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Untitled - スズキ株式会社
2014.05 TK はじめに スズキ船外機をお買い上げいただき誠にありがとうございます。 ご使用になる前に必ずこの取扱説明書をお読みください。 船外機は取扱いを誤ると重大な事故や故障の原因になります。 使用時にはこの取扱説明書を必ず携帯し、いつまでも快適なマリン ライフをお楽しみください。 • この取扱説明書には、船外機の正しい取扱い方法と簡単な保守・ 点検・整備などについて説明してあります。 • この取扱説明書には、使用に際して特に重要な留意事項を強調す るために「 8 ・8 ・ ・ :」のシ ンボルマークを用いて表示してあります。 これらのシンボルマークにより強調して表現された内容は、以下 のような意味を持ちますので特にしっかりお読みください。 8 警 告 取扱いを誤ると、死亡または重大な傷害につな がるおそれがある内容です。 8 注 意 取扱いを誤ると、傷害につながるおそれがある 内容です。 注 記 取扱いを誤ると、船外機、ボートまたは他の物 的損害につながるおそれのある内容です。 操作や保守点検を容易にしたり、重要な指示を さらに明確にするための特別な情報です。 • ご使用時は、この取扱説明書を必ず携帯していつでも見ることが できるようにしてください。 • この取扱説明書は、紛失や破損しないような場所に大切に保管し てください。 目 次 この取扱説明書は製品の一部です。 ページ この船外機を転売や譲渡等される 詳細目次 ................... 2 場合は、次に所有される方のため 1 安全に係わる情報 に、この取扱説明書を船外機と一緒 【必ずお読みください】...... 4 にお譲りください。 2 型式と製造番号........... 8 ● 船外機の仕様などの変更により、 こ の説明書の内容や図と、お買い求め 3 燃料とオイル............. 9 いただいた船外機が一致しない場 4 各部の名称............... 12 合があります。 5 各部の取扱い............. 14 あらかじめご了承ください。 6 オーバーレブ防止......... 25 ● ご不明な点や不具合なところがあ ● ● りましたら、お早めにお買い上げの スズキ販売店またはスズキ特約店 にご相談し、又はお申しつけくださ い。 7 船外機の取付け........... 26 保証書はよくお読みいただき、裏面 の販売店名、捺印を確認の上、大切 に保存してください。 10 ならし運転............... 32 8 燃料給油................. 29 9 日常点検................. 30 11 運転・操作............... 34 12 調 整................... 50 13 取外しと運搬............. 55 14 定期点検................. 60 15 簡単な点検・整備......... 62 16 冷却水経路の洗浄......... 78 17 長期格納................. 82 18 トラブルと対処........... 84 19 仕様諸元................. 89 20 配線図................... 90 製品についてのご相談、ご要望は ... 91 点検・整備記録表 ........... 93 1 詳細目次 詳細目次 ページ 1 安全に係わる情報 【必ずお読みください】..... ・オーナー・船長に守っていた だきたいこと ............. ・安全にご使用いただくために .. ・セーフティラベル貼付位置 .. 4 4 4 6 2 型式と製造番号 ............. 8 3 燃料とオイル ............... 9 ページ 頭上燃料タンク .............21 ・燃料タンクキャップ ......21 ・エアーベントスクリュー ..21 燃料コック .................22 ポータブル燃料タンク .......23 燃料ホース .................24 6 オーバーレブ防止 ...........25 7 船外機の取付け .............26 船外機の取付け .............26 燃 料 ...................... 9 エンジンオイル............. 10 ギヤオイル ................. 11 8 燃料給油 ...................29 4 各部の名称 ................ 12 9 日常点検 ...................30 5 各部の取扱い .............. 14 10 ならし運転 .................32 エンジンストップスイッチ... ・エンジンストップボタン .. ・エマージェンシーストップ スイッチ ............... チョークノブ............... リコイルスターターグリップ .. NSI 装置{始動安全装置}.. シフトレバー............... ステアリング操作力調整ノブ .. ティラーハンドル........... スロットルコントロール グリップ ................ スロットル操作力 アジャスター ............ エンジンオイルレベル 点検レンズ .............. リバースロック装置......... チルトアップロックアーム... チルトピン ................. エンジンカバーフックレバー .. 2 14 14 14 16 16 16 17 17 17 18 18 18 19 19 20 20 燃料タンクへの給油 .........29 11 運転・操作 .................34 エンジン始動 ...............34 ・始動前の準備: ..........34 ・頭上燃料タンクの場合 ..34 ・ポータブル燃料タンク の場合 ................36 ・エンジンを始動するために ..39 ・検 水 ..................41 シフト操作・ スピードコントロール .....42 ・前進 ....................42 ・後進 ....................42 ・スピードコントロール ....43 エンジン停止 ...............44 チルトアップ/ダウン .......45 ・チルトアップ ............45 ・チルトダウン ............46 浅瀬航走 ...................47 係 留 .....................49 寒冷地での使用 .............49 詳細目次 ページ 12 調 ページ 整.................... 50 16 冷却水経路の洗浄 .......... 78 プロペラ ................... 50 トローリングスピード ....... 51 トリム角の調整 ............. 52 17 長期格納 .................. 82 13 取外しと運搬............... 55 取外し ..................... 55 運 搬 ..................... 57 トレーラーリング ........... 59 14 定期点検 ................... 60 15 簡単な点検・整備 .......... 62 スパークプラグ ............. 62 ・取外し .................. 62 ・点 検 .................. 63 ・取付け .................. 63 エンジンオイル ............. 64 ・オイル量、汚れの点検 .... 64 ・エンジンオイルの補給 .... 65 ・エンジンオイル交換 ...... 66 燃料系統 / ブリーザーホース . 68 燃料フィルター ............. 69 ・点検と清掃 .............. 70 ギヤオイル ................. 71 ・オイル交換 .............. 71 ・ギヤオイルレベルの点検 .. 73 アノード ................... 73 給 油/給 脂 ............. 74 プロペラ ................... 75 ・点 検 .................. 75 ・プロペラの取外し ........ 76 ・プロペラの取付け ........ 76 ボルト&ナット ............. 77 格納前の整備 ............... 82 格納後(使用前)の整備 ..... 83 18 トラブルと対処 ............ 84 トラブルシューティング ..... 84 水没船外機の処置 ........... 85 緊急時の始動要領 ........... 86 19 仕様諸元 .................. 89 20 配線図..................... 90 製品についてのご相談、ご要望は .... 91 点検・整備記録表 ............ 93 3 【必ずお読みください】 1 安全に係わる情報 8 警 告 この「安全に係わる情報」の章 に記載された事項を怠ると、重大な人身 事故を招いたり、船外機、ボートが損傷する原因になります。 必ずこの章に記述した事項を厳守してください。 オーナー・船長に守っていただきたいこと ・ ご使用前に、この取扱説明書をよく読んで理解してください。 ・ 取扱説明書に従って適切なメンテナンスと定期点検を実施してください。 安全にご使用いただくために ・ ご使用前に艇体・船外機の取扱説 明書と艇体・船外機に貼り付けら れている全ての注意書きやラベル をよく読み内容を十分に理解して ください。 ・ ボートのオーバーパワーは、操縦 が不安定になり転覆等のおそれが あります。 ボートの指定最大出力を超えるエ ンジンを搭載しないでください。 ・ 船外機の機能に影響する改造は、 絶対におこなわないでください。 ・ ご使用の都度、ご使用前に必ず日 常点検を行ってください。 必要な点検項目は、この取扱説明 書の「 9 日常点検」の章に記載し てあります。 4 ・ 出航前には日常点検に併せ、各部 の作動点検をしてください。 スロットル/シフトコントロー ル、全てのスイッチ類、ステアリ ング装置が適正に機能するかを点 検してください。 ・ 排気ガスは一酸化炭素を含み中毒 をひきおこすおそれがあります。 ボートハウスなど閉め切った所で は、エンジンを始動しないでくだ さい。 ・ 気化したガソリンは引火爆発のお それがあります。 ガソリンのある付近では、火気を 絶対に使用しないでください。 ・ 最初は安全な場所でボート・船外 機の全ての装置の操作方法、操船 (発進・停止・後進・旋回)の感覚 を習得し、その後航走の練習をし てください。 【必ずお読みください】 安全に係わる情報 ・ 各種装置の操作方法、ボート・船 外機の特性の全てを完全に理解す るまでは全速で航走しないでくだ さい。 ・ 操船者自身の技術レベル、海面の 状況に合った安全なスピードで操 船することを常に心がけてくださ い。 ・ 海の気象は変わり易いものです。 常に天気予報を確認し、天気が悪 くなりそうなときは出航しないこ とや寄港することを守ってくださ い。 ・ 航行計画をマリーナ、身内又は友 人に知らせておいてください。 ・ 出航時には必ず安全備品を携行し ましょう。 いつでも使用できるよう、整理・ 整頓をして積み込んでください。 ライフジャケット・救命浮環・ アンカー・ロープ・バケツ・工 具・パドル・消火器・呼子・発 煙灯・予備燃料・救急箱 等。 ・ 乗船者は全員、日本小型船舶検査 機構認定のライフジャケットを正 しく着用してください。 ・ 酒気を帯びたり、正常な判断及び 運転技術を妨げるおそれのある薬 物を服用した状態で操船をしない でください。 ・ 乗船者に緊急事態の心得について 指導してください。 操船要領、緊急事態・トラブルが 起きたとき、どのように対処すれ ばよいかという基本的な事項を説 明してください。 ・ 海の交通法規、それぞれの使用地 域で規定された法規や条例を守っ てください。 ・ 操船中はエマージェンシーストッ プスイッチのエンジンストップス イッチコードを体の一部(手・足・ 衣服・ライフジャケット等の丈夫 な場所)に必ず付けてください。 ・ 常に守りの姿勢で操船してくださ い。 操船中は他の船舶、ボート、スキー ヤー、ダイバー、遊泳者がいない か、水中に障害物がないか、常に 全方向に細心の注意を払い、安全 なスピードで運転してください。 ・ 遊泳者には近づかないようにして ください。 ・ 遊泳時にはエンジンを停止してく ださい。 ・ 船外機の部品交換、並びに用品の 選択と組付けを行うときは、特に 注意をしてください。 不適切な、又は粗悪な部品を使用 すると、船外機の作動が不安定に なり悪影響をあたえます。 スズキ純正部品・用品及びスズキ が推奨する部品を使用してくださ い。 5 【必ずお読みください】 安全に係わる情報 セーフティラベル貼付位置 ・ 警告/注意 のラベルをよく読んで内容を理解してください。 ・ 警告/注意 のラベルを汚したり、はがしたりしないでください。 8 6 【必ずお読みください】 安全に係わる情報 7 型式と製造番号 2 型式と製造番号 船外機の型式と製造番号がクランプブラ ケットに貼りつけてあるプレートに打刻し てあります。 型式・製造番号は、スズキ特約店またはス ズキ販売店が迅速で的確なサービスを行う ために必要となります。 ߿Ƚୋ௮๔ ࣫ίτȜΠ スズキ特約店またはスズキ販売店へ本 製品のこと、アフターサービスや部品 についてのご相談時には型式と製造番 号を確認の上、正確にご連絡してくだ さい。 今後のご相談時のために、お買い求めいた だきました船外機の型式と製造番号を控え ておくと便利です。 型 式 ―― 製 造 番 号 ―― ―――― ――――――― 8 燃料とオイル 3 燃料とオイル 燃 料 8 警 告 気化したガソリンは、引火爆発のおそれがあります。 ガソリンのある付近では、火気を絶対に使用しないでください。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく火災のおそれがあります。 燃料タンクへの給油時や取扱い時には、次のことを守ってください。 ・ 火気厳禁です。タバコをすったり、火気を近づけないでください。 また燃え易いものを近づけないでください。 ・ 給油は、エンジンを停止してから行ってください。 ・ 給油は、風通しの良い所で行ってください。 ・ ポータブル燃料タンクへの給油は、タンクを船外におろして行ってくだ さい。 ・ 燃料をこぼさないでください。 こぼれたガソリンは、布などでただちに拭き取り、その布は火災及び環 境に留意して処分してください。 ・ 燃料タンクへは、規定容量以上給油しないでください。 ・ 燃料タンクキャップは、ゆっくりとあけ、給油後は、所定の位置に確実 に締めてください。 無鉛レギュラーガソリンをお使いください。 注 記 ・ 常に水やゴミ等の混入がない新しいガソリンを使用してください。 ・ ガソリンは、長期間燃料タンクに入れておくと変質します。 変質したガソリンを使用するとエンジン不調の原因になります。 9 燃料とオイル エンジンオイル 注 記 エンジンオイルは、エンジン性能と寿 命に重大な影響を与えます。 オイルは良質で、適正なものを選択し てください。 ・4サイクルエンジンオイルの良質なもの で、API 分類の SG、SH、SJ、SL 級以上を 使用してください。 ・エンジンオイルは、外気温に応じた粘度 のものをご使用ください。 SAE10W - 40 は、年間を通して使用できま す。 低温時(-5℃以下)では、エンジン の良好な始動性と運転性能を得るため に、SAE 5 W - 30 の使用を推奨します。 推奨エンジンオイル: スズキ純正「エクスターオイル」 ・API 分類:SG,SH,SJ,SL ・SAE 規格:10W - 40、10W - 30 お買い求めいただきました船外機は、 工場からはエンジンオイルが無い状態 で出荷されます。 船外機を使用する前に、必ずエンジン オイルを給油してください。 エンジンオイルの給油: 「 15 簡単な点検・整備」の章、エンジ ンオイルの項(64 ~ 65 ページ)を参 照してください。 10 燃料とオイル ギヤオイル スズキ純正 「スズキアウトボードモーターギヤオイル」 または ハイポイドギヤオイル SAE90、 API 分類 GL-5 相当品 をお使いください。 11 各部の名称 4 12 各部の名称 各部の名称 13 各部の取扱い 5 各部の取扱い エンジンストップスイッチ エンジンを停止させるスイッチです。 このスイッチには、エンジンを停止させる ために、次の2つの機能が組み込まれてい ます。 ■エンジンストップボタン スイッチ先端の赤色部分を押すと、エンジ ンが停止します。 ■エマージェンシーストップスイッチ 緊急時のエンジン停止スイッチです。 スイッチ本体の溝にプラスチックのロック プレートが差し込まれています。 操船者が通常の運転位置から外れたり、落 水等をした場合、ロックプレートがスイッ チの本体から抜けてエンジンを停止させま す。 ロックプレートに取り付けられているエン ジンストップスイッチコードを運転中に は、操船者の衣服、手、足等の身体の一部 に必ず取り付けてください。 14 ϋΐϋΑΠΛί ΑͼΛΙ ϋΐϋ ΑΠΛί δΗϋ υΛ·ίτȜΠ 各部の取扱い 8 警 告 ・ エンジンストップスイッチコードを 付けずに落水した場合、エンジンが 停止せず暴走するおそれがありま す。 運転中は、エンジンストップスイッ チコードを身体の一部に必ず付けて ください。 ・ 航走中にロックプレートが外れると 操船が困難になったり、急減速によ り同乗者が転倒するおそれがありま す。 エンジンストップスイッチコードが 身体の一部や、運転席の周辺の装備 品等に引っかかってロックプレート が不意に外れないようにしてくださ い。 ・ ロックプレートがスイッチ本体の溝 に差し込まれていないと、エンジン を始動させることができません。 ・ 予備のロックプレートは、エンジン ストップスイッチコードから取り外 し、船内の身近な場所に保管し、正 規のプレートに不備が生じた場合、 一時的にのみ使用してください。 ・ ロックプレート、ストップスイッチ コードに損傷や不備がある場合は直 ちに正常なものに交換してください。 15 各部の取扱い チョークノブ エンジン始動時、エンジンや外気が冷えて いる場合等、チョークノブを引いて混合気 を濃くします。 リコイルスターターグリップ 手動でエンジンを始動するときに操作しま す。 グリップを手ごたえのある位置までゆっく りと引き出し、そこから勢いよく引いてエ ンジンを始動させます。 NSI 装置 {始動安全装置} シフトレバーがニュートラル(中立)の位 置の場合のみ、エンジン始動装置を操作す ることができる安全装置です。 シフトレバーがニュートラル(中立)の 場合のみ ・ リコイルスターターグリップを引き 出すことができます。 16 各部の取扱い シフトレバー 前進、ニュートラル(中立) 、後進の切り替 えのシフト操作をするレバーです。 レバーをニュートラル(中立)位置から; ・前側(船首側)に倒すとクラッチがつな がり、前進します。 ・後側(船尾側)に倒すとクラッチがつな がり、後進します。 ステアリング操作力調整ノブ 操舵をするときの重さを操船者の好みに合 わせ、調整するためのノブです。 このノブは、ステアリングブラケットにあ ります。 操舵をするときの重さは ・ 調整ボルトを右に回すと重くなり、 ・ 調整ボルトを左に回すと軽くなりま す。 ティラーハンドル ティラーハンドルを左右に動かしてボート の操舵を行います。 17 各部の取扱い スロットルコントロールグリップ スロットルコントロールグリップは、ティ ラーハンドルに取り付けられています。 グリップの回しかげんでエンジン回転を調 整します。 エンジン回転は ・ グリップを右に回すと減速し、 ・ グリップを左に回すと増速します。 スロットル操作力アジャスター スロットルコントロールグリップを回すと きの重さを操船者の好みに合わせ、調整す るアジャスターです。 アジャスターは、ティラーハンドルに取り 付けられています。 コントロールグリップを回すときの重 さは ・ アジャスターを右に回すと重くなり、 ・ アジャスターを左に回すと軽くなり ます。 エンジンオイルレベル点検レンズ エンジンオイルレベル点検レンズは、エンジ ンオイルレベルの上限と下限を表示します。 オイルレベルがレンズの下限位置に近い場 合は、エンジンオイルをオイルレベルゲー ジでオイル量を確かめながら上限迄補給し てください。 ・ エンジンオイルの補給: ・「 15 簡単な点検・整備」の章、エンジ ンオイルの項(64 ~ 65 ページ)を参 照してください。 18 各部の取扱い リバースロック装置 後進時に船外機のプロペラ部の跳ね上がり を防止するための装置です。 シフトレバーを後進 ( リバース ) 側に倒す と、チルトが自動的にロックされます。 シフトレバーをニュートラル ( 中立 ) にす ると、チルトのロックが自動的に解除され ます。 船外機のチルトアップを行うときは、 シフトレバーをニュートラル ( 中立)の 位置にしてください。 シフトレバーが後進 ( リバース ) の位 置になっているときは、チルトアップ をすることができません。 チルトアップロックアーム 船外機の最大チルトアップの状態を保持し ます。 ・船外機を最大チルト位置にすると自動的 にその位置にロックされます。 ・通常の航走位置まで下げる場合は、ロッ ク 位 置 か ら さ ら に 少 し チ ル ト を 上 げ、 アームのレバーを上に引きながらゆっく りとチルトを下げてください。 19 各部の取扱い チルトピン チルトピンの差し込み位置を調節してボー トの航走姿勢を最良の状態にします。 エンジンカバーフックレバー エンジンカバーを取り外す場合、このレ バーを操作します。 ・エンジンカバーを取り外す場合は、前側 と後側にあるフックレバーを、図に示す 矢印の方向にそれぞれ引き上げてカバー のロックを解除した後、カバーを持ち上 げてください。 ・エンジンカバーの取付けは、取外しの逆 の手順で行い、取付け後、カバーがフッ クレバーで確実に固定されていることを 確認してください。 8 警 告 運転中にエンジンカバーを脱着する と、思いがけない事故につながるおそ れがあります。 運転中は、エンジンカバーを脱着しな いでください。 20 各部の取扱い 頭上燃料タンク ■燃料タンクキャップ 燃料タンクの給油口のふたです。 給油をするときは、タンクキャップを左に 回し、緩めて取り外します。 給油後は、タンクキャップを給油口に確実 に締め付けてください。 ■エアーベントスクリュー 燃料タンクキャップにエアーベントスク リューが取り付けられています。 スクリューを左に回し、緩めることにより、 タンク内に外気が流入します。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく火災のおそ れがあります。 チルトアップまたは運搬する前に、燃 料の漏れを防止するため、エアーベン トスクリューを締め付けてください。 ・ エアーベントスクリューは、 エンジ ン運転中には緩めておいてくださ い。 ・ ポータブル燃料タンク(オプショナ ル部品)にある燃料でエンジンを運 転する場合は、 ・ 頭上燃料タンクにあるエアーベン トスクリュー ・ ポータブル燃料タンクにある エアーベントスクリュー の両方を緩めておいてください。 21 各部の取扱い 燃料コック 頭上燃料タンクの中にある燃料の流れを止 めるコックです。 次の位置にレバーを操作すると、以下のよ うになります。 「 」 (開)位置 ・頭上燃料タンクから燃料経路に燃料が 流れます。 頭上燃料タンクにある燃料でエンジン を運転する場合は、レバーを「 」 (開)の位置にしてください。 ポータブル燃料タンクにある燃料でエ ンジンを運転する場合は、レバーを 「 」 (閉)の位置にしてください。 「 」 (閉)位置 ・頭上燃料タンクから燃料経路に燃料が 流れません。 運搬、保管および点検・整備をするとき は、レバーを「 」 (閉)の位置 にしてください。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく火災のおそ れがあります。 船外機を持ち運ぶ場合は、燃料の漏れ を防止するため、燃料コックのレバー を「 」 (閉)の位置にしてくだ さい。 22 各部の取扱い ポータブル燃料タンク 【オプショナル部品】 8 警 告 一般用プラスチックタンクを燃料タンクとして使用する と、強度・材質の変化によりガソリンが漏れるおそれが あります。 燃料タンクは、日本小型船舶検査機構で認定されたもの、 またはスズキ純正部品を使用してください。 スズキ純正の燃料タンクは、以下の部品で 構成されています。 ■タンク本体 ■燃料タンクキャップ タンクの燃料給油口のふたです。 給油をするときは、タンクキャップを左に 回し、緩めて取り外します。 給油後は、タンクキャップを給油口に確実 に締め付けてください。 ■エアーベントスクリュー 燃料タンクキャップにエアーベントスク リューが取り付けられています。 スクリューを左に回し、緩めることにより、 タンク内に外気が流入します。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく火災のおそ れがあります。 ・ 燃料タンクは、タンクに燃料を入れ たままで、陸上運搬をしないでくだ さい。 ・ 燃料タンクを持ち運ぶ場合は、燃料 の漏れを防止するため、エアーベン トスクリューを締め付けてくださ い。 23 各部の取扱い 8 警 告 保管または係船時は燃料タンクを空に しておいてください。 燃料ホース 【オプショナル部品】 燃料ホースには、以下の部品が組み付けら れています。 ■ホースコネクタ 燃料タンクと船外機の間で燃料ホースをつ ないだり、はなしたりする部品です。 ■スクイズポンプ エンジンを始動するときにエンジン側の燃 料系統の中に燃料を充満させるための手動 ポンプです。 24 オーバーレブ防止 6 オーバーレブ防止 オーバーレブ防止 オ ー バ ー レ ブ 防 止 機 能 は、エ ン ジ ン が 6000rpm 以上に過回転しないようにするた めの機能です。 エンジンの過回転は、急旋回をしたり、プ ロペラブレードが摩耗し過ぎたり、船外機 のトリムを大きくし過ぎた場合等が原因で 発生します。 オーバーレブ防止機能の制御が作動すると ・エンジンの回転状態が不安定になりま す。 オーバーレブ防止機能の制御の作動を解除 するには ・エンジン回転を指定の「全開使用回転範 囲(4500 - 5500rpm) 」以下に下げてくだ さい。 オーバーレブ防止機能の制御がたびた び作動する場合は、スズキ取扱店で点 検を受けてください。 注 記 オーバーレブ防止の制御が作動した状 態で継続して運転をすると、エンジン が 損 傷 す る お そ れ が あ り ま す。 オーバーレブ防止の制御が作動したと きは、エンジン回転をすみやかに指定 の「全開使用回転範囲」以下に下げて ください。 25 船外機の取付け 7 船外機の取付け 船外機の取付け 8 警 告 ・ ボートのオーバーパワーは、操縦が 不安定になり転覆等のおそれがあり ます。 指定最大出力を超えるエンジンの搭 載は、しないでください。 ・ 船外機や装備品等のボートへの適切 でない取付けは、操船不能や船外機・ ボートに損傷を招き、その結果、人 身事故に至るおそれがあります。 ボートの仕様により、船外機の取付け 方法が本書の説明と一致しない場合が あります。 不明な点については、スズキ特約店ま たはスズキ販売店に問い合わせ、取付 けの指導を受けてください。 船外機の持つ性能を完全に引き出すため に、船外機は、ボートに正しく取り付けな ければなりません。 船外機のボートへの取付けは、次の手順で 行ってください。 ■取付け高さ 船外機のアンチキャビテーションプレート が船底より 0 - 25mm 下になるように寸法を 合わせ、トランサムに取り付けてください。 26 船外機の取付け 注 記 船外機の取付け位置が高過ぎるとプロ ペラがスリ ップしたり、エンジンが オーバーヒートをする原因になりま す。反対に低過ぎると水中での抵抗が 増し、スピードの低下、多量のスプレー 上がりの原因になります。 ボートの試走を行い、最適な取付け高 さとなるように調整してください。 ■取付け位置 船外機は、ボートのトランサムの垂直中心 線と船外機の中心が一致するように取り付 けてください。 ■トランサムへの固定 ①、クランプスクリューを回して、船外機 をトランサムに固定してください。 クランプスクリューは、確実に締め付 けてください。 出航前にクランプスクリューの締め付 けに緩みがないかを点検してくださ い。 8 注 意 船外機の取付けが不完全だと、航行中、 船外機を水中に落とすおそれがありま す。 クランプスクリューやボルトは確実に 締め付け、定期的に緩みがないか点検 してください。 27 船外機の取付け ②、クランプスクリューに緩みがあると、 航行中、船外機を水中に落とすおそれ があります。 船外機の脱落を防止するために、クラ ンプブラケットをトランサムにボル ト、ワッシャー、ロックワッシャー、 ナットで締め付けてください。 注 記 ・ 技術的な知識や経験を持たずにトラ ンサムにボルトを通す穴を開ける作 業を行なうと、ボートに損傷を与え るおそれがあります。ボルト穴を開 けるために適切な道具、技術的に自 信がない場合は、スズキ特約店また はスズキ販売店にこの作業を依頼し てください。 ・ トランサムに開けたボルト穴には、 水の浸入を防止するために、シリコ ンシール剤を塗布してください。 8 警 告 船外機のボートへの適切でない取付け は、操船不能や船外機・ボートに損傷 を招くおそれがあります。 船外機をボートに取り付けた後、ステ アリングの操作やチルトの上げ下げが 艤装品等により阻害されることなく確 実にできることを確認してください。 28 燃料給油 8 燃料給油 8 警 告 気化したガソリンは、引火爆発のおそれがあります。 ガソリンのある付近では、火気を絶対に使用しないでく ださい。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく火災のおそれがあります。 燃料タンク等への給油時には、 ・ エンジンを停止してください。 ・ 風通しの良い所で行ってください。 ・ 燃料をこぼさないでください。 ・ ポータブル燃料タンクへの給油は、タンクを船外にお ろして行ってください。 ・ 燃料タンクには、満タンに給油しないでください。 満タンにすると温度上昇時に膨張し、燃料があふれで るおそれがあります。 燃料タンクへの給油 1. 燃料タンクキャップを左に回して取り 外してください。 2. 給油口から無鉛レギュラーガソリンを 給油してください。 頭上燃料タンク容量 * ポータブル燃料 タンク容量 1.5 dm3(1.5 L) 12 dm3(12 L) *ポータブル燃料タンクは別売品です。 3. 給油し終わったら燃料タンクキャップ を右にまわしてタンクの給油口に確実 に締め付けてください。 29 日常点検 9 日常点検 日常点検(出航前の点検 ) は、船外機を使用する前に行う点 検です。 8 警 告 オーナー(船長)は乗船者の安全を確保するため、船外 機を使用する前に日常点検を行ってください。 点検の結果、異状が認められた場合は、ご自身またはス ズキ取扱店で確実に整備し、不備がないことを確認して からお使いください。 次に示す各項目を入念に点検してください。 点検の結果、異状をみつけたら、その部分は必ず確実に整備 し、不備がないことを確認してからお使いください。 燃料/燃料系統 ・航行計画に対し、燃料タンクに燃 料が充分に入っているかを点検し てください。 ・燃料タンク/ホース等の燃料系統 から燃料漏れをしている所がない かを点検してください。 ・燃料ホースの接続に緩みがなく、 漏れを発生している箇所がないこ とを確認してください。 取付け状態 ・船 外 機 の 取 付 ボ ル ト に 緩 み が な く、確実に締め付けられているか を点検してください。 ・ク ラ ン プ ス ク リ ュ ー に 緩 み が な く、確実に締め付けられているか を点検してください ・チルトピンが適正な位置に取り付 けられていることを確認してくだ さい。 30 エンジンオイル ・エンジンオイルの量が、オイルレ ベルゲージに示された範囲内にあ るかを点検してください。 下限に近い場合は、上限まで補給 してください。 ・エンジンオイルの汚れを点検して ください。 汚れや変色が著しい場合は、エン ジンオイルを交換してください。 エンジンオイル量/汚れの点検: 「 15 簡単な点検・整備」の章、エン ジンオイルの項(64 ページ)を参 照してください。 リコイルスターター ・リ コ イ ル ス タ ー タ ー グ リ ッ プ の ロープに損傷がないかを点検して ください。 日常点検 プロペラ ・プロペラに曲がり、欠け、損傷が ないかを点検してください。 ・プロペラナットのコッタピンが正 しく取り付けられており、損傷が ないことを確認してください。 操縦装置 ・シフト、スロットル、ステアリン グの各操作が確実にできることを 確認してください。 スイッチ ・全てのスイッチが確実に機能し、 電気系統の装置が作動することを 確認してください。 ・エマージェンシーストップスイッ チが正しく機能することを確認し てください。 常備品 ・サービス工具、スペアパーツなど の常備品が船内にあることを確認 してください。 (付属工具、プロペラの交換ができ る工具、緊急エンジン始動ロープ、 予備プロペラ、予備スパークプラ グ、予備燃料など。) ボルト/ナット ・各 部 を 締 め 付 け て い る ボ ル ト / ナットに緩みがないかを点検して ください。 エンジン ・エンジンが速やかに始動し、円滑 に回転するかを点検してくださ い。 ・運転中にエンジンから異音の発生 がないか、冷却水が排出されてい るかを点検してください。 31 ならし運転 10 ならし運転 新しい船外機は、エンジンを高回転(高負荷)で使用する前、 次に示す時間をかけてならし運転を行う必要があります。 ならし運転を正しく行うことにより新品の各摺動部品に良好 なあたりがつきます。 これをすることにより、船外機が持ち前の性能を充分に発揮 し、船外機の寿命も延ばすことができます。 ならし運転時間; 10 時間 ならし運転は、次に説明する要領で行ってください。 注 記 ならし運転を正しく行わないとエンジンに早期の損傷を 招くおそれがあります。 ■暖機運転 暖機運転を5分以上の時間をかけて、必ず行ってください。 ■スロットル開度(エンジン回転数 ) 1. 最初の2時間 ①、 クラッチを入れ、15 分間は最低速で運転してください。 ②、 徐々に加速させ、スロットル開度を 1/2 程度まで上げ、 1/2 開度以下の範囲で運転してください。 ボートを滑走させるためには推奨スロットル開度を超え てもかまいませんが、滑走をしたら速やかに推奨スロッ トル開度にもどしてください。 32 ならし運転 2. 次の1時間 徐々に加速させ、スロットル開度を 3/4 程度まで上げ、こ の開度以下で運転してください。 スロットルを全開にして航走しないでください。 3. 最後の7時間 好みのスピードで航走し、5 分間を超えない範囲で時々ス ロットルを全開にして航走してください。 ・ ならし運転期間の最後の7時間においては、スロット ルを全開にして航走してもかまいませんが、連続して 5分間以上は全開を持続させないでください。 ・ 指示されたスロットル開度の範囲内でエンジン回転を 変えながら航走することが船外機にとって良いならし 運転の方法です。 ・ ならし運転の期間中は、過大な負荷をかけることを避 け、推奨開度以下でご使用ください。 33 運転・操作 11 運転・操作 エンジン始動 8 警 告 ・ 排気ガスは、一酸化炭素を含んでおり、中毒をひきお こすおそれがあります。 ボートハウスなど閉め切った所では、エンジンをかけ たままにしないでください。 ・ エンジンカバーなしで運転すると、フライホイール等 に触れるなど、けがをするおそれがあります。 エンジンカバーを取り外したまま運転しないでくださ い。 ・ 運転中はエンジンカバーを脱着しないでください。 ■始動前の準備: 8 警 告 遊泳者がボート、船外機のプロペラに接触すると、重大 な傷害につながるおそれがあります。 エンジンを始動する前に、ボートの周辺に障害物等がな く、また、遊泳者等がいないことを確かめてください。 注 記 この船外機は水冷式のため、冷却水がないとエンジン オーバーヒートを招きます。また、ウォーターポンプが 損傷します。 陸上で冷却水がない状態で運転しないでください。 ● 頭上燃料タンクの場合 1. 船外機のギヤケース部(アンチキャビ テーションプレート)を完全に水中に入 れてください。 2. 燃料タンクに燃料が充分にあることを 確認してください。 3. 燃料タンクキャップにあるエアーベン トスクリューを左に回して緩めてくだ さい。 34 運転・操作 4. 燃料コックのレバーを「 位置にしてください。 」 (開 ) の 5. シフトレバーをニュートラル ( 中立 ) 位 置にしてください。 シフトレバーがニュートラル位置でな いと、始動安全装置が作動し ・ リコイルスターターグリップが引け ません。 6. エンジンストップスイッチにロックプ レートを差し込み、エンジンストップス イッチコードの一端を操船者の身体の 一部(手、 足、衣服等)に付けてください。 8 警 告 エンジンストップスイッチコードを付 けずに落水した場合、エンジンが停止 せず暴走するおそれがあります。 運転中は、エンジンストップスイッチ コードを身体の一部に必ず付けてくだ さい。 35 運転・操作 ● ポータブル燃料タンクの場合 1. 船外機のギヤケース部(アンチキャビ テーションプレ-ト)を完全に水中に入 れてください。 2. 燃料タンクに燃料が充分にあることを 確認してください。 3. 燃料ホースのコネクタを燃料タンクと 船外機に接続してください。 4. 燃料タンクキャップにあるエアーベン トスクリューを左に回して緩めてくだ さい。 頭上燃料タンク側にあるエアーベント スクリューも緩めてください。 36 運転・操作 5. 燃料コックのレバーを「 の位置にしてください。 」 (閉) 6. シフトレバーをニュートラル ( 中立 ) 位 置にしてください。 シフトレバーがニュートラル位置でな いと、始動安全装置が作動し ・ リコイルスターターグリップが引け ません。 7. エンジンストップスイッチにロックプ レートを差し込み、エンジンストップス イッチコードの一端を操船者の身体の 一部(手、 足、衣服等)に付けてください。 8 警 告 エンジンストップスイッチコードを付 けずに落水した場合、エンジンが停止 せず暴走するおそれがあります。 運転中は、エンジンストップスイッチ コードを身体の一部に必ず付けてくだ さい。 37 運転・操作 8. スクイズポンプを握ったり、離したりし て、ポンプが固くなるまで、この動作を くり返してください。 ・ ポータブル燃料タンクの場合 ポータブル燃料タンクの燃料を使い 切った後、頭上タンクにある燃料で エンジンを始動する場合は、次の要 領で始動の準備をしてください。 (1) エンジン側で燃料ホースのコネク タを外します。 (2) 燃料コックのレバーを「 」( 開) の位置にします。 (始動前の準備を「頭上燃料タンク の場合」の手順に従って行います。 (34 ~ 35 ページ)を参照してくだ さい。 38 運転・操作 ■エンジンを始動するために: 1. エンジンが冷えている場合: ・チョークノブを手前に一杯まで引い てください。 エンジンが暖まっている場合: ・通常は、チョークノブを一杯に押し込 んだ状態にしてください。 2. エンジンが冷えている場合: スロットルコントロールグリップを回 し、グリップの矢印( )をスター ト位置( )A に合わせてください。 エンジンが暖まっている場合: スロットルコントロールグリップを回 し、グリップの矢印( )を暖機始 動位置( )B に合わせてください。 暖機時の始動要領: 2~3回始動を試みてエンジンが始動し ない場合は、冷機時の始動要領(チョー クノブを引き、スロットルを開ける ) で始動を試みてください。 39 運転・操作 3. リコイルスターターグリップを握り、抵 抗を感じるところまでゆっくりと引き だし、そこから勢いよく引いてくださ い。 リコイルスターターグリップをゆっく りと戻してください。 エンジンが始動するまで、この操作をく りかえしてください。 注 記 手動スターター装置の損傷を防止する ために、次のことを守ってください。 ・ エンジン始動後は、リコイルスター ターグリップを引きださないでくだ さい。 ・ リ コ イ ル ス タ ー タ ー グ リ ッ プ は、 ゆっくりと、静かに戻してください。 ・ リコイルスターターグリップは、限 界以上に引きださないでください。 4. エンジンが始動したら、チョークノブを 戻します。チョークノブは完全に戻して ください。 5. スロットルコントロールグリップを操 作し、エンジンが止まらないように回転 を調節しながら、グリップを徐々にス ロットルが全閉の状態になるように戻 してください。 6. エンジンの暖機運転を約5分間行ってく ださい。 40 運転・操作 ■検 水 エンジン始動後、検水口から冷却水が排出 されていることを確認してください。 冷却水の排出がない場合は、直ちにエンジ ンを停止し、スズキ特約店またはスズキ販 売店にご相談してください。 注 記 冷却水の排出がない状態でエンジンを 運転すると、エンジンがオーバーヒー トし、 その結果エンジンに重大な損傷 を招きます。 冷却水の排出がない場合は、エンジン を停止し、スズキ特約店またはスズキ 販売店にご相談してください。 41 運転・操作 シフト操作・スピードコントロール 前進・後進のシフト操作、スピードコント ロールは、以下の要領で行ってください。 8 警 告 遊泳者がボート、船外機のプロペラに接触すると、重大 な傷害につながるおそれがあります。 シフト操作をする前に、ボートの周辺に障害物等がなく、 また、遊泳者等がいないことを確かめてください。 注 記 エンジンが高回転時のシフト操作は、急加減速による同 乗者の転倒やクラッチ・ギヤ等の損傷のおそれがありま す。 エンジンを最低回転にしてシフトしてください。 ■前進 ೩௸ 前進側にシフトするときは; 1. スロットルコントロールグリップをス ロットル全閉の状態(最低速)に戻して ください。 2. シフトレバーをすみやかに前進側へ倒 してください。 ΣνȜΠρσȪಎၛȫ ஜૺ ■後進 ೩௸ 後進側にシフトするときは; 1. スロットルコントロールグリップをス ロットル全閉の状態(最低速)に戻して ください。 2. シフトレバーをすみやかに後進側へ倒 してください。 42 ΣνȜΠρσȪಎၛȫ ࢃૺ 運転・操作 スピードコントロール 8 警 告 後進をするとき、エンジン回転を上げ 過ぎるとボートが不安定になり操船に 支障をきたし、事故につながるおそれ があります。 後進のスピードは、必要最低限におさ え、ゆっくりと後進するようにコント ロールしてください。 エンジン回転を必要以上に上げないで ください。 8 注 意 急加減速は、同乗者の転倒を招くおそ れがあります。 スロットルコントロールグリップは、 急激に回したりしないで徐々に回して ください。 ・スピードコントロールは、前進または後 進にシフトされた後、スロットルコント ロールグリップの回しかげんにより行っ てください。 43 運転・操作 エンジン停止 エンジンを停止させる場合は、次の要領で 行ってください。 緊急にエンジンを停止しなければなら ない場合は、エンジンストップスイッ チコードを引っ張り、エマージェン シーストップスイッチからロックプ レートを引き抜いてください。 1. スロットルコントロールグリップをス ロットル全閉の状態(最低速)に戻して ください。 2. シフトレバーをニュートラル(中立)の 位置にしてください。 3. 2-3分間、アイドリング(無負荷最低 速回転)でエンジンを運転してくださ い。 4. エンジンストップボタンをエンジンが 停止するまで押し続けてください。 5. 燃料コックのレバーを「 の位置にしてください。 」 (閉) 6. ポータブル燃料タンクを使用している 場合は: ・燃料ホースコネクタを船外機から外 してください。 44 運転・操作 チルトアップ/ダウン 注 記 ・ エンジンが運転されている状態でチルトアップ/ダウンの操作をする と、エンジンがオーバーヒートし、損傷を招きます。 チルトアップ/ダウンの操作は、エンジンを停止した後に行ってくださ い。 ・ 船外機のチルトアップ/ダウンの操作を行うときに、ティラーハンドル を押し下げないでください。ティラーハンドルに損傷を招くおそれがあ ります。 チルトアップ/ダウンの操作は、チルトアップハンドルに手をかけて 行ってください。 ■チルトアップ 船外機のチルトアップを行うときは、次の 手順で行ってください。 1. シフトレバーをニュートラル(中立)の 位置にしてください。 2. エンジンを停止してください。 燃料タンクのエアーベントスクリュー を締付けてください。 3. エンジンカバー後部のチルトアップハ ンドルに手をかけ、最大チルトアップ位 置になるまで、手前(船首側)に引いて ください。 4. チルトアップロックアームが自動的に クランプブラケットの溝に入り固定さ れます。 45 運転・操作 8 警 告 船外機をチルトアップしておく場合 は、燃料漏れを防止するために、 ・ 燃料コックのレバーを「 ( 」 閉) の位置にしておいてください。 ・燃料タンクのエアーベントスク リューを締付けておいてください。 ・ 燃料ホースコネクタを船外機から外 してください。 5. 燃料コックのレバーを「 の位置にしてください。 」(閉) 6. ポータブル燃料タンクを使用している 場合は: ・燃料ホースコネクタを船外機から外 してください。 ■チルトダウン 船外機のチルトを通常の航走位置まで下げ るときは、次の手順で行ってください。 1. エンジンカバー後部のチルトアップハ ンドルに手をかけます。 2. さらに少しチルトを上げ、チルトアップ ロックアームのレバーを上に引きます。 3. ゆっくりと通常の航走位置までチルト を下げてください。 46 運転・操作 浅瀬航走 浅瀬を航走する場合は、通常の航走時より トリム角を少し大きくしてください。 8 警 告 ・ 浅瀬航走のときは、リバースロック 装置が働かないため、後進中にエン ジン回転を上げ過ぎたり、前進中に 水中の障害物に当たった時には、船 外機の下部が水面上に跳ね上がり、 けがをするおそれがあります。 浅瀬を航走している場合は、船外機 の操作に気を付け、最低速度で航走 してください。 ・ 浅瀬航走の操作 ( トリム角の調節 ) は、シフトレバーを中立(ニュート ラル)にしてから行ってください。 この船外機は、2箇所の浅瀬航走の位 置を選ぶことができます。 水深に応じ て位置を決めてください。 浅瀬航走のトリム角を調節するときは、次 の手順で行ってください。 1. シフトレバーをニュートラル(中立)の 位置にします。 2. チルトアップハンドルに手をかけて、船 外機を少し引き上げ、チルトアップロッ クアームをクランプブラケットにある 1段目(又は2段目)の溝に入れます。 この状態で浅瀬航走を行います。 47 運転・操作 注 記 ・ 浅瀬を航走しているときは、最低速 度で、障害物に気を付けながら航走 してください。 万一、障害物に接触した場合は、船 外機、ボートに損傷箇所がないかを 点検してください。 ・ 浅瀬を航走しているときは、冷却水 の吸水口が水面下にあり、検水口か ら冷却水が排出されていることを確 認しながら航走してください。 検水口から排水がないとエンジンが オーバーヒートします。 十分な水深のある場所に戻ったら、通常の トリム角に戻してください。 通常のトリム角に戻すには: 1. シフトレバーをニュートラル(中立)の 位置にします。 2. チルトアップハンドルに手をかけて、船 外機を少し引き上げ、チルトアップロッ クアームのレバーを上に引きます。 3. ゆっくりと通常の航走位置までトリム を下げてください。 48 運転・操作 係 留 エンジンを停止し、長時間使用しない場合、 浅瀬に船を係留しておく場合等は、岩や海 底に船外機の下部を打って、損傷すること を防止するために、船外機をチルトアップ させてください。 チルトアップの方法は、この章の「チルト アップ/ダウン」 (45 ~ 46 ページ)を参照 してください。 寒冷地での使用 寒冷地で使用する場合は、ギヤケースを常 に水中に入れておいてください。 陸上に上げた場合は、チルトを通常の航走 位置まで下げ、まっすぐに立てた状態で、 冷却水が船外機から抜けるような状態にし ておいてください。 注 記 寒冷地では、エンジンの冷却水経路内 に水が残っていると水が凍り、膨張し、 エンジンが損傷するおそれがありま す。 ・ 寒冷地で使用する場合は、ギヤケー スを常に水中に入れておいてくださ い。 ・ 陸上に上げた場合は、チルトを通常 の航走位置まで下げ、まっすぐに立 てた状態で、冷却水が船外機から抜 けるような状態にしておいてくださ い。 49 調 整 12 調 整 プロペラ ■プロペラの選択 注 記 ボート、使用状態に合ったプロペラが船外機に取り付け られていないと、エンジン回転数が指定の全開使用回転 範囲より高くなったり、低くなったりします。 このことは、エンジンに悪影響を与え、重大な損傷を招 く要因となります。 プロペラは、ボートに合うように選定し、全速力で航走 した時のエンジン回転が指定の全開使用回転範囲内にな るようにしてください。 ・船外機の持ち前の性能を完全に引き出すためには、プロペ ラの選択が非常に重要です。 ・スロットルを全開にして全速で航走したとき、エンジン回 転数が下記に示す「全開使用回転範囲」にあればボートに 合ったプロペラが取付けられています。 ・エンジン回転数は、船外機を取り付けたボートの種類とプ ロペラのサイズ、ボートの使用状態により異なります。 ・エンジン回転が下記の範囲にないときは、異なったピッチ のプロペラを選択し、取り付けてください。 全開使用 回転範囲 DF5 4500 - 5500 rpm プロペラの選択は、スズキ特約店またはスズキ販売店に 依頼してください。 50 調 整 トローリングスピード トローリングスピードとは、安定して 運転可能な最低速の航行スピードのこ とです。 トローリング スピード 1150 - 1250 rpm 船外機を取り付けたボートの種類、使用プ ロペラ等の条件によりトローリングスピー ドの調整が必要になる場合があります。 ■調 整 8 警 告 ・ 回転部への手、髪、衣服等の接触や 巻き込みにより、けがをするおそれ があります。 エンジンが回転している時は、手、 髪、衣服等をエンジンに近付けない でください。 ・ エンジンが回転しているときは、高 圧コードやイグニッションコイル等 の電装部品に触れないでください。 電気ショックを受けるおそれがあり ます。 トローリングスピードの調整は、ボー トを水上に浮かべて行ってください。 陸上で調整する場合は、水槽等を使い、 エンジンに冷却水を供給してくださ い。 51 調 整 トローリングスピードの調整は、次の要領 で行ってください。 1. エンジンの暖機運転を数分間、アイドリ ング回転で行ってください。 2. クラッチを前進に入れ、最低速で運転し ます。 3. ア イ ド ル ス ピ ー ド ア ジ ャ ス ト ス ク リ ュ ー を 回 し、最 も 安 定 し た 回 転 数 (1150 - 1250rpm)に調整してください。 ・スクリューを右に回すと、回転は上が ります。 ・スクリューを左に回すと、回転は下が ります。 トローリングスピードの調整が困難な 場合は、スズキ特約店またはスズキ販 売店にご相談してください。 トリム角の調整 ・ステアリングの安定性とボート・船外機 の性能を完全に引き出すために、ボート の航走姿勢を最良の状態にしなければな りません。 ・ボートの航走姿勢は、船外機のトリム角、 航走時の諸条件(海況、積み荷の量、航 走スピード等)により影響をうけます。 ・ボートの航走姿勢を最良にするために、 船外機のトリム角をチルトピンの位置を 変えることによって調整する必要があり ます。 52 調 整 8 警 告 ・ 不適切なトリム角は、航走時にボー トが安定性を失ったり、ステアリン グの操作に支障が生じ、 事故につな がるおそれがあります。 トリム角は、ボートの航走姿勢が最 良の状態になるように調整してくだ さい。 ・ トリム角の調整は、エンジンを停止 した後に行ってください。 ■調 整 トリム角の調整は、次の要領で行ってくだ さい。 1. エンジンを停止してください。 2. 船外機を最大にチルトアップし、この位 置をチルトアップロックアームで保持 してください。 3. 適切なトリム角となるように、チルトピ ンの位置を差し替えてください。 ・ ボートのバウ(船首)を上げるため には、チルトピンの位置を上の穴(後 方の穴)に差し替えてください。 ・ ボートのバウ(船首)を下げるため に は、チ ル ト ピ ン の 位 置 を 下 の 穴 (ボートのトランサム側の穴)に差し 替えてください。 53 調 整 4. 船外機のチルトを通常の航走状態まで 下げてください。 8 警 告 不適切なトリム角度の調整は、ボート の安定性や操船に支障をきたし事故に つながるおそれがあります。 チルトピンの位置をかえてトリム角の 調整をしたときは、いきなり全速力で 航走しないでください。ボートの航走 状態に気を付けながら徐々にスピード を上げてください。 ボートの航走姿勢や安定性、ステアリ ングの操作に異状を感じたときは、す みやかにスピードを落し、トリム角の 調整をやり直してください。 5. ボートのテスト走行を行い、航走姿勢が 最良の状態かを確認してください。 8 警 告 チルトピンを取り外して船外機を運転 すると、操船に支障をきたし事故につ ながることがあります。 チルトピンを取り外して船外機を運転 しないでください。 54 取外しと運搬 13 取外しと運搬 取外し 船外機を艇体から取り外す場合は、次の要 領で行ってください。 1. エンジンを停止してください。 2. 燃料コックのレバーを「 の位置にしてください。 」(閉) 3. 燃料ホースコネクタを船外機から外し てください。 (ポータブル燃料タンクを 使用している場合) 4. 燃料タンクキャップにあるエアーベン トスクリューを締め付けてください。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく火災のおそ れがあります。 船外機を持ち運ぶ場合は、燃料の漏れ を防止するため、燃料タンクキャップ にあるエアーベントスクリューを締め 付けてください。 55 取外しと運搬 5. キャブレターの下に耐ガソリン性の容 器を置いてください。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく火災のおそ れがあります。 キャブレターから燃料を排出する時 は、必ず燃料を耐ガソリン性の容器の 中へ回収し、 その燃料は火災および環 境に留意して適切に処分してくださ い。 6. キャブレターのドレンスクリューを緩 め、キャブレター内の燃料を排出してく ださい。 完全に排出し終わったら、ドレンスク リューを確実に締め付けてください。 7. ボートにクランプブラケットを締め付 けているボルト/ナットを緩めて取り外 してください。 8. クランプスクリューを緩めてください。 9. 船外機を艇体から取り外し、まっすぐに 立てた状態でギヤケースから水が出な くなるまで待ってください。 船外機の持ち運びは、 図示のようにス イベルブラケットとリヤハンドルを 持って行うか、 リヤハンドルを持って 行ってください。 56 取外しと運搬 運 搬 注 記 ・ 船外機を運搬や保管する場合、下図に示すような置き方をしないでくだ さい。 下図に示すような置き方をすると、オイルパン内のエンジンオイルがシ リンダー内に流入したり、エンジンカバー類が損傷する原因になります。 ・ 船外機を運搬や保管する場合、プロペラ部をエンジン部より高くする と、船外機の内部に水が残っていると、その水がエンジン内部に流れ込 み、エンジンが損傷するおそれがあります。 船外機を運搬や保管する場合、プロペラ部をエンジン部よりも高くしな いでください。 ・ 船外機を横置きにする場合は、船外機に溜まっている冷却水を完全に排 出してください。 冷却水が残っていると、それがシリンダーに流入し、エンジンが損傷す るおそれがあります。 船外機を運搬するには、次の方法があります。 ■船外機を立てた状態で船外機運搬用台車 に固定し、運搬する場合 8 警 告 ・ 船外機の転倒などによる思いがけな い事故を防ぐため、船外機をクラン プスクリューでしっかりと運搬用台 車に固定してください。 ・ 運搬用台車の代わりに展示用スタン ドを使用して船外機を運搬すること は危険ですので絶対におやめくださ い。 57 取外しと運搬 ■船外機を横置きにして運搬する方法 船外機を横置きにして運搬する場合は、そ の前に次の処置をしてください。 ・キャブレターから燃料を抜き取ってくだ さい。燃料を抜き取るときは、ドレンス クリューを緩めて行い、抜き取り後は、ド レンスクリューをしっかりと締め付けて ください。 (56 ページ参照) 船外機を横置きにする場合は、図のよ うに ・ シフトレバー側を上にし ・ エンジン側をプロペラ側より高くし ・ シリンダーヘッド側をリコイルス ターターグリップ側より少し高くし てください。 ・ 船外機の下にクッション材 ( 毛布、発 泡スチロール等)を敷くなどし、損 傷しないようにして床面に置いてく ださい。 8 警 告 船外機を横置きにするときは、燃料漏 れを防ぐために ・ 燃料タンクキャップがしっかりと締 め付けられていることを確認してく ださい。 ・ 燃 料 コ ッ ク の レ バ ー を「 」 (閉)の位置にしてください。 ・ 燃料タンクキャップにあるエアーベ ントスクリューを締め付けてくださ い。 58 取外しと運搬 8 警 告 こぼれたガソリンや気化したガソリンは、引火爆発、火 災につながるおそれがあります。 常に次のことを守ってください。 ・ 船外機をボートから取り外すとき、運搬・保管する場 合は、その前に燃料配管及びキャブレターから燃料を 抜き取ってください。 ・ 船外機に火気を近づけないでください。 ・ こぼれたガソリンは、すぐにふき取ってください。 8 警 告 ガソリンは引火しやすく火災のおそれがあります。 車の室内やトランクに船外機を積んだ状態で直射日光の 当たる所や高温となる場所に長時間放置しないでくださ い。車内の温度が上がり、燃料が気化して引火しやすい 環境になります。 トレーラーリング 船外機をボートに取り付けた状態で運搬す る場合は、地面と船外機の下部が接触しな いように気を付けてください。 通常の航走位置の状態で地面との間に充分 な間隔が得られないときは、船外機のチル トを上げ、図のように適切な器具を用いて 船外機の重量を保持してください。 注 記 船外機/ボートをトレーラーリングす るとき、船外機を最大チルトアップ位 置にし、その位置の保持にチルトアッ プロックアームを使用しないでくださ い。牽引中、悪い路面等を走行した場 合に発生する振動、衝撃などによりチ ルトロック機構に損傷を招き、船外機 のチルトが下がるおそれがあります。 59 定期点検 14 定期点検 ・船外機を最良の状態に保ち、安全に使用するために、下表のスケジュール に従って定期的に点検を行ってください。 ・点検の結果、船外機に不具合や異状がみられたときは、使用せずにスズキ特 約店またはスズキ販売店に点検・整備を依頼してください。 8 警 告 整備作業について、あまり技術的な知識または経験がない場合は、この船 外機の点検・整備の作業を行わないでください。 船外機の損傷等により負傷をするおそれがあります。 安全のため、ご自身の知識・技量の範囲で行ってください。 難しいことや自信のないことは、お買い上げいただきましたスズキ特約店 またはスズキ販売店におまかせください。 期 間 点検項目 エンジンオイル ギヤオイル 給油/給脂 燃料系統/ブリーザーホース スパークプラグ アノード *ボルト&ナット *燃料フィルター プロペラ プロペラナット&ピン *キャブレター *ウォーターポンプ / ポンプインペラ *バルブクリアランス *サーモスタット 最初の 20 時間 100 時間毎 200 時間毎 オフシーズン 記載 又は1ケ月後 6ケ月毎 1年毎 (長期格納時) ページ R R I R R I - - - R R I 64 71 74 I - I T I I T I - I - I I I T I I T I - - - - - - - - - - - I/R I I I I I T I I T I I I I 68 62 73 77 69 75 - - - - - I:点検、清掃、調整、給油、不具合部品は交換してください。T:締付、R:交換 60 定期点検 8 警 告 ・ 前記表中の(*)印付きの点検項目については、お買い上げいただきま したスズキ特約店またはスズキ販売店に点検・整備を依頼してくださ い。 ・ 前記表中の(*)印のない点検項目については、 「 15 簡単な点検・整備」 の章、記載ページを参照して点検を実施してください。 不明な点については、お買い上げいただきましたスズキ特約店またはス ズキ販売店にお問い合わせください。 ・ 部品交換が必要なときは、必ずスズキ純正部品、またはスズキが推奨す る部品を使用してください。 ・ 点検は、時間または月数の早く到達した方のどちらかで行ってくださ い。 ・ 前記表中の点検期間は、一般的な使用状況の船外機について定めたもの です。 業務用等により使用状況が過酷な場合は、点検期間を短縮して頻繁に点 検をしてください。 61 簡単な点検・整備 15 簡単な点検・整備 この章は、ご自身でも実施できる簡単な点検・整備の方法を説明しています。 8 警 告 点検・整備をするときは、安全に十分注意し、事故を未然に防止するため に、次のことを厳守してください。 ・ 点検・整備は、エンジンを停止して行ってください。 (エンジンを運転して点検作業をすることが本書に指示してある場合を 除く。 ) ・ 点検・整備を行うときは、火気厳禁です。 ・ 点検・整備は、安全のため、ご自身の知識・技量の範囲で行ってください。 難しいことは、お買い上げいただきましたスズキ特約店またはスズキ販 売店におまかせください。 スパークプラグ スパークプラグは、カーボンが電極に付着 したり、電極が使用に伴って徐々に消耗し たりします。 スパークプラグの状態が悪いと、エンジン 不調の原因になります。 定期的に点検・調整をしてください。 標準スパークプラグ NGK CPR6EA-9 ■取外し 8 注 意 エンジン停止直後は、スパークプラグ 本体の温度が高く、火傷をするおそれ があります。 スパークプラグが充分に冷えてから取 り外してください。 62 簡単な点検・整備 1. エンジンを停止させてください。 2. スパークプラグキャップをスパークプ ラグから取り外してください。 3. プラグレンチとハンドルを使用し、ス パークプラグを左に回して緩め、取り外 してください。 ■点 検 ・中心電極が汚損したりカーボンが付着し ていたら、きれいに洗浄してください。 ・電極が過度にカーボン等で汚損していた り、消耗している場合は、新品と交換し てください。 ・スパークプラグギャップを点検し、次の 値に調整してください。 スパークプラグギャップ; 0.8 - 0.9 mm ■取付け スパークプラグの取付けは、取外しの逆の 手順で行ってください。 スパークプラグをシリンダーヘッドに 取り付けるときは、いきなりレンチで 締め付けないでください。 最初に手で軽く一杯まで締め込んだ 後、プラグレンチで増し締めし、確実 に締め付けてください。 63 簡単な点検・整備 エンジンオイル ■オイル量、汚れの点検 ・エンジンオイルの量が、オイルレベル ゲージに示された範囲内にあるかを点検 してください。 ・またゲージに付着したオイルを布などに 付着させて、汚れ具合も点検してくださ い。 点検は船外機をまっすぐに立てた状態 で、エンジン停止後2ー3分以上たっ てから行ってください。 1. 船外機をまっすぐに立てた状態にして ください。 エンジンカバーを取り外してください。 2. オイルレベルゲージを緩めて抜き取り、 付着しているオイルを拭き取ってくだ さい。 3. 再び元の穴へいっぱいに差し込み、もう 一度静かに抜いてゲージに付いたオイ ルを調べてください。 オイルレベルは、 図のようにオイルレ ベルゲージをネジ込まないで確認して ください。 4. 下限に近いときは、推奨エンジンオイル をゲージの上限になるまで補給してく ださい。 64 簡単な点検・整備 ■エンジンオイルの補給 8 警 告 エンジンオイルを取り扱う前に、容器 に記載してある注意文をよく読んでく ださい。 注 記 ・ 銘柄やグレードの異なるエンジンオ イルを混用したり、低品質のオイル を使用しないでください。 オイルの変質を招き、その結果エン ジンが故障する原因になります。 ・ エンジンオイルを補給するときは、 オイルの注入口からゴミや水などが 入らないように気を付けてくださ い。 1. オイルレベルゲージを取り外し、推奨エ ンジンオイルをオイルレベルゲージで オイル量を確かめながら上限まで補給 してください。 2. オイルレベルゲージを確実に締め付け てください。 3. エンジンを2ー3分間アイドリング運 転した後、エンジンを停止し、再度オイ ルレベルゲージでオイル量を確認して ください。 ・ オイルは規定量より多くても少なく てもエンジン不調の原因になりま す。 ・ オイルをこぼしたときは、完全に拭 き取ってください。 65 簡単な点検・整備 ■エンジンオイル交換 エンジンオイル交換時期: ・ 初回、新機を使用しはじめたとき から 20 時間後 ・ 以後、100 時間、または6ヶ月ごと 8 注 意 エンジン停止直後は、エンジン本体、オ イルが熱くなっており、火傷を負うお それがあります。 エンジンオイル交換は、エンジンが充 分に冷えてから行ってください。 8 警 告 エンジンオイル交換をするときは、船 外機の転倒などにより思いがけない事 故を防ぐため、船外機をボートのトラ ンサムまたは船外機スタンドにしっか りと固定してください。 エンジンオイルの交換は、次の要領で行っ てください。 1. 船外機をまっすぐに立てた状態にして ください。 2. エンジンカバーを取り外してください。 3. オイルレベルゲージを取り外してくだ さい。 4. 排油受皿をオイルドレンスクリューの 下に置いてください。 5. オイルドレンスクリューを緩めて取り 外し、オイルを抜いてください。 排出したオイルは、みだりにすてない でください。 法律や条例などに従い、定められた方 法で処理をしてください。 66 簡単な点検・整備 6. 完全に排出し終わったら、ガスケットと オイルドレンスクリューを取り付け、ス クリューを確実に締め付けてください。 注 記 取り外したガスケットを再使用すると エンジンオイルが漏れることがありま す。 ガスケットは、必ず新しいものを使用 してください。 7. 推奨エンジンオイルを、オイルレベル ゲージでオイル量を確かめながら上限 まで補給してください。 オイル量: 0.7dm3(0.7L) (上限レベル迄) 8. オイルレベルゲージを確実に締め付け てください。 9. エンジンを始動し、オイル漏れをしてい る箇所がないことを確認してください。 10. エンジンを2ー3分間アイドリング運 転した後、エンジンを停止し、再度オイ レベルゲージでオイル量を確認してく ださい。 67 簡単な点検・整備 燃料系統 / ブリーザーホース 8 警 告 気化したガソリンは、引火爆発のおそ れがあります。 ガソリンのある付近では、火気を絶対 に使用しないでください。 8 警 告 燃料漏れは、火災、爆発のおそれがあ り、その結果、重大な人身事故になる 可能性があります。 燃料系統に漏れ、損傷等の不備がある ときは、燃料系統の整備をスズキ特約 店またはスズキ販売店に依頼してくだ さい。 ■燃料系統 燃料タンク/燃料ホース等の燃料系統にお いて、次の点検をしてください。 不具合がある場合は、スズキ特約店または スズキ販売店に整備を依頼してください。 ・燃料タンク、燃料ホース等の燃料系統の 構成部品に損傷、劣化、燃料漏れ等の不 備がないことを確認してください。 ・燃料ホースの接続部がホースバンドで確 実に締め付けられていることを確認して ください。 68 簡単な点検・整備 ■ブリーザーホース ブリーザーホースに漏れ、割れ、その他の 損傷がないかを点検してください。 不具合がある場合は、 スズキ特約店または スズキ販売店に整備を依頼してください。 燃料フィルター 8 警 告 気化したガソリンは、引火爆発のおそ れがあります。 ガソリンのある付近では、火気を絶対 に使用しないでください。 8 警 告 ガソリンは、引火しやすく、火災のお それがあります。 こぼれたガソリンは、布などで完全に 拭き取り、その布は、火災及び環境に 留意して処分してください。 フィルター内に水、ゴミの混入がないかを 点検してください 69 簡単な点検・整備 ■点検と清掃 燃料フィルターの清掃や点検をオーナー・船長自身で行う場合は、次の要領 で行ってください。 8 警 告 ガソリンは引火しやすく、火災のおそれがあります。 燃料フィルターの清掃や点検は、エンジンを停止し、エンジンが充分に冷 えたことを確認した後、作業をしてください。 1. エンジンを停止させてください。 燃料コックのレバーを「 」 (閉) の位置にしてください。 2. 燃料フィルターの下に吸収性のあるタ オル等の布を置いてください。 3. 燃料フィルターの吸入側から燃料ホー スを取り外してください。 4. 燃料フィルターに損傷がないか、フィル ターの内部がゴミなどで詰まっていな いかを点検してください。 損傷、詰まりがある場合は、燃料フィル ターを交換してください。 燃料フィルターを交換する場合は、フィ ルター本体にある矢印マーク( )を 図示のように向けてください。 5. 燃料フィルターに燃料ホースを接続し、 接続部分をホースバンドでしっかりと 固定してください。 6. エンジンを始動し、燃料フィルターから 燃料漏れがないことを確認してくださ い。 燃料フィルターは、2 年(400 時間)毎 に定期的に交換することを推奨します。 70 簡単な点検・整備 ギヤオイル オイル交換時期; ・ 初回、新機を使用し始めたときから 20 時間後、または1ヶ月後。 ・ 以後、100 時間、または6ヶ月ごと ■オイル交換 ギヤオイルの交換は、次の要領で行ってく ださい。 8 警 告 ギヤオイルの交換をするときは、船外 機の転倒などにより思いがけない事故 を防ぐため、船外機をボートのトラン サムまたは船外機スタンドにしっかり と固定してください。 1. 船外機をまっすぐに立てた状態にして ください。 2. 排油受皿をギヤケースの下に置いてく ださい。 環境や資源を保護するために、排出した オイルは、みだりにすてないでくださ い。 法律や条例等に従い、定められた方法で 処理をしてください。 3. オイルドレンプラグとオイルレベルプ ラグをドライバーで緩め、取り外してく ださい。 71 簡単な点検・整備 注 記 ギヤオイルに水が混じると、ギヤケー ス内の部品が損傷するおそれがありま す。 排出したギヤオイルを注意深く観察 し、オイルに水が混じり白濁して(白 くにごって)いたら、至急、スズキ特 約店またはスズキ販売店に点検・整備 を依頼してください。 4. オイルを完全にギヤケースから排出し てください。 5. 推奨ギヤオイルをオイルドレンプラグ 穴から注入してください。 推奨ギヤオイル; スズキアウトボードモーターギヤオイル または ハイポイドギヤオイル SAE90 、 API 分類 GL-5 相当品 ギヤオイル規定量 約 190cm3(190cc) 6. 注入したオイルがオイルレベル穴から 出はじめたら、オイルレベルプラグを締 め付けてください。 7. オイルドレンプラグを即座に締め付け てください。 72 簡単な点検・整備 注 記 オイルドレンプラグやオイルレベルプ ラグの緩みは、ギヤケース内への水の 浸入の原因になります。 各々のプラグは、新しいガスケットを 使用し、確実に締め付けてください。 ■ギヤオイルレベルの点検 ギヤオイルレベルの点検は、オイルレベル プラグを取り外して行います。 船外機をまっすぐに立てた状態で、オイル がオイルレベルプラグ穴の下端まであれ ば、オイルレベルは適正です。 アノード アノードは、船外機を腐食から守る犠牲金 属で、使用時間の経過とともに減少します。 定期的に点検を行い、新品の大きさの 2 / 3 ぐらいまで減ったら、新しい物と交換をし てください。 注 記 ・ アノードに塗料等を塗ると電蝕防止 の効果が無くなります。 アノードに塗料等を塗らないでくだ さい。 ・ アノードの効果を確実にするため に、アノードの表面を定期的にワイ ヤーブラシ等できれいにしてくださ い。 ・ アノードは、船外機の腐食を防ぎま す。必ず所定の位置に取り付けてく ださい。 73 簡単な点検・整備 給 油/給 脂 船外機の各作動部のスムーズで確実な作動を確保するため に、定期的に給油/給脂を行うことが必要です。 次に給油/給脂箇所と推奨油脂を記載します。 位 置 油 脂 位 置 油 脂 スイベルブラケット スロットルケーブル スズキ ウォーター レジスタント グリスを塗布 シフトレバー スズキ ウォーター レジスタント グリス ( グリスガン を用いて注入 してください。 ) クランプスリュー ステアリングブラケット プロペラシャフト ステアリングブラケットへグリスを注入するときは、その前に船外機を チルト角が最大になるまでチルトアップさせてから行なってください。 74 簡単な点検・整備 ステアリングブラケットのグリス注入口は、上側2ヶ所は開放穴タイプ、 下側1ヶ所はニップルタイプです。それぞれのグリス注入口に合ったグ リスガンを使用して、グリスを注入してください。 適切な工具がない場合は、スズキ特約店またはスズキ販売店に相談して ください。 プロペラ 8 警 告 プロペラの取付け、取外しを行うときに注意を怠ると、重大な傷害を招く おそれがあります。 偶然にエンジンが始動することを防止するために、プロペラの取付け、取 外し等を行う前に、次のことを実施してください。 ・ シフトレバーをニュートラルにしてください。 ・ ロックプレートをエマージェンシーストップスイッチから取り外して ください。 ・ スパークプラグキャップをスパークプラグから取り外してください。 8 注 意 プロペラブレードは、薄く鋭利で不用意に取り扱うとけがのおそれがあり ます。 ・ 交換や異物の除去作業時には、手袋をして気を付けて行ってください。 ・ 手を保護するために、プロペラナットを緩めたり、締め付けたりすると きは、プロペラブレードとアンチキャビテーションプレートの間に適当 な木片を置き、プロペラをロックしてください。 ■点 検 ・プロペラに過度の摩耗、損傷、欠け、曲 がり、腐食がないかを点検してください。 ・点検の結果、損傷等が著しいものは、交 換してください。 75 簡単な点検・整備 ■プロペラの取外し プロペラの取外しは、次の要領で行ってく ださい。 1. コッタピンを伸ばし、取り外してくださ い。 2. プロペラナットを緩め、取り外してくだ さい。 3. プロペラ、ストッパーを順次プロペラ シャフトから取り外してください。 ■プロペラの取付け プロペラの取付けは、次の要領で行ってく ださい。 1. プロペラシャフトにスズキウォーター レジスタントグリスを塗布してくださ い。 ワッシャーをプロペラシャフトに取り 付けてください。 2. ストッパーをプロペラシャフトに取り 付けてください。 ストッパーは、穴に斜めの加工がしてあ る方をギヤケース側に向けて取り付け てください。 76 簡単な点検・整備 3. プロペラをプロペラシャフトに取り付 けてください。 4. プロペラナットを締め付けてください。 プロペラナットの穴とプロペラシャフ トの穴を一致させてください。 5. コッタピンをプロペラナットの穴に通 し、ナットが緩んで脱落しないように折 曲げてください。 ボルト&ナット 船外機の主要構成部品の締付けボルトと ナット(シリンダーヘッドボルト、エンジ ン締付けボルト、ロワーユニット締付けボ ルト等)に緩みがないかを点検してくださ い。 締付けに緩みがある場合は、増し締め をしてください。 77 冷却水経路の洗浄 16 冷却水経路の洗浄 海水または泥水で使用した後は、その都度 真水で冷却水の通路を洗浄し、塩分または 泥を取り除いてください。 ■洗浄のしかた A.エンジンを運転して行う場合 冷却水通路の洗浄は、次の手順で行ってく ださい。 8 警 告 回転しているプロペラに触れると、け がのおそれがあります。 陸上で運転する場合は、プロペラを必 ず取り外してください。 1. プロペラを取り外してください。 プロペラの取外し: 「 15 簡単な点検・整備」の章、プロペラ の項(75 ~ 76 ページ)を参照してくだ さい。 2. 船外機を図のように水槽へ取り付けて ください。 3. 水槽の中に真水を入れてください。 注 記 エンジンは、運転中に冷却水の循環が ないと損傷します。 エンジンを運転する場合は、必ず冷却 水を供給してください。 78 冷却水経路の洗浄 4. シフトレバーをニュートラル(中立)に し、エンジンを始動してください。 5. エンジンをアイドリング回転(無負荷最 低速回転)で約5分間運転してください。 6. エンジンを停止してください。 7. プロペラを取り付けてください。 プロペラの取付け: 「 15 簡単な点検・整備」の章、プロペラ の項(75 ~ 77 ページ)を参照してくだ さい。 8. 船外機の外部を真水で洗浄し、乾いた布 で水分を拭き取ってください。 79 冷却水経路の洗浄 B.エンジンを止めて行う場合 エンジンを止めた状態で冷却水経路の洗浄 を行う場合は、次の要領で行ってください。 洗浄をする時に使用するフラッシュ ホースコネクタは、オプショナル部 品です。スズキ特約店またはスズキ 販売店でお買い求めください。 8 警 告 回転しているプロペラに触れると、け がのおそれがあります。 洗浄中にエンジンを始動しないでくだ さい。 1. エマージェンシーストップスイッチか らロックプレートを取り外してくださ い。 2. エンジンをまっすぐに立てた(通常の航 走)状態にします。 3. フラッシュプラグを緩め、取り外してく ださい。 80 冷却水経路の洗浄 4. フ ラ ッ シ ュ ホ ー ス コ ネ ク タ を フ ラ ッ シュプラグが取付けられていた穴に取 り付けてください。 5. 水道のホースをフラッシュホースコネ クタに接続してください。 6. 水道栓を開いて送水します。 検水口から冷却水が充分に出ているこ とを確認してください。 この状態で5分間以上、水を流し続けて ください。 7. 洗浄が終わったら、フラッシュホースコ ネクタを取り外し、フラッシュプラグを 元の位置にしっかりと締め付けてくだ さい。 注 記 フラッシュプラグの締付け不良は、冷 却水が漏れ て、エンジンがオーバー ヒートをする原因になります。 フラッシュプラグは、確実に締め付け てください。 8. 船外機の外部を真水で洗浄し、乾いた布 で水分を拭き取ってください。 81 長期格納 17 長期格納 格納前の整備 船外機を格納する前に点検・整備を行ってください。 この点検・整備は、お買い上げいただきましたスズキ特約店 またはスズキ販売店にお持ち込みいただき、依頼することを 推奨します。 オーナーの方がご自身で、この点検・整備を行う場合は、次 の要領で行ってください。 1. 船外機の冷却水経路を真水で洗浄してください。 冷却水経路の洗浄: 「 16 冷却水経路の洗浄」の章(78 ページ)を参照し てください。 2. エンジンをアイドリングにした状態で、燃料コックのレ バーを「 」 (閉)の位置にしてください。 ポータブル燃料タンクを使用している場合は、燃料ホース コネクタも船外機から外してください。 しばらくするとエンジンは、自然に止まります。 3. 船外機の外部を真水で洗浄し、乾いた布で水分を拭き取っ てください。 4. 燃料タンクの中に燃料が残っていたら、燃料を抜き取って ください。 5. キャブレターのドレンスクリューを緩め、キャブレター内 に残っている燃料を完全に排出してください。 ドレンスクリューを締め付けてください。 (56 ページ参照) 82 長期格納 6. ギヤオイルを交換してください。 ギヤオイルの交換: 「 15 簡単な点検・整備」の章、ギヤオイルの項(71 ~ 73 ページ)を参照してください。 7. エンジンオイルを交換してください。 エンジンオイルの交換: 「 15 簡単な点検・整備」の章、エンジンオイル交換の 項(64 ~ 67 ページ)を参照してください。 8. 給油/給脂箇所にグリスを注入してください。 給油/給脂箇所: 「 15 簡単な点検・整備」の章、給油/給脂の項(74 ページ)を参照してください。 9. 船外機は、直射日光を避け、乾燥した、風通しの良い場所 に立てて保管してください。 格納後(使用前)の整備 長期格納後、再び使用する前に、次に示す点検・整備を行っ てください。 1. スパークプラグを点検してください。 汚損が著しいものは、交換してください。 2. ギヤオイルが適正なレベルにあるかを点検してください。 3. エンジンオイルが適正なレベルかを点検してください。 4. 給油/給脂箇所にグリスを注入してください。 5. 船外機の外装部をきれいに掃除してください。 83 トラブルと対処 18 トラブルと対処 トラブルシューティング 故障は、常日頃の行き届いた点検・整備により未然に防止することができま す。 故障の多くは、取扱いの不慣れや整備不良に起因しています。 故障、不具合が発生したときは、スズキ特約店またはスズキ販売店にご相談 してください。 次に最も多いと考えられる故障と、その推定原因を列記しますので参照して ください。 推 定 原 因 故 障 の 種 類 エ 始ン 動ジ しン なが い 始 す動 ぐす 止る まが る ア イ ド のリ 不ン 調グ 加 速 性 が 悪 い がエ 異ン 常ジ にン 高回 い転 がエ 異ン 常ジ にン 低回 い転 速 度 が 遅 い エ ン 過ジ 熱ン すが る 燃料切れ ○ 燃料系統接続不良 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 燃料系統のエアー吸い込み ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 燃料ホースのねじれ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ エアーベントの開け忘れ(燃料タンク ) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 燃料フィルター、ポンプ、キャブレターの詰り ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 低質エンジンオイルの使用 低質ガソリンの使用 ○ 燃料の吸い込みすぎ ○ キャブレターの調整不良 ○ スパークプラグ仕様違い スパークプラグの汚損、スパーク不良 ○ ○ 冷却水が上がらない又は少ない サーモスタットの作動不良 ○ ○ キャビテーションの発生 ○ ○ プロペラの選択が不適当 ○ ○ ○ ○ ○ プロペラの損傷・破損 ○ ○ ○ ○ ○ 積荷の積載位置が不適当 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ トランサム高さが不適当 エンジンストップスイッチの短絡 ○ スロットルリンクの調整不良 ○ 84 ○ ○ ○ ○ トラブルと対処 水没船外機の処置 万一、船外機を水中に落としたときは、エ ンジンを完全に分解し、整備をしなければ なりません。 処置が遅れると、エンジンに致命的な損傷 を与えることになります。 水中に落としたときは、応急手当として次 の処置をしてください。 1. 船外機をできるだけ早く、水中から引き 上げてください。 2. 船外機を真水で洗浄し、塩分、泥等の汚 れを取り除いてください。 3. スパークプラグを取り外してください。 リコイルスターターグリップを引き、シ リンダー内に入った水を排出してくだ さい。 4. エンジンオイルに水の混入がないかを 点検してください。 水が混入している場合は、オイルドレン スクリューを緩めて取り外し、オイルを 排出してください。 オ イ ル を 排 出 し た 後 は、ド レ ン ス ク リューを締め付けておいてください。 5. キャブレターから水/燃料を抜き取っ てください。 6. エンジンオイルをスパークプラグ穴か ら注入してください。 リコイルスターターグリップを引いて、 エンジン内部の各部品にオイルを行き わたらせてください。 7. 即刻、スズキ取扱店に持ち込み、エンジ ンの分解・整備を依頼してください。 85 トラブルと対処 緊急時の始動要領 エンジン始動装置が故障した場合で、緊急にエンジンを始動させる必要があ るときは、次の要領で始動を試みてください。 8 警 告 ・ 緊急始動ロープを用いてエンジンを始動する操作は、緊急事態のみとし てください。 始動装置に不備があるときは、すみやかにスズキ特約店またはスズキ販 売店に修理を依頼してください。 ・ 緊急始動ロープでエンジンを始動するときは、始動安全装置が働きませ ん。 シフトレバーがニュートラル(中立)の位置にないと急発進し、事故に つながるおそれがあります。 始動時には、必ずシフトレバーをニュートラル(中立)の位置にしてく ださい。 ・ 回転部への手、髪、衣服の接触や巻き込みにより、けがをするおそれが あります。 エンジンが回転しているときは、フライホイール等の回転部に手、髪、 衣服を近付けないでください。 ・ エンジンが回転しているときは、高圧コードやイグニッションコイル等 の電装部品に触れないでください。 電気ショックを受けるおそれがあります。 1. シフトレバーをニュートラル(中立)に してください。 エマージェンシーストップスイッチか らロックプレートを取り外してくださ い。 86 トラブルと対処 2. エンジンカバーを取り外してください。 3. リコイルスターターを締め付けている 3本のボルトを緩め、取り外してくださ い。 コイルスターターを取り外してくださ い。 4. ロックナットを緩め、ケーブルブラケッ トから NSI ケーブルを取り外してく ださい。 5. シフトレバーから NSI ケーブルエン ドを取り外してください。 6. 通常の「エンジン始動」の手順に従って 始動の準備をしてください。 ・通常の「エンジン始動」; 「 11 運転・操作」の章、エンジン始動 の項(34 ~ 38 ページ)を参照してく ださい。 87 トラブルと対処 7. 付属工具袋から緊急始動ロープを取り 出し、ロープの一端に結びを作り、他方 の端をドライバーのハンドルにしばり 付けてください。 8. 緊急始動ロープをフライホイールに右 図のように右まわりに巻き付けてくだ さい。 9. ロックプレートをエマージェンシース トップスイッチに取り付けてください。 8 警 告 フライホイールにふれると、けがをす るおそれがあります。 エンジン始動後にリコイルスター ター、エンジンカバーを取り付けない でください。 10. 緊急始動ロープを勢いよく引いてエン ジンを始動させてください。 11. エンジンが始動するまで、手順 8 - 10 をくり返してください。 12. チョークノブを元の位置に押し込んで ください。 88 仕様諸元 19 仕様諸元 機 種 項 目 全 長 × 全 幅 × 全 高 ト ラ ン サ ム 高 さ 重 量 船 外 機 型 式 最 大 出 力 全 開 使 用 回 転 範 囲 エ ン ジ ン シリンダー数×内径×行程 総 排 気 量 排 気 方 式 冷 却 方 式 潤 滑 方 式 始 動 方 式 点 火 方 式 ス パ ー ク プ ラ グ エ ン ジ ン オ イ DF 5 554mm × 309mm × 1064mm(トランサム:S) 554mm × 309mm × 1191mm(トランサム:L) 442mm〔チルト:3〕(トランサム:S) 569mm〔チルト:3〕(トランサム:L) 27kg(トランサム:L) 00502F 3.7kW(5PS)/5000rpm 4500 ~ 5500rpm 4サイクル 1 × 62mm × 46mm 138cm3(138cc) 水中排気 直接水冷式(ゴムインペラ) 強制潤滑(オイルポンプ使用) リコイルスターター(手動式) デジタル CDI CPR6EA-9 4 サイクルモーターオイル ル ・ API 分類:SG ・ SH ・ SJ ・ SL 級 エ ン ジ ン オ イ ル 規 定 量 ギ ヤ オ イ ル 規 定 量 使 用 燃 料 ・ SAE 規格:10W-40,10W-30 0.7dm3 (0.7L) 190cm3(190cc) 無鉛レギュラーガソリン 1.5dm3(1.5L)〔頭上タンク〕 燃 料 タ ン ク 容 量 12dm3(12L)〔ポータブル燃料タンク〕* *ポータブル燃料タンクはオプション部品です。 89 配線図 20 DF5 90 配線図 製品についてのご相談、ご要望は 製品のことやアフターサービスなどについてのご相 談、ご要望がありましたら、お買い上げいただきまし たスズキ販売店、または次ページに記載されている、 お近くのスズキ特約店にご相談ください。 お客様のご相談に対して的確な判断と迅速な処理を するために次の事項を必ずご確認のうえ、ご相談くだ さい。 ①製品名及び型式、製造番号 ②ご購入年月日 ③ご相談内容 ④お客様のご住所、お名前、電話番号 スズキ株式会社の窓口は……… 〒 432-8611 浜松市南区高塚町 300 番地 お客様相談室 電話: フリーダイヤル 0120-402-253 受付時間 月曜から金曜(除く祝日) 9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 17:00 ※ 弊社お客様相談室におけるお客様の個人情報の取り扱いについ ては、スズキ株式会社ホームページにて掲載していますのでご 覧ください。 (http://www.suzuki.co.jp) 91 府県名 特約店名 北海道 (株)スズキマリン 青 森 (株)スズキ自販青森 電話番号 北海道営業所 所 在 地 011-712-6201 札幌市東区北 30 条東 1 丁目 1-44 017-781-5114 青森市石江字高間 47-1 岩 手 (有)スズキ船外機商会 0194-53-5181 久慈市長内町 37-21-11 宮 城 (株)スズキマリン 022-284-8310 仙台市宮城野区扇町 5 丁目 11-3 宮 城 気仙沼スズキ販売 0226-23-1437 気仙沼市田谷 20-11 神奈川 (株)スズキマリン 関東営業所 045-958-2101 横浜市旭区川井本町 105-2 静 岡 (株)スズキマリン スズキマリーナ浜名湖 053-578-2452 湖西市新所 4494-90 愛 知 (株)スズキマリン スズキマリーナ三河御津 0533-76-3521 豊川市御津町御幸浜 1 号地 1 番 25 東北営業所 愛 知 (株)スズキマリン 中部営業所 052-613-5656 名古屋市南区元塩町 6-24 三 重 (株)スズキマリン 白子マリーナ 059-387-3567 鈴鹿市江島本町 16-31 富 山 (株)スズキマリン 北陸営業所 0766-86-3750 射水市新堀 39 兵 庫 (株)スズキマリン 関西営業所 078-978-6010 神戸市西区伊川谷町有瀬 1567 番地 1 岡 山 東中国スズキ自動車 (株) 086-424-8600 倉敷市沖 8-1 香 川 (株)スズキマリン 四国営業所 087-881-7830 高松市鬼無町山口 703-1 広 島 (株)スズキマリン 中国営業所 福 岡 九州スズキ販売 (株) 082-424-1144 東広島市西条中央 4 丁目 10-48 092-411-5575 福岡市博多区榎田 1-1-4 熊 本 (株)スズキマリン 九州営業所 096-312-5166 熊本市平田 1 丁 1-6 熊 本 (株)スズキマリン スズキマリーナ熊本 0964-53-0714 宇城市三角町戸馳 11 大 分 岡田モーター販売 (資) 0972-22-0789 佐伯市中の島 2-21-24 沖 縄 (株)スズキ自販沖縄 098-855-6111 那覇市字上間 531-1 92 点検・整備記録表 定期点検 点検時期 実施販売店 実施者氏名 実施日 初回 20 時間目 ・ ・ ・ 6 ヶ月目 ・ ・ ・ 12 ヶ月(1年)目 ・ ・ ・ 18 ヶ月目 ・ ・ ・ 24 ヶ月 (2 年 ) 目 ・ ・ ・ 30 ヶ月目 ・ ・ ・ 36 ヶ月 (3 年 ) 目 ・ ・ ・ 42 ヶ月目 ・ ・ ・ 48 ヶ月 (4 年 ) 目 ・ ・ ・ 54 ヶ月目 ・ ・ ・ 60 ヶ月 (5 年 ) 目 ・ ・ ・ 66 ヶ月目 ・ ・ ・ 72 ヶ月 (6 年 ) 目 ・ ・ ・ * 点検の内容は、この取扱説明書の「定期点検」の章に記載してあります各項目 に従ってください。 * その他の整備を行った場合は、整備の主内容を次ページにご記入してください。 * 点検整備は、お客様の費用と責任で行ってください。 93 その他の整備 整備内容 94 実施販売店 実施者氏名 実施日 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2014.05 TK