Comments
Description
Transcript
中国日本商会IPG(北京IPG)10周年記念シンポジウム開催結果(PDF
中国日本商会IPG(北京IPG) 10周年記念シンポジウム開催結果 国 際 課 1.はじめに 日系企業が海外でビジネスを行う際に、近年ますます重要性を増しているのが、特許や 商標をはじめとする知的財産権です。IPG(Intellectual Property Group)は、模倣品や 海賊版といった権利侵害など知的財産権に関する問題に対処するため、情報交換の場とし て、さらに現地政府との協力を行う母体として発足した現地日系企業の団体です。 特許庁としては、海外進出企業における知的財産権に関する活動の一環として IPG の 活動を全面的に支援しています。 今般、北京 IPG 設立 10 周年を記念するシンポジウムを開催しましたので、その概要を ご報告します。 2.北京 IPG の活動 2000 年 5 月、中国日本商会の分科会として「知的財産権問題研究グループ(北京 IPG)」が北京で発足しました。その後、2002 年 9 月には上海、2005 年 8 月には広東で も IPG が発足、中国以外でも、東南アジアやインド、ロシア、中南米などで IPG が発足 し知的財産に関する様々な活動を展開しています。 北京 IPG の参加企業・団体数は現在 75 に上っています。 Web とっきょ 平成22 年 9 月号(No.17) 13 北京 IPG では、2 ヶ月に一度 IPG 会合を開催しています。毎回知財専門家による各種テー マの講演を実施しているほか、各種活動の報告や審議を行い、参加企業同士の情報交換の 場を提供しています。 北京 IPG 全体会合では、中国知的財産関連法律の現状及び改正動向、模倣品対策、日 系企業が関与舌知的財産紛争案件などの紹介・分析などをテーマとした講演を行っていま す。また、中国政府機関の法律制定者、取締担当官などの専門家を数多く招き、各テーマ に関する講演及び質疑応答を行っています。 また、北京 IPG は、中国政府機関に対するエンフォースメントセミナーの開催や、法 律改正時のパブリックコメントへの積極的な対応をするとともに、中国国民の知的財産権 を尊重するマインドを高めるための普及啓発活動を行っています。 3.北京 IPG 10 周年記念シンポジウム 7 月 27 日、北京 IPG 設立 10 周年を記念して「イノベーションを促進するための特許 権の活用」というテーマでシンポジウムが開催されました。 本シンポジウムでは、関審判課長からの政府の取組の紹介に始まり、日中両国の政府関 係者、民間企業、有識者による各種講演が行われました。 現地の日系企業を中心に、大学研究者、在中国の外国政府関係者や外国商会等、計 160 名程度が参加し、講演に熱心に耳を傾けられ、講演者に対し多くの質問が寄せられました。 中国における知的財産問題は、日系企業独自の知的財産保護活動と並行して各業界団体 の連携や中国政府機関への要請など、様々な面から対応していく必要があり、今回のシン ポジウムは、中国政府機関に対する北京 IPG 及び会員各社・団体のプレゼンス向上を図 る機会にもなりました。 ○講 演 ・「イノベーションを促進するための日本政府の取組」 日本国特許庁 審判部審判課 課長 関 和郎 ・「イノベーションを促進するための中国政府の取組」 中国国家知識産権局 保護協調司 巡視員 胡 倬 ・「日産の技術開発戦略と技術開発を支える知的財産戦略」 日産自動車株式会社 フェロー/テクノロジー・インテリジェンス担当 久村 春芳 ・「中国企業のイノベーションへの取組」 漢王科技股 有限公司 知識産権法務総監 劉 鉄征 ・「イノベーションを支える知財制度・運用」 ユアサハラ法律特許事務所 パートナー弁理士 小野 新次郎 ・「『知を活かす知』の開発競争」 東京大学 特任教授 妹尾 堅一郎 Web とっきょ 平成22 年 9 月号(No.17) 14 ○写 真 【全体風景】 【関審判課長の講演】 【劉知識産権法務総監の講演】 Web とっきょ 平成22 年 9 月号(No.17) 15