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がんの代替医療における有効症例の 調査研究
NEWS LETTER 2011 Spring Vol. 8 No. 2 寄稿 厚生労働省がん研究開発費 「がんの代替医療における有効症例の 調査研究」の取り組みについて 早稲田大学 先端科学・健康医療融合研究機構 大野 智 寄稿 厚生労働省がん研究開発費 「がんの代替医療における有効症例の調査研究」の取り組みについて 早稲田大学 先端科学・健康医療融合研究機構 大野 智 3 全米静脈経腸栄養学会(ASPEN2011)開催 −バンクーバー・カナダ− 5 Natural Products EXPO WEST 2011開催 −アナハイム・アメリカ− 6 10月開催 第19回統合医療機能性食品国際会議 案内 7 書籍紹介 がんの統合医療/INTEGRATIVE ONCOLOGY 7 最近の論文・学会発表から 8 編集後記 8 去る 月11日に発生した東日本大震災において被害にあわれた地域の皆様に、 謹んでお見舞い申し上げますとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対 し、深くお悔やみを申し上げます。 一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。 本会会員の皆様におかれましても未曾有の災害からの復興にご尽力されますこ とをお願いいたします。 AHCC研究会 会長 細川真澄男 AHCCに関する初の医学書 『AHCC ( の ) 基 礎 と 臨 床 』 担子菌培養 抽出物 B5版 本文271頁 上製本 定価:3,990円 (税込) 発行元 ■監修:細川眞澄男 北海道大学名誉教授 北海道医療大学教授 ■編集:山﨑 正利 帝京大学薬学部教授 上山 泰男 関西医科大学外科教授 ※ご所属・お役職は初版発行時のものです。 株式会社ライフ・サイエンス (医学専門出版社) 〒150‒0001 東京都渋谷区神宮前5‒53‒67 コスモス青山 TEL 03(3407)8963 (代) FAX 03 (3407)8938 2011 Spring Vol.8 No.2 厚生労働省がん研究開発費 「がんの代替医療における有効症例の 調査研究」の取り組みについて 大野 智 早稲田大学 先端科学・ 健康医療融合研究機構 近年、わが国では、補完代替医療 インターネットの発達によって医 めとした補完代替医療に関して、安 が注目を集めています。補完代替医 療・健康情報へのアクセスが手軽に 全性と有効性を検証する研究に取り 療とは、米国国立補完代替医療セン なったことで情報収集が容易になっ 組んできました。これまでに、健康 ターの定義によると、 「現時点では たことに加え、患者自身の治療選択 食品による抗がん効果や抗がん剤の 通常医療と見なされていない医療・ への自己決定意識の高まりによって、 副作用軽減効果、鍼灸やマッサージ ヘルスケアシステム、施術、生成物 「 自 分 の 健 康 は 自 分 で 守 る(self- による Quality of Life(QOL) の改善 などの総称」とされています。具体 medication)」という考え方が台頭し 効果などについてがん患者を対象に 的には、鍼灸や整体などの手技や身 てきたことが指摘されています。 臨床試験を行いました。今後も、 臨床 体によるもの、瞑想やヨガなどの精 しかし、多くの補完代替医療は、 試験を実施していく計画ですが、大 神身体療法、アーユルベーダなどの 科学的検証、特にヒト臨床試験によ きな課題が浮かび上がってきました。 伝統医学 (代替医学) 、気功や電磁療 る有効性の検証がほとんど行われて ヒト臨床試験を行うためには、研 法などのエネルギー療法、サプリメ いません。そこで、厚生労働省がん 究計画書を作成する上で、様々な情 ントやハーブなどの生物学的療法等 研究開発費(旧がん研究助成金)「が 報が必要不可欠となります。健康食 があります。これら補完代替医療が んの代替医療の科学的検証に関する 品を例にとると以下のような情報が 注目を集めるようになった背景には、 研究」班では、健康食品などをはじ 挙げられます。 主治医からの情報提供申し出 研究概要の公示 各医療機関の主治医が行う事項 マスメディア ホームページ 1.研究参加への各医療機関における倫理委員会の承認 もしくは「研究参加同意書および施設概要記録用紙」の作成 2.説明文書を用いて患者もしくは代諾者からの「同意書」の取得 3.「症例サマリーフォーマット」作成 主治医による 研究の認知 事務局へ提出 症例の受付 研究対象者番号の付与 一次書類審査 4.対照表の作成・連結情報の保持 5.画像フィルム(デジタルデータ含む)、病理診断結果、 血液学検査結果の匿名化 図 事務局 追加資料 提出依頼 二次書類審査 事務局へ提出 (研究代表者による カルテ等の閲覧) ↓ データベースの作成 ↓ データの検討 研究の流れ ■大野 智(おおの・さとし) :1998年 島根医科大学卒業。2002年 金沢大学補完代替医療学 客員助手。2005年 大阪大学機能診断科学 特任研究員。2006年 金沢大学補完代替医療学 特任助教授。2009年 東京女子医科大学国際統合医科学インスティテュート 特任准教授。2010年 早稲田大学先端科学・健康医療 融合研究機構 客員准教授 AHCC News Letter Vol.8 No.2 3 厚生労働省「がんの代替医療における有効症例の調査研究」について ・対象疾患:がんの種類、がんの 進行度など ・健康食品の適切な摂取量 ・健康食品の適切な摂取期間 その他にも、臨床試験を行う前提 として、どのような健康食品を用い て行うのか、その安全性や品質管理 は臨床試験を行うだけの基準を満た し て い る の か、 臨 床 試 験 の 目 的 (endpoint)をどのように設定するの かも事前に明確にしておかなければ なりません。 そこで、今回、補完代替医療が有 効であったと推測される症例を全国 の医療機関(保険診療機関、自由診 療機関を問わない)から集め、通常 医療と同様の科学的指標を用いて、 その治療効果を厳格に審査する取り 組みを研究班の研究として計画しま した。 今回の取り組みは、公正かつ中立 の立場から独立した審査を行い、将 来、研究班としてその効果を検証す る前向き臨床試験の計画・実施決定 のために必要十分な医療情報を蓄積 し、臨床試験を実施する際に必須と なる研究計画書作成のための基礎資 料を提供するものになります。同様 の取り組みは、補完代替医療の研究 に関して積極的に取り組んでいる米 症例サマリーフォーマット ※各項目 が記載されていれば様式は問いません。 作成:xxxx年yy月zz日 年 齢:○○歳 性別:男 診断名:胃癌 病 歴(詳細は別途資料可) XX年A月a日:胃癌と診断 XX年B月b日:手術(胃亜全摘術+リンパ節郭清)→T2N1M0 Stage II XX年C月c日:術後補助化学療法(■■;○○mg、計○回) YY年D月d日:CTおよび生検検査にて肝転移指摘→抗癌剤治療(▲▲;○○mg、計○回) YY年F月f日:CTにて病変評価→PD(抗癌剤治療終了) ZZ 年G月g日:代替医療(★★★、1日1回摂取)を開始 ZZ 年H月h日:CTにて病変評価→肝転移縮小(PR) ZZ 年I月i日:生存確認(外来通院中) 代替医療歴(開始年月日、医療内容等) ZZ 年G月g日:代替医療:★★★、1日1回摂取を開始 ZZ年G 月g 日:代替医療:★★★、1日3回摂取に増量 ZZ年G 月g 日:代替医療:★★★、1日2回摂取に減量→そのまま現在も同量を摂取 ★評価対象となる代替医療が健康食品の場合、わかる範囲で以下の情報を記載してください。 製品名(素材名):ABC株式会社 製造・販売会社:XYZ株式会社 摂取量:1日1∼3回 摂取期間:ZZ年G月g日∼ G 月g 日(○○ヶ月) 病理診断(診断日と診断結果を記載。詳細は別添資料可): XX年A月a日:生検検査(胃)にてtubular adenocarcinoma(well differentiated type)を指摘 YY年D月d日:生検検査(肝転移)にて胃癌と同様の組織型病変を指摘 画像診断(画像撮影日と診断結果を記載。詳細は別添資料可): XX年A 月a日:腹部CT検査(術前検査)を実施。遠隔転移なし。 YY年 D月d日:腹部CT検査にて肝転移を確認 YY年F月f日:腹部CT検査にて肝転移病変の増悪を確認(腫瘍のgrowth rate:+35%) ZZ年 H月h日:腹部CT検査にて肝転移病変の縮小を確認(腫瘍のgrowth rate:ー42%) 備 考 患者あるいは代諾者からの同意書の取得:あり ・ なし 医師連絡先(氏名、治療施設名、住所、電話番号、FAX、E-mail): (※通常医療および代替医療が実施されたすべての医師に関する情報) 診断:●● ●●医師 J病院 ○○市□□町 電話番号:00-111-1111 手術:■■ ■■医師 K病院 ○○市△△町 電話番号:00-222-2222 現在、経過観察:▲▲ ▲▲医師 L病院 ○○市☆☆町 電話番号:00-333-3333 国においても、国立がん研究所で 図 Best Case Series Program (http:// 症例サマリーフォーマット記入例 .抗がん剤の副作用軽減効果、 QOL改善効果、症状の緩和効果 など go.jp/kranke/cam/research/index. 研究の調査対象となる症例の条件は 血液検査値、質問票(一般的に研 ます。各項目が記載されていれば様 以下のとおりです。 究用と認知されたもの)等の客観的 式は問いません。ご不明な点がござ 指標によって評価されている場合の い ま し た ら、 メ ー ル ア ド レ ス み対象とする。 [email protected]( 事 務 局 www.cancer.gov/cam/bestcase_ intro.html)という名称で行われてい ます。なお、今回、厚労省研究班の .抗腫瘍効果 Response Evaluation Criteria In フォーマットの記入例を図 に示し 担当:大野)まで遠慮なくご連絡く Solid Tumors(RECIST)基準にお また、調査の流れにつきましては、 いて Complete response(CR=完全 図 をご参照ください。なお、研究 先生方におかれましては、日々の 奏効) 、Partial response (PR=部 分 参加にあたっての説明文書、同意書 診療でお忙しいとは思いますが、本 奏効) 、Stable disease(SD=病状安 および診療情報を記載していただく 研究の主旨をご理解いただき、補完 定) を審査対象とする。 症例サマリーフォーマットは、厚労 代替医療が有効であったと推測され ※抗がん剤を併用している場合は、補完 省研究班のホームページからダウン る患者さんの医療情報の提供にご協 ロード可能です。ホームページの 力を賜りたく重ねてお願い申し上げ URL は、http://www.shikoku-cc. ます。 代替医療の上乗せ効果が経時的に確認 できるもの。 4 html で す。 ま た、 症 例 サ マ リ ー AHCC News Letter Vol.8 No.2 ださい。 全米静脈経腸栄養学会(ASPEN2011)開催 全米静脈経腸栄養学会(ASPEN2011)開催 −バンクーバー・カナダ− 2011年 月29日∼ 月 日の日程で、カナダのバン 授が「Barriers to CAM Education and Practice in the クーバーにおいて「ASPEN 2011 (American Society USA」と題してそれぞれ講演を行った。伊藤教授から for Parenteral and Enteral Nutrition、全米静脈経腸 は日本における糖尿病、肥満、がんの疫学について、 栄養学会) 」が開催された。本会では株式会社アミノ とりわけ肥満に対するCAM治療の実際についての発 アップ化学が Bronze Level Sponsor として参加した。 表が行われ、肥満がん患者に対する脂肪幹細胞を用い 初日の早朝 たアプローチと、その中でのオリゴノールなどをはじ 時 半 か ら テ キ サ ス 大 学 の Anil Kulkarni教 授 が オ ー ガ ナ イ ザ ー を 務 め たASPEN めとする機能性食品の利用についても言及された。 Research Section Meeting では、株式会社アミノアッ Mullin教授は、米国でのCAMの利用実態、EBM、医 プ化学がコンチネンタルブレックファストを提供して 学部教育の意識、問題点などを最新の論文の紹介を交 開催され、北海道情報大学医療情報学科の西平 順教 えながら発表された。質疑応答も活発に行われ、音楽 授より 「Clinical Intervention for Health Promotion 療法のEBMについてやCAMのエビデンスの入手方法 through Evaluation of Functional Foods in など、実際に患者さんがCAMを希望した際の対応の Hokkaido」というテーマで発表が行われた。早朝にも 方法など多岐にわたった。 かかわらず30人ほどの参加があり、文部科学省のイノ 今回、これまでASPENでは取り上げられてこなかっ ベーション整備事業(地域イノベーションクラスター たCAMや統合医療についてのセッションが設けられ プログラム)として実施されている産官学ローカル たことには大きな意義があり、聴衆にも関心の高さが ネットワーク(さっぽろバイオクラスター “Bio-S”)に 窺われた。しかしながらCAMに対して懐疑的な専門 よる、食と健康と医療を総合的にカバーする取り組み 家が多いのも事実であり、今後どこまできちんとした とシステムを紹介。その中でオリゴノールの血糖値上 スタディーを組んでEBMを構築するかが課題となる 昇抑制や内臓脂肪減少の臨床試験を示して、システム と考えられた。 の実際運用の様子が発表された。参加者の反応も良く、 この他、CAM、特にサプリメント摂取により臨床 Bio-Sのようなネットワーク作りの必要性が議論され で起きる問題について発表があった。まず、そのサプ た。講演後にはブラジルやアメリカの研究者からのコ リメントがどのようなものであるか、いくつかの信頼 ンタクトもあった。 できる論文やWebが紹介され、このようなところか またAnil Kulkarni教授は 日目の午前中に行われ ら正確な情報を得なければならないとの説明があり、 た 「Global Perspective on CAM or CIM」 のセッショ さらに、投薬、栄養管理がしっかりなされていても、 ンもオーガナイズし、約70名の参加者を集めた。その 複数のサプリメントを患者さんが飲んでいる場合、薬 中で大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学講 の血中濃度などに影響を与える恐れがあるために、統 座の伊藤壽記教授が 「The Integrative Approach for 合的に患者さんをケアするため、栄養士の役割などが Cancer Patients with Metabolic Symdrome」 と題して、 話された。 ジョンホプキンス大学統合栄養学のGerald Mullin教 左からオーガナイザーのAnil Kulkarni教授 (テキサス大学)と演 者の西平 順教授(北海道情報大学) 左からオーガナイザーのAnil Kulkarni教授(テキサス大学) 、演 者のGerald Mullin教授(ジョンホプキンス大学)、伊藤壽記教授 (大阪大学) AHCC News Letter Vol.8 No.2 5 Natural Products EXPO WEST 2011開催 Natural Products EXPO WEST 2011開催 −アナハイム・アメリカ− 毎年アメリカで開催される全米最大のナチュラル関 係商品の展示会、Natural Products EXPOが今年も開 催される。本EXPOは年に 度、西海岸(WEST)と東 ル を 一 新。 よ り 高 級 感 の あ る イ メ ー ジ を 持 た せ、 “Immune Booster”あるいは“Potential Improvements in Quality of Life”といったヘルスクレームの製品を 海岸(EAST)で開催されている。食品、サプリメント、 展開。他にAmerican BioScience社、Source Naturals 美容など、天然物由来の素材に関する幅広い分野が取 社、iHerb社などで免疫活性を前面に出した製品を展 り扱われている。 開していた。 今年のNatural Products EXPO WESTもアナハイ オリゴノールではNeuro-Vascular Supportとして ムコンベンションセンターにて 血流改善を謳った新製品がHealth Direction社のDr. 月11日∼13日の日程 で開催された。 Whitakerブランドで発売されたほか、Bluebonnet社 今年の出展社数は全米から 3,500社以上の製造業、 ではダイエット向け嗜好品が紹介されていた。いずれ 卸売業、小売業の各社が、Natual Products、Health & もエビデンスが豊富な機能性素材を配合した製品とし Beauty、Supplementsなど セクションに分かれて て注目を集めていた。 ブースを出展。来場者数は 日間で約 万8000名。最 近の多くの展示会が縮小したり、他の展示会と合同開 催にするなどして、体裁を整えて開催している中で、 出展社数は昨年よりも増えており、来場者数も増加し たということで、この分野で依然、業界はもとより消 費者の関心の高さの現れと思われた。 昨年と比較するとSupplementsとHealth & Beauty セクションへの出展社が増加しており、この分野では 消費者の関心も高く、多様な製品が展示されていた。 出展の傾向としては、各社とも本EXPOに合わせて新 製品を上市しており、今年はオーガニックの液体タイ プがトレンド。成分的にはω3系脂肪酸、プロバイオ ティクスが関心を集めていた。これらの製品は需要も 安定しており、特にω3系脂肪酸については幼児向け 製品も販売されるなど、認知度も高いという。 米国でAHCCやオリゴノールを扱う企業の出展も見 られた。AHCCではQuality of Life Labs社が製品ラベ Source Naturals社のブース オリゴノールやAHCCを配合した製品も展示されていた。 6 AHCC News Letter Vol.8 No.2 Quality of Life Labs社のブース AHCCは“Immune Booster”あるいは“Potential Improvements in Quality of Life”、Oligonol で は“help support vascular relaxation and cardiovascular health, reduce fatigue, slow the process of skin wrinkling and help reduce visceral fat”という ヘルスクレームで販売されている。今回の展示会ではパッケー ジを一新し、注目を集めていた。 American BioScience社のブース Immune System Supportを謳ったAHCCを配合した製品を販売。 ヒト用と動物用のラインアップがある。 10月開催 第19回統合医療機能性食品国際会議 案内 10月開催 第19回統合医療機能性食品国際会議 案内 昨年から「統合医療機能性食品国際会議」へと名称を変え、名称変更後 報告会は、例年は 回目、通算で第19回となる本会の国際研究 月に開催しておりましたが、今年は下記の通り10月の開催となっております。当会ホームページ にも開催情報、各種お知らせを掲載しておりますのでご確認ください。 参加申込書は次号に同梱予定になりますので、ご注意ください。 統合医療および機能性食品に係る基礎、臨床の研究成果、症例報告をご希望の会員の方は、事務局まで演題をお申 し込みください。詳細はホームページにも記載しております。 ご不明な点、ご質問等ございましたら、事務局までお問い合わせください。 会員の皆様からのお申し込みをお待ちしております。 第19回 統合医療機能性食品国際会議 (ICNIM) 基調講演:未定 日時:2011年10月15日(土) 15:30∼ 研究報告会 19:15∼ 懇親会 2011年10月16日(日) 9:00∼ 研究報告会 場所:ホテルロイトン札幌 3F ロイトンホール 北海道札幌市中央区北 条西11丁目 TEL:011-271-2711 主催:AHCC研究会 後援:経済産業省北海道経済産業局(予定)/株式会社アミノアップ化学 書籍紹介 がんの統合医療/INTEGRATIVE ONCOLOGY 原著:Donald Abrams, Andrew Weil 監訳:伊藤壽記 (大阪大学大学院医学系研究科 生体機能補完医学講座 教授) 上島悦子 (大阪大学大学院薬学研究科附属 実践薬学教育研究センター 教授) がんは高脂血症、高血圧症、糖尿病、などと同じく、生活習慣病である。西洋医学(SCHOOL MEDICINE)によるがん治療は主として不適切な生活習慣の結果であるがん細胞集団を除 去し、あるいは、その増殖を抑えることを目的としてきた。がんの統合医療は、患者の社会性 や患者の有する自然治癒力の保持・促進に留意し、また、生活習慣への介入などを行い、患者 と医療者が共同で行う全人的ながんの医療・療養である。通常の西洋医学を拒んでいない。 がんの医療においては、医師も患者も不確実性の中で、不完全な情報の中で、なんらか の可能性を予測し、与えられた条件下で賢明な選択をしなければならない。本書には統合 的な治療手段、療養手段を選択し、治療計画をたてるための具体的な方策、戦略が詳しく 述べられている。これらの根拠となる科学的データが示されている。 本著はわが国でがん治療に携わるすべての医療者(医師、薬剤師、看護師、栄養士、カウ ンセラーなど)に対する啓発書である。 (評:上山泰男(医療法人徳洲会 瀬戸内徳洲会病院 院長、AHCC研究会副会長) ) 定価 6,300円(本体6,000円+税 %) A 変形 632頁 2010年 月刊行 株式会社メディカル・サイエンス・インターナショナル刊 AHCC News Letter Vol.8 No.2 7 論文・学会発表 最近の論文・学会発表から ■最近の論文・学会で発表された本会に関連のある研究テーマをお知らせいたします。 論文発表 Japanese Journal of Clinical Oncology, 40 (10):967-972(2010) 「Dietary administration of mushroom mycelium extracts in patients with early stage prostate cancers managed expectantly:a phase II study」 Japanese Journal of Mountain Medicine, 30:118-124(2010) 「低圧・低酸素環境が引き起こす酸化ストレスとオリゴノールの抗 酸化効果」 長澤純一 ら 住吉義光 ら (四国がんセンター) Human Immunology, 71:1187-1190 (2010) 「Effects of active hexose correlated compound on frequency of CD4+ and CD8+ T cells producing interferon-γ and/or tumor necrosis factor-α in healthy adults」 Thomas Walshe, . (電気通信大学) Journal of Functional Foods, doi:10.1016/ j.jff.2010.11.002(2010) 「Effects of Oligonol®, an oligomerized polyphenol formulated from lychee fruit, on serum concentration and urinary excretion of uric acid」 森脇優司 ら (Brigham and Women s Hospital and Harvard Medical School, USA) Regulatory Toxicology and Pharmacology (2010) (兵庫医科大学) FOOD Style 21, 165:41-43(2011) 「Genotoxicity and subchronic toxicity evaluation of active hexose correlated compound(AHCC) 」 Ashley Roberts, 「各種天然食品素材等を配合した精力改善(性機能改善)EDドリン クの開発の試み」 森山浩義 ら . (Cantox Health Sciences International, Canada) Natural Medicine Journal, 3 (1) :3-7 (2011) 「Active hexose correlated compound (AHCC) and immune outcomes in humans:a review」 (昭和薬科大学) New Food Industry, 53(3):9-21(2011) 「新世代の低分子化ポリフェノール(Oligonol)の機能」 高成準 ら (株式会社アミノアップ化学) Barry W. Ritz (Drexel University, USA) 学会発表 第65回 日本体力医学会大会(千葉、日本) 2010年9月16日 (木) ∼18日(土) 「老化促進モデルマウスの認知機能障害に対する運動トレーニング の予防効果」 Francisco Karkow, (Fatima Faculty, Brazil) 宇宙利用シンポジウム(第27回) (神奈川、日本) 「Clinical intervention for health promotion through evaluation of functional foods in hokkaido」 西平 順 ら (北海道情報大学) JCVIM/JSVCP/JSVD 2011年大会 (神奈川、日本) 2011年1月24日 (月) ∼25日(火) 「宇宙環境の人体影響評価と防護に関する研究」 2011年3月11日(金)∼13日 (日) 「担子菌由来AHCC配合リキッドのマクロファージ、リンパ球活性 に対する検討」 (医薬基盤研究所) (香川大学) 西澤孝志 ら 野村大成 ら 全米静脈経腸栄養学会(ASPEN) 2011 (バンクーバー、カナダ) Experimental Biology meeting 2011 (ワシントン、アメリカ) 2011年1月29日 (日) ∼2月1日(火) 「The integrative approach for cancer patients with metabolic symdrome」 2011年4月9日(土)∼13日 (水) 「AHCC Increases the percent of natural killer cells post influenza vaccination」 (大阪大学) (Michigan State University, USA) 伊藤壽記 ら ● 編 集 後 記 ● この度の東日本大震災にてお亡くなりになられた方とそのご遺族の方に は衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様、関係の皆 様のご労苦と心痛に対し、謹んでお見舞い申し上げます。そして被災地域 の一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。 電力消費や被災された皆様への心遣いから、国内の多くの学会などが開 催を見合わせておりますが、本年10月に予定しております本会の研究報告 会「統合医療機能性食品国際会議」は、本誌でもご案内のとおり、当初予定 通りに開催させていただく所存です。皆様のご理解とご協力を賜りたく、 お願い申し上げます。 (事務局運営委員 三浦 健人) Elizabeth M. Gardner, AHCC研究会NEWS LETTER 2011 Spring Vol.8 No.2 2011年4月27日発行 発行:AHCC研究会事務局 〒004‒0839札幌市清田区真栄 363番地32 株式会社アミノアップ化学 内 TEL :011‒889‒2233 FAX:011‒889‒2375 E‒mail:[email protected] 制作: 株式会社ライフ・サイエンス [禁無断転載] .