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第4 監視 [PDFファイル/877KB]

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第4 監視 [PDFファイル/877KB]
第4 監
視
1 薬事監視指導
不良医薬品や不正表示医薬品等が製造され、また流通することを未然に防止し、医薬品等の適正な供給、使
用及び品質の確保を図るため、薬事監視員が製造業者、薬局及び医薬品販売業者等に立入検査を行うとともに、
医薬品の取扱いや管理状況の確認及び医薬品の収去検査を行う等、不良医薬品、不正表示医薬品等の排除に重点
を置く監視指導を実施した。
① 医薬品販売業者等に対し、医薬品等一斉監視指導を中心に計画的に立入調査を実施している。
② 広告監視により、医薬品的な効能効果を標榜する健康食品等無承認無許可医薬品の監視指導を実施して
いる。
③ 医薬品成分を含有するいわゆる健康食品(無承認無許可医薬品)による県民の健康被害を防止するため、
収去及び買上検査を実施している。
④ 薬事法関連法令等の周知徹底のため、薬局、医薬品販売業者に対し、講習会を開催している。
- 22 -
- 23 -
例
事
臣
事
知
大
知
第
臣
大
147
管 理 医 療 機 器 14,613
管 理 医 療 機 器
計
計
23,090
2,381
50
2,331
0
224
一 般 医 療 機 器
23,090
41
776
高度管理医療機器等
1
60
1,108
一 般 医 療 機 器
業 務 上 取 り 扱 う 施 設
賃
貸
業
販
売
業
4
175
2,697
高度管理医療機器等
指定薬物を取り扱う施設
器
機
10
3
73
22
15
25
10
400
69
種
種
分
分
分
種
可
可
可
分
3
1
許
許
許
可
53
許
り 扱 う 施 設
34
25
151
126
業
売
業
売
販
85
81
業
造
り 扱 う 施 設
11
9
514
204
31
28
1
2
1
64
業
業
売
販
売
業
造
572
102
12
11
151
104
28
28
14
2
製販
売 第
療 造業 第
製
造
業
修
理
業
化 製
製
造
粧
販
品 業 務 上 取
医 製
薬 製
造
部
外 販
品 業 務 上 取
医
者
事
業
業
業
売
売
業
売
販
販
売
業 務 上 取 り 扱 う 施 設
配 販
置 従
特
種
販
売
卸
460
業
舗
店
商
売
14
2
319
種
48
319
分
局
分
局
販
可
可
1
許
事
種
第
許
臣
製 販
売第
造 業
薬
品 薬
薬
医
大
製 専
造 業知
業
薬
薬
数
発
反
中
146
3
143
1
31
1
1
1
1
1
39
1
8
20
38
数
設
施
度見
年
( 違
)
)
)
局 1,099
247
設
数
中施
在設
現施
行
度施
査
年検
入
年可
度・
届
末
出
( 立
( 許
(1)平成25年度薬事監視指導状況
届
)
179
179
72
107
数
現出
施
在設
末
売
年便
等
度販
( 郵
業
届
無
可
許
無
2
2
1
1
品
認
承
無
1
1
1
品
良
不
1
1
1
品
示
表
正
不
1
1
1
等
告
広
大
・
誇
偽
虚
2
2
2
等
渡
譲
の
薬
劇
毒
0
0
7
18
18
11
列
陳
蔵
貯
の
薬
劇
毒
処
方
せ
ん
医
薬
品
の
譲
渡
記
録
等
1
1
1
売
販
の
目
品
限
0
0
備
不
の
備
設
造
6
6
2
1
3
備
不
の
等
制
体
売
0
0
0
0
反る
係
に
売
販
等
便
26
26
3
3
7
13
反の
違者
る業
係売
に販
者品
理薬
処 分 件 数 ( 年 度 中)
制
構
販
違郵 管医
販
造
安
後
0
0
備全
不
の売
理
管製
備
不
の
理
管
質
品
0
0
造
製
の
物
薬
定
指
0
0
入
輸
の
物
薬
定
指
0
0
販
売
・
授
与
等
指
定
薬
物
の
3
3
0
告
広
の
物
薬
定
指
0
0
138
138
2
31
1
1
1
54
1
2
17
28
他
の
そ
止
停
務
・
業
消
取
可
0
0
等
令
命
善
0
0
等
令
命
査
0
0
等
棄
0
0
142
2
140
1
31
1
1
1
39
8
20
38
他
の
処 分 件 数 ( 年 度 中 )
許
改
検
廃
そ
)
中
度
年
1
1
0
数
件
発
( 告
(2) 行政処分事例(平成 12 年度以降)
処分年月
業種
違反内容
当該薬局において薬事に従事する薬剤師の人数が不
H13.2
薬局
足していた。
管理者に薬局を管理させなかった。
処分内容
適用条文
薬剤師の増員
法第 6 条第 1 号の 2
管理者の変更
法第 9 条
法第 72 条の 2 及び
薬剤師の増員命令及び管理者の変更命令に速やかに
H13.4
薬局
応じなかった。
業務停止 20 日間
管理薬剤師に当該店舗を実地に管理させなかった。
H14.10
薬局
H14.11
薬局
H15.6
薬局
H15.6
薬局
薬局において医薬品製造業の許可を受けずに医薬品
を製造し、また、その無許可医薬品を販売した。
薬局において、ある医薬品の代替品として模造医薬品
を販売目的に貯蔵、陳列し、さらに販売をした。
薬局において医薬品製造業の許可を受けずに医薬品
を製造し、また、その無許可医薬品を販売した。
上記薬局において製造された無承認無許可医薬品を
販売した。
者に販売した。
H18.7
薬局
務停止あり(向精神薬小売業者)
第二種
製造販売業 承認を受けた医薬品について、その成分の分量が承認
・
内容と異なる医薬品を製造・販売した。
製造業
一般販売業・
(公表)
法第 55 条第 2 項
法第 55 条第 2 項
業務停止 20 日間
法第 12 条第 1 項
(公表)
法第 55 条第 2 項
業務停止 7 日間
法第 55 条第 2 項
業務停止 14 日間
法第 46 条第 1 項
(公表)
法第 49 条第 1 項
※ 麻向法
業務停止 30 日間
※ 麻向法第50条の
16 第 4 項
各業態とも
業務停止 30 日間
法第 56 条第 2 項
(公表)
薬局(本店)
:
及び一般用医薬品を組み合わせて本店で製造し、自社
業務停止 30 日間
法第 7 条第 2 項
また、一部店舗では 11 ヶ月間管理者不在であった。
H20.3
業務停止 12 日間
法第 12 条第 1 項
厚生労働大臣の承認、許可を受けることなく、医療用
の店舗等を通じ医薬品として顧客に販売した。
薬局・
業務停止 7 日間
譲受人から書面の交付を受けずに劇薬を販売した。
※ 参考;別途、麻薬及び向精神薬取締法に基づく業
H19.3
令違反
法第 8 条
(公表)
処方せん医薬品を処方せんの交付を受けた者以外の
第 73 条に基づく命
※ 参考;薬局については別途、麻薬及び向精神薬取
薬局(支店)
:
法第 12 条第 1 項
業務停止 20 日間
法第 13 条第 1 項
その他:
法第 14 条第 1 項
業務停止 15 日間
法第 55 条第 2 項
締法に基づく業務停止あり(向精神薬小売業者)
薬種商販売業
※ 麻向法
薬局(本店)
:
15 第 1 項
業務停止 45 日間
※麻向法第 50 条の
薬局(支店)
:
16 第 2 項及び第 4
業務停止 30 日間
(公表)
- 24 -
※麻向法第 50 条の
項
業態別、年度別行政処分件数推移(平成 7 年度~25 年度)
年度
7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
業態
薬
局
1
1
2
2
1
一 般 販 売 業
計
2
9
1
1
卸売一般販売業
0
薬種商販売業
5
5
特 例 販 売 業
0
配 置 販 売 業
0
製 造 販 売 業
1
1
製
1
1
造
計
業
0
0
0
0
0
1
1
2
2
0
0
3
8
0
0
0
0
0
0
17
(3) 虚偽、誇大広告等の指導・取締り
医薬品等の虚偽・誇大広告は、消費者に誤った認識を与え、保健衛生上問題が生じるおそれがあるため、新
聞、チラシ、テレビ等の広告監視を行い、その適正化を図っている。
近年、化粧品の通信販売や医療機器の訪問等販売に係る広告物に違反が多く見られ、許可されていない効能
効果の標榜、効能効果及び安全性の保証表現に関する違反が目立っている。
虚偽、誇大広告等指導取締件数
処理件数 計
医 薬 品
医薬部外品
化 粧 品
医療機器
計
(平成 25 年度)
県内での発見
他県への通報
県内での処理
県外からの通報
1
1
1
1
(4) 不良、不正表示医薬品等の指導・取締り
不良、不正表示医薬品等の監視指導は、製造業者及び製造販売業者に対して調査指導を実施し、また、市場
流通製品については収去検査等を実施することによりその品質の確保に努めている。
不良、不正表示医薬品等指導取締件数
処理件数 計
(平成 25 年度)
県内での発見
他県への通報
県内での処理
医 薬 品
医薬部外品
化 粧 品
医療機器
計
0
- 25 -
県外からの通報
(5) 無承認無許可違反等事例
無承認無許可医薬品等の製造販売は、消費者への保健衛生上の影響が重大であり、特に監視指導の強化をし
ているが、違反事例は依然として多い状況にある。
また、近年の健康志向の高まり、インターネットなどで手軽に通信販売ができるようになったことを背景に、
医薬品成分を含有した不正な健康食品が多く流通している。このような違反製品の流通を防止するため、買上
検査等の実施、また違反製品の県ホームページへの掲載や市町村への啓発依頼等を行い、消費者の健康被害防
止を図った。
【いわゆる健康食品の監視状況(平成 25 年度)
】
検査製品数
検 査 品 目
違 反 製 品 数
違 反 製 品 名
含有する医薬品
成分名
24
いわゆる滋養強壮系健康食品
19 製品
いわゆるダイエット系健康食品 3 製品
睡眠導入系健康食品
1 製品
6
URAT MADU BLACK(ウラマドゥーブラック)
NEW PROZOS (ニュープロゾフ)
SPARTA X(スパルタエックス)
TOP SEX(トップセックス)
レッドアルジ
メラトニン
シルデナフィル
メチソシルデナフィル
チオデナフィル
ヒドロキシチオホモシルデナフィル
メラトニン
平成 25 年度に当県が実施したいわゆる健康食品に関する買上検査により、違反成分が検出された製品
は 6 品目であった。
近頃の傾向として、滋養強壮系健康食品から違反成分が検出されるケースが増加している。また、滋養強壮
系健康食品では、医薬品として承認されているシルデナフィルやタダラフィル等の化学構造を少し変化させた
成分が含まれることがある。これらの類似成分は安全性がまったく不明であることが多く、より一層注意が必
要である。
- 26 -
(6) 薬事講習会・研修会
医薬品の適正使用の推進の観点から、関係業者への講習会・研修会を実施した。
また、他機関・団体の主催する講習会等へ講師を派遣した。
年 月 日
講習会の名称
会場
出席者数
H25.4.4
新規保険指定時指導講習会
第三博多偕成ビル
55 名
H25.5.16
H25.5.24
新規保険指定時指導講習会
県政出前講座
住友生命博多ビル
西区自立支援室
22 名
20 名
H25.6.5
H25.6.13
新規保険指定時指導講習会
登録販売者協会外部研修
住友生命博多ビル
福岡センタービル
39 名
200 名
H25.6.24
H25.6.26
既存配置販売業者資質向上研修
新規保険指定時指導講習会
福岡県自治会館
都久志会館
200 名
361 名
H25.7.4
H25.7.7
新規保険指定時指導講習会
リカレント&スキルアップセミナー
住友生命博多ビル
福岡市薬剤師会会館
50 名
75 名
H25.7.11
H25.7.14
県政出前講座
登録販売者協会外部研修
筑紫丘公民館
福岡センタービル
30 名
200 名
H25.7.30
H25.8.8
H25.8.21
H25.8.28
H25.9.3
H25.9.4
H25.9.6
H25.9.17
県政出前講座
新規保険指定時指導講習会
県政出前講座
新規保険指定時指導講習会
既存配置販売業者資質向上研修
新規保険指定時指導講習会
県政出前講座
県政出前講座
古賀東公民館
住友生命博多ビル
筑紫野市生涯学習センター
明治生命安田ホール
福岡県自治会館
住友生命博多ビル
川崎隣保館
飯塚市立岩公民館
20 名
31 名
20 名
193 名
200 名
33 名
20 名
12 名
H25.10.2
H25.10.9
新規保険指定時指導講習会
登録販売者協会外部研修
第三博多偕成ビル
福岡センタービル
71 名
211 名
H25.10.9
H25.11.6
八女市東公民館
福岡県自治会館
50 名
200 名
H25.11.7
H25.11.10
県政出前講座
既存配置販売業者の配置員の資質向上研修並びに登
録販売者の資質向上にための外部研修講習
新規保険指定時指導講習会
登録販売者協会外部研修
住友生命博多ビル
福岡センタービル
19 名
198 名
H25.12.4
H26.1.9
新規保険指定時指導講習会
新規保険指定時指導講習会
住友生命博多ビル
第三博多偕成ビル
37 名
86 名
H26.2.13
H26.2.26
新規保険指定時指導講習会
新規保険指定時指導講習会
住友生命博多ビル
住友生命博多ビル
16 名
24 名
講習会・研修会の開催、講師派遣状況
(平成 25 年度)
- 27 -
2 薬事情報センター
(1) 設置主旨
近年の医療水準の向上と医薬品の進歩は、多種多様な薬事情報の必要性を生じている。医薬品は生命健康
の保持に欠くことができないものである反面、好ましくない副作用をもつので、両刃の剣といわれている。
医薬品の有効性と安全性を期するためのデータバンクとして、昭和 55 年 10 月県薬剤師会館に薬事情報セ
ンターを設置し、医療従事者及び消費者に薬事情報を提供し、医療の向上に寄与している。
(2) 業務概要
福岡県薬剤師会薬事情報センターは、昨今の情報流通の革新に対応し、インターネットをはじめ、あらゆ
る情報通信メディアを活用するとともに行政機関(厚生労働省、県保健医療介護部薬務課、保健所等)
、医療
関係団体(公益社団法人福岡県医師会、一般社団法人福岡県歯科医師会、公益社団法人日本薬剤師会等)
、製
薬企業等と連携を図り、最新の情報収集に努めている。
さらに、収集した情報については、評価して整理保管し、緊急性を要する情報については、医薬品等情報
ネットワーク(電子メール・FAX)を通じ提供し、また、能動的、受動的な情報提供を行っている。
また、昭和 63 年 1 月 7 日から同センターに「くすりなんでもテレホン」を設置しており、情報範囲は医薬
品にとどまらず、医薬部外品・化粧品・医療機器・農薬・化学物質・健康食品等多岐にわたり広範な分野で
一般県民にも対応すべく体制が整えられている。
このテレホンサービスは毎週月曜日から金曜日の午前 9 時から午後 5 時 30 分・土曜日の午前 9 時から 12
時まで、専用電話(092-271-1585)により質問・相談に応じている。
(3) 実施主体並びに運営費等
実施主体:公益社団法人福岡県薬剤師会(会長 藤野哲朗)
所 在 地:福岡市博多区住吉 2 丁目 20 番 15 号(TEL:092-271-3791~3)
運
営:公益社団法人福岡県薬剤師会に薬事情報センター運営委員会を設置し、運営にあたる。
補 助 金:平成 25 年度 1,265 万円 (福岡県薬事情報センター運営事業)
- 28 -
(4) 主な事業内容 (平成25年度)
① 医療関係者や一般県民等からの質問に対する調査・回答
ア 質問件数(質問者からの内訳)
区
分
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度
会
員
(調剤)薬局・薬店
2,330
2,448
2,070
1,792
1,485
病院・診療所薬局
39
22
39
22
30
製
薬
会
社
23
17
9
5
6
医
薬
品
卸
39
29
21
41
26
保健所・行政機関
38
37
20
17
32
県
部
19
32
17
12
16
他
107
79
71
52
82
2,595
2,664
2,247
1,941
1,677
278
298
305
276
182
所
66
63
41
25
25
会
9
7
9
6
5
者
1,122
1,244
1,295
1,273
1,127
他
83
60
51
43
30
1,558
1,672
1,701
1,623
1,369
4,153
4,336
3,948
3,564
3,046
そ
内
支
の
小 計
医師・歯科医師
病 院 診 療
会
県 外 薬 剤 師
員
一 般 消 費
外
そ
の
小 計
合 計
平成25年度
質問件数内訳
(総件数3,046件)
その他 3.6%
一般 37.0%
保健所・行政機関
1.1%
卸 0.9%
製薬会社 0.2%
医師・歯科医師
6.0%
病院薬局1.0%
- 29 -
薬局 48.7%
イ 調査件数 (質問内容)
区分
薬
剤
平成21年度
識
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25度
別
90
49
46
52
33
( * )
1,791
1,837
1,747
1,375
1,325
副作用・ 相互 作用
1,415
1,371
1,635
1,940
1,763
薬 品 一 般
調
剤
・
製
剤
193
236
260
203
194
中
毒
・
誤
飲
60
68
51
34
27
漢 方 薬 ・ 生 薬
51
41
50
82
72
公衆衛生 ・生 化学
53
71
14
64
70
食 品 ・ 健 康 食 品
113
61
69
53
60
険
1,474
1,558
1,282
1,324
1,204
他
735
704
609
516
560
計
5,975
5,996
5,763
5,643
5,308
行
そ
政
・
保
の
合
* 市販の有無、用法、用量、治療法など
平成25年度
調査件数内訳
(総件数5,308件)
薬剤識別
0.6%
その他 10.5%
食品・健康食品 1.1%
行政・保険
22.7%
薬品一般*
25.0%
公衆衛生・生化学 1.3%
漢方薬・生薬 1.4%
副作用・相互
作用 33.2%
中毒・誤飲 0.5%
調剤・製剤 3.7%
- 30 -
ウ くすりなんでもテレホン (一般消費者からの問い合わせ)
区分
平成21年度
相談・質問件数
平成23年度 平成24年度 平成25年度
1,122
1,244
1,295
1,273
1,127
3
5
3
4
2
薬品一般 (*)
881
910
879
806
857
副作用・相互作用
652
663
814
1,008
1,073
調剤・製剤
8
28
18
50
62
中毒・誤飲
15
28
23
17
12
漢方薬・生薬
33
37
39
75
54
公衆衛生・生化学
7
5
1
6
11
食品・健康食品
46
26
25
26
21
行政・保険
48
37
78
129
101
その他
25
28
26
34
35
1,718
1,767
1,906
2,154
2,228
薬剤識別
相
談
・
質
問
内
容
件
数
平成22年度
合計
* 市販の有無、用法、用量、治療法など
平成25年度
一般からの問い合わせ(調査件数 総件数2,228件)
その他 1.1%
行政・保険 6.0%
薬剤識別 0.1%
食品・健康食品
1.2%
公衆衛生・生化学
0.3%
漢方薬・生薬
3.5%
薬品一般*
38.5%
中毒・誤飲 0.8%
副作用・
相互作用48.2%
調剤・製剤2.3%
エ
24時間対応の電話相談受付対応の構築
・電話転送システムにより、夜間(17:30~翌9:00)の緊急の質問に対応。
- 31 -
② 医薬品等の情報提供
-「医薬品情報」を「ふくおか県薬会報」に掲載。月 1 回発行
-「薬事情報センターのページ」を「県医報(県医師会会報)
」に掲載。月 1 回発行
-ホームページにより、よくある質問や医薬品情報、医療関係記事等を提供。適宜更新。
-メールマガジンやファクシミリにより、緊急安全性情報等を会員や医療関係団体等に提供。
-臨床の現場で活用できる「くすりについての Q&A 集」を発行、デジタル化し、ホームページにより提供。
-一般県民向けパンフレット「読むおクスリ」を作成、各地区健康展で配布。
-日本薬剤師会と文献データベース BUNSAKU を共同構築。
-薬事情報センター保有の医療関係雑誌より文献データベースを作成・更新。
-福岡県薬剤師会発行の「保険薬剤師必読ハンドブック」の改訂発行協力、分担作成。
-ホームページに「ジェネリック医薬品情報提供コーナー」を開設し、情報提供や電話相談に対応。
-「ドーピング防止ホットライン」を実施し、競技者等からの相談に対応。
-「公認スポーツファーマシスト」の養成・認定を支援。
-公益財団法人福岡県体育協会の「スポーツ医・科学委員会」へ関連情報を提供し、福岡県のスポーツ振
興に協力。
-国体福岡県強化選手団サポートニューズレターに「ドーピング相談窓口」
、
「ドーピング防止‐食品、飲
料、サプリメント、漢方薬」を掲載。 他
③ 講演会・研修会における講演等
9 月 7 日 第 42 回くすりのセミナー福岡 講演
「夏の蒸し暑さによる体調不良の対処法-夏バテと健康食品の上手な利用法」
9 月 22 日 第 46 回日本薬剤師会学術大会 大阪 講演
「大きく変化する薬事情報センター業務‐県民に対する有害事象発生防止に向けて」
11 月 13 日 介護福祉士に求められる医療知識研修会 講演
「介護福祉士に求められる薬の知識 基礎編 1」
④ その他
-各種健康展等への協力、各種学会等への参加。
等
- 32 -
3 緊急医薬品等確保対策
平成 7 年 1 月 17 日に阪神・淡路大震災という未曾有の大地震が発生した。
大震災による悲惨な状況を目のあたりにして、本県においても各種支援を行うとともに、保健環境部(当
時)においては急遽、医薬品等の支援及び医療救護班の派遣を行った。
福岡県もこのような大災害に対応するために、地域防災計画の見直しを行い、また、平成 7 年 11 月 8 日、
九州・山口地方知事会において九州・山口 9 県応援協定が締結され、災害の協力体制の整備が図られた。
県の災害備蓄物資のうち、災害医療に不可欠な医療品等においては、初動医療のための外科的治療を目的
として総計 2 万人分の医療用具・医薬品等を平成 7 年度に県下 5 ヶ所の県立病院に備蓄した。
その後、県立病院の民間移譲等により、平成 17 年度 4 月からは、県下 8 ヶ所の医薬品及び医療機器業者に
おいて、流通備蓄(一部保管備蓄)の形態をとっている。
平成 8 年 8 月には、県備蓄医薬品等の運搬及び供給について、福岡県医薬品卸業協会及び福岡県医療機器
協会と協定を締結している。
この事業に併せて、災害緊急医薬品等供給体制整備検討会を設け、①医薬品が不足した場合の供給方法、
②災害時に備え付けておくべき慢性疾患用医薬品等の種類、③情報伝達の方法、④広域支援の方法等につい
て検討を行い、災害時に医薬品の安全供給体制の設備を図っている。
備蓄概要
大規模災害発生直後の被災負傷者(2 万人相当)に対する必要な医薬品等を県下 4 ブロック(福岡県医薬
品卸業協会・福岡県医療機器協会各 1 ヶ所/ブロック、計 8 ヶ所)に備蓄し、その保管管理を委託。
緊急医薬品等 1 セット(1,000 人分)の内容
区
分
品
名
縫合糸、縫合針、手術用手袋等
診療創傷セット
蘇生気管セット
血圧計、携帯型心電計、聴診器、外科尖
刀、止血鉗子、鉗子立 等
口腔吸引チューブ、気管切開チューブ
等
手動式組成器、自動蘇生器 等
鼻鏡、咽頭鏡 等
備蓄方法
品目数
流
通
6
保
管
43
流
通
医薬品セット
合
49
医療機器
協会会員
4
21
保
管
17
滅菌ガーゼ、注射器、包帯 等
流
通
14
皮膚用鉛筆、石けん 等
保
管
7
筆記用具 等
保
管
32
抗生物質、消毒剤、解熱鎮痛剤 等
流
通
38
乾燥抗破傷風人免疫グロブリン
購入保管
1
衛生材料セット
事務用品セット
備蓄先
21
計
32
39
162
- 33 -
医 薬 品
卸業協会
会
員
4 医薬分業
(医薬分業とは)
医師が患者に医薬品を直接渡すのではなく、処方箋を交付し、医療機関から独立した薬局で薬剤師が調剤
を行い、患者に医薬品を渡すという仕組み。
(現状と課題)
わが国における医薬分業は、
昭和 47 年 2 月の医療費の改定による薬局における調剤基本料及び処方せん料
の導入、及び昭和 49 年 10 月の処方せん料の大幅改正(10 点→50 点)を契機として急速に発展した。
また、昭和 54 年 4 月の医師優遇税制の改正及び昭和 56 年の薬価基準の大幅引き下げを契機として、医薬
分業は高水準で伸びてきた。
さらに、昭和 57 年 5 月のいわゆる第 2 薬局規制に関する通知とともに、昭和 58 年から服薬指導特別指導
が新設され、薬局業務のソフト面が評価されることになり、適正な医薬分業のための土壌作りが進められて
きた。平成 5 年 4 月には、薬局が調剤、医薬品の供給等を通じて国民に対し良質かつ適正な医療を供給し地
域保健医療に貢献するため、患者本位の良質な医薬分業を推進するとともに地域住民に信頼される「かかり
つけ薬局」を育成する必要があることから、「薬局業務運営ガイドライン」(資料 1)が定められた。
平成 8 年 4 月には、調剤基本料が処方箋の受付回数と特定の医療機関からの集中度によって 4 段階(現在
は 2 段階)に区分され、診療報酬の面からも面分業体制(*)下で処方箋応需が推進されている。
本県における医薬分業推進事業は、昭和 60 年度から 3 年間にわたり、「医薬分業推進モデル地域事業」を
実施し、北九州若松地区がモデル地区の指定を受け各種事業を行い、その成果は全国的にも高い評価を得て
いる。昭和 63 年度からは「医薬分業推進基盤事業」として引き継がれ、本県ほか 7 都道府県がその指定を受
け、大病院からの処方箋応需体制の整備、情報提供の実施、備蓄体制の整備、薬歴管理方法の検討等を柱と
した事業を行ってきた。
平成 3 年度から 4 年度にかけては、久留米・飯塚地区において地域の実情に沿った医薬分業定着のための
検討を行い、平成 5 年度には筑豊保健医療圏、平成 6 年に県南地域保健医療圏において、「広域病院処方せ
ん応需体制整備事業」を展開し、今後予想される大病院からの処方箋を応需するための具体策を検討した。
その結果、本県の医薬分業の状況は平成 24 年度と昭和 51 年度を比較すると、処方箋枚数では約 27 倍と飛
躍的な伸びを示した。また、分業が進むにつれて保険薬局数も増加傾向にあり、昭和 51 年度に 999 施設であ
ったものが、平成 25 年度には 2,812 施設となっている。処方箋受取率(全保険分)も平成 25 年度には、70.5%
と全国平均の 67.0%を上回っている。
医薬分業のメリット(重複投与による医薬品の相互作用、副作用の防止、患者に対する服薬指導の充実な
ど)を十分に享受するためには、いわゆる「かかりつけ薬局」を中心とした面分業への転換が重要である。
このような要請に応えるため、平成 18 年に成立した「良質な医療を提供する体制の確立を固めるための医療
法等の一部を改正する法律」
(平成 18 年 6 月 21 日法律第 84 号)では、薬局機能に関する一定の情報の届出、
公表が制度化された。
*面分業体制
患者が複数の医療機関を受診した場合でも、1つの薬局において処方箋に基づく調剤をする、いわゆる「か
かりつけ薬局」を中心とした医薬分業体制のこと。医薬分業が医療の向上に貢献し、医薬品の適性かつ安全
な使用を確保するためには面分業体制の確立が望ましい。
- 34 -
病 院
処方箋
かかりつけ
医院
・連絡
・患者情報の共有
受診
受診
受診
患者
歯科医院
処方箋
処方箋
・処方箋
・薬の相談
・調剤、投薬
・服薬指導
・OTC販売
・受診勧奨
かかりつけ
薬局
- 35 -
・連絡
・患者情報の共有
(1) 処方せん等取扱い状況
年次別保険調剤の処方箋枚数等
(社保+国保)
年
次
薬 局 数(※1)
保険薬局数(※2)
処方箋枚数(※3)
平成6
2,004
1,499
18,488,541
7
2,070
1,611
20,534,454
8
2,133
1,763
21,480,371
9
2,225
2,021
22,853,786
10
2,291
2,170
24,204,277
11
2,343
2,218
25,930,240
12
2,376
2,278
27,275,462
13
2,431
2,332
25,672,732
14
2,476
2,373
28,806,527
15
2,491
2,415
28,912,543
16
2,507
2,428
29,249,750
17
2,566
2,473
30,384,436
18
2,605
2,553
30,582,774
19
2,636
2,604
31,122,851
20
2,644
2,671
31,237,671
21
2,667
2,609
31,514,630
22
2,697
2,652
32,311,916
23
2,719
2,777
33,075,068
24
2,764
2,813
33,009,397
25
2,877
2,812
35,571,861
※1: 3 月 31 日現在
※2: 3 月 31 日現在 九州厚生局資料
※3:12 月 31 日現在 福岡県薬剤師会支部別保険調剤調査表より
福岡県保険調剤処方箋枚数の年次別推移
- 36 -
○ 都道府県別医薬分業率の推移
平成23年度
1
秋田
2
神奈川
3
宮城
4
新潟
5
佐賀
東京
6
北海道
8
岩手
9
青森
10
沖縄
11
福島
12
千葉
13
宮崎
14
山梨
15
茨城
16
福岡
17
埼玉
18
山口
19
静岡
20
大分
21
島根
22
広島
23
山形
24
鹿児島
25
長崎
全国平均
26
鳥取
27
兵庫
28
長野
29
滋賀
30
熊本
31
高知
32
岐阜
33
栃木
34
香川
35
岡山
36
愛知
37
三重
38
奈良
39
大阪
40
群馬
41
石川
42
富山
43
愛媛
44
徳島
45
京都
46
和歌山
47
福井
82.2
78.2
76.1
75.7
74.5
74.1
73.6
72.9
72.4
71.7
70.2
69.9
69.2
69.1
68.9
68.8
67.9
67.0
66.6
66.0
65.3
65.1
64.9
64.8
64.6
63.9
62.8
61.9
61.6
61.0
59.5
59.2
57.3
57.2
56.6
55.7
53.6
51.9
51.3
50.7
50.3
48.4
46.7
45.6
44.7
40.8
34.9
(単位:%)
平成24年度
1
秋 田
2
神奈川
3
新 潟
4
宮 城
5
佐 賀
6
北海道
7
東 京
8
岩 手
9
青 森
10
沖 縄
11
福 島
12
宮 崎
13
千 葉
14
山 梨
15
埼 玉
16
福 岡
17
茨 城
18
山 口
19
島 根
20
静 岡
21
大 分
22
山 形
23
広 島
24
鹿児島
25
長 崎
全国平均
26
鳥 取
27
兵 庫
28
長 野
29
滋 賀
30
熊 本
31
高 知
32
岐 阜
33
栃 木
34
香 川
35
岡 山
36
愛 知
37
三 重
38
大 阪
39
奈 良
40
群 馬
41
石 川
42
富 山
43
愛 媛
44
徳 島
45
京 都
46
和歌山
47
福 井
- 37 -
82.7
78.8
76.7
76.4
76.2
75.6
74.9
74.8
74.1
73.2
72.8
71.8
71.4
70.7
70.0
70.0
69.9
69.5
69.1
69.0
68.5
67.2
67.1
67.1
66.5
66.1
66.0
64.5
64.1
63.4
62.8
61.3
61.1
59.0
58.7
58.2
57.3
55.1
53.3
53.3
52.8
52.7
51.0
49.0
48.4
46.7
42.4
37.8
平成25年度
1
秋 田
2
神奈川
3
新 潟
4
宮 城
5
佐 賀
6
北海道
7
岩 手
8
青 森
9
東 京
福 島
10
沖 縄
12
宮 崎
13
山 梨
14
千 葉
埼 玉
15
山 口
17
島 根
福 岡
18
茨 城
20
静 岡
21
大 分
22
山 形
23
鹿児島
24
広 島
25
長 崎
全国平均
26
鳥 取
27
長 野
28
兵 庫
29
滋 賀
30
熊 本
岐 阜
31
高 知
33
栃 木
34
香 川
35
岡 山
36
愛 知
37
三 重
38
奈 良
39
大 阪
40
群 馬
41
石 川
42
富 山
徳 島
43
愛 媛
45
京 都
46
和歌山
47
福 井
82.8
79.0
77.5
77.2
76.4
76.2
75.6
75.5
75.2
72.9
72.5
71.9
71.8
70.8
70.6
70.5
70.3
69.2
68.3
67.9
67.5
67.3
67.0
66.9
65.9
65.8
65.5
63.8
62.6
60.5
59.4
58.8
58.0
57.2
55.2
54.7
54.6
54.4
52.8
49.9
48.5
43.5
40.7
- 38 -
1 薬局の基本理念
(1)調剤を通じ良質かつ適切な医療の供給
薬局は、調剤、医薬品の供給等を通じて国民
に対し、良質かつ適切な医療を行うよう努めな
ければならない。
(2)地域保健医療への貢献
薬局は地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会
医療機関等と連携をとり、地域保健医療に貢献
しなければならない。
(3)薬局の選択の自由
薬局は国民が自由に選択できるものでなけれ
ばならない。
2 医療機関、医薬品製造業者及び卸売業者からの
独立
(1)薬局は医療機関から経済的、機能的、構造的に
独立していなければならない。
(2)薬局は医療機関と処方せんの斡旋について約束
を取り交わしてはならない。
(3)薬局は医療機関に対し処方せんの斡旋の見返り
に、方法のいかんを問わず、金銭、物品、便益、
労務、供応その他の経済上の利益の提供を行って
はならない。
(4)薬局は医薬品の購入を特定の製造業者、特定の
卸売業者又はそれらのグループのみに限定する義
務を負ってはならない。
薬局業務運営ガイドライン
平成5年4月30日薬発第408号厚生省薬務局長通知
平成5年4月30日薬企第37号
厚生省薬務局長企画課長通知
1 医療機関、医薬品製造業者及び卸売業者からの
独立について
① 薬局は医療機関から経済的、機能的、構造的に
独立していなければならないことは、保険薬局の
適格性に欠けるといわゆる第二薬局は、薬務行政
上も適切とは言えないということである。
薬局開設の許可及び更新に当たっては保険担当
課と十分に連絡を取り、適格性に欠ける薬局につ
いては必要な改善指導の徹底を図られたい。
② 医薬分業の主旨や薬局の基本理念からして薬局
と医療機関との間で処方せんをその薬局に斡旋す
る旨の約束をすることは、形式のいかんを問わず
一切禁止されるものである。また、薬局は、処方
せん斡旋の見返りに医療機関に対し、いかなる方
法によっても経済的な利益を提供してはならず、
経済的な利益の提供を行った事実が判明した場合
には、直ちに中止を命ずる等指導の徹底を図られ
たい。
③ 「薬局は医薬品の購入を特定の製造業者、特定
の卸売業者又はそれらのグループのみに限定する
義務を負ってはならない」とは薬局が特定の製造
業者、卸売業者からのみ医薬品を購入することを
事実上義務づけられ、他の製造業者、卸売業者か
らの購入が排除されることがあってはならないと
いうことである。
福岡県薬局業務運営ガイドライン運用指針
1 医療機関、医薬品製造業者及び卸売業者からの独立に
ついて
① 構造上等適格性に欠ける薬局については、薬務課を
通じ社会保険事務局とも協議し改善についての指導を
行うこと。
併せて自主的な改善を行うよう薬剤師会等に指導・
助言すること。
② 処方せん斡旋について約束を取り交わしていたり、
斡旋の見返りに経済上の利益の提供を行っている
事実を発見したときは、薬務課へ連絡し、薬務課は、
社会保険事務局への情報提供を行うこと。
③ 新規許可の際の取扱い
(申 請 者) a→ (保 健 所)
b ↑ ↓e
↓ ↑ (薬 務 課)
↓ ↑ ↑ ↓f
↓ ←←←c (社会保険事務局)
→→→→→
a 保健所では申請者に対し、薬局等構造設備規則に関す
る指導の他、昭和57年5月27日薬発第506号・保発第34号
「調剤薬局の取扱いについて」(厚生省薬務局長・保険
局長通知)、昭和57年8月厚生省保健医療課より都道府
県保険課あて内翰「調剤薬局の取扱いについて」、昭和
52年5月2日薬事第228号「調剤専門薬局について」(衛
生部長通知)及び「五者協議資料」(別途参考2)に基
づく指導も併せて行うこと。
本欄に記載のない項目については、平成5年4月30日薬企第
37号厚生省薬務局企画課長通知によるものである。
具 体 的 運 用
資料1
- 39 3 構造設備について
① 薬局の構造設備は現行基準を守るほか、都道府
県の実情に応じて指導することは差し支えない。
② 薬局の構造設備は、清潔さと品位が求められて
おり、特に店頭における雑貨類の山積や天井から
の雑然としたビラ等は好ましくない。
③ 薬局は国民からみてわかり易いところに設置さ
れている必要があるので、公道に面しているとこ
ろが必要であるが、ビルの1室であっても、地下商
店街のように不特定多数の人が自由に出入りでき
るところは差し支えない。
2 薬局名称、表示について
① 薬局は国民から見て一目で薬局と確認できるも
のでなければならない。このため、他の医薬品販
売業(いわゆる薬店)と区別できるように薬局の
名称には必ず「薬局」を付するとともに、薬局で
あることを積極的に表示することとされたもので
ある。
② 薬局の表示については、国民に対する分かりや
すさということを考えると、全国統一の表示とす
ることが望ましい。新規の表示を制度化すること
も考えられているが、(社)日本薬剤師会の「基
準薬局」については既にかなりの実績がある
ので屋上屋となることを避けるため「基準薬局」
の場合は積極的に表示することとされたもので
ある。
3 薬局の名称、表示
(1)薬局の名称は、薬局と容易に確認できるよう
「薬局」を付けた名称として積極的に表示する
こと。
(2)特定の医療機関と同一と誤解されるような名
称は避けること。
(3)「基準薬局」である場合は積極的に表示する
こと。
4 構造設備
(1)地域保健医療負担を担うのにふさわしい施設
であること。特に清潔と品位を保つこと。
(2)薬局等の構造設備規則に定められている
ほか処方せん応需の実態に応じ、十分な広さの
調剤室及び患者の待合に供する場所(いす等
の設備)等を確保するよう努めること。
(3)患者のプライバシーに配慮しながら薬局の業
務を行えるよう、構造、設備に工夫することが
望ましい。
(4)薬局は利用者の便に資するよう、公道に面し
ていること。
平成5年4月30日薬企第37号
厚生省薬務局長企画課長通知
これは薬局の備蓄医療品が特定の製造業者、卸売
業者の製品のみに限定され、他の製造業者、卸売業
者の製品が排除されると、医師の処方権の事実上の
制約となるばかりではなく、特定の医療機関からの
処方せんにのみ応需し、患者が持参する処方せんに
幅広く応需できず医薬分業のメリットが生かされな
い等の問題が生じるからである。
なお、この限定は製造業者、卸売業者が薬局を開
設することを必ずしも禁ずるものではなく、また、
薬局が特定の製造業者、卸売業者から医薬品を購入
していることをもって直ちにこの規定に抵触すると
判断するものではない。
薬局業務運営ガイドライン
平成5年4月30日薬発第408号厚生省薬務局長通知
2 薬局の名称、表示について
① 薬局及び医薬品販売業許可基準(昭和37年9月17日37
薬発第2120号衛生部長通知)第1の11に基づき薬局の店
舗名称の一部に「薬局」の文字を使用すること。
② 次に該当する名称は認めない。
a 特定の医療機関と同一と誤解されるような名称
b 「○○基準薬局」、「認定薬局××」等、薬剤師会
が行っている基準薬局認定制度と誤解されるような名
称
③ 既に許可を取得している薬局の店舗名称の一部に「薬
局」の文字を使用していない場合は、「薬局」の文字を
付することとし、薬事法第10条による変更届を提出する
よう指導すること。
ただし医療機関との経済的、機能的な関係等社会保険事
務局での指導が必要な場合には、社会保険事務局を紹介
すること。
bc 社会保険事務局は指導内容を申請書に文書で渡すこ
と。
d 現地調査の際、社会保険事務局の指導内容のとおり改
善されているか否かを確認し、改善されていない場合の
進達(e)に際しては、副申にその状況を記載するこ
と。
f 薬務課及び社会保険事務局は相互に情報の提供を行う
こと。
④ 既に取得している薬局で許可時の構造を変更し、いわ
ゆる第二薬局に該当する疑いのあるものの取扱い。
薬務課へ連絡することとし、新規の許可の際と同様社
会保険事務局と連携をとりながら改善を行うよう指導す
ること。
具 体 的 運 用
- 40 -
7 保険薬局の指導等
薬局は保険薬局の指定及び麻薬小売業者の免許を
受けることが望ましい。
6 管理者
(1)薬局の管理者は、ガイドラインに従った薬局
業務の適正な運営に努めるとともに、保健衛生
上支障を生じる恐れが生じないように、その薬
局に勤務する薬剤師その他従事者を監督し、そ
の薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管
理し、その他薬局の業務につき、必要な注意を
しなければならない。
(2)薬局の管理者は、前項の管理者の業務を遂行
するために必要と認めるときは、開設者に改善
を要求しなれけばならない。
薬局業務運営ガイドライン
平成5年4月30日薬発第408号厚生省薬務局長通知
5 開設者
(1)開設者は、医療の担い手でもある薬剤師であ
ることが望ましい。
(2)開設者は薬局の地域保健医療の担い手として
公共的使命を認識し、薬事法、薬剤師法等の関
係法令及びガイドラインに従った薬局業務の適
切な運営に努めること。
(3)開設者は薬局の管理者が薬事法第9条に規定
する義務及びガイドラインを守るために必要と
認めて述べる意見を十分に尊重しなければなら
ない。
(4)開設者はその薬局に勤務する薬剤師等の資質
の向上に努めなければならない。
(5)開設者は地域薬剤師会が地域の保健医療の向
上のために行う処方せん受入体制の設備等の諸
活動に積極的に協力すること。
(6)開設者は薬局の業務運営について最終的な責
任を負う。
平成5年4月30日薬企第37号
厚生省薬務局長企画課長通知
4 開設者について
① 開設者(法人の場合は代表者)は薬剤師であ
ることが望ましいとされるのは、薬局の地域保
健医療への貢献を促すには、医療法の規定によ
り担い手とされた薬剤師(医療法第1条の4)が
開設者であることが望ましいこと、開設者が非
薬剤師の場合には、行政や地域薬剤師会等が行
う研修や医療分業促進のための諸活動への参加
が一般的に積極的であること、諸外国において
も薬局の開設者を薬剤師に限定している国が多
いこと等の事情が考慮されたからである。
② 薬剤師でない者から、薬局の開設の許可又は
更新の申請が行われた場合には、開設者が薬剤
師でない理由、将来薬剤師に変更する計画の有
無等について資するとともに、行政や地域の薬
剤師会などが実施する研修会、休日、夜間の受
入体制の設備等の地域活動に参加、協力する旨
の約束を何らかの形で取り付ける等の指導をさ
れたい。
③ 開設者が薬剤師でないことのみを理由に薬局
開設の許可及び更新をしないことは現行法認め
られないので留意されたい。
5 管理者について
管理者が開設者に改善を要求したときは、その
内
容及びそれに対して講じられた措置等を記録してお
く
ことを指導されたい。
4 保険薬局の指定等について
① 我国の保険制度上、保険薬局でないことは、恒常的
に処方せん応需拒否とみなされるので、保険薬局の指
定を受けていない薬局については、早急に指定を受け
るよう指導すること。
② 麻薬小売業の免許については、当該地域の麻薬処方
せんの発行状況に応じて免許を取得するよう指導する
こと。
3 開設者について
① 薬剤師であるか否かに拘わらず薬局の開設者は積極
的に地域処方せん受け入れ体制の整備に協力し、勤務
する薬剤師の資質向上等に取り組むことが求められて
いるので、積極的に医薬分業促進のための諸活動へ参
画するよう指導すること。
② 薬局開設者(法人の場合は代表者)は薬剤師である
ことが望ましい。ただし、薬局開設者の要件ではない
ことに留意すること。
具 体 的 運 用
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平成5年4月30日薬企第37号
厚生省薬務局長企画課長通知
6 薬剤師の確保等について
① 薬局の必要薬剤師数は、従来医薬品の月間販売
高に応じた人数とされ(月間販売高400万円毎に1
人 )、調剤数がいくら多くとも2人おれば差し支
えないとされていたが、薬局における薬剤師の業
務の事態を踏まえ、1日の応需する平均処方せん
数に応じた薬剤師数が基本とされたこと。
なお、1日に応需する平均処方せん数40毎に1人
の薬剤師数(但し、眼科、耳鼻いんこう科及び歯
科については3分の2に換算)とは、患者等との対
話、薬歴管理、服薬指導、疑義照会などの薬剤師
としての業務量を練り込んで算定されたものであ
る。
② 必要薬剤師数についての新基準については、既
存薬局について施行の日から1年6ヶ月の経過措置
が認められているが、薬局の適正な業務運営のた
め経過期間内においてもできるだけ速やかに新基
準を満たすよう指導されたい。
③ 医薬品や医療をめぐる状況は日進月歩であり、
薬剤師の生涯研修は極めて重要な課題なので、地
元薬剤師会等に対し、薬剤師研修の開催につき指
導、助成に努められたい。
研修内容については、薬局業務の向上に資する
よう、地域医療機関の医師、製薬企業の医薬品情
報担当者等を交えた研修を実施するなど具体的、
実際的な研修を工夫することが望ましい。
7 医薬品備蓄について
① 備蓄医薬品の数は、地域の医療機関からの処方
せんを円滑に受け入れることができる数が必要で
あり、地域の医療機関の数、規模、診察料目、さ
らには備蓄センターの有無等により必要数が決ま
ってくるので、地域薬剤師会が地域の実情に応じ
た必要数を申し合わせること等により薬局が自主
的に必要な医薬品を備蓄するよう指導されたい。
なお、医薬品が備蓄されていないことを理由に
処方せんの応需を拒否することは認められないの
で、指導上徹底されたい。
② 備蓄する医薬品の多くが特定の製造業者の製品
に限定されてはならないとされたのは、幅広い医
療機関からの処方せんに応じられないこと。医師
の処方権の制約につながること等の理由による。
③ 在庫にない医薬品を迅速に調達する方法のひと
つとして卸売業者の協力が規定されているが、こ
の規定は、配送に伴う費用負担の問題等について
定めたものではない。配送に伴う負担は薬局と卸
売業者が交渉により決定すべき問題であることは
言うまでもない。
薬局業務運営ガイドライン
平成5年4月30日薬発第408号厚生省薬務局長通知
8 薬剤師の確保等
(1)薬局の業務量に応じた必要な薬剤師数を確保す
ること。
1日に応需する処方せん数が40までは1とし、そ
れ以上40又はその端数を増すごとに1を加えた数。
ただ、眼科、耳鼻いんこう科及び歯科の処方せん
数については、3分の2に加算して算定する。
(2)業務の適正な運営を図るため、薬局の処方せん
受付状況等を配慮した薬剤師の勤務体制をとるこ
と。
(3)薬局の業務に従事する薬剤師の氏名を、薬局内
や見やすい場所に掲示すること。
(4)薬剤師は、白衣、ネームプレート等を着用し、
薬剤師であることを容易に認識できるようにする
こと。
(5)薬剤師は薬事法関係法規に精通するほか、医療
保険関係法規等(老人保健、公費負担関係を含む
)を十分理解し、適正な調剤等に努めること。
(6)薬剤師は、薬局の業務を適正に遂行するため、
薬剤師研修センター、薬剤師会及び薬科大学等が
開催する研修を受講し、また自主的な学習に努め
ること。
9 医薬品の備蓄
(1)薬局は医療機関が発行する処方せんを円滑に受
け入れることができるよう、地域の実情に応じた
必要な調剤用医薬品を備蓄すること。
(2)備蓄する医薬品の数は、処方せん応需の意思が
疑われるような少ない品目数であってはならない
。
(3)備蓄する医薬品は、その多くが特定の製造業者
の製品に限定されてはならない。
(4)患者等が持参した処方せんに、薬局に在庫して
いない医薬品が処方されていた場合に備えて、地
域薬剤師会が設置する備蓄センターの利用、卸売
業者の協力、地域薬局間での医薬品の分譲等によ
り、迅速に調剤用医薬品が調達できる体制を講じ
ておくこと。
6 医薬品の備蓄について
① 地域における医薬品の備蓄体制を確立するよう指示す
ること。
備蓄体制の方法はおおむね次のような方法があるが、
地域の実情に併せて、最も効率的な方法で行うように指
導すること。
a 医療分業推進センターによる備蓄方法
b 地域内薬局の分担による備蓄方法。卸売一般販売業
の協力による備蓄方法
c 卸売一般販売業の協力による備蓄方法
② 備蓄する医薬品の数は医薬分業の進展状況等地域の実
情に併せて決定するよう指導すること。
5 薬剤師の確保等について
① 薬剤師の確保状況を把握するために次により指導する
こと。
a 当分の間、全ての薬局に対して前年における総取扱
処方せん数の報告を求めること。
b 薬事法施行規則及び薬局及び一般販売業の薬剤師の
員数を定める省令の一部を改正する省令(平成5年4月
30日厚生省告示26号)により改正された薬事法施行規
則(以下「改正施行規則」という。)は、既存の薬局
について1年6ヶ月の経過措置が設けられているが、a
による報告は薬剤師の確保状況の把握であることを十
分に説明すること。
c aの報告は、改正施行規則第12条による様式による
こと。
② 薬剤師の氏名の掲載場所は、調剤室の全面等患者と面
接する場所とするよう指導すること。
③ 薬剤師会に対し、研修に関する年間計画を作成させ地
域内薬局薬剤師の参加に努めるよう指導すること。
また、地域内薬局薬剤師の研修状況の把握に努め、参
加状況の悪い薬局及び薬剤師に対して研修を受けるよう
指導すること。
具 体 的 運 用
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平成5年4月30日薬企第37号
厚生省薬務局長企画課長通知
8 開局時間について
特定の医療機関からの処方せん応需のみに対応し
、当該医療機関の診療時間外及び休診日には閉局し
て処方せんを応需していない薬局は早急に改善を図
ることとされたのは、このような薬局は患者のトー
タルとしての薬歴管理が事実上できないこと、当該
医療機関からの独立性の維持が極めて困難であるこ
と等、医療分業の趣旨にそぐわないからである。
9 休日、夜間等の対応について
職住分離の傾向等から休日・夜間の対応は個々の
薬局の努力だけでは困難であり、当番制の導入等地
域の休日・夜間の診療体制を整備し、薬局はこれに
参加、協力することにより対応することが必要にな
っている。従って、地域薬剤師会を通じ、このよう
な体制の整備と円滑な運営について必要な助言、指
導に努められたい。
10 処方せん応需について
① 処方せんの拒否が認められているのはアからエ
までで掲げたような極めて例外的なケースに限ら
れる。また、たとえこのようなケースであっても
患者等にその理由をよく説明して、他の薬局を紹
介するなど適切な調剤が受けられるよう措置する
ことが薬局としての当然の責務である。
薬局業務運営ガイドライン
平成5年4月30日薬発第408号厚生省薬務局長通知
10 開局時間
(1)開局時間は、地域医療機関や患者の需要に対応
できるものであること。特定の医療機関からの処
方せん応需のみに対応し、当該医療機関の診察時
間外及び休診日に処方せんを応需していない薬局
は、早急に改善を図ること。
(2)開局時間を住民の見やすいところに掲示するこ
と。
11 休日、夜間等の対応
(1)薬局は行政機関、医師会、歯科医師会、薬剤師
会が実施する地域の休日、夜間の診療体制に参加
、協力するなどして、休日・夜間の処方せん応
需に努めなければならない。
(2)閉局時には、連絡先又は近隣で開局している当
番薬局の案内等を外部から見やすいところに掲示
すること。
12 業務
(1) 処方せん応需
① 処方せんは薬剤師が責任をもって受け付け、正
確かつ迅速に調剤を行うこと。
② 薬局は、患者等が持参した処方せんを応需する
のが当然の義務であり、正当な理由がなくこれを
拒否してはならないこと。処方せんを拒否するこ
が認められる場合としては、以下のような場合が
該当するが、やむを得ず断る場合には、患者等に
その理由をよく説明し、適切な調剤が受けられる
よう措置すること。
なお、処方医薬品がその薬局に備蓄されていな
いことを理由とした拒否は認められないものであ
ること。
ア 処方せんの内容に疑義があるが処方医師(又
は医療機関)に連絡がつかず、疑義照会できな
い場合。ただし、当該処方せんの患者がその薬
局の近隣の患者の場合は処方せんを預かり、後
刻処方医師に疑義照会して調剤すること。
イ 冠婚葬祭、急病等で薬剤師が不在の場合。
ウ 患者の症状等から早急に調剤薬を交付する必
要があるが医薬品の調剤に時間を要する場合。
ただしこの場合は即時調剤可能な薬局を責任を
もって紹介すること。
エ 災害、事故等により、物理的に調剤が不可能
な場合。
8 業務について
① 処方せん応需について
保険薬局の指定を受けていないことを理由に処方せん
応需を拒否する等正当な理由なく恒常的に処方せんを拒
否する薬局に対しては一般販売業等他の医薬品販売業へ
への転換を指導すること。
7 開局時間について
特定の医療機関の開業時間に併せて開局する薬局は、
特定の医療機関から機能的に独立しているとは考えられ
ないため、他の医療機関からの処方せんも応需できる体
制をとるよう指導すること。
具 体 的 運 用
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薬局業務運営ガイドライン
平成5年4月30日薬発第408号厚生省薬務局長通知
③ 恒常的処方せん応需拒否薬局
正当な理由がなく恒常的に処方せん応需を拒否
する薬局は、患者に迷惑をかけ、薬局に対する国
民の信頼を裏切るとともに、薬局、薬剤師に求め
られえいる使命、社会的役割を自ら放棄するもの
であるから、他の医薬品販売業へ転換することが
望ましい。
(2) 薬歴管理・服薬指導
薬剤師は、医薬品の有効で安全な使用、特に重
複投薬や相互作用の防止に資するため、患者につ
いて調剤された薬剤ばかりでなく、必要に応じ一
般用医薬品を含めた薬歴管理を行い、適切な服薬
指導を実施すること。また、必要に応じ処方医師
へ処方の変更等について相談し、その過程の記録
を残すなど、患者のための医療を心がける。
(3) 疑義照会
薬剤師は、患者が有効かつ安全に調剤された薬
剤を使用することができるよう、患者の薬歴管理
の記録や患者等との対話を基に薬学的見地から処
方せんを確認し、当該処方せんに疑義がある場合
は、処方医師に問い合わせ疑義が解消した後でな
ければ調剤してはならないこと。なお、疑義照会
を行った場合はその記録を残しておくこと。
(4) 薬袋等への記録
薬袋等へは、薬剤師法施行規則で定める事項の
ほか、服用に際しての注意、問い合わせ先など、
患者のために必要な情報をできるだけ記載するこ
と。
(5) 受診の勧め
一般用医薬品等の販売に当たって一般用医薬品
の適用外と思われる場合は、患者が適正な受診の
機会を逃すことのないよう、速やかに「かかりつ
け医」等への受診を勧めること。
(6) ファクシミリ患者サービス
薬局は、ファクシミリを設置することが望まし
い。なお、処方せん受け入れ準備態勢のためのフ
ァクシミリ利用については、薬局が医療機関と申
し合わせ、患者等の意思に反して、特定の薬局へ
処方内容を伝送するよう誘導又は限定すること
は、認められないものであること。
11 薬歴管理、服薬指導について
薬局が調剤された薬剤ばかりでなく必要に応じ
一般用医薬品を含めた薬歴管理を行い、丁寧な服
薬指導を実施することは医薬分業の最も大きなメ
リットである。特に、高齢化に伴う複数受診の増
加等により重複投薬や相互作用リスクが高まって
おり、これらを防止するためには薬歴管理と服薬
指導は不可欠となっている。薬歴管理や服薬指導
を行わない医薬分業は、その意義が大幅に失われ
てしまうことになるので、その適正な実施につき
特段の指導を行われたい。
また、処方医師への処方変更等について相談す
ることも薬局、薬剤師の重要な任務である。ま
た、
薬歴管理カードは保険薬局の「薬剤服用歴管理指
導料」を算定する場合最終の記載の日から3年間
保存する義務があるが、実務面での活用を考える
と長期に保存することが望ましい。
12 疑義照会について
通常処方せんの2~3%には疑義が発見されると
いわれており、極めて疑義照会の件数が少ない薬
局については、必要な指導を行われたい。
平成5年4月30日薬企第37号
厚生省薬務局長企画課長通知
② 正当な理由がないにも関わらず恒常的に処方せ
ん応需を拒否する薬局や備蓄医薬品の種類からも
処方せん応需の意思が認められない薬局について
は、一般販売業への転換等を指導されたい。
指導に当たっては、薬局が所在する地域の医薬
分業の進捗状況に十分配慮されたい。
② 薬歴管理・服薬指導について
患者に対する服薬指導は、リーフレット等を用いて
分かりやすく行うことに努めるよう指導すること。ま
た、患者の医薬品(一般用医薬品を含む)に関する情
報は、処方した医師にフィードバックできる方法を講
じるよう指導すること。
具 体 的 運 用
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17 薬事衛生等への参画
薬局の薬剤師は、薬物乱用防止、学校薬剤師活
動、地域の環境衛生の維持向上に積極的に参画す
るよう努めること。
11 薬事衛生等への参画について
地域の行政機関(保健所・市町村)との連携をとり、
地域の薬事衛生の他保健環境衛生行政に参画するよう指
導すること。
16 在宅医療・福祉
薬局及び薬剤師は調剤及び介護用品等の供給を
通じ、在宅医療、福祉に積極的に貢献するよう努
力すること。
9 医薬品情報の収集等について
① 薬局は医薬品に対する最新の情報(再審査・再評価結
果、緊急医薬品情報、医薬品の能書集など)を常に収集
するよう指導すること。
② 医薬品の情報に関しては、福岡県薬剤師会が薬事情報
センターを設置している。これを、積極的に利用するよ
う指導すること。
③ 薬局は患者から副作用の情報の収集に努め、モニター
薬局制度を通じてフィールドバックに努めるよう指導す
ること。
10 広告について
医薬品等適性広告基準(昭和55年10月19日薬発第1339
号厚生省薬務局通知)及び福岡県医薬品広告基準(昭和
54年4月2日薬監第1号)に基づき適正を図るよう指導する
こと。
14 医薬品情報の収集等について
医薬品情報の収集とその活用は薬局業務にとって
極めて重要・不可欠である。個々の薬局の自主的な
努力では限界があるので、情報センターの設置など
薬剤師会の組織的対応等について指導・助言を行わ
れたい。
14 医薬品情報の収集等
(1) 常に、医薬品の有効性・安全性に関する情報、
副作用情報、保健・医療・福祉情報等を収集し、
薬局業務に資すること。
(2) 薬局の業務を円滑に推進するために、関係機関
・団体との連絡を密にするとともに、地域住民に
必要な情報の提供に努めること。
(3) 医薬品等の副作用等について、薬局利用者から
の収集にも努めること。
具 体 的 運 用
15 広告
地域保健医療に貢献する薬局として、国民及び
医療関係者の信頼を損なうことのないよう、品位
のある広告に留意すること。
平成5年4月30日薬企第37号
厚生省薬務局企画課長通知
13 一般用医薬品の供給について
薬局は調剤と併せて対面販売の原則のもと一般用
医薬品を供給するのが使命であり、一方を欠くのは
薬局本来の姿から見て問題がある。調剤のみを行っ
ている薬局に対しては一般用医薬品を供給するよう
指導されたい。
薬局業務運営ガイドライン
平成5年4月30日薬発第408号厚生省薬務局長通知
13 一般用医薬品の供給
(1) 薬局は調剤と併せて一般用医薬品の供給に努め
ること。
(2) 一般用医薬品の販売に当たっては、必要に応じ
薬歴管理を行うとともに、適切な服薬指導を実施
すること。
(3) 習慣性や依存性のある医薬品及びその他乱用さ
れやすい医薬品は十分注意して供給すること。
5 解毒剤の確保
和歌山市で発生した毒物カレー事件を発端として、全国で食品等への毒物混入事件が発生しており、その
中で、緊急時における解毒剤の供給が問題となった。
また、平成 13 年 9 月に発生した米国での同時多発テロ、平成 15 年 3 月に開始された対イラク武力行使を
契機に、テロ発生時における医薬品供給体制の整備も必要となった。
本県では、県民の生命や健康等、安全を脅かす実態に対応するため、平成 10 年 9 月「健康危機管理連絡会
議」が設置され、医薬品卸業における解毒剤の保管状況を医療機関に提供することになった。
(1)
緊急時における中毒治療に必要な医薬品の確保について
平成 10 年 9 月 11 日、医薬品製造メーカー並びに医薬品卸売業者団体との会議を開催し、
「緊急時における医薬品の確保」について協力を要請し、以下の合意が得られている。
【合意事項】
① 福岡県医薬品卸業協会及び筑紫二十日会は、救命救急センターに備蓄した医薬品が不足する等の
緊急時において解毒剤提供の要請があった場合は、医薬品の確保に協力する。
② 医薬品卸業における解毒剤の保有状況については、定期的に調査し、その結果を医療機関等に情
報提供する。
(2)
解毒剤など医薬品の保有状況について
解毒剤については、シアン中毒による治療薬の亜硝酸アミル、ヒ素中毒による治療薬のジメルカプ
ロール等、17 種類の解毒剤が医薬品卸業者において保有されてさせている。
<参考> 資料2
(3)
医薬品確保のための夜間・休日連絡網について
夜間・休日連絡網については、福岡県医薬品卸業協会の協力を得て、休日及び夜間の出庫・配送体
制、電話番号、FAX 番号の調査を行っている。
(4)
医療機関に対する周知の強化について
医薬品卸売業における解毒剤の保有状況については、福岡県医師会及び救命救急センターに情報提
供を行ってきたが、さらに周知を図るため、平成 10 年 9 月 18 日に医療指導課と連名で福岡県医師会
等医療関係機関に通知を行った。
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チオ硫酸ナトリウム水和物
亜硝酸アミル
解毒剤等
デフェロキサミンメシル塩酸
鉄
エタノール
エタノール
塩化ナトリウム
ブロムワレリル尿素 等
塩酸(硫酸)モルヒネ 等
メタノール、エチレングリコール
硝酸銀、臭化物
麻薬
ホリナートカルシウム
葉酸代謝桔抗剤
メトトレキサート
フルマゼニル
ベンゾジアゼピン系薬剤 ジアゼパム
ナロキソン塩酸塩
ムコフィリン吸入液17.62%
アセチルシステイン
アセトアミノフェン
ワイス-武田薬品
アステラス
第一三共-アルフレッサファーマ
大塚 他
甘糟化学 他
サンノーバーエーザイ
大日本住友
*プラリキドキシムヨウ化物(パム注射液)はカルバメート剤中毒には無効。
ロイコボリン注3㎎
アネキセート注射液0.5㎎
塩酸ナロキソン注射液0.2㎎
食塩注10%
カルチコール注射液8.5%5・10ml
グルコン酸カルシウム水和物
フッ化水素、シュウ酸塩
鳥居薬品
ケイキサレート散 (末)
扶桑薬品
アステラス-アステラス東海
ホリゾン注射液10㎎
カリセラム-Na 末
武田薬品
田辺 他
大日本住友
ノバルティス
資料2
セルシン注射液5・10㎎
アトロピン硫酸塩注0.5㎎
パム静注500㎎
デスフェラール注射用500㎎
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
プラリドキシムヨウ化物
パラチオン、クロルピリホス、
ダイアノジン 等
アトロピン硫塩酸水和物
メソミル 等
ソマン、サリン、タブン、VX
ジアゼパム(鎮痙剤として)
等
D・ペニシラミン
銅、水銀、鉛
日新
第一三共
萬有
第一三共
メーカー
メタルカプターゼカプセル50・100・200mg 大正一大正富士
エデト酸カルシウムニナトリウム水和物 ブライアン注1g
バル注100mg
デトキソール静注液2g
亜硝酸アミル吸入液0.25ml
商品名(例)
鉛
ヒ素、水銀、鉛、銅、金、
ジメルカプロール
ビスマス、クロム、アンチモン
シアン化カリウム
シアン化ナトリウム
代表的物質名
パラコート、ジクワット
カルバメート剤
化学兵器
有機リン剤
重金属
シアン化合物
化学物質名
化学物質中毒に使用される主な解毒剤一覧表
6 ジェネリック医薬品の使用促進
ジェネリック医薬品(以下「GE」という。
)は、先発医薬品と有効成分、同じ効き目を持つ医薬品である。
福岡県は、県民 1 人当たりの医療費が全国平均に較べて高く、特に老人医療費においては、平成 14 年度
以降、1 人当たりの年間医療費が全国 1 位の高さである。
先発医薬品に較べて安価なGEの使用は、一人一人の行動が医療費の削減に直結し、医療の質を維持しつ
つ、医療費の過度な増大を抑える効果が確実に現れることから、本県ではGEの使用促進を重要な施策とし
て捉え、医療関係者や県民がGEを利用しやすい環境整備に取り組んでいる。
具体的には、平成 19 年 8 月に、有識者、関係団体及びモデル病院等からなる福岡県ジェネリック医薬品
使用促進協議会を設置、現状の把握や解決策の検討を行っている。
平成 25 年度までの主な取組は以下のとおり。
(1) 福岡県ジェネリック医薬品使用促進協議会の開催(年 4 回)
(2) 第三者機関による品質確認(16 成分、73 品目検査、全て基準に適合)
(3) 採用マニュアルの作成配布
(4) 啓発ポスター・リーフレットの作成配布
(5) モデル病院採用GEリストの作成配布
(6) 医療関係者への研修会の実施
(7) 広報誌、新聞、テレビを利用した県民啓発
(8) 福岡県ジェネリック医薬品使用促進協議会中間報告書の作成
(9) 後期高齢者医療広域連合及びモデル市町村の国民健康保険の被保険者を対象に、GEに替えた場合
の薬剤費削減可能額の通知
(10) 製剤設計に基づくGEの特徴の評価(汎用GEリストの作成)
(11) 地域での講習会を開催(医療関係者向け)
(12) ジェネリック医薬品情報コーナーの開設
(13) 県政出前講座の実施(実績 H21:15 回、504 名、H22:13 回、350 名、H23:6 回、114 名、H24:5
回、130 名、H25:7 回、180 名)
平成 25 年度は、上記の取組に加え、地域における普及の促進と調剤薬局における在庫問題の解決のため、
新たに以下の取り組みを行った。
(14) 地域協議会事業の実施(飯塚地区、筑紫地区、北九州市、福岡市)
地域関係者(県、市町村、地域医師会、地域薬剤師会、基幹病院、基幹薬局等)がジェネリック医
薬品の普及に関する取組に係る情報を共有し、連携した取組を実施できるよう協議会を実施。
この他、現状を把握するために、以下の調査を随時行っている。
(15) 県政モニター、医療機関、薬局を対象とした調査
(16) 卸売業者等を対象とした県内流通量(数量シェア等)の調査
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