Comments
Description
Transcript
総合駐車対策マニュアル―総合的な駐車対策の推進
総合駐車対策マニュアル 概要版 −総合的な駐車対策の推進− 平成19年 1 月 東 京 都 都 市 整 備 局 1 2 総合駐車対策マニュアルの作成にあたって 自動車交通の発展は、都民の経済活動や日常生活に多大な利便性を もたらしてきました。その反面、常態化している路上駐車は、交通事 故の増加や交通渋滞といった都市の交通環境を悪化させる原因となっ ているとともに、環境負荷の増大などさまざまな弊害をもたらしてい ます。 路上駐車を削減して安全で快適な交通環境を確保するためには、違 法駐車の取締りとともに、駐車場の整備や案内誘導などを通じて駐車 場をより一層有効に活用し、総合的な駐車対策を推進していく必要が あります。 東 京 都 で は 、平 成 3 年 に 駐 車 施 設 整 備 の 基 本 的 な 考 え 方 で あ る 「 駐 車施設対策の基本方針」を策定して、駐車場の整備を促進し路上駐車 の削減に一定の成果をあげてきました。 しかし、都内では整備された駐車場が必ずしも有効に活用されてい ない状況や、荷さばき車両や自動二輪車などの駐車問題が顕在化して きており、こうした課題に的確に対応していくことが強く求められて います。 一 方 、 平 成 18 年 6 月 か ら は 、 違 法 駐 車 の 取 締 り 関 係 事 務 の 民 間 委 託など新たな取締りが開始され、その効果が期待されています。 都は、こうした状況を踏まえ、駐車場を整備するだけの対策にとど まらず、既存の駐車場を有効に活用して多様化する駐車問題に的確に 対応していくため基本方針を見直し、区市町村の総合駐車対策の計画 づくりや実施の際の手引きとなる「総合駐車対策マニュアル」を作成 しました。 駐車対策を効果的に進めていくためには、行政と地域住民、さらに は警察などが連携・協力し、地域の実情を踏まえた対策を実施するこ とが不可欠です。 今 後 、本 マ ニ ュ ア ル を 基 に 、安 全 で 快 適 な 交 通 環 境 の 確 保 に 向 け て 、 区市町村や関係団体などと連携し、総合的な駐車対策に積極的に取り 組んでいきます。 平成19年1月 東京都都市整備局 3 《 第 1章 目 次 》 「総合駐車対策マニュアル」作成のねらい 1 「総合駐車対策マニュアル」の位置付け ・・・・・・・・ 1 2 駐車問題の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3 多様化している駐車問題 ・・・・・・・・・・・・・・・ 5 4 東京都の駐車対策の取り組み ・・・・・・・・・・・・・ 6 第 2章 総合駐車対策の基本的な考え方 1 駐車問題に対する基本的考え方 ・・・・・・・・・・・・ 8 (1) 都市活動を活性化させる交通環境の確保 ・・・・・・・ 8 (2) 駐車需要に応じた駐車場の整備 ・・・・・・・・・・・ 8 (3) 駐車場の整備から活用へ ・・・・・・・・・・・・・・ 8 (4) 地域と一体となった総合的な駐車対策 ・・・・・・・・ 9 (5) 駐車モラル向上のための環境づくり ・・・・・・・・・ 9 (6) 行 政 と 民 間 の 役 割 分 担 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 0 2 駐 車 施 設 対 策 の 基 本 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 1 (1) 区市町村による総合駐車対策基本計画等の策定促進 ・ ・ ・ ・1 1 ( 2 ) 駐 車 需 要 に 応 じ た 駐 車 場 の 整 備 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 1 ( 3 ) 既 存 駐 車 場 の 有 効 活 用 の 促 進 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 2 ( 4 ) 多 様 化 し て い る 駐 車 問 題 へ の 対 応 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 3 第 3章 第 4章 区市町村における総合駐車対策の展開 1 総 合 駐 車 対 策 マ ニ ュ ア ル の 活 用 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 5 2 総 合 駐 車 対 策 基 本 計 画 の 標 準 的 な 考 え 方 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 6 総 合 駐 車 対 策 事 例 集 ( 抜 粋 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 7 − 総 合 的 な 駐 車 対 策 の 推 進 に 向 け て − ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・2 5 4 第 1章 「 総 合 駐 車 対 策 マ ニ ュ ア ル 」 作 成 の ね ら い 1 「総合駐車対策マニュアル」の位置付け 路 上 駐 車 問 題 を 解 決 す る た め の 基 本 的 な 考 え 方 は「 駐 車 場 の 整 備 」、 「 駐 車 場 利 用 の 促 進 」、 「 違 法 駐 車 の 取 締 り 」を 一 体 的 に 実 施 す る こ と で す 。そ の た め に は 民 間 、行 政 、警 察 が そ れ ぞ れ の 役 割 分 担 の も と で 連 携 し て 実 施 す る こ と に よ り 、は じ め て 効 果 が 得 ら れ る も の と 考 え ま す 。 こ の う ち 、「 違 法 駐 車 の 取 締 り 」 に つ い て は 、 平 成 18 年 6 月 よ り新たな取締りが開始されました。 総合駐車対策マニュアルは、行政が主体となって対策を講ずべき、 「 駐 車 需 要 に 応 じ た 駐 車 場 の 整 備 」、 「駐車場利用を促進する有効活用 策」を対象とします。 違 法 駐 車 の 取 締 り と と も に 、総 合 的 な 駐 車 対 策 を 推 進 し 、路 上 駐 車 の削減を目指します。 路上駐車問題 駐車場整備は進んでいるが、 路 上 駐 車 の問 題 は存 在 多様化した 駐車問題 平日の平均利用率は 4割 程 度 駐車モラル の欠 如 総 合 的 な対 策 の必 要 性 地 区 特 性 に応 じた 駐 車 問 題 への対 応 駐 車 需 要 に応 じた 駐 車 場 の整 備 駐 車 場 への 案 内 誘 導 の充 実 など 駐車場利用を促進する 有効活用策 駐車場の 利 用 意 識 の向 上 新 たな違 法 駐 車 の取 締 り 総 合 的 な 駐 車 対 策 に よ る 路 上 駐 車 の 削 減 1 2 駐車問題の現状 平 成 3 年 度 の「 駐 車 施 設 対 策 の 基 本 方 針 」策 定 後 、都 内 の 駐 車 場 整 備 は 着 実 に 進 み ま し た ( 図 ① )。 そ の 結 果 、 平 成 2 年 度 に は 約 2 3 万 台 あ っ た 都 内 の 瞬 間 路 上 駐 車 台 数 も 平 成 17 年 度 に は 約 1 2 万 台 ま で 減 少 し ま し た ( 図 ② )。 さ ら に 、 平 成 18 年 6 月 か ら は 新 た な 違 法 駐 車 の 取 締 り が 実 施 さ れ 、路 上 駐 車 の 削 減 が 一 層 期 待 さ れ る と こ ろ で す 。 し か し 、依 然 と し て 路 上 駐 車 の 実 態 が あ る と い う 状 況 や 都 区 部 に お け る 駐 車 場 利 用 率 が 平 日 で 4 割 程 度 で あ る こ と( 図 ③ )を 踏 ま え る と 、 駐 車 場 整 備 と 取 締 り の 実 施 に 併 せ て 、駐 車 場 を 有 効 に 活 用 す る 対 策 の 実施が必要と考えられます。 図① 千 平成 3 年度以降の駐車場整備台数の推移 平成 3 年度 平 成 17 年 度 約 38 万 7000 台 約 67 万 8000 台 (台) 700 600 500 400 300 200 325 357 379 393 49 13 H3 50 13 H4 55 14 H5 57 14 H6 417 431 446 457 470 488 56 15 H7 56 15 H8 61 15 H9 66 15 H10 70 17 H11 79 17 H12 100 0 503 520 531 542 558 90 17 H13 92 18 H14 94 18 H15 96 18 H16 102 18 H17 (年度) 都市計画駐車場 届出駐車場 附置義務駐車場 出典:自動車駐車場年報より東京都作成 駐車場整備台数は、 都 市 計 画 駐 車 場 +届 出 駐 車 場 ※ +附 置 義 務 駐 車 場 の 合 計 ※ 届 出 駐 車 場 ・・・一 般 公 共 駐 車 場 で 、駐 車 の 用 に 供 す る 部 分 の 面 積 が 500 ㎡ 以 上 で あ る も の の う ち 、料 金 を 徴 収 す るもの 2 図② 都内における瞬間路上駐車台数の推移 平成 2 年度 平 成 17 年 度 約23万台 約12万台 250 ◆◇東京都内 瞬間路上駐車台数◇◆ 平成17年 119,012台 うち違法車両 97,591台 200 違法 合法 単 150 位 千 100 台 50 0 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 出典:警視庁交通部資料より東京都作成 図③ 昼 間 時 間 帯 ( ピ ー ク 時 ) の 駐 車 場 利 用 率 の 推 移 ( 23 区 ) 都区部における駐車場利用率 (%) 80 70 70 60 50 60 56 44 43 42 平日 休日 40 30 20 10 0 H9 H14 H17 出典:路上駐車実態調査報告書より東京都作成 ( 平 成 18 年 3月 (財 ) 東 京 都 道 路 整 備 保 全 公 社 ) 3 < 参 考 > 平 成 18 年 6 月 の 新 た な 駐 車 対 策 法 制 施 行 後 の 状 況 ①【放置駐車および交通渋滞の状況】 出典:警視庁交通部資料より東京都作成 (台) 1200 1000 放 800 置 駐 600 車 台 数 400 -777台 (-73.9%) 1,051 -326台 (-51.4%) 634 200 308 274 0 主要10路線 新宿・渋谷地区 施行前(平成18年5月24日) * 施行後(平成18年8月23日) 主 要 10 路 線( 永 代 通 り 、江 戸 通 り 、春 日 通 り 、京 葉 道 路 、新 宿 通 り 、 中央通り、晴海通り、明治通り、六本木通り、外苑東通り) * 放 置 駐 車 と は 、車 両 等 が 停 止 し 、か つ 、当 該 車 両 等 の 運 転 を す る こ と ができない状態にあるものをいう。 * 調査時間 午後 2 時∼4 時。 ②【駐車場利用状況の変化】 出 典 :( 社 ) 東 京 駐 車 協 会 資 料 よ り 東 京 都 作 成 (千台) 2500 (1.10倍) 駐 車 2000 場 利 用 台 1500 数 1000 2,477 2,260 平成17年6月∼8月 平成18年6月∼8月 調査期間 東京地区 対象駐車場数 4 70 場 3 多様化している駐車問題 都 内 で は 、乗 用 車 の 路 上 駐 車 以 外 に も 、荷 さ ば き 車 両 や 自 動 二 輪 車 、 観 光 バ ス の 路 上 駐 車 や 客 待 ち タ ク シ ー の 増 加 な ど 、さ ま ざ ま な 駐 車 問 題が発生しています。 乗 用 車 に 対 す る 取 り 組 み の み な ら ず 、多 様 化 し て い る 駐 車 問 題 に 対 する取り組みも合わせて実施することが必要です。 <自動二輪車の路上駐車> <荷さばき車両の路上駐車> <客待ちタクシーの待機列> <観光バスの路上駐車> 5 4 東京都の駐車対策の取り組み 都 は こ れ ま で に 、東 京 都 駐 車 場 条 例 の 改 正 に よ る 荷 さ ば き 駐 車 施 設 の 附 置 義 務 化 や 、「 ス ム ー ズ 東 京 2 1 」 お よ び 「 ス ム ー ズ 東 京 2 1 − 拡 大 作 戦 − 」 に よ る 集 中 的 な 渋 滞 対 策 、「 s-park」( 東 京 都 道 路 整 備 保 全 公 社 )に よ る 駐 車 場 検 索 シ ス テ ム 、I T カ ー ナ ビ に よ る 駐 車 場 案 内誘導などの駐車対策を実施してきました。 ス ム ー ズ 東 京 21 に お け る 主 な 取 り 組 み < 赤 系 カ ラ ー 舗 装 に よ る 駐 停 車 禁 止 区 間 の 明 示 >C <駐車抑止テレビシステム> <交通指導員の配置> <荷おろし停車区画の整備> 6 < 「 s-park」 の TOP 画 面 > 「 s-park」は 、都 内 約 4,500 箇 所 の 駐 車 場 と そ の う ち 約 900 箇 所 の 空 き 状 況 をインターネット、携帯電話などで検索できる日本で初めてのシステムです。 ( 平 成 18 年 3 月 末 現 在 の 箇 所 数 ) < IT カ ー ナ ビ に よ る 駐 車 場 案 内 誘 導 イ メ ー ジ > 「 IT カ ー ナ ビ 」は 双 方 向 通 信 機 能 を 有 す る カ ー ナ ビ を 用 い て 、駐 車 料 金 や 車 両 サイズ等、ドライバーの希望に応じた駐車場に案内誘導するシステムです。 駐車料金・車両サイズ等に応じた カーナビ機能により、 駐車場の抽出・表示 駐車場までの経路案内 駐車場満空情報の表示 7 第2章 1 総合駐車対策の基本的な考え方 駐車問題に対する基本的考え方 (1)都市活動を活性化させる交通環境の確保 近 年 の 道 路 上 に お け る 駐 車 需 要 は 、乗 用 車 の み な ら ず 、自 動 二 輪 車 、 荷 さ ば き 車 両 、客 待 ち タ ク シ ー 等 さ ま ざ ま な 路 上 駐 車 を 発 生 さ せ て い ます。 こ の よ う な 路 上 駐 車 は 、車 両 の 円 滑 な 走 行 を 阻 害 す る ば か り で な く 、 都 市 活 動 を 低 下 さ せ 、大 気 汚 染 や CO₂の 増 加 、歩 行 空 間 の 削 減 、交 通 事 故 の 増 加 等 、都 市 に お け る 交 通 環 境 を 悪 化 さ せ る 原 因 と な っ て い ま す。 現 在 の 社 会 に お い て は 、道 路 は 重 要 な 都 市 基 盤 施 設 で あ り 、そ の 改 善 は 都 市 活 動 を よ り 活 性 化 さ せ る と 考 え ら れ ま す 。そ の た め 、都 市 に おける駐車施設を充実させることにより、円滑な都市活動を保全し、 安全で快適な交通環境を確保することが重要です。 (2)駐車需要に応じた駐車場の整備 駐 車 需 要 に 対 し 、供 給 量 が 不 足 し て い る 地 区 で は 、こ れ ま で 同 様 に 駐車場の整備を着実に進めることが必要です。しかしながら、単に、 台 数 を 確 保 す る だ け の 整 備 を 行 っ て も 、駐 車 場 の 利 用 は 見 込 め ず 、ド ライバーの駐車行動に応じた駐車場整備が必要です。 ド ラ イ バ ー の 駐 車 行 動 は 、そ の 目 的・地 区 の 特 性 に よ っ て 異 な る と 考 え ら れ る こ と か ら 、駐 車 需 要 や 地 区 特 性 を 的 確 に 捉 え 、整 備 場 所 や 駐 車 場 の サ ー ビ ス 条 件 に 反 映 さ せ 、利 用 し や す い 駐 車 場 を 効 率 的 に 整 備することが重要です。 な お 、短 時 間 の 停 車 の た め の ス ペ ー ス は 、基 本 的 に は 道 路 も 有 す べ き機能として、道路整備に際し確保していくことも必要です。 (3)駐車場の整備から活用へ 都 市 に お け る 道 路 交 通 機 能 を 向 上 さ せ る た め に 、道 路 や 駐 車 場 の 整 備 が 行 わ れ て き ま し た 。そ の 結 果 、路 上 駐 車 台 数 の 削 減 等 に お い て 一 定の成果をあげています。 し か し な が ら 、駐 車 場 の 整 備 台 数 が 平 成 3 年 以 降 着 実 に 増 加 し て い る の に 対 し 、 路 上 駐 車 台 数 は 平 成 12 年 ∼ 17 年 に か け て は ほ ぼ 横 ば 8 い で 推 移 し て い る 状 況 か ら み て 、整 備 し た 駐 車 場 が 十 分 に 活 用 さ れ て い な い と 考 え ら れ ま す 。平 成 18 年 6 月 の 新 た な 違 法 駐 車 の 取 締 り 実 施 後 に つ い て は 、路 上 駐 車 の 一 層 の 削 減 と 駐 車 場 利 用 率 の 向 上 が 期 待 さ れ ま す が 、依 然 と し て 路 上 駐 車 の 問 題 が あ る と い う 状 況 に 変 わ り は ありません。 こ の た め 駐 車 場 の 効 果 的 な 活 用 策 に 取 り 組 ま な い ま ま 、整 備 の み を 行 う こ と は 、非 効 率 で あ る ば か り か 、う ろ つ き 交 通 の 誘 発 な ど 新 た な 駐車問題を発生させる原因になると考えます。 今 後 は 、既 存 の 駐 車 場 を 最 大 限 活 用 す る た め の 、有 効 活 用 策 を 実 施 することが重要です。 (4)地域と一体となった総合的な駐車対策 路 上 駐 車 対 策 は 、「 駐 車 場 の 整 備 」、「 駐 車 場 利 用 の 促 進 」、「 違 法 駐 車の取締り」が一体的に行われて、効果が得られると考えます。 そ の た め 、駐 車 場 を 整 備 し た だ け で は 不 十 分 で あ り 、こ れ ら を 一 体 的に実施する必要があります。 平 成 18 年 6 月 か ら は 、新 た な 違 法 駐 車 の 取 締 り が 実 施 さ れ ま し た 。 路 上 駐 車 対 策 を 効 果 的 に 進 め る た め に は 、行 政 、地 元 警 察 、地 域 の 商 店 街 や 居 住 者 、交 通 事 業 者 等 が 一 体 と な っ て 取 り 組 む 必 要 が あ り ま す。 そ の た め 、行 政 が 主 体 と な り 、総 合 的 な 駐 車 対 策 を 立 案 す る と と も に 、地 域 の 協 力 体 制 を 確 立 し 、そ れ ぞ れ の 役 割 分 担 の も と で 、駐 車 対 策を実施することが重要です。 (5)駐車モラル向上のための環境づくり 違 法 駐 車 を 排 除 し 、道 路 機 能 を 回 復 す る た め 、行 政 は 、不 足 す る 施 設 に つ い て は 整 備 を 促 進 し 、ま た 、既 存 駐 車 場 に つ い て は 利 用 し や す い環境を整えていきます。 し か し な が ら 、ド ラ イ バ ー の モ ラ ル が 欠 如 し た ま ま で は 、そ の 効 果 を最大限に発揮させることができません。 ド ラ イ バ ー の モ ラ ル 向 上 の た め に は 、各 自 が 違 法 駐 車 を 生 じ さ せ て い る 立 場 と 、違 法 駐 車 に よ っ て 被 害 を 受 け る 立 場 の 両 面 を 持 ち 合 わ せ ていることを自覚することが不可欠です。 そ の た め 、交 通 指 導 員 等 に よ る 啓 発 活 動 な ど を 通 じ て 、そ の 両 面 性 を認識させるモラル向上のための環境づくりを進める必要がありま す。 9 (6)行政と民間の役割分担 駐 車 対 策 は 、行 政 と 民 間 が 適 切 な 役 割 を 果 た し 、相 互 に 連 携 協 力 し ながら進めていく必要があります。 ①民間の役割 駐 車 場 の 整 備 に つ い て は 、駐 車 需 要 を 発 生 さ せ る 原 因 者 が 自 ら 整 備 することが原則であり、民間が担うべき役割と考えます。 ま た 、駐 車 場 を 経 営 ・管 理 す る 事 業 者 に つ い て も 、ド ラ イ バ ー の 駐 車 行 動 に 応 じ た 駐 車 場 の 整 備 や 駐 車 場 の バ リ ア フ リ ー 化 、共 通 駐 車 券 などの既存駐車場の有効活用策を実施して利便性の向上を図ること が求められます。 近 年 の 駐 車 問 題 の 原 因 と な っ て い る 交 通 事 業 者 等 も 、駐 車 対 策 へ の 積極的な取り組みが必要です。 ②行政の役割 違 法 駐 車 を 排 除 し 良 好 な 交 通 環 境 を 確 保 す る た め 、公 共 性 の 高 い 駐 車 場 の 整 備 、既 存 駐 車 場 の 有 効 活 用 の 促 進 な ど 、総 合 的 な 駐 車 対 策 を 計 画・立 案 し 、駐 車 問 題 を 解 決 す る た め の 施 策 を 実 施 し て い く の が 行 政の役割です。 【都の役割】 都 は 、広 域 的 な 立 場 か ら 計 画 立 案 の た め の 方 向 性 を 示 し 、区 市 町 村 に よ る 総 合 的 な 駐 車 対 策 の 実 施 を 支 援 し て い く と と も に 、関 係 団 体 等 と 密 接 に 連 携 し 、必 要 な 駐 車 場 整 備 や 駐 車 対 策 を 推 進 し て い き ます。 ま た 、駐 車 対 策 を 実 施 す る 上 で の 必 要 な 支 援 等 に つ い て は 、今 後 も国に積極的に働きかけていきます。 【区市町村の役割】 多 様 化 し た 駐 車 問 題 は 、そ れ ぞ れ の 地 域 の 実 情 に 合 わ せ た 対 策 が 必 要 で あ り 、基 本 的 に は 区 市 町 村 が 駐 車 対 策 の 主 体 で あ る と 考 え ま す。 区 市 町 村 は 、各 地 区 の 実 情 を 十 分 に 把 握 し て 、地 元 警 察 、地 域 の 商 店 街 や 居 住 者 、交 通 事 業 者 な ど と 連 携 ・ 協 力 し な が ら 、駐 車 対 策 を実施していくことが重要です。 10 2 駐車施設対策の基本方針 (1)区市町村による総合駐車対策基本計画等の策定促進 東 京 都 は 、区 市 町 村 に よ る「 総 合 駐 車 対 策 基 本 計 画 」の 策 定 を 支 援 していきます。 ①総合駐車対策基本計画 ○ 「 総 合 駐 車 対 策 基 本 計 画 」は 、駐 車 対 策 の マ ス タ ー プ ラ ン と し て 位置付けられるものです。 ○ 「 総 合 駐 車 対 策 基 本 計 画 」で は 、多 様 化 す る 地 区 特 有 の 駐 車 問 題 に 総 合 的 に 取 り 組 む た め 、そ の 対 応 方 針 や 具 体 的 な 方 策 を 示 す こ とが重要です。 ○ 区 市 町 村 は「 総 合 駐 車 対 策 基 本 計 画 」の 策 定 時 に 、地 区 に お け る 駐 車 問 題 の 状 況 を 踏 ま え 、必 要 に 応 じ て 駐 車 場 整 備 地 区 の 指 定 や 変更の検討を行うこととします。 ②駐車場整備計画 ○ 駐 車 場 整 備 計 画 は 、駐 車 場 整 備 地 区 を 指 定 し た 区 域 に つ い て 、区 市町村に対し策定が義務付けられているものです。 ○ 東 京 都 駐 車 場 条 例 に よ る 地 区 特 性 に 応 じ た 附 置 義 務 基 準「 地 域 ル ー ル 」を 設 定 す る 場 合 は 、駐 車 場 整 備 計 画 の 策 定 が 前 提 条 件 と な ります。 ○ 自 動 二 輪 車 が 駐 車 場 法 の 対 象 と な っ た こ と か ら 、自 動 二 輪 車 駐 車 場についても駐車場整備計画に位置付ける必要があります。 ③東京都・特別区駐車場整備基金運用益の活用 ○ 都 は 総 合 的 な 駐 車 対 策 を 計 画 的 に 進 め る た め 、 (財 )東 京 都 道 路 整 備 保 全 公 社 が 実 施 す る 東 京 都・特 別 区 駐 車 場 整 備 基 金 に よ る 運 用 益 を 活 用 し た「 総 合 駐 車 対 策 」に お い て 、 各 区 の 独 自 事 業 で あ る 「総合駐車対策基本計画」の策定を支援します。 (2)駐車需要に応じた駐車場の整備 駐 車 場 が 不 足 し て い る 地 区 に つ い て は 、引 き 続 き 効 率 的 に 駐 車 場 の 整備を進める必要があります。 ①公共駐車場の整備 効 果 的 に 駐 車 場 を 整 備 す る た め に は 、行 政 と 民 間 が 協 力 し て 行 う ことが重要です。 ○ 道 路 ・ 公 園 下 等 の 公 共 空 間 を 活 用 す る と と も に 、大 規 模 な 面 整 備 事 業 、 都 市 の 再 生 な ど 都 市 機 能 の 更 新 に 合 わ せ 、効 率 的 、効 果 的 な駐車場整備を推進していきます。 11 ○ 駐 車 場 の 整 備 に あ た っ て は 、駐 車 場 の バ リ ア フ リ ー 化 な ど ド ラ イ バーの利便性を考慮するとともに東京都安全安心まちづくり条 例 に 基 づ く「 自 動 車 駐 車 場 に 関 す る 防 犯 上 の 指 針 」に も 留 意 し て 進めることとします。 ②附置義務駐車施設等の整備 ○ 駐 車 施 設 は 、基 本 的 に 原 因 者 負 担 で 整 備 す べ き も の で あ り 、駐 車 施設の附置義務化は、今後とも引き続き推進していきます。 ○ 東 京 都 駐 車 場 条 例 改 正 に よ り 、 平 成 14 年 10 月 か ら 特 定 用 途 の 延 べ 面 積 が 2,000 ㎡ を 超 え る 建 築 物 の 新 築 お よ び 増 築 等 の 際 に は、荷さばき駐車施設の附置を義務化しました。 ま た 、地 区 特 性 に 応 じ た 駐 車 問 題 に 対 応 す る た め 、独 自 の 附 置 義 務基準(地域ルール)の策定を可能としました。 ○ 自 動 二 輪 車 の 駐 車 施 設 に つ い て は 、区 市 町 村 が 地 区 の 駐 車 特 性 を 踏 ま え 、「 地 域 ル ー ル 」 を 活 用 す る な ど 附 置 に 向 け た 検 討 を 進 め ていく必要があります。 ③住宅地における駐車施設整備の促進 ○ 平 成 4 年 度 に 制 定 さ れ た「 東 京 都 集 合 住 宅 駐 車 施 設 附 置 要 綱 」に よ り 大 規 模 住 宅 地 の 駐 車 施 設 整 備 が 明 記 さ れ た こ と か ら 、住 宅 地 に お け る 駐 車 施 設 の 適 切 な 確 保 を 促 進 さ せ て い き ま す 。ま た 、開 発 事 業 者 は 、荷 さ ば き 駐 車 施 設 に つ い て も 需 要 に 応 じ 、計 画 段 階 において設置を検討していくことが必要です。 (3)既存駐車場の有効活用の促進 既 存 駐 車 場 の 有 効 活 用 を 促 進 す る た め 、駐 車 場 へ の 案 内 誘 導 な ど の 拡充を進めていきます。 ①既存駐車場の有効活用策 既存駐車場を有効に活用するためには、利用者に対する施策と駐 車場事業者側が実施する施策をあわせて進める必要があります。 ○ 利 用 者 に 対 す る 施 策 と し て は 、駐 車 料 金 や 車 の サ イ ズ 等 、利 用 者 の ニ ー ズ に 応 じ た 駐 車 場 案 内 が 不 可 欠 で す 。 都 で は 、「 s-park」 の 駐 車 場 情 報 を 活 用 し た IT カ ー ナ ビ な ど に よ る 広 域 的 な 案 内 と 駐車場案内標識による目的地近傍での案内を効果的に組み合わ せて実施することを基本とします。 ○ 従 来 の 駐 車 場 案 内 だ け で な く 、自 動 二 輪 車 駐 車 場 や 荷 さ ば き 可 能 駐車場などへの効果的な案内誘導策についても検討を進めてい きます。 ○ 駐 車 場 案 内 標 識 の デ ザ イ ン に つ い て も 統 一 を 図 り 、利 用 者 の 利 便 12 性を向上させる必要があります。 ○ 駐 車 場 事 業 者 側 で は 、地 域 全 体 の 駐 車 場 の 利 用 を 向 上 さ せ る た め 、 共通駐車券や短時間無料駐車等の施策を検討する必要がありま す。 ②既存駐車場の改善 ○ 既 存 駐 車 場 を 有 効 活 用 す る た め に は 、自 動 二 輪 車 の 受 け 入 れ や バ リ ア フ リ ー 化 に 対 応 し た 施 設 の 改 善 、ま た 駐 車 料 金 収 受 の 自 動 化 、 駐 車 場 案 内 の 高 度 化 、安 全 ・ 安 心 の 向 上 な ど を 図 る こ と が 必 要 で す。 (4)多様化している駐車問題への対応 総 合 駐 車 対 策 マ ニ ュ ア ル で は 、近 年 、顕 在 化 し て き た さ ま ざ ま な 駐 車 問 題 に 対 す る 基 本 的 な 考 え 方 を 示 し て 、対 策 の 実 施 を 促 進 し て い き ます。 ①荷さばき車両対策 ○ 荷 さ ば き は 、需 要 を 発 生 さ せ る 施 設 側 で 駐 車 施 設 を 確 保 し 、敷 地 内で行うことが原則です。 ○ 都 は 、 駐 車 場 条 例 の 改 正 に よ り 、 平 成 14 年 10 月 か ら 荷 さ ば き 駐車施設の附置を義務化しました。 ○ 一 方 、小 規 模 な 施 設 に つ い て は 、荷 さ ば き 駐 車 施 設 の 整 備 が 義 務 化 さ れ て い な い た め 、地 域 全 体 で の 取 り 組 み が 必 要 で す 。共 同 荷 さばきスペースや既存コインパーキングを活用したスペースの 確保等の取り組みを促進します。 ○ ま た 、行 政 が 管 理 す る 遊 休 の 公 共 用 地 や 道 路 の 高 架 下 な ど に つ い て も 、荷 さ ば き の た め の ス ペ ー ス と し て 、活 用 を 検 討 し て い く 必 要があります。 ②客待ちタクシー対策 ○ 駅 周 辺 等 に お い て は 、利 用 者 の 利 便 性 を 考 慮 し た 乗 車 施 設 等 、求 め ら れ る 結 節 機 能 を 確 保 す る 必 要 が あ り ま す 。そ の た め に は 、タ ク シ ー プ ー ル の 整 備 や タ ク シ ー 乗 り 場 の 明 確 化 、タ ク シ ー 待 機 場 の二列化など、機能の改善や強化を図っていくことが重要です。 ○ 行 政 は 、関 係 団 体 と 連 携 し 、タ ク シ ー 事 業 者 等 と の 役 割 分 担 を 図 りながら対策を行っていきます。 13 ③自動二輪車対策 ○ 平 成 18 年 5 月 に 駐 車 場 法 が 改 正 さ れ 、自 動 二 輪 車 が 法 の 対 象 と し て 位 置 付 け ら れ ま し た 。こ れ ま で 整 備 が 進 ま な か っ た 自 動 二 輪 車駐車場の計画的な整備が図られることとなりました。 ○ 自 動 二 輪 車 は 既 存 の 駐 車 場 に お い て 、受 け 入 れ 態 勢 が 十 分 に で き ていない状況にあります。 ○ 自 動 二 輪 車 の 駐 車 施 設 を 増 加 さ せ る た め に は 、既 存 駐 車 場 へ の 受 け 入 れ 、目 的 施 設 で の 自 動 二 輪 車 駐 車 施 設 の 確 保 、行 政 が 管 理 す る遊休の公共用地等を活用した自動二輪車駐車場の整備を促進 していく必要があります。 ○ 都 は 、今 後 も 自 動 二 輪 車 駐 車 場 の 増 加 に 向 け た 支 援 策 の 充 実 を 国 に働きかけていきます。 ④観光バス対策 ○ 観 光 バ ス は 「 機 動 性 」、「 集 団 移 動 性 」 に 優 れ て お り 、 団 体 観 光 客 の 移 動 手 段 と し て 有 効 で す 。し か し 、観 光 施 設 周 辺 に お い て バ ス 専 用 駐 車 施 設 を 併 設 し て い る と こ ろ は 少 な く 、多 く の 場 合 、目 的 施設付近の路上で観光客の乗降が行われているのが現状です。 ○ 観 光 バ ス の 駐 車 施 設 は 、観 光 の 目 的 で あ る 施 設 側 で 確 保 し 、整 備 す る こ と が 原 則 で す 。そ の た め 目 的 施 設 で あ る 大 規 模 拠 点 開 発 な ど で は 、施 設 計 画 の 段 階 で 検 討 を 行 い 、観 光 バ ス 駐 車 施 設 の 整 備 を行う必要があります。 ○ 検 討 に 当 た っ て は 、観 光 地 の 特 性 、大 規 模 開 発 に お け る 観 光 集 客 性を十分に考慮していくことが重要です。 ○ 目的施設や駅周辺の遊休地等を活用した隔地の観光バス駐車施 設について、検討する必要があります。 14 第3章 1 区市町村における総合駐車対策の展開 総合駐車対策マニュアルの活用 ○ 区市町村は「総合駐車対策基本計画」を策定するにあたって、 「総合駐車対策マニュアル」を活用します。 ○ 「 総 合 駐 車 対 策 マ ニ ュ ア ル 」は 、総 合 駐 車 対 策 の 基 本 的 な 考 え 方 と以下の3編から構成されます。 ① 駐車施設整備計画編 都市計画法および駐車場法に位置付けられている駐車場整 備 地 区 の 指 定 、変 更 お よ び 駐 車 場 整 備 計 画 を 策 定 す る 際 に 活 用する手引き ② 駐車施設有効活用編 駐 車 場 へ の 案 内 誘 導 の 高 度 化 や 共 通 駐 車 券 、短 時 間 駐 車 の 無 料化など既存駐車施設を有効に活用するための手引き ③ 総合駐車対策事例集 荷さばき車両や自動二輪車など多様化している駐車問題に 対 し て 、全 国 の 行 政 機 関 等 が 実 施 し て い る 駐 車 対 策 を 紹 介 し 、 地 区 特 有 の 駐 車 問 題 に 対 し て 、対 策 を 検 討 す る 際 に 活 用 す る 手引き 総 合 駐 車 対 策 マ ニ ュ ア ル 総合駐車対策の基本的な考え方 駐車施設整備計画編 〇駐車場整備地区 の指定 〇駐車場整備計画 ①策定フロー ②駐車実態調査 の実施 駐車施設有効活用編 〇案内誘導策 総合駐車対策事例集 〇先進事例の積極的活用. ① 「 s-park」 を 活 用 し た I T カーナビによる広域的案内誘導 ②駐車場案内標識による目的地 近傍での駐車場案内 〇その他の有効活用策 ①駐車場の有効活用策 ②案内誘導策 ③荷さばき車両対策 ④客待ちタクシー対策 ⑤自動二輪車対策 ③現状分析 ①駐車料金に関する対策 ⑥観光バス対策 ④駐車場整備計 ②駐車場の利便性向上に関する ⑦路上駐車対策 画策定 対策 ③自動二輪車、荷さばき車両への 活用策 15 2 総合駐車対策基本計画の概要 都 は 、総 合 駐 車 対 策 の 基 本 的 な 考 え 方 や 、そ の 対 策 事 例 を 取 り ま と め た「 総 合 駐 車 対 策 マ ニ ュ ア ル 」を 作 成 し 、区 市 町 村 の 総 合 駐 車 対 策 の計画づくりや実施を支援します。 《図》総合駐車対策基本計画の概要 区 市 町 村 東 京 都 「総合駐車対策マニュアル」 総合駐車対策の 基本的な考え方 総合駐車対策基本計画 ① ② ③ ④ 多様化した駐車問題への対応の方針 駐車施設の整備に関する基本的事項 駐車施設の有効活用に関する基本的事項 その他の駐車対策 ⑤ 地区別対応策の作成 駐車施設整備計画編 駐車施設有効活用編 総合駐車対策事例集 ● 駐 車 場 整 備 地 区 の 指 定・変 更 ● 駐 車 場 整 備 計 画 の 立 案・見 直 総 合 駐 車 対 策 の 実 施 16 第4章 総 合 駐 車 対 策 事 例 集 (抜粋) 施策 施策名称 開始年 共通駐車券の発行−1 平成 16 年 4 月 施策概要 <名称> ■ 丸の内パークイン・サービス券 <概要> ■ 大手町から丸の内、有楽町エリアをカバーする 17 箇所、約 3,500 台の駐車場事業者が協力し、どの 駐車場においても同じサービスを受けられる。 ■ 駐車場入り口部分に同一デザインのサインを設置することにより、利用者に対して分かりやすい案 内を行っている。 <駐車料金>(平成 18 年 11 月現在) ■ 10 分ごとに 100 円(0∼4.5 時間まで) ■ 土・日・祝日は最初の 1 時間無料 ■ 長時間サービス ・ 4 時間 30 分から 12 時間まで 2,700 円 ・ 12 時間から 16 時間まで 2,700 円+10 分ごとに 100 円 ・ 16 時間から 24 時間まで 5,000 円 <加盟店サービス>(平成 18 年 11 月現在) [共通の駐車場入り口サイン] ■ 3,000 円の買物で 1 時間サービス券 1 枚 ■ 6,000 円の買物で 1 時間サービス券 2 枚 ■ 1 店舗で 50,000 円以上の買物で 24 時間無料 ■ サービス券は 1 枚の駐車券で 2 枚まで発行 [丸の内パークイン全体図] 主体 場所または地区 三菱地所ビルマネジメント 千代田区 17 施策 施策名称 開始年 地域ルール−1(銀座地区) 平成 14 年 10 月 施策概要 <目的> ■ 区内における開発事業を対象に、東京都駐車場条例に基づき、中央区附置義務駐車施設整備要綱と して独自に地域ルールを定め、必要な指導および協力要請を行い、駐車施設を適切に確保すること により銀座のまちづくりにふさわしい駐車環境の改善を図ることを目的とする。 <概要> ■ 大型ビルに駐車場を集約、中小ビルは協力金を支払い、集約駐車場を利用する。 [事業フロー] <駐車施設の維持管理> ■ 都条例および当該要綱で確保した駐車施設は、適切に維持管理がされるよう毎年区長に報告をしな ければならない。 ■ 集約駐車場として確保された駐車施設は、事業区域または駐車場出入口などに、表示板を掲示しな ければならない。 ■ 駐車施設を譲渡または賃貸をするときは、譲渡または賃貸を受ける方に維持管理についての事項を 契約書などの事項に明示しなければならない。 ■ 駐車施設の設置場所、設置台数、建物所有者、建物管理者に変更が生じた場合は、区長に届出をし なければならない。 主体 場所または地区 中央区 銀座地区(中央区) 18 施策 施策名称 開始年 駐車場案内の高度化−4(オートバイ駐車場情報の提供) 平成 17 年 3 月 施策概要 <施策名> ■ 「s-park for riders」(自動二輪車駐車場案内サイト) <概要> ■ 平成 17 年 3 月から都内 6 箇所の自動二輪駐車場情報の提供を開始し、平成18年12月末現在の 登録駐車場数は122場、登録台数は約2900台に拡大。 主体 場所または地区 (財)東京都道路整備保全公社 東京都内 19 施策 施策名称 開始年 コインパーキングを活用した荷さばき可能駐車場の設置 平成 16 年 1 月 施策概要 <実施概要> ■ 渋滞緩和を図る「スムーズ東京21−拡大作戦−」の一環として、駐車場事業者の協力を得て、コ インパーキングに荷さばき車両を受け入れてもらう取り組みを実施。周知看板の設置や駐車場位置 のインターネット検索を実施、また貨物事業者の荷さばき需要を把握。 <実施状況> ■ 平成 15・16 年度:コインパーキング内の指定した駐車区画で、荷さばきを可能にする試行 (32 駐車場)。 ■ 平成 17 年度:コインパーキング内のどの駐車区画でも荷さばきを可能にする試行(10 駐車場)。 ■ 平成 18 年度:荷さばき可能駐車場を都内全域に拡大。 <駐車場入り口付近に設置する看板> <看板設置状況> 荷さばき可能 この駐車場は、荷さばき対策協力駐車場です。 東京都・警視庁 駐車場の管理規程にしたがって、 ご利用ください。 < 荷 さ ば き 活 用 例 > 主体 場所または地区 東京都 都内全域 20 施策 施策名称 開始年 道路高架下を活用した荷物積み替え施設の開設 平成 17 年 3 月 施策概要 <実施概要> ■ 大型トラックから小型トラックへの荷物の積み替えのため、道路高架下などの未利用地を活用して 荷物積み替え施設を設置する。 <開設の目的> ■ 道路高架下の未利用地の有効活用。 ■ 都の TDM 施策の一環としての交通渋滞対策。 ■ 排気ガス抑制など、環境問題への対策。 [板橋山手通り荷物積み替えステーション] 資料:東京都ホームページ [大曲荷物積み替えステーション] 資料:JPO ニュース No50(2006 年春号) 主体 場所または地区 (財)東京都道路整備保全公社 板橋山手通り(板橋区) 、大曲(新宿区) 21 施策 施策名称 開始年 隔地タクシープールの設置−1 平成 16 年 7 月 施策概要 ■ 東京都が管理する駅前の交通島を改良し、約 30 台分収容のタクシープールを設置。 ■ プール内に台数検知器および満空表示を進入路沿いに設置し、モニターによる誘導を導入。 ■ 東京都および警視庁が、タクシーセンター等タクシー業界、豊島区、関東運輸局と協力し実施。 [タクシープール全景] <実施効果> ■ 明治通りの渋滞の一因となっていたタクシーの待機列が解消した。 主体 場所または地区 東京都、警視庁 池袋駅東口 22 施策 施策名称 開始年 駐車場の一部開放−3 平成 18 年 6 月 施策概要 <施設名称> ■ UDX パーキング バイク駐車場 <施設概要> ■ 民間自動車駐車場の一部をオートバイ駐車区画にすることにより、自動二輪車の駐車需要に対応する。 <収容台数> ■ 50 台 <管理> ■ (株)駐車場綜合研究所 <営業時間> ■ 24 時間営業(バイクの駐車受付時間は 8:00∼18:00) <料金>(平成 18 年 11 月現在) ■ 2 時間貸し ■ 1 日貸し 500 円 以降 2 時間ごと 500 円加算 1,000 円(翌朝 8 時を超える毎に 1,000 円加算) ■ バイク定期 20,000 円/月(敷金 2 ヶ月) [駐車スペース] [入り口付近] 資料:(株)駐車場綜合研究所ホームページ等 主体 場所または地区 (株)駐車場綜合研究所 千代田区 23 施策 施策名称 開始年 目的施設における隔地観光バス駐車場の整備 平成 15 年 施策概要 [六本木ヒルズ内観光バス専用車寄せ] <施設名称> ■ 六本木ヒルズバス駐車場 <収容台数> [隔地駐車場にて待機中の観光バス] ■ 10 台:六本木ヒルズより、車で約 10 分のところに隔地駐車場を整備(港区元麻布 1 丁目)。 <営業時間> ■ 9:00∼21:00(最終入場 19:00 まで) <料金>(平成 18 年 11 月現在) ■ 3,000 円/1 台あたり 1 回 <課題等> ■ 申込み用紙に必要事項を記入の上、前日の 17:00 までに FAX で申込み。 ■ 混雑時などは利用できない場合もある。 主体 場所または地区 六本木ヒルズ 港区 24 ― 総合的な駐車対策の推進に向けて ― ○民間事業者等との連携 路上駐車問題を解決するためには、 「 駐 車 場 の 整 備 」、 「駐車場利用の促 進 」、「 違 法 駐 車 の 取 締 り 」 を 一 体 的 に 実 施 す る こ と に よ り 、 は じ め て 効 果が得られるものと考えます。 そのため、都は、民間事業者や区市町村等と連携し、駐車需要に応じ た駐車場の整備や案内誘導などによる駐車場の有効活用の促進に一層努 めていきます。 ○区市町村への支援 多様化する駐車問題に的確に対応していくためには、地域の駐車実態 を 確 実 に 捉 え 、地 域 の 実 情 に 応 じ た 対 策 を 講 じ て い く こ と が 重 要 で あ り 、 区市町村による駐車対策の取り組み促進が不可欠です。 都は、引き続き先進的な駐車対策の取り組みを進め、区市町村に示し て い く と と も に 、区 市 町 村 の 取 り 組 み を 促 進 す る た め の「 行 政 連 絡 会 議 」 の 設 置 を 提 案 し て い き ま す 。ま た 、 「 総 合 駐 車 対 策 基 本 計 画 」や「 駐 車 場 整 備 計 画 」の 策 定 な ど に 向 け て 、区 市 町 村 を 積 極 的 に 支 援 し て い き ま す 。 ○駐車問題を取り巻く変化への的確な対応 今後も路上駐車問題を取り巻く状況の変化が予想されます。 また、IT技術を活用した効率的な駐車場の管理運営など、新たな取 り組みが進められることも考えらます。 都 は 、今 後 の こ う し た 状 況 の 変 化 を 的 確 に 捉 え 、 「総合駐車対策マニュ アル」の充実などを適宜行い、実効性のある対策を推進していきます。 25 総合駐車対策マニュアル(概要版) 平 成 19 年 1 月 発 行 登 録 番 号 ( 18) 90 編集・発行 東京都都市整備局都市基盤部交通企画課 東京都新宿区西新宿二丁目 8 番 1 号 電話 03( 5388) 3286 印刷 東 京 都 世 田 谷 区 世 田 谷 一 丁 目 24 番 7 号 有限会社 電話 雄久社 03( 5451) 7030 26