。
ール缶の場合)にまで減容化する装置
た機器同士がコミュニケートする事ができる。特に、情報通信
米国においてBAS(ビルオートメーションシステム)の分野
です。従来は処理缶を手で持ち出すと
の 分 野 で は 、 ISOが 定 め た 、 OSI(Open Systems
に、マイクロプロセッサをベースとした各種の分散型コントロ
いった手間が必要でしたが、「かんぱ
Interconnections)参照モデル(7階層モデル)とか、インターネ
ーラが使用されるようになったのは、1980年代半ば頃からで
く」は空き缶投入後に開始ボタンを押
ットで用いられているTCP/IPプロトコルが有名である。
あったと思われる。コントローラを分散配置したのであるから、
■空缶圧縮機
すだけで、圧縮から排出までを自動運
それらを統合し動作させるためのネットワーク技術も同時に進
通信プロトコルには、特定目的のために企業などが独自に開
6
7
Technical Report
▲
01 ネットワーク応用技術
意識せず装置間の情報交換が可能になった。
化を遂げてきた。それぞれの企業が自社の制御システムの競争
力を向上させる手段として、ネットワーク部を含めトータルシ
が、BACnet機器が対等/同格であることの所以である。勿論、
実際のBACnet機器の全てにこの機能を持つことが求められて
[オブジェクト]
ステムとしての価格/性能比の向上を図ってきたのである。結果
的に、各ベンダ企業が提供するネットワーク技術は、各社の独
BACnet標準は、BAS(ビル自動化システム)で用いられる
自技術によることとなった。一方、情報処理技術の進歩に触発
装置を抽象化するために、18種の標準オブジェクトのタイプを
されて、ビル全体で消費エネルギを管理したり、運用の効率化
定めた。オブジェクト・タイプにはそれぞれ多くのプロパティ
をはかりたいとする要望が起きた。しかし、入手可能で適切な
(属性値)が定められていて、装置内の個々のオブジェクトは、
制御装置であっても、異なるベンダの製品を組み合わせて使用
プロパティの値で実際の特性を表現する。
BACnet機器
[ネットワーク]
記事:
外気温
に示す。
20
デバイスタイプ:
10kサーミスタ
10
稼働状態:
作動中
単位:
゜
C
り、場合によっては不可能であったりした。これは、システム
センサ入力を表現する。図-1では、5個のプロパティを持つア
5種の通信手段を用いて伝送される。これらのネットワークは
に追加や変更を必要とする場合も同じであり、基本的には1社
ナログ入力オブジェクトの例を示す。このオブジェクトは、
それぞれ速度、ネットワークトポロジ、コストなどが異なるが
の製品で纏めざるを得ない状況となる。
BACnet機器(BACnet標準対応機器のこと)の内部にあって、
伝送できる情報は全く同一である。また、必要であれば、
機器はネットワークに接続されている。ネットワークを介して
BACnetルータを用いてこれらのネットワークを結合し、一つ
ものではない。ビルディングの団体とかビル管理に関係する技
「現在の外気温は何度か?」というサービスを受けとると、
のBACnetインターネットワークを構成することもできる。
術者から改善要請が、前述のASHRAEに提出された。これを受
「18.0℃です」という応答を返す。
BACnetルータの特性は標準に定義されている。
その結果、8年半という長い期間を経て、1995年12月
こと(モデル化)ができる。BACnet機器は、他の機器と相互
ANSI/ASHRAE 135-1995として規格化がなされた。
にオブジェクトの情報をネットワークを介してやりとりできる。
この標準化作業の特徴は、工業標準にも関わらずベンダ側で
はなく、ユーザ側の主導で始まり、最後までその姿勢を保った
BACnet機器
要 求
アプリケーション
米国においては、BACnet標準が制定されて2年経過したが、
1998年1月に連邦政府の物件を用いた大規模な実証試験が成
功裏に完了し、BACnetによるマルチベンダ・システムでの相
と呼ばれる。
互運用性(インターオペラビリティ)とその有用性が確かめら
[サービス]
BACnet標準は6つのカテゴリに分類される35のサービスを
3. BACnetの技術
定義している。アラームを通知するサービスとか、センサの値
などプロパティの値を読みとるサービスなどがある。
BACnetは、ビルの空調,換気,熱源等の装置を監視・制御
オブジェクト
オブジェクト
定したメッセージを相手の機器に送信する。(図-2)他方の機器
た。トキメック本社ビルはわが国におけるBACnet利用の第一
と処理手続きを一塊りで扱う)技術を取り入れ、次のような特
はメッセージを受け取り内容を解釈して実行し、必要に応じて
号となっている。
徴を持っている。
応答メッセージを組立て返送する。これは、クライアント/サー
BAの分野以外でもシステム製品のオープン化、標準対応は顧
1) ネットワーク上の装置が持つデータを、オブジェクトとして
バ型と呼ばれるモデルによく似ている。サービスを要求するの
客ニーズの大きな流れである。各市場毎に標準への対応はもち
抽象化する。
がクライアントであり、応答するのがサーバである。BASの応
ろん、統合化/相互運用性によってもたらされる新たな顧客価値
2) 装置間の情報交換は、サービスと呼ぶ標準手続きを定め、サ
用では多くの場合、監視盤など上位の装置がクライアントであ
の創出をめざしていきたい。
ービス・メッセージをオブジェクトに対し発行し、それに応答
り、端末のコントローラとかセンサがサーバの役割となる点が
する形で行う。
通常の情報システムと異なる。
8
サービス応答
値は…
オブジェクト
図3 BACnetプロトコル階層アーキテクチャ
た。トキメックはいち早くBACnetに着目し、米国アラートン
犯等にも利用できる。BACnetは、オブジェクト指向(データ
を要求したり、応答したり出来ることになっている。このこと
ネットワーク
応 答
わが国でも昨年、複数の企業がBACnetのサポートを発表し
社と代理店契約を結び、BACnet対応製品の国内販売を開始し
技術が選択できる。これらにより、物理的な装置,通信手段を
要 求
用されている。
サービスの実行は、一方の機器がサービスの起動/要求をを指
BACnet標準では原則的にすべてのBACnet機器がサービス
ReadProperty
び軍関係)での要求事項になりつつある。民間物件でも次々採
するのに用いるデータ通信プロトコルであり、照明,防災,防
3) 性能/コストの最適の物が選べるよう5種類のネットワーク
サービス要求
応 答
プログラム
れた。この成果を踏まえ、BACnetは政府系物件(民生部局及
ようである。
ネットワーク
図2 サービスの動作
おわりに
これは、ネットワーク・ビジブル(ネットワーク上での可視化)
ことであろう。大学、政府機関のメンバの大きな努力があった
現在値は?
現在値は18.0゜
C
BACnet機器は、1つのデバイス・オブジェクトとその他の
オブジェクトを必要なだけ持つことにより、自身の特性を表す
18.0
部省略した構造になっている。参照モデルとの対応関係を図-3
メッセージが組み立てられると、BACnet標準で指定された
定委員会を発足た。
現在値:
30
例えば、アナログ入力オブジェクトは、温度計などアナログ
けASHRAEは、1987年1月に通信プロトコルに関する標準制
アナログ入力オブジェクト
BACnetプロトコルの階層構造は、ISOのOSI参照モデルを一
するのは、非常に難しかったり、余分に多大の費用がかかった
この状況は、顧客サイドから言って決して使いやすい便利な
図1 オブジェクトの例
いるわけではない。
BACnet層構造
対応するOSI
参照モデル層
BACnetアプリケーション層
7
BACnetネットワーク層
ISO 8802.2
(IEEF 802.2)
Type1.
ISO 8802.3
(IEEE 802.3)
BACnetはASHRAEの登録商標である。
LonTalkはEchelon Corp.の登録商標である。
9
ARCNET
MS/TP
PTP
LonTalk
EIA-485
EIA-232
3
2
1
アプリケー
ション層
ネット
ワーク層
データ
リンク層
物理層
Technical Report
▲
02 画像処理技術
制御システム事業部 コンバーティングプロジェクト
図1 画像処理の5つの側面
画像理解
画像から非画像へ変換するもう1つの例として、「記述」
作業の自動化推進を担う
画像処理技術の応用
を出力する例があり、これは画像理解と呼ばれています。こ
画像処理とは、ある画像をより有用な別の画像へ変換したり、あるいは画像ではないデータ(コード情報等)へ変換したり、
関係の認識ということができます。例えば「二つの積み木が
変換・強調
れは、画像中に含まれる対象そのものの認識と対象間の相互
コード
間隔を置いて立っており、それらの上部に別の積み木が積ま
非画像データから画像を作り出すような技術を指します。
れてアーチを構成している」といった記述です。一方、画像
この画像処理が、さまざまな機械の自動化システムを構築していく上で必要不可欠な技術として大きな脚光をあびています。
計測と呼ばれる分野もあり、その出力は画像中の対象の特定
部分の寸法だったり、画像中の粒子の数や占有面積や密度だ
画像情報は社会生活と密接に結びついています。たとえば、
機械工場での作業を想定してみましょう。作業者は環境に順
することで、より輪郭が強調されたコントラストの高い画像
ったりします。このような分野はこれらの数値情報が対象の
へ変換するといった処理がよく行われます。
ある種の意味を表現していたり、相互関係に関する量を表わ
画像圧縮
画
像
画像復元
名 称
パターン認識
すこともあり、画像理解の一部と考えることもできます。
応して多種多様な機械部品を持ち運んだり、姿勢や位置を決
記 述
画像圧縮
めたり、障害物をうまく回避したり、部品の組立てを行った
画像理解
画像処理の基本手法と応用例
り、欠陥部品を調べたりすることが簡単に行えます。いずれ
通信路を介して画像を遠方へ伝送する場合や光ディスクの
の場合においても、重要な役割を果たしているのは、目とい
ような画像ファイルに蓄積する場合、その配列を保ったまま
う優れた認識機能です。人間が五感を介して得る情報の8割
の形では伝送時間と蓄積容量の点から効率が低下してしまう
は目から得られるという事実からも、画像認識という機能が
ため、非画像データへと変換してデータ量を圧縮した形で伝
ある画像f(x,y)に処理を加えて別の画像g(x,y)を作り出す操
いかに大切かがわかります。
送・蓄積を行います。この処理がいわゆる画像圧縮です。た
作として、フィルタリングと呼ばれる処理があります。これ
このように人や光景や機械部品などを認識するという機能
とえば、ファックスは各走査線上での画像信号を黒い画素の
は画素(x,y)における値g(x,y)をもとの画像の値f(x,y)だけでな
は、視覚系を通して得られる情報が脳神経系に伝達され、高
続く長さすなわちランレングスへ変換し、このランレングス
く、その周辺領域の画素群の値も用いて決める処理です。こ
度な認識処理を行うという能力と言えます。この認識能力を
にその発生確率の大きさに応じて長さの異なった2進のコー
の周辺領域の平均値を用いることによって画像の平滑化(ス
コンピュータや機械に持たせることができれば、各種作業の
ドを割り当てて伝送します。
ムージング)を行うことができ、これはノイズ除去に効果的
フィルタリング
解析的処理
自動化を飛躍的に推進させることが可能となります。
以下、その中心技術となる画像処理について簡単に解説致
します。
代表的な5つの画像処理
ひとくちに 画像処理と言っても、その中にはさまざまな側
このようにコード化されたものはもはや画像という形では
です。また、周辺領域の差分を利用すると微分画像を作るこ
なく、非画像データとみなされます。しかしながら、この非
とができ、これは輪郭抽出に利用されます(図2)。トキメッ
画像データに対して画像復元の処理をかけることによって元
クでは、この微分フィルタを基本とした独自の輪郭抽出方式
の画像が再生できます。ファックス画像の再生のほか、コン
を開発し、形状判別や姿勢判別を行う検査装置として実用化
ピュータトモグラフィと呼ばれる生体などの断面像の創生処
しています。一般に、金属ワークに施された刻印を画像処理
理やコンピュータグラフィックスもこの範疇の技術といえる
によって抽出するのは困難と言われており、その実用化は品
でしょう。
質管理に新しい可能性を示したと言えるでしょう。
パターン認識
パターンマッチング
創成的処理
図2 フィルタリング処理の概念
(x,y)
g(x,y)
x
y
面の技術要素が含まれています。ここではその代表的な5種
類についてご紹介します(図1)
。
画像から非画像へ変換する処理の1つで、与えられた画像
パターン認識の基本手法の1つとしてパターンマッチング
からその中に含まれる対象の「名称」を抽出する処理です。
があります。これは2つの画像の似ている度合い(類似度)
画像から別の画像を作り出す処理のひとつです。画像の座
画像中に含まれる文字のパターンから文字の名称を抽出する
を求めるもので、一番単純な手法としては2つの画像の対応
標系を変換することで、斜めから撮像した画像をあたかも正
のが文字認識で、画像中の物体から品名を抽出するのが物体
する画素の値の差を求め、その値をある領域分、積算して、
面から撮像したかのように変換するとか、明るさ情報を変更
認識です。また、顔写真からの個人識別もこの一例です。
その領域に対して違いがどの程度あるかを求める方法です。
画像変換/画像強調
10
f(x,y)
x
A
y
11
非
画
像
デ
ー
タ
Technical Report
●Interview
▲
02 画像処理技術
たとえば印刷文字の認識では、文字種(カテゴリ)分だけ標
トキメックでは、射影機能をリアルタイム処理として取り
準画像を用意しておき、入力された画像がどのカテゴリと一
入れた新システムを開発中です。現時点では詳しくお話でき
番よく似ているかという判定を行い、文字種を決定させると
ないのが残念ですが、アプリケーションについては機会を改
いう方法が採られています。
めてご紹介したいと思います。
トキメックではこのパターンマッチングを応用し、
「フィル
ラベリング
ム検品装置」を開発・販売しています。これは包装などに使
用されるシートフィルムを高速に巻き取りながら、印刷上の
射影の処理ではx、y方向に重なっている対象群を分離して
欠点(インク飛び、汚れ、擦れ、色調変化、異物など)を検
捉えるのは困難です。そのような場合は一般的な対象検出処
出する装置です。
理であるラベリング処理を用います。これは画像中の連結し
た画素に対して同一番号(ラベル)をつけて、結果として孤
シートフィルム状の製品を扱うコンバーティング業界では、
立した図形各々に異なった番号(ラベル)を割り当てる処理
こうした画像処理技術を応用した検品装置への期待が高まっ
ており、さらなる技術開発を通じてお客様のニーズにお応え
です。トキメックでは、この処理をリアルタイム処理として
していく方針です。
具現化し、社内のベーンポンプ組立て時におけるリング、ロ
ーター、ベーンの方向判別装置として品質管理に役立ててい
ます。
射影
メ
ー
カ
開
発
の
道
標
と
は
!?
変
革
が
迫
ら
れ
て
い
る
造
船
業
界
。
人
と
環
境
の
変
化
が
進
み
操船シミュレータの開発に成功した
しくなりますが、少しの風で沖待ちす
後、
『人間が安全に船を操縦するのに必
るようでは、魚は一日遅れて市場に届
要な性能とは何か』という問題に取り
きますから鮮度が悪くなり、誰も荷物
組みました。この成果として人間の操
を任せてくれません。つまり、色々な
舵の特徴や限界が分かり、操縦性の国
荷物は色々なサービスを必要とします
際基準づくりの基礎になりました。ま
から、
『その荷物に応じた輸送をするこ
た、安全に離着桟するために必要な船
とが出来る船が必要』ということにな
の性能とか、港湾の仕様を決めるよう
ります。最近の荷物の中では生鮮品や
な仕事をするようになりました。この
工業製品が大切ですが、これらは決ま
場合に一番に大切なことは安全という
った時間にちゃんと着くような運航が
ことで、船の性能と人間の能力、そし
大変重要になります。船は効率のよい
て港湾等の環境がバランスが取れて、
輸送手段ですが、トラック等と比べて
互いに巧く適合できるように作られて
その割には世に受け入れられていない
いることが必要になります。
のは、サービスの質に関して無頓着な
そのような仕事をしていますと、安
まま放置してきたためであると思いま
全であることは先ず大切なことですが、
す。こうした意味で、最近は『物流の
さらに『いい運航とは何だろうか』と
ための船』という立場から、船の性能、
考えるようになりました。結局、いい
人間の問題、港湾の整備等を総合的に
運航というのは船を利用する人、荷主
考えるというのが私のテーマになって
さんや乗客の人が望むような輸送をす
います。
るということになる筈です。北海道か
射影は、同じx(またはy)座標を持つ画素の明るさを加算
ここに紹介した以外でも、画像処理技術は多くの分野で広
ら美味しい魚を輸送する場合、漁師さ
●船の世界でも陸の世界と同様に技術
して求めるというものです。これは画像内の検出したい対象
く利用されています。しかし、まだまだ人間の目が持つ能力
んから魚が集まった時に出港して、築
革新は著しい。特に先進国では船員の
の位置を同定するときに使われる技術で、視線追尾装置など
には遠く及ばないのが現実であり、そこには未知の領域を開
地の市場に間に合うように確実に運ぶ
コスト高騰と高年齢化によって自動化、
必要があります。風が吹くと入港が難
省力化のニーズが高まっている。
拓するようなテーマがたくさんあります。
に応用されています。視線追尾装置とは、人間の眼球の動き
を捉えることによってドライバーの居眠り防止に役立てたり、
トキメックでは、上記のような画像処理技術に、周辺技術
スポーツ選手の運動解析などに利用されるものです。その際、
や蓄積してきたノウハウを組み合わせることで、新しい価値
視線方位検出に必要となる瞳孔中心抽出処理(図3)にこの
を生み出す新商品の開発を進めてまいります。
技術が生かされています。
広島大学 工学部第四類 教授
射影計算
2値化画像
眼球原画像
虹彩
P1
こせ くにじ
小瀬教授の研究分野はもともと船舶操縦性である。船の操縦性自体の研究の他に、船を操
閾値交点による
頂点座標
P3
瞳孔
瞳孔
小瀬邦治
縦するのは人間であることから、ヒューマンファクターと機械との関係も専門にして研究
R3
Q3
R4
Q4
を始めたのだという。同じ船の場合でも操縦する人間のレベルによっては、随分と操縦の
P2
P4
接線
結果が違うこともある。そこで、その様子を明らかにするために小瀬教授が取り組んだの
は、操縦の様子を再現することの出来る操船シミュレータの開発であった。広島大学では
眼瞼
不要な画像
1970年代のはじめに、世界初の操船シミュレータの一つを製作したが、このシミュレ
射影の山
R1
R2
射影閾値
Q1
図3 2進化画像処理と射影計算
Q2
不要な画像の
射影の山
瞳孔中心
ータの最初の仕事は、折からの船舶大型化の趨勢のもと100万トンタンカーがはたして
人間で操縦できるかという問題であった。
そして、現在では、『人・船・環境』という立場から船の操縦の問題を総合的に考える
とともに、『船は物流の手段』という立場から船舶や港湾の未来を考え、学業界の指導者
として活躍している。
12
13
●Interview
●Interview
船の安全運航には、船の機能は人間
ても、陸上勤務が殆どという時代にな
かと言われるかもしれません。大型船
くなります。だから『コンセプトが明
ようになっています。海の世界でも急
がサブシステムであり、ブリッジのシ
が制御しやすいように造られ、人は船
り、かつてのようなベテランの養成は
で複数の操船者が確保できるような場
確に確立され、標準化されたブリッジ』
速にグローバル化が進展するでしょう。
ステムがサブシステムだ。当然そのサ
の性能を使いこなしうる技能を持って
難しくなっている。また、時代と共に
合でも、一人一人に十分な判断材料を
があって、それを10年ぐらい使う方が
要素技術の価値を決めるのはシステム
ブシステムごとの信頼度を高めること
いる必要があります。両者が揃って初
社会意識も変わり、正直、今の若者は
与え、誰かが最終判断をするが、その
ユーザにとってはいいわけです。車に
企画です。今までお金を注ぎ込んでき
が、船というシステム全体の精度を高
めて安全が保たれる。しかしその両者
長期間の修練を経て一人前の船長を志
判断の妥当性を常に別の人が確認する
たとえるならば、ハンドル、クラッチ、
た要素技術が必要なくなるということ
めることになる。そういった開発がで
の関係に大幅な変化が生じつつあるの
すような人生を好みませんから、優れ
といった方向でより安全にすることが
ブレーキの性能がいくら優れていよう
もあります。たとえば、船が目的地を
きるのがシステムメーカの条件だとい
が現在なのです。
た後継者を得ることも難しくなりつつ
求められる。つまり、かつてのように
と、その操作方法やレイアウトが車種
目指しているときに、船首方位に少し
う。
あります。さらに、外国人船員との混
色々な航海機器が個々に装備され、そ
やメーカによってバラバラでは意味が
でも誤差があると、長い距離を航行す
ブリッジシステムというのは、船全
になっています。日本人船員で運航す
乗も一般的になっています。そのため、
れを人のチームが使いこなす形の運航
ないわけです。だから今メーカに求め
る場合には大きな誤差を生じてしまい
体にとってはサブシステムになるわけ
る場合、そのコストは国際的な水準か
船の上に同じ数の同じ資格の人間が乗
ではなくて、情報は航海システムの側
られているのは、ユーザの立場に立っ
ます。そのため船首方位を正確に測定
です。この間、翔陽丸という内航近代
ら考えると極端に高くなっています。
っているとしても、その質やメンタリ
で集約され、それと対話する形で一人
た商品開発をすること。つまり、開発
するジャイロコンパスには、最高の精
化船の企画、建造を担当しましたが、
そこで外航船の場合、日本人のみとい
ティは相当に変わってきています。つま
で操船する形が必要と考えられます。
思想の転換が必要になっている。ブリ
度が求められているわけです。ところ
そこではブリッジ、機関システム、居
う船は殆ど無くなっていますし、内航
り、船を運航する側の人間は大幅に変
欧州で普及している統合操船システム
ッジシステムは船主さんが造船所やメ
が、DGPSなどのように海上での自船位
住区というサブシステムの近代化を行
船の場合には用船料収入の半分以上が
わろうとしているのです。
はこの方向での革新です。
ーカと相談しながら、1隻ずつ設計して
置が正確にわかり、方位測定の誤差修
いました。トキメックさんにはブリッ
いくオーダーメイド的なものから、
『必
正へとフィードバックすることができ
ジの部分を担当いただきましたが、
いま、船の世界では人の問題が大事
船員費に充てられるという状況になっ
陸上で精密加工の機械部品を作る時、
たとえばタンカー事故の問題です。
ており、省力化を進めない限り、経営
かつてはベテランの熟練工が必要でし
このような船ではパイロットが乗って
要な機能を持ち、標準化された誰でも
れば、今までのように精度の高いジャ
1997年度のシップオブザイヤーの準賞
が成り立たないところにきています。
た。しかし今ではNCの工作機を導入
います。パイロットは沢山の本船の乗
使えるブリッジ』が求められています。
イロコンパスは必要なくなってくる可
を戴くことができましたのはトキメッ
加えて内航船の船員のほとんどは、40
してオペレータを配置する筈です。海
員にサポートされている筈なのですが、
能性があります。
クさんの貢献によるところが大きいと
∼50代が中心で、若手は少ない。つま
の上でも同じ変化が必要になっている
最近では効果的なチームプレイができ
● ブリッジシステムメーカは世界に通
り、船員の年齢構成の逆ピラミッド構
のです。省力化を達成するには、ある
ない場合が多いと聞きます。もし、海
用するシステムとしての製品の企画、
電子海図といったものをユーザが使い
そのサブシステムの信頼度を上げる
成は顕著で、このままでは10年後には
いは人間の熟練に過度に依存しないで
図上に本船の位置が示され、パイロッ
提供が必要で、自社の持つ要素技術を
やすい形にインテグレートして、提供
には、今までのように部品をアッセン
絶対的な人手不足の状況が予測されま
安全な運航を実現するには、このよう
トの目前に示されていれば座礁事故は
並べただけのシステムでは駄目だと小
するところで、要素技術を持つ必要は
ブルするという観点のシステム開発で
す。
な技術革新を達成する以外にないとこ
避けられるはずです。
瀬教授は考えている。
必ずしもありません。しかし、システ
は成功しないでしょう。信頼度のレベ
日本のメーカは幸いにも国内に強力
ムとしての機能はそれが使われる場を
ルが高いシステムの造り方というのは、
この船員の世界は経験と熟練した技
ろまで、情勢は煮詰まりつつあります。
システムメーカはレーダ、GPS、
感謝しています。
能が必要とされる専門職であり、最後
結局、操船がワンマンで出来るよう
●人が担っていた機能の多くを担当す
な造船業を持っていますが、それが弱
よく理解して、過不足ないものを提供
小さなシステムの信頼度を上げて、そ
は人間の力で安全が保たれるとされて
な操船システムを装備することが現在
る操船システムの提供は航海機器メー
点にもなっています。造船所や船主さ
する必要があります。航海機器がシス
れらを組み合わせてサブシステムの信
きました。特に船長は船という一種の
の着地点となるでしょう。 安全性を確
カの仕事だ。そのためには行われてい
んと仲良くやっていれば、飯が食える
テムとして本格的な評価を受けるのは
頼度、性能を上げる方法。それが今後
工場の経営管理者であり、冷静沈着な
保するには操船に必要な情報を人間の
る操船の模様をよく知って、巧く人間
という状況にあるために、優れた技術
今始まったところです。日本のメーカ
の技術開発の流れていく方向だと思い
航海技術者で、長い経験をもとに形成
判断がしやすいように加工して集約的
を補佐するようなシステムを提供する
は持っているけれども、戦略的なシス
は要素技術が中心で、その製品の機能
ます。トキメックの場合、様々な技術
される全能的な人とされています。し
に提供し、一人の人間が総合的な判断
ことが必要である。
テムの企画で動かないという傾向があ
拡張を行うためにシステム化に取り組
を持っている企業だから、そういった
かし、船員は永年船会社に勤務してい
を下しうるようにするというのが現在
今までのメーカはある意味ではセン
ります。これからは、要素技術のメー
んできたと言えると思いますが、本格
開発の方向性をもてば、トータルなシ
求められている技
サ屋さんでした。航海機器の開発は
カとシステムメーカは違うと考えてい
的なシステムの経験は乏しいのではな
ステムメーカとして市場で戦える可能
術の方向です。コ
『既存の技術を元に何ができるか』とい
ます。システムの提供という観点から
いでしょうか。そして言うまでもなく、
性を持っていると思う。でも逆にいう
スト削減のために
う命題を優先し、その答えとして『こ
考えると、これからは要素技術を持っ
次世代をリードしていくのはシステム
と、いろいろ技術があるからこそ、危
省力運航が求めら
んな商品ができました』というメーカ
ているメーカが必ずしも優位性を保て
メーカです。トキメックさんに求めら
険だとも言える。システムメーカが自
れる内航船では現
主導の開発をしてきた。確かにその商
るとは思えません。システムメーカと
れるのはグローバルなマーケットに通
社の部分技術に固執すると、それは致
実にワンマン運航
品を使うことによって、船員の作業量
しての自覚を持ったところが必要と思
用するような操船システムの企画では
命傷になりかねないからです。
されています。そ
は少なくなるかもしれません。しかし、
います。
ないかと思います。
れをより安全な方
新たな機能を船員が使いこなす負担も
優れた要素技術があれば、それで世
向へ進める運航技
無視できません。スタンドアロンの航
界に覇を唱える必要があります。自動
●小瀬教授は船の完成度を上げるため
関システムの合理化を追求しました。
術が必要とされて
海機器であれば理解はまだ容易でしょ
車部品の世界ではすでに「系列」の中
には、機能によって全体をいくつかの
自動車も今、部品メーカの中からモジ
いるわけです。大
うが、統合化された操船システムだと
でしか通用しないメーカは落後し、グ
システムに分けた開発が必要だという。
ュールメーカを育成するという方針を
型船でもワンマン
すると沢山の機能があり、理解も難し
ローバルな市場での競争力が問われる
船全体で考えると、機関室のシステム
取り始めたようです。
14
翔陽丸の機関システムではサブシス
テムのモジュール化という考えで、機
15
対
し
て
、
適
正
な
ア
ク
セ
ス
が
為
さ
れ
い
と
想
定
で
き
る
人
た
ち
だ
。
そ
れ
に
前
述
の
よ
う
に
情
報
リ
テ
ラ
シ
ー
が
高
得
る
。
メ
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ル
を
活
用
す
る
ユ
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ザ
は
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ら に そ 徹 ユ
逆 だ ダ れ 底 ー
に 。 イ が し ザ
そ
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は
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置
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る
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別
ル
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ト
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ち
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く
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費
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ま
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業
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ザ
は
、
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人
一
匹
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動
物
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能
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備
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て
い
る
。
﹁
ポ
ス
ト
ペ
ッ
ト
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商
品
ユ
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上
手
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織
化
す
る
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商
品
だ
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、
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質
に
、
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﹁
ポ
ス
ト
ペ
ッ
ト
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自
体
は
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フ
え
る
人
が
使
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て
い
る
メ
ー
ル
ソ
フ
ト
ッ
ト
﹂
が
あ
る
。
現
在
、
八
万
人
を
超
メ
ー
ル
の
成
功 ●
事 ●
例 ●
に
﹁
ポ
ス
ト
ペ
の
重
要
点
と
な
る
の
で
あ
る
。
維
持
こ
そ
が
、
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
活
用
費
者
×
消
費
者
﹂
の
関
係
作
り
と
そ
の
う
︵
も
ち
ろ
ん
ネ
ッ
ト
ワ
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ク
の
中
の
ス
ポ
ン
ス
が
返
ら
な
い
と
い
う
の
は
、
●
電
子
ペ
ッ
ト
が
仲
介
す
る
ユ
ー
ザ
同
士
の
連
携
な
い
︵
必
要
な
情
報
が
こ
な
い
︶
、
レ
少
し
異
な
る
。
﹁
企
業
×
消
費
者
﹂
﹁
消
に
過
ぎ
な
い
。
逆
に
﹁
技
術
職
以
外
の
の
技
術
職
﹂
を
合
わ
せ
て
も
、
三
割
弱
ュ
ー
タ
会
社
の
社
員
﹂
と
﹁
一
般
企
業
変
化
し
て
い
る
。
い
ま
や
、
﹁
コ
ン
ピ
案
は
イ
十
ン
分
タ
に
ー
可
ネ
ッ ● 能
ト ● で
の ● あ
る
ビ
。
ジ
ネ
ス
に
お
と
捉
え
る
な
ら
、
ビ
ジ
ネ
ス
戦
略
の
立
う り ブ
側 等 性
︶ ︵
に に 頻
バ よ 繁
リ っ な
ア て 個
が
別
な 売 メ
く る ー
な 側 ル
っ
の
て と や
い
り
く 買 と
。
関
係
改
革
だ
。
強
い
イ
ン
タ
ラ
ク
テ
ィ
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7U?7U?e
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W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
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?S5?S5h
?.Y?.Yh
い
っ
た
形
で
タ
イ
ト
に
縛
る
こ
と
と
は
囲
い
込
む
と
は
、
﹁
○
○
友
の
会
﹂
と
よ
う
に
、
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
で
ユ
ー
ザ
を
提
供
の
貴
重
な
場
と
な
る
の
だ
。
こ
の
ル
ー
プ
に
と
っ
て
、
情
報
収
集
、
情
報
ト
ペ
ッ
ト
﹂
は
運
用
す
る
S
O
N
Y
グ
も
う
お
わ
か
り
と
思
う
が
、
﹁
ポ
ス
16
ユ
ー
ザ
同
士
の
連
帯
感
を
醸
成
す
る
。
る
。
こ
う
し
た
仕
組
み
は
、
見
知
ら
ぬ
用
ホ
ー
ム
ペ
ー
ジ
が
用
意
さ
れ
て
い
﹁
ポ
ス
ト
ペ
ッ
ト
パ
ー
ク
﹂
と
い
う
専
り
、
イ
ベ
ン
ト
を
楽
し
ん
だ
り
で
き
る
ザ
だ
け
が
入
れ
て
情
報
交
換
を
し
た
の
や
り
と
り
だ
け
だ
。
さ
ら
に
、
ユ
ー
は
、
﹁
ポ
ス
ト
ペ
ッ
ト
﹂
ユ
ー
ザ
間
で
イ
メ
ン
ト
・
イ
ベ
ン
ト
が
起
き
る
の
る
。
た
だ
し
、
こ
う
し
た
エ
ン
タ
ー
テ
な
踊
り
を
覚
え
た
り
し
て
帰
っ
て
く
に
ガ
ラ
ク
タ
を
拾
っ
て
き
た
り
、
へ
ん
と
、
相
手
先
に
遊
び
に
い
く
。
そ
の
間
い
︶
。
こ
の
ペ
ッ
ト
に
メ
ー
ル
を
託
す
い
う
と
わ
か
り
や
す
い
か
も
知
れ
な
話
。
﹁
た
ま
ご
っ
ち
﹂
の
よ
う
な
、
と
の
一
つ
は
、
間
違
い
な
く
メ
ー
ル
だ
。
と
も
表
現
さ
れ
る
。
そ
の
有
効
な
手
法
な
る
。
そ
れ
は
ユ
ー
ザ
の
い
く
よ
う
な
仕
掛
け
が
と
て
も
重
要
に
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?S5?S5h
?.Y?.Yh
囲
い
込
み
W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
者
を
自
社
の
務
で
使
っ
て
い
る
と
。
言
わ
れ
て
き
た
。
つ
ま
り
ユ
ー
ザ
の
大
ト
最
大
の
欠
点
は
ユ
ー
ザ
層
の
偏
り
と
ま
で
、
ビ
ジ
ネ
ス
上
、
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
し
て
い
る
︵
共
に
98
年
2
月
︶
。
こ
れ
イ
ン
プ
レ
ス
が
行
っ
た
調
査
に
よ
れ
ば
と
し
て
成
長
し
て
き
て
い
る
か
ら
だ
。
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
が
市
場
︵
マ
ー
ケ
ッ
ト
︶
る
。
そ
れ
は
ひ
と
え
に
、
こ
の
巨
大
な
ス
展
開
は
い
よ
い
よ
本
格
化
し
て
い
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
を
使
っ
た
ビ
ジ
ネ
部
数
は
一
千
万
部
な
の
だ
。
ユ
ー
ザ
層
部
数
を
誇
る
読
売
新
聞
で
さ
え
、
そ
の
較
は
で
き
な
い
が
、
世
界
最
大
の
発
行
こ
と
の
で
き
な
い
も
の
だ
。
単
純
な
比
ケ
ッ
ト
サ
イ
ズ
は
、
も
は
や
無
視
す
る
ち 比
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言 報
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、 言 に る テ
一 わ 分 。 ラ
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、 特
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だ
う 。
は
人
マ
り か た
ー
ー
ネ
ッ
ト
の
ユ
ー
ザ
は
、
非
ユ
ー
ザ
に
り
は
な
お
存
在
す
る
。
例
え
ば
イ
ン
タ
7
%
存
在
す
る
の
だ
。
も
ち
ろ
ん
、
偏
﹁
主
婦
﹂
と
い
う
カ
テ
ゴ
リ
ー
で
さ
え
、
会
社
員
﹂
は
36
%
に
も
上
っ
て
い
る
。
ケ
ー
シ
ョ
ン
を
変
え
る
の
だ
ろ
う
か
。
ト
は
ど
の
よ
う
に
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費
者
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ミ
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ニ
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で 。 を ブ ワ ョ は も 進 対 ラ な る
は
、 イ 消 イ 情 機
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、
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体
い れ 、 進 対 ー け コ シ 供 大
消
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に
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か デ て な 者 ト れ ュ ッ 販 し
、
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。
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ン
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ネ
で
ッ
な 特 テ ッ ー る
、 の 開 オ 即
の
偏
り
を
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限
定
さ
れ
た
タ
ー
ゲ
ッ
ト
W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
そ
の
第
一
は
、
﹁
企
業
×
消
費
者
﹂
の
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逆 。 し 者 と ば を 評 、 で に 。 ッ じ 報 関 第
に
た を に 、 持 価 勝 は 他 あ ト
は 係 二
言
力 コ も 当 つ が 手 も の る ワ 露 、 構 の
え
を ン な 該 が 多 に は 消 消 ー 出 メ 築 観
ば
ネ サ る 商 、 け 論 や 費 費 ク さ ー だ 点
、
ッ ル だ 品 悪 れ 議 メ 者 者 の れ リ 。 は
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企
ト テ ろ は い ば が
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業
ワ ィ う 淘 評 効 進 ー 伝 声 中 口 グ る 消
の
ー ン 。 汰 価 果 ん カ わ が で コ リ 商 費
側
ク グ 消 さ に 的 で の る 、 広 ミ ス 品 者
は
は す 費 れ さ な い 制 の ダ が
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、
持 る 者 て ら 販 く 御 だ イ っ と な 関 消
消
つ 、 が い さ 促 。 を 。 レ て し ど す 費
費
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、
﹂
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プ
ロ
モ
ー
タ
ー
化
W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
し
て
W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
17
︵
﹁
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
白
書
半
は
技
術
職
・
研
究
職
で
、
彼
ら
は
業
し
か
し
、
現
実
の
構
成
比
は
だ
い
ぶ
主
体
の
変
化
を
意
味
す
る
も
の
だ
。
世
帯
普
及
率
で
も
既
に
7
・
08
%
に
達
の
ユ
ー
ザ
数
は
一
千
十
万
人
を
超
え
、
?'@?'@h
?S5?S5h
?.Y?.Yh
W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
'98
﹂
︶
、
日
本
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?.Y?.Yh
W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
?'@?'@h
?S5?S5h
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W.?W.?e
7U?7U?e
@)?@)?e
化
し
て
く
る
。
こ
れ
は
、
ビ
ジ
ネ
ス
の
作
る
側
、
売
る
側
と
い
う
関
係
は
融
合
通
じ
る
方
向
だ
。
こ
れ
が
進
む
ほ
ど
、
新
バ
ー
ジ
ョ
ン
や
新
製
品
の
企
画
へ
と
端
的
な
例
が
、
ク
レ
ー
ム
を
通
し
て
、
参
加
す
る
状
況
を
生
み
出
し
て
い
る
。
っ
て
、
物
を
作
る
段
階
か
ら
消
費
者
が
っ
た
が
、
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
の
介
在
に
よ
﹁
売
る
側
が
提
案
し
て
き
た
も
の
﹂
だ
従
来
の
ビ
ジ
ネ
ス
で
は
、
商
品
と
は
■地震は本当に予知できるのか
巨大地震は本当に起こるのか?
GPSは巨大地震を
予知できるか!
?
な地殻歪を観測することが必要であ
ける楽観論と悲観論」(1998年4月)
る。稠密なGPS(汎地球測位シス
の中で次のように述べている。
簡単にさらっておこう。
アメリカが打ち上げた24個の専用
テム)連続観測網は、地殻歪の時間
「非地震学的なアプローチも十分に取
人工衛星が4個ずつ、6つの地球軌
的・空間的変化の即時的、定常的か
り入れれば可能らしいぞという兆し
道を周回している。単独測位と言わ
つ広範囲な把握に資する。また、G
が見えて来ている。非地震学という
れる基本的方式では、このうち4個
「地震予知」というテーマである。で
PS連続観測網により、地震の発生
と何のことかと思われる向きもあろ
以上の衛星が発する電波を捕らえる
は、
「地震予知」とは、具体的には何
に至るまでの歪の蓄積についての知
うが、地震に関連する電磁気学、地
ことで自位置を決めるシステムだ。
“経験主義”を脱した科学的手法の確
見の蓄積が期待される。<略>GP
球化学、地下水文学などのことであ
電波到着に要した時間から、衛星と
る。
受信機の距離を求め、この距離から
それがウワサされている地域や集積
密度が高い都市では、是が非でも知
りたいところだ。これはもちろん、
を事前に知ることなのだろうか。ま
発生場所、時期、規模を判断する方
ずはそこから始めよう。
法。
立、具体的にはGPSで地殻変動を
S連続観測施設は、建設省国土地理
(3) 地電流の異常など、「地震の前兆
精密観測し、地震発生過程の全容を
院等により、全国に約1000カ所設置
「どの規模の」地震が発生するかを事
現象」をキャッチして判断する方法。
つかんでいくとの方向性を打ち出し
されている。 』
前につかみ、公表することだと言え
では、「誰が判断するのか」が次
た。観測データやプロセスの理解か
る。この中で、我々にとって最も切
の問題だ。実は、政府をはじめ、大
実でありながら、かつ予知が難しい
のが「いつ」である。正確に言えば、
新しい科学の芽生えは各方面に見
緯度と経度、高度をはじき出す。4
える。人工衛星を利用した測地学―
個の衛星のうち1つからは精密な時
その国土地理院では、全国約1,000
―GPSや、合成開口レーダー干渉
刻を受信し、電波が到着するのに要
ら、数年後の地震発生を予測する
カ所という世界でも例のない高密度
法など――は地表面の動きをとらえ
する時間を測る基準時刻として使う。
学関係、自治体……、諸処の機関が
「広域モデル」と、直前∼数年の単位
な施設設置で、それぞれの拠点間距
るに当たって従来考えることもでき
軍事用は1メートル以内の精度だが、
それぞれ観測し、その情報を(必要
で予測する「局域モデル」
(当面は東
離を数ミリという単位で計測するも
なかった新しい眼をもたらした。地
一般に利用できる民生用では100メー
「どこで」
「どの規模の」も、大差な
と判断すれば)提供している。しか
海地域)を想定している。
のだ。国土が1年間で何ミリ動いた
球の内部を見るテクノロジーももっ
トル程度となる。
いくらいには難しい。しかし、精密
し、影響力という意味では、文部省
という精密数値はこうして得られる。
ともっと進むだろう。
」
な地殻変動観測その他から、「いま、
の「測地学審議会」だろう。1965年、
測の採用だ。プレートの移動やひず
そして監視施策の効果を『(1)水
地震予知は難しい。が、決して不
星からの電波を、位置既定済みの基
この地域で変動が起こっている」と
同審議会により「地震予知計画」が
みの観測を、高精度に、天候に左右
準・重力測量の連続データとGPS、
可能ではない。我々は必ず「いつ」
準局(国などが設けた補正用の電波
いうことを数値でつかむことは可能
開始され、以来ほぼ5年ごとに見直
されず、無人で連続的に行う試みで
地磁気の連続観測データを組み合わ
を知ることができるだろう。
局)が受信して補正データを算出、
だ。もしそれが地殻の歪曲具合であ
され、現在は第七次計画の最終年度
ある。ただし、これは測地審議会だ
せることにより、地球内部の活動も
るならば、それが放出される力をシ
である。
けの専売特許ではない。実は既に、
含めたより詳細な地殻活動の監視が
■最新GPSがもたらす近未来情景
この補正データを衛星からの電波と
地震予知とは、「いつ」「どこで」
ここで注目されたのが、GPS観
(ディファレンシャル方式)GPS衛
FM電波などで送信する。受信機は
ミュレートする事もできる。問題は、
昨年、これまでの計画を総括した
さまざまな機関がこうした手法の実
可能となる。(2)定量的なデータに
ここまでの地震予知の話は、実は
併せて位置精度を高める仕組み。誤
それが「いつ」起こるか、なのだ。
レビューが測地学審議会によって公
行を計画している。以下、関連情報
基づいた大地震発生の可能性の分析
GPSがより実用段階に入ったこと
差は数メートルから数十センチにな
「10年以内」では、実際的な意味を持
表された。それが「地震予知は不可
をいくつか拾ってみよう。
により、地震発生の危険度が全国的
を示すものだ。
「カーナビなどで、既
る。最近の高精度カーナビは、この
たない。
「1年」でもまだ長い。避難
能」といったニュアンスで報道され
世界に先駆け、GPSを使った地
に明らかになる。
』 としている。
に十分実用化されている」と思われ
方式を採用したもの。ほかに航空機
といった現実的な対処が起こせるに
たため、やや悲壮的なムードが社会
震研究に着手したのは東大地震研究
こうした動きは徐々に強化されて
るかもしれないが、これまでのGP
の航法支援システムへの導入研究も
は、
「1週間、せいぜい1か月以内」
に広がった。少しフォローしておく
所だ。GPSと超音波を組み合わせ、
いるが、もちろん、それがすぐに直
Sは、その精度確保にかなりの制限
進んでいる。
というレベルにまできてのことだろ
と、レビューでは「予知は不可能」
海洋底の地殻変動をとらえる技術を
前の地震予知が可能となるわけでは
があったのだ。もっとも、現在では
(リアルタイム・キネマティック方
う。しかし、それが極めて難しいこ
としたわけではない。もともと同計
打ち出した。
ない。あくまで地殻変動と、地震発
数10メートルといった単位まで高ま
式)複数のGPS信号の波のずれを
とを過去の歴史は物語っている。
画では、
「東海地震」以外の短期予測
総理府の地震調査研究推進本部は、
生プロセスとの関連を分析するデー
ってはいるが。これがさらに、数セ
示す特殊なデータ(搬送波位相)を
ができるとはしていない。ただ、
「前
「地震に関する基盤的調査観測計画 」
タを蓄積するものだ。しかし、ベク
ンチ、数ミリという単位で使えると
使い精度を高める方法で、誤差はわ
手法が採用されている。
兆予測を重視したこれまでの直前予
(平成9年)で地殻変動観測(GPS
トルは確かにそちらを向いている。
なると、その応用は従来と比して限
ずか数センチ∼数ミリまでになる。
(1) 地殻変動を観測し、蓄積エネルギ
知は困難」と結論付けたのである。
連続観測)をうたっている。
『地震の
理化学研究所地震国際フロンティア
りなく広がってくる。
最も有力な応用分野は測量。区画整
それを出発点に来年度から始まる
原動力を解明し、その時空間変化を
研究所リーダ・上田誠也東海大学教
具体例の紹介に入る前に、GPS
第八次計画を、これまでのいわば
広域的に評価するためには、広域的
授は、
「地震予知について:科学にお
(Global Positioning System)について
地震予知には、大きく次のような
ーの推定総量から判断する方法。
(2) 過去の地震記録から、将来の地震
18
19
理地域を精密に測量したり、地盤の
わずかなずれを検出する。
大形タンカーの海難事故防止に貢献!
バーシングサポートシステムが誕生しました
では、実用へのイメージをつかん
あって、省力化や作業の安全確保を
でいこう。
高める有力な方策となるだろう。こ
<対象位置を高精度に特定する>
れは建設機械でも同様に進んでいる。
これは、
「どこにいるのか」を自身
国家プロジェクトである高度道路
が知るケースと、第三者が知るケー
交通システム(ITS)でも、GP
スの両面がある。自身が位置を知る
Sの利用は想定されている。高精度
ケースとして、視覚障害者向けの道
GPSシステムの普及は車両や道路
案内サービスを開発しているのが新
の高度情報化と相まって、定まった
潟大学の牧野秀夫教授だ。外出時、
目的地へ向け車の自動運転が実現す
点字ブロックなど数少ない情報しか
ることも期待できる。
得られない視覚障害者に、GPS,
もっとも、これらがほんの数年内
方位センサ,携帯電話を組み合わせ
に普及,定着するというわけではな
たシステムにより、現在の場所や目
い。まだまだ社会全体のインフラは
標地までの距離といった情報をイヤ
未整備で、GPS自体にも弱点はあ
ホンを通じて提供する。
る。それでも、一昔前のSF的情景
もう一方のケースが、例えば道に
迷ったお年寄りの位置を探索するよ
までにあと一息二息というところま
で、我々は迫っているのだ。
うな活用だ。これはPHSによって
も実用化されているが、即時性と精
リアルタイム・キネマティックGPS
電子基準点を利用したリアルタイム測位システム
GPS衛星
度がより向上する。災害現場の特定
GPS衛星
や、救急車両の位置把握という利用
はより実用的だろう。これらは既に
GPS衛星
GPS衛星
実現しており、パトカーからタクシ
ー、荷物配送車まで広がっている。
中近東から運ばれるタンカー1隻の原油積載量は国
情報,接岸速度計で計測したバースと船舶までの距離
内消費量の約3日分。つまり、3日に1度は10万トン
情報および潮流や風向,風速などの各種データを船舶
クラスの大形タンカーが日本へやってきている計算に
側に送信します。船舶側のディスプレイには、船速や
なります。この全長300メートル近い巨大なタンカー
バースまでの残存航程,自船航跡プロットおよび、着
をバースに対して安全に着桟させるために、キャプテ
桟までの推奨航路や推奨船速などが電子参考海図(E
ンやパイロット,バ−スマスターの的確な状況判断と、
RC)と共に表示されます。アプローチモード(写真
タグボートや警戒船との絶妙な連携プレイが繰り広げ
①)の画面上には安全なコース幅を示すエリアが表示
られています。特にその船位誘導は、他船の動向、浅
されますので、自船がこのコースラインから外れない
瀬や沈船などの障害物、風潮流の影響など、刻々と変
ように操船すれば最適な航路を維持することができま
化する状況の総合的な判断が求められるため高度な技
す。また、バーシングモード(写真②)では、自船の
能と熟練が必要となります。しかし、残念ながら時と
接岸速度とバースまでの距離情報がリアルタイム表示
して座礁事故や衝突事故が発生しているのも事実。そ
され、刻々と変わる位置関係を的確に読み取りながら
の原因に挙げられるのがヒューマンファクターです。
安全にタンカーを着桟させることが可能です。
巨大なタンカーの針路を急に変更することは不可能で
従来、これらの情報は、マリンレーダ,衝突予防援
すから、船位誘導においては一瞬の不注意や勘違いに
助装置(ARPA),電子海図情報表示装置(ECD
よる判断ミスが致命的となりかねないのです。原油を
IS),GPSプロッタ,チャートプロッタ,船速計,
満載したタンカーに万一のことがあれば原油流出によ
接岸速度計などから得ていましたが、それぞれが独立
る深刻な海洋環境破壊は避けられません。そのため、
した状態でブリッジに存在していたため一元的な監視
有効な事故防止策の確立が強く望まれています。
が難しい状況でした。こうした機能の分散による不合
こうしたニーズにお応えするために開発されたのが
理を排除し、マンマシン・インタフェースを充実させ
バーシングサポートシステムです。このシステムは、
ることによって人為的なミスを無くそうというのがバ
バース側に設置する基地局と、船舶側へ持ち込む移動
ーシングサポートシステムの基本思想です。こうした
局とによって構成されており、各種操船支援情報を双
考え方はIBS(統合化ブリッジシステム)と共通す
方のディスプレイにリアルタイム表示します。そのお
るコンセプトでもあり、その背景には航海システムを
もな機能と働きは次のようなものです。
永年にわたって開発・製造してきたトキメックならで
基地局からは、 Real Time Kinematic GPS(RTK GPS)
ユニークなケースでは、
“盗難車の追
はの総合力が生かされています。
や Differential GPS(DGPS)を利用した高精度な位置
跡システム”を郵政省が考えている。
<自動走行を可能に>
高精度な位置特定を前提に、運転
電子基準点
データの受信
自動化への応用が現実的なものとな
電子基準点
データの送信
っている。
農水省が進める無人運転トラクタ
DMCA無線機
は十センチ以内の精度で設定ルート
①
②
③
をトレース、耕運し、農薬,肥料を
①アプローチモード画像例。赤いラインのエリア
散布する。これはディファレンシャ
ルGPSに光ファイバジャイロの組
み合わせだ。人手不足に悩む農業に
RTK-GPS衛星
(移動局)
電子基準点
無線制御局
※国土地理院の資料をもとに作図
④
20
⑤
21
内を航行すれば、最適な航路を維持しながらバー
スに接近することができる。
②バーシングモード画像例。接岸速度計から得た
データを基に、バースに対する接岸速度と残存距
離などを多角的に表示する。
③タンカーのブリッジに設置されている移動局機
器。
④⑤タンカー、バース、タグボートとの緊密な連
携プレイが要求される着桟作業。
PRODUCTS
機能充実、うれしい新価格がラインアップされました!
電子海図情報表示装置 EC-6000-21
安全航海を支援するシステ
PRODUCTS
社にお立ち寄りの際は、ぜひ
社会の安全を守る監視モニタの目。
防犯・危機管理の多様なニーズに総合力でお応えします。
金融機関,コンビニストア,
[取扱商品]
たとえば、画像処理技術の応
株式会社テクノポート
ムとしてご好評をいただいて
実物をご覧になっていただき、
遊園地,道路,鉄道,工場な
用によって受像信号と外部管
低照度CCDカメラ/暗視CCD
機器営業部
いる電子海図情報表示装置
その性能をお確かめください。
ど、幅広いジャンルで活躍し
理システムのデータとを加
カメラ/光電子倍増式(I.I式)
〒144-0035
(EC-6000)に新機種が追
ているものの中に監視カメラ
工・記録すれば、画像情報の
暗視ビデオカメラ/CCTV用
東京都大田区南蒲田2-16-1
加されました。新登場のEC-
システムがあります。人々の
価値を大幅に高めることがで
レンズ/2分割表示装置/4
電話 03-3732-3721
6000-21は、21インチCR
安全を守り、事故やトラブル
きます。また、大規模監視シ
分割表示装置/親子画面表示
Tを採用することによって小
の発生に対処するこのシステ
ステムの画像無線伝送や公衆
装置/シーケンシャルスイッ
形/低価格化を図り、既存の
ムは、防犯・危機管理ツール
回線を利用したカメラの遠隔
チャ/ビデオモニタ/長時間
就航船や小形船にも搭載いた
としてここ数年急速に普及し
制御など、お客様の利便性を
録画装置/カメラハウジン
だけるようにした新商品です。
てきました。(株)テクノポー
高めるシステムなどもご提案
グ/電動旋回台/画像電話伝
ト(トキメックグループ企業)
させていただきます。監視モ
送システム/携帯用暗視単眼
がお届けしている監視カメラ
ニタシステムをご検討の際は、
鏡・双眼鏡
システムは、MIL規格に準
どうぞテクノポートにご用命
拠した微視光式暗視ゴーグル
ください。
また、避険ライン表示と避険
エリア表示という2つの新機
(株)トキメック
能 を 追 加 す る こ と に よ っ て、
制御システム事業部
より安全な航海に貢献できる
電話 03-3737-8611
●自動航行による避険ラインと避険エリアの表示例
ようになりました。
回避すべき危険を避険ラインあるいは避険エリアとして任意に設定できます。ガ
ードフレーム(自船を中心にその前方と横方向に向かって描かれた四角い範囲)
が障害物や避険ライン、避険エリアに接すると警報を発して安全を促します。
本商品は弊社ショールーム
に常時展示しております。弊
から、屋内外、陸上/海上の
24時間監視に対応したシステ
ムまでを豊富にラインアップ
し、お客様の多様なニーズに
お応えしています。
NEWS
電子海図表示装置の開発・普及に
海上保安庁殿から感謝状を授与。
NEWS
海と人とを結ぶ積極的なPR活動に対し
琴平海洋会館から感謝状を戴きました。
航海において最も重要とな
機能を搭載したシステムをお
海運の神を祀る金刀比羅宮
まいりました。このたび、そ
る作業のひとつに船位確認が
届けし、その普及PR活動に
の門前町として有名な香川県
の企業姿勢を高くご評価いた
あります。そのために必要と
努めてまいりました。
琴平町。この由緒ある海運の
だき、財団法人 琴平海洋会
なるのが海図であり、航海は
このたび、ECDISの開
地に拠を構える琴平海洋会館
館殿から感謝状が授与されま
海図と自船位置双方の情報を
発と普及を通じて海難防止に
では、海と人との調和をテー
した。
判断しながら行われます。そ
大 き な 功 績 が あ っ た と し て、
マに多数の航海機器が展示さ
の際に使われる紙海図を電子
海上保安庁から感謝状を頂戴
れています。
化して船位情報等と共にCR
いたしました。トキメックで
T上に映し出し、その画面上
は、ECDISのさらなる発
で航海の意志決定を下せるよ
展とマンマシンインタフェー
うにしたシステムが電子海図
スに優れたブリッジシステム
情報表示装置ECDIS
の開発を通じて、航海の安全
に努めてまいります。
海と人とのつながり、海運
また、バックグラウンドに
あるトキメックの総合技術を
駆使し、さらに高度な監視シ
ス テ ム も ご 提 案 い た し ま す。
PRODUCTS
オゾン層破壊係数ゼロ!地球温暖化係数ゼロ!
窒素ガスを使用した新しい消火装置の誕生です。
と社会との関係を数多くの
火災の被害から尊い人命と
を行うことができます。物が
防災と環境保護を高次元で
トキメックでは、マリンレ
方々にご理解していただける
大切な財産を守ることは消火
燃え続けるためには周囲環境
バランスした窒素ガス消火装
ーダやオートパイロット、海
よう、トキメックではこれか
装 置 に 課 せ ら れ た 使 命 で す。
に15%以上の酸素濃度が必要
置の採用を、ぜひご検討くだ
難救助用のGMDSSなどの
らも社会貢献活動に取り組ん
しかし、放出された消火ガス
ですが、窒素ガスの放出によ
さい。
提供を通じて展示企画の充実
でまいります。
がオゾン層を破壊したり地球
ってその濃度を12.5%まで低
に貢献し、見学者の皆さんへ
温暖化を招いてしまったので
下させるのが消火の仕組みで
の積極的なPR活動に努めて
(株)トキメック
は、その価値も半減してしま
す。人間が酸素を必要とする
生活環境システム事業推進室
and Information System)
います。トキメックがお届け
最低量は10%と言われていま
防災グループ
です。
する窒素ガス消火装置は、防
すから窒息の心配はありませ
電話 045-585-6840
(Electronics Chart Display
トキメックは、先駆的な立場
災システムを地球環境という
ん。また、窒素ガスは無色透
に立ってECDISの開発に
マクロ的視点からとらえて開
明なので迅速な避難を阻害す
あたり、オートパイロットと
発された新商品です。
ることも無く、着霜や結露な
大気の78%を占める窒素ガ
どが無いため消火に伴う設備
ECDIS画面上にレーダA
スを消火媒体として使用して
汚損もありません。コンピュ
RPA映像を重畳する機能な
いるので、環境に負荷を与え
ータルームや美術館などでも
ど独創的で安全航海に役立つ
ることなく効果的な消火活動
安心してご利用いただけます。
の 連 動 に よ る 自 動 航 行 機 能、
22
23
※テクノポートはトキメックの100%
出資子会社です
INFORMATION
展示会、プライベートショウのお知らせ
トキメックでは、これから
開催される下記の展示会に各
●西日本産業システムソリュー
●マイクロウエーブ展 '98
ション展
(パシフィコ横浜:12/8∼11)
【場所】
愛知県産業貿易館 第3展示場
種商品を多数出展いたします。 (西日本総合展示場:10/22∼24)
出展物:各種マイクロ波デバ
名古屋市中区丸の内3-1-6
どうぞお気軽にご高覧いただ
出展物:電波レベル計『レベ
イス,無線トランシーバモジ
電話(052)231-6351
きますようお願い申し上げま
ルプロ』,超音波流量計,超音
ュールなど。
す。
波探傷器,印刷柄検査装置な
●下水道展'98 北九州
(西日本総合展示場:7/28∼31)
【会期】
11月6日(金)∼7日(土)
ど。
●トキメック・プライベート
【時間】10:00∼17:00
●日本国際工作機械見本市
ショウを開催します。
(7日は16:00終了)
トキメックでは、お客様と
(インテックス大阪:10/28∼
【出展予定商品】
出展物:電波レベル計『レベ
11/4)
のダイレクトコミュニケーシ
油圧機器,超音波流量計,超
ルプロ』,超音波気体流量計,
各種油圧機器および油圧シス
ョンをさらに充実させるため
音波探傷器,電波レベル計,
ポータブル超音波流量計。
テムなど。
に、下記の日程においてプラ
データキャリア応用機器,マ
●セミコン・ジャパン98
イベートショウを開催いたし
イクロ波デバイス,無線トラ
ます。機会を改めましてご案
ンシーバモジュール,SSカー
●SCAN-TECH JAPAN
(東京ビックサイト:9/2∼4)
(幕張メッセ:12/2∼4)
出展物:データキャリア応用
出展物:半導体用超音波映像
内状をお送りさせていただき
ドシステム,電磁波シールド
機器,無線トランシーバモジ
探査装置。
ますので、ぜひご来場賜りま
ルーム,生ゴミ消滅処理機,
すようお願い申しあげます。
印刷柄検査装置など多数。
ュールなど。
NEWS
メモリアルシップ『八甲田丸』に
BACtalkをご採用いただきました。
PRODUCTS
SSカードシステムが集合住宅用
宅配BOXのキーデバイスとして活躍!
のたび、(株)エーコーヤマダ
昭和63年に最後の航海を終
第一号となるものです。今回
SSカードシステムは、デー
え、メモリアルシップとして
の改装で監視室を船内に移動
タの書き込みや読みとりが自
殿が開発された『宅配BAN』
青森港に永久係留されている
し、BACtalkによる中央監視
由自在に行える非接触式ICカ
のIDカードとして本商品をご
『八甲田丸』。かつて“海峡の
盤にて空調および船内外の照
ード形のデータキャリアです。
採用いただきました。
明の制御を行っています。
スペクトラム拡散通信方式の
宅配BANは、集合住宅用の宅
貴婦人”と称された優美な姿
編集後記
さて、内容を一新して生まれ変わった
21世紀は『個性の時代』と言われます。
しかし、
『個性的な生き方』とは、無理
TOKIMEC REPORTはいかが
をして個性的になろうとしないことでし
でしたでしょうか。徒に変化を求めるの
ょう。マスコミで言う『個性的』とはあ
ではなく、皆様のお役に立つ情報誌への
る種のファッションのようなもの。
変革を目指したつもりです。
はそのままに、今ではレスト
BACtalkならば異なるメー
採用によって、信頼性・秘匿
配BOXであり、宅配業者が配
ランホールや記念展示館とし
カ で 構 成 さ れ た 照 明 や 防 災、
性に優れた通信が可能となり、
達した荷物を一時保管し、受
て人々に憩いの場を提供して
防犯機器であっても、それら
入退室、勤務、食堂精算など
け取り主がIDカードによって
います。そしてこのたび、設
がBACnet規格に準拠してい
の機能を有した社員証(IDカ
開錠して荷物を受け取るとい
備のリニューアルを機に空調
れば監視・制御を一括して行
ード)や、診療、投薬記録を
うシステムです。
システムのBAS通信プロト
うこともできます。このたび
保持した診察カードなどにご
従来は、磁気カードタイプ
コルとしてBACtalkをご採用
の受注は、『八甲田丸』を管理
利用いただけます。そしてこ
のIDカードであったため、荷
いただきました。BACtalkと
されている青森ウオーターフ
物の受け取りのため
は、米国冷暖房空調工業会
ロント開発(株)殿が、こうし
にケースからカード
(ASHRAE)が制定し、米国
た将来への拡張性も視野に入
を出す手間がありま
国家標準規格(ANSI)採用し
れご購入いただいたものです。
したが、SSカードの
TOKIMEC REPORT
たBACnetの規格に準じて米
場合はケースから出
1998 SUMMER
国アラートン社が商品化した
さずにセンサに近づ
編集人/今野二郎
ものです。トキメックでは、
けるだけで起動する
編集協力/(株)パルナス
アラートン社と提携して
ので、荷物の受領が
本誌に対するご意見、お問い合わせは広報グループまで。
BACtalkを国内販売を実施し
簡単に行えるように
TEL. 03-3730-7013
ており、八甲田丸はその装備
なります。
[email protected]
24
これから編集内容の充実を図ってまい
皆が競って個性的になろうとすると、
皮肉にもかえって『画一的』になってし
りますので、どうかよろしくご愛顧のほ
まったりするものです。
どお願いいたします。
平成10年7月発行(通巻 92号)
編集・発行/株式会社トキメック 営業統括室 広報グループ
〒144-8551 東京都大田区南蒲田2-16-46
25
FAX. 03-3733-3690
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