Comments
Description
Transcript
従業員関連行政手続きの実態調査について(EABuS提出資料)
資料6 East Asia Business Support EABuS調査報告 従業員関連行政手続きの実態調査について 2007年10月17日 特定非営利活動法人 東アジア国際ビジネス支援センター(EABuS) 事務局長 安 達 和 夫 1.実態調査の背景と目標 East Asia Business Support 調査対象:事業者および代理人 調査分野:人事・労務関係行政手続き 解決すべき課題 企業の多くは行政手続きに負 担を感じ簡素化を望んでいる 社労士 企 業 (事業者) 税理士 企業の87%強が行政手続き のオンライン化に期待 行政手続きの95%以上は オンライン化されている しかし、利用率は大きく低迷 行政庁 社会保険 事務所 公共職業 安定所 労働基準 監督署 税務署 商工団体 地方 地方 地方 公共団体 公共団体 公共団体 検討すべき課題 ① ② ③ ④ 利用者(事業者、代理人)の人事・労務業務処理フローの調査、分析 行政側(申請受付、受理)の業務処理フローの調査、分析 利用者業務処理とオンライン行政手続きのシームレスな連携モデルの検討 有効性の検証と連携モデル定着のための施策検討 1 2.昨年度の実態調査の内容 East Asia Business Support 9企業における行政関連手続の実態を、従業員のライフイベント単位に調査 9申請書と添付書類の内容をフロー化し、行政手続きに係る負荷の実態を調査 従業員のライフサイクル 入社 結婚 出産 転勤 家族の 異動 病気 怪我 休職 死亡 退職 再雇用 行政手続 社会保険事務所 厚生年金保険の手続 z被保険者資格取得届 z国民年金被保険者(3号該 当)資格取得・種別変更届 z被保険者資格喪失届 z被保険者報酬月額算定基 礎届 z被保険者住所変更届 健康保険(政府管掌)の手続 z被保険者資格取得届 z被扶養者異動届 z被保険者資格喪失届 z報酬月額算定基礎届 z出産手当金請求書(本人) 公共職業安定所 雇用保険の手続 z被保険者資格取得届 z被保険者区分変更届 z高齢者雇用継続給付申請 z被保険者資格喪失届 z被保険者離職証明 z六十歳到達時等賃金証明 z育児休業給付の申請 労働基準監督署 労災保険の手続 z遺族補償年金請求 z遺族補償一時金支給請求 z療養補償給付たる療養の給 付請求 税務署 地方公共団体 給与所得源泉徴収の手続 住民税特別徴収の手続 z給与所得・退職所得等の所 得税徴収高計算書 z給与支払事務所開設等届 z源泉所得税の納期の特例 の承認申請 z納期の特例適用者に係る 納期限の特例届出 z年末調整による不足額徴収 繰延の承認申請 z源泉所得税の年末調整過 納額の還付請求 z退職所得源泉徴収票 z退職手当金等受給者別支 払調書 z報酬・料金等の所得税徴収 高計算書 z給与支払報告 z退職所得特別徴収票 z給与所得者異動届 z特別徴収義務者の所 在地等変更届 z普通徴収から特別徴収 への切替届 z特別徴収税額納期特 例申請 2 3.本年度以降の実態調査計画 East Asia Business Support z 調査分野と範囲 − 従業員のライフイベント単位(入社、転勤、結婚・出産、傷病・死亡、退職、再雇用等)で 業務処理フローを把握 − 手続きの範囲 • • • − 給与所得税務関係手続き(所得税源泉徴収、住民税特別徴収等) 社会保険関係手続き(健康保険、厚生年金等) 労働保険関係手続き(雇用保険、労災保険等) 調査業務処理のプレーヤー:従業員-事業者-代理人-行政機関 z 調査方法 − 事業者の規模および業態によるサンプリング − 人事・給与業務従事者等の実務担当者へのヒアリング − 税理士、社労士等仲介事業者へのヒアリング − 自治体を含んだ行政窓口担当者へのヒアリング z 調査結果の分析 − 現行業務処理フローの作成、処理ステップのワークロード積算 − オンライン行政手続き連携のための要件定義 − 必要なAPIおよび法制度改正等の識別 − オンライン行政手続きと連携した業務処理フローの作成(あるべき姿の仮説) − 事業者および代理人に対する効果識別・試算 3 4.次世代電子行政サービスに向けてのEABuSの考え方 East Asia Business Support 次世代電子行政サービスに求められるもの 1.行政サービス・クライアントのニーズ解決 −クライアントのセグメンテーションとセグメントごとのニーズ把握 −ニーズ・問題点の共有と行政機関横断的な最適化方策の実施 2.電子サービスの重点的実現 −総花主義から重点主義へ(優先クライアント・セグメントへの注力) −重点政策との整合性(重点政策実現手段としての電子行政サービス) 1.行政側の手続き単位でなく申請者側の業務単位で最適化手段を検討すべき 9申請者の業務効率化の視点に立った最適化が重要 9一つの申請は、省庁・部局はもとより自治体にもまたがるため、行政全体を俯瞰した最適化方策が必要 2.申請者、行政機関双方の業務の具体的な流れを踏まえた最適化の検討 9業務フローを把握することでワークロード、ボトルネック、問題等の把握が容易になる 9現状のワークロードに対する最適化効率の把握が具体的に可能になる ⇒ 費用対効果の把握も確実に行える z行政サービスの全てのスティクホルダーの共通理解を得るために、結果を可視化する 3.最適化レベルの設定 ¾現実解: 現行制度の中で改善が可能なもの (例) ・社内情報システムと既存電子申請の連携のためのAPI公開 ・申請様式の統一、電子化仕様の開示 ¾中間解: 既存の制度を見直すことで対応可能なもの (例) ・事業主または有資格代理人による代表署名 ・事業主の証憑書類確認・保存義務 ¾最適解: 行政機構・制度改革関係法規の改正など、法規制や制度改訂が伴うもの 4 East Asia Business Support ご参考資料 資料1 行政関連業務にかかっている負担 East Asia Business Support 業務別にみると半数以上が負担に感じている 申請・届出の簡素化・効率化を求める意見が多い 相当に負担である 全 体 規制緩和・制度自体の見直し その他 負担である さほど負担でない 全く負担でない 健康保険任意継続被保険者資格取得申請 健康保険被保険者資格喪失届 厚生年金保険高齢任意加入被保険者資格取得申請 7.2% 60歳到達時賃金登録届 雇用保険被保険者資格喪失届 21.9% 高年齢雇用継続給付申請 給与支払報告書の提出(対、税務署) 70.9% 年末調整/源泉徴収票 給与支払報告書の提出(対、市区町村) 異動届(退職、転勤時等) 住民税税額通知書 住民税異動届 申請・届出等の簡素化・効率化 (中小企業庁 規制緩和意識2006年調査より) 健康保険資格喪失届 健康保険特例退職被保険者資格取得申請 【団塊世代の退職手続きに伴う事務負担】 退職者一人当たりの負荷: 2時間35分 ・‘47∼’49生: 340万人 ⇒ 878万時間 ・‘47∼’51生: 580万人 ⇒ 1,498万時間 【給与支払報告書に伴う事務負担】 従業員一人当たりの負荷: 2時間16分 ・50人以上の企業正規雇用者: 798.6万人 ⇒ ・常勤雇用者(労働力調査) : 4,608万人 ⇒ 【年末調整・源泉徴収票に伴う事務負担】 従業員一人当たりの負荷: 2時間52分 ・50人以上の企業正規雇用者: 798.6万人 ⇒ ・常勤雇用者(労働力調査) : 4,608万人 ⇒ 厚生年金保険被保険者資格喪失届 国民年金第3号被保険者の各種届 雇用保険被保険者資格取得届 雇用保険被保険者離職証明書 0 20 40 60 80 100 N=1050社 1,810万時間 1億 445万時間 2,289万時間 1億3,209万時間 (ECOM電子政府・ビジネス連携WG2005年度調査より) 5 資料2 ニーズと現実とのギャップ East Asia Business Support 9割近い企業が手続きのオンライン化を希望 手間のかかる手続から段階的に進めるべき わからない それほど進める必要はない 税金を投入しても積極的に進めるべき 18手続の 全体平均 (n=1050) 進める必要はない 244 23.2% 672 64.0% 89 8.5% 143.0% 31 1.3% 1000人以上 (n=190) 300人∼999人 (n=102) 30人∼299人 (n=292) 30人未満 (n=466) 303 71.6 22.6 9.8 66.2 20 62.3 23 0 10 5.9 1.62.6 60 30.1 20 30 40 50 60 70 80 0.9 3 9.8 1.73.2 90 100 (ECOM電子政府・ビジネス連携WG2005年度調査より) 6 資料3−1 退職関連手続きの流れ(1) East Asia Business Support 従業員 健康保険・ 厚生年金に関する手続き 健保被保険者証 国民年金3号被保険者 資格喪失届 資格喪失後本人が行う手続 • 健保任意継続被保資格取得申請 (社保事務所または健保組合) または、国保被保資格取得届(市 区町村) • 厚生年金老齢給付裁定請求(受 給権発生の場合・社保事務所) 事業主 厚生年金等 被保険者資 格喪失届調 製 国民年金3 号被保険者 資格喪失届 確認 事業主署名 社内 人事・給与 管理システム 健保組合 健保被保険者証 回収 健保・厚生年金 被保険者資格喪失届 健保被保険者証 国民年金3号被保険者 資格喪失届 雇用保険に関する手続 雇用保険被保険者証 離職票 社会保険事務所 審 査 組合管掌の場合 健保被保険者証 回収 資格喪失確認通知書 通知事項の人事記録記載 雇用保険被保険者 資格喪失届 被保険者証 確認 雇用保険被 保険者資格 喪失届およ び離職証明 書調製 事業主署名 行政機関 雇用保険被保険者 離職証明書 公共職業安定所 審 査 賃金台帳/ 労働者名簿等 雇用保険被保険者証 資格喪失確認通知書 離職票 資格喪失後本人が行う手続 •雇用保険受給資格取得 •失業認定申告 (住所地管轄公共職業安定所) 通知事項の人事記録記載 離職票の本人交付 7 資料3−2 退職関連手続きの流れ(2) East Asia Business Support 退職者 退職所得源泉徴収/ 特別徴収票 税務︵所得税・住民税︶ に関する手続 特徴未納分の 納付方法確認 本人署名 事業主 退職所得源徴 /特徴票調製 特徴給与所得 者異動届調整 行政機関 退職所得源泉徴収/ 特別徴収票 (退職者の1月1日住所地) (市区町村個別手続) 一括徴収/普通徴収切替の場合 給報・特徴にかかる 給与所得者異動届書 給報・特徴にかかる 給与所得者異動届書 住民税納税通知書 税務署 市区町村 退職所得特別徴収 納入内訳書 事業主署名 社内 人事・給与 管理システム 役員退職の場合 転職先で特別徴収 継続の場合 転職先事業所 特別徴収 異動処理 未納分の特別徴収 継続承諾 給報・特徴にかかる 給与所得者異動届書 住民税納税通知書 (普通徴収) 特別徴収未納分を普通徴収する場合 (普通徴収) 8 資料4−1 出産手当申請の流れ East Asia Business Support 従業員 医療機関 (産院) 企 業 行政機関 社会保険事務所 妊娠・出産 産休取得 健康保険に関する保険給付の手続︵従来の申請︶ 事業主証明 事項記入 出産手当金 請求書 意見欄記入 事業主署名 出産手当金 請求書 審 査 受給資格: 妊娠4ヶ月以上の被保険者 社内 人事・給与 管理システム 賃金台帳 出勤簿 支給決定 手当支払 被保険者口座振込 手当受給 通知書受領 健保出産手当 支給決定通知書 9 参考4−2 電子申請による手続の流れ East Asia Business Support 出産手当金請求手続を、現在提供されているオンライン手続によって行う場合の流れを以下に 例示する。 このオンライン手続は下図の画面構成によって処理する。 請求書作成画面 手続の鏡部分 事業主証明書作成画面 10 参考4−3 出産手当電子申請の流れ(1) East Asia Business Support 出産した従業員 厚労省汎用電子申請 システム 請求データ作成 行政機関 企 業 事業主が電子申請と共に 勤務状況等を証明する場合 社会保険事務所 事業主の証明 (電子申請) 健康保険に関する保険給付の手続 賃金台帳の写し 出勤簿の写し 健康保険 出産手当金 請求書 (画像ファイル化して添付) 電子申請 厚労省HPから記入用様式印刷 事業主の証明 (様式) 事業主が書面で勤務 状況等を証明する場合 処理状況確認 到達した電子申 請データに到達 番号を付番し申 請者にメールで 通知 事業主証明 記載捺印 (電子申請の 到達番号等記載) 医師または 助産婦の意見書 (様式) 処理状況確認 医療機関 意見書の 記載捺印 (電子申請の 到達番号等記載) 医師または 助産婦の意見書 事業主の証明 処理状況確認 (電子申請の 到達番号等記載) 郵送・持参 賃金台帳の写し 出勤簿の写し 郵送・持参 郵送等で受付け た書面による添 付書類を電子申 請到達番号で照 合確認 全ての書類が 揃った時点で審 査処理開始 処理状況確認 (電子申請の 到達番号等記載) 次頁へ 11 参考4−4 出産手当電子申請の流れ(2) East Asia Business Support 出産した従業員 企 業 行政機関 社会保険事務所 前頁より 健康保険に関する保険給付の手続 審 査 支給決定通知 厚労省汎用電子申請 システム ID/PWおよび到達番 号で通知書取得 電子通知書希望の場合 紙の通知書希望の場合 通知書受領 手当受給 電子交付用 ファイル 出産手当金 支給決定通知書 請求者口座振込 12 資料5−1 企業内の業務フロー例(年末調整処理−1) East Asia Business Support 10月 11月 12月 1月 税務署等 保険会社等 従業員 〒 ● 保険料控除 証明書等 保険料控除 証明書等 法定調書記入 捺印 源泉徴収票 受領・確認 記入済み 法定調書 源泉徴収票 社内イントラ 人事・給与 データベース 社内便 社内便 ② 事業主 ① 該当者抽出 法定調書 法定調書 チェック・訂正 人事・給与 データベース 電話、社内メー ル等で問合せ チェック済み ③ 法定調書 法定調書 EXCEL入力 入力済み 法定調書 団体加入 保険控除 データ 保険会社等 ⑤ EXCEL 年末調整処理 法定調書 合計表作成 源泉徴収票 (PDF) ⑥ 源泉徴収票 等作成 法定調書 合計票 ④ 法定調書 (原本)保存 A ⑧ 給与支払報告 総括表作成 源泉徴収票 給報個人別 明細票 ⑦ 抜取り 給報総括票 C チェック B 行政庁 13 資料5−2 企業内の業務フロー例(年末調整処理−2) East Asia Business Support 1月 5月 従業員 通知書受領 保存 社内便 市町村より 〒 ● 市町村指定 給報総括票 C 給報総括票 住民税税額 決定通知書 (個人分) ⑩ 提出先 市区町村別 仕分・封入 事業主 B 源泉徴収票 給報個人別 明細票 ⑨ 4連用紙 切離し 給報個人別 明細票 ⑪ 源泉徴収票 A 給報個人別 明細票 提出分 源泉徴収票 法定調書 合計票 市町村指定 給報総括票 提出分抜出 ⑫ 通知書切離し 封入 ⑬ 住民税税額 入力 ⑭ 住民税特徴額 更新処理 給報総括票 〒 ● 市区町村 税務署 行政庁 保存 人事・給与 データベース チェック 入力 〒 ● 住民税課税 処理 住民税税額 決定通知書 14 資料6 NPO法人EABuSのご紹介 East Asia Business Support NPO法人EABuSは、ITを効果的に活用することで効率的なビジネスモデルを実現し、 日中韓3カ国を主軸とする東アジア地域での経済交流の活性化に資することを目的とします z名称:特定非営利活動法人 東アジア国際ビジネス支援センター <略称:EABuS(イーバス)> East Asian International Business Support Center z所在:東京都中央区銀座6丁目6番1号 銀座風月堂ビル5F TEL:03-6215-8329 FAX:03-6215-8700 URL:http://www.eabus.org z設立:2004年12月15日(設立申請) 2005年3月16日(内閣府認可) z会員:大学、士業、行政機関、一般企業、中国・韓国の関係者等の有志29名 z設立目的 ・企業間、国際間の電子的取引の定着・普及・拡大に向けた活動 ・電子政府、とりわけ電子申請の利用向上策の検討と提言 ・上記に係る各種セミナーの企画運営、活動報告ならびにレポート等の発表 z主な活動経緯: 2004年6月1日 2005年1月6日 2005年4月6日 2005年7月13日 2006年1月24日 2006年1月25日 2006年12月8日 2006年6月∼ 2007年3月17日 2007年3月31日 2007年8月∼ ビジネスモデル学会北京大会主催(清華大学、中関村サイエンスパーク協賛) 第1回国際ビジネス連携フォーラム(清華大学) 第2回国際ビジネス連携フォーラム(川崎市KSP)主催 日中韓ビジネス連携フォーラム(虎ノ門パストラル)共催 ケベック州電子税務申告セミナー(東京税理士会)開催 ECOMセミナー「電子政府特集」に講師として参加 日経BP紙上に企業の従業員手続の実態調査結果を発表 企業の行政手続き効率化のための実態調査(ECOM委託事業) 平成18年度地域情報化フォーラム共催 平成18年度活動報告書「行政手続きの最適化に向けた考察」をリリース 年末調整に関わる企業担当者対象のヒアリング調査を実施 15